JPH115810A - 層状珪酸塩粒子及びそれを用いたオレフィン重合用触媒成分、オレフィン重合用触媒並びにオレフィン重合体の製造法 - Google Patents

層状珪酸塩粒子及びそれを用いたオレフィン重合用触媒成分、オレフィン重合用触媒並びにオレフィン重合体の製造法

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JPH115810A
JPH115810A JP6137698A JP6137698A JPH115810A JP H115810 A JPH115810 A JP H115810A JP 6137698 A JP6137698 A JP 6137698A JP 6137698 A JP6137698 A JP 6137698A JP H115810 A JPH115810 A JP H115810A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性が良好で、微粉や粗粒の発生が少な
く、高嵩密度のオレフィン重合体を生成させる、固体触
媒成分、オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の
製造法の提供。 【解決手段】 スメクタイト族の層状珪酸塩および雲母
族の層状珪酸塩からなる混合物であって、このスメクタ
イト族の層状珪酸塩を0.1〜50重量%含有し、か
つ、下記の条件(A)〜(C)を同時に充足することを
特徴とする、層状珪酸塩粒子。 (A):平均粒径が20μm以上1000μm以下であ
り、かつ粒径が10μm以下の粒子の数が全粒子数の2
0%以下であること、 (B):微小圧縮試験器で測定した粒子の圧壊強度が
0.5MPa以上であること、 (C):粒子の嵩密度が0.6g/cm3 以上であるこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【発明の属する技術分野】本発明は、層状珪酸塩粒子お
よびその利用法に関するものである。本発明による層状
珪酸塩粒子は、機械的強度や耐磨耗性に優れ、反応や安
定運転の阻害となる粒子の破壊や微粉等の生成も抑制さ
れ、また流動性に優れていることから、触媒成分ないし
触媒として、好適に使用できるものである。
【0002】層状珪酸塩は、各種触媒成分ないし触媒と
して、あるいはプラスチック、塗料等の添加剤として、
また、その優れた使用触感から化粧品や医薬品の添加剤
として、広く用いられている。特に、石油精製や酸化・
還元、水素化、脱水素、アルキル化をはじめとする種々
の化学反応、またオレフィン類の重合反応にあずかる触
媒成分あるいは触媒として工業的に使用される場合も多
い。
【0003】一般に、触媒を利用する反応系では、気
相、液層いずれにしても、いわゆる不均一系触媒反応が
主体であって、通常、固定層、移動層、噴流層あるいは
懸濁床等の形式で反応が行われる。このため大部分の触
媒は、原料および/または反応生成物の流通や物質・熱
の移動をよくすることを考慮して粒状に成形されたり、
あらかじめ粒状の担体をつくって、これに触媒となるべ
き物質や助触媒等を担持させて用いることが多い。本発
明による層状珪酸塩粒子は、このような触媒成分ないし
触媒として特に好ましいものである。
【0004】
【従来の技術】層状珪酸塩は、それが粉末状態で使用さ
れる場合、天然品であれ、合成品であれ、通常、機械力
による粉砕によって粉末化されているが、そのほとんど
は不定形の形状を呈しており、嵩密度が小さく、微粉が
多く、粒度が不均一である。そのような形状・物性のも
のは、本発明者等が知る限りでは、触媒成分や触媒とし
て使用する場合には流動性が悪いものでありがちであ
り、生産性も悪く、微粉等により安定運転が困難であっ
た。
【0005】従来、このような層状珪酸塩の形状改良方
法としては、たとえば、水膨潤性粘土鉱物を水に分散さ
せ、これを噴霧造粒する方法(特開昭63−50311
号公報)、微粉雲母をその溶融温度で加熱再結晶させる
方法(特開平6−263431号公報)、酸処理スメク
タイト粘土を混合、凝集させて顆粒にする方法(特開平
6−263421号公報)等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法の中で
も、噴霧乾燥による方法は、簡便で粒径の整った球状粉
末が得られるが、経済性を向上させるために水膨潤性粘
土鉱物の水性分散液の濃度を上げると、スラリー粘度が
上昇してノズルの目詰まりや形状不良を起こしやすく、
また、スラリー粘度を良好に保つために濃度を下げる
と、粒子径の小さな粉末しか得られないので、生産性も
不十分となる等の問題点があるようである。
【0007】本発明者らは、これらの諸問題を解決する
ため、先に特定の条件下で処理を行った層状珪酸塩を造
粒することで、微粉、粗粒が少なく、嵩密度が高い等の
粉体性状の良好な粒子が得られることを見いだした(特
開平5−301917号公報、特開平7−228621
号公報)。しかしながら、雲母族層状珪酸塩のような板
状で比較的粒子径の大きなものを用いた場合は、たとえ
造粒できたとしても嵩密度が小さく、また粒子強度が十
分でない場合があるので、触媒担体として用いたときの
目的重合体生産性や微粉の発生等の点で、上述の改良方
法は必ずしも満足できるものとは言い難たかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
<要旨>本発明は、上記従来技術の問題点に解決を与え
ようとするものであって、層状珪酸塩の種類に着目し
て、性質の異なる層状珪酸塩の所定の混合物を用いた場
合には、強度および嵩密度が高い粉体性状の良好な層状
珪酸塩粒子が得られる、という知見に基づくものであ
る。
【0009】すなわち、本発明による層状珪酸塩粒子
は、スメクタイト族の層状珪酸塩および雲母族の層状珪
酸塩からなる混合物であって、このスメクタイト族の層
状珪酸塩を0.1〜50重量%含有し、かつ、下記の条
件(A)〜(C)を同時に充足すること、を特徴とする
ものである。
【0010】(A):平均粒径が20μm以上1000
μm以下であり、かつ粒径が10μm以下の粒子の数が
全粒子数の20%以下であること、 (B):微小圧縮試験器で測定した粒子の圧壊強度が
0.5MPa以上であること、 (C):粒子の嵩密度が0.6g/cm3 以上であるこ
と。
【0011】また、本発明によるオレフィン重合用触媒
成分は、メタロセン系遷移金属化合物と上記の層状珪酸
塩粒子との組合せからなるものである。
【0012】また、本発明によるオレフィン重合用触媒
は、上記のオレフィン重合用触媒成分と有機アルミニウ
ム化合物成分の組合せからなるものである。そして、本
発明によるオレフィン重合体の製造法は、上記のオレフ
ィン重合用触媒にオレフィンを接触させて重合させるこ
とからなるものである。
【0013】<効果>本発明によれば、粒径の整った、
強度が高く、嵩密度が高く、微粉や粗粒が少ない等の粒
子性状に優れた層状珪酸塩粒子を得ることができる。こ
の層状珪酸塩粒子は、種々の用途があって、例えば化学
反応、代表的にはオレフィン類の重合反応等における触
媒成分として、特に工業的に使用される場合に、特に有
用なものである。このような本発明によれば、流動性が
良好な触媒が得られ、そして微粉や粗粒が少なくかつ嵩
密度が高いオレフィン重合体が得られ、そし反応生成物
もしくは熱の移動が良好なオレフィン重合体の製造法が
得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
1 層状珪酸塩粒子 <一般的説明>本発明による層状珪酸塩粒子は、先ず、
スメクタイト族の層状珪酸塩および雲母族の層状珪酸塩
からなる混合物であって、このスメクタイト族の層状珪
酸塩を0.1〜50重量%含有するものである。ここ
で、「からなる」とは、スメクタイト族の層状珪酸塩お
よび雲母族の層状珪酸塩のみからなるもの(即ち、スメ
クタイト族の層状珪酸塩0.1〜50重量%と雲母族の
層状珪酸塩50〜99.9重量%のもの)の外に、これ
らのスメクタイト族の層状珪酸塩および雲母族の層状珪
酸塩以外の合目的的もしくは不可避的に存在することに
なる成分を少量、例えば上記両族の層状珪酸塩の0.1
〜30重量%程度、含むものをも意味する。そして、本
発明による層状珪酸塩粒子は、上記に加えて、特定の条
件(A)〜(C)を同時に充足すること、を特徴とする
ものである。
