JP2008156395A - スメクタイトの造粒体およびオレフィン重合用触媒 - Google Patents

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【課題】大きな粒径、球形の粒子形状、充分な粒子強度の3つを従来無かったような高いバランスで同時に実現させたスメクタイト粒子、これを触媒成分として用いたオレフィン重合用触媒の提供。
【解決手段】下記(i)平均粒径が46μm以上1000μm以下、(ii)粒径が平均粒径の1/5以下である粒子の割合が10wt%以下、(iii)粒子の球状指数[D(M)/D(L)]の値が0.8以上である粒子の数の割合が50%以上、(iv)粒子の圧壊強度が5MPa以上100MPa以下の条件を満たすことを特徴とするスメクタイトの造粒体およびそれを用いたオレフィン重合用触媒。
【選択図】なし

Description

本発明は、スメクタイトの造粒体およびオレフィン重合用触媒に関し、詳しくは、粒径が大きく球状であり粒子強度が強く、優れた構造のスメクタイトの造粒体およびそれを重合用触媒成分として用いることで優れた助触媒兼担体となるオレフィン重合用触媒に関する。
粘土又は粘土鉱物をオレフィン重合用触媒成分として利用した触媒の存在下に、オレフィンを重合してオレフィン重合体を製造することは公知である(例えば、特許文献1〜2参照。)。また、酸処理や塩類処理を行ったイオン交換性層状化合物を成分として含むオレフィン重合用触媒も知られている(例えば、特許文献3〜9参照。)。
また、これらのイオン交換性層状化合物のスメクタイトは、助触媒としてのみならず、担体としても作用するためその粒子構造の制御は、生成するポリマーのパウダー粒子の形態に大きく影響し、これはポリマーの生産性を左右する重要な要素である。従来は、スメクタイトの粒子構造の制御方法として、酸処理、塩処理、アルカリ処理、等の化学処理が多く用いられてきた。しかし、これらの技術だけは、必ずしも良好な粒子構造を持つスメクタイトの粒子を製造できなかった。
近年、メタロセン触媒を用いて軟質材料を製造する技術が開発されてきている(例えば、特許文献10〜11参照。)。このような軟質なポリマーを製造するためには、重合パウダーの粒径、ひいては触媒の粒径がより大きいものがもとめられている。その理由は、軟質材料は重合温度においては表面にべたつき成分がブリードアウトしやすくなり、パウダー粒子同士が凝集しやすくなるが、パウダーの粒径を大きくすると重量あたりの表面積が小さくなるため、表面での粒子同士の凝集が起こりにくくなるためである。
また、一方では触媒粒子の形として球状粒子が求められている。その理由は、オレフィン重合触媒のような消費型触媒においては、触媒粒子の形がパウダー粒子の形とほぼ同様であり(いわゆるレプリカ効果)、球形のパウダーの方がかさ密度が大きく生産性にすぐれるとともに、パウダーの流動性、流れ性に優れ、プラントでのパウダーの気力輸送や重力落下移送が容易に行えるためである。
さらに、触媒の担体としては高い粒子強度が求められている。その理由は、粒子強度が強い場合は重合槽内での撹拌や流動中、粒子が擦れたり壁に当たったりしても、粒子が壊れて微粉状のパウダーが発生したり異形のパウダーが生成したりする問題が無くなるためである。例えば、スメクタイトを化学処理していない状態で噴霧造粒することで粒子強度の高い球状粒子の製造法が開示されている(例えば、特許文献12参照。)。しかしながら、大きな粒径、例えば46μm以上の平均粒径を持つ粒子は製造できておらず(例えば、特許文献15参照。)、このような大粒径粒子を製造するには特許文献12の比較例のように酸処理してから造粒する手法を用いるしか無かった。しかし、この比較例の手法では粒子強度が低い粒子しか製造出来ていない。この理由は、酸処理したあとで造粒しているためと考えられる。本発明者らの検討によれば高い粒子強度を示す粒子を造粒で製造するには、造粒前のスメクタイトには膨潤性を持たせる必要があることがわかりつつある。膨潤したスメクタイト粒子が隣接粒子と接触している状態で急速に乾燥されるとお互いが強い力で結合されるものと考えられる。しかしながら、特許文献12の比較例のように造粒前に酸処理してしまうと膨潤性が失われ、これによって弱い粒子強度の造粒体しか得られないと思われる。
特許文献14においては一旦造粒した後で酸処理を実施し、その後さらに造粒することで大粒径粒子を製造する方法が開示されている。しかしこの方法においても上記と同様に粒子強度が弱く圧壊強度で5MPa以下のものしか製造できていない。また、球状でかつ大粒径の粒子の製造法が開示されている(例えば、特許文献13参照。)。しかしながら、特許文献13においては、粒子の強度が全く不十分であり、無理矢理高い粒子強度を得るために300℃という高温で焼成する技術が開示されているが(実施例2)、高温焼成することで重合活性が低下するという問題については解決策が提示されていない。さらに特許文献13は、プロピレン重合用触媒成分として優れているモンモリロナイトについての大粒径化技術に関しては未完成であり、例えば、比較例2のように無理矢理大粒径化しようと、噴霧造粒時のスラリー濃度を高くすると粒径は大きいものの球形粒子が得られず、逆に比較例3のように球形粒子を得るため噴霧造粒時のスラリー濃度を低くすると小さな粒径のものしか得られていなかった。
このように従来の技術だけでは、大きな粒径、球形の粒子形状、充分な粒子強度の3つを同時に実現させたスメクタイト粒子は製造できなかった。特に近年要求が高まってきている軟質材料(例えば、EPR含量の高いブロック共重合体など)を粒子凝集無く安定的に重合できる技術については全く無かった。
特開平5−295022号公報 特開平5−301917号公報 特開平7−228621号公報 特開平7−309906号公報 特開平7−309907号公報 特開平7−228621号公報 特開平8−127613号公報 特開平10−168109号公報 特開平10−168110号公報 特開2005−132979号公報 特開2005−314621号公報 特開2000−1310号公報 特開平9−328311号公報 特開2005−335981号公報 特開2006−316160号公報
本発明は、かかる従来技術の状況において、助触媒兼担体であるスメクタイトの構造、大きさを制御することにより、従来では粒子凝集のため製造できなかったような軟質材料さえも良好な粒子性状のポリマー粒子として製造できるオレフィン重合用触媒を提供するものである。具体的には、大きな粒径、球形の粒子形状、充分な粒子強度の3つを従来無かったような高いバランスで同時に実現させたスメクタイト粒子を提供し、これを触媒成分として用いたオレフィン重合用触媒を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、理想的なオレフィン重合触媒成分について鋭意検討した結果、大きな粒径、球形の粒子形状、充分な粒子強度、を与えるスメクタイト粒子がこれに適しているという知見に到達し本発明を見出し、また、このようなスメクタイト粒子の製造方法についても見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記(i)〜(iv)の条件を満たすことを特徴とするスメクタイトの造粒体が提供される。
(i)平均粒径が46μm以上1000μm以下であること
(ii)粒径が平均粒径の1/5以下である粒子の割合が10wt%以下であること
(iii)粒子の球状指数[D(M)/D(L)]の値が0.8以上である粒子の数の割合が50%以上であること
(iv)粒子の圧壊強度が5MPa以上100MPa以下であること
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、スメクタイトがモンモリロナイトであることを特徴とするスメクタイトの造粒体が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、スメクタイトの7wt%以上のスラリー濃度のスラリーを噴霧乾燥造粒することにより得られることを特徴とするスメクタイトの造粒体が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3の発明において、スメクタイトの造粒後に化学処理を実施することを特徴とするスメクタイトの造粒体が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第4の発明において、化学処理が酸処理であることを特徴とするスメクタイトの造粒体が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、下記成分[A]、成分[B]をオレフィンと接触させてなることを特徴とするオレフィン重合用触媒が提供される。
成分[A]:第1〜5のいずれかの発明のスメクタイトの造粒体
成分[B]:周期律表第3〜12族の遷移金属化合物
また、本発明の第7の発明によれば、下記成分[A]、成分[B]、成分[C]をオレフィンと接触させてなることを特徴とするオレフィン重合用触媒が提供される。
成分[A]:第1〜5のいずれかの発明のスメクタイトの造粒体
成分[B]:周期律表第3〜12族の遷移金属化合物
成分[C]:有機アルミニウム化合物
