JP5489688B2 - オレフィン重合用触媒の製造法 - Google Patents

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Description

本発明は,オレフィン重合用触媒に関するものであり,触媒粒子の性状を整えることにより,流動性,付着性などの粒子性状に優れたポリマーを製造しうるものである。
メタロセン系化合物をオレフィン重合用触媒成分として使用した触媒の存在下に,オレフィンを重合してオレフィン重合体を製造することは知られており、これまでに,生産性向上のために触媒を高活性化する方法や高価なアルミノキサンの使用を削減する方法などが多数提案されているが,これらの触媒を工業的に有用していくには,触媒粒子の形状も非常に重要となってくる。触媒粒子の形状は,反応器への付着や配管の閉塞,微粉の発生原因につながり,プラントでの連続的な安定運転を阻害する因子の1つとなってしまう。
このような問題を解決する手法として,メタロセン化合物およびアルミノキサンの一方または両方を,シリカ,アルミナなどの無機化合物に担持させた触媒でオレフィン重合を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
また,メタロセン化合物および有機アルミニウム化合物,ルイス酸性化合物等いずれかまたはすべてを,シリカやアルミナ等の無機化合物もしくは有機物に担持させた触媒でオレフィン重合を行う方法も提案されている(例えば、特許文献2等参照)。
さらに,メタロセン化合物を粘土や粘土鉱物,イオン交換性層状珪酸塩に担持させた触媒でオレフィン重合を行う方法も提案されている(例えば、特許文献3等参照)。これらは均一系の触媒を固体化し,そこから生成するポリマーを粒子状態で得るために開発された方法である。
一方,これらの担持型メタロセン系触媒の形状をさらに向上させる手法として,予備重合する方法も提案されている(例えば、特許文献4等参照)。これは,特に活性の高い重合初期における粒子あたりの発熱密度を下げ,粒子同士の熱融着を防止するために開発された方法である。
さらに,予備重合時のポリマーの生成速度や重合活性を制御することで,より改良された触媒粒子の改良方法についても提案されている(例えば、特許文献5等参照)。
また,別の手法として,担体自体の形状を整えることにより,できる触媒の形状も改良する技術も提案されている(例えば、特許文献6等参照)。この方法は,非常に有用ではあるが,現在の技術では触媒コストが高くなり,工業的に有用とは考えにくい。
予備重合を改良することで良好な形状の粒子を得る技術は,操作的にも簡便であり,経済的にも有用であるが,これらの方法をもってしても粒子形状が改善されない場合も多々あり,より効果的な改善方法が望まれている。
一方,触媒系にドナーである塩基性化合物を添加する技術としては,いわゆるチーグラー・ナッタ触媒では,反応点の性質を制御する手法として用いられていることはすでに一般的であり,様々な研究報告がなされている。
しかしながら,これらチーグラー・ナッタ触媒よりも活性点数が非常に少なく,錯体の配位子構造により性能が精密に制御されたメタロセン触媒において塩基性化合物を添加することは,活性点を被毒させることになるため,使用されることはほとんどない。その数少ない中で,これまでに提案されている技術としては,重合中に窒素含有化合物や,リン含有化合物を添加することで生成ポリマーの分子量を向上させるもの(例えば、特許文献7等参照)や,化学処理された層状珪酸塩を置換ピリジン処理して触媒化することで生成ポリマーを高融点化するもの(例えば、特許文献8等参照)がある。後者は特にプロピレン重合用触媒であるが,置換ピリジンを用いることで予備重合活性大きく減少し,重合活性がほとんど発現していないことを示している。これは,メタロセン錯体との接触直前に層状珪酸塩の置換ピリジン処理を行っていることから,置換ピリジンによる錯体の変質や活性点の失活が顕著に起こっていることが考えられる。
本発明は,ドナー添加により固体酸粒子上の活性点分布を制御することによって,触媒形状を改良するという画期的なオレフィン重合用触媒の製造方法を提供するものである。
本発明者は,上記課題について鋭意検討した結果,固体酸粒子を特定の塩基性化合物と接触させた後,メタロセン系遷移金属錯体と接触させることによって,予備重合触媒の粒子形状が大きく改善されることを見出した。
即ち、本発明の第1のオレフィン重合用触媒の製造法は、下記成分(a)と(b)とを接触させた後に,成分(c)と接触させ,その後成分(d)と接触させ,その後オレフィンと接触させることで得られ、成分(b)の使用量が成分(a)1gに対して30〜200μmolであることを特徴とするオレフィン重合用触媒の製造法である。
(a) 固体酸粒子
(b) ピリジン化合物
(c) 有機アルミニウム化合物
(d) 中心金属が周期表の第4族金属であるメタロセン系遷移金属化合物
本発明の第2のオレフィン重合用触媒の製造法は、上記第1の発明において、成分(a)と(b)とを接触させた後に,成分(c)と接触させ,次いで成分(d)と接触させる前に,洗浄を行うことを特徴とするオレフィン重合用触媒の製造法である。
本発明の第のオレフィン重合用触媒の製造法は、上記第1又は第2の発明において、成分(a)がイオン交換性層状化合物であるオレフィン重合用触媒の製造法である。
本発明の第のオレフィン重合用触媒の製造法は、上記第1乃至第の発明において、成分(a)がモンモリロナイトであるオレフィン重合用触媒の製造法である。
本発明の第のオレフィン重合用触媒の製造法は、上記第2乃至第の発明において、成分(c)と接触させた後、次いで、成分(d)と接触すると同時に、成分(d)と接触させる前に、または成分(d)と接触させた後に、成分(e)の有機アルミニウム化合物を接触させることを特徴とするオレフィン重合用触媒の製造法である。
本発明の第のオレフィン重合用触媒の製造法は、上記第の発明において、成分(d)及び成分(e)を接触させた後、成分(a)1gに対して0.3〜50gでオレフィンを接触させることを特徴とするオレフィン重合用触媒の製造法である。
この技術を用いれば,粒子の形状が良好で,かさ密度が高く,流れ性が良好で粒子性状の良好な触媒を製造でき,この触媒によって球状でかさ密度が高い重合体を製造することが可能となる。
本発明の実施例1に基づく触媒粒子の外観観察を行った写真図である。 本発明には属さない比較例1に基づく触媒粒子の外観観察を行った写真図である。
担持型オレフィン重合用触媒における担体の固体酸粒子の重要な役割の1つとして,メタロセン系遷移金属化合物を活性化させ,活性点を形成させることが挙げられる。この作用には,固体酸の酸点が関わっていると考えられており,形成される活性点の性質も酸の性質や強度に大きく関わっていると考えられている。特に酸の強度は,活性点の活性(ポリマーの生成速度)に大きく関係しており,強度が大きいほど高活性点を形成すると考えられている。予備重合などで重合が進行すると,ポリマーが生成し担体粒子が生成したポリマーにより割れて成長するため,このポリマーの生成速度が成長する粒子の形状に関係する。酸強度に分布がある場合,このポリマーの生成速度にも分布が生じ,均一に粒子が成長せずに,粒子の形状は悪化してしまう。このような現象を改善する方法として,固体酸粒子を塩基性物質で処理することで選択的に酸強度の分布を変える方法を見出した。そのため,固体酸粒子上での酸と塩基の中和反応を起こさせるための,固体酸粒子を塩基性化合物で処理する順序が非常に重要となってくる。