【0015】ここで、条件(A)とは、本発明による層
状珪酸塩粒子の平均粒径および粒径が10μm以下の存
在比率に関するものであって、具体的には、平均粒径が
20μm以上1000μm以下であり、かつ粒径が10
μm以下の粒子の数が全粒子の20%以下であること、
というものである。本発明では、平均粒径が20μm以
上500μm以下、特に20μm以上100μm以下、
のものが好ましく、粒径が10μm以下の粒子が全粒子
の15%以下、特に10%以下、であるものが好まし
い。従って、条件(A)は、平均粒径および粒子径10
μm以下の粒子径の存在量に関する上記の好ましい条件
の両方を満たすものが本発明では好ましい。
【0016】ここで、粒子の測定は、具体的には(株)
セイシン企業社のレーザー回析法による粒度分布測定装
置(「LMS−24」、光源:半導体レーザー(波長6
70nm))を用いて行ったときのものである。測定
は、エタノールを分散媒として用い、屈折率1.33、
形状係数1.0として粒径分布および平均粒径を算出し
た。
【0017】条件(B)は、本発明による層状珪酸塩粒
子の強度に関するものであって、具体的には微小圧縮試
験器で測定した粒子の圧壊強度が0.5MPa以上であ
ること、というものである。本発明で好ましい条件
(B)は、圧壊強度が1.0MPa以上であること、と
いうものである。上限は40MPa程度である。
【0018】ここで、圧壊強度は、具体的には、島津製
作所社製微小圧縮試験器「MCTM−500」を用い
て、任意の10個以上の粒子の圧縮強度を測定し、その
平均値を圧壊強度として求めたときのものである。
【0019】条件(C)は、本発明による層状珪酸塩粒
子の嵩密度に関するものであって、具体的にはその値が
0.6g/cm3 以上、好ましくは0.7g/cm3
上、であること、というものである。上限は1.5g/
cm3 程度である。
【0020】<スメクタイト族の層状珪酸塩>本発明に
よる層状珪酸塩粒子を得るために用いられるスメクタイ
ト族の層状珪酸塩とは、2:1型層構造をもつ層状珪酸
塩のうち、スメクタイト族に属する層状珪酸塩をいうも
のである。代表的なものとしては、一般にはモンモリロ
ナイト、バイデライト、サポナイト、ノントロナイト、
ヘクトライト、ソーコナイト等がある。本発明では、天
然品または合成品いずれも使用可能である。「クニピ
ア」、「スメクトン」(いずれもクニミネ工業社製)、
「モンモリロナイトK10」(アルドリッチ社製、ジュ
ートヘミー社製)、「K−Catalystsシリー
ズ」(ジュートヘミー社製)等の市販品を利用すること
もできる。本発明の実施にあたっては、これらを単独で
用いても、2種以上を任意に混合して用いることもでき
る。
【0021】このようなスメクタイト族の層状珪酸塩
は、必要に応じて、粉砕処理することができる。目的と
する本発明による層状珪酸塩粒子を、例えばスラリー状
態を経て製造する方法(詳細後記)によって得る場合に
は、このような粉砕処理に付すことによってスメクタイ
ト族の層状珪酸塩をスラリー分散媒に高分散させること
ができる。よって、上記の方法によって製造する場合に
は、スメクタイト族の層状珪酸塩は粉砕処理に付すこと
が好ましい。この際の粉砕方法は特に限定されるもので
はないが、高速の気流による粒子同士の衝突あるいは粒
子と粉砕装置壁との衝突により粉砕する方法は、工業的
規模で容易に実施可能な方法の一つである。使用可能な
具体的な装置としては、ジェットミルおよびシングルト
ラックミル等が挙げられる。粉砕後の粒子の大きさは、
好ましくは0.01〜50μm、特に好ましくは0.0
1〜30μm、である。なお、粉砕処理後のこのスメク
タイト族の層状珪酸塩粒子の直径およびの粒径分布は、
それを本発明による層状珪酸塩粒子としたときには、上
記の条件(A)を満たすものであることは言うまでもな
い。
【0022】<雲母族の層状珪酸塩>本発明による層状
珪酸塩粒子を得るために用いられる雲母族の層状珪酸塩
とは、2:1型層構造をもつ雲母族に属する層状珪酸塩
をいうものである。代表的なものとしては、白雲母、パ
ラゴナイト、金雲母、黒雲母、レピドライト等がある。
本発明では、天然品または合成品いずれも使用可能であ
る。市販品の「合成雲母ソマシフ」(コープケミカル社
製)、「フッ素金雲母」、「フッ素四ケイ素雲母」、
「テニオライト」(いずれもトピー工業社製)等は、本
発明において特に好ましいものの代表例である。本発明
では、これらを単独で用いることも、2種以上を混合し
て用いることもできる。
【0023】<具体的説明>本発明による層状珪酸塩粒
子は、上記の雲母族の層状珪酸塩とスメクタイト族の層
状珪酸塩からなる混合物である。スメクタイト族層状珪
酸塩の含量は、0.1〜50重量%、好ましくは0.5
〜40重量%、特に好ましくは1〜30重量%、であ
る。スメクタイト族層状珪酸塩の含量がこの範囲より少
なすぎると圧壊強度又は嵩密度が低下するという問題
が、また逆に多すぎると噴霧造粒法により層状珪酸塩粒
子を製造する際、水スラリーの粘度が高過ぎノズルの目
詰まり等を起こし、逆に適当なスラリー粘度にするため
濃度を下げると平均粒径が小さくなり、条件(A)を満
たさなくなるという問題が生じる。
【0024】また、本発明では、スメクタイト族の層状
珪酸塩および雲母族の層状珪酸塩の両者とも、イオン交
換性(ないし膨潤性)であることが好ましい。ここで、
「イオン交換性」とは、層状珪酸塩の層間陽イオンが交
換可能なことを意味する。また、「膨潤性」とは、層状
珪酸塩が水と共存するとその層間域に水分子を取り込ん
で底面間隔が拡大することを意味する。底面間隔拡大の
割合は、少なくとも1.2倍、好ましくは1.5倍、以
上である。また「層状」というのは層構造を有すること
を意味する。
【0025】一般に、天然品は、非イオン交換性(非膨
潤性)であることが多く、その場合は、好ましいイオン
交換性(ないし膨潤性)を有するものとするために、イ
オン交換性(ないし膨潤性)を付与するための処理を行
うことが好ましい。そのよう処理のうちで特に好ましい
ものとしては、次のような化学処理があげられる。
【0026】すなわち、これらの両珪酸塩は、化学処理
を施したものであることが好ましい。ここで、化学処理
とは、表面に付着している不純物を除去する表面処理
と、層状珪酸塩の結晶構造、化学組成に影響を与える処
理のいずれをも用いることができる。具体的には、
(イ)酸処理、(ロ)アルカリ処理、(ハ)塩類処理、
(ニ)有機物処理等が挙げられる。これらの処理は、表
面の不純物を取り除く、層間の陽イオンを交換する、結
晶構造のAl、Si、Mg等の陽イオンを溶出させ、そ
の結果、イオン複合体、分子複合体、有機複合体等を形
成し、表面積や層間距離、固体酸性度等をかえることが
できる。これらの処理は単独で行ってもよいし、2つ以
上の処理を組み合わせてもよい。なお、この「化学処
理」の結果として、両珪酸塩の一方または両方のイオン
交換性(ないし膨潤性)の付与あるいは向上が見られる
場合、この「化学処理」は、前記の「イオン交換性(な
いし膨潤性)の付与するための処理」と捉えることもで
きる。これらの化学処理は、スメクタイト族層状珪酸塩
および雲母族層状珪酸塩に対して、両者の混合前にどち
らか一方にまたは両方に行ってもよいし、混合の後に両
者に対して同時に行ってもよい。
【0027】化学処理に用いられる(イ)酸としては、
合目的的な無機酸あるいは有機酸、好ましくは、例え
ば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等が挙げられ、
(ロ)アルカリとしては、NaOH、KOH、NH
挙げられる。(ハ)塩類としては、2族から14族原子
からなる群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽
イオンと、ハロゲン原子または無機酸もしくは有機酸由
来の陰イオンからなる群より選ばれた少なくとも一種の
陰イオン、とからなる化合物が好ましい。更に好ましい
ものは、Al、Mg、Ti、Zr、Hf、Cr、Zn、
Sn、Cu、Ni、Fe、NbまたはTa由来のイオン
を陽イオンとするもの、Cl、SO、NO、OH、
およびPO由来のイオンを陰イオンとするも
の、である。(ニ)有機物としては、アルコール(炭素
数1〜4の脂肪族アルコール、好ましくは例えばメタノ
ール、エタノール、プロパノール、エチレングリコー
ル、グリセリン、炭素数6〜8の芳香族アルコール、好
ましくは例えばフェノール)、高級炭化水素(炭素数5
