JP2017179022A - 特定の触媒と特定の工程によるエチレン共重合体の製造方法 - Google Patents

特定の触媒と特定の工程によるエチレン共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エチレンをオリゴマー化させてエチレンのみを用いる、エチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法において、エチレンがオリゴマー化する際に、反応溶媒に可溶なオリゴマー成分の生成割合を格別に高める【解決手段】工程(1)と(2)とを逐次又は同時に行うエチレン共重合の製造方法。工程(1):成分Aの存在下エチレンのオリゴマーの製造工程、(2):成分Cの存在下、該オリゴマーとエチレンを共重合し、エチレン共重合体の製造工程、成分A:一般式(1)で示される配位子及び周期表第3〜11族の遷移金属を含むオレフィン重合触媒、成分C:チーグラー・ナッタ触媒又はメタロセン触媒【選択図】なし

Description

本発明は、特定の触媒と特定の工程によるエチレン共重合体の製造方法に関し、詳しくは、エチレンモノマーのみから、エチレン−α−オレフィン共重合体を製造する方法において、イミノ系触媒などとチーグラー・ナッタ触媒又はメタロセン触媒を用いる特定の重合工程により、エチレンがオリゴマー化する際に反応溶媒に可溶なオリゴマー成分生成の選択性が格別に高く、製造したポリマーの取り扱いが工業プロセスで容易なことを特徴とする、エチレン共重合体の製造方法に係わるものである。
エチレン重合体は、製造が容易で安価であり、基本的な物性と成形性に優れ、資源再利用性や環境問題適合性も良好なので、包装材料や建材及び車両用資材やその他の多分野の材料などの工業用資材として重用されている。
エチレン重合体の性能を更に向上させるために共重合体とすることも多用されているが、昨今では、製造工程の簡易化と経済性の向上のために、エチレン以外のオレフィンモノマーを用いずに、エチレンモノマーのみからエチレンとα−オレフィンの共重合体を製造する方法が注目され精力的に検討されている。
このような製造方法として、クロム塩、金属アミド、エーテルの混合物を形成することによる特定の触媒及びエチレン重合触媒の存在下でエチレンを重合する、エチレンと1−ヘキセンの共重合体の製造方法(特許文献1を参照)、エチレン重合触媒と、クロムアミド化合物、無機酸化物固体及びアルモキサンからなる、エチレンから1−ヘキセンを生成させる触媒とを共存させてエチレンを重合させる、エチレン/1−ヘキセン共重合体の製造方法(特許文献2を参照)、1種類のモノマーから分岐ポリオレフィン類を製造するのに有用である、ジイミノピリジン系触媒(特許文献3を参照)などが知られている。
しかし、このような製造方法においては、エチレンがオリゴマー化する際に、反応溶媒に可溶なオリゴマー成分のみが生成せずに溶媒に不溶な固体成分も副生し、工業プロセスでの取り扱いが困難となる欠点が避けられない。
一方、このようなエチレンのオリゴマー化に関連しては、エチレンのオリゴマー化で得られる、炭素原子数4〜20を有する直鎖状α−オレフィンは、界面活性剤や可塑剤など及びポリオレフィンの製造における主原料として有用なので、エチレンのオリゴマー化のための触媒も精力的に検討されている。
かかる触媒及びそれによるオリゴマー化としては、ポストメタロセン触媒を用いる方法(特許文献4を参照)、クロム系触媒を用いる方法(特許文献5を参照)、ジイミノピリジン−Fe系触媒を用いる方法(特許文献6を参照)、遷移金属がインターカレートされたイオン交換性層状化合物とジイミノピリジン−Co系触媒を用いる方法(非特許文献1,2を参照)、Niがインターカレートされたイオン交換性層状化合物とジイミノ化合物を用いる方法(非特許文献3、4を参照)、などが提示されている。
しかし、このようなオリゴマー化の方法においては、更にオレフィン重合触媒と組み合わせてエチレン共重合体を製造することについては何も開示されていない。
なお、遷移金属がインターカレートされたイオン交換性層状化合物とジイミノピリジン系触媒を用いる、エチレンの共重合体の製造方法も開示されているが(特許文献7、8を参照)、エチレンをオリゴマー化させてエチレンのみを用いるエチレン共重合体の製造に係るものではない。
こうした背景技術の状況下を鑑みて、エチレンをオリゴマー化させてエチレンのみを用いるエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法においては、エチレンがオリゴマー化する際に、反応溶媒に可溶なオリゴマー成分のみが生成せずに溶媒に不溶な固体成分も副生し、工業プロセスでの取り扱いが困難となる欠点を解決する技術の開発が求められている。
特開平03−115406号公報 特開平10−060043号公報 特開2001−302679号公報 特開2013−166735号公報 特表2013−517938号公報 特開2014−210920号公報 特開2008−274142号公報 特開2008−088409号公報
Chem.Lett,Vol41, No.4, 2012, 461-463 Chem.Lett,Vol43, No.8, 2014, 1365-1367 Journal of the Japan Petroleum Institute, 57, (3), 146-154 (2014). Catalysts 2013, 3, 125-136
本発明は、上記した従来技術の問題点を鑑み、エチレンをオリゴマー化させてエチレンのみを用いるエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法において、エチレンがオリゴマー化する際に、反応溶媒に可溶なオリゴマー成分のみが生成せずに溶媒に不溶な固体成分も副生し、工業プロセスでの取り扱いが困難となる欠点を解決することを、発明が解決すべき課題とするものである。
本発明者は、上記の課題を解決すべく、エチレンをオリゴマー化させてエチレンのみを用いるエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法において、メタロセン触媒やポストメタロセン触媒などの各種触媒の検討、オリゴマー化の反応条件の検討、オリゴマー化と重合プロセスの相互関連の検討、重合プロセスの反応条件の検討などを種々重ね、特定のオリゴマー化触媒と重合触媒を用い、特定のプロセスとを組み合わせることにより、上記の課題を解決する方法を見い出し、本発明を創作するに至った。
本発明は、発明の主要な特徴として、(1)イミノ系触媒又は特定の接触物(接触触媒)によるエチレンオリゴマーの製造工程と、(2)チーグラー・ナッタ触媒又はメタロセン触媒によりオリゴマーとエチレンを共重合し、エチレン−α−オレフィン共重合体を製造する工程とを組み合わせる手法であり、かかる工程の(1)と(2)は、逐次に又は同時に行う。
ここで、イミノ系触媒は、一般式(1)で示される配位子と周期表第3〜11族の遷移金属を含むエチレンオリゴマー化触媒(オレフィン重合触媒ともいう)であり(以下、「成分A」という。)、また、特定の接触物は、周期表第3〜11族の遷移金属イオンを粘土鉱物層間にインターカレートさせ、次いで下記の化合物(A)と化合物(B)との接触により得られる接触触媒であって、エチレンオリゴマー化触媒(オレフィン重合触媒ともいう)である(以下、「成分B」という。)。
Figure 2017179022
(式中、R及びRは、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素、窒素、ケイ素若しくはイオウ含有炭化水素基を表し、R及びRは、水素、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素、窒素若しくはケイ素含有炭化水素基を表す。また、隣接するRは互いに結合し環状構造を形成していてもよい。)
化合物(A):式A−1又は式A−2で表される化合物
Figure 2017179022
Figure 2017179022
(式中において、R、R、Rは、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基、X、Xは、ヘテロ環式炭化水素基、nは、0又は1である。)
化合物(B):NH(R133−m
(式中において、R13は、炭素数1〜20の炭化水素基であり、この炭化水素基は、更にハロゲン、アルコキシ基、アルキルシリル基を有していてもよい。また、複数あるR13は、同一であっても異なっていてもよい。mは1〜3の整数である。)
上記した基本的な発明(請求項1の独立請求項の発明)に対して、基本発明に付随する付帯発明或いは実施の態様発明(従属請求項の各発明)としては、R及びRが更に特定され(請求項2)、Rが更に特定され(請求項3)、工程(2)の成分が更に特定され(請求項4)、オリゴマーの生成割合が特定され(請求項5)、工程(1)及び(2)の順序が特定され(請求項6,7)、工程(1)の成分が更に特定される(請求項8,9)発明である。
本発明は前記したとおり、(1)イミノ系触媒又は特定の接触物(接触触媒)によるエチレンオリゴマーの製造工程と、(2)チーグラー・ナッタ触媒又はメタロセン触媒によりオリゴマーとエチレンを共重合し、エチレン−α−オレフィン共重合体を製造する工程とを組み合わせる手法である。
ここで、(1)のイミノ系触媒及びそれによるエチレンオリゴマーの製造工程は、背景技術において前記したとおり既に知られた技術であり、(2)の各触媒は周知の触媒であるが、本発明は、かかる工程の(1)と(2)とを新たに組み合わせて、逐次に又は同時に行い、エチレンモノマーのみから、エチレン−α−オレフィン共重合体を製造することを格別な特徴とし、このような新規で特異な手法により、エチレンがオリゴマー化する際に、反応溶媒に可溶なオリゴマー成分のみが実質的に生成し、即ちかかる成分生成の選択性が特別に高く、溶媒に不溶な固体成分の副生がなく、工業プロセスでのポリマー回収が容易など、製造ポリマーの取り扱いが良好となる顕著な効果を奏している。
