JP2019001427A - 防振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブッシュをブラケットに挿入し易くできると共に、上下方向の予圧縮量を確保できる防振装置を提供すること。
【解決手段】ブラケットは、横壁面に接触する接触面を有して横壁面にそれぞれ取り付けられる上下一対の取付部と、一対の取付部から第2水平方向に離れた頂部と、頂部と一対の取付部とをそれぞれ連結する、互いに向かい合う内面が接触面へ向かうにつれて上下方向に離れる上下一対の挟持部とを備え、ブッシュの外周面は、保持孔よりも接触面側に配置されて横壁面と対向する対向面と、頂部と第2水平方向に対向する頂面と、対向面と頂面とを連結して一対の挟持部に上下方向に押圧される、対向面へ向かうにつれて上下方向に離れる上下一対の傾斜面とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】ブラケットは、横壁面に接触する接触面を有して横壁面にそれぞれ取り付けられる上下一対の取付部と、一対の取付部から第2水平方向に離れた頂部と、頂部と一対の取付部とをそれぞれ連結する、互いに向かい合う内面が接触面へ向かうにつれて上下方向に離れる上下一対の挟持部とを備え、ブッシュの外周面は、保持孔よりも接触面側に配置されて横壁面と対向する対向面と、頂部と第2水平方向に対向する頂面と、対向面と頂面とを連結して一対の挟持部に上下方向に押圧される、対向面へ向かうにつれて上下方向に離れる上下一対の傾斜面とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、水平方向を向いた車体側の横壁面にブッシュをブラケットで取り付ける防振装置に関するものである。
スタビライザバーが貫通する保持孔を有する筒状のブッシュの外周面をブラケットで押圧しつつブッシュをブラケットで車体側に取り付ける防振装置が知られている。ブッシュにはスタビライザバーから上下方向の主荷重が入力されるので、荷重の入力により異音の原因となる隙間が生じないよう、ブッシュを径方向、特に上下方向に予圧縮することが望まれている。従来から、防振装置には、水平方向を向いた車体側の横壁面にブッシュをブラケットで取り付け、ブラケットの上下の内面でブッシュを挟むものがある(特許文献1)。
しかしながら、上記従来の技術では、異音を抑制するためにブラケットを上下方向に予圧縮しようとして、ブラケットの上下の内面間の距離に対してブッシュの上下寸法を大きくすると、ブラケットにブッシュを挿入し難くなるという問題点が生じる。一方、ブラケットにブッシュを挿入し易くするためにブッシュの上下寸法を小さくすると、ブッシュを十分に予圧縮できなくなるという問題点が生じる。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、ブッシュをブラケットに挿入し易くできると共に、上下方向の予圧縮量を確保できる防振装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために本発明の防振装置は、スタビライザバーが第1水平方向に貫通する保持孔を有する筒状のゴム状弾性体から構成されるブッシュと、前記ブッシュの外周面を押圧しつつ前記第1水平方向に垂直な第2水平方向を向いた車体側の横壁面に前記ブッシュを取り付けるブラケットとを備える防振装置であって、前記ブラケットは、前記横壁面に接触する接触面を有して前記横壁面にそれぞれ取り付けられる上下一対の取付部と、一対の前記取付部から前記第2水平方向に離れた頂部と、前記頂部と一対の前記取付部とをそれぞれ連結する、互いに向かい合う内面が前記接触面へ向かうにつれて上下方向に離れる上下一対の挟持部とを備え、前記ブッシュの外周面は、前記保持孔よりも前記接触面側に配置されて前記横壁面と対向する対向面と、前記頂部と前記第2水平方向に対向する頂面と、前記対向面と前記頂面とを連結して一対の前記挟持部に前記上下方向に押圧される、前記対向面へ向かうにつれて前記上下方向に離れる上下一対の傾斜面とを備える。
請求項1記載の防振装置によれば、ブラケットの上下一対の挟持部の互いに向かい合う内面が接触面(横壁面)へ向かうにつれて上下方向に離れ、上下一対の挟持部に上下方向に押圧されるブッシュの上下一対の傾斜面が対向面(横壁面)へ向かうにつれて上下方向に離れる。そのため、一対の傾斜面を一対の挟持部の間に第2水平方向へ向かって挿入し易くできると共に、一対の挟持部から一対の傾斜面への押圧力を大きくできる。
