JP2008213751A - 防振ブッシュ付スタビライザバー及びその製造方法 - Google Patents

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廷志 久米
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Abstract

【課題】高い生産性及び耐久性と、十分な防振特性及びスティックスリップ音の発生防止効果とが、安定的に発揮され得る防振ブッシュ付スタビライザバーを提供する。
【解決手段】分割ゴム弾性体22,23とその外周面に固着された分割ブラケット36,38とを有する一対の分割構造体20,21を、分割ゴム弾性体22,23同士の間にスタビライザバー10を挟んで組み付けて、分割ゴム弾性体22,23の径方向中間部に埋設された仕切部材24,25の内側に位置する、内周面に複数の凹部が設けられた内側ゴム部32を、スタビライザバー10と仕切部材24,25との間で径方向に圧縮しつつ、一対の分割構造体20,21の各仕切部材24,25を互いに連結することにより、内側ゴム部32に予圧縮を加えた状態で、一対の分割構造体20,21をスタビライザバー10に固定して、構成した。
【選択図】図3

Description

本発明は、防振ブッシュ付スタビライザバー及びその製造方法に係り、特に、スタビライザバーを自動車等の車両のボデーやフレーム等に防振支持せしめるための防振ブッシュがスタビライザバーに取り付けられてなる防振ブッシュ付スタビライザバーの新規な構造と、かかる防振ブッシュ付スタビライザバーの有利な製造方法とに関するものである。
従来から、この種の防振ブッシュ付スタビライザバーには、軸方向に延びる内孔を備えた筒状ゴム弾性体を二分割した分割ゴム弾性体の外周面に、車体に取り付けられる剛性のブラケットを二分割した分割ブラケットが固着されてなる分割構造体の一対が、該分割ゴム弾性体同士の間でスタビライザバーを挟んで、相互に組み付けられた状態において、スタビライザバーに様々な構造において固定されてなるものが、一般に知られている。
このような従来の防振ブッシュ付スタビライザバーにあっては、一対の分割構造体のスタビライザバーへの固定構造に拘わらず、例えば、非分割構造とされた防振ブッシュがスタビライザバーに固定されてなるものに比して、防振ブッシュの筒状ゴム弾性体の内孔内へのスタビライザバーの挿通が容易で、優れた製作性が確保されるといった利点が得られる。しかしながら、その反面、一対の分割構造体のスタビライザバーへの固定構造が異なるもの毎に、下記の如き固有の問題が、それぞれ内在していた。
すなわち、例えば、下記特許文献1には、各分割構造体が、分割ゴム弾性体と、その外周面に固着された分割ブラケットと、分割ゴム弾性体の内周面に固着された、筒状金具を軸方向に分割してなる分割金具とにて構成され、かかる分割構造体の一対が、各分割金具をスタビライザバーに外嵌させて、組み付けられた状態、つまり、スタビライザバーを分割ゴム弾性体同士の間において、分割金具を介して、分割ゴム弾性体の内周面に接触するように挟んで、組み付けられた状態で、拘束バンドの如き締着部材を用いて、各分割金具をスタビライザバーに対して、直接に、相対回転不能に締着させることにより、各分割構造体をスタビライザバーに固定した防振ブッシュ付スタビライザバーが、明らかにされている。
このような構造の防振ブッシュ付スタビライザバーによれば、スタビライザバーの外周面と防振ブッシュの筒状ゴム弾性体(各分割構造体の分割ゴム弾性体)との間で、スタビライザバーの防振ブッシュに対する相対回転に起因して生ずるスティックスリップによるきしみ音や擦れ音等の異音の発生や防振特性の低下等が有利に防止され得るといった利点が得られるものの、金属製のスタビライザバーに対して、分割金具が直接に接触して、締着されているため、スタビライザバーのこじり方向への振動等に起因して、スタビライザバーにおける分割金具の締着部分に損傷が生じ、それによって、スタビライザバーの耐久性が低下する恐れがあった。
また、下記特許文献2には、分割構造体における分割ゴム弾性体の内周面に固着された分割金具の内周面に対して、薄肉のゴム被覆層が更に設けられてなる構造の防振ブッシュ付スタビライザバーが、開示されている。このような構造によれば、分割金具とスタビライザバーとの直接の接触が回避されて、上述の如きスタビライザバーの耐久性低下の問題が解消される。しかしながら、かかる文献に開示の防振ブッシュ付スタビライザバーにあっては、分割ゴム弾性体同士の間に挟まれたスタビライザバーが、各分割ゴム弾性体にて全周に亘って径方向内方に締め付けられた状態で、一対の分割構造体が、分割ブラケットにて車体に取り付けられることによって、それら各分割構造体がスタビライザバーに固定されているだけであるところから、各分割構造体(各分割ゴム弾性体)のスタビライザバーに対する固定強度が十分であるとは言えず、しかも、防振ブッシュの長期使用等によって、スタビライザバーと分割金具との間に圧縮状態で介在せしめられるゴム被覆層がヘタリを生じ、そのために、大きな捩り力が加わると、各分割ゴム弾性体とスタビライザバーとの間が離間するようになって、スティックスリップの発生を確実に抑えることが困難となるといった問題が内在していた。
一方、下記特許文献3には、分割構造体における分割ゴム弾性体の径方向中間部に、分割ゴム弾性体を径方向中間部よりも内側の部分と外側の部分とに仕切る、半割円筒状を呈する剛性の仕切部材(中間板)が埋設されて、分割ゴム弾性体が、仕切部材よりも内側の部分からなる内側ゴム部と、仕切部材よりも外側の部分からなる外側ゴム部とにて構成され、かかる分割構造体の一対が、スタビライザバーを各分割ゴム弾性体の内側ゴム部同士の間において内側ゴム部内周面に接触するように挟んで、組み付けられた状態において、内側ゴム部をスタビライザバーに接着することにより、各分割構造体をスタビライザバーに固定した防振ブッシュ付スタビライザバーが、明らかにされている。このような防振ブッシュ付スタビライザバーでは、剛性の仕切部材とスタビライザバーとの間に内側ゴム部が介在せしめられていることで、仕切部材のスタビライザバーへの接触に起因したスタビライザバーの損傷の解消が図られ、また、かかる内側ゴム部がスタビライザバーに接着されていることで、スティックスリップの発生の防止が図られている。
ところが、かくの如き従来の防振ブッシュ付スタビライザバーにあっては、通常、内側ゴム部とスタビライザバーとの接着に際して、熱硬化性の接着剤が用いられて、それら内側ゴム部とスタビライザバーとの接着されるべき部分を、加熱炉内等で、厳密な管理の下、長時間に亘って加熱する操作が実施されるため、生産性やコスト性が良いものとは言えず、また、内側ゴム部とスタビライザバーとの間の接着強度に基づく分割構造体のスタビライザバーへの固定強度も、例えば、内側ゴム部とスタビライザバーとを加硫接着して、分割構造体をスタビライザバーに固定する場合等に比して、ある程度劣るものとなってしまうことが避けられなかったのである。
なお、下記特許文献3には、内側ゴム部とスタビライザバーとを接着する際に、内側ゴム部を、スタビライザバーに押し付けて、圧縮している状態が示されているが、これは、内側ゴム部とスタビライザバーとを確実に接着するために、接着操作の間だけに限って、接着されるべき部分の界面に押圧力を及ぼしているのに過ぎないのである。
特開2005−254936号公報 特開平11−192828号公報 特開2006−264435号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、高い生産性と優れた耐久性と低コスト性とが有利に発揮され得るだけでなく、十分な防振特性とスティックスリップの発生防止効果とが、より長期に亘って安定的に確保され得る防振ブッシュ付スタビライザバーと、そのような特徴的な防振ブッシュ付スタビライザバーを有利に製造し得る方法とを、提供することにある。