かかる特異な手法と効果は、背景技術に記載した各文献はもとよりその他の文献を精査しても些かも見い出すことはできない。
以上においては、本発明が創作される経緯と、本発明の基本的な構成要件と特徴について概観的に記述したので、ここで本発明の全体を俯瞰すると、本発明は次の発明の単位群から構成されるものであって、[1]の発明を基本発明とし、それ以下は、基本発明の付帯的発明又は実施態様化発明である。なお、発明単位群の全体をまとめて、「本発明」という。
[1]下記の工程(1)及び工程(2)を、逐次又は同時に行うことを特徴とするエチレン共重合体の製造方法。
工程(1):成分A又は成分Bの存在下、エチレンのオリゴマーを製造する工程。
工程(2):成分Cの存在下、該オリゴマーとエチレンを共重合し、エチレン共重合体を製造する工程。
成分A:一般式(1)で示される配位子及び周期表第3〜11族の遷移金属を含むオレフィン重合触媒
Figure 2017179022
(式中、R及びRは、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素、窒素、ケイ素若しくはイオウ含有炭化水素基を表し、R及びRは、水素、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素、窒素若しくはケイ素含有炭化水素基を表す。また、隣接するRは互いに結合し環状構造を形成していてもよい。)
成分B:以下の工程で得られる接触物
工程ア:周期表第3〜11族の遷移金属化合物を粘土鉱物と接触させ、遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンを粘土鉱物層間にインターカレートさせる工程
工程イ:工程アで得られた粘土鉱物をスラリー化し、化合物(A)及び化合物(B)を独立に添加する工程
化合物(A):式A−1又は式A−2で表される化合物
Figure 2017179022
Figure 2017179022
(式中において、R、R、Rは、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基、X
、Xは、ヘテロ環式炭化水素基、nは、0又は1である。)
化合物(B):NH(R133−m
(式中において、R13は、炭素数1〜20の炭化水素基であり、この炭化水素基は、更にハロゲン、アルコキシ基、アルキルシリル基を有していてもよい。また、複数あるR13は、同一であっても異なっていてもよい。mは1〜3の整数である。)
成分C:チーグラー・ナッタ触媒又はメタロセン触媒
[2]一般式(1)において、R、Rが一般式(2)で表される基であることを特徴とする、[1]におけるエチレン共重合体の製造方法。
Figure 2017179022
(R〜R12は、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素、窒素若しくはケイ素含有炭化水素基を表す。また、隣接するRは互いに結合し環状構造を形成していてもよい。)
[3]一般式(2)において、Rが、フッ素又はフッ素含有炭化水素基であることを特徴とする、[1]又は[2]におけるエチレン共重合体の製造方法。
[4]前記成分Cがメタロセン触媒であることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかにおけるエチレン共重合体の製造方法。
[5] 前記工程(1)において、工程(1)で生成する重合体に対するオリゴマーの生成割合が80重量%以上であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかにおけるエチレン共重合体の製造方法。
[6]前記工程(1)の後に、前記工程(2)を行うことを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかにおけるエチレン共重合体の製造方法。
[7]前記工程(1)及び前記工程(2)を、単一の反応器中で同時に行うことを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかにおけるエチレン共重合体の製造方法。
[8]前記成分A及び前記成分Bの周期表第3〜11族の遷移金属が、ニッケルであることを特徴とする、[1]〜[7]のいずれかにおけるエチレン共重合体の製造方法。
[9]前記成分A及び前記成分Bが、粘土鉱物層間にイオン交換により導入したニッケルを含有する層状ケイ酸塩を含むオレフィン重合触媒であることを特徴とする、[1]〜[8]のいずれかにおけるエチレン共重合体の製造方法。
本発明によれば、エチレンをオリゴマー化させてエチレンのみを用いる、エチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法において、エチレンがオリゴマー化する際に、反応溶媒に可溶なオリゴマー成分のみが生成せずに溶媒に不溶な固体成分も副生し、工業プロセスでの取り扱いが困難となる欠点を解決することができる。
即ち、かかる製造方法において、反応溶媒に可溶なオリゴマー成分生成の選択性が格別に高く、工業プロセスでの取り扱いが容易となり、また、得られるオリゴマーをエチレンと共重合させることで、低コストでエチレン共重合体を製造することができる。
本発明は、前記したとおり、(1)成分A又は成分B、すなわちイミノ系触媒又は接触触媒によるエチレンオリゴマーの製造工程と、(2)成分C、すなわちチーグラー・ナッタ触媒又はメタロセン触媒によりオリゴマーとエチレンを共重合し、エチレン共重合体を製造する工程とを組み合わせる、エチレンモノマーのみから、エチレン−α−オレフィン共重合体を製造する方法であり、かかる工程の(1)と(2)は、逐次に又は同時に行うことを特徴とする。そしてかかる方法において、反応溶媒に可溶なオリゴマー成分生成の選択性が格別に高く、工業プロセスでの取り扱いが容易となる。
以下において、本発明のエチレン共重合体の製造方法における各工程及び各触媒を詳細に説明する。
[I]エチレン共重合体を製造する方法
(i)基本的な構成
当方法は、下記の工程(1)及び工程(2)を、逐次又は同時に行うことを特徴とするエチレン共重合体の製造方法である。
工程(1):成分A又は成分Bの存在下、エチレンのオリゴマーを製造する工程。
工程(2):成分Cの存在下、該オリゴマーとエチレンを共重合し、エチレン共重合体を製造する工程。
成分A(イミノ系触媒):一般式(1)で示される配位子及び周期表第3〜11族の遷移金属を含むオレフィン重合触媒
Figure 2017179022
(式中、R及びRは、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素、窒素、ケイ素若しくはイオウ含有炭化水素基を表し、R及びRは、水素、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素、窒素若しくはケイ素含有炭化水素基を表す。また、隣接するRは互いに結合し環状構造を形成していてもよい。)
成分B(接触触媒):以下の工程で得られる接触物
工程ア:周期表第3〜11族の遷移金属化合物を粘土鉱物と接触させ、遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンを粘土鉱物層間にインターカレートさせる工程
工程イ:工程アで得られた粘土鉱物をスラリー化し、化合物(A)及び化合物(B)を独立に添加する工程
化合物(A):式A−1又は式A−2で表される化合物
Figure 2017179022
Figure 2017179022
(式中において、R、R、Rは、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基、X、Xは、ヘテロ環式炭化水素基、nは、0又は1である。)
化合物(B):NH(R133−m
(式中において、R13は、炭素数1〜20の炭化水素基であり、この炭化水素基は、更にハロゲン、アルコキシ基、アルキルシリル基を有していてもよい。また、複数あるR13は、同一であっても異なっていてもよい。mは1〜3の整数である。)
成分C:チーグラー・ナッタ触媒又はメタロセン触媒
(ii)工程の順序
工程(1)及び工程(2)は、逐次又は同時に行うが、逐次に工程を行う場合は、(イ
)エチレンのオリゴマー化反応をし、次いで反応系を別の反応器に移送してエチレンオリゴマーとエチレンとを共重合する、(ロ)エチレンのオリゴマー化反応をし、次いで同じ反応器にオレフィン重合触媒を追加で添加して、エチレンオリゴマーとエチレンとを共重合する。同時に工程(1)及び(2)を行う場合は、(ハ)同じ反応器にオリゴマー化触媒と重合触媒を添加した後、エチレンを導入して、エチレンのオリゴマー化と共重合を同時に行って、エチレン共重合体を製造する。なお、(イ)〜(ハ)は、バッチ式で行ってもよいし連続的な処理で行ってもよい。
(iii)工程(1)
工程(1)は、成分A又は成分Bの存在下、すなわちイミノ系触媒又は接触触媒の存在下、エチレンのオリゴマーを製造する工程であり、工程(1)の反応条件は特に制限はないが、反応温度は、20℃〜300℃、好ましくは20℃〜120℃、更に好ましくは40℃〜110℃であり、反応圧力は0.1MPa〜10MPa、好ましくは1〜5MPaである。反応時間は、1分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。
エチレン及び触媒の供給方法も特に制限はないが、逐次に或いは全量を一時に供給してもよい。
ここで、反応温度が20℃より低過ぎると高分子量体ができ易くなるため最終的に生成するポリマーの品質が悪化する。また、反応温度が300℃より高過ぎると触媒成分が分解するためオリゴマーの生成量が少なくなる。
オリゴマーを製造する工程は、溶媒の存在下モノマーを供給する方法やモノマーのみを供給する方法など、任意の方法で行うことができるが、触媒成分が変質し難いことと生成するオリゴマーが溶解する点から、ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン、トルエンなどの炭化水素溶媒の存在下で行うことが好ましい。
