JP5322915B2 - オレフィン重合用触媒およびそれを用いたα−オレフィンの重合方法 - Google Patents
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Description
一方で、特に、エチレン系重合体の場合、材料物性が優れるポリマーを製造するためには、適用する材料に応じて、ポリマーの分子量分布や組成分布を制御する必要がある。ポリマーの分子量分布を制御する方法としては、重合性能が異なる複数の触媒成分を混合して、得られるポリマーの分子量分布及び組成分布を制御する方法、多段重合による制御の方法(例えば、特許文献1〜8参照。)が開示されている。
これらの観点から、高分子量エチレン系重合体が製造でき、α−オレフィンとの共重合性の改良を目的として、フルオレニル環とシクロペンタジエニル環またはインデニル環が架橋された構造を有するメタロセン錯体の改良検討が開示されている(例えば、特許文献9〜12参照。)。また、シクロペンタジエニル環またはインデニル環が2つの架橋基で結ばれたメタロセン錯体の改良検討が開示されている(例えば、特許文献13〜18参照。)。
成分(A):一般式(1)で示される二重架橋メタロセン化合物
成分(B):イオン交換性層状珪酸塩
成分(C):有機アルミニウム化合物
また、本発明の第3の発明によれば、第2の発明において、一般式(1)のR1〜R4は、炭素数1〜10の炭化水素基または−Si(R5)(R6)(R7)で表される炭素数1〜18のアルキルシリル基であることを特徴とするオレフィン重合用触媒が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第4の発明において、一般式(1)のR1〜R4は、R1とR2、およびR3とR4が炭素数1〜10の1級炭化水素基と炭素数3〜10の2級炭化水素基との組み合わせからなることを特徴とするオレフィン重合用触媒が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、一般式(1)のR1〜R4は、R1とR2、およびR3とR4がメチル基とイソプロピル基との組み合わせからなることを特徴とするオレフィン重合用触媒が提供される。
Al(R13)(R14)(R15) ・・・(2)
(式中、R13、R14およびR15は、同じでも異なっていてもよく、各々、炭素数2〜10の炭化水素基を示す。)
さらに、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明において、成分(C)は、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム又はトリオクチルアルミニウムであることを特徴とするオレフィン重合用触媒が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第1〜9のいずれかの発明において、成分(B)がスメクタイトであることを特徴とするオレフィン重合用触媒が提供される。
さらに、本発明の第11の発明によれば、第1〜10のいずれかの発明において、成分(B)がモンモリロナイトであることを特徴とするオレフィン重合用触媒が提供される。
さらに、本発明の第13の発明によれば、第1〜11のいずれかの発明に係るオレフィン重合用触媒を用いて、エチレン単独重合又はエチレンとエチレン以外のα−オレフィンとの共重合を行うことを特徴とするエチレンの重合方法が提供される。
さらに、良好なポリマー物性を発現させるには、製造するポリマーの分子量分布や組成分布を正確に制御する必要がある。本発明のオレフィン重合用触媒は、低分子量から高分子量まで単峰性の分子量分布を示すポリエチレンを製造可能なため、特に、多段重合プロセスによるポリマー設計を容易に行うことができる。また、他のメタロセン錯体と組み合わせた場合においても、分子量分布の設計が容易となる。
また、共重合性が良いということにより、重合反応におけるコモノマー濃度を低くできるようになるため、製造面から有利になる。また、多段重合を実施する場合においても、未反応のコモノマーが次の反応器に移送される量が減る、ないしは、全て共重合で消費されてしまうという効果が期待できるので、結果として、ポリマー設計の幅が広がることが期待できる。
以下において、各触媒成分、重合方法などについて、詳細に説明する。
本発明に係る成分(A)の二重架橋メタロセン化合物は、下記の一般式(1)により示される化合物である。
上記の2級炭化水素基、3級炭化水素基、又は炭化水素基を2つ以上有するアルキルシリル基を含有することが必要な理由は、必ずしも明確ではないが、担持触媒における錯体と担体の相互作用が考えられる。
すなわち、メタロセン錯体が担体に担持される場合、物理的または化学的な相互作用が生じる。この相互作用の強さにより、メタロセン錯体から形成される活性種が不均質になる場合があるものと考えている。この活性種の不均一性により得られるポリマーの分子量分布が多峰性になるなどの影響が出てくる。本発明において、少なくとも1つは、2級炭化水素基、3級炭化水素基、又は炭化水素基を2つ以上有するアルキルシリル基を有することが有効な理由の一つとして、イオン性層状珪酸塩に担持させたときの活性種の変質を、立体障害により抑制していることが考えられる。また、2級炭化水素基、3級炭化水素基、又は炭化水素基を2つ以上有するアルキルシリル基のこの他の効果としては、ポリマー成長鎖との相互作用により、重合停止反応が抑制され、高分子量のポリマーが得られるということも挙げられる。
炭素数1〜10の炭化水素基のうち、1級炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、ベンジル基、3−メチルペンチル基、3−フェニルペンチル基などが挙げられる。これらの中では、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基が好ましく、さらには、メチル基である。
