JP5270875B2 - オレフィン重合用触媒の製造方法及びオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒の製造方法及びオレフィン重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、オレフィン重合用触媒の製造方法に関し、詳しくは、遷移金属でイオン交換したイオン交換性層状化合物と特定の有機化合物を接触する工程を含み、触媒活性が高く、粒子性状に優れた重合体を製造することができる、経済的に有利なオレフィン重合用触媒の製造方法に係るものである。また、本発明は、該製造方法によるオレフィン重合用触媒を用いてオレフィン重合体を安定かつ経済的に安価に製造可能な、オレフィン重合体の製造方法に係るものである。
産業用資材として重要な樹脂材料における基幹ポリマーとしてのポリオレフィンは、工業的に主として、遷移金属化合物を使用するチーグラー系触媒及びメタロセン系触媒により製造されている。かかる触媒における遷移金属化合物としては、シクロペンタジエニル基或いはその類縁体を配位子とする第4族元素の化合物が最も広く知られているが、第3族元素メタロセン系化合物(特許文献1参照)、第5族元素の遷移金属化合物(特許文献2参照)、第6族元素の遷移金属化合物(特許文献3参照)、第7族元素の遷移金属化合物(特許文献4参照)によるオレフィン重合事例も報告されている。
さらに、中心金属として、第8族元素である鉄、第9族元素であるコバルト、第10族元素であるニッケルやパラジウム、第11族元素である銅といった後周期遷移金属元素を含有するオレフィン重合触媒成分が見出されている(例えば、非特許文献1、特許文献5、特許文献6、特許文献7参照)。
これらのいわゆる非メタロセン系触媒は、例えば、炭素原子と二重結合した2座の窒素原子を有する配位子にニッケルやパラジウムが配位したブルックハート触媒(先の特許文献5参照)等としてよく知られているが、重合活性が充分には高くない。窒素原子を有する配位子として、2座以上の窒素原子などの配位サイトを有する化合物を用い、有機アルミニウム化合物の1つであるメチルアルミノキサンと組み合わせた触媒系においては、エチレンを高活性で重合するが、メチルアルミノキサンによる重合体鎖の成長反応の阻害が著しくて、分子量の高い重合体を得ることが難しく、さらに生成する重合体の粒子性状が悪いという問題が未だ解決されていない。
一方、第4族元素メタロセン錯体触媒によりオレフィンを重合するに際しても、生成するオレフィン重合体を粒子化された状態で得るための努力がなされており、実用に至っている。例えば、トリアルキルアルミニウムで処理されたシリカ等の微粒子状担体にジルコノセン化合物とメチルアルミノキサンを接触させてエチレン予備重合を行って得られた触媒(非特許文献2参照)や、粘土鉱物をメタロセン化合物の助触媒兼担体として使用した触媒(特許文献8参照)が知られている。
この粒子化の努力は上述の非メタロセン錯体触媒系においても検討されており、例えば、第8〜10族元素の多座窒素配位子錯体や第3〜11族元素のフェノキシイミン配位子錯体をシリカ等の微粒子や特定の樹脂に助触媒とともに担持したり、上述の粘土鉱物と組み合わせて使用する試みがなされている(特許文献9,10,11参照)。
この粘土鉱物と非メタロセン錯体を組み合わせた触媒系は、活性が高く、更には粒子性状や分子量をある程度改良することが出来るが、複雑な合成工程と精製分離工程を経て得られる高価な非メタロセン錯体を触媒原料として使用するため、触媒の価格が高くなり、経済的に不利であったり、錯体の担持が不充分なため、粒子性状が必ずしも良好ではない。
そこで、高価な非メタロセン錯体を使用する必要のない触媒系を得るための試みもなされているが(特許文献12,14参照、その他多数)、重合活性や粉体性状の面で必ずしも充分な成果が得られていない。更には、イオン交換性層状化合物にイオン化した非メタロセン錯体をインターカレーションした触媒系を得るための試みもなされているが(特許文献13参照)、重合活性や粉体性状の面で必ずしも充分な成果が得られておらず、また、複雑な合成工程と精製分離工程を経て得られる高価な非メタロセン錯体を更に複雑な工程でイオン化錯体として触媒原料として使用するため、経済的に安価なオレフィン重合体の製造方法の開発には至っていない。
特開平9−95514号公報 特表2002−503733号公報 特表2002−541152号公報 特表2003−527403号公報 WO96/23010号国際公開 WO98/27124号国際公開 特開平11−171915号公報 特開平5−301917号公報 特開平9−278821号公報 特開2000−313712号公報 特開2000−198812号公報 特開2000−344821号公報 特開2002−53611号公報 特開2003−306511号公報 Journal of American Chemical Society、117巻、6414頁 触媒、44巻、3号、194頁(2002年)触媒学会発行
本発明は、背景技術において記述したところの、遷移金属に配位或いは結合する窒素原子を2個有する配位子に遷移金属原子が配位した、非メタロセン系のオレフィン重合用触媒およびその製造方法に関する技術改良を行い、かかる重合用触媒における従来の問題を解消して、触媒活性が高く、粒子性状に優れたポリマーを生成でき、経済的に安価なオレフィン重合用触媒を開発し、該重合用触媒を用いて安定かつ経済的に有利なオレフィン重合体の製造方法を実現することを、発明が解決すべき課題とするものである。
本発明者らは、上記した発明の課題の解決を目指して、2座の窒素原子の配位サイトを有する化合物を用い、配位サイトや配位する遷移金属原子及び助触媒や担持体などの種類と組み合わせ、さらには触媒の製法条件や重合条件等を、多面的に思料し実験的に考察して、それらの過程において、特定のイオン交換性層状化合物と特定の有機化合物を選択し、それらを接触して得られるオレフィン重合用触媒を用いることにより、上述のような問題が解決されることを見出し、本発明を創作するに至ったものである。
しかして、本発明は、2座の窒素原子の配位サイトを有する有機化合物を、特に、炭素原子と一重結合、二重結合、または三重結合した2座の窒素原子を有する配位子を用いて、周期表の第3〜11族遷移金属原子、特に第4族、第5族、第6族、第8族、第9族又は第10族の特定の遷移金属原子、なかんずく後周期の遷移金属原子を使用して、助触媒としてイオン交換性層状化合物を採用するものである。そして、助触媒の化合物に遷移金属原子をインターカレートし、特定の配位サイトを有する有機化合物と接触させて、オレフィン重合用の触媒を得るものである。
即ち、本発明の要旨は、下記(A)成分と(B)成分を接触する工程を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒の製造方法に存する。
(A)成分:周期表第3〜11族の遷移金属イオン又は該遷移金属錯イオンが、インターカレートされたイオン交換性層状化合物。
(B)成分:下記一般式(B−1)又は(B−2)から選ばれる窒素原子を2個以上有する分子量1,000以下の有機化合物。
(B−1)以下のI〜IVから選ばれる化合物
Figure 0005270875