以下,本発明に係わるオレフィンの重合法に関して具体的に説明する。この先,「重合」と記載する場合にはモノマーとして1種類しか用いない場合のみ成らず,2種類以上のモノマーを使用した共重合も含んだ意味で用いる。さらに「重合体」と記載する場合には,1種類のモノマー,を使用した重合体のみならず,2種類以上のモノマーを使用した共重合体の意味も含んでいる。
1.触媒
本発明に用いられる担持型メタロセン系触媒は,(a)固体酸粒子,(b)置換ピリジン,(c)有機アルミニウム化合物,(d)メタロセン系遷移金属錯体,(e)有機アルミニウム化合物からなる触媒である。以下,(a),(b),(c),(d),(e)について説明する。
触媒成分(a)固体酸粒子
本発明に用いられる触媒成分(a)固体酸粒子は,担体と同時に成分(d)の助触媒として作用し,酸点を有するものを示す。より好ましくは,ハメット滴定またはアンモニアTPDから求められる酸強度pka<−8.2を有するもので,さらに好ましくはpka<−13.8を有するものである。具体的な固体酸粒子としては,粘土,粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物を化学処理することで得られるもの,ゼオライトを化学処理をして得られるもの,シリカなどの無機化合物担体をアルミノキサンなどの有機アルミニウム化合物と水の反応物や有機アルミニウム化合物単独で処理して得られるもの,ニオブ酸カリウムなどの無機化合物などの固体酸粒子が挙げられる。その中でも,好ましくは粘土鉱物または粘土鉱物,イオン交換性層状化合物などの,粘土鉱物を主成分として構成される粘土を化学処理することで得られる固体酸粒子,ゼオライトを化学処理して得られる固体酸粒子である。より好ましくは,モンモリロナイトを主成分として構成されるイオン交換性層状化合物を化学処理することで得られる固体酸粒子である。
ここで,化学処理とは,酸類または塩類処理、あるいはイオン交換性層状珪酸塩の層間にインタ−カレ−ションし得る化合物などを含有する処理剤とイオン交換性層状珪酸塩とを接触させることをいう。インタ−カレ−ションとは、層状物質の層間に別の物質を導入することという。これらの処理の中では、酸処理又は塩類処理が特に好ましい。以下,化学処理の効果と方法について詳しく説明する。
(I)化学処理について
化学処理による共通の影響として層間陽イオンの交換を行うことが挙げられるが,それ以外に各種化学処理は次のような種々の効果がある。例えば,酸類による酸処理によれば、珪酸塩表面の不純物が取り除かれる他,結晶構造中のAl,Fe,Mg等の陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させることができる。珪酸塩を例に取れば,この処理を適度に行うことにより酸強度を増大させ,また単位重量当たりの酸点量を増大させることに寄与する。
インタ−カレ−ションや塩類処理では,イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し,表面積や層間距離を変えることができる。イオン交換性を利用し,層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと置換することにより,層間が拡大した状態の層状物質を得ることもできる。すなわち,嵩高いイオンが層状構造を支える支柱的な役割を担っており,ピラーと呼ばれる。
以下に、処理剤の具体例を示す。なお、本発明では、以下の酸類、塩類、及びイオン交換性層状珪酸塩の層間にインターカレーションし得る化合物からなる群から選ばれる2種以上を組み合わせたものを処理剤として用いてもよい。これらの中では、特に塩類処理と酸処理の組合せが好ましい。処理の順序は問わないが,同時の処理ではなく独立した処理を行うことが特に好ましい。
i)酸類
酸処理で用いられる酸類としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、安息香酸、ステアリン酸、プロピオン酸、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、などが挙げられる。中でも無機酸が好ましい。
ii)塩類
塩類としては、有機陽イオン、無機陽イオン、金属イオンからなる群から選ばれる陽イオンと、有機陰イオン、無機陰イオン、ハロゲン化物イオンからなる群から選ばれる陰イオンとから構成される塩類が例示される。例えば、周期律表第1〜14族から選択される少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲンの陰イオン、無機ブレンステッド酸及び有機ブレンステッド酸の陰イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の陰イオンとから構成される化合物が好ましい例として挙げられる。特に好ましくは、アニオンが無機ブレンステッド酸やハロゲンからなる化合物である。
このような塩類の具体例としては、LiCl、LiBr、LiSO、Li(PO)、LiNO、Li(OOCCH)、NaCl、NaBr、NaSO、Na(PO)、NaNO、Na(OOCCH)、KCl、KBr、KSO、K(PO)、KNO、K(OOCCH)、CaCl、CaSO、Ca(NO、Ca(C、Sc(OOCCH32、Sc(CO、Sc(C、Sc(NO、Sc(SO、ScF、ScCl、ScBr、ScI、Y(OOCCH、Y(CHCOCHCOCH、Y(CO、Y(C、Y(NO、Y(ClO、YPO、Y(SO、YF、YCl、La(OOCH、La(CHCOCHCOCH、La(CO、L(NO、La(ClO、La(C、LaPO、La(SO、LaF、LaCl、LaBr、LaI等。
Sm(OOCCH、Sm(CHCOCHCOCH、Sm(CO、Sm(NO、Sm(ClO、Sm(C、SmPO、Sm(SO、SmF、SmCl、SmBr、SmI、Yb(OOCCH、Yb(NO、Yb(ClO、Yb(C、Yb(SO、YbF、YbCl、Ti(OOCCH、Ti(CO、Ti(NO、Ti(SO、TiF、TiCl、TiBr、TiI、Zr(OOCCH、Zr(CO、Zr(NO、Zr(SO、ZrF、ZrCl、ZrBr、ZrI、ZrOCl、ZrO(NO、ZrO(ClO、ZrO(SO)、Hf(OOCCH、Hf(CO、Hf(NO、Hf(SO、HfOCl、HfF、HfCl、HfBr、HfI、V(CHCOCHCOCH、VOSO、VOCl、VCl、VCl、VBr、Nb(CHCOCHCOCH、Nb(CO、Nb(NO、Nb(SO、ZrF、ZrCl、NbBr、NbI、Ta(OOCCH、Ta(CO、Ta(NO、Ta(SO、TaF、TaCl、TaBr、TaI等。
Cr(OOCHOH、Cr(CHCOCHCOCH、Cr(NO、Cr(ClO、CrPO、Cr(SO、CrOCl、CrF、CrCl、CrBr、CrI、MoOCl、MoCl、MoCl、MoCl、MoF、MoI、WCl、WCl、WF、WBr、Mn(OOCH、Mn(CHCOCHCOCH、MnCO、Mn(NO、MnO、Mn(ClO、MnF、MnCl、MnBr、MnI、Fe(OOCH、Fe(CHCOCHCOCH、FeCO、Fe(NO、Fe(ClO、FePO、FeSO、Fe(SO、FeF、FeCl、MnBr、FeI、FeC、Co(OOCH、Co(CHCOCHCOCH、CoCO、Co(NO、CoC、Co(ClO、Co(PO、CoSO、CoF、CoCl、CoBr、CoI、NiCO、Ni(NO、NiC、Ni(ClO、NiSO、NiCl、NiBr等。
