JP3274510B2 - オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造方法

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JP3274510B2 JP29311892A JP29311892A JP3274510B2 JP 3274510 B2 JP3274510 B2 JP 3274510B2 JP 29311892 A JP29311892 A JP 29311892A JP 29311892 A JP29311892 A JP 29311892A JP 3274510 B2 JP3274510 B2 JP 3274510B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオレフィン重合用触媒な
らびに該触媒を用いてオレフィン重合体を高い収率で得
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】オレ
フィンを触媒の存在下に重合してオレフィン重合体を製
造するにあたり、触媒として(1)メタロセンおよび
(2)アルミノキサンからなるものを用いる方法が提案
されている(特開昭58−019309号公報、特開平
2−167307号公報等)。
【0003】これらの触媒を用いた重合方法は、チタニ
ウム化合物あるいはバナジウム化合物と有機アルミニウ
ム化合物からなる従来のチーグラー・ナッタ触媒を用い
る方法と比較して、遷移金属あたりの重合活性が非常に
高く、また、分子量分布の狭い重合体が得られる。ま
た、2,2−チオビス(6−t−ブチル−4−メチルフ
ェノキシ)チタニウムジクロライド等のチタン、ジルコ
ニウム錯体とメチルアルミノキサンからなる触媒が、オ
レフィンの重合触媒として作用することがしられている
(T.Miyatake,K.Mizunuma,Y.
Seki,Makugo,Makromol.Che
m.,Rapid Commun.10,349(19
89))。
【0004】しかしながら、これらの触媒を用いて充分
な重合活性を得る為には多量のアルミノキサンを必要と
するため、アルミニウムあたりの重合活性は低く、不経
済であるばかりでなく、生成した重合体から触媒残渣を
除去する必要があった。一方、上記のメタロセンおよび
アルミノキサンの一方あるいは両方をシリカ、アルミナ
等の無機酸化物に担持させた触媒でオレフィンの重合を
行う方法も提案されている(特開昭60−135408
号公報、同61−108610号公報、同61−296
008号公報、特開平3−74412号公報、同3−7
4415号公報等)。また、遷移金属化合物および有機
アルミニウム化合物の一方あるいは両方をシリカ、アル
ミナ等の無機酸化物もしくは有機物に担持させた触媒で
オレフィンの重合を行う方法も提案されている(特開平
1−101303号公報、同1−207303号公報、
同3−234709号公報、同3−234710号公
報、特表平3−501869号公報等)。しかしなが
ら、これらに提案された方法においても、アルミニウム
あたりの重合活性はなお充分とはいえず、生成物中の触
媒残渣の量は無視し得ないものであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく検討した結果、遷移金属あたり及びアルミ
ニウムあたりの重合活性が充分高い触媒を見いだし、本
発明に到達した。すなわち、本発明は[A]下記一般式
[1]または[2]で表される遷移金属化合物
【0006】
【化2】
【0007】([1]及び[2]式中、Mはチタニウ
ム、ジルコニウム、ハフニウムであり、Xはメチレン
基、アルキリデン基または硫黄原子、R1 、R2 は同一
または異なっていてもよい水素、ハロゲン、珪素含有
基、ハロゲン置換基を有していてもよい炭素数が1〜2
0の炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ミド基、チオアルコキシ基を表し、R3 はMに配位する
中性の配位子であり、R4-は、上記一般式[2]中の金
属カチオンを安定化させることのできる対アニオンを示
す。) [B]土、粘土鉱物およびイオン交換性層状化合物か
らなる群から選ばれた一種以上及び [C]有機アルミニウム化合物 とを接触して得られる生成物からなることを特徴とする
オレフィン重合用触媒ならびに該触媒と必要に応じて
[D]有機アルミニウム化合物の存在下、オレフィンを
単独重合または共重合させることを特徴とするオレフィ
ン重合体の製造方法に関する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
触媒に用いられる遷移金属化合物すなわち[A]成分の
例は、下記一般式[1]または[2]で表される化合物