そして、本発明にあっては、防振ブッシュ付スタビライザバーに係る課題の解決のために、その要旨とするところは、軸方向に延びる内孔を備えた筒状ゴム弾性体を二分割した分割ゴム弾性体の外周面に、車体に取り付けられる剛性のブラケットを二分割した分割ブラケットが固着されてなる分割構造体の一対が、該分割ゴム弾性体同士の間でスタビライザバーを挟んで、相互に組み付けられた状態において、該スタビライザバーに固定されてなる防振ブッシュ付スタビライザバーであって、前記分割構造体における前記分割ゴム弾性体の径方向中間部に、該分割ゴム弾性体を径方向中間部よりも内側の部分と外側の部分とに仕切る、半割円筒状を呈する剛性の仕切部材が埋設されて、該分割ゴム弾性体が、該仕切部材よりも内側の部分からなる内側ゴム部と、該仕切部材よりも外側の部分からなる外側ゴム部とにて構成されると共に、該内側ゴム部の内周面に、複数の凹部が設けられ、更に、該仕切部材に、該分割ゴム弾性体から外方に突出する連結部が一体的に設けられて、かかる分割構造体の一対が、該分割ゴム弾性体同士の間に前記スタビライザバーを挟んで組み付けられる一方、それら各分割ゴム弾性体の前記内側ゴム部が、内周面において該スタビライザバーに接触して、該スタビライザバーと前記仕切部材との間で径方向に圧縮された状態で、該一対の分割構造体のそれぞれの仕切部材が、前記連結部同士において相互に連結されることにより、該内側ゴム部に径方向の予圧縮が加えられた状態で、該一対の分割構造体が、該スタビライザバーに固定されていることを特徴とする防振ブッシュ付スタビライザバーにある。
なお、このような本発明に従う防振ブッシュ付スタビライザバーの好ましい態様の一つによれば、前記内側ゴム部の内周面に設けられた前記凹部の内面が湾曲面とされる。
また、本発明に係る防振ブッシュ付スタビライザバーの別の好ましい態様の一つによれば、前記内側ゴム部の内周面に設けられた前記凹部が、吸盤機能を有する吸着凹部にて構成される。
さらに、本発明に従う防振ブッシュ付スタビライザバーの望ましい態様の一つによれば、前記内側ゴム部の内周面に設けられた前記凹部の内面が球面の一部にて構成される。
更にまた、本発明に従う防振ブッシュ付スタビライザバーの好ましい他の態様の一つによれば、前記分割構造体における前記分割ブラケットが、前記分割ゴム弾性体の外周面に固着される分割筒形状を呈するゴム固着部と、該ゴム固着部の周方向両端部から径方向外方に向かってそれぞれ一体的に延出する、車体に取り付けられるフランジ部とを有し、かかる分割構造体の一対のものが、前記スタビライザバーに固定された状態下で、該一対の分割構造体の該フランジ部同士が、互いに所定距離を隔てて対向配置される。
また、本発明に係る防振ブッシュ付スタビライザバーの好適な態様の一つによれば、前記分割ブラケットが、前記分割ゴム弾性体の外周面に対して、加硫接着により固着されて、前記分割構造体が、それら分割ゴム弾性体と分割ブラケットからなる一体加硫成形品にて構成される。
さらに、本発明に従う防振ブッシュ付スタビライザバーの他の望ましい態様の一つによれば、前記仕切部材が、金属材料を用いて形成されることとなる。
更にまた、本発明に係る防振ブッシュ付スタビライザバーの別の好適な態様の一つによれば、前記分割ゴム弾性体における前記内側ゴム部のばね定数が、前記外側ゴム部のばね定数よりも大きくされる。
また、本発明に従う防振ブッシュ付スタビライザバーの望ましい別の態様の一つによれば、前記仕切部材に設けられた前記連結部が、前記分割ゴム弾性体から軸方向外方に突出し、そして前記分割ブラケットからも軸方向外方に突出せしめられて、構成される。
そして、本発明にあっては、防振ブッシュ付スタビライザバーの製造方法に係る課題の解決のために、軸方向に延びる内孔を備えた筒状ゴム弾性体を二分割した分割ゴム弾性体の外周面に、車体に取り付けられる剛性のブラケットを二分割した分割ブラケットが固着されてなる分割構造体の一対が、該分割ゴム弾性体同士の間でスタビライザバーを挟んで、相互に組み付けられた状態において、該スタビライザバーに固定されてなる防振ブッシュ付スタビライザバーの製造方法であって、(a)前記分割ゴム弾性体の径方向中間部に、該分割ゴム弾性体を径方向中間部よりも内側の部分と外側の部分とに仕切る、半割円筒状を呈する剛性の仕切部材が埋設されて、該分割ゴム弾性体が、該仕切部材よりも内側の部分からなる内側ゴム部と、該仕切部材よりも外側の部分からなる外側ゴム部とにて構成されると共に、該内側ゴム部の内周面に、複数の凹部が設けられ、更に、該仕切部材に対して、該分割ゴム弾性体から外方に突出する連結部が一体的に設けられてなるものを、前記分割構造体として、一対準備する工程と、(b)かかる一対の分割構造体の前記分割ゴム弾性体同士の間に、前記スタビライザバーを、該分割ゴム弾性体のそれぞれにおける前記内側ゴム部の内周面に接触するように挟んだ状態で、該一対の分割構造体を相互に組み付ける工程と、(c)相互に組み付けられた前記一対の分割構造体のそれぞれにおける前記仕切部材を径方向内方に押圧して、それら各分割構造体の前記内側ゴム部を前記スタビライザバーと該仕切部材との間で径方向に圧縮した状態で、該一対の分割構造体のそれぞれの仕切部材を、前記連結部同士において相互に連結することにより、該内側ゴム部に径方向の予圧縮が加えられた状態で、該一対の分割構造体を該スタビライザバーに固定する工程とを含むことを特徴とする防振ブッシュ付スタビライザバーの製造方法をも、その要旨とするものである。
すなわち、本発明に従う防振ブッシュ付スタビライザバーにあっては、一対の分割構造体が、分割ゴム弾性体同士の間にスタビライザバーを挟んで、組み付けられた状態で、仕切部材の連結部同士が、例えば、かしめ固定や溶接等により相互に連結されている。それによって、分割ゴム弾性体の内側ゴムとスタビライザバーとの間に接着剤が介在せしめられることなしに、つまり、接着剤が何等用いられることなく、一対の分割構造体が、スタビライザバーに対して強固に固定されている。それ故、熱硬化性の接着剤等を用いて、内側ゴム部をスタビライザバーに接着することで、一対の分割構造体をスタビライザバーに固定してなる従来品とは異なって、厳密な管理の下で、加熱炉内での長時間の接着操作を行う必要が解消され得ると共に、各分割構造体のスタビライザバーに対する固定強度も有利に高められ得る。また、剛性の仕切部材とスタビライザバーとの間に、分割ゴム弾性体の内側ゴム部が介在せしめられているため、剛性の仕切部材のスタビライザバーへの接触に起因したスタビライザバーの損傷等が生ずることがない。
そして、かかる防振ブッシュ付スタビライザバーでは、特に、分割ゴム弾性体の内側ゴム部が、仕切部材とスタビライザバーとの間で径方向に圧縮されて、十分に予圧縮が加えられた状態で、一対の分割構造体がスタビライザバーに固定されている。それ故、車体への装着状態下で、スタビライザバーに対して大きな捩り力が加えられたときにあっても、内側ゴム部が、その内周面をスタビライザバーの外周面に接触させたままで、スタビライザバーの捩り変形に追従して、弾性変形(復元)せしめられる。そのため、そのようなスタビライザバーへの大きな捩り力の入力時に、内側ゴム部の内周面とスタビライザバーの外周面との間で滑りが生ずることが効果的に阻止され得る。そして、その結果、かかる内側ゴム部とスタビライザバーとの間の滑りによるスティックスリップの発生に伴って、異音が生じたり、或いは走行安定性や耐久性が低下したり、更には防振特性が低下したりすることが、極めて有効に防止され得ることとなる。