〜10、好ましくは5〜8、のもの、好ましくは例えば
ヘキサン、ヘプタン等が挙げられる。また、ホルムアミ
ド、ヒドラジン、ジメチルスルホキシド、N−メチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアニリン等が好ましくあ
げられる。ここで、原子の周期律は、1989年にIU
PACにより推奨された18族方式に基づくものであ
る。
【0028】層状珪酸塩粒子が、上記の条件(A)〜
(C)を同時に充足していない場合、あるいは同時に充
足しているときであってもより好ましいものとするため
に、本発明では、例えば、造粒、分粒、別等によって粒
子の性状を制御することができる。その方法は合目的的
な任意のものでありうる。特に、造粒法について示せ
ば、例えば噴霧造粒法、転動造粒法、圧縮造粒法、撹拌
造粒法、ブリケッティング法、コンパクティング法、押
し出し造粒法、流動層造粒法、乳化造粒法および液中造
粒法等が挙げられる。特に好ましい造粒法は、上記のう
ち、噴霧造粒法、転動造粒法および圧縮造粒法である。
【0029】このような粒子性状の制御を行なう場合に
は、スメクタイト族の層状珪酸塩粒子と雲母族の層状珪
酸塩からなる混合物を、その制御方法に適するような形
態にあらかじめしておくことが出来る。例えば粒子性状
の制御の方法として噴霧造粒法を採用する場合には、前
記混合物を分散媒に分散させてスラリー状としておくこ
とができ、かつ好ましい。
【0030】噴霧造粒で用いられる分散媒としては、水
あるいは有機物(例えばメタノール、エタノール、クロ
ロホルム、塩化メチレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、トルエン、キシレン)の単独または混合溶液が好ま
しい。これらの中で特に好ましいものは水である。スラ
リー濃度は5〜70重量%、好ましくは10〜50重量
%、更に好ましくは20〜40重量%、である。最適な
スラリー濃度は、スラリー粘度を考慮して適宜選ばれ
る。具体的には6000cps以下、好ましくは10〜
5000cps、特に好ましくは1000〜3000c
ps、である。本発明において、スラリー粘度とは、B
型粘度計で温度30℃、6rpmで測定した値を示す。
この粘度が6000cps超過であると噴霧ノズルへの
液の送りが難しく、また、ノズルの目詰まり等が生じる
傾向があり、逆に粘度を下げるためにスラリー濃度を下
げると粒子形の小さな造粒品しか得られない傾向があ
る。造粒粒子の粒子径は噴霧速度にもよるが、スラリー
濃度が5%未満では10μm以上の粒子を得ることは難
しい。噴霧に際しては、ディスクタイプや加圧ノズル
式、2流体ノズル式などの一般的な噴霧乾燥方法が適用
できる。いずれの場合も噴霧時の熱風の入口温度は15
0℃から300℃程度の広い温度範囲で設定できる。ま
た、排気温度はノズルからの噴霧流量などによって規定
されるが、おおむね100℃前後がよい。
【0031】したがって、本発明よる層状珪酸塩粒子の
代表的かつ簡便で経済的な製造法の一つとしては、雲母
族の層状珪酸塩およびスメクタイト族の層状珪酸塩の混
合粉体を、イオン交換処理に付し、得られたイオン交換
体を分散媒に分散させてスラリーとし、次いで、このス
ラリーを噴霧造粒処理に付すことからなる方法を挙げる
ことができる。この場合、スメクタイト族層状珪酸塩の
含量は、10〜50重量%、特に好ましくは30〜50
重量%添加、混合することが好ましい。
【0032】また、他の代表的かつ簡便で経済的な構造
法としては、イオン交換処理に付した雲母族の層状珪酸
塩を分散媒に分散させてスラリーとし、ここにイオン交
換処理を行わないスメクタイト族の層状珪酸塩のスラリ
ーを添加、混合したスラリーを噴霧造粒処理に付す方法
が挙げられる。この場合、添加するスメクタイト族層状
珪酸塩の含量は、0.1〜30重量%、特に好ましくは
0.1〜15重量%、である。これによって、高強度、
高嵩密度の造粒品を製造することができる。
【0033】2.オレフィン重合用触媒 本発明による上記した層状珪酸塩粒子は、特にオレフィ
ン重合用触媒成分用の担体として、好適に用いることが
できるものである。とりわけ好ましくはメタロセン系遷
移金属化合物、有機アルミニウム化合物およびその他の
化合物を用いてなるオレフィン重合用触媒において、有
効に使用することができるものである。
【0034】<メタロセン系遷移金属化合物>本発明に
よる触媒でのメタロセン系遷移金属化合物は、公知のメ
タロセン系オレフィン重合用触媒において用いられるメ
タロセン系遷移金属化合物を用いることができる。例え
ば、それは、置換されてもよい1個もしくは2個のシク
ロペンタジエニル系配位子すなわち置換基が結合して縮
合環を形成してもよい1個から2個のシクロペンタジエ
ニル環含有配位子と長周期表の3、4、5または6族の
遷移金属からなる有機金属化合物、あるいはそれらのカ
チオン型錯体である。
【0035】このようなメタロセン系化合物として好ま
しいものは、下記一般式[I]もしくは[2]で表され
る化合物である。 (CpR 5-a (CpR 5-b MR …[1] [(CpR 5-a (CpR 5-b MR n+[R] …[2] ここで、Cpは、共役五員環配位子を示し、Rおよび
は、Cp上の置換基を示す。したがって、CpR
5-a およびCpR 5-b は、シクロペンタジエ
ニル(Cp)基の誘導体を示す。
【0036】RおよびRは、それぞれ独立して、炭
素数1から20の置換されてもよい炭化水素基(この場
合の置換基としては例えばメチル基、エチル基、ブチル
基が好ましい)、ケイ素含有置換基、リン含有置換基、
窒素含有置換基、酸素含有置換基である。特に好ましい
具体例には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、t−ブチル基、トリメチルシリル基、メトキ
シ基、フェノキシ基等がある。RおよびRが複数存
在する場合、全てのRおよびRが同一である必要は
なく、またRおよびRは同一であっても異なってい
てもよい。
【0037】また、RおよびRは互いに結合して架
橋基を形成してもよい。具体的には、(イ)アルキレン
基、例えばメチレン基、エチレン基等、(ロ)アルキリ
デン基、例えばエチリデン基、プロピリデン基等、
(ハ)ケイ素含有架橋基、特に置換または非置換シリレ
ンないしオリゴシリレン基(ここで、置換基は、好まし
くは、低級アルキル基(C以下程度))、例えばジメ
チルシリレン基、ジエチルシリレン基等、(ニ)ゲルマ
ニウム含有架橋基、特に置換または非置換ゲルミレンな
いしオリゴゲルミレン基(ここで、置換基は、好ましく
は、低級アルキル基(C以下程度))、例えばジメチ
ルゲルミレン基、ジエチルゲルミレン基等、(ホ)アミ
ノ基(アミノ基が2級または3級アミノ基であるときの
置換基は、好ましくは低級アルキル基(C以下程
度))、(ヘ)ホスフィニル基等が挙げられる。
【0038】さらに、同一Cp上にR(またはR
が複数存在する場合、Rどうし、(またはRどう
し)が互いにそのω‐端で結合して環を形成してもよ
い。
【0039】具体的には、Cp中の隣接する2つ炭素原
子にそれぞれ結合した2つのRが両者のω‐端で結合
してCp中の当該2つ炭素原子を共有して縮合環を形成
した構造を有するもの、典型的には、インデニル基また
はフルオレニル基、である。R由来の縮合環は非置換
のもの(上記の化合物の場合で示せば、テトラヒドロイ
ンデニル、オクタヒドロフルオレニル基)であっても、
置換されたもの(置換基としては、例えばメチル基、エ
チル基、ブチル基およびフェニル基が好ましい)であっ
てもよい。R由来の縮合環が非置換であるということ
は、両Rの合計炭素数が該縮合環を形成するのに必要
な炭素数に丁度等しいということであり、両Rの合計
炭素数がこの必要な炭素数より多いときはその余剰分が
置換基となるということができる。同一化合物中のもう
一方のCpに結合するRも、上記と同様に、縮合環を
形成していてもよい。
【0040】Rは、炭素数1から20の置換されても
よい炭化水素基(この場合の置換基としては例えばメチ
ル基、エチル基およびベンジル基が好ましい)、水素、
ハロゲン、ケイ素含有置換基、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アミド基、またはチオアルコキシ基、S
(O)、R、OR、NR 、SiR、P
(O) である〔ここで、sは0、1、2または
