JP2002053611A - オレフィン重合用触媒およびそれを用いたオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒およびそれを用いたオレフィン重合体の製造方法

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JP2002053611A
JP2002053611A JP2000247927A JP2000247927A JP2002053611A JP 2002053611 A JP2002053611 A JP 2002053611A JP 2000247927 A JP2000247927 A JP 2000247927A JP 2000247927 A JP2000247927 A JP 2000247927A JP 2002053611 A JP2002053611 A JP 2002053611A
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ion
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Takaharu Ikeda
隆治 池田
Akihiro Yano
明広 矢野
Morihiko Sato
守彦 佐藤
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 極性モノマーとの共重合が可能であり、活性
が高く、分岐の少ないオレフィン重合体を製造する。 【解決手段】 イオン交換反応により、周期表8族、9
族および10族から選ばれる遷移金属を含有するビスイ
ミド化合物[b]がイオン交換性層状化合物[a]にイ
ンターカレーションしてなる化合物[c]、および必要
に応じて有機アルミニウム化合物[d]からなるオレフ
ィン重合用触媒を用いてオレフィンを重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン交換反応に
より、周期表8族、9族および10族から選ばれる遷移
金属を含有するビスイミド化合物[b]がイオン交換性
層状化合物[a]にインターカレーションしてなる化合
物[c]、および必要に応じて有機アルミニウム化合物
[d]からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒
およびそれを用いたオレフィン重合体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】オレフィン重合用触媒として、チーグラ
ー・ナッタ触媒が広く工業的に使われ、また、近年では
メタロセン化合物を用いた触媒の開発が進んでいる。
【0003】しかし、どちらの触媒系もエチレンやα−
オレフィンに対して高い重合活性を示すものの、芳香族
ビニル化合物や極性モノマーに対しては重合活性を示さ
ず、これらの触媒を用いてエチレン/芳香族ビニル化合
物共重合体やエチレン/極性モノマー共重合体を得るこ
とはできなかった。
【0004】一方、拘束幾何触媒と呼ばれるオレフィン
重合用触媒は、エチレンと芳香族ビニル化合物との共重
合が可能であることが開示されている(特開平3−16
3088号)。しかし、この触媒も極性モノマーに対し
ては重合活性を示さなかった。
【0005】近年、Brookhart錯体と呼ばれる
ビスイミド型錯体を用いてのオレフィンの重合およびオ
レフィンと極性モノマーとの共重合方法が開示されてい
る(WO96/23010号)。しかし、この触媒は重
合活性が低いうえ、ポリマーには多数の分岐が発生し、
分岐構造を制御しにくいという問題を抱えている。
【0006】また、有機−無機ナノコンポジット化合物
を合成する目的で、粘土にBrookhart錯体を接
触させてエチレン重合を行う試みがなされている(Ch
em.Commun.,1999,2179−218
0)。しかし、粘土と錯体との相互作用が明確にされて
いない上に、錯体当たりの重合活性の低さや得られるナ
ノコンポジットのポリマー成分中における分岐の多さは
均一系触媒の時と何ら変わっていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の問題点を解決するためになされたものであ
り、極性モノマーとの共重合が可能であるにもかかわら
ず、活性が高く、分岐も少ないオレフィン重合体の製造
を可能にする触媒を提供するとともに、その触媒を用い
たオレフィン重合体の製造方法を提供することを目的と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的に
対して鋭意検討した結果、見出されたものである。
【0009】すなわち、本発明は、イオン交換反応によ
り、周期表8族、9族および10族から選ばれる遷移金
属を含有するビスイミド化合物[b]がイオン交換性層
状化合物[a]にインターカレーションしてなる化合物
[c]、および必要に応じて有機アルミニウム化合物
[d]からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒
を提供するものである。さらに本発明は、このオレフィ
ン重合用触媒を用いたオレフィン重合体の製造方法を提
供するものである。
【0010】本発明におけるイオン交換性層状化合物
[a]とは、二元的に強く結合した原子が板状の層を作
り、この層が積み重なって結晶となっている化合物のう
ち、層間にイオン交換可能なイオンを持つ化合物の総称
である。イオン交換性層状化合物[a]としては具体的
に粘土鉱物、電子移動を伴うトポタクティックな還元反
応生成物、チタン酸塩、タングステン酸塩、ウラン酸
塩、リン酸塩、バナジン酸塩、モリブデン酸塩、ニオブ
酸塩等を例示することができるが、これらに限定される
ものではない。
【0011】ここで、粘土鉱物とはケイ酸塩を主成分と
する微粒子であり、一般にはケイ素原子に酸素原子が配
位してできる四面体と、アルミニウムまたはマグネシウ
ム等の原子に酸素または水酸化物イオンが配位してでき
る八面体とから構成される無機高分子化合物である。各
