JP2008198743A - 半導体レーザダイオード - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体レーザダイオード10は、ZnO単結晶基板12を用いており、Inを含む窒化物半導体で構成された活性層15を有し、ZnO単結晶基板12の基板面上にレーザ素子構造に積層して形成された半導体層を備え、共振器端面が(1_100)になっている。ZnO単結晶基板12の六方晶の上に半導体層の六方晶が回転することなく、綺麗に重なる。共振器端面が(1_100)面になっているので、端面をへき開したときに、ZnO単結晶基板12だけでなく、その上に成長させて形成した半導体層の端面も(1_100)面で綺麗に割れる。
【選択図】図1
Description
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る半導体レーザダイオード10を、図1〜図3に基づいて説明する。図1は半導体レーザダイオード10の概略構成を示す斜視図であり、図2は半導体レーザダイオード10の共振器端面を示す説明図である。また、図3はZnO単結晶の面方位を表すユニットセル図である。
・ ZnO単結晶基板12を用いている。
・ Inを含む窒化物半導体で構成された活性層15を有し、ZnO単結晶基板12の基板面上にレーザ素子構造に積層して形成された半導体層を備えている。
・ 共振器端面がm面である(1_100)面(図3参照)になっている。
また、下部クラッド層14と、上部クラッド層16と、コンタクト層17とは、Al,Ga,Inの少なくとも一つを含む窒化物半導体層(窒化物)で構成されている。
格子整合系下部クラッド層14は、InGaN系活性層15の格子定数に等しい格子定数或いはそれよりも小さい格子定数を有するように格子整合されるので、コアとして機能するnGaN系活性層15よりも屈折率が小さく、活性層15内に光を安定に閉じ込めておく役割を果たしている。
・低屈折率材料としてSiO2(1.5)を用い、高屈折率材料としてTiO2(2.5)を用いる。
・低屈折率材料としてSiO2 (1.5)を用い、高屈折率材料としてZrO2(2.3)を用いる。
・低屈折率材料としてAl2O3(1.7)を用い、高屈折率材料としてZrO2 (2.3)を用いる。
・低屈折率材料としてAl2O3 (1.7)を用い、高屈折率材料としてTiO2 (2.5)を用いる。
(工程2)次に、ZnO単結晶基板12の表面平坦化処理を行う。
(工程3)次に、成長チャンバー内で大気圧下または減圧下でサーマルクリーニング処理を行う。
(工程4)次に、バッファ層13としてAlGaInN層を用いる場合には窒化処理を行う。
給し、ZnO単結晶基板12の表面の酸素を窒素で置換して上面に堆積させる窒化物の結晶状態を良好とする。
(工程5)次に、バッファ層13の形成処理を行う。
プラズマ電力P=300〜500W、窒素ガス(N2)流量1.0〜5.0sccm(standard cc/mIn)とする。III族原料としては、高純度のAlおよびIn金属原料をクヌーセンセルで蒸発させて基板に供給する。
或いは、RFMBE法によりZnCdOを堆積する。この場合の条件としては、成長温度Tg=400〜600℃、プラズマ電力P=300〜500W、酸素ガス(O2)流量1.0〜5.0sccmとする。II族原料としては、高純度のZnおよびCd金属原料をクヌーセンセルで蒸発させて基板に供給する。
ここでは、下部クラッド層14形成の際の成長温度は、750℃未満とする。
(工程7)次に、InGaN系活性層15を形成する。
具体的には、例えば、RFMBE法或いはGSMBE法により、InGaN井戸層/InGaN障壁層またはInGaN井戸層/AlInN障壁層を堆積する。この場合の条件としては、成長温度Tg=400〜600℃、プラズマ電力P=300〜500W、窒素ガス(N2)流量1.0〜5.0sccmとする。
(工程8)次に、格子整合系上部クラッド層16を形成する。
(工程9)次に、コンタクト層17を形成する。
工程1〜工程9において、n型ドーパントとしてはシリコンSi、p型ドーパントとしては、マグネシウムMg、ベリリウムBeや、マグネシウムMgとシリコンSiの(コドープ)などを用いる。
(工程10)次に、上述した半導体レーザダイオード用のエピタキシャルウェハの裏面側に下部電極層11を形成する。ここで、ZnO単結晶基板12はn型導電性を有する場合を考える。
なお、下部電極を形成する前に、ZnO単結晶基板12をCMP(機械化学研磨)処理により薄くしておくのが好ましい。
(工程11)次に、リッジ構造を形成する。
(工程12)次に、パッシベーション膜18を形成する。
ChemicAl Vapor DepoSition )法により堆積させて形成する。
(工程13)次に、上部電極19を形成する。ここで、コンタクト層17がp型伝導性を有する場合を考える。
(工程14)次に、半導体レーザダイオード10の共振器端面を形成する。