である。
【0009】
【化3】
【0010】([1]及び[2]式中、Mはチタニウ
ム、ジルコニウム、ハフニウムであり、Xはメチレン
基、アルキリデン基または硫黄原子、R1 、R2 は同一
または異なっていてもよい水素、ハロゲン、珪素含有
基、ハロゲン置換基を有していてもよい炭素数が1〜2
0の炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ミド基、チオアルコキシ基を表し、R3 はMに配位する
中性の配位子であり、R4-は、上記一般式[2]中の金
属カチオンを安定化させることのできる対アニオンを示
す。)
【0011】上記一般式[1]及び[2]中、Mはチ
ニウム、ジルコニウム、ハフニウムである。Xはメチレ
ン基、エチリデン、プロピリデン等のアルキリデン基ま
たは硫黄原子、R1 、R2 は同一または異なっていても
よい水素、フッ素、塩素、臭素、沃素等のハロゲン、ト
リメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリ
ル基等の珪素含有基、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、
ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、フェニル、トリ
ル、クロロメチル、クロロエチル等のハロゲン基を有し
ていてもよい炭素数が1ないし20の炭化水素基、メト
キシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基等のアルコキ
シ基、フェノキシ、メチルフェノキシ、ペンタメチルフ
ェノキシ基等のアリールオキシ基、アミド、ジメチルア
ミド、ビス(トリメチルシリル)アミド基等のアミド
基、メチルチオアルコキシ、フェニルチオアルコキシ基
等のチオアルコキシ基等があげられる。
【0012】また、R1 どうしが相互に結合して環を形
成してもよい。具体的には、メチレン基、エチレン基の
ようなアルキレン基、エチリデン基、プロピリデン基、
イソプロピリデン基、フェニルメチリデン基、ジフェニ
ルメチリデン基等のアルキリデン基、ジメチルシリレン
基、ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレン基、ジイ
ソプロピルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチル
エチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、メチル
イソプロピルシリレン基、メチル−t−ブチルシリレン
基等の珪素含有基、ジメチルゲルミレン基、ジエチルゲ
ルミレン基等のゲルマニウム含有基、アミン、ホスフィ
ン等が挙げられる。
【0013】更に、式[1]においてはR2 が相互に結
合して二座配位子を形成してもよい。このようなR2
具体例としては、O- CH2 - ,O- CH2 CH2
- ,O- (O- 6 4 )O- 等があげられる。R3
テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル
類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムア
ミド等のアミド類、トリメチルホスフィン等のホスフィ
ン類、トリメチルアミン等のアミン類等のMに配位する
中性の配位子であり、R4-は、テトラフェニルボレー
ト、テトラ(p−トリル)ボレート、カルバドデカボレ
ート、ジカルバウンデカボレート、ヘキサフルオロホス
フェート等の上記一般式[2]中の金属カチオンを安定
化させることのできる対アニオンを示す。
【0014】式[1]の具体例としては、2,2′−メ
チレン−4,4′,6,6′−テトラ−t−ブチルジフ
ェノキシチタニウムジクロライド、2,2′−メチレン
−4,4′−ジメチル−6,6′−ジ−t−ブチルジフ
ェノキシチタニウムジクロライド、2,2′−イソブチ
リデン−4,4′,6,6′−テトラメチルジフェノキ
シチタニウムジクロライド、2,2′−チオ−4,4′
−ジメチル−6,6′−ジ−t−ブチルジフェノキシチ
タニウムジクロライド、2,2′−チオ−4,4′−ジ
メチル−6,6′−ジ−t−ブチルジフェノキシチタニ
ウムジクロライド、2,2′−イソブチリデン−4,
4′,6,6′−テトラメチルジフェノキシチタニウム
ジクロライド、2,2′−メチレン−4,4′,6,
6′−テトラ−t−ブチルジフェノキシチタニウムジメ
チル、2,2′−メチレン−4,4′,6,6′−テト
ラ−t−ブチルジフェノキシチタニウムジメトキサイ
ド、2,2′−メチレン−4,4′,6,6′−テトラ
−t−ブチルジフェノキシチタニウムビス(ジメチルア
