JP2006144664A - V型エンジンの主軸受構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 設計の自由度を増大しながらも、V型エンジンの運転中に加わる引張荷重によるシリンダブロックのブロックスカート部の変形を抑制することのできるV型エンジンの主軸受構造を提供する。
【解決手段】 V型エンジンのキャップ受入凹部6が形成された軸受部5を有するシリンダブロック1と、キャップ受入凹部6に嵌合されるクランクキャップ10と、シリンダブロック1の軸受部5にクランクキャップ10を締結する取付ボルト15とを備える。軸受部5にクランクキャップ10によりクランクシャフト14を支持する。クランクキャップ10の側面と、シリンダブロック1のブロックスカート部4の内壁面4aとの間に、クランクキャップ10の嵌合方向への圧入による摩擦抵抗によってクランクキャップ10とブロックスカート部4とを結合する圧入結合手段20を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、V型エンジンの主軸受構造に関する。
V型エンジンの主軸受構造の従来例について述べる。図11に示すように、V型エンジンのシリンダブロック101の上部には、左右の両シリンダ部102,103がV型状に配列されている。また、シリンダブロック101の下部には、左右の両ブロックスカート部104が左右対称状に形成されている。両ブロックスカート部104の相互間には、軸受部105が形成されている。軸受部105には、下方に開口するキャップ受入凹部106が形成されている。キャップ受入凹部106の中央部には、下方に開口するほぼ半円形状の軸受溝108が形成されている。軸受溝108の内周面には、ほぼ半円形板状のメタルベアリング109が装着されている。
前記シリンダブロック101の軸受部105のキャップ受入凹部106には、クランクキャップ110の上端部が嵌合されている。クランクキャップ110には、シリンダブロック101の軸受部105に形成された軸受溝108と対応しかつ上方に開口するほぼ半円形状の軸受溝112が形成されている。この軸受溝112の内周面には、ほぼ半円形板状のメタルベアリング113が装着されている。そして、シリンダブロック101の軸受部105とクランクキャップ110との間には、両メタルベアリング109,113を介して、主軸に相当するクランクシャフト114が回転可能に支持されている。
前記シリンダブロック101の軸受部105と前記クランクキャップ110とは、左右の取付ボルト115によって嵌合方向(図11において上下方向)に関して締結されている。取付ボルト115(詳しくは、ねじ軸部)は、クランクキャップ110に形成されたボルト挿通孔117を通して、軸受部105に形成されたねじ孔118にねじ付けられている。
前記クランクキャップ110には、前記左右の両ブロックスカート部104がタイボルト119によって側方から締結されている。タイボルト119(詳しくは、ねじ軸部)は、ブロックスカート部104に形成されたボルト挿通孔127を通して、クランクキャップ110に形成されたねじ孔128にねじ付けられている。なお、クランクキャップ110の左右両側面におけるタイボルト119の締結部位には、ブロックスカート部104の内壁面に当接する張出部111が突出されている。
なお、シリンダブロック101のブロックスカート部104をクランクキャップ110にタイボルト119によって締結する構造は、例えば特許文献1に開示されている。
特開平11−132103号公報
ところで、V型エンジンの運転時には、各燃焼室内での爆発による爆発荷重Fが、ピストン、コンロッド、クランクシャフト114を介してクランクキャップ110に伝達される。この場合、V型エンジンは、複数のシリンダ部がV型状に配列されているため、クランクキャップ110に伝達される各シリンダ部102,103からの爆発荷重Fは、クランクシャフト114の軸心114Pを通って斜め下方に向けて作用する。例えば、右側のシリンダ部103の爆発荷重F(符号、(1)を付記する。)は、クランクシャフト114の軸心114Pを通って左斜め下方に向けて作用する。また、左側のシリンダ部102の爆発荷重F(符号、(2)を付記する。)は、クランクシャフト114の軸心114Pを通って右斜め下方に向けて作用する。
