JP3719030B2 - リーフスプリング用ブッシュ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の車体とリーフスプリング間に適用されるリーフスプリング用ブッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のリーフスプリング用ブッシュは、例えば図5に示すように、一対のブッシュ部材1により構成されている。ブッシュ部材1は、図6に示すように、軸金具である内筒金具2と、内筒金具2の外周面上に固着されたゴム弾性体3と、ゴム弾性体3の外周面上に固着された薄肉の外筒金具6とを備えている。ゴム弾性体3は、図7に示すように、内筒金具2の外周面上に固着された筒形状であり、軸方向一端側に径方向に突出した環状の端厚肉部4と、端厚肉部4に隣接し軸方向他端に至る部分に径方向に軸方向断面が裾広がりの台形状に突出した中間厚肉部5とを備えている。外筒金具6は、その内径がゴム弾性体3の中間厚肉部5の外径より小さい円筒部と、円筒部の一端に径方向外方に突出したフランジ部を有している。この外筒金具6内に、ゴム弾性体3の中間厚肉部5を圧入することにより、ブッシュ部材1が形成される。
【0003】
この一対のブッシュ部材1を、それぞれ軸方向他端側(中間厚肉部5側)から、相手筒部材であるリーフスプリングのアームアイ9内にその軸方向両端から圧入挿着することにより、中間厚肉部5が内筒金具2とアームアイ9によって径方向に圧縮変形した状態で挟まれる。ここで、中間厚肉部5の圧入においては、圧入の作業性等も考慮され、20%より低い圧入率が採用されている。このようにアームアイ9に挿着された一対のブッシュ部材1に対し、一方の内筒金具2の端部からその軸孔2aに円環形状のワッシャ7aを介してボルト8aを挿入し、他方の内筒金具2側から突出したボルト8aにワッシャ7bを介してナット8bを螺着させることにより、内筒金具2が車体側の相手部材(図示しない)に取り付けられる。これにより、各ブッシュ部材1の端厚肉部4は、ワッシャ7a,7bに加えられた押圧力により軸方向に圧縮変形した状態で、アームアイ9の軸方向両端面と両ワッシャ7a,7bの軸方向対向面とに圧接される。
【0004】
このように、アームアイ9にリーフスプリング用ブッシュを圧入挿着することにより、内筒金具2と外筒金具6を介したアームアイ9によって圧縮変形した状態で挟まれた中間厚肉部5において、アームアイ9に加えられた軸直角方向の振動入力に対するばね特性が確保されるようになっている。また、外筒金具6を介したアームアイ9の軸方向両端面と両ワッシャ7a,7bの軸方向対向面とに挟まれて軸方向に圧縮変形した端厚肉部4においては、軸方向の振動入力に対するばね特性が確保されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記リーフスプリング用ブッシュを、非常に大きい荷重の加わるトラック等の大型車両のリーフスプリングに挿着した場合、ゴム弾性体3をアームアイ9へ圧入した圧入率が20%より低い値であるため、ゴム弾性体3の捩り角度が大きくなるとゴム弾性体3とアームアイ9と一体化した外筒金具6との間に滑りを生じ、その耐久性が急激に劣化するという問題がある。これに対し、ゴム弾性体の圧入率を20%以上に高めることが考えられるが、このような高い圧入率の圧入によってゴム弾性体に不規則な変形が生じ、そのため内筒金具の位置がこじられて軸心位置から不規則に外れるという不具合が生じることとなる。その結果、両ブッシュ部材1の内筒金具2の軸孔へのボルトの挿通が非常に困難になると共に、ボルトの引き抜きも困難になり、リーフスプリング用ブッシュの組付け作業及び取外し作業がスムーズに行えなくなるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記した問題を解決しようとするもので、ゴム弾性体の圧入率を高めてゴム弾性体の捩りに対する耐久性を高めると共に相手部材への組み付けの容易なリーフスプリング用ブッシュを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、上記請求項1の発明の構成上の特徴は、筒状の軸金具と、軸金具の軸方向両端に配設されて径方向外方に広がる一対のフランジ部と、軸金具の外周面上に配設された筒状のゴム弾性