JP2008274142A - オレフィン重合用触媒及びその触媒の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポストメタロセン系触媒としての非メタロセン系のオレフィン重合触媒の技術改良を行い、触媒活性が高く、溶融流動性と成形加工性及び粒子性状に優れたオレフィンポリマーを生成できる、経済的に安価なオレフィン重合用触媒を開発する。
【解決手段】(A)成分と(B)成分を含有するオレフィン重合用触媒
(A)成分:遷移金属を有する均一系重合触媒成分
(B)成分:(B−1)成分と(B−2)成分とを接触して得られる触媒成分
(B−1)成分:周期律表第3〜11族の遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンが、インターカレートされたイオン交換性層状化合物
(B−2)成分:分子量1,000以下の化合物であって、分子内に非共有電子対を有する第15族又は第16族の元素を少なくとも2個有し、当第15族又は第16族の元素は1〜6個の第14族元素を介して連結されている、有機化合物
【選択図】図1

Description

本発明は、新規なオレフィン重合用触媒及びその触媒の製法、並びにその重合用触媒を用いるオレフィン系重合体の製造方法に関し、詳しくは、触媒活性が高く、溶融流動性と粒子性状に優れた重合体を製造することができ、経済的にも有利である特徴を有するところの、特定の遷移金属化合物と、遷移金属でイオン交換したイオン交換性層状化合物と特定の有機化合物を接触して得られる化合物とを少なくとも含む、インターカレートを利用した二元系のオレフィン重合用触媒とその製法に係り、更にその重合用触媒を用いて、低分子量成分の増加を抑えながらも溶融流動性に優れた分子量分布の広いオレフィン系重合体を安定かつ経済的に安価に製造できる、オレフィン系重合体の製造方法に係るものである。
産業用の資材として重用されている樹脂材料における主要なポリマーであるポリオレフィンは、工業的に主として、遷移金属化合物を使用するチーグラー系触媒及びメタロセン系触媒により製造されている。
かかる触媒における遷移金属化合物としては、シクロペンタジエニル基或いはその類縁体を配位子とする、周期律表(長周期型)における第4族元素の化合物が最も広く利用されているが、非MAO系であり希土類金属を利用する、第3族元素のメタロセン系化合物(特許文献1を参照)、更には、第5〜7族元素の遷移金属化合物、及びそれらによるオレフィン重合も報告され(特許文献2〜4を参照)、そのような触媒分野における開発や応用が広く展開されている。
更に、中心金属として、周期律表における第8族元素である鉄、第9族元素であるコバルト、第10族元素であるニッケルやパラジウム、及び第11族元素である銅のような後周期遷移金属元素を有する、オレフィン重合触媒の成分も見い出されている(非特許文献1及び特許文献5〜7を参照)。
これらのなかで、ポストメタロセン触媒と称される非メタロセン系触媒として、例えば、炭素原子と二重結合した2座の窒素原子を有する特殊な配位子にニッケルやパラジウムが配位した、いわゆるブルックハート触媒(先の特許文献5)などが注目されているが、概して重合活性が充分には高くない。
窒素原子の配位子として、2座以上の窒素原子などの配位サイトを有する化合物を用い、メチルアルミノキサン(MAO)と組み合わせた触媒系においては、エチレンを高活性で重合するが、メチルアルミノキサンによる重合体鎖の成長反応の阻害が著しくて、分子量の高い重合体を得ることが難しく、更に生成する重合体の粒子性状が悪いという問題が派生している。
かかる非メタロセン錯体触媒系における粒子性状の改良も検討されており、例えば、第8〜10族元素の多座窒素配位子錯体や第3〜11族元素のフェノキシイミン配位子錯体をシリカなどの微粒子や特定の樹脂に助触媒と共に担持し、或は助触媒兼担体としての粘土鉱物と組み合わせて使用する試みがなされている(特許文献8,9を参照)
この粘土鉱物と非メタロセン錯体を組み合わせた触媒系は、活性が高く、更には粒子性状や分子量をある程度改良することができるが、複雑な合成工程と精製分離工程を経て得られる高価な非メタロセン錯体を触媒原料として使用するため、触媒の価格が高くなって経済的に不利であり、また、錯体の担持が不充分なため、粒子性状が必ずしも良好ではない。
そこで、高価な非メタロセン錯体を使用する必要のない触媒系を得るための試みもなされており、例えば、アミノメチル基をピリジン環の窒素に隣接する炭素に置換基として有するピリジン誘導体と、周期表第8〜10族の遷移金属含有化合物からなる重合触媒も提示されているが(特許文献10を参照)、重合活性や粉体性状などの面で必ずしも充分な成果が得られていない。
また、オレフィン系重合体の分子量を適度に低くし分子量分布を適度に広くして、溶融流動性などの成形加工性や製品特性を改良するために、分子量の異なるオレフィン重合体を生成する二種類の異なるメタロセン錯体や非メタロセン錯体を同一重合系内で使用する試みもなされているが(特許文献11,12を参照)、重合活性や粉体性状などの面で必ずしも充分な成果が得られていない。
特開平9−95514号公報(特許請求の範囲の請求項1を参照) 特表2002−503733号公報(要約を参照) 特表2002−541152号公報(特許請求の範囲の請求項3を参照) 特表2003−527403号公報(特許請求の範囲の請求項5を参照) WO96/23010号国際公開(第1頁中段参照) WO98/27124号国際公開(第1頁上段参照) 特開平11−171915号公報(要約を参照) 特開平9−278821号公報(要約を参照) 特開2000−313712号公報(特許請求の範囲の請求項1を参照) 特開2000−344821号公報(要約を参照) 特開2000−198812号公報(要約を参照) 特開平9−278823号公報(要約を参照)
Journal of American Chemical Society 117巻 6414頁 触媒 44巻 3号 194頁(2002年)
背景技術において前述したところのオレフィン重合触媒の研究改良の経緯と展開の方向を鑑みれば、ポストメタロセン系触媒としての非メタロセン系のオレフィン重合触媒の開発と改良が、触媒性能の向上や重合体の諸物性及び重合プロセスの改善や工業的な経済性からして、主要な産業資材としてのオレフィン系樹脂材料分野において重要化し強く要望されていると思料されるので、本発明はかかる重合触媒の開発を目指すものである。
しかして、具体的には、周期律表において多岐に亘る遷移金属を利用し、遷移金属が配位する特異的な配位子を選定して、非メタロセン系のオレフィン重合触媒の技術改良を行い、かかる重合触媒における従来の問題を解消して、触媒活性が高く、溶融流動性と粒子性状に優れた重合体を製造することができる、経済的に安価なオレフィン重合用触媒を開発し、併せて、その触媒を用いて、低分子量成分の増加を抑えながらも流動性に優れた分子量分布が広いオレフィン系重合体を、安定かつ経済的に有利に製造し得る、オレフィン系重合体の製造方法を具現化することを、本発明における、発明が解決すべき課題とするものである。
ところで、本発明者らは、本発明と同様な、オレフィン重合触媒の従来技術における問題点に対する観点と、非メタロセン系のオレフィン重合触媒の技術改良を目指す志向から、イオン交換性層状化合物において、窒素や酸素などの第15族又は第16族原子を2個以上有する配位子に遷移金属原子がインターカレートにより配位した、特定の遷移金属錯体化合物を利用するオレフィン重合触媒の研究を、本発明に先立って行っていた。
そして、「(A)成分:周期律表第3〜11族の遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンが、インターカレートされたイオン交換性層状化合物と、(B)成分:周期律表第15〜16族元素を少なくとも2個有する分子量1,000以下の有機化合物を、接触して得られるオレフィン重合用触媒成分」を構成として、「触媒活性が高く、粒子性状に優れたポリマーを生成でき、経済的に安価なオレフィン重合用触媒が実現され、当重合触媒を用いて安定かつ経済的に有利なオレフィン重合体の製造方法を行うことができる。」という効果を奏する発明を完成させて、先に出願している(特願2006−244865)。
本発明者らは、前記した本発明の課題の解決を図り、周期律表において多岐に亘る遷移金属を利用し、遷移金属が配位する特異的な配位子を選定して、非メタロセン系のオレフィン重合触媒の技術改良を行うために、本発明と発明の課題が共通するところの、上記のオレフィン重合触媒に係る先願発明を利用し展開することとした。
そして、かかる、遷移金属イオンなどがインターカレートされたイオン交換性層状化合物に更に有機化合物配位子がインターカレートした触媒成分を利用し応用するにあたり、使用すべき他の触媒成分の選定やその機能、及び触媒の製造条件や助触媒の役割などについて多観点から考察と試行を行った。このような思考と実証の過程の結果として、先の、遷移金属イオンなどと有機化合物配位子がインターカレートした触媒成分を、遷移金属を有する各種の均一系重合触媒成分と組み合わせ接触させた重合触媒が、前記した本発明の課題を解決し得ることを見い出すことができ、触媒性能の向上や重合体の諸物性の改良及び重合プロセスの安定化や工業的な経済性の改善などの成果が得られる、本発明を創作するに至った。
しかして、本発明は、周期律表第3〜11族の特定の遷移金属化合物を1成分として使用すると共に、2座以上の窒素原子や酸素原子などの配位サイトを有する有機化合物の配位子を、特に、炭素原子と二重結合した2座の窒素原子を有する配位子を用いて、助触媒兼担体としてイオン交換性層状化合物を採用するものである。
そして、助触媒のイオン交換性層状化合物に、遷移金属原子をインターカレートし更に特定の配位サイトを有する有機化合物と接触させインターカレートしたイオン交換性層状化合物を合成し、当化合物を遷移金属化合物の助触媒として使用して、遷移金属を有する均一系重合触媒成分と組み合わせて、二種類以上の異なる重合活性点を有する、二元系のオレフィン重合用の触媒を得るものである。
即ち、本発明の基本的な要旨は、下記(A)成分と(B)成分を少なくとも含有することを特徴とするオレフィン重合用触媒に存する。
(A)成分:遷移金属を有する均一系重合触媒成分
(B)成分:(B−1)成分と(B−2)成分とを接触して得られる化合物。
(B−1)成分:周期律表第3〜11族の遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンが、インターカレートされたイオン交換性層状化合物。
(B−2)成分:分子量1,000以下の化合物であって、分子内に非共有電子対を有する第15族又は第16族の元素を少なくとも2個有し、第15族又は第16族の元素は、1〜6個の第14族元素を介して連結されている、有機化合物。
そして、本発明において、より具体的には、(A)成分が好ましくは、周期律表第3〜6族の遷移金属のメタロセン化合物であり、また、好ましくは周期律表第8〜10族の遷移金属のビスイミド化合物であり、更に、周期律表第3〜10族の遷移金属のハロゲン化物、周期律表第4〜6族の遷移金属のビスアミド化合物又はビスアルコキシド化合物、周期律表第3〜11族の遷移金属のフェノキシイミン化合物の内のいずれかの化合物である。
(B−1)成分としては、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Pdの内の少なくともいずれか1つの遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンがインターカレートされたイオン交換性層状化合物であり、(B−2)成分が下記の一般式(B−2a)で表わされる有機化合物である。
A−Q−A´ (B−2a)
(式中、A及びA´は、周期律表第15族又は第16族から選ばれる元素を少なくとも1個有する、炭素数1〜30の炭化水素化合物結合性基(同一化合物内においてA及びA´は同一であっても異なっていてもよい)を示し、Qは、ピリジン骨格、ピラジン骨格、ビピリジン骨格、モルホリン骨格、ピロール骨格、フリル骨格、チオフリル骨格を有する2価の環状化合物、アミン骨格、ホスフィン骨格、エーテル骨格、チオエーテル骨格、ヘキセニレン骨格、ヘキシニレン骨格、ヘプタジエニレン骨格、エテニルプロパン骨格、ジエチルベンゼン骨格を有する、少なくとも1組の非共有電子対又はπ結合を有し、AとA´を任意の位置で連結する結合性基を示す。)
更に、本発明のオレフィン重合用触媒は、(B−1)成分としての、遷移金属イオンなどがインターカレートされたイオン交換性層状化合物(いわゆるホスト化合物)と、(B−2)成分としての有機化合物(いわゆるゲスト化合物)とを接触することにより、当有機化合物をイオン交換性層状化合物に更にインターカレートして触媒成分の(B)成分を形成し、次いで、(A)成分としての遷移金属を有する均一系重合触媒成分と、(B)成分とを接触させることによって、製造することができる。
本発明は、段落0011及び0012に前記したように、イオン交換性層状化合物に、遷移金属原子をインターカレートし更に特定の配位サイトを有する有機化合物と接触させたイオン交換性層状化合物を合成し、当化合物を遷移金属化合物の助触媒として使用して、遷移金属を有する均一系重合触媒成分と組み合わせた、新規で特異な構成を有するものであって、触媒性能の向上や重合体の諸物性の改良及び重合プロセスの安定化や工業的な経済性の改善などの多面的な顕著な成果を特徴とするものである。
以上において、本発明の創作に至る経緯及び発明の構成と特徴などについて総括的に記載したので、ここで本発明の全体を俯瞰して本発明全体を明確にすると、本発明は次の発明群からなるものである。[1]及び[11]に記載の発明が基本発明であり、それら以外の発明は、基本発明の実施の態様化をなすものである。
[1]下記の(A)成分と(B)成分を少なくとも含有することを特徴とするオレフィン重合用触媒。
(A)成分:遷移金属を有する均一系重合触媒成分。
(B)成分:(B−1)成分と(B−2)成分とを接触して得られる触媒成分。
(B−1)成分:周期律表第3〜11族の遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオン が、インターカレートされたイオン交換性層状化合物。
(B−2)成分:分子量1,000以下の化合物であって、分子内に非共有電子対を
有する第15族又は第16族の元素を少なくとも2個有し、当第15族又は第16族の元素は1〜6個の第14族元素を介して連結されている、有機化合物。
[2](A)成分が、周期律表第3〜6族の遷移金属のメタロセン化合物であることを特徴とする、[1]におけるオレフィン重合用触媒。
[3]メタロセン化合物が、Ti、Zr、Hf、V、Crの内のいずれかのメタロセン化合物であることを特徴とする、[2]におけるオレフィン重合用触媒。
[4](A)成分が、周期律表第8〜10族の遷移金属のビスイミド化合物であることを特徴とする、[1]におけるオレフィン重合用触媒。
[5]ビスイミド化合物が、Fe、Co、Ni、Pdの内のいずれかのビスイミド化合物であることを特徴とする、[4]におけるオレフィン重合用触媒。
[6](A)成分が、周期律表第3〜10族の遷移金属のハロゲン化物、周期律表第4〜6族の遷移金属のビスアミド化合物又はビスアルコキシド化合物、周期律表第3〜11族の遷移金属のフェノキシイミン化合物の内のいずれかの化合物であることを特徴とする、[1]におけるオレフィン重合用触媒。
[7](B−1)成分として、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Pdの内の少なくともいずれか1つの遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンがインターカレートされたイオン交換性層状化合物であることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかにおけるオレフィン重合用触媒。
[8](B−2)成分が下記の一般式(B−2a)で表わされる有機化合物であることを特徴とする、[1]〜[7]のいずれかにおけるオレフィン重合用触媒。
A−Q−A´ (B−2a)
(式中、A及びA´は、周期律表第15族又は第16族から選ばれる元素を少なくとも1個有する、炭素数1〜30の炭化水素化合物結合性基(同一化合物内においてA及びA´は同一であっても異なっていてもよい)を示し、Qは、ピリジン骨格、ピラジン骨格、ビピリジン骨格、モルホリン骨格、ピロール骨格、フリル骨格、チオフリル骨格を有する2価の環状化合物、アミン骨格、ホスフィン骨格、エーテル骨格、チオエーテル骨格、ヘキセニレン骨格、ヘキシニレン骨格、ヘプタジエニレン骨格、エテニルプロパン骨格、ジエチルベンゼン骨格を有する、少なくとも1組の非共有電子対又はπ結合を有し、AとA´を任意の位置で連結する結合性基を示す。)
[9](B−2)成分の第15族又は第16族の元素が、窒素、リン、酸素又はイオウであることを特徴とする、[8]におけるオレフィン重合用触媒。