さらに、保持孔よりも接触面側に配置される対向面に一対の傾斜面が連なるので、保持孔の上下方向において一対の傾斜面を一対の挟持部で押圧できる。これにより、保持孔に関して上下方向のブッシュの予圧縮量を確保できる。これらの結果、ブッシュをブラケットに挿入し易くできると共に、ブッシュの上下方向の予圧縮量を確保できる。
請求項2記載の防振装置によれば、ブッシュは、横壁面への取付状態において、保持孔に関して第2水平方向に予圧縮される。ブッシュは、第2水平方向の予圧縮に伴って上下方向に膨れようとするので、請求項1の効果に加え、ブッシュの上下方向の予圧縮量を大きくできる。
請求項3記載の防振装置によれば、ブッシュは、横壁面への取付状態において、保持孔に関して第2水平方向の予圧縮量よりも、保持孔に関して上下方向の予圧縮量が大きい。その結果、請求項2の効果に加え、上下方向の荷重入力に伴う打音等の不具合を発生し難くできる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本発明の一実施の形態における防振装置1について説明する。図1は、本発明の一実施の形態における防振装置の断面図である。なお、図1は、保持孔11の軸心Oを一致させた無荷重状態のブッシュ10が二点鎖線で図示される。この無荷重状態のブッシュ10の寸法は、取付状態のブッシュ10との差異を明確にするために、誇張して図示している。
各図面上の矢印U,D,F,B,L,R方向は、それぞれ防振装置1、及び、防振装置1が取り付けられる車両(図示せず)の上方向、下方向、前方向、後方向、左方向、右方向を示している。また、矢印U−D方向(上下方向)と矢印F−B方向(第2水平方向)と矢印L−R方向(第1水平方向)とは互いに直交する。
図1に示すように、防振装置1は、スタビライザバー2を車体側の横壁面4に取り付けて弾性支持するものである。防振装置1は、スタビライザバー2を保持するブッシュ10と、ブッシュ10を横壁面4に取り付けるブラケット20とを備える。
スタビライザバー2は、断面形状が略正円の丸棒状の鋼材から構成される。スタビライザバー2は、矢印L−R方向に延びて配置される中央部と、中央部の両端から矢印B方向へ延びて設けられる両端部とを備える。この中央部に防振装置1が取り付けられる。
横壁面4は、矢印F−B方向に垂直であって矢印F方向を向いた平坦面である。なお、横壁面4は、矢印F−B方向に垂直である必要はなく、矢印F−B方向に垂直な面に対して傾いても良い。また、横壁面4を矢印B方向に向けても良い。この場合、以降の明細書中の矢印F方向と矢印B方向とを反転させて考えれば良い。
ブッシュ10は、スタビライザバー2が矢印L−R方向に貫通する保持孔11を有する筒状のゴム状弾性体から構成されるスタビライザブッシュである。保持孔11の内径は、矢印L−R方向に沿って同一に設定され、スタビライザバー2の外径と略同一に設定される。保持孔11にスタビライザバー2を嵌めることで、スタビライザバー2にブッシュ10が取り付けられる。本実施の形態では、保持孔11の内周面とスタビライザバー2の外周面とが加硫接着される。
ブッシュ10の外周面は、矢印L−R方向の形状が軸心Oと平行に形成される。ブッシュ10の外周面は、横壁面4に面接触する(対向する)対向面12と、対向面12から矢印F方向に離れた頂面13と、対向面12と頂面13とをそれぞれ連結する上下一対の傾斜面14,15とを備える。対向面12は、横壁面4に平行な平坦面である。対向面12は、保持孔11よりも横壁面4側(後述する接触面21a,22a側)に配置される。
頂面13は、保持孔11を矢印F方向に投影した部分である。頂面13は、保持孔11の軸心Oに垂直な断面において、軸心Oを中心とした半径が同一の円弧状に形成される。軸心Oから対向面12までの最短距離(軸心Oを通って対向面12に垂直な線分の長さ)が、軸心Oから頂面13までの距離よりも小さく設定される。
傾斜面14,15は、軸心Oに垂直な断面において、対向面12へ向かうにつれて矢印U−D方向に互いに離れる面である。傾斜面14は、対向面12の上縁と頂面13の上縁とを連結する。傾斜面15は、対向面12の下縁と頂面13の下縁とを連結する。頂面13と傾斜面14,15とは、互いに滑らかな曲面で連なり、軸心Oに垂直な断面において全体的に対向面12へ向かうにつれて広がる略U字形状に形成される。
