JP4817522B2 - 窒化物系半導体層素子および窒化物系半導体の形成方法 - Google Patents

窒化物系半導体層素子および窒化物系半導体の形成方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、窒化物系半導体素子および窒化物系半導体の形成方法に関し、より特定的には、選択横方向成長を用いた窒化物系半導体素子および窒化物系半導体の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、発光ダイオード素子および半導体レーザ素子などの半導体発光素子やトランジスタなどの電子素子に用いられる半導体素子として、III族窒化物系半導体を利用した窒化物系半導体素子の開発が盛んに行われている。このような窒化物系半導体素子の製造の際には、サファイアなどからなる基板上に、窒化物系半導体層をエピタキシャル成長させている。
【0003】
この場合、サファイアなどの基板と窒化物系半導体層とでは、格子定数が異なるため、サファイアなどの基板上に成長させた窒化物系半導体層では、基板から上下方向に延びる転位(格子欠陥)が存在している。このような窒化物系半導体層における転位は、半導体素子の素子特性の劣化および信頼性の低下を招く。
【0004】
そこで、上記のような窒化物系半導体層における転位を低減する方法として、従来、選択横方向成長(ELO:Epitaxial Lateral Overgrowth)が提案されている。この選択横方向成長については、たとえば、応用電子物性分科会誌、第4巻(1998)、p.53〜p.58およびp.210〜p.215などに開示されている。
【0005】
図27〜図30は、従来の選択横方向成長を用いた窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。図27〜図30を参照して、従来の選択横方向成長を用いた窒化物系半導体の形成方法について説明する。
【0006】
まず、図27に示すように、サファイア基板101の(0001)C面上に、MOVPE法(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy:有機金属化学的気相成長法)を用いて、低温バッファ層102、および、約1μmの膜厚を有するGaN層103を順次形成する。なお、低温バッファ層102は、サファイア基板101とGaN層103との格子定数の差を緩和するために形成する。そのGaN層103上に、SiO2からなるストライプ状の選択成長用のマスク層104を形成する。
【0007】
次に、図28に示すように、HVPE法(ハライド気相成長法)を用いて、GaN層103の露出された表面部分から、再成長GaN層105を成長させる。この場合、露出されたGaN層103の上面上において、再成長GaN層105は、まず、上方向(c軸方向)に成長する。これにより、露出されたGaN層103の上面上に、断面が三角形状のファセット構造を有する再成長GaN層105が成長される。この場合、ファセット構造の三角形状の先端付近には、GaN層103から上方向(c軸方向)に伝播された転位が存在する。
【0008】
さらに、GaN層103の上面上における再成長GaN層105の成長が進むと、図29に示すように、再成長GaN層105は、横方向にも成長する。この再成長GaN層105の横方向成長によって、マスク層104上にも再成長GaN層105が形成される。この場合、GaN層103から上方向(c軸方向)に伝播された転位は、再成長GaN層105が横方向成長する際に、横方向(サファイア基板101のC面と平行な方向)に折れ曲がる。
【0009】
さらに、再成長GaN層105を横方向成長させると、図30に示すように、ファセット構造の各再成長GaN層105が合体して連続膜となる。これにより、平坦な上面を有するとともに、GaN層103に比べて転位が低減された再成長GaN層105が形成される。そして、この転位の低減された再成長GaN層105上に、窒化物系半導体素子層(図示せず)を形成すれば、従来の格子欠陥の低減された窒化物系半導体素子を形成することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の選択横方向成長を用いる窒化物系半導体の形成方法では、サファイア基板101上に、低温バッファ層102を介して形成されたGaN層103を下地として、選択横方向成長によって転位の低減された再成長GaN層105を形成していた。この下地となる窒化物系半導体のGaN層103を形成する際には、表面をある程度平坦にするために、GaN層103を大きな厚み(約1μm)で形成する必要があった。このため、下地となるGaN層103を形成するのに、長時間を要していた。その結果、再成長GaN層105を形成するまでの時間が長くなるという問題点があった。また、GaN層103を大きな厚みで形成するため、従来の再成長GaN層105を含む窒化物系半導体全体の厚みが大きくなるという問題点があった。
【0011】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、
この発明の1つの目的は、短時間で、かつ、薄い厚みで形成することが可能な窒化物系半導体層を含む窒化物系半導体素子を提供することである。
【0012】
この発明のもう1つの目的は、短時間で、かつ、薄い厚みで窒化物系半導体を形成することが可能な窒化物系半導体の形成方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の局面による窒化物系半導体素子は、基板の上面上に形成されたバッファ層と、バッファ層の上面の一部が露出するように、バッファ層の上面上に接触するように形成されたマスク層と、露出されたバッファ層の上面上およびマスク層の上面上に形成された窒化物系半導体層と、窒化物系半導体層上に形成され、素子領域を有する窒化物系半導体素子層とを備えている。
【0014】
この第1の局面による窒化物系半導体素子では、上記のように、基板上に形成したバッファ層上に直接マスク層を形成することによって、マスク層を形成する前に下地となる窒化物系半導体を大きな厚みで長時間かけて形成する必要がない。その結果、短時間で、かつ、薄い厚みで窒化物系半導体層を形成することができる。また、バッファ層上のマスク層をマスクとして選択横方向成長させることによって、転位が低減された窒化物系半導体層を形成することができる。そして、このような転位が低減された窒化物系半導体層上に、素子領域を有する窒化物系半導体素子層を成長させれば、容易に、良好な素子特性を有する窒化物系半導体素子を得ることができる。
