JP2002252422A - 窒化物系半導体素子および窒化物半導体の形成方法 - Google Patents

窒化物系半導体素子および窒化物半導体の形成方法

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JP2002252422A
JP2002252422A JP2001051955A JP2001051955A JP2002252422A JP 2002252422 A JP2002252422 A JP 2002252422A JP 2001051955 A JP2001051955 A JP 2001051955A JP 2001051955 A JP2001051955 A JP 2001051955A JP 2002252422 A JP2002252422 A JP 2002252422A
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semiconductor layer
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Masayuki Hata
雅幸 畑
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】刃状転位、らせん転位および混合転位のすべて
の転位密度が低減された窒化物系半導体層を歩留まり良
く形成することによって、良好な素子特性を有する窒化
物系半導体素子を容易に提供する。 【解決手段】サファイア基板1上に形成され、7×10
8cm-2以上の密度の刃状転位と、合計5×108cm-2
以下の密度のらせん転位および混合転位とを有する下地
層3と、下地層3上に形成されたマスク層4と、下地層
3上およびマスク層4上に形成されたアンドープGaN
層5と、アンドープGaN層5上に形成され、素子領域
を有する窒化物系半導体素子層を構成する各層6〜14
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、窒化物系半導体
素子および窒化物系半導体の形成方法に関し、より特定
的には、選択横方向成長を用いて形成した窒化物系半導
体層を含む窒化物系半導体素子および窒化物系半導体の
形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、発光ダイオード素子および半導体
レーザ素子などの半導体発光素子やトランジスタなどの
電子素子に用いられる半導体素子として、III族窒化物
系半導体を利用した窒化物系半導体素子の開発が盛んに
行われている。このような窒化物系半導体素子の製造の
際には、サファイアなどからなる基板上に、窒化物系半
導体層をエピタキシャル成長させている。
【0003】この場合、サファイアなどの基板と窒化物
系半導体層とでは、格子定数が異なるため、サファイア
などの基板上に成長させた窒化物系半導体層では、基板
から上下方向に延びる転位(格子欠陥)が存在してい
る。このような窒化物系半導体層における転位は、半導
体素子の素子特性の劣化および信頼性の低下を招く。
【0004】そこで、上記のような窒化物系半導体層に
おける転位を低減する方法として、従来、選択横方向成
長が提案されている。この選択横方向成長については、
たとえば、応用電子物性分科会誌、第4巻(199
8)、p.53などに開示されている。
【0005】従来の選択横方向成長を用いた窒化物系半
導体の形成方法では、まず、基板(図示せず)上に、G
aNなどからなる下地層(図示せず)を形成する。その
下地層上に、SiO2などからなる選択成長マスク(図
示せず)を形成した後、選択成長マスクが形成されてい
ない領域下の下地層を種結晶として、窒化物系半導体層
(図示せず)を選択横方向成長させる。このようにし
て、従来の格子欠陥の低減された窒化物系半導体層が形
成される。そして、この格子欠陥の低減された窒化物系
半導体層上に、窒化物系半導体素子層(図示せず)を形
成すれば、従来の格子欠陥の低減された窒化物系半導体
素子を形成することができる。
【0006】ここで、窒化物系半導体層を形成する際に
問題となる格子欠陥として、結晶中の歪みに起因する線
欠陥の一種である転位が知られている。転位には、刃状
転位、らせん転位および混合転位などがある。刃状転位
とは、転位線がすべり方向と直交する転位である。ま
た、らせん転位は、転位線がすべり方向と一致する転位
であり、混合転位は、転位線がすべり方向と斜めに交錯
する転位である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の選択横
方向成長を用いる窒化物系半導体の形成方法では、選択
横方向成長によって形成される窒化物系半導体層におい
て、刃状転位は大幅に低減されるが、らせん転位および
混合転位はあまり低減されない。そのため、従来の選択
横方向成長を用いて形成した窒化物系半導体層には、高
い密度のらせん転位および混合転位が含まれるという問
題点があった。
【0008】この場合、選択横方向成長の下地層とし
て、刃状転位、らせん転位および混合転位のすべての転
位密度が少ない下地層を用いれば、選択横方向成長によ
って形成される窒化物系半導体層において、刃状転位、
らせん転位および混合転位のすべての転位密度が低減さ
れる。しかしながら、従来では、このようなすべての転
位密度が低減された下地層を形成するのは困難であっ
た。このため、従来では、刃状転位、らせん転位および
混合転位のすべての転位密度が低減された窒化物系半導
体層を歩留まり良く形成するのは困難であるという問題
点があった。
【0009】この発明の1つの目的は、刃状転位、らせ
ん転位および混合転位のすべての転位密度が低減された
窒化物系半導体層を歩留まり良く形成することによっ
て、良好な素子特性を有する窒化物系半導体素子を容易
に提供することである。
【0010】この発明のもう1つの目的は、刃状転位、
らせん転位および混合転位のすべての転位密度が低減さ
れた窒化物系半導体層を歩留まり良く形成することが可
能な窒化物系半導体の形成方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の局面に
よる窒化物系半導体素子は、基板上に形成され、7×1
8cm-2以上の密度の刃状転位と、合計5×108cm
-2以下の密度のらせん転位および混合転位とを有する第
1窒化物系半導体層と、第1窒化物系半導体層上に形成
されたマスク層と、第1窒化物系半導体層上およびマス
ク層上に形成された第2窒化物系半導体層と、第2窒化
物系半導体層上に形成され、素子領域を有する窒化物系
半導体素子層とを備えている。
【0012】この第1の局面による窒化物系半導体素子
では、上記のように、第2窒化物系半導体層の下地層と
して、7×108cm-2以上の密度の刃状転位と、5×
108cm-2以下の合計密度のらせん転位および混合転
位とを有する第1窒化物系半導体層を用いることによっ
て、このような高い密度の刃状転位と低い密度のらせん
転位および混合転位とを有する第1窒化物系半導体層
は、比較的容易に再現性よく得ることができるので、歩
留まりを向上させることができる。また、このような高
い密度の刃状転位と低い密度のらせん転位および混合転
位とを有する第1窒化物系半導体層を用いたとしても、
この第1窒化物系半導体層上にマスク層を用いて選択横
方向成長により第2窒化物系半導体層を形成すれば、刃
状転位を大幅に減少させることができる。これにより、
刃状転位、らせん転位および混合転位のすべての転位密
度が低減された第2窒化物系半導体層を歩留まり良く形
成することができる。そして、その第2窒化物系半導体
層上に、素子領域を有する窒化物系半導体素子層を形成
すれば、良好な素子特性を有する窒化物系半導体素子を
容易に得ることができる。
【0013】この発明の第2の局面による窒化物系半導
体素子は、基板上に形成され、7×108cm-2以上の
密度の刃状転位と、合計5×108cm-2以下の密度の
らせん転位および混合転位とを有するとともに、凹凸形
状の表面を有する第1窒化物系半導体層と、第1窒化物
系半導体層上に形成された第2窒化物系半導体層と、第
2窒化物系半導体層上に形成され、素子領域を有する窒
化物系半導体素子層とを備えている。
【0014】この第2の局面による窒化物系半導体素子
では、上記のように、第2窒化物系半導体層の下地層と
して、7×108cm-2以上の密度の刃状転位と、5×
108cm-2以下の合計密度のらせん転位および混合転
位とを有する第1窒化物系半導体層を用いることによっ
て、このような高い密度の刃状転位と低い密度のらせん
転位および混合転位とを有する第1窒化物系半導体層
は、比較的容易に再現性よく得ることができるので、歩
留まりを向上させることができる。また、このような高
い密度の刃状転位と低い密度のらせん転位および混合転
位とを有する第1窒化物系半導体層を用いたとしても、
この第1窒化物系半導体層の凹凸形状を用いて選択横方
向成長により第2窒化物系半導体層を形成すれば、刃状
転位を大幅に減少させることができる。これにより、刃
状転位、らせん転位および混合転位のすべての転位密度
が低減された第2窒化物系半導体層を歩留まり良く形成
することができる。そして、その第2窒化物系半導体層
上に、素子領域を有する窒化物系半導体素子層を形成す
れば、良好な素子特性を有する窒化物系半導体素子を容
易に得ることができる。
【0015】この発明の第3の局面による窒化物系半導