そのため、シリンダブロック101の軸受部105とクランクキャップ110との嵌合部分には、次のような現象が発生する。例えば、図12において、爆発荷重F(1)が、クランクシャフト114の軸心114Pを通って左斜め下方に向けて作用すると、クランクキャップ110が軸心114Pを中心として傾こうとする(図12中、二点鎖線110参照)。これにともない、両ブロックスカート部104も変形を生じる。特に、右側のブロックスカート部104は押し拡げられるように変形(図12中、二点鎖線104参照)し、該キャップ受入凹部106の右上隅角部126には引張応力が発生する。エンジンの運転を続けると、キャップ受入凹部106の右上隅角部126に引張応力が断続的に作用することによって、この部位が破断し、ヒビが入る恐れがあった。また、爆発荷重F(2)が、クランクシャフト114の軸心114Pを通って右斜め下方に向けて作用する場合(図11参照)も、前記と同様に、キャップ受入凹部106の左上隅角部125に引張応力が集中することによって、この部位が破断し、ヒビが入る恐れがあった。
そこで、従来では、シリンダブロック101のブロックスカート部104をタイボルト119によってクランクキャップ110に締結する、「タイボルト構造」が採用されている(図11参照)。このタイボルト構造により、シリンダブロック101のブロックスカト部104の変形が抑制され、キャップ受入凹部106の隅角部に作用する応力が緩和される。
しかしながら、従来のタイボルト構造によると、タイボルト119をシリンダブロック101のブロックスカート部104の外側方から締結しなければならない。このため、ブロックスカート部104に対するタイボルト119の組付性、及び、エンジンの周辺部品(例えば、四輪駆動車のトランスファ、ディーゼルエンジンのターボユニット等)に対するタイボルト119の干渉の回避にかかる制約を受けることから、設計の自由度を狭めるという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、設計の自由度を確保しながらも、V型エンジンの運転中に加わる引張荷重によるシリンダブロックのブロックスカート部の変形を抑制することのできるV型エンジンの主軸受構造を提供することにある。
前記した課題は、特許請求の範囲の欄に記載された構成を要旨とするV型エンジンの主軸受構造により解決することができる。
すなわち、特許請求の範囲の請求項1にかかるV型エンジンの主軸受構造によると、クランクキャップの側面と、その側面に対応するシリンダブロックのブロックスカート部とが、圧入結合手段によって、クランクキャップの嵌合方向への圧入による摩擦抵抗によって結合されている。
このため、V型エンジンの運転中に加わる引張荷重によるシリンダブロックのブロックスカート部の変形を抑制することができ、キャップ受入凹部の隅角部に作用する応力を低減することができる。
また、圧入結合手段によると、従来のタイボルト構造に比べて、組付性、及び、エンジンの周辺部品に対する干渉等による制約をほとんど受けないため、設計の自由度を増大することができる。
また、特許請求の範囲の請求項2にかかるV型エンジンの主軸受構造によると、圧入結合手段が、クランクキャップの側面における嵌合側先端部と、その嵌合側先端部に対応しかつキャップ受入凹部の隅角部を形成するブロックスカート部との間に設けられている。このため、V型エンジンの運転中に加わる引張荷重が作用するクランクキャップの隅角部において、その引張荷重によるブロックスカート部の変形を直接的に抑制することができる。
また、特許請求の範囲の請求項3にかかるV型エンジンの主軸受構造によると、圧入結合手段が、クランクキャップの側面とブロックスカート部との間に沿って該クランクキャップの側面の1/2の長さ以上にわたって設けられている。このため、V型エンジンの運転中に加わる引張荷重によるブロックスカート部の変形を効果的に抑制することができ、キャップ受入凹部の隅角部に作用する応力を効果的に低減することができる。
また、特許請求の範囲の請求項4にかかるV型エンジンの主軸受構造によると、圧入結合手段が、クランクキャップとブロックスカート部とのいずれか一方の部材に設けられかつ該クランクキャップの嵌合方向に沿って延びる凸条部と、他方の部材に設けられかつ凸条部を圧入可能な凹溝部とにより構成されている。このため、クランクキャップの嵌合方向への凸条部と凹溝部との圧入による摩擦抵抗によって、クランクキャップとブロックスカート部とを結合することができる。
すなわち、本発明のV型エンジンの主軸受構造によれば、設計の自由度を増大しながらも、V型エンジンの運転中に加わる引張荷重によるシリンダブロックのブロックスカート部の変形を抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について実施例を参照して説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1を図面にしたがって説明する。なお、説明の都合上、図1の上下左右に順じて方位を定め、図1の紙面表方を前方、図1の紙面裏方を後方とする。