CuCl、CuBr、Cu(NO、CuC、Cu(ClO、CuSO、Cu(OOCCH、Zn(OOCH、Zn(CHCOCHCOCH、ZnCO、Zn(NO、Zn(ClO、Zn(PO、ZnSO、ZnF、ZnCl、nBr、ZnI、AlF、AlCl、AlBr、AlI、Al(SO、Al(C、Al(CHCOCHCOCH、Al(NO、AlPO、GeCl、Sn(OOCCH、Sn(SO、SnF、SnCl等が挙げられる。
陰イオンの例としては、上に例示した陰イオン以外にも、ホウ素化合物、リン化合物からなる陰イオン、例えばヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレートなどが例示されるが、これらに限定されるものではない。
またこれらの塩類は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。さらに酸類、酸化剤、還元剤、イオン交換性層状珪酸塩の層間にインターカレーションする化合物等と組み合わせて用いてもよい。これらの組み合わせは処理開始時に添加する処理剤について組み合わせて用いてもよいし、処理の途中で添加する処理剤について組み合わせて用いてもよい。
iii)インタ−カレ−ション用化合物
イオン交換性層状珪酸塩の層間にインタ−カレ−ションするために用いられるゲスト化合物としては、TiCl、ZrCl等の陽イオン性無機化合物、Ti(OR)、Zr(OR)、PO(OR)、B(OR)[Rはアルキル基、アリール基など]等の金属アルコラート、[Al13(OH)247+、[Zr(OH)142+、[FeO(OCOCH等の金属水酸化物イオン、エチレングリコール、グリセロール、尿素、ヒドラジン等の有機化合物、アルキルアンモニウムイオン等の有機陽イオンなどが挙げられる。
これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)、Al(OR)、Ge(OR)等の金属アルコラート等を加水分解して得た重合物、SiO等のコロイド状無機化合物等を共存させることもできる。また、ピラーの例としては、上記水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物等が挙げられる。ゲスト化合物の使用法としては、そのまま用いてもよいし、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後用いてもよい。また、単独で用いても、上記固体の2種以上を混合して用いてもよい。
上述した各種処理剤は、適当な溶剤に溶解させて処理剤溶液として用いてもよいし、処理剤自身を溶媒として用いてもよい。使用できる溶剤としては、水、アルコール類、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エステル類、エーテル類、ケトン類、アルデヒド類、フラン類、アミン類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、二硫化炭素、ニトロベンゼン、ピリジン類やこれらのハロゲン化物などが挙げられる。また、処理剤溶液中の処理剤濃度は0.1〜100重量%程度が好ましく、より好ましくは5〜50重量%程度である。処理剤濃度がこの範囲内であれば処理に要する時間が短くなり効率的に生産が可能になるという利点がある。
(II)化学処理工程条件
処理条件は特には制限されないが、通常、処理温度は室温〜処理剤溶液の沸点、処理時間は5分〜24時間の条件を選択し、イオン交換性層状珪酸塩粒子を構成している物質の少なくとも一部が除去又は交換される条件で行うことが好ましい。また、化学処理工程におけるイオン交換性層状珪酸塩と処理剤との比率は特に限定されないが、好ましくはイオン交換性層状珪酸塩[g]:処理剤[mol]=1:0.001〜1:0.1程度である。
上記化学処理を実施した後に過剰の処理剤及び処理により溶出したイオンの除去をすることが可能であり、好ましい。この際、一般的には、水や有機溶媒などの液体を使用する。脱水後は乾燥を行うが、一般的には、乾燥温度は100〜800℃、好ましくは150〜600℃で実施可能である。800℃を超えると珪酸塩の構造破壊を生じるおそれがあるので好ましくない。
これらのイオン交換性層状珪酸塩粒子は、構造破壊されなくとも乾燥温度により特性が変化するために、用途に応じて乾燥温度を変えることが好ましい。乾燥時間は、通常1分〜24時間、好ましくは5分〜4時間であり、雰囲気は乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、又は減圧下であることが好ましい。乾燥方法に関しては特に限定されず各種方法で実施可能である。
珪酸塩にはゲスト化合物、ピラーなどの形で各種の金属が含まれているが、化学処理後の状態でアルミニウムを含むものが好ましく、Al/Siの原子比として、0.05〜0.4、好ましくは0.05〜0.25のもの、さらには0.07〜0.23の範囲のものがよい。Al/Si原子比は粘土部分の酸処理の指標となるものとみられる。
触媒成分(b)塩基性化合物
本発明は固体酸粒子上の酸性度分布を塩基にて制御することで,活性点ごとのポリマーの生成速度の不均一性を解消し,良好な粒子性状の触媒を製造するものである。より具体的に発明の内容を述べると,強酸点を中和することができる塩基性を有する塩基性化合物を添加することで,固体酸粒子上の酸点と酸塩基反応を進行させ,その酸点により形成される活性点を被毒させることが本発明の技術要素になる。よってこの考えを持ってすれば,触媒成分(b)としてここではピリジン化合物を挙げているが,酸度分布を持つ固体酸粒子上の特定の酸点と選択的に反応して中和(被毒)させる作用をもつ塩基性化合物全てを含めることができる。例えば,ピロールなどが挙げられる。
本発明で用いられる触媒成分(b)ピリジン化合物は,選択的に特定の酸点,pka<−8.2,好ましくはpka<−13.8と反応する塩基であればよく,ピリジンそのものかまたはアルキル基が1〜3個置換した置換ピリジンが好ましい。例えば,ピリジン,2−メチルピリジン,3−メチルピリジン,4−メチルピリジン,2,6−ジメチルピリジン,2,5−ジメチルピリジン,2,4−ピリジン,2,3−ジメチルピリジン,3,4−ジメチルピリジン,3,5−ジメチルピリジン,2,3,4−トリメチルピリジン,2,4,5−トリメチルピリジン,2,4,6−トリメチルピリジン,2,3,5−トリメチルピリジン,2,3,6−トリメチルピリジンなどが挙げられる。また弱塩基性を示すピロールなども挙げられる。この中でも,ピリジンや1置換ピリジン,2置換ピリジンが好ましく,特に,2,6−ジメチルピリジン,3,5−ジメチルピリジンが好ましい。
成分(b)の使用量としては,ハメット滴定などで求めた触媒成分(a)の有する酸強度pka<−8.2,好ましくはpka<−13.8の酸量にも関係するが,成分(a)1gあたり30〜200μmol,好ましくは50〜150μmolである。この範囲以下であると,形状制御の効果が小さく,逆に多すぎると重合活性に乏しくなる。