体とを備え、軸金具よりも軸方向長さが短い相手筒部材に軸金具が挿通配置されることにより、軸金具の外周面と相手筒部材の内周面との径方向対向面間及び各フランジ部と相手筒部材の軸方向両端面との軸方向対向面間を、それぞれゴム弾性体によって弾性的に連結するリーフスプリング用ブッシュであって、ゴム弾性体を、軸金具の一端側と、他端側から離れた位置の間の外周面上に筒状に接着されて、一端側にて径方向に突設されその外径が相手筒部材の内径より大きくされた環状の第1肉部と、軸方向の少なくとも2箇所にて径方向に突設されて山に形成され、その外径が相手筒部材の内径より大きくされ相手筒部材内に圧入することにより挿嵌される筒状の中間厚肉部とを有し、第1肉部と中間厚肉部が筒状の他の部分に対して径方向に突出して厚肉になっている第1ゴム弾性部と、軸金具の他端側にて軸金具の外周面に外挿され少なくとも他端側にその外径が相手筒部材の内径より大きくされた環状の第2肉部を有してなる第2ゴム弾性部とにより構成し、第1ゴム弾性部の相手筒部材への圧入部分の外周面上に、その外径が相手筒部材の内径より大きい外筒金具を第1ゴム弾性部の低い圧入率での圧入により予め固着させることとし、外筒金具が固着された状態の第1ゴム弾性部が相手筒部材内に圧入されることにより外筒金具が径方向に絞られ、中間厚肉部の相手筒部材への圧入における最終的な圧入率が、20%以上の高い圧入率にされており、各フランジ部により第1肉部及び第2肉部をそれぞれ軸方向の対向方向に圧縮変形させることにより、相手筒部材の軸方向両端面と各フランジ部の軸方向対向面とに第1肉部及び第2肉部を圧接させるようにしたことにある。
【0008】
また、請求項2の発明の特徴は、筒状の軸金具と、軸金具の軸方向両端に配設されて径方向外方に広がる一対のフランジ部と、軸金具の外周面上に配設された筒状のゴム弾性体とを備え、軸金具よりも軸方向長さが短い相手筒部材に軸金具が挿通配置されることにより、軸金具の外周面と相手筒部材の内周面との径方向対向面間及び各フランジ部と相手筒部材の軸方向両端面との軸方向対向面間を、それぞれゴム弾性体によって弾性的に連結するリーフスプリング用ブッシュを製造する方法であって、軸金具の一端側と、他端側から離れた位置の間の外周面上に筒状に接着されて、一端側にて径方向に突設されその外径が相手筒部材の内径より大きくされた環状の第1肉部と、軸方向の少なくとも2箇所にて径方向に突設されて山に形成され、その外径が相手筒部材の内径より大きくされ相手筒部材内に圧入することにより挿嵌される筒状の中間厚肉部とを有し、第1肉部と中間厚肉部が筒状の他の部分に対して径方向に突出して厚肉になっている第1ゴム弾性部を形成し、少なくとも他端側にその外径が相手筒部材の内径より大きくされた環状の第2肉部を有してなる第1ゴム弾性部と共にゴム弾性体を構成する第2ゴム弾性部を形成し、第1ゴム弾性部の相手筒部材への圧入部分の外周面上に、その外径が相手筒部材の内径より大きい外筒金具を第1ゴム弾性部の低い圧入率での圧入により予め固着させ、外筒金具が固着された状態の第1ゴム弾性部を相手筒部材内に圧入させ、これにより外筒金具が径方向に絞られて、中間厚肉部の相手筒部材への圧入における最終的な圧入率を、20%以上の高い圧入率とし、第2ゴム弾性部を軸金具の他端側にて軸金具の外周面に外挿させ、各フランジ部により第1肉部及び第2肉部をそれぞれ軸方向の対向方向に圧縮変形させることにより、相手筒部材の軸方向両端面と各フランジ部の軸方向対向面とに第1肉部及び第2肉部を圧接させるようにしたことにある。
【0009】
上記のように構成した発明においては、相手筒部材に加えられる径方向の荷重の大部分を支える第1ゴム弾性部の中間厚肉部が、圧入率20%以上の高圧入率で圧入されることにより、径方向に大きく圧縮されているので、相手筒部材からの大きな荷重を受けて捩れ角が大きくなっても、滑りが生じ難くされている。さらに、内筒金具が一体で形成されており分離されていないので、その軸孔へのボルトの挿通が容易に行われる。そのため、リーフスプリング用ブッシュの相手部材への取り付けが容易であると共に、リーフスプリング用ブッシュの取外しの際のボルトの引き抜きも容易に行うことができる。
【0010】
