JP2002222769A - 半導体素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体素子およびその製造方法

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JP2002222769A
JP2002222769A JP2001019548A JP2001019548A JP2002222769A JP 2002222769 A JP2002222769 A JP 2002222769A JP 2001019548 A JP2001019548 A JP 2001019548A JP 2001019548 A JP2001019548 A JP 2001019548A JP 2002222769 A JP2002222769 A JP 2002222769A
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plane
hexagonal
cleavage
substrate
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JP2001019548A
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Masahiro Ogawa
雅弘 小川
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体レーザ等における光共振器面を容易に
形成することができる半導体素子およびその製造方法を
提供する。 【解決手段】 C面を主面とする厚さ300μmのサフ
ァイア基板11上に,厚さ0.1μmのSi膜12を形
成し,Si膜12の上に窒化物系化合物半導体を半導体
レーザの構造に積層する。サファイア基板11を研磨
後,サファイア基板11に垂直な面方位で割ることによ
り半導体レーザの光共振面を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,可視発光ダイオー
ド装置や青紫色レーザ装置等の窒化物よりなる半導体素
子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】GaN,AlN,InNに代表される窒
化物系化合物半導体は,そのバンドギャップが1.9〜
6.2eVと広範囲にわたっており,赤色から紫外まで
の波長をカバーできる材料として好適であり,フルカラ
ーディスプレイ,白色光源,光ディスク用短波長レーザ
などの各種光源としての利用が期待されている。
【0003】窒化物系化合物半導体は六方晶系の結晶構
造を有しているため,窒化物系化合物半導体からなる発
光素子の作製には,高品質な結晶が作製可能な六方晶系
のサファイア基板が使用されている。
【0004】しかし,C面を主面とするサファイア基板
上に窒化物系化合物半導体をエピタキシャル成長させた
場合,窒化物系化合物半導体の{1−100}面とサフ
ァイア基板の{11−20}面とが平行になるように成
長する。すなわち,窒化物系化合物半導体の{1−10
0}面とサファイア基板の{1−100}面が30°ず
れて成長することになり,サファイア基板を劈開して
も,窒化物系化合物半導体にきれいな劈開面を形成する
ことができない。
【0005】なお,本明細書においては特定の面を表す
場合には(1−100)面のように( )で記し,(1
−100)面,(10−10)面,(01−10)面,
(−1100)面,(−1010)面,(0−110)
面あるいはそれら指数の整数倍である面のいずれかを表
す場合には{1−100}面のように{ }で記す。同
様に特定の方向を示すには[1−100]のように[
]と記し,[1−100],[10−10],[01
−10],[−1100],[−1010],[0−1
10]あるいはそれら指数の整数倍である方向のいずれ
かを表す場合には<1−100>方向のように< >で
記す。
【0006】この問題は半導体レーザの共振器面を作製
する際に特に重要となってくる。すなわち,劈開によっ
て良好な共振器面を作製できないため,エッチングなど
により形成せざるを得ない。エッチングにより作製され
た共振器面は平坦性,平行性に優れた端面が得られない
ため,光の損失が大きく,閾値電流密度が大きくなると
いう問題が生じる。また,共振器面を必要としない発光