ミド)、2,2′−メチレン−4,4′,6,6′−テ
トラ−t−ブチルジフェノキシチタニウムビス(メチル
チオラート)、2,2′−メチレン−4,4′,6,
6′−テトラ−t−ブチルジフェノキシチタニウム−
1,2−ベンゼンジオキサイド等があげられる。
【0015】また、式[2]の具体例としては、2,
2′−メチレン−4,4′,6,6′−テトラ−t−ブ
チルジフェノキシチタニウムクロライドテトラフェニル
ボレート、2,2′−メチレン−4,4′−ジメチル−
6,6′−ジ−t−ブチルジフェノキシチタニウムクロ
ライドテトラフェニルボレート、2,2′−イソブチリ
デン−4,4′,6,6′−テトラメチルジフェノキシ
チタニウムクロライドテトラフェニルボレート、2,
2′−チオ−4,4′−ジメチル−6,6′−ジ−t−
ブチルジフェノキシチタニウムクロライドテトラフェニ
ルボレート、2,2′−チオ−4,4′−ジメチル−
6,6′−ジ−t−ブチルジフェノキシチタニウムクロ
ライドテトラフェニルボレート、2,2′−イソブチリ
デン−4,4′,6,6′−テトラメチルジフェノキシ
チタニウムクロライドテトラフェニルボレート、2,
2′−メチレン−4,4′,6,6′−テトラ−t−ブ
チルジフェノキシチタニウムメチルテトラフェニルボレ
ート、2,2′−メチレン−4,4′,6,6′−テト
ラ−t−ブチルジフェノキシチタニウムメトキサイドテ
トラフェニルボレート、2,2′−メチレン−4,
4′,6,6′−テトラ−t−ブチルジフェノキシチタ
ニウムジメチルアミドテトラフェニルボレート、2,
2′−メチレン−4,4′,6,6′−テトラ−t−ブ
チルブシェノキシチタニウムメチルチオラートテトラフ
ェニルボレート等、またはこれらの化合物のテトラヒド
ロフラン錯体等があげられる。
【0016】また、ジルコニウム化合物、ハフニウム化
合物等の他の金属化合物についても、上記と同様の化合
物が挙げられる。更にこれら化合物の混合物を用いても
よい。本発明において[B]成分としては粘土、粘土鉱
物およびイオン交換性層状化合物からなる群から選ばれ
た一種以上が用いられる。
【0017】本発明において、[B]成分としては
土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物を用いる。
粘土は通常粘土鉱物を主成分として構成される
【0018】部分の粘士鉱物はイオン交換性層状化合
物である。また、イオン交換性層状化合物は、イオン結
合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に
積み重なった結晶構造をとる化合物であり、含有するイ
オンが交換可能なものをいう
【0019】た、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交
換性層状化合物の例は天然産のものに限らず、人工合成
物も好適に使用できる。具体的には、粘土、粘土鉱物、
また、六方細密パッキング型、アンチモン型、CdCl
2 型、CdI2 型等の層状の結晶構造を有するイオン結
合性化合物等を例示することができる
【0020】B]成分のうち、粘土または粘土鉱物の
具体例としては、カチオン、ベントナイト、木節粘士、
ガイロメ粘土、アロフエン、ヒシンゲル石、パイロフイ
ライト、タルク、ウンモ群、モンモリロナイト群、バー
ミキユライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カ
オリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト
等が挙げられる。イオン交換性層状化合物の具体例とし
ては、α−Zr(HAsO4 2 ・H2 O、α−Zr
(HPO4 2 、α−Zr(KPO4 2 ・3H2O、
α−Ti(HPO4 2 、α−Ti(HAsO4 2
2 O、α−Sn(HPO4 2 ・H2 O、γ−Zr
(HPO4 2 、γ−Ti(HPO4 2 、γ−Ti
(NH4 PO4 2 ・H2 O等の多価金属の結晶性酸性
塩が挙げられる。
【0021】また、上記の具体例の物質に化学処理を施
すことも好適に行われる。ここで化学処理とは、表面に
付着している不純物を除去する表面処理と粘土の結晶構
造に影響を与える処理のいずれをも含む。具体的には、
酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理等が挙げ
られる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶
構造中のAl,Fe,Mg等の陽イオンを溶出させるこ
とによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土
の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。