ブッシュの10の製造方法としては、まず、スタビライザバー2の所定位置に接着剤を塗布して、スタビライザバー2の所定位置を金型(図示せず)のキャビティ内に配置する。次いで、キャビティ内に材料を注入して加硫し、ブッシュ10を加硫成形する。金型からブッシュ10を取り外すことで、スタビライザバー2の所定位置の外周面に保持孔11の内周面が加硫接着されたブッシュ10が得られる。
ブラケット20は、ブッシュ10の外周面を押圧しつつ横壁面4にブッシュ10を取り付ける鋼材である。ブラケット20は、横壁面4に取り付けられる上下一対の取付部21,22と、取付部21,22から矢印F方向に離れた頂部23と、取付部21,22と頂部23とをそれぞれ連結する上下一対の挟持部24,25とを備える。
ブラケット20は、1枚の板材をプレス成形することで製造される。なお、プレス成形によりブラケット20を製造する場合に限らず、プレス成形以外の塑性加工や、ダイカスト等の鋳造によってブラケット20を製造することが可能である。
取付部21,22は、横壁面4に面接触する接触面21a,22aを有する板状の部材である。取付部21がブッシュ10の対向面12の上側に配置される。取付部22がブッシュ10の対向面12の下側に配置される。取付部21,22は、板厚方向(矢印F−B方向)に貫通する貫通孔21b、22bを備える。貫通孔21b、22bにそれぞれねじ6を挿入し、ねじ6を横壁面4のねじ孔4aに締結することで、取付部21,22(ブラケット20)が横壁面4に取り付けられる。なお、ねじ6の代わりにリベットやピン等を用いて取付部21,22を横壁面4に取り付けることは可能である。
頂部23は、内面23aが頂面13に面接触する部位である。頂部23の内面23aは、矢印L−R方向の形状が軸心Oと平行に形成される。頂部23の内面23aは、軸心Oに垂直な断面において、軸心Oを中心とした半径が同一の円弧状に形成される。
挟持部24,25は、内面24a,25aが傾斜面14,15を押圧する部位である。挟持部24は、取付部21の下縁と頂部23の上縁とを連結する。挟持部25は、取付部22の上縁と頂部23の下縁とを連結する。
挟持部24,25の内面24a,25aは、矢印L−R方向の形状が軸心Oと平行に形成される。挟持部24,25の内面24a,25aは、軸心Oに垂直な断面において接触面21a,22aへ向かうにつれて矢印U−D方向に互いに離れる。頂部23の内面23aと挟持部24,25の内面24a,25aとは、互いに滑らかな曲面で連なり、軸心Oに垂直な断面において全体的に接触面21a,22aへ向かうにつれて広がる略U字形状に形成される。
挟持部24,25の内面24a,25aは、接触面21a,22aと滑らかに連なる曲面である接続曲面26を備える。接続曲面26は、軸心Oに垂直な断面において横壁面4に向かって凸の円弧状に形成される。これにより、ブッシュ10をブラケット20で横壁面4に取り付けるときに、ブッシュ10を取付部21,22と横壁面4との間に挟み難くできる。
次に図2を参照して横壁面4への防振装置1の取付方法について説明する。図2は防振装置1の取付方法を示す説明図である。図2に示すように、まず、ブッシュ10を頂面13側から矢印F方向にブラケット20の挟持部24,25の間に挿入し、ブッシュ10の頂面13とブラケット20の頂部23の内面23aとを接触させる。次いで、取付部21,22の貫通孔21b,22bにそれぞれねじ6を挿入し、ねじ6を横壁面4のねじ孔4aに締結してブラケット20を横壁面4に取り付ける。これにより、防振装置1が横壁面4に取り付けられる。
一対の傾斜面14,15及び一対の挟持部24,25の内面24a,25aは、対向面12及び接触面21a,22a(横壁面4)へ向かうにつれてそれぞれ矢印U−D方向に互いに離れるので、ブッシュ10の傾斜面14,15を挟持部24,25の間に矢印F方向へ向かって挿入し易くできる。その結果、ブッシュ10をブラケット20に挿入し易くできる。
傾斜面14,15及び内面24a,25aが横壁面4へ向かうにつれて矢印U−D方向に大きく離れる程、ブッシュ10をブラケット20に挿入するとき、傾斜面14,15と内面24a,25aとを擦れ合い難くできる。よって、傾斜面14,15及び内面24a,25aが横壁面4へ向かうにつれて矢印U−D方向に大きく離れる程、ブラケット20にブッシュ10をより挿入し易くできる。
ブラケット20にブッシュ10を挿入するとき、軸心Oよりも対向面12側の傾斜面14,15が内面24a,25aと擦れ合い易い。本実施の形態では、軸心Oから対向面12までの最短距離が、軸心Oから頂面13までの距離よりも小さい。そのため、ブッシュ10をブラケット20に挿入するとき、軸心Oよりも対向面12側で傾斜面14,15と内面24a,25aとが擦れ合う距離を短くできる。その結果、ブラケット20にブッシュ10をより挿入し易くできる。