【0015】
上記第1の局面による窒化物系半導体素子において、好ましくは、マスク層のマスク幅をb1とし、マスク層のマスク開口部の幅をw1とした場合、マスク幅b1およびマスク開口部の幅w1は、以下の式(1)と式(2)と式(3)とを満たす範囲に設定されている。
【0016】
1[μm]+w1[μm]≦ 40[μm] ・・・(1)
1[μm]≧ 1[μm] ・・・(2)
1[μm]≧ 1[μm] ・・・(3)
このように構成すれば、上記式(1)を満たすように、マスク幅b1およびマスク開口部の幅w1を設定することによって、マスク層を選択成長マスクとして成長される窒化物系半導体層の上面の平坦化が可能となる。また、上記式(2)および式(3)を満たすように、マスク幅b1およびマスク開口部の幅w1を設定することによって、マスク層のパターニングを容易に行うことができる。
【0017】
上記第1の局面において、好ましくは、基板は、絶縁体、III-V族半導体、IV族半導体、IV- IV族半導体およびII-VI族半導体からなるグループより選択される1つの材料からなる。また、マスク層は、酸化シリコン、窒化物および高融点金属からなるグループより選択される1つを含んでいてもよい。このように構成すれば、基板上のバッファ層上に、窒化物系半導体層を容易に選択横方向成長させることができる。
【0018】
この発明の第2の局面による窒化物系半導体の形成方法は、基板の上面上にバッファ層を形成する工程と、バッファ層の上面の一部が露出するように、バッファ層の上面上に接触するように、マスク層を形成する工程と、マスク層を選択成長マスクとして、バッファ層の上面上およびマスク層の上面上に窒化物系半導体層を成長させる工程とを備えている。
【0019】
この第2の局面による窒化物系半導体の形成方法では、上記のように、基板上に形成したバッファ層上に直接マスク層を形成することによって、マスク層を形成する前に下地となる窒化物系半導体を大きな厚みで長時間かけて形成する必要がない。その結果、短時間で、かつ、薄い厚みで窒化物系半導体層を形成することができる。また、バッファ層上のマスク層をマスクとして選択横方向成長させることによって、転位が低減された窒化物系半導体層を形成することができる。
【0020】
上記第2の局面による窒化物系半導体の形成方法において、好ましくは、マスク層のマスク幅をb1とし、マスク層のマスク開口部の幅をw1とした場合、マスク幅b1およびマスク開口部の幅w1は、以下の式(1)と式(2)と式(3)とを満たす範囲に設定されている。
【0021】
1[μm]+w1[μm]≦ 40[μm] ・・・(1)
1[μm]≧ 1[μm] ・・・(2)
1[μm]≧ 1[μm] ・・・(3)
このように構成すれば、上記式(1)を満たすように、マスク幅b1およびマスク開口部の幅w1を設定することによって、マスク層を選択成長マスクとして成長される窒化物系半導体層の上面の平坦化が可能となる。すなわち、マスク幅b1とマスク開口部の幅w1との和(マスク層の周期)が40μm以下になるように、マスク幅b1とマスク開口部の幅w1とを設定することによって、そのように設定されたマスク層を用いて窒化物系半導体層を選択成長させれば、容易に上面が平坦化された窒化物系半導体層を形成することができる。また、上記式(2)および式(3)を満たすように、マスク幅b1およびマスク開口部の幅w1を設定することによって、マスク層のパターニングを容易に行うことができる。
【0022】
この発明の第3の局面による窒化物系半導体の形成方法は、基板の上面上の全面にバッファ層を成長させた後、バッファ層をパターニングすることによって、基板の上面の一部が露出するように、所定の間隔を隔てて複数のバッファ層を形成する工程と、バッファ層間に露出された基板の上面上にマスク層を成長させる工程と、マスク層を選択成長マスクとして、バッファ層の上面上およびマスク層の上面上に窒化物系半導体層を成長させる工程とを備えている。
【0023】
この第3の局面による窒化物系半導体の形成方法では、上記のように、基板上にパターニングされたバッファ層を形成した後に、バッファ層間に露出された基板の上面上にマスク層を成長させることによって、マスク層を形成する前に下地となる窒化物系半導体を大きな厚みで長時間かけて形成する必要がない。その結果、短時間で、かつ、薄い厚みで窒化物系半導体層を形成することができる。また、バッファ層上のマスク層をマスクとして選択横方向成長させることによって、転位が低減された窒化物系半導体層を形成することができる。
【0024】
上記第3の局面による窒化物系半導体の形成方法において、好ましくは、バッファ層の幅をw2とし、バッファ層の開口部の幅をb2とした場合、バッファ層の幅w2およびバッファ層の開口部の幅b2は、以下の式(1)と式(2)と式(3)とを満たす範囲に設定されている。
【0025】
2[μm]+w2[μm]≦ 40[μm] ・・・(1)
2[μm]≧ 1[μm] ・・・(2)
2[μm]≧ 1[μm] ・・・(3)
このように構成すれば、上記式(1)を満たすように、バッファ層の幅w2およびバッファ層の開口部の幅b2を設定することによって、バッファ層の開口部に形成されたマスク層を選択成長マスクとして成長される窒化物系半導体層の上面の平坦化が可能となる。すなわち、バッファ層の幅w2とバッファ層の開口部の幅b2との和(マスク層の周期)が40μm以下になるように、バッファ層の幅w2とバッファ層の開口部の幅b2とを設定することによって、そのように設定されたバッファ層の開口部に形成されたマスク層を用いて窒化物系半導体層を選択成長させれば、容易に上面が平坦化された窒化物系半導体層を形成することができる。また、上記式(2)および式(3)を満たすように、バッファ層の幅w2およびバッファ層の開口部の幅b2を設定することによって、マスク層のパターニングを容易に行うことができる。
【0026】
上記第2または第3の局面において、好ましくは、窒化物系半導体層上に素子領域を有する半導体素子層を形成する工程をさらに備える。このように構成すれば、容易に、良好な素子特性を有する窒化物系半導体素子を得ることができる。
【0027】