エチレンオリゴマーは、エチレンのみからの反応で生成されるが、エチレン重合鎖に炭素数4〜20程度の鎖が分岐したオリゴマーとなる。後述の工程(2)の結果、エチレンが炭素数4〜20程度のα−オレフィンと重合する結果となる。特に、エチレン共重合体は代表的にはエチレンと1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが反応し重合した共重合体となっている。
(iv)オリゴマーの生成量
本発明の工程(1)においては、エチレンがオリゴマー化する際に反応溶媒に可溶なオリゴマー成分生成の選択性が格別に高く、反応溶媒に可溶なオリゴマー成分のみが実質的に生成し、溶媒に不溶な固体成分の副生が非常に少なく、工業プロセスでのポリマー回収が容易になるなど、製造ポリマーの取り扱いが良好となる。
工程(1)で生成するエチレン重合体に対して、オリゴマーの生成割合は80重量%以上になることが好ましく、更に好ましくは90重量%以上である。
オリゴマーの生成割合が80重量%より低い場合は、固体状のポリエチレンが多く生成することを示すため、プロセス上、好ましくない。
なお、工程(1)における、オリゴマーの生成割合は、次のようにして算出した。エチレン重合終了後、重合槽の気相部と液相部のサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーにより、各サンプルに含有されるオリゴマー成分(炭素数4〜20程度の成分)を定量し、重合槽に存在するオリゴマーの生成量を算出する。工程(1)の重合反応終了後の液相部に存在する固体成分(ポリエチレン)をろ過で回収し、重合体生成量を測定する。オリゴマー成分の生成量と固体生成量(重合体生成量)を足した重量を工程(1)の全体の重合量として、オリゴマー成分の重量%を算出した。
(v)工程(2)
工程(2)は、成分Cの存在下、すなわちチーグラー・ナッタ触媒又はメタロセン触媒の存在下、エチレンオリゴマーとエチレンを共重合し、工程(1)で反応系に生成した炭素数4〜20程度のα−オレフィンとエチレンとの共重合体を製造する工程である。
工程(2)の重合条件は特に制限はないが、重合温度は、20℃〜300℃、好ましくは20℃〜120℃、更に好ましくは40℃〜110℃であり、重合圧力は0.1MPa〜10MPa、好ましくは1〜5MPaである。重合時間は、1分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。
重合温度が20℃より低過ぎると触媒反応が効率的に進行しない。また、重合温度が300℃より高過ぎると触媒成分が分解するため、やはり重合反応が効率的に進行しない。
エチレン及び触媒の供給方法も特に制限はないが、逐次に或いは全量を一時に供給してもよい。重合方式は、スラリー重合、溶液重合、気相重合など公知の方式を用いることができるが、スラリー重合又は溶液重合が好ましい。溶媒を用いる場合は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素溶媒を用いることが好ましい。
工程(1)及び工程(2)では、重合系中の水分除去を目的とした成分、いわゆるスカベンジャーを加えても何ら支障なく実施することができる。
なお、かかるスカベンジャーとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、分岐アルキルを含有する変性有機アルミニウム化合物、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛などの有機亜鉛化合物、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウムなどの有機マグネシウム化合物、エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリドなどのグリニヤ化合物などが使用される。これらのなかでは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、分岐アルキルを含有する変性有機アルミニウム化合物が好ましく、更には、トリアルキルアルミニウム化合物がより好ましい。
なお、水素濃度、モノマー量、重合圧力、重合温度などの重合条件が互いに異なる2段階以上の多段階重合方式にも、支障なく適用することができる。
[II]成分A
(i)基本的な規定
成分A(イミノ系触媒)は、以下の一般式(1)で表される配位子及び周期表第3〜11族の遷移金属を含むオレフィン重合触媒(オリゴマー化触媒)である。
Figure 2017179022
(式中、R及びRは、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素、窒素、ケイ素若しくはイオウ含有炭化水素基を表し、R及びRは、水素、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素、窒素若しくはケイ素含有炭化水素基を表す。また、隣接するRは互いに結合し環状構造を形成していてもよい。)
(ii)配位子及び遷移金属
一般式(1)で表される配位子は、ジイミノ系配位子であり、次の配位子が例示される。なお、ジイミノ系配位子及びその合成方法は、背景技術に記載したとおり、特許文献7及び非特許文献3、4などに記載されている。
Ph−N=C(CH)−C(CH)=N−Ph、 [2−(CH)Ph]−N=C
(CH)−C(CH)=N−[2−(CH)Ph]、 [2−(Cl)Ph]−N=C(CH)−C(CH)=N−[2−(Cl)Ph]、 [2−(Br)Ph]−N=C(CH)−C(CH)=N−[2−(Br)Ph]、 [2−(F)Ph]−N=C(CH)−C(CH)=N−[2−(F)Ph]、 [2−(CF)Ph]−N=C(CH)−C(CH)=N−[2−(CF)Ph]、 [2,6−(CHPh]−N=C(CH)−C(CH)=N−[2,6−(CHPh]、 [2,6−(F)Ph]−N=C(CH)−C(CH)=N−[2,6−(F)Ph]、 [2,6−(Cl)Ph]−N=C(CH)−C(CH)=N−[2,6−(Cl)Ph]、 [2,6−(Br)Ph]−N=C(CH)−C(CH)=N−[2,6−(Br)Ph]、 [2,4−(F)Ph]−N=C(CH)−C(CH)=N−[2,4−F)
Ph]、 [2,4,6−(F)Ph]−N=C(CH)−C(CH)=N−[2,4,6−(F)Ph]、 [2−(F)Ph]−N=C(Et)−C(Et)=N−[2−(F)Ph]、 [2−(F)Ph]−N=C(Ph)−C(Ph)=N−[2−(F)Ph]
Figure 2017179022
[2,4−(F)Ph]−N=C(Et)−C(Et)=N−[2,4−(F)Ph]、 [2,4−(F)Ph]−N=C(Ph)−C(Ph)=N−[2,4−(F)Ph]
Figure 2017179022
[2,4,6−(F)Ph]−N=C(Et)−C(Et)=N−[2,4,6
−(F)Ph]
周期表第3〜11族の遷移金属は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Pdなどであり、V、Cr、Fe、Co、Ni、Pdが好ましく、特にNiが好ましい。
一般式(1)における、R及びRとR及びRにおいては、炭素数1〜20の炭化水素基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、フェニル、トリル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。R及びRにおいては、1つの炭化水素基を共有して環状構造を形成していてもよい。
炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素、窒素、ケイ素若しくはイオウ含有炭化水素基としては、フルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、クロロエチルなど、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、フェノキシ、メチルフェノキシ、ペンタメチルフェノキシなど、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルシリルエチル、トリメチルシリルエチル、ビス(トリメチルシリル)アミノなど、メチルチオアルコキシ、フェニルチオアルコキシなどが挙げられる。
ここで、R及びRとしては、特にフェニル基又は炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素、窒素、ケイ素若しくはイオウ含有炭化水素基を有するフェニル基が好ましい。
また、R及びRとしては、次の一般式(2)で表される基であることが、特に好ましい。
Figure 2017179022
(R〜R12は、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素、窒素若しくはケイ素含有炭化水素基を表す。また、隣接するRは互いに結合し環状構造を形成していてもよい。)
ここで、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素、窒素若しくはケイ素含有炭化水素基としては、一般式(1)において例示された内容(段落0060)と同等のものが挙げられる。Rにおいては、フッ素、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基又はトリブロモメチル基であることが好ましく、特にフッ素が好ましい。
一般式(1)において、R及びRが結合している窒素原子(N)は、周期表第3〜11族の遷移金属(M)に配位する。Nの配位状態はMの電子状態や立体障害に影響を及ぼし、その結果として重合性能を変化させる。本発明においては、R及びRは、好ましくは、一般式(2)で表されるような基である。Rが特にフッ素であることで、N上の電子密度を制御しMへの配位状態のバランスをとっているものと考えられる。