ブラケット20の内面24a,25aの接触面21a,22a側の端部には、横壁面4に向かって凸の円弧状の接続曲面26が設けられるので、ブッシュ10を内面24a,25aの間に案内し易くできる。その結果、ブラケット20にブッシュ10をより挿入し易くできる。
また、一対の傾斜面14,15及び一対の内面24a,25aは、横壁面4へ向かうにつれて矢印U−D方向に互いに離れるので、内面24a,25aに傾斜面14,15が矢印F方向に押し付けられると、内面24a,25aから傾斜面14,15への矢印U−D方向への押圧力が大きくなる。保持孔11よりも横壁面4側に配置される対向面12に傾斜面14,15が連なるので、保持孔11の矢印U−D方向において傾斜面14,15を内面24a,25aで押圧できる。これらの結果、保持孔11に関して矢印U−D方向のブッシュ10の予圧縮量を大きくできる。
ブッシュ10にはスタビライザバー2から矢印U−D方向(車両の上下方向)の主荷重が入力される。保持孔11に関してブッシュ10の矢印U−D方向の予圧縮量が小さいと、上下方向の荷重の入力に伴って、スタビライザバー2とブッシュ10との接着層に引張応力が生じ易くなったり、ブッシュ10とブラケット20とが離れ易くなったりする。そのため、上下方向の荷重の入力に伴って、スタビライザバー2とブッシュ10との接着が剥がれて防振装置1の耐久性が低下し易くなったり、ブッシュ10とブラケット20との再接触によって打音が発生したりすることがある。
これに対して、本実施の形態では、上述した通り、傾斜面14,15及び内面24a,25aにより、保持孔11に関して矢印U−D方向のブッシュ10の予圧縮量を大きくできる。その結果、上下方向の荷重入力に伴う防振装置1の耐久性の低下や打音等の不具合を発生し難くできる。
さらに、傾斜面14,15及び内面24a,25aによりブッシュ10をブラケット20に挿入し易くできるので、ブッシュ10の上下寸法(傾斜面14,15の間の距離)を大きくしてもブラケット20へのブッシュ10の挿入性の低下を抑制できる。その結果、ブラケット20へのブッシュ10の挿入性の低下を抑制しつつ、保持孔11に関して矢印U−D方向のブッシュ10の予圧縮量を大きくして、上下方向の荷重入力に伴う不具合をより発生し難くできる。
次に図1に戻って、ブラケット20に挿入してない状態(無荷重状態)のブッシュ10と、ブラケット20で横壁面4へ取り付けた状態(取付状態)のブッシュ10やブラケット20とを、保持孔11を一致させた状態で比較する。なお、取付状態では、ブッシュ10の外周面(対向面12、頂面13及び傾斜面14,15)が、ブラケット20の内面23a,24a,25aに押圧されるので、取付状態のブッシュ10の外周面はブラケット20の内面23a,24a,25aと略同一の形状となる。
無荷重状態のブッシュ10の外周面は、取付状態のブッシュ10の外周面(ブラケット20の内面23a,24a,25a及び横壁面4)と略同一の形状に形成され、取付状態のブッシュ10の外周面よりも全体的に大きく形成される。そのため、取付状態のブッシュ10は、ブラケット20の内面23a,24a,25aと横壁面4とで径方向(矢印U−D方向、矢印F−B方向およびそれらの間の方向)に予圧縮される。
ブッシュ10が矢印U−D方向だけでなく、矢印F−B方向にも予圧縮される。そのため、矢印F−B方向の予圧縮に伴ってブッシュ10が矢印U−D方向に膨れようとして、保持孔11に関して矢印U−D方向のブッシュ10の予圧縮量を大きくできる。その結果、上下方向の荷重入力に伴う不具合を発生し難くできる。
さらに、接続曲面26と横壁面4との間を除いてブッシュ10の外周面の略全周がブラケット20と横壁面4とに径方向に押圧されるので、ブラケット20と横壁面4との間でのブッシュ10の弾性変形を逃がし難くできる。その結果、保持孔11に関して矢印U−D方向のブッシュ10の予圧縮量を確保できるので、上下方向の荷重入力に伴う不具合を発生し難くできる。
ブッシュ10を周方向に複数の領域A〜Fに分けて説明する。図1にはこの領域の境界が破線で図示される。領域Aは、保持孔11を矢印F方向に投影した頂面13の部分である。領域Bは、対向面12の部分である。領域Cは、保持孔11をそれぞれ矢印U−D方向に投影した傾斜面14,15の一部である。領域Dは、領域Aと領域Dとの間の傾斜面14,15の一部である。領域Eは、領域Cから、取付状態で接続曲面26よりも領域C側の傾斜面14,15の一部である。領域Fは、領域Bと領域Eとの間の部位である。