上記第2または第3の局面において、好ましくは、基板は、絶縁体、III-V族半導体、IV族半導体、IV- IV族半導体およびII-VI族半導体からなるグループより選択される1つの材料からなる。また、マスク層は、酸化シリコン、窒化物および高融点金属からなるグループより選択される1つを含んでいてもよい。このように構成すれば、基板上のバッファ層上に、窒化物系半導体層を容易に選択横方向成長させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
(第1参考形態)
図1〜図5は、本発明の第1参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。図1〜図5を参照して、第1参考形態による窒化物系半導体の形成方法について説明する。
【0030】
まず、図1に示すように、サファイア基板1のC(0001)面上に、MOVPE法を用いて、基板温度を約600℃に保持した状態で、約15μmの膜厚を有するアンドープAlGaNからなるバッファ層2を形成する。なお、バッファ層2は、サファイア基板1と、後の工程でバッファ層2上に形成する窒化物系半導体層(アンドープGaN層4)との格子定数の差を緩和するために設ける。このバッファ層2上に、プラズマCVD法などを用いて、約100nm〜数100nmの膜厚を有するSiNまたはSiO2からなるマスク層3を形成する。なお、サファイア基板1が、本発明の「基板」の一例である。
【0031】
次に、マスク層3をウェットエッチングなどを用いてパターニングすることによって、図2に示されるような、ストライプ形状のマスク層3を形成する。このマスク層3のストライプ形状は、マスク層3のマスク幅をb1とし、マスク層3の開口部の幅をw1とした場合、マスク幅b1およびマスク開口部の幅w1が、以下の式(1)と式(2)と式(3)とを満たすように形成することが好ましい。
【0032】
1[μm]+w1[μm]≦ 40[μm] ・・・(1)
1[μm]≧ 1[μm] ・・・(2)
1[μm]≧ 1[μm] ・・・(3)
なお、上記式(1)は、マスク幅b1とマスク開口部の幅w1との和(マスク層3の周期)が40μm以下であるという条件を示している。ここで、図7は、マスク幅b1とマスク開口部の幅w1との関係を示した相関図である。図7を参照して、第1参考形態では、マスク幅b1およびマスク開口部の幅w1が上記式(2)および式(3)を満たすように、すなわち、マスク幅b1およびマスク開口部の幅w1の両方が1μm以上の幅を有するように、マスク層3を形成することによって、マスク層3をエッチングにより容易にパターニングすることができる。それによって、容易にパターニングされたマスク層3を形成することができる。
【0033】
また、マスク幅b1およびマスク開口部の幅w1が、上記式(1)を満たすように、すなわち、40μm以下の周期で、マスク層3を形成することによって、後の工程でマスク層3を選択成長マスクとして成長されるアンドープGaN層4(図5参照)の上面の平坦化が可能となる。
【0034】
次に、図3に示すように、MOVPE法を用いて、基板温度を約1150℃に保持した状態で、マスク層3を選択成長マスクとして、バッファ層2の露出された表面部分から、アンドープGaN層4を成長させる。このアンドープGaN層4が、本発明の「窒化物系半導体層」の一例である。この場合、露出されたバッファ層2の上面上において、まず、アンドープGaN層4のファセット構造が、上方向(c軸方向)に成長する。このアンドープGaN層4のファセット構造には、バッファ層2から上方向(c軸方向)に伝播された転位が存在する。
【0035】
さらに、バッファ層2の上面上におけるアンドープGaN層4の成長が進むと、図4に示すように、アンドープGaN層4は、横方向にも成長する。このアンドープGaN層4の横方向成長によって、マスク層3上にもアンドープGaN層4が形成される。この場合、バッファ層2から上方向(c軸方向)に伝播された転位は、アンドープGaN層4が横方向成長する際に、横方向(サファイア基板1のC面と平行な方向)に折れ曲がる。
【0036】
さらに、アンドープGaN層4を横方向成長させると、図5に示すように、ファセット構造の各アンドープGaN層4が合体して連続膜となる。これにより、平坦な上面を有するとともに、バッファ層2に比べて転位が低減されたアンドープGaN層4が形成される。特に、アンドープGaN層4のマスク層3上の領域において、転位密度が低減される。
【0037】
ただし、アンドープGaN層4では、マスク層3の中央部上の領域に比較的転位密度の高い部分が形成される。このため、アンドープGaN層4を用いて窒化物系半導体レーザ素子を製造する際には、マスク層3の中央部上の部分を除く領域の、特に転位密度の低減されたアンドープGaN層4上に、素子領域を形成するのが好ましい。
【0038】
第1参考形態による窒化物系半導体の形成方法では、上記のように、バッファ層2上に直接マスク層3を形成することによって、マスク層3を形成する前に下地となる窒化物系半導体を大きな厚みで長時間かけて形成する必要がない。その結果、短時間で、かつ、薄い厚みでアンドープGaN層4を形成することができる。
【0039】
図6は、上記した第1参考形態の窒化物系半導体の形成方法を用いて製造した窒化物系半導体レーザ素子を示した斜視図である。次に、図6を参照して、第1参考形態による窒化物系半導体の形成方法を用いて製造した窒化物系半導体レーザ素子の構造について説明する。
【0040】
第1参考形態の窒化物系半導体レーザ素子の構造としては、図5に示した第1参考形態のアンドープGaN層4上に、図6に示すように、MOVPE法、HVPE法、または、トリメチルアルミニウム、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、NH3、SiH4(シランガス)およびCpMg(シクロペンタジエニルマグネシウム)などを原料ガスとして用いるガスソースMBE(Molecular Beam Epitaxy)法などを用いて、約4μmの膜厚を有するn型GaNからなるn型コンタクト層5が形成されている。n型コンタクト層5上には、約0.1μmの膜厚を有するn型AlGaInNからなるクラック防止層6、約0.45μmの膜厚を有するn型AlGaNからなるn型第2クラッド層7、約50nm(約0.05μm)の膜厚を有するn型GaNからなるn型第1クラッド層8、および、GaInNからなる多重量子井戸(MQW)発光層9が順次形成されている。このMQW発光層9は、約4nmの厚みを有する5つのアンドープGaN障壁層と、約4nmの厚みを有する4つの圧縮歪みのアンドープGaInN井戸層とが交互に積層された構造を有する。