[III]成分B
(i)基本的な規定
成分B(接触触媒)は以下の工程で得られる接触物である。
工程ア:周期表第3〜11族の遷移金属化合物を粘土鉱物と接触させ、遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンを粘土鉱物層間にインターカレートさせる工程
工程イ:工程アで得られた粘土鉱物をスラリー化し、化合物(A)及び化合物(B)を独立に添加する工程
化合物(A):式A−1又は式A−2で表される化合物
Figure 2017179022
Figure 2017179022
(式中において、R、R、Rは、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基、X、Xは、ヘテロ環式炭化水素基、nは、0又は1である。)
化合物(B):NH(R133−m
(式中において、R13は、炭素数1〜20の炭化水素基であり、この炭化水素基は、更にハロゲン、アルコキシ基、アルキルシリル基を有していてもよい。また、複数あるR13は、同一であっても異なっていてもよい。mは1〜3の整数である。)
(ii)工程ア
〔1〕周期表第3〜11族の遷移金属化合物
本発明の成分Bで使用される遷移金属化合物は、周期表第3〜11族の遷移金属化合物が用いられるが、よりオレフィン重合触媒成分を形成し易いという観点から周期表5、6、8、9、10族の遷移金属化合物が好ましく、更には、V、Cr、Fe、Co、Ni,Pdが好ましく、Fe、Co、Niが最も好ましい。
これらは、無機塩として用いてもよいし、有機金属錯体を用いてもよいが、粘土鉱物の層間にインターカレートさせるためには、工程アで用いる溶媒に可溶なものが好ましい。また、イオンになりやすいという観点から、無機塩を用いることが好ましく、硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩が更に好ましい。
この様なイオン交換を目的とした本発明の遷移金属イオン若しくは当遷移金属錯イオンにおいて、塩類処理で用いられる塩類は、好ましくは、Ti、Zr、Hf、V、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pdの少なくともいずれか1つの、更に好ましくは、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Fe、Co、Niの少なくともいずれか1つの、特に好ましくは、Fe、Co、Niの、元素を含むイオンを含有する化合物である。
具体的には、好ましくは、Ti、Zr、Hf、V、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pdの少なくともいずれか1つの元素を含む陽イオンと、ハロゲン、無機酸及び有機酸からなる群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンとからなる化合物であり、更に好ましくは、Ti、Zr、Hf、V、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pdの少なくともいずれか1つの元素を含む陽イオンと、Cl、Br、I、F、S、O、PO4 、SO4 、NO、CO、C4 、ClO4 、OOCCH、CHCOCHCOCH、OCl、O(NO、O(ClO4 、O(SO4 )、OH、OCl、OCl、OOCH、OOCCHCH、OOCH(C)C4、C4 4 及びCからなる群から選ばれる少なくとも一種の陰イオンとからなる化合物である。
〔2〕粘土鉱物
本発明の工程アで用いられる粘土鉱物は、合成品を用いてもよいし、天然に産出する鉱物を用いてもよい。粘土鉱物は、各種公知のものが使用できる。粘土鉱物の代表例であるイオン交換性層状珪酸塩は、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、かつ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物をいう。大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英、クリストバライトなど)が含まれることが多いが、それらを含んでいてもよい。具体的には、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(19
95年)に記載されているような層状珪酸塩が挙げられる。
粘土鉱物の具体例としては、アロフェンなどのアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイトなどのカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイトなどのハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライトなどの蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライトなどのスメクタイト族、バーミキュライトなどのバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母鉱物、アタパルジャイト、セピオライト、パイゴルスカイト、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィライト、リョクデイ石群などが挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。
人工合成物としては、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトなどが挙げられる。
これら具体例のうち好ましくは、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライトなどのスメクタイト族、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトが挙げられ、更に好ましくはモンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライトなどのスメクタイト族が挙げられる。
これらの粘土鉱物は、そのまま用いてもよいが、塩酸、硝酸、硫酸などによる酸処理及び/又は、LiCl、NaCl、KCl、CaCl、MgCl、LiSO、MgSO、ZnSO、Ti(SO、Zr(SO、Al(SOなどの塩類処理を行ってもよい。
該処理において、対応する酸と塩基を混合して反応系内で塩を生成させて処理を行ってもよく、また粉砕や造粒などの形状制御や乾燥処理を行ってもよい。
酸処理は、粘土鉱物から成分の一部を溶出させる効果がある。また、塩処理はイオン交換させる効果とイオン交換性層状珪酸塩の膨潤性を変化させる効果がある。その結果、酸処理及び塩処理の条件を選択することにより、粘土鉱物の酸性質や、粒子の表面積や細孔容積を制御することができる。
また、これらイオン交換性層状珪酸塩には、通常、吸着水及び層間水が含まれるため、不活性ガス流通下で加熱脱水処理するなどして、水分を除去してから使用するのが好ましい。なお、これらの化学処理の程度によってはイオン交換性が小さくなっている場合があるが、化学処理前の原料がイオン交換性層状珪酸塩であれば、特に問題ない。
本発明で用いる粘土鉱物は、後述の特定の二種の有機化合物(化合物Aと化合物B)の反応を促進させるという観点から、H≦+1.5の酸点を0.01mmol/g固体以上有していることが好ましい。H≦+1.5の酸点を0.05mmol/g固体以上有していることが更に好ましい。
ここで、Hはいわゆる酸度関数であり、溶液が中性塩基にプロトンを移動させる傾向を顕す。Hは数値が小さいほど、特に負の値が大きいほど中性塩基にプロトンを移行させ易い。
すなわち、酸度関数(H)は、「溶媒に溶かされた溶質にプロトンを与える能力の定量的尺度」であり、酸度関数の値が負に大きくなるほどその溶媒の酸強度は強くなる(日本化学会編「化学便覧 基礎編II」P.323)。また、この酸度関数を、固体表面に適用し、Hで酸点の強さを表す指標にすることが一般的に知られている(三共出版、服部他著「新しい触媒化学」、P.175〜176)。Hは特定の指示薬により測定可能であるが、変色した指示薬の量をブチルアミンで滴定することにより、酸量を定量することができる。
酸点は、その物質が酸としての性質を示す構成単位であり、その酸の強さはHにて数値化される。酸点の強さは、酸点を必要とする反応の反応成績(収率や反応速度)に大きく影響する。
〔3〕インターカレート
インターカレートは、周期表第3〜11族の遷移金属化合物の遷移金属イオン又は遷移金属錯イオンを粘土鉱物層間に導入することにより行われる。粘土鉱物層間に周期表第3〜11族の遷移金属化合物の遷移金属イオン又は遷移金属錯イオンをインターカレートするためには、周期表第3〜11族の遷移金属化合物の遷移金属イオン又は遷移金属錯イオンは溶媒に溶解した状態で接触させることが好ましい。溶媒としては、粘土鉱物の層間を広げることができる点と除去しやすい観点から、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、アセトニトリルが好ましく、水が最も好ましい。
接触温度は、溶媒の凝固点以上、沸点以下で選ばれる。接触時間は、通常1分〜200時間、好ましくは5分〜100時間、更に好ましくは5分〜50時間である。
粘土鉱物と遷移金属化合物の接触比率は、通常、粘土鉱物1g当たり遷移金属成分として0.1mmol〜20mmolが使用される。好ましくは、0.3mmol〜10mmolである。
粘土鉱物と遷移金属化合物の接触後、洗浄により過剰な遊離成分を除去することが好ましい。