また、2級炭化水素基としては、炭素数3〜10のものであれば、任意の炭化水素基を用いることができる。例えば、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−アダマンチル基などが挙げられる。これらの中では、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基が好ましい。
さらに、3級炭化水素基としては、炭素数4〜10のものであれば任意の炭化水素基を用いることができる。例えば、t−ブチル基、1,1−ジメチル−プロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−アダマンチル基などが挙げられる。これらの中では、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基が好ましい。
また、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシロキシ基などが挙げられる。これらの中で、メタロセン触媒の活性点を酸素原子で被毒しないという観点から、立体障害が大きい方が好ましく、イソプロポキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシロキシ基が好ましい。
また、窒素含有炭化水素基としては、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ブチルメチルアミノ基などが挙げられる。これらの中で、メタロセン触媒の活性点を窒素原子で被毒しないという観点から、立体障害が大きい方が好ましく、2つの炭化水素基を有するアミノ基が好ましい。
一方、微粒子担体にメタロセン錯体を担持することは、スラリープロセスや気相プロセスにおける安定運転のためには、重要な技術であるが、従来技術で示したように、しばしば、担持により得られるポリマーの分子量分布が広がるという現象が見られる。得られるポリマーの分子量分布が広がることは、重合活性種が複数存在することを示している。このことは、メタロセン錯体が微粒子担体に担持される場合、複数の吸着状態をとっていることが考えられる。微粒子担体への吸着のしかたは、メタロセン錯体の構造も大きく影響するものと考えている。
本発明においては、シクロペンタジエニル環上の置換基の少なくとも1つは、2級または3級炭化水素を有するメタロセン錯体とイオン交換性層状ケイ酸塩の組み合わせを特徴としているが、この特定の成分を組み合わせることで、担持触媒においても、均一な活性種が維持でき、高分子量、高共重合性を維持したまま、分子量分布の狭いポリマーを得ることが達成できたと考える。
Xは、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、または−OR9で表されるアルコキシ基を示し、R9は、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数6〜15のアリール基、アリールアルキル基を示す。これらの中で、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基が好ましい。さらに好ましくは、塩素原子またはメチル基である。
尚、MがZrの化合物を代表として例示するが、TiおよびHfの場合も同様な化合物が例示できる。
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(CHMe2)2}2ZrCl2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(CHMe2)2}2ZrMe2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(CHMe2)2}2Zr(n−C4H9)2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(CHMe2)2}2Zr(CH2C6H5)2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2ZrCl2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2ZrMe2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2ZrCl2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2ZrMe2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(2−アダマンチル)2}2ZrCl2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(2−アダマンチル)2}2ZrMe2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(2−アダマンチル)2}2Zr(n−C4H9)2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(2−アダマンチル)2}2Zr(CH2C6H5)2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(2−アダマンチル)−5−Me}2ZrCl2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(2−アダマンチル)−5−Me}2ZrMe2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(2−アダマンチル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(2−アダマンチル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(CMe3)2}2ZrCl2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(CMe3)2}2ZrMe2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(CMe3)2}2Zr(n−C4H9