3であり、tは0、1、2または3であり、uは0、
1、2または3であり、Rは同一または異なってもよ
い水素、ハロゲン、珪素含有基、ハロゲン置換基を有し
てもよい炭素数が1ないし20の炭化水素基である〕。
【0041】Rの好ましい具体例は、(イ)水素、
(ロ)低級アルキル基乃至アリール基、特にメチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、フ
ェニル基、(ハ)ハロゲン、特に塩素、(ニ)低級アル
キルオキシ基、特にメトキシ基、エトキシ基、プロポキ
シ基、(ホ)ジ低級アルキル基、特にジメチルアミド
基、(ヘ)低級アルキルチオ低級アルキルオキシ基、特
にメチルチオアルコキシ基、があって、中でも水素、メ
チル基および塩素が特に好ましい。
【0042】また、上記のようなR〜Rの典型例に
加えて、Rは、RもしくはRもしくはCpと結合
していてもよい。このような配位子の好ましい具体例と
しては、CpH(CHO−(1≦n≦5)、C
pMe(CHO−(1≦n≦5)、CpH
(MeSi)(t−Bu)N−、CpMe(Me
Si)(t−Bu)N−等(Cpはシクロペンタジエ
ニル基、Meはメチル基、Buはブチル基を示す)が挙
げられる。さらにRが相互に結合して二座配位子を形
成してもよい。このようなRの具体例としては、−O
CHO−、−OCHCHO−、−O(o−C
)O−等が挙げられる。なお、これらのR〜R
非典型例でのR〜Rの定義は、矛盾しない限り、上
限の典型例での定義に従うものとする。
【0043】Mは、周期率表3、4、5、6族の原子で
あって、具体的には、スカンジウム、イットリウム、ラ
ンタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、サマ
リウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジ
スプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イ
ッテルビウム、ルテチウム、アクチニウム、トリウム、
プロトアクチニウム、ウラン、チタニウム、ジルコニウ
ム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロ
ム、モリブデン、タングステンが挙げられる。これらの
うち、4族のチタニウム、ジルコニウム、ハウニウムが
好ましく用いられる。また、これらが混合したものであ
ってもよい。
【0044】Lは、電気的に中性な配位子を、mはその
個数で0以上の整数を、示す。具体的には、(イ)エー
テル類、就中、モノエーテル類、特にエーテル酸素に結
合する炭化水素が炭素数1〜5程度のもの、例えばジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
(ロ)ニトリル類、就中、シアノ基が結合する炭化水素
基が炭素数1〜6程度のもの、例えばアセトニトリル、
(ハ)アミド類、就中、N,N−ジ低級アルキル低級脂
肪酸アミド、例えばジメチルホルムアミド、(ニ)フォ
スフィン類、就中、トリ低級アルキルホスフィンまたは
トリフェニルホスフィン、例えばトリメチルフォスフィ
ン、(ホ)アミン類、就中、低級アルキルアミン類、例
えばトリメチルアミン、を挙げることができる。特に好
ましいものは、テトラヒドロフラン、トリメチルフォス
フィン、トリメチルアミンである。
【0045】[R]は、カチオンを中和するアニオン
であって、その数は、1個または2個以上である。具体
的には、テトラフェニルボレート、テトラ(p−トリ
ル)ボレート、カルバドデカボレート、ジカルバウンデ
カボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロフォ
スフェートである。すなわち、Rは炭素数1〜30程
度の炭化水素ないしハロ炭化水素またはハロゲンを含む
ボレートおよびこのような基を含むフォスフェートであ
ることが好ましい。
【0046】aおよびbは、それぞれ独立して、0〜5
の整数である。また、p、qおよびrは、Mの価数をV
としたときに、メタロセン系化合物が式[1]の場合に
は、p+q+r=Vを満たす負でない整数であり、メタ
ロセン系化合物が式[2]の場合には、p+q+r=V
−nを満たす負でない整数である。通常pおよびqは0
〜3の整数、好ましくは0または1、である。rは0〜
3の整数、好ましくは1または2、である。また、nは
0≦n≦Vを満たす整数である。
【0047】上述のメタロセン系遷移金属化合物のうち
式[1]に相当するものを、ジルコニウム化合物につい
ての好ましい具体例を示せば、下記の通りである。
【0048】(1)ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロライド、(2)ビス(エチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
(3)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジメチル、(4)ビス(エチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、(5)ビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウム二水素化物、(6)ビス
(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム二水素化
物、(7)ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロライド、(8)ビス(トリメチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(9)ビ
ス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、(10)ビ
ス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメ
チル、
【0049】(11)ビス(インデニル)ジルコニウムジ
メチル、(12)ビス(トリメチルシリルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジメチル、(13)ビス(トリフル
オロメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
ライド、(14)イソプロピリデン−ビス(インデニル)
ジルコニウムジクロライド、(15)イソプロピリデン−
ビス(インデニル)ジルコニウム二水素化物、(16)ペ
ンタメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロライド、(17)ペンタメチルシ
クロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジメチル、(18)イソプロピリデン(シクロペンタ
ジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライ
ド、(19)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、(20)ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
【0050】(21)ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジメチル、(22)ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジエチル、(23)メチルシクロペンタ
ジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
ライド、(24)メチルシクロペンタジエニル(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジメチル、(25)ジメチル
シクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロライド、(26)インデニル(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロライド、(27)ビス(ペ
ンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