体素子は、凹凸形状の表面を有する基板の凸部上に形成
され、7×108cm-2以上の密度の刃状転位と、合計
5×108cm-2以下の密度のらせん転位および混合転
位とを有する第1窒化物系半導体層と、第1窒化物系半
導体層上に形成された第2窒化物系半導体層と、第2窒
化物系半導体層上に形成され、素子領域を有する窒化物
系半導体素子層とを備えている。
【0016】この第3の局面による窒化物系半導体素子
では、上記のように、第2窒化物系半導体層の下地層と
して、7×108cm-2以上の密度の刃状転位と、5×
108cm-2以下の合計密度のらせん転位および混合転
位とを有する第1窒化物系半導体層を用いることによっ
て、このような高い密度の刃状転位と低い密度のらせん
転位および混合転位とを有する第1窒化物系半導体層
は、比較的容易に再現性よく得ることができるので、歩
留まりを向上させることができる。また、このような高
い密度の刃状転位と低い密度のらせん転位および混合転
位とを有する第1窒化物系半導体層を用いたとしても、
この第1窒化物系半導体層の凸部を用いて選択横方向成
長により第2窒化物系半導体層を形成すれば、刃状転位
を大幅に減少させることができる。これにより、刃状転
位、らせん転位および混合転位のすべての転位密度が低
減された第2窒化物系半導体層を歩留まり良く形成する
ことができる。そして、その第2窒化物系半導体層上
に、素子領域を有する窒化物系半導体素子層を形成すれ
ば、良好な素子特性を有する窒化物系半導体素子を容易
に得ることができる。
【0017】上記の場合、好ましくは、第2窒化物系半
導体層は、5×107cm-2以下の密度の刃状転位を有
する。
【0018】この発明の第4の局面による窒化物系半導
体素子は、基板上に形成され、7×108cm-2以上の
密度の刃状転位と、合計5×108cm-2以下の密度の
らせん転位および混合転位とを有する第1窒化物系半導
体層と、第1窒化物系半導体層上に形成され、5×10
7cm-2以下の密度の刃状転位を有する第2窒化物系半
導体層と、第2窒化物系半導体層上に形成され、素子領
域を有する窒化物系半導体素子層とを備えている。
【0019】この第4の局面による窒化物系半導体素子
では、上記のように、第2窒化物系半導体層の下地層と
して、7×108cm-2以上の密度の刃状転位と、5×
108cm-2以下の合計密度のらせん転位および混合転
位とを有する第1窒化物系半導体層を用いることによっ
て、このような高い密度の刃状転位と低い密度のらせん
転位および混合転位とを有する第1窒化物系半導体層
は、比較的容易に再現性よく得ることができるので、歩
留まりを向上させることができる。また、このような高
い密度の刃状転位と低い密度のらせん転位および混合転
位とを有する第1窒化物系半導体層を用いたとしても、
この第1窒化物系半導体層上にマスク層を用いて選択横
方向成長により第2窒化物系半導体層を形成すれば、刃
状転位が大幅に減少された5×107cm-2以下の密度
の刃状転位を有する第2窒化物系半導体を容易に得るこ
とができる。これにより、刃状転位、らせん転位および
混合転位のすべての転位密度が低減された第2窒化物系
半導体層を歩留まり良く形成することができる。そし
て、その第2窒化物系半導体層上に、素子領域を有する
窒化物系半導体素子層を形成すれば、良好な素子特性を
有する窒化物系半導体素子を容易に得ることができる。
【0020】上記の場合、好ましくは、基板と第1窒化
物系半導体層との間に形成されたバッファ層をさらに備
える。このように構成すれば、基板上に直接第1窒化物
系半導体層を形成する場合に比べて、より低転位の第1
窒化物系半導体層を形成することができる。これによ
り、低転位の第1窒化物系半導体層上に、より低転位の
第2窒化物系半導体層を形成することができる。また、
基板は、サファイア基板、スピネル基板、Si基板、S
iC基板、GaAs基板、GaP基板、InP基板およ
び水晶基板からなるグループより選択される1つの基板
を含むのが好ましい。
【0021】この発明の第5の局面による窒化物系半導
体の形成方法は、基板上に、7×108cm-2以上の密
度の刃状転位と、合計5×108cm-2以下の密度のら
せん転位および混合転位とを有する第1窒化物系半導体
層を形成する工程と、第1窒化物系半導体層上にマスク
層を形成する工程と、マスク層をマスクとして、第1窒
化物系半導体層上およびマスク層上に第2窒化物系半導
体層を成長させる工程とを備えている。
【0022】この第5の局面による窒化物系半導体の形
成方法では、上記のように、基板上に、7×108cm
-2以上の密度の刃状転位と、5×108cm-2以下の合
計密度のらせん転位および混合転位とを有する第1窒化
物系半導体層を形成することによって、このような高い
密度の刃状転位と低い密度のらせん転位および混合転位
とを有する第1窒化物系半導体層は、比較的容易に再現
性よく得ることができるので、歩留まりを向上させるこ
とができる。また、このような高い密度の刃状転位と低
い密度のらせん転位および混合転位とを有する第1窒化
物系半導体層を用いたとしても、この第1窒化物系半導
体層上にマスク層を用いて選択横方向成長により第2窒
化物系半導体層を形成することによって、刃状転位を大
幅に減少させることができる。これにより、刃状転位、
らせん転位および混合転位のすべての転位密度が低減さ
れた第2窒化物系半導体層を歩留まり良く形成すること
ができる。
【0023】この発明の第6の局面による窒化物系半導
体の形成方法は、基板上に、7×108cm-2以上の密
度の刃状転位と、合計5×108cm-2以下の密度のら
せん転位および混合転位とを有する第1窒化物系半導体
層を形成する工程と、第1窒化物系半導体層をエッチン
グすることによって、第1窒化物系半導体層の表面に凹
凸形状を形成する工程と、第1窒化物系半導体層上に、
第2窒化物系半導体層を成長させる工程とを備えてい
る。
【0024】この第6の局面による窒化物系半導体の形
成方法では、上記のように、基板上に、7×108cm
-2以上の密度の刃状転位と、5×108cm-2以下の合
計密度のらせん転位および混合転位とを有する第1窒化
物系半導体層を形成することによって、このような高い
密度の刃状転位と低い密度のらせん転位および混合転位
とを有する第1窒化物系半導体層は、比較的容易に再現
性よく得ることができるので、歩留まりを向上させるこ
とができる。また、このような高い密度の刃状転位と低
い密度のらせん転位および混合転位とを有する第1窒化
物系半導体層を用いたとしても、この第1窒化物系半導
体層の凸部を用いて選択横方向成長により第2窒化物系
半導体層を形成することによって、刃状転位を大幅に減
少させることができる。これにより、刃状転位、らせん
転位および混合転位のすべての転位密度が低減された第
2窒化物系半導体層を歩留まり良く形成することができ
る。
【0025】この発明の第7の局面による窒化物系半導
体の形成方法は、基板上に、7×108cm-2以上の密
度の刃状転位と、合計5×108cm-2以下の密度のら
せん転位および混合転位とを有する第1窒化物系半導体
層を形成する工程と、第1窒化物系半導体層および基板
をエッチングすることによって、第1窒化物系半導体層
から前記基板に達する凹凸形状を形成する工程と、基板
上および第1窒化物系半導体層上に、第2窒化物系半導
体層を成長させる工程とを備えている。
【0026】この第7の局面による窒化物系半導体の形
成方法では、上記のように、基板上に、7×108cm
-2以上の密度の刃状転位と、5×108cm-2以下の合
計密度のらせん転位および混合転位とを有する第1窒化
物系半導体層を形成することによって、このような高い
密度の刃状転位と低い密度のらせん転位および混合転位
とを有する第1窒化物系半導体層は、比較的容易に再現
性よく得ることができるので、歩留まりを向上させるこ
とができる。また、このような高い密度の刃状転位と低
い密度のらせん転位および混合転位とを有する第1窒化
物系半導体層を用いたとしても、この第1窒化物系半導
体層上に凹凸形状を用いて選択横方向成長により第2窒
化物系半導体層を形成することによって、刃状転位を大
幅に減少させることができる。これにより、刃状転位、
らせん転位および混合転位のすべての転位密度が低減さ
れた第2窒化物系半導体層を歩留まり良く形成すること
ができる。
【0027】上記第6または第7の局面において、好ま
しくは、凹凸形状を形成する工程は、第1窒化物系半導
体層上に形成したマスク層を用いてエッチングすること
によって、凹凸形状を形成する工程を含み、第2窒化物
系半導体層を成長させる工程は、凹凸形状の凸部の上面
上にマスク層を残した状態で、前記第2窒化物系半導体
層を成長させる工程を含む。このように構成すれば、凹
凸形状の凸部の上面上のマスク層により、凹凸形状の凸
部の上面の転位が第2窒化物系半導体層に反映されない
ので、第2窒化物系半導体層の転位をより低減すること
ができる。
【0028】上記の場合、第2窒化物系半導体層は、5
×107cm-2以下の密度の刃状転位を有するのが好ま
しい。
【0029】この発明の第8の局面による窒化物系半導
体の形成方法は、基板上に、7×108cm-2以上の密
度の刃状転位と、合計5×108cm-2以下の密度のら
せん転位および混合転位とを有する第1窒化物系半導体
層を形成する工程と、第1窒化物系半導体層上に、5×
107cm-2以下の密度の刃状転位を有する第2窒化物
系半導体層を成長させる工程とを備えている。
【0030】この第8の局面による窒化物系半導体の形