四面体の3個の酸素原子は隣り合った四面体の酸素原子
と共有することによって二次元的な六角形の四面体シー
トを形成している。また、八面体の各頂点の陰イオンは
隣り合った八面体と結合し、二次元の八面体シートを形
成する。粘土鉱物は、この四面体シートと八面体シート
が1:1もしくは2:1の割合で構成される層が積み重
なった構造をしている。粘土鉱物中には四面体シートに
おけるケイ素がアルミニウムに、または八面体シートに
おけるアルミニウムがマグネシウムに、あるいはマグネ
シウムがリチウムに同形置換されたものがある。このよ
うな粘土鉱物は層内の正電荷が不足するため、負電荷を
帯びる。この負電荷を補償するため、層間にカチオンを
有するが、この層間カチオンは他のカチオンとイオン交
換が可能である。
【0012】粘土鉱物として、具体的にはモンモリロナ
イト、ヘクトライト、バイデライト、サポナイト、テニ
オライト等のスメクタイト系やバーミキュライト、カオ
リナイト、ハロイサイト、雲母系イモゴライト、アロフ
ェン等を例示することができるが、これらに限定される
ものではない。
【0013】また、電子移動を伴うトポタクティックな
還元反応生成物とは、R.ScholhornがAng
ew.Chem.Int.Ed.Engl.19,98
3−1003(1980)で定義しているように、ホス
ト化合物が電子を得て還元され、電荷のバランスを取る
ためにゲストカチオンがホスト化合物中の空の格子サイ
トに取り込まれる反応であり、しかも、反応前後でホス
ト化合物の構造および組成が何ら変化しない反応であ
り、一般式(2) xE+ + xe- + □[Q] → (E+x[Q]x- (2) [式中、[Q]はホスト化合物であり、□は[Q]中の
空の格子サイトであり、e-は電子であり、xは還元量
であり、E+は1価のゲストカチオンである。]で例示
される反応により得られる化合物である。
【0014】この反応においてE+およびe-を含む還元
試薬として、n−ブチルリチウム、ナフタレンリチウ
ム、ナフタレンナトリウム、ベンゾフェノンリチウム、
ベンゾフェノンナトリウム、沃化リチウム、亜二チオン
酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、硫化ナトリウ
ムを例示することができ、0.001〜10mol/l
の濃度で、ホスト化合物1molに対して0.001〜
20mol用いることができる。反応温度は特に限定さ
れないが、−100〜200℃を用いることができ、反
応時間に関しても特に限定はないが、1分〜60日を用
いることができる。
【0015】ここで、[Q]としては、二硫化チタン、
二硫化ジルコニウム、二硫化ハフニウム、二硫化バナジ
ウム、二硫化ニオブ、二硫化タンタル、二硫化クロム、
二硫化モリブデン、二硫化タングステン、二硫化レニウ
ム、二硫化白金、二硫化スズ、二硫化鉛、二セレン化チ
タン、二セレン化ジルコニウム、二セレン化ハフニウ
ム、二セレン化バナジウム、二セレン化ニオブ、二セレ
ン化タンタル、二セレン化クロム、二セレン化モリブデ
ン、二セレン化タングステン、二セレン化レニウム、二
セレン化白金、二セレン化スズ、二セレン化鉛、二テル
ル化チタン、二テルル化ジルコニウム、二テルル化ハフ
ニウム、二テルル化バナジウム、二テルル化ニオブ、二
テルル化タンタル、二テルル化クロム、二テルル化モリ
ブデン、二テルル化タングステン、二テルル化レニウ
ム、二テルル化白金、二テルル化スズ、二テルル化鉛、
三硫化リンマグネシウム、三硫化リンカルシウム、三硫
化リンバナジウム、三硫化リンマンガン、三硫化リン
鉄、三硫化リンコバルト、三硫化リンニッケル、三硫化
リンパラジウム、三硫化リン亜鉛、三硫化リンカドミウ
ム、三硫化リン水銀、三硫化リンスズ、三セレン化リン
マグネシウム、三セレン化リンカルシウム、三セレン化
リンバナジウム、三セレン化リンマンガン、三セレン化
リン鉄、三セレン化リンコバルト、三セレン化リンニッ
ケル、三セレン化リンパラジウム、三セレン化リン亜
鉛、三セレン化リンカドミウム、三セレン化リン水銀、
三セレン化リンスズ、四硫化リンクロム、タンタルスル
フィドカーバイド、三酸化モリブデン、五十二酸化十八
モリブデン、五酸化バナジウムゲル、オキシ塩化鉄、オ
キシ塩化チタン、オキシ塩化バナジウム、オキシ塩化ク
ロム、オキシ塩化アルミニウム、オキシ塩化ビスマス、
α−窒化塩化ジルコニウム、β−窒化塩化ジルコニウ
ム、α−窒化臭化ジルコニウム、β−窒化臭化ジルコニ
ウム、窒化ヨウ化ジルコニウム、窒化塩化チタン、窒化
臭化チタン、窒化ヨウ化チタン、グラファイト、ポリア
セン等の2次元構造を有するホスト化合物を例示するこ
とができる。
【0016】本発明における周期表8族、9族および1
0族から選ばれる遷移金属を含有するビスイミド化合物
[b]とは、鉄原子、ルテニウム原子、オスミウム原
子、コバルト原子、ロジウム原子、イリジウム原子、ニ
ッケル原子、パラジウム原子、白金原子等の遷移金属に
ビスイミド配位子が配位した化合物であるが、イオン性
化合物であって、極性溶媒中でカチオンとアニオンとに
電離することができるものが好ましい。
【0017】本発明における周期表8族、9族および1
0族から選ばれる遷移金属を含有するビスイミド化合物
[b]は、下記一般式(1)
【0018】
【化2】
【0019】[式中、Mは周期表8族、9族および10
族から選ばれる遷移金属であり、R1,R4は各々独立
して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6
〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールアルキ
ル基または炭素数6〜20のアルキルアリール基であ
り、R2,R3は各々独立して水素原子、炭素数1〜2
0のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数
6〜20のアリールアルキル基または炭素数6〜20の
アルキルアリール基であり、またそれらが互いに結合し
て環を形成していても良く、R5はハロゲン原子、水素
