JP3814960B2 - オレフィン重合体製造用触媒およびオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、変性粘土、遷移金属化合物および有機アルミニウム化合物からなるオレフィン重合体製造用触媒およびそれを用いたオレフィン重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレフィンの重合によりポリオレフィンを製造する方法として、遷移金属化合物および有機金属化合物の組み合わせからなる触媒系を用いることは、すでに知られている。また、カミンスキーらは、メタロセンとメチルアルミノキサンを用いた触媒が、プロピレンを含むオレフィン重合体を製造する際に、高い活性を示すことを特開昭58−19309号公報などに記載している。
【0003】
しかしながら、ここで開示されている触媒系は重合活性には優れるが、触媒系が反応系に可溶性であるために、溶液重合系を採用することが多く、製造プロセスが限定されるばかりか、工業的に有用な物性を示すポリマーを製造するためには、比較的高価なメチルアルミノキサンを大量に用いる必要がある。このため、これら触媒系を用いた場合、コスト的な問題やポリマー中に大量のアルミニウムが残存する問題等があった。
【0004】
一方、前述の可溶性触媒系をシリカなどの無機酸化物担体に担持させた触媒系が、特開昭60−35006号公報などにより開示されている。しかしながら、これらに記載された方法に従ってオレフィンを重合してもメチルアルミノキサンあたりの重合活性は十分でなかった。
【0005】
これらを改善する方法として、例えば、特開平4−8704号公報、特開平4−11604号公報、特開平4−213305号公報には、少量のメチルアルミノキサンで予備重合せしめた触媒系を用いて気相重合を行うと優れた重合活性で粒子性状が良好な重合体が得られることが開示されている。しかしながら、メチルアルミノキサンの使用量は少ないものの重合活性はいまだに満足すべきものとはいえず、触媒系の高活性化が望まれていた。
【0006】
また、特開平1−503788号公報には、遷移金属化合物およびメチルアルミノキサンを触媒に用いた高圧高温法によるエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法が記載されている。しかし、これらの触媒を産業上大規模に使用することに関しては、前記のようにメチルアルミノキサンを再現性ある形態で合成することが困難である点と、メチルアルミノキサンは高価であるにもかかわらず、十分な活性を得るためには遷移金属化合物に対するメチルアルミノキサンの使用比率を著しく高くしなければならない点が問題点として挙げられる。
【0007】
さらに、メチルアルミノキサンなどの有機アルミニウムオキシ化合物を用いない新しい助触媒が検討されてきており、例えば、特表平1−501950号公報、特表平1−502036号公報には、特殊なホウ素化合物が有効な助触媒になることが開示されている。しかし、これらのホウ素化合物は非常に複雑な化合物であり、コストの問題を解消するには至っていない。
【0008】
また、メタロセン、有機アルミニウム化合物と粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物などから構成される触媒系が、例えば、特開平5−301917号公報などに開示されている。しかし、これらの触媒は重合活性が十分ではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、オレフィンの重合において高価な助触媒を使用することなく、重合活性に優れるオレフィン重合体製造用触媒を提供することを目的とするものである。さらには、スラリー重合において、粒子形状の優れたポリマーを形成できる触媒を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、10wt%のスラリーとして水中に分散したときのpHが8以下である粘土を(a−1)を有機化合物(a−2)で処理した変性粘土(a)、遷移金属化合物(b)および有機アルミニウム化合物(c)からなるオレフィン重合体製造用触媒は、高い重合活性で、良好な形状を有するポリマーを製造できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明は、10wt%のスラリーとして水中に分散したときのpHが8以下であることを特徴とする粘土(a−1)を有機化合物(a−2)で処理した変性粘土(a)、遷移金属化合物(b)および有機アルミニウム化合物(c)からなるオレフィン重合体製造用触媒およびこれを用いたオレフィン重合体の製造方法に関する。以下に、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明の変性粘土(a)の調製に用いられる粘土(a−1)は、粘土の定義に属するもので、10wt%のスラリーとして水中に分散したときのpHが8以下であれば、すべて用いることができる。
【0013】
具体的な粘土としては、パイロフィライト、カオリナイト、ディッカイトおよびタルク群、スメクタイト群、バーミキュライト群、雲母群、脆雲母群などに属する粘土鉱物を例示することができる。また、複数の粘土鉱物の混合層鉱物や石英、長石、クリストバライト、ゼオライト、炭酸塩鉱物など層構造を有しない無機酸化物が含まれている粘土も例示することができる。この中で、イオン交換能を有する粘土は有機化合物(a−2)との反応性が高く、得られた触媒も高い重合活性を示すため好ましい。粘土には、天然の粘土および人工合成により得られる粘土が存在するが、いずれも使用可能である。
【0014】
また、(a−1)の粘土は、10wt%のスラリーとして水中に分散したときのpHが8を越える粘土を、pHが8以下になるように化学処理を施すことにより得られた粘土を用いることもできる。具体的な化学処理として、酸との接触、多価金属カチオンを含む塩との接触、ハロゲン含有化合物との接触、アンモニウム化合物との接触の後に加熱する方法、イオン交換樹脂との反応、電気化学的方法等の方法を例示することができる。
【0015】
酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、亜硫酸、亜硝酸等の無機酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロスルホン酸、シュウ酸等の有機酸を例示することができる。
【0016】
また、多価金属カチオンを含む塩としては、Mg、Ca、Ba、Al、Ga等の典型元素の多価カチオン、およびMn、Ni、Sn、Zn、Fe、Ti、Zr、Hf、Pb等の遷移金属の多価カチオンの塩化物およびこれらの硫化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩等を例示できる。