また、本発明に係る防振ブッシュ付スタビライザバーにおいては、分割ゴム弾性体の内側ゴム部の内周面に、複数の凹部が設けられている。この内側ゴム部は、例えば、厚さが同じではあるものの、内周面が平滑面とされたものと比較して、複数の凹部内の全容積に相当する分だけ、体積が小さくされ、また、体積が同じではあるものの、内周面が平滑面とされたものと比較すると、厚さが大きくされる。しかも、複数の凹部が内周面に設けられた内側ゴム部にあっては、仕切部材とスタビライザバーとの間で径方向に圧縮された際に、内側ゴム部における凹部の周辺部分が、凹部内に入り込む(逃げ込む)ように、圧縮変形せしめられるようになる。
それ故、かかる防振ブッシュ付スタビライザバーでは、仕切部材とスタビライザバーとの間で径方向に圧縮せしめられたときの内側ゴム部の圧縮率(圧縮変形前の内側ゴム部の厚さをt1 、圧縮変形後の内側ゴム部の厚さをt2 としたときに、t1 −t2 /t1 にて与えられる値)が、それと同一の力(荷重)で圧縮されたときの、内周面が平滑面とされた内側ゴム部の圧縮率よりも、有利に大きく為され得る。また、それによって、圧縮率が増大せしめられるにも拘わらず、内側ゴム部の圧縮過程で、仕切部材が、それに加えられる荷重によって変形してしまうようなことが、効果的に回避され得る。
かくして、本発明に係る防振ブッシュ付スタビライザバーでは、内側ゴム部に対して、より大きな量の予圧縮が加えられた状態で、一対の分割構造体が、スタビライザバーに固定されることとなる。そして、その結果、例えば、長期の使用や使用時における周囲の温度変化等に起因して、内側ゴム部のヘタリが進行しても、内側ゴム部の内周面が平滑面とされた場合とは異なって、予圧縮量が大きくされている分だけ、スタビライザバー外周面への内側ゴム部の接触状態、特に、内側ゴム部の内周面に設けられた凹部同士の間に位置する凸部部位のスタビライザバー外周面への接触状態が、より長期に亘って安定的に維持され得、以て、スタビライザバーへの大きな捩り力の入力時における内側ゴム部の内周面とスタビライザバーの外周面との間での滑りの発生、更にはそれによるスティックスリップの発生が、より一層効果的に且つより長期に亘って安定的に防止され得る。
従って、かくの如き本発明に従う防振ブッシュ付スタビライザバーにあっては、高い生産性と優れた耐久性と低コスト性とが有利に発揮され得るだけでなく、十分な防振特性とスティックスリップの発生防止効果とが、より長期に亘って安定的に確保され得るのである。
また、このような本発明に従う防振ブッシュ付スタビライザバーにおいて、内側ゴム部の内周面に設けられる凹部が、吸盤機能を有する吸着凹部にて構成される場合には、内側ゴム部の内周面が、スタビライザバーの外周面に対して、吸着凹部にて吸着せしめられた状態で、一対の分割構造体がスタビライザバーに固定されるようになる。それによって、内側ゴム部のヘタリが進行した状態となっても、スタビライザバーに大きな捩り力が加えられたときに、スタビライザバーの外周面に吸着された内側ゴム部が、スタビライザバーの捩り変形に追従して、確実に弾性変形(復元)せしめられる。その結果、スタビライザバーへの大きな捩り力の入力時における内側ゴム部の内周面とスタビライザバーの外周面との間での滑りの発生、更にはそれによるスティックスリップの発生が、更に一層効果的に且つより長期に亘って安定的に防止され得る。
さらに、かかる本発明に従う防振ブッシュ付スタビライザバーにおいて、内側ゴム部の内周面に設けられる吸着凹部の内面が球面の一部にて構成される場合には、スタビライザバーの外周面に対する吸着凹部の吸着状態下で、スタビライザバーの捩りや軸方向への変位に基づいて、吸着凹部に対して、それをスタビライザバーの外周面から剥離させようとする力が作用せしめられたときに、かかる力の作用方向の違いによって、吸着凹部の剥離に対する耐久性にバラツキが生ずるようなことが有利に防止され得る。そして、これによっても、スタビライザバーへの大きな捩り力の入力時における内側ゴム部の内周面とスタビライザバーの外周面との間での滑りの発生、更にはそれによるスティックスリップの発生が、効果的に且つより長期に亘って安定的に防止され得ることとなる。
そして、本発明に従う防振ブッシュ付スタビライザバーの製造方法にあっては、内周面に凹部が設けられた分割ゴム弾性体の内側ゴム部に予圧縮を加えた状態で、一対の分割構造体を、スタビライザバーに対して、接着剤を用いることなく固定し得るものであるため、上記せる如き構造を有する防振ブッシュ付スタビライザバーを確実に且つ有利に製造することが出来、また、製造された防振ブッシュ付スタビライザバーにおいて、上記せる優れた特徴を有効に発揮させることが出来るのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う構造を有する防振ブッシュ付スタビライザバーの一例として、自動車のスタビライザブッシュがスタビライザバーに取り付けられてなるスタビライザブッシュ付スタビライザバーが、その正面形態において、概略的に示されている。かかる図1から明らかなように、本実施形態のスタビライザブッシュ付スタビライザバーは、所定長さを有する金属の丸棒からなるスタビライザバー10の軸方向両端側部位に、防振ブッシュとしてのスタビライザブッシュ12が、それぞれ一つずつ位置固定に取り付けられて、構成されている。
このスタビライザバー10に取り付けられるスタビライザブッシュ12は、図2乃至図4に示される如く、全体として、略厚肉円筒形状を呈し、スタビライザバー10が挿通される内孔14が軸方向に延びるように設けられた、筒状ゴム弾性体としての本体ゴム弾性体16と、かかる本体ゴム弾性体16の外周面に固着されて、車体に取り付けられるブラケット18とを備えた、従来と同様な基本構造を有している。また、このスタビライザブッシュ12にあっては、それが、径方向において半分ずつに二分されるように、軸方向に沿って二分割された第一の分割構造体20と第二の分割構造体21とからなっている。そして、それら一対の分割構造体20,21が、スタビライザバー10を間に挟んで、互いに組み付けられた状態において、スタビライザバー10に固定されることにより、厚肉円筒状の全体形状をもって、スタビライザバー10に取り付けられているのである。
より具体的には、スタビライザブッシュ12の本体ゴム弾性体16は、径方向において略半分ずつに二分されるように、周上の二箇所で分割されている。そうして、半円に満たない横断面形状を有する略半割円筒状の、分割ゴム弾性体としての第一分割ゴム22と第二分割ゴム23とにて、構成されている。
また、第一分割ゴム22の内部には、第一仕切部材24が埋設されている一方、第二分割ゴム23の内部には、第二仕切部材25が埋設されている。これら第一及び第二の各仕切部材24,25は、何れも、第一及び第二の各分割ゴム22,23(本体ゴム弾性体16)よりも十分に薄肉で、且つそれら各分割ゴム22,23に比して、所定寸法大きな内径と、所定寸法小さな外径と、所定寸法大きな軸方向長さと、略半円状の横断面とを有する半割円筒金具にて、構成されている。
また、各仕切部材24,25にあっては、軸方向両側の端部側部分が、それぞれ連結部26とされており、更に、そのような連結部26における周方向の両側端部には、小さな矩形平板形状を呈する板状小片突起28が、径方向外方に向かって水平に延びるようにして(後述する如き第一の分割構造体20と第二の分割構造体21との組付方向に対して直角な方向に延びるようにして)、一体的に設けられている。また、ここでは、かかる板状小片突起28のうち、第二仕切部材25の連結部26に設けられた板状小片突起28aの延出長さが、第一仕切部材24の連結部26に設けられた板状小片突起28bの延出長さよりも所定寸法長くされている。そして、そのような板状小片突起28aの先端側部分が、L字状乃至は鉤形状に屈曲せしめられたかしめ部30とされている。