また、第1ゴム弾性部を予め低い圧入率で外筒金具に圧入した後、さらに最終的に高い圧入率になるように相手筒部材に圧入できるので、高圧入率でのゴム弾性体の圧入作業が容易になると共に、第1ゴム弾性部の不規則な変形による内筒金具のこじれを確実に防止できる。また、相手筒部材への圧入の際の、第1ゴム弾性部の相手筒部材との摩擦による損傷を防止できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明すると、図1は、同実施形態に係るリーフスプリング用ブッシュ(以下、ゴムブッシュと記す)を、トラック等の大型車両のリーフスプリングのアームアイ40(相手筒部材)に装着した状態を断面図により示したものである。ゴムブッシュは、ブッシュ部10と軸端ストッパ部20とにより構成されている。
【0012】
ブッシュ部10は、図2に示すように、軸金具としての内筒金具11と、内筒金具11の外周面に加硫接着された筒状のゴム弾性体である第1ゴム弾性部12と、第1ゴム弾性部12の外周面に装着された第1外筒金具16とを設けている。内筒金具11は、直円筒形状で、軸方向長さが上記アイアーム40より長くされている。第1ゴム弾性部12は、加硫成形後の形状が、図3に示すように、内筒金具11の軸方向一端側(図示右端)と、他端側(図示左端)から所定寸法x離れた位置(他端側近傍位置)の間に延設された筒形状であって、軸方向一端側において、径方向に同軸的に突出した環状の第1肉部13を有している。第1肉部13の外径は、上記アームアイ40の内径より大きくされている。また、第1ゴム弾性部12は、第1肉部13を除く他の部分において、軸方向に互いに隣接した2つの中間厚肉部14,15を有している。中間厚肉部14,15は、径方向に同軸的に突出する筒状であってかつ軸方向断面形状が略台形状になっており、その外周部分の最大外径は、上記アームアイ40の内径より大きくかつ第1肉部13の外径よりわずかに小さくされている。第1ゴム弾性部12は、通常は内筒金具11を金型にセットした状態で、その外周面にゴム加硫成形により一体でゴム加硫品Mとして形成されるものであるが、これに代えて、ゴム弾性体単体で形成した後、これを内筒金具11に挿嵌固定するようにしてもよい。
【0013】
第1外筒金具16は、金属製の薄肉のパイプであって表面が滑らかであり、軸方向一端(図示右端)に径方向外方に突出した環状のフランジ部16aを有している。第1外筒金具16は、軸方向長さが第1ゴム弾性部12の第1肉部13を除いた部分の長さと略同一であり、内径が中間厚肉部14,15の外径よりわずかに小さくなっている。この第1外筒金具16のフランジ部16a側から内部に、ゴム加硫成形品Mをその他端側から圧入させ、第1肉部13がフランジ部16aに当接する状態に挿嵌させることにより、ブッシュ部10として形成される。ここで、第1ゴム弾性部12の中間厚肉部14,15の圧入率は10%程度に抑えられているので、圧入作業は容易である。また、低圧入率であると共に、第1外筒金具16の表面が滑らかにされているので、圧入による中間厚肉部14,15の損傷を防止できる。
【0014】
軸端ストッパ部20は、図4に示すように、内筒金具11の外周面に外挿される筒状のゴム弾性体である第2ゴム弾性部21と、第2ゴム弾性部21の外周面に固着された第2外筒金具23とを設けている。第2ゴム弾性部21は、軸方向長さが上記内筒金具11外周面に第1ゴム弾性部12が装着されていない領域(他端側から上記所定寸法x離れた位置の間の領域)の寸法よりわずかに短く、その内径は内筒金具11の外径よりわずかに大きくされている。また、第2ゴム弾性部21の他端側(図示左端)には、径方向に同軸的に突出した環状の第2肉部22が設けられている。第2肉部22は、その外径が上記アームアイ40の内径より大きくされている。
【0015】
第2外筒金具23は、金属製の薄肉のパイプであって、挿嵌筒部23aとその軸方向他端側(図示左端)に径方向外方に突出した環状のフランジ部23bとを有している。挿嵌筒部23aの軸方向長さは、アームアイ40の軸方向長さから第1外筒金具16の軸方向長さを引いた長さより短くされており、その外径はアームアイ40の内径よりわずかに大きくされている。第2ゴム弾性部21は、通常は第2外筒金具23を金型にセットした状態でゴム加硫成形により一体でゴム加硫品として形成されるものであるが、これに代えて、ゴム弾性体単体で形成した後、第2外筒金具23に挿嵌固定するようにしてもよい。
【0016】