遷移金属がインターカレートした粘土鉱物は、室温〜500℃、好ましくは100℃〜300℃で乾燥ガス気流又は減圧で、使用した溶媒の残存量が粘土鉱物に対して1wt%以下になるまで乾燥することが好ましい。
(iii)工程イ
〔1〕化合物(A)のA−1
A−1は、以下の化学式で表される化合物である。
Figure 2017179022
(式中において、Rは、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基、Xは、ヘテロ環式炭化水素基である。)
炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、3−メチル−ペンチル基、1,1−ジメチル−プロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、イソペンチル基、デシル基、ドデシル基、ベンジル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基、1,1−ジメチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、3−フェニル−ペンチル基などが挙げられる。
これらの中では、炭素数1〜10の炭化水素基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、フェニル基、ナフチル基であり、更には好ましくは、メチル基、フェニル基である。
は、ヘテロ環式炭化水素基である。ヘテロ環式炭化水素基としては、次の基本骨格を有する化合物が例示できる。
(a)ヘテロ原子として酸素を有するヘテロ環式炭化水素基の基本骨格
オキシラン、オキセタン、フラン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソフラン、2H−ピラン、4H−ピラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、1,4−ジオキシン、2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキシン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、2,3−ジヒドロベンゾフラン、2H−クロメン、4H−クロメン、クロマン、イソクロメン、イソクロマン、ジベンゾフラン、9H−キサンテンが例示される。
(b)ヘテロ原子として窒素を有するヘテロ環式炭化水素基の基本骨格
アジリジン、アセチジン、ピロール、3−ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、2−ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、2H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2,4−トリアゾール、1H−テトラゾール、ピリジン、ピペリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、ピロリジジン、インドール、インドリン、イソインドール、イソインドリン、インドリジン、インダゾール、2H−インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、4H−キノリジン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、1,8−ナフチリジン、プテリジン、カルバゾール、アクリジン、フェナジン、フェナントリジン、1,10−フェナントロリン、フェナゾンが例示される。
(c)ヘテロ原子として硫黄を有するヘテロ環式炭化水素基の基本骨格
チイラン、チエタン、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、チアン、1,4−ジチアン、1,3−ジチアン、チオフテン、チオナフテン、ジベンゾチオフェン、9H−チオキサンテン、チアントレンが例示される。
(d)異なるヘテロ原子を含有するヘテロ環式炭化水素基の基本骨格
イソオキサゾール、オキサゾール、フラザン、イソチアゾール、チアゾール、2−チアゾリン、チアゾリジン、1,4−オキサチアン、1,3−オキサチアン、4H−1,4−オキサジン、モルホリン、2H−1,4−チアジン、4H−1,4−チアジン、1,2−ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾリン、フェナキサチイン、フェニキサジン、フェノチアジンが例示される。
(e)ヘテロ環式炭化水素基の基本骨格における置換基
なお、基本骨格に、置換基として炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン、アルコキシ基、アルキルシリル基を有していてもよいし、置換基として存在する炭化水素基が環状構造を形成していてもよい。これらの置換基の中で、炭素数1〜20の炭化水素基が好ましい。
炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、1,1−ジメチル−プロピル基、1,1−ジメチルブチル基、3−メチル−ペンチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、イソペンチル基、デシル基、ドデシル基、ベンジル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基、1,1−ジメチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、3-フェニル−ペンチル基などが挙げられる。
これらの中では、炭素数1〜10の炭化水素基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、フェニル基、ナフチル基であり、更には好ましくは、メチル基、フェニル基である。
アルキルシリル基としては、炭素数1〜18であることが好ましく、例えば、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジ−t−ブチルシリル基、ジシクロヘキシルシリル基、ジフェニルシリル基、エチル−メチルシリル基、t−ブチル−メチルシリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基などが挙げられる。
これらの中では、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、エチル−メチルシリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基が好ましい。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシロキシ基などが挙げられる。
これらの中で、メタロセン触媒の活性点を酸素原子で被毒しないという観点から、立体障害が大きい方が好ましく、イソプロポキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシロキシ基が好ましい。
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。好ましくは、フッ素、塩素である。
ヘテロ環式炭化水素基の基本骨格の中で、ヘテロ原子として窒素を含む基本骨格を有するものが好ましく、窒素を含むヘテロ芳香族環が更に好ましく、窒素を含むヘテロ芳香族環が6員環を形成していることが最も好ましい。最も好ましいヘテロ環式炭化水素基の基本骨格の具体例として、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、キノリンが挙げられる。
式A−1で示される R−C(=O)−基は、ヘテロ環式炭化水素基の任意の位置で結合を形成していてよいが、ヘテロ原子に隣接する炭素原子に結合していることが好ましく、更には、ヘテロ原子が窒素であり、その隣接位の炭素原子にR−C(=O)−基が結合していることが好ましい。
式A−1で示される代表的な化合物を、Rがメチル基の化合物について挙げると、2−[CH−C(=O)]−ピリジン、2−[CH−C(=O)]−ピリミジン、4−[CH−C(=O)]−ピリミジン、6−[CH−C(=O)]−ピリミジン、2−[CH−C(=O)]−ピラジン、2−[CH−C(=O)]−トリアジン、2−[CH−C(=O)]−キノリン、などが例示できる。
〔2〕化合物(A)のA−2
A−2は、以下の化学式で表される化合物である。
Figure 2017179022
(式中において、R、Rは、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基、Xは、ヘテロ環式炭化水素基、nは、0又は1である。)
、Rは、化合物A−1のRと同様であり、Xは、化合物A−1のXと同様である。
式A−2で示されるR−C=O−基は、式A−1と同様に、ヘテロ環式炭化水素基の任意の位置で結合を形成していてよいが、ヘテロ原子に隣接する炭素原子に結合していることが好ましく、更には、ヘテロ原子が窒素であり、その隣接位の炭素原子にR−C=O−基が結合していることが好ましい。
式A−2で示される代表的な化合物を、R、Rがメチル基の化合物について挙げると、2,6−[CH−C(=O)]−ピリジン、2,6−[CH−C(=O)]−ピリミジン、2,4−[CH−C(=O)]−ピリミジン、2,6−[CH−C(=O)]−ピラジン、2,6−[CH−C(=O)]−トリアジンなどが例示できる。
[3]化合物B
化合物(B)は以下の式で表される化合物である。
化合物(B):NH(R133−m
(式中において、R13は、炭素数1〜20の炭化水素基であり、この炭化水素基は、更にハロゲン、アルコキシ基、アルキルシリル基を有していてもよい。また、複数あるR13は、同一であっても異なっていてもよい。mは1〜3の整数を示すが、この中でm=2が好ましい。)
炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、1,1−ジメチル−プロピル基、1,1−ジメチルブチル基、3−メチル−ペンチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、イソペンチル基、デシル基、ドデシル基、ベンジル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基、1,1−ジメチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、フェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、3−フェニル−ペンチル基などが挙げられる。
これらの中では、炭素数1〜10の水素基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、フェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基であり、更には好ましくは、フェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基である。
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。好ましくは、フッ素、塩素である。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシロキシ基などが挙げられる。
これらの中で、メタロセン触媒の活性点を酸素原子で被毒しないという観点から、立体障害が大きい方が好ましく、イソプロポキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシロキシ基が好ましい。
アルキルシリル基としては、炭素数1〜18であることが好ましく、例えば、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジ−t−ブチルシリル基、ジシクロヘキシルシリル基、ジフェニルシリル基、エチル−メチルシリル基、t−ブチル−メチルシリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基などが挙げられる。
これらの中では、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、エチル−メチルシリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基が好ましい。
化合物(B)の代表例を例示すると、メチルアミン、ジメチルアミン、メチルフェニルアミン、2−メチルアニリン、2,6−ジメチルアニリン、2−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、2-フルオロ−6−メチルアニリン、2−トリフルオロメチルアニリン、2−トリメチルシリルアニリン、などが例示できる。
〔4〕工程イの処理
本発明で用いる化合物(A)と化合物(B)を酸の存在下で接触させると脱水縮合反応が進行する。オレフィン重合触媒の活性点に成り得る遷移金属を予め粘土鉱物の層間にインターカレートさせ、その後、粘土鉱物に存在する酸点を利用して、化合物(A)と化合物(B)の反応を進行させることにより、オレフィン重合触媒の前駆体を粘土層間内で形成させることができる。この手法では、遷移金属錯体を単離する必要がないため、非常に簡便に触媒を得ることができる。
工程アで得られる粘土鉱物(以下、「処理粘土」という)と化合物(A)及び化合物(B)の接触においては、工程アで得られた粘土鉱物をスラリー化し、化合物(A)及び化合物(B)を独立に添加する。
各成分の接触は、溶媒存在下、任意の順番で接触させることができる。各成分は、予め溶媒でスラリー化若しくは希釈溶液として用いることができるし、化合物をそのまま用いることもできるが、処理粘土は予めスラリー化しておくことが好ましい。
溶媒は、使用する成分に対して不活性であれば任意の溶媒を使用することができる。例えば、ヘキサン、トルエン、ナフタレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ニトロベンゼン、塩化メチレン、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、ブタノール、水などが挙げられる。
これらの中で、化合物A及び化合物Bの溶解性がよいことと、処理粘土の層間に化合物A及び化合物Bを導入可能な程度の極性を有した方が好ましいという観点から、トルエン、メチルシクロヘキサン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ニトロベンゼン、メタノール、エタノール、ブタノールが好ましく、トルエン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ニトロベンゼン、メタノール、エタノール、ブタノールが更に好ましい。
処理粘土、化合物A、化合物Bの接触は、任意の順番で行うことができるが、以下の順番が例示できる。
すなわち、(イ)処理粘土に、化合物Aを添加して化合物Bを添加する方法、(ロ)処理粘土に、化合物Bを添加して化合物Aを添加する方法、(ハ)処理粘土に、化合物Aと化合物Bを同時に添加する方法、(ニ) 処理粘土に、化合物Aと化合物Bの混合物を添加する方法である。これらの接触順の中では、(イ)、(ロ)、(ハ)が好ましい。
化合物Aと化合物Bの接触比率は、化合物Aの1molに対し化合物Bは0.1〜100mol、好ましくは0.5〜10mol、更に好ましくは0.8〜5molである。
処理粘土1gに対する化合物A及び化合物Bの添加量は、0.1μmol〜1.0molである。
処理粘土、化合物A、及び化合物Bの接触は、−78℃〜200℃又は溶媒が還流する温度、好ましくは、0℃〜100℃又は溶媒が還流する温度で行われる。接触時間は、通常、5分〜200時間、好ましくは5分〜100時間、更に好ましくは5分〜50時間である。
[IV]成分C
成分Cは、通常に知られた、チーグラー・ナッタ触媒又はメタロセン触媒が用いられ、特に制限はない。
(i)チーグラー・ナッタ触媒
チーグラー・ナッタ触媒としては、通常のオレフィン重合用のチーグラー・ナッタ触媒が使用され、原料としてマグネシウム化合物及び四価チタニウム化合物を使用して製造されたオレフィン重合用のチーグラー・ナッタ触媒である。
原料として使用されるマグネシウム化合物としては、従来公知の化合物が使用可能であるが、金属マグネシウム、酸化マグネシウム、過酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、硝化マグネシウム、硝酸マグネシウム、亜硝酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、亜リン酸マグネシウム、硫化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸水素マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウムなどを例示することができる。これらは複数を併用することも可能である。
原料として使用される四価チタニウム化合物としては、従来公知の化合物が使用可能であるが、酸化チタン(IV)、ほう化チタン(IV)、ホウ酸チタン(IV)、ハロゲン化チタン(IV)、チタニウム(IV)アルコキシド、チタニウム(IV)アルコキシドオリゴマー、チタン(IV)カーバイド、チタン(IV)アセチルアセトナートやチタン(IV)オキシアセチルアセトナートなどのキレート塩、硫化チタン(IV)、硫酸チタン(IV)、オキシ硫酸チタン(IV)、トリフルオロメタンスルホン酸チタン(IV)などのスルホン酸塩、硝酸チタン(IV)、亜硝酸チタン(IV)、リン酸チタン(IV)、リン酸水素チタン(IV)、亜リン酸チタン(IV)、酢酸チタン(IV)やトリフルオロ酢酸チタン(IV)などのカルボン酸塩、過塩素酸チタン(IV)などのハロゲン酸塩、モリブデン酸チタン(IV)、過マンガン酸チタン(IV)などの金属酸塩などを例示することができる。これらは複数を併用することも可能である。
オレフィン重合用チーグラー・ナッタ触媒として、代表的に、上記マグネシウム化合物に上記四価チタニウム化合物を担持させて得られる固体触媒成分と有機アルミニウム化合物を組み合わせたMg−Ti系チーグラー触媒を用いる。
有機アルミニウム化合物としては、一般的なハロゲン化アルミニウム、アルキル化アルミニウム、アルコキシアルミニウムなどが任意に適宜用いられる。
これらアルミニウム化合物は、上記マグネシウム化合物に上記四価チタニウム化合物を担持させて得られる固体触媒成分を製造する際に原料として使用されるが、その方法は任意であり、例えば、マグネシウム化合物と四価チタニウム化合物を接触する際に共存させて固体触媒成分中に内包させたり、最初にマグネシウム化合物と四価チタニウム化合物で固体触媒成分を製造してから該固体触媒成分とアルミニウム化合物を接触させたり、マグネシウム化合物又は四価チタニウム化合物と最初に接触させたりすることができる。これらアルミニウム化合物の使用は、予備重合の工程中であってもよく、予備重合後に実施してもよい。
(ii)メタロセン触媒
メタロセン触媒としても、通常に知られた各種のメタロセン触媒が適宜に使用される。メタロセン系触媒としては、メタロセン錯体と呼ばれる、シクロペンタジエン骨格を有する配位子が遷移金属に配位してなる錯体と助触媒とを組み合わせたものが基本的に例示される。
具体的なメタロセン触媒としては、Ti、Zr、Hfなどを含む遷移金属に、メチルシクロペンタジエン、ジメチルシクロペンタジエン、インデン或いはアズレンなどのシクロペンタジエン骨格を有する配位子が配位してなる錯体触媒と、助触媒として、アルミノキサンやホウ素イオン化合物或いはイオン交換性層状珪酸塩を組み合わせたものや、これらの錯体触媒をシリカなどの担体に担持させた担持型のものが基本的に挙げられる。なお、任意成分の有機アルミニウム化合物を更に用いてもよい。