【0017】
また、ハロゲン含有化合物としては、ハロゲン化ホウ素、ハロゲン化ケイ素、ハロゲン化チタン、ハロゲン化アルミニウム化合物、ハロゲン化リン化合物等が例示できる。具体的な化合物としては、トリフルオロホウ素、トリクロロホウ素、四塩化ケイ素、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、四塩化チタン、三塩化アルミニウム、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、三塩化リン、オキシ三塩化リン等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
次に、アンモニウム化合物との接触の後に加熱する方法について説明する。このとき用いられるアンモニウム化合物は、塩化アンモニウム、塩化メチルアンモニウム、塩化ジメチルアンモニウム、塩化トリメチルアンモニウム、塩化エチルアンモニウム、塩化ジエチルアンモニウム、塩化トリエチルアンモニウム等の脂肪族アミン塩酸塩、アニリン塩酸塩、N−メチルアニリン塩酸塩などの芳香族アミンの塩酸塩、およびこれらの硫化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩等が例示できる。これらを空気中で、酸素雰囲気で、窒素雰囲気で、または真空下で30〜1000℃、より好ましくは50〜500℃で加熱処理する方法を例示することができる。
【0019】
イオン交換樹脂としては、カチオン交換能を有するカチオン交換樹脂もしくは両性樹脂を例示することができる。
【0020】
電気化学的方法としては、電気浸透法または電気泳動法等を例示することができる。
【0021】
本発明の変性粘土(a)に用いられる有機化合物(a−2)は、以下の一般式(29)
R18 sZ2 (29)
[式中、Z2は周期表の第15族または第16族から選ばれる元素であり、具体的にはZ2が窒素原子であるアンモニウム化合物、リン原子であるホスホニウム化合物、酸素原子であるオキソニウム化合物またはイオウ原子であるスルホニウム化合物である。R18は同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基もしくはヘテロ原子含有炭化水素基である。具体的な炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、イソプロピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシルなどの炭素数1〜20のアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどの炭素数2〜20のアルケニル基;フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、ビフェニル、ナフチルなどの炭素数6〜20のアリール基、ベンジル、フェニルエチルなどの炭素数7〜20のアリールアルキル基が例示される。また、具体的なヘテロ原子含有炭化水素基としては、フルオロフェニル、クロロフェニルなどのハロゲノアリール基が例示される。少なくとも1つのR18は炭素数1〜20の炭化水素基であり、各々のR18は互いに結合していてもよい。Z2が第15族のときにはs=3であり、Z2が第16族のときにはs=2である。]
で示される元素の孤立電子対にプロトンが配位可能な化合物である。
【0022】
上記有機化合物のうち、Z2が窒素元素のものに関して具体的には、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、アリルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族第一アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジアミルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン等の脂肪族第二アミン;トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、トリアリルアミン、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルウンデシルアミン等の脂肪族第三アミン;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N−エチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−アリルアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、N−メチル−o−トルイジン、N−メチル−m−トルイジン、N−メチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−o−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、トリベンジルアミン、N−ベンジル−N−エチルアニリン、ジフェニルアミン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、N,N−ジメチル−α−ナフチルアミン、N,N−ジメチル−β−ナフチルアミン、o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン、N,N,2,6−テトラメチルアニリン、N,N,3,5−テトラメチルアニリン、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニリン等の芳香族アミンが例示されるが、これらに限定されるものではない。Z2がリン元素に関して、具体的にはトリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、トリ(メシチル)ホスフィン等のホスフィン化合物が例示できるが、これらに限定されるものではない。Z2が酸素元素に関して、具体的にはメチルエーテル、エチルエーテル、フェニルエーテル等の化合物が例示されるが、これらに限定されるものではない。その他にZ2がイオウ元素で表されるスルホン化合物が例示される。
【0023】
遷移金属化合物(b)としては、下記一般式(1)もしくは(2)
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