ライド、(28)インデニル(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジメチル、(29)トリメチルシクロペンタジ
エニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、(30)トリフルオロメチルシクロペンタジエニル
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
【0051】(31)トリフルオロメチルシクロペンタジ
エニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、(32)ビス(シクロペンタジエニル)(トリメチル
シリル)(メチル)ジルコニウム、(33)メチレン−ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライ
ド、(34)エチレン−ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロライド、(35)ジメチルシリル−ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、(3
6)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス
(メタンスルホナト)、(37)ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムトリフルオロメタンスルホナトクロ
ライド、(38)ビス(インデニル)ジルコニウムビス
(トリフルオロメタンスルホナト)、(39)エチレンビ
ス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタ
ンスルホナト)、(40)(第3級ブチルアミド)ジメチ
ル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジベン
ジルジルコニウム(第3級ブチルアミド)ジメチル
(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)シランジベンジルジルコニウム、
【0052】(41)インデニルジルコニウムトリス(ジ
メチルアミド)、(42)(第3級ブチルアミド)(テト
ラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジル
コニウムジクロライド、(43)(第3級ブチルアミド)
ジメチル−(テトラメチルシクロペンタジエニル)シラ
ンジルコニウムジクロライド、(44)(フェニルフォス
フィド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)シランジルコニウムジクロライド。
【0053】また、一般式[2]に相当するもののう
ち、ジルコニウム化合物についての好ましい具体例を示
せば、下記の通りである。
【0054】(1)ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレ
ート)テトラヒドロフラン錯体、(2)ビス(エチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テ
トラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(3)ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ム(メチル)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロ
フラン錯体、(4)ビス(エチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレー
ト)テトラヒドロフラン錯体、(5)ビス(メチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラ
フェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、(6)ビ
ス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム(ク
ロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフ
ラン錯体、(7)ビス(インデニル)ジルコニウム(ク
ロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフ
ラン錯体、(8)ビス(ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレー
ト)テトラヒドロフラン錯体、(9)ビス(トリメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テ
トラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、(1
0)イソプロピリデン−ビス(インデニル)ジルコニウ
ム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒ
ドロフラン錯体、
【0055】(11)イソプロピリデン−ビス(インデニ
ル)ジルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレー
ト)テトラヒドロフラン錯体、(12)イソプロピリデン
−ビス(インデニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テト
ラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、(13)
ペンタメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボ
レート)テトラヒドロフラン錯体、(14)イソプロピリ
デン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコ
ニウム(クロライド)(テトラフェニルボレート)テト
ラヒドロフラン錯体、(15)ビス(シクロペンタジエニ
ル)(メチル)ジルコニウム(テトラフェニルボレー
ト)テトラヒドロフラン錯体、(16)メチルシクロペン
タジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ク
ロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフ
ラン錯体、(17)ジメチルシクロペンタジエニル(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライド)(テト
ラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、(18)
インデニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(ク
ロライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフ
ラン錯体、(19)トリメチルシリルシクロペンタジエニ
ル(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)
(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、
(20)ビス(シクロペンタジエニル)(トリメチルシリ
ル)ジルコニウム(テトラフェニルボレート)テトラヒ
ドロフラン錯体、
【0056】(21)ビス(シクロペンタジエニル)(ト
リメチルシリルメチル)ジルコニウム(テトラフェニル
ボレート)テトラヒドロフラン錯体、(22)エチレン−
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロライ
ド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯
体、(23)ジメチルシリル−ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム(クロライド)(テトラフェニルボレ
ート)テトラヒドロフラン錯体、(24)エチレン−ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メチル)(テ
トラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、(2
5)ジメチルシリル−ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウム(メチル)(テトラフェニルボレート)テト
ラヒドロフラン錯体、(26)エチレン−ビス(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウム(ヒドリド)(テトラフェ
ニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、(27)ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(メタンスルホ
ナト)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン
錯体。
【0057】また、第3、4、5、6族金属化合物、例
えばチタニウム化合物、ハウニウム化合物等について
も、上記と同様の化合物が挙げることができる。これら
の各群内および(または)各群間の化合物の混合物を用
いてもよいことは言うまでもない。
【0058】上記のようなメタロセン系遷移金属化合物
(およびこれと前記の本発明による層状珪酸塩粒子との
組合わせ物)は、そのままでもオレフインの重合活性を
示すものであることが普通であるが、場合により、有機
アルミニウム化合物をさらに組合わせることによって、
より好適なオレフイン重合用触媒とすることができる。
従って、本発明は、また、このようなメタロセン系遷移
金属化合物および有機アルミニウム化合物と前記の層状
珪酸塩粒子とを組み合わせてなるオレフィン重合用触媒
にも関するものである。ここで、「組み合わせてなる」
とは、上記の三成分以外の合目的的な他の成分との組み
合わせ物をも包含する。 <有機アルミニウム化合物>本発明において用いられる
有機アルミニウム化合物は、重合系に存在する水分等に
よる触媒活性の低下を抑制し、この添加により触媒活性
の向上にも寄与しているものと思われる。したがって、
有機アルミニウム化合物の添加は望ましい態様の一つで
ある。
【0059】本発明において用いられる有機アルミニウ
ム化合物の例は、 AlR 3-j (式中、Rは炭素数1〜20、好ましくは1〜10、
の炭化水素基を示し、Xは水素、ハロゲンまたはアルコ
キシ基を示す、jは0<j≦3の数)で示されるもので
ある。特にトリアルキルアルミニウム、例えばトリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等、ハロ
ゲンもしくはアルコキシ含有アルキルアルミニウム、例
えばジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルア
ルミニウムメトキシド等、が好ましい。またこの他、メ
チルアルミノキサン等のアルミノキサン等も使用でき
る。これらのうちでも特にトリアルキルアルミニウムが
好ましい。
【0060】前記の層状珪酸塩粒子およびメタロセン等
遷移金属化合物および有機アルミニウム化合物等の各触
媒成分の接触方法は特に限定されない。また、この触媒
各成分の接触に際し、前記以外の触媒成分、例えばポリ
エチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、アルミ
ナ等の無機酸化物の固体を共存させ、あるいは接触させ
ることもできる。
【0061】接触は、窒素ガス等の不活性ガス中、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不
活性炭化水素溶媒中で行うことができる。接触温度は、
−20℃から溶媒の沸点の間、特に室温から溶媒の沸点
の間、で行うのが好ましい。触媒成分の使用量は、触媒
担体1g当たり、メタロセン系化合物成分が0.000
1〜10mmol、好ましくは0.001〜1mmol
であり、必要に応じて使用される有機アルミニウム成分
が使用されるときは、その使用量は10000mmol
以下、好ましくは0.0001〜100mmol、であ
る。また、配合量をメタロセン系化合物中の遷移金属と
有機アルミニウム中のアルミニウムの原子比で示すと、
1:1,000,000以下、好ましくは1:0.1〜
10000、である。このようにして得られた触媒は、
洗浄せずに用いてもよく、また洗浄した後に用いてもよ
い。
【0062】このようにしてなる本発明によるオレフィ
ン重合用触媒は、それに炭素数2〜20、好ましくは2
〜10、のオレフィンを少量触媒させることからなる予
備重合工程に付したもの(予備重合処理済触媒)として
オレフィンの重合に使用することができる。予備重合工
程におけるオレフィンとしては、例えばエチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4
−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビ
ニルシクロアルカン、スチレン等がある。
【0063】この予備重合工程では、必要に応じて、有
機アルミニウム成分化合物(好ましくは前記したもの)
を組み合わせて用いることができる。この際に用いられ
る有機アルミニウム成分の量は、メタロセン系化合物中
の遷移金属に対する有機アルミニウム化合物中のアルミ
ニウム原子比で1:0〜10000になるように選ばれ
る。
【0064】この予備重合は、不活性溶媒中で緩和な条
件で行うことが好ましく、固体触媒1g当たり、0.0
1〜1000g、好ましくは0.1〜100g、の重合
体が生成するように行うことが望ましい。予備重合処理
済触媒は、必要に応じて、洗浄することができる。
【0065】<オレフィン重合用触媒の使用/オレフィ
ンの重合>上記の本発明による層状珪酸塩粒子とメタロ
セン系遷移金属化合物と(および必要に応じてさらに有
機アルミニウム化合物と)を組合わせてなる触媒、ある
いは必要に応じて他の適当な処理(例えば予備重合処理
あるいは洗浄処理)を経て得られた本発明によるオレフ
ィン重合用触媒は、炭素数2〜20、好ましくは2〜1
0、のα‐オレフィン、あるいはこれと共重合可能な他
の単量体と接触させることによって、上記単量体を重合
(単独重合および共重合(ランダムおよびブロック、重
合法によってはランダム共重合)を含む)させることが
できる。
【0066】重合に用いられるオレフィンの特に好まし
い具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メ
チル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、ビニル
シクロアルカン、スチレンあるいはこれらの誘導体等が
ある。
【0067】重合反応は、ブタン、ペンテン、ヘキサ
ン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等の不活性炭
化水素や液化α−オレフィン等の溶媒存在下、あるいは
不活性下に行われる。温度は、−50℃〜250℃,好
ましくは0〜200℃、であり、圧力は特に制限されな
いが、好ましくは常圧〜2000kgf/cm2 の範囲
である。また、重合系内に分子量調節剤として水素を存
在させることもできる。
【0068】
【実施例】次の実施例は、本発明をさらに具体的に説明
するためのものである。したがって、本発明は、その要
旨を逸脱しない限りこれら実施例によって制約を受ける
ものではない。実施例および比較例においてのメルト・
フロー・インデックス(以下「MFI」という)は、J
IS−6758にもとづき、温度が190℃、荷重2.
16kgの条件で測定したときのものである。
【0069】<実施例1>市販の膨潤性合成雲母(「ソ
マシフME−100」、コープケミカル社製、平均粒径
7μm)400gと市販の親水性スメクタイト(「SW
N」、コープケミカル社製、平均粒径5μm)100g
とを混合し、これを2.0重量%硝酸クロム水溶液2.
8リットル中に分散させ、常温で2時間撹拌した。これ
を脱塩水にて濾過・洗浄した。得られた固体部に水を添
加して、20.0重量%水スラリーを調製し、噴霧乾燥
処理を行った。この結果、平均粒径54μmの粒子が4
50g得られた。粒径10μm以下の粒子の数は全粒子
の4%であり、圧壊強度は2.0MPa、嵩密度は0.