)2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(CMe3)2}2Zr(CH2C6H5)2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CMe3)−5−Me}2ZrCl2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CMe3)−5−Me}2ZrMe2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CMe3)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CMe3)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CMe3)−5−Me}2ZrCl2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CMe3)−5−Me}2ZrMe2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CMe3)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CMe3)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(1−アダマンチル)2}2ZrCl2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(1−アダマンチル)2}2ZrMe2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(1−アダマンチル)2}2Zr(n−C4H9)2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(1−アダマンチル)2}2Zr(CH2C6H5)2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1−アダマンチル)−5−Me}2ZrCl2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1−アダマンチル)−5−Me}2ZrMe2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1−アダマンチル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1−アダマンチル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1−アダマンチル)−5−Me}2ZrCl2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1−アダマンチル)−5−Me}2ZrMe2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1−アダマンチル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1−アダマンチル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(1,1−ジメチルプロピル)2}2ZrCl2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(1,1−ジメチルプロピル)2}2ZrMe2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(1,1−ジメチルプロピル)2}2Zr(n−C4H9)2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(1,1−ジメチルプロピル)2}2Zr(CH2C6H5)2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1,1−ジメチルプロピル)−5−Me}2ZrCl2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1,1−ジメチルプロピル)−5−Me}2ZrMe2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1,1−ジメチルプロピル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1,1−ジメチルプロピル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1,1−ジメチルプロピル)−5−Me}2ZrCl2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1,1−ジメチルプロピル)−5−Me}2ZrMe2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1,1−ジメチルプロピル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(1,1−ジメチルプロピル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、である。