成方法では、上記のように、基板上に、7×108cm
-2以上の密度の刃状転位と、5×108cm-2以下の合
計密度のらせん転位および混合転位とを有する第1窒化
物系半導体層を形成することによって、このような高い
密度の刃状転位と低い密度のらせん転位および混合転位
とを有する第1窒化物系半導体層は、比較的容易に再現
性よく得ることができるので、歩留まりを向上させるこ
とができる。また、このような高い密度の刃状転位と低
い密度のらせん転位および混合転位とを有する第1窒化
物系半導体層を用いたとしても、この第1窒化物系半導
体層上に凹凸形状を用いて選択横方向成長により第2窒
化物系半導体層を形成することによって、刃状転位が大
幅に減少された5×107cm-2以下の密度の刃状転位
を有する第2窒化物系半導体層を容易に形成することが
できる。これにより、刃状転位、らせん転位および混合
転位のすべての転位密度が低減された第2窒化物系半導
体層を歩留まり良く形成することができる。
【0031】上記の場合、好ましくは、第1窒化物系半
導体層を形成する工程は、基板上にバッファ層を介して
前記第1窒化物系半導体層を形成する工程を含む。この
ように構成すれば、基板上に直接第1窒化物系半導体層
を形成する場合に比べて、より低転位の第1窒化物系半
導体層を形成することができる。これにより、低転位の
第1窒化物系半導体層上に、より低転位の第2窒化物系
半導体層を形成することができる。また、基板は、サフ
ァイア基板、スピネル基板、Si基板、SiC基板、G
aAs基板、GaP基板、InP基板および水晶基板か
らなるグループより選択される1つの基板を含むのが好
ましい。
【0032】
【発明の実施形態】以下、本発明を具体化した実施形態
を図面に基づいて説明する。
【0033】(第1実施形態)図1〜図3は、本発明の
第1実施形態による窒化物系半導体の形成方法を説明す
るための断面図である。図1〜図3を参照して、第1実
施形態による窒化物系半導体の形成方法について説明す
る。
【0034】まず、図1に示すように、MOVPE法
(Metal Organic Vapor Phas
e Epitaxy:有機金属気相成長法)などの結晶
成長法を用いて、サファイア(0001)面基板1(以
下、「サファイア基板1」という)上に、約10nm〜
約200nmの膜厚を有するAlxGa1-xNからなる低
温バッファ層2を形成する。低温バッファ層2のAl組
成は、たとえば、0.5<x≦1である。また、低温バ
ッファ層2は、成長温度:600℃、および、成長速
度:1.5〜5nm/sで成長させる。なお、サファイ
ア基板1が、本発明の「基板」の一例である。また、低
温バッファ層2が、本発明の「バッファ層」の一例であ
る。
【0035】次に、低温バッファ層2上に、MOVPE
法などの結晶成長法を用いて、アンドープGaNからな
る下地層3を形成する。この下地層3は、7×108
-2以上の密度の刃状転位と、合計5×108cm-2
下の密度のらせん転位および混合転位とを有する。この
ような密度を有する下地層3の成長条件は、たとえば、
成長温度:900℃〜1150℃、成長速度:10〜2
0μm/時間、および、ガス流量:TMGa(トリメチ
ルガリウム);100〜200μmol/分,アンモニ
ア;10litter/分である。なお、下地層3が、
本発明の「第1窒化物系半導体層」の一例である。
【0036】この下地層3上に、図2に示すように、約
0.5μmの膜厚を有するストライプ状のSiO2から
なるマスク層4を形成する。マスク層4のストライプパ
ターンは、マスク層4の幅が約5μmで、隣接するマス
ク層4間の間隔(マスク開口部の幅)が約2μmとなる
ように、約7μmの周期で形成する。また、ストライプ
状のマスク層4は、下地層3のGaNの[11−20]
方向と平行な方向に形成する。
【0037】次に、このマスク層4をマスクとして、H
VPE法(ハライド気相成長法)などを用いて、上記し
た転位密度を有するアンドープGaNからなる下地層3
を下地として、アンドープGaN層5を選択横方向成長
させる。この場合、マスク層4上を横方向成長したアン
ドープGaN層5は、合体して、連続的なアンドープG
aN層5となり、図3に示すように、表面が平坦化され
た約5μmの膜厚を有するアンドープGaN層5が形成
される。この選択横方向成長されたアンドープGaN層
5は、5×107cm-2以下の密度の刃状転位と、合計
5×108cm-2以下の密度のらせん転位および混合転
位とを有する。なお、このアンドープGaN層5が、本
発明の「第2窒化物系半導体層」の一例である。
【0038】第1実施形態による窒化物系半導体の形成
方法では、上記のように、アンドープGaN層5の下地
として、7×108cm-2以上の密度の刃状転位と、5
×108cm-2以下の合計密度のらせん転位および混合
転位とを有する、アンドープGaNからなる下地層3を
用いることによって、このような高い密度の刃状転位
と、低い密度のらせん転位および混合転位とを有する下
地層3は、刃状転位、らせん転位および混合転位のすべ
ての転位密度が低い下地層3を形成する場合に比べて、
比較的容易に再現性良く得ることができる。その結果、
下地層3の歩留まりを向上させることができる。
【0039】また、第1実施形態による窒化物系半導体
の形成方法では、上記のように、高い密度の刃状転位
と、低い密度のらせん転位および混合転位とを有する下
地層3を用いたとしても、この下地層3上にマスク層4
を用いて選択横方向成長によりアンドープGaN層5を
形成すれば、アンドープGaN層5の刃状転位を大幅に
減少させることができる。これにより、刃状転位、らせ
ん転位および混合転位のすべての転位密度が低減された
アンドープGaN層5を歩留まり良く形成することがで
きる。
【0040】また、第1実施形態による窒化物系半導体
の形成方法では、サファイア基板1上に設けた低温バッ
ファ層2上に、下地層3を成長させて、その下地層3を
種結晶としてアンドープGaN層5を成長させることに
よって、サファイア基板1上に直接下地層3を成長させ
る場合に比べて、より低転位の下地層3を成長させるこ
とができる。これにより、低転位の下地層3を種結晶と
して、より低転位のアンドープGaN層5を成長させる
ことができる。
【0041】ここで、以下の表1および表2を参照し
て、第1実施形態の効果を確認するために行った実験に
ついて説明する。
【0042】
【表1】
【表2】 表1には、第1実施形態によるNo.1〜No.4と、
比較例によるNo.5〜No.9とにおける低温バッフ
ァ層2の組成および膜厚と、各低温バッファ層2上に形
成した下地層3の成長条件とが示されている。また、表
2には、表1の成長条件で形成した各下地層3と、下地
層3上に選択横方向成長により形成されたアンドープG
aN層5との刃状転位の密度およびらせん転位と混合転
位との合計密度が示されている。なお、転位密度は、透
過電子顕微鏡を用いて測定した。
【0043】表1において、第1実施形態によるNo.
1〜No.4のAlxGa1-xNからなる各低温バッファ
層2は、上記した第1実施形態の条件(膜厚:約10n
m〜約200nm、および、組成:0.5≦x≦1)で
形成した。また、第1実施形態によるNo.1〜No.
4の下地層3は、上記した第1実施形態の成長条件(成
長温度:900℃〜1150℃、成長速度:10〜20
μm/時間、および、TMGaのガス流量:100〜2
00μmol/分)で形成した。また、比較例によるN
o.5〜No.9の低温バッファ層2と下地層3とを形
成する際の成長条件は、上記した第1実施形態のNo.
1〜No.4の低温バッファ層2および下地層3の成長
条件のいずれかを満たしていない条件とした。なお、N
o.1〜No.9のすべてにおいて、低温バッファ層2
の成長速度は、1.5〜5nm/sであるとともに、下
地層3のアンモニアガス流量は、10litter/分
である。
【0044】上記した条件で形成された第1実施形態に
よるNo.1〜No.4の下地層3は、表2に示すよう
に、5×108cm-2以下の低い密度のらせん転位およ
び混合転位を有する。一方、上記した第1実施形態によ
るNo.1〜No.4の条件のいずれかを満たさない条
件で形成された比較例によるNo.5〜No.9の下地
層3は、8×108cm-2以上の高い密度のらせん転位
および混合転位を有する。したがって、上記した条件を
用いて形成された第1実施形態のNo.1〜No.4の
下地層3は、比較例のNo.5〜No.9の下地層3に
比べて、低い密度のらせん転位および混合転位を有する
ことがわかる。
【0045】また、表2に示すように、第1実施形態に
よるNo.1〜No.4の下地層3上に成長されたアン
ドープGaN層5は、3×107cm-2以下の低い密度
のらせん転位および混合転位を有する。一方、比較例に
よるNo.5〜No.9の下地層3を種結晶として成長
されたアンドープGaN層5は、7×107cm-2以上
の高い密度のらせん転位および混合転位を有する。した
がって、低い密度のらせん転位および混合転位を有する
第1実施形態のNo.1〜No.4の下地層3を種結晶
として成長された第1実施形態のNo.1〜No.4の
アンドープGaN層5は、比較例のNo.5〜No.9
のアンドープGaN層5に比べて、低い密度のらせん転
位および混合転位を有することがわかる。
【0046】また、第1実施形態によるNo.1〜N
o.4の下地層3と、その下地層3を種結晶として選択
横方向成長により形成された第1実施形態によるNo.