本発明の平均粒径が46μm以上であり微小粒子の含有率が少ないスメクタイトの造粒体をオレフィン重合用触媒成分に用いると、生成するポリマーパウダーのべたつきが抑制されるとともにポリマーパウダーの流れ性、かさ密度が向上し、また微粉ポリマーの発生を抑制できる。また、これに加えてスメクタイト粒子の形状が球状であるほど生成ポリマーパウダーのかさ密度や流動性が向上する。さらに、スメクタイト粒子の強度が圧壊強度で5MPa以上であると、重合時のパウダーの破壊による割れ、微粉発生が抑制されるとともに、高活性触媒の担体として用いた場合において、急激な粒子成長によるパウダー粒子の変形、割れ、微粉発生についても避けることが可能となった。
また、本発明の重要なことは、そのような条件を兼ね備えるスメクタイト粒子の製造法にも到達したことである。例えば、スメクタイトを粒子化するときに7wt%以上のスラリー濃度のスラリーを噴霧乾燥造粒する手法により、大粒径のスメクタイト粒子の製造可能となり、さらに造粒前においては化学処理を施さず、造粒後に化学処理を実施することで高い粒子強度のスメクタイト粒子を得ることができるようになった。従来は、補助的に添加するマイカなどスメクタイト以外の成分を添加しない限り、化学処理を施さないスメクタイトを高濃度のスラリーにすることが出来ず、結果として大粒径粒子の製造が不可能であったが、本発明においては基本粒子の大きさが小さいスメクタイトを用いることで低粘度でありながら高濃度であるスラリーを製造することができこれの噴霧造粒によって球状大粒径粒子を製造することに成功した。
本発明は、スメクタイトの造粒体およびそれを用いたオレフィン重合用触媒である。以下、本発明を詳細に説明する。
1.スメクタイトの造粒体
(1)スメクタイト
本発明のスメクタイトとは、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとるイオン交換性層状ケイ酸塩化合物の一種であり、天然産のものに限らず、人工合成物であってもよい。
具体例としては、例えば、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)等に記載されているように、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等が挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。好ましくは、主成分がモンモリロナイトであるものがよい。
本発明のスメクタイトの層間カチオン(イオン交換性層状ケイ酸塩の層間に含有される陽イオン)の種類としては、特に限定されないが、主成分として、リチウム、ナトリウム等の周期律表第1族のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等の周期律表第2族のアルカリ土類金属、あるいは鉄、コバルト、銅、ニッケル、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、イリジウム、白金、金等の遷移金属などが、工業原料として比較的容易に入手可能である点で好ましい。
本発明のスメクタイトの造粒体は、スメクタイトの基本粒子を造粒して得られるが、スメクタイトの基本粒子の粒径は、5μm以下が好ましい。さらに好ましくは2μm以下、特に好ましくは1μm以下、いっそう好ましくは0.5μm以下、きわめて好ましくは0.3μm以下である。
また、スメクタイトの基本粒子の平均比端面積は、10m/g以上であることが好ましい。さらに好ましくは20m/g以上、特に好ましくは30m/g以上、いっそう好ましくは50m/g以上である。
スメクタイトの基本粒子の平均比端面積とは、薄いシート状であるスメクタイトの表面積のうち端面(シートを水平な基盤に載せた場合に上下になる面以外の部分であり、シートの外周部に相当する部分)の部分の面積をスメクタイト1gあたりで表したものである。
上記のスメクタイトの基本粒子の粒径や平均比端面積の値は、スメクタイトを水膨潤などの方法で基本粒子の単位まで解きほぐし、これをAFMやTEMなどで観察することで得られる。上記の粒径や平均比端面積の値が好ましい範囲外であると造粒前に製造するスラリーの濃度が高くできない(濃度を高くすると造粒出来ないほど粘度が増大する)という問題が生じる。また得られるオレフィン重合用触媒の活性が高くならないという欠点も生じる。
(2)造粒
本発明のスメクタイトは、造粒されていることを特徴とする。造粒方法としては、特に制限されないが、好ましい造粒手法としては撹拌造粒法、噴霧造粒法、転動造粒法、ブリケッティング、コンパクティング、押出造粒法、流動層造粒法、乳化造粒法、液中造粒法、圧縮成型造粒法等が挙げられる。特に好ましくは、噴霧乾燥造粒や噴霧冷却造粒、流動層造粒、噴流層造粒、液中造粒、乳化造粒等が挙げられ、特に好ましくは噴霧乾燥造粒や噴霧冷却造粒が挙げられる。
噴霧造粒を行う場合、原料スラリーの分散媒として、水あるいはメタノール、エタノール、クロロホルム、塩化メチレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の有機溶媒を用いる。好ましくは水を分散媒として用いる。球状粒子が得られる噴霧造粒の原料スラリー液中における成分スメクタイトの濃度は、0.1〜70wt%、好ましくは5〜50wt%、特に好ましくは7〜45wt%、非常に好ましくは10〜40wt%である。上記濃度の上限を超えると球状粒子が得られず、また上記濃度の下限を下回ると造粒体の平均粒径が小さくなりすぎる。球状粒子が得られる噴霧造粒の熱風の入口の温度は、分散媒により異なるが、水を例にとると、80〜260℃、好ましくは100〜220℃で行う。
また、造粒の際に有機物、無機溶媒、無機塩、各種バインダーを用いてもよい。用いられるバインダーとしては、例えば砂糖、デキストローズ、コーンシロップ、ゼラチン、グルー、カルボキシメチルセルロース類、ポリビニルアルコール、水ガラス、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、アルコール類、グリコール、澱粉、カゼイン、ラテックス、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、タール、ピッチ、アルミナゾル、シリカゲル、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。
造粒前のイオン交換性層状ケイ酸塩の形状については、特に制限はなく、天然に産出する形状、人工的に合成した時点の形状でもよいし、また、粉砕、造粒、分級などの操作によって形状を加工したイオン交換性層状ケイ酸塩を用いてもよい。しかし酸処理、塩処理などの化学処理を施さない方が好ましい。これらの処理を施すと造粒体の圧壊強度が低下するという悪影響が生じる。また造粒前にはスメクタイトが膨潤性である方が好ましい。膨潤性は、水を加えたときの層間距離が変化するかどうかで判定できる。なお好ましくない造粒前の化学処理には、スメクタイトの精製のために固体状で行う塩処理は含まない。
(3)粉砕
本発明のスメクタイトは、造粒する前に粉砕してもよく、かつ好ましい。粉砕手法としては特に制限は無いが、スメクタイトの基本粒子が小さくなる手法であることが必要である。具体的な粉砕機としては、ジョークラッシャー、ジャイレトリークラッシャー、ロールクラッシャー、エッジランナー、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミル等が上げられる。好ましいのはボールミル、ジェットミルであり、ジェットミルが特に好ましい。また乾式粉砕、湿式粉砕のいずれでもよい。
粉砕してから造粒すると、触媒担体となるスメクタイトの造粒体の粒子構造が、オレフィン重合用触媒担体として適した構造となる。具体的には触媒の形状が真球に近くなり、これによって真球に近いパウダー粒子が得られ、パウダーの嵩密度が向上するとともに、パウダーの流動性が良くなる。
また造粒前に粉砕を実施すると、スメクタイトを水スラリーにした場合、スラリーの粘度を低減させることが出来るという利点がある。スラリー粘度が低いということは同じ粘度にするためには、スメクタイトの濃度を濃くすることができるということを意味し、これによって造粒の生産性が向上するとともに、より大粒径のスメクタイトの造粒体を得ることが出来るようになる。
(4)スメクタイトの化学処理
本発明のスメクタイトは、造粒時においては化学処理を施していないことが好ましい。一方造粒後には化学処理を行なうことが望ましい。
スメクタイトの化学処理とは、酸類、塩類、アルカリ類、酸化剤、還元剤、あるいはスメクタイトの層間にインターカレーションし得る化合物などを含有する処理剤とイオン交換性層状ケイ酸塩とを接触させることをいう。インターカレーションとは、層状物質の層間に別の物質を導入することをいい、導入される物質をゲスト化合物という。これらの処理の中では、酸処理又は塩類処理が特に好ましい。
化学処理による共通の影響として、層間陽イオンの交換を行うことが挙げられるが、それ以外に各種化学処理は次のような種々の効果がある。例えば、酸類による酸処理によれば、ケイ酸塩表面の不純物が取り除かれる他、結晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させることができる。これは、ケイ酸塩の酸強度を増大させ、また単位重量当たりの酸点量を増大させることに寄与する。