[式中、M1はチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Yは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、R1,R2は各々独立して下記一般式(3)、(4)、(5)または (6)
【0027】
【化12】
【0028】
(式中、R6は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。)
で表される配位子であり、該配位子はM1と一緒にサンドイッチ構造を形成し、R3,R4は各々独立して下記一般式(7)、(8)、(9)または(10)
【0029】
【化13】
【0030】
(式中、R7は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。)
で表される配位子であり、該配位子はM1と一緒にサンドイッチ構造を形成し、R5は下記一般式(11)または(12)
【0031】
【化14】
【0032】
(式中、R8は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、M2は珪素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
で表され、R3およびR4を架橋するように作用しており、mは1〜5の整数である。]
で表される周期表第4族の遷移金属化合物、または、下記一般式(13)、(14)、(15)もしくは(16)
【0033】
【化15】
【0034】
[式中、M3は各々独立してチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、Zは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、L1はルイス塩基であり、qは0〜3であり、JR9 p-1,JR9 p-2はヘテロ原子配位子であり、Jは配位数が3である周期表第15族の元素または配位数が2である周期表第16族の元素であり、R9は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アルキルアリール基もしくはアルキルアリールオキシ基であり、pは元素Jの配位数であり、R10は下記一般式(17)、(18)、(19)または(20)
【0035】
【化16】
【0036】
(式中、R13は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。)
で表される配位子であり、R12は下記一般式(21)、(22)、(23)または(24)
【0037】
【化17】
【0038】
(式中、R14は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。)
で表される配位子であり、R11は下記一般式(25)または(26)
【0039】
【化18】
【0040】
(式中、R15は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、M4は珪素原子、ゲルマニウム原子または錫原子である。)
で表され、R12およびJR9 p-2を架橋するように作用しており、rは1〜5の整数である。]
で表される周期表第4族の遷移金属化合物であることが好適である。
【0041】
前記一般式(1)または(2)で表される化合物としては、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、メチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、メチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)ハフニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(ブチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス (4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジエチルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス (2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(インデニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(4−t−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2−メチル−1−インデニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(テトラヒドロインデニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド等のジクロル体および上記第4族遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体等を例示することができる。
【0042】
前記一般式(13)、(14)、(15)または(16)で表される化合物としては、例えば、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルホスフィノチタニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−n−ブトキシドチタニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルホスフィノジルコニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−n−ブトキシドジルコニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルホスフィノハフニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−ジ−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル−n−ブトキシドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル−t−ブチル−シクロペンタジエニル−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルトリメチルシリルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルフェニルアミドチタニウムジクロライド、メチルフェニルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−メトキシフェニルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイル−t−ブチルシクロペンタジエニル−2,5−ジ−t−ブチル−フェニルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルインデニル−t−ブチルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロヘキシルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルフルオレニルシクロヘキシルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロドデシルアミドチタニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル−t−ブチル−シクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシリルトリメチルシランジイルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルフェニルアミドジルコニウムジクロライド、メチルフェニルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−メトキシフェニルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイル−t−ブチルシクロペンタジエニル−2,5−ジ−t−ブチル−フェニルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルインデニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロヘキシルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルフルオレニルシクロヘキシルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロドデシルアミドジルコニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイル−t−ブチル−シクロペンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルトリメチルシリルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルフェニルアミドハフニウムジクロライド、メチルフェニルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニル−p−メトキシフェニルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイル−t−ブチルシクロペンタジエニル−2,5−ジ−t−ブチル−フェニルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルインデニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロヘキシルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルフルオレニルシクロヘキシルアミドハフニウムジクロライド、ジメチルシランジイルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロドデシルアミドハフニウムジクロライド等のジクロル体および上記第4族遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体等を例示することができる。
【0043】
さらに、本発明において用いられる有機アルミニウム化合物(c)は、下記一般式(27)
AlR16 3 (27)
[式中、R16は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アルキルアリール基もしくはアルキルアリールオキシ基であり、少なくとも1つのR16は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数6〜20のアリールアルキル基である。]
で表される有機アルミニウム化合物である。
【0044】
前記一般式(27)で表される化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリアミルアルミニウム、ジメチルアルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジイソプロピルアルミニウムエトキサイド、ジ−n−プロピルアルミニウムエトキサイド、ジイソブチルアルミニウムエトキサイド、ジ−n−ブチルアルミニウムエトキサイド、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド等を例示することができる。
【0045】
有機アルミニウム化合物(d)は、有機アルミニウム化合物(c)と同一でもよく、また、異なったものを用いてもよい。
【0046】
本発明のオレフィン重合体製造用触媒は、上述した粘土(a−1)を有機化合物(a−2)で処理した変性粘土(a)を構成成分とするが、粘土と有機化合物の反応量比については特に制限はないが、粘土の有するイオン交換容量と同等かそれ以上の有機化合物を反応させると高い重合活性が得られ、好ましい。また、粘土は、1種類を単独で使用しても、複数種類を混合して使用してもよく、有機化合物も1種類を単独で使用しても、複数種類を混合して使用してもよい。
【0047】
この時、用いる反応溶媒としては、水および一般に用いられる有機溶剤、具体的にはエチルアルコール、メチルアルコールなどのアルコール類、アセトン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、THF等のエーテル類、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロペンタン等の脂肪族炭化水素溶媒のいずれも用いることができる。
【0048】
また、変性粘土(a)、遷移金属化合物(b)および有機アルミニウム化合物(c)の接触方法あるいは接触順序は特に限定されないが、変性粘土中の不純物等の影響を低減するために、変性粘土(a)と有機アルミニウム化合物(c)の一部または全部とを予め接触させておくことが好ましい。
