JP4409694B2 - α−オレフィン製造用触媒及びα−オレフィンの製造方法 - Google Patents

α−オレフィン製造用触媒及びα−オレフィンの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、α−オレフィン製造用触媒及びα−オレフィンの製造方法に関し、さらに詳しくは、α−オレフィンを効率よくかつ安価に製造することのできるα−オレフィン製造用触媒と該触媒を使用したエチレンのオリゴマー化によるα−オレフィンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりエチレンをオリゴマー化させてα−オレフィンを製造するにあたり、主触媒として遷移金属錯体を、助触媒としてアルモキサン等の含酸素有機アルミニウム化合物やパーフルオロテトラフェニルボレート塩等の硼素系化合物を使用する方法が知られている。しかし、これらの助触媒の通常の使用量は主触媒に対して数百倍モル必要で、触媒当たりの活性が低く効率が悪い。また、重質成分やワックス成分等の副生物が多いという欠点を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたもので、高いエチレンのオリゴマー化活性を発現することができ、かつ重質成分やワックス成分等の副生物が少ない触媒及び該触媒を用いてエチレンをオリゴマー化するα−オレフィンの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、助触媒として粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物を使用することにより、上記目的を効果的に達成し得ることを見出し本発明を完成したものである。
【0005】
すなわち、本発明の要旨は、下記のとおりである。
(1)(a)粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物と(b)周期律表第8〜10族の遷移金属錯体とを接触させて得られるα−オレフィン製造用触媒。
(2)(b)成分の遷移金属錯体の配位子が、炭素−窒素不飽和結合を有するものである上記(1)記載のα−オレフィン製造用触媒。
(3)(a)成分の粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が、フィロ珪酸類を含む無機物を含有するものである上記(1)又は(2)に記載のα−オレフィン製造用触媒。
(4)(a)成分の粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が、モンモリロナイトである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のα−オレフィン製造用触媒。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のα−オレフィン製造用触媒を用いてエチレンをオリゴマー化することを特徴とするα−オレフィンの製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明のα−オレフィン製造用触媒は、(a)粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物(以下、粘土等ともいう。)(b)周期律表第8〜10族の遷移金属錯体とを接触させることによって得られる。これら(a),(b)成分について、具体的に説明する。
【0007】
a)成分
前記(a)成分の一つとして、粘土または粘土鉱物が用いられる。粘土は、細かい含水ケイ酸塩鉱物の集合体であって、適当量の水を混ぜてこねると可塑性を生じ、乾かすと剛性を示し、高温度で焼くと焼結するような物質であり、また、粘土鉱物は、粘土の主成分をなす含水ケイ酸塩である。前記α−オレフィン製造用触媒成分の調製には、粘土、粘土鉱物のいずれを用いてもよく、これらは、天然産のものでも、人工合成したものであってもよい。
【0008】
また、前記(a)成分として、イオン交換性層状化合物を用いることができる。このイオン交換性層状化合物は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で、平行に積み重なった結晶構造をとる化合物であり、これに含有されるイオンが交換可能なものである。粘土鉱物の中には、イオン交換性層状化合物であるものもある。
【0009】