[式中、R1、R4、R10及びR15は、それぞれ独立に炭素数3〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数8〜20のアラルキル基を示し、これらの基において、イミノ基の窒素原子に結合する炭素原子は少なくとも2個の炭素原子と結合している。R2、R3、R5〜R9、R11〜R14、及びR16〜R25は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜20のアラルキル基を示す。]
(B−2)以下のV〜Xから選ばれる化合物
Figure 0005270875
[式中、R26、R27、R29、R30、R31、R32〜R49はそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロカルビル基、任意の置換基を有するヒドロカルビル基、ヒドロカルビレン基、任意の置換基を有するヒドロカルビレン基である。同一の窒素原子を置換するR26とR27、R29とR30、R31とR32、R36とR37、R42とR43は互いに窒素原子を含む環を形成してもよい。同一の炭素-窒素二重結合を置換するR34とR35、R45とR46は互いに炭素-窒素二重結合を含む環を形成してもよい。同一の炭素原子を置換するR39とR40、R48とR49は互いに炭素原子を含む環を形成してもよい。R28、R33、R38、R41、R44、R47はそれぞれ独立したヒドロカルビル基、任意の置換基を有するヒドロカルビル基、ヒドロカルビレン基、任意の置換基を有するヒドロカルビレン基であり、隣接するR28、R33、R38、R41、R44、R47同士は環を形成してもよい。nは1以上の整数である。]
また、本発明の他の要旨は、(A)成分が周期表第4、5、6、8、9又は10族の遷移金属イオン又は該遷移金属錯イオンがインターカレートされたイオン交換性層状化合物であることを特徴とする前記のオレフィン重合用触媒の製造方法に存する。
また、本発明の他の要旨は、(A)成分がTi、Zr、V、Cr、Fe、Co、Ni又はPdの遷移金属イオン又は該遷移金属錯イオンがインターカレートされたイオン交換性層状化合物であることを特徴とする前記のオレフィン重合用触媒の製造方法に存する。
また、本発明の他の要旨は、(A)成分と(B)成分の接触を、水、アルコール、ケトン、エステル、無機酸及び有機酸の中から選択される少なくとも一つの溶媒の存在下に実施することを特徴とする前記のオレフィン重合用触媒の製造方法に存する。
また、本発明の他の要旨は、(A)成分と(B)成分の接触生成物に、更に、下記(C)成分を接触させる工程を含むことを特徴とする前記のオレフィン重合用触媒の製造方法に存する。
(C)成分:有機アルミニウム化合物、有機マグネシウム化合物及び有機亜鉛化合物の中から選択される少なくとも一つの有機金属化合物
また、本発明の他の要旨は、前記のオレフィン重合用触媒の製造方法で製造されたオレフィン重合用触媒を用いることを特徴とするオレフィン重合体の製造方法に存する。
なお、特開2002−53611号公報(先の特許文献13の要約及び特許請求の範囲の請求項1,4参照)には「イオン交換反応により、周期表第8〜11族から選ばれる遷移金属を含有するビスイミド化合物がイオン交換性層状化合物にインターカーレーションしてなる化合物を用いるオレフィン重合用触媒」が記載されているが、(B)成分が使用されておらず、本発明とは製造方法が異なるので、本発明の構成と特徴を示唆するものではないといえる。
本発明においては、炭素原子と一重結合、二重結合、または三重結合した2座の窒素原子を有する配位子に遷移金属原子が配位した、非メタロセン系のオレフィン重合触媒およびその製造方法の技術改良を行ったので、かかる重合触媒における従来の問題が解消されて、触媒活性が高く、粒子性状に優れたポリマーを生成でき、経済的に安価なオレフィン重合用触媒が実現され、該重合用触媒を用いて安定かつ経済的に有利なオレフィン重合体の製造方法が提供される。
以上においては本発明における創作の経緯と特徴及び発明の構成の骨格について概述したので、以下、発明の実施の形態を詳しく記述する。
1.オレフィン重合用触媒成分
(1)(A)成分について
本発明のオレフィン重合用触媒成分には、(A)成分として、周期表第3〜11族の遷移金属イオン又は該遷移金属錯イオン、好ましくは、周期表第4、5、6、8、9又は10族の遷移金属イオン又は該遷移金属錯イオン、更に好ましくは、Ti、Zr、V、Cr、Fe、Co、Ni又はPdの遷移金属イオン又は該遷移金属錯イオンを用いて、それらがインターカレートされたイオン交換性層状化合物を使用する。
一般に、イオン交換性層状化合物とは、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる化合物であり、その例として、大部分の粘土が挙げられる。また、粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。これら粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は天然産のものに限らず、人工合成物であってよい。粘土、粘土鉱物に関しては、白水晴雄著「粘土鉱物学 ―粘土科学の基礎―」(朝倉書店、1988年発行)や日本粘土学会編「粘土ハンドブック 第二版」(技報堂出版、1987年発行)に詳細な記載がある。
粘土、粘土鉱物の具体例としてはアロフェン等のアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイト等のハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィライト、緑泥石群等が挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。
イオン交換性層状化合物の具体例のうち好ましくはディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイト等のハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物があげられ、特に好ましくはモンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイトがあげられる。また、人工の合成物として、合成ヘクトライト、合成雲母(マイカ)、合成サポナイト等が好ましく挙げられる。
更に他の、イオン交換性層状化合物として、六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl2 型、CdI2 型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物等を例示することができる。これらの具体例としては、α−Zr(HAsO4 2 ・H2 O、α−Zr(HPO4 2 、α−Zr(KPO4 2 ・3H2 O、α−Ti(HPO4 2 、α−Ti(HAsO4 2 ・H2 O、α−Sn(HPO4 2 ・H2 O、γ−Zr(HPO4 2 、γ−Ti(HPO4 2 、γ−Ti(NH4 PO4 2 ・H2 O、ニオブ酸塩等の多価金属の結晶性酸性塩があげられる(「山中昭司著、触媒、 32巻、1号(1990年)9ページ」を参照)。