ダイオードのような素子においても,劈開が困難である
ため,素子の欠けや形状のばらつきにより,歩留まりの
低下を招く。
【0007】この課題を解決するため,窒化物系化合物
半導体とサファイア基板の容易劈開面を一致させ,劈開
を行なうという方法が考案されている。例えば,サファ
イア基板上にスピネル構造を有する中間層を成長させ,
次いでGaNを成長させることにより,サファイアとG
aNの容易劈開方向を一致させる方法(特開平10−3
2367号公報),素子部に立方晶層構造を有する部位
を設け,その立方晶層の劈開性を利用する方法(特開平
9−129984号公報)である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし,スピネル中間
層を用いる方法では,スピネル構造の表面再配列を熱処
理により行なう必要があり,確実性に欠ける。また,立
方晶層の劈開性を利用する方法では,立方晶基板の接着
時に立方晶基板と六方晶層の方位を厳密にあわせること
は困難であり,劈開時に方位のずれによる素子の欠けが
発生するおそれがある。また,立方晶層を成長により作
製しようとしても,劈開性を有する厚さまで成長するの
は難しい。
【0009】上記課題に鑑み,本発明は六方晶系半導体
の共振器面を容易に得ることができ,かつ欠けのない半
導体素子およびその製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の半導体素子は,C面を主面とする六方晶系基
板上に,立方晶系半導体を介して設けられた六方晶系半
導体からなる素子部を有しており,前記六方晶系基板の
<11−20>方位と前記素子部を構成する六方晶系半
導体の<11−20>方位が一致するものである。
【0011】この構成により,六方晶系基板と六方晶系
半導体との面方位を平行にすることができるので,両者
の容易劈開の方向が一致し,平坦性に優れた劈開面を容
易に,しかも確実に作製することができる。
【0012】本発明の半導体素子は,かかる構成につ
き,前記立方晶系半導体の<1−10>方位と前記六方
晶系基板の<11−20>方位および前記素子部を構成
する六方晶系半導体の<11−20>が一致するもので
ある。
【0013】本発明の半導体素子は,かかる構成につ
き,前記六方晶系基板の格子定数asと前記立方晶系半
導体の格子定数acが,
【0014】
【数2】
【0015】の関係を満たすことを特徴とする。六方晶
系基板上に立方晶系半導体が回転しないで成長した場合
の基板に平行な面内の格子不整合
【0016】
【数3】
【0017】と,六方晶系基板上に立方晶系半導体が3
0゜回転して成長した場合の基板に平行な面内の格子不
整合
【0018】
【数4】
【0019】との関係が,
【0020】
【数5】
【0021】のとき,すなわち,
【0022】
【数6】
【0023】のとき,六方晶系基板上に立方晶系半導体
が30゜回転して成長したほうが安定な状態となり,六
方晶系基板の<11−20>と立方晶系半導体の<1−
10>が平行になるように成長する傾向が強まる。立方
晶系半導体上に作製した前記六方晶系半導体は30゜回
転して成長するため,六方晶系基板と六方晶系半導体は
60°ずれることになる。六方晶構造はC軸を軸として
60°回転すると元の状態と等価となるため,六方晶系
基板と六方晶系半導体の方位が一致することになる。こ
れにより,六方晶系基板と六方晶系半導体との方位を,
特別な処理を必要とせず,確実に平行にすることができ
るので,両者の容易劈開の方向が一致し,平坦性に優れ
た劈開面を容易に作製することができる。
【0024】本発明の半導体素子は,かかる構成につ
き,前記立方晶系半導体の(111)面が前記六方晶基
板の主面と平行であることにより,立方晶系半導体上
に,結晶性の良好な六方晶系半導体を作製することが可
能となる。
【0025】本発明の半導体素子は,かかる構成につ
き,前記立方晶系半導体の厚さが1μm以下であること
を特徴とする。立方晶系半導体を上記厚さ以下にする
と,六方晶系基板劈開時に立方晶系半導体がつられて劈
開されるので,立方晶系半導体での劈開のずれをなくす
ことができ,確実に六方晶系半導体に良好な劈開面を作
製することができる。
【0026】本発明の半導体素子は,かかる構成につ
き,前記素子部の側面の少なくとも1つの面が劈開面で
あることにより,素子の欠けおよび光の散乱・吸収を低