そして、第一仕切部材24が、第一分割ゴム22の内部の軸直角方向中間部において、第一分割ゴム22と同軸上で、軸方向両側端部の連結部26を、それぞれ、第一分割ゴム22の軸方向両側端面から軸方向外方に突出させるように配置されている。そうして、第一分割ゴム22を、軸直角方向中間部よりも内側に位置するゴム部分と、それよりも外側に位置するゴム部分とに仕切るように埋設されており、以て、かかる第一分割ゴム22の第一仕切部材24を間に挟んだ内側のゴム部分が内側ゴム部32とされている一方、その外側のゴム部分が外側ゴム部34とされている。また、第二仕切部材25も、そのような第一仕切部材24の第一分割ゴム22内への埋設形態と同様な形態において、第二分割ゴム23の内部に埋設されており、以て、第二分割ゴム23においても、第二仕切部材25を間に挟んだ内側のゴム部分と外側のゴム部分とが、それぞれ、内側ゴム部32と外側ゴム部34とされている。
なお、ここでは、例えば、各仕切部材24,25と後述する各分割金具36,38とをインサートとして用いた未加硫ゴムの射出成形を行った後、所定の加硫操作を行って、各分割構造体20,21を成形することで、各仕切部材24,25の各分割ゴム22,23内への埋設状態が実現されている。そうして、各仕切部材24,25が、各分割ゴム22,23の内側ゴム部32と外側ゴム部34とに対して加硫接着されているのである。
また、本実施形態においては、仕切部材24,25と各分割ゴム22,23との内径同士の差が、それらの外径同士の差よりも十分に小さくされていることで、内側ゴム部32の肉厚が、外側ゴム部34の肉厚よりも十分に薄くされている。そして、その一方で、内側ゴム部32の軸方向長さが、外側ゴム部34の軸方向長さよりも所定寸法だけ大きくされており、更に、外側ゴム部34よりも長くされた内側ゴム部32の長さは、内側ゴム部32全体のゴムボリュームが、外側ゴム部34全体のゴムボリュームよりも十分に小さくされる程度に抑えられている。
これによって、薄肉とされた内側ゴム部32のばね定数が、厚肉とされた外側ゴム部34のばね定数よりも十分に大きくされている。そして、後述する如く、第一及び第二の分割構造体20,21が、第一及び第二分割ゴム22,23の間において、スタビライザバー10を、各分割ゴム22,23の内側ゴム部32の内周面に接触するように挟んで組み付けられて、スタビライザバー10に固定された状態下で、各分割ゴム22,23のスタビライザバー10に対する接触面積が、十分な大きさにおいて有利に確保され得るようになっている。
そして、ここでは、特に、第一の分割構造体20の横及び縦断面形態と、内側ゴム部32の内周面の一部とをそれぞれ示す図5乃至図7から明らかなように、内側ゴム部32の内周面に、複数の凹部35が、互いに独立した形態をもって設けられている。これら複数の凹部35は、それぞれのものの開口部が、同一径の円形形状とされると共に、内面が、同一径の半球面状の湾曲面とされ、また互いに同一の深さとされている。そして、内側ゴム部32の内周面の全面に、その周方向と軸方向の両方向において互いに一定の距離を隔てて位置せしめられている。換言すれば、内側ゴム部32の内周面の全面に対して、その周方向と軸方向にそれぞれ列を為して並べられて、部分的に偏在するようなことなしに、均一に点在するように配置されている。また、そうして、かかる内側ゴム部32における複数の凹部35同士の間に位置する内周面部分の全体が、凸部37とされている。
このような内側ゴム部32にあっては、内周面に複数の凹部35が設けられているところから、内周面が平滑面とされたものと比較すると、厚さを同じとした場合には、体積が小さくされ、また、体積を同じとした際には、厚さを大きく為すことが出来る。そこで、ここでは、内周面に複数の凹部35が設けられてなる内側ゴム部32が、内周面を平滑面とした場合に比して、体積が同じで且つ厚さが大きくされている。
さらに、そのような内側ゴム部32の内周面に設けられた複数の凹部35は、全てのものが、吸盤機能を有する吸着凹部として構成されている。これによって、後述する如く、内側ゴム部32が、仕切部材24とスタビライザバー10との間で圧縮せしめられたときに、内側ゴム部32の内周面が、全ての凹部35にて、スタビライザバー10の外周面に吸着せしめられるようになっている。
なお、第二の分割構造体21は、仕切部材25における連結部26の板状小片突起28aにかしめ部30が設けられる以外、第一の分割構造体20と同一の構造を有している。従って、図には明示されてはいないものの、この第二の分割構造体21の第二の分割ゴム23における内側ゴム部32の内周面にも、複数の凹部35と凸部37とが、第一の分割構造体30の第一の分割ゴム22における内側ゴム部32の内周面に設けられるものと同一の構造をもって設けられている。
一方、ブラケット18は、図2乃至図4から明らかなように、分割ブラケットとしての第一分割金具36と第二分割金具38とからなる二分割構造を有している。それら第一及び第二の各分割金具36,38は、何れも、略長手矩形の厚肉金属板からなり、長手方向の中間部に、横断面形状が半円に満たない円弧形状とされた分割円筒状の固着部40と、かかる固着部40の周方向両端部から径方向外方に所定長さをもってそれぞれ水平に延出する、矩形平板状のフランジ部42,42とを、一体的に有している。また、各分割金具36,38においては、固着部40の軸方向長さが、各分割ゴム22,23の外側ゴム部34の軸方向長さよりは長くされているものの、前記第一及び第二の各仕切部材24,25の軸方向長さよりも所定寸法短くされている。更に、各フランジ部42の略中央部には、ブラケット18を自動車のボデーに取り付けるためのボルトが挿通されるボルト挿通孔13が、それぞれ板厚方向において穿設されている。
そして、このブラケット18の第一分割金具36が、固着部40の内周面において、第一分割ゴム22の外周面に加硫接着されており、また、第二分割金具38が、固着部40の内周面において、第二分割ゴム23に加硫接着されている。これにより、第一分割金具36と第一分割ゴム22とが一体加硫成形品として形成されて、かかる一体加硫成形品にて、第一の分割構造体20が構成されている。また、第二分割金具38と第二分割ゴム23とが、第一分割金具36と第一分割ゴム22との一体加硫成形品とは別個の独立した一体加硫成形品として形成されて、かかる一体加硫成形品にて、第二の分割構造体21が構成されている。
なお、それら第一及び第二の分割構造体20,21にあっては、第一及び第二仕切部材24,25が、第一及び第二分割ゴム22,23や第一及び第二分割金具36,38の各固着部40よりも大なる軸方向長さを有していることで、それら各仕切部材24,25の軸方向両側端部からなる各連結部26が、第一及び第二分割ゴム22,23や第一及び第二分割金具36,38のそれぞれの両側端部から軸方向外方に突出せしめられている。
そして、本実施形態では、そのような第一の分割構造体20と第二の分割構造体21とが、第一分割ゴム22と第二分割ゴム23との間において、スタビライザバー10を各分割ゴム22,23の内側ゴム部32の内周面に接触させるように挟み、且つ第一分割金具36と第二分割金具38のフランジ部42同士を、各ボルト挿通孔13が相互に対応するように対向配置させた状態で、互いに組み付けられている。