触媒成分(c)有機アルミニウム化合物
本発明で用いられる触媒成分(c)有機アルミニウム化合物は、成分(d)と接触させる前に成分(a)の表面処理に使用するものを指し,成分(a)と(d)の接触時や本重合時に使用されるものと区別される。この触媒成分(c)は固体酸粒子上のメタロセン錯体にとって被毒作用を示す例えばシラノール基などをマスキングし,後で加える触媒成分(d)の被毒を抑制する効果がある。ここで使用される有機アルミニウム化合物は特に限定はないが,具体例としては,トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリプロピルアルミニウム,トリn−ブチルアルミニウム,トリtert−ブチルアルミニウム,トリペンチルアルミニウム,トリヘキシルアルミニウム,トリヘプチルアルミニウム,トリオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム,ジメチルアルミニウムクロライド,ジエチルアルミニウムクロライド,ジエチルアルミニウムブロマイド,ジイソブチルアルミニウムクロライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライドであり、このうち特にトリアルキルアルミニウムが好ましく,その中でも特にトリイソブチルアルミニウム,トリオクチルアルミニウムが好ましい。
触媒成分(d)メタロセン系遷移金属錯体
本発明で用いられる(d)メタロセン系遷移金属錯体は,一般的に「メタロセン錯体」といわれる金属錯体群であれば,特に制限はないが,その中でも,配位子にインデニル骨格またはアズレニル骨格を有するメタロセン系遷移金属錯体が好ましく,特にアズレニル骨格を有するものが好ましい。
中心金属は,チタニウム,ジルコニウム,ハフニウムといった周期表の第4族の金属であり,特にジルコニウム,ハフニウムが好ましく,その中でも特にハフニウムが好ましい。
前述のメタロセン系遷移金属化合物は,具体的にはハフニウムを例にとれば,本発明で使用することが可能なアズレン系のものとしては、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−イソプロピル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4,6−ジイソプロピル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(1−アントラセニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(2−アントラセニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(9−フェナンスリル)−4H−アズレニル}〕ハフニウムジクロリド、ジメチルメチレンビス[1−{2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス[1−{2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−(3,5−ジメチル−4−トリメチルシリルフェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、などが挙げられる。
アズレン系であって他の共役多員環配位子が異なるものとしては、ジメチルシリレ2ン[1−{2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル}][1−{2−メチル−4−(4−ビフェニリル)インデニル}]ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレン{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ハフニウムジクロリドなどが挙げられる。
インデニル配位子を2個有し、それらが架橋されている構造のメタロセン錯体としては、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ハフニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}〕ハフニウムジクロリド等が例示できる。
触媒成分(e)有機アルミニウム化合物
本発明で用いられる触媒成分(e)有機アルミニウム化合物は,(a)と(b)とを接触させた後に,成分(c)と接触させ、次いで、成分(d)と接触すると同時に、成分(d)と接触させる前に、または成分(d)と接触させた後に用いるものを言う。ここでは,成分(d)の中心金属がジクロロ体であった場合は,活性点前駆体であるアルキル体に変換させる効果,また成分(a)と成分(d)との反応を促進させる効果などがあり、成分(c)の有機アルミニウム化合物とは作用が異なる。
成分(e)として使用される有機アルミニウム化合物は特に限定はないが,具体例としては,トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリプロピルアルミニウム,トリn−ブチルアルミニウム,トリtert−ブチルアルミニウム,トリペンチルアルミニウム,トリヘキシルアルミニウム,トリヘプチルアルミニウム,トリオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム,ジメチルアルミニウムクロライド,ジエチルアルミニウムクロライド,ジエチルアルミニウムブロマイド,ジイソブチルアルミニウムクロライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド,メチルアルモキサンなどのアルキルアルミニウムオキソ化合物であり、このうち特にトリアルキルアルミニウムが好ましく,その中でも特にトリイソブチルアルミニウム,トリオクチルアルミニウムが好ましい。
各成分の接触順序
上述の(a)〜(d)の4成分の接触においては,成分(a)と(b)を先に接触させ,その後成分(c)を添加し,続いて成分(d)を添加することで本発明の効果が得られる。これは,添加する塩基性化合物により,担体上の酸点,特にpka<−8.2,好ましくはpka<−13.8の酸点を選択的に被毒(中和)させ,それ以外の強度の酸点および錯体には影響を与えないことが重要であるからである。そのため,成分(d)と接触させる前に成分(a)と(b)を接触させ,さらに成分(c)と接触させることが本発明の要素技術である。
各成分の接触後は溶媒などで洗浄しても良い。特に,成分(d)と接触させる前,つまり成分(a)と(b)を接触させた後や、さらにその後成分(c)と接触させた後で,洗浄を行うことが好ましい。その洗浄率としては,成分(b)および(c)の残存量が使用量の1/10以下,特に1/100以下となるように行うことが好ましい。成分(d)を接触する方法としては,均一接触させるために溶媒中で接触させることが好ましく,そのときの溶媒としては脂肪族飽和炭化水素,芳香族飽和炭化水素,脂肪族不飽和炭化水素や予備重合モノマーなどが例示される。そのときの温度としては0〜100℃,好ましくは30〜70℃が挙げられる。さらに,そのときの反応時間としては,15分〜24時間,好ましくは30分〜12時間,さらに好ましくは30分〜2時間が挙げられる。また,そのときの濃度としては,成分(a)について20〜300g/L,好ましくは40〜250g/Lである。
