JP2003327613A - オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造方法

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JP2003327613A
JP2003327613A JP2002139718A JP2002139718A JP2003327613A JP 2003327613 A JP2003327613 A JP 2003327613A JP 2002139718 A JP2002139718 A JP 2002139718A JP 2002139718 A JP2002139718 A JP 2002139718A JP 2003327613 A JP2003327613 A JP 2003327613A
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catalyst
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olefin
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Takehiro Sakae
竹弘 寒河江
Kunihiko Takahashi
邦彦 高橋
Toshihiko Sugano
利彦 菅野
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Japan Polychem Corp
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Japan Polychem Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】下記の成分(A)及び成分(B)を接触し
て得られる生成物に、必要に応じて成分(C)を接触さ
せ、オレフィンを添加して予備重合して成るオレフィン
重合用触媒であって、成分(B)の圧壊強度が1粒当た
り3MPa以上であり、かつその予備重合体の135℃
テトラリン中で測定した固有粘度[η]が0.5〜2.5
dl/gであることを特徴とする予備重合されたオレフ
ィン重合用触媒。 成分(A):メタロセン系遷移金属化合物 成分(B):造粒層状珪酸塩 成分(C):有機アルミニウム化合物 【効果】本発明の予備重合触媒は高活性であり、かつこ
れを使用して得られる重合体は、粒子性状が優れ、重合
槽への付着が少なく、フィッシュアイが少ない。製造プ
ロセスの安定化とコストの低減に寄与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオレフィン重合用触
媒およびオレフィン重合体の製造方法に関する。更に詳
しくは、遷移金属当たりの活性が極めて高い固体触媒を
用い、フィッシュアイ(加工製品化された重合体の外観
をそこなうゲル)が少なく、粒子形状に優れ、粒子の流
動性が良好であり、反応器内壁や配管内壁での付着ポリ
マーの生成や閉塞塊状物の生成無くオレフィン重合体を
工業的に長期間にわたり安定して製造することが可能
な、オレフィン重合用触媒およびそれを用いたオレフィ
ン重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オレフィン重合体を製造するに場合に使
用する触媒の活性(単位触媒当たりの重合量)、特に遷
移金属当たりの活性が高いことは、重合後に得られた重
合体から触媒残渣を除去する必要がなく、重合体の製造
工程を簡略化し得るので、工業的に極めて利用価値が高
い。一方、操業の安定性、操業効率の面から、重合槽へ
の付着が少ないこと、重合体粉末の嵩密度が高く、粒度
分布が狭く、流動性が良好なこと等が望ましい。また、
製品の品質面でフィッシュアイは、加工品の外観、物性
を悪化させるため、できるだけ少ないことが望ましい。
オレフィンを重合してオレフィン重合体を製造するにあ
たり、(1)メタロセン化合物、および、(2)アルミ
ノキサンからなる触媒を用いる方法が提案されている
(特公平4−12283号公報、特開昭60−3500
7号公報等)。これらの触媒を用いた重合方法では従来
のいわゆるチーグラー・ナッタ触媒を用いる方法と比較
して遷移金属当たりの重合活性が高く、また分子量分布
や組成分布が狭い重合体が得られている。
【0003】しかし、これらの方法によって得られた重
合体は、微粉、粗粒が多く見られ、また、嵩密度も低い
等、粒子性状の不良なものが多く、更には、固体成分あ
たりの重合活性が低い等の新たな問題点も有していた。
これらの諸問題を解決するため、メタロセン化合物と特
定の固体成分を必須成分とするオレフィン重合用触媒及
びこれを用いたオレフィン重合方法が提案された(特開
平5−301917、同7−228621、同8−12
7613、同11−5810号公報等)。これらの触媒
でオレフィンを重合した場合、粒子形状に優れ、粒子の
流動性が良好なオレフィン重合体が生成するので、安定
な重合運転がある程度可能となるが、それでも、反応器
内壁や配管内壁で薄皮状の付着ポリマーや塊状ポリマー
が生成し、配管差圧の上昇あるいは配管の閉塞、反応温
度制御の障害を招き、かつフィルム成形時フィッシュア
イの少ないポリマーが得られるとは言い難い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況において、
本発明は触媒残渣の除去が不必要なほど遷移金属当たり
の触媒活性が十分高く、得られる重合体粒子の破砕や微
粉の発生が少ない等粒子性状に優れ、粒子の流動性が良