(工程15)次に、形成された共振器端面の光出射側端面21および光反射側端面22に低反射膜23および高反射膜24をそれぞれ形成する。
Ni/Au,Pd/Pt/Au
・p型コンタクト層:p型高キャリア濃度(例えば、Mgドーピング)
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・p型クラッド層 :活性層に格子整合
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・光ガイド層 :光閉じこめ
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・活性層 :井戸層のIn組成比は20%以上
InGaN/InGaN QW(Quantum Well)
・光ガイド層 :光閉じこめ
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・n型クラッド層 :活性層に格子整合
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・バッファ層 :基板に格子整合
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・基板 :無(非)極性面ZnO単結晶基板
(11_20)面;a面あるいは(1_100)面;m面あるいはa面を傾斜させた面(11_22)面;あるいは(10_1_1面)を使用
・n型電極 :オーム性接触
Ti/Al,Ti/Pt/Au
Ni/Au,Pd/Pt/Au
・p型コンタクト層:p型高キャリア濃度(例えば、Mgドーピング)
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・p型クラッド層 :活性層に格子整合
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・光ガイド層 :光閉じこめ
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・活性層 :井戸層のIn組成比は20%以上
InGaN/InGaN QW(Quantum Well)
・光ガイド層 :光閉じこめ
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・n型クラッド層 :活性層に格子整合
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・バッファ層 :基板に格子整合
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)超格子
・基板 :無(非)極性面ZnO単結晶基板
(11_20)面;a面あるいは(1_100)面;m面あるいはa面を傾斜させた面(11_22)面;あるいは(10_1_1面)を使用
・n型電極 :オーム性接触
Ti/Al,Ti/Pt/Au
Ni/Au,Pd/Pt/Au
・p型コンタクト層:p型高キャリア濃度(例えば、Mgドーピング)
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・p型クラッド層 :活性層に格子整合
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・光ガイド層 :光閉じこめ
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・活性層 :井戸層のIn組成比は20%以上
InGaN/InGaN QW(Quantum Well)
・光ガイド層 :光閉じこめ
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・n型クラッド層 :活性層に格子整合
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・バッファ層 :基板に格子整合
Zn1-a-b-cBeaMgbCdcO(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)
・基板 :無(非)極性面ZnO単結晶基板
(11_20)面;a面あるいは(1_100)面;m面あるいはa面を傾
斜させた面(11_22)面;あるいは(10_1_1面)を使用
・n型電極 :オーム性接触
Ti/Al,Ti/Pt/Au
Ni/Au,Pd/Pt/Au
・p型コンタクト層:p型高キャリア濃度(例えば、Mgドーピング)
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・p型クラッド層 :活性層に格子整合
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・光ガイド層 :光閉じこめ
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・活性層 :井戸層のIn組成比は20%以上