1〜No.4のアンドープGaN層5との刃状転位の密
度を比較すると、表2に示すように、7×108cm-2
以上の高い密度の刃状転位を有する下地層3に比べて、
アンドープGaN層5は、5×107cm-2以下の低い
密度の刃状転位を有することがわかる。したがって、下
地層3の刃状転位の密度は、下地層3上に形成されたア
ンドープGaN層5において大幅に低減されていること
がわかる。
【0047】なお、No.1〜No.9の窒化物系半導
体上に、後述する窒化物系半導体素子層を形成すること
により得られる半導体レーザ素子において、低温(10
K)のフォトルミネッセンス測定を行ったところ、低い
密度の刃状転位、らせん転位および混合転位を有する第
1実施形態によるNo.1〜No.4のアンドープGa
N層5を用いて形成された半導体レーザ素子において、
良好な発光特性が得られた。
【0048】上記のような実験結果から、条件を調整す
れば、7×108cm-2以上の高い密度の刃状転位と、
合計5×108cm-2以下の低い密度のらせん転位およ
び混合転位とを有するアンドープGaNからなる下地層
3を容易に歩留まり良く形成可能であることが判明し
た。そして、そのような高い密度の刃状転位と、低い密
度のらせん転位および混合転位とを有する下地層3上
に、アンドープGaN層5を選択横方向成長させれば、
刃状転位、らせん転位および混合転位のすべての転位密
度が低減されたアンドープGaN層5を容易に歩留まり
良く形成可能であることが判明した。
【0049】図4は、上記した第1実施形態の窒化物系
半導体の形成方法を用いて製造した半導体レーザ素子を
示した斜視図である。次に、図4を参照して、第1実施
形態による窒化物系半導体の形成方法を用いて製造した
半導体レーザ素子の構造について説明する。
【0050】第1実施形態の半導体レーザ素子の構造と
しては、図3に示した第1実施形態のアンドープGaN
層5上に、図4に示すように、約4μmの膜厚を有する
n型GaNからなるn型コンタクト層6が形成されてい
る。n型コンタクト層6上には、約0.1μmの膜厚を
有するn型AlGaInNからなるクラック防止層7、
約0.45μmの膜厚を有するn型AlGaNからなる
n型第2クラッド層8、約50nm(約0.05μm)
の膜厚を有するn型GaNからなるn型第1クラッド層
9、および、GaInNからなる多重量子井戸(MQ
W)発光層10が順次形成されている。このMQW発光
層10は、約4nmの厚みを有する5つのアンドープG
aN障壁層と、約4nmの厚みを有する4つの圧縮歪み
のアンドープGaInN井戸層とが交互に積層された構
造を有する。
【0051】MQW発光層10上には、約40nm(約
0.04μm)の膜厚を有するp型GaNからなるp型
第1クラッド層11が形成されている。p型第1クラッ
ド層11上には、約0.45μmの高さを有するメサ形
状(台形状)のp型AlGaNからなるp型第2クラッ
ド層12が形成されている。また、p型第1クラッド層
11上の、p型第2クラッド層12が形成されている領
域以外の領域と、メサ形状のp型第2クラッド層12の
側面とを覆うとともに、p型第2クラッド層12の上面
を露出させるように、約0.2μmの膜厚を有するn型
GaNからなる電流阻止層13が形成されている。電流
阻止層13上には、露出されたp型第2クラッド層12
の上面と接触するように、約3μm〜約5μmの膜厚を
有するp型GaNからなるp型コンタクト層14が形成
されている。
【0052】また、p型コンタクト層14からn型コン
タクト層6までの一部領域が除去されている。そのn型
コンタクト層6の露出した表面の一部と、クラック防止
層7、n型第2クラッド層8、n型第1クラッド層9、
MQW発光層10、p型第1クラッド層11、電流阻止
層13およびp型コンタクト層14の露出した側面とを
覆うように、SiO2またはSiNなどの絶縁膜からな
る保護膜15が形成されている。
【0053】また、p型コンタクト層14の上面上に
は、p型電極16が形成されるとともに、一部領域が除
去されて露出されたn型コンタクト層6の表面には、n
型電極17が形成されている。
【0054】なお、n型コンタクト層6、クラック防止
層7、n型第2クラッド層8、n型第1クラッド層9、
MQW発光層10、p型第1クラッド層11、p型第2
クラッド層12、電流阻止層13およびp型コンタクト
層14は、本発明の「素子領域を有する窒化物系半導体
素子層」の一例である。
【0055】第1実施形態の半導体レーザ素子では、上
記のように、図1〜図3に示した第1実施形態の窒化物
系半導体の形成方法を用いて形成された、刃状転位、ら
せん転位および混合転位のすべての転位密度が低減され
たアンドープGaN層5を下地として、その上に各層6
〜14を形成することによって、各層6〜14において
良好な結晶性を実現することができる。その結果、第1
実施形態では、良好な素子特性を有する半導体レーザ素
子を容易に得ることができる。
【0056】(第2実施形態)図5〜図7は、本発明の
第2実施形態による窒化物系半導体の形成方法を説明す
るための断面図である。この第2実施形態では、第1実
施形態の絶縁性のサファイア基板1の代わりに、導電性
を有するn型Siまたはn型SiCからなる基板21を
用いている。図5〜図7を参照して、第2実施形態によ
る窒化物系半導体の形成方法について説明する。
【0057】まず、この第2実施形態では、図5に示す
ように、MOVPE法を用いて、基板21上に、約50
nmの膜厚を有するn型Al0.09Ga0.91Nからなるバ
ッファ層22を1150℃の成長温度で形成する。
【0058】次に、バッファ層22上に、MOVPE法
などの結晶成長法を用いて、n型GaNからなる下地層
23を形成する。この下地層23は、7×108cm-2
以上の密度の刃状転位と、合計5×108cm-2以下の
密度のらせん転位および混合転位とを有する。このよう
な密度を有する下地層23の成長条件は、たとえば、成
長温度:1150℃、成長速度:20μm/時間、ガス
流量:TMGa(トリメチルガリウム);200μmo
l/分,アンモニア;10litter/分であり、上
記した第1実施形態の下地層3の成長条件を満たしてい
る。なお、下地層23が、本発明の「第1窒化物系半導
体層」の一例である。
【0059】この下地層23上に、図6に示すように、
約0.5μmの膜厚を有するストライプ状のSiO2
らなるマスク層24を形成する。マスク層24のストラ
イプパターンは、マスク層24の幅が約5μmで、隣接
するマスク層24間の間隔(マスク開口部の幅)が約2
μmとなるように、約7μmの周期で形成する。また、
ストライプ状のマスク層24は、下地層23のGaNの
[11−20]方向と平行な方向に形成する。
【0060】次に、このマスク層24をマスクとしてM
OVPE法などを用いて、上記した転位密度を有するn
型GaNからなる下地層23を下地として、n型GaN
層25を選択横方向成長させる。この場合、マスク層2
4上を横方向成長したn型GaN層25は、合体して、
連続的なn型GaN層25となり、図7に示すように、
表面が平坦化された約5μmの膜厚を有するn型GaN
層25が形成される。この選択横方向成長されたn型G
aN層25は、5×107cm-2以下の密度の刃状転位
と、合計5×108cm-2以下の密度のらせん転位およ
び混合転位とを有する。なお、このn型GaN層25
が、本発明の「第2窒化物系半導体層」の一例である。
【0061】第2実施形態による窒化物系半導体の形成
方法では、上記のように、n型GaN層25の下地とし
て、7×108cm-2以上の密度の刃状転位と、5×1
8cm-2以下の合計密度のらせん転位および混合転位
とを有する下地層23を用いることによって、このよう
な高い密度の刃状転位と、低い密度のらせん転位および
混合転位とを有する下地層23は、刃状転位、らせん転
位および混合転位のすべての転位密度が低い下地層23
を形成する場合に比べて、比較的容易に再現性良く得る
ことができる。その結果、下地層23の歩留まりを向上
させることができる。
【0062】また、第2実施形態による窒化物系半導体
の形成方法では、上記のように、高い密度の刃状転位
と、低い密度のらせん転位および混合転位とを有する下
地層23を用いたとしても、この下地層23上にマスク
層24を用いて選択横方向成長によりn型GaN層25
を形成すれば、n型GaN層25の刃状転位を大幅に減
少させることができる。これにより、第1実施形態と同
様、刃状転位、らせん転位および混合転位のすべての転
位密度低減されたn型GaN層25を歩留まり良く形成
することができる。
【0063】また、第2実施形態による窒化物系半導体
の形成方法では、基板21上に設けたバッファ層22上
に、下地層23を成長させることによって、基板21上
に直接下地層23を成長させる場合に比べて、より低転
位の下地層23を成長させることができる。これによ
り、第1実施形態と同様、低転位の下地層23を種結晶
として、より低転位のn型GaN層25を成長させるこ
とができる。
【0064】図8は、上記した第2実施形態の窒化物系
半導体の形成方法を用いて製造した半導体レーザ素子を
示した斜視図である。次に、図8を参照して、第2実施
形態による窒化物系半導体の形成方法を用いて製造した
半導体レーザ素子の構造について説明する。
【0065】第2実施形態の半導体レーザ素子の構造と
しては、図7に示した第2実施形態のn型GaN層25
上に、図8に示すように、約0.1μmの膜厚を有する
n型AlGaInNからなるクラック防止層26、約
0.45μmの膜厚を有するn型AlGaNからなるn
型第2クラッド層27、約50nm(約0.05)μm
の膜厚を有するn型GaNからなるn型第1クラッド層
28、および、GaInNからなる多重量子井戸(MQ
W)発光層29が順次形成されている。このMQW発光
層29は、約4nmの厚みを有する5つのアンドープG
aN障壁層と、約4nmの厚みを有する4つの圧縮歪み
のアンドープGaInN井戸層とが交互に積層された構
造を有する。
【0066】MQW発光層29上には、約40nm(約
0.04μm)の膜厚を有するp型GaNからなるp型
第1クラッド層30が形成されている。p型第1クラッ
ド層30上には、約0.45μmの高さを有するメサ形
状(台形状)のp型AlGaNからなるp型第2クラッ
ド層31が形成されている。また、p型第1クラッド層
30上の、p型第2クラッド層31が形成されている領
域以外の領域と、メサ形状のp型第2クラッド層31の
側面とを覆うとともに、p型第2クラッド層31の上面
を露出させるように、約0.2μmの膜厚を有するn型
GaNからなる電流阻止層32が形成されている。電流
阻止層32上には、露出されたp型第2クラッド層31
の上面と接触するように、約3μm〜約5μmの膜厚を