減することができる。
【0027】本発明の半導体素子は,かかる構成につ
き,前記素子部の側面のうち少なくとも1対の平行な側
面が劈開面であることにより,素子の欠けおよび光の散
乱・吸収を低減することができる。
【0028】本発明の半導体素子は,かかる構成につ
き,前記素子部が半導体発光素子であり,且つ前記半導
体発光素子中にストライプ上の窓を有し,前記ストライ
プ状の窓に沿う方向は,前記1対の平行な劈開面に垂直
であることにより,素子の欠けをなくすとともに,光の
損失を低減することができる。
【0029】本発明の半導体素子は,かかる構成につ
き,前記劈開面が前記半導体発光素子の光共振面である
ことを特徴とする。
【0030】本発明の半導体素子は,かかる構成につ
き,前記劈開面が前記半導体素子を構成する六方晶系半
導体の{1−100}面あるいは{11−20}面であ
ることにより,平坦性に優れた劈開面を容易に作製する
ことができる。
【0031】上記課題を解決するために本発明の半導体
素子の製造方法は,六方晶系基板上に立方晶系半導体を
形成する工程と,前記立方晶系半導体上に六方晶系半導
体からなる素子部を形成する工程と,前記六方晶系基板
の主面に垂直な面で劈開することにより,前記素子部に
劈開面を作製する工程とを有するものである。
【0032】この構成により,六方晶系基板の劈開を利
用して,素子部の劈開を行なうため,平坦性に優れた劈
開面を容易に作製することができる。
【0033】本発明の半導体素子の製造方法は,かかる
構成につき,前記立方晶系半導体の(111)面が前記
六方晶系基板の主面と平行であることにより,立方晶系
半導体上に,結晶性の良好な六方晶系半導体を作製する
ことが可能となる。
【0034】本発明の半導体素子の製造方法は,かかる
構成につき,前記立方晶系半導体の厚さが1μm以下で
あることを特徴とする。立方晶系半導体を上記厚さ以下
にすると,六方晶系基板劈開時に立方晶系半導体がつら
れて劈開されるので,確実に六方晶系半導体に良好な劈
開面を作製することができる。
【0035】本発明の半導体素子の製造方法は,かかる
構成につき,前記六方晶系基板の主面がC面であること
により,前記六方晶系基板および前記六方晶系半導体の
劈開面を基板に垂直にすることができ,容易に劈開する
ことが可能となる。
【0036】本発明の半導体素子の製造方法は,かかる
構成につき,前記六方晶基板の劈開面が前記六方晶系基
板{1−100}面あるいは{11−20}面であるこ
とにより,容易に劈開が可能となる。
【0037】本発明の半導体素子の製造方法は,かかる
構成につき,前記素子部を構成する六方晶系半導体の劈
開面が前記六方晶系半導体の{1−100}面あるいは
{11−20}面であることにより容易に劈開が可能と
なる。
【0038】本発明の半導体素子の製造方法は,かかる
構成につき,前記劈開を行なうのに,前記六方晶系基板
の厚さを50〜250μmにすることにより,六方晶系
基板の劈開を容易にすることができる。
【0039】本発明の半導体素子の製造方法は,かかる
構成につき,前記劈開を行なうのに,前記六方晶系基板
に{1−100}あるいは{11−20}方向に割溝を
形成し,前記割溝に沿って劈開することにより,確実に
六方晶系基板の劈開を行なうことができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態につい
て,詳しく説明する。
【0041】(実施の形態1)本発明の実施の形態1に
おける半導体素子およびその製造方法について図1を参
照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態1にお
ける半導体素子の概略構成を示す図である。図1におい
て,(a)は素子上面図であり,(b)は(a)の一点
鎖線X−X'に沿った断面図である。
【0042】実施の形態1における半導体素子は,厚さ
300μmのサファイア基板1上に,厚さが0.1μm
のSi膜2,厚さが50nmのAlN緩衝層3,厚さが
2μmのSiドープのn型GaN層4,厚さが0.5μ
mのMgドープのp型GaN層5が順次積層された構造
である。n型GaN層4とp型GaN層5とのpn接合
により発光部を形成している。
【0043】次いで,p型GaN層5の上面に厚さが
0.1μmのニッケルと金の多層構造からなる正電極6