図1に示すように、V型エンジンのシリンダブロック1は、例えば鋳鉄製、アルミニウム合金製である。シリンダブロック1の上部には、左右の両シリンダ部2,3がほぼV型状に配列されている。また、シリンダブロック1の下部には、左右の両ブロックスカート部4が左右対称状に形成されている。両ブロックスカート部4の下側には、周知のとおり、図示しないクランクケース及びオイルパン等が固定される。
前記両ブロックスカート部4の上部相互間には、板状をなしかつその板厚方向を前後方向とする軸受部5が形成されている。軸受部5の下端部には、下方に開口するほぼ四角形状のキャップ受入凹部6が形成されている。図3に示すように、キャップ受入凹部6は、対向する内側面6aと、その凹部6の天井面を形成する凹底面6bとを有している。キャップ受入凹部6の内側面6aを形成している軸受部5の両側部7の下端面7aは、キャップ受入凹部6の内側面6aの下端から隣接するブロックスカート部4の内壁面4aに向かって次第に下降する傾斜面に形成されている。また、キャップ受入凹部6の凹底面6bの中央部には、下方に開口するほぼ半円形状の軸受溝8が形成されている。軸受溝8内には、ほぼ半円形板状のメタルベアリング9が装着されている。なお、軸受部5は、シリンダブロック1の下部に対して、後述するクランクシャフト14の軸方向(図1において紙面表裏方向)に所定間隔を隔てて平行状に複数並設されている。
図1に示すように、前記軸受部5のキャップ受入凹部6には、板状をなしかつその板厚方向を前後方向とするほぼ四角形板状のクランクキャップ10の上端部が密に嵌合されている。クランクキャップ10は、例えば鋳鉄製で、ベアリングキャップとも呼ばれるものである。クランクキャップ10の上端部の両側面10aは、キャップ受入凹部6の両内側面6aに面接触状に当接されている。また、クランクキャップ10の上端面10bは、キャップ受入凹部6の凹底面6bに対して面接触状に当接されている。クランクキャップ10の上端面10bには、前記軸受部5に形成された軸受溝8と対応しかつ上方に開口するほぼ半円形状の軸受溝12が形成されている(図3参照)。
図1に示すように、軸受溝12内には、ほぼ半円形板状のメタルベアリング13が装着されている。メタルベアリング13は、軸受部5の軸受溝8内のメタルベアリング13と協働して円環状のベアリングを構成している。両メタルベアリング9,13内には、主軸に相当するクランクシャフト(詳しくは、ジャーナル部)14が回転可能に支持されている。
前記キャップ受入凹部6に前記クランクキャップ10を嵌合させた状態で、前記シリンダブロック1の軸受部5に該クランクキャップ10が左右2本の取付ボルト15によって嵌合方向に関して締結されている。取付ボルト15(詳しくは、ねじ軸部)は、クランクキャップ10に形成されたボルト挿通孔17を通して、軸受部5に形成されたねじ孔18にねじ付けられている(図3参照)。
前記シリンダブロック1の左右の両ブロックスカート部4と前記クランクキャップ10の両側面とは、次に述べる左右の圧入結合手段20によって結合されている。なお、図1及び図2に示すように、左右の圧入結合手段20は左右対称状に設けられているため、右側の圧入結合手段20について説明することにし、左側の圧入結合手段20についてはその説明を省略する。
図1及び図2に示すように、圧入結合手段20は、前記クランクキャップ10の右側面に形成された連結部21と、前記シリンダブロック1のブロックスカート部4の内壁面4aに突出された凸条部24とにより構成されている(図3参照)。
図5に示すように、クランクキャップ10の連結部21は、該クランクキャップ10の右側面のほぼ下半部に対して台形形状に突出されている。連結部21の上面21aは、前記シリンダブロック1の右側部7の下端面7aに平行状に対面する傾斜面に形成されている(図1参照)。また、連結部21の先端面21bは、前記シリンダブロック1のブロックスカート部4の内壁面4aに平行状に対面する平坦面で形成されている(図2参照)。また、連結部21の下面(符号省略)は、クランクキャップ10の下端面10cと同一面をなしている(図1参照)。
図5に示すように、前記クランクキャップ10の連結部21には、クランクキャップ10の嵌合方向すなわち上下方向に沿って延びる四角形溝状の凹溝部22が形成されている。凹溝部22の形成により、連結部21が、前側の溝壁面22bを有する連結片23aと、後側の溝壁面22cを有する連結片23bとに分割されている。凹溝部22は、所定の溝幅22wで形成されている。凹溝部22の溝底面22aは、クランクキャップ10の上端部の両側面10aと同一面をなしている。なお、凹溝部22の溝幅22wは、例えば、両連結片23a,23bの各肉厚23tよりも大きく、その両肉厚23tの合計寸法よりも少し小さい程度の寸法に設定されている。