また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子
複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を
変えることができる。
【0022】イオン交換性を利用し、層間の交換性イオ
ンを別の大きな嵩高いイオンと置換することにより、層
間が拡大した状態の層状物質を得ることも出来る。すな
わち、嵩高いイオンが層状構造を支える支柱的な役割を
担っており、ピラーと呼ばれる。また、層状物質の層間
に別の物質を導入することをインターカレーションとい
う。インターカレーションするゲスト化合物としては、
TiCl4 、ZrCl 4 等の陽イオン性無機化合物、T
i(OR)4 ,Zr(OR)4 ,PO(OR) 3 ,B
(OR)3 [Rは炭化水素基など]等の金属アルコラー
ト、[Al134(OH)247+, [Zr4(OH)14
2+ ,[Fe3 O(OCOCH3)6 + 等の金属水酸化物
イオン等があげられる。これらの化合物は、単一で用い
ても、また2種以上共存させて用いてもよい。また、こ
れらの化合物をインターカレーションする際に、Si
(OR)4 , Al(OR)3 ,Ge(OR)4 等の金属
アルコラート等を加水分解して得た重合物、SiO2
のコロイド状無機化合物等を共存させることもできる。
また、ピラーの例としては上記水酸化物イオンを層間に
インターカレーションした後に加熱脱水することにより
生成する酸化物等があげられる。
【0023】粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化
合物はそのまま用いてもよいし、ボールミル、ふるい分
け等の処理を行った後に用いてもよい。また、新たに水
を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後用いても
良い。さらに、単独で用いても、上記固体の2種以上を
混合して用いても良い。上記の粘土、粘土鉱物またはイ
オン交換性層状化合物のうち、好ましいものは粘土、粘
土鉱物であり、最も好ましくは、モンモリロナイトであ
る。
【0024】形状は任意のものが用いられるが、水銀圧
入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc
/g以上、特には、0.3〜5cc/gのものが好まし
い。ここで、細孔容積の測定は、水銀ポロシメーターを
用いた水銀圧入法により細孔半径として20〜3000
0Åの範囲で測定される。本実施例では(株)島津製作
所の「Auto Pore 9200」を用いて測定し
た。
【0025】また、本発明において[C]成分として用
いられる有機アルミニウム化合物の例は、トリメチルア
ルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアル
キルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロライ
ド、ジエチルアルミニウムメトキシド等のハロゲンある
いはアルコキシ含有アルキルアルミニウム、メチルアル
ミノキサン等のアルミノキサン等であり、この内特にト
リアルキルアルミニウムが好ましい。
【0026】[A]成分、[B]成分および[C]成分
から重合触媒を得るための接触方法については、それぞ
れの量比について特に制限はないが、[A]成分、
[B]成分、および[C]成分の重量比が1:1〜10
000:0.1〜1000000、好ましくは1:1〜
1000:1〜10000になるように接触させる。接
触は窒素等の不活性ガス中、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒中で
行ってもよい。接触温度は、−20℃〜溶媒の沸点の間
で行い、特に室温から溶媒の沸点の間で行うのが好まし
い。
【0027】更に、本発明において、必要に応じて用い
られる有機アルミニウム化合物[D]としては、[C]
成分と同様の化合物が挙げられる。この際に用いられる
有機アルミニウム化合物の量は、触媒成分[A]中の遷
移金属対[D]成分中のアルミニウムのモル比が1:0
〜10000になるように選ばれる。触媒各成分の接触
順序は特に限定されない。
【0028】触媒各成分の接触に際し、または接触の後
にポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、
アルミナ等の無機酸化物の固体を共存させ、あるいは接
触させてもよい。上記のような成分[A]、[B]及び
[C]及び必要に応じて[D]の存在下にオレフィンを
前重合してもよい。前重合温度は−50〜100℃であ
り、前重合時間は0.1〜100時間、好ましくは0.