が設けられており,n型GaN層4上のp型GaN層5
が積層されていない上面にはチタンとアルミニウムの多
層構造からなる負電極7が設けられている。
【0044】サファイア基板1の主面は(0001)面
(C面)であり,Si膜2の(111)面はサファイア
基板1の主面に平行である。Si膜2が(111)面を
主面としているため,その上に形成した窒化物系半導体
層は六方晶構造をとる。
【0045】また,この半導体素子の形状は1辺が50
0μmの菱形を底面としており,その側面は(10−1
0)面と(0−110)面からなる。
【0046】この構成によれば,半導体素子の側面を
(10−10)面および(0−110)面としているの
で,基板から劈開を行なう際に,半導体素子の欠けをな
くすことができる。
【0047】以下,サファイア基板,Si層,窒化物系
半導体層の結晶方位の関係を,図2を参照して説明す
る。(a)はサファイア基板のO原子面を,(b)はS
i原子面を,(c)は窒化物半導体のN原子面を表すも
のである。
【0048】サファイア基板上に成長したSi層のSi
原子9は,サファイアのO原子8の配列から30°ずれ
た配列で成長したほうが,格子不整合が小さくなる。サ
ファイアのa軸の格子定数as=4.758Å,Siの
格子定数ac=5.43Åであり,サファイアとSi
(111)の格子不整合差は, (√2ac−2as)/√2ac=−23.9 である。このとき,サファイア基板1の<11−20>
とSi膜2の<1−10>が平行になる。
【0049】Si(111)上に成長した窒化物系半導
体のN原子10は,Si原子9に対して,図(c)のよ
うに成長するので,30°ずれた配列,すなわち窒化物
系半導体の<11−20>とSi膜2の<1−10>が
平行になる。したがって,サファイア基板と窒化物系半
導体は60°ずれることになり,サファイア基板1の<
11−20>方位と窒化物系半導体の<11−20>方
位が一致する。
【0050】サファイア基板と窒化物系半導体層の劈開
を確実に行なうためには,両者の間に存在するSi膜に
おいて劈開面がずれないように,Si膜の厚さを1μm
以下とする必要があり,また,Si膜を介在させる効果
を確実に発現させるためには,100Å以上であること
が好ましい。
【0051】この半導体素子の製造方法を以下に説明す
る。C面を主面とする厚さ300μmのサファイア基板
1上に,モノシランやジクロルシランなどのケイ素を含
むガスを用いた気相エピタキシャル成長法により,厚さ
0.1μmのSi膜2を結晶成長している。C面を主面
とするサファイア基板1を用いることにより,成長面が
(111)面であるSi膜2を形成することができる。
【0052】次に有機金属気相エピタキシャル成長(以
下,MOVPEという)法により,Si膜2の上に厚さ
50nmのAlN緩衝層3,厚さ2μmのn型GaN層
4,厚さが0.5mのMgドープのp型GaN層5を順
次積層する。
【0053】次いで,ドライエッチングによりn型Ga
N層4の一部が露出するまでエッチングして,その露出
部にチタンとアルミニウムの多層構造からなる負電極7
を設け,p型GaN層5の上面に厚さが0.1μmのニ
ッケルと金の多層構造からなる正電極6を設ける。
【0054】しかる後,サファイア基板1の厚さを研磨
により,100μmまで研磨する。スクライバーにより
劈開を行なう場合,スクライブラインより劈開を確実に
行なうためには,サファイア基板1の厚さを250μm
以下,好ましくは150μm以下にするのが望ましく,
ハンドリングを容易するには50μm以上の厚さが望ま
しい。
【0055】また,劈開を確実に行なうためには,サフ
ァイア基板1の研磨後に,サファイア基板1の裏面に幅
10μm,深さ10μmの溝状のパターンをフォトリソ
グラフィの方法を用いて形成する。パターンの方向はサ
ファイア基板1の<11−20>方向である。そしてこ
のパターンに沿って半導体素子を1つずつ分離する。
【0056】この製造方法によれば,溝状のパターンの
方向がサファイア基板1の<11−20>と,劈開面で
あるサファイア基板1の{10−10}面に含まれるの
で,欠けを生じさせることなく,結果として歩留まりよ
く半導体素子を分離することが可能となる。
【0057】なお,上記第1の実施の形態において以下
に示す書き換えを行なってもよい。溝状のパターンの方
向をサファイア基板1の<10−10>として,このパ