これらのイオン交換性層状化合物は特に処理を行なうことなくそのまま用いてもよいし、ボールミルやジェットミル等の粉砕、篩い分けやサイクロン等による分級、分別、酸処理、アルカリ処理、塩類処理等といった化学処理、造粒処理、乾燥等を行なった後に用いてもよい。また単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のイオン交換性層状化合物には、上述の一般的なイオン交換性層状化合物に、周期表第3〜11族の遷移金属、好ましくは、第4、5、6、8、9又は10族の遷移金属、更に好ましくは、10族の遷移金属(Ni、Pd、Pt、Eu)、Ti、Zr、V、Cr、Fe又はCo、特に好ましくはNi又はPdの少なくとも1つの遷移金属イオン又は該遷移金属錯イオンをインターカレートしたものが用いられる。よく知られているインターカレートの方法に塩類処理があり、イオン交換性を利用し、層間に存在する交換性の陽イオンを遷移金属イオンや該遷移金属錯イオンと置換することにより、実施される。
本発明においては、塩類で処理される前の、イオン交換性層状化合物の含有する交換可能なイオンの1%以上、好ましくは10%以上、更に好ましくは30%以上、最も好ましくは50%以上を、該遷移金属イオンもしくは該遷移金属錯イオンとイオン交換することが必要である。
この様なイオン交換を目的とした本発明の遷移金属イオン又は該遷移金属錯イオンを含有する塩類処理で用いられる塩類は、Ti、Zr、Hf、V、Cr、Fe、Co、Ni又はPdの少なくとも1つの、更に好ましくは、Ti、Zr、V、Co、Ni又はPdの少なくとも1つの、特に好ましくは、Ti、Zr、Ni又はPdの元素を含むイオンを含有する化合物である。
好ましくは、Ti、Zr、Hf、V、Cr、Fe、Co、Ni又はPdの少なくとも1つの元素を含む陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸および有機酸からなる群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンとからなる化合物であり、更に好ましくは、Ti、Zr、Hf、V、Cr、Fe、Co、Ni又はPdの少なくとも1つの元素を含む陽イオンと、Cl、Br、I、F、S、O、PO4 、SO4 、NO3 、CO3 、C2 4 、ClO4 、OOCCH3 、CH3 COCHCOCH3 、OCl2 、O(NO3 2、O(ClO4 2 、O(SO4 )、OH、O2 Cl2 、OCl3 、OOCH、OOCCH2 CH3 、OOCH(C25)C49 、C2 4 4 及びC6 5 7 からなる群から選ばれる少なくとも一種の陰イオンとからなる化合物である。
具体的には、Ti(OOCCH3 4 、Ti(CO3 2 、Ti(NO3 4 、Ti(SO4 2 、TiF4 、TiCl4 、TiBr4 、TiI4 、TiCl3 ・AlCl3 、Zr(OOCCH3 4 、Zr(CH3 COCHCOCH3 4 、Zr(CO3 2、Zr(NO3 4 、Zr(SO4 2 、ZrF4 、ZrCl4 、ZrBr4、ZrI4 、ZrOCl2 、ZrO(NO3 2 、ZrO(ClO4 2 、ZrO(SO4 )、Hf(OOCCH3 4 、Hf(CO3 2 、Hf(NO3 4、Hf(SO4 2 、HfOCl2 、HfF4 、HfCl4 、HfBr4 、HfI4 、V(CH3 COCHCOCH3 3 、VOSO4 、VOCl3、VCl3 、VCl4 、VBr3 、Cr(CH3 COCHCOCH3 3 、Cr(OOCH)2 OH、Cr(NO3 3 、Cr(ClO4 3 、CrPO4 、Cr2 (SO4 3 、CrO2 Cl2 、CrF3 、CrCl3 、CrBr3 、CrI3 、Fe(OOCCH3 2 、Fe(CH3COCHCOCH3 3 、FeCO3 、Fe(NO3 3 、Fe(ClO4 3、FePO4 、FeSO4 、Fe2 (SO4 3、FeF3 、FeCl3 、FeBr3 、FeI2 、FeC6 5 7 、Co(OOCCH3 2 、Co(CH3COCHCOCH3 3 、CoCO3 、Co(NO3 2 、CoC2 4 、Co(ClO4 2 、Co3 (PO4 2 、CoSO4 、CoF2 、CoCl2 、CoBr2 、CoI2 、NiCO3 、Ni(NO3 2 、NiC2 4 、Ni(ClO4 2 、NiSO4 、NiCl2 、NiBr2 、Pd(C5722 、PdCl2 、PdBr2 、PdI2 、Pd(CN)2 、Pd(NO32 、PdSO4 、Pd(O2CCF32 等が挙げられる。
イオン交換を目的とした本発明の遷移金属イオン又は該遷移金属錯イオンを含有する塩類処理で用いられる塩類として、更に、Ti、Zr、Hf、V、Cr、Fe、Co、Ni又はPdの少なくとも1つの元素を含み、NH3 、NO2 、CN 、CO、H2O、OH、ハロゲン原子、エーテル化合物等を含むいわゆる錯塩化合物がある。具体的には、TiCl4(NH3 2 、ZrCl4 ・2C48O、ZrO(OH)0.8(SO4 0.6 ・XH2O、Hf(OC374 ・C37OH 、VCl3 (C48O)2-3 、Cr3 (OH)2(OOCCH3 7 、[Co(NH3 6 ]Cl3 、CoCr24、CoMoO4、CoWO4、Co(CO)3(NO)、[Co(NH3 6 ]Cl3 、[(C653P]2NiBr2 、[(C653P]2NiCl2 、[Ni(NH3 6 ]Cl2 、[Ni(NH3 6 ]I2 、NiCO3 ・2Ni(OH)2 、Pd(NH3 2 (NO22 、Pd(NH34 (NO32 、PdCl2 (CH3CN)2 、PdCl2 (C65CN)2 、Pd(NH3 2Cl2等が挙げられる。なお、塩類処理で用いられる遷移金属イオン又は該遷移金属錯イオンを含有する塩類としては、遷移金属塩、遷移金属錯塩のうち、遷移金属塩が好ましい。
上述の遷移金属イオン又は該遷移金属錯イオンを含有する塩類処理等でイオン交換性層状化合物にTi、Zr、Hf、V、Cr、Fe、Co、Ni又はPdの少なくとも1つの遷移金属イオン又は該遷移金属錯イオンがインターカレートされていることの確認は、通常、塩類処理前後の元素組成とX線回折ピークの変化を観測することによって行うことが出来る。
元素分析は、特に、原料中の層間イオン元素の含有量減少及び塩類処理後の該遷移金属の含量増加を観測する。また、X線回折ピークのうち、特に、原料として使用した層状化合物の底面間隔(図1を参照)を示すX線回折のピークが、塩類処理の前後で変化しているかどうかを観測することによって行う。図1は、イオン交換性層状化合物に層間カチオンがインターカレートされた状態を例示する模式図、及びインターカレート処理工程を例示する処理フロー図である。
遷移金属イオン又は該遷移金属錯イオンを含有する塩処理と共に、酸処理を逐次的に、あるいは共存で行うことも出来る。このような酸処理は表面の不純物を取り除くほか、結晶構造のAl、Fe、Mg等の陽イオンの一部又は全部を溶出させ、当遷移金属イオン若しくは当遷移金属錯イオンのインターカレーションを促進することが出来る。酸処理で用いられる酸は、好ましくは塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸から選択される。処理に用いる遷移金属イオン又は該遷移金属錯イオンを含有する塩類及び酸は、2種以上であってもよい。塩類処理と酸処理を組合せる場合においては、酸処理を行った後、塩類処理を行う方法、塩類処理を行った後、弱い酸処理を行う方法、及び塩類処理と酸処理を同時に行う方法がある。
