JP4665915B2 - エンジンマウント - Google Patents
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Description
これらの図において200はエンジンマウントで、エンジン側に取付固定される上取付金具202と、車体側に取付固定される下取付金具204と、それらを連結する状態に間に介在させられたゴム弾性体206とを有している。
一方、下取付金具204は全体がプレート状の金具からなっており、図6(B)に示すように一対の舌片状の固定部210を有していて、それぞれに固定孔212が備えられ、各固定孔212において車体側に取付固定される。
ゴム弾性体206は、エンジンの荷重を受けこれを弾性支持する本体ゴム部としてのブロック状の支持ゴム部214と、一対のゴムストッパ部216,218を有している。
図中216A,218Aはバウンド時にストッパ作用をなすバウンド側のゴムストッパ部を、216Bはリバウンド時にストッパ作用をなすリバウンド側のゴムストッパ部を表している。
尚支持ゴム部214とゴムストッパ部216,218とはゴム膜を介して連続し、互いに繋がっている。
このストッパ金具224は、ゴム弾性体206を取り囲む周壁部を有しており、その一部がゴムストッパ部216,218に対向するストッパ228,230とされている。
尚図6,図7(A)はエンジンマウント200を車両への取付け前の状態で表しており、図7(B)は、角度θで傾斜して車両に取り付けられ、エンジンの荷重を支持した状態で表している。
この接着処理は下取付金具204を予め脱脂洗浄し、これを乾燥した上で接着剤の塗布処理及びその後の乾燥処理が必要であり、しかも通常は複数種類の接着剤を塗布する必要があって、各接着剤を塗布処理するごとにその塗布後の乾燥処理が必要であり、多くの工程を要する面倒な処理となる。
これらはエンジンマウントとして用いられる筒形マウントに関するもので、インナ部材に対してゴム弾性体を予め一体に加硫しておいてこれを予備組付体と成し、そしてそのゴム弾性体を取付部材にて構成した分割構造のアウタ部材にて、即ち一対の分割体でゴム弾性体を挟み込んでマウント組付体となすものであるが、その構成において本発明とは異なったものである。
しかしながらこの特許文献3に開示のものも、その構成において本発明と異なったものである。
本発明のエンジンマウントにあっては、アウタ部材が図6及び図7に示した従来のエンジンマウントの逆カップ状のストッパ金具としての働きをなすことから、このようなストッパ金具を別途に必要とせず、またその組付けのための工数も削減することができる。
これによりエンジンマウントの全体の製造工程数を少なくし得て、エンジンマウント製造のコストを低減することができる。
しかしながらゴム支持脚は防振作用の主体をなす部分であり、かかるゴム支持脚の一部を圧縮状態に挟み込んでしまうと、ゴム支持脚のばね特性が硬くなってしまい、また挟み込んだ部分が拘束された状態となって、外部から入力が加わったときにゴム支持脚の変形の自由度が損なわれ、それらによってゴム支持脚による防振性能が悪化してしまう。
従ってこの係合凸部を挟み込み固定することで、その挟込み部分を剛固定状態に近い状態で固定でき、固定力を高強度となすことができる。
即ち本発明によれば、ゴム弾性体の鍔状部をアウタ部材に対する非接着の固定部となしているにも拘らず、固定部としての鍔状部が外力によってアウタ部材に対しガタツキを生じたり、位置ずれしたりするのを良好に防止することができる。
この場合、第2ゴムストッパ部はアウタ部材における周壁部をストッパとして、そこに当接することによりストッパ作用をなす。
この請求項2によれば、車両の左右及び前後方向のストッパ機能もエンジンマウントに付与することができる。
従ってこの請求項2によれば、左右及び前後方向のストッパ機能をエンジンマウントに付与するために、別途のストッパ部材を付加することを要しない。
このようにしておけば、車両の前後,左右のみならず横方向のあらゆる方向にストッパ機能を持たせることができ、加えてこの請求項3によれば、ゴム弾性体とインナ部材とを有する予備組付体とアウタ部材とを組み付けるに際し、アウタ部材に対するインナ部材の回転方向(周方向)の組付位置を任意の位置となすことが可能となる利点が得られる。
この場合において、リバウンド側の第1ゴムストッパ部もまた、円環状に設けておくことができる。
このようにしておけば、リバウンドの際のストッパ作用を安定して行わせることができる。