ターンに沿って劈開することにより,劈開面をサファイ
ア基板1の{11−20}面としてもよい。
【0058】素子形状は菱形としたが,特に限定するも
のではなく,正三角形,平行四辺形,正六角形でもよ
い。さらにその他の多角形でもよい。
【0059】(実施の形態2)本発明の実施の形態2に
おける半導体素子およびその製造方法について図3を参
照しながら説明する。図3は実施の形態2における半導
体素子の概略構成を示す図である。図3において,
(a)は素子上面図であり,(b)は(a)の一点鎖線
Y−Y'に沿った断面図である。
【0060】実施の形態2における半導体素子は,厚さ
300μmのC面を主面とするサファイア基板11上
に,厚さが0.1μmのSi膜12,厚さが50nmの
AlN緩衝層13,厚さが2μmのSiドープのn型G
aN層14,厚さ1μmのSiドープのn型Al0.1
0.9Nよりなる第1クラッド層15,厚さが0.3μ
mで,アンドープのGaNよりなる第1光ガイド層1
6,量子井戸活性層17,厚さが0.1μmで,アンド
ープのGaNよりなる第2光ガイド層18,厚さ0.3
μmのMgドープのp型Al0.1Ga0.9Nよりなる第2
クラッド層19,厚さが0.5μmの窓構造20,厚さ
が0.3μmのMgドープのp型GaNよりなるコンタ
クト層21が順次積層された構造である。量子井戸構造
は,図示されていないが,厚さが30ÅのIn0.15Ga
0.85N井戸層と厚さが70ÅのIn0.02Ga0.98N障壁
層とが交互に積層され,それが3回繰り返されたもので
ある。
【0061】窓構造は,第2クラッド層19の上にスト
ライプ幅10μmの窓が形成された,厚さが0.3μm
のSiドープのn型Al0.2Ga0.8Nよりなる電流ブロ
ック層22と,電流ブロック層を埋め込むようにp型A
0.1Ga0.9Nよりなる第3クラッド層23とで形成さ
れた構造である。電流ブロック層22が作るストライプ
構造のストライプに沿った方向は[−1010]であ
る。
【0062】p型GaNコンタクト層21の上面には厚
さが0.1μmのニッケルと金の多層構造からなる正電
極24が設けられており,n型GaN層14上のn型第
1クラッド層が積層されていない上面にはチタンとアル
ミニウムの多層構造からなる負電極25が設けられてい
る。正電極24と負電極25との間に電圧を印加するこ
とにより,量子井戸活性層17が発光する。
【0063】また,この半導体素子の底面は平行四辺形
であり,側面が(01−10)面,(0−110)面,
(10−10)面および(−1010)面である。スト
ライプ方向と垂直な(−1010)面および(10−1
0)面は共振器面であり,これらの面により光が反射か
つ共振し,半導体素子よりレーザ光が取り出される。共
振器面の間隔は500μmである。
【0064】この構成によれば,実施の形態1と同様
に,サファイア基板11の<11−20>方位とサファ
イア基板11の上に作製された半導体レーザを構成する
窒化物半導体の<11−20>方位が一致する。したが
って,半導体素子の側面を(01−10)面,(0−1
10)面,(10−10)面および(−1010)面と
すると,サファイア基板11と窒化物半導体の容易劈開
面が一致しているので,基板から劈開を行なう際に,半
導体素子の欠けをなくすことができ,平坦性に優れた共
振器面を得ることができる。これにより,形状のばらつ
きによる特性のばらつきを抑えることができるととも
に,端面での光の損失を低減することができ,閾値電流
を低減させることが可能となる。
【0065】この半導体素子の製造方法について説明す
る。C面を主面とするサファイア基板11の主面上に,
気相エピタキシャル成長法により,厚さ0.1μmのS
i膜12を結晶成長している。サファイア基板11の主
面をC面とすることにより,Si膜12の成長面を(1
11)面とすることができる。
【0066】次いで,MOVPE法により,このSi膜
12の上に,厚さが50nmのAlN緩衝層13,厚さ
が2μmのSiドープのn型GaN層14,厚さ1μm
のSiドープのn型Al0.1Ga0.9Nよりなる第1クラ
ッド層15,厚さが0.1μmでアンドープのGaNよ
りなる第1光ガイド層16,量子井戸活性層17,厚さ
が0.1μmでアンドープのGaNよりなる第2光ガイ
ド層18,厚さ0.3μmのMgドープのp型Al0.1
Ga0.9Nよりなる第2クラッド層19,厚さが0.3