図4に示すように、前記凸条部24は、前記クランクキャップ10の嵌合方向すなわち上下方向に沿って延びる帯板状に形成されている。凸条部24は、前記軸受部5の両側部7の下端面7aに対してその下端面7aの前後方向の中央部において連続している。凸条部24の側端面24a(図4参照)は、軸受部5のキャップ受入凹部6の右側面6aと同一面をなしており、クランクキャップ10の前記連結部21の凹溝部22の溝底面22a(図5参照)に面接触状に当接可能に形成されている(図2参照)。
また、図4に示すように、凸条部24は、前記右側のブロックスカート部4の内壁面4aに対して突出量24xをもって突出されている。凸条部24の突出量24xは、前記クランクキャップ10の連結部21の凹溝部22の溝深さすなわち側面10aに対する連結部21の突出量22d(図5参照)よりも少し大きい寸法に設定されている。また、図4に示すように、凸条部24の前側面24bと後側面24cとの間の肉厚24tは、前記凹溝部22の溝幅22w(図5参照)を考慮して、該凹溝部22に対して圧入によって結合可能な寸法に設定されている。
前記ブロックスカート部4の凸条部24とクランクキャップ10の連結部21の凹溝部22とは、前記シリンダブロック1の軸受部5のキャップ受入凹部6に対して、その下方から前記クランクキャップ10が嵌合されるときに嵌合すなわち圧入される。これにより、図2に示すように、ブロックスカート部4の凸条部24の前側面24b(図4参照)と、連結部21の前側の連結片23aの溝壁面22b(図5参照)とが、圧入による摩擦抵抗によって面接触状に結合される。また、ブロックスカート部4の凸条部24の後側面24c(図4参照)と、連結部21の後側の連結片23bの溝壁面22c(図5参照)とが、圧入による摩擦抵抗によって面接触状に結合される。
このようにして、ブロックスカート部4の凸条部24と、クランクキャップ10の連結部21とが圧入による摩擦抵抗によって面接触状に結合される。また、凸条部24の側端面24a(図4参照)と連結部21の凹溝部22の溝底面22a(図5参照)とが面接触状に当接する(図2参照)。また、凸条部24の下端面24dとクランクキャップ10の下端面10cとが、ほぼ同一面に位置する(図1参照)。なお、凸条部24と凹溝部22とは、シリンダブロック1がアルミニウム合金製の場合は、熱膨張差を利用して圧入することができる。また、エンジンの運転時すなわち高温時のシリンダブロック1及びクランクキャップ10の熱膨張状態、及び、エンジンの冷間時のシリンダブロック1及びクランクキャップ10の熱収縮状態にかかわらず、ブロックスカート部4の凸条部24と、クランクキャップ10の連結部21とが圧入による摩擦抵抗によって面接触状に結合されるものである。
ところで、V型エンジンの運転時には、各燃焼室内での爆発による爆発荷重F(図1参照)が、ピストン、コンロッド、クランクシャフト14を介してクランクキャップ10に伝達される。これにより、クランクキャップ10の上隅角部を嵌合しているシリンダブロック1の軸受部5におけるキャップ受入凹部6の左右の両隅角部25(図1参照)に引張応力が集中する。
しかして、シリンダブロック1のブロックスカート部4とクランクキャップ10とが、圧入結合手段20の圧入による摩擦抵抗によって結合されている(図1及び図2参照)。これにより、シリンダブロック1の軸受部5におけるキャップ受入凹部6の各隅角部25に引張応力が集中することによる各ブロックスカート部4の変形が抑制され、そのキャップ受入凹部6の各隅角部25に作用する引張応力を緩和することができる。
上記したV型エンジンの主軸受構造によると、前にも述べたように、クランクキャップ10の側面と、その側面に対応するシリンダブロック1のブロックスカート部4とが、圧入結合手段20によって、クランクキャップ10の嵌合方向(図1において上下方向)への圧入による摩擦抵抗によって結合されている。このため、V型エンジンの運転中に加わる引張荷重によるシリンダブロック1の各ブロックスカート部4の変形(図12中、二点鎖線104参照。)を抑制することができ、キャップ受入凹部6の各隅角部25に作用する応力を低減することができる。
また、圧入結合手段20によると、従来のタイボルト構造(図11参照)に比べて、組付性、及び、エンジンの周辺部品に対する干渉等による制約をほとんど受けないため、設計の自由度を確保することができる。
また、圧入結合手段20が、ブロックスカート部4に設けられかつクランクキャップ10の嵌合方向に沿って延びる凸条部24(図4参照)と、クランクキャップ10に設けられかつ凸条部24を圧入可能な凹溝部22(図5参照)とにより構成されている(図1及び図2参照)。このため、クランクキャップ10の嵌合方向(図1において上下方向)への凸条部24と凹溝部22との圧入による摩擦抵抗によって、クランクキャップ10とブロックスカート部4とを結合することができる。
[実施例2]
本発明の実施例2について説明する。なお、本実施例及び以降の実施例は、前記実施例1の一部に変更を加えたものであるので、重複する説明は省略し、変更部分について説明する。
本実施例は、図6に示すように、前記実施例1における圧入結合手段20を、シリンダブロック1の軸受部5におけるキャップ受入凹部6の隅角部25の近くに形成したものである。すなわち、クランクキャップ10の凹溝部22を有する連結部21を該クランクキャップ10の側面の上端部に形成し、その連結部21に対応するように、ブロックスカート部4の内壁面4aに凸条部24を形成したものである。この場合、凸条部24は、前記実施例1におけるキャップ受入凹部6の内側面6aを形成する軸受部5の側部7としての機能を兼ねており、キャップ受入凹部6の隅角部25を形成するものである。また、クランクキャップ10の側面10aの上端部は、本明細書でいう「クランクキャップの側面の嵌合側先端部」に相当する。
本実施例によると、凸条部24と凹溝部22とにより構成される圧入結合手段20が、クランクキャップ10の側面における嵌合側先端部である上端部と、その上端部に対応しかつキャップ受入凹部6の隅角部25を形成するブロックスカート部4との間に設けられている。このため、V型エンジンの運転中に加わる引張荷重が作用するクランクキャップ10の隅角部において、その引張荷重によるブロックスカート部4の変形を直接的に抑制することができる。
[実施例3]
本発明の実施例3について説明する。本実施例は、図7に示すように、前記実施例2におけるクランクキャップ10の連結部21を下方へ延出することにより、該連結部21の下端面が該クランクキャップ10の下端面10cと同一面をなすものである。これとともに、前記実施例2におけるブロックスカート部4の凸条部24についても下方へ延出することにより、該凸条部24の下端面24dが該クランクキャップ10の下端面10cと同一面をなすものである。
本実施例によると、凸条部24と凹溝部22とにより構成される圧入結合手段20が、クランクキャップ10の側面とブロックスカート部4との間に沿って該クランクキャップ10の側面の全長(全高)10Lにわたって設けられている。このため、V型エンジンの運転中に加わる引張荷重によるブロックスカート部4の変形を効果的に抑制することができ、キャップ受入凹部6の隅角部25に作用する応力を効果的に低減することができる。
また、V型エンジンの運転中に加わる引張荷重によるシリンダブロック1のブロックスカート部4の変形が、シリンダブロック1のキャップ受入凹部6の隅角部25に加わる引張荷重によるものである。このことから、圧入結合手段20は、前記クランクキャップ10の上端面10bから長さ10Lの1/2の長さ以上にわたって設けられていれば、本実施例と同等の作用・効果を得ることができるものと考えられる。
[実施例4]
本発明の実施例4について説明する。本実施例は、図8に示すように、前記実施例1における圧入結合手段20の凸条部24と、凹溝部22を有する連結部21とを逆配置としたものである。すなわち、凸条部24をクランクキャップ10の側面に形成する一方、凹溝部22を有する連結部21をブロックスカート部4の内壁面4aに形成したものである。
[実施例5]
本発明の実施例5について説明する。本実施例は、図9に示すように、クランクキャップ10の側端部自体を凸条部24Aとして設定し、その凸条部24Aを圧入可能な凹溝部22Aを有する連結部21Aをブロックスカート部4の内壁面4aに形成したものである。
[実施例6]
本発明の実施例6について説明する。本実施例は、図10に示すように、前記実施例1における軸受部5とクランクキャップ10とを上下逆配置としたものである。すなわち、シリンダブロック1に形成された軸受部5に上方に開口するキャップ受入凹部6Aが形成されており、そのキャップ受入凹部6Aにその上方からクランクキャップ10を嵌合するものである。この場合も、シリンダブロック1の左右の両ブロックスカート部4A(軸受部5の両側部分が相当する。)とクランクキャップ10の両側面とは、左右の圧入結合手段20によって結合されている。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明でいうV型エンジンには、シリンダ部2,3をV型状にして所定角度ずらしてW型状に配置するW型エンジン、あるいは、その他のクランクキャップ10に対して荷重が斜め方向から作用するエンジンに幅広く適用することができる。