【0049】
また、この時用いる反応溶媒としては、一般に用いられる有機溶剤として、脂肪族炭化水素化合物、芳香族炭化水素化合物、エーテル化合物およびハロゲン含有化合物等を利用することが可能である。この中で、特に芳香族炭化水素化合物、ハロゲン含有化合物等を用いると固体触媒あたりの重合活性が向上し、好ましい。脂肪族炭化水素化合物として具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、テトラデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン等を例示することができ、芳香族炭化水素化合物として具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン等を例示することができ、エーテル化合物として具体的には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等を例示することができる。また、ハロゲン含有化合物としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2ージクロロエタン、クロロベンゼン等を例示することができる。
【0050】
本触媒系において遷移金属化合物(b)に対する変性粘土(a)の量は、遷移金属化合物(b)が反応するのに十分な量の変性粘土(a)の量であれば特に制限はないが、遷移金属(b)1モルに対する変性粘土(a)の量比は0.01〜10000kgが好ましく、さらに好ましくは0.1〜1000kgである。さらに、有機アルミニウム化合物(c)の量は特に限定されないが、好ましくは遷移金属化合物の100000倍モル以下であり、この量を越えると脱灰の工程を考慮する必要がでてくる。触媒の安定化および触媒毒の排除の観点を考えあわせると有機アルミニウム化合物を1〜10000倍モルの範囲で使用することが好ましい。
【0051】
本発明の重合反応に用られるオレフィンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン等の共役および非共役ジエン、スチレン、シクロブテン等の環状オレフィンであり、これらの成分のうち2種以上の混合成分を重合することもできる。
【0052】
また、本発明のオレフィン重合は液相でも気相でも行うことができる。このうち重合を液相で行う場合の溶媒としては、一般に用いられる有機溶剤であればいずれでもよく、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、塩化メチレン等、またはオレフィンそれ自身を溶媒として用いることもできる。さらに、重合温度は特に制限はないが、−60〜280℃の範囲で行うことが好ましい。
【0053】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0054】
なお、重合操作、反応および溶媒精製はすべて不活性ガス雰囲気下で行った。また、反応に用いた溶媒等は、すべて予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。さらに、反応に用いた化合物は、公知の方法により合成、同定したものを用いた。なお、実施例に記載の比表面積は窒素吸着法(測定機器株式会社島津製作所製 ASAP2400)、XRD(エックス線回折)は株式会社マックサイエンス製のMXP18(光源 Cu Kα線)を用いた。また、メルトインデックス(MI)はASTM D1238条件Eに準ずる方法にて測定を行った。また、粘土のスラリーのpHの測定はpH試験紙を用いて測定した。
【0055】
実施例1
[粘土の化学処理]
塩酸(35wt%)3mlを合成ヘクトライト(商品名ラポナイトRD、日本シリカより購入、比表面積344m2/g、XRDで2θ=0〜6゜付近にブロードなピークあり、10wt%の水のスラリーとしてpHを測定したところ10であった。)30gが入ったエタノール500mlに加え、室温で3時間攪拌した。上澄液を除去した後、エキネン600mlで洗浄した。その後、エタノール600ml中に懸濁し、塩酸3mlとさらに3時間反応した。上澄液を除去した後、エタノール600mlで3回洗浄し、減圧乾燥した。
【0056】
得られた処理粘土の比表面積は354m2/g、XRDで2θ=6.2゜付近にブロードなピークが見られた。この処理粘土を10wt%の水のスラリーとしてpHを測定したところ3であった。
【0057】
[変性粘土の調製]
100mlのシュレンクに、上記[粘土の化学処理]で調製した化学処理粘土8.3g、トルエン60ml、ジメチルアニリン2.1mlを加え、4時間攪拌した。上澄液を除去した後、トルエン80mlで3回洗浄し、減圧乾燥した。
【0058】
得られた変性粘土の比表面積は372m2/g、XRDで2θ=5.5゜に相当するブロードなピークが見られた。
【0059】
[触媒の調製]
300mlのガラス製容器に、上記[変性粘土の調製]で合成した変性粘土5g、トルエン30mlを加え、その後トリイソブチルアルミニウム20mmol、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド200μmolを加え、18時間撹拌した。上澄液を除去した後、ヘキサンを加え、100mlのスラリーとした。得られた触媒スラリーの一部を採取し、乾燥させ、固体触媒上のZrを分析したところ0.35wt%だった。
【0060】
[重合]
2lのステンレス製オートクレーブを窒素置換した後、ヘキサン1lを加え、上記[触媒の調製]で調製した触媒のスラリー1ml(固体触媒50mgに相当する)、トリイソブチルアルミニウム2.0mmolを加えた。これにエチレンを6kg/cm2の圧に保ちながら導入し、80℃の重合温度で1.5時間重合した。反応終了後、未反応のエチレンを除去し、反応溶液をエタノール中に投入し、203gの粒子状のポリマーを得た。得られたポリマーのMIは0.38g/10分、嵩密度は0.39g/cm3だった。
【0061】
比較例1
[触媒の調製]
変性粘土の代わりに実施例1の[粘土の化学処理]で合成した処理粘土を用いた以外は、実施例1と同様に触媒を調製した。得られた触媒スラリーの一部を採取し、乾燥させ、固体触媒上のZrを分析したところ0.07wt%だった。
【0062】
[重合]
触媒スラリーとして、上記[触媒の調製]で合成した固体触媒のスラリーを用いた以外、実施例1と同様に重合した。この結果、32gの粒子状のポリマーを得た。得られたポリマーのMIは0.25g/10分、嵩密度は0.22g/cm3だった。
【0063】
実施例2
[粘土の化学処理]