μmのSiドープのn型Al0.2Ga0.8Nよりなる電流
ブロック層22を順次積層する。
【0067】次に電流ブロック層22の表面に対し,
[−1010]方向に沿ってストライプ状の開口を開け
たニッケルマスクを付け,ドライエッチングにより電流
ブロック層のニッケルマウス開口部分を除去して,スト
ライプ溝を形成する。その後,ニッケルマスクを除去
し,電流ブロック層22の上に,MOVPE法により,
p型Al0.1Ga0.9Nよりなる第3クラッド層23,厚
さが0.3μmのMgドープのp型GaNよりなるコン
タクト層21を順次積層する。
【0068】さらに,ドライエッチングによりn型Ga
N層14の一部が露出するまでエッチングして,その露
出部にチタンとアルミニウムの多層構造からなる負電極
25を設け,p型GaNコンタクト層21の上面に厚さ
が0.1μmのニッケルと金の多層構造からなる正電極
24を設ける。
【0069】しかる後,実施の形態1と同様に,サファ
イア基板11の厚さを研磨により,100μmまで研磨
し,スクライバーにより半導体素子を分離する。
【0070】以上に述べた実施の形態1および2におい
て,以下に示す置換えを行なっても,同様の効果が得ら
れる。
【0071】立方晶半導体層の作製には気相エピタキシ
ャル成長法を用いたが,代わりにスパッタ法,分子線エ
ピタキシャル成長法(MBE法)であっても同様の効果
が得られる。
【0072】六方晶系半導体の作製には,MOVPE法
を用いたが,代わりにCVD法,MBE法,ハイドライ
ド気相エピタキシャル成長法(HVPE法),あるいは
それら複数の成長方法を用いても同様の効果が得られ
る。
【0073】六方晶系基板にサファイア基板,立方晶系
半導体にはSi層を用いたが,サファイア基板の代わり
にZnO基板,Si膜2の代わりに,ダイアモンド構造
を有する立方晶系半導体,あるいはIII−V族半導体
で,そのIII族元素としてAl,Ga,Inのうち1つ
以上を含んでおり,そのV族元素がP,As,Sbのう
ち1つ以上を含んでいる半導体,あるいはII−VI族半導
体で,そのII族元素としてZn,Cdのうち1つ以上を
含んでおり,そのVI族元素がS,Se,Teのうち1つ
以上を含んでいる半導体であっても同様の効果が得られ
る。
【0074】六方晶系半導体として,III−V族窒化物
系半導体を用いたが,ZnO系化合物半導体であっても
同様の効果が得られる。
【0075】半導体素子の分離にはスクライバーによる
スクライブの他に,ダイサーによるダイシング,あるい
はスクライバーとダイサーの組み合わせでも同様の効果
が得られる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように,本発明により,低
損失等の特性に優れた半導体素子およびその製造方法を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における半導体素子構造を示す図
【図2】サファイア,Si,窒化物半導体の方位関係を
示す図
【図3】実施の形態2における半導体素子構造を示す図
【符号の説明】
1 サファィア基板 2 Si膜 3 AlN緩衝層 4 n型GaN層 5 p型GaN層 6 正電極 7 負電極 8 O原子 9 Si原子 10 N原子 11 サファイア基板 12 Si膜 13 AlN緩衝層 14 n型GaN層 15 第1クラッド層 16 第1光ガイド層 17 量子井戸活性層 18 第2光ガイド層 19 第2クラッド層 20 窓構造 21 p型GaNコンタクト層 22 電流ブロック層 23 第3クラッド層 24 正電極 25 負電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F045 AA03 AA04 AB02 AB09 AB14 AB17 AC01 AC05 AF09 AF13 CA12 DA53 DA55 DA57 5F073 AA07 AA11 AA62 AA74 AA86 CA02 CA07 CB05 CB22 DA04 DA05 DA06 DA24 DA32 DA34 EA15 EA29

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C面を主面とする六方晶系基板上に,立
    方晶系半導体を介して設けられた六方晶系半導体からな
    る素子部を有する半導体素子において,前記六方晶系基