アルカリ類によるアルカリ処理では、粘土鉱物の結晶構造が破壊され、粘土鉱物の構造の変化をもたらす。またインターカレーションや塩類処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離を変えることができる。イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと置換することにより、層間が拡大した状態の層状物質を得ることもできる。すなわち、嵩高いイオンが層状構造を支える支柱的な役割を担っており、ピラーと呼ばれる。
以下に、処理剤の具体例を示す。なお、本発明では、以下の酸類、塩類、アルカリ類、酸化剤、還元剤、及びイオン交換性層状ケイ酸塩の層間にインターカレーションし得る化合物からなる群から選ばれる2種以上を組み合わせたものを処理剤として用いてもよい。また、これら酸類、塩類、アルカリ類、酸化剤、還元剤、及びイオン交換性層状ケイ酸塩の層間にインターカレーションし得る化合物は、それぞれが2種以上の組み合わせであってもよい。これらの中では、特に塩類処理と酸処理の組合せが好ましい。
(a)酸類
酸処理は、表面の不純物を除く、あるいは層間に存在する陽イオンの交換を行うほか、結晶構造の中に取り込まれているAl、Fe、Mg等の陽イオンの一部又は全部を溶出させることができる。酸処理で用いられる酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、安息香酸、ステアリン酸、プロピオン酸、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、などが挙げられる。中でも無機酸が好ましい。
(b)塩類
塩類としては、有機陽イオン、無機陽イオン、金属イオンからなる群から選ばれる陽イオンと、有機陰イオン、無機陰イオン、ハロゲン化物イオンからなる群から選ばれる陰イオンとから構成される塩類が例示される。例えば、周期律表第1〜14族から選択される少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲンの陰イオン、無機ブレンステッド酸及び有機ブレンステッド酸の陰イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の陰イオンとから構成される化合物が好ましい例として挙げられる。特に好ましくは、アニオンが無機ブレンステッド酸やハロゲンからなる化合物である。
このような塩類の具体例としては、LiCl、LiBr、LiSO、Li(PO)、LiNO、Li(OOCCH)、NaCl、NaBr、NaSO、Na(PO)、NaNO、Na(OOCCH)、KCl、KBr、KSO、K(PO)、KNO、K(OOCCH)、CaCl、CaSO、Ca(NO、Ca(C、Sc(OOCCH、Sc(CO、Sc(C、Sc(NO、Sc(SO、ScF、ScCl、ScBr、ScI、Y(OOCCH、Y(CHCOCHCOCH、Y(CO、Y(C、Y(NO、Y(ClO、YPO、Y(SO、YF、YCl、La(OOCH、La(CHCOCHCOCH、La(CO、La(NO、La(ClO、La(C、LaPO、La(SO、LaF、LaCl、LaBr、LaI等、
Sm(OOCCH、Sm(CHCOCHCOCH、Sm(CO、Sm(NO、Sm(ClO、Sm(C、SmPO、Sm(SO、SmF、SmCl、SmBr、SmI、 Yb(OOCCH、Yb(NO、Yb(ClO、Yb(C、Yb(SO、YbF、YbCl、Ti(OOCCH、Ti(CO、Ti(NO、Ti(SO、TiF、TiCl、TiBr、TiI、Zr(OOCCH、Zr(CO、Zr(NO、Zr(SO、ZrF、ZrCl、ZrBr、ZrI、ZrOCl、ZrO(NO、ZrO(ClO、ZrO(SO)、Hf(OOCCH、Hf(CO、Hf(NO、Hf(SO、HfOCl、HfF、HfCl、HfBr、HfI、V(CHCOCHCOCH、VOSO、VOCl、VCl、VCl、VBr、Nb(CHCOCHCOCH、Nb(CO、Nb(NO、Nb(SO、ZrF、ZrCl、NbBr、NbI、Ta(OOCCH、Ta(CO、Ta(NO、Ta(SO、TaF、TaCl、TaBr、TaI等、
Cr(OOCHOH、Cr(CHCOCHCOCH、Cr(NO、Cr(ClO、CrPO、Cr(SO、CrOCl、CrF、CrCl、CrBr、CrI、MoOCl、MoCl、MoCl、MoCl、MoF、MoI、WCl、WCl、WF、WBr、Mn(OOCH、Mn(CHCOCHCOCH、MnCO、Mn(NO、MnO、Mn(ClO、MnF、MnCl、MnBr、MnI、Fe(OOCH、Fe(CHCOCHCOCH、FeCO、Fe(NO、Fe(ClO、FePO、FeSO、Fe(SO、FeF、FeCl、MnBr、FeI、FeC、Co(OOCH、Co(CHCOCHCOCH、CoCO、Co(NO、CoC、Co(ClO、Co(PO、CoSO、CoF、CoCl、CoBr、CoI、NiCO、Ni(NO、NiC、Ni(ClO、NiSO、NiCl、NiBr等、
CuCl、CuBr、Cu(NO、CuC、Cu(ClO、CuSO、Cu(OOCCH、Zn(OOCH、Zn(CHCOCHCOCH、ZnCO、Zn(NO、Zn(ClO、Zn(PO、ZnSO、ZnF、ZnCl、ZnBr、ZnI、AlF、AlCl、AlBr、AlI、Al(SO、Al(C、Al(CHCOCHCOCH、Al(NO、AlPO、GeCl、Sn(OOCCH、Sn(SO、SnF、SnCl等が挙げられる。
有機陽イオンの例としては、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、ドデシルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウム、N,N−2,4,5−ペンタメチルアニリニウム、N,N−ジメチルオクタデシルアンモニウム、オクタドデシルアンモニウム、N,N−2,4,5−ペンタメチルアニリニウム、N,N−ジメチル−p−n−ブチルアニリニウム、N,N−ジメチル−p−トリメチルシリルアニリニウム、N,N−ジメチル−1−ナフチルアニリニウム、N,N,2−トリメチルアニリニウム、2,6−ジメチルアニリニウム等のアンモニウム化合物やピリジニウム、キノリニウム、N−メチルピペリジニウム、2,6−ジメチルピリジニウム、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニウム等の含窒素芳香族化合物、ジメチルオキソニウム、ジエチルオキソニウム、ジフェニルオキソニウム、フラニウム、オキソラニウム等のオキソニウム化合物、トリフェニルホスホニウム、トリ−o−トリルホスホニウム、トリ−p−トリルホスホニウム、トリメシチルホスホニウム等のホスホニウム化合物やホスファベンゾニウム、ホスファナフタレニウム等の含リン芳香族化合物が例示されるが、これらに限定されるものではない。
陰イオンの例としては、上に例示した陰イオン以外にも、ホウ素化合物、リン化合物からなる陰イオン、例えばヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレートなどが例示されるが、これらに限定されるものではない。
またこれらの塩類は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。さらに酸類、アルカリ類、酸化剤、還元剤、イオン交換性層状ケイ酸塩の層間にインターカレーションする化合物等と組み合わせて用いてもよい。これらの組み合わせは処理開始時に添加する処理剤について組み合わせて用いてもよいし、処理の途中で添加する処理剤について組み合わせて用いてもよい。
(c)アルカリ類
アルカリ処理で用いられる処理剤としては、LiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)、Ca(OH)、Sr(OH)、Ba(OH)などが例示される。なお、アルカリ処理によるイオン交換性層状ケイ酸塩の酸点の損失が考えられるので、アルカリ処理による粘土鉱物の構造変化を達成した後、酸処理することが好ましい。あるいは、アルカリ処理を施した後であっても、酸点の強度と量が前述の範囲を満たすものであれば、本発明の効果を何ら損なうものではない。これらの中でも、LiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)が好ましい。
(d)酸化剤
酸化剤としては、HMnO、NaMnO、KMnOなどの過マンガン酸類、HNO、N、N、NO、Cu(NO、Pb(NO、AgNO、KNO、NHNOなどの硝酸化合物、F、Cl、Br、Iなどのハロゲン、H、Na、BaO、(CCO)、K、KSO、HCOH、CHCOH、CCOH、C(COOH)COH、CFCOHなどの過酸化物、KIO、KClO、KBrO、KClO、KBrO、KIO、HIO、Na、KIOなどの酸素酸類、CeO、AgO、CuO、HgO、PbO、Bi、OsO、RuO、SeO、MnO、Asなどの酸化物、酸素、オゾンなどの酸素類、熱濃硫酸、発煙硫酸と濃硝酸の混合物、ニトロベンゼン、ヨードソ化合物などが挙げられる。