具体的な成分(a)〜(d)を組み合わせ適正な実施態様を例示するために、各成分から代表的な何種類の化合物を摘出すれば以下の例の化合物が挙げられる。
触媒成分(a)固体酸粒子に属する化合物としては、(a1)ゼオライト、(a2)シリカ、(a3)ニオブ酸,(a4)モンモリロナイトの例を挙げて表示する。
同様に、触媒成分(b)塩基性化合物の代表的な化合物であるピリジン化合物として、(b1)ピリジン、(b2)2−メチルピリジン,(b3)2,6−ジメチルピリジン,(b4)2,4,6−トリメチルピリジンの例を挙げて表示する。
触媒成分(c)有機アルミニウム化合物に属する化合物として、(c1)トリメチルアルミニウム,(c2)トリオクチルアルミニウム、(c3)トリイソブチルアルミニウム,(c4)ジエチルアルミニウムクロライドの例を挙げて表示する。
触媒成分(d)メタロセン系遷移金属錯体に属する化合物として、(d1)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−イソプロピル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、(d2)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ハフニウムジクロリド、(d3)ジメチルメチレンビス[1−{2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロリド、(d4)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−フェニル)インデニル]ハフニウムジクロライドの例を挙げて表示する。
それらの各成分に属する各種化合物の組み合わせの具体的な態様を明示すれば以下のとおりになる。
上記の(a)〜(d)成分を、その化合物としては若干の違いがあるにもかかわらず、その成分の範疇に属する各種化合物を任意に選択して、組み合わせることが可能である。これらの下記成分(a)と(b)とを接触させた後に,成分(c)と接触させ,その後成分(d)と接触させることにより、触媒粒子の性状が整えられた触媒が創出できる。この触媒により流動性,付着性などの粒子性状に優れたポリマーを製造することができる。その各種成分から選択した化合物の接触の順序を示す態様を以下のように示すことができる。

成分(a) 成分(b) 成分(c) 成分(d)
実施態様1 (a1) (b3) (c2) (d4)
実施態様2 (a2) (b1) (c4) (d1)
実施態様3 (a3) (b4) (c1) (d4)
実施態様4 (a4) (b3) (c2) (d3)
実施態様5 (a1) (b2) (c3) (d2)
実施態様6 (a2) (b1) (c4) (d1)
実施態様7 (a3) (b4) (c1) (d2)
実施態様8 (a4) (b3) (c2) (d4)
実施態様9 (a1) (b2) (c4) (d3)
実施態様10(a4) (b3) (c3) (d1)

この実施態様に基づいて、本発明の実施例1に準拠して実施すれば、本発明の成分(a)〜(d)の範疇に属する各種化合物が本発明の触媒の特性を備えていることが確認できる。
次に、成分(a)〜(f)の範疇に属する各種化合物を組み合わせ適正な実施態様を例示することができる。成分(e)有機アルミニウム化合物を接触させ、その後オレフィンと接触させるオレフィン重合用触媒の製造法の態様を示す。成分(e)有機アルミニウム化合物の範疇に属する典型的な化合物を選定して示すと、(e1)トリエチルアルミニウム,(e2)トリイソブチルアルミニウム,(e3)ジメチルアルミニウムクロライド,(e4)メチルアルモキサンが挙げられる。同様に、(f)オレフィンとしてプロピレンを選定して、それを表示して以下のとおりのそれらの成分を任意に組み合わせた実施態様11〜14の例を挙げることができる。

成分(a)〜成分(f)を用いて各成分を順次接触させる態様
実施態様11 (a1) (b3) (c2) (d4) (e3) (f)
実施態様12 (a2) (b1) (c4) (d1) (e4) (f)
実施態様13 (a3) (b4) (c1) (e1) (e4) (f)
実施態様14 (a4) (b3) (c2) (d3) (e2) (f)

この実施態様に基づいて、本発明の実施例1に準拠して実施すれば、本発明の成分(a)〜(f)の範疇に属する各種化合物が本発明の触媒の特性を備えていることを確認することができる。
予備重合
上述の通り成分(a)〜(d)、さらに必要に応じ成分(e)を接触させて得られた本発明の担持型メタロセン系触媒は,本重合を行う前に、エチレン,プロピレン,1−ブテン,1−ヘキセン,1−オクテン,2−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン,またはこれらの混合したオレフィン混合物が予備的に重合させる予備重合を行う。その中でも,本重合を行う際に用いるオレフィン,またはプロピレンであることが好ましい。予備重合によって得られる重合体の量としては、予備重合処理前の触媒成分1g当たり0.01〜100gが好ましく、0.3〜50gが更に好ましい。
オレフィンの供給方法は、オレフィンを反応槽に定速的に或いは定圧状態になるように維持する供給方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせるなど、任意の方法が可能である。
予備重合時間は、特に限定されないが、5分〜24時間の範囲であるのが好ましい。
予備重合温度は、特に制限されないが、通常0℃〜100℃、好ましくは10〜70℃、より好ましくは20〜60℃、特に好ましくは30〜50℃である。この範囲を下回ると反応速度が低下したり、活性化反応が進行しないという弊害が生じる可能性があり、上回ると予備重合ポリマーが溶解したり、予備重合速度が速すぎて粒子性状が悪化したり、副反応のため活性点が失活するという弊害が生じる可能性がある。
予備重合時には、有機溶媒等の液体中で実施することもでき、むしろそうするのが好ましい。予備重合時の固体触媒の濃度は、特に制限されないが、好ましくは50g/L以上、より好ましくは60g/L以上、特に好ましくは70g/L以上である。濃度が高い方がメタロセンの活性化が進行し、高活性触媒となる。
乾燥
本発明のオレフィン重合用触媒は,乾燥せずに次工程に用いてもいいが,予備重合後に乾燥を行っても良い。乾燥方法は特に制限はないが,減圧乾燥や加熱乾燥,乾燥ガスを流通させることによる乾燥などが例示され,これらの方法を単独で用いても良いく,2以上の方法を組み合わせて用いても良い。乾燥工程において,触媒を撹拌,振動,流動させても良いし,静置させても良い。乾燥の程度としては触媒を粉体で取り扱う場合に取扱が容易となるように残存溶剤量が全重量の10重量%以下,好ましくは5重量%以下とすることが望ましい。
重合
本発明のオレフィン重合用触媒を用いておこなう重合は、オレフィン単独あるいは該オレフィンと他のコモノマーとを混合接触させることにより行われる。共重合の場合、反応系中の各モノマーの量比は経時的に一定である必要はなく、各モノマーを一定の混合比で供給することも便利であるし、供給するモノマーの混合比を経時的に変化させることも可能である。また、共重合反応比を考慮してモノマーのいずれかを分割添加することもできる。