【0041】
MQW発光層9上には、約40nm(約0.04μm)の膜厚を有するp型GaNからなるp型第1クラッド層10が形成されている。p型第1クラッド層10上には、約0.45μmの高さを有するメサ形状(台形状)のp型AlGaNからなるp型第2クラッド層11が形成されている。また、p型第1クラッド層10上の、p型第2クラッド層11が形成されている領域以外の領域と、メサ形状のp型第2クラッド層11の側面とを覆うとともに、p型第2クラッド層11の上面を露出させるように、約0.2μmの膜厚を有するn型GaNからなる電流阻止層12が形成されている。電流阻止層12上には、露出されたp型第2クラッド層11の上面と接触するように、約3μm〜約5μmの膜厚を有するp型GaNからなるp型コンタクト層13が形成されている。
【0042】
また、p型コンタクト層13からn型コンタクト層5までの一部領域が除去されている。そのn型コンタクト層5の露出した表面の一部と、クラック防止層6、n型第2クラッド層7、n型第1クラッド層8、MQW発光層9、p型第1クラッド層10、電流阻止層12およびp型コンタクト層13の露出した側面とを覆うように、SiO2からなる保護膜14が形成されている。
【0043】
また、p型コンタクト層13の上面上には、p側電極15が形成されるとともに、一部領域が除去されて露出されたn型コンタクト層5の表面には、n側電極16が形成されている。
【0044】
なお、n型コンタクト層5、クラック防止層6、n型第2クラッド層7、n型第1クラッド層8、MQW発光層9、p型第1クラッド層10、p型第2クラッド層11、電流阻止層12およびp型コンタクト層13は、本発明の「素子領域を有する窒化物系半導体素子層」の一例である。
【0045】
第1参考形態の窒化物系半導体レーザ素子では、上記のように、図1〜図5に示した第1実施形態の窒化物系半導体の形成方法を用いて形成された、薄い厚みで、かつ、低転位のアンドープGaN層4を下地として、その上に各層5〜13を形成することによって、各層5〜13において良好な結晶性を実現することができるとともに、全体の膜厚を小さくすることができる。その結果、第1参考形態では、全体として薄い厚みで、かつ、良好な素子特性を有する窒化物系半導体素子を得ることができる。
【0046】
(第2参考形態)
図8〜図12は、本発明の第2参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。第1参考形態の絶縁性のサファイア基板1の代わりに、導電性を有するn型のSiCまたはSiなどからなる基板21を用いている。図8〜図12を参照して、第2参考形態による窒化物系半導体の形成方法について説明する。
【0047】
まず、図8に示すように、基板21上に、MOVPE法を用いて、基板温度を約1150℃に保持した状態で、約0.05μmの膜厚を有するn型Al0.09Ga0.91Nからなるバッファ層22を形成する。なお、バッファ層22は、基板21と、後の工程でバッファ層22上に形成する窒化物系半導体層(n型GaN層24)との格子定数の差を緩和するために設ける。このバッファ層22上に、プラズマCVD法などを用いて、約100nm〜数100nmの膜厚を有するSiNまたはSiO2からなるマスク層23を形成する。
【0048】
次に、マスク層23をウェットエッチングなどを用いてパターニングすることによって、図9に示されるような、ストライプ形状のマスク層23を形成する。このマスク層23のストライプ形状は、第1参考形態の図7に示したように、マスク層23のマスク幅をb1とし、マスク層3の開口部の幅をw1とした場合、マスク幅b1およびマスク開口部の幅w1が、第1参考形態で示した式(1)と式(2)と式(3)とを満たすように形成することが好ましい。
【0049】
第2参考形態では、第1参考形態と同様、式(2)と式(3)とを満たすように、すなわち、マスク幅b1およびマスク開口部の幅w1の両方が1μm以上の幅を有するように、マスク層23を形成することによって、マスク層23をエッチングにより容易にパターニングすることができる。それによって、容易にパターニングされたマスク層23を形成することができる。
【0050】
また、マスク幅b1およびマスク開口部の幅w1が、上記式(1)を満たすように、すなわち、40μm以下の周期で、マスク層23を形成することによって、後の工程でマスク層23を選択成長マスクとして成長されるn型GaN層24(図12参照)の上面の平坦化が可能となる。
【0051】
次に、図10に示すように、MOVPE法を用いて、基板温度を約1150℃に保持した状態で、マスク層23を選択成長マスクとして、バッファ層22の露出された表面部分から、n型GaN層24を成長させる。このn型GaN層24が、本発明の「窒化物系半導体層」の一例である。この場合、露出されたバッファ層22の上面上において、まず、n型GaN層24のファセット構造が、上方向(c軸方向)に成長する。このn型GaN層24のファセット構造には、バッファ層22から上方向(c軸方向)に伝播された転位が存在する。
【0052】
さらに、バッファ層22の上面上におけるn型GaN層24の成長が進むと、図11に示すように、n型GaN層24は、横方向にも成長する。このn型GaN層24の横方向成長によって、マスク層23上にもn型GaN層24が形成される。この場合、バッファ層2から上方向(c軸方向)に伝播された転位は、n型GaN層24が横方向成長する際に、横方向に折れ曲がる。
【0053】
さらに、n型GaN層24を横方向成長させると、図12に示すように、ファセット構造の各n型GaN層24が合体して連続膜となる。これにより、平坦な上面を有するとともに、バッファ層2に比べて転位が低減された約10μmの膜厚を有するn型GaN層24が形成される。特に、n型GaN層24のマスク層23上の領域において、転位密度が低減される。
【0054】
ただし、n型GaN層24では、マスク層23の中央部上の領域に比較的転位密度の高い部分が形成される。このため、n型GaN層24を用いて窒化物系半導体レーザ素子を製造する際には、マスク層23の中央部上の部分を除く領域の、特に転位密度の低減されたn型GaN2層24上に、素子領域を形成するのが好ましい。
【0055】
第2参考形態による窒化物系半導体の形成方法では、上記第1参考形態と同様、バッファ層22上に直接マスク層23を形成することによって、マスク層23を形成する前に下地となる窒化物系半導体を大きな厚みで長時間かけて形成する必要がない。その結果、短時間で、かつ、薄い厚みで、n型GaN層24を薄い厚みで形成することができる。