塩類及び酸による処理条件は、特には制限されないが、通常、塩類及び酸濃度は、0.1〜30重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は、5分〜24時間の条件を選択して、イオン交換性層状化合物を構成している物質(陽イオン等)の少くとも一部を溶出する条件で行うことが好ましい。また、塩類及び酸は、トルエン、n−ヘプタン、エタノール等の有機溶媒に混合して用い、又は塩類が処理温度において液体状であれば、無溶媒で用いることもできるが、好ましくは水溶液として用いられる。塩の種類によっては酸処理と類似の効果を示すものもある。
本発明では、上記塩類処理及び必要に応じて酸処理を行なうが、処理前、処理間、処理後に粉砕や造粒等で形状制御を行ってもよい。また、アルカリ処理や有機物処理等の他の化学処理を併用してもよい。
このようにして得られる(A)成分としては、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上、特には、0.3〜5cc/gのものが好ましい。(A)成分の平均粒径は、5μm以上、100μm以下が好ましい。5μm未満の微粒子が多く存在すると、ポリマー同士の凝集、反応器への付着等が起こり易く、また重合プロセスによってはショートパス或いは長期滞留の要因となり好ましくない。100μmを超える粗粒子については閉塞(例えば、触媒フィード時)が起こり易いなどの問題が生じるために好ましくない。これらを満たす粒子であれば、天然物或いは市販品をそのまま使用してもよいし、分級、分別等により粒径を制御して使用してもよい。
造粒法は上記粒径、形状を満たす方法であれば特に限定されないが、噴霧造粒法が好ましい。粒子強度は造粒工程においてその制御が可能である。好ましい範囲の圧壊強度を得るためには、本発明のイオン交換性層状化合物の粒子を微細化した後に再粒子化することが好ましい。イオン交換性層状化合物は、如何なる方法において微細化してもよい。微細化する方法としては、乾式粉砕、湿式粉砕いずれの方法でも可能であるが、湿式粉砕が好ましい。湿式粉砕とは、水を分散媒として使用しイオン交換性層状化合物の膨潤性を利用した粉砕方法をいう。例えば、ポリトロン等を使用した強制撹拌による方法やダイノーミル、パールミル等による方法が例示できる。造粒する前の粒径及び1μm未満粒子の体積分率は、平均粒径が0.01〜5μm、かつ1μm未満の粒子分率が10%以上、好ましくは、平均粒子径が0.1〜3μm、かつ1μm未満の粒子分率が40%以上である。噴霧造粒の分散剤は通常、水を使用する。
造粒粒子の形状は球状であることが好ましい。球状粒子が得られる噴霧造粒の原料スラリー液のイオン交換性層状化合物の濃度は、スラリー粘度にもよるが、0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、特に好ましくは2〜20重量%である。球状粒子が得られる噴霧造粒の熱風の入り口の温度は、分散媒により異なるが、水を例にとると80〜260℃、好ましくは100〜220℃で行う。本発明の特定の細孔分布を有するイオン交換性層状化合物を製造するためには、化学処理前に造粒を行うことが好ましい。
(2)(B)成分について
本発明のオレフィン重合用触媒成分には、(B)成分として上述の一般式(B−1)または(B−2)から選ばれる窒素原子を2個以上有する分子量1,000以下の有機化合物を使用する。(B−1)および(B−2)の化合物群を以下に詳細に記述する。
(B−1)は以下のI〜IVから選ばれる化合物である。
Figure 0005270875
[式中、R1、R4、R10及びR15は、それぞれ独立に炭素数3〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数8〜20のアラルキル基を示し、これらの基において、イミノ基の窒素原子に結合する炭素原子は少なくとも2個の炭素原子と結合している。R2、R3、R5〜R9、R11〜R14、及びR16〜R25は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜20のアラルキル基を示す。]
具体的には、R1、R4、R10およびR15の炭素数3〜20のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソプロペニル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、シクロへプチル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、1−メチルヘプチル基、等が挙げられ、好ましくは、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基であり、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、エチルフェニル基、o−プロピルフェニル基、m−プロピルフェニル基、p−プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,3−ジイソプロピルフェニル基、2,4−ジイソプロピルフェニル基、2,5−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、ジフェニルメチル基、アントリル基、フェナントリル基、5,6,7,8−テトラヒドロナフチル基、ビフェニル基、等が挙げられ、好ましくは、フェニル基、o−トリル基、o−プロピルフェニル基、2,4−キシリル基、2,6−キシリル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、であり、炭素数8〜20のアラルキル基のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、アリール基が結合する基としては、アルキル基、アルケニル基等が挙げられ、例えば、1−フェニル−エチル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(4,6−ジメチルフェニル)メチル基、(2−エチルフェニル)メチル基、(2−プロピルフェニル)メチル基、(2−ブチルフェニル)メチル基、(2,6−ジプロピルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、1−フェニル−イソプロピル基、1−(2−メチル−フェニル)−イソプロピル基、1−フェニル−イソプロピル基、等が挙げられ、好ましくは、1−フェニル−エチル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジプロピルフェニル)メチル基、1−フェニル−イソプロピル基である。