(e)還元剤
還元剤としては、H、HI、HS、LiAlH、NaBHなどの水素及び水素化合物、SO、NaSなどのイオウ化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期律表第3〜10族遷移金属などの金属又はその合金、Fe(II)、Sn(II)、Ti(II)、Cr(II)などの低原子価状態にある金属の塩類、COなどが例示される。
(f)インターカレーション用化合物
イオン交換性層状ケイ酸塩の層間にインターカレーションするために用いられるゲスト化合物としては、TiCl、ZrCl等の陽イオン性無機化合物、Ti(OR)、Zr(OR)、PO(OR)、B(OR)[Rはアルキル基、アリール基など]等の金属アルコラート、[Al13(OH)247+、[Zr(OH)142+、[FeO(OCOCH等の金属水酸化物イオン、エチレングリコール、グリセロール、尿素、ヒドラジン等の有機化合物、アルキルアンモニウムイオン等の有機陽イオンなどが挙げられる。
これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)、Al(OR)、Ge(OR)等の金属アルコラート等を加水分解して得た重合物、SiO等のコロイド状無機化合物等を共存させることもできる。また、ピラーの例としては、上記水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物等が挙げられる。ゲスト化合物の使用法としては、そのまま用いてもよいし、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後用いてもよい。また、単独で用いても、上記固体の2種以上を混合して用いてもよい。
上述した各種処理剤は、適当な溶剤に溶解させて処理剤溶液として用いてもよいし、処理剤自身を溶媒として用いてもよい。使用できる溶剤としては、水、アルコール類、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エステル類、エーテル類、ケトン類、アルデヒド類、フラン類、アミン類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、二硫化炭素、ニトロベンゼン、ピリジン類やこれらのハロゲン化物などが挙げられる。また、処理剤溶液中の処理剤濃度は0.1〜100wt%程度が好ましく、より好ましくは5〜50wt%程度である。処理剤濃度がこの範囲内であれば処理に要する時間が短くなり効率的に生産が可能になるという利点がある。
(5)化学処理工程
処理条件は、特には制限されないが、通常、処理温度は室温〜処理剤溶液の沸点、処理時間は5分〜24時間の条件を選択し、イオン交換性層状ケイ酸塩を構成している物質の少なくとも一部が除去又は交換される条件で行うことが好ましい。また、化学処理工程におけるイオン交換性層状ケイ酸塩と処理剤との比率は特に限定されないが、好ましくはイオン交換性層状ケイ酸塩[g]:処理剤[mol]=1:0.001〜1:0.1程度である。
上記化学処理を実施した後に過剰の処理剤及び処理により溶出したイオンの除去をすることが可能であり、好ましい。この際、一般的には、水や有機溶媒などの液体を使用する。脱水後は乾燥を行うが、一般的には、乾燥温度は100〜800℃、好ましくは150〜600℃で実施可能である。800℃を超えるとケイ酸塩の構造破壊を生じるおそれがあるので好ましくない。
これらのイオン交換性層状ケイ酸塩は、構造破壊されなくとも乾燥温度により特性が変化するために、用途に応じて乾燥温度を変えることが好ましい。乾燥時間は、通常1分〜24時間、好ましくは5分〜4時間であり、雰囲気は乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、又は減圧下であることが好ましい。乾燥方法に関しては特に限定されず各種方法で実施可能である。
ケイ酸塩にはゲスト化合物、ピラーなどの形で各種の金属が含まれているが、化学処理後の状態でアルミニウムを含むものが好ましく、Al/Siの原子比として、0.05〜0.4、好ましくは0.05〜0.25のもの、さらには0.07〜0.23の範囲のものがよい。Al/Si原子比は粘土部分の酸処理の指標となるものとみられる。
造粒は化学処理の前に行うことが好ましい。すなわち、あらかじめ形状を加工したイオン交換性層状ケイ酸塩に上記化学処理を行うことが好ましい。その理由は化学処理ではスメクタイトの膨潤性が失われることが多いが、膨潤性が小さい状態で造粒すると、充分な粒子強度を持つ造粒体が得られないためである。この原因については必ずしも明確ではないが、本発明者らの検討によれば膨潤したスメクタイト粒子が隣接粒子と接触している状態で急速に乾燥されると急速に膨潤状態が解消して粘土の層間が急激に縮まるためお互いが強い力で結合されるものと考えられる。一方、膨潤性が高い状態で一度造粒体にしておけば、その後化学処理を施しても粒子同士の結合状態はあまり変化せず粒子強度は低下しない。
(6)スメクタイトの造粒体の特性
本発明のスメクタイトの造粒体は、次の(i)〜(iv)の条件を満たすものである。
(i)平均粒径
本発明におけるスメクタイトの造粒体の平均粒径は、46μm以上1000μm以下であり、好ましい下限は50μm、さらに好ましくは52μmである。また、好ましい上限は500μm、さらに好ましい上限は300μmである。平均粒径が下限以下であると粒子の流動性が悪く静電気付着しやすくなるとともに、パウダーのべたつきが生じる。上限を超えても流動性が悪くなる。
ここで、本発明における平均粒径は、市販のレーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置、例えば堀場製作所社製LA−920等を用いて測定したメジアン径の値である。
(ii)粒径が、平均粒径の1/5以下である粒子の割合
本発明のスメクタイトの造粒体においては、粒径が平均粒径の1/5以下である粒子の割合は、10wt%以下であり、好ましくは5wt%以下、さらに好ましくは3wt%以下である。粒径が、平均粒径の1/5以下である粒子の割合が上限以上に増加すると重合中に付着や配管閉塞が生じるという問題が発生する。
これら平均粒径、平均粒径の1/5以下である粒子の割合の制御には、造粒時の条件設定で調節する方法が好ましい。また造粒後にサイクロン等で分級することによって微少粒子や巨大粒子を除去することも可能である。
ここで、この判定に用いる粒径は、上記平均粒径と同様にレーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置を用いる。測定における分散媒としてはエタノール等のスメクタイトが膨潤しないものが好ましい。
(iii)粒子の球状指数
本発明のスメクタイトの造粒体の球状指数[(D(M)/D(L)]の値が0.8以上である粒子の割合が個数で50%以上であり、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上である。ここで、D(M)とは、粒子の最大径の値を、D(L)とは粒子の最大径と直交する径のうち最長のものを示す。
なお、[(D(M)/D(L)]の値が0.8以上である粒子の割合が50%以上であるということは、粒子が球状であることを意味し、この割合が大きいほど球状粒子である度合いが大きい。すなわち、本発明のスメクタイトの造粒体は、球状であることを特徴とし、球状であるかどうかの判定は[(D(M)/D(L)]の値が0.8以上である粒子の数の割合で判断し、この割合が大きいほど球状粒子である度合いが大きい。
ここで、[(D(M)/D(L)]の値の測定方法は、顕微鏡観察写真から求める。これをコンピュータ画像化して画像処理をして求めても良い。球状粒子であるかどうかの判断には50個以上の粒子の[(D(M)/D(L)]の値を判定する。同一視野に50個以上の粒子が写っていることが望ましいが、粒子の粒径や分散性によりそれが難しい場合は同一条件で数枚の視野の写真を撮影し、50個以上の粒子を評価する。なお、割れた粒子、微粉状の粒子は好ましいものでないため、この判別においては、その影響を除くため、平均粒径の1/5以下の粒子径しか有しない粒子は計算に含めない。平均粒径の1/5以下であるかどうかの判定を行う場合の粒子径は、顕微鏡観察写真から求めたMとLの平均から算出する。顕微鏡は光学顕微鏡、電子顕微鏡、蛍光顕微鏡等、粒子の形が判別できるものであれば特に制限はない。
(iv)粒子の圧壊強度
本発明のスメクタイトの粒子の圧壊強度は、5MPa以上100MPa以下である。好ましい圧壊強度の下限は7MPa以上、さらに好ましくは10MPa以上、特に好ましくは13MPa以上、非常に好ましくは15MPa以上、きわめて好ましくは17MPa以上、著しく好ましくは20MPa以上である。下限以下であると粒子が重合中に壊れて微粉が発生する問題が生じる。また高活性な触媒にして急激に反応させた場合も同様である。上限は、好ましくは50MPa、さらに好ましくは40MPaである。上限を超えると重合中に粒子がレプリカ効果で成長せず、ひずみのあるパウダー粒子が生じたり、微粉が発生したり、初期活性が低下する問題が生じる。
ここで、圧壊強度は、市販の装置、例えば島津製作所(株)製 圧壊試験器「MCTM−500」を用いて、任意に選んだ10個以上の粒子の圧壊強度を測定し、その平均値を圧壊強度として採用する。