[10]任意成分の(C)成分として、有機アルミニウム化合物を含有することを特徴とする、[1]〜[9]のいずれかに記載されたオレフィン重合用触媒。
[11](B−1)成分としての、周期律表第3〜11族の遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンが、インターカレートされたイオン交換性層状化合物と、(B−2)成分としての、分子量1,000以下の化合物であって、分子内に非共有電子対を有する第15族又は第16族の元素を少なくとも2個有し、当第15族又は第16族の元素は1〜6個の14族元素を介して連結されている、有機化合物とを接触することにより、当有機化合物をイオン交換性層状化合物に更にインターカレートして触媒成分の(B)成分を形成し、次いで、(A)成分としての遷移金属を有する均一系重合触媒成分と、(B)成分とを接触させることを特徴とする、(A)成分と(B)成分を少なくとも含有する二元系オレフィン重合用触媒の製造方法。
[12][1]〜[10]のいずれかにおけるオレフィン重合用触媒を用いてオレフィンを重合又は共重合することを特徴とする、オレフィン系重合体の製造方法。
本発明においては、触媒活性が高く、溶融流動性と成形加工性及び粒子性状に優れたポリマーを生成できる、経済的に安価なオレフィン重合用触媒が実現され、当重合触媒を用いて、エチレンとプロピレンを主とするα−オレフィンの重合及び共重合において、低分子量成分の大幅な増加を抑えながらも流動性に優れたオレフィン重合体を、安定かつ経済的に有利に製造することができる。また、粘土層間にある重合活性点でポリマーが生成するため、粘土微粒子を高度に分散させることができる。
以上においては本発明における構成の骨格及びその特徴について概述したので、以下においては、発明の実施の形態を詳しく記述することにより、本発明を詳細に説明する。
1.オレフィン重合用触媒
(1)(A)成分について
本発明のオレフィン重合用触媒には、触媒成分である(A)成分として、遷移金属を有する均一系重合触媒成分が用いられる。即ち、(A)成分は公知の均一系触媒成分であり、具体的には下記(A−1)〜(A−5)の中から選択される少なくとも1種の遷移金属化合物である。
(A−1):周期律表第3〜10族遷移金属のハロゲン化物類
(A−2):周期律表第3〜6族遷移金属のメタロセン化合物類
(A−3):周期律表第4〜6族遷移金属のビスアミド又はビスアルコキシド化合物類
(A−4):周期律表第8〜10族遷移金属のビスイミド化合物類
(A−5):周期律表第3〜11族遷移金属のフェノキシイミン化合物類
ここで(A−1)〜(A−5)の遷移金属化合物とは、更に具体的には下記の通りである。
〔i〕(A−1)の説明
(A−1)成分は周期律表第3〜10族の遷移金属ハロゲン化物類であり、好ましくは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Ni、Pdのハロゲン化物であり、更に好ましくは、Ti、Zr、Hf、V、Cr、Niのハロゲン化物である。
具体的には好ましくは、TiF、TiCl、TiBr、TiI、TiFCl、TiClBr、TiClBr、TiBrI、TiBrI、TiClI、TiFI、TiF、TiCl、TiBr、TiI、TiFCl、TiFCl、TiClBr、TiClBr、TiBrI、TiBr、TiBrI、TiClI、TiCl、TiFI、TiF、TiOCl、ZrF、ZrCl、ZrBr、ZrI、ZrFCl、ZrF、ZrCl、ZrBr、ZrI、ZrFCl、ZrClBr、ZrOCl、HfF、HfCl、HfBr、HfI、HfFCl、HfF、HfCl、HfBr、HfI、HfFCl、HfClBr、HfOCl、VCl、VF、VCl、VBr、VI、VFCl、VOF、VOCl、VF、NbF、NbCl、NbBr、NbI、CrF、CrF、CrCl、CrCl、CrBr、MoF、MoCl、MoCl、MoOCl、MnF、MnF、MnBr、MnCl、MnI、Mn(CO)Br、FeF、FeF、FeBr、FeBr、FeCl、FeCl、FeI、CoF、CoF、CoCl、CoBr、CoI、NiF、NiCl、NiBr、NiI、PdCl、PdBr、PdIなどである。
更に好ましくは、TiF、TiCl、TiBr、TiI、TiFCl、TiClBr、TiClBr、TiBrI、TiBrI、TiClI、TiFI、TiF、TiCl、TiBr、TiI、TiFCl、TiFCl、TiClBr、TiClBr、TiBrI、TiBr、TiBrI、TiClI、TiCl、TiFI、TiF、TiOCl、ZrF、ZrCl、ZrBr、ZrI、ZrFCl、ZrF、ZrCl、ZrBr、ZrI、ZrFCl、ZrClBr、ZrOCl、HfF、HfCl、HfBr、HfI、HfFCl、HfF、HfCl、HfBr、HfI、HfFCl、HfClBr、HfOCl、VCl、VF、VCl、VBr、VI、VFCl、VOF、VOCl、VF、CrF、CrF、CrCl、CrCl、CrBr、NiF、NiCl、NiBr、NiIである。
なお、特に好ましくは、TiCl、TiBr、TiCl、TiBr、ZrCl、ZrBr、ZrCl、ZrBr、HfCl、HfBr、HfI、HfCl、HfBr、VCl、VBr、CrCl、CrBr、NiCl、NiBrである。
〔ii〕(A−2)の説明
(A−2)成分は周期律表第3〜6族遷移金属のメタロセン化合物類であり、詳しくは共役五員環配位子を少なくとも1個有する周期律表第3〜6族遷移金属化合物であり、好ましくは下記一般式[a1]、[a2]、[a3]又は[a4]で表される化合物である。
Figure 2008274142

(式の[a1]〜[a4]中、E及びE´は、共役五員環構造を有する配位子(同一化合物内においてE及びE´は同一でも異なっていてもよい)を表し、Q´は、2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を表し、Zは、M´と結合している窒素原子、酸素原子、リン原子又はイオウ原子を含む1価又は2価の基を表し、Q″は、共役五員環配位子の任意の位置とZを架橋する結合性基を表し、M´は、周期律表3〜6族から選ばれる金属原子を表し、また、X´及びY´は、M´と結合した水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基、アミノ基、リン含有炭化水素基又はケイ素含有炭化水素基を表す。)
E及びE´は、共役五員環配位子であり、これらは同一化合物内において同一でも異なっていてもよいことは上記したとおりである。この共役五員環配位子(E及びE´)の典型例としては、シクロペンタジエニル基、及びシクロペンタジエニル部位をその構造の一部として有するインデニル基、フルオレニル基、アズレニル基を挙げることができる。
これら共役五員環配位子上の置換基としては、炭素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基の他に、ハロゲン基、アルコキシ基(例えば、炭素数1〜12の基)、ケイ素含有炭化水素基(例えば、ケイ素原子を−Si(R)(R)(R)の形で含む炭素数1〜24程度の基)、リン含有炭化水素基(例えば、リン原子を−P(R)(R)の形で含む炭素数1〜18程度の基)、窒素含有炭化水素基(例えば、窒素原子を−N(R)(R)の形で含む炭素数1〜18程度の基)或いはホウ素含有炭化水素基(例えば、ホウ素原子を−B(R)(R)の形で含む炭素数1〜18程度の基)である。これらの置換基が複数ある場合、それぞれの置換基は同一であっても異なっていてもよい。
Q´は、二つの共役五員環配位子間を任意の位置で架橋する結合性基を、Q″は、共役五員環配位子の任意の位置とZ基を架橋する結合性基を表す。
具体的には、Q´及びQ″は、(イ)メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基、フェニルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキシレン基などの炭素数1〜20のアルキレン基、(ロ)シリレン基、ジメチルシリレン基、フェニルメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン基などのシリレン基、(ハ)ゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素或いはアルミニウムを含む炭化水素基であり、具体的には、(CHGe基、(CGe基、(CH)P基、(C)P基、(C)N基、(C)N基、(CH)B基、(C)B基、(C)B基、(C)Al基、(CHO)Al基などである。好ましいものは、アルキレン基及びシリレン基である。
M´は、周期律表第3〜6族から選ばれる金属原子、好ましくは周期律表4族原子、更に好ましくはチタン、ジルコニウム又はハフニウムである。
Zは、M´と結合している窒素原子、酸素原子、リン原子又はイオウ原子を含む1価又は2価の置換基を表す。Zとして好ましいものの具体例としては、酸素(−O−)、イオウ(−S−)、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜20、好ましくは1〜12のチオアルコキシ基、炭素数1〜40、好ましくは1〜18の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜40、好ましくは1〜18のリン含有炭化水素基である。
上記一般式の[a4]で表される化合物においては、Z中の窒素原子、酸素原子、リン原子又はイオウ原子の非共有電子対により、M´と配位結合していてもよい。
X´及びY´は、各々水素、ハロゲン基、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜20、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基(具体的には、例えばジフェニルホスフィン基)であり、或いは炭素数1〜20、好ましくは1〜12のケイ素含有炭化水素基(具体的には、例えばトリメチルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基)である。
X´とY´とは同一であっても異なってもよい。これらのうちハロゲン基、炭化水素基(特に炭素数1〜8の基)及びアミノ基が好ましい。
従って、(A−2)成分として好ましい一般式[a1]、[a2]、[a3]或いは[a4]で表される化合物のうち、特に好ましいものは、下記のそれぞれの置換基を有するものである。なお、以下において、置換基位置の示されていない場合は、任意の位置である。
E及びE´:シクロペンタジエニル、n−ブチル−シクロペンタジエニル、ジメチル−シクロペンタジエニル、ジエチル−シクロペンタジエニル、エチル−n−ブチル−シクロペンタジエニル、エチル−メチル−シクロペンタジエニル、n−ブチル−メチル−シクロペンタジエニル、インデニル、2−メチル−インデニル、2−メチル−4−フェニルインデニル、テトラヒドロインデニル、2−メチル−テトラヒドロインデニル、2−メチル−ベンゾインデニル、4−ヒドロアズレニル、2,4−ジメチルヘキサヒドロアズレニル、2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル、2−メチル−4−フェニル−ヘキサヒドロアズレニル
Q´及びQ″:エチレン、ジメチルシリレン、イソプロピリデン
Z:t−ブチルアミド、フェニルアミド、シクロヘキシルアミド
M´:第4族遷移金属
X´及びY´:塩素、メチル、ジエチルアミノ、ベンジル
M´がジルコニウムである場合のこの遷移金属化合物の具体例は、下記の通りである。
(イ)一般式[a1]で表される化合物、即ち結合性基Q´を有せず共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物
(1)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(2)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(3)ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(4)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(5)ビス(i−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(6)ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(7)ビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(8)ビス(エチル−n−ブチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(9)ビス(エチル−メチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(10)(シクロペンタジエニル)(n−ブチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(11)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(12)ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、(13)ビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(14)ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(15)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、(16)ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノクロリド、(17)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、(18)(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(19)(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(20)トリス(インデニル)ジルコニウムヒドリド
(ロ−1)一般式[a2]で表される化合物であって、結合性基Q´がアルキレン基である遷移金属化合物
(1)メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(2)エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(3)エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムモノクロリド、(4)エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジエトキシド、(5)エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジメチル、(6)エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、(7)エチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(8)エチレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3´,5´−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(9)エチレン−1,2−ビス(4−インデニル)ジルコニウムジクロリド、(10)エチレン−1,2−ビス[4−(2,7−ジメチルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、(11)イソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(12)イソプロピリデン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3´,5´−ジメチルペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(13)ジクロロ{1,1´−ジメチルメチレンビス[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム、(14)ジクロロ{1,1´−エチレンビス[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム、(15)ジクロロ{1,1´−トリメチレンビス[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム、(16)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(17)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(18)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(19)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(20)イソプロピリデン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(3´,4´−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(21)エチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(22)エチレン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(23)ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(24)シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(25)シクロヘキシリデン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(3´,4´−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