2、R3、R5〜R9、R11〜R14、およびR16〜R25は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜20のアラルキル基を示す。具体的には、R2、R3、R5〜R9、R11〜R14、およびR16〜R25の炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソプロペニル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、シクロへプチル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、1−メチルヘプチル基、等が挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基であり、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、エチルフェニル基、o−プロピルフェニル基、m−プロピルフェニル基、p−プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,3−ジイソプロピルフェニル基、2,4−ジイソプロピルフェニル基、2,5−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、ジフェニルメチル基、アントリル基、フェナントリル基、5,6,7,8−テトラヒドロナフチル基、ビフェニル基、等が挙げられ、好ましくは、フェニル基、o−トリル基、o−プロピルフェニル基、2,4−キシリル基、2,6−キシリル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、であり、炭素数7〜20のアラルキル基のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、アリール基が結合する基としては、アルキル基、アルケニル基等が挙げられ、例えば、ベンジル基、1−フェニル−エチル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(4,6−ジメチルフェニル)メチル基、(2−エチルフェニル)メチル基、(2−プロピルフェニル)メチル基、(2−ブチルフェニル)メチル基、(2,6−ジプロピルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、1−フェニル−イソプロピル基、1−(2−メチル−フェニル)−イソプロピル基、1−フェニル−イソプロピル基、等が挙げられ、好ましくは、ベンジル基、1−フェニル−エチル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジプロピルフェニル)メチル基、1−フェニル−イソプロピル基である。
1とR2、R3とR4、R6とR7、R7とR8、R10とR11、R11とR12、R12とR13、R13とR14、R14とR15は互いに窒素原子を含む環を形成してもよい。nは1以上の整数であり、nが2以上の場合、隣接するR7同士は環を形成してもよい。R2とR3、R5とR6、R8とR9、R11とR12、R12とR13、R13とR14、R16とR17、R17とR18、R18とR19、R20とR21、R22とR23、R23とR24、R24とR25は互いに炭素原子を含む環を形成してもよい。
(B−1)の具体例としては、例えば、以下に示す化合物等が挙げられる。
Figure 0005270875
Figure 0005270875
(B−1)の具体例として、好ましい化合物は下記のものである。
Figure 0005270875
(B−1)の具体例として、更に好ましい化合物は下記のものである。
Figure 0005270875
(B−2)以下のV〜Xから選ばれる化合物
Figure 0005270875
[式中、R26、R27、R29、R30、R31、R32〜R49はそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロカルビル基、任意の置換基を有するヒドロカルビル基、ヒドロカルビレン基、任意の置換基を有するヒドロカルビレン基である。同一の窒素原子を置換するR26とR27、R29とR30、R31とR32、R36とR37、R42とR43は互いに窒素原子を含む環を形成してもよい。同一の炭素-窒素二重結合を置換するR34とR35、R45とR46は互いに炭素-窒素二重結合を含む環を形成してもよい。同一の炭素原子を置換するR39とR40、R48とR49は互いに炭素原子を含む環を形成してもよい。
28、R33、R38、R41、R44、R47はそれぞれ独立したヒドロカルビル基、任意の置換基を有するヒドロカルビル基、ヒドロカルビレン基、任意の置換基を有するヒドロカルビレン基であり、隣接するR28、R33、R38、R41、R44、R47同士は環を形成してもよい。nは1以上の整数である。]
具体的には、R26、R27、R29、R30、R31、R32、R34〜R37、R39、R40、R42、R43、R45、R46、R48およびR49の炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロペニル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルブチル基、tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、シクロへプチル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、1−メチルヘプチル基、等が挙げられ、好ましくは、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基であり、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、エチルフェニル基、o−プロピルフェニル基、m−プロピルフェニル基、p−プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,3−ジイソプロピルフェニル基、2,4−ジイソプロピルフェニル基、2,5−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、ジフェニルメチル基、アントリル基、フェナントリル基、5,6,7,8−テトラヒドロナフチル基、ビフェニル基、等が挙げられ、好ましくは、フェニル基、o−トリル基、o−プロピルフェニル基、2,4−キシリル基、2,6−キシリル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基であり、炭素数7〜20のアラルキル基のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、アリール基と結合する基としては、アルキル基、アルケニル基等が挙げられ、例えば、1−フェニル−エチル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(4,6−ジメチルフェニル)メチル基、(2−エチルフェニル)メチル基、(2−プロピルフェニル)メチル基、(2−ブチルフェニル)メチル基、(2,6−ジプロピルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、1−フェニル−イソプロピル基、1−(2−メチル−フェニル)−イソプロピル基、1−フェニル−イソプロピル基、等が挙げられ、好ましくは、1−フェニル−エチル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジプロピルフェニル)メチル基、1−フェニル−イソプロピル基である。
同一の窒素原子を置換するR26とR27、R29とR30、R31とR32、R36とR37、R42とR43は互いに窒素原子を含む環を形成してもよい。同一の炭素-窒素二重結合を置換するR34とR35、R45とR46は互いに炭素-窒素二重結合を含む環を形成してもよい。同一の炭素原子を置換するR39とR40、R48とR49は互いに炭素原子を含む環を形成してもよい。