本発明のスメクタイトの造粒体は、大きな粒径、球形の粒子形状、充分な粒子強度、の3つを高いバランスで同時に実現させたスメクタイト粒子であるので、これらをオレフィン重合触媒成分として利用することで粒子性状が良好で高嵩密度のポリマーパウダーを得ることが出来、さらに高活性にポリマーを製造することができる。
2.オレフィン重合用触媒
(1)触媒成分
本発明の触媒は、下記成分[A]、成分[B]、及び必要に応じて、成分[C]をオレフィンと接触させてなることを特徴とするオレフィン重合用触媒である。
成分[A]:上記記載のスメクタイトの造粒体
成分[B]:周期律表第3〜12族の遷移金属化合物
成分[C]:有機アルミニウム化合物
成分[A]:
上述のスメクタイトの造粒体である。スメクタイト粒子は、重合工程での破砕や微粉発生を抑制する。
なお、スメクタイト粒子は、重合工程での破砕や微粉発生を抑制するためには、5MPa以上の圧縮破壊強度を有することが好ましい。好ましい圧壊強度の下限は7MPa以上、さらに好ましくは10MPa以上、特に好ましくは13MPa以上、非常に好ましくは15MPa以上、きわめて好ましくは17MPa以上、著しく好ましくは20MPa以上である。 また、粉砕後再度造粒されたスメクタイトの粒径は、46μm以上1000μm以下であり、好ましい下限は50μm、さらに好ましくは52μmである。また、好ましい上限は500μm、さらに好ましい上限は300μmである。平均粒径が下限以下であると粒子の流動性が悪く静電気付着しやすくなるとともに、パウダーのべたつきが生じる。上限を超えても流動性が悪くなる。
好ましい粒径の範囲は、重合プロセスに依存する。重合プロセスが気相法である場合、粒径が大きい方が付着や流動性が良くなり好ましい。
成分[B]:
本発明で使用する成分[B]は、周期律表第3〜12族の遷移金属化合物である。具体的には、第3〜10族の遷移金属ハロゲン化物、第3〜6族遷移金属のメタロセン化合物、第4族遷移金属のビスアミド又はビスアルコキシド化合物、第8〜10族遷移金属のビスイミド化合物、第3〜11族遷移金属のフェノキシイミン化合物が挙げられる。
これらの中でも第4族遷移金属のメタロセン化合物が好ましく、具体的には、下記一般式(I)〜(VI)で表される化合物が使用される。
(C5−a )(C5−b )MXY ・・・(I)
Q(C4−c )(C4−d )MXY ・・・(II)
Q’(C4−e )ZMXY ・・・(III)
(C5−f )ZMXY ・・・(IV)
(C5−f )MXYW ・・・(V)
Q”(C5−g )(C5−h )MXY ・・・(VI)
ここで、Qは二つの共役五員環配位子を架橋する結合性基を、Q’は共役五員環配位子とZ基を架橋する結合性基を、Q”はRとRを架橋する結合性基を、Mは周期律表第3〜12族遷移金属を、X、Y及びWはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜20のリン含有炭化水素基又は炭素数1〜20の珪素含有炭化水素基を、Zは酸素、イオウを含む配位子、炭素数1〜40の珪素含有炭化水素基、炭素数1〜40の窒素含有炭化水素基又は炭素数1〜40のリン含有炭化水素基を示す。Mは特にTi、Zr、Hf等の第4族遷移金属が好ましい。
〜Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、珪素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基又はホウ素含有炭化水素基を示す。また、隣接する2個のR、2個のR、2個のR、2個のR、又は2個のRが、それぞれ結合して炭素数4〜10個の環を形成していてもよい。a、b、c、d、e、及びfは、それぞれ0≦a≦5、0≦b≦5、0≦c≦4、0≦d≦4、0≦e≦4、0≦f≦5、0≦g≦5、0≦h≦5、を満足する整数である。
2個の共役五員環配位子の間を架橋する結合性基Q、共役五員環配位子とZ基とを架橋する結合性基Q’、及び、RとRを架橋するQ”は、具体的には下記のようなものが挙げられる。メチレン基、エチレン基のようなアルキレン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、フェニルメチリデン基、ジフェニルメチリデン基のようなアルキリデン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルエチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、メチル−t−ブチルシリレン基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン基のような珪素含有架橋基、ゲルマニウム含有架橋基、アルキルフォスフィン、アミン等である。これらのうち、アルキレン基、アルキリデン基、珪素含有架橋基、及びゲルマニウム含有架橋基が特に好ましく用いられる。
上述の一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)で表される具体的なZr錯体を下記に例示するが、ZrをHf又はTiに置き換えた化合物も同様に使用可能である。また、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)で示される成分[B]は、同一の一般式で示される化合物、又は異なる一般式で示される化合物の二種以上の混合物として用いることができる。
一般式(I)の化合物
ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4,5ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビスフルオレニルジルコニウムジクロリド、ビス(4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4H−アズレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド。
一般式(II)の化合物
ジメチルシリレンビス(1,1’−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチルインデニル)}エチレンビス{1,1’−(2−メチル−4,5ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1,1’−(2−メチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド。
一般式(III)の化合物
(第3級ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、(メチルアミド)−(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル−ジルコニウムジクロライド、(エチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−メチレンジルコニウムジクロライド、(第3級ブチルアミド)ジメチル−(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(フエニルホスフイド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル。
一般式(IV)の化合物
(シクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2,6−ジ−i−プロピルフェノキシ)ジルコニウムジクロリド。
一般式(V)の化合物
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリイソプロポキシド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリイソプロポキシド。
一般式(VI)の化合物
エチレンビス(7,7’−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−メチル−3−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[7,7’−{1−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−エチル−3−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−イソプロピル−3−(4−クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド。
なお、これらの具体例の化合物のシリレン基をゲルミレン基に置き換えた化合物も好適な化合物として例示される。
以上において記載した遷移金属化合物成分[B]の中で、本発明のプロピレン系重合体の製造に好ましいものは、炭化水素置換基を有するシリレン基、ゲルミレン基あるいはアルキレン基で架橋された置換シクロペンタジエニル基、置換インデニル基、置換フルオレニル基、置換アズレニル基を有する配位子からなる遷移金属化合物である。特に好ましくは、炭化水素置換基を有するシリレン基、あるいはゲルミレン基で架橋された遷移金属化合物である。また置換インデニル基、置換アズレニル基を持つものが好ましく、特に2位または4位、または2,4位に置換基を有する遷移金属化合物が好ましい。