無荷重状態のブッシュ10の外周面と取付状態のブッシュ10の外周面との距離は、領域Aで差d1、領域Bで差d2、領域C,Eで差d3である。本実施の形態では、差d1と差d2とが同一に設定される。領域Dでは、領域Cへ向かうにつれて差d1から差d3へ次第に近づいていく。
領域Fでは、領域Bへ向かうにつれて、無荷重状態のブッシュ10の外周面と取付状態のブッシュ10の外周面との距離が小さくなる。そのため、ブッシュ10をブラケット20に挿入し易くできる。さらに、ブッシュ10をブラケット20で横壁面4に取り付けるときに、ブラケット20と横壁面4との間にブッシュ10を挟み難くできる。
領域Cの差d3は、領域A,Bの差d1,d2よりも大きく設定される。これにより、取付状態のブッシュ10において、保持孔11に関して矢印F−B方向の予圧縮量よりも、保持孔11に関して矢印U−D方向の予圧縮量を大きくできる。その結果、上下方向の荷重入力に伴う不具合をさらに発生し難くできる。
領域Dでは、領域Cへ向かうにつれて、無荷重状態のブッシュ10の外周面と取付状態のブッシュ10の外周面との距離が次第に大きくなる。これにより、保持孔11を矢印U−D方向に投影した部分に近い程、ブッシュ10の径方向の予圧縮量を大きくできる。スタビライザバー2からブッシュ10への主荷重の入力方向に近い程、ブッシュ10の径方向の予圧縮量を大きくできるので、荷重入力に伴う不具合をより発生し難くできる。
領域C,Eでは、同一の差d3に設定される。ここで、領域Eにおける無荷重状態のブッシュ10の外周面と取付状態のブッシュ10の外周面との距離を、領域Cから離れるにつれて差d3よりも大きく設定することは可能である。この場合には、領域Eにおけるブッシュ10の矢印U−D方向の予圧縮量を大きくできる一方で、ブッシュ10をブラケット20に挿入し難くなる。但し、領域Eの矢印U−D方向には、スタビライザバー2が存在しないため、領域Eにおけるブッシュ10の矢印U−D方向の予圧縮量を大きくしても、上下方向の荷重入力に伴う不具合の発生の抑制への寄与が少ない。
また、領域Eにおける無荷重状態のブッシュ10の外周面と取付状態のブッシュ10の外周面との距離を、領域Cから離れるにつれて差d3よりも小さく設定することは可能である。この場合には、ブッシュ10をブラケット20で横壁面4に取り付けるときに、ブラケット20と横壁面4との間にブッシュ10を挟み難くできる。
さらに、領域Eにおける無荷重状態のブッシュ10の外周面と取付状態のブッシュ10の外周面との距離が領域Cから離れるにつれて差d3よりも小さくなるので、ブッシュ10をブラケット20に挿入し易くできる一方で、領域Eにおけるブッシュ10の矢印U−D方向の予圧縮量が小さくなる。領域Eの矢印U−D方向には、スタビライザバー2が存在しないため、領域Eにおけるブッシュ10の矢印U−D方向の予圧縮量が小さくなっても、上下方向の荷重入力に伴う不具合を十分に抑制できる。
これらに対して本実施の形態では、領域C,Eが同一の差d3に設定されるので、ブッシュ10をブラケット20に挿入する挿入作業性と、上下方向の荷重入力に伴う不具合の抑制とのバランスを取ることができる。このように領域Eにおける無荷重状態のブッシュ10の外周面と取付状態のブッシュ10の外周面との距離は、所望の効果を得るために適宜設定することが好ましい。
なお、領域C,Eの差d3を大きくする程、ブッシュ10の矢印U−D方向の予圧縮量を大きくできる一方で、ブッシュ10をブラケット20に挿入し難くなる。しかし、ブラケット20は、軸心Oに垂直な断面においてU字形状の両端に取付部21,22が連なる。そのため、取付部21,22及び挟持部24,25が矢印U−D方向に離れるようにブラケット20を弾性変形させながら、ブラケット20にブッシュ10を挿入できる。よって、領域C,Eの差d3が大きくても、ブッシュ10をブラケット20に挿入する挿入作業性を確保できる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、ブッシュ10、ブラケット20の形状は一例であり、種々の形状を採用することは当然である。例えば、ブッシュ10の外周面、及び、ブラケット20の内面23a,24a,25aの矢印L−R方向の形状が軸心Oと平行である場合に限らず、ブッシュ10の外周面とブラケット20の内面23a,24a,25aとに軸方向に沿って対応する凹凸を設けることは可能である。ブッシュ10の外周面とブラケット20の内面23a,24a,25aとの凹凸を嵌め合うことで、ブッシュ10とブラケット20とが軸方向に相対移動することを防止できる。