(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(ジメチルシリル)2}2ZrCl2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(ジメチルシリル)2}2ZrMe2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(ジメチルシリル)2}2Zr(n−C4H9)2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(ジメチルシリル)2}2Zr(CH2C6H5)2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2ZrCl2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2ZrMe2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2ZrCl2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2ZrMe2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジメチルシリル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(トリメチルシリル)2}2ZrCl2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(トリメチルシリル)2}2ZrMe2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(トリメチルシリル)2}2Zr(n−C4H9)2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(トリメチルシリル)2}2Zr(CH2C6H5)2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(トリメチルシリル)−5−Me}2ZrCl2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(トリメチルシリル)−5−Me}2ZrCl2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(トリメチルシリル)−5−Me}2ZrMe2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(トリメチルシリル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(トリメチルシリル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(トリメチルシリル)−5−Me}2ZrCl2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(トリメチルシリル)−5−Me}2ZrMe2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(トリメチルシリル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(トリメチルシリル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(ジフェニルシリル)2}2ZrCl2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(ジフェニルシリル)2}2ZrMe2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(ジフェニルシリル)2}2Zr(n−C4H9)2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(ジフェニルシリル)2}2Zr(CH2C6H5)2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジフェニルシリル)−5−Me}2ZrCl2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジフェニルシリル)−5−Me}2ZrMe2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジフェニルシリル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジフェニルシリル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジフェニルシリル)−5−Me}2ZrCl2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジフェニルシリル)−5−Me}2ZrMe2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジフェニルシリル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(ジフェニルシリル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(フェニルメチルシリル)2}2ZrCl2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(フェニルメチルシリル)2}2ZrMe2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(フェニルメチルシリル)2}2Zr(n−C4H9)2、(Me2Si)2{η5−C5H−3,5−(フェニルメチルシリル)2}2Zr(CH2C6H5)2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(フェニルメチルシリル)−5−Me}2ZrCl2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(フェニルメチルシリル)−5−Me}2ZrMe2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(フェニルメチルシリル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(フェニルメチルシリル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(フェニルメチルシリル)−5−Me}2ZrCl2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(フェニルメチルシリル)−5−Me}2ZrMe2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(フェニルメチルシリル)−5−Me}2Zr(n−C4H9)2、meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(フェニルメチルシリル)−5−Me}2Zr(CH2C6H5)2、である。