式中、R28、R33、R38、R41、R44およびR47は、炭素数1〜20のアルキレン基を示す。具体的には、炭素数1〜20のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、イソプロピリデン基、1−メチルエチレン基、n−ブチレン基、1−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1−メチルブチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、1,1−ジメチルブチレン基、1,2−ジメチルブチレン基、1,3−ジメチルブチレン基、等が挙げられ、好ましくは、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、イソプロピリデン基である。
nは1以上の整数であり、nが2以上の場合、隣接するR28、R33、R38、R41、R44、R47同士は環を形成してもよく、環を形成する隣接した2原子間が二重結合であってもよい。
(B−2)の具体例としては、例えば、以下に示す化合物等が挙げられる。
Figure 0005270875
Figure 0005270875
成分(B)は、上記(B−1)(B−2)から選ばれる化合物であるが、これらは2種以上を用いることもできる。
(3)(C)成分について
本発明のオレフィン重合用触媒成分には、必要に応じて、さらに、(C)成分として、有機アルミニウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物の中から選択される少なくとも一つの有機金属化合物を使用する。
有機アルミニウム化合物としては、一般式 AlR80 j3-j (式中、R80 はC1〜C20の炭化水素基、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、jは0<j≦3の数)で示される化合物が使用され、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウムまたはジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムメトキシド等のハロゲンもしくはアルコキシ含有アルキルアルミニウムが例示可能である。またこの他、メチルアルミノキサン等のアルミノキサン等も使用できる。これらのうち特にトリアルキルアルミニウムが好ましい。
有機マグネシウム化合物としては、一般式 MgR90 k2-k (式中、R90 はC1〜C20の炭化水素基、Yは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、kは0<k≦2の数)で示される化合物が使用され、具体的には、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジイソブチルマグネシウム、ジオクチルマグネシウム等のジアルキルマグネシウムまたはエチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムメトキシド等のハロゲンもしくはアルコキシ含有アルキルマグネシウムが例示可能である。これらのうち特にジアルキルマグネシウムが好ましい。
有機亜鉛化合物としては、一般式 ZnR100 L2-L (式中、R100 はC1〜C20の炭化水素基、Zは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、Lは0<l≦2の数)で示される化合物が使用され、具体的には、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジオクチル亜鉛等のジアルキル亜鉛またはエチル亜鉛クロライド、エチル亜鉛メトキシド等のハロゲンもしくはアルコキシ含有アルキル亜鉛が例示可能である。これらのうち特にジアルキル亜鉛が好ましい。
またこの他、Al−O−Mg結合、Al−O−Zn結合、Mg−O−Zn結合を有する各種縮合生成物等も使用できる。これら有機金属化合物のうち、(C)成分として最も好ましいのはトリアルキルアルミニウムであり、中でも、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウムが特に好ましい。
2.オレフィン重合触媒の調製
(1)(A)成分と(B)成分の接触
本発明による触媒の製造方法は、上述の(A)成分と(B)成分を重合槽外で或いは重合槽内で、同時に若しくは連続的に、或いは一度に若しくは複数回にわたって、接触させる工程を含む。好適な具体例として、ホスト化合物((A)成分など)の層間において陽イオンとイオン交換された鉄等の金属イオンに対して、ゲスト化合物((B)成分)がインターカレートされ、層間において錯化されて新規な重合触媒を形成する。図1は、イオン交換性層状化合物に層間カチオンがインターカレートされた状態を例示する模式図、及びインターカレート処理工程を例示する処理フロー図である。
接触は任意の方法で実施することが出来るが、一般的な形態を以下に説明する。即ち、通常、接触する際の(A)成分の濃度は、0.1〜60重量%、好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは5〜20重量%であり、(B)成分の濃度は、10-3〜1mol/L、好ましくは10-2〜0.3mol/L、更に好ましくは0.05〜0.1mol/Lであり、(A)成分と(B)成分の比は、0.001〜10mmol/g、好ましくは0.01〜2mmol/g、更に好ましくは0.1〜1mmol/gである。接触は、液体中で実施することが好ましく、トルエン、ベンゼン、キシレン、クメン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリル等のニトリル類、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル等のエステル類、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、メタンスルホン酸等の有機酸を始めとする各種有機溶媒中、若しくは水溶液中、或いは塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸中、または水中において実施されるが、(B)成分が処理温度において液体状であれば、無溶媒で用いることもでき、好ましくはアルコール中、或いはエーテル中等で、成分(B)を可溶化させつつ、成分(A)の層状化合物を膨潤させることができる溶媒中で実施される。処理温度は系内に液体が存在する温度であれば特に限定されないが、好ましくは0〜100℃、更に好ましくは室温〜80℃である。処理時間は、一般的には5分〜720時間の条件を選択するが、(A)成分である当イオン交換性層状化合物の層間に(B)成分の少なくとも一部がインターカレートされる条件で行うことが好ましい。
本発明で使用する成分(A)、(B)の使用量は任意である。例えば、成分(A)に対する成分(B)の使用量は、成分(A)1gに対し、好ましくは0.1〜10,000μmol、更に好ましくは1〜1000μmolの範囲であり、特に好ましくは10〜100μmolの範囲である。
