JP4368438B2 - エチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエチレン重合用触媒ならびに該触媒を用いたエチレンの重合方法に関する。更に詳しくは、本発明は溶液重合法、高圧重合法、スラリー重合法および気相重合法等の一般的なオレフィン重合方法に適用することができるが、特にスラリー重合法、気相重合法への適用が好ましく、分子量の高いエチレン重合体の製造が可能であり、しかも重合時の水素副生が少ない、エチレン重合用触媒ならびに該触媒を用いたエチレンの重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレフィンを重合触媒の存在下に重合してオレフィン重合体を製造する方法として、従来、触媒系として(1)メタロセン及び(2)アルミノキサンからなるものを用いる方法は既に提案されている(特開昭60−35007号公報、特公平4−12283号公報等)。
これらの触媒系を用いた重合方法は、チタニウム化合物あるいはバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物からなる従来のチーグラー・ナッタ触媒を用いる方法に比べて遷移金属あたりの重合活性が非常に高く、また、分子量分布や組成分布が狭いオレフィン重合体が得られる。
しかしながら、これらの触媒を用いて工業的に十分な重合活性を得るためには多量のアルミノキサンを必要とするため、アルミニウムあたりの重合活性は低く、経済的に不利であるばかりでなく、生成した重合体から触媒残渣を除去する必要があった。
【0003】
一方、メタロセン化合物及びアルミノキサンの一方あるいは両方をシリカやアルミナ等の無機酸化物に担持させた触媒系を用いてオレフィンの重合を行う方法も提案されている(特開昭61−108610号公報、同60−135408号公報、同61−296008号公報、特開平3−74412号公報、同3−74415号公報等)。また、メタロセン化合物および有機アルミニウムの一方あるいは両方をシリカやアルミナ等の無機酸化物もしくは有機物に担持させた触媒系を用いてオレフィンの重合を行う方法も提案されている(特開平1−101303号公報、同1−207303号公報、同3−234709号公報、特開平3−50869号公報)。
しかし、これらの方法においてもアルミニウムあたりの重合活性はなお十分とは言えず、生成するオレフィン重合体中の触媒残渣の量は無視し得ないものであった。またこれらの問題点を解決する方法として、イオン交換性層状化合物、有機アルミニウムおよびメタロセン化合物からなる触媒が提案されている(特開平5−295022号公報等)。
【0004】
一方これらの触媒では、メタロセン化合物中の遷移金属あるいはアルミニウムあたりの重合活性は十分高いものの、重合時に水素が副生し、その生成した水素によりエチレン重合体の分子量が上がり難いという問題点が指摘されており、触媒の改良が望まれていた。高分子量のオレフィン重合体が得られる触媒成分に関しては、プロピレンの重合においてインデニルまたはテトラヒドロインデニルの2位が置換された配位子を有するメタロセン化合物が有効であることが提案されている(特開平8−59772号公報)。しかし一般に、エチレンの重合に比べプロピレンの場合は水素の副生も少ない。従って、プロピレンの重合時に有効な触媒成分をエチレン重合に供した場合、高分子量の重合体が得られるかは全く不明である。エチレン重合における水素の発生機構はまだ十分には解明されていない。しかし、計算化学の面からはσ−bond Metathesis機構が提案されている(T.K.Woo,L.Fan, and T.Ziegler, Organometallics,第13巻、2252ページ、(1994年)等)。これによると、オレフィンがメタロセン化合物の中心金属にσ−配位するのを阻害することが水素の副生を抑制することに有効であると推定される。
水素が副生する状況下で高分子量のエチレン重合体を得るためには、重合反応系内の水素濃度を極めて少量に制御することが重要であるが、従来の技術では重合装置の運転が極めて困難かつ不安定になるのみならず、時には必要な分子量のエチレン重合体を得るために副生する水素を除去する装置を設けるなどの特別の対応が必要となり、コスト競争においては非常に不利を被る等の問題点を有しており、改良が是非必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決し、重合反応時における水素の副生が少なく、高分子量のエチレン重合体を高い活性で得ることのできるエチレン系の重合体の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、このような現状に鑑み鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、下記〔A〕成分と〔B〕成分とを組み合わせてなるエチレン重合用触媒の存在下、エチレンまたはエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンを接触させて重合するα−オレフィン含量が50重量%以下のエチレン系重合体の製造方法を提供するものである。
〔A〕下記式〔1〕または〔2〕で表されるメタロセン系遷移金属化合物であって、少なくとも、2−位に置換基を有するテトラヒドロインデニル誘導体、2−位に置換基を有するヘキサヒドロアズレニル誘導体、あるいはオクタヒドロフルオレニル誘導体を有するメタロセン系金属化合物
【化3】
Figure 0004368438
(式中、R、R、R、R、R、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基もしくはホウ素含有炭化水素基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基またはアミノ基であり、各々同一でも異なっていてもよい。またMは周期律表4族から選ばれる金属原子を示し、X及びYは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基、アミノ基、アミド基、リン含有炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基を示す。また、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、フルオレニル基、置換フルオレニル基、アズレニル基および置換アズレニル基の中から選択される配位子。a、cは2〜10、b、dは0〜10の整数であり、bやdが0の場合Cで示される炭素原子は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基もしくはホウ素含有炭化水素基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基の中から選ばれた基と結合し、それぞれは同一でも異なっていてもよい。)
〔B〕:下記の(イ)、(ロ)、(ハ)または(ニ)で示される化合物
(イ)アルミニウムオキシ化合物
(ロ)ルイス酸
(ハ)成分〔A〕と反応して成分〔A〕をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物
(ニ)イオン交換性層状無機化合物
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の触媒を構成する〔A〕成分は、下記式〔1〕または〔2〕で表されるメタロセン系遷移金属化合物である。
【化4】
Figure 0004368438
(式中、R、R、R、R、R、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基もしくはホウ素含有炭化水素基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基またはアミノ基であり、各々同一でも異なっていてもよい。またMは周期律表4族から選ばれる金属原子を示し、X及びYは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基、アミノ基、アミド基、リン含有炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基を示す。また、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、フルオレニル基、置換フルオレニル基、アズレニル基および置換アズレニル基の中から選択される配位子。a、cは2〜10、b、dは0〜10の整数であり、bやdが0の場合Cで示される炭素原子は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基もしくはホウ素含有炭化水素基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基の中から選ばれた基と結合し、それぞれは同一でも異なっていてもよい。)
【0008】
上記一般式〔I〕、〔2〕中、R、R、R、R、R、Rとしては水素原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜12、の炭化水素基に加え、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子基、炭素数1〜12のアルコキシ基、例えば−Si(R)(R)(R)で示される炭素数1〜24のケイ素含有炭化水素基、−P(R)(R)で示される炭素数1〜18のリン含有炭化水素基、−N(R)(R)で示される炭素数1〜18の窒素含有炭化水素基、または−B(R)(R)で示される炭素数1〜18のホウ素含有炭化水素基が挙げられる。これらの置換基が複数ある場合、それぞれの置換基は同一であっても異なっていてもよい。上述のR〜Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基を示す。
【0009】