(ロ−2)一般式[a2]で表される化合物であって、結合性基Q´がシリレン基の遷移金属化合物
(1)ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(2)ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、(3)ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(4)ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、(5)ジメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3´,5´−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(6)ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、(7)ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(8)ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,4−ジメチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−4−シラインデニル)ジルコニウムジクロリド、(9)ジメチルシリレンビス[4−(2−フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、(10)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、(11)ジクロロ{1,1´−ジメチルシリレンビス[2−i−プロピル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム、(12)ジクロロ{1,1´−ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム、(13)ジクロロ{ジメチルシリレン−1−[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]−1−[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)インデニル]}ジルコニウム、(14)フェニルメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(15)フェニルメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、(16)フェニルメチルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3´,5´−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(17)フェニルメチルシリレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(18)ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(19)テトラメチルジシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(20)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(21)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(22)ジエチルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)(2´,7´−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(23)ジメチルシリレン(ジエチルシクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド
(ロ−3)一般式[a2]で表される化合物であって、結合性基Q´がゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素或いはアルミニウムを含む炭化水素基である遷移金属化合物
(1)ジメチルゲルマニウムビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(2)ジメチルゲルマニウム(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(3)メチルアルミニウムビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(4)フェニルアルミニウムビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(5)フェニルホスフィノビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(6)エチルホラノビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(7)フェニルアミノビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(8)フェニルアミノ(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(9)ジクロロ{1,1´−ジメチルゲルミレンビス[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム
(ハ)一般式[a3]で表される化合物、即ち結合性基Q´を有せず共役五員環配位子を1個有する遷移金属化合物
(1)ペンタメチルシクロペンタジエニル−ビス(フェニル)アミノジルコニウムジクロリド、(2)インデニル−ビス(フェニル)アミドジルコニウムジクロリド、(3)ペンタメチルシクロペンタジエニル−ビス(トリメチルシリル)アミノジルコニウムジクロリド、(4)ペンタメチルシクロペンタジエニルフェノキシジルコニウムジクロリド、(5)シクロペンタジエニルジルコニウムトリクロリド、(6)ペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロリド、(7)シクロペンタジエニルジルコニウムベンジルジクロリド、(8)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロロハイドライド、(9)シクロペンタジエニルジルコニウムトリエトキシド
(ニ)一般式[a4]で表される化合物、即ち結合性基Q″で架橋した共役五員環配位子を一個有する遷移金属化合物
(1)ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)フェニルアミドジルコニウムジクロリド、(2)ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)t−ブチルアミドジルコニウムジクロリド、(3)ジメチルシリレン(インデニル)シクロヘキシルアミドジルコニウムジクロリド、(4)ジメチルシリレン(テトラヒドロインデニル)デシルアミドジルコニウムジクロリド、(5)ジメチルシリレン(テトラヒドロインデニル)((トリメチルシリル)アミノ)ジルコニウムジクロリド、(6)ジメチルゲルマン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(フェニル)アミノジルコニウムジクロリド
また、上記(イ)〜(ニ)の化合物の塩素原子を臭素原子、ヨウ素原子、水素原子、メチル基、フェニルなどに置き換えた化合物も、具体的な化合物として例示される。
更にまた、本発明では、上記(イ)〜(ニ)に例示したジルコニウム化合物の中心金属をジルコニウムからチタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、スカンジウム、イットリウムなどに置き換えた化合物、更にその塩素原子を臭素原子、ヨウ素原子、水素原子、メチル基、フェニルなどに置き換えた化合物も、具体的な化合物として例示される。
なお、上記例示において、シクロペンタジエニル環の二置換体は1,2−及び1,3−置換体を含み、三置換体は1,2,3−及び1,2,4−置換体を含む。
更に、メタロセン化合物の特殊な例として、特開平7−188335号公報やJACS,1996,118,p2291で開示されている五員環或いは六員環に炭素以外の元素を一つ以上含む配位子を有する遷移金属化合物も使用可能である。
以上に例示した遷移金属化合物のうちで好ましいものは、ジルコニウム化合物、ハフニウム化合物、チタン化合物、バナジウム化合物及びクロム化合物であり、更に好ましいものは、ジルコニウム化合物、ハフニウム化合物及びチタン化合物である。
〔iii〕(A−3)の説明
(A−3)成分は、周期律表第4〜6族遷移金属のビスアミド又はビスアルコキシド化合物類であり、詳しくは、下記一般式[a5]又は[a6]で表される
れる化合物である。
(R12N)MLn−m [a5]
(RO)MLn−m [a6]
(式の[a5]、[a6]中、Mは、周期律表第4〜6族遷移金属であり、R1、R、Rは、それぞれ独立して、1価の炭化水素基、任意の置換基を有する1価の炭化水素基、2価の炭化水素基、任意の置換基を有する2価の炭化水素基である。同一の窒素原子を置換するR1とRは互いに窒素原子を含む環を形成してもよい。異なる窒素原子又は酸素原子上の各R1、R、Rは、互いに連結していてもよい。nは、Mの価数であり、mは、1〜nの整数である。Lは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜20、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基(具体的には、例えばジフェニルホスフィン基)、或いは炭素数1〜20、好ましくは1〜12のケイ素含有炭化水素基(具体的には、例えばトリメチルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基)である。Lが複数の場合、各Lは同一であっても異なってもよい。これらのうちハロゲン基、炭化水素基(特に炭素数1〜8の基)及びアミノ基が好ましい。)
(A−3)成分のうち、周期律表4族金属の化合物として好ましい例としては、下記一般式[a7]に示すような、N−N型配位子を持つビスアミド化合物を挙げることができる。
Figure 2008274142
(式の[a7]中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の、ハロゲン原子、酸素含有炭化水素基、又はケイ素含有炭化水素基を表し、Uは、2つのN原子を架橋する結合性基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜40の、ケイ素、窒素、酸素若しくはイオウ含有炭化水素基を表し、M´は周期律表第4族遷移金属を表し、X及びYは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、酸素、窒素、ケイ素若しくはリン含有炭化水素基を表す。)
これらのうち、Rとしては、t−ブチル、トリメチルシリル、2,6−ジイソプロピルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル基が好ましい。
Uとしては、プロペニル、2−フェニルプロペニル、2,2−ジフェニルプロペニル基が好ましい。
M´としては、Ti、Zr、Hfのいずれかであることが好ましい。
X及びYとしては、塩素原子、メチル基、ベンジル基、ジメチルアミド基のいずれかであることが好ましい。
さらに具体的には、(R、U、M´、X、Y)=(t−ブチル、プロペニル、Ti、Cl、Cl)、(トリメチルシリル、プロペニル、Ti、Cl、Cl)、(2,6−ジイソプロペニルフェニル、プロペニル、Ti、Cl、Cl)、或いは(トリメチルシリル、2−フェニルプロペニル、Ti、Cl、Cl)である組合せが好ましい。
これらの化合物例は、Macromolecules,1996,p5241; JACS,1997,119,p3830; JACS,1999,121,p5798に開示されている。
(A−3)成分のうち、周期律表4族金属の化合物として好ましい別の一例としては、下記一般式[a8]に示すような、N−N型配位子を持つビスアミジナト化合物を挙げることができる。
Figure 2008274142
(式の[a8]中、R及びRは、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素又はケイ素含有炭化水素基を表し、M´は、周期律表4族遷移金属を表し、X及びYは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、酸素、窒素、ケイ素若しくはリン含有炭化水素基を表す。)
これらのうち、Rとしては、t−ブチル、シクロヘキシル、トリメチルシリル、2,6−ジイソプロピルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニルのいずれかである場合が好ましい。Rとしては、メチル、イソプロピル、フェニル、パラトリルのいずれかである場合が好ましい。M´としては、Ti、Zr、Hfのいずれかであることが好ましい。X及びYとしては、塩素原子、メチル基、ベンジル基、ジメチルアミド基のいずれかである場合が好ましい。
さらに具体的には、(R、R、M´、X、Y)=(t−ブチル、フェニル、Zr、Cl、Cl)、(トリメチルシリル、フェニル、Zr、Cl、Cl)、(2,6−ジイソプロペニルフェニル、プロペニル、Ti、Cl、Cl)、或いは(トリメチルシリル、トリル、Zr、Cl、Cl)である組合せが好ましい。
これらの化合物例は、Organometallics,1998,p3155に開示されている。
(A−3)成分のうち、周期律表第4族金属の化合物として好ましい別の一例としては、下記一般式[a9]、[a10]に示すような、O−O型配位子を持つビスフェノキシ化合物を挙げることができる。
Figure 2008274142
(式の[a9]及び[a10]中、Mは、周期表第4族遷移金属を表し、Xはメチレン基、エチリデン、プロピリデンなどのアルキリデン基又は硫黄原子を表し、R1 及びR2 は、同一又は異なっていてもよい水素、ハロゲン、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル基などの珪素含有基、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、フェニル、トリル、クロロメチル、クロロエチルなどのハロゲン置換基を有していてもよい炭素数が1〜20の炭化水素基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基などのアルコキシ基、フェノキシ、メチルフェノキシ、ペンタメチルフェノキシ基などのアリールオキシ基、アミド、ジメチルアミド、ビス(トリメチルシリル)アミド基などのアミド基、メチルチオアルコキシ、フェニルチオアルコキシ基などのチオアルコキシ基を表し、R3 はMに配位する中性の配位子であり、R4-は、上記一般式[2]中の金属カチオンを安定化させることのできる対アニオンを示す。)
