JP6116595B2 - 超高分子量ポリエチレン製造のための単一部位触媒の無機酸化担体への固定化 - Google Patents
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Description
本開示で使用する以下の用語や文は、文脈の範囲において他の意味が示される場合を除き、以下の意味を表示するために使用されている。
ここで、 M は第 IV 族遷移金属;
R1は:
R2−R5は、各々個別にHまたは炭化水素;
R6はt-ブチル;
R7は以下のグループから選択された、官能基化された無機担体:
加えてX1およびX2は、それぞれ個別にF,Cl,BrまたはI。標準として、第IV族遷移金属Mはチタンである。
無機酸化物担体を選択する;
試薬による処理で化学的に結合した「アミノ官能基化」無機酸化物担体を得ることで担体を官能基化する;
「アミノ官能基化」無機酸化物担体を置換サリチルアルデヒドにより処理し固定されたフェノキシ・イミン系シッフ塩基キレート配位子をもつ無機酸化物担体を得る;
リチウム化剤により無機酸化物担体の固定されたフェノキシ・イミン系シッフ塩基キレート配位子をリチウム化し、固定されリチウム化されたフェノキシ・イミン系シッフ塩基キレート配位子をもつ無機酸化物担体を得る;
チタンハロゲン化合物により固定されリチウム化されたフェノキシ・イミン系シッフ塩基キレート配位子をもつ無機酸化物担体を処理し、固定された単一部位チタンキレート触媒を得る。
助触媒と式-Iに示した化学的に固定された不均一系単一部位重合触媒を不活性窒素またはアルゴンのもとで無水、無酸素炭化水素溶液と混合し、一定のAl−Ti比率をもった混合物を得る; 加えて混合物の存在下でBuchiポリクレーブにより、 機械的攪拌のもとエチレンの 重合を行い、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)ポリマーを得る。
このような問題を解決するため、本発明では式-Iに示す、無機酸化物担体に化学的に固定された単一部位FI触媒またはFI型の触媒が提供される。
ここで, R1は、各々:
R2−R5,は、各々個別にHまたは炭化水素;
R6は t-ブチル;
R7は:
X1およびX2は、それぞれ個別に F, Cl, Br または I.
Mは第bIVb族遷移金属。
無機酸化物担体を選択する;
試薬による処理で化学的に結合した無機酸化物担体を得ることで担体を官能基化する;
官能基化された無機酸化物担体を置換サリチルアルデヒドにより処理し固定されたフェノキシ・イミン系シッフ塩基キレート配位子をもつ無機酸化物担体を得る;
リチウム化剤により無機酸化物担体の固定されたフェノキシ・イミン系シッフ塩基キレート配位子をリチウム化し、固定されリチウム化されたシッフ塩基キレート配位子をもつ無機酸化物担体を得る;
チタンハロゲン化合物により固定されリチウム化されたシッフ塩基キレート配位子をもつ無機酸化物担体を処理し、FI型の固定された単一部位チタンキレート触媒を得る。
ヘキサン、ペトロール(沸点が140 -170°Cの範囲にある炭化水素混合物)やトルエンのような無水、無酸素重合媒体に、特定の量の P-MAO (ポリメチルアルミノキサン)などの助触媒が本発明の固定されたTi含有触媒に追加した。その量は、助触媒と触媒に由来するAl/Tiの分子量比が少なくとも200となる量である。この混合物は窒素下のBuchiポリクレーブに投入され、続いてエチレンの最適化された大気圧から約8barまでの範囲にある圧力に応じた、最適な時間攪拌された。ここでは範囲内のより高い圧力が望ましい。重合の温度も最適な温度である30−75°Cの範囲内に設定された。このように反応させて得られたポリマーはその特性分析のために濾過し、ヘキサンで洗浄して真空にて乾燥させた。