有するp型GaNからなるp型コンタクト層33が形成
されている。
【0067】また、p型第2クラッド層31のメサ形状
を反映したp型コンタクト層33の凸部上には、p型電
極34が形成されている。また、この第2実施形態で
は、第1実施形態のサファイア基板1と異なり、n型S
iまたはn型SiCからなる基板21は導電性を有する
ので、基板21の裏面に、n型電極35が形成されてい
る。
【0068】なお、クラック防止層26、n型第2クラ
ッド層27、n型第1クラッド層28、MQW発光層2
9、p型第1クラッド層30、p型第2クラッド層3
1、電流阻止層32およびp型コンタクト層33は、本
発明の「素子領域を有する窒化物系半導体素子層」の一
例である。
【0069】第2実施形態の半導体レーザ素子では、上
記のように、図5〜図7に示した第2実施形態の窒化物
系半導体の形成方法を用いて形成された、刃状転位、ら
せん転位および混合転位のすべての転位密度が低減され
たn型GaN層25を下地として、その上に各層26〜
33を形成することによって、各層26〜33において
良好な結晶性を実現することができる。その結果、良好
な素子特性を有する半導体レーザ素子を容易に得ること
ができる。
【0070】(第3実施形態)図9〜図13は、本発明
の第3実施形態による窒化物系半導体の形成方法を説明
するための断面図である。この第3実施形態では、サフ
ァイア(0001)面基板41(以下、「サファイア基
板41」という)上に形成した凹凸形状を有する下地層
43を用いて選択横方向成長を行う例を示している。以
下、図9〜図13を参照して、第3実施形態による窒化
物系半導体の形成方法について詳細に説明する。
【0071】まず、この第3実施形態では、図9に示す
ように、第1実施形態と同じ形成条件を用いて、サファ
イア基板41上に、約15nmの膜厚を有するAlGa
Nからなる低温バッファ層42、および、約2μmの膜
厚を有するアンドープGaNからなる下地層43を形成
する。これにより、7×108cm-2以上の密度の刃状
転位と、合計5×108cm-2以下の密度のらせん転位
および混合転位とを有する下地層43を形成する。な
お、サファイア基板41が、本発明の「基板」の一例で
ある。また、この低温バッファ層42が、本発明の「バ
ッファ層」の一例であり、下地層43が、本発明の「第
1窒化物系半導体層」の一例である。
【0072】下地層43上に、マスク層(図示せず)を
形成した後、このマスク層をマスクとして、RIE法な
どを用いて、下地層43の表面を約1μmの厚み分だけ
エッチングする。その後、マスク層を除去する。これに
より、図10に示すように、下地層43の表面にストラ
イプ状の凹凸形状を形成する。下地層43の凹凸形状
は、凹部の底面の幅が約1μm、凸部の高さが約1μ
m、および、凸部の底部の幅が約1μmになるように形
成するとともに、アンドープGaNからなる下地層43
の[11−20]方向と平行な方向に形成される。
【0073】次に、図11に示すように、アンドープG
aNからなる下地層43の全面を種結晶として、アンド
ープGaN層44を選択横方向成長させる。なお、この
アンドープGaN層44が、本発明の「第2窒化物系半
導体層」の一例である。このアンドープGaN層44の
選択横方向成長は、図11〜図13の順序で進む。すな
わち、アンドープGaN層44は、下地層43の凸部の
上面および側面と凹部の底面とから縦方向(上方向)お
よび横方向に成長するとともに、途中から横方向成長が
支配的となる。これにより、図13に示すように、表面
が平坦化された約5μmの膜厚を有するアンドープGa
N層44が形成される。この場合、アンドープGaN層
44の転位は、横方向成長する際に、横方向に折れ曲が
るので、表面付近の転位が下地層43に比べて低減され
た低転位のアンドープGaN層44が得られる。特に、
刃状転位は大幅に低減される。
【0074】第3実施形態による窒化物系半導体の形成
方法では、上記のように、低温バッファ層42と下地層
43とを、上記した第1実施形態の低温バッファ層2お
よび下地層3の成長条件を満たすように形成することに
よって、第1実施形態と同様、7×108cm-2以上の
密度の刃状転位と、5×108cm-2以下の合計密度の
らせん転位および混合転位とを有する下地層43を形成
することができる。そして、このような高い密度の刃状
転位と、低い密度のらせん転位および混合転位とを有す
る下地層43は、刃状転位、らせん転位および混合転位
のすべての転位密度が低い下地層43を形成する場合に
比べて、比較的容易に再現性良く得ることができる。そ
の結果、下地層43の歩留まりを向上させることができ
る。
【0075】また、第3実施形態による窒化物系半導体
の形成方法では、上記のように、高い密度の刃状転位
と、低い密度のらせん転位および混合転位とを有する下
地層43を用いたとしても、この下地層43の凹凸形状
を用いて選択横方向成長によりアンドープGaN層44
を形成すれば、アンドープGaN層44の刃状転位を大
幅に減少させることができる。これにより、刃状転位、
らせん転位および混合転位のすべての転位密度が低減さ
れたアンドープGaN層44を歩留まり良く形成するこ
とができる。
【0076】また、第3実施形態による窒化物系半導体
の形成方法では、サファイア基板41上に設けた低温バ
ッファ層42上に、下地層43を成長させることによっ
て、サファイア基板41上に直接下地層43を成長させ
る場合に比べて、より低転位の下地層43を成長させる
ことができる。これにより、第1実施形態と同様、低転
位の下地層43を種結晶として、より低転位のアンドー
プGaN層44を成長させることができる。
【0077】図14は、上記した第3実施形態の窒化物
系半導体の形成方法を用いて製造した半導体レーザ素子
を示した斜視図である。次に、図14を参照して、第3
実施形態による窒化物系半導体の形成方法を用いて製造
した半導体レーザ素子の構造について説明する。
【0078】第3実施形態の半導体レーザ素子の構造と
しては、図13に示したアンドープGaN層44上に、
第1実施形態と同様、n型コンタクト層6、クラック防
止層7、n型第2クラッド層8、n型第1クラッド層
9、MQW発光層10、p型第1クラッド層11、p型
第2クラッド層12、電流阻止層13、p型コンタクト
層14および保護膜15が形成されている。なお、各層
6〜14および保護膜15の組成および膜厚は、第1実
施形態と同様である。
【0079】また、p型コンタクト層14の上面上に
は、p型電極16が形成されるとともに、一部領域が除
去されて露出されたn型コンタクト層6の表面には、n
型電極17が形成されている。
【0080】第3実施形態の半導体レーザ素子では、上
記のように、図9〜図13に示した第3実施形態の窒化
物系半導体の形成方法を用いて形成された刃状転位、ら
せん転位および混合転位のすべての転位密度が低減され
たアンドープGaN層44を下地として、その上に各層
6〜14を形成することによって、各層6〜14におい
て良好な結晶性を実現することができる。その結果、良
好な素子特性を有する半導体レーザ素子を容易に得るこ
とができる。
【0081】(第4実施形態)図15〜図19は、本発
明の第4実施形態による窒化物系半導体の形成方法を説
明するための断面図である。この第4実施形態では、凹
凸形状を有するサファイア(0001)面基板51(以
下、「サファイア基板51」という)の凸部の上面上に
形成した下地層53を用いて選択横方向成長を行う例を
示している。図15〜図19を参照して、第4実施形態
による窒化物系半導体の形成方法について説明する。
【0082】まず、この第4実施形態では、図15に示
すように、第1実施形態と同じ形成条件を用いて、サフ
ァイア基板51上に、約15nmの膜厚を有するAlG
aNからなる低温バッファ層52、および、約1.5μ
mの膜厚を有するアンドープGaNからなる下地層53
を形成する。これにより、7×108cm-2以上の密度
の刃状転位と、合計5×108cm-2以下の密度のらせ
ん転位および混合転位とを有する下地層53を形成す
る。なお、サファイア基板51が、本発明の「基板」の
一例である。また、この低温バッファ層52が、本発明
の「バッファ層」の一例であり、下地層53が、本発明
の「第1窒化物系半導体層」の一例である。
【0083】下地層53上に、マスク層(図示せず)を
形成した後、このマスク層をマスクとして、RIE法な
どを用いて、マスク層が形成されていない領域下の部分
の下地層53および低温バッファ層52をエッチングに
より除去するとともに、サファイア基板51をサファイ
ア基板51の底面に達しない範囲の厚み分だけエッチン
グする。その後、マスク層を除去する。これにより、図
16に示すように、サファイア基板51を凹凸形状に形
成するとともに、サファイア基板51の凸部の上面のほ
ぼ全面に接触するようにパターニングされた低温バッフ
ァ層52、および、低温バッファ層52の上面のほぼ全
面に接触するようにパターニングされた下地層53を形
成する。サファイア基板51の凹凸形状は、凹部の底面
の幅が約10μm、凸部の高さが約1μm、および、凸
部の底部の幅が約1μmになるように形成するととも
に、アンドープGaNからなる下地層53の[11−2
0]方向と平行な方向に形成される。
【0084】次に、図17〜図19に示すように、アン
ドープGaNからなる下地層53の露出された上面およ
び側面を種結晶として、アンドープGaN層54を選択
横方向成長させる。なお、このアンドープGaN層54
が、本発明の「第2窒化物系半導体層」の一例である。
このアンドープGaN層54の選択横方向成長は、図1
7〜図19の順序で進む。すなわち、下地層53の上面
および側面から縦方向(上方向)および横方向に成長す
るとともに、途中から横方向成長が支配的となる。これ
により、図19に示すように、表面が平坦化された約5
μmの膜厚を有するアンドープGaN層54が形成され
る。なお、アンドープGaN層54と、サファイア基板
51の凹部の底面との間には、空洞部55が形成されて
いる。この場合、アンドープGaN層54の転位は、横
方向成長する際に、横方向に折れ曲がる。これにより、
表面付近の転位が下地層53に比べて低減された低転位
のアンドープGaN層54が得られる。特に、刃状転位
は大幅に低減される。
【0085】第4実施形態による窒化物系半導体の形成
方法では、上記のように、低温バッファ層52と下地層
53とを、上記した第1実施形態の低温バッファ層2お
よび下地層3の成長条件を満たすように形成することに
よって、第1実施形態と同様、高い密度の刃状転位と、
低い密度のらせん転位および混合転位とを有する下地層
53を形成することができる。その結果、下地層53の
歩留まりを向上させることができる。
【0086】また、第4実施形態による窒化物系半導体
の形成方法では、上記のように、高い密度の刃状転位