即ち、より例示的には、本発明で用いられるメタロセン触媒は、以下の成分(A)及び成分(B)を含むものであり、必要に応じて成分(C)と組み合わせてなる触媒である。
成分(A):メタロセン錯体
成分(B):成分(A)と反応して、カチオン性メタロセン化合物を形成する化合物
成分(C):微粒子担体
ここで、成分(A)、成分(B)、成分(C)については、従来公知(例えば、特開2014−177543号公報の段落0043〜0106に記載)の化合物や触媒製造方法を用いることができる。
代表的な成分(A)のメタロセン錯体を例示すると、ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4,5ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビスフルオレニルジルコニウムジクロリド、ビス(4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、(2−メチル−4H−アズレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(1,1’−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−メチルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、エチレンビス[1,1’−(2−メチル−4,5ベンゾインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−メチル−4−ヒドロアズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)]ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(7,7’−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−メチル−3−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−[1−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[7,7’−(1−エチル−3−フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−[1−イソプロピル−3−(4−クロロフェニル)インデニル]}ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
[V]インターカレート触媒
本発明の成分Aの実施態様として用いられる、インターカレート触媒は、成分Aが、イオン交換性層状珪酸塩などの粘土層間にイオン交換により導入した周期表第3〜11族元素を含有する層状ケイ酸塩を含むオレフィン重合触媒である。
かかる触媒は、背景技術に前記した特許文献7や非特許文献1,2に記載されているように、既に知られた触媒であり、例えば、従来においては、「成分:メタロセン錯体のような遷移金属を有する均一系重合触媒成分、成分:(B−1)成分と(B−2)成分とを接触して得られる触媒成分であり、ここで(B−1)成分:周期表第3〜11族の遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンが、インターカレートされたイオン交換性層状化合物、(B−2)成分:分子量1,000以下の化合物であって、分子内に非共有電子対を有する第15族又は第16族の元素を少なくとも2個有し、当第15族又は第16族の元素は1〜6個の第14族元素を介して連結されている、有機化合物からなる触媒」である。
本発明においては、代表例としては、Ni2+イオン交換モンモリロナイトに、
[2−(F)Ph]−N=C(CH)−C(CH)=N−[2−(F)Ph]配位子、[2,6−(F)Ph]−N=C(CH)−C(CH)=N−[2,6−(F)Ph]配位子、[2,4−(F)Ph]−N=C(CH)−C(CH)=N−[2,4−(F)Ph]配位子、[2,4,6−(F)Ph]−N=C(CH)−C(CH)=N−[2,4,6−(F)Ph]配位子がインターカレートされた触媒が挙げられる。
なお、オリゴマー化触媒の錯体とメタロセン錯体を同じ粘土に共担持した触媒も使用可能である。
イオン交換性層状化合物は、粘土鉱物の大部分を占めるものであり、好ましくはイオン交換性層状珪酸塩であって、詳細な記述は段落0071〜0076に記載している。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の実施例と参考例との結果により、本発明の構成要件の合理性と有意性及び従来技術に対する本発明の有用性と卓越性を実証するものである。
[実施例1]
1.触媒成分Aの合成
1−(1)Ni2+イオン交換マイカの調製
市販のマイカ(「ソマシフME−100」、コープケミカル社製)1.0gを、純水25.0gと市販の硫酸ニッケル・6水和物2.0gの混合溶液中に分散させ30℃で24時間撹拌し、ろ過した。回収物を純水25.0gと市販の硫酸ニッケル・6水和物2.0gの混合溶液中に分散させ30℃で24時間撹拌し、ろ過した。エタノール20mlで3回洗浄して風乾した。得られた固体を150℃で3時間予備乾燥し、更に200℃で4時間減圧乾燥してNi2+イオン交換マイカを得た。
1−(2)ビスイミノ配位子の反応
次に1−(1)で得られたNi2+イオン交換マイカ0.30gを窒素雰囲気下で30mlフラスコに分取し、そこに、ビスイミノ配位子である、[2,6−(F)Ph]−N=C(CH)−C(CH)=N−[2,6−(F)Ph] 78.6mgを脱水アセトニトリル3mlに溶かした溶液を全量加え、5分間撹拌後、70℃に保ったオイルバス中で、100時間反応させた。
反応時間終了後、室温まで冷却してから、上澄み液を可能な限り抜き出し、更に脱水アセトニトリル10mlを加えて1分間撹拌して洗浄した。静置後、触媒成分が沈降したら上澄み液を可能な限り、抜き出した。この脱水アセトニトリルによる洗浄操作を3回行った。次に脱水トルエン10mlを加え洗浄し、触媒成分の沈降後、上澄み液を可能な限り、抜き出した。この脱水トルエンによる洗浄操作を3回行った。続いて脱水n−ヘキサンによる洗浄操作を3回行った。最後に室温にて減圧乾燥し、目視にて溶媒が確認されなくなってから更に30分間減圧乾燥を行って触媒成分Aとした。
ここで得られた触媒成分Aは、トルエンスラリー(2mg−触媒成分A/mL−トルエン)として重合評価に用いた。
2.触媒成分Cの合成
2−(1)酸処理担体の調製
撹拌翼と還流装置を取り付けた100mlの丸底三口フラスコに純水34gを投入し、98%硫酸10gを滴下し、内部温度を90℃にした。そこへ、ベンクレイSL(水澤化学社製)を6g添加後撹拌した。その後、90℃で3.5時間反応させた。このスラリーを30mlの純水に注いで反応を停止しヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置を用いてろ過し20mlの純水で洗浄した。得られたケーキを60mlの純水に分散させ撹拌後ろ過した。この操作を3回繰り返した。
回収したケーキを120℃で終夜乾燥した。その結果4.2gの酸処理担体を得た。この酸処理担体を容積100mlのフラスコに入れ、200℃で減圧乾燥させ、ガスの発生が収まってから更に2時間減圧乾燥を行った。乾燥後は窒素雰囲気下で保存した。
2−(2)酸処理担体の有機アルミニウム処理
次に、2−(1)で得られた酸処理担体1gを容積100mlのフラスコに分取し、ヘプタン3.6ml、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液6.4ml(2.5mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。静置後、触媒成分が沈降したら上澄み液を可能な限り、抜き出した。次に脱水トルエン30mlを加えて1分間撹拌して洗浄した。静置後、触媒成分が沈降したら上澄み液を可能な限り、抜き出した。この脱水トルエンによる洗浄操作を3回行った。
2−(3)メタロセン錯体の担持
次に、2−(2)で得られた有機アルミニウム処理担体に、脱水トルエンを5ml添加し、更に(n−BuCp)ZrClのトルエン溶液(10μmol/mL)を10ml加え、室温で1時間撹拌した。静置後、触媒成分が沈降したら上澄み液を可能な限り、抜き出した。次に脱水トルエン30mlを加えて1分間撹拌して洗浄した。静置後、触媒成分が沈降したら上澄み液を可能な限り、抜き出した。この脱水トルエンによる洗浄操作を3回行った。最後に室温にて減圧乾燥し、目視にて溶媒が確認されなくなってから更に30分間減圧乾燥を行って触媒成分Cとした。
ここで得られた触媒成分Cは、トルエンスラリー(2mg−触媒成分C/mL−トルエン)として重合評価に用いた。
[エチレン重合]
内容積120mlのオートクレーブにヘプタンを50ml、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液1.3ml(0.8mmol−Al)及び触媒成分Aのトルエンスラリー2ml(4mg−触媒成分A)を添加し60℃に昇温した。次いで、エチレンで0.7MPaまで昇圧し、1時間重合を行った。その間、エチレン供給を続け0.7MPaを維持した。1時間後、エチレンをパージし、オートクレーブ内のエチレンを窒素に置換した。このとき、オートクレーブの内温は60℃を維持した。続いて、触媒成分Cのトルエンスラリー2ml(4mg−触媒成分C)をオートクレーブに追添し、オートクレーブの内圧をエチレンで0.7MPaまで昇圧し、20分間重合を行った。その間、エチレン供給を続け0.7MPaを維持した。オートクレーブにエタノールを添加して重合を停止し、生成したポリマーをろ過で回収し乾燥した。