上記ブッシュ部10は、リーフスプリングのアームアイ40の一端開口に内筒金具11他端側から圧入されて、第1外筒金具16のフランジ部16aがアームアイ40の一端面に当接する位置まで挿嵌され、アームアイ40に固定される。この圧入操作により、第1外筒金具16が径方向に絞られ、そのため、第1ゴム弾性部12の中間厚肉部14,15の圧入率は、上記第1外筒金具16への圧入に加えて20%以上の高い圧入率にされる。その結果として、中間厚肉部14,15は、径方向に大きく圧縮されることになるが、圧入が2段階で行われること及び第1外筒金具16のストレート部が長いこと及び中間厚肉部14,15が2山に形成されていることにより、圧入によって不規則な変形を生じることがないので、内筒金具11はこじれることがなくアームアイ40に対してほぼ同軸的に配設される。
【0017】
つぎに、軸端ストッパ部20の第2ゴム弾性部21の中心孔をアームアイ40に圧入固定された内筒金具11の他端側に外挿すると共に、アームアイ40の他端開口に第2外筒金具23を圧入することにより、軸端ストッパ部20は、フランジ部23bがアームアイ40の他端に当接する位置まで挿嵌され、アームアイ40に固定される。その際、軸端ストッパ20の第2ゴム弾性部21の内周面と内筒金具11外周面間にはわずかな隙間があり、また中間厚肉部14の軸方向先端部と第2ゴム弾性部21の軸方向先端部間にも隙間がある。
【0018】
さらに、内筒金具11の一端側から、リング状のワッシャ金具(フランジ部)31を介して内筒金具11の軸孔にボルト32が挿入され、内筒金具11の他端側から突出したボルト32の先端に、ワッシャ金具31を介してナット33を螺着させることにより、内筒金具11が相手部材である車体側部材(図示しない)に固定される。そして、さらにボルト32をナット33にねじ込みむことにより、両ワッシャ金具31,31が軸方向の押圧力を受けて互いの対向方向に対して押圧力を及ぼすため、第1肉部13及び第2肉部22は軸方向に圧縮され、ワッシャ金具31,31とアームアイ40の両端面に圧接される。このように、第1肉部13及び第2肉部22が軸方向に圧縮されることにより、互いに対向する中間厚肉部14の軸方向先端と第2ゴム弾性部21の軸方向先端が接近することになるが、両者間には上記したように予め隙間が設けられているため、互いの伸長分が隙間に吸収されるため互いの先端の接触が防止される。また、圧縮による第2ゴム弾性部21の軸心方向への伸びは、内筒金具11外周面との間の隙間によって吸収される。
【0019】
このようにアームアイ40に組み付けられたゴムブッシュは、内筒金具11とアームアイ40によって圧縮変形した状態で挟まれた中間厚肉部14において、アームアイ40に加えられた軸直角方向の振動入力に対するばね特性が得られる。また、アームアイ40の軸方向両端面と両ワッシャ金具31,31の軸方向対向面とに挟まれて軸方向に圧縮変形した第1肉部13及び第2肉部22においては、軸方向の振動入力に対するばね特性が得られる。
【0020】
以上のように構成した実施形態においては、第1ゴム弾性部12の中間厚肉部14,15が圧入率20%以上の高圧入率でアームアイ40に圧入されていることにより、径方向に大きく圧縮されているので、アームアイ40から大きな荷重を受けて捩れ角が大きくなっても、中間厚肉部14,15の滑りが生じ難くされている。その結果、中間厚肉部14,15の耐久性が高められる。また、ゴムブッシュの軸方向に加えられる荷重に対しては、第1ゴム弾性部12の第1肉部13及び第2ゴム弾性部21の第2肉部22がアームアイ40の両端面と一対のワッシャ金具31,31に圧接されているので、ゴムブッシュの軸方向の耐久性が確保される。
【0021】
さらに、内筒金具11が一体でストレートに形成されており分離されていないので、その軸孔へのボルト32の挿通が容易に行われるものであり、ボルト32によるゴムブッシュの車体側部材への固定が容易であると共に、第1ゴム弾性部12を車体側部材から取り外す場合のボルト32の引き抜きが容易である。その結果、ゴムブッシュの組付け及び取外しの作業性が高められる。
【0022】