と、低い密度のらせん転位および混合転位とを有する下
地層53を用いたとしても、この下地層53の露出され
た上面および側面を用いて選択横方向成長によりアンド
ープGaN層54を形成すれば、アンドープGaN層5
4の刃状転位を大幅に減少させることができる。これに
より、刃状転位、らせん転位および混合転位のすべての
転位密度が低減されたアンドープGaN層54を歩留ま
り良く形成することができる。
【0087】また、第4実施形態による窒化物系半導体
の形成方法では、サファイア基板51上に設けた低温バ
ッファ層52上に、下地層53を成長させることによっ
て、サファイア基板51上に直接下地層53を成長させ
る場合に比べて、より低転位の下地層53を成長させる
ことができる。これにより、第1実施形態と同様、低転
位の下地層53を種結晶として、より低転位のアンドー
プGaN層54を成長させることができる。
【0088】図20は、上記した第4実施形態の窒化物
系半導体の形成方法を用いて製造した半導体レーザ素子
を示した斜視図である。次に、図20を参照して、第4
実施形態による窒化物系半導体の形成方法を用いて製造
した半導体レーザ素子の構造について説明する。
【0089】第4実施形態の半導体レーザ素子の構造と
しては、図19に示したアンドープGaN層54上に、
第1実施形態と同様、n型コンタクト層6、クラック防
止層7、n型第2クラッド層8、n型第1クラッド層
9、MQW発光層10、p型第1クラッド層11、p型
第2クラッド層12、電流阻止層13、p型コンタクト
層14および保護膜15が形成されている。なお、各層
6〜14および保護膜15の組成および膜厚は、第1実
施形態と同様である。
【0090】また、p型コンタクト層14の上面上に
は、p型電極16が形成されるとともに、一部領域が除
去されて露出されたn型コンタクト層6の表面には、n
型電極17が形成されている。
【0091】第4実施形態の半導体レーザ素子では、上
記のように、図15〜図19に示した第4実施形態の窒
化物系半導体の形成方法を用いて形成された刃状転位、
らせん転位および混合転位のすべての転位密度が低減さ
れたアンドープGaN層54を下地として、その上に各
層6〜14を形成することによって、各層6〜14にお
いて良好な結晶性を実現することができる。その結果、
良好な素子特性を有する半導体レーザ素子を容易に得る
ことができる。
【0092】(第5実施形態)図21〜図26は、本発
明の第5実施形態による窒化物系半導体の形成方法を説
明するための断面図である。この第5実施形態では、図
9〜図13に示した第3実施形態の凹凸形状を有する下
地層の凸部の上面上に、マスク層を残した状態で、選択
横方向成長を行う例を示している。以下、図21〜図2
6を参照して、第5実施形態による窒化物系半導体の形
成方法について詳細に説明する。
【0093】まず、この第5実施形態では、図21に示
すように、第1実施形態と同じ形成条件を用いて、サフ
ァイア(0001)面基板61(以下、「サファイア基
板61」という)上に、約15nmの膜厚を有するAl
GaNからなる低温バッファ層62、および、約2μm
の膜厚を有するアンドープGaNからなる下地層63を
形成する。これにより、7×108cm-2以上の密度の
刃状転位と、合計5×108cm-2以下の密度のらせん
転位および混合転位とを有する下地層63を形成する。
なお、サファイア基板61が、本発明の「基板」の一例
である。また、この低温バッファ層62が、本発明の
「バッファ層」の一例であり、下地層63が、本発明の
「第1窒化物系半導体層」の一例である。
【0094】下地層63上に、約0.5μmの膜厚を有
するストライプ状のSiO2からなるマスク層64を形
成する。マスク層64のストライプパターンは、マスク
層64の幅が約5μmで、隣接するマスク層64間の間
隔(マスク開口部の幅)が約2μmとなるように、約7
μmの周期で形成する。また、ストライプ状のマスク層
64は、下地層63のGaNの[11−20]方向と平
行な方向に形成する。
【0095】このマスク層64をマスクとして、RIE
法などを用いて、下地層63の表面を約1μmの厚み分
だけエッチングする。これにより、図10に示すよう
に、下地層63の表面にストライプ状の凹凸形状を形成
する。この場合、下地層63のエッチングされた凸部の
側面が、下地層63の表面に対して斜めに形成されるこ
とにより、下地層63の凸部はメサ形状(台形状)にな
る。また、下地層63の凹凸形状は、約1μmの高さを
有するとともに、アンドープGaNからなる下地層63
の[11−20]方向と平行な方向に形成される。
【0096】次に、この第5実施形態では、図23に示
すように、下地層63の凸部の上面上にマスク層64を
残した状態で、アンドープGaNからなる下地層63の
露出された凹部の底面および凸部の側面を種結晶とし
て、アンドープGaN層65を選択横方向成長させる。
なお、このアンドープGaN層65が、本発明の「第2
窒化物系半導体層」の一例である。このアンドープGa
N層65の選択横方向成長は、図23〜図26の順序で
進む。すなわち、アンドープGaN層65は、下地層6
3の凹部の底面と凸部の側面とから縦方向(上方向)お
よび横方向に成長するとともに、途中から横方向成長が
支配的となる。これにより、図26に示すように、表面
が平坦化された約5μmの膜厚を有するアンドープGa
N層65が形成される。この場合、アンドープGaN層
65の転位は、横方向成長する際に、横方向に折れ曲が
るので、表面付近の転位が下地層63に比べて低減され
た低転位のアンドープGaN層65が得られる。特に、
刃状転位は大幅に低減される。
【0097】第5実施形態による窒化物系半導体の形成
方法では、上記のように、下地層63の凸部の上面上に
マスク層64を残した状態で、下地層63を下地として
選択横方向成長によってアンドープGaN層65を形成
することによって、マスク層64によって、下地層63
の凸部の上面の転位がアンドープGaN層65に反映さ
れない。その結果、アンドープGaN層65の転位を第
3実施形態に比べて、より低減することができる。
【0098】また、第5実施形態による窒化物系半導体
の形成方法では、上記のように、低温バッファ層62と
下地層63とを、上記した第1実施形態の低温バッファ
層2および下地層3の成長条件を満たすように形成する
ことによって、第1実施形態と同様、高い密度の刃状転
位と、低い密度のらせん転位および混合転位とを有する
下地層63を形成することができる。その結果、下地層
63の歩留まりを向上させることができる。
【0099】また、第5実施形態による窒化物系半導体
の形成方法では、上記のように、高い密度の刃状転位
と、低い密度のらせん転位および混合転位とを有する下
地層63を用いたとしても、この下地層63の凹凸形状
を用いて選択横方向成長によりアンドープGaN層65
を形成すれば、アンドープGaN層65の刃状転位を大
幅に減少させることができる。これにより、刃状転位、
らせん転位および混合転位のすべての転位密度が低減さ
れたアンドープGaN層65を歩留まり良く形成するこ
とができる。
【0100】また、第5実施形態による窒化物系半導体
の形成方法では、サファイア基板61上に設けた低温バ
ッファ層62上に、下地層63を成長させることによっ
て、サファイア基板61上に直接下地層63を成長させ
る場合に比べて、より低転位の下地層63を成長させる
ことができる。これにより、低転位の下地層63を種結
晶として、より低転位のアンドープGaN層65を成長
させることができる。
【0101】図27は、上記した第5実施形態の窒化物
系半導体の形成方法を用いて製造した半導体レーザ素子
を示した斜視図である。次に、図27を参照して、第5
実施形態による窒化物系半導体の形成方法を用いて製造
した半導体レーザ素子の構造について説明する。
【0102】第5実施形態の半導体レーザ素子の構造と
しては、図26に示したアンドープGaN層65上に、
第1実施形態と同様、n型コンタクト層6、クラック防
止層7、n型第2クラッド層8、n型第1クラッド層
9、MQW発光層10、p型第1クラッド層11、p型
第2クラッド層12、電流阻止層13、p型コンタクト
層14および保護膜15が形成されている。なお、各層
6〜14および保護膜15の組成および膜厚は、第1実
施形態と同様である。
【0103】また、p型コンタクト層14の上面上に
は、p型電極16が形成されるとともに、一部領域が除
去されて露出されたn型コンタクト層6の表面には、n
型電極17が形成されている。
【0104】第5実施形態の半導体レーザ素子では、上
記のように、図21〜図26に示した第5実施形態の窒
化物系半導体の形成方法を用いて形成された刃状転位、
らせん転位および混合転位のすべての転位密度が低減さ
れたアンドープGaN層65を下地として、その上に各
層6〜14を形成することによって、各層6〜14にお
いて良好な結晶性を実現することができる。その結果、
良好な素子特性を有する半導体レーザ素子を容易に得る
ことができる。
【0105】(第6実施形態)図28〜図33は、本発
明の第6実施形態による窒化物系半導体の形成方法を説
明するための断面図である。この第6実施形態では、図
15〜図19に示した第4実施形態において、下地層の
上面上に、マスク層を残した状態で、選択横方向成長を
行う例を示している。図28〜図33を参照して、第6
実施形態による窒化物系半導体の形成方法について説明
する。
【0106】まず、この第6実施形態では、図28に示
すように、第1実施形態と同じ形成条件を用いて、サフ
ァイア(0001)面基板71(以下、「サファイア基
板71」という)上に、約15nmの膜厚を有するAl
GaNからなる低温バッファ層72、および、約1.5
μmの膜厚を有するアンドープGaNからなる下地層7
3を形成する。これにより、7×108cm-2以上の密
度の刃状転位と、合計5×108cm-2以下の密度のら
せん転位および混合転位とを有する下地層73を形成す
る。なお、サファイア基板71が、本発明の「基板」の
一例である。また、この低温バッファ層72が、本発明
の「バッファ層」の一例であり、下地層73が、本発明
の「第1窒化物系半導体層」の一例である。
【0107】下地層73上に、約0.5μmの膜厚を有
するストライプ状のSiO2からなるマスク層74を形
成する。マスク層74のストライプパターンは、マスク
層74の幅が約5μmで、隣接するマスク層74間の間
隔(マスク開口部の幅)が約2μmとなるように、約7
μmの周期で形成する。また、ストライプ状のマスク層
74は、下地層73のGaNの[11−20]方向と平
行な方向に形成する。
【0108】このマスク層74をマスクとして、RIE
法などを用いて、マスク層が形成されていない領域下の
部分の下地層73および低温バッファ層72をエッチン