実施例1において、塩酸の使用量を5ml、粘土をモンモリロナイト(商品名クニピアF、クニミネ工業製、比表面積8.6m2/g、XRDで2θ=7.0゜にピークあり、10wt%の水のスラリーとしてpHを測定したところ10であった。)を用いた以外、実施例1と同様に調製した。
【0064】
得られた処理粘土の比表面積は6.9m2/g、XRDで2θ=6.6゜にピークが見られた。この処理粘土を10wt%の水のスラリーとしてpHを測定したところ3であった。
【0065】
[変性粘土の調製]
300mlのシュレンクに、上記[粘土の化学処理]で調製した処理粘土7.6g、トルエン100ml、ジメチルアニリン4.5mlを加え、12時間攪拌した。上澄液を除去した後、トルエン100ml、ジメチルアニリン4.5mlを加え12時間攪拌した。トルエン100mlで3回洗浄し、減圧乾燥した。
【0066】
得られた変性粘土の比表面積は7.0m2/g、XRDで2θ=5.8゜にピークが見られた。
【0067】
[触媒の調製]
変性粘土として、上記[変性粘土の調製]で合成した変性粘土を用いた以外、実施例1と同様に触媒を調製した。得られた触媒スラリーの一部を採取し、乾燥させ、固体触媒上のZrを分析したところ0.05wt%だった。
【0068】
[重合]
触媒スラリーとして、上記[触媒の調製]で合成した固体触媒のスラリーを用いた以外、実施例1と同様に重合した。この結果、40gの粒子状のポリマーを得た。得られたポリマーのMIは0.30g/10分、嵩密度は0.26g/cm3だった。
【0069】
比較例2
[触媒の調製]
変性粘土の代わりに実施例2の[粘土の化学処理]で合成した処理粘土を用いた以外は、実施例1と同様に触媒を調製した。得られた触媒スラリーの一部を採取し、乾燥させ、固体触媒上のZrを分析したところ0.05wt%だった。
【0070】
[重合]
触媒スラリーとして、上記[触媒の調製]で合成した固体触媒のスラリー10ml(固体触媒500mgに相当する。)を用いた以外、実施例1と同様に重合をした。この結果、17gの粒子状のポリマーを得た。得られたポリマーのMIは0.10g/10分、嵩密度は0.11g/cm3だった。
【0071】
比較例3
[変性粘土の調製]
塩酸で処理した粘土の代わりに未処理のモンモリロナイト(商品名クニピアF、クニミネ工業製)を用いた以外、実施例2と同様に調製した。
【0072】
得られた変性粘土の比表面積は7.1m2/g、XRDで2θ=7.0゜にピークが見られた。10wt%の水のスラリーとしてpHを測定したところ10であった。これらの値は未処理のクニピアFとほとんど同じであった。
【0073】
[触媒の調製]
変性粘土として、上記[変性粘土の調製]で合成した変性粘土を用いた以外、実施例1と同様に触媒を調製した。得られた触媒スラリーの一部を採取し、乾燥させ、固体触媒上のZrを分析したところ0.04wt%だった。
【0074】
[重合]
触媒スラリーとして、上記[触媒の調製]で合成した固体触媒のスラリーを用いた以外、比較例2と同様に重合した。この結果、14gの粒子状のポリマーを得た。得られたポリマーのMIは0.09g/10分、嵩密度は0.19g/cm3だった。
【0075】
比較例4
[触媒の調製]
変性粘土として、未処理のモンモリロナイト(商品名クニピアF、クニミネ工業製)を用いた以外、比較例2と同様に触媒を調製した。得られた触媒スラリーの一部を採取し、乾燥させ、固体触媒上のZrを分析したところ0.04wt%だった。
【0076】
[重合]
触媒スラリーとして、上記[触媒の調製]で合成した固体触媒のスラリーを用いた以外、比較例2と同様に重合した。この結果、15gの粒子状のポリマーを得た。得られたポリマーのMIは0.09g/10分、嵩密度は0.20g/cm3だった。
【0077】
実施例3
[粘土の化学処理]
30wt%の硫酸水溶液1.6lにモンモリロナイト(商品名クニピアF、クニミネ工業製)20gを加え、環流下3.5時間反応させた。上澄液を濾過した後、水1lで3回洗浄した。得られた処理粘土を60℃、空気中で24時間乾燥した。
【0078】
得られた処理粘土の比表面積は212m2/g、XRDで2θ=6.7゜に相当するブロードなピークが見られた。この処理粘土を10wt%の水のスラリーとしてpHを測定したところ3であった。
【0079】
[変性粘土の調製]
100mlのシュレンクに、上記[粘土の化学処理]で調製した処理粘土8.3g、トルエン60ml、ジメチルアニリン2.1mlを加え、4時間攪拌した。上澄液を除去した後、トルエン80mlで3回洗浄し、減圧乾燥した。
【0080】
得られた変性粘土の比表面積は187m2/g、XRDで2θ=5.7゜に相当するブロードなピークが見られた。
【0081】
[触媒の調製]
変性粘土として、上記[変性粘土の調製]で合成した変性粘土を用いた以外、実施例1と同様に触媒を調製した。得られた触媒スラリーの一部を採取し、乾燥させ、固体触媒上のZrを分析したところ0.28wt%だった。
【0082】
[重合]
触媒スラリーとして、上記[触媒の調製]で合成した固体触媒のスラリーを用いた以外、実施例1と同様に重合した。この結果、231gの粒子状のポリマーを得た。得られたポリマーのMIは0.25g/10分、嵩密度は0.28g/cm3だった。
【0083】
比較例5
[触媒の調製]
変性粘土の代わりに実施例3の[粘土の化学処理]で合成した処理粘土を用いた以外は、実施例1と同様に触媒を調製した。得られた触媒スラリーの一部を採取し、乾燥させ、固体触媒上のZrを分析したところ0.19wt%だった。
【0084】
[重合]
触媒スラリーとして、上記[触媒の調製]で合成した固体触媒のスラリー2ml(固体触媒100mgに相当する)を用いた以外、実施例1と同様に重合した。この結果、109gの粒子状のポリマーを得た。得られたポリマーのMIは0.31g/10分、嵩密度は0.20g/cm3だった。
【0085】
実施例4
[変性粘土の調製]
100mlのガラス製容器に、モンモリロナイト K10(アルドリッチ社より購入、比表面積は189m2/g、XRDで2θ=0〜6゜付近にブロードなショルダーあり、10wt%の水のスラリーとしてpHを測定したところ3と4の間だった。)20g、トルエン200ml、ジメチルアニリン10mlを加え、2時間攪拌した。上澄液を除去した後、再びトルエン200ml、ジメチルアニリン10mlを加え、2時間攪拌した。上澄液を除去した後、トルエン200mlで3回洗浄し、減圧乾燥した。
【0086】
得られた変性粘土の比表面積は189m2/g、XRDで2θ=5.5゜に相当するブロードなピークが見られた。
【0087】
[触媒の調製]