また、R1 どうしが相互に結合して環を形成してもよい。具体的には、メチレン基、エチレン基のようなアルキレン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、フェニルメチリデン基、ジフェニルメチリデン基などのアルキリデン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレン基、ジイソプロピルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルエチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、メチルイソプロピルシリレン基、メチル−t−ブチルシリレン基などの珪素含有基、ジメチルゲルミレン基、ジエチルゲルミレン基などのゲルマニウム含有基、アミン、ホスフィンなどが挙げられる。
更に、式の[a9]においては、R2 が相互に結合して二座配位子を形成してもよい。このようなR2 の具体例としては、−OCH2 O− ,−O CH2 CH2 O− ,−O(O− 6 4 )O− などがあげられる。R3は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテル類、アセトニトリルなどのニトリル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類、トリメチルホスフィンなどのホスフィン類、トリメチルアミンなどのアミン類などのMに配位する中性の配位子であり、R4-は、テトラフェニルボレート、テトラ(p−トリル)ボレート、カルバドデカボレート、ジカルバウンデカボレート、ヘキサフルオロホスフェートなどの上記一般式[a10]中の金属カチオンを安定化させることのできる対アニオンを示す。
式の[a9]で表される化合物の具体例としては、2,2′−メチレン−4,4′,6,6′−テトラ−t−ブチルジフェノキシチタニウムジクロライド、2,2′−メチレン−4,4′−ジメチル−6,6′−ジ−t−ブチルジフェノキシチタニウムジクロライド、2,2′−イソブチリデン−4,4′,6,6′−テトラメチルジフェノキシチタニウムジクロライド、2,2′−チオ−4,4′−ジメチル−6,6′−ジ−t−ブチルジフェノキシチタニウムジクロライド、2,2′−チオ−4,4′−ジメチル−6,6′−ジ−t−ブチルジフェノキシチタニウムジクロライド、2,2′−イソブチリデン−4,4′,6,6′−テトラメチルジフェノキシチタニウムジクロライド、2,2′−メチレン−4,4′,6,6′−テトラ−t−ブチルジフェノキシチタニウムジメチル、2,2′−メチレン−4,4′,6,6′−テトラ−t−ブチルジフェノキシチタニウムジメトキサイド、2,2′−メチレン−4,4′,6,6′−テトラ−t−ブチルジフェノキシチタニウムビス(ジメチルアミド)、2,2′−メチレン−4,4′,6,6′−テトラ−t−ブチルジフェノキシチタニウムビス(メチルチオラート)、2,2′−メチレン−4,4′,6,6′−テトラ−t−ブチルジフェノキシチタニウム−1,2−ベンゼンジオキサイドなどが挙げられる。
また、式[a10]で表される化合物の具体例としては、2,2′−メチレン−4,4′,6,6′−テトラ−t−ブチルジフェノキシチタニウムクロライドテトラフェニルボレート、2,2′−メチレン−4,4′−ジメチル−6,6′−ジ−t−ブチルジフェノキシチタニウムクロライドテトラフェニルボレート、2,2′−イソブチリデン−4,4′,6,6′−テトラメチルジフェノキシチタニウムクロライドテトラフェニルボレート、2,2′−チオ−4,4′−ジメチル−6,6′−ジ−t−ブチルジフェノキシチタニウムクロライドテトラフェニルボレート、2,2′−チオ−4,4′−ジメチル−6,6′−ジ−t−ブチルジフェノキシチタニウムクロライドテトラフェニルボレート、2,2′−イソブチリデン−4,4′,6,6′−テトラメチルジフェノキシチタニウムクロライドテトラフェニルボレート、2,2′−メチレン−4,4′,6,6′−テトラ−t−ブチルジフェノキシチタニウムメチルテトラフェニルボレート、2,2′−メチレン−4,4′,6,6′−テトラ−t−ブチルジフェノキシチタニウムメトキサイドテトラフェニルボレート、2,2′−メチレン−4,4′,6,6′−テトラ−t−ブチルジフェノキシチタニウムジメチルアミドテトラフェニルボレート、2,2′−メチレン−4,4′,6,6′−テトラ−t−ブチルブシェノキシチタニウムメチルチオラートテトラフェニルボレートなど、またはこれらの化合物のテトラヒドロフラン錯体などが挙げられる。
なお、ジルコニウム化合物、ハフニウム化合物についても、上記と同様の化合物が挙げられる。更にこれらの化合物の混合物を用いてもよい。
〔iv〕(A−4)の説明
周期律表第8〜10族遷移金属のビスイミド化合物類の例としては、下記一般式[a11]又は[a12]に示すような、N−N型配位子を持つビスイミノ化合物を挙げることができる。
Figure 2008274142
(式の[a11]、[a12]中、R11及びR13は、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素、窒素、ケイ素若しくはイオウ含有炭化水素を表し、R12及びR14は、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20のハロゲン、酸素、窒素若しくはケイ素含有炭化水素を表す。また、2つのR14は互いに結合し環状構造を形成していてもよい。M´は、8〜10の遷移金属を表す。、X及びYは、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、酸素、窒素、ケイ素若しくはリン含有炭化水素基を表す。)
これらのうち、R11としては、パラトリル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、又は2,4,6−トリメチルフェニル基が好ましい。R12としては、水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基が好ましい。R13としては、2,6−ジメチルフェニル基、2−t−ブチルフェニル基、又は2,6−ジイソプロピルフェニル基が好ましい。R14としては水素原子、メチル基が好ましい。また、2つのR14が互いに結合しているものの例としては1,8−ナフタレンジイル、−SCHCHS−、若しくは−OCHCHO−であることが好ましい。M´としては、Fe,Co,Ni又はPdが好ましい。X及びYとしては塩素原子、臭素原子、メチル基、又はベンジル基が好ましい。
更に具体的には、(R11、R12、M´、X、Y)=(2,6−ジメチルフェニル、水素原子、Fe、Cl、Cl)、(2,6−ジメチルフェニル、水素原子、Co、Cl、Cl)、(2,4,6−トリメチルフェニル、水素原子、Fe、Cl、Cl)、(2,6−ジイソプロピルフェニル、水素原子、Fe、Cl、Cl)、(p−トリル、メチル、Fe、Cl、Cl)、(2,6−ジメチルフェニル、メチル、Fe、Cl、Cl)、或いは(2,6−ジメチルピロリル、水素原子、Fe、Cl、Cl)である組合せが好ましい。
また、(R13、R14、M´、X、Y)=(2,6−ジメチルフェニル、水素原子、Ni、Br、Br)、(2−t−ブチルフェニル、水素原子、Ni、Br、Br)、(2,6−ジイソプロピルフェニル、水素原子、Ni、Br、Br)、(2,6−ジイソプロピルフェニル、1,8−ナフチル、Ni、Br、Br)、(2,5−ジメチルピロリル、水素原子、Ni、Br、Br)或いは(2,6−ジイソプロピルフェニル、水素原子、Pd、Br、Br)である組合せが好ましい。
これらの化合物はJACS,1995,117,p6414、WO96/23010、Chemical Communication,1998,p849、JACS,1998,120,p4049、WO98/27124で開示されている。
〔v〕(A−5)の説明
周期律表第3〜11族遷移金属のフェノキシイミン化合物類の例としては、下記一般式[a13]で表される、N−O型配位子を持つサリチルアルジミナト化合物を挙げることができる。
Figure 2008274142
(式の[a13]中、R及びRは、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素、窒素、ケイ素若しくはイオウ含有炭化水素を表し、R10は、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20のハロゲン、酸素、窒素若しくはケイ素含有炭化水素を表す。M´は、周期律表3〜11族遷移金属を表し、X及びYは、水素原子、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、酸素、窒素、ケイ素若しくはリン含有炭化水素基を表す。pは1又は2を表す。)
これらのうち、Rとしては、ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基、ペンタフロロフェニル基、パラメトキシフェニル基、2,4−ジメチルピロリル基が好ましい。Rとしては、t−ブチル又はアダマンチル基が好ましい。R10としては、水素原子、メチル基、エチル基、若しくはメトキシ基が好ましい。M´としては、Ti、Zr、Hf、V、Cr、Fe、Co、Ni、Pdが好ましく、更に好ましくはTi、Zr、Hf、Vであり、特に好ましくはTi、Zr、Hfである。X及びYとしては、塩素原子、メチル基、ベンジル基、ジメチルアミド基が好ましい。
更に具体的には、(R、R、R10、M´、X、Y)=(シクロヘキシル、t−ブチル、水素原子、Zr、Cl、Cl)、(フェニル、t−ブチル、水素原子、Zr、Cl、Cl)、(トリル、t−ブチル、水素原子、Zr、Cl、Cl)、(ペンタフルオロフェニル、t−ブチル、水素原子、Zr、Cl、Cl)、(ペンタフルオロフェニル、t−ブチル、水素原子、Ti、Cl、Cl)、(2,5−ジメチルピロリル、t−ブチル、水素原子、Zr、Cl、Cl)である組合せが好ましい。これらの化合物例は特開平11−315109号に開示されている。
なお、上記(A−1)〜(A−5)は、必要により、同時に複数個を使用することができる。
(2)(B)成分について
本発明のオレフィン重合用触媒には、触媒成分の(B)成分として、下記(B−1)成分と(B−2)成分を接触して得られる化合物を用いる。
(B−1)成分:周期律表第3〜11族の遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンが、インターカレートされたイオン交換性層状化合物。
(B−2)成分:分子量1,000以下の化合物であって、分子内に非共有電子対を有する第15族又は第16族の元素を少なくとも2個有し、当第15族又は第16族の元素は1〜6個の第14族元素を介して連結している、有機化合物。
〔i〕(B−1)成分の説明
(B−1)成分は、周期律表第3〜11族の遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオン、好ましくは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Cr、Fe、Co、Ni、Pdの少なくともいずれか1つの遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオン、更に好ましくは、Ti、Zr、V、Cr、Fe、Co、Niの少なくともいずれか1つの遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンを用いて、それらがインターカレートされたイオン交換性層状化合物を使用する。
一般に、イオン交換性層状化合物とは、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる化合物であり、その例として、大部分の粘土が挙げられる。また、粘土は通常、粘土鉱物を主成分として構成される。これら粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は天然産のものに限らず、人工合成物であってよい。粘土、粘土鉱物に関しては、白水晴雄著「粘土鉱物学 −粘土科学の基礎−」(朝倉書店1988年発行)や日本粘土学会編「粘土ハンドブック 第二版」(技報堂出版1987年発行)に詳細な記載がある。
粘土、粘土鉱物の具体例としてはアロフェンなどのアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイトなどのカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイトなどのハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライトなどの蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライトなどのスメクタイト族、バーミキュライトなどのバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母鉱物、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィライト、緑泥石群などが挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。
イオン交換性層状化合物の具体例のうち好ましくは、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイトなどのカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイトなどのハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライトなどの蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライトなどのスメクタイト族、バーミキュライトなどのバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母鉱物が挙げられ、特に好ましくは、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライトなどのスメクタイト族が挙げられる。また、人工の合成物として、合成ヘクトライト、合成雲母(マイカ)、合成サポナイトなどが好ましく挙げられる。
更に他の、イオン交換性層状化合物として、六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl型、CdI型などの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物などを例示することができる。
これらの具体例としては、α−Zr(HAsO4 2 ・H2 O、α−Zr(HPO4 2 、α−Zr(KPO4 2 ・3H2 O、α−Ti(HPO4 2 、α−Ti(HAsO4 2 ・H2 O、α−Sn(HPO4 2 ・H2 O、γ−Zr(HPO4 2 、γ−Ti(HPO4 2 、γ−Ti(NH4 PO4 2 ・H2 O、ニオブ酸塩などの多価金属の結晶性酸性塩が挙げられる(「山中昭司 触媒 32巻1号(1990年)9ページ」を参照)。
これらのイオン交換性層状化合物は特に処理を行なうことなくそのまま用いてもよいし、ボールミルやジェットミルなどの粉砕、篩い分けやサイクロンなどによる分級、分別、酸処理、アルカリ処理、塩類処理などといった化学処理、造粒処理、乾燥などを行なった後に用いてもよい。また単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のイオン交換性層状化合物には、上述の一般的なイオン交換性層状化合物に、第3〜11族の遷移金属、好ましくは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Cr、Fe、Co、Ni、Pdの少なくともいずれか1つの遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオン、更に好ましくは、Ti、Zr、V、Cr、Fe、Co、Niの少なくともいずれか1つの遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンをインターカレートしたものが用いられる。
よく知られているインターカレートの方法に塩類処理があり、イオン交換性を利用し、層間の交換性の陽イオンを遷移金属イオンや当遷移金属錯イオンと置換することにより、実施される。
本発明においては、塩類で処理される前の、イオン交換性層状化合物の含有する交換可能なイオンの1%以上、好ましくは10%以上、更に好ましくは30%以上、最も好ましくは50%以上を、遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンとイオン交換することが必要である。
この様なイオン交換を目的とした、本発明の遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンを含有する、塩類処理で用いられる塩類は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Cr、Fe、Co、Ni、Pdの少なくともいずれか1つの、更に好ましくは、Ti、Zr、V、Cr、Fe、Co、Niの少なくともいずれか1つの、特に好ましくは、Ti、Zr、Cr、Feの、元素を含むイオンを含有する化合物である。