グにより除去するとともに、サファイア基板71をサフ
ァイア基板71の底面に達しない範囲の厚み分だけエッ
チングする。これにより、図29に示すように、サファ
イア基板71を凹凸形状に形成するとともに、サファイ
ア基板71の凸部の上面のほぼ全面に接触するようにパ
ターニングされた低温バッファ層72、および、低温バ
ッファ層72の上面のほぼ全面に接触するようにパター
ニングされた下地層73を形成する。サファイア基板7
1の凹凸形状は、凹部の底面の幅が約10μm、凸部の
高さが約1μm、および、凸部の底部の幅が約1μmに
なるように形成するとともに、アンドープGaNからな
る下地層73の[11−20]方向と平行な方向に形成
される。
【0109】次に、図30に示すように、アンドープG
aNからなる下地層73の露出された上面および側面を
種結晶として、アンドープGaN層75を選択横方向成
長させる。なお、このアンドープGaN層75が、本発
明の「第2窒化物系半導体層」の一例である。このアン
ドープGaN層75の選択横方向成長は、図30〜図3
3の順序で進む。すなわち、アンドープGaN層75
は、下地層73の側面から縦方向(上方向)および横方
向に成長するとともに、途中から横方向成長が支配的と
なる。これにより、図33に示すように、表面が平坦化
された約5μmの膜厚を有するアンドープGaN層75
が形成される。この場合、アンドープGaN層75の転
位は、横方向成長する際に、横方向に折れ曲がるので、
表面付近の転位が下地層73に比べて低減された低転位
のアンドープGaN層75が得られる。特に、刃状転位
は大幅に低減される。
【0110】第6実施形態による窒化物系半導体の形成
方法では、上記のように、下地層73のパターニングさ
れた下地層73の上面上にマスク層74を残した状態
で、下地層73を下地として選択横方向成長によってア
ンドープGaN層75を形成することによって、マスク
層74によって、下地層73の上面の転位がアンドープ
GaN層75に反映されない。その結果、アンドープG
aN層75の転位を第4実施形態に比べて、より低減す
ることができる。
【0111】また、第6実施形態による窒化物系半導体
の形成方法では、上記のように、低温バッファ層72と
下地層73とを、上記した第1実施形態の低温バッファ
層2および下地層3の成長条件を満たすように形成する
ことによって、第1実施形態と同様、高い密度の刃状転
位と、低い密度のらせん転位および混合転位とを有する
下地層73を形成することができる。その結果、下地層
73の歩留まりを向上させることができる。
【0112】また、第6実施形態による窒化物系半導体
の形成方法では、上記のように、高い密度の刃状転位
と、低い密度のらせん転位および混合転位とを有する下
地層73を用いたとしても、この下地層73の露出され
た上面および側面を用いて選択横方向成長によりアンド
ープGaN層75を形成すれば、アンドープGaN層7
5の刃状転位を大幅に減少させることができる。これに
より、刃状転位、らせん転位および混合転位のすべての
転位密度が低減されたアンドープGaN層75を歩留ま
り良く形成することができる。
【0113】また、第6実施形態による窒化物系半導体
の形成方法では、サファイア基板71上に設けた低温バ
ッファ層72上に、下地層73を成長させて、その下地
層73を種結晶としてアンドープGaN層75を成長さ
せることによって、サファイア基板71上に直接下地層
73を成長させる場合に比べて、より低転位の下地層7
3を成長させることができる。これにより、第1実施形
態と同様、低転位の下地層73を種結晶として、より低
転位のアンドープGaN層74を成長させることができ
る。
【0114】図34は、上記した第6実施形態の窒化物
系半導体の形成方法を用いて製造した半導体レーザ素子
を示した斜視図である。次に、図34を参照して、第6
実施形態による窒化物系半導体の形成方法を用いて製造
した半導体レーザ素子の構造について説明する。
【0115】第6実施形態の半導体レーザ素子の構造と
しては、図33に示したアンドープGaN層75上に、
第1実施形態と同様、n型コンタクト層6、クラック防
止層7、n型第2クラッド層8、n型第1クラッド層
9、MQW発光層10、p型第1クラッド層11、p型
第2クラッド層12、電流阻止層13、p型コンタクト
層14および保護膜15が形成されている。なお、各層
6〜14および保護膜15の組成および膜厚は、第1実
施形態と同様である。
【0116】また、p型コンタクト層14の上面上に
は、p型電極16が形成されるとともに、一部領域が除
去されて露出されたn型コンタクト層6の表面には、n
型電極17が形成されている。
【0117】第6実施形態の半導体レーザ素子では、上
記のように、図28〜図33に示した第6実施形態の窒
化物系半導体の形成方法を用いて形成された刃状転位、
らせん転位および混合転位のすべての転位密度が低減さ
れたアンドープGaN層75を下地として、その上に各
層6〜14を形成することによって、各層6〜14にお
いて良好な結晶性を実現することができる。その結果、
良好な素子特性を有する半導体レーザ素子を容易に得る
ことができる。
【0118】なお、今回開示された実施形態は、すべて
の点で例示であって、制限的なものではないと考えられ
るべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説
明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許
請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更
が含まれる。
【0119】たとえば、上記第1〜第6実施形態では、
基板として、サファイア基板1、41、51、61、7
1、および、SiまたはSiCからなる基板21を用い
たが、本発明はこれに限らず、スピネル基板、GaAs
基板、GaP基板、InP基板および水晶基板などを用
いてもよい。
【0120】また、上記第3〜第6実施形態では、下地
層43、63、および、サファイア基板51、71に、
エッチングにより凹凸形状を形成する際に、凹部の高さ
を約1μmに形成したが、本発明はこれに限らず、下地
層43、63、および、サファイア基板51、71の底
面に達しない範囲で、下地層43の凹部の高さを数十n
m〜数μmの範囲で形成するのが好ましく、下地層63
およびサファイア基板51、71の凹部の高さを数十n
m以上に形成するのが好ましい。
【0121】また、第3〜第6実施形態において、下地
層43、63、および、サファイア基板51、71の表
面に形成された凹凸形状の凹部の底面の幅を、数百nm
〜数十μmの範囲で形成するのが好ましい。
【0122】また、上記第3〜第6実施形態では、下地
層43、63、および、サファイア基板51、71の表
面の凹凸形状を、下地層43、53、63および73の
GaNの[11−20]方向に平行に形成したが、本発
明はこれに限らず、上記した方向と異なる方向に凹凸形
状を形成してもよい。たとえば、第3〜第6実施形態の
下地層43、63、および、サファイア基板51、71
の凹凸形状を、下地層43、53、63および73のG
aNの[1−100]方向に平行に形成してもよい。
【0123】また、上記第3〜第6実施形態では、下地
層43、63、および、サファイア基板51、71の表
面の凹部および凸部をストライプ状に形成したが、本発
明はこれに限らず、下地層43、63、および、サファ
イア基板51、71の表面の凹部の形状を、円形、六角
形または三角形などの形状で形成してもよく、また、凸
部の形状を、円形、六角形または三角形などの形状で形
成してもよい。凹部または凸部の形状を、六角形または
三角形に形成する場合、六角形または三角形の各辺の方
向は、どの結晶方位と一致するように形成してもよい。
【0124】また、上記第3〜第6実施形態では、図面
上では、凸部の側面を所定の角度を有する斜め形状に形
成するように示したが、本発明はこれに限らず、凸部の
側面を、基板表面に対してほぼ垂直または図示以外の角
度を有する斜め形状に形成してもよい。
【0125】また、上記第1〜第6実施形態では、窒化
物系半導体を用いて半導体レーザ素子を作製したが、本
発明はこれに限らず、発光ダイオード素子またはトラン
ジスタなどの窒化物系半導体を用いる他の素子にも適用
可能である。
【0126】また、上記第1〜第6実施形態において、
窒化物系半導体の結晶構造は、ウルツ鉱型構造であって
もよいし、閃亜鉛鉱型構造であってもよい。
【0127】また、上記第1〜第6実施形態では、窒化
物系半導体各層の結晶成長を、MOVPE法またはHV
PE法などを用いて行ったが、本発明はこれに限らず、
TMAl、TMGa、TMIn、NH3、SiH4および
Cp2Mgなどを原料ガスとして用いるガスソースMB
E法などを用いて結晶成長を行ってもよい。
【0128】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、刃状転
位、らせん転位および混合転位のすべての転位密度が低
減された窒化物系半導体を歩留まり良く形成することに
よって、良好な素子特性を有する窒化物系半導体素子を
容易に得ることができる。また、刃状転位、らせん転位
および混合転位のすべての転位密度が低減された窒化物
系半導体層を歩留まり良く形成することが可能な窒化物
系半導体の形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による窒化物系半導体の
形成方法を説明するための断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による窒化物系半導体の
形成方法を説明するための断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による窒化物系半導体の
形成方法を説明するための断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による窒化物系半導体の
形成方法を用いて製造した半導体レーザ素子を示した斜
視図である。
【図5】本発明の第2実施形態による窒化物系半導体の
形成方法を説明するための断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態による窒化物系半導体の
形成方法を説明するための断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態による窒化物系半導体の
形成方法を説明するための断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態による窒化物系半導体の
形成方法を用いて製造した半導体レーザ素子を示した斜
視図である。