1.1 g の ES70W 担体は 200°C のオーブンで 4 時間乾燥され、水分を除去し、N2で満たしたグローブバッグ内で冷却し、1.5 g (〜11 mmole) のアンスラニル酸 (FW137; 淡黄色 の粉末) と混合した。乾燥トルエン50 - 60 mlを加え、N2 雰囲気のもと磁気攪拌とともに4 から5 時間還流させた。その後、沈殿を待ち、高温(〜90°C) のまま濾過した。さらに2回、高温のトルエンにより洗浄し、遊離しているアンスラニル酸をすべて除去した。最終的にこのようにして得られた官能基化された担体をヘキサン、ジクロロメタン(DCM)により2回洗浄し、N2 で満たしたグローブバッグで乾燥し、淡黄褐色の流動性粉末を得た。このようにして得た粉末をA段階プレ触媒すなわちアミノ含有官能基化担体とする。このプレ触媒Aの全量を0.5 ml の 3-tert-ブチルサリシルアルデヒド、10 − 20 mgのPTSA、50 - 60 ml の乾燥トルエンで処理し、N2雰囲気のもと4 から5 時間還流させた。色は、段々と黄褐色になっていった。遊離している3-tert-ブチルサリシルアルデヒドを高温のデカンテーションとトルエン洗浄により除去し、続いてヘキサンによる洗浄を行った。このようにして得た黄褐色の流動性粉末をB段階プレ触媒すなわち固定されたシッフ塩基官能基化担体とする。全量約 1.2 gのプレ触媒Bは、-78°C (ドライアイスとアセトンの混合)の乾燥エーテル(50 - 60 ml)内で、2.5 ml (4 mmol)のnBuLiのヘキサン溶液(1.6 molar; MW = 64; d = 0.68 g/ml)によりリチウム化された。温度を〜25-30°Cに上昇させ、2時間リチウム化を進行させた。反応しなかったnBuLiの残余をエーテル層をデカンテーションして除去し、新しい乾燥エーテルを50 - 60 ml加えてN2雰囲気のもと-78°Cで磁気攪拌した。0.27 mlの水分を含まないTiCl4 (2.5 mmol)を-78°Cで加え、一晩おいて室温に達するのを待ち、ヘキサン、DCM、ヘキサンの順に洗浄し、遊離した触媒を除去し、クリーム色の担持触媒を得た。合成された量は〜1.55 g であった。触媒のTi含有を測定すると、6.53%、すなわち100 mgの触媒に0.1361 mmoleのチタン含有であった。外観は、淡黄色の粉末である。
1.1 g のES70W担体は200°Cのオーブンで4時間乾燥され、水分を除去し、N2で満たしたグローブバッグ内で冷却し、1.5 g(〜11 mmole)のアンスラニル酸(FW137; 淡黄色の 粉末)と混合した。乾燥トルエン50 - 60 mlを加え、N2雰囲気のもと磁気攪拌とともに4から5時間還流させた。その後、沈殿を待ち、高温 (〜90°C)のまま濾過した。さらに2回 高温のトルエンにより洗浄し、遊離しているアンスラニル酸をすべて除去した。最終的にこのようにして得られた官能基化された担体をヘキサン、ジクロロメタン(DCM)により2回洗浄し、N2で満たしたグローブバッグで乾燥し、淡黄褐色の流動性粉末を得た。このようにして得た粉末をA段階プレ触媒すなわちアミノ含有官能基化担体とする。このプレ触媒Aの全量を 0.5 mlの3-tert-ブチルサリシルアルデヒド、10 − 20 mgのPTSA、50 -60 mlの乾燥トルエンで処理し、N2雰囲気のもと4から5時間還流させた。色は、段々と黄褐色 になっていった。遊離している 3-tert-ブチルサリシルアルデヒドを高温のデカンテーションとトルエン洗浄により除去し、続いてヘキサンによる洗浄を行った。このようにして得た黄褐色の流動性粉末をB段階プレ触媒すなわち固定されたシッフ塩基官能基化担体とする。全量約 1.2 gのプレ触媒Bは、-78°C (ドライアイスとアセトンの混合)の乾燥エーテル (50 - 60 ml)内で、2.5 ml(4 mmol)のnBuLi のヘキサン溶液(1.6 molar; MW = 64; d = 0.68 g/ml)によりリチウム化された。温度を〜25 - 30°Cに上昇させ、2時間リチウム化を進行させた。反応しなかった nBuLiの残余をエーテル層をデカンテーションして除去し、新しい乾燥エーテルを50 - 60 ml加えてN2 雰囲気のもと-78°Cで磁気攪拌した。別に、2,3,4,5,6- ペンタフルオロアニリン (PFA)由来の0.7 gのシッフ塩基および 3-tert-ブチルサリシルアルデヒドを1.25 ml (2 mmol)のnBuLi乾燥エーテル溶液50 mlで-78°C、1 時間リチウム化し、この処理をさらに室温で2時間継続させた。リチウム化した両方の種を-78°Cで10から15分磁気攪拌し、0.50 ml (4.6 mmol)の水分を含まない TiCl4 によりチタン化を行った。色は褐色へと変化した。一晩おいて室温に達するのを待ち、沈殿の後にエーテル層をデカンテーションし、固定された触媒をエーテル、ヘクサンにより数回洗浄してN2下で乾燥させた。生成量は約2.9 gであった。Tiの含有は概ね5.73%すなわち100 mg の触媒において 0.1194 mmole のチタンとなった。外観は淡黄褐色の 粉末である。
