JP4278121B2 - 内燃機関用ピストン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピストン本体のピンボス部に形成したボス穴に、ピストンピンを挿通する内周のピン穴を有する環状のブシュを圧入して成る内燃機関用ピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関用ピストンに使用される環状のブシュは、摩擦特性及び摩耗特性の良好な銅系の材料又は鉄に銅系材料をライニングした部材を使用し、外周の円形中心と内周の円形中心とを同芯にした全周均一の肉厚に形成されている。
【0003】
ところで、特にディーゼル機関用ピストンは高出力化や低燃費化の要望から軽量化が求められており、この対策として、ピストン本体の頂面からブシュ内周のピン穴の中心までの重量がピストン本体全重量の60〜70%を占めている点に着目して、このピストン本体の頂面からピン穴の中心までの寸法(コンプレッションハイト)を縮小することが望ましい。
【0004】
これには、ブシュの肉厚を薄くして、ピストン本体に形成するリング溝のうちの最下側のオイルリング溝の下面からピン穴の中心までの距離を縮小すれば良い。
【0005】
しかし、ピストン本体はアルミ系材料から成り、銅系材料又は鉄に銅系材料をライニングした部材から成るブシュよりピストン本体の方が熱膨張率が大きいため、内燃機関の稼働でピストン本体が高温になってもボス穴に対するブシュの締まり代を確保できるようにボス穴へブシュを圧入する必要があり、このため、ピストン本体の冷却でボス穴が縮径するとブシュが強く締め付けられ、上記の如くブシュを肉薄に形成すると、ブシュが座屈し易くなる。 そして、一旦座屈すると温度が上昇してもブシュは左程拡径しなくなり、高温時にピンボス部に対するブシュの締め代を確保できなくなって、ブシュが回転し、ブシュの抜けを生ずることがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の点に鑑み、ブシュの簡単な改良で、ブシュの座屈を防止しつつ、コンプレッションハイトの縮小を可能とした内燃機関用ピストンを提供することを課題としている。
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明では、ピストン本体のピンボス部に形成したボス穴に、ピストンピンを挿通する内周のピン穴を有する環状のブシュを圧入して成る内燃機関用ピストンにおいて、ボス穴の中心線に対して、ピストン本体の頂部側に位置するブシュ上部の肉厚を、ピストン本体の内周側に比しピストン本体の外周側で薄くし、且つ、ピストン本体の外周側のブシュ上部以外の部分の肉厚を、ブシュ上部の肉厚より厚肉としている。
【0008】
これによれば、ブシュ上部の肉厚がピストン本体の外周側のブシュ部分において薄くなるため、コンプレッションハイトを縮小でき、更に、ブシュ上部の肉厚がピストン本体の内周側のブシュ部分において厚くなるため、ブシュの耐座屈性も確保できる。
【0009】
また、ボス穴の中心線がピストン本体の軸線に直交する水平面に対しピストン本体の内周側から外周側に向けて下方に傾斜するように、ボス穴を形成すると共に、ブシュをボス穴に圧入した状態でピン穴の中心線が前記水平面に平行になるように、ブシュの軸線に対しピン穴の中心線を斜交させた状態でピン穴を形成すれば、ボス穴やブシュ内外周の形状を共に円筒形として上記の如く肉厚変化を付けられ、ボス穴やブシュの加工が容易になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、内燃機関用ピストンを示しており、アルミ系材料から成るピストン本体1の頂部11からスカート部12にかけての外周に、頂部11側から順に第1圧縮リング溝11aと第2圧縮リング溝11bとオイルリング溝11cとを形成し、また、スカート部12に所定の直径方向に対向する1対のピンボス部2を形成し、各ピンボス部2にボス穴21を開設して、このボス穴21に銅系材料又は鉄に銅系部材をライニングした部材から成る環状のブシュ3を圧入し、該ブシュ3の内周のピン穴30にピストンピン(図示せず)を挿通するようにしている。
【0011】
ボス穴21は、図1(B)に示す如く、その中心線がピストン本体1の軸線に直交する水平面に対し、ピストン本体1の内周側から外周側に向けて下方に所定角度θで傾斜するように、ピンボス部2に円筒形に開設されている。
【0012】
このボス穴21に圧入するブシュ3は、その外周をボス穴21より若干大きな円筒形に形成し、内周に円筒形のピン穴30を開設しているが、外周の円筒形中心線、即ち、ブシュ3の軸線に対しピン穴30の中心線が前記所定角度θで斜交するようにピン穴30を形成している。 そして、ピン穴30の中心線がピストン本体1の軸線に直交する水平面に平行になるような位相でボス穴21にブシュ3を圧入している。 尚、上記ボス穴21に中実のブシュ素材を圧入した後、ブシュ素材に、ピン穴30の中心線がブシュ素材の軸線に対し斜交して前記水平面に平行になるようにピン穴30を穴明け加工しても良い。