【図9】本発明の第3実施形態による窒化物系半導体の
形成方法を説明するための断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図14】本発明の第3実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を用いて製造した半導体レーザ素子を示した
斜視図である。
【図15】本発明の第4実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図16】本発明の第4実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図17】本発明の第4実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図18】本発明の第4実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図19】本発明の第4実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図20】本発明の第4実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を用いて製造した半導体レーザ素子を示した
斜視図である。
【図21】本発明の第5実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図22】本発明の第5実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図23】本発明の第5実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図24】本発明の第5実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図25】本発明の第5実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図26】本発明の第5実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図27】本発明の第5実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を用いて製造した半導体レーザ素子を示した
斜視図である。
【図28】本発明の第6実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図29】本発明の第6実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図30】本発明の第6実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図31】本発明の第6実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図32】本発明の第6実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図33】本発明の第6実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を説明するための断面図である。
【図34】本発明の第6実施形態による窒化物系半導体
の形成方法を用いて製造した半導体レーザ素子を示した
斜視図である。
【符号の説明】
1、41、51、61、71 サファイア基板(基板) 2、42、52、62、72 低温バッファ層(バッフ
ァ層) 3、23、43、53、63、73 下地層(第1窒化
物系半導体層) 4、24、64、74 マスク層 5、44、54、65、75 アンドープGaN層(第
2窒化物系半導体層) 6 n型コンタクト層(窒化物系半導体素子層) 7、26 クラック防止層(窒化物系半導体素子層) 8、27 n型第2クラッド層(窒化物系半導体素子
層) 9、28 n型第1クラッド層(窒化物系半導体素子
層) 10、29 MQW発光層(窒化物系半導体素子層) 11、30 p型第1クラッド層(窒化物系半導体素子
層) 12、31 p型第2クラッド層(窒化物系半導体素子
層) 13、32 電流阻止層(窒化物系半導体素子層) 14、33 p型コンタクト層(窒化物系半導体素子
層) 21 基板 22 バッファ層 25 n型GaN層(第2窒化物系半導体層)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成され、7×108cm-2以上
    の密度の刃状転位と、合計5×108cm-2以下の密度
    のらせん転位および混合転位とを有する第1窒化物系半
    導体層と、 前記第1窒化物系半導体層上に形成されたマスク層と、 前記第1窒化物系半導体層上および前記マスク層上に形
    成された第2窒化物系半導体層と、 前記第2窒化物系半導体層上に形成され、素子領域を有
    する窒化物系半導体素子層とを備えた、窒化物系半導体
    素子。
  2. 【請求項2】基板上に形成され、7×108cm-2以上
    の密度の刃状転位と、合計5×108cm-2以下の密度
    のらせん転位および混合転位とを有するとともに、凹凸
    形状の表面を有する第1窒化物系半導体層と、 前記第1窒化物系半導体層上に形成された第2窒化物系
    半導体層と、 前記第2窒化物系半導体層上に形成され、素子領域を有
    する窒化物系半導体素子層とを備えた、窒化物系半導体
    素子。
  3. 【請求項3】凹凸形状の表面を有する基板の凸部上に形
    成され、7×108cm-2以上の密度の刃状転位と、合
    計5×108cm-2以下の密度のらせん転位および混合
    転位とを有する第1窒化物系半導体層と、 前記第1窒化物系半導体層上に形成された第2窒化物系
    半導体層と、 前記第2窒化物系半導体層上に形成され、素子領域を有
    する窒化物系半導体素子層とを備えた、窒化物系半導体
    素子。
  4. 【請求項4】前記第2窒化物系半導体層は、5×107
    cm-2以下の密度の刃状転位を有する、請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の窒化物系半導体素子。
  5. 【請求項5】基板上に形成され、7×108cm-2以上
    の密度の刃状転位と、合計5×108cm-2以下の密度
    のらせん転位および混合転位とを有する第1窒化物系半
    導体層と、 前記第1窒化物系半導体層上に形成され、5×107
    -2以下の密度の刃状転位を有する第2窒化物系半導体
    層と、 前記第2窒化物系半導体層上に形成され、素子領域を有
    する窒化物系半導体素子層とを備えた、窒化物系半導体
    素子。
  6. 【請求項6】前記基板と前記第1窒化物系半導体層との
    間に形成されたバッファ層をさらに備える、請求項1〜
    5のいずれか1項に記載の窒化物系半導体素子。
  7. 【請求項7】前記基板は、サファイア基板、スピネル基
    板、Si基板、SiC基板、GaAs基板、GaP基
    板、InP基板および水晶基板からなるグループより選
    択される1つの基板を含む、請求項1〜6のいずれか1
    項に記載の窒化物系半導体素子。
  8. 【請求項8】基板上に、7×108cm-2以上の密度の
    刃状転位と、合計5×108cm-2以下の密度のらせん
    転位および混合転位とを有する第1窒化物系半導体層を
    形成する工程と、 前記第1窒化物系半導体層上にマスク層を形成する工程
    と、 前記マスク層をマスクとして、前記第1窒化物系半導体
    層上および前記マスク層上に第2窒化物系半導体層を成
    長させる工程とを備えた、窒化物系半導体の形成方法。
  9. 【請求項9】基板上に、7×108cm-2以上の密度の
    刃状転位と、合計5×108cm-2以下の密度のらせん
    転位および混合転位とを有する第1窒化物系半導体層を
    形成する工程と、 前記第1窒化物系半導体層をエッチングすることによっ
    て、前記第1窒化物系半導体層の表面に凹凸形状を形成
    する工程と、 前記第1窒化物系半導体層上に、第2窒化物系半導体層
    を成長させる工程とを備えた、窒化物系半導体の形成方
    法。
  10. 【請求項10】基板上に、7×108cm-2以上の密度
    の刃状転位と、合計5×108cm-2以下の密度のらせ
    ん転位および混合転位とを有する第1窒化物系半導体層
    を形成する工程と、 前記第1窒化物系半導体層および前記基板をエッチング
    することによって、前記第1窒化物系半導体層から前記
    基板に達する凹凸形状を形成する工程と、 前記基板上および前記第1窒化物系半導体層上に、第2
    窒化物系半導体層を成長させる工程とを備えた、窒化物
    系半導体の形成方法。
  11. 【請求項11】前記凹凸形状を形成する工程は、前記第
    1窒化物系半導体層上に形成したマスク層を用いてエッ
    チングすることによって、凹凸形状を形成する工程を含
    み、 第2窒化物系半導体層を成長させる工程は、前記凹凸形
    状の凸部の上面に前記マスク層を残した状態で、前記第
    2窒化物系半導体層を成長させる工程を含む、請求項9
    または10に記載の窒化物系半導体の形成方法。
  12. 【請求項12】前記第2窒化物系半導体層は、5×10
    7cm-2以下の密度の刃状転位を有する、請求項8〜1
    1のいずれか1項に記載の窒化物系半導体の形成方法。
  13. 【請求項13】基板上に、7×108cm-2以上の密度
    の刃状転位と、合計5×108cm-2以下の密度のらせ
    ん転位および混合転位とを有する第1窒化物系半導体層
    を形成する工程と、 前記第1窒化物系半導体層上に、5×107cm-2以下
    の密度の刃状転位を有する第2窒化物系半導体層を成長
    させる工程とを備えた、窒化物系半導体の形成方法。
  14. 【請求項14】前記第1窒化物系半導体層を形成する工
    程は、 前記基板上にバッファ層を介して前記第1窒化物系半導
    体層を形成する工程を含む、請求項8〜13のいずれか
    1項に記載の窒化物系半導体の形成方法。
  15. 【請求項15】前記基板は、サファイア基板、スピネル
    基板、Si基板、SiC基板、GaAs基板、GaP基
    板、InP基板および水晶基板からなるグループより選
    択される1つの基板を含む、請求項8〜14のいずれか
    1項に記載の窒化物系半導体の形成方法。
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