異なる触媒、助触媒系統を用いたUHMWPE/DUHMWPE合成について、以下の表にまと めて示す:
示差走査熱量測定 (DSC)の結果とX 線解析 (XRD)から計算された結晶化度を以下の 表に示す。
Claims (15)
- 式-Iに示す、化学的に固定化された不均一系単一部位重合触媒。
ここで、 Mは第 IV 族遷移金属;
R1は:
以下のグループから選択された、官能基化された無機酸化物担体:
R6 はt-ブチル;
R7 は以下のグループから選択された、官能基化された無機酸化物担体:
- 請求項1の化学的に固定化された不均一系単一部位重合触媒で、第IV族遷移金属Mがチタンであるもの。
- 共有結合により無機酸化物担体に単一部位FI触媒ないしはFI型の触媒を化学的に固定する、以下の段階による方法。
無機酸化物担体を選択する;
試薬による処理で化学的に結合した「アミノ官能基化」無機酸化物担体を得ることで担体を官能基化する;
「アミノ官能基化」無機酸化物担体を置換サリチルアルデヒドにより処理し固定されたフェノキシ・イミン系シッフ塩基キレート配位子をもつ無機酸化物担体を得る;
リチウム化剤により無機酸化物担体の固定されたフェノキシ・イミン系シッフ塩基キレート配位子をリチウム化し、固定されリチウム化されたシッフ塩基キレート配位子をもつ無機酸化物担体を得る;および
チタンハロゲン化合物により固定されリチウム化されたシッフ塩基キレート配位子をもつ無機酸化物担体を処理し、固定された単一部位チタンキレート触媒を得る。 - 請求項3の方法で、無機酸化物担体をシリカ、ゼオライト、アルミナ、イオン交換体からなるグループから選択したもの。
- 請求項3の方法で、試薬をアミノアルキル、アミノアリル・トリアルコキシシラン、アミノ置換カルボン酸、スルホン酸からなるグループから少なくとも一つを選択したもの。
- 請求項3の方法で、置換サリチルアルデヒドとしてオルト水酸基をアルデヒド基に隣接して持つ、少なくとも一つ、二つまたはそれ以上のベンゼン環からなるグループから少なくとも一つを選択したもの。
- 請求項3の方法で、リチウム化剤はアルキルリチウム、アリルリチウム、水素化リチウムからなるグループから選択したもの。
- 請求項3の方法で、リチウム化剤はn-ブチルリチウムであるもの。
- 請求項3の方法で、チタンハロゲン化合物が四塩化チタンであるもの。
- 式−Iに示す表面固定化不均一系単一部位重合触媒を助触媒と共に使用し、分子量が10万から1600万g/moleの範囲にある超高分子量ポリエチレン (UHMWPE)を生成する、以下の段階からなるプロセス:
助触媒と式−Iに示した化学的に固定された不均一系単一部位重合触媒を不活性窒素またはアルゴンのもとで無水、無酸素炭化水素溶液と混合し、一定のAl−Ti比率をもった混合物を得る;加えて
混合物の存在下でBuchiポリクレーブにより、機械的攪拌のもとエチレンの重合を行い、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)ポリマーを得る。
ここで、 Mは第 IV 族遷移金属;
R 1 は:
以下のグループから選択された、官能基化された無機酸化物担体:
R 6 はt-ブチル;
R 7 は以下のグループから選択された、官能基化された無機酸化物担体:
- 請求項10のプロセスで、助触媒はポリメチルアルミノキサン(P-MAO)、トリエチルアルミニウム(TEAL)およびメチルアルミノキサン(MAO)からなるグループより少なくとも一つを選択したもの。
- 請求項10のプロセスで、触媒、助触媒からもたらされるAl/Tiのモル比が少なくとも200であるもの。
- 請求項10のプロセスでリアクターにおけるエチレンの圧力が大気圧から8barの範囲に保たれるもの。
- 請求項10のプロセスで、重合の温度が30−75°Cの範囲に保たれるもの。
- 請求項10のプロセスで、炭化水素溶液はヘキサン、ペトロール、トルエンからなるグループから少なくとも一つを選択したもの。
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