InGaN/InGaN QW(Quantum Well)
・光ガイド層 :光閉じこめ
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・n型クラッド層 :活性層に格子整合
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・バッファ層 :基板に格子整合
Zn1-a-b-cBeaMgbCdcO(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)超格子
・基板 :無(非)極性面ZnO単結晶基板
(11_20)面;a面あるいは(1_100)面;m面あるいはa面を傾
斜させた面(11_22)面;あるいは(10_1_1面)を使用
・n型電極 :オーム性接触
Ti/Al,Ti/Pt/Au
Ni/Au,Pd/Pt/Au
・p型コンタクト層:p型高キャリア濃度(例えば、Mgドーピング)
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・p型クラッド層 :活性層に格子整合
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・光ガイド層 :光閉じこめ
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・活性層 :井戸層のIn組成比は20%以上
InGaN/InGaN QW(Quantum Well)
・光ガイド層 :光閉じこめ
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・n型クラッド層 :活性層に格子整合
Zn1-a-b-cBeaMgbCdcO(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)
・バッファ層 :基板に格子整合
Zn1-a-b-cBeaMgbCdcO(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)
・基板 :無(非)極性面ZnO単結晶基板
(11_20)面;a面あるいは(1_100)面;m面あるいはa面を傾
斜させた面(11_22)面;あるいは(10_1_1面)を使用
・n型電極 :オーム性接触
Ti/Al,Ti/Pt/Au
Ni/Au,Pd/Pt/Au
・p型コンタクト層:p型高キャリア濃度(例えば、Mgドーピング)
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・p型クラッド層 :活性層に格子整合
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・光ガイド層 :光閉じこめ
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・活性層 :井戸層のIn組成比は20%以上
InGaN/InGaN QW(Quantum Well)
・光ガイド層 :光閉じこめ
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・n型クラッド層 :活性層に格子整合
Zn1-a-b-cBeaMgbCdcO(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)
・バッファ層 :基板に格子整合
Zn1-a-b-cBeaMgbCdcO(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)超格子
・基板 :無(非)極性面ZnO単結晶基板
(11_20)面;a面あるいは(1_100)面;m面あるいはa面を傾斜させた面(11_22)面;あるいは(10_1_1面)を使用
・n型電極 :オーム性接触
Ti/Al,Ti/Pt/Au
Ni/Au,Pd/Pt/Au
・p型コンタクト層:p型高キャリア濃度(例えば、Mgドーピング)
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・p型クラッド層 :活性層に格子整合
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・光ガイド層 :光閉じこめ
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・活性層 :井戸層のIn組成比は20%以上
InGaN/InGaN QW(Quantum Well)
・光ガイド層 :光閉じこめ
Zn1-a-b-cBeaMgbCdcO(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)
・n型クラッド層 :活性層に格子整合