原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20の
アリール基、炭素数6〜20のアリールアルキル基また
は炭素数6〜20のアルキルアリール基であり、XはM
に配位可能な分子であり、Yは任意のアニオンであ
る。]で表されるビスイミド化合物であることが好適で
ある。
【0020】Xで表されるMに配位可能な分子として
は、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、アセトン、
メチルエチルケトン、ホルムアルデヒド、アセトアルデ
ヒド、ギ酸、酢酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、水、メタノール、エタノール、アセト
ニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレンなどを例示
することができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0021】また、Yで表されるアニオンは、極性溶媒
中で電解してビスイミド化合物と電離できるものならば
いずれでもよく、具体的にはヘキサフルオロアンチモン
アニオン、過塩素酸アニオン、硫酸アニオン等を例示す
ることができるが、これらに限定されるものではない。
【0022】一般式(1)で表される化合物として具体
的には、[{2,6−i−PrC63N=C(Me)−
C(Me)=NC63Pr−i−2,6}Pd(OEt
2)Me][SbF6]、[{2,6−i−PrC63
=C(Me)−C(Me)=NC63Pr−i−2,
6}Pd(OEt2)Me][ClO4]、[{2,6−
i−PrC63N=C(Me)−C(Me)=NC63
Pr−i−2,6}PdO(OEt2)Me][S
4]、[{2,6−i−PrC63N=C(Me)−
C(Me)=NC63Pr−i−2,6}Pd(OCM
2)Me][SbF6]、[{2,6−i−PrC63
N=C(Me)−C(Me)=NC63Pr−i−2,
6}Pd(OCMe2)Me][ClO4]、[{2,6
−i−PrC63N=C(Me)−C(Me)=NC6
3Pr−i−2,6}Pd(OCMe2)Me][SO
4]、[{2,6−i−PrC63N=C(Me)−C
(Me)=NC63Pr−i−2,6}Pd{OC(O
Me)Et}Me][SbF6]、[{2,6−i−P
rC63N=C(Me)−C(Me)=NC63Pr−
i−2,6}Pd{OC(OMe)Et}Me][Cl
4]、[{2,6−i−PrC63N=C(Me)−
C(Me)=NC63Pr−i−2,6}Pd{OC
(OMe)Et}Me][SO4]、[{2,6−i−
PrC63N=C(Me)−C(Me)=NC63Pr
−i−2,6}Pd(OEt2)Br][SbF6]、
[{2,6−i−PrC63N=C(Me)−C(M
e)=NC63Pr−i−2,6}Pd(OEt2)B
r][ClO4]、[{2,6−i−PrC63N=C
(Me)−C(Me)=NC63Pr−i−2,6}P
dO(OEt2)Br][SO4]、[{2,6−i−P
rC63N=C(Me)−C(Me)=NC63Pr−
i−2,6}Pd(OCMe2)Br][SbF6]、
[{2,6−i−PrC63N=C(Me)−C(M
e)=NC63Pr−i−2,6}Pd(OCMe2
Br][ClO4]、[{2,6−i−PrC63N=
C(Me)−C(Me)=NC63Pr−i−2,6}
Pd(OCMe2)Br][SO4]、[{2,6−i−
PrC63N=C(Me)−C(Me)=NC63Pr
−i−2,6}Pd{OC(OMe)Br}Et][S
bF6]、[{2,6−i−PrC63N=C(Me)
−C(Me)=NC63Pr−i−2,6}Pd{OC
(OMe)Br}Et][ClO4]、[{2,6−i
−PrC63N=C(Me)−C(Me)=NC63
r−i−2,6}Pd{OC(OMe)Br}Et]
[SO4]、[{2,6−i−PrC63N=CH−C
H=NC63Pr−i−2,6}Pd(OEt2)M
e][SbF6]、[{2,6−i−PrC63N=C
H−CH=NC63Pr−i−2,6}Pd(OE
2)Me][ClO4]、[{2,6−i−PrC63
N=CH−CH=NC63Pr−i−2,6}PdO
(OEt2)Me][SO4]、[{2,6−i−PrC
63N=CH−CH=NC63Pr−i−2,6}Pd
(OCMe2)Me][SbF6]、[{2,6−i−P
rC63N=CH−CH=NC63Pr−i−2,6}
Pd(OCMe2)Me][ClO4]、[{2,6−i
−PrC63N=CH−CH=NC63Pr−i−2,
6}Pd(OCMe2)Me][SO4]、[{2,6−
i−PrC63N=CH−CH=NC63Pr−i−
2,6}Pd{OC(OMe)Et}Me][Sb
6]、[{2,6−i−PrC63N=CH−CH=
NC63Pr−i−2,6}Pd{OC(OMe)E
t}Me][ClO4]、[{2,6−i−PrC63
N=CH−CH=NC63Pr−i−2,6}Pd{O
C(OMe)Et}Me][SO4]、[{2,6−i
−PrC63N=CH-CH=NC63Pr−i−2,6}Pd
(OEt2)Br][SbF6]、[{2,6−i−Pr
63N=CH−CH=NC63Pr−i−2,6}P
d(OEt2)Br][ClO4]、[{2,6−i−P
rC63N=CH−CH=NC63Pr−i−2,6}
PdO(OEt2)Br][SO4]、[{2,6−i−
PrC63N=CH−CH=NC63Pr−i−2,
6}Pd(OCMe2)Br][SbF6]、[{2,6
−i−PrC63N=CH−CH=NC63Pr−i−
2,6}Pd(OCMe2)Br][ClO4]、
[{2,6−i−PrC63N=CH−CH=NC63
Pr−i−2,6}Pd(OCMe2)Br][S
4]、[{2,6−i−PrC63N=CH−CH=
NC63Pr−i−2,6}Pd{OC(OMe)E
t}Br][SbF6]、[{2,6−i−PrC63
N=CH−CH=NC63Pr−i−2,6}Pd{O
C(OMe)Et}Br][ClO4]、[{2,6−