本発明に係る成分(B)のイオン性層状珪酸塩としては、粘土、粘土鉱物、ゼオライト、珪藻土などが使用可能である。これらは、合成品を用いてもよいし、天然に産出する鉱物を用いてもよい。
粘土、粘土鉱物の具体例としては、アロフェン等のアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイトなどのカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイトなどのハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライトなどの蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライトなどのスメクタイト族、バーミキュライトなどのバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母鉱物、アタパルジャイト、セピオライト、パイゴルスカイト、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィライト、リョクデイ石群などが挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。
人工合成物としては、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトなどが挙げられる。
また、イオン交換性層状珪酸塩は、それ自体でメタロセン錯体を活性化させる機能を有しており、有機アルミニウム化合物を必須としない。また、有機アルミニウム化合物を使用する場合においても、その使用量は、被毒防止ができる程度で良いので、少なくて済む。
有機アルミニウム化合物は、しばしばメタロセン錯体と反応することが知られている。イオン交換性層状珪酸塩が活性種の変質抑制に効果があるのは、従来の助触媒、特に助触媒がメチルアルモキサンの場合に比べて、メタロセン錯体に対する有機アルミニウム化合物の使用量が少なくてすむことも挙げられる。また、トリメチルアルミニウムより、反応性が低い有機アルミニウム化合物を使用できることも、メタロセン触媒の活性種の変質を抑制するためには、有利と考えられる。
酸処理は、イオン交換性層状珪酸塩から成分の一部を溶出させる効果がある。また、塩処理は、イオン交換させる効果とイオン交換性層状珪酸塩の膨潤性を変化させる効果がある。その結果、酸処理および塩処理の条件を選択することにより、粒子の表面積や細孔容積を制御することができる。
粒径は、触媒のフィード方法の選択に影響を与える。また、重合により生成するポリマーも影響を与えるため、ポリマーの安定生産をする上で重要な要因の一つである。
有機アルミニウム化合物としては、下記一般式(2)で表される化合物が、好ましく用いられる。
Al(R13)(R14)(R15) ・・・(2)
(式中、R13、R14およびR15は、同じでも異なっていてもよく、各々、炭素数2〜10の炭化水素基を示す。)
本発明において用いられる有機アルミニウム化合物としては、炭素数が2〜10の化合物が好ましいが、炭素数1の化合物、すなわちトリメチルアルミニウムなどは、本発明で用いるメタロセン錯体に対して、反応性が強すぎるため、複数の構造の化合物を生成する可能性が大きい。また、炭素数が大きくなるに従って、立体障害により反応性は低下していく。そのため、メタロセン錯体と有機アルミニウム化合物の反応生成物においても、例えば、トリメチルアルミニウムと反応しメタロセン錯体がメチル化された場合は、それに続く反応が起こりやすいことが考えられる。
これに対して、炭素数2〜10の炭化水素基では、メタロセン錯体にこれらの炭化水素基が導入された後は、それに続く反応は生じにくいことが考えられる。このことも、メタロセン触媒の活性種を均一に保つことに対して、有利に働くと考えられる。
本発明のオレフィン重合用触媒は、上記の成分(A)と成分(B)、及び必要に応じて、成分(C)を接触させて触媒とする。その接触方法は、特に限定されないが、以下のような順序で接触させることができる。また、この接触は、触媒調製時だけでなく、オレフィンによる予備重合時またはオレフィンの重合時に行ってもよい。これらの接触において接触を充分に行うため溶媒を用いてもよい。溶媒としては、脂肪族飽和炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族不飽和炭化水素やこれらのハロゲン化物、また、予備重合モノマーなどが例示される。
(ii)成分(A)と成分(B)を接触させた後に、成分(C)を添加する。
(iii)成分(A)と成分(C)を接触させた後に、成分(B)を添加する。
(iv)成分(B)と成分(C)を接触させた後に、成分(A)を添加する。
(v)三成分を同時に接触させる。
成分(B)1gにつき、成分(A)は0.001〜10ミリモル、好ましくは0.001〜1ミリモルの範囲で使用される。成分(B)を成分(C)を接触させる場合、成分(B)1gにつき、成分(C)は0.01〜10ミリモル、好ましくは0.1〜5ミリモルの範囲で使用される。成分(A)と成分(C)を接触する場合、成分(A)1モルに対し、成分(C)は0.1〜1000モル、好ましくは2〜100、さらに好ましくは4〜6の範囲で使用される。
使用するオレフィンは、特に限定はないが、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレンなどを使用することが可能であり、特にエチレンを使用することが好ましい。オレフィンの供給方法は、オレフィンを反応槽に定速的にあるいは定圧状態になるように維持する供給方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせるなど、任意の方法が可能である。