また、本実施形態においては、第1ゴム弾性部12のアームアイ40への圧入部分の外周面に、アームアイ40の内径よりわずかに大きい外径である第1外筒金具16が予め圧入により固着されている。すなわち、第1ゴム弾性部12を予め低い圧入率で第1外筒金具16に圧入した後、さらに最終的に20%以上の高い圧入率になるようにアームアイ40に圧入できるので、高圧入率での第1ゴム弾性部12の圧入作業が容易になる。さらに、内筒金具11のこじれも確実に防止でき、安定した径方向のばね特性が得られる。また、アームアイ40への圧入の際の、第1ゴム弾性部12のアームアイ40との摩擦による損傷を受けることがなくその信頼性が確保される。また、第2ゴム弾性部21のアームアイ40への挿入部分の外周面に、アームアイ40の内径よりわずかに大きい外径である第2外筒金具23が予め固着されているため、第2ゴム弾性部21のアームアイ40との摩擦による損傷を受けることもない。
【0023】
なお、上記実施形態では、第1ゴム弾性部12の外周面に第1外筒金具16が固定されているが、必要に応じて第1外筒金具を省略することもできる。第2ゴム弾性部21の外周面に設けた第2外筒金具23についても同様に省略できる。また、第1ゴム弾性部の中間厚肉部が2つであるが、3つ以上としてもよい。さらに、第2ゴム弾性部については、アームアイ内に挿嵌させる部分を設けず単に第2肉部のみであってもよい。
【0024】
なお、上記実施形態において、ゴムブッシュをリーフスプリング用としてアームアイに圧入挿着した場合について示しているが、これに限らずサスペンションブッシュ等の類似の用途にも同様に適用できる。その他、上記実施形態に示したゴムブッシュについては一例であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲においては、種々の形態で実施することができる。
【0025】
【発明の効果】
上記請求項1,2の発明によれば、第1ゴム弾性部の中間厚肉部が、20%以上の高圧入率で圧入されて径方向に大きく圧縮されているので、相手筒部材から大きな荷重を受けて捩れ角が大きくなっても、滑りにくくなっている。その結果、ゴム弾性体の径方向の耐久性が高められ、リーフスプリング用ブッシュの信頼性が高められる。また、内筒金具が一体で形成されており分離されていないので、内筒金具へのボルトの挿入及び引き抜きが非常に容易であり、その結果、リーフスプリング用ブッシュの相手部材へ組付け及び取外しの作業性が高められる。
【0026】
また、第1ゴム弾性部を予め低い圧入率で外筒金具に圧入した後、さらに最終的に20%以上の高い圧入率になるように相手筒部材に圧入するようにしたことにより、第1ゴム弾性部の高圧入率での圧入作業が容易になると共に、第1ゴム弾性部の不規則な変形を防止でき、内筒金具のこじれをより確実に回避できる。また、相手筒部材への圧入の際、第1ゴム弾性部が相手筒部材との摩擦による損傷を受けることもなく、その信頼性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるリーフスプリング用ブッシュを車両のリーフスプリングのアームアイに装着した状態を示す部分断面図である。
【図2】ゴム加硫成形品を外筒金具に圧入したブッシュ部を示す断面図である。
【図3】内筒金具にゴム弾性体を加硫成形したゴム加硫成形品を示す断面図である。
【図4】軸端ストッパ部を示す断面図である。
【図5】従来例であるリーフスプリング用ブッシュを車両のリーフスプリングのアームアイに装着した状態を示す部分断面図である。
【図6】従来例であるゴム加硫成形品を外筒金具に圧入したブッシュ部材を示す断面図である。
【図7】従来例である内筒金具にゴム弾性体を加硫成形したゴム加硫成形品を示す断面図である。
【符号の説明】
10…ブッシュ部、11…内筒金具、12…第1ゴム弾性部、13…第1肉部、14,15…中間厚肉部、16…第1外筒金具、16a…フランジ部、20…軸端ストッパ部、21…第2ゴム弾性部、22…第2肉部、23…第2外筒金具、31…ワッシャ金具、32…ボルト、33…ナット、40…アームアイ。
Claims (2)
- 筒状の軸金具と、該軸金具の軸方向両端に配設されて径方向外方に広がる一対のフランジ部と、該軸金具の外周面上に配設された筒状のゴム弾性体とを備え、該軸金具よりも軸方向長さが短い相手筒部材に該軸金具が挿通配置されることにより、該軸金具の外周面と該相手筒部材の内周面との径方向対向面間及び前記各フランジ部と該相手筒部材の軸方向両端面との軸方向対向面間を、それぞれ前記ゴム弾性体によって弾性的に連結するリーフスプリング用ブッシュであって、