好ましくは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Cr、Fe、Co、Ni、Pdの少なくともいずれか1つの元素を含む陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸及び有機酸からなる群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンとからなる化合物であり、更に好ましくは、Ti、Zr、V、Cr、Fe、Co、Niの少なくともいずれか1つの元素を含む陽イオンと、Cl、Br、I、F、S、O、PO4 、SO4 、NO3 、CO3 、C2 4 、ClO4 、OOCCH3 、CH3 COCHCOCH3 、OCl2 、O(NO3 2、O(ClO4 2 、O(SO4 )、OH、O2 Cl2 、OCl3 、OOCH、OOCCH2 CH3 、OOCH(C25)C49 、C2 4 4 及びC6 5 7 からなる群から選ばれる少なくとも一種の陰イオンとからなる化合物である。
塩類としては更に具体的には、Ti(OOCCH3 4 、Ti(CO3 2 、Ti(NO3 4 、Ti(SO4 2 、TiF4 、TiCl4 、TiBr4 、TiI4 、TiCl3 ・AlCl3 、Zr(OOCCH3 4 、Zr(CH3 COCHCOCH3 4 、Zr(CO3 2 、Zr(NO3 4 、Zr(SO4 2 、ZrF4 、ZrCl4 、ZrBr4 、ZrI4 、ZrOCl2 、ZrO(NO3 2 、ZrO(ClO4 2 、ZrO(SO4 )、Hf(OOCCH3 4 、Hf(CO3 2 、Hf(NO3 4 、Hf(SO4 2 、HfOCl2 、HfF4 、HfCl4 、HfBr4 、HfI4 、V(CH3 COCHCOCH3 3 、VOSO4 、VOCl3 、VCl3 、VCl4 、VBr3 、Nb(OOCCH(C)C、NbF、NbI、NbCl、NbBr、Cr(CH3 COCHCOCH3 3 、Cr(OOCH)2 OH、Cr(NO3 3 、Cr(ClO4 3 、CrPO4 、Cr2 (SO4 3 、CrO2 Cl2 、CrF3 、CrCl3 、CrBr3 、CrI3 、Fe(OOCCH3 2 、Fe(CH3COCHCOCH3 3 、FeCO3 、Fe(NO3 3 、Fe(ClO4 3 、FePO4 、FeSO4 、Fe2 (SO4 3 、FeF3 、FeCl3 、FeBr3 、FeI2 、FeC6 5 7 、Co(OOCCH3 2 、Co(CH3COCHCOCH3 3 、CoCO3 、Co(NO3 2 、CoC2 4 、Co(ClO4 2 、Co3 (PO4 2 、CoSO4 、CoF2 、CoCl2 、CoBr2 、CoI2 、NiCO3 、Ni(NO3 2 、NiC2 4 、Ni(ClO4 2 、NiSO4 、NiCl2 、NiBr2 、Pd(C522 、PdCl2 、PdBr2 、PdI2 、Pd(CN)2 、Pd(NO32 、PdSO4 、Pd(O2CCF32 などが挙げられる。
イオン交換を目的とした、本発明の遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンの塩類処理で用いられる塩類として、更に、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Cr、Fe、Co、Ni、Pdの少なくともいずれか1つの元素を含み、NH3 、NO2 、CN 、CO、H2O、OH、ハロゲン原子、エーテル化合物などを含むいわゆる錯塩化合物がある。
具体的には、TiCl4(NH3 2 、ZrCl4 ・2C48O、ZrO(OH)0.8(SO4 0.6 ・XH2O、Hf(OC34 ・C3OH、VCl3 (C48O)2−3 、Cr3 (OH)2(OOCCH3 、[Co(NH3 6 ]Cl3 、CoCr24、CoMoO4、CoWO4、Co(CO)3(NO)、[Co(NH3 6 ]Cl3 、[(C653P]2NiBr2 、[(C653P]2NiCl2 、[Ni(NH36 ]Cl2 、[Ni(NH3 6 ]I2 、NiCO3 ・2Ni(OH)2 、Pd(NH3 2 (NO22 、Pd(NH34 (NO32 、PdCl2 (CH3CN)2 、PdCl2 (C65CN)2 、Pd(NH3 2Cl2などが挙げられる。
なお、塩類処理で用いられる遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンを含有する塩類としては、遷移金属塩、遷移金属錯塩のうち、遷移金属塩が好ましい。
上述の遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンを含有する塩類処理などでイオン交換性層状化合物に、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Cr、Fe、Co、Ni、Pdの少なくともいずれか1つの遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンがインターカレートされていることの確認は、通常、塩類処理前後の元素組成とX線回折ピークの変化を観測することによって行うことができる。
元素分析は、特に、原料中の層間イオン元素の含有量減少及び塩類処理後の遷移金属の含量増加を観測する。また、X線回折ピークのうち、特に、当層状化合物の底面間隔(図1を参照)を示すX線回折のピークが、塩類処理の前後で変化しているかどうかを観測することによって行う。
遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンを含有する塩処理と共に、酸処理を逐次的に、或いは共存で行うこともできる。このような酸処理は表面の不純物を取り除くほか、結晶構造のAl、Fe、Mgなどの陽イオンの一部又は全部を溶出させ、遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンのインターカレーションを促進することができる。酸処理で用いられる酸は、好ましくは塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸から選択される。
処理に用いる遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンを含有する塩類及び酸は、2種以上であってもよい。塩類処理と酸処理を組合せる場合においては、酸処理を行った後、塩類処理を行う方法、塩類処理を行った後、弱い酸処理を行う方法、及び塩類処理と酸処理を同時に行う方法がある。
塩類及び酸による処理条件は、特には制限されないが、通常、塩類及び酸濃度は、0.1〜30重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は、5分〜24時間の条件を選択して、イオン交換性層状化合物を構成している物質(陽イオンなど)の少くとも一部を溶出する条件で行うことが好ましい。また、塩類及び酸は、トルエン、n−ヘプタン、エタノールなどの有機溶媒に混合して用い、又は塩類が処理温度において液体状であれば、無溶媒で用いることもできるが、好ましくは水溶液として用いられる。塩の種類によっては酸処理と類似の効果を示すものもある。
本発明では、上記塩類処理及び必要に応じて酸処理を行なうが、処理前、処理間、処理後に粉砕や造粒などで形状制御を行ってもよい。また、アルカリ処理や有機物処理などの他の化学処理を併用してもよい。
このようにして得られる(B−1)成分としては、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上、特には、0.3〜5cc/gのものが好ましい。(B−1)成分の平均粒径は、5μm以上、100μm以下が好ましい。5μm未満の微粒子が多く存在すると、ポリマーどうしの凝集、反応器への付着などが起こり易く、また重合プロセスによってはショートパス或いは長期滞留の要因となり好ましくない。100μmを超える粗粒子については閉塞(例えば、触媒フィード時)が起こり易いなどの問題が生じるために好ましくない。これらを満たす粒子であれば、天然物或いは市販品をそのまま使用してもよいし、分級や分別などにより粒径を制御して使用してもよい。
造粒法は上記粒径や形状を満たす方法であれば特に限定されないが、噴霧造粒法が好ましい。粒子強度は造粒工程においてその制御が可能である。好ましい範囲の圧壊強度を得るためには、本発明のイオン交換性層状化合物粒子を微細化した後に再粒子化することが好ましい。当イオン交換性層状化合物は、如何なる方法において微細化してもよい。微細化する方法としては、乾式粉砕、湿式粉砕いずれの方法でも可能であるが、湿式粉砕が好ましい。湿式粉砕とは、水を分散媒として使用しイオン交換性層状化合物の膨潤性を利用した粉砕方法をいう。例えばポリトロンなどを使用した強制撹拌による方法やダイノーミル、パールミルなどによる方法が例示できる。造粒する前の粒径及び1μm未満粒子の体積分率は、平均粒径が0.01〜5μm、かつ1μm未満の粒子分率が10%以上、好ましくは、平均粒子径が0.1〜3μm、かつ1μm未満の粒子分率が40%以上である。噴霧造粒の分散剤は通常、水を使用する。
造粒粒子の形状は球状であることが好ましい。球状粒子が得られる噴霧造粒の原料スラリー液のイオン交換性層状化合物の濃度は、スラリー粘度にもよるが、0.1〜50%、好ましくは1〜30%、特に好ましくは2〜20%である。球状粒子が得られる噴霧造粒の熱風の入り口の温度は、分散媒により異なるが、水を例にとると80〜260℃、好ましくは100〜220℃で行う。本発明の特定の細孔分布を有するイオン交換性層状化合物を製造するためには、化学処理前に造粒を行うことが好ましい。
〔ii〕(B−2)成分の説明
(B−2)成分は、分子量1,000以下の化合物であって、分子内に非共有電子対を有する第15族又は第16族の元素を少なくとも2個有し、当第15族又は第16族の元素は、1〜6個の14族元素を介して連結しているものである。
(B−2)成分としては、例えば、下記一般式[b2]表される、分子量1,000以下の有機化合物を挙げることができる。
Y−(X)n−Y´ [b2]
(式の[b2]中、Xは、周期律表第14族の元素を表し、複数の場合、同じでも異なってもよく、更に、水素又は第13〜17族のいずれかの元素で構成される任意の置換基を有することもできる。Y及びY´は、周期律表第15族又は第16族の元素であり、同じでも異なってもよく、各々1組以上の非共有電子対を有しており、更に、水素又は第13〜17族のいずれかの元素で構成される任意の置換基を有することもできる。nは、1〜6の整数である。
式[b2]は、第15族及び第16族の元素を分子内に2個有する化合物の例であるが、第15族及び第16族の元素は分子内に3個以上有していてもよい。なお、(B−2)成分は(B−1)成分中の遷移金属原子に配位する能力を有していることが必要であり、従って、(B−2)成分の分子内の非共有電子対のうち、少なくとも2つの非共有電子対が同時に遷移金属に配位可能な立体構造をとり得るものである。
(B−2)成分として好ましい例としては、下記一般式(B−2a)〜(B−2g)に示すような多座配位能を有する配位性化合物である。以下、化合物(B−2a)〜(B−2g)について具体的に説明する。
(イ)(B−2a)
下記一般式[b−2a]で表わされ、周期律表第15〜16族元素を2個以上有する分子量1,000以下の有機化合物である。
A−Q−A’ [b−2a]
(式の[b−2a]において、A及びA´は、周期律表第15〜16族から選ばれる元素を少なくとも1個有する炭素数1〜30の炭化水素化合物結合性基(同一化合物内においてA及びA´は同一であっても異なっていてもよい)を示し、Qは、ピリジン骨格、ピラジン骨格、ビピリジン骨格、モルホリン骨格、ピロール骨格、フリル骨格、チオフリル骨格を有する2価の環状化合物、アミン骨格、ホスフィン骨格、エーテル骨格、チオエーテル骨格、ヘキセニレン骨格、ヘキシニレン骨格、ヘプタジエニレン骨格、エテニルプロパン骨格、ジエチルベンゼン骨格を有する、少なくとも1組の非共有電子対又はπ結合を有し、AとA´を任意の位置で連結する結合性基を示す。)
より具体的には、成分(B−2a)として用いられる有機化合物は、A及びA´が各々独立に下記の構造式で表される骨格を有する周期律表第15〜16族元素を少なくとも1個含有する有機化合物である。
Figure 2008274142
また、(B−2a)は、Qが下記の構造式で表わされる骨格、但しXは、それぞれ独立した水素、炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲンないしは珪素を含有する炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、ハロゲンないしは珪素を含有する炭素数1〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、ハロゲンないしは珪素を含有する炭素数6〜20のアリール基、であることを特徴とする、配位性化合物である。
Figure 2008274142
更に、具体的にはA,A´が以下の構造で表される結合性基からなるものである。
Figure 2008274142
また、Qが以下の構造で表される結合性基のいずれかからなる有機化合物であることを特徴とする配位性化合物である。
Figure 2008274142
更にまた、(B−2a)は、好ましくは、以下の有機化合物のいずれかであることを特徴とする配位性化合物である。
Figure 2008274142
(ロ)(B−2b)
下記一般式[I]〜[IV]から選ばれる、窒素元素を2個有する分子量1,000以下の有機化合物である。
Figure 2008274142
[式中、R1、R4、R10及びR15は、それぞれ独立に炭素数3〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数8〜20のアラルキル基を示し、これらの基において、イミノ基の窒素原子に結合する炭素原子は少なくとも2個の炭素原子と結合している。R2、R3、R5〜R9、R11〜R14、及びR16〜R25は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基を示す。]
具体的には、R1、R4、R10及びR15の炭素数3〜20のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソプロペニル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、1−メチルブチル基、t−ペンチル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、シクロへプチル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、1−メチルヘプチル基などが挙げられ、好ましくは、i−プロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基である。
置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、エチルフェニル基、o−プロピルフェニル基、m−プロピルフェニル基、p−プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,3−ジイソプロピルフェニル基、2,4−ジイソプロピルフェニル基、2,5−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、ジフェニルメチル基、アントリル基、フェナントリル基、5,6,7,8−テトラヒドロナフチル基、ビフェニル基などが挙げられ、好ましくは、フェニル基、o−トリル基、o−プロピルフェニル基、2,4−キシリル基、2,6−キシリル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基である。
炭素数8〜20のアラルキル基のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられ、アリール基が結合する基としては、アルキル基、アルケニル基などが挙げられ、例えば、1−フェニル−エチル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(4,6−ジメチルフェニル)メチル基、(2−エチルフェニル)メチル基、(2−プロピルフェニル)メチル基、(2−ブチルフェニル)メチル基、(2,6−ジプロピルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、1−メチル−1−フェニル−エチル基、1−(2−メチル−フェニル)−イソプロピル基などが挙げられ、好ましくは、1−フェニル−エチル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジプロピルフェニル)メチル基、1−フェニル−イソプロピル基である。