これら(a)成分について、その具体例を示すと、例えば粘土鉱物としてフィロ珪酸類を挙げることができる。フィロ珪酸類としては、フィロ珪酸やフィロ珪酸塩がある。フィロ珪酸塩には、天然品として、スメクタイト族に属するモンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、雲母族に属するイライト、セリサイト及びスメクタイト族と雲母族または雲母族とバーミキュライト族との混合層鉱物等を挙げることができる。また、合成品として、フッ素四珪素雲母、ラポナイト、スメクトン等を挙げることができる。この他、α−Zr(HPO4 2 、γ−Zr(HPO4 2 、α−Ti(HPO4 2 及びγ−Ti(HPO4 2 等の粘土鉱物ではない層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物を用いることができる。
【0010】
また、イオン交換性層状化合物に属さない粘土および粘土鉱物としては、モンモリロナイト含量が低いためベントナイトと呼ばれる粘土、モンモリロナイトに他の成分が多く含まれる木節粘土、ガイロメ粘土、繊維状の形態を示すセピオライト、パリゴルスカイト、また、非結晶質あるいは低結晶質のアロフェン、イモゴライト等がある。
上記の(a)成分としては、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1ミリリットル/g以上、特に0.2〜5.5ミリリットル/gのものが好ましい。
【0011】
次に、これら(a)成分を、(b)成分と接触する前に、粘土、粘土鉱物およびイオン交換性層状化合物中の不純物を除去し、また、これらの構造や機能に変化を与えることにより、触媒成分としてより好ましい形態とするために、化学処理を施すことが望ましい。
この化学処理においては、粘土等の表面に付着している不純物を除去する表面処理と、粘土等の結晶構造に影響を与える処理があり、具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理等を挙げることができる。
【0012】
この酸処理においては、表面の不純物を取り除くとともに、粘土等の結晶構造中のアルミニウム、鉄、マグネシウム等の陽イオンを溶出させることによって、その表面積を増大させることができる。また、アルカリ処理においては、粘土の結晶構造を好ましい形態に変化させることができる。さらに、塩類処理や有機物処理においては、イオン複合体、分子複合体、有機複合体などを形成し、表面積や層間距離等を好ましい形態に変化させることができる。例えば、イオン交換性を利用して、層間の交換性イオンを別の嵩高いイオンと置換することによって、層間が拡大された状態の層間物質を得ることもできる。
【0013】
また、この(a)成分はそのまま用いてもよいし、新たに水を添加吸着させたものを用いてもよく、あるいは加熱脱水処理したものを用いてもよい。
このようにして化学処理をした粘土類は、より触媒活性を高めるために、有機シラン化合物で処理することもできる。その有機シラン化合物としては、下記一般式(1)で表される有機シラン化合物を挙げることができる。
8 n SiX2 4-n ・・・(1)
〔式中、R8 は、珪素原子と直接結合する部位の原子が、炭素原子、珪素原子または水素原子である置換基であり、X2 は、珪素原子と直接結合する部位の原子が、ハロゲン原子、酸素原子または窒素原子である置換基であり、R8 およびX2 が複数存在するときには、複数のR8 またはX2 は同一でも異なっていてもよい。nは、1〜3の整数である。〕
また、前記有機シラン化合物は、下記一般式(2)
3 4-nSi(CH2 m SiX3 4-n ・・・(2)
〔式中、X3 は、珪素原子と直接結合する部位の原子が、ハロゲン原子、酸素原子または窒素原子である置換基であり、X3 が複数存在するときには、複数のX3 は同一でも異なっていてもよい。mは1〜10、nは1〜3を表す。〕
で表されるビスシリル体や、多核のポリシロキサン、ポリシラザンなどの形態であってもよい。
【0014】
前記一般式で表される有機シラン化合物の具体的な化合物としては、例えば、トリメチルシリルクロリド,トリエチルシリルクロリド,トリイソプロピルシリルクロリド,t−ブチルジメチルシリルクロリド,tert−ブチルジフェニルシリルクロリド,フェネチルジメチルシリルクロリド等のトリアルキルシリルクロリド類、ジメチルシリルジクロリド,ジエチルシリルジクロリド,ジイソプロピルシリルジクロリド,ジ−n−ヘキシルシリルジクロリド,ジシクロヘキシルシリルジクロリド,ドコシルメチルシリルジクロリド,ビス(フェネチル)シリルジクロリド,メチルフェネチルシリルジクロリド,ジフェニルシリルジクロリド,ジメシチルシリルジクロリド,ジトリルシリルジクロリド等のジアルキルシリルジクロリド類、ジアリールシリルジクロリド類、アルキルアリールシリルジクロリド類を挙げることができる。
【0015】