a、cは2〜10、b、dは0〜10の整数であり、好ましくはa、cは3〜8、b、dは0〜8である。bやdが0の場合はC* で示される炭素原子の置換基は水素原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜12、の炭化水素基に加え、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、炭素数1〜12のアルコキシ基、例えば−Si(R)(R)(R)で示される炭素数1〜24のケイ素含有炭化水素基、−P(R)(R)で示される炭素数1〜18のリン含有炭化水素基、−N(R)(R)で示される炭素数1〜18の窒素含有炭化水素基、または−B(R)(R)で示される炭素数1〜18のホウ素含有炭化水素基が挙げられる。これらの置換基が複数ある場合、それぞれの置換基は同一であっても異なっていてもよい。上述のR〜Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基を示す。
【0010】
Mは、周期律表4族から選ばれる金属原子、具体的にはチタン、ジルコニウムまたはハフニウム等である。特にはジルコニウム及びハフニウムが好ましい。
XおよびYは、各々水素、ハロゲン原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜20、好ましくは1〜18の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜20、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基、またはトリメチルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基等の炭素数1〜20、好ましくは1〜12のケイ素含有炭化水素基である。XとYとは同一でも異なってもよい。これらのうちハロゲン原子、炭化水素基、特に炭素数1〜8のもの、およびアミノ基が好ましい。
【0011】
上記一般式〔2〕中のAはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、フルオレニル基、置換フルオレニル基、アズレニル基および置換アズレニル基の中から選択される。これら置換シクロペンタジエニル基、置換インデニル基、置換フルオレニル基、置換アズレニル基の置換基としては特に制約はないが、例えば炭素数1〜20、好ましくは1〜12、の炭化水素基に加え、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、炭素数1〜12のアルコキシ基、例えば−Si(R)(R)(R)で示される炭素数1〜24のケイ素含有炭化水素基、−P(R)(R)で示される炭素数1〜18のリン含有炭化水素基、−N(R)(R)で示される炭素数1〜18の窒素含有炭化水素基、又は−B(R)(R)で示される炭素数1〜18のホウ素含有炭化水素基が挙げられる。これらの置換基が複数ある場合、それぞれの置換基は同一であっても異なっていてもよい。上述のR〜Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基を示す。
【0012】
XおよびYは、各々水素、ハロゲン原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜20、好ましくは1〜18の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜20、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基、またはトリメチルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基等の炭素数1〜20、好ましくは1〜12のケイ素含有炭化水素基である。XとYとは同一でも異なってもよい。これらのうちハロゲン原子、炭化水素基、特に炭素数1〜8のもの、及びアミノ基が好ましい。
【0013】
本発明によるエチレン重合用触媒において、成分〔A〕は、一般式〔1〕、〔2〕で表されるメタロセン系遷移金属化合物であって、少なくとも2−位に置換基を有するテトラヒドロインデニル誘導体、2−位に置換基を有するヘキサヒドロアズレニル誘導体、あるいはオクタヒドロフルオレニル誘導体を有するメタロセン系金属化合物である。
また、一般式〔2〕のAに関して、特に好ましいのは以下のものである。
シクロペンタジエニル、メチル−シクロペンタジエニル、1,2−ジメチルシクロペンタジエニル、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル、n−ブチルシクロペンタジエニル、インデニル、2−メチルインデニル、2,4−ジメチルインデニル、2−メチル−4−フェニルインデニル、2−メチルベンゾインデニル、フルオレニル、1−メチルフルオレニル、2−メチル−4H−アズレニル、2,4−ジメチル−4H−アズレニル、2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル。
【0014】
更にまた、一般式〔1〕、〔2〕で表される化合物M、XおよびYについて特に好ましいものは
M:4族遷移金属、
X、Y:塩素、メチル基、ジエチルアミノ基
である。
【0015】
一般式〔1〕、〔2〕で示される成分〔A〕は、同一の一般式で示される化合物および/または異なる一般式で表される化合物の二種以上の混合物として用いることができる。一般式〔1〕で示される遷移金属化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
例えば
(1)ビス(2−メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(2)ビス(2−エチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(3)ビス(2,4−ジメチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(4)ビス(2−メチル−4−フェニルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
(5)ビス(2−メチルヘキサヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(6)ビス(2,4−ジメチルヘキサヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(7)ビス(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
(8)ビス(1−メチルオクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
(9)ビス(オクタヒドロフルオレニル)テトラヒドロインデニルジルコニウムジクロリド、
(10)(2−メチルテトラヒドロインデニル)テトラヒドロインデニルジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
【0016】
一般式〔2〕で示される遷移金属化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。 例えば
(1)(テトラヒドロインデニル)2−メチルインデニルジルコニウムジクロリド、
(2)(テトラヒドロインデニル)2−メチル−4H−アズレニルジルコニウムジクロリド、
(3)(2−メチルテトラヒドロインデニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、
(4)(2−メチルテトラヒドロインデニル)インデニルジルコニウムジクロリド、
(5)(2−エチルテトラヒドロインデニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、
(6)(2,4−ジメチルテトラヒドロインデニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、
(7)(2−メチル−4−フェニルテトラヒドロインデニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、
(8)(2−メチルヘキサヒドロアズレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、
(9)ビス(2,4−ジメチルヘキサヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド、
(10)(オクタヒドロフルオレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、(11)(1−メチルオクタヒドロフルオレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
【0017】
前述の一般式〔1〕、〔2〕の遷移金属化合物の例示において塩素を臭素、ヨウ素、ヒドリド、メチル、フェニル等に置きかえたものも使用可能である。さらに、本発明では、成分〔A〕として前記に例示したジルコニウム化合物の中心金属のジルコニウムをチタンまたはハフニウムに換えた化合物も用いることができる。これらのうちで好ましいものは、ジルコニウム化合物、ハフニウム化合物である。
【0018】
本触媒の〔B〕成分としては、(イ)アルミニウムオキシ化合物、(ロ)ルイス酸、(ハ)成分〔A〕と反応して成分〔A〕をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物あるいは(ニ)イオン交換性層状無機化合物が用いられる。