(A)成分の層間に(B)成分がインターカレートされたことの確認は、(A)成分の層間への遷移金属イオン又は該遷移金属錯イオンのインターカレーションの確認と同様、元素分析とX線回折測定により測定される底面間距離の大きさから行う。一般に層状化合物の粉末法X線回折測定では、低角度側に層状構造特有の回折ピークが現れる。この回折ピークは底面反射ピークと呼ばれ、層が積み重なった方向の繰り返しに由来する回折線である。この回折ピークの回折角度と用いたX線の波長からブラッグの式を使ってd値を計算すれば、底面間距離が求められる。なおこの底面間距離には層自身の厚みも含まれている。本発明では、(B)成分が層間にインターカレートされた後の(A)成分の底面間隔距離は、スメクタイトの場合、好ましくは10.0〜30.0Åであり、更に好ましくは12.0〜20.0Åであり、特に好ましくは13.0〜18.0Åである。また、当インターカレート処理前後のイオン交換性層状化合物の底面間隔距離の増加量は、通常、0Åより大きく20.0Å以下であり、好ましくは1.0〜15.0Åであり、更に好ましくは3.0〜10.0Åであり、特に好ましくは4.0〜7.0Åである。層状化合物の底面間距離は、X線回折測定で2θが5度〜10度付近のシフトから、計算することが可能である。
このような接触反応の後、通常、水若しくは前記溶媒による洗浄により、過剰の(B)成分を除去した後、一般のオレフィン重合用触媒を被毒しないような溶媒、例えば、脱水されたトルエン、ヘキサン、ヘプタン等の無極性炭化水素溶媒による洗浄を行い、必要に応じて、有機アルミニウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アルカリ化合物等による処理を行ったものが、オレフィン重合用触媒成分として、オレフィン重合用触媒の製造に供され、裸触媒として、あるいは予備重合触媒として、オレフィン重合体の製造に使用される。
3.オレフィンの重合
重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式を採用しうる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、溶液重合法、不活性溶媒を実質的に用いないプロピレン等のモノマーを溶媒として用いるバルク法、或いは実質的に液体溶媒を用いずに各モノマーをガス状に保つ気相法等が採用できる。また重合方式としては、連続重合と回分式重合に適用される。スラリー重合の場合は、重合溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族又は芳香族炭化水素の単独又は混合物が用いられる。更には塩化メチレンやクロロベンゼンといったハロゲン化炭化水素溶媒を使用することも出来る。重合温度は−50〜200℃であり、また分子量調節剤として補助的に水素を用いることができる。重合圧力は0〜2000kg/cm2Gの範囲で実施可能である。
本発明を更に具体的に説明するために、以下においては好適な実施例及び対応する比較例を記載する。各実施例と比較例との対照により、本発明の構成要件の合理性と有意性を実証し、更に本発明の従来技術に対する卓越性をも明らかにするものである。
[実施例1]
(1)Mg2+イオン交換モンモリロナイトの合成
市販の膨潤性モンモリロナイト(「ベンクレイSL」、水澤化学社製)20kgを硫酸マグネシウムの硫酸水溶液(硫酸マグネシウム濃度6.9重量%、硫酸濃度11.2重量%)187kg中に分散させ、90℃で7時間撹拌した。これを脱塩水にて濾過・洗浄した後、得られた固体ケーキを110℃で10時間乾燥した。得られた乾燥モンモリロナイト中の塊状物を目開き75μmの篩によって取り除き、篩を通過したMg2+イオン交換モンモリロナイト粒子を10kg得た。
(2)Ni2+イオン交換モンモリロナイトの合成
(1)で得られたMg2+イオン交換モンモリロナイト粒子10gを、純水100gと市販の硝酸ニッケル六水和物17.45gの混合溶液中に分散させて90℃で3時間攪拌した。これを脱塩水にてpH3.5まで濾過・洗浄した後、得られた含水固体ケーキを110℃で10時間予備的に乾燥し、更に200℃で2時間減圧乾燥してNi2+イオン交換モンモリロナイトを得た。
(3)触媒成分調製(モンモリロナイト−ジイミン配位子複合体調製)
次に(2)で得られたNi2+イオン交換モンモリロナイト0.50gを窒素雰囲気下で30mLフラスコに量り取り、そこに0.50mmolの2,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ブタン配位子を脱水n−ブタノール16.8mLに溶かした溶液を5.0mL加え、5分間撹拌後、70℃に保ったオイルバス中で、24時間反応させた。反応時間終了後、室温まで冷却してから、上澄み液を可能な限り抜き出し、更に脱水n−ブタノール10mLを加えて1分間撹拌して洗浄した。静置後、触媒成分が沈降したら上澄み液を可能な限り抜き出した。このn−ブタノールによる洗浄操作を3回行った。次に脱水n−ヘプタン10mLを加えて洗浄し、触媒成分沈降後、上澄み液を可能な限り抜き出した。この洗浄操作を3回行った。最後に室温にて溶媒を減圧排気し、目視にて溶媒が確認されなくなってから更に30分間減圧乾燥を行って触媒成分とした。
(4)エチレン重合
(3)で得られたNi2+がインターカレートされたモンモリロナイト−ジイミン配位子複合体を用いてエチレンのスラリー重合を行った。即ち、3Lオートクレーブにn−ヘプタン1.5L、トリエチルアルミニウム2.5mmolを加え、80℃に昇温した。次いで、上記複合体(触媒成分)100mgをエチレンと共に導入し、エチレン圧を2.0MPaに保って、80℃で60分間重合を行った後、エタノールを加えて重合を停止させた。得られたエチレン重合体は6.5gであった。
[比較例1]
実施例1(2)で得られたNi2+イオン交換モンモリロナイトを用いて、実施例1(4)と同様にしてエチレンのスラリー重合を行ったが、エチレン重合体は得られなかった。
[比較例2]
(1)Zn2+イオン交換モンモリロナイトの合成
市販のモンモリロナイト(「ベンクレイSL」、水澤化学社製)40kgを25%硫酸160kgの中に分散させ、90℃で2時間撹拌した。これを脱塩水にてpH3.5まで濾過・洗浄した後、得られた含水固体ケーキを110℃で10時間予備的に乾燥して酸処理モンモリロナイトを得た。この予備乾燥モンモリロナイトのうち、目開き150メッシュの篩を通過した粒子を更に、ロータリー・キルンを用いて、温度200℃、向流窒素気流下(窒素流量49Nm3/hr)で、3kg/hrの速さ(滞留時間10分)で連続乾燥し、乾燥窒素下で回収した。こうして得られた酸処理モンモリロナイトのうちの200gを、2Lフラスコに硫酸亜鉛七水和物(ZnSO4・7H2O)115gと硫酸10gと脱塩水675gを溶解させた水溶液中に分散させて30℃で2時間撹拌した。処理後、この固体成分を脱塩水で洗浄し、予備乾燥を行って処理モンモリロナイトを得た。この予備乾燥Zn2+イオン交換モンモリロナイトを1Lフラスコに入れて1mmHgの減圧下、200℃で2時間の加熱脱水処理を行った。
(2)モンモリロナイトの有機アルミニウム処理
100mLフラスコに、上記(1)で得た乾燥Zn2+イオン交換モンモリロナイト1gとヘプタン25mLを加え、次いで室温で攪拌下、トリエチルアルミニウムのヘプタン溶液3.2mL(2.0mmol分)を加え1時間反応した後、ヘプタンで洗浄を行った。
(3)Ni錯体の合成