2、R3、R5〜R9、R11〜R14及びR16〜R25は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基を示す。
具体的には、炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソプロペニル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、1−メチルブチル基、t−ペンチル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、シクロへプチル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、1−メチルヘプチル基などが挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基である。
置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、エチルフェニル基、o−プロピルフェニル基、m−プロピルフェニル基、p−プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,3−ジイソプロピルフェニル基、2,4−ジイソプロピルフェニル基、2,5−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、ジフェニルメチル基、アントリル基、フェナントリル基、5,6,7,8−テトラヒドロナフチル基、ビフェニル基などが挙げられ、好ましくは、フェニル基、o−トリル基、o−プロピルフェニル基、2,4−キシリル基、2,6−キシリル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基である。
炭素数7〜20のアラルキル基のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられ、アリール基が結合する基としては、アルキル基、アルケニル基などが挙げられ、例えば、ベンジル基、1−フェニル−エチル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(4,6−ジメチルフェニル)メチル基、(2−エチルフェニル)メチル基、(2−プロピルフェニル)メチル基、(2−ブチルフェニル)メチル基、(2,6−ジプロピルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、1−フェニル−イソプロピル基、1−(2−メチル−フェニル)−イソプロピル基、1−フェニル−イソプロピル基などが挙げられ、好ましくは、ベンジル基、1−フェニル−エチル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジプロピルフェニル)メチル基、1−フェニル−イソプロピル基である。
なお、段落0095〜0100に例示されている置換基において、複数の構造異性体が存在する場合は、任意の構造異性体である。
1とR2、R3とR4、R6とR7、R7とR8、R10とR11、R14とR15は互いに窒素原子を含む環を形成してもよい。nは、1以上の整数であり、nが2以上の場合、隣接するR7どうしは環を形成してもよい。R2とR3、R5とR6、R8とR9、R11とR12、R12とR13、R13とR14、R16とR17、R17とR18、R18とR19、R20とR21、R22とR23、R23とR24、R24とR25は互いに炭素原子を含む環を形成してもよい。
(B−2b)として用いられる化合物の具体例としては、例えば、以下に示す化合物などが挙げられる。
Figure 2008274142
Figure 2008274142
(B−2b)の具体例として、好ましい化合物は下記のものである。
Figure 2008274142
(B−2b)の具体例として、更に好ましい化合物は下記のものである。
Figure 2008274142
(ハ)(B−2c)
下記一般式[V]〜[X]から選ばれる、窒素元素を2個有する分子量1,000以下の有機化合物である。
Figure 2008274142
[式中、R26、R27、R29〜R32、R34〜R37、R39、R40、R42、R43、R45、R46、R48及びR49は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロカルビル基、任意の置換基を有するヒドロカルビル基、ヒドロカルビレン基、任意の置換基を有するヒドロカルビレン基である。同一の窒素原子を置換するR26とR27、R29とR30、R31とR32、R36とR37、R42とR43は互いに窒素原子を含む環を形成してもよい。同一の炭素−窒素二重結合を置換するR34とR35、R45とR46は、互いに炭素−窒素二重結合を含む環を形成してもよい。同一の炭素原子を置換するR39とR40、R48とR49は互いに炭素原子を含む環を形成してもよい。R28、R33、R38、R41、R44、R47は、それぞれ独立したヒドロカルビル基、任意の置換基を有するヒドロカルビル基、ヒドロカルビレン基、任意の置換基を有するヒドロカルビレン基であり、隣接するR28、R33、R38、R41、R44、R47どうしは環を形成してもよい。nは1以上の整数である。]
なお、具体的には、(B−2b)の段落0095〜0100と同様である。
nは、1以上の整数であり、nが2以上の場合、隣接するR28、R33、R38、R41、R44、R47どうしは環を形成してもよく、環を形成する隣接した2原子間が二重結合であってもよい。
(B−2c)の具体例としては、例えば、以下に示す化合物などが挙げられる。
Figure 2008274142
Figure 2008274142
(ニ)(B−2d)
下記一般式[XI]〜[XVIII]ら選ばれる、窒素元素と酸素元素を1個ずつ有する分子量1,000以下の有機化合物である。
Figure 2008274142
50〜R78(架橋部分以外)は、それぞれ独立した水素原子、ヒドロカルビル基、任意の置換基を有するヒドロカルビル基、ヒドロカルビレン基、任意の置換基を有するヒドロカルビレン基である。同一の窒素原子を置換するR52とR53、R57とR58どうしは環を形成してもよい。同一の炭素−窒素単結合を置換するR56とR57とR58は、その2つ又は3つの置換基によって環を形成してもよい。同一の炭素−窒素二重結合を置換するR61とR62、R69とR70どうしは、炭素-窒素二重結合を含む環を形成してもよい。同一の炭素原子を置換するR65とR66、R73とR74どうしは、炭素−窒素二重結合を含む環を形成してもよい。
R(架橋部分)は、それぞれ独立したヒドロカルビル基、任意の置換基を有するヒドロカルビル基、ヒドロカルビレン基、任意の置換基を有するヒドロカルビレン基であり、隣接するR(架橋部分)どうしは、環を形成してもよい。nは1以上の整数である。
なお、具体的には、(B−2b)の段落0095〜0100と同様である。
同一の窒素原子を置換するR52とR53、R57とR58は、互いに窒素原子を含む環を形成してもよい。同一の炭素−窒素結合を置換するR51とR52又はR53、R56とR57又はR58、R61とR62、R69とR70は、互いに炭素−窒素結合を含む環を形成してもよい。同一の炭素原子を置換するR54とR55、R55とR56、R60とR61、R65とR66、R67とR68、R68とR69、R71とR72、R73とR74、R51どうし、R55どうし、R60どうし、R64どうし、R68どうし、R72どうし、R75どうし、R77どうしは互いに炭素原子を含む環を形成してもよい。
式中、R55、R60、R64、R68、R72、R75及びR77は、炭素数1〜20のアルキレン基を示す。具体的には、炭素数1〜20のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、i−プロピリデン基、1−メチルエチレン基、n−ブチレン基、1−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1−メチルブチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、1,1−ジメチルブチレン基、1,2−ジメチルブチレン基、1,3−ジメチルブチレン基などが挙げられ、好ましくは、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、i−プロピリデン基である。
nは、1以上の整数であり、nが2以上の場合、隣接するR51、R55、R60、R64、R68、R72、R75、R77どうしは環を形成してもよく、環を形成する隣接した2原子間が二重結合であってもよく、芳香環を形成してもよい。
(B−2d)の具体例としては、例えば、以下に示す化合物などが挙げられる。
Figure 2008274142
(ホ)(B−2e)
下記一般式[XIX]〜[XXII]から選ばれる、リン原子と酸素原子又は窒素原子を1個ずつ有する分子量1,000以下の有機化合物である。
Figure 2008274142
79〜R96(架橋部分以外)は、それぞれ独立したヒドロカルビル基、任意の置換基を有するヒドロカルビル基、ヒドロカルビレン基、任意の置換基を有するヒドロカルビレン基である。同一のリン原子を置換するR79とR80、R83とR84、R87とR88、R92とR93どうしは、リン原子を含む環を形成してもよい。同一の炭素原子を置換するR90とR91どうしは炭素原子を含む環を形成してもよい。
R(架橋部分)は、それぞれ独立したヒドロカルビル基、任意の置換基を有するヒドロカルビル基、ヒドロカルビレン基、任意の置換基を有するヒドロカルビレン基であり、隣接するR(架橋部分)どうしは環を形成してもよい。nは、1以上の整数である。
なお、具体的には、(B−2b)の段落0095〜0100と同様である。
同一のリン原子を置換するR79とR80、R83とR84、R87とR88、R92とR93は、互いにリン原子を含む環を形成してもよい。同一の炭素−リン結合を置換するR81とR79又はR80、R85とR83又はR84、R89とR87又はR88、R94とR92又はR93は、互いに炭素−リン結合を含む環を形成してもよい。同一の炭素−窒素結合を置換するR89とR90又はR91、R94とR95又はR96は、互いに炭素−窒素結合を含む環を形成してもよい。同一の炭素原子を置換するR85とR86、R90とR91、R94とR95、R81どうし、R85どうし、R89どうし、R94どうしは、互いに炭素原子を含む環を形成してもよい。同一の酸素原子を置換するR81とR82は、互いに酸素原子を含む環を形成してもよい。
式中、R81、R85、R89及びR94は、炭素数1〜20のアルキレン基を示す。具体的には、炭素数1〜20のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、i−プロピリデン基、1−メチルエチレン基、n−ブチレン基、1−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1−メチルブチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、1,1−ジメチルブチレン基、1,2−ジメチルブチレン基、1,3−ジメチルブチレン基などが挙げられ、好ましくは、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、i−プロピリデン基である。
nは、1以上の整数であり、nが2以上の場合、隣接するR81、R85、R89、R94どうしは環を形成してもよく、環を形成する隣接した2原子間が二重結合であってもよく、芳香環を形成してもよい。
(B−2e)の具体例としては、例えば、以下に示す化合物などが挙げられる。
Figure 2008274142
(ヘ)(B−2f)
下記一般式[XXIII]、[XXIV]から選ばれる、酸素元素を2個有する分子量1,000以下の有機化合物である。
Figure 2008274142
式XXIIIにおいてY及びYは、酸素原子又は硫黄原子であり、それぞれ独立している。R102、R104は、それぞれ独立したヒドロカルビル基、任意の置換基を有するヒドロカルビル基、ヒドロカルビレン基、任意の置換基を有するヒドロカルビレン基である。R103は、それぞれ独立したヒドロカルビル基、任意の置換基を有するヒドロカルビル基、ヒドロカルビレン基、任意の置換基を有するヒドロカルビレン基であり、隣接するR103どうしは、環を形成してもよい。Yを置換するR102とR103、Yを置換するR103とR104は、それぞれYおよびYを含む環を形成してもよい。nは、1以上の整数である。
式XXIVにおいてY及びYは、酸素原子又は硫黄原子であり、それぞれ独立している。R105とR107は、それぞれ独立したヒドロカルビル基、任意の置換基を有するヒドロカルビル基、ヒドロカルビレン基、任意の置換基を有するヒドロカルビレン基である。R106は、それぞれ独立したヒドロカルビル基、任意の置換基を有するヒドロカルビル基、ヒドロカルビレン基、任意の置換基を有するヒドロカルビレン基であり、隣接するR106どうしは、環を形成してもよい。Yを置換するR105とR106は、それぞれYを含む環を形成してもよい。nは、1以上の整数である。
なお、具体的には、(B−2b)の段落0095〜0100と同様である。nは、1以上の整数であり、nが2以上の場合、隣接するR103、R106どうしは環を形成してもよく、環を形成する隣接した2原子間が二重結合であってもよく、芳香環を形成してもよい。
(B−2f)の具体例としては、例えば、以下に示す化合物などが挙げられる。
Figure 2008274142
(ト)(B−2g)
下記一般式[XXV]〜[XXVII]から選ばれる、リン元素と窒素元素を1個ずつ有する分子量1,000以下の有機化合物である。
Figure 2008274142
97〜R103、R105〜R108、R110、R111は、それぞれ独立したヒドロカルビル基、任意の置換基を有するヒドロカルビル基、ヒドロカルビレン基、任意の置換基を有するヒドロカルビレン基である。
104、R109は、それぞれ独立したヒドロカルビル基、任意の置換基を有するヒドロカルビル基、ヒドロカルビレン基、任意の置換基を有するヒドロカルビレン基であり、隣接するR104、R109どうしは、環を形成してもよい。nは1以上の整数である。
なお、具体的には、(B−2b)の段落0095〜0100と同様である。
同一のリン原子を置換するR97とR98、R102とR103、R107とR108は、互いにリン原子を含む環を形成してもよい。同一の炭素−リン結合を置換するR99とR97又はR98、R104とR102又はR103、R109とR107又はR108は、互いに炭素−リン結合を含む環を形成してもよい。同一の窒素原子を置換するR100とR101は、互いに窒素原子を含む環を形成してもよい。同一の炭素−窒素結合を置換するR99とR100又はR101、R105とR106、R109とR110又はR111は、互いに炭素−窒素結合を含む環を形成してもよい。同一の炭素原子を置換するR99どうし、R104とR105、R110とR111、R104どうし、R109どうしは互いに炭素原子を含む環を形成してもよい。
104及びR109の炭素数1〜20のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、i−プロピリデン基、1−メチルエチレン基、n−ブチレン基、1−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1−メチルブチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、1,1−ジメチルブチレン基、1,2−ジメチルブチレン基、1,3−ジメチルブチレン基などが挙げられ、好ましくは、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、イソプロピリデン基である。
nは、1以上の整数であり、nが2以上の場合、隣接する炭素原子上のR99どうし、R104どうし、R109どうしは、環を形成してもよく、環を形成する隣接した2原子間が二重結合であってもよく、芳香環を形成してもよい。
(B−2g)の具体例としては、例えば、以下に示す化合物などが挙げられる。
Figure 2008274142
〔iii〕(B−1)と(B−2)から由来する(B)成分
成分(B−2)は、以上において詳述した、(B−2a)〜(B−2g)から選ばれる化合物であるが、これらは2種以上を用いることもできる。
本発明において、上述の(B−1)成分と(B−2)成分を接触して(B)成分を得る。好適な具体例として、ホスト化合物((B−1)成分)の層間において陽イオンとイオン交換された鉄などの金属イオンに対して、ゲスト化合物((B−2)成分)がインターカレートされ、層間において錯化されて新規な重合触媒成分を形成する。この状態と処理工程(処理フロー)が図1に掲示されている。