Zn1-a-b-cBeaMgbCdcO(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)
・バッファ層 :基板に格子整合
Zn1-a-b-cBeaMgbCdcO(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)
・基板 :無(非)極性面ZnO単結晶基板
(11_20)面;a面あるいは(1_100)面;m面あるいはa面を傾
斜させた面(11_22)面;あるいは(10_1_1面)を使用
・n型電極 :オーム性接触
Ti/Al,Ti/Pt/Au
Ni/Au,Pd/Pt/Au
・p型コンタクト層:p型高キャリア濃度(例えば、Mgドーピング)
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・p型クラッド層 :活性層に格子整合
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・光ガイド層 :光閉じこめ
Al1-y-zGayInzN(0≦y<1、0≦z<1、y+z≦1)
・活性層 :井戸層のIn組成比は20%以上
InGaN/InGaN QW(Quantum Well)
・光ガイド層 :光閉じこめ
Zn1-a-b-cBeaMgbCdcO(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)
・n型クラッド層 :活性層に格子整合
Zn1-a-b-cBeaMgbCdcO(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)
・バッファ層 :基板に格子整合
Zn1-a-b-cBeaMgbCdcO(0≦a<1、0≦b<1、0≦c<1、a+b+c≦1)超格子
・基板 :無(非)極性面ZnO単結晶基板
(11_20)面;a面あるいは(1_100)面;m面あるいはa面を傾斜させた面(11_22)面;あるいは(10_1_1面)を使用
・n型電極 :オーム性接触
Ti/Al,Ti/Pt/Au
実施例1〜8において、活性層がInGaN(井戸層)/AlInN(障壁層)の量子井戸構造からな
っている。
次に、本発明の第2実施形態に係る半導体レーザダイオード30を、図4乃至図7に基づいて説明する。
・ ZnO単結晶基板31を用いている。
・ ZnO単結晶基板31のc面である(0001)面を基板面とし、この基板面上に非極性面である(11_22)面の傾斜面を持つように窒化物半導体で台形状に形成された凸部を備える。
・ Inを含む窒化物半導体で構成された活性層35を有し、凸部の(11_22)面上にレーザ素子構造に積層して形成された半導体層を備えている。
・ 共振器端面がm面である(1_100)面(図3および図5(e)参照)になっている。
(11_22)面の傾斜面を持つように窒化物半導体で台形状に形成された凸部(以下、台形状凸部という。)50は、バッファ層32に形成されている(図5(d)参照)。この台形状凸部50には、(11_22)面の傾斜面が左右上部に形成されている。 半導体レーザダイオード30の半導体層は、図4に示すように、台形状凸部50の左右の傾斜面上に形成され、バッファ層32に格子整合された下部クラッド層33と、下部クラッド層33上に形成された光ガイド層34と、光ガイド層34上に形成され、In x Ga 1-x N (0<x<1)からなる量子井戸構造の活性層(MQW活性層)35とを備える。さらに、半導体層は、活性層35上に形成された光ガイド層36と、光ガイド層36上に形成された上部クラッド層37と、上部クラッド層37上に形成されたコンタクト層38と、コンタクト層38上に形成された絶縁膜40とを備える。
(工程1)まず、図5(a)に示すように、(0001)面であるc面を主面(基板面)31fとするウルツ鉱型結晶のZnO単結晶基板31を用意する。
(工程2)次に、その主面31fの上にフォトレジストRを塗布した後に、フォトレジストRを露光、現像して幅が数μm〜数十μmのストライプ形状のパターンを形成する。
(工程4)次に、図5(c)に示すようにフォトレジストRを溶剤により除去し、その後、ZnO単結晶基板31表面の平坦化処理を行う。
(工程5)次に、図5(d)に示すように、ZnO単結晶基板31から露出している四角形の凸部3aの表面とその周囲のc面上にRFMBE(Radio Frequency Molecular Beam Epitaxy)法によりn型InGaNよりなるバッファ層32を形成する。
(工程6)次に、図5(e)に示すように、RFMBE法によりn型の窒化物半導体よりなる下部クラッド層33、例えばn型AlGaInNの下部クラッド層33をバッファ層32上に成長させて形成する。
(工程7)次に、図6(a)に示すように、下部クラッド層33上に、RFMBE法により、窒化物半導体として例えばAlGaInNよりなる第1の光ガイド層34と、InxGa1-xN井戸層/InyGa1-yN障壁層(0<x<1、0<y<1、y<x、x>0.2)よりなる多重量子井戸(MQW)活性層35と、窒化物半導体として例えばAlGaInNよりなる第2の光ガイド層36とを順に成長させて形成する。