さらにメタロセン化合物の特殊な例として、特開平7−188335号公報やJounal of American Chemical Society,1996、Vol.118,2291に開示されている5員環あるいは6員環に炭素以外の元素を一つ以上含む配位子を有する遷移金属化合物も使用可能である。
周期律表第4族のビスアミド化合物の好適な例としては、Macromolecules,Vol.29,5241(1996)やJounal of American Chemical Society,Vol.119,No.16,3830(1997)、Jounal of American Chemical Society,Vol.121,No.24,5798(1999)に開示されている窒素原子に嵩高い置換基を有した架橋型遷移金属化合物を挙げることができる。
また、周期律表第4族のビスアルコキシド化合物の好適な例としては、WO87/02370号明細書で開示されている周期律表第4族の遷移金属化合物で、好ましくは二つのアリーロキシ配位子が架橋基により結合し、さらに好ましくは、その架橋基が遷移金属に配位し得る架橋型遷移金属化合物を挙げることができる。
さらに周期律表第8〜10族遷移金属のビスイミド化合物は、Jounal of American Chemical Society,Vol.117,6414、WO96/23010号明細書やChemical Comunication 849頁,Jounal of American Chemical Society,Vol.120,4049、WO98/27124号明細書で開示されている窒素原子に嵩高い置換基を有した架橋型遷移金属ビスイミド化合物を好適な例として挙げることができる。
その他、周期律表第3〜10族遷移金属のフェノキシイミン化合物の好適な例としては、 特開平11−315109号公報で開示されている化合物を挙げることができる。
さらに、これらの成分[B]は、二種以上の混合物として用いることができ、また、先述した周期律表第3〜12族メタロセン化合物と組合せて複数種を併用することもできる。
成分[C]:
成分[C]としては、一般式(AlR3−nで表される有機アルミニウム化合物が使用される。式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表し、Xはハロゲン、水素、アルコキシ基又はアミノ基を表し、nは1〜3の、mは1〜2の整数を各々表す。有機アルミニウム化合物は、単独であるいは複数種を組み合わせて使用することができる。
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、m=1、n=3のトリアルキルアルミニウム及びアルキルアルミニウムヒドリドである。さらに好ましくは、Rが炭素数1〜8であるトリアルキルアルミニウムである。
(2)オレフィン重合用触媒の調製、予備重合
本発明のオレフィン重合用触媒は、成分[B]と成分[A]、及び必要に応じて、成分[C]を接触させて触媒とする。その接触方法は特に限定されないが、以下のような順序で接触させることができる。また、この接触は、触媒調製時だけでなく、オレフィンによる予備重合時またはオレフィンの重合時に行ってもよい。これらの接触において接触を充分に行うため溶媒を用いてもよい。溶媒としては脂肪族飽和炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族不飽和炭化水素やこれらのハロゲン化物、また予備重合モノマーなどが例示される。
(i)成分[B]と成分[A]を接触させる。
(ii)成分[B]と成分[A]を接触させた後に成分[C]を添加する。
(iii)成分[B]と成分[C]を接触させた後に成分[A]を添加する。
(iv)成分[A]と成分[C]を接触させた後に成分[B]を添加する。
(v)三成分を同時に接触させる。
好ましい接触方法は、成分[A]と成分[C]を接触させた後、未反応の成分[C]を洗浄等で除去し、その後再度必要最小限の成分[C]を成分[A]に接触させ、その後成分[B]を接触させる方法である。この場合のAl/遷移金属のモル比は0.1〜1,000、好ましくは2〜10、さらに好ましくは4〜6の範囲である。
成分[B]と成分[C]を接触させる(その場合成分[A]が存在していても良い)温度は、0℃から100℃が好ましく、さらに好ましくは20〜80℃、特に好ましくは30〜60℃である。この範囲より低い場合は反応が遅く、また高い場合は成分[B]の分解反応が進行するという欠点がある。
また成分[B]と成分[C]を接触させる(その場合成分[A]が存在していても良い)場合には、有機溶媒を溶媒として存在させることが好ましい。この場合の成分[B]の有機溶媒中での濃度は高い方が良く、好ましくは3mM、より好ましくは4mM、さらに好ましくは6mMである。
成分[A]1gにつき、遷移金属錯体0.001〜10ミリモル、好ましくは0.001〜1ミリモルの範囲である。
成分[A]は、酸点を持つことが好ましい。好ましい酸点の量の下限は成分[A]1gにつきpKa<−8.2以下の強酸点が30μモル、より好ましくは50μモル、さらに好ましくは100μモル、特に好ましくは150μモルである。酸点の量は、特開2000−158707号公報の記載に従い測定する。
これらは重合槽内で、あるいは重合槽外で接触させオレフィンの存在下で予備重合を行ってもよい。オレフィンとは炭素間二重結合を少なくとも1個含む炭化水素をいい、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチルブテン−1、スチレン、ジビニルベンゼン等が例示されるが、特に種類に制限はなく、これらと他のオレフィンとの混合物を用いてもよい。好ましくは炭素数3以上のオレフィンがよい。
本発明の触媒は、粒子性の改良のために、予めオレフィンを接触させて少量重合されることからなる予備重合処理に付すことが好ましい。使用するオレフィンは、特に限定はないが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレンなどを使用することが可能であり、特にプロピレンを使用することが好ましい。オレフィンの供給方法は、オレフィンを反応槽に定速的にあるいは定圧状態になるように維持する供給方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせるなど、任意の方法が可能である。
予備重合時間は、特に限定されないが、5分〜24時間の範囲であることが好ましい。また、予備重合量は、予備重合ポリマー量が成分[A]1部に対し、好ましくは0.01〜100、さらに好ましくは0.1〜50である。予備重合を終了した後に、触媒の使用形態に応じ、そのまま使用することが可能であるが、必要ならば乾燥を行ってもよい。
予備重合温度は、特に制限は無いが、0℃〜100℃が好ましく、より好ましくは10〜70℃、特に好ましくは20〜60℃、さらに好ましくは30〜50℃である。この範囲を下回ると反応速度が低下したり、活性化反応が進行しないという弊害が生じる可能性があり、上回ると予備重合ポリマーが溶解したり、予備重合速度が速すぎて粒子性状が悪化したり、副反応のため活性点が失活するという弊害が生じる可能性がある。
予備重合時には有機溶媒等の液体中で実施することも出来、かつこれが好ましい。予備重合時の固体触媒の濃度には特に制限は無いが、好ましくは50g/L以上、より好ましくは60g/L以上、特に好ましくは70g/L以上である。濃度が高い方がメタロセンの活性化が進行し、高活性触媒となる。
さらに、上記各成分の接触の際、もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの重合体やシリカ、チタニアなどの無機酸化物固体を共存させることも可能である。
予備重合後に触媒を乾燥してもよい。乾燥方法には特に制限は無いが、減圧乾燥や加熱乾燥、乾燥ガスを流通させることによる乾燥などが例示され、これらの方法を単独で用いても良いし2つ以上の方法を組み合わせて用いてもよい。乾燥工程において触媒を攪拌、振動、流動させてもよいし静置させてもよい。
(3)重合
前記成分[A]、成分[B]、及び必要に応じて用いられる成分[C]からなるオレフィン重合用触媒を用いておこなう重合は、オレフィン単独あるいは該オレフィンと他のコモノマーとを混合接触させることにより行われる。共重合の場合、反応系中の各モノマーの量比は、経時的に一定である必要はなく、各モノマーを一定の混合比で供給することも便利であるし、供給するモノマーの混合比を経時的に変化させることも可能である。また、共重合反応比を考慮してモノマーのいずれかを分割添加することもできる。
重合し得るオレフィンとしては、炭素数2〜20程度のものが好ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、スチレン、ジビニルベンゼン、7−メチル−1,7−オクタジエン、シクロペンテン、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。好ましくは炭素数2〜8のα−オレフィンである。共重合の場合、用いられるコモノマーの種類は、前記オレフィンとして挙げられるものの中から、主成分となるもの以外のオレフィンを選択して用いることができる。