変性粘土として、上記[変性粘土の調製]で合成した変性粘土を用いた以外、実施例1と同様に触媒を調製した。得られた触媒スラリーの一部を採取し、乾燥させ、固体触媒上のZrを分析したところ0.29wt%だった。
【0088】
[重合]
触媒スラリーとして、上記[触媒の調製]で合成した固体触媒のスラリーを用い、重合時間を1時間とした以外、実施例1と同様に重合した。この結果、186gの粒子状のポリマーを得た。得られたポリマーのMIは0.30g/10分、嵩密度は0.29g/cm3だった。
【0089】
比較例6
[触媒の調製]
変性粘土の代わりに未処理のK10を用いた以外は、実施例1と同様に触媒を調製した。得られた触媒スラリーの一部を採取し、乾燥させ、固体触媒上のZrを分析したところ0.19wt%だった。
【0090】
[重合]
触媒スラリーとして、上記[触媒の調製]で合成した固体触媒のスラリー2ml(固体触媒100mgに相当する)を用いた以外、実施例1と同様に重合した。この結果、129gの粒子状のポリマーを得た。得られたポリマーのMIは0.27g/10分、嵩密度は0.22g/cm3だった。
【0091】
実施例5
[粘土の化学処理]
塩化ニッケル6水和物59gを合成ヘクトライト(商品名ラポナイトRD、日本シリカより購入)50gが入った、エタノール250ml/水250mlに加えた。室温で10時間攪拌した後、濾過し、エキネン1lで2回洗浄した。その後、空気中80℃で15時間乾燥し、140メッシュのふるいに通過するまで乳鉢で粉砕した。
【0092】
得られた処理粘土の比表面積は304m2/g、XRDで2θ=5.8゜に相当するブロードなピークが見られた。この処理粘土を10wt%の水のスラリーとしてpHを測定したところ3と4の間であった。
【0093】
[変性粘土の調製]
300mlのシュレンクに、上記[粘土の化学処理]で調製した処理粘土2g、トルエン100ml、ジメチルアニリン0.5mlを加え、24時間攪拌した。上澄液を除去した後、トルエン100mlで洗浄した。これにトルエンを加え、200mlのスラリーとした。
【0094】
得られた変性粘土の比表面積は290m2/g、XRDで2θ=5.5゜に相当するブロードなピークが見られた。
【0095】
[触媒の調製]
50mlのガラス製容器に、上記[変性粘土の調製]で調製した変性粘土のスラリー2.5ml(固体触媒25mgに相当する)、トルエン20mlを加え、その後トリイソブチルアルミニウム0.3mmol、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド1μmolを加え、15時間撹拌した。
【0096】
[重合]
2lのステンレス製オートクレーブを窒素置換した後、ヘキサン1lを加え、上記[触媒の調製]で調製した固体触媒のスラリー、トリイソブチルアルミニウム2.0mmolを加えた。これにエチレンを6kg/cm2の圧に保ちながら導入し、80℃の重合温度で1.5時間重合した。反応終了後、未反応のエチレンを除去し、反応溶液をエタノール中に投入し、68gの粒子状のポリマーを得た。得られたポリマーのMIは0.16g/10分、嵩密度は0.24g/cm3だった。
【0097】
比較例7
[触媒の調製]
50mlのガラス製容器に、実施例5の[粘土の化学処理]で調製した処理粘土26mg、トルエン20mlを加え、その後トリイソブチルアルミニウム0.3mmol、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド1μmolを加え、15時間撹拌した。
【0098】
[重合]
触媒スラリーとして、上記[触媒の調製]で合成した固体触媒のスラリーを用いた以外、実施例5と同様に重合した。この結果、MIが0.16g/10分、嵩密度0.16g/cm3のポリマーが16g得られた。
【0099】
実施例6
[粘土の化学処理]
塩化ニッケル6水和物30gをモンモリロナイト(商品名クニピアF、クニミネ工業製)20gが入った、水5lに加えた。室温で10時間攪拌した後、濾過し、水3lで2回洗浄した。その後、空気中80℃で15時間乾燥し、100メッシュのふるいに通過するまで乳鉢で粉砕した。
【0100】
得られた処理粘土の比表面積は6.3ml2/g、XRDで2θ=5.9゜に相当するブロードなピークが見られた。この処理粘土を10wt%の水のスラリーとしてpHを測定したところ3と4の間であった。
【0101】
[変性粘土の調製]
300mlのシュレンクに、上記[粘土の化学処理]で調製した処理粘土8.6g、トルエン100ml、ジメチルアニリン4.5mlを加え、12時間攪拌した。上澄液を除去した後、トルエン100mlで洗浄した。上澄液を除去した後、再びトルエン100ml、ジメチルアニリン4.5mlを加え、5時間攪拌した。上澄液を除去した後、トルエン100mlで3回洗浄し、減圧乾燥した。
【0102】
得られた変性粘土の比表面積は12m2/g、XRDで2θ=5.9゜に相当するブロードなピークが見られた。
【0103】
[触媒の調製]
変性粘土として、上記[変性粘土の調製]で調製した変性粘土を用いた以外は、実施例1と同様に触媒を調製した。得られた触媒スラリーの一部を採取し、乾燥させ、固体触媒上のZrを分析したところ0.08wt%だった。
【0104】
[重合]
触媒スラリーとして、上記[触媒の調製]で合成した固体触媒のスラリー2ml(固体触媒100mgに相当する)を用いた以外、実施例1と同様に重合した。この結果、16gの粒子状のポリマーを得た。得られたポリマーのMIは0.41g/10分、嵩密度は0.16g/cm3だった。
【0105】
実施例7
[粘土の化学処理]
合成ヘクトライト(商品名ラポナイトRD、日本シリカより購入)20g、エタノール150mlに、四塩化ケイ素1.1mlのTHF溶液50mlを加えた。室温で7時間攪拌した後、上澄みを除去し、エタノール200mlで3回洗浄した。その後、真空乾燥した。
【0106】
XRDで2θ=0〜5゜付近にピークが見られた。この処理粘土を10wt%の水のスラリーとしてpHを測定したところ3であった。
【0107】
[変性粘土の調製]
300mlのシュレンクに、上記[粘土の化学処理]で調製した処理粘土10g、トルエン100ml、ジメチルアニリン2.5mlを加え、12時間攪拌した。上澄液を除去した後、減圧乾燥した。
【0108】
XRDで2θ=5.2゜に相当するブロードなピークが見られた。
【0109】
[触媒の調製]
50mlのガラス製容器に、上記[変性粘土の調製]で調製した処理粘土48mg、トルエン20mlを加え、その後トリイソブチルアルミニウム0.3mmol、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド1μmolを加え、15時間撹拌した。
【0110】
[重合]