ルイス酸のあるものは、「成分〔A〕と反応して成分〔A〕をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物」として捉えることもできる。従って、「ルイス酸」および「成分〔A〕と反応して成分〔A〕をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物」の両者に属する化合物は、いずれか一方に属するものと解釈するものとする。
【0019】
アルミニウムオキシ化合物(イ)の好ましいものとしては、具体的に下記の一般式〔3〕、〔4〕または〔5〕で表される化合物がある。
【化5】
Figure 0004368438
(ここで、pは0〜40、好ましくは2〜30、の数であり、R10は水素または炭化水素残基、好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6、のもの、を示す。)
【0020】
一般式〔3〕および〔4〕の化合物は、アルモキサンとも呼ばれる化合物であって、一種類のトリアルキルアルミニウム、または二種類以上のトリアルキルアルミニウムと水との反応により得られる生成物である。具体的には、(i)一種類のトリアルキルアルミニウムと水から得られるメルチアルモキサン、エチルアルモキサン、プロピルアルモキサン、ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン等、(ii)二種類のトリアルキルアルミニウムと水から得られるメチルエチルアルモキサン、メチルブチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサン等が例示される。これらの中で特に好ましいのは、メチルアルモキサンおよびメチルイソブチルアルモキサンである。
【0021】
これらのアルモキサンは、各群内および各群間で複数種併用することも可能であり、またトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド等の他のアルキルアルミニウム化合物と併用することも可能である。
これらのアルモキサンは、公知の様々な条件下に調製することができる。具体的には、以下のような方法が例示できる。
(い)トルアルキルアルミニウムをトルエン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶媒を用いて直接水と反応させる方法、
(ろ)トリアルキルアルミニウムを、結晶水を有する塩水和物、例えば硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物、と反応させる方法、
(は)トリアルキルアルミニウムを、成分〔C〕として使用するような化合物(詳細後記)、例えばシリカゲル等に含浸させた水分と反応させる方法、
(に)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを混合し、トルエン、ベンゼン、エーテル等の適当な溶媒中にて直接水と反応させる方法、
(ほ)トルメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを混合し、結晶水を有する塩水和物、例えば硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物、と加熱反応させる方法、
(へ)含浸させたシリカゲル等(成分〔C〕として使用しうるもの)を、トリイソブチルアルミニウムで処理した後、トリメチルアルミニウムで追加処理する方法、
(と)メチルアルモキサンおよびイソブチルアルモキサンを公知の方法で合成し、これら二成分を所定量混合し、加熱反応させる方法、
(ち)ベンゼン、トルエン、等の芳香族炭化水素溶媒に硫酸銅五水和物等の結晶水を有する塩を入れ、−40〜+40℃位の温度条件下にトリメチルアルミニウムと反応させる方法。この場合使用される水の量は、トリメチルアルミニウムに対してモル比で通常0.5〜1.5である。このようにして得られたメチルアルモキサンは、線状または環状の有機アルミニウムの重合体である。
【0022】
一方、一般式〔5〕で表される化合物は、一種類のトリアルキルアルミニウム、または二種類以上のトリアルキルアルミニウムと
12B(OH)
で表される(アルキル)ボロン酸(ここで、R12は水素または炭化水素残基好ましくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6、のものを示す)との10:1〜1:1(モル比)の反応により得ることができる。具体的には、(い)トリメチルアルミニウムとメチルボロン酸の2:1反応物、(ろ)トリイソブチルアルミニウムとメチルボロン酸の2:1反応物、(は)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムとメチルボロン酸の1:1:1反応物、(に)トリメチルアルミニウムとエチルボロン酸の2:1反応物、および(ほ)トリエチルアルミニウムとブチルボロン酸の2:1反応物等が例示される。これらの一般式〔5〕の化合物は複数種併用することも可能であり、またトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド等の他のアルキルアルミニウム化合物と併用することも可能である。
【0023】
また、成分〔A〕と反応して成分〔A〕をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物(ハ)としては、一般式〔6〕で表されるものがある。
〔K〕e+〔Z〕e- 〔6〕
(ここで、Kはイオン性のカチオン成分であって、好ましくは例えばカルボニウムカチオン、トロピリウムカチオン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン等が挙げられる。また、それ自身が還元されやすい金属の陽イオンや有機金属の陽イオン等も挙げられる。これらのカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウム、ジフェニルカルボニウム、シクロヘプタトリエニウム、インデニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、ジプロピルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、トリフェニルホスホニウム、トリメチルホスホニウム、トリ(メチルフェニル)ホスホニウム、トリフェニルスルホニウム、トリフェニルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、ピリニウムおよび銀イオン、金イオン、白金イオン、銅イオン、パラジウムイオン、水銀イオン、フェロセニウムイオン等がある。
【0024】
上記の一般式〔6〕におけるZはイオン性のアニオン成分であり、成分〔A〕が変換されたカチオン種に対して対アニオンとなる成分(一般には非配位の)であって、例えば、有機ホウ素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物アニオン、有機ガリウム化合物アニオン、有機リン化合物アニオン、有機ひ素化合物アニオン、有機アンチモン化合物アニオン等が挙げられる。具体的には、(い)テトラフェニルホウ素、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ホウ素、テトラキス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ホウ素、テトラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)ホウ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、(ろ)テトラフェニルアルミニウム、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミニウム、テトラキス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アルミニウム、テトラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)アルミニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、(は)テトラフェニルガリウム、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ガリウム、テトラキス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ガリウム、テトラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)ガリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリウム、(に)テトラフェニルリン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)リン、(ほ)テトラフェニルヒ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ヒ素、(へ)テトラフェニルアンチモン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アンチモン、(と)デカボレート、ウンデカボレート、カルバデカボレート、デカクロロデカボレート等がある。
【0025】
また、ルイス酸(ロ)、特に成分〔A〕をカチオンに変換可能なルイス酸としては、種々の有機ホウ素化合物が例示される。具体的には、トリフェニルホウ素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ素、トリス(3,5−ジ(トリメチルシリル)フェニル)ホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素がある。