i−PrC63N=CH−CH=NC63Pr−i−
2,6}Pd{OC(OMe)Et}Br][S
4]、[{2,6−i−PrC63N=C(1,8−
Naphtyl)C=NC63Pr−i−2,6}Pd
(OEt2)Me][SbF6]、[{2,6−i−Pr
63N=C(1,8−Naphtyl)C=NC63
Pr−i−2,6}Pd(OEt2)Me][Cl
4]、[{2,6−i−PrC63N=C(1,8−
Naphtyl)C=NC63Pr−i−2,6}Pd
O(OEt2)Me][SO4]、[{2,6−i−Pr
63N=C(1,8−Naphtyl)C=NC63
Pr−i−2,6}Pd(OCMe2)Me][Sb
6]、[{2,6−i−PrC63N=C(1,8−
Naphtyl)C=NC63Pr−i−2,6}Pd
(OCMe2)Me][ClO4]、[{2,6−i−P
rC63N=C(1,8−Naphtyl)C=NC6
3Pr−i−2,6}Pd(OCMe2)Me][SO
4]、[{2,6−i−PrC63N=C(1,8−N
aphtyl)C=NC63Pr−i−2,6}Pd
{OC(OMe)Et}Me][SbF6]、[{2,
6−i−PrC63N=C(1,8−Naphtyl)
C=NC63Pr−i−2,6}Pd{OC(OMe)
Et}Me][ClO4]、[{2,6−i−PrC6
3N=C(1,8−Naphtyl)C=NC63Pr
−i−2,6}Pd{OC(OMe)Et}Me][S
4]、[{2,6−i−PrC63N=C(1,8−
Naphtyl)C=NC63Pr−i−2,6}Pd
(OEt2)Br][SbF6]、[{2,6−i−Pr
63N=C(1,8−Naphtyl)C=NC63
Pr−i−2,6}Pd(OEt2)Br][Cl
4]、[{2,6−i−PrC63N=C(1,8−
Naphtyl)C=NC63Pr−i−2,6}Pd
O(OEt2)Br][SO4]、[{2,6−i−Pr
63N=C(1,8−Naphtyl)C=NC63
Pr−i−2,6}Pd(OCMe2)Br][Sb
6]、[{2,6−i−PrC63N=C(1,8−
Naphtyl)C=NC63Pr−i−2,6}Pd
(OCMe2)Br][ClO4]、[{2,6−i−P
rC63N=C(1,8−Naphtyl)C=NC6
3Pr−i−2,6}Pd(OCMe2)Br][SO
4]、[{2,6−i−PrC63N=C(1,8−N
aphtyl)C=NC63Pr−i−2,6}Pd
{OC(OMe)Et}Br][SbF6]、[{2,
6−i−PrC63N=C(1,8−Naphtyl)
C=NC63Pr−i−2,6}Pd{OC(OMe)
Et}Br][ClO4]、[{2,6−i−PrC6
3N=C(1,8−Naphtyl)C=NC63Pr
−i−2,6}Pd{OC(OMe)Et}Br][S
4]、[{2,6−i−PrC63N=C(Me)−
C(Me)=NC63Pr−i−2,6}Ni(OEt
2)Me][SbF6]、[{2,6−i−PrC63
=C(Me)−C(Me)=NC63Pr−i−2,
6}Ni(OEt2)Me][ClO4]、[{2,6−
i−PrC63N=C(Me)−C(Me)=NC63
Pr−i−2,6}NiO(OEt2)Me][S
4]、[{2,6−i−PrC63N=C(Me)−
C(Me)=NC63Pr−i−2,6}Ni(OCM
2)Me][SbF6]、[{2,6−i−PrC63
N=C(Me)−C(Me)=NC63Pr−i−2,
6}Ni(OCMe2)Me][ClO4]、[{2,6
−i−PrC63N=C(Me)−C(Me)=NC6
3Pr−i−2,6}Ni(OCMe2)Me][SO
4]、[{2,6−i−PrC63N=C(Me)−C
(Me)=NC63Pr−i−2,6}Ni{OC(O
Me)Et}Me][SbF6]、[{2,6−i−P
rC63N=C(Me)−C(Me)=NC63Pr−
i−2,6}Ni{OC(OMe)Et}Me][Cl
4]、[{2,6−i−PrC63N=C(Me)−
C(Me)=NC63Pr−i−2,6}Ni{OC
(OMe)Et}Me][SO4]、[{2,6−i−
PrC63N=C(Me)−C(Me)=NC63Pr
−i−2,6}Ni(OEt2)Br][SbF6]、
[{2,6−i−PrC63N=C(Me)−C(M
e)=NC63Pr−i−2,6}Ni(OEt2)B
r][ClO4]、[{2,6−i−PrC63N=C
(Me)−C(Me)=NC63Pr−i−2,6}N
iO(OEt2)Br][SO4]、[{2,6−i−P
rC63N=C(Me)−C(Me)=NC63Pr−
i−2,6}Ni(OCMe2)Br][SbF6]、
[{2,6−i−PrC63N=C(Me)−C(M
e)=NC63Pr−i−2,6}Ni(OCMe2
Br][ClO4]、[{2,6−i−PrC63N=
C(Me)−C(Me)=NC63Pr−i−2,6}
Ni(OCMe2)Br][SO4]、[{2,6−i−
PrC63N=C(Me)−C(Me)=NC63Pr
−i−2,6}Ni{OC(OMe)Br}Et][S
bF6]、[{2,6−i−PrC63N=C(Me)
−C(Me)=NC63Pr−i−2,6}Ni{OC
(OMe)Br}Et][ClO4]、[{2,6−i
−PrC63N=C(Me)−C(Me)=NC63
r−i−2,6}Ni{OC(OMe)Br}Et]
[SO4]、[{2,6−i−PrC63N=CH−C
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H−CH=NC63Pr−i−2,6}Ni(OE
2)Me][ClO4]、[{2,6−i−PrC63
N=CH−CH=NC63Pr−i−2,6}NiO
(OEt2)Me][SO4]、[{2,6−i−PrC
63N=CH−CH=NC63Pr−i−2,6}Ni
(OCMe2)Me][SbF6]、[{2,6−i−P
rC63N=CH−CH=NC63Pr−i−2,6}
Ni(OCMe2)Me][ClO4]、[{2,6−i
−PrC63N=CH−CH=NC63Pr−i−2,
6}Ni(OCMe2)Me][SO4]、[{2,6−