1〜50時間程度である。
【0029】この前重合時に必要に応じて用いられる有
機アルミニウム化合物としては、[C]成分と同様な化
合物が挙げられる。この際に用いられる有機アルミニウ
ム化合物の量は、触媒成分[A]中の遷移金属対[D]
成分中のアルミニウムのモル比が1:0〜10000に
なるように選ばれる。前重合に用いられるオレフィン
は、重合時に用いられるオレフィンが好ましいが、他の
オレフィンを用いてもよい。また、オレフィンを混合し
て用いることもできる。
【0030】前重合によって生成させる重合体量は、
[B]成分1gあたり0.001〜1000g、好まし
くは0.1〜300gの範囲である。前重合時に用いら
れる溶媒は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等、あ
るいは、これらの混合物等である。
【0031】このようにして得られた触媒は、洗浄せず
に用いてもよく、また洗浄した後に用いてもよい。上記
の様なオレフィンが前重合されたオレフィン重合用触媒
を用いてオレフィンの重合を行うに際して、必要に応じ
て用いられる有機アルミニウム化合物としては、[C]
成分と同様な化合物が挙げられる。この際に用いられる
有機アルミニウム化合物の量は、触媒成分[A]中の遷
移金属対有機アルミニウム化合物中のアルミニウムのモ
ル比が1:0〜10000になるように選ばれる。
【0032】上記のようなオレフィン重合用触媒により
重合できるオレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテ
ン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペン
テン、ビニルシクロアルカン、スチレンあるいはこれら
の誘導体が挙げられる。また、重合は単独重合のほか通
常公知のランダム共重合やブロック共重合にも好適に適
用できる。また、ジエン等のポリエンやメタクリル酸メ
チル等の官能基含有オレフィンを重合反応時に共存させ
てもよい。
【0033】重合反応は、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等の不活性炭
化水素や液化α−オレフィン等の溶媒存在下、あるいは
不存在下に行われる。温度は、−50℃〜250℃であ
り、圧力は特に制限されないが、好ましくは、常圧〜約
2000kgf/cm2 の範囲である。また、重合系内
に分子量調節剤として水素を存在させてもよい。また、
重合温度、分子量調節剤の濃度等を変えて、多段階で重
合させてもよい。
【0034】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれ
ら実施例によって制約を受けるものではない。 (実施例1) (1)触媒成分[A]の合成 2,2′−ジヒドロキシ−3,3′−ジ−t−ブチル−
5,5′−ジメチルジフェニルスルフィド400mgの
ブチルエーテル溶液(20ml)を室温で撹拌しなが
ら、四塩化チタン75.9mgのブチルエーテルスラリ
ー(30ml)を滴下した。室温で5h撹拌したのち、
ガラスフィルターで褐色沈澱を分取した。減圧乾燥する
ことにより触媒成分[A]を得た。
【0035】(2)触媒の合成 100ml丸底フラスコに、市販の水銀圧入法で測定し
た半径20Å以上の細孔容積が0.294cc/gであ
る酸化ランタン1.32gを採取し、フラスコ内を窒素
置換した後、ヘプタン47mlを添加し、スラリーとし
た。別途、トリメチルアルミニウム1.23gをヘプタ
ン13mlに溶解した。トリメチルアルミニウム溶液を
激しく撹拌しながらこれに室温で酸化ランタンスラリー
を滴下した。ガスの発生をともなって発熱した。滴下終
了後2時間撹拌した。別途、上記(1)で合成した触媒
成分[A]0.58mgを室温で、窒素雰囲気下、1
7.2mMトリメチルアルミニウムのヘプタン溶液0.
71mlと30分間予備接触させ、さらに上記によって
製造された触媒成分スラリー2.25mlと予備接触さ
せた。
【0036】(3)エチレン−プロピレンの共重合 精製窒素で充分置換された2リットルの誘導撹拌式オー
トクレーブに、窒素気流下、室温でn−ヘキサン300
ml、上記触媒スラリーを順次導入した。更に液体プロ
ピレン600mlを導入した。混合液を70℃に昇温し
た後エチレン分圧が17.6kgf/cm2 となるよう
にエチレンを導入し、1時間重合を行った。そののちエ
チレンの供給をとめ、エタノールを導入して重合を停止
させた。その後オートクレーブ内容物を30℃まで降温
してから内部のガスをパージした。その結果、MW /M
N が2.2であるエチレン−プロピレン共重合体30.