また、上記化合物におけるクロリドの部分を他のハロゲン元素で置き換えたシリルハライド類、ビス(トリメチルシリル)アミド,ビス(トリエチルシリル)アミド,ビス(トリイソプロピルシリル)アミド,ビス(ジメチルエチルシリル)アミド,ビス(ジエチルメチルシリル)アミド,ビス(ジメチルフェニルシリル)アミド、ビス(ジメチルトリルシリル)アミド,ビス(ジメチルメシチルシリル)アミド等のジシラザン類、トリメチルシリルヒドロキシド,トリエチルシリルヒドロキシド、トリイソプロピルシリルヒドロキシド,tert−ブチルジメチルシリルヒドロキシド,フェネチルジメチルシリルヒドロキシド等のトリアルキルシリルヒドロキシド類、パーアルキルポリシロキシポリオールの慣用名で称せられるポリシラノール類、ビス(メチルジクロロシリル)メタン,1,2−ビス(メチルジクロロシリル)エタン,ビス(メチルジクロロシリル)オクタン,ビス(トリエトキシシリル)エタン等のビスシリル類、ジメチルクロロシラン,(N,N−ジメチルアミノ)ジメチルシラン,ジイソブチルクロロシラン等のヒドリドを有するシラン類をが挙げることができる。これら有機シラン化合物は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
これらの有機シラン化合物の中でも、珪素原子と直接結合するアルキル基を少なくとも一個有するものが好ましく、アルキルシリルハライド類、特にジアルキルシリルジハライド類が好適に使用される。そして、これら有機シラン化合物による処理は、水の存在下に行う方が効果的である。その場合、水は粘土類の結晶構造(特に積層構造)を崩し、有機シラン化合物と、粘土類との接触効率を高める作用をする。すなわち、その水が粘土類の結晶の層間を拡大させ、積層内の結晶に有機シラン化合物の拡散を促すのである。
【0017】
以上の(a)成分は一種用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これら(a)成分の中でも、粘土または粘土鉱物が好ましく、具体的には、フィロ珪酸類が好ましく、さらにスメクタイトが好ましく、特に好ましいのはモンモリロナイトである。
【0018】
b)成分
一般に主触媒と呼ばれる(b)成分の周期律表第8〜10族の遷移金属錯体としては、メタロセンという有機金属錯体の一化合物群に限定にされることなく、広範囲の有機金属錯体から選択することができる。
その周期律表第8〜10族の遷移金属錯体の好ましいものとして下記一般式(3)で表されるものを挙げることができる。
1 2 3 MXm n ・・・(3)
上記一般式(3)において、Mは周期律表第8〜10族の遷移金属を示すが、具体的には鉄,コバルト,ニッケル,パラジウム,白金等を挙げることができるが、中でも鉄,コバルトが好ましい。L1 〜L3 は炭素−窒素不飽和結合を有する共有結合性の配位子を示し、互いに結合して環を形成していてもよい。また、X,Yはそれぞれ共有結合性又はイオン結合性の配位子を示し、具体的には水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)の炭化水素基、炭素数1〜20(好ましくは1〜10)のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜20(好ましくは1〜12)のリン含有炭化水素基(例えば、ジフェニルホスフィン基)、炭素数1〜20(好ましくは1〜12)の珪素含有炭化水素基、又はハロゲン含有硼素化合物(例えば、BF4 )を示す。これらの中で、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基が好ましい。このX及びYは互いに同一であっても異なっていてもよい。また、m及びnは0〜3の整数である。
【0019】
上記一般式(3)の遷移金属錯体として、具体的には2,6−ジアセチルピリジンビスイミン化合物、2,6−ジアミドピリジン化合物、2,6−ジアセチルアニリンビスイミン化合物などを配位子とする鉄又はコバルト錯体化合物がある。中でも、2,6−ジアセチルピリジンビスイミン化合物錯体が好ましく、このようなものとしては、例えば下記一般式(4)
【0020】
【化1】
Figure 0004409694
【0021】
(式中、R1 〜R5 は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、それらは互いに結合して環を形成してもよく、R6 及びR7 は、それぞれ独立に炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基又は全炭素数7〜20の環上に炭化水素基を有する芳香族基を示す。また、X1 及びY1 は、それぞれ独立にハロゲン原子又は炭素数1〜20の炭化水素基、Mは周期律表第8〜10族遷移金属を示す。)