i−PrC63N=CH−CH=NC63Pr−i−
2,6}Ni{OC(OMe)Et}Me][Sb
6]、[{2,6−i−PrC63N=CH−CH=
NC63Pr−i−2,6}Ni{OC(OMe)E
t}Me][ClO4]、[{2,6−i−PrC63
N=CH−CH=NC63Pr−i−2,6}Ni{O
C(OMe)Et}Me][SO4]、[{2,6−i
−PrC63N=CH−CH=NC63Pr−i−2,
6}Ni(OEt2)Br][SbF6]、[{2,6−
i−PrC63N=CH−CH=NC63Pr−i−
2,6}Ni(OEt2)Br][ClO4]、[{2,
6−i−PrC63N=CH−CH=NC63Pr−i
−2,6}NiO(OEt2)Br][SO4]、
[{2,6−i−PrC63N=CH−CH=NC63
Pr−i−2,6}Ni(OCMe2)Br][Sb
6]、[{2,6−i−PrC63N=CH−CH=
NC63Pr−i−2,6}Ni(OCMe2)Br]
[ClO4]、[{2,6−i−PrC63N=CH−
CH=NC63Pr−i−2,6}Ni(OCMe2
Br][SO4]、[{2,6−i−PrC63N=C
H−CH=NC63Pr−i−2,6}Ni{OC(O
Me)Et}Br][SbF6]、[{2,6−i−P
rC63N=CH−CH=NC63Pr−i−2,6}
Ni{OC(OMe)Et}Br][ClO4]、
[{2,6−i−PrC63N=CH−CH=NC63
Pr−i−2,6}Ni{OC(OMe)Et}Br]
[SO4]、[{2,6−i−PrC63N=C(1,
8−Naphtyl)C=NC63Pr−i−2,6}
Ni(OEt2)Me][SbF6]、[{2,6−i−
PrC63N=C(1,8−Naphtyl)C=NC
63Pr−i−2,6}Ni(OEt2)Me][Cl
4]、[{2,6−i−PrC63N=C(1,8−
Naphtyl)C=NC63Pr−i−2,6}Ni
O(OEt2)Me][SO4]、[{2,6−i−Pr
63N=C(1,8−Naphtyl)C=NC63
Pr−i−2,6}Ni(OCMe2)Me][Sb
6]、[{2,6−i−PrC63N=C(1,8−
Naphtyl)C=NC63Pr−i−2,6}Ni
(OCMe2)Me][ClO4]、[{2,6−i−P
rC63N=C(1,8−Naphtyl)C=NC6
3Pr−i−2,6}Ni(OCMe2)Me][SO
4]、[{2,6−i−PrC63N=C(1,8−N
aphtyl)C=NC63Pr−i−2,6}Ni
{OC(OMe)Et}Me][SbF6]、[{2,
6−i−PrC63N=C(1,8−Naphtyl)
C=NC63Pr−i−2,6}Ni{OC(OMe)
Et}Me][ClO4]、[{2,6−i−PrC6
3N=C(1,8−Naphtyl)C=NC63Pr
−i−2,6}Ni{OC(OMe)Et}Me][S
4]、[{2,6−i−PrC63N=C(1,8−
Naphtyl)C=NC63Pr−i−2,6}Ni
(OEt2)Br][SbF6]、[{2,6−i−Pr
63N=C(1,8−Naphtyl)C=NC63
Pr−i−2,6}Ni(OEt2)Br][Cl
4]、[{2,6−i−PrC63N=C(1,8−
Naphtyl)C=NC63Pr−i−2,6}Ni
O(OEt2)Br][SO4]、[{2,6−i−Pr
63N=C(1,8−Naphtyl)C=NC63
Pr−i−2,6}Ni(OCMe2)Br][Sb
6]、[{2,6−i−PrC63N=C(1,8−
Naphtyl)C=NC63Pr−i−2,6}Ni
(OCMe2)Br][ClO4]、[{2,6−i−P
rC63N=C(1,8−Naphtyl)C=NC6
3Pr−i−2,6}Ni(OCMe2)Br][SO
4]、[{2,6−i−PrC63N=C(1,8−N
aphtyl)C=NC63Pr−i−2,6}Ni
{OC(OMe)Et}Br][SbF6]、[{2,
6−i−PrC63N=C(1,8−Naphtyl)
C=NC63Pr−i−2,6}Ni{OC(OMe)
Et}Br][ClO4]、[{2,6−i−PrC6
3N=C(1,8−Naphtyl)C=NC63Pr
−i−2,6}Ni{OC(OMe)Et}Br][S
4]等を例示することができるが、これらに限定され
るものではない。
【0023】本発明のイオン交換反応により、周期表8
族、9族および10族から選ばれる遷移金属を含有する
ビスイミド化合物[b]がイオン交換性層状化合物
[a]にインターカレーションしてなる化合物[c]に
は活性を上げるため、必要に応じて有機アルミニウム化
合物[d]を加えても良い。有機アルミニウム化合物と
して、具体的にはトリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム、ト
リイソプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブ
チルアルミニウム、トリアミルアルミニウム等のトリア
ルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロライ
ド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルア
ルミニウムクロライド、ジ−t−ブチルアルミニウムク
ロライド、ジアミルアルミニウムクロライド等のジアル
キルアルミニウムハライド、メチルアルミニウムジクロ
ライド、エチルアルミニウムジクロライド、イソブチル
アルミニウムジクロライド、t−ブチルアルミニウムジ
クロライド、アミルアルミニウムジクロライド等のアル
キルアルミニウムジハライドが用いられるが、これらに
限定されるものではない。
【0024】一般にインターカレーションとは、ホスト
となる層状化合物の層間に原子、分子、イオンなどのゲ
スト化合物を挿入することをいい、インターカレーショ
ンされた層状化合物を層間化合物と呼ぶこともある。
【0025】イオン交換性層状化合物にゲスト化合物を
インターカレーションするための手段としては、層間イ
オンへの配位、層間水への水素結合、層間イオンとのイ