重合に用いるオレフィンとしては、炭素数2〜20程度のものが好ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、スチレン、ジビニルベンゼン、7−メチル−1,7−オクタジエン、シクロペンテン、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。好ましくは炭素数2〜8のα−オレフィンである。共重合の場合、用いられるコモノマーの種類は、前記オレフィンとして挙げられるものの中から、主成分となるもの以外のオレフィンを選択して用いることができる。好ましくはエチレンとプロピレン,またはブテンとプロピレンの共重合である。
重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式を採用しうる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンなどを溶媒として用いるバルク法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶媒を用いず各モノマーをガス状に保つ気相法などが採用できる。また、連続重合、回分式重合、又は予備重合を行う方法も適用される。
本発明に関わるオレフィンのスラリー重合の場合,重合溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族又は芳香族炭化水素の単独又は混合物が用いられる。重合温度は0〜150℃であり、また分子量調節剤として補助的に水素を用いることができる。重合圧力は0〜200MPa、好ましくは0〜6MPaが適当である。
本発明に関わるオレフィンのバルク重合は, 重合温度は、通常0〜150℃であり、その下限は、好ましくは40℃、より好ましくは50℃、特に好ましくは60℃であり、その上限は、好ましくは100℃、より好ましくは80℃である。重合圧力は、一般に、0MPaより大きく、15MPa好ましくは6MPa以下である。圧力の下限は、好ましくは0.5MPa、より好ましくは1.0MPa、特に好ましくは1.5MPa(15kg/cmG)である。好ましい下限以下であると、重合活性が低下し、あるいは分子量が低下するなどの問題が生じる。
本発明に係わるオレフィンの気相重合は、連続的に行っても、回分的に行っても良く、さらに、単段であっても、多段であってもよく、特に限定されるものではない。分散媒の分散は、撹拌翼等による機械的な混合、また、循環ガスによる流動的な混合等による分散が挙げられる。好ましくは、攪拌翼などによる機械的な混合により分散させる。重合温度は、特に制限はないが、好ましくは30〜100℃、さらに好ましくは60〜80℃の範囲で行う。重合圧力についても、特に制限はないが、常圧〜10MPaの範囲、好ましくは0.5〜5MPaの範囲で行う。重合に際しての分子量調節は、公知の手段、例えば温度の選定あるいは水素の導により行うことができる。
いずれの重合方法においても重合時間は、通常、5分〜10時間、好ましくは1〜5時間である。
次に本発明を実施例によって具体出来に説明が,本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお物性測定に使用した分析機器は以下の通りである。
・粒径分布の測定
堀場製作所社製レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置LA−920を用い、分散溶媒をエタノール、屈折率1.3、形状係数1.0の条件で測定した。
・水分含量の測定
ダイヤインスツルメンツ社製CA−07および水分気化装置ダイヤインスツルメンツ社製VA−21を用い、電気炉温度200℃、液滴終点0.4μg/sの条件で測定した。
・担体中の酸強度pka<−13.8の定量方法(ハメット滴定)
指示薬に0.2wt%の2,6−ジニトロトルエン/トルエン溶液を用い,滴定試薬として0.01mol/Lの2,6−ジメチルピリジン/トルエン溶液を用いた。試料を拡散反射ユニット付きのUV−VIS計にてpka<−13.8(320nm)の吸光度を滴定試薬の添加量に対してプロットした点の終点の値からpka酸量を求めた。
装置:島津製作所 UV24000拡散反射ユニット付き
検出器:エンドオンフォトマル
波長:190〜800nm
スリット幅:5nm
スキャンスピード:定速
ベースライン:BaSOを使用
サンプルセル:光路長1mmの密閉セル
・粒子形状:走査型電子顕微鏡を用いて観察した。
・形状評価の表現,0.8≦M/L≦1を満たす粒子の割合:粒子の最大径をL,最大径と直行する径の最大値をMとすると,M/Lはその粒子の球形度を示しており,1に近いほどその粒子が球形に近いことを意味している。SEM観察より得られた粒子の外観形状写真から任意に50個選んだ粒子のM/Lの平均で表している。
・ポリマー嵩密度:ASTM D1895−69に準拠し測定した。
[実施例−1]
(1)触媒合成
a.イオン交換性層状珪酸塩の化学処理
撹拌翼と還流装置を取り付けた3Lセパラブルフラスコに、純水2267gを投入し、98%硫酸668gを滴下した。内温が90℃になるまでオイルバスで加熱し、目標温度に到達したところで、さらに造粒モンモリロナイト(平均粒径:49.2μm)を402g添加後撹拌した。その後90℃を保ちながら3.5時間反応させた。この反応溶液を1Lの純水に空けることで反応を停止し、さらに、このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過し、その後4Lの純水で3回洗浄した。
回収したケーキは、120℃で終夜乾燥後、300g秤取り次工程に用いた。酸処理を行った粘土は3Lプラスチックビーカーにて硫酸リチウム水和物302gを純水1673mLに溶解した水溶液に加えて室温で2時間反応させた。このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過し、3Lの純水で3回洗浄した。
回収したケーキを120℃で終夜乾燥した。その結果、302.9gの化学処理体を得た。ここから得られた粘土の化学処理体を目開き75μmの篩にて篩い分けしたところ、篩通過分は全体の重量の91%であった。これらの平均粒径をレーザー回折・散乱式で測定したところ、平均粒径は44.02μmであった。
b.乾燥工程
上記a.で得た化学処理モンモリロナイト全量を、容積1Lのフラスコに入れ、200℃でおよそ5時間(突沸がおさまってから2時間以上)減圧乾燥した。この乾燥モンモリロナイトの水分含量を測定したところ、水分値は0.97wt%であった。また,この化学処理モンモリロナイトのpka<−13.8の酸量はモンモリロナイト1gあたり120μmolであった。
c.化学処理モンモリロナイトの2,6−ジメチルピリジン処理
内容積1Lのフラスコに上記b.で得た乾燥モンモリロナイト19.9gを秤量し、ヘプタン31mL,2,6−ジメチルピリジンのヘプタン溶液30mL(濃度100μmol/mL)を添加して,室温で10分間反応させた。その後,そのままトリノルマルオクチルアルミニウム(TnOA)のヘプタン溶液128mL(50.1mmol、濃度143.6mg/L)を追加し、さらに室温で1時間撹拌した。反応終了後は、ヘプタンで残液率1/100まで洗浄し、最後にスラリー量を100mLに調製した。この2,6−ジメチルピリジン処理モンモリロナイトのpka<−13.8の酸量は0μmolであった。