2,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)ブタンがNiBr2に窒素二座配位子として配位した構造を有する錯体を、文献(Journal of American Chemical Society、117巻、6414頁)記載の方法に従って合成した。
(4)エチレン重合
上記(2)で得られた有機アルミニウム処理Zn2+イオン交換モンモリロナイトと上記(3)で得られたNi錯体を用いて、実施例1(4)と同様にしてエチレンのスラリー重合を行った。即ち、3Lオートクレーブにn−ヘプタン1.5L、トリエチルアルミニウム2.5mmolを加え、80℃に昇温した。次いで、当モンモリロナイト100mg(ヘプタンスラリー液として20mL分)とNi錯体5.0μmol(トルエン溶液5mL分)を予め10分間室温で接触させた混合液を全量、エチレンと共に導入し、エチレン圧を2.0MPaに保って、80℃で60分間重合を行った後、エタノールを加えて重合を停止させた。得られたエチレン重合体は3.7gであった。
[実施例2]
(1)Ni2+イオン交換マイカの合成
市販のマイカ(「ソマシフME−100」、コープケミカル株式会社製)1.0gを、純水25.0gと市販の硝酸ニッケル六水和物2.2gの混合溶液中に分散させ30℃で50時間撹拌した。これを濾過し、エタノール20mLで3回洗浄して風乾した。得られた固体を150℃で3時間予備乾燥し、更に200℃で3時間減圧乾燥してNi2+イオン交換マイカを得た。
(2)触媒成分調製(マイカ−ジイミン配位子複合体調製)
次に(1)で得られたNi2+イオン交換マイカ0.50gを窒素雰囲気下で30mLフラスコに量り取り、そこに0.43mmolの2,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニルイミノ)ブタン配位子を脱水アセトニトリル5.0mLに溶かした溶液を全量加え、5分間撹拌後、70℃に保ったオイルバス中で、100時間反応させた。反応時間終了後、室温まで冷却してから、上澄み液を可能な限り抜き出し、更に脱水アセトニトリル10mLを加えて1分間撹拌して洗浄した。静置後、触媒成分が沈降したら上澄み液を可能な限り抜き出した。この脱水アセトニトリルによる洗浄操作を3回行った。次に脱水トルエン10mLを加えて洗浄し、触媒成分の沈降後、上澄み液を可能な限り抜き出した。この脱水トルエンによる洗浄操作を3回行った。続いて脱水n−ヘキサン10mLを加えて洗浄し、触媒成分の沈降後、上澄み液を可能な限り抜き出した。この脱水n−ヘキサンによる洗浄操作を3回行った。最後に室温にて減圧乾燥し、目視にて溶媒が確認されなくなってから更に30分間減圧乾燥を行って触媒成分とした。
(3)エチレン重合
(2)で得られたNi2+がインターカレートされたマイカ−ジイミン配位子複合体を用いてエチレンのスラリー重合を行った。即ち、3Lオートクレーブにn−ヘプタン1.5L、トリエチルアルミニウム1.02mmolを加え、60℃に昇温した。次いで、上記複合体(触媒成分)10mgをエチレンと共に導入し、エチレン圧を1.0MPaに保って、60℃で60分間重合を行った後、エタノールを加えて重合を停止させた。得られたエチレン重合体は7.3gであった。
イオン交換性層状化合物に層間カチオンがインターカレートされた状態を例示する模式図、及びインターカレート処理工程を例示する処理フロー図である。
符号の説明
PBI:ピリジンビスイミンの略称

Claims (6)

  1. 下記(A)成分と(B)成分を接触する工程を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒の製造方法。
    (A)成分:周期表第3〜11族の遷移金属イオン又は該遷移金属錯イオンが、インターカレートされたイオン交換性層状化合物。
    (B)成分:下記一般式(B−1)又は(B−2)から選ばれる窒素原子を2個以上有する分子量1,000以下の有機化合物。
    (B−1)以下のI〜IVから選ばれる化合物
    Figure 0005270875

    [式中、R1、R4、R10及びR15は、それぞれ独立に炭素数3〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数8〜20のアラルキル基を示し、これらの基において、イミノ基の窒素原子に結合する炭素原子は少なくとも2個の炭素原子と結合している。R2、R3、R5〜R9、R11〜R14、及びR16〜R25は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜20のアラルキル基を示す。nは1以上3以下の整数である。
    (B−2)以下のV〜Xから選ばれる化合物
    Figure 0005270875
    [式中、R26、R27、R29、R30、R31、R32〜R49はそれぞれ独立して、水素原子、ヒドロカルビル基、任意の置換基を有するヒドロカルビル基、ヒドロカルビレン基、任意の置換基を有するヒドロカルビレン基である。同一の窒素原子を置換するR26とR27、R29とR30、R31とR32、R36とR37、R42とR43は互いに窒素原子を含む環を形成してもよい。同一の炭素-窒素二重結合を置換するR34とR35、R45とR46は互いに炭素-窒素二重結合を含む環を形成してもよい。同一の炭素原子を置換するR39とR40、R48とR49は互いに炭素原子を含む環を形成してもよい。
    28、R33、R38、R41、R44、R47はそれぞれ独立したヒドロカルビレン基、任意の置換基を有するヒドロカルビレン基であり、隣接するR28、R33、R38、R41、R44、R47同士は環を形成してもよい。nは1以上3以下の整数である。]
  2. (A)成分が周期表第4、5、6、8、9又は10族の遷移金属イオン又は該遷移金属錯イオンがインターカレートされたイオン交換性層状化合物であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合用触媒の製造方法。
  3. (A)成分がTi、Zr、V、Cr、Fe、Co、Ni又はPdの遷移金属イオン又は該遷移金属錯イオンがインターカレートされたイオン交換性層状化合物であることを特徴とする請求項2に記載のオレフィン重合用触媒の製造方法。
  4. (A)成分と(B)成分の接触を、水、アルコール、ケトン、エステル、ニトリル、無機酸及び有機酸の中から選択される少なくとも一つの溶媒の存在下に実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒の製造方法。
  5. (A)成分と(B)成分の接触生成物に、更に、下記(C)成分を接触させる工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒の製造方法。
    (C)成分:有機アルミニウム化合物、有機マグネシウム化合物及び有機亜鉛化合物の中から選択される少なくとも一つの有機金属化合物
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたオレフィン重合用触媒を用いることを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
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