【0056】
図13は、上記した第2参考形態の窒化物系半導体の形成方法を用いて製造した窒化物系半導体レーザ素子を示した斜視図である。次に、図13を参照して、第2参考形態による窒化物系半導体の形成方法を用いて製造した窒化物系半導体レーザ素子の構造について説明する。
【0057】
第2参考形態の半導体レーザ素子の構造としては、図12に示した第2参考形態のn型GaN層24上に、図13に示すように、約0.1μmの膜厚を有するn型AlGaInNからなるクラック防止層25、約0.45μmの膜厚を有するn型AlGaNからなるn型第2クラッド層26、約50nm(約0.05)μmの膜厚を有するn型GaNからなるn型第1クラッド層27、および、GaInNからなる多重量子井戸(MQW)発光層28が順次形成されている。このMQW発光層28は、約4nmの厚みを有する5つのアンドープGaN障壁層と、約4nmの厚みを有する4つの圧縮歪みのアンドープGaInN井戸層とが交互に積層された構造を有する。
【0058】
MQW発光層28上には、約40nm(約0.04μm)の膜厚を有するp型GaNからなるp型第1クラッド層29が形成されている。p型第1クラッド層29上には、約0.45μmの高さを有するメサ形状(台形状)のp型AlGaNからなるp型第2クラッド層30が形成されている。また、p型第1クラッド層29上の、p型第2クラッド層30が形成されている領域以外の領域と、メサ形状のp型第2クラッド層30の側面とを覆うとともに、p型第2クラッド層30の上面を露出させるように、約0.2μmの膜厚を有するn型GaNからなる電流阻止層31が形成されている。電流阻止層31上には、露出されたp型第2クラッド層30の上面と接触するように、p型GaNからなるp型コンタクト層32が形成されている。
【0059】
また、p型第2クラッド層30のメサ形状を反映したp型コンタクト層32の凸部上には、p側電極33が形成されている。また、この第2参考形態では、第1実施形態のサファイア基板1と異なり、基板21が導電性を有するので、基板21の裏面に、n側電極34が形成されている。
【0060】
なお、クラック防止層25、n型第2クラッド層26、n型第1クラッド層27、MQW発光層28、p型第1クラッド層29、p型第2クラッド層30、電流阻止層31およびp型コンタクト層32は、本発明の「素子領域を有する窒化物系半導体素子層」の一例である。
【0061】
第2参考形態の窒化物系半導体レーザ素子では、上記のように、図8〜図12に示した第2実施形態の窒化物系半導体の形成方法を用いて形成された、薄い厚みで、かつ、低転位のn型GaN層24を下地として、その上に各層25〜32を形成することによって、各層25〜32において良好な結晶性を実現することができるとともに、全体の膜厚を小さくすることができる。その結果、第2参考形態では、全体として薄い厚みで、かつ、良好な素子特性を有する窒化物系半導体素子を得ることができる。
【0062】
なお、第1参考形態および第2参考形態において、バッファ層上にバッファ層の上面の一部が露出するようにマスク層を形成する方法は、前述したようにマスク層をエッチングによりパターニングする方法に限られるものではない。たとえば、SiNまたはSiO2からなるマスク層の堆積時間を短くすると、SiNまたはSiO2からなるマスク層は、バッファ層の表面を不完全に覆うことがある。すなわち、ナノメートルサイズの穴が自動的に形成されるので、この方法を用いてもバッファ層の上面の一部が露出するようにマスク層を形成することが可能となる。
【0063】
(第3参考形態)
図14〜図18は、本発明の第3参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。この第3参考形態では、第1参考形態のバッファ層2上に形成されたマスク層3の代わりに、パターニングされたバッファ層42間の露出されたサファイア基板41の上面上にマスク層43を形成する。図14〜図18を参照して、第3参考形態による窒化物系半導体の形成方法について説明する。
【0064】
まず、図14に示すように、サファイア基板41のC面上に、MOVPE法を用いて、基板温度を約600℃に保持した状態で、約15μmの膜厚を有するアンドープAlGaNからなるバッファ層42を形成する。なお、このサファイア基板41が、本発明の「基板」の一例である。
【0065】
次に、このバッファ層の所定領域をRIE(Reactive Ion Etching)法などを用いて、パターニングすることによって、ストライプ形状のバッファ層42を形成する。なお、バッファ層42は、サファイア基板41と、後の工程でバッファ層42上に形成する窒化物系半導体層(アンドープGaN層44)との格子定数の差を緩和するために設ける。このバッファ層42のストライプ形状は、バッファ層42の幅をw2とし、バッファ層42の開口部の幅をb2とした場合、バッファ層42の幅w2およびバッファ層42の開口部の幅b2が、以下の式(4)と式(5)と式(6)とを満たすように形成することが好ましい。
【0066】
2[μm]+w2[μm]≦ 40[μm] ・・・(4)
2[μm]≧ 1[μm] ・・・(5)
2[μm]≧ 1[μm] ・・・(6)
なお、上記式(4)は、バッファ層42の幅w2とバッファ層42の開口部の幅b2との和(バッファ層42の周期)が40μm以下であるという条件を示している。ここで、図20は、バッファ層42の幅w2とバッファ層42の開口部の幅b2との関係を示した相関図である。図20を参照して、第3参考形態では、バッファ層42の幅w2およびバッファ層42の開口部の幅b2が上記式(5)および式(6)を満たすように、すなわち、バッファ層42の幅w2およびバッファ層42の開口部の幅b2の両方が1μm以上の幅を有するように、バッファ層42を形成することによって、バッファ層42をエッチングにより容易にパターニングすることができる。それによって、容易にパターニングされたバッファ層42を形成することができる。
【0067】
また、バッファ層42の幅w2およびバッファ層42の開口部の幅b2が、上記式(4)を満たすように、すなわち、40μm以下の周期で、バッファ層42を形成することによって、後の工程でバッファ層42から成長されるアンドープGaN層44(図18参照)の上面の平坦化が可能となる。
【0068】