本発明では、(B−1)成分が、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Cr、Fe、Co、Ni、Pdの少なくともいずれか1つの遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンがインターカレートされたイオン交換性層状珪酸塩であることを特徴とする、オレフィン重合用触媒成分であり、(B−1)成分と(B−2)成分を接触して得られる、更にインターカレートされたイオン交換性層状化合物((B)成分)が、X線回折測定による層間距離において10〜30オングストロームを有することを特徴とする、オレフィン重合用触媒成分である。
即ち、(B)成分は、Ti、Zr、V、Cr、Fe、Co、Niのいずれかの遷移金属イオンでイオン交換をしたイオン交換性層状化合物(いわゆるホスト化合物)に、上述の有機化合物(いわゆるゲスト化合物)を層間にインターカレートして錯化したことを特徴とするオレフィン重合用触媒成分である。
このゲスト化合物としては、2,6−[2,4,6−(CHPh−N=C(CH)−)]N(略称PBI:公知化合物)が好適に使用され、ホスト化合物の層間において陽イオンとイオン交換された鉄などの金属イオンに対してインターカレートされ、層間において錯化されて新規な重合触媒成分を形成する。この状態と処理工程(処理フロー)が図1として掲示され、本発明の特徴を明確にしている。
具体的には、ナトリウムなどの陽イオンを有するホスト化合物(イオン交換性層状化合物、即ち(B−1)成分前駆体)を、遷移金属塩の水溶液中でイオン交換し、濾過、洗浄、焼成、真空排気による乾燥を行って、イオン交換したホスト化合物((B−1)成分)を得る。次いで、ゲスト化合物((B−2)成分)の有機溶媒(n−ブタノールなど)溶液で接触処理し、洗浄し真空排気乾燥による溶媒の除去を経て、重合触媒成分((B)成分)が入手できる。
接触は任意の方法で実施することができるが、一般的な形態を以下に説明する。
通常、接触する際の(B−1)成分の濃度は、0.1〜60重量%、好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは5〜20重量%であり、(B−2)成分の濃度は、10−3〜1mol/L、好ましくは10−2〜0.3mol/L、更に好ましくは0.05〜0.1mol/Lであり、(B−1)成分と(B−2)成分の比は、0.001〜10mmol/g、好ましくは0.01〜2mmol/g、更に好ましくは0.1〜1mmol/gである。
接触は、液体中で実施することが好ましく、トルエン、n−ヘプタン、エタノール、ジエチルエーテル、アセトンなどの炭化水素溶媒、アルコール類、エーテル類、アルデヒド類を始めとする各種有機溶媒中、或いは水溶液中において実施されるが、(B−2)成分が処理温度において液体状であれば、無溶媒で用いることもでき、好ましくはアルコール中、或いはエーテル中などで、成分(B−2)を可溶化させつつ、成分(B−1)の層状化合物を膨潤させることができる溶媒中で実施される。処理温度は系内に液体が存在する温度であれば特に限定されないが、好ましくは0℃〜100℃、更に好ましくは室温〜80℃である。処理時間は、一般的には5分〜720時間の条件を選択するが、(B−1)成分である当イオン交換性層状化合物の層間に(B−2)成分の少なくとも一部がインターカレートされる条件で行うことが好ましい。
(B−1)成分の層間に(B−2)成分がインターカレートされたことの確認は、(B−1)成分の層間への遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンのインターカレーションの確認と同様、元素分析とX線回折測定により測定される底面間距離の大きさから行う。
一般に層状化合物の粉末法X線回折測定では、低角度側に層状構造特有の回折ピークが現れる。この回折ピークは底面反射ピークと呼ばれ、層が積み重なった方向の繰り返しに由来する回折線である。この回折ピークの回折角度と用いたX線の波長からブラッグの式を使ってd値を計算すれば、底面間距離が求められる。なお、この底面間距離には層自身の厚みも含まれている。本発明では、(B−2)成分が層間にインターカレートされた後の(B−1)成分の底面間隔距離は、スメクタイトの場合、好ましくは10.0〜30.0Åであり、更に好ましくは12.0〜20.0Åであり、特に好ましくは13.0〜18.0Åである。また、当インターカレート処理前後のイオン交換性層状化合物の底面間隔距離の増加量は、通常、0Åより大きく20.0Å以下であり、好ましくは1.0〜15.0Åであり、更に好ましくは3.0〜10.0Åであり、特に好ましくは4.0〜7.0Åである。層状化合物の底面間距離は、X線回折測定で2θが5度〜10度付近のシフトから、計算することが可能である。
接触反応の後、通常、水又は有機溶媒による洗浄により、過剰の(B−2)成分を除去した後、一般のオレフィン重合用触媒を被毒しないような有機溶媒、例えば、脱水されたトルエン、ヘキサン、ヘプタンなどの無極性炭化水素溶媒による洗浄を行い、必要に応じて、有機アルミニウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アルカリ化合物などによる処理を行ったものが、オレフィン重合用触媒成分として、(A)成分とともに本発明のオレフィン重合用触媒の製造に供され、裸触媒として、或いは予備重合触媒として、オレフィン重合体の製造に使用される。
(3)任意成分について
触媒成分の(A)及び(B)成分は、オレフィン重合用の必須の触媒成分として使用されるが、重合触媒としての使用に際し、任意成分である(C)成分として有機アルミニウム化合物などが必要に応じて使用される。下記一般式で表される化合物が好んで使用される。
AlRp3-p
(この式中において、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Xは、ハロゲン、水素、アルコキシ基、アミノ基を示す。pは1以上3以下までの範囲である。)で示される化合物が適当である。Rとしては、アルキル基が好ましく、またXは、それがハロゲンの場合には塩素が、アルコキシ基の場合には炭素数1〜8のアルコキシ基が、アミノ基の場合には炭素数1〜8のアミノ基が、好ましい。本発明ではこの式で表される化合物を単独で、また、複数種混合して、或いは併用して使用することができることはいうまでもない。また、この使用は触媒調製時だけでなく、予備重合或いは重合時にも可能である。
(C)成分として好ましい化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムクロライドなどが挙げられる。
これらのうち、好ましくは、p=3のトリアルキルアルミニウム、又はp=2でXが水素であるジアルキルアルミニウムヒドリドである。更に好ましくは、Rが炭素数1〜8であるトリアルキルアルミニウムであり、特に好ましくはトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムである。
2.オレフィン重合用触媒の調製
(1)接触
本発明による触媒は、上記の各成分を重合槽外で或いは重合槽内で、同時に又は連続的に、或いは一度に若しくは複数回にわたって、接触させることによって形成させることができる。
各成分の接触は、脂肪族炭化水素或いは芳香族炭化水素溶媒中で行うのが普通である。接触温度は特に限定されないが、−20〜150℃の間で行うのが好ましい。接触順序としては任意の組み合わせが可能であるが、特に好ましいものを各成分について示せば次の通りである。通常、まず成分(B)と成分(C)を接触させる。成分(C)の成分(B)への添加は、成分(A)よりも前に、同時に、或いは後に添加することが可能であるが、好ましくは、前に添加する方法である。
各成分を接触させた後は、脂肪族炭化水素或いは芳香族炭化水素溶媒にて洗浄することが可能である。
(2)各成分の使用量
本発明で使用する成分(A)、(B)及び(C)の使用量は任意である。例えば、成分(B)に対する成分(A)の使用量は、成分(B)1gに対し、好ましくは0.1〜1,000μmol、特に好ましくは0.5〜500μmolの範囲である。成分(B)に対する成分(C)の使用量は、成分(B)1gに対し、好ましくは0.001〜100mmol、特に好ましくは0.05〜10mmolの範囲である。
3.オレフィンの重合
重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式を採用し得る。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、溶液重合法、不活性溶媒を実質的に用いない、プロピレンなどのモノマーを溶媒として用いるバルク法、或いは実質的に液体溶媒を用いずに各モノマーをガス状に保つ気相法などが採用できる。また重合方式としては、連続式重合と回分式重合に適用される。
スラリー重合の場合は、重合溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの飽和脂肪族又は芳香族炭化水素の単独又は混合物が用いられる。更には、塩化メチレンやクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素溶媒を使用することもできる。
重合温度は−50〜200℃であり、また分子量調節剤として補助的に水素を用いることができる。重合圧力は0〜2,000kg/cm2Gの範囲で実施可能である。
本発明の重合触媒は、エチレンとプロピレンを主とするα−オレフィンの重合及び共重合に使用される。
本発明を更に具体的に説明するために、以下においては好適な実施例及び対応する比較例を記載する。各実施例と比較例との対照により、本発明の構成の要件の合理性と有意性を実証し、更に本発明の従来技術に対する卓越性をも明らかにするものである。なお、実施例及び比較例に用いられる測定方法は次の通りである。
(1)イオン交換性層状化合物の底面間距離の測定
本発明において(B)成分であるイオン交換性層状化合物の粉末X線回折パターンを測定することで、当層状化合物の(001)面による回折ピークのd値より、層間へのインターカレーションの進行を確認した。
測定にはリガク(株)製のRAD−Bシステム(X線:CuKα(波長:0.
15406nm)カウンターモノクロメーター付き)を用いた。測定条件は、管電圧:40kV、管電流:30mA、スキャン軸:2θ/θ、測定範囲=2°〜15°、スキャン速度=1°/min、発散スリット:1°、散乱スリット:1°、受光スリット:0.30mmとした。
ここで(001)面における回折ピークは底面反射ピークと呼ばれ、その回折角度からブラッグの式を用いて算出されるd値は、層自身の厚みと層間距離の和、即ち底面間隔距離に相当する。従ってインターカレート処理した(B−1)成分のd値が処理前に比べて増大すれば層間が広がったことを示しており、(B−2)成分が層間にインターカレートしたと判断できる(図1を参照)。なお、(B−2)成分により処理した(B−1)成分は、いずれの場合も測定前に110℃で1時間真空排気することで(B−2)成分と競争的に層間にインターカレートした溶媒を選択的に除去してから、測定に用いた。
(2)GPCによるポリマー分子量の測定
本発明において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)はゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定したものをいう。
保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。使用する標準ポリスチレンは何れも東ソー(株)製の以下の銘柄である。F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000。
各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して較正曲線を作成する。較正曲線は最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。分子量への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαは以下の数値を用いる。
PS:K=1.38×10−4 α=0.70
PE:K=3.92×10−4 α=0.733
PP:K=1.03×10−4 α=0.78
なお、GPCの測定条件は以下の通りである。
装置:Waters社製GPC(ALC/GPC 150C) 検出器:FOXBORO社製MIRAN 1A IR検出器(測定波長:3.42μm) カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本) 移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン 測定温度:140℃ 流速:1.0ml/分 注入量:0.2ml 試料の調製:試料は、ODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)を用いて、1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させる。
なお、得られたクロマトグラムのベースラインと区間は、図2に例示されるように行う。
(3)DSCによるポリマーの融点(Tm)の測定
JIS K7121に準拠して測定した。試料5mgを170℃で5分間融解後、10℃/分の速度で20℃に降温し、1分間保持後、170℃まで10℃/分の昇温速度で融解曲線を測定し、ピークトップ温度(℃)を融点(Tm−DSC)とした。
(4)MIの測定
MIは、JIS K6760に準拠し、190℃・2.16kg荷重で測定した。
[実施例1]
(1)Fe3+イオン交換モンモリロナイトの合成
イオン交換水500mLの入った1Lフラスコに硝酸鉄九水和物24.2gを入れ、撹拌して溶解させた。そこに層間カチオンがNaである市販のモンモリロナイト(ベンクレイSL・水澤化学社製)20.0gを入れてよく撹拌した。撹拌後、室温で24時間静置してイオン交換させた後、モンモリロナイトを濾過により回収した。次に、回収したモンモリロナイトを新たに調製した硝酸鉄九水和物24.2gを含む水溶液500mLに入れて、更に24時間イオン交換させた。モンモリロナイトを濾過により回収し、エタノール約500mLに分散させて洗浄後、濾過した。この洗浄操作をさらに4回行った。得られた交換体を約40℃でエタノール臭が無くなるまで乾燥した後、200℃で2時間減圧乾燥した。
(2)触媒成分調製(モンモリロナイト−ジイミノピリジン配位子複合体調製)
上記の(1)で得られた乾燥Fe3+イオン交換モンモリロナイト0.50gを窒素雰囲気下で30mLフラスコに量り取り、そこに0.50mmolの2,6−[2,4,6−(CHPh−N=C(CH)−)]N配位子を脱水n−ブタノール16.8mLに溶かした溶液を5.0mL加え、5分間撹拌後、70℃に保ったオイルバス中で、24時間反応させた。反応時間終了後、室温まで冷却してから、上澄み液を可能な限り抜き出し、更に脱水n−ブタノール10mLを加えて1分間撹拌して洗浄した。静置後、触媒成分が沈降したら上澄み液を可能な限り抜き出した。このn−ブタノールによる洗浄操作を3回行った。次に脱水n−ヘプタン10mLを加えて洗浄し、触媒成分沈降後、上澄み液を可能な限り抜き出した。この洗浄操作を3回行った。最後に室温にて溶媒を減圧排気し、目視にて溶媒が確認されなくなってから更に30分間減圧乾燥を行って触媒成分とした。こうして得られた触媒成分の底面間距離(d値)はジイミノピリジン配位子処理前の9.8Åから14.1Åへ増大した。
(3)エチレン・1−ヘキセン共重合
上記の(2)で得られたモンモリロナイト−ジイミノピリジン配位子複合体とビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドを用いてエチレン・1−ヘキセンのスラリー共重合を行った。即ち、1Lオートクレーブにn−ヘプタン0.50L、1−ヘキセン20ml、トリエチルアルミニウム2.5mmolを加え、70℃に昇温し、更にエチレンを分圧2.0MPaとなるまで導入した。次いで、(A)成分としてビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド2.0μmol(トルエン溶液2.0ml分)と、(B)成分として上記複合体20mg(ヘプタンスラリー20ml分)とを室温で10分間予備接触させた後、アルゴンで圧入して重合を開始し、エチレン分圧を2.0MPaに保って、70℃で23分間重合を継続した後、エタノールを加えて重合を停止させた。得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体は63gであった。結果を表1に示す。
[比較例1]
(A)成分であるビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドを使用しなかった以外は、実施例1(3)と同様にして重合を行った。25分間重合を行って得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体は67gであった。結果を表1に示す。