重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式を採用しうる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として用いる方法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶媒を用いず各モノマーをガス状に保つ気相法などが採用できる。また、連続重合、回分式重合、又は予備重合を行う方法も適用される。
スラリー重合の場合は、重合溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族又は芳香族炭化水素の単独又は混合物が用いられる。重合温度は0〜150℃であり、また分子量調節剤として補助的に水素を用いることができる。重合圧力は0〜2000kg/cmG、好ましくは0〜60kg/cmGが適当である。
(4)重合体
本発明のオレフィン重合用触媒を用いて得られる重合体は、パウダーのべたつきが抑制されるとともにパウダーの流れ性、かさ密度が向上し、また微粉ポリマーの発生が抑制される。また、これに加えてスメクタイト粒子の形状が球状であるほど生成ポリマーパウダーのかさ密度や流動性が向上する。さらに、スメクタイト粒子の強度が圧壊強度で5MPa以上であると、重合時のパウダーの破壊による割れ、微粉発生が抑制されるとともに、高活性触媒の担体として用いた場合において、急激な粒子成長によるパウダー粒子の変形、割れ、微粉発生についても避けることが可能である。
次に実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれらの実施例によって制約を受けるものではない。以下の諸例において、出発物質であるスメクタイトとして使用したモンモリロナイトは、水澤化学工業社製スプレードライ造粒粘土「ベンクレイSL」であり、分級によって造粒品としての平均粒径が19.3μmにしたものを用いた。
なお本実施例における測定法は次の通りである。
(1)MFR:JIS−K−6758に準拠し測定した。
(2)スメクタイトの粒径分布:堀場製作所社製レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置LA−920を用い、分散溶媒をエタノール、屈折率1.0、形状係数1.0の条件で測定し、メジアン径の値を平均粒径とした。
(3)パウダー平均粒径:レッチェテクノロジー社製 サンプルパウダー20gを粒度分布測定装置カムサイザーを使用してDIN66141のQ3(0.5)(質量基準による累積分布Q3(x)のX=0.5の値)の粒子径を平均粒径とした。
(4)ポリマー嵩密度:ASTM D1895−69に準拠し測定した。
(5)圧壊強度:島津製作所(株)製 圧壊試験器「MCTM−500」を用いて、任意に選んだ10個の粒子の圧壊強度を測定し、その平均値を圧壊強度として採用した。
(6)スラリー粘度:BROOKFIELD社製B型粘度計を用い100rpmで測定した。
(7)プロピレン−エチレン系ブロック共重合体中の第2工程のエチレン−プロピレン共重合体:EPRの含量(=W(B))、EPR中のエチレン含量(E(B))及びEPRの重量平均分子量(MwEPR)の測定方法:
クロス分別装置(ダイヤインスツルメンツ社製CFC T−100)、フーリエ変換型赤外線吸収スペクトル分析(FT−IR パーキンエルマー社製 1760X)、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を、特開2005−220235号公報と同様の方法で組合せ(これをCFC−IRと略す)、同様に測定、解析した。CFC−IRの40℃可溶分の量からW(B)を、CFC−IRの40℃可溶分中のエチレン含量からE(B)を求めた。
(実施例1)
(a)モンモリロナイトの噴霧造粒体である「ベンクレイSL」のカウンタージェットミル粉砕
水澤化学社製噴霧造粒粘土「ベンクレイSL」を下記の運転条件のホソカワミクロン社製カウンタージェットミル200AFGに1.4kg/hの速度で供給した。10hかけて15.41kgのモンモリロナイトの造粒体を供給し、11.05kgの粉砕品を得た。粉砕機残量は4.36kgであった。
圧縮空気量:3.0[Nm/min]
空気圧力:0.6MPa
ノズル径:φ3.0x3本
分級機形式:100ATP
回転速度:11500rpm
ローターリンシング空気量:0.6[Nm/min]
ローターリンシング空気圧:0.2[MPa]
ベアリングリンシング空気量:0.09[Nm/min]
ベアリングリンシング空気圧:0.2[MPa]
(b)粉砕したモンモリロナイトの噴霧造粒
上記粉砕モンモリロナイトの10wt%蒸留水スラリーを作成し、一日静置させた。スラリーの粘度は20.3cPであった。噴霧造粒装置(大川原化工機社「L−8」)を使用し、次の条件下で上記のモンモリロナイトスラリーの噴霧造粒を行った。
アトマイザー形式:M type ロータリーディスク
アトマイザー回転数:6000rpm
サイクロン差圧:0.60KPa
スラリー供給速度:0.8kg/h
入り口温度:170℃
出口温度:130℃
噴霧造粒の結果、平均粒径46μmの造粒品を本体下から回収した。
粒子形状を走査型電子顕微鏡で観察したところ球状指数D(M)/D(L)値は80%であり球状であった。またレーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置で測定した、平均粒径の1/5以下の粒径の粒子の割合は3.0%、圧壊強度は17MPaであった。
(実施例2)
(b)噴霧造粒
実施例1の(a)で製造したモンモリロナイトの粉砕品の10wt%蒸留水スラリーをアトマイザー回転数を3000rpmに変えた以外は実施例1と同様に噴霧造粒した。平均粒径52μmの造粒品を本体下から回収した。
粒子形状を走査型電子顕微鏡で観察したところ球状指数D(M)/D(L)値は68%であり球状であった。また平均粒径の1/5以下の粒径の粒子の割合は2.6%、圧壊強度は17.8MPaであった。
(c)モンモリロナイトの噴霧造粒品の化学処理
撹拌翼と還流装置を取り付けた500mLの丸形三口フラスコに、蒸留水170gを投入し、98%硫酸50gを滴下し、内部温度を90℃にした。そこへ、実施例1の本体下から回収した噴霧造粒品を30g添加後撹拌した。その後90℃で3.5時間反応させた。このスラリーを150mLの蒸留水に注いで反応を停止しヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過し75mLの蒸留水で洗浄した。得られたケーキを300mLの蒸留水に分散させ撹拌後濾過した。この操作を3回繰りかえした。
回収したケーキを1Lビーカーにて硫酸亜鉛7水和物37gを純水135mLに溶解した水溶液に加えて室温で2時間反応させた。このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過し75mLの蒸留水で洗浄した。得られたケーキを300mLの蒸留水に分散させ撹拌後濾過した。この操作を3回繰りかえした。
回収したケーキを120℃で終夜乾燥した。その結果、22gの化学処理体を得た。
この化学処理モンモリロナイトを容積200mLのフラスコに入れ、200℃で減圧乾燥させガスの発生が収まってからさらに2時間減圧乾燥した。この段階での化学処理モンモリロナイトの物性を表1に示す。
(d)化学処理モンモリロナイトの有機アルミニウム処理
内容積200mLのフラスコに上記(c)で得た乾燥モンモリロナイト20gを秤量し、ヘプタン72mL、トリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液128mL(50mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、ヘプタンで残液率1/100まで洗浄し、最後にスラリー量を100mLに調製した。
(e)プロピレンによる予備重合
上記スラリーに、トリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液6.13mL(2400μmol)を加えた。ここに、別のフラスコ(容積200mL)中で、(r)−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリド435mg(600μmol)にヘプタン(60mL)を加えたスラリーを加えて、60℃で60分間撹拌した。
次に、上記モンモリロナイトのヘプタンスラリーに、さらにヘプタン340mLを追加して全量を500mLに調整し、充分に窒素置換を行った内容積1Lの撹拌式オートクレーブに導入した。オートクレーブ内の温度が40℃に安定したところでプロピレンを10g/時間の速度で供給し、温度を維持した。4時間後プロピレンの供給を停止し、さらに2時間40℃を維持した。