これらのイオン性化合物やルイス酸は、成分〔B〕として単独で用いることもできるし、一般式〔3〕、〔4〕あるいは〔5〕のアルミニウムオキシ化合物と併用することもできるし、またトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド等の他のアルキルアルミニウム化合物と併用することも可能である。
【0026】
イオン交換性層状無機化合物(ニ)としては、イオン交換性層状珪酸塩が用いられる。イオン交換性層状珪酸塩は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる珪酸塩化合物であり、含有するイオン交換可能なものを指称する。大部分のイオン交換性層状珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出するが、これら、イオン交換性層状珪酸塩は特に、天然産のものに限らず、人工合成物であってもよい。
イオン交換性層状珪酸塩の具体例としては、例えば、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)、等に記載される公知の層状珪酸塩であって、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリン族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク、緑泥石群が挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。
これらの中では、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、テニオライト等のスメクタイト族、バーミキュライト族、雲母族が好ましい。
【0027】
また、珪酸塩以外のイオン交換性層状無機化合物は、六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl型、CdI型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性無機化合物等を例示することができる。このような結晶構造を有するイオン交換性層状無機化合物の具体例としては、α−Zr(HAsO・HO、α−Zr(HPO、α−Zr(KPO・3HO、α−Ti(HPO、α−Ti(HAsO・HO、α−Sn(HPO、HO、γ−Zr(HPO、γ−Ti(HPO、γ−Ti(NHPO・HO等の多価金属の結晶性酸性塩が挙げられる。
なお、(ニ)として、水銀圧入法を測定した半径が20オングストローム以上の細孔容積が0.1cc/g未満の化合物を用いた場合には、高い重合活性が得難い傾向があるので、0.1cc/g以上、特には0.3〜5cc/gのものが好ましい。また、(ニ)は特に処理を行うことなくそのまま用いることができるが、(ニ)成分に化学処理を施すことも好ましい。ここで化学処理とは、表面に付着している不純物を除去する表面処理と粘土の構造に影響を与える処理のいずれをも用いることができる。
【0028】
具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理等が挙げられる。酸処理は表面の不純物を取り除く他、結晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では層状無機化合物の結晶構造が破壊され、層状無機化合物の構造の変化をもたらす。また塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間距離を変えることができる。イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと置換することにより、層間が拡大した状態の層状物質を得ることもできる。すなわち、嵩高いイオン層状構造を支える支柱的な役割を担っており、ピラーと呼ばれる。また層状物質層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。
【0029】
インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl、ZrCl等の陽イオン性無機化合物、Ti(OR)、Zr(OR)、PO(OR)、B(OR)〔Rはアルキル、アリール等〕等の金属アルコラート、〔Al13(OH)247+、〔Zr(OH)142+、〔FeO(OCOCH+ 等の金属水酸化物イオン等が挙げられる。これらの化合物は、単一で用いても、また2種類以上共存させて用いてもよい。これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)、Al(OR)、Ge(OR)等の金属アルコラート等を加水分解して得た重合物、SiO等のコロイド状無機化合物等を共存させることもできる。また、ピラーの例としては上記水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物等が挙げられる。〔B〕成分はそのまま用いてもよいし、加熱脱水処理した後用いてもよい。また、単独で用いても、上記固体の2種以上を混合して用いてもよい。
【0030】
本発明においては、塩類で処理される前の、イオン交換性層状無機化合物(ニ)が含有する交換可能な1族金属陽イオンの40%以上、好ましくは60%以上を、下記に示す塩類より解離した陽イオンと、イオン交換することが好ましい。このようなイオン交換を目的とした塩類処理で用いられる塩類は、2〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンを含有する化合物であり、好ましくは、2〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸および有機酸から成る群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンとから成る化合物であり、更に好ましくは、2〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、Cl、Br、I、F、PO、SO、NO、CO、C、ClCO、OCOCH、CHCOCHCOCH、OCl、O(NO、O(ClO、O(SO)、OH、OCl、OCl、OCOH、OCOCHCH、CおよびCから成る群より選ばれる少なくとも一種の陰イオンとから成る化合物である。具体的にはCaCl、CaSO、CaC、Ca(NO、Ca(C、MgCl、MgBr、MgSO、Mg(PO、Mg(ClO、MgC、Mg(NO、Mg(OCOCH、MgC、Sc(OCOCH、Sc(CO、Sc(C、Sc(NO、Sc(SO、ScF、ScCl、ScBr、ScI、Y(OCOCH、Y(CHCOCHCOCH、Y(CO、Y(C、Y(NO、Y(ClO、YPO、Y(SO、YF、YCl、La(OOCH、La(CHCOCHCOCH、La(CO、La(NO、La(ClO、La(C、LaPO、La(SO、LaF、LaCl、LaBr、LaI、Sm(OCOCH、Sm(CHCOCHCOCH、Sm(CO、Sm(NO、Sm(ClO、Sm(C、SmPO、Sm(SO、SmF、SmCl、SmBr、SmI、Yb(OCOCH、Yb(NO、Yb(ClO、Yb(C、Yb(SO、YbF、YbCl、Ti(OCOCH、Ti(CO、Ti(NO、Ti(SO、TiF、TiCl、TiBr、TiI、Zr(OCOCH、Zr(CO、Zr(NO、Zr(SO、ZrF、ZrCl、ZrBr、ZrI、ZrOCl、ZrO(NO、ZrO(ClO、ZrO(SO)、Hf(OCOCH、Hf(CO、Hf(NO、Hf(SO、HfOCl、HfF、HfCl、HfBr、HfI、V(CHCOCHCOCH、VOSO、VOCl、VCl、VCl、VBr、Nb(CHCOCHCOCH、Nb(CO、Nb(NO、Nb(SO、ZrF、ZrCl、NbBr、Nbl、Ta(OCOCH、Ta(CO、Ta(NO、Ta(SO、TaF、TaCl、TaBr、TaI、Cr(OOCHOH、Cr(CHCOCHCOCH、Cr(NO、Cr(ClO、CrPO、Cr(SO、CrOCl、CrF、CrCl、CrBr、CrI、MoOCl、MoCl、MoCl、MoCl、MoF、MoI、WCl、WCl、WF、WBr、Mn(OOCH、Mn(CHCOCHCOCH、MnCO、Mn(NO、MnO、Mn(ClO、MnF、MnCl、MnBr、MnI、Fe(OCOCH、Fe(CHCOCHCOCH、FeCO、Fe(NO、Fe(ClCO、FePO、FeSO、Fe(SO、FeF、FeCl、FeBr、FeI、FeC、Co(OCOCH、Co(CHCOCHCOCH、CoCO、Co(NO、CoC、Co(ClO、Co(PO、CoSO、CoF、CoCl、CoBr、CoI、NiCO、Ni(NO、Ni(ClO、NiSO、NiCl、NiBr、Pb(OCOCH、Pb(OOCH、PbCO、Pb(NO、PbSO、PbHPO、Pb(ClO、PbF、PbCl、PbBr、PbI、CuI、CuBr、Cu(NO、CuC、Cu(ClO、CuSO、Cu(OCOCH、Zn(OOCH、Zn(CHCOCHCOCH、ZnCO、Zn(NO、Zn(ClO、Zn(PO、ZnSO、ZnF、ZnCl、ZnBr、ZnI、Cd(OCOCH、Cd(CHCOCHCOCH、Cd(OCOCHCH、Cd(NO、Cd(ClO、CdSO、CdF、CdCl、CdBr、CdI、AlF、AlCl、AlBr、AlIAl(SO、Al(C、Al(CHCOCHCOCH、Al(NO、AlPO、GeCl、GeBr、GeI、Sn(OCOCH、Sn(SO、SnF、SnCl、SnBr、SnI等が挙げられる。酸処理は表面の不純物を除くほか、結晶構造のAl、Fe、Mg等の陽イオンの一部または全部を溶出させることができる。
【0031】
酸処理で用いられる酸は、好ましくは塩酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、リン酸、酢酸から選択される。処理に用いる塩類および酸は、2種以上であってもよい。塩類処理と酸処理を組み合わせる場合においては、塩類処理を行った後、酸処理を行う方法、酸処理を行った後、塩類処理を行う方法、および塩類処理と酸処理を同時に行う方法がある。