    板の<11−20>方位と前記素子部を構成する六方晶
    系半導体の<11−20>方位が一致する半導体素子。
  2. 【請求項2】 前記立方晶系半導体の<1−10>方位
    と前記六方晶基板の<11−20>方位および前記素子
    部を構成する六方晶系半導体の<11−20>が一致す
    る請求項1に記載の半導体素子。
  3. 【請求項3】 前記六方晶系基板のa軸の格子定数as
    と前記立方晶系半導体の格子定数acが, 【数1】 の関係を満たす請求項1および2に記載の半導体素子。
  4. 【請求項4】 前記立方晶系半導体の{111}面が前
    記六方晶系基板の主面と平行である請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の半導体素子。
  5. 【請求項5】 前記立方晶系半導体の厚さが1μm以下
    である請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体素子の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記素子部の側面の少なくとも1つの面
    が劈開面である請求項1または2に記載の半導体素子。
  7. 【請求項7】 前記素子部の側面のうち少なくとも1対
    の平行な側面が劈開面である請求項1または2に記載の
    半導体素子。
  8. 【請求項8】 前記素子部が半導体発光素子であり,且
    つ前記半導体発光素子中にストライプ状の窓を有し,前
    記ストライプ状の窓に沿う方向は,前記1対の平行な劈
    開面に垂直である請求項7に記載の半導体素子。
  9. 【請求項9】 前記劈開面が前記素子部の光共振面であ
    る請求項7または8に記載の半導体素子。
  10. 【請求項10】 前記劈開面が前記半導体素子を構成す
    る六方晶系半導体の{1−100}面あるいは{11−
    20}面である請求項6乃至9のいずれかに記載の半導
    体素子。
  11. 【請求項11】 六方晶系基板上に立方晶系半導体を形
    成する工程と,前記立方晶系半導体上に六方晶系半導体
    からなる素子部を形成する工程と,前記六方晶系基板の
    主面に垂直な面で劈開することにより,前記素子部に劈
    開面を作製する工程とを有する半導体素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記立方晶系半導体の{111}面が
    前記六方晶系基板の主面と平行である請求項11に記載
    の半導体素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記立方晶系半導体の厚さが1μm以
    下である請求項11または12のいずれかに記載の半導
    体素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記六方晶系基板の主面がC面である
    請求項11または12のいずれかに記載の半導体素子の
    製造方法。
  15. 【請求項15】 前記六方晶系基板の劈開面が前記六方
    晶系基板{1−100}面あるいは{11−20}面で
    あることを特徴とする請求項11に記載の半導体素子の
    製造方法。
  16. 【請求項16】 前記素子部を構成する六方晶系半導体
    の劈開面が前記六方晶系半導体の{1−100}面ある
    いは{11−20}面であることを特徴とする請求項1
    1に記載の半導体素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記劈開を行なうのに,前記六方晶系
    基板の厚さを50μm以上250μm以下にすることを
    特徴とする請求項11乃至16のいずれかに記載の半導
    体素子の作製方法。
  18. 【請求項18】 前記劈開を行なうのに,前記六方晶系
    基板に{1−100}あるいは{11−20}方向に割
    溝を形成し,前記割溝に沿って劈開することを特徴とす
    る請求項11乃至17のいずれかに記載の半導体素子の
    製造方法。
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