75g/ccであった。
【0070】<実施例2>市販の膨潤性合成雲母(「ソ
マシフME−100」、コープケミカル社製、平均粒径
7μm)250gと市販の親水性スメクタイト(「SW
N」、コープケミカル社製、平均粒径5μm)250g
とを混合し、これを4.0重量%硝酸クロム水溶液3.
0リットル中に分散させ、常温で2時間撹拌した。これ
を脱塩水にて濾過・洗浄した。得られた固体部に水を添
加して、20.0重量%水スラリーを調製し、噴霧乾燥
処理を行った。この結果、平均粒径50μmの粒子が4
20g得られた。粒径10μm以下の粒子の数は全粒子
の2%であり、圧壊強度は9.4MPa、嵩密度は0.
85g/ccであった。
【0071】<実施例3>市販の膨潤性合成雲母(「ソ
マシフME−100」、コープケミカル社製、平均粒径
7μm)350gと市販の親水性スメクタイト(「SW
N」、コープケミカル社製、平均粒径5μm)150g
とを混合し、これを3.0重量%硫酸4.0リットル中
に分散させ、常温で2時間撹拌した。これを脱塩水にて
濾過・洗浄した。得られた固体部に水を添加して、1
5.0重量%水スラリーを調製し、噴霧乾燥処理を行っ
た。この結果、平均粒径40μmの粒子が410g得ら
れた。粒径10μm以下の粒子の数は全粒子の3%であ
り、圧壊強度は2.7MPa、嵩密度は0.76g/c
cであった。
【0072】<実施例4>市販の膨潤性合成雲母(「ソ
マシフME−100」、コープケミカル社製、平均粒径
7μm)350gと市販のモンモリロナイト(「クニピ
ア−F」、クニミネ工業社製、平均粒径40μm)15
0gとを混合し、これを3.0重量%塩酸4.0リット
ル中に分散させ、常温で2時間撹拌した。これを脱塩水
にて濾過・洗浄した。得られた固体部に水を添加して、
15.0重量%水スラリーを調製し、噴霧乾燥処理を行
った。この結果、平均粒径52μmの粒子が400g得
られた。粒径10μm以下の粒子の数は5%であり、圧
壊強度は3.0MPa、嵩密度は0.70g/ccであ
った。
【0073】<実施例5>市販の膨潤性合成雲母(「N
a−テニオライト」、トピー工業社製、平均粒径10μ
m)200gを4.0重量%硝酸クロム水溶液1.0リ
ットル中に分散させ、常温で2時間撹拌した。これを脱
塩水にて濾過・洗浄した。得られた固体部に水を添加し
て、30.0重量%水スラリーを調製した。そのスラリ
ーに市販の親水性スメクタイト(「SWN」、コープケ
ミカル社製、平均粒径12μm)の1.5重量%水スラ
リーを400ml添加し、噴霧乾燥処理を行った。この
とき親水性スメクタイトの含量は3重量%であった。こ
の結果、平均粒径65μmの粒子が150g得られた。
粒径10μm以下の粒子の数は0%であり、圧壊強度は
3.5MPa、嵩密度は0.88g/ccであった。
【0074】<比較例1>市販の膨潤性合成雲母(「ソ
マシフME−100」、コープケミカル社製、平均粒径
7μm)500gを2.0重量%硝酸クロム水溶液2.
5リットル中に分散させ、常温で2時間撹拌した。これ
を脱塩水にて濾過・洗浄した。得られた固体部に水を添
加して、20.0重量%水スラリーを調製し、噴霧乾燥
処理を行った。この結果、平均粒径60μmの粒子が4
00g得られた。粒径10μm以下の粒子の数は全粒子
の10%であり、圧壊強度は0.1MPa、嵩密度は
0.55g/ccであった。
【0075】<比較例2>市販の膨潤性合成雲母(「ソ
マシフME−100」、コープケミカル社製、平均粒径
7μm)500gを3.0%硫酸4.0リットル中に分
散させ、常温で2時間撹拌した。これを脱塩水にて濾過
・洗浄した。得られた固体部に水を添加して、15.0
重量%水スラリーを調製し、噴霧乾燥処理を行った。こ
の結果、平均粒径60μmの粒子が370g得られた。
粒径10μm以下の粒子の数は全粒子の12%であり、
圧壊強度は0.5MPa、嵩密度は0.40g/ccで
あった。
【0076】<比較例3>市販の膨潤性合成雲母(「N
a−テニオライト」、トピー工業社製、平均粒径10μ
m)200gを4.0重量%硝酸クロム水溶液1.0リ
ットル中に分散させ、常温で2時間撹拌した。これを脱
塩水にて濾過・洗浄した。得られた固体部に水を添加し
て、30.0重量%水スラリーを調製した。そのスラリ
ーに市販のシリカゾル(「Cataloid−S S−
20L」、触媒化成工業社製、平均粒径0.02μm、
SiO 20〜21重量%)を300g添加し、噴霧
乾燥処理を行った。このときスラリー濃度は27重量
%、シリカの含量は23重量%であった。この結果、平
均粒径70μmの粒子が180g得られた。粒径10μ
m以下の粒子の数は10%であり、圧壊強度は0.8M
Pa、嵩密度は0.57g/ccであった。
【0077】<比較例4>市販の膨潤性合成雲母(「N
a−テニオライト」、トピー工業社製、平均粒径10μ
m)200gを4.0重量%硫酸亜鉛水溶液1.0リッ
トル中に分散させ、常温で2時間撹拌した。これを脱塩
水にて濾過・洗浄した。得られた固体部に水を添加し
て、30.0重量%水スラリーを調製した。そのスラリ
ーに市販のセラミックス用バインダー「SMR」(SM
R−10M、信越化学工業社製、PVA系バインダー)
の5.0重量%水溶液を400g添加し、噴霧乾燥処理
を行った。このときバインダー含量は9重量%であっ
た。この結果、平均粒径58μmの粒子が170g得ら
れた。粒径10μm以下の粒子の数は25%であり、圧
壊強度は0.6MPa、嵩密度は0.48g/ccであ
った。
【0078】<実施例6> (1)オレフィン重合用触媒成分の製造 実施例1で得られた触媒担体50gをフラスコに入れ、
減圧下(1〜2mmHg)200℃で2時間の減圧加熱
乾燥を行った。
【0079】加熱乾燥担体を、窒素雰囲気下で、内容積
200mlフラスコに2.0g取り、そこにトルエン6
2ml入れ撹拌した。あらかじめ調製しておいたビス
(ノルマルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロライドのトルエン溶液(20μmol/ml)を
8ml添加し、室温で10分間撹拌し、オレフィン重合
用触媒成分を得た。 (2)エチレン重合 窒素置換した1リットルのオートクレーブにヘプタン5
00ml、トリエチルアルミニウム0.5mmlを順次
仕込み、65℃に昇温した。ここに、エチレンを導入し
て圧力を7kg/cm2 に保ち、(1)で得られた触媒
成分を80mg仕込み、重合反応を開始させた。90分
間重合操作を続けた。その後、気相中のガスをパージし
て重合を停止させた。得られたエチレン重合体の量は3
0gであり、嵩密度は0.35g/cc、105μm以
下の微粉は0.5%であった。