塩類および酸による処理条件は、特には制限されないが、通常、塩類および酸濃度は、0.1〜30重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は、5分〜24時間の条件を選択して、イオン交換性層状無機化合物に含有される少なくとも一種の化合物の少なくとも一部を溶出する条件で行うことが好ましい。また、塩類および酸は、一般的には水溶液で用いられる。
本発明では、好ましくは上記塩類処理および/または酸処理を行うが、処理前、処理間、処理後に粉砕や造粒等で形状制御を行ってもよい。また、アルカリ処理や有機物処理などの化学処理を併用してもよい。
【0032】
これらイオン交換性層状無機化合物には、通常吸着水および層間水が含まれる。本発明においては、これらの吸着水および層間水を除去して〔B〕成分として使用するのが好ましい。
ここで吸着水とは、イオン交換性層状無機化合物粒子の表面あるいは結晶破面に吸着された水で、層間水は結晶の層間に存在する水である。本発明では、加熱処理によりこれらの吸着水および/または層間水を除去して使用することができる。
イオン交換性層状無機化合物(ニ)の吸着水および層間水の加熱処理方法は特に制限されないが、加熱脱水、気体流通下の加熱脱水、減圧下の加熱脱水および有機溶媒との共沸脱水等の方法が用いられる。加熱の際の温度は、イオン交換性層状無機化合物および層間イオンの種類によるために一概に規定できないが、層間水が残存しないように、100℃以上、好ましくは150℃以上であるが、構造破壊を生じるような高温条件(加熱時間にもよるが例えば800℃以上)は好ましくない。また、空気流通下での加熱等の架橋構造を形成させるような加熱脱水方法は、触媒の重合活性が低下し、好ましくない。加熱時間は0.5時間以上、好ましくは1時間以上である。その際、除去した後の〔B〕成分の水分含有率が、温度200℃、圧力1mmHgの条件下で2時間脱水した場合の水分含有率を0重量%とした時、3重量%以下、好ましくは1重量%以下であることが好ましい。
【0033】
以上のように、本発明において、〔B〕成分として、特に好ましいものは、塩類処理および/または酸処理を行って得られた、水分含有率が1重量%以下の、イオン交換性層状無機化合物である。
また〔B〕成分は、平均粒径が5μm以上の粒状粒子を用いるのが好ましい。より好ましくは、平均粒径が10μm以上の球状粒子を用いる。更に好ましくは平均粒径が10μm以上100μm以下の球状粒子を用いる。ここでいう平均粒径は、粒子の光学顕微鏡写真(倍率100倍)を画像処理して算出した数平均の粒径で表す。また〔B〕成分は、粒子の形状が球状であれば天然物あるいは市販品をそのまま使用してもよいし、造粒、分粒、分別等により粒子の形状および粒径を制御したものを用いてもよい。
【0034】
ここで用いられる造粒法は例えば撹拌造粒法、噴霧造粒法、転動造粒法、ブリケッティング、コンパクティング、押出造粒法、流動層造粒法、乳化造粒法、液中造粒法、圧縮成型造粒法等が挙げられるが〔B〕成分を造粒することが可能な方法であれば特に限定されない。造粒法として好ましくは、撹拌造粒法、噴霧造粒法、転動造粒法、流動造粒法が挙げられ、特に好ましくは撹拌造粒法、噴霧造粒法が挙げられる。尚、噴霧造粒を行う場合、原料スラリーの分散媒として水あるいはメタノール、エタノール、クロロホルム、塩化メチレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の有機溶媒を用いる。好ましくは水を分散媒として用いる。球状粒子が得られる噴霧造粒の原料スラリー液の〔B〕成分の濃度は0.1〜70%、好ましくは1〜50%、特に好ましくは5〜30%である。球状粒子が得られる噴霧造粒の熱風の入り口の温度は、分散媒により異なるが、水を例にとると80〜260℃、好ましくは100〜220℃で行う。
【0035】
また造粒の際に有機物、無機溶媒、無機塩、各種バインダーを用いてもよい。用いられるバインダーとしては例えば砂糖、デキストローズ、コーンシロップ、ゼラチン、グルー、カルボキシメチルセルロース類、ポリビニルアルコール、水ガラス、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、アルコール類、グリコール、澱粉、カゼイン、ラテックス、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、タール、ピッチ、アルミナゾル、シリカゲル、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。
上記のように得られた球状粒子は、重合工程での粉砕や微粉の抑制をするためには0.2MPa以上の圧縮破壊強度を有することが好ましい。このような粒子強度の場合には、特に予備重合を行う場合に、粒子性状改良効果が有効に発揮される。本発明において用いる〔B〕成分としては、触媒の造粒やコスト面、並びに得られるエチレン系重合体の分子量を考慮すると(ニ)であるイオン交換性層状無機化合物を用いるのが好ましい。
【0036】
また、本発明において必要に応じ〔C〕成分として用いられる有機アルミニウム化合物は、一般式
AlR11 3-m
(式中、R11は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Xは水素、ハロゲン、アルコキシ基、シロキシ基を示す。mは0<m≦3の整数を示す。)で表される。
具体的にはトリメチルアルミニウム、トルエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム又はジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノメトキシド等のハロゲンもしくはアルコキシ含有アルキルアルミニウムが挙げられる。これらのうち特にトリアルキルアルミニウムが好ましい。
【0037】
〔A〕成分、〔B〕成分及び必要に応じて用いる〔C〕成分の接触方法は特に限定されないが、例えば以下のような順序で接触させることができる。
イ.〔A〕成分と〔B〕成分を接触させる。
ロ.〔A〕成分と〔B〕成分を接触させた後に〔C〕成分を添加する。
ハ.〔A〕成分と〔C〕成分を接触させた後に〔B〕成分を添加する。
ニ.〔B〕成分と〔C〕成分を接触させた後に〔A〕成分を添加する。
また、この接触は触媒調製時だけでなく、オレフィンによる予備重合時、又はオレフィンの重合時に行ってもよい。
そのほか、三成分を同時に接触させてもよい。
この触媒各成分の接触に際し、又は接触の後にオレフィン重合体、スチレン系重合体、アクリル系重合体等またはこれらの共重合体や、シリカ、アルミナ等の無機酸化物の固体を共存させ、あるいは接触させてもよい。接触は窒素等の不活性ガス中、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒中で行ってもよい。接触温度は、−20℃〜溶媒の沸点の間で行い、特に室温から溶媒の沸点の間で行うのが好ましい。
【0038】
触媒各成分の使用量は、〔B〕成分1gあたり〔A〕成分を0.0001〜10mmol、好ましくは0.001〜5mmolであり、必要に応じて〔C〕成分を〔B〕成分1gあたり0.01〜10000mmol、好ましくは0.1〜100mmolである。また、〔A〕成分中の遷移金属と〔C〕成分中のアルミニウム原子のモル比は1:0.01〜1000000、好ましくは0.1〜100000である。
このようにして得られた触媒は調製後洗浄して、又は洗浄せずにそのままオレフィンの重合触媒として用いてもよい。
【0039】
また、本発明においては、成分〔B〕として、前記の(イ)〜(ハ)を用いる場合には成分〔D〕として、有機あるいは無機の微粒子状多孔質担体を組み合わせてもよい。
有機担体としては、好ましくは炭素数2〜10のα−オレフィン重合体、例えば(イ)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキサン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ヘキセン−1共重合体、プロピレン−ジビニルベンゼン共重合体等、(ロ)芳香族不飽和炭化水素重合体、例えばポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等、および(ハ)極性基含有重合体、例えばポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等が例示される。
【0040】
無機担体としては、(イ)無機酸化物、例えばSiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO、SiO−MgO、SiO−Al、SiO−TiO、SiO−V、SiO−Cr、SiO−TiO−MgO等、(ロ)無機ハロゲン化物、例えばMgCl、AlCl、MnCl等、(ハ)無機の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、例えばNaCO、KCO、CaCO、MgCO、Al(SO、BaSO、KNO、Mg(NO等、(ニ)酸化物、例えばMg(OH)、Al(OH)、Ca(OH)等、が例示される。なお、本発明に用いられる無機担体には、粘土鉱物、粘土またはイオン交換性層状化合物は含まれないで除外される。
【0041】
これらの担体は、0.006〜10μmの細孔の容積が通常0.1cc/g以上、好ましくは0.3cc/g以上、さらに好ましくは0.8cc/g以上、存在するものが用いられる。特に0.05〜2μmの範囲に存在する細孔の容積の和が、0.006〜10μmの範囲に存在する全細孔の細孔容積の総和の50%以上あるものが好ましい。
担体の粒子径は任意であるが、一般には1〜3000μm、好ましくは5〜2000μm、さらに好ましくは10μm〜1000μm、の範囲である。