(工程8)次に、図6(b)に示すように、RFMBE法により、p型の窒化物化合物系半導体として例えばp型AlGaInNよりなる上部クラッド層37を第2の光ガイド層36の上に形成し、さらに、p型の窒化物化合物系半導体として例えばp型InGaNよりなるコンタクト層38を形成する。
(工程9)次に、図6(c)に示すように、ZnO単結晶基板31の下面(裏面)にオーミック接触する下側電極39を形成する。下部電極を形成する前に、ZnO単結晶基板12をCMP(機械化学研磨)処理により薄くしておくのが好ましい。
(工程10)次に、図6(d)に示すように、酸化シリコン等の絶縁膜40をプラズマCVD法等によりコンタクト層38の上に堆積させた後、(11_22)面上にある絶縁膜40のうち、後の工程でコンタクト層38に接続される電極の形成領域部分をフォトリソグラフィー工程により除去する。即ち、図示しないフォトレジストのパターンを用いて、コンタクト層38の両側の斜面、即ち(11_22)面上にある絶縁膜40に開口部40a、40bを形成する。絶縁膜40に覆われた部分は、電流が流れないので電流狭窄領域41となる。
上部電極42a,42bは、抵抗加熱蒸着法、EB法、スパッタ法等により形成されるNi/Au、又はPd/Pt/Auのような複数層構造の金属膜から構成される。また、上部電極42a,42bは、形成後にシンタリングされる。コンタクト層38はp型導電性を有しており、これによりp型電極である上部電極42a,42bを形成することができる。
この半導体レーザダイオード30では、共振器端面がm面である(1_100)面になっている。このため、ZnO単結晶基板31をm面である(1_100)面で割ると、ZnO単結晶基板31だけでなく、この基板面上に形成されたバッファ層32、下部クラッド層33、光ガイド層34、活性層35、光ガイド層36、上部クラッド層37、コンタクト層38、および絶縁膜40の各層もm面で割れ、半導体レーザダイオード30の共振器端面がへき開で奇麗に形成される。
これにより、青色より長波長の可視光を出力する半導体レーザダイオード30の製造が完了する。
MOCVD法により上部クラッド層37となるAlGaInNを形成する場合には、成長温度を900〜1150℃に設定し、窒素ソースガスとしてアンモニア、AlソースガスとしてTMA、インジウムソースガスとしてTMI、ガリウムソースガスとしてTMGを導入する。また、MOCVD法によりコンタクト層38となるInGaNを形成する場合には、成長温度を900〜1150℃に設定し、窒素ガスソースとしてアンモニア、GaガスソースとしてTMG、インジウムガスソースとしてTMIを導入する。なお、コンタクト層38、上部クラッド層37に含有されるp型ドーパントのガスソースとして、シクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)を用いる。
(工程8)次に、図11(c)に示すように、ZnO単結晶基板31の下面にオーミック接触する下側電極39が形成される。下側電極39は、抵抗加熱蒸着法、EB法、スパッタ法等により形成されるTi/Al、Ti/Pt/Au等の複数層の金属膜から構成され、その形成後にシンタリングされる。
○(11_22)面を下地として形成された半導体レーザダイオード30の活性層35のバンド構造が例えば図7に示すようになり、ピエゾ電界が小さくなるので、発光再結合確率を高くして内部量子効率を高めることが可能になる。
・上記第1実施形態では、ZnO単結晶基板12の基板面を、a面である(11_20)面(図3参照)としているので、半導体レーザダイオード10の共振器端面が(1_100)面(m面)になっているが、本発明はこの構成に限定されない。ピエゾ電界の影響を受けにくい面方位の結晶面として、(11_20)面と等価な面を選択し、その等価な面を基板面(成長面)としてもよい。(11_20)面と等価な面(無極性面)としては、5つの結晶面がある。これら5つの結晶面のうちの一つを基板面として選択すると、その選択された結晶面に応じて共振器端面が決まる。この場合の共振器端面は、m面と等価な5つの結晶面のいずれかの面になる。
Claims (18)
- ZnO単結晶基板を用いた半導体レーザダイオードであって、Inを含む窒化物半導体で構成された活性層を有し、前記ZnO単結晶基板の基板面上にレーザ素子構造に積層して形成された半導体層を備え、共振器端面が(1_100)面或いはこのm面と等価な面になっていることを特徴とする半導体レーザダイオード。
- 前記基板面は(0001)面又はわずかに傾斜させた面であることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザダイオード。