オン交換反応などが知られているが、本発明におけるイ
ンターカレーションの方法は層間イオンとのイオン交換
反応によるものである。イオン交換反応は通常極性溶媒
を用いて行い、特に水を介して行われる。これは、イオ
ン交換性層状化合物が極性溶媒中で膨潤することにより
層間が広がるとともに、ゲストであるイオン性化合物も
電離するため、イオン交換反応が起こりやすくなるから
である。このイオン交換反応の際に用いられる溶媒は水
が最も好ましいが、ビスイミド化合物[b]が水に溶解
しない場合には、ビスイミド化合物[b]が溶解する極
性溶媒、またはその極性溶媒と水との混合溶媒を使用す
る。また、混合溶媒を使用する際には水の割合が多いほ
ど良く、好ましくは含水率30%以上、より好ましくは
50%以上である。
【0026】本発明におけるイオン交換反応により、周
期表8族、9族および10族から選ばれる遷移金属を含
有するビスイミド化合物[b]がイオン交換性層状化合
物[a]にインターカレーションしてなる化合物[c]
の生成確認は、[c]のX線粉末回折(XRD)測定に
よる(00l)面の面間隔変化および元素分析によって
行うが、必要に応じて固体NMR測定、XPS測定、赤
外吸収スペクトル測定、紫外・可視吸収スペクトル測定
を行っても良い。
【0027】本発明においては、上記触媒を用いて、溶
液状態、懸濁状態または気相状態で、オレフィンを単独
重合または共重合することによってオレフィン重合体を
製造することができる。重合温度は−100〜300
℃、好ましくは0〜250℃であり、重合圧力は0.5
〜3000kgf/cm2、好ましくは1〜2000k
gf/cm2である。また、重合系内に分子量調節剤と
して水素を存在させても良い。
【0028】本発明において使用されるオレフィンとし
ては特に限定されないが、エチレン、プロピレン、1−
ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1
−ペンテン、3−メチル−1−ブテンもしくはビニルシ
クロアルカン等のα−オレフィン、ノルボルネンもしく
はノルボルナジエン等の環状オレフィン、ブタジエンも
しくは1,4−ヘキサジエン等のジエン、およびスチレ
ンもしくはビニルナフタレン等の芳香族ビニルを例示す
ることができる。また、本発明において使用される極性
モノマーも特に限定はなく、酢酸ビニル、アクリル酸メ
チル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル等
のメタクリル酸エステル類、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、アクリルアミド、4−ビニルピリジン、
4−ビニルアニリンを例示することができる。さらに、
これらのオレフィンまたは極性モノマーについては各々
2種類以上混合して用いることもできる。
【0029】本発明において、重合を溶液状態または懸
濁状態で実施する場合、重合溶媒としては一般に用いら
れる有機溶剤であればいずれでもよく、具体的にはクロ
ロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭
化水素、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペン
タン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n
−ノナン、n−デカン等の炭素数3〜20の脂肪族炭化
水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭素数6〜2
0の芳香族炭化水素等を用いることができ、またはオレ
フィン自身を溶媒として用いることもできる。
【0030】
【実施例】以下実施例によって本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】還元処理、塩類処理、ルイス塩基処理、触
媒調製、重合反応および溶媒精製は全て不活性ガス雰囲
気下で行った。また、触媒調製および重合反応に用いた
溶媒等は全て予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行
ったものを用いた。触媒調製に用いた{2,6−i−P
rC63N=C(Me)−C(Me)=NC63Pr−
i−2,6}Ni(Me)Clは公知の方法により合
成、同定したものを用いた。
【0032】また、CHN元素分析装置は柳本社製 ヤ
ナコCHNコーダー MT−5を、X線粉末回折装置は
マックサイエンス社製 MXP18を、1H−NMRは日
本電子製 JNMGX400を用いた。
【0033】調製例1 [{2,6−i−PrC63N=C(Me)−C(M
e)=NC63Pr−i−2,6}Ni(OEt2)M
e][SbF6]の合成 100mlのシュレンク管に、{2,6−i−PrC6
3N=C(Me)−C(Me)=NC63Pr−i−
2,6}Ni(Me)Cl 2.87gおよびヘキサフ
ルオロアンチモン酸銀1.93gを採取し、ここに−7
8℃のジエチルエーテル70mlを加えた。−78℃で
3時間攪拌した後、ゆっくりと温度を上げながらさらに
一晩攪拌させた。このスラリーを濾過して、濾液を予め
60mlのジエチルエーテルを入れておいた1000m
lのシュレンク管に採取した。残った固形物はジエチル
エーテル:塩化メチレン=2:1の混合溶媒35mlで
2回、ジエチルエーテル:塩化メチレン=1:1の混合
溶媒35mlで10回洗浄して、洗浄液はいずれも先の
1000mlシュレンク管に回収した。回収した溶液を
150mlまで濃縮した後、ヘキサンを200ml加え
て、再度濾過を行った。残った固形物を乾燥させたとこ
ろ、[{2,6−i−PrC63N=C(Me)−C
(Me)=NC63Pr−i−2,6}Ni(OE
2)Me][SbF6]を3.35g得た。
【0034】モンモリロナイトへのインターカレーショ
ン 50mlのシュレンク管に、[{2,6−i−PrC6
3N=C(Me)−C(Me)=NC63Pr−i−
2,6}Ni(OEt2)Me][SbF6]を161.