得られたポリマーの収量は0.38g、ポリマーの融点は119℃であった。ポリマーの融点測定で、136℃の領域に融点を示す明確なピークは無かった。このことは、得られたポリマー中に、オリゴマー製造の副生物として生成するエチレン重合体が実質的に含まれていないことを示す。これらの結果及び実施例2と各参考例の結果を表1にまとめて掲載した。
[実施例2]
1.触媒成分Bの調製;
1−(1)で得られたNi2+イオン交換マイカ1.0gに脱水エタノール100mlを添加した後、2−アセチルキノリンのエタノール溶液(1mmol/mL)を1mlと2,6−ジメチルアニリンのエタノール溶液(1mmol/mL)を1ml添加し、72時間還流した。その後、トルエンで洗浄し可溶分を除去し、室温で減圧乾燥を行い、触媒成分Bを得た。得られた触媒成分Bを重合に使用するときは、トルエンでスラリー化(2mg−触媒成分B/mL−トルエン)し重合を実施した。
[エチレン重合]
実施例1のエチレン重合において、実施例1で調製した触媒成分Aの代わりに実施例2で調製した触媒成分Bのトルエンスラリー2.5ml(5mg−触媒成分B)を添加する以外は同様に行った。
その結果、ポリマー収量は0.50g、ポリマーの融点は124℃であった。ポリマーの融点測定で、136℃の領域に融点を示す明確なピークは無かった。
[参考例1]
エチレン重合を、触媒成分Aのみ添加して実施した。すなわち、内容積120mlのオートクレーブにヘプタンを50ml、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液1.3ml(0.8mmol−Al)及び触媒成分Aのトルエンスラリー2ml(4mg−触媒成分A)を添加し60℃に昇温した。次いで、エチレンで0.7MPaまで昇圧し、1時間重合を行った。その間、エチレン供給を続け0.7MPaを維持した。1時間後、エタノールを添加して重合を停止した。オートクレーブ中の気相部及び液相部の成分をガスクロマトグラフィーで分析し、炭素数4〜20のオリゴマーの生成量を算出した。ろ過により固体成分と溶液成分を分離し固体成分の量を定量した。その結果、全体の重合量に対する炭素数4から20のオリゴマーの生成量の割合は91.5重量%、固体成分の生成量の割合は8.5重量%であった。
しかして、本発明の触媒成分Aは、オリゴマーの選択性が高い触媒であることがわかる。
[参考例2]
エチレン重合を、触媒成分Bのみ添加して実施した。すなわち、内容積120mlのオートクレーブにヘプタンを50ml、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液1.3ml(0.8mmol−Al)及び触媒成分Bのトルエンスラリー2.5ml(5mg−触媒成分B)を添加し60℃に昇温した。次いで、エチレンで0.7MPaまで昇圧し、1時間重合を行った。その間、エチレン供給を続け0.7MPaを維持した。1時間後、エタノールを添加して重合を停止した。オートクレーブ中の気相部及び液相部の成分をガスクロマトグラフィーで分析し、炭素数4〜20のオリゴマーの生成量を算出した。ろ過により固体成分と溶液成分を分離し固体成分の量を定量した。その結果、全体の重合量に対する炭素数4から20のオリゴマーの生成量の割合は97.1重量%、固体成分の生成量の割合は2.9重量%であった。
しかして、本発明の触媒成分Bは、オリゴマーの選択性が高い触媒であることがわかる。
Figure 2017179022
以上の結果として、上記の表1から明らかなように、本発明のエチレン共重合体の製造方法を用いた実施例1及び2では、本発明の製造工程を満足しているため、エチレンをオリゴマー化させてエチレンのみを用いるエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法において、エチレンがオリゴマー化する際に、反応溶媒に可溶なオリゴマー成分生成の選択性が格別に高く、反応溶媒に可溶なオリゴマー成分のみが生成せずに溶媒に不溶な固体成分も副生し、生成したポリマーの工業プロセスでの取り扱いが困難となる欠点を解決することが示されている。
即ち、実施例1及び2で得られたポリマーの融点は、通常のエチレンホモ重合で得られるポリマーの融点より低いことから、実施例1及び2では専らエチレン−α−オレフィン共重合体が生成していることが判る。
なお、参考例1及び2からして、本発明の触媒成分A及び触媒成分Bは、オリゴマー生成の選択性が格別に高い触媒であることが判る。
よって、本発明の製造方法においては、反応溶媒に可溶なオリゴマー成分生成の選択性が非常に高く、生成したポリマーの工業プロセスでの取り扱いが容易となり、また、得られるオリゴマーをエチレンと共重合させることで、原料モノマーのα−オレフィンを用いることなく、低コストでα−オレフィンとのエチレン共重合体を製造することができることが明らかにされている。
したがって、本発明の構成要件の合理性と有意性及び従来技術に対する本発明の有用性と卓越性が実証されている。
以上のとおり、本発明のエチレン共重合体の製造方法は、エチレンモノマーのみからエチレン−αオレフィン共重合体を製造する方法において、エチレンがオリゴマー化する際に、反応溶媒に可溶なオリゴマー成分のみが生成せずに溶媒に不溶な固体成分も副生し、工業プロセスでの取り扱いが困難となる欠点を解決することができ、得られるオリゴマーをエチレンと共重合させることで、低コストでエチレンとα−オレフィンとの共重合体を製造することができるので、エチレン共重合体の製造の分野において、産業上非常に有用であり、利用可能性が高い。







Claims (9)

  1. 下記の工程(1)及び工程(2)を、逐次又は同時に行うことを特徴とするエチレン共重合体の製造方法。
    工程(1):成分A又は成分Bの存在下、エチレンのオリゴマーを製造する工程。
    工程(2):成分Cの存在下、該オリゴマーとエチレンを共重合し、エチレン共重合体を製造する工程。
    成分A:一般式(1)で示される配位子及び周期表第3〜11族の遷移金属を含むオレフィン重合触媒
    Figure 2017179022
    (式中、R及びRは、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素、窒素、ケイ素若しくはイオウ含有炭化水素基を表し、R及びRは、水素、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素、窒素若しくはケイ素含有炭化水素基を表す。また、隣接するRは互いに結合し環状構造を形成していてもよい。)
    成分B:以下の工程で得られる接触物
    工程ア:周期表第3〜11族の遷移金属化合物を粘土鉱物と接触させ、遷移金属イオン又は当遷移金属錯イオンを粘土鉱物層間にインターカレートさせる工程
    工程イ:工程アで得られた粘土鉱物をスラリー化し、化合物(A)及び化合物(B)を独立に添加する工程
    化合物(A):式A−1又は式A−2で表される化合物
    Figure 2017179022
    Figure 2017179022
    (式中において、R、R、Rは、水素又は炭素数1〜20の炭化水素基、X、Xは、ヘテロ環式炭化水素基、nは、0又は1である。)
    化合物(B):NH(R133−m
    (式中において、R13は、炭素数1〜20の炭化水素基であり、この炭化水素基は、更にハロゲン、アルコキシ基、アルキルシリル基を有していてもよい。また、複数あるR13は、同一であっても異なっていてもよい。mは1〜3の整数である。)
    成分C:チーグラー・ナッタ触媒又はメタロセン触媒
  2. 一般式(1)において、R、Rが一般式(2)で表される基であることを特徴とする、請求項1に記載のエチレン共重合体の製造方法。
    Figure 2017179022
    (R〜R12は、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素数1〜20の、ハロゲン、酸素、窒素若しくはケイ素含有炭化水素基を表す。また、隣接するRは互いに結合し環状構造を形成していてもよい。)
  3. 一般式(2)において、Rが、フッ素又はフッ素含有炭化水素基であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のエチレン共重合体の製造方法。
  4. 前記成分Cがメタロセン触媒であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエチレン共重合体の製造方法。
  5. 前記工程(1)において、工程(1)で生成する重合体に対するオリゴマーの生成割合が80重量%以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエチレン共重合体の製造方法。
  6. 前記工程(1)の後に、前記工程(2)を行うことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエチレン共重合体の製造方法。
  7. 前記工程(1)及び前記工程(2)を、単一の反応器中で同時に行うことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエチレン共重合体の製造方法。
  8. 前記成分A及び前記成分Bの周期表第3〜11族の遷移金属が、ニッケルであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のエチレン共重合体の製造方法。
  9. 前記成分A及び前記成分Bが、粘土鉱物層間にイオン交換により導入したニッケルを含有する層状ケイ酸塩を含むオレフィン重合触媒であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のエチレン共重合体の製造方法。









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