また、かかる組付下において、第一及び第二の各分割ゴム22,23の内側ゴム部32が、第一及び第二の各仕切部材24,25の連結部26とスタビライザバー10との間で、肉厚が所定の厚さまで減少するように(後述する如く、図8にt1 にて示される内側ゴム部32の厚さが、図10にt2 にて示される厚さにまで減少するように)、径方向内方に圧縮せしめられて、第一仕切部材24と第二仕切部材25の周方向端面同士が突き合わされる如く、両仕切部材24,25の対応する連結部26の板状小片突起28同士が互いに重ね合わされている。
ここで、前述せるように、各分割ゴム22,23の内側ゴム部32の内周面の全面に、複数の凹部35と、それら各凹部35の周辺部分に凸部37が設けられて、かかる内側ゴム部32が、平滑な内周面を有するものに比して、体積が同じで且つ厚さが大きくされている。このため、そのような内周面に複数の凹部35や凸部37が設けられた内側ゴム部32が、上記の如く、各仕切部材24,25とスタビライザバー10との間で圧縮せしめられたときには、内周面が平滑面とされた内側ゴム部を同様に圧縮する場合に比して、同じ力での圧縮によっても、圧縮率が、効果的に大きくされている。つまり、内側ゴム部32の圧縮過程で、各仕切部材24,25が、それに加えられる荷重によって変形してしまうようなことが有利に回避せしめられつつ、内側ゴム部32の圧縮率の増大が図られ得ているのである。
しかも、各分割ゴム22,23の内側ゴム部32の内周面に設けられた複数の凹部35の全てが、吸盤機能を有しているところから、内側ゴム部32が、上記の如き十分な圧縮率で、各仕切部材24,25とスタビライザバー10との間で圧縮せしめられることによって、各凹部35の吸盤機能に基づいて、内側ゴム部32の内周面が、スタビライザバー10の外周面に吸着せしめられる。
また、ここでは、各凹部35の開口部が、互いに同一の径の円形形状とされ、且つその内面が、湾曲面形状で、その中でも特に、互いに同一の径の半球面形状とされ、しかも、各凹部35が、内側ゴム部32の内周面の全面に均一に点在するように設けられている。そのため、内側ゴム部32の内周面が、その全面において、各凹部35により、均一な吸着力で、しかも各凹部35の内面が半球面とされていることで可及的に大なる面積とされるため、更に大きな吸着力で、スタビライザバー10の外周面に吸着されている。
なお、各凹部35の内面が湾曲面とされているため、内側ゴム部32の圧縮により、各凹部35の内面が変形せしめられたときに、かかる内面に角部等が設けられる場合とは異なって、内面の一部に応力が集中するようなことが有利に回避され、それによって、内側ゴム部32における各凹部35の形成部位、ひいてはスタビライザバブッシュ全体の耐久性の向上が、有利に図られ得るようになっている。また、各凹部35の内面が、湾曲面の中でも、特に半球面とされて、開口部も円形とされているところから、上記の如き内側ゴム部32の内周面のスタビライザバー10外周面への吸着状態下で、例えば、スタビライザバー10の捩りや軸方向への変位に基づいて、内側ゴム部32に対して、それをスタビライザバー10の外周面から剥離させようとする力が作用せしめられたときにも、かかる力の作用方向に違いによって、剥離に対する耐久性にバラツキが生ずることが、可及的に回避され得るようになっている。
そして、そのような状態下で、第二分割金具25や第二分割ゴム23から軸方向両側に突出せしめられた第二仕切部材25の連結部26の板状小片突起28aが、その先端に設けられたかしめ部30にて、第一分割金具24や第一分割ゴム22から軸方向両側に突出せしめられた第一仕切部材24の連結部26の板状小片突起28bにかしめ固定されて、第一仕切部材25と第二仕切部材26とが、連結部26同士において、接着剤を用いることなく、相互に且つ強固に連結されている。
かくして、第一の分割構造体20と第二の分割構造体21とが、スタビライザバー10を介して一体化され、以て、スタビライザブッシュ12が、それら第一の分割構造体20と第二の分割構造体21との一体組付品として構成されている。また、それと共に、本体ゴム弾性体16の内側ゴム部32,32に対して、より大きな予圧縮が加えられ、且つかかる内側ゴム部32,32とスタビライザバー10との間に接着剤が何等介在せずに、内側ゴム部32,32の内周面が、スタビライザバー10の外周面に強固に且つ均一に吸着せしめられた状態で、第一の分割構造体20と第二の分割構造体21とが(スタビライザブッシュ12が)、スタビライザバー10に対して、接着剤を用いることなく、位置固定に取り付けられている(図1参照)。またそうして、かかる取付構造にて、スタビライザブッシュ12の二つが、スタビライザバー10の軸方向両側端部にそれぞれ取り付けられることで、本実施形態のスタビライザブッシュ付スタビライザバーが構成されているのである。
さらに、ここでは、前述せる如く、第一及び第二分割金具36,38の各固着部40が、半円に満たない断面円弧状の分割筒状形態を有する一方、かかる固着部40の内側に同軸的に位置せしめられた第一及び第二仕切部材24,25が、断面半円形状を呈する半割円筒金具にて構成されている。このため、上記の如くして、第一仕切部材24と第二仕切部材25とが、周方向端面同士を突き合わせるように位置せしめられて、スタビライザブッシュ12がスタビライザバー10に取り付けられた状態(本実施形態のスタビライザブッシュ付スタビライザバーが構成された状態)下において、ブラケット18における第一分割金具36と第二分割金具38のフランジ部42同士とが、互いに接触することなく、それらの間に所定寸法(図3においてWにて示される寸法)の隙間44が、形成されるようになっている。
而して、このような本実施形態のスタビライザブッシュ付スタビライザバーにあっては、図示されてはいないものの、従来と同様に、スタビライザバー10が、軸方向両端部において、例えば、自動車のサスペンションアームに固定される一方、各スタビライザブッシュ12が、ブラケット18に設けられるボルト挿通孔13に挿通された固定ボルトにて、自動車のフレーム等に固定される。そうして、主に、各分割ゴム22,23の外側ゴム部34にて十分な防振特性が発揮され得る状態で、自動車に対して防振的に支持されるようになっている。
また、ここでは、ブラケット18が自動車にボルト固定されるときに、固定ボルトの締付けによって、ブラケット18における第一分割金具36と第二分割金具38のフランジ部42同士が互いに重ね合わされて、それらの間の隙間44が消失せしめられることで、第一及び第二分割ゴム22,23(本体ゴム弾性体16)の各外側ゴム部34が、第一及び第二仕切部材24,25と第一及び第二分割金具36,38の各固着部40との間で径方向内方に圧縮されるようになっている。これによって、それら各外側ゴム部34に対しても、径方向に予圧縮が加えられた状態で、スタビライザブッシュ付スタビライザバーが車体に取り付けられる構造とされているのである。
ところで、かくの如き構造とされたスタビライザブッシュ付スタビライザバーを製造する際には、例えば、以下の如き手順に従って、その作業が進められることとなる。
すなわち、先ず、上述せる如き構造を有する第一の分割構造体20と第二の分割構造体21とが、それぞれ準備される。なお、それら各分割構造体20,21は、例えば、従来と同様に、第一及び第二分割ゴム22,23(本体ゴム弾性体16)を与えるゴム材料と、インサートとして、第一及び第二分割金具36,38と第一及び第二仕切部材24,25とをそれぞれ用いた公知の射出成形を行うことに等によって、容易に成形されて、準備されることとなる。なお、図9に示されるように、ここで準備される第二の分割構造体21においては、第二仕切部材25の連結部26に一体的に設けられた板状小片突起28aの先端のかしめ部30が、L字状乃至は鉤形状に屈曲せしめられることなく、連結部26の基部側から直角に立ち上がる如き形態とされる。