これらのうちで好ましいものは、0.006〜10μmの細孔の容積の総和が1.0cc/g以上存在し、しかも0.05〜2μmの細孔の容積の和が0.006μ〜10μmの範囲の全細孔の細孔容積の総和の50%以上有する有機化合物、好ましくは炭素数2〜10のα−オレフィン重合体、の担体である。
【0042】
したがって、本発明触媒の組合せ方法としては、特に好ましくは、触媒が〔A〕+〔B〕のものである場合、上記成分〔A〕、〔B〕を重合槽外あるいは重合槽内で接触させることにより触媒が形成され、そのときの接触順序としては任意の組み合わせが可能である。また、〔A〕+〔B〕+〔D〕の触媒は、上記成分〔A〕、〔B〕、〔D〕を重合槽外あるいは重合槽内で接触させることにより形成され、そのときの接触順序としては任意の組み合わせが可能であるが、好ましくはあらかじめ〔D〕と〔B〕を接触させる、あるいは〔D〕の存在下に〔B〕を合成し、その後に他成分と接触させる方法である。また、〔A〕+〔B〕+〔C〕+〔D〕の触媒は、上記成分〔A〕、〔B〕、〔C〕、〔D〕を重合槽外あるいは重合槽内で接触させることにより形成され、そのときの接触順序としては任意の組み合わせが可能であるが、好ましくは重合槽外で、あらかじめ〔B〕と〔D〕とを接触させた後に〔A〕を接触させる方法であり、さらに好ましくは〔C〕を〔B〕と〔D〕との混合物に〔A〕と同時にあるいは直後に添加する方法である。
各成分を接触(添加・反応)させた後は、脂肪族炭化水素あるいは芳香族炭化水素溶媒にて洗浄することが可能であり、かつ好ましい。
【0043】
本発明で使用する成分〔A〕、〔B〕、〔C〕および/あるいは〔D〕の使用量は任意である。例えば、成分〔D〕1gに対し、成分〔A〕の使用量は遷移金属原子として10-10 〜10-3モル、さらには10-8〜10-4モルの範囲内が好ましい。成分〔B〕の使用量は、アルミニウムオキシ化合物の場合は、Al/成分〔A〕のモル比は通常1以上、50,000以下、さらに10以上、10,000以下、特に50以上、5,000以下、の範囲が好んで用いられる。一方、イオン性化合物あるいはルイス酸を用いた場合は、対成分〔A〕のモル比で0.1〜1,000、好ましくは0.5〜100、さらに好ましくは1〜50、の範囲内で使用される。
もし成分〔C〕を使用するならば、その使用量は、対成分〔A〕のモル比で105 以下、さらに104 以下、特に103 以下、の範囲内が好ましい。
【0044】
本発明の触媒は、これに重合性モノマーを接触させてこのモノマーを少量重合させることからなる予備重合処理に付すことも可能であり、かつ好ましい。予備重合モノマーとしては、α−オレフィンが使用でき、好ましくはエチレンである。予備重合量は、〔D〕成分1gあたり通常0.01〜1000g、好ましくは0.1〜50g、である。
重合に用いるオレフィンとしては、エチレン単独重合のほか、エチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとのランダム共重合やブロック共重合にも好適に用いることができる。またさらにブタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、メチル−1,4−ヘキサジエン、メチル−1,7−オクタジエン等のジエン化合物との共重合にも用いることができる。コモノマーの配合割合は、エチレン系共重合体中の50重量%以下、好ましくは0.5〜30重量%である。
重合の前に、本発明の触媒を用いてエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレン等のオレフィンを予備的に重合してもよい。この予備的な重合は不活性溶媒中で緩和な条件で行うことが好ましく、固体触媒1gあたり、0.01〜1000g、好ましくは0.1〜100gの重合体が生成するように行うことが望ましい。
重合反応は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等の不活性炭化水素や液化α−オレフィン等の溶媒存在下、あるいは不存在下に行われる。温度は−50℃〜250℃であり、圧力は特に制限されないが、好ましくは常圧〜約2000kg・f/cm の範囲である。
また、重合系内に分子量調節剤として水素を存在させてもよい。更に、重合温度、分子量調節剤の濃度等を変えて多段階で重合させてもよい。
【0045】
【実施例】
次に実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、これら実施例によって制約を受けるものではない。
なお、以下の触媒合成工程及び重合工程は、すべて精製窒素雰囲気下で行った。また溶媒は、モレキュラシーブス4Aで脱水した後、精製窒素でバブリングして脱気したものを用いた。
本実施例においてはエチレンと1−ブテンの共重合を記載するが、エチレンと1−ブテンの仕込み組成比は生成する共重合体の密度が概ね同程度になるよう、使用する触媒により適宜、変更した。
実施例中、MFRはASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重で測定した。なお、MFRの測定の際、重合体に2,6−ジ−t−ブチルパラクレゾールを0.1重量%配合した。
【0046】
実施例1
(1)ビス(2−メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドの合成
2−メチルインデン0.68g(5.2mmol)のn−ヘキサン(10ml)溶液に0℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.53M)3.6ml(5.5mmol)を滴下した。滴下終了後、反応溶液を徐々に室温まで昇温しながら4時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去した後、−78℃に冷却してジクロロメタン20mlを添加し、更に同温度で四塩化ジルコニウム0.58g(2.5mmol)とジクロロメタン10mlのスラリーを添加した。その後、徐々に室温まで昇温し、室温で4時間撹拌して反応を行った。得られた反応液をセライト上で濾過し、得られた濾液を減圧下で濃縮した後、n−ヘキサン50mlを加えて固体を析出させた。この固体をn−ヘキサン30mlで3回洗浄した後に溶媒を減圧下で留去し、ビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド715mgを得た。
次いで、このビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド0.52g(1.2mmol)を50mlのジクロロメタンに溶解し、そしてこの溶液を50mgの二酸化白金とともに0.1リットルのオートクレーブに導入した。更にオートクレーブの内圧が10kg・f/cm2 になるまで水素を仕込み、室温で1時間撹拌して反応を行った。水素パージ後、反応液をセライト上で濾過し、得られた濾液から溶媒を減圧下で留去してビス(2−メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド429mgを得た。
【0047】
(2)粘土鉱物の化学処理
市販の合成雲母30gをZnSO・7HO 52.5gを溶解させた脱塩水600ml中に分散させて90℃で3時間撹拌した。処理後、この固体成分を脱塩水で洗浄し、乾燥を行ってZn塩処理合成雲母を得た。
(3)粘土鉱物の加熱脱水処理
200mlフラスコに(2)で得たZn塩処理合成雲母10.0gを入れて減圧下、200℃で2時間の加熱脱水処理を行った。この脱水処理で1.16gの重量減が認められた。
(4)触媒成分の合成
100mlフラスコに(3)で得られたZn塩処理合成雲母1.0gを入れ、トルエン7mlに分散させてスラリーとした。次いで室温において撹拌下、トリエチルアルミニウム0.43ml添加した。室温で1時間接触させた後、上澄み液を抜き出して固体部をトルエンで洗浄した。これにトルエンを加えてスラリーとした後、前記(1)で合成したビス(2−メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液(10.0μmmol/ml)を20.0mlを加え、室温で1時間撹拌し触媒成分を得た。
(5)エチレン−1−ブテンの共重合
精製窒素で充分置換された2リットルの誘導撹拌式オートクレーブ中に、ノルマルヘキサン840ml、トリエチルアルミニウム0.25mmol、及び1−ブテン160mlを加え、70℃に昇温した。次いで前記(4)で得られた触媒成分を固体触媒として30.0mg、エチレンとともに導入し、全圧を25kg・f/cm2 に保ち、撹拌を続けて1時間重合を行った。重合はエタノール10mlを加えることにより停止させた。得られたエチレン−1−ブテン共重合体は270gであった。MFRは0.01g/10分と非常に低く、この重合体は高分子量を有していた。また、生成したエチレン重合体1g当たりの水素発生量は0.006mmolと非常に少量であった。
【0048】
比較例1
(1)触媒成分の合成及びエチレン−1−ブテンの共重合
実施例1の(4)において、ビス(2−メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドをビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライドに変えた以外は実施例1と同様にして触媒成分を合成し、重合時に使用した触媒成分を固体触媒として20.0mgに変更した以外は実施例1の(5)と同様にしてエチレン−1−ブテン共重合を行ったところ、得られたエチレン−1−ブテン共重合体は28gと少なく、低活性であった。この重合体のMFRは0.02g/10分であり、また、生成したエチレン重合体1g当たりの水素発生量は0.008mmolであった。
【0049】
比較例2
(1)触媒成分の合成及びエチレン−1−ブテンの共重合