0mg採取し、アセトニトリル20mlを加えて均一溶
液とした。この溶液に水20mlをゆっくり加え、十分
に攪拌した。別の50mlシュレンク管に、乾燥モンモ
リロナイト(クニミネ工業社製)161.3mgを採取
し、ここに先の錯体溶液を加えて一晩攪拌した。攪拌終
了後、濾過し、さらに上澄み液が着色しなくなるまでア
セトニトリルで洗浄してから室温減圧下で乾燥させた。
回収した層間化合物をXRD測定したところ、d001
本面間隔は20.2オングストロームであり、インター
カレーション前の12.1オングストロームより8.1
オングストローム増加しており、錯体がインターカレー
ションしていることが確認できた。さらに、CHN元素
分析結果から錯体担持量を求めたところ、層間化合物1
00gあたり9.1mmolであった。
【0035】実施例1 エチレンの重合 2lのオートクレーブに、調製例1で得られた層間化合
物117.5mgと塩化メチレン400mlを入れた。
このオートクレーブに、エチレンを10kg/cm2
圧力に保ちながら導入し、25℃の温度で20時間重合
した。反応終了後、未反応のエチレンを除去したところ
12.1gのポリマーを得た。担持錯体当たりの活性は
1.13kg/mmolであった。1H−NMRによ
り、このポリマーの主鎖炭素原子1000個あたりの分
岐数を求めたところ74個であった。
【0036】調製例2 ヘクトライトへのインターカレーション [{2,6−i−PrC63N=C(Me)−C(M
e)=NC63Pr−i−2,6}Ni(OEt2)M
e][SbF6]の量を135mgに、モンモリロナイ
トの代わりにヘクトライト(日本シリカ社製)を18
2.8mg用いた以外、調製例1のモンモリロナイトへ
のインターカレーションと同様に操作を行い層間化合物
を得た。この層間化合物のd001基本面間隔は21.0
オングストロームであり、錯体担持量は層間化合物10
0gあたり19.7mmolであった。
【0037】実施例2 エチレンの重合 層間化合物を調製例2で得られたもの117.8mgに
変更した以外は実施例1と同様にして重合を行い、2
2.3gのポリマーを得た。担持錯体当たりの活性は
0.96kg/mmolであった。1H−NMRによ
り、このポリマーの主鎖炭素原子1000個あたりの分
岐数を求めたところ72個であった。
【0038】調製例3 テニオライトへのインターカレーション [{2,6−i−PrC63N=C(Me)−C(M
e)=NC63Pr−i−2,6}Ni(OEt2)M
e][SbF6]の量を202mgに、モンモリロナイ
トの代わりにテニオライト(トピー工業社製)を10
8.6mg用いた以外、調製例1のモンモリロナイトへ
のインターカレーションと同様に操作を行い層間化合物
を得た。この層間化合物のd001基本面間隔は14.6
オングストロームであり、錯体担持量は層間化合物10
0gあたり8.2mmolであった。
【0039】実施例3 エチレンの重合 層間化合物を調製例3で得られたもの47.3mgに変
更した以外は実施例1と同様にして重合を行い、2.8
gのポリマーを得た。担持錯体当たりの活性は0.72
kg/mmolであった。1H−NMRにより、このポ
リマーの主鎖炭素原子1000個あたりの分岐数を求め
たところ76個であった。
【0040】調製例4 サポナイトへのインターカレーション [{2,6−i−PrC63N=C(Me)−C(M
e)=NC63Pr−i−2,6}Ni(OEt2)M
e][SbF6]の量を143mgに、モンモリロナイ
トの代わりにサポナイト(クニミネ鉱業社製)を17
0.2mg用いた以外、調製例1のモンモリロナイトへ
のインターカレーションと同様に操作を行い層間化合物
を得た。この層間化合物のd001基本面間隔は19.3
オングストロームであり、錯体担持量は層間化合物10
0gあたり24.8mmolであった。
【0041】実施例4 エチレンの重合 層間化合物を調製例4で得られたもの105.2mgに
変更した以外は実施例1と同様にして重合を行い、1
7.9gのポリマーを得た。担持錯体当たりの活性は
0.79kg/mmolであった。1H−NMRによ
り、このポリマーの主鎖炭素原子1000個あたりの分
岐数を求めたところ77個であった。
【0042】調製例5 膨潤性雲母へのインターカレーション [{2,6−i−PrC63N=C(Me)−C(M
e)=NC63Pr−i−2,6}Ni(OEt2)M
e][SbF6]の量を115.4mgに、モンモリロ
ナイトの代わりに膨潤性雲母(コープケミカル社製)を
172.4mg用いた以外、調製例1のモンモリロナイ
トへのインターカレーションと同様に操作を行い層間化
合物を得た。この層間化合物のd001基本面間隔は1
8.7オングストロームであり、錯体担持量は層間化合
物100gあたり26.3mmolであった。
【0043】実施例5 エチレンの重合 層間化合物を調製例5で得られたもの120.4mgに
変更した以外は実施例1と同様にして重合を行い、3
2.6gのポリマーを得た。担持錯体当たりの活性は
1.03kg/mmolであった。1H−NMRによ
り、このポリマーの主鎖炭素原子1000個あたりの分
岐数を求めたところ71個であった。
【0044】比較例1 エチレンの重合 層間化合物の代わりに、[{2,6−i−PrC63
=C(Me)−C(Me)=NC63Pr−i−2,
6}Ni(OEt2)Me][SbF6]を83.5mg
用いた以外は実施例1と同様にして重合を行い、65.
9gのポリマーを得た。活性は0.66kg/mmol
であった。1H−NMRにより、このポリマーの主鎖炭
素原子1000個あたりの分岐数を求めたところ85個
であった。
【0045】
【表1】
【0046】調製例6 モンモリロナイトへのインターカレーション 50mlのシュレンク管に、[{2,6−i−PrC6
3N=C(Me)−C(Me)=NC63Pr−i−
2,6}Ni(OEt2)Me][SbF6]を112.