予備重合温度は、特に制限は無いが、0℃〜100℃が好ましく、より好ましくは10〜70℃である。
さらに、上記各成分の接触の際、もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの重合体やシリカ、チタニアなどの無機酸化物固体を共存させることも可能である。
前記成分(A)、成分(B)、及び必要に応じて用いられる成分(C)からなるオレフィン重合用触媒を用いておこなう重合は、オレフィン単独あるいは該オレフィンと他のコモノマーとを混合接触させることにより、行われる。共重合の場合、反応系中の各モノマーの量比は、経時的に一定である必要はなく、各モノマーを一定の混合比で供給することも便利であるし、供給するモノマーの混合比を経時的に変化させることも可能である。また、共重合反応比を考慮してモノマーのいずれかを分割添加することもできる。
以下の諸例において、出発物質であるスメクタイトとして使用したモンモリロナイトは、水澤化学工業社製スプレードライ造粒粘土「ベンクレイSL」であり、分級によって造粒品としての平均粒径が19.3μmにしたものを用いた。
1.分子量及び分子量分布(Mw、Mn、Q値):
(測定条件)
使用機種:ウォーターズ社製150C
検出器:FOXBORO社製MIRAN1A・IR検出器(測定波長:3.42μm)
測定温度:140℃
溶媒:オルトジクロロベンゼン(ODCB)
カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本)
流速:1.0mL/分
注入量:0.2mL
試料は、ODCB(0.5mg/mLのBHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)を含む)を用いて1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させた。
標準ポリスチレン法により行い、保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行った。
使用する標準ポリスチレンは何れも東ソー社製の以下の銘柄である。
F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000。
各々が0.5mg/mLとなるように、ODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して、較正曲線を作成した。較正曲線は、最小二乗法で近似して得られる三次式を用いた。分子量への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαは以下の数値を用いた。
PS:K=1.38×10−4、α=0.7
PE:K=3.92×10−4、α=0.733
平均水素濃度は、重合開始直後から重合終了直前まで、15分間隔で測定した重合槽気相部の水素濃度測定値の平均を採用した。
(合成例1)
rac−DMP−Meの合成方法:
rac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−(CHMe2)−5−Me}2ZrMe2(rac−DMP−Meと略す。)の合成:
特開2001−139620号公報に記載の方法にしたがって合成を行った。
meso−DMP−Clの合成方法:
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−Me−5−(CHMe2)}2ZrCl2(meso−DMP−Clと略す。)の合成:
S.Miyake,L.Henling,J.E.Bercaw,Organometallics,1998,17,5528のrac−(Me2Si)2{η5−C5H−3−Me−5−(CHMe2)}2Li(THF)2の合成で副生するmeso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−Me−5−(CHMe2)}2Li(THF)2 20.0gと四塩化ジルコニウム8.8gを200ml二口フラスコに入れ、−78℃でジクロロメタン500mlを加えた。室温で3時間撹拌した後、溶媒を減圧留去しトルエン400mlを加えた。不溶物をフィルターでろ過し、ろ液を濃縮した。室温で一夜放置すると、淡黄色の結晶が析出した。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm)0.58(s,3H,SiMe),0.70(s,3H,SiMe),0.820(s,3H,SiMe),0.822(s,3H,SiMe),1.06(d,6H,CH(CH3)2),1.29(d,6H,CH(CH3)2),2.21(s,6H,CpMe),2.81(sept,2H,CH(CH3)2),6.23(s,2H,CpH)。
meso−DMP−Meの合成方法:
meso−(Me2Si)2{η5−C5H−3−Me−5−(CHMe2)}2ZrMe2(meso−DMP−Meと略す)の合成:
(合成例2)で得られたmeso−[(Me2Si)2(Cp−2−Me−4−CHMe2)2]ZrCl2 10.0gを500ml二口フラスコに入れた。ジエチルエーテル200mlでスラリー化した。−78℃でメチルリチウム/ジエチルエーテル溶液(1.14M)50.0mlを加え室温で1.5時間撹拌した。ジエチルエーテルを減圧留去した後、ヘキサン160mlを加え、不溶な白色固体を除去するため遠心分離を行ない、上澄み液を別の300ml二口フラスコに移した。ヘキサンを減圧留去すると白色粉末が得られた。
1H−NMR(C6D6)δ(ppm)−0.18(s,3H,ZrCH3),−0.20(s,3H,ZrCH3),0.32(s,3H,SiMe),0.536(s,3H,SiMe),0.542(s,3H,SiMe),0.65(s,3H,SiMe),1.17(d,6H,CH(CH3)2),1.36(d,6H,CH(CH3)2),2.14(s,6H,CpMe),2.81(sept,2H,CH(CH3)2),6.27(s,2H,CpH)。
DMM−Clの合成:
(Me2Si)2(η5−C5H−3,5−Me2)2ZrCl2(DMM−Clと略す)の合成:
特開2003−105016号公報に記載の方法に従って合成した。
1,3−ジメチルシクロペンタジエン12.3gを500ml三つ口フラスコに入れTHF150mlで希釈した。0℃でn−BuLi/ヘキサン溶液(1.6M)82.0ml(131mmol)を加え室温で2時間撹拌した。さらに、0℃でジメチルジクロロシラン(Me2SiCl2)を7.90ml(65.1mmol)加え室温で一夜撹拌した。水100mlを加え反応をクエンチした後、ヘキサンで抽出を行なった。得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過で除いた後、溶媒を減圧留去し残査を減圧蒸留した。淡黄色液体13g(94℃/0.3mmHg)が得られた。
上記で得られた淡黄色液体Me2Si(C5H3−2,4−Me2)2 13g(54.7mmol)を300ml二口フラスコに入れ減圧脱気を行ない、THF100mlで希釈した。これに0℃でn−BuLi/ヘキサン溶液(1.6M)69.0ml(110mmol)を加え室温で3時間撹拌した。さらに0℃でジメチルジクロロシラン(Me2SiCl2)を6.70ml加え室温で一夜撹拌した。水100mlを加え反応をクエンチした後、ヘキサンで抽出を行なった。得られた有機相を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過で除いた後、溶媒を減圧留去して黄色油状物が得られた。得られた黄色油状物は、室温で一晩放置した間に結晶化が進み、淡黄色結晶へと変化した。
得られた淡黄色結晶(Me2Si)2(C5H2−3,5−Me2)2 4g(13.6mmol)を200ml二口フラスコに入れ、THF50mlで溶解した。これに0℃でn−BuLi/ヘキサン溶液(1.6M)17.0ml(27.2mmol)を加え室温で1時間撹拌後THFを留去した。乾固した残さに、四塩化ジルコニウム(ZrCl4)2.73g(11.7mmol)を200ml二口フラスコに入れ、−78℃でジクロロメタン50mlを加えた。室温で3時間撹拌した後、溶媒を減圧留去しトルエン100mlを加えた。不溶物をフィルターでろ過し、ろ液を濃縮した。室温で一夜放置すると淡黄色の結晶が析出した。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm)0.58(s,6H,SiMe),0.81(s,6H,SiMe),2.20(s,12H,CpMe),6.06(s,2H,CpH)。
13C−NMR(CDCl3)δ(ppm)1.73(SiMe),5.11(SiMe),16.67(Cp−Me),110.64,123.17,151.38(Cp)。
(a)酸処理モンモリトナイトの調製
撹拌翼と還流装置を取り付けた500mLの丸形三口フラスコに、蒸留水180gを投入し、98%硫酸20gを滴下し、内部温度を90℃にした。そこへ、ベンクレイSL(水澤化学社製)を30g添加後撹拌した。その後90℃で1時間反応させた。このスラリーを150mLの蒸留水に注いで反応を停止し、ヌッチェと吸引瓶にアスピレータを接続した装置にて濾過した。得られたケーキを500mLの蒸留水に分散させ撹拌後濾過した。この操作を5回繰りかえした。
回収したケーキを120℃で終夜乾燥した。その結果、22gの化学処理体を得た。この酸処理モンモリロナイトを容積200mLのフラスコに入れ、200℃で減圧乾燥させガスの発生が収まってからさらに2時間減圧乾燥した。乾燥後は、窒素雰囲気下で保存した。
内容積200mLのフラスコに上記(処理例1)で得た乾燥した化学処理モンモリロナイト3gを秤量し、ヘプタン10mL、トリエチルアルミニウムのヘプタン溶液20mL(7.5mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、トルエンで残液率1/100まで洗浄し、最後にスラリー量を5mlにあわせた。
前述の合成例1で合成を行った、rac−DMP−Meのトルエン溶液18ml(5μmol−Zr/ml)を調製し、(b)で調製した有機アルミニウム化合物処理モンモリロナイトのヘプタンスラリー(5ml)に全量添加した。室温で1時間撹拌した後、室温、減圧下で溶媒を留去することにより、担持触媒を得た。重合を行う前に、担持触媒をヘプタンで希釈(20mg固体触媒/mlヘプタン)し、重合評価に用いた。
内容積1リッターの誘導攪拌式ステンレス製オートクレーブ内を精製窒素で置換し、精製トルエン(500mL)オートクレーブ内に導入した。トリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.5mmol/ml)を1ml、1−ヘキセンを20ml添加した後、80℃まで昇温した。エチレンで1.5MPaまで昇圧し2.5mlの担持触媒スラリーを圧入することで重合を開始した。
1時間後、エタノールを圧入することで重合反応を停止し、ポリマーをろ過により回収した。重合結果を表1に示す。
(a)〜(c)は、実施例1と同様に行った。
内容積1リッターの誘導攪拌式ステンレス製オートクレーブ内を精製窒素で置換し、精製トルエン(500mL)オートクレーブ内に導入した。トリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.5mmol/ml)を1ml、1−ヘキセンを20ml添加した後、80℃まで昇温した。エチレンで1.5MPaまで昇圧し、水素を76cc導入した。2.5mlの担持触媒スラリーを圧入することで重合を開始した。重合中は、80℃、エチレン圧1.5MPaを維持した。また、15分ごとに水素濃度の測定を実施し、水素濃度が減少した分だけ水素を添加した。
1時間後、エタノールを圧入することで重合反応を停止し、ポリマーをろ過により回収した。重合結果を表1に示す。
合成例2で得られた錯体(meso−DMP−Me)を用いる以外は、実施例1と同様に行った。重合結果を表1に示す。
合成例3で得られた錯体(meso−DMP−Cl)を用いる以外は、実施例1と同様に行った。重合結果を表1に示す。