で表される錯体化合物を挙げることができる。
【0022】
上記一般式(4)において、R1 〜R5 のうちの炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基などを挙げることができる。上記の炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐状アルキル基として、具体的には、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種オクチル基,各種デシル基,各種テトラデシル基,各種ヘキサデシル基,各種オクタデシル基などを挙げることができる。上記の炭素数3〜20のシクロアルキル基として、具体的には、シクロペンチル基,シクロヘキシル基,シクロオクチル基などを挙げることができる。なお、シクロアルキル基の環上には低級アルキル基などの適当な置換基が導入されていてもよい。また、炭素数6〜20のアリール基として、具体的には、フェニル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基,メチルナフチル基などを挙げることができる。炭素数7〜20のアラルキル基として、具体的には、ベンジル基,フェネチル基などを挙げることができる。
【0023】
上記一般式(4)において、R6 及びR7 のうち炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、前記R1 〜R5 のうち炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状アルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基の説明と同様である。また、全炭素数7〜20の環上に炭化水素基を有する芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基やナフチル基などの芳香族環上に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基が1個以上導入された基などを挙げることができる。このR6 及びR7 としては、環上に炭化水素基を有する芳香族基が好ましく、特に2,4−ジメチルフェニル基が好適である。
【0024】
上記一般式(4)において、X1 及びY1 のうちハロゲン原子としては、塩素、臭素及びヨウ素などを挙げることができるが、中でも塩素原子が好ましい。また、X1 及びY1 のうち炭素数1〜20の炭化水素基としては、前記R1 〜R5 の説明と同様である。
以上の(b)成分は一種用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
次に、前記(a)成分と(b)成分とを接触させてα−オレフィン製造用触媒を調製する方法について説明する。これら2成分の接触処理は、大気中で行ってもよいが、アルゴンや窒素等の不活性気流中で行うのが好ましい。また、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,トルエン,キシレン等の炭化水素中において行うのが好ましい。さらに、触媒にとって有害な水や水酸基,アミノ基等の活性水素を有する化合物の存在しない系で行う方が好ましい。そのためには、後で述べる(c)成分のアルキル化剤を用いて予め系内から水や活性水素を有する化合物を除去した方がよい。すなわち、(a)(b)及び(c)を接触して得られたものを触媒として使用した方がよい。なお、この(c)成分は必ずしも触媒調製時に使用する必要はなく、α−オレフィンの製造時に反応系内で使用してもよい。
【0026】
上記の(c)成分のアルキル化剤として、有機亜鉛化合物や有機マグネシウム化合物も使用できるが、安価で入手可能な有機アルミニウム化合物が好ましい。具体的には、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリプロピルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,トリ−tert−ブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムクロリド,ジメチルアルミニウムメトキシド,ジエチルアルミニウムエトキシド等のハロゲンあるいはアルコキシ基含有のアルキルアルミニウム、メチルアルモキサン,エチルアルモキサン,イソブチルアルモキサン等のアルモキサンなどを挙げることができる。中でも、トリアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリイソブチルアルミニウムが好ましい。
【0027】
そして、(a)成分と(b)成分との使用割合は、(a)成分の粘土等の単位重量(g)に対し、(b)成分の遷移金属錯体0.01〜100ミリモル、好ましくは0.1〜1ミリモルの範囲である。(c)成分のアルキル化剤の使用量は、通常(a)成分の粘土等の単位重量(g)に対し、(c)成分0.1〜1,000ミリモル、好ましくは10〜100ミリモルの範囲であるが、過剰に使用した場合でも、粘土等の懸濁スラリーを溶媒で洗浄し、系外に除去することができる。
これら触媒成分の接触処理は、触媒調製槽で行ってもよいし、反応器内で行ってもよい。また、その接触処理の温度、圧力、時間等の条件は特に限定されないが、溶媒の沸点以下の温度、4.0MPa以下のゲージ圧、24時間の以内で行えば本発明の目的とする触媒性能が達成できる。
【0028】
最後に、本発明のα−オレフィンの製造方法について説明する。本発明のα−オレフィンの製造法においては、上記のとおりに調製した触媒を用いて、必要により前記(c)成分の存在下、エチレンのオリゴマー化反応を行う。この反応を行う方法については、特に制限はなく、溶媒を用いる溶液反応法をはじめ、実質上溶媒を用いない液相無溶媒反応法、気相反応法など任意の方法を採用することができ、また連続反応,回分式反応のいずれであってもよい。溶媒を用いる場合には、その溶媒としては、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,シクロヘキサン,ベンゼン、トルエン等の炭化水素溶媒を挙げることができ、これらの溶媒は単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。溶媒を用いる場合の触媒の使用量は、溶媒1リットル当たり、(b)成分が、通常、0.1〜100マイクロモル、好ましくは1〜20マイクロモルの範囲において行うのが反応活性の面から有利である。
【0029】
反応条件については特に限定されないが、反応温度は、通常−78〜200℃、好ましくは常温〜150℃の範囲である。反応系のエチレン圧については、通常常圧〜15MPa、好ましくは常圧〜5MPaの範囲である。また、反応に際しての分子量の調節は、公知の手段、例えば温度や圧力の選定、あるいは水素の導入により行うことができる。
【0030】
【実施例】
次に、本発明を具体的に実施例にて説明するが、本発明はこれらの例によってなんら制限されるものではない。
〔実施例1〕
(1)化学処理粘土A
市販のモンモリロナイト(クニミネ工業社製、クニピアF)40gを粉砕機で4時間粉砕した。500ミリリットル容積の三ツ口セパラブルフラスコに粉砕したモンモリロナイト20gを入れ、塩化マグネシウム六水和物20gを溶解させた脱イオン水100ミリリットル中に分散させ、攪拌下90℃で0.5時間処理した。処理後、固体成分を水洗した。塩化マグネシウム処理及び水洗をもう一度繰り返して、塩化マグネシウム処理モンモリロナイトを得た。次にこれを6%の塩酸水溶液160ミリリットルに分散させて、攪拌しながら還流下で2時間処理した。処理後、ろ液が中性になるまで水洗を繰り返し、得られた粘土スラリーを加圧ろ過した。
ろ過物を常温で真空下18時間乾燥を行ない、化学処理粘土Aを得た。化学処理粘土Aの水分含量は15重量%であった。但し、水分含量の測定は、乾燥した化学処理粘土をマッフル炉に入れ、30分で150℃に昇温し、その温度で1時間保持して得られた粘土の重量減少量から算出した。
【0031】
(2)修飾化処理粘土スラリーB
300ミリリットル容積のシュレンク管に化学処理粘土A(水分含量15重量%)1.0gとトルエン50ミリリットルを加え粘土スラリーを得た。その粘土スラリー溶液を攪拌しながら、これにジ−n−ヘキシルシリルジクロリド0.96g(3.6ミリモル)を15分かけてゆっくり滴下した。滴下後、窒素気流下、常温で攪拌を3日間行った。その後100℃にて1時間加熱し、200ミリリットルのトルエンで2回洗浄した。そして、得られたスラリーを0.5モル/リットル濃度のトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液25ミリリットルを加えて100℃にて1時間加熱し200ミリリットルのトルエンにて2回洗浄し、全量をトルエンで50ミリリットルに調整して微細化した修飾化処理粘土スラリーBを調製した。
【0032】
(3)遷移金属触媒の調製
1.0マイクロモル/ミリリットル濃度の2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4−キシリルイミン)鉄ジクロリドのトルエン溶液5.0ミリリットルを2.5ミリリットルの修飾化処理粘土スラリーB中に室温で添加し、室温で0.5時間攪拌した。このようにして7.5ミリリットルの触媒調製液C(50mgの粘土を含む触媒)を調製した。