8mg採取し、アセトニトリル20mlを加えて均一溶
液とした。この溶液に水20mlをゆっくり加え、十分
に攪拌した。別の50mlシュレンク管に、乾燥モンモ
リロナイト(クニミネ工業社製)119.3mgを採取
し、ここに先の錯体溶液を加えて一晩攪拌した。攪拌終
了後、濾過し、さらに上澄み液が着色しなくなるまでア
セトニトリル:水=1:1の混合溶媒で洗浄してから室
温減圧下で乾燥させた。回収した層間化合物をXRD測
定したところ、d001基本面間隔は24.3オングスト
ロームであり、錯体担持量は層間化合物100gあたり
42.4mmolであった。
【0047】実施例6 エチレンとアクリル酸メチルとの共重合 2lのオートクレーブに、調製例6で得られた層間化合
物110.9mg、塩化メチレン400mlおよびアク
リル酸メチル3mlを入れた。このオートクレーブに、
エチレンを10kg/cm2の圧力に保ちながら導入
し、25℃の温度で12時間重合した。反応終了後、未
反応のエチレンを除去したところ28.4gのポリマー
を得た。担持錯体当たりの活性は0.60kg/mmo
lであった。1H−NMRにより、このポリマーの主鎖
炭素原子1000個あたりの分岐数を求めたところ69
個であった。また、アクリル酸メチルの含有量は0.0
1mol%であった。
【0048】調製例7 ヘクトライトへのインターカレーション [{2,6−i−PrC63N=C(Me)−C(M
e)=NC63Pr−i−2,6}Ni(OEt2)M
e][SbF6]の量を124.5mgに、モンモリロ
ナイトの代わりにヘクトライト(日本シリカ社製)を1
71.2mg用いた以外、調製例6のモンモリロナイト
へのインターカレーションと同様に操作を行い層間化合
物を得た。この層間化合物のd001基本面間隔は21.
3オングストロームであり、錯体担持量は層間化合物1
00gあたり35.9mmolであった。
【0049】実施例7 エチレンとアクリル酸メチルとの共重合 層間化合物を調製例7で得られたもの82.7mgに変
更した以外は実施例1と同様にして重合を行い、17.
8gのポリマーを得た。担持錯体当たりの活性は0.6
0kg/mmolであった。1H−NMRにより、この
ポリマーの主鎖炭素原子1000個あたりの分岐数を求
めたところ71個であった。また、アクリル酸メチルの
含有量は0.02mol%であった。
【0050】比較例2 エチレンとアクリル酸メチルとの共重合 層間化合物の代わりに、[{2,6−i−PrC63
=C(Me)−C(Me)=NC63Pr−i−2,
6}Ni(OEt2)Me][SbF6]を44.5mg
用いた以外は実施例6と同様にして重合を行い、25.
0gのポリマーを得た。担持錯体当たりの活性は0.4
7kg/mmolであった。このポリマーの主鎖炭素原
子1000個あたりの分岐数を求めたところ81個であ
った。また、アクリル酸メチルの含有量は0.01mo
l%であった。
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による新規
な触媒を用いることにより、極性モノマーとの共重合が
可能であるにもかかわらず、活性が高く、分岐の少ない
オレフィン重合体を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J028 AA01A AB00A AC45A AC46A AC47A AC48A BA00B BA01A BB00B BB01A BC15A BC16A BC17A CA30A EA01 EB02 EB04 EB05 EB07 EB10 EB13 EB15 EB18 EB21 EC01 EC02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン交換反応により、周期表8族、9族
    および10族から選ばれる遷移金属を含有するビスイミ
    ド化合物[b]がイオン交換性層状化合物[a]にイン
    ターカレーションしてなる化合物[c]を用いるオレフ
    ィン重合用触媒。
  2. 【請求項2】イオン交換反応により、周期表8族、9族
    および10族から選ばれる遷移金属を含有するビスイミ
    ド化合物[b]がイオン交換性層状化合物[a]にイン
    ターカレーションしてなる化合物[c]および有機アル
    ミニウム化合物[d]からなるオレフィン重合用触媒。
  3. 【請求項3】イオン交換性層状化合物[a]が、粘土鉱
    物であることを特徴とする請求項1〜2に記載のオレフ
    ィン重合用触媒。
  4. 【請求項4】周期表8族、9族および10族から選ばれ
    る遷移金属を含有するビスイミド化合物[b]が、下記
    一般式(1) 【化1】 [式中、Mは周期表8族、9族および10族から選ばれ
    る遷移金属であり、R1,R4は各々独立して水素原
    子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のア
    リール基、炭素数6〜20のアリールアルキル基または
    炭素数6〜20のアルキルアリール基であり、R2,R
    3は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル
    基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のア
    リールアルキル基または炭素数6〜20のアルキルアリ
    ール基であり、またそれらが互いに結合して環を形成し
    ていても良く、R5はハロゲン原子、水素原子、炭素数
    1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、
    炭素数6〜20のアリールアルキル基または炭素数6〜
    20のアルキルアリール基であり、XはMに配位可能な
    分子であり、Yは任意のアニオンである。]であること
    を特徴とする請求項1〜3に記載のオレフィン重合用触
    媒。
  5. 【請求項5】イオン交換性層状化合物[a]に、周期表
    8族、9族および10族から選ばれる遷移金属を含有す
    るビスイミド化合物[b]をイオン交換反応によりイン
    ターカレーションする方法において、イオン交換反応を
    水を含む溶媒を用いて行うことを特徴とするオレフィン
    重合用触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜4に記載のオレフィン重合用触
    媒の存在下、オレフィンもしくは、オレフィンと極性モ
    ノマーとを溶液状態、懸濁状態または気相状態で、−1
    00〜300℃の温度下で、重合または共重合すること
    を特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
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