また、平坦面状の対向面12が横壁面4に面接触する場合に限らず、対向面12の矢印U−D方向の端部側を、横壁面4と非接触に対向させることは可能である。これにより、ブッシュ10をブラケット20で横壁面4に取り付けるときに、ブラケット20と横壁面4との間にブッシュ10を挟み難くできる。なお、この場合、対向面12が保持孔11よりも横壁面4側に位置していれば、保持孔11に関して矢印U−D方向のブッシュ10の予圧縮量を確保できる。
上記実施の形態では、取付状態のブッシュ10が矢印F−B方向に予圧縮される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。取付状態のブッシュ10を矢印F−B方向に予圧縮しないように構成することは当然可能である。この構成としては、例えば、頂部23の内面23aと頂面13とを非接触で対向させる場合や、領域A,Bでの無荷重状態のブッシュ10の外周面と取付状態のブッシュ10の外周面とを一致させる場合が挙げられる。
上記実施の形態では、スタビライザバー2を金型にセットした状態でブッシュ10を加硫成形して、スタビライザバー2に加硫接着したブッシュ10を製造する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ブッシュ10を加硫成形した後、ブッシュ10の保持孔11にスタビライザバー2を端部から挿入して、スタビライザバー2の所定位置までブッシュ10をスライドする方法が挙げられる。このとき、ブッシュ10とスタビライザバー2とは非接着である。
また、周方向の1箇所を分断したブッシュ10を加硫成形し、その分断した部分を開くようにしてブッシュ10をスタビライザバー2に嵌め込んでも良い。また、ブッシュ10を周方向の複数箇所で分断して、周方向に複数に分割されたブッシュをそれぞれ加硫成形し、その分割したブッシュでスタビライザバー2を挟んでも良い。ブッシュ10を周方向に分断する場合、スタビライザバー2とブッシュ10とを加硫接着したり、加硫接着用の接着剤以外で接着したり、スタビライザバー2とブッシュ10とを非接着にしたりすることは可能である。
なお、ブッシュ10とスタビライザバー2とを非接着とした場合には、スタビライザバー2からブッシュ10に荷重が入力されても、スタビライザバー2とブッシュ10との接着層の剥がれは生じないが、スタビライザバー2とブッシュ10とが一度離れて再び接触することによって打音が生じるおそれがある。上述した通り、ブッシュ10の予圧縮量を確保することで、この打音を生じ難くできる。
上記実施の形態では、領域Aの差d1と領域Bの差d2とが同一である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。差d1と差d2とを異ならせることが可能である。この場合、差d1と差d2との和が、領域Cの差d3の2倍より小さければ、取付状態のブッシュ10において、保持孔11に関して矢印F−B方向の予圧縮量よりも、保持孔11に関して矢印U−D方向の予圧縮量を大きくできる。
また、領域Aの矢印U−D方向の中央を差d1とし、領域Dへ向かうにつれて、無荷重状態のブッシュ10の外周面と取付状態のブッシュ10の外周面との距離を大きくすることが可能である。これにより、傾斜面14,15に近い程、ブッシュ10の径方向の予圧縮量を大きくできるので、荷重入力に伴う不具合をより発生し難くできる。
領域Bの矢印U−D方向の中央を差d2とし、領域Fへ向かうにつれて、無荷重状態のブッシュ10の外周面と取付状態のブッシュ10の外周面との距離を大きくしたり、小さくしたりすることが可能である。領域Bにおけるその距離を領域Fへ向かうにつれて小さくすることで、ブッシュ10をブラケット20で横壁面4に取り付けるときに、領域F付近のブッシュ10の矢印U−D方向への変形量を抑制して、ブッシュ10を取付部21,22と横壁面4との間に挟み難くできる。