[実施例2]
(A)成分としてビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドの代わりに、Niビスイミド錯体(下記化合物(Ia))を2.4μmol(トルエン溶液2.4ml分)を使用し、1−ヘキセンを使用しなかった以外は、実施例1(3)と同様にして重合を行った。21分間重合を行って得られたエチレン重合体は78gであった。結果を表1に示す。
Figure 2008274142
[比較例2]
(A)成分であるNiビスイミド錯体(Ia)を使用しなかった以外は、実施例2と同様にして重合を行った。25分間重合を行って得られたエチレン重合体は74gであった。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1(2)で得られたモンモリロナイト−ジイミノピリジン配位子複合体とビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドを用いてエチレン・1−ヘキセンのスラリー共重合を行った。即ち、3Lオートクレーブにn−ヘプタン1.50L、1−ヘキセン180ml、トリエチルアルミニウム1.0mmolを加え、80℃に昇温し、更に水素19Nmlと、エチレンを分圧2.0MPaとなるまで導入した。次いで、(A)成分としてビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド10.0μmol(トルエン溶液10.0ml分)と、(B)成分として上記複合体100mg(ヘプタンスラリー20ml分)とを室温で10分間予備接触させた後、アルゴンで圧入して重合を開始し、エチレン分圧を2.0MPaに保って、80℃で60分間重合を継続した後、エタノールを加えて重合を停止させた。得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体は107gであった。結果を表2に示す。
[比較例3]
(A)成分であるビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドを使用しなかった以外は、実施例3と同様にして重合を行った。45分間重合を行って得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体は199gであった。結果を表2に示す。
[実施例4]
(1)Mg2+イオン交換モンモリロナイトの合成
市販の膨潤性モンモリロナイト(ベンクレイSL・水澤化学社製)20Kgを硫酸マグネシウムの硫酸水溶液(硫酸マグネシウム濃度6.9重量%、硫酸濃度11.2重量%)187kg中に分散させ、90℃で7時間撹拌した。これを脱塩水にて濾過・洗浄した後、得られた固体ケーキを110℃で10時間乾燥した。得られた乾燥モンモリロナイト中の塊状物を目開き75μmの篩によって取り除き、篩を通過したMg2+イオン交換モンモリロナイト粒子を10kg得た。
(2)Ti4+イオン交換モンモリロナイトの合成
上記の(1)で得られたMg2+イオン交換モンモリロナイト粒子150gを、市販の硫酸チタニル(堺化学工業(株)製、TiO2として7.5%含有、SO4として25.6%含有)溶液958gと硫酸51.2gの混合溶液中に分散させて90℃で3時間攪拌した。これを脱塩水にてpH3.5まで濾過・洗浄した後、得られた含水固体ケーキを110℃で10時間予備的に乾燥し、更に200℃で2時間減圧乾燥してTi4+イオン交換モンモリロナイトを得た。
(3)触媒成分調製(モンモリロナイト−ジイミノピリジン配位子複合体調製)
次に(2)で得られたTi4+イオン交換モンモリロナイト0.50gを窒素雰囲気下で30mLフラスコに量り取り、そこに0.50mmolの2,6−[2,4,6−(CHPh−N=C(CH)−)]N配位子を脱水n−ブタノール16.8mLに溶かした溶液を5.0mL加え、5分間撹拌後、70℃に保ったオイルバス中で、24時間反応させた。反応時間終了後、室温まで冷却してから、上澄み液を可能な限り抜き出し、更に脱水n−ブタノール10mLを加えて1分間撹拌して洗浄した。静置後、触媒成分が沈降したら上澄み液を可能な限り抜き出した。このn−ブタノールによる洗浄操作を3回行った。次に脱水n−ヘプタン10mLを加えて洗浄し、触媒成分沈降後、上澄み液を可能な限り抜き出した。この洗浄操作を3回行った。最後に室温にて溶媒を減圧排気し、目視にて溶媒が確認されなくなってから更に30分間減圧乾燥を行って触媒成分とした。
(4)エチレン・1−ヘキセン共重合
モンモリロナイト−ジイミノピリジン配位子複合体として、上記(3)で得られたTi4+イオン交換モンモリロナイト−ジイミノピリジン配位子複合体を用いた以外は実施例3と同様にして重合を行った。60分間重合を行って得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体は36gであった。結果を表2に示す。
[比較例4]
(A)成分であるビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドを使用しなかった以外は、実施例4と同様にして重合を行った。60分間重合を行って得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体は16gであった。結果を表2に示す。
[実施例5]
(1)Zr4+イオン交換モンモリロナイトの合成
実施例4(1)で得られたMg2+イオン交換モンモリロナイト粒子200gを、純水900g、市販の硫酸ジルコニウム(IV)四水和物(三津和化学(株)製)427g、硫酸125gの混合溶液中に分散させて90℃で3時間攪拌した。これを脱塩水にてpH3.5まで濾過・洗浄した後、得られた含水固体ケーキを110℃で10時間予備的に乾燥し、更に200℃で2時間減圧乾燥してZr4+イオン交換モンモリロナイトを得た。
(2)触媒成分調製(モンモリロナイト−ジイミノピリジン配位子複合体調製)
Ti4+イオン交換モンモリロナイトの代わりに(1)で得られたZr4+イオン交換モンモリロナイトを使用した以外は実施例4(3)と同様にして触媒成分を得た。
(3)エチレン・1−ヘキセン共重合
モンモリロナイト−ジイミノピリジン配位子複合体として、上記(2)で得られたZr4+イオン交換モンモリロナイト−ジイミノピリジン配位子複合体を用いた以外は実施例4と同様にして重合を行った。60分間重合を行って得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体は45gであった。結果を表2に示す。
[比較例5]
(A)成分であるビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドを使用しなかった以外は、実施例5と同様にして重合を行った。60分間重合を行って得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体は39gであった。結果を表2に示す。
[実施例6]
(1)Cr3+イオン交換モンモリロナイトの合成
実施例4(1)で得られたMg2+イオン交換モンモリロナイト粒子200gを、純水1,000gと市販の硝酸クロム(III)九水和物240gの混合溶液中に分散させて90℃で3時間攪拌した。これを脱塩水にてpH3.5まで濾過・洗浄した後、得られた含水固体ケーキを110℃で10時間予備的に乾燥し、更に200℃で2時間減圧乾燥してCr3+イオン交換モンモリロナイトを得た。
(2)触媒成分調製(モンモリロナイト−ジイミノピリジン配位子複合体調製)
Ti4+イオン交換モンモリロナイトの代わりに(1)で得られたCr3+イオン交換モンモリロナイトを使用した以外は実施例4(3)と同様にして触媒成分を得た。
(3)エチレン・1−ヘキセン共重合
モンモリロナイト−ジイミノピリジン配位子複合体として、上記(2)で得られたCr3+イオン交換モンモリロナイト−ジイミノピリジン配位子複合体を用いた以外は実施例4と同様にして重合を行った。60分間重合を行って得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体は23gであった。結果を表2に示す。
[比較例6]
(A)成分であるビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドを使用せず、水素を加えず、1−ヘキセンを60ml加えた以外は、実施例6と同様にして重合を行った。60分間重合を行って得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体は16gであった。結果を表2に示す。
[比較例7]
(1)Zn2+イオン交換モンモリロナイトの合成
市販のモンモリロナイト(ベンクレイSL・水澤化学社製)40kgを25%硫酸160kgの中に分散させ、90℃で2時間撹拌した。これを脱塩水にてpH3.5まで濾過・洗浄した後、得られた含水固体ケーキを110℃で10時間予備的に乾燥して酸処理モンモリロナイトを得た。この予備乾燥モンモリロナイトのうち、目開き150メッシュの篩を通過した粒子を更に、ロータリー・キルンを用いて、温度200℃・向流窒素気流下(窒素流量49Nm3/hr)で、3kg/hrの速さ(滞留時間10分)で連続乾燥し、乾燥窒素下で回収した。得られた酸処理モンモリロナイトのうちの200gを、2Lフラスコに硫酸亜鉛七水和物(ZnSO4・7H2O)115gと硫酸10gと脱塩水675gを溶解させた水溶液中に分散させて30℃で2時間撹拌した。処理後、この固体成分を脱塩水で洗浄し、予備乾燥を行って処理モンモリロナイトを得た。この予備乾燥Zn2+イオン交換モンモリロナイトを1Lフラスコに入れて1mmHgの減圧下、200℃で2時間の加熱脱水処理を行った。
(2)モンモリロナイトの有機アルミニウム処理
100mLフラスコに、上記(1)で得た乾燥Zn2+イオン交換モンモリロナイト1gとヘプタン25mLを加え、次いで室温で攪拌下、トリエチルアルミニウムのヘプタン溶液3.2mL(2.0mmol分)を加え1時間反応した後、ヘプタンで洗浄を行った。
(3)エチレン・1−ヘキセン共重合
(A)成分としてビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドを8.0μmol(トルエン溶液として8.0ml分)と、(B)成分として上記(2)で得られた有機アルミニウム処理Zn2+イオン交換モンモリロナイト100mg(ヘプタンスラリーとして20ml分)を用いて、トリエチルアルミニウムを2.4mmolとした以外は実施例3と同様にしてエチレン・1−ヘキセン共重合を行った。60分間重合を行って得られたエチレン・1−ヘキセン共重合体は42gであった。結果を表2に示す。
Figure 2008274142
Figure 2008274142
[実施例と比較例の対照による考察]
以上の各実施例と各比較例とを対照して考察すれば、本発明のオレフィン重合用触媒は、(A)成分の遷移金属を有する均一系重合触媒成分と、(B)成分の特定の有機化合物がインターカレートされたイオン交換性層状化合物を含有する触媒であるので、触媒活性が高く、分子量分布が狭く溶融流動性に富み成形加工性などに優れているオレフィンポリマーを製造し得ることが明らかにされているといえる。
実施例1〜6と比較例1〜6を対比すれば、各実施例は(A)成分を使用せず(B)成分のみからなる各比較例に比して、大略において重合活性が高く、溶融流動性と成形加工性の指標であるMI値が大きくなっている。実施例3のみ対応する比較例3に比して、触媒活性が低くなっているが、MI値が非常に高くなっている。
比較例7は、(B−1)成分において、本発明と異なる第12族の金属を使用し、(B−2)成分を使用していない触媒なので、触媒活性とMI値は大略見劣りしないとしても、本発明の触媒の特色を窺わせる触媒ではないといえる。
しかして、本発明の構成の要件の合理性と有意性が実証され、更に本発明の従来技術に対する卓越性も明白にされている。
イオン交換性層状化合物に層間カチオンがインターカレートされた状態を例示する模式図、及びインターカーレート処理工程を例示する処理フロー図である。 GPC測定における、クロマトグラフのベースラインと区間を例示するグラフ図である。

Claims (12)

  1. 下記の(A)成分と(B)成分を少なくとも含有することを特徴とするオレフィン重合用触媒。
    (A)成分:遷移金属を有する均一系重合触媒成分。
    (B)成分:(B−1)成分と(B−2)成分とを接触して得られる触媒成分。
    (B−1)成分:周期律表第3〜11族の遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンが、インターカレートされたイオン交換性層状化合物。
    (B−2)成分:分子量1,000以下の化合物であって、分子内に非共有電子対を有する第15族又は第16族の元素を少なくとも2個有し、当第15族又は第16族の元素は1〜6個の第14族元素を介して連結されている、有機化合物。
  2. (A)成分が、周期律表第3〜6族の遷移金属のメタロセン化合物であることを特徴とする、請求項1に記載されたオレフィン重合用触媒。
  3. メタロセン化合物が、Ti、Zr、Hf、V、Crの内のいずれかのメタロセン化合物であることを特徴とする、請求項2に記載されたオレフィン重合用触媒。
  4. (A)成分が、周期律表第8〜10族の遷移金属のビスイミド化合物であることを特徴とする、請求項1に記載されたオレフィン重合用触媒。
  5. ビスイミド化合物が、Fe、Co、Ni、Pdの内のいずれかのビスイミド化合物であることを特徴とする、請求項4に記載されたオレフィン重合用触媒。
  6. (A)成分が、周期律表第3〜10族の遷移金属のハロゲン化物、周期律表第4〜6族の遷移金属のビスアミド化合物又はビスアルコキシド化合物、周期律表第3〜11族の遷移金属のフェノキシイミン化合物の内のいずれかの化合物であることを特徴とする、請求項1に記載されたオレフィン重合用触媒。
  7. (B−1)成分として、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Pdの内の少なくともいずれか1つの遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンがインターカレートされたイオン交換性層状化合物であることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかに記載されたオレフィン重合用触媒。
  8. (B−2)成分が下記の一般式(B−2a)で表わされる有機化合物であることを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれかに記載されたオレフィン重合用触媒。
    A−Q−A´ (B−2a)
    (式中、A及びA´は、周期律表第15族又は第16族から選ばれる元素を少なくとも1個有する、炭素数1〜30の炭化水素化合物結合性基(同一化合物内においてA及びA´は同一であっても異なっていてもよい)を示し、Qは、ピリジン骨格、ピラジン骨格、ビピリジン骨格、モルホリン骨格、ピロール骨格、フリル骨格、チオフリル骨格を有する2価の環状化合物、アミン骨格、ホスフィン骨格、エーテル骨格、チオエーテル骨格、ヘキセニレン骨格、ヘキシニレン骨格、ヘプタジエニレン骨格、エテニルプロパン骨格、ジエチルベンゼン骨格を有する、少なくとも1組の非共有電子対又はπ結合を有し、AとA´を任意の位置で連結する結合性基を示す。)
  9. (B−2)成分の第15族又は第16族の元素が、窒素、リン、酸素又はイオウであることを特徴とする、請求項8に記載されたオレフィン重合用触媒。
  10. 任意成分の(C)成分として、有機アルミニウム化合物を含有することを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれかに記載されたオレフィン重合用触媒。
  11. (B−1)成分としての、周期律表第3〜11族の遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンが、インターカレートされたイオン交換性層状化合物と、(B−2)成分としての、分子量1,000以下の化合物であって、分子内に非共有電子対を有する第15族又は第16族の元素を少なくとも2個有し、当第15族又は第16族の元素は1〜6個の14族元素を介して連結されている、有機化合物とを接触することにより、当有機化合物をイオン交換性層状化合物に更にインターカレートして触媒成分の(B)成分を形成し、次いで、(A)成分としての遷移金属を有する均一系重合触媒成分と、(B)成分とを接触させることを特徴とする、(A)成分と(B)成分を少なくとも含有する二元系オレフィン重合用触媒の製造方法。
  12. 請求項1〜請求項10のいずれかに記載されたオレフィン重合用触媒を用いてオレフィンを重合又は共重合することを特徴とする、オレフィン系重合体の製造方法。
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