4gを得た。チタン1gあたりの共重合体生成量は、
5.2×105 gであった。また、トリメチルアルミニ
ウムに由来するアルミニウム1gあたりの共重合体生成
量は1812gであった。
【0037】(実施例2) (1)触媒成分[A]の合成 実施例1と同様に行った。 (2)触媒の合成 100ml丸底フラスコに、市販の水銀圧入法で測定し
た半径20Å以上の細孔容積が1.044cc/gのモ
ンモリロナイト4.93gを採取し、フラスコ内を窒素
置換した後、ヘプタン20mlを添加し、スラリーとし
た。別途、トリメチルアルミニウム1.67gをヘプタ
ン13mlに溶解した。トリメチルアルミニウム溶液を
激しく撹拌しながらこれに室温でモンモリロナイトスラ
リーを滴下した。ガスの発生をともなって発熱した。滴
下終了後2時間撹拌し、緑灰色スラリーを得た。別途、
上記(1)で合成した触媒成分[A]0.58mgを室
温で、窒素雰囲気下、17.2mMトリメチルアルミニ
ウムのヘプタン溶液0.71mlと30分間予備接触さ
せ、さらに上記によって製造された触媒成分スラリー
0.95mlと予備接触させた。
【0038】(3)エチレン−プロピレンの共重合 精製窒素で充分置換された2リットルの誘導撹拌式オー
トクレーブに、窒素気流下、室温でn−ヘキサン300
ml、上記触媒スラリーを順次導入した。更に液体プロ
ピレン600mlを導入した。混合液を70℃に昇温し
た後エチレン分圧が17.6kgf/cm2 となるよう
にエチレンを導入し、1時間重合を行った。そののちエ
チレンの供給をとめ、エタノールを導入して重合を停止
させた。オートクレーブ内容物を30℃まで降温してか
ら内部のガスをパージした。その結果、MW /MN
2.2であるエチレン−プロピレン共重合体151.8
gを得た。チタン1gあたりの共重合体生成量は、2.
6×106 gであった。また、トリメチルアルミニウム
に由来するアルミニウム1gあたりの共重合体生成量は
9042gであった。
【0039】(比較例1)上記(1)で合成した触媒成
分[A]0.58mgを室温で、窒素雰囲気下、メチル
アルミノキサン(分子量1232;東ソー・アクゾ製)
Al原子換算13.0mmolのトルエン溶液と30分
間予備接触させた。精製窒素で置換された2リットルの
誘導撹拌式オートクレーブに、窒素気流下、室温でトル
エン300ml、上記触媒溶液を順次導入した。更に液
体プロピレン600mlを導入した。混合液を70℃に
昇温した後エチレン分圧が17.6kgf/cm2 とな
るようにエチレンを導入し、1時間重合を行った。その
のちエチレンの供給をとめ、エタノールを導入して重合
を停止させた。オートクレーブ内容物を30℃まで降温
してから内部のガスをパージし、エチレン−プロピレン
共重合体14.0gを得た。チタン1gあたりの共重合
体生成量は、2.4×105 gであった。また、メチル
アルミノキサンに由来するアルミニウム1gあたりの共
重合体生成量は40gであった。
【0040】
【発明の効果】本発明の方法によれば、分子量分布が狭
くしかも二種以上のオレフィンの共重合に適用した場合
には、分子量分布および組成分布が狭いオレフィン重合
体を高い重合活性で得ることができるため、工業的に有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 亨 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 清水 史彦 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三菱化成株式会社総合研究所内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A]下記一般式[1]または[2]で表
    される遷移金属化合物 【化1】 ([1]及び[2]式中、Mはチタニウム、ジルコニウ
    ム、ハフニウムであり、Xはメチレン基、アルキリデン
    基または硫黄原子、R1 、R2 は同一または異なってい
    てもよい水素、ハロゲン、珪素含有基、ハロゲン置換基
    を有していてもよい炭素数が1〜20の炭化水素基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、チオアルコ
    キシ基を表し、R3 はMに配位する中性の配位子であ
    り、R4-は、上記一般式[2]中の金属カチオンを安定
    化させることのできる対アニオンを示す。) [B]土、粘土鉱物およびイオン交換性層状化合物か
    らなる群から選ばれた一種以上及び [C]有機アルミニウム化合物 とを接触して得られる生成物からなることを特徴とする
    オレフィン重合用触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の触媒及び必要に応じて
    [D]有機アルミニウム化合物の存在下、オレフィンを
    単独重合または共重合させることを特徴とするオレフィ
    ン重合体の製造方法。
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