また、前記実施例においては、シリンダブロック1の軸受部5に対してクランクキャップ10の左右両端部を圧入結合手段20により結合するものを例示したが、シリンダブロック1の軸受部5に対してクランクキャップ10の左右両端部のうちの一端部のみを圧入結合手段20により結合することができる。また、シリンダブロック1の軸受部5に対してクランクキャップ10の左右両端部のうちの一端部を圧入結合手段20により結合し、他端部を従来のタイボルト構造によって結合することができる。また、圧入結合手段20は、1組の凸条部24と凹溝部22とにより構成するだけでなく、複数組の凸条部24と凹溝部22とにより構成することができる。また、複数組の凸条部24と凹溝部22とによる圧入結合手段20は、クランクキャップ10の肉厚方向に配列したり、あるいはクランクキャップ10の嵌合方向に配列したりすることができる。また、凹溝部22は、連結部21を省略して、クランクキャップ10の側面10aあるいはブロックスカート部4の内壁面4aに直接的に形成することができる。また、凸条部24は、ブロックスカート部4の内壁面4aあるいはクランクキャップ10の側面10aに突出された壁部、突起部等を介して形成することができる。
本発明の実施例1にかかるV型エンジンの主軸受構造を一部破断して示す正面図である。 図1のII−II線矢視断面図である。 V型エンジンの主軸受構造の構成部品を示す分解図である。 シリンダブロックのブロックスカート部を斜下方から見上げた状態で示す斜視図である。 クランクキャップの側面を斜上方から見下げた状態で示す斜視図である。 本発明の実施例2にかかるV型エンジンの主軸受構造を一部破断して示す正面図である。 本発明の実施例3にかかるV型エンジンの主軸受構造を一部破断して示す正面図である。 本発明の実施例4にかかるV型エンジンの主軸受構造を一部破断して示す正面図である。 本発明の実施例5にかかるV型エンジンの主軸受構造を一部破断して示す正面図である。 本発明の実施例6にかかるV型エンジンの主軸受構造を一部破断して示す正面図である。 従来例にかかるV型エンジンの主軸受構造を一部破断して示す正面図である。 エンジンの爆発荷重による変形状態を説明する説明図である。
符号の説明
1 シリンダブロック
4 ブロックスカート部
4a 内壁面
5 軸受部
6 キャップ受入凹部
6A キャップ受入凹部
10 クランクキャップ
14 クランクシャフト(主軸)
15 取付ボルト
20 圧入結合手段
21 連結部
21A 連結部
22 凹溝部
22A 凹溝部
24 凸条部
24A 凸条部

Claims (4)

  1. V型エンジンのキャップ受入凹部が形成された軸受部を有するシリンダブロックと、
    前記シリンダブロックの軸受部のキャップ受入凹部に嵌合されるクランクキャップと、
    前記キャップ受入凹部に前記クランクキャップを嵌合させた状態で、前記シリンダブロックの軸受部に前記クランクキャップを嵌合方向に関して締結する取付ボルトと
    を備え、
    前記シリンダブロックの軸受部に前記クランクキャップにより主軸を支持するように構成したV型エンジンの主軸受構造であって、
    前記クランクキャップの側面と、その側面に対応する前記シリンダブロックのブロックスカート部の内壁面との間に、該クランクキャップの嵌合方向への圧入による摩擦抵抗によって前記クランクキャップと前記ブロックスカート部とを結合する圧入結合手段が設けられていることを特徴とするV型エンジンの主軸受構造。
  2. 請求項1に記載のV型エンジンの主軸受構造であって、
    前記圧入結合手段が、前記クランクキャップの側面における嵌合側先端部と、その嵌合側先端部に対向する前記ブロックスカート部のキャップ受入凹部の壁面との間に設けられていることを特徴とするV型エンジンの主軸受構造。
  3. 請求項2に記載のV型エンジンの主軸受構造であって、
    前記圧入結合手段が、前記クランクキャップの側面と前記ブロックスカート部との間に沿って該クランクキャップの側面の1/2の長さ以上にわたって設けられていることを特徴とするV型エンジンの主軸受構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のV型エンジンの主軸受構造であって、
    前記圧入結合手段が、前記クランクキャップと前記ブロックスカート部とのいずれか一方の部材に設けられかつ該クランクキャップの嵌合方向に沿って延びる凸条部と、他方の部材に設けられかつ前記凸条部を圧入可能な凹溝部とにより構成されていることを特徴とするV型エンジンの主軸受構造。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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