次に、バッファ層42上およびバッファ層42間に露出されたサファイア基板41の上面上に、約100nm〜数100nmの膜厚を有するSiNまたはSiO2からなるマスク層を形成した後、バッファ層42上のマスク層をウェットエッチングなどを用いて除去することによって、バッファ層42間に露出されたサファイア基板41の上面上のみに、図15に示されるような、マスク層43を形成する。
【0069】
次に、図16に示すように、MOVPE法を用いて、基板温度を約1150℃に保持した状態で、マスク層43を選択成長マスクとして、バッファ層42の表面部分から、アンドープGaN層44を成長させる。このアンドープGaN層44が、本発明の「窒化物系半導体層」の一例である。この場合、バッファ層42の上面上において、まず、アンドープGaN層44のファセット構造が、上方向(c軸方向)に成長する。このアンドープGaN層44のファセット構造には、バッファ層42から上方向(c軸方向)に伝播された転位が存在する。
【0070】
さらに、バッファ層42の上面上におけるアンドープGaN層44の成長が進むと、図16に示すように、アンドープGaN層44は、横方向にも成長する。このアンドープGaN層44の横方向成長によって、マスク層43上にもアンドープGaN層44が形成される。この場合、バッファ層42から上方向(c軸方向)に伝播された転位は、アンドープGaN層44が横方向成長する際に、横方向(サファイア基板1のC面と平行な方向)に折れ曲がる。
【0071】
さらに、アンドープGaN層44を横方向成長させると、図18に示すように、ファセット構造の各アンドープGaN層44が合体して連続膜となる。これにより、平坦な上面を有するとともに、バッファ層42に比べて転位が低減されたアンドープGaN層44が形成される。特に、アンドープGaN層44のマスク層43上の領域において、転位密度が低減される。
【0072】
ただし、アンドープGaN層44では、マスク層43の中央部上の領域に比較的転位密度の高い部分が形成される。このため、アンドープGaN層44を用いて窒化物系半導体レーザ素子を製造する際には、マスク層43の中央部上の部分を除く領域の、特に転位密度の低減されたアンドープGaN層44上に、素子領域を形成するのが好ましい。
【0073】
第3参考形態による窒化物系半導体の形成方法では、上記のように、サファイア基板41上にパターニングされたバッファ層42を形成した後に、バッファ層42間に露出されたサファイア基板41の上面上にマスク層43を成長させることによって、マスク層43を形成する前に下地となる窒化物系半導体を大きな厚みで長時間かけて形成する必要がない。その結果、短時間で、かつ、薄い厚みでアンドープGaN層44を形成することができる。
【0074】
図19は、上記した第3参考形態の窒化物系半導体の形成方法を用いて製造した窒化物系半導体レーザ素子を示した斜視図である。次に、図19を参照して、第3参考形態による窒化物系半導体の形成方法を用いて製造した窒化物系半導体レーザ素子の構造について説明する。
【0075】
第3参考形態の窒化物系半導体レーザ素子の構造としては、図18に示したアンドープGaN層44上に、第1実施形態と同様、n型コンタクト層5、クラック防止層6、n型第2クラッド層7、n型第1クラッド層8、MQW発光層9、p型第1クラッド層10、p型第2クラッド層11、電流阻止層12、p型コンタクト層13および保護膜14が形成されている。なお、各層5〜13および保護膜14の組成および膜厚は、第1参考形態と同様である。
【0076】
また、p型コンタクト層13の上面上には、p側電極15が形成されるとともに、一部領域が除去されて露出されたn型コンタクト層5の表面には、n側電極16が形成されている。
【0077】
第3参考形態の窒化物系半導体レーザ素子では、上記のように、図14〜図18に示した第3参考形態の窒化物系半導体の形成方法を用いて形成された、薄い厚みで、かつ、低転位のアンドープGaN層44を下地として、その上に各層5〜13を形成することによって、各層5〜13において良好な結晶性を実現することができるとともに、全体の膜厚を小さくすることができる。その結果、第3参考形態では、全体として薄い厚みで、かつ、良好な素子特性を有する窒化物系半導体素子を得ることができる。
【0078】
(第4参考形態)
図21〜図25は、本発明の第4参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。この第4参考形態では、第3参考形態の絶縁性のサファイア基板41の代わりに、導電性を有するn型のSiCまたはSiなどからなる基板51を用いている。図21〜図25を参照して、第4参考形態による窒化物系半導体の形成方法について説明する。
【0079】
まず、基板51上に、MOVPE法を用いて、基板温度を約1150℃に保持した状態で、約0.05μmの膜厚を有するn型Al0.09Ga0.91Nからなるバッファ層52を形成する。
【0080】
次に、図21に示すように、このバッファ層52の所定領域をRIE法などを用いて、パターニングすることによって、ストライプ形状のバッファ層52を形成する。なお、バッファ層52は、基板51と、後に工程でバッファ層52上に形成する窒化物系半導体層(n型GaN層54)との格子定数の差を緩和するために設ける。このバッファ層52のストライプ形状は、第3実施形態の図20に示したように、バッファ層52の幅をw2とし、バッファ層52の開口部の幅をb2とした場合、バッファ層52の幅w2およびバッファ層52の開口部の幅b2が、上記した第3実施形態の式(4)と式(5)と式(6)とを満たすように形成することが好ましい。
【0081】
第4参考形態では、第3参考形態と同様、式(5)と式(6)とを満たすように、すなわち、バッファ層52の幅w2およびバッファ層52の開口部の幅b2の両方が1μm以上の幅を有するように、バッファ層52を形成することによって、バッファ層52をエッチングにより容易にパターニングすることができる。それによって、容易にパターニングされたバッファ層52を形成することができる。
【0082】
また、バッファ層52の幅w2およびバッファ層52の開口部の幅b2が、上記式(4)を満たすように、すなわち、40μm以下の周期で、バッファ層52を形成することによって、後の工程でバッファ層52から成長されるn型GaN層54(図25参照)の上面の平坦化が可能となる。
【0083】