(2)プロピレンによる予備重合
上記(1)のc.で調整したTnOA処理したモンモリロナイトのヘプタンスラリーに、TnOAのヘプタン溶液6.15mL(2428μmol)を加えた。ここに、別のフラスコ(容積200mL)中で、(r)−[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロライド(合成は特開平10−110136号公報実施例に従って実施した)489mg(601.4μmol)にヘプタン(60mL)を加えたスラリーを加えて、60℃で60分間撹拌した。
次に、上記モンモリロナイトのヘプタンスラリーに、さらにヘプタン340mLを追加して全量を500mLに調整し、十分に乾燥・窒素置換を行った内容積1Lの撹拌式オートクレーブに導入した。オートクレーブ内の温度が40℃に安定したところでプロピレンを10g/時間の速度で供給し、温度一定に維持した。4時間後プロピレンの供給を停止し、さらに1時間維持した。
予備重合終了後、残存モノマーをパージして予備重合触媒スラリーをオートクレーブより回収した。回収した予備重合触媒スラリーを静置し、上澄み液を380mL抜き出した。残続いてトリイソブチルアルミニウム(TiBA)のヘプタン溶液16.5mL(12mmol)を室温にて加え、その後、40℃にて1時間減圧乾燥することにより、固体触媒を58.51g回収した。
予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は1.85であった。(触媒粒子の外観観察を行った写真を図1に示した)
(3)エチレン−プロピレンランダム重合
内容積3Lの撹拌機付オートクレーブ内をプロピレンで充分置換した後に、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(140mg/mL)2.86mLを加え、水素を標準状態の体積で90mL、エチレン12g、続いて液体プロピレン750gを導入し、70℃に昇温した。上記(2)で得られた予備重合触媒をヘプタンにスラリー化し、固体触媒として10mg(予備重合ポリマーを除く正味の固体触媒の量;以下同様)をヘプタン1mLと共に圧入し、さらにヘプタン5mLで触媒フィードラインを洗浄して重合を開始した。
触媒投入後60分間槽内温度を70℃に維持した。その後エタノール5mLを圧入して重合を停止した。重合結果を表1にまとめた。
[実施例2]
乾燥モンモリロナイトを20.14g,(r)−[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロライドを491mg(603.9mmol)使用し,実施例1(1)−c.で2,6−ジメチルピリジンのヘプタン溶液を16mL添加した以外は,実施例1と同様の操作を行った。2,6−ジメチルピリジン処理モンモリロナイトのpka<−13.8の酸量はモンモリロナイト1gあたり35μmolであった。予備重合後の固体触媒回収量は66.67gであり,予備重合倍率は2.22であった。担体と同一形状をした粒子の割合が多かった。エチレン−プロピレンランダム重合はここで得られた触媒を使用した以外は,実施例1と同様におこなった。結果は表1にまとめた
[比較例−1]
乾燥モンモリロナイトを20.03g,(r)−[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロライドを491mg(603.9mmol)使用し,実施例1(1)−c.で2,6−ジメチルピリジンのヘプタン溶液を添加しなかった以外は, 実施例1と同様の操作を行った。予備重合後の固体触媒回収量は65.87gであり,予備重合倍率は2.20であった。担体と同一形状をした粒子はいなかった。エチレン−プロピレンランダム重合はここで得られた触媒を使用した以外は,実施例1と同様におこなった。結果は表1にまとめた。(触媒粒子の外観観察を行った写真を図2に示した)
[実施例3]
(1)触媒合成
a.イオン交換性層状珪酸塩の化学処理
撹拌翼と還流装置を取り付けた3Lセパラブルフラスコに、純水2262gを投入し、98%硫酸669gを滴下した。内温が90℃になるまでオイルバスで加熱し、目標温度に到達したところで、さらに造粒モンモリロナイト(平均粒径:49.2μm)を400g添加後撹拌した。その後90℃を保ちながら8時間反応させた。この反応溶液を1Lの純水に空けることで反応を停止し、さらに、このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過し、その後4Lの純水で3回洗浄した。
回収したケーキは、120℃で終夜乾燥後、100g秤取り次工程に用いた。酸処理を行った粘土は3Lプラスチックビーカーにて硫酸リチウム水和物107gを純水480mLに溶解した水溶液に加えて室温で2時間反応させた。このスラリーをヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過し、3Lの純水で3回洗浄した。
回収したケーキを120℃で終夜乾燥した。その結果、98gの化学処理体を得た。 ここから得られた粘土の化学処理体を目開き75μmの篩にて篩い分けしたところ、篩通過分は全体の重量の91%であった。これらの平均粒径をレーザー回折・散乱式で測定したところ、平均粒径は43.84μmであった。
b.乾燥工程
上記a.で得た化学処理モンモリロナイト全量を、容積1Lのフラスコに入れ、200℃でおよそ3時間(突沸がおさまってから2時間以上)減圧乾燥した。この乾燥モンモリロナイトの水分含量を測定したところ、水分値は0.77wt%であった。また,この乾燥モンモリロナイトのpka<−13.8の酸量はモンモリロナイト1gあたり60μmolであった。
c.化学処理モンモリロナイトの2,6−ジメチルピリジン処理
内容積1Lのフラスコに上記b.で得た乾燥モンモリロナイト20.05gを秤量し、ヘプタン65mL,2,6−ジメチルピリジンのヘプタン溶液6mL(濃度100μmol/mL)を添加して,室温で10分間反応させた。その後,そのままトリノルマルオクチルアルミニウム(TnOA)のヘプタン溶液128mL(50.1mmol、濃度143.6mg/L)を追加し、さらに室温で1時間撹拌した。反応終了後は、ヘプタンで残液率1/100まで洗浄し、最後にスラリー量を100mLに調製した。この2,6−ジメチルピリジン処理モンモリロナイトのpka<−13.8の酸量は,モンモリロナイト1gあたり30μmolであった。
(2)プロピレンによる予備重合
上記(1)のc.で調整したTnOA処理したモンモリロナイトのヘプタンスラリーに、TnOAのヘプタン溶液6.15mL(2428μmol)を加えた。ここに、別のフラスコ(容積200mL)中で、(r)−[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロライド488mg(601.4μmol)にヘプタン(60mL)を加えたスラリーを加えて、60℃で60分間撹拌した。