このようにすれば、突起部の圧縮変形を容易として、突起部の圧縮変形による固定力をより効果的に高めることができる。
この請求項6によれば、ゴム支持脚に荷重が入力してゴム支持脚の大径側の部分に径方向内方或いは周方向の引張力が働いた場合であっても、その引張力がアウタ部材にて挟み込まれた鍔状部に入力するのを当接部が妨げ、鍔状部がアウタ部材に対し引抜方向或いは周方向に位置ずれするのを防止することができる。
図1〜図3において、10は図に示す上下方向向きで車両に取り付けられ、エンジンを弾性支持する本実施形態のエンジンマウントで、エンジン側への取付部材を兼ねたインナ金具(インナ部材)12と、車体側への取付部材を兼ねたアウタ金具(アウタ部材)14と、それらを連結する状態に間に介在させられたゴム弾性体16とを有している。
ここでゴム弾性体16とインナ金具12とは、ゴム弾性体16の加硫時に加硫接着により一体に固着され、図4に示す予備組付体18を構成している。
ここで押圧作用部20は、平面形状が円形状をなす板状の金具からなっている。
押圧作用部20には、中心部に円形の固定孔24が設けられており、そこに締結ボルト22の円形の固定部が圧入固定されている。
尚、締結ボルト22は押圧作用部20の下側に厚肉且つ大径の頭部28を有しており、この頭部28がゴム弾性体16内部に埋まり込んでいる。
また押圧作用部20の外周面に沿って、車両の前後,左右方向を含む横方向にストッパ作用をなす第2ゴムストッパ部34を有している。
ここで第1ゴムストッパ部32は押圧作用部20の外周部に沿って円環状に設けられており、また第2ゴムストッパ部34は押圧作用部20の外周面に沿って、同じく円環状に設けられている。
またゴム弾性体16には、ゴム支持脚30の下端部即ち大径側の端部の外周面から径方向外方に突出する、ゴム支持脚30の外周面に沿って環状をなす鍔状部38が設けられている。
上側の第1金具40は、ゴム支持脚30を取り囲む円筒状の周壁部44とその上端の径方向内向きの内フランジ部46とで形成される、概略逆カップ状をなす逆カップ状部48を備えており、また内フランジ部46とは反対の図中下端に、径方向外向きの外フランジ部50を備えている。
ここでアウタ金具14は、第1金具40と第2金具42とで、逆カップ状部48の内側に収容室45を形成しており、その収容室45にゴム弾性体16、詳しくは鍔状部38を除いた部分が収容されている。
即ち鍔状部38は、この凸曲部64と第2金具42とによっても上下方向に挟み付けられ固定されている。
この突起部70の図中左右のそれぞれの付根には、突起部70に沿って円環状に小溝72が形成されている。
この突起部70は凸曲部64と第2金具42とによる挟圧により、第2金具42に押し付けられて圧縮変形する。
尚、当接部74は自由形状における外径が逆カップ状部48の周壁部44の内径よりもわずかに大径とされており、圧入嵌合状態で当接部74が僅かに径方向に予圧縮されている。
即ちこの実施形態のエンジンマウント10は、単に第1金具40と第2金具42とで鍔状部38を挟み込むだけで、組付けを行うことができる。
図2はこの組付状態を表したものであるが、図2に示す状態は未だエンジンの荷重がかかっていない状態である。
またリバウンド側の第1ゴムストッパ部32は、リバウンド時において、リバウンド側のストッパをなす逆カップ状部48の内フランジ部46に当接して、リバウンド側の過度の変位を規制する。
尚、バウンド側の大荷重入力時には、ゴム支持脚30自体が押圧作用部20と第2金具42とで挟まれて圧縮変形し、バウンド側の過度の変位を規制する。
これによりエンジンマウント10の全体の製造工程数を少なくし得て、エンジンマウント製造のコストを低減することができる。
また本実施形態によれば、上記の剛固定と物理的な係合力とにより、鍔状部38をアウタ金具14に対する非接着の固定部となしているにも拘らず、固定部としての鍔状部38が外力によってアウタ金具14に対しガタツキを生じたり、位置ずれしたりするのを良好に防止することができる。
加えて本実施形態では、第2ゴムストッパ部34が押圧作用部20の外周面に沿って円環状に設けてあるため、車両の前後,左右のみならず横方向のあらゆる方向にストッパ機能を持つことができるとともに、予備組付体18とアウタ金具14とを組み付けるに際し、アウタ金具14に対するインナ金具12の回転方向の組付位置を任意の位置となすことができる。