次に、バッファ層52上およびバッファ層52間に露出された基板51の上面上に、約100nm〜数100nmの膜厚を有するSiNまたはSiO2からなるマスク層を形成した後、バッファ層52上のマスク層をウェットエッチングなどを用いて除去することによって、バッファ層52間に露出された基板51の上面上のみに、図22に示されるような、マスク層53を形成する。
【0084】
次に、図23に示すように、MOVPE法を用いて、基板温度を約1150℃に保持した状態で、マスク層53を選択成長マスクとして、バッファ層52の表面部分から、n型GaN層54を成長させる。このn型GaN層54が、本発明の「窒化物系半導体層」の一例である。この場合、バッファ層52の上面上において、まず、n型GaN層54のファセット構造が、上方向(c軸方向)に成長する。このn型GaN層54のファセット構造には、バッファ層52から上方向(c軸方向)に伝播された転位が存在する。
【0085】
さらに、バッファ層52の上面上におけるn型GaN層54の成長が進むと、図24に示すように、n型GaN層54は、横方向にも成長する。このn型GaN層54の横方向成長によって、マスク層53上にもn型GaN層54が形成される。この場合、バッファ層52から上方向(c軸方向)に伝播された転位は、n型GaN層54が横方向成長する際に、横方向に折れ曲がる。
【0086】
さらに、n型GaN層54を横方向成長させると、図25に示すように、ファセット構造の各n型GaN層54が合体して連続膜となる。これにより、平坦な上面を有するとともに、バッファ層52に比べて転位が低減されたn型GaN層54が形成される。特に、n型GaN層54のマスク層53上の領域において、転位密度が低減される。
【0087】
ただし、n型GaN層54では、マスク層53の中央部上の領域に比較的転位密度の高い部分が形成される。このため、n型GaN層54を用いて窒化物系半導体レーザ素子を製造する際には、マスク層53の中央部上の部分を除く領域の、特に転位密度の低減されたn型GaN層54上に、素子領域を形成するのが好ましい。
【0088】
第4参考形態による窒化物系半導体の形成方法では、上記のように、基板51上にパターニングされたバッファ層52を形成した後に、バッファ層52間に露出された基板51の上面上にマスク層53を成長させることによって、マスク層53を形成する前に下地となる窒化物系半導体を大きな厚みで長時間かけて形成する必要がない。その結果、短時間で、かつ、薄い厚みでn型GaN層54を形成することができる。
【0089】
図26は、上記した第4参考形態の窒化物系半導体の形成方法を用いて製造した窒化物系半導体レーザ素子を示した斜視図である。次に、図26を参照して、第4参考形態による窒化物系半導体の形成方法を用いて製造した窒化物系半導体レーザ素子の構造について説明する。
【0090】
第4参考形態の半導体レーザ素子の構造としては、図25に示したn型GaN層54上に、第2実施形態と同様、クラック防止層25、n型第2クラッド層26、n型第1クラッド層27、MQW発光層28、p型第1クラッド層29、p型第2クラッド層30、電流阻止層31およびp型コンタクト層32が形成されている。なお、各層25〜32の組成および膜厚は、第2実施形態と同様である。
【0091】
また、p型第2クラッド層30のメサ形状を反映したp型コンタクト層32の凸部上には、p側電極33が形成されている。また、基板51が導電性を有するので、基板51の裏面に、n側電極34が形成されている。
【0092】
第4参考形態の半導体レーザ素子では、上記のように、図21〜図25に示した第4参考形態の窒化物系半導体の形成方法を用いて形成された、薄い厚みで、かつ、低転位のn型GaN層54を下地として、その上に各層25〜32を形成することによって、各層25〜32において良好な結晶性を実現することができるとともに、全体の膜厚を小さくすることができる。その結果、第4参考形態では、全体として薄い厚みで、かつ、良好な素子特性を有する窒化物系半導体素子を得ることができる。
【0093】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0094】
たとえば、上記第1〜第4参考形態では、基板として、サファイア基板、SiC(IV−IV族半導体)基板またはSi(IV族半導体)基板を用いたが、本発明はこれに限らず、スピネルなどの絶縁体、GaNまたはGaAsなどのIII−V族半導体、Si以外のGeなどのIV族半導体、SiC以外のIV−IV族半導体、および、ZnSeなどのII−VI族半導体などからなる基板を用いてもよい。この場合、基板として、基板の格子定数が窒化物系半導体層の格子定数と異なる、サファイア、スピネル、SiC、Si、GaAs、InPまたはGaPなどの基板を用いると、大きな効果が得られる。
【0095】
また、上記第1〜第4参考形態では、マスク層をSiO2などの酸化膜またはSiNなどの窒化物を用いて形成したが、本発明はこれに限らず、SiO2以外のTiO2などの他の酸化膜、SiN以外の他の窒化物および高融点金属などの材料を用いてマスク層を形成してもよい。
【0096】
また、上記第1および第2参考形態では、マスク層およびマスク層の開口部を、ストライプ状に形成したが、本発明はこれに限らず、マスク層を、円形、六角形または三角形などのアイランド形状や、他のアイランド形状で形成してもよく、また、マスク層の開口部を、円形、六角形または三角形などの形状で形成してもよい。
【0097】
また、上記第3および第4参考形態では、バッファ層およびバッファ層の開口部をストライプ状に形成したが、本発明はこれに限らず、バッファ層を、円形、六角形または三角形などのアイランド形状や、他のアイランド形状で形成してもよく、また、バッファ層の開口部を、円形、六角形または三角形などの形状で形成してもよい。
【0098】
また、上記第1〜第4参考形態では、窒化物系半導体を用いて窒化物系半導体レーザ素子を作製したが、本発明はこれに限らず、発光ダイオード素子またはトランジスタなどの窒化物系半導体を用いる他の素子にも適用可能である。
【0099】
また、上記第1〜第4参考形態において、窒化物系半導体の結晶構造は、ウルツ鉱型構造であってもよいし、閃亜鉛鉱型構造であってもよい。
【0100】
また、上記第1〜第4参考形態では、窒化物系半導体層上の、素子領域を有する窒化物系半導体素子層をn型半導体層およびp型半導体層の順に形成したが、本発明はこれに限らず、窒化物系半導体素子層をp型半導体層およびn型半導体層の順に形成してもよい。
【0101】