そして、かくして準備された第一の分割構造体20と第二の分割構造体21とが、図8及び図9に示されるように、第一分割ゴム22と第二分割ゴム23との間に、スタビライザバー10の軸方向一方の端部側部分を、各分割ゴム22,23の内側ゴム部32の内周面に接触するように挟んだ状態で、相互に組み付けられる。このとき、第一の分割構造体20における第一仕切部材24の連結部26と、第一の分割構造体21における第二仕切部材25の連結部26とが、第一及び第二分割金具36,38の固着部40や第一及び第二分割ゴム22,23から軸方向両側にそれぞれ突出するように位置せしめられる。また、第一及び第二仕切部材24,25のそれぞれの連結部26に設けられた板状小片突起28b,28aのうちの互いに対応するもの同士が、互いに所定距離を隔てて互いに対向し、且つ第一仕切部材24の板状小片突起28bの全体が、第二仕切部材25の板状小片突起28aの直角に立ち上がるかしめ部30の内側に位置するように、配置される。
その後、図10において白抜きの矢印で示されるように、第一の分割構造体20と第二の分割構造体21のそれぞれの軸方向両側に突出する第一仕切部材24と第二仕切部材25のそれぞれの連結部26が、スタビライザバー10の軸心に向かって、径方向内方に押圧される。このような各連結部26の径方向内方への押圧操作は、図11に示されるように、第一仕切部材24と第二仕切部材25の各連結部26における板状小片突起28b,28a同士が互いに接触して重ね合わされるまで続けられる。
これによって、第一及び第二の分割構造体20,21における第一及び第二分割ゴム22,23の各内側ゴム部32が、第一及び第二仕切部材24,25とスタビライザバー10との間で挟圧されて、径方向内方に圧縮される。そして、前述せるように、ここでは、各内側ゴム部32が、内周面に複数の凹部35が設けられていることにより、内周面が平滑面とされたものと比較して、同一の体積で厚さが大ならしめられて、かかる各内側ゴム部32の径方向内方への圧縮量が、十分に大きくされる。また、そのような圧縮により、内側ゴム部32の内周面に設けられた各凹部35内の空気が外部に排出されて、かかる各凹部35が吸盤として機能して、内側ゴム部32の内周面が、スタビライザバー10の外周面に、均一で且つ強固な吸着力にて吸着せしめられる。
このとき、各内側ゴム部32が、それらの内外周面に接触乃至は固着するスタビライザバー10と各仕切部材24,25との間で径方向に圧縮されるため、例えば、各分割金具36,38を径方向内方に押圧して、それら各分割金具36,38とスタビライザバー10との間で、外側ゴム部34と内側ゴム部32の両方を同時に圧縮する場合に比して、内側ゴム部32が、より小さな力で、確実に且つ効率的に圧縮され得るようになる。
なお、このような本操作によって、第一及び第二分割ゴム22,23の各内側ゴム部32の肉厚が、図8にt1 にて示される寸法から、図10にt2 にて示される寸法にまで減ぜられることとなるが、かかる内側ゴム部32の肉厚の減少量:t1 −t2 は、各連結部26に対する押圧操作を行う前において互いに対向配置された第一仕切部材24と第二仕切部材25の板状小片突起28b,28a同士の間の距離:Lの1/2の大きさに相当する。一方、そのような第一仕切部材24と第二仕切部材25の板状小片突起28b,28a同士の間の距離:Lは、各仕切部材24,25の連結部26における板状小片突起28b,28aを除いた部分の周方向長さや各板状小片突起28b,28aの肉厚に応じて、変化せしめられる。従って、本実施形態では、各仕切部材24,25の連結部26における板状小片突起28b,28aを除いた部分の周方向長さや各板状小片突起28b,28aの肉厚を、単に変更するだけで、内側ゴム部32の肉厚の減少量:t1 −t2 、ひいては内側ゴム部32の圧縮率:t1 −t2 /t1 が、容易に且つ確実にチューニングされ得るようになっている。
また、本操作では、第一仕切部材24と第二仕切部材25の各連結部26を径方向内方に押圧するための装置乃至は治具として、公知の押圧装置や押圧治具が何れも採用され得るが、各連結部26の外周面の全体に接触して、外周面の全面を押圧する押圧面を備えたものが、好適に採用される。そのような押圧面を有する押圧装置乃至は押圧治具を用いれば、各連結部26に対する押圧操作によって、各連結部26が局部的に変形し、内側ゴム部32の圧縮率が不均一となって、かかる内側ゴム部32、更には本体ゴム弾性体16のばね特性にバラツキが生ずるようなことが、未然に且つ有効に防止され得ることとなるからである。
そして、その後、図11に二点鎖線で示されるように、第二仕切部材25の各連結部26における板状小片突起28aのかしめ部30の先端側部分が、公知の工具や装置等を用いて、内側に直角に屈曲せしめられる。これにより、かかる第二仕切部材25の各連結部26の板状小片突起28aが、かしめ部30にて、第一仕切部材24の各連結部26の板状小片突起28bにかしめ固定されて、第一仕切部材25と第二仕切部材26とが、連結部26同士において相互に且つ強固に連結される。
そうして、第一及び第二の分割ゴム22,23の各内側ゴム部32に対して、径方向の予圧縮が、より十分な大きさで加えられ且つそれ各内側ゴム部32の内周面がスタビライザバー10の外周面に強固に且つ均一に吸着せしめられた状態で、第一の分割構造体20と第二の分割構造体21とが、接着剤を何等用いることなく、即ち、各内側ゴム部32が、スタビライザバー10に接着剤にて接着せしめられることなしに、スタビライザバー10の軸方向一方の端部側部分に強固に固定される。また、それと同様にして、スタビライザバー10の軸方向他方の端部側部分にも、第一の分割構造体20と第二の分割構造体21とが強固に固定され、以て、目的とするスタビライザブッシュ付スタビライザバーが、作製されることとなるのである。
このように、本実施形態のスタビライザブッシュ付スタビライザバーにおいては、スタビライザバー10の軸方向両側端部に、それぞれ、第一の分割構造体20と第二の分割構造体21とが、接着剤を用いることなく強固に固定されることで、スタビライザブッシュ12が取り付けられている。それ故、例えば、熱硬化性の接着剤等を用いて、第一及び第二の分割構造体20,21をスタビライザバー10に固定してなる従来品とは異なって、前処理や後処理等を伴った厳密な管理の下で、加熱炉内での長時間に及ぶ接着操作を何等行うことなく、スタビライザバー10の所定箇所に対して、スタビライザブッシュ12を迅速に且つ確実に取り付けることが出来る。それによって、スタビライザブッシュ付スタビライザバーの製造に際しての生産性の向上と低コスト化とが、有利に図られ得ると共に、スタビライザバー10と各分割構造体20,21の分割ゴム22,23との間の接着が剥離する懸念や、かかる接着の剥離により使用耐久性が低下する恐れが、効果的に皆無ならしめられ得る。
また、かかるスタビライザブッシュ付スタビライザバーでは、半割円筒金具からなる各仕切部材24,25とスタビライザバー10との間に、各分割ゴム22,23の内側ゴム部32が介在せしめられているため、かかる仕切部材24,25との直接的な接触によって生ずるスタビライザバー10の損傷が有利に解消され得、これによっても、使用耐久性の向上が有利に図られ得る。