合成例4で得られた錯体(DMM−Cl)を用いる以外は、実施例1と同様に行った。重合結果を表1に示す。
ジフェニルメチリデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド(CCFZと略す)(和光純薬社製)を用い、重合時に使用する水素を50ccとした以外は、実施例2と同様に行った。重合結果を表1に示す。
エチレン重合評価において、水素添加量を114ccに増やした以外は、比較例1と同様な操作を行った。重合結果を表1に示す。
(a)メチルアルミノキサン担持シリカの合成
窒素雰囲気下、200ml二口フラスコに600℃で5時間焼成したシリカ(GRACE社製、952)5グラムを入れ、150℃のオイルバスで加熱しながら真空ポンプで1時間減圧乾燥した。40℃でトルエン13.4ml、続いて、アルベマール社製の20%メチルアルミノキサン/トルエン溶液8.6mlを加え1時間撹拌した後、40℃に加熱したままトルエン溶媒を減圧留去することでメチルアルミノキサン担持シリカが得られた。得られた固体にヘプタン10mlを添加してスラリーとした。
前述の合成例1で合成を行った、rac−DMP−Meのトルエン溶液30ml(5μmol−Zr/ml)を調製し、(a)で調製したメチルアルモキサン担持シリカのヘプタンスラリー(10ml)に全量添加した。室温で1時間撹拌した後、室温、減圧下で溶媒を留去することにより、担持触媒を得た。重合を行う前に、担持触媒をヘプタンで希釈(20mg固体触媒/mlヘプタン)し、重合評価に用いた。
内容積1リッターの誘導攪拌式ステンレス製オートクレーブ内を精製窒素で置換し、精製トルエン(500mL)オートクレーブ内に導入した。トリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.5mmol/ml)を1ml、1−ヘキセンを20ml添加した後、80℃まで昇温した。エチレンで1.5MPaまで昇圧し、水素を23cc導入した。2.5mlの担持触媒スラリーを圧入することで重合を開始した。重合中は、80℃、エチレン圧1.5MPaを維持した。また、15分ごとに水素濃度の測定を実施し、水素濃度が減少した分だけ水素を添加した。
1時間後、エタノールを圧入することで重合反応を停止し、ポリマーをろ過により回収した。重合結果を表1に示す。
実施例1(表1)では、本発明による触媒を用いることで、高分子量かつ分子量分布が1山のポリエチレンが得られることを示している。
また、実施例2(表1)では、本発明による触媒を用いることで、水素添加により得られるポリマーの分子量を低下させた場合においても、分子量分布が狭いポリマーが得られることを示している。
さらに、実施例3、4(表1)では、本発明による触媒を用いることで、高分子量かつ分子量分布が1山のポリエチレンが得られることを示している。
一方、比較例1〜3(表1)では、高分子量のポリエチレンを製造することはできるものの、分子量分布が広がってしまうことを示している。
また、比較例4(表1)は、メチルアルミノキサンを用いた担持触媒では、分子量分布が広がることを示している。
Claims (13)
- 下記の成分(A)、成分(B)と、必要に応じて成分(C)からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
成分(A):一般式(1)で示される二重架橋メタロセン化合物
成分(B):イオン交換性層状珪酸塩
成分(C):有機アルミニウム化合物 - 一般式(1)のR1〜R4は、R1とR2、およびR3とR4が異なる置換基であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合用触媒。
- 一般式(1)のR1〜R4は、炭素数1〜10の炭化水素基または−Si(R5)(R6)(R7)で表される炭素数1〜18のアルキルシリル基であることを特徴とする請求項2に記載のオレフィン重合用触媒。
- 一般式(1)のR1〜R4は、R1とR2、およびR3とR4が炭素数1〜10の1級炭化水素基と、炭素数3〜10の2級または炭素数4〜10の3級炭化水素基との組み合わせからなることを特徴とする請求項3に記載のオレフィン重合用触媒。
- 一般式(1)のR1〜R4は、R1とR2、およびR3とR4が炭素数1〜10の1級炭化水素基と炭素数3〜10の2級炭化水素基との組み合わせからなることを特徴とする請求項4に記載のオレフィン重合用触媒。
- 一般式(1)のR1〜R4は、R1とR2、およびR3とR4がメチル基とイソプロピル基との組み合わせからなることを特徴とする請求項5に記載のオレフィン重合用触媒。
- 成分(C)は、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒。
Al(R13)(R14)(R15) ・・・(2)
(式中、R13、R14およびR15は、同じでも異なっていてもよく、各々、炭素数2〜10の炭化水素基を示す。) - 成分(C)は、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム又はトリオクチルアルミニウムであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒。
- 成分(B)は、雲母またはスメクタイトであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒。
- 成分(B)がスメクタイトであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒。
- 成分(B)がモンモリロナイトであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンを重合することを特徴とするα−オレフィンの重合方法。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒を用いて、エチレン単独重合又はエチレンとエチレン以外のα−オレフィンとの共重合を行うことを特徴とするエチレンの重合方法。
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