領域Cにおいて、無荷重状態のブッシュ10の外周面と取付状態のブッシュ10の外周面との距離を部分的に異ならせることが可能である。しかし、この場合、保持孔11の矢印U−D方向において、内面24a,25aから傾斜面14,15が受ける面圧が不均一になり、上下方向の荷重入力に伴う不具合が生じ易くなるおそれがある。よって、領域Cにおいて、無荷重状態のブッシュ10の外周面と取付状態のブッシュ10の外周面との距離を一定の差d3にすることで、上下方向の荷重入力に伴う不具合を生じ難くできる。
1 防振装置
2 スタビライザバー
4 横壁面
10 ブッシュ
11 保持孔
12 対向面
13 頂面
14,15 傾斜面
20 ブラケット
21,22 取付部
21a,22a 接触面
23 頂部
24,25 挟持部
24a,25a 内面
2 スタビライザバー
4 横壁面
10 ブッシュ
11 保持孔
12 対向面
13 頂面
14,15 傾斜面
20 ブラケット
21,22 取付部
21a,22a 接触面
23 頂部
24,25 挟持部
24a,25a 内面
Claims (3)
- スタビライザバーが第1水平方向に貫通する保持孔を有する筒状のゴム状弾性体から構成されるブッシュと、前記ブッシュの外周面を押圧しつつ前記第1水平方向に垂直な第2水平方向を向いた車体側の横壁面に前記ブッシュを取り付けるブラケットとを備える防振装置であって、
前記ブラケットは、前記横壁面に接触する接触面を有して前記横壁面にそれぞれ取り付けられる上下一対の取付部と、
一対の前記取付部から前記第2水平方向に離れた頂部と、
前記頂部と一対の前記取付部とをそれぞれ連結する、互いに向かい合う内面が前記接触面へ向かうにつれて上下方向に離れる上下一対の挟持部とを備え、
前記ブッシュの外周面は、前記保持孔よりも前記接触面側に配置されて前記横壁面と対向する対向面と、
前記頂部と前記第2水平方向に対向する頂面と、
前記対向面と前記頂面とを連結して一対の前記挟持部に前記上下方向に押圧される、前記対向面へ向かうにつれて前記上下方向に離れる上下一対の傾斜面とを備えることを特徴とする防振装置。 - 前記ブッシュは、前記横壁面への取付状態において、前記保持孔に関して前記第2水平方向に予圧縮されることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
- 前記ブッシュは、前記横壁面への取付状態において、前記保持孔に関して前記第2水平方向の予圧縮量よりも、前記保持孔に関して前記上下方向の予圧縮量が大きいことを特徴とする請求項2記載の防振装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017120166A JP2019001427A (ja) | 2017-06-20 | 2017-06-20 | 防振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017120166A JP2019001427A (ja) | 2017-06-20 | 2017-06-20 | 防振装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019001427A true JP2019001427A (ja) | 2019-01-10 |
Family
ID=65004557
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017120166A Pending JP2019001427A (ja) | 2017-06-20 | 2017-06-20 | 防振装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019001427A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110406095A (zh) * | 2019-08-30 | 2019-11-05 | 成都蒂森克虏伯富奥弹簧有限公司 | 汽车稳定杆胶套硫化装配夹具及胶套装配硫化方法 |
-
2017
- 2017-06-20 JP JP2017120166A patent/JP2019001427A/ja active Pending
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CN110406095A (zh) * | 2019-08-30 | 2019-11-05 | 成都蒂森克虏伯富奥弹簧有限公司 | 汽车稳定杆胶套硫化装配夹具及胶套装配硫化方法 |
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