その後、残存モノマーをパージして予備重合触媒スラリーをオートクレーブより回収した。回収した予備重合触媒スラリーを静置し、上澄み液を抜き出した。続いてトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液16.72mL(12.0mmol)を室温にて加え、その後、減圧乾燥して固体触媒を66g回収した。
予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は2.2であった。
(f)重合
第1工程:プロピレン−エチレンランダム共重合体成分のバルク重合法による製造
内容積3Lの撹拌機付オートクレーブ内をプロピレンで充分置換した後に、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(140mg/ml)2.86mlを加え、水素を標準状態の体積で90ml、エチレン12.0g、続いて液体プロピレン750gを導入し、65℃に昇温した。上記(2)で得られた予備重合触媒をヘプタンにスラリー化し、固体触媒として10mg(予備重合ポリマーを除く正味の固体触媒の量;以下同様)をヘプタン3mlと共に圧入して重合を開始した。
触媒投入後15分間槽内温度を70℃に維持した。残モノマーのパージを行い、アルゴンにて槽内を5回置換した。撹拌を停止させ、アルゴンをフローさせながら、テフロン(登録商標)管を槽内に差し込み、ポリプロピレンを少量抜き出した。抜き出し量は15gであった。
第2工程:高エチレン含量のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分の気相重合法による製造
重合槽の撹拌を再開後にエチレンとプロピレンを40:60のモル比で圧力2.0MPaまで供給した。その後60分間、内温を65℃に保持し、圧力を2.0MPaに保つようにエチレンとプロピレンを15:85のモル割合で供給し気相共重合を実施した。重合終了後、回収したポリマーは75℃、減圧下で60分間乾燥した。得られたポリマーの嵩密度は0.49g/ccであり良好な流れ性を示した。第1工程でのエチレン含量は1.54wt%、MFRは4.32dg/min、第2工程の重合量は42wt%、エチレン含量は12wt%、全体のMFRは1.36dg/minであった。また第1工程での活性(得られたポリマー量を固体触媒量と重合時間で除した重合活性)を計算すると80,000gPP/gcat/hと高活性であった。
(比較例1)
実施例1の(a)の操作を実施せず、ベンクレイSLの10wt%水スラリーを作成しようとしたが、膨潤したモンモリロナイトの固体のままであり、噴霧造粒出来なかった。
(比較例2)
比較例1のベンクレイSL10wt%の蒸留水との混合物をさらに蒸留水で希釈して5wt%のスラリーを作成した。スラリーの粘度は8.33cPであった。
これを使用し、アトマイザー回転数を10000回転とした以外は実施例1と同様に噴霧造粒した。本体下から平均粒径30.9μmの造粒品を41.0gを回収した。
粒子形状を走査型電子顕微鏡で観察したところ扁平な形の粒子であった。
(c)モンモリロナイトの噴霧造粒品の化学処理
撹拌翼と還流装置を取り付けた500mLの丸形三口フラスコに、蒸留水168.6gを投入し、98%硫酸49.9gを滴下し、内部温度を90℃にした。そこへ、上記の本体下から回収した噴霧造粒品を30g添加後撹拌した。その後90℃で3.5時間反応させた。このスラリーを150mLの蒸留水に注いで反応を停止しヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過し75mLの蒸留水で洗浄した。得られたケーキを300mLの蒸留水に分散させ撹拌後濾過した。この操作を3回繰りかえした。
回収したケーキを1Lビーカーにて硫酸亜鉛7水和物36.7gを純水135mLに溶解した水溶液に加えて室温で2時間反応させた。このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過し75mLの蒸留水で洗浄した。得られたケーキを300mLの蒸留水に分散させ撹拌後濾過した。この操作を3回繰りかえした。
回収したケーキを120℃で終夜乾燥した。その結果、23gの化学処理体を得た。
この化学処理モンモリロナイトを容積200mLのフラスコに入れ、200℃で減圧乾燥させガスの発生が収まってからさらに2時間減圧乾燥した。
(d)化学処理モンモリロナイトの有機アルミニウム処理
内容積200mLのフラスコに上記(c)で得た乾燥モンモリロナイト5.0gを秤量し、ヘプタン18mL、トリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液32mL(12.5mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、ヘプタンで残液率1/100まで洗浄し、最後にスラリー量を25mLに調製した。
(e)プロピレンによる予備重合
上記(1)の(d)で調整したトリノルマルオクチルアルミニウム処理したモンモリロナイトのヘプタンスラリーに、トリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液1.52mL(600μmol)を加えた。ここに、別のフラスコ(容積200mL)中で、(r)−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリド111mg(153μmol)にヘプタン(15mL)を加えたスラリーを加えて、60℃で60分間撹拌した。
次に、上記モンモリロナイトのヘプタンスラリーに、さらにヘプタン210mLを追加して全量を250mLに調整し、充分に窒素置換を行った内容積1Lの撹拌式オートクレーブに導入した。オートクレーブ内の温度が40℃に安定したところでプロピレンを5g/時間の速度で供給し、温度を維持した。2時間後プロピレンの供給を停止し、さらに2時間40℃を維持した。
その後、残存モノマーをパージして予備重合触媒スラリーをオートクレーブより回収した。回収した予備重合触媒スラリーを静置し、上澄み液を抜き出した。続いてトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液4.18mL(3.0mmol)を室温にて加え、その後、減圧乾燥して固体触媒を14.0g回収した。
予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は1.8であった。
(f)重合
実施例2と同様に実施した。
得られたポリマーのパウダー粒子は扁平な球状であった。
得られたポリマーの嵩密度は0.39g/ccであった。第1工程でのエチレン含量は1.8wt%、MFRは8.0dg/min、第2工程の重合量は20wt%、エチレン含量は12wt%、全体のMFRは4.7dg/minであった。また第1工程での活性(得られたポリマー量を固体触媒量と重合時間で除した重合活性)を計算すると8,000gPP/gcat/hと低活性であった。
Figure 2008156395
本発明のスメクタイトの造粒体は、大きな粒径、球形の粒子形状、充分な粒子強度の3つを高いバランスで同時に実現させているので、これらをオレフィン重合用触媒成分として利用すると、粒子性状が良好で高嵩密度のポリオレフィンパウダーを得ることが出来、さらに高活性にポリマーを製造することができるので、産業上優れた効果を有する。

Claims (7)

  1. 下記(i)〜(iv)の条件を満たすことを特徴とするスメクタイトの造粒体。
    (i)平均粒径が46μm以上1000μm以下であること
    (ii)粒径が平均粒径の1/5以下である粒子の割合が10wt%以下であること
    (iii)粒子の球状指数[D(M)/D(L)]の値が0.8以上である粒子の数の割合が50%以上であること
    (iv)粒子の圧壊強度が5MPa以上100MPa以下であること
  2. スメクタイトがモンモリロナイトであることを特徴とする請求項1に記載のスメクタイトの造粒体。
  3. スメクタイトの7wt%以上のスラリー濃度のスラリーを噴霧乾燥造粒することにより得られることを特徴とする請求項1又は2に記載のスメクタイトの造粒体。
  4. スメクタイトの造粒後に化学処理を実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスメクタイトの造粒体。
  5. 化学処理が酸処理であることを特徴とする請求項4に記載のスメクタイトの造粒体。
  6. 下記成分[A]、成分[B]をオレフィンと接触させてなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
    成分[A]:請求項1〜5のいずれか1項に記載のスメクタイトの造粒体
    成分[B]:周期律表第3〜12族の遷移金属化合物
  7. 下記成分[A]、成分[B]、成分[C]をオレフィンと接触させてなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
    成分[A]:請求項1〜5のいずれか1項に記載のスメクタイトの造粒体
    成分[B]:周期律表第3〜12族の遷移金属化合物
    成分[C]:有機アルミニウム化合物
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