【0013】
上記実施形態によるブシュ3上部の肉厚は、ピストン本体1の内周側のブシュ部分3aに比してピストン本体1の外周側のブシュ部分3bで薄くなり、オイルリング溝11cの下面からピン穴30の中心までの距離を縮小して、ピストン本体1の頂面11dからピン穴30の中心までの寸法(コンプレッションハイト)を縮小することができる。 更に、内周側ブシュ部分3aの上部の肉厚が厚くなるため、ピストン本体1とブシュ3との熱膨張差によるブシュ3への強い締め付け力が作用しても、これに抗する耐座屈性を、ブシュ上部の肉厚を全長に亘って均一に薄くする物に比し向上することができる。 また、外周側ブシュ部分3bでは、上部以外の部分が上部より厚肉になるため、耐座屈性を更に向上できる。
【0014】
ところで、ブシュ上部の肉厚を本実施形態の肉厚変化と同様に形成し、ブシュ下部の肉厚を耐座屈性の強化のために均一厚肉とする非円筒形にブシュ外周を形成することも可能であるが、これでは加工が面倒になる。 しかし、本実施形態によれば、ブシュ3の外周形状及びボス穴21の形状を共に円筒形に形成できるため、ブシュ3とボス穴21の加工は容易である。
【0015】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ブシュの座屈を防止しつつ、コンプレッションハイトの縮小を可能とした内燃機関用ピストンを得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明におけるピストンの側面図、
(B)は図1(A)のIB−IB線の半断面図
【符号の説明】
1 ピストン本体 11 頂部
2 ピンボス部 21 ボス穴
3 ブシュ 30 ピン穴
Claims (2)
- ピストン本体のピンボス部に形成したボス穴に、ピストンピンを挿通する内周のピン穴を有する環状のブシュを圧入して成る内燃機関用ピストンにおいて、
ボス穴の中心線に対して、ピストン本体の頂部側に位置するブシュ上部の肉厚を、ピストン本体の内周側に比しピストン本体の外周側で薄くし、且つ、
ピストン本体の外周側のブシュ上部以外の部分の肉厚を、ブシュ上部の肉厚より厚肉とする
ことを特徴とする内燃機関用ピストン。 - ボス穴の中心線がピストン本体の軸線に直交する水平面に対しピストン本体の内周側から外周側に向けて下方に傾斜するように、ボス穴を形成すると共に、
ブシュをボス穴に圧入した状態でピン穴の中心線が前記水平面に平行になるように、ブシュの軸線に対しピン穴の中心線を斜交させた状態でピン穴を形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用ピストン。
Priority Applications (1)
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JP03848799A JP4278121B2 (ja) | 1999-02-17 | 1999-02-17 | 内燃機関用ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP03848799A JP4278121B2 (ja) | 1999-02-17 | 1999-02-17 | 内燃機関用ピストン |
Publications (2)
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JP2000240464A JP2000240464A (ja) | 2000-09-05 |
JP4278121B2 true JP4278121B2 (ja) | 2009-06-10 |
Family
ID=12526630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03848799A Expired - Fee Related JP4278121B2 (ja) | 1999-02-17 | 1999-02-17 | 内燃機関用ピストン |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4278121B2 (ja) |
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1999
- 1999-02-17 JP JP03848799A patent/JP4278121B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JP2000240464A (ja) | 2000-09-05 |
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