【0033】
(4)エチレンのオリゴマー化反応
1リットル容積のオートクレーブにトルエン400ミリリットル、1.0ミリモル/ミリリットルのトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液1.0ミリリットル添加し、50℃に昇温した。そこで実施例1の(3)で調製した7.5ミリリットルの触媒調製液C(50mgの粘土を含む触媒)を投入し、エチレン圧力3.5MPaを保てるように連続的に供給しながら、30分間反応を行った。その後、1.0モル/リットル濃度の水酸化ナトリウム水溶液の添加により反応を停止した。
【0034】
未反応のエチレン及び生成した1−ブテンと1−ヘキセンの一部は湿式流量計で全容量を量った後、ガスクロマトグラフィーにより成分分析し、定量した。反応溶液中のα−オレフィンはn−ウンデカンを内部標準としてガスクロマトグラフィーにより定量した。また、重合体はろ過分離し、120℃で12時間乾燥し定量した。その結果、全生成物重量は95.06gであった。鉄金属当たりのオリゴマー活性は、681kg/g−Fe/hであった。α−オレフィン分布及び純度の結果をそれぞれ第1表、第2表に示す。
【0035】
〔比較例1〕
(1)遷移金属触媒の調製
実施例1の(3)において、1.0マイクロモル/ミリリットル濃度の2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4−キシリルイミン)鉄ジクロリドのトルエン溶液5.0ミリリットルをそのまま使用し、触媒調製液Dとした。
【0036】
(2)エチレンのオリゴマー化反応
1リットル容積のオートクレーブにトルエン400ミリリットル、1.0ミリモル/ミリリットル濃度(−Al(CH3)O−を1ユニットとして換算)のポリメチルアルモキサンのトルエン溶液1.0ミリリットル添加し、50℃に昇温した。そこで比較例1の(1)で調製した5.0ミリリットルの触媒調製液Dを投入し、エチレン圧力3.5MPaを保てるように連続的に供給しながら、60分間反応を行った。その後、1.0モル/リットル濃度の水酸化ナトリウム水溶液の添加により反応を停止した。
【0037】
未反応のエチレン及び生成した1−ブテンと1−ヘキセンの一部は湿式流量計で全容量を量った後、ガスクロマトグラフィーにより成分分析し、定量した。反応溶液中のα−オレフィンはn−ウンデカンを内部標準としてガスクロマトグラフィーにより定量した。また、重合体はろ過分離し、120℃で12時間乾燥し定量した。その結果、全生成物重量は181.18gであった。鉄金属当たりのオリゴマー活性は、649kg/g−Fe/hであった。α−オレフィン分布及び純度の結果をそれぞれ第1表、第2表に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0004409694
【0039】
【表2】
Figure 0004409694
【0040】
【発明の効果】
本発明のα−オレフィン製造用触媒は、エチレンのオリゴマー化活性が高く、かつ重質成分やワックス成分等の副生物が少ないので、反応後の後処理が容易になり、効率的かつ安価にエチレンよりα−オレフィンの製造を行うことができる。また、α−オレフィン各成分ごとの純度も高く、製品としても優れたものである。

Claims (5)

  1. (a)粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物と(b)周期律表第8族の遷移金属錯体とを接触させて得られるエチレンのオリゴマー化によるα−オレフィン製造用触媒。
  2. (b)成分の遷移金属錯体の配位子が、炭素−窒素不飽和結合を有するものである請求項1記載のα−オレフィン製造用触媒。
  3. (a)成分の粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が、フィロ珪酸類を含む無機物を含有するものである請求項1又は2に記載のα−オレフィン製造用触媒。
  4. (a)成分の粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が、モンモリロナイトである請求項1〜3のいずれかに記載のα−オレフィン製造用触媒。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のα−オレフィン製造用触媒を用いてエチレンをオリゴマー化することを特徴とするα−オレフィンの製造方法。
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