実施例1の(4)において、ビス(2−メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドをジメチルシリレンビス(2−メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドに変えた以外は実施例1と同様にして触媒成分を合成した。重合は精製窒素で充分置換された2リットルの誘導撹拌式オートクレーブ中に、ノルマルヘキサン950ml、トリエチルアルミニウム0.25mmol、及び1−ブテン50mlを加え、70℃に昇温した。次いで前記で得られた触媒成分を固体触媒として10.0mg使用した以外は実施例1の(5)と同様にしてエチレン−1−ブテン共重合を行ったところ、得られたエチレン−1−ブテン共重合体は156gであった。この重合体のMFRは0.24g/10分であり、この重合体の分子量は不十分なものであった。また、生成したエチレン重合体1g当たりの水素発生量は0.004mmolであった。
【0050】
参考例1
(1)ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドの合成
実施例1の(1)において2−メチルインデン0.68gの代わりにインデン0.58gを使用した以外は実施例1と同様に操作してビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド451mgを得た。
(2)触媒成分の合成及びエチレン−1−ブテンの共重合
実施例1の(4)において、ビス(2−メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドを前記(1)で得られたビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドに変えた以外は実施例1と同様にして触媒成分を合成し、重合時に使用した触媒成分を固体触媒として3.0mgに変更した以外は実施例1の(5)と同様にしてエチレン−1−ブテン共重合を行ったところ、得られたエチレン−1−ブテン共重合体は250gであった。この重合体のMFRは0.3g/10分であった。また、生成したエチレン重合体1g当たりの水素発生量は0.011mmolであった。
【0051】
参考例2
(1)触媒成分の合成及びエチレン−1−ブテンの共重合
参考例1におけるジルコニウム錯体をハフニウム錯体とし、参考例1と同様にして触媒成分を合成し、重合時に使用した触媒成分を固体触媒として30.0mgに変更した以外は実施例1の(5)と同様にしてエチレン−1−ブテン共重合を行ったところ、得られたエチレン−1−ブテン共重合体は250gであった。この重合体のMFRは0.03g/10分であり、この重合体は高分子量を有していた。また、生成したエチレン重合体1g当たりの水素発生量は0.009mmolと非常に少量であった。
【0052】
比較例3
(1)触媒成分の合成及びエチレン−1−ブテンの共重合
実施例1の(4)において、ビス(2−メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドをビス(インデニル)ジルコニウムジクロライドに変えた以外は実施例1と同様にして触媒成分を合成し、重合時に使用した触媒成分を固体触媒として15.0mgに変更した以外は実施例1の(5)と同様にしてエチレン−1−ブテン共重合を行ったところ、得られたエチレン−1−ブテン共重合体は130gであった。この重合体のMFRは0.65g/10分であり、分子量は不十分なものであった。また、生成したエチレン重合体1g当たりの水素発生量は0.014mmolであった。
【0053】
比較例4
(1)触媒成分の合成及びエチレン−1−ブテンの共重合
実施例1の(4)において、ビス(2−メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドをジメチルシリレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドに変えた以外は実施例1と同様にして触媒成分を合成した。重合は精製窒素で充分置換された2リットルの誘導撹拌式オートクレーブ中に、ノルマルヘキサン950ml、トリエチルアルミニウム0.25mmol、及び1−ブテン50mlを加え、70℃に昇温した。次いで前記で得られた触媒成分を固体触媒として20.0mg使用した以外は実施例1の(5)と同様にしてエチレン−1−ブテン共重合を行ったところ、得られたエチレン−1−ブテン共重合体は150gであった。この重合体のMFRは0.79g/10分であり、分子量は不十分なものであった。また、生成したエチレン重合体1g当たりの水素発生量は0.002mmolであった。
【0054】
実施例
(1)(オクタヒドロフルオレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロライドの合成
フルオレン1.08g(6.5mmol)のn−ヘキサン(20ml)溶液に0℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.53M)4.6ml(7.1mmol)を滴下した。滴下終了後、反応溶液を徐々に室温まで昇温しながら4時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去した後、−78℃に冷却してジクロロメタン30mlを添加し、更に同温度でモノシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド1.65g(6.3mmol)とジクロロメタン30mlのスラリーを添加した。その後、徐々に室温まで昇温し、室温で4時間撹拌して反応を行った。得られた反応液をセライト上で濾過し、得られた濾液を減圧下で濃縮した後、n−ヘキサン70mlを加えて固体を析出させた。この固体をn−ヘキサン50mlで3回洗浄した後に溶媒を減圧下で留去し、(フルオレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロライド1.65gを得た。
次いで、この(フルオレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロライド0.56g(1.4mmol)を50mlのジクロロメタンに溶解し、そしてこの溶液を50mgの二酸化白金とともに0.1リットルのオートクレーブに導入した。更にオートクレーブの内圧が10kg・f/cm になるまで水素を仕込み、室温で1時間撹拌して反応を行った。水素パージ後、反応液をセライト上で濾過し、得られた濾液から溶媒を減圧下で留去して(オクタヒドロフルオレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロライド168mgを得た。
(2)触媒成分の合成及びエチレン−1−ブテンの共重合
実施例1の(4)において、ビス(2−メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドを前記(1)で得られた(オクタヒドロフルオレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロライドに変えた以外は実施例1と同様にして触媒成分を合成し、実施例1の(5)と同様にしてエチレン−1−ブテン共重合を行ったところ、得られたエチレン−1−ブテン共重合体は250gであった。この重合体のMFRは0.1g/10分であった。また、生成したエチレン重合体1g当たりの水素発生量は0.008mmolであった。
【0055】
比較例5
(1)触媒成分の合成及びエチレン−1−ブテンの共重合
実施例1の(4)において、ビス(2−メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドを(フルオレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロライドに変えた以外は実施例1と同様にして触媒成分を合成し、重合時に使用した触媒成分を固体触媒として15.0mgに変更した以外は実施例1の(5)と同様にしてエチレン−1−ブテン共重合を行ったところ、得られたエチレン−1−ブテン共重合体は13gと少なく、低活性であった。この重合体のMFRは0.07g/10分であった。また、生成したエチレン重合体1g当たりの水素発生量は0.014mmolであった。
【0056】
比較例6
(1)触媒成分の合成及びエチレン−1−ブテンの共重合
実施例1の(4)において、ビス(2−メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドをイソプロピリデン(フルオレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロライドに変えた以外は実施例1と同様にして触媒成分を合成した。重合は精製窒素で充分置換された2リットルの誘導撹拌式オートクレーブ中に、ノルマルヘキサン950ml、トリエチルアルミニウム0.25mmol、及び1−ブテン50mlを加え、70℃に昇温した。次いで前記で得られた触媒成分を固体触媒として20.0mg使用した以外は実施例1の(5)と同様にしてエチレン−1−ブテン共重合を行ったところ、得られたエチレン−1−ブテン共重合体は56gであった。この重合体のMFRは1.76g/10分であり、分子量は不十分なものであった。また、生成したエチレン重合体1g当たりの水素発生量は0.031mmolと多いものであった。
【0057】
比較例7
(1)触媒成分の合成及びエチレン−1−ブテンの共重合
実施例1の(4)において、ビス(2−メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドをビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドに変えた以外は実施例1と同様にして触媒成分を合成し、重合時に使用した触媒成分を固体触媒として15.0mgに変更した以外は実施例1の(5)と同様にしてエチレン−1−ブテン共重合を行ったところ、得られたエチレン−1−ブテン共重合体は240gであった。この重合体のMFRは2.1g/10分であり、この重合体の分子量は不十分なものであった。また、生成したエチレン重合体1g当たりの水素発生量は0.018mmolと多いものであった。