例えば本発明は図2に示すエンジンマウント10を上下逆向きにし、アウタ金具14をエンジン側に、インナ金具12を車体側に固定するといったことも場合により可能である等、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
12 インナ金具(インナ部材)
14 アウタ金具(アウタ部材)
16 ゴム弾性体
18 予備組付体
20 押圧作用部
30 ゴム支持脚
32 第1ゴムストッパ部
34 第2ゴムストッパ部
38 鍔状部
40 第1金具(第1部材)
44 第2金具(第2部材)
45 収容室
46 フランジ部
48 逆カップ状部
58 凹曲部
60 係合凹部(第1係合凹部)
62 係合凸部
66 係合凹部(第2係合凹部)
70 突起部
74 当接部
Claims (6)
- エンジン側又は車体側の一方への取付部材としての剛性のインナ部材と、他方への取付部材としての剛性のアウタ部材と、それらインナ部材とアウタ部材とを連結する状態に間に介在せしめられたゴム弾性体とを有するエンジンマウントであって
前記インナ部材は、扁平な板状をなす押圧作用部と、該押圧作用部から突き出した軸部とを有していて、該押圧作用部に固着された前記ゴム弾性体とともに予備組付体を構成しており、
該ゴム弾性体は、該押圧作用部に対し該軸部とは反対側に設けられた、エンジン荷重を弾性支持する、断面形状が該押圧作用部から反対方向に略V字状に拡いた形状のテーパ筒状のゴム支持脚と、該押圧作用部に対して該軸部と同じ側に設けられたリバウンド側の第1ゴムストッパ部と、を有しているとともに、該ゴム支持脚の大径側の端部の外周面から、該外周面に沿って環状をなす鍔状部が径方向外方に突出しており、
前記アウタ部材は、(イ)筒状の周壁部と該周壁部の前記軸部側の一端の径方向内方向きの内フランジ部とで形成される、概略逆カップ状をなす逆カップ状部及び該逆カップ状部の前記内フランジ部とは反対端の径方向外向きの外フランジ部を備えた第1部材と、(ロ)該逆カップ状部の前記外フランジ部側の開口を蓋するプレート状の第2部材とを有していて、該逆カップ状部の内側の収容室に前記ゴム弾性体を前記インナ部材の押圧作用部とともに収容した状態で、該ゴム弾性体の前記鍔状部を該第1部材の外フランジ部と該第2部材とで圧縮状態に挟圧して固定するとともに、前記内フランジ部を、前記リバウンド側の第1ゴムストッパ部に対向するリバウンド側ストッパとするものとなしてあり、
且つ前記外フランジ部は、前記第2部材から離れる方向に凹曲する凹曲部が周方向に環状に設けてあって、該凹曲部の内面側に第1係合凹部を有する一方、前記ゴム弾性体の鍔状部は、対応する位置に該第1係合凹部に向って突出し、該第1係合凹部を充填する状態に該第1係合凹部に嵌り合う係合凸部が環状に設けてあって、該係合凸部が該凹曲部と前記第2部材とにより圧縮状態に挟圧されるものとなしてあることを特徴とするエンジンマウント。 - 請求項1において、前記ゴム弾性体は、前記押圧作用部の外周面に設けられた車両の左右及び前後方向の第2ゴムストッパ部を有していることを特徴とするエンジンマウント。
- 請求項2において、前記逆カップ状部の周壁部が円筒状に、前記押圧作用部が円形状にそれぞれ形成されており、該押圧作用部の外周面に沿って前記第2ゴムストッパ部が円環状に設けてあることを特徴とするエンジンマウント。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記外フランジ部は、前記凹曲部に隣接した径方向の内側部位が該凹曲部に連続して前記第2部材側に向って突出する環状の凸曲部となしてあるとともに、
前記鍔状部は、前記係合凸部に隣接した径方向の内側部位が前記第2部材側に部分的に凹陥した形状の環状の第2係合凹部となしてあって、該凸曲部が該第2係合凹部に喰い込む状態に嵌り込み、前記鍔状部を前記第2部材とともに挟圧するものとなしてあることを特徴とするエンジンマウント。 - 請求項4において、前記鍔状部の前記第2部材側の面には、前記第2係合凹部の形成位置において該第2部材側に突出する環状の突起部が設けてあり、前記凸曲部と第2部材とによる挟圧により該突起部が該第2部材に押し付けられて圧縮変形するものとなしてあることを特徴とするエンジンマウント。
- 請求項1〜5の何れかにおいて、前記ゴム支持脚の前記鍔状部の径方向内側部分の外周面には、該ゴム支持脚から径方向外方に突出して前記逆カップ状部の周壁部の内面に圧入されて嵌合し、該周壁部に対し径方向に当接する環状の当接部が設けてあることを特徴とするエンジンマウント。
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