また、バッファ層、バッファ層上の窒化物系半導体層(アンドープGaN層およびn型GaN層)および窒化物系半導体素子層を構成する各層を、GaN(窒化ガリウム)、AlN(窒化アルミニウム)、InN(窒化インジウム)、BN(窒化ホウ素)およびTlN(窒化タリウム)、または、これらの混晶などのIII−V族窒化物系半導体およびこれらの混晶にAs、PおよびSbのうち少なくとも1つの元素を含む混晶などのIII−V族窒化物系半導体から構成してもよい。
【0102】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、短時間で、かつ、薄い厚みで形成することが可能な窒化物系半導体層を含む窒化物系半導体素子および窒化物系半導体の形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図2】 本発明の第1参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図3】 本発明の第1参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図4】 本発明の第1参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図5】 本発明の第1参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図6】 本発明の第1参考形態による窒化物系半導体の形成方法を用いて製造した窒化物系半導体レーザ素子を示した斜視図である。
【図7】 本発明の第1参考形態によるマスク幅b1とマスク開口部の幅w1との関係を示した相関図である。
【図8】 本発明の第2参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図9】 本発明の第2参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図10】 本発明の第2参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図11】 本発明の第2参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図12】 本発明の第2参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図13】 本発明の第2参考形態による窒化物系半導体の形成方法を用いて製造した窒化物系半導体レーザ素子を示した斜視図である。
【図14】 本発明の第3参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図15】 本発明の第3参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図16】 本発明の第3参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図17】 本発明の第3参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図18】 本発明の第3参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図19】 本発明の第3参考形態による窒化物系半導体の形成方法を用いて製造した窒化物系半導体レーザ素子を示した斜視図である。
【図20】 本発明の第3参考形態によるバッファ層42の幅w2とバッファ層42の開口部の幅b2との関係を示した相関図である。
【図21】 本発明の第4参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図22】 本発明の第4参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図23】 本発明の第4参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図24】 本発明の第4参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図25】 本発明の第4参考形態による窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図26】 本発明の第4参考形態による窒化物系半導体の形成方法を用いて製造した窒化物系半導体レーザ素子を示した斜視図である。
【図27】 従来の窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図28】 従来の窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図29】 従来の窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。
【図30】 従来の窒化物系半導体の形成方法を説明するための断面図である。

Claims (5)

  1. 基板の上面上にバッファ層を形成する工程と、
    前記バッファ層の上面を不完全に覆うように、前記バッファ層の上面上に接触するとともにナノメートルサイズの穴が自動的に形成されたマスク層を形成する工程と、
    前記マスク層を選択成長マスクとして、前記バッファ層の上面上および前記マスク層の上面上に窒化物系半導体層を成長させる工程とを備えた、窒化物系半導体の形成方法。
  2. 前記窒化物系半導体層上に素子領域を有する半導体素子層を形成する工程をさらに備える、請求項1に記載の窒化物系半導体の形成方法。
  3. 前記基板は、絶縁体、III-V族半導体、IV族半導体、IV- IV族半導体およびII-VI族半導体からなるグループより選択される1つの材料からなる、請求項1または2に記載の窒化物系半導体の形成方法。
  4. 前記マスク層は、酸化シリコン、窒化物および高融点金属からなるグループより選択される1つを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の窒化物系半導体の形成方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の窒化物系半導体の形成方法により形成した窒化物系半導体と、
    前記窒化物系半導体上に形成され、素子領域を有する窒化物系半導体素子層とを備えた、窒化物系半導体素子。
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