【0080】<実施例7> エチレン−ブテン共重合 窒素置換した1リットルのオートクレーブにヘプタン4
70ml、1−ブテン30mlおよびトリエチルアルミ
ニウム0.5mmolを順次仕込み、65℃に昇温し
た。ここに、エチレンを導入して圧力を7kg/cm3
に保ち、実施例6で得られた触媒成分を30mg仕込
み、重合反応を開始させた。90分間重合操作を続け
た。その後、気相中のガスをパージして重合を停止させ
た。得られたエチレン−ブテン共重合体の量は45gで
あり、嵩密度は0.34g/cc、105μm以下の微
粉は1.2%であった。また、得られたエチレン−ブテ
ン共重合体は、MFI=1.5、密度0.921g/c
cのものであった。
【0081】<実施例8> (1)オレフィン重合用触媒成分の製造 実施例2で得られた触媒担体50gを、フラスコに入
れ、減圧下(1〜2mmHg)200℃で2時間の減圧
加熱乾燥を行った。この加熱処理担体を、窒素雰囲気下
で、内容積200mlフラスコに2.0g取り、そこに
トルエン62ml入れ撹拌した。そこへ、あらかじめ調
製しておいたジメチルシリル−ビス(インデニル)ジル
コニウムジクロライドのトルエン溶液(20μmol/
ml)を8ml添加し、室温で10分間撹拌して、オレ
フィン重合用触媒成分とを得た。
【0082】(2)エチレン−ブテン共重合 上記触媒成分を用いる以外は実施例7と同様にして、エ
チレン−ブテン共重合体の製造を行った。得られたエチ
レン−ブテン共重合体の量は35gであり、嵩密度は
0.37g/cc、105μm以下の微粉は0.5%で
あった。また、得られたエチレン−ブテン共重合体は、
MFI=0.8、密度0.923g/ccのものであっ
た。
【0083】<実施例9>実施例5で得られた触媒担体
を用いる以外は、実施例6と同様の方法で触媒成分を製
造し、その触媒成分を用いて実施例7と同様にしてエチ
レン−ブテン共重合体の製造を行った。その結果、得ら
れたエチレン−ブテン共重合体の量は28gであり、嵩
密度は0.36g/cc、105μm以下の微粉は0.
2%であった。また、得られたエチレン−ブテン共重合
体は、MFI=1.2、密度0.928g/ccのもの
であった。
【0084】<比較例5>比較例1で得られた触媒担体
を用いる以外は、実施例6と同様の方法で触媒成分を製
造し、その触媒成分を用いて実施例6と同様にしてエチ
レン重合体の製造を行った。その結果、得られたエチレ
ン重合体の量は30gであり、嵩密度は0.14g/c
c、105μm以下の微粉は15%であった。
【0085】<比較例6>比較例5で得られた触媒成分
を用いる以外は、実施例7と同様の方法でエチレン−ブ
テン共重合体の製造を行った。その結果、得られたエチ
レン−ブテン共重合体の量は40gであり、嵩密度は
0.12g/cc、105μm以下の微粉は23%であ
った。反応後の反応器壁には微粉が付着していた。得ら
れた重合体は、MFI=1.5、密度0.921g/c
cのものであった。
【0086】<比較例7>比較例3で得られた触媒担体
を用いる以外は、実施例6と同様の方法で触媒成分の製
造を行い、その触媒成分を用いて実施例7と同様にして
エチレン−ブテン共重合体の製造を行った。その結果、
得られたエチレン−ブテン共重合体の量は10gであっ
た。嵩密度の測定は、触媒の重合活性が低く重合体の回
収量が少ないため不可能であった。105μm以下の微
粉は35%存在し、また、反応後の反応器壁には微粉が
付着していた。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、粒径の整った、強度が
高く、嵩密度が高く、微粉や粗粒が少ない等の粒子性状
に優れた層状珪酸塩粒子を得ることができる。この層状
珪酸塩粒子は、種々の用途があって、例えば化学反応、
代表的にはオレフィン類の重合反応等における触媒成分
として、特に工業的に使用される場合に、特に有用なも
のである。このような本発明によれば、流動性が良好な
触媒が得られ、そして微粉や粗粒が少なくかつ嵩密度が
高いオレフィン重合体が得られ、そし反応生成物もしく
は熱の移動が良好なオレフィン重合体の製造法が得られ
ることは、「発明の概要」の項において前記したところ
である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スメクタイト族の層状珪酸塩および雲母族
    の層状珪酸塩からなる混合物であって、このスメクタイ
    ト族の層状珪酸塩を0.1〜50重量%含有し、かつ、
    下記の条件(A)〜(C)を同時に充足することを特徴
    とする、層状珪酸塩粒子。 (A):平均粒径が20μm以上1000μm以下であ
    り、かつ粒径が10μm以下の粒子の数が全粒子数の2
    0%以下であること、 (B):微小圧縮試験器で測定した粒子の圧壊強度が
    0.5MPa以上であること、 (C):粒子の嵩密度が0.6g/cm3 以上であるこ
    と。
  2. 【請求項2】層状珪酸塩粒子が、その交換性陽イオンの
    30%以上が周期律表の第2族から第14族の陽イオン
    またはH+ に交換されたものである、請求項1に記載の
    層状珪酸塩粒子。
  3. 【請求項3】交換性陽イオンが、雲母族の層状珪酸塩の
    交換性陽イオンである、請求項2に記載の層状珪酸塩粒
    子。
  4. 【請求項4】スメクタイト族の層状珪酸塩の平均粒径
    が、0.01μmから50μmである、請求項1から3
    のいずれか1項に記載の層状珪酸塩粒子。
  5. 【請求項5】雲母族の層状珪酸塩が、イオン交換性であ
    る、請求項1から4のいずれか1項に記載の層状珪酸塩
    粒子。
  6. 【請求項6】スメクタイト族の層状珪酸塩が、モンモリ
    ロナイトである、請求項1から5のいずれか1項に記載
    の層状珪酸塩粒子。
  7. 【請求項7】スメクタイト族の層状珪酸塩が、ヘクトラ
    イトである請求項1から6のいずれか1項に記載の層状
    珪酸塩粒子。
  8. 【請求項8】メタロセン系遷移金属化合物と請求項1か
    ら7のいずれか1項に記載の層状珪酸塩粒子との組合せ
    からなる、オレフィン重合用触媒成分。
  9. 【請求項9】請求項8に記載のオレフィン重合用触媒成
    分と有機アルミニウム化合物成分の組合せからなる、オ
    レフィン重合用触媒。
  10. 【請求項10】請求項8または9に記載のオレフィン重
    合用触媒にオレフィンを接触させて重合させることから
    なる、オレフィン重合体の製造法。
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