さらに、本実施形態のスタビライザブッシュ付スタビライザバーにおいては、スタビライザブッシュ12を構成する第一の分割構造体20と第二の分割構造体21とが、各分割ゴム22,23の内側ゴム部32に径方向内方の予圧縮が、効率的に加えられた状態で、スタビライザバー10に強固に固定されている。それ故、車体への装着状態下で、大きな捩り力が入力されても、スタビライザバー10と各分割ゴム22,23の内側ゴム部32同士が接着されていないにも拘わらず、それらスタビライザバー10の外周面と各分割ゴム22,23の内側ゴム部32の内周面との間で滑りが生ずることが効果的に阻止され得、以て、スタビライザバー10と内側ゴム部32との滑りが原因で、スティックスリップが生じて、異音が発生したり、防振特性が低下したりすることが、極めて有効に防止され得る。そして、その結果として、十分な防振特性とスティックスリップの発生防止効果とが、より長期に亘って安定的に確保され得るのである。
そして、本実施形態のスタビライザバブッシュ付スタビライザバーにあっては、特に、第一及び第二の分割ゴム20,21の各内側ゴム部32の内周面に、複数の凹部35が設けられているところから、各内側ゴム部32に対する予圧縮時の加圧力を増大させることなく、従って、そのような加圧力の増大による仕切部材24,25の変形を何等生じさせることなしに、各内側ゴム部32の径方向内方の圧縮率が、十分に且つ効果的に大きくされている。それ故、例えば、各内側ゴム部32の内周面が平滑面とされている場合とは異なって、長期の使用や使用時における周囲の温度変化等に起因して、各内側ゴム部32のヘタリが進行しても、予圧縮量が大きくされている分だけ、特に、各内側ゴム部32の内周面に設けられた凹部35同士の間に位置する凸部37のスタビライザバー10外周面への接触状態が、より長期に亘って安定的に維持され得る。そして、それによって、スタビライザバー10への大きな捩り力の入力時における各内側ゴム部32の内周面とスタビライザバー10の外周面との間での滑りの発生、更にはそれによるスティックスリップの発生が、より一層効果的に且つより長期に亘って安定的に防止され得る。
また、かかるスタビライザブッシュ付スタビライザバーにおいては、各内側ゴム部32の予圧縮状態下で、各凹部35が吸盤として機能して、各内側ゴム部32の内周面が、スタビライザバー10の外周面に、均一で且つ強固な吸着力にて吸着せしめられる。そのため、各内側ゴム部32のヘタリが進行した状態となっても、スタビライザバー10に大きな捩り力が加えられたときに、スタビライザバー10の外周面に吸着された内側ゴム部32が、スタビライザバー10の捩り変形に追従して、確実に弾性変形(復元)せしめられるようになる。そうして、これによっても、スタビライザバー10への大きな捩り力の入力時における各内側ゴム部32の内周面とスタビライザバー10の外周面との間での滑りの発生、更にはそれによるスティックスリップの発生が、更に一層効果的に且つより長期に亘って安定的に防止され得る。
従って、かくの如き本発明に従うスタビライザブッシュ付スタビライザバーにあっては、高い生産性と優れた耐久性と低コスト性とが有利に発揮され得るだけでなく、十分な防振特性とスティックスリップの発生防止効果とが、より長期に亘って安定的に確保され得るのである。
しかも、本実施形態では、スタビライザバー10に捩り力が入力された際に、外側ゴム部34よりも大きく弾性変形せしめられる内側ゴム部32のばね定数が、外側ゴム部34のばね定数に比して大きな値となるように設定されていることによって、内側ゴム部32、ひいては本体ゴム弾性体16全体の使用耐久性の更なる向上が図られていると共に、各分割構造体20,21のスタビライザバー10に対する固定強度の向上も図られ、更には、捩り力の入力時における内側ゴム部32とスタビライザバー10との間での滑り防止も、より有効に高められている。
また、かかるスタビライザブッシュ付スタビライザバーでは、第一及び第二の分割構造体20,21がスタビライザバー10に固定された状態下で、ブラケット18における各分割金具36,38のそれぞれのフランジ部42同士の間に隙間44が設けられ、ブラケット18が自動車のフレーム等に固定されたときに、かかる隙間44の大きさに相当する分だけ、各分割ゴム22,23の外側ゴム部34に対して予圧縮が加えられるようになっている。このため、自動車への取付状態下での外側ゴム部34の耐久性が効果的に高められ、また、それに基づくスタビライザブッシュ付スタビライザバー全体の使用耐久性の向上も、有利に実現され得る。
さらに、本実施形態においては、各分割ゴム22,23の外周面に、各分割金具36,38が加硫接着されて、各分割構造体20,21が形成されているところから、それら分割ゴム22,23と分割金具36,38との間の接着強度が、より十分に大きくされ、これによっても、自動車への取付状態下での使用耐久性が、有利に高められる。その上、各分割ゴム22,23の外側ゴム部34と内側ゴム部32とが仕切部材24,25に対して加硫接着されていると共に、第一及び第二仕切部材24,25同士の強固な連結により、分割ゴム22,23とスタビライザバー10も強固に固定されているところから、スタビライザブッシュ12全体としてのばね特性として、リニアで低ヒステリシスな捩りばねが確保され得る。
更にまた、本実施形態のスタビライザブッシュ付スタビライザバーにおいては、各分割ゴム22,23の内側ゴム部32をスタビライザバー10との間で圧縮した状態で、互いに連結される各仕切部材24,25が、十分に大きな剛性を備えた半割円筒金具にて構成されているため、各仕切部材24,25を軸方向両側端部のみにおいて径方向内方に押圧するだけで、スタビライザバー10との間で、内側ゴム部32の全体を確実に圧縮することが出来る。また、第一及び第二仕切部材24,25を、連結部26同士において、かしめ固定に代えて、溶接等によって、更に強固に連結することも可能となる。
また、本実施形態では、各仕切部材24,25の連結部26が、分割ゴム22,23や分割金具36,38の固着部40から軸方向両側に突出せしめられているところから、それら連結部26を径方向内方に向かって外方から押圧する操作が、分割ゴム22,23や分割金具36,38によって邪魔されることなく、より容易に行われ得る。それによって、スタビライザブッシュ付スタビライザブッシュの生産性の更なる向上が、有利に図られ得る。
加えて、本実施形態のスタビライザブッシュ付スタビライザバーにあっては、各分割ゴム22,23の内側ゴム部32の軸方向長さが長くされることで、かかる内側ゴム部32のスタビライザバー10との接触面積が十分に大きくされている。これによっても、各分割構造体20,21のスタビライザバー10に対する固定強度の向上が、図られている。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、前記実施形態では、第一及び第二仕切部材24,25の連結部26同士が、かしめ固定により、相互に連結されていたが、かかる連結部26同士の連結は、接着剤を用いない方式乃至は構造の何れによっても実現され得る。従って、例えば、連結部26同士を溶接したり、或いはボルトやリベット等の締結部材や拘束バンド等の締着部材、更には各種のクランプ部材等を用いて、連結部26同士を連結しても良いのである。勿論、連結部26同士をかしめ固定する場合にあっても、例示した方式以外の方式のかしめ固定も、適宜に採用され得る。
また、前記実施形態では、各分割ゴム22,23の内側ゴム部32の厚さが外側ゴム部34の厚さよりも小さくされることで、内側ゴム部32のばね定数が、外側ゴム部34のばね定数よりも大きく設定されていたが、例えば、それら内側及び外側ゴム部32,34のそれぞれの硬度や材質は異ならしめることによって、互いのばね定数に差異を設けるようにしても良い。なお、それら内側ゴム部32と外側ゴム部34のそれぞれのばね定数が、必ずしも異なる大きさとされている必要はない。