前記ゴム弾性体を、前記軸金具の一端側と、他端側から離れた位置の間の外周面上に筒状に接着されて、該一端側にて径方向に突設されその外径が前記相手筒部材の内径より大きくされた環状の第1肉部と、軸方向の少なくとも2箇所にて径方向に突設されて山に形成され、その外径が前記相手筒部材の内径より大きくされ該相手筒部材内に圧入することにより挿嵌される筒状の中間厚肉部とを有し、前記第1肉部と中間厚肉部が筒状の他の部分に対して径方向に突出して厚肉になっている第1ゴム弾性部と、前記軸金具の他端側にて該軸金具の外周面に外挿され少なくとも他端側にその外径が前記相手筒部材の内径より大きくされた環状の第2肉部を有してなる第2ゴム弾性部とにより構成し、
前記第1ゴム弾性部の前記相手筒部材への圧入部分の外周面上に、その外径が該相手筒部材の内径より大きい外筒金具を該第1ゴム弾性部の低い圧入率での圧入により予め固着させることとし、
該外筒金具が固着された状態の該第1ゴム弾性部が前記相手筒部材内に圧入されることにより該外筒金具が径方向に絞られ、前記中間厚肉部の前記相手筒部材への圧入における最終的な圧入率が、20%以上の高い圧入率にされており、
前記各フランジ部により前記第1肉部及び第2肉部をそれぞれ軸方向の対向方向に圧縮変形させることにより、前記相手筒部材の軸方向両端面と前記各フランジ部の軸方向対向面とに前記第1肉部及び第2肉部を圧接させるようにしたことを特徴とするリーフスプリング用ブッシュ。 - 筒状の軸金具と、該軸金具の軸方向両端に配設されて径方向外方に広がる一対のフランジ部と、該軸金具の外周面上に配設された筒状のゴム弾性体とを備え、該軸金具よりも軸方向長さが短い相手筒部材に該軸金具が挿通配置されることにより、該軸金具の外周面と該相手筒部材の内周面との径方向対向面間及び前記各フランジ部と該相手筒部材の軸方向両端面との軸方向対向面間を、それぞれ前記ゴム弾性体によって弾性的に連結するリーフスプリング用ブッシュを製造する方法であって、
前記軸金具の一端側と、他端側から離れた位置の間の外周面上に筒状に接着されて、該一端側にて径方向に突設されその外径が前記相手筒部材の内径より大きくされた環状の第1肉部と、軸方向の少なくとも2箇所にて径方向に突設されて山に形成され、その外径が前記相手筒部材の内径より大きくされ該相手筒部材内に圧入することにより挿嵌される筒状の中間厚肉部とを有し、前記第1肉部と中間厚肉部が筒状の他の部分に対して径方向に突出して厚肉になっている第1ゴム弾性部を形成し、
少なくとも他端側にその外径が前記相手筒部材の内径より大きくされた環状の第2肉部を有してなる前記第1ゴム弾性部と共に前記ゴム弾性体を構成する第2ゴム弾性部を形成し、
前記第1ゴム弾性部の前記相手筒部材への圧入部分の外周面上に、その外径が該相手筒部材の内径より大きい外筒金具を該第1ゴム弾性部の低い圧入率での圧入により予め固着させ、
前記外筒金具が固着された状態の前記第1ゴム弾性部を前記相手筒部材内に圧入させ、これにより該外筒金具が径方向に絞られて、前記中間厚肉部の前記相手筒部材への圧入における最終的な圧入率を、20%以上の高い圧入率とし、
前記第2ゴム弾性部を前記軸金具の他端側にて該軸金具の外周面に外挿させ、
前記各フランジ部により前記第1肉部及び第2肉部をそれぞれ軸方向の対向方向に圧縮 変形させることにより、前記相手筒部材の軸方向両端面と前記各フランジ部の軸方向対向面とに前記第1肉部及び第2肉部を圧接させるようにした
ことを特徴とするリーフスプリング用ブッシュの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP04993899A JP3719030B2 (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | リーフスプリング用ブッシュ及びその製造方法 |
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JP04993899A JP3719030B2 (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | リーフスプリング用ブッシュ及びその製造方法 |
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