触媒スラリーとして、上記[触媒の調製]で合成した固体触媒のスラリーを用いた以外、実施例5と同様に重合した。この結果、MIが0.59g/10分、嵩密度0.26g/cm3のポリマーが179g得られた。
【0111】
実施例8
[粘土の化学処理]
合成ヘクトライト(商品名ラポナイトRD、日本シリカより購入)20g、エタノール150mlに、トリメチルクロロシラン2.5mlのTHF溶液50mlを加えた。室温で7時間攪拌した後、上澄みを除去し、エタノール200mlで3回洗浄した。その後、真空乾燥した。
【0112】
XRDで2θ=0〜5゜付近にピークが見られた。この処理粘土を10wt%の水のスラリーとしてpHを測定したところ3と4の間であった。
【0113】
[変性粘土の調製]
300mlのシュレンクに、上記[粘土の化学処理]で調製した処理粘土10g、トルエン100ml、ジメチルアニリン2.5mlを加え、12時間攪拌した。上澄液を除去した後、減圧乾燥した。
【0114】
XRDで2θ=5.4゜に相当するブロードなピークが見られた。
【0115】
[触媒の調製]
上記[変性粘土の調製]で調製した変性粘土を用いた以外、実施例7と同様に触媒を調製した。
【0116】
[重合]
触媒スラリーとして、上記[触媒の調製]で合成した固体触媒のスラリーを用いた以外、実施例5と同様に重合した。この結果、MIが0.42g/10分、嵩密度0.28g/cm3のポリマーが201g得られた。
【0117】
実施例9
[電気泳動による粘土の処理]
粘土科学、第36巻、55〜61ページ(1996年)に従って、電気泳動により粘土を処理した。
【0118】
すなわち、合成ヘクトライト(商品名ラポナイトRD、日本シリカより購入)9gを水300mlに分散させ、スラリーを調製した。
【0119】
500mlのガラス容器に、内壁に沿って円筒状に設置した白金板(5cm×5cm)と中央に螺旋状に巻いた白金線を設置した。このガラス容器にヘクトライトのスラリーを加え、12V直流電圧を5時間印加した。通電状態のまま、スラリー溶液を抜き、白金線に堆積した合成ヘクトライトのゲルを回収した。これを空気中、100℃で乾燥し、100メッシュのふるいを通過するまで乳鉢で粉砕した。
【0120】
この処理粘土を10wt%の水のスラリーとしてpHを測定したところ3であった。
【0121】
[変性粘土の調製]
100mlのシュレンクに、上記[粘土の化学処理]で調製した処理粘土0.5g、トルエン50ml、ジメチルアニリン0.1mlを加え、24時間攪拌した。
【0122】
[触媒の調製]
上記[変性粘土の調製]で調製した変性粘土を用いた以外、実施例5と同様に触媒を調製した。
【0123】
[重合]
触媒スラリーとして、上記[触媒の調製]で合成した固体触媒のスラリーを用いた以外、実施例5と同様に重合した。この結果、MIが0.21g/10分、嵩密度0.28g/cm3のポリマーが121g得られた。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の触媒は、安価であり、また優れた重合活性でオレフィン重合体を製造することができる。また、スラリー重合において、優れた形状のポリマーを製造することができる。
Claims (6)
- 10wt%のスラリーとして水中に分散したときのpHが8以下である粘土(a−1)を下記一般式(29)で示される有機化合物(a−2)
R 18 s Z 2 (29)
[式中、Z 2 は周期表の第15族または第16族から選ばれる元素である。R 18 は同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基もしくはヘテロ原子含有炭化水素基である。少なくとも1つのR 18 は炭素数1〜20の炭化水素基であり、各々のR 18 は互いに結合していてもよい。Z 2 が第15族のときにはs=3であり、Z 2 が第16族のときにはs=2である。]で処理した変性粘土(a)、
下記一般式(1)
- 10wt%のスラリーとして水中に分散したときのpHが8以下である粘土(a−1)を下記一般式(29)で示される有機化合物(a−2)
R 18 s Z 2 (29)
[式中、Z 2 は周期表の第15族または第16族から選ばれる元素である。R 18 は同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基もしくはヘテロ原子含有炭化水素基である。少なくとも1つのR 18 は炭素数1〜20の炭化水素基であり、各々のR 18 は互いに結合していてもよい。Z 2 が第15族のときにはs=3であり、Z 2 が第16族のときにはs=2である。]で処理した変性粘土(a)、
下記一般式(13)、(14)、(15)または(16)
- 有機アルミニウム化合物(c)が、下記一般式(27)
AlR16 3 (27)
[式中、R16は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アルキルアリール基もしくはアルキルアリールオキシ基である。]で表される有機アルミニウム化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオレフィン重合体製造用触媒。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィン重合体製造用触媒および有機アルミニウム化合物(d)からなることを特徴とするオレフィン重合体製造用触媒。
- 有機アルミニウム化合物(d)が、下記一般式(28)
AlR17 3 (28)
[式中、R17は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アルキルアリール基もしくはアルキルアリールオキシ基である。]で表される有機アルミニウム化合物であることを特徴とする請求項4に記載のオレフィン重合体製造用触媒。 - 請求項1〜5のいずれかに記載のオレフィン重合体製造用触媒の存在下、直鎖状、分岐状および/または環状のオレフィンを溶液状態、懸濁状態または気相状態で、−60〜280℃の温度、0.5〜2000barの圧力の下で、重合または共重合することを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20451397A JP3814960B2 (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | オレフィン重合体製造用触媒およびオレフィン重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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