さらに、前記実施形態では、各分割ゴム22,23の内側ゴム部32の内周面に設けられた複数の凹部35が、吸盤機能を有するように構成されていたが、この凹部35の吸盤機能は、必ずしも必須のものではない。従って、それら複数の凹部35の全体の形態や内面形状、開口部の形状も、例示のものに、特に限定されるものではなく、例えば、各凹部35を、内側ゴム部32の軸方向や周方向、或いはそれらの方向以外の方向に、内側ゴム部32の全長や全幅、又は部分的に延びる凹溝形態において構成することも出来る。
このように、凹部35が、たとえ吸盤機能を有しなくとも、内側ゴム部32が、各仕切部材24,25とスタビライザバー10との間で径方向に圧縮された際に、内側ゴム部32における各凹部35の周辺に位置する凸部37部分が、凹部35内に入り込む(逃げ込む)ように圧縮変形せしめられるようになる。これによって、各内側ゴム部32に対する予圧縮時の加圧力を増大させることなく、従って、そのような加圧力の増大による仕切部材24,25の変形を何等生じさせることなしに、各内側ゴム部32の径方向内方への圧縮率が、十分に且つ効果的に大きくされる。そうして、例えば、各内側ゴム部32の内周面が平滑面とされている場合とは異なって、長期の使用や使用時における周囲の温度変化等に起因して、各内側ゴム部32のヘタリが進行しても、予圧縮量が大きくされている分だけ、特に、各内側ゴム部32の内周面に設けられた凹部35同士の間に位置する凸部37のスタビライザバー10外周面への接触状態が、より長期に亘って安定的に維持され得る。その結果、スタビライザバー10への大きな捩り力の入力時における各内側ゴム部32の内周面とスタビライザバー10の外周面との間での滑りの発生、更にはそれによるスティックスリップの発生が、より一層効果的に且つより長期に亘って安定的に防止され得ることとなるのである。
また、内側ゴム部32の内周面に対する複数の凹部35の配設位置や配設個数等も、内側ゴム部32の内周面の大きさ等に応じて、適宜に変更され得るものであることは、言うまでもないところである。
さらに、複数の凹部35の深さが、互いに異なる深さ、或いは複数もののうちの一部が異なる深さとなるように構成することも出来る。
加えて、本実施形態では、本発明を、自動車用の防振ブッシュ付スタビライザバーとその製造方法に適用したものの具体例を示したが、本発明は、自動車用以外の防振ブッシュ付スタビライザバーやその製造方法の何れに対しても有利に適用され得ることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
本発明に従う構造を有する防振ブッシュ付スタビライザバーの一実施形態を示す正面説明図である。 図1に示される防振ブッシュ付スタビライザバーの一部を拡大して示す斜視説明図である。 図2におけるIII−III断面説明図である。 図3におけるIV−IV断面説明図である。 図1に示された防振ブッシュ付スタビライザバーを構成する分割構造体を示す横断面説明図である。 図1に示された防振ブッシュ付スタビライザバーを構成する分割構造体を示す縦断面説明図である。 図5のVII矢視における部分拡大説明図である。 図1に示された防振ブッシュ付スタビライザバーを製造する際の工程の一例を示す説明図であって、一対の分割構造体を、分割ゴム弾性体同士の間にスタビライザバーを挟んで組み付けた状態を示している。 図8における IX矢視説明図である。 図8示される工程に引き続いて行われる工程を示す説明図であって、一対の分割構造体のそれぞれにおける仕切部材を径方向内方に押圧して、分割ゴム弾性体の内側ゴム部に予圧縮を加えた状態を示している。 図10における XI矢視説明図である。
符号の説明
10 スタビライザバー 12 スタビライザブッシュ
14 内孔 16 本体ゴム弾性体
18 ブラケット 20 第一の分割構造体
21 第二の分割構造体 22 第一分割ゴム
23 第二分割ゴム 24 第一仕切部材
25 第二仕切部材 26 連結部
32 内側ゴム部 34 外側ゴム部
35 凹部 36 第一分割金具
37 凸部 38 第二分割金具

Claims (5)

  1. 軸方向に延びる内孔を備えた筒状ゴム弾性体を二分割した分割ゴム弾性体の外周面に、車体に取り付けられる剛性のブラケットを二分割した分割ブラケットが固着されてなる分割構造体の一対が、該分割ゴム弾性体同士の間でスタビライザバーを挟んで、相互に組み付けられた状態において、該スタビライザバーに固定されてなる防振ブッシュ付スタビライザバーであって、
    前記分割構造体における前記分割ゴム弾性体の径方向中間部に、該分割ゴム弾性体を径方向中間部よりも内側の部分と外側の部分とに仕切る、半割円筒状を呈する剛性の仕切部材が埋設されて、該分割ゴム弾性体が、該仕切部材よりも内側の部分からなる内側ゴム部と、該仕切部材よりも外側の部分からなる外側ゴム部とにて構成されると共に、該内側ゴム部の内周面に、複数の凹部が設けられ、更に、該仕切部材に、該分割ゴム弾性体から外方に突出する連結部が一体的に設けられて、かかる分割構造体の一対が、該分割ゴム弾性体同士の間に前記スタビライザバーを挟んで組み付けられる一方、それら各分割ゴム弾性体の前記内側ゴム部が、内周面において該スタビライザバーに接触して、該スタビライザバーと前記仕切部材との間で径方向に圧縮された状態で、該一対の分割構造体のそれぞれの仕切部材が、前記連結部同士において相互に連結されることにより、該内側ゴム部に径方向の予圧縮が加えられた状態で、該一対の分割構造体が、該スタビライザバーに固定されていることを特徴とする防振ブッシュ付スタビライザバー。
  2. 前記内側ゴム部の内周面に設けられた前記凹部の内面が湾曲面とされている請求項1に記載の防振ブッシュ付スタビライザバー。
  3. 前記内側ゴム部の内周面に設けられた前記凹部が、吸盤機能を有する吸着凹部にて構成されている請求項2に記載の防振ブッシュ付スタビライザバー。
  4. 前記内側ゴム部の内周面に設けられた前記凹部の内面が球面の一部にて構成されている請求項2又は3に記載の防振ブッシュ付スタビライザバー。
  5. 軸方向に延びる内孔を備えた筒状ゴム弾性体を二分割した分割ゴム弾性体の外周面に、車体に取り付けられる剛性のブラケットを二分割した分割ブラケットが固着されてなる分割構造体の一対が、該分割ゴム弾性体同士の間でスタビライザバーを挟んで、相互に組み付けられた状態において、該スタビライザバーに固定されてなる防振ブッシュ付スタビライザバーの製造方法であって、
    前記分割ゴム弾性体の径方向中間部に、該分割ゴム弾性体を径方向中間部よりも内側の部分と外側の部分とに仕切る、半割円筒状を呈する剛性の仕切部材が埋設されて、該分割ゴム弾性体が、該仕切部材よりも内側の部分からなる内側ゴム部と、該仕切部材よりも外側の部分からなる外側ゴム部とにて構成されると共に、該内側ゴム部の内周面に、複数の凹部が設けられ、更に、該仕切部材に対して、該分割ゴム弾性体から外方に突出する連結部が一体的に設けられてなるものを、前記分割構造体として、一対準備する工程と、
    かかる一対の分割構造体の前記分割ゴム弾性体同士の間に、前記スタビライザバーを、該分割ゴム弾性体のそれぞれにおける前記内側ゴム部の内周面に接触するように挟んだ状態で、該一対の分割構造体を相互に組み付ける工程と、
    相互に組み付けられた前記一対の分割構造体のそれぞれにおける前記仕切部材を径方向内方に押圧して、それら各分割構造体の前記内側ゴム部を前記スタビライザバーと該仕切部材との間で径方向に圧縮した状態で、該一対の分割構造体のそれぞれの仕切部材を、前記連結部同士において相互に連結することにより、該内側ゴム部に径方向の予圧縮が加えられた状態で、該一対の分割構造体を該スタビライザバーに固定する工程と、
    を含むことを特徴とする防振ブッシュ付スタビライザバーの製造方法。
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