【0058】
比較例8
(1)触媒成分の合成及びエチレン−1−ブテンの共重合
実施例1の(4)において、ビス(2−メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドをビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドに変えた以外は実施例1と同様にして触媒成分を合成し、重合時に使用した触媒成分を固体触媒として15.0mgに変更した以外は実施例1の(5)と同様にしてエチレン−1−ブテン共重合を行ったところ、得られたエチレン−1−ブテン共重合体は170gであった。この重合体のMFRは1.3g/10分であり、この重合体の分子量は不十分なものであった。また、生成したエチレン重合体1g当たりの水素発生量は0.016mmolと多いものであった。
【0059】
比較例9
(1)触媒成分の合成及びエチレン−1−ブテンの共重合
実施例1の(4)において、ビス(2−メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドを(2−メチルインデニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロライドに変えた以外は実施例1と同様にして触媒成分を合成し、重合時に使用した触媒成分を固体触媒として15.0mgに変更した以外は実施例1の(5)と同様にしてエチレン−1−ブテン共重合を行ったところ、得られたエチレン−1−ブテン共重合体は75gと少なく、低活性であった。この重合体のMFRは0.11g/10分であり、また生成したエチレン重合体1g当たりの水素発生量は0.010mmolであった。
【0060】
比較例10
(1)触媒成分の合成及びエチレン−1−ブテンの共重合
実施例1の(4)において、ビス(2−メチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドを(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)インデニルジルコニウムジクロライドに変えた以外は実施例1と同様にして触媒成分を合成し、重合時に使用した触媒成分を固体触媒として15.0mgに変更した以外は実施例1の(5)と同様にしてエチレン−1−ブテン共重合を行ったところ、得られたエチレン−1−ブテン共重合体は20gと少なく、低活性であった。この重合体のMFRは0.05g/10分であり、また生成したエチレン重合体1g当たりの水素発生量は0.013mmolであった。
又、下記Mw/MnはGPCで測定した値を用いた。即ち、分子量既知の標準ポリスチレンを使用し、ユニバーサル法により、数平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwに換算し、Mw/Mn値を求めた。測定はウォーターズ社製ISOC−ARC/GPCを用い、カラムは昭和電工社製AD80M/Sを3本使用し、試料はo−ジクロロベンゼンに溶解させて、0.2重量%溶液として200μlを使用し、140℃、流速1ml/分で実施した。
【0061】
実施例
(1)〔ビス(2−メチル−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドの合成〕
特願平9−295497号公報実施例1に記載の方法により合成を実施した。
(2)〔触媒の調製〕 撹拌器を備えた200mLフラスコを窒素置換した後、WITCO社製MAO on SiO 2.0g(17.0mmol−Al)を入れた後、トルエン50.0mlを入れた。そのスラリーにメタロセン錯体として、ビス(2−メチル−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド68.6mgをトルエンに溶解させた錯体溶液20.0mLを撹拌しながら室温にて加えた。10分間撹拌した後、ヘプタンを加えて溶媒全量を200mLとしてスラリー触媒を調整した。
(3)〔重合〕 事前に窒素流通下、100℃で30分間乾燥したステンレス製、1.0Lのオートクレーブに室温でヘプタン500mL、1−ヘキセン30mL、そして上記(1)で調整したスラリー触媒8.0mL(MAO on SiOとして80mg相当)を加えた後、温度とエチレンの圧力をそれぞれ65℃および7.0kgf/cm−Gまで上げ、重合槽内の温度、圧力を安定させ、更にトリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(トリエチルアルミニウム57mg相当)を添加した。重合は全圧を7.0kgf/cm−Gに保ったまま1.5時間行った。重合終了後、反応系を冷却し、エチレンをパージした後、ポリエチレンのスラリーを抜き出し、濾過した。得られたポリマーを100℃で12時間乾燥して、21.2gのエチレン/1−ヘキセン共重合体を得た。結果を表−1に示す。
【0062】
比較例11
実施例1において、ビス(2−メチル−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドの代わりに、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド64.7mgを用いた以外は同様に触媒調製、重合および後処理を行い、ポリマー37.1gを得た。結果を表−1に示す。
【0063】
参考例3
実施例3において、ビス(2−メチル−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドの代わりに、ビス(2,4−ジメチル−テトラヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリド77.6mgを用いた以外は同様に触媒調製、重合および後処理を行い、ポリマー8.2gを得た。結果を表−1に示す。
【0064】
実施例
実施例1において、ビス(2−メチル−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライドの代わりに、(オクタヒドロフルオレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド64.1mgを用いた以外は同様に触媒調製、重合および後処理を行い、ポリマー20.5gを得た。結果を表−1に示す。
【表1】
Figure 0004368438
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、触媒の重合活性が高く、重合時の水素発生量も少なく、しかも高分子量のエチレン重合体が得られ、工業的に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフローチャート図。

Claims (3)

  1. 下記〔A〕成分と〔B〕成分とを組み合わせてなるエチレン重合用触媒の存在下、エチレンまたはエチレンと炭素数4〜20のα−オレフィンを接触させて重合することを特徴とする、α−オレフィン含量が50重量%以下のエチレン系重合体の製造方法。
    〔A〕下記式〔1〕または〔2〕で表されるメタロセン系遷移金属化合物であって、少なくとも、2−位に置換基を有するテトラヒドロインデニル誘導体、2−位に置換基を有するヘキサヒドロアズレニル誘導体、あるいはオクタヒドロフルオレニル誘導体を有するメタロセン系金属化合物
    Figure 0004368438
    (式中、R、R、R、R、R、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基もしくはホウ素含有炭化水素基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基またはアミノ基であり、各々同一でも異なっていてもよい。またMは周期律表4族から選ばれる金属原子を示し、X及びYは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基、アミノ基、アミド基、リン含有炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基を示す。また、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、フルオレニル基、置換フルオレニル基、アズレニル基および置換アズレニル基の中から選択される配位子。a、cは、a=cであって、かつ4または5であり、b、dは0または4であって、a=c=4のとき、b=d=0または4、a=c=5のとき、b=d=0の整数であり、bやdが0の場合Cで示される炭素原子は水素原子(ただし、C で示される炭素原子が2−位の炭素原子となる場合の水素原子を除く)、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基もしくはホウ素含有炭化水素基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基の中から選ばれた基と結合し、それぞれは同一でも異なっていてもよい。)
    〔B〕:下記の(ニ)で示される化合物
    (ニ)イオン交換性層状無機化合物
  2. 成分〔C〕として、更に有機アルミニウム化合物を含有することを特徴とする、請求項1に記載のエチレン系重合体の製造方法。
  3. 成分〔C〕が、AlR11 3−m(式中、R11は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Xは水素、ハロゲン、アルコキシ基、シロキシ基またはアミド基を示す。mは0<m≦3の整数を示す。)で表される化合物であることを特徴とする、請求項2に記載のエチレン系重合体の製造方法。
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