- 前記基板面はピエゾ電界の影響を受けにくい面方位の結晶面であることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザダイオード。
- 前記ピエゾ電界の影響を受けにくい面方位の結晶面は、(11_20)面又はこのa面と等価な面又はa面を傾斜させた(11_22)面又は(11_22)面と等価な面のいずれかの面であることを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザダイオード。
- 前記半導体層のうち前記活性層を除く各層は、Al,Ga,Inの少なくとも一つを含む窒化物半導体層又はZn,Mg,Be,Cdの少なくとも一つを含む酸化物系化合物半導体層であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の半導体レーダイオード。
- 前記半導体層は、前記ZnO単結晶基板の基板面上に形成されたバッファ層と、前記バッファ層上に形成された下部クラッド層と、前記下部クラッド層上に形成され、In x Ga 1-x N (0<x<1)からなる活性層と、前記活性層上に形成された上部クラッド層と、前記上部クラッド層上に形成されたコンタクト層とを備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の半導体レーザダイオード。
- 前記バッファ層と下部及び上部クラッド層は、前記ZnO単結晶基板および活性層の少なくとも一方に格子整合されていることを特徴とする請求項6に記載の半導体素子。
- ZnO単結晶基板を用いた半導体レーザダイオードであって、前記ZnO単結晶基板の(0001)面又はこのc面から傾斜した面を基板面とし、この基板面上に非極性面の傾斜面を持つように窒化物半導体で台形状に形成された凸部と、Inを含む窒化物半導体で構成された活性層を有し、前記凸部の傾斜面上にレーザ素子構造に積層して形成された半導体層とを備え、共振器端面が(1_100)面或いはこのm面と等価な面になっていることを特徴とする半導体レーザダイオード。
- 前記非極性面は(11_22)面又は(11_22)面と等価な面のいずれかの面であることを特徴とする請求項8に記載の半導体レーザダイオード。
- 前記凸部は、前記ZnO単結晶基板の基板面に成長されたAl,Ga,Inの少なくとも一つを含む窒化物半導体又はZn,Mg,Be,Cdの少なくとも一つを含む酸化物系化合物半導体からなるバッファ層であることを特徴とする請求項8又は9に記載の半導体レーザダイオード。
- 前記バッファ層は、前記ZnO単結晶基板および活性層の少なくとも一方に格子整合されていることを特徴とする請求項10に記載の半導体素子。
- 前記半導体層のうち前記活性層を除く各層は、Al,Ga,Inの少なくとも一つを含む窒化物半導体層又はZn,Mg,Be,Cdの少なくとも一つを含む酸化物系化合物半導体層であることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一つに記載の半導体レーザダイオード。
- 前記半導体層は、前記凸部の傾斜面上に形成された下部クラッド層と、前記下部クラッド層上に形成された光ガイド層と、前記光ガイド層上に形成され、In x Ga 1-x N (0<x<1)からなる量子井戸構造の活性層と、前記活性層上に形成された光ガイド層と、前記光ガイド層上に形成された上部クラッド層と、前記上部クラッド層上に形成されたコンタクト層と、を備えることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか一つに記載の半導体レーザダイオード。
- 前記半導体層のうち前記活性層を除く層は、前記ZnO単結晶基板および活性層の少なくとも一方に格子整合されていることを特徴とする請求項13に記載の半導体素子。
- 前記活性層において、インジウム(In)の組成比は、発光波長が480nm以上となるように設定されていることを特徴とする請求項7又は14に記載の半導体発光素子。
- 前記活性層を構成するIn x Ga 1-x N (0<x<1)のうち、Inの組成比は20%以上であることを特徴とする請求項7又は14に記載の半導体レーザダイオード。
- 前記活性層と前記クラッド層との間に光ガイド層を有していることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
- 前記共振器端面のうちの光出射側端面には、窒化ガリウムよりも低い屈折率を有する2層以上の低反射膜が、前記光出射側端面からの屈折率が徐々に低くなるように形成されており、前記共振器端面のうちの光反射側端面には、低屈折率層と高屈折率層とを交互に積層した誘電体多層膜からなる高反射膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一つに記載の半導体レーザダイオード。
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