次に、上記モンモリロナイトのヘプタンスラリーに、さらにヘプタン340mLを追加して全量を500mLに調整し、十分に乾燥・窒素置換を行った内容積1Lの撹拌式オートクレーブに導入した。オートクレーブ内の温度が40℃に安定したところでプロピレンを10g/時間の速度で供給し、温度一定に維持した。4時間後プロピレンの供給を停止し、さらに1時間維持した。
予備重合終了後、残存モノマーをパージして予備重合触媒スラリーをオートクレーブより回収した。回収した予備重合触媒スラリーを静置し、上澄み液を380mL抜き出した。残続いてトリイソブチルアルミニウム(TiBA)のヘプタン溶液16.5mL(12mmol)を室温にて加え、その後、40℃にて1時間減圧乾燥することにより、固体触媒を67.3g回収した。
予備重合倍率(予備重合ポリマー量を固体触媒量で除した値)は2.26であった。担体と同一形状をした粒子の割合が多かった。
(3)エチレン−プロピレンランダム重合
触媒を上記(2)で得られたものを使用した以外は,実施例1と同様におこなった。結果は表1にまとめた。
[実施例4]
乾燥モンモリロナイトを20.02g,(r)−[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロライドを491mg(603.9mmol)使用し,実施例1(1)−c.で2,6−ジメチルピリジンのヘプタン溶液の代わりに3,5−ジメチルピリジンを使用した以外は, 実施例1と同様の操作を行った。この3,5−ジメチルピリジン処理モンモリロナイトのpka<−13.8の酸量は,モンモリロナイト1gあたり0μmolであった。予備重合後の固体触媒回収量は64.54gであり,予備重合倍率は2.13であった。担体と同一形状をした粒子の割合が多かった。エチレン−プロピレンランダム重合はここで得られた触媒を使用した以外は,実施例1と同様におこなった。結果は表1にまとめた。
[実施例5]
乾燥モンモリロナイトを20.05g,(r)−[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロライドを486mg(597.9mmol)使用し,実施例1(1)−c.で2,6−ジメチルピリジンのヘプタン溶液の代わりにピリジンを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。ピリジン処理モンモリロナイトのpka<−13.8の酸量は,モンモリロナイト1gあたり0μmolであった。予備重合後の固体触媒回収量は59.55gであり,予備重合倍率は1.9であった。担体と同一形状をした粒子が多かった。エチレン−プロピレンランダム重合はここで得られた触媒を使用した以外は,実施例1と同様におこなった。結果は表1にまとめた。
[実施例6]
実施例2の化学処理モンモリロナイトの代わりにゼオライト(HZSM−5)を20.02g,(r)−[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロライドを486mg(597.9mmol)使用した以外は,実施例2と同様の操作を行った。この2,6−ジメチルピリジン処理ゼオライトのpka<−13.8の酸量は,0μmolであった。予備重合後の固体触媒回収量は,58.01gであり,予備重合倍率は1.83であった。担体と同一形状をした粒子が多かった。エチレン−プロピレンランダム重合はここで得られた触媒を使用した以外は,実施例1と同様におこなった。結果は表1にまとめた。
[比較例2]
乾燥モンモリロナイトを20.43g,(r)−[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロライドを492mg(605.1mmol)使用し,実施例1(1)−c.でヘプタンを71mL,2,6−ジメチルピリジンのヘプタン溶液を1mL使用した以外は, 実施例1と同様の操作を行った。この2,6−ジメチルピリジン処理モンモリロナイトのpka<−13.8の酸量は,モンモリロナイト1gあたり115μmolであった。予備重合後の固体触媒回収量は67.14gであり,予備重合倍率は2.20であった。担体と同一形状をしている粒子はいなかった。エチレン−プロピレンランダム重合はここで得られた触媒を使用した以外は,実施例1と同様におこなった。結果は表1にまとめた。
[比較例3]
乾燥モンモリロナイトを19.99g,(r)−[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ハフニウムジクロライドを492mg(605.1mmol)使用し,実施例1(1)−c.でヘプタンを3mL,2,6−ジメチルピリジンのヘプタン溶液を70mL使用した以外は, 実施例1と同様の操作を行った。この2,6−ジメチルピリジン処理モンモリロナイトのpka<−13.8の酸量は,モンモリロナイト1gあたり0μmolであった。予備重合後の固体触媒回収量は23.78gであり,予備重合倍率は0.16であった。予備重合がほとんど進行していないことから,粒子は担体と同一形状であった。エチレン−プロピレンランダム重合もまったく進行せず,ポリマーは得られなかった。結果は表1にまとめた。

表中の「−」は予備重合または本重合が進行せず,測定に十分なポリマーを回収できなかったことを意味している。

特開平1−101303号公報 特開平7−268014号公報 特開平5−301917号公報 特開平3−234710号公報 特開2001−26613号公報 特願2006−355031号公報 特開平11−140111号公報 特開2003−292519号公報

Claims (6)

  1. 下記成分(a)と(b)とを接触させた後に,成分(c)と接触させ,その後成分(d)と接触させ、その後オレフィンと接触させることで得られ、成分(b)の使用量が成分(a)1gに対して30〜200μmolであることを特徴とするオレフィン重合用触媒の製造法。
    (a) 固体酸粒子
    (b) ピリジン化合物
    (c) 有機アルミニウム化合物
    (d) 中心金属が周期表の第4族金属であるメタロセン系遷移金属化合物
  2. 成分(a)と(b)とを接触させた後に,成分(c)と接触させ,次いで成分(d)と接触させる前に,洗浄を行うことを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合用触媒の製造法。
  3. 成分(a)がイオン交換性層状化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオレフィン重合用触媒の製造法。
  4. 成分(a)がモンモリロナイトであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のオレフィン重合用触媒の製造法。
  5. 成分(c)と接触させた後、次いで、成分(d)と接触すると同時に、成分(d)と接触させる前に、または成分(d)と接触させた後に、成分(e)の有機アルミニウム化合物を接触させることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のオレフィン重合用触媒の製造法。
  6. 成分(d)及び成分(e)を接触させた後、成分(a)1gに対して0.3〜50gでオレフィンを接触させることを特徴とする請求項5に記載のオレフィン重合用触媒の製造法。
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