好であり、反応器内壁や配管内壁での付着ポリマーの生
成や閉塞塊状物の生成が無く、オレフィン重合体を工業
的に長期間にわたり安定して製造することが可能であ
り、フィッシュアイの少ない重合体を製造するオレフィ
ン重合用触媒およびそれを用いたオレフィンの重合方法
を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的達
成のために鋭意検討した結果なされたもので、具体的に
は、下記の成分(A)及び成分(B)を接触して得られ
る生成物に、必要に応じて成分(C)を接触させ、オレ
フィンを添加して予備重合して成るオレフィン重合用触
媒であって、成分(B)の圧壊強度が1粒当たり3MP
a以上であり、かつその予備重合体の135℃テトラリ
ン中で測定した固有粘度[η]が0.5〜2.5dl/g
であることを特徴とする予備重合されたオレフィン重合
用触媒に存する。 成分(A):メタロセン系遷移金属化合物 成分(B):造粒層状珪酸塩 成分(C):有機アルミニウム化合物 さらにまた本発明は、上記のオレフィン重合用触媒の存
在下、オレフィンを単独重合または共重合することを特
徴とするオレフィン重合体の製造方法を提供するもので
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、成分(A)メタロセン
系遷移金属化合物、成分(B)造粒層状珪酸塩、及び、
必要に応じて成分(C)有機アルミニウム化合物を接触
させ、オレフィンを添加して予備重合してなる触媒、並
びに、該予備重合触媒を用いてオレフィン重合体を製造
する方法に係るものである。なお、本発明における原子
の周期律は、1989年にIUPACにより推奨された
18族方式に基づくものである。
【0007】<成分(A)>本発明の触媒に用いられる
成分(A)は、共役五員環構造配位子を少なくとも1個
有する周期表4〜6族の遷移金属化合物である。かかる
遷移金属化合物として好ましいものは、下記一般式
[1]、[2]、[3]もしくは[4]で表される化合
物である。
【0008】
【化1】
【0009】[ここで、AおよびA'は共役五員環構造
を有する配位子(同一化合物内においてAおよびA'は
同一でも異なっていてもよい)を、Qは2つの共役五員
環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を、ZはMと
結合している窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原
子またはイオウ原子を含む配位子、水素原子、ハロゲン
原子または炭化水素基を、Q'は共役五員環配位子の任
意の位置とZを架橋する結合性基を、Mは周期表4〜6
族から選ばれる金属原子を、そしてXおよびYはMと結
合した水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキ
シ基、アミノ基、リン含有炭化水素基またはケイ素含有
炭化水素基を、それぞれ示す。]
【0010】AおよびA'は共役五員環配位子であり、
これらは同一化合物内において同一でも異なっていても
よいことは前記したとおりである。この共役五員環配位
子(AおよびA')の典型例としては、共役炭素五員環
配位子、すなわちシクロペンタジエニル基を挙げること
ができる。このシクロペンタジエニル基は水素原子を4
個有するもの[C54−]であってもよく、また、その
誘導体、すなわちその水素原子のいくつかが置換基で置
換されているものであってもよい。この置換基の一つの
具体例は、炭素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化
水素基であるが、この炭化水素基は一価の基としてシク
ロペンタジエニル基と結合していても、またこれが複数
存在するときにそのうちの2個がそれぞれ他端(ω−
端)で結合してシクロペンタジエニル基の一部とともに
環を形成していてもよい。後者の代表例は、2個の置換
基がそれぞれのω−端で結合して当該シクロペンタジエ
ニル基中の隣接した2個の炭素原子を共有して縮合六員
環を形成しているもの、すなわちインデニル基またはフ
ルオレニル基、アズレニル基である。従って、共役五員
環配位子(AおよびA')の典型例は、置換又は非置換
のシクロペンタジエニル基、インデニル基またはフルオ
レニル基、アズレニル基ということができる。
【0011】シクロペンタジエニル基上の置換基として
は、前記の炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜1
2、の炭化水素基の他に、ハロゲン基(例えば、フッ
素、塩素、臭素)、アルコキシ基(例えばC1〜C12
もの)、ケイ素含有炭化水素基(例えばケイ素原子を−
Si(R1)(R2)(R3)の形で含む炭素数1〜24
程度の基)、リン含有炭化水素基(例えば、リン原子を
−P(R1)(R2)の形で含む炭素数1〜18程度の
基)、窒素含有炭化水素基(例えば、窒素原子を−N
(R1)(R2)の形で含む炭素数1〜18程度の基)あ
るいはホウ素含有炭化水素基(例えば、ホウ素原子を−
B(R1)(R2)の形で含む炭素数1〜18程度の基)
である。これらの置換基が複数ある場合、それぞれの置
換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0012】Qは二つの共役五員環配位子間を任意の位
置で架橋する結合性基を、Q'は共役五員環配位子の任
意の位置とZ基を架橋する結合性基を表す。詳しくは、
QおよびQ'は、(イ)メチレン基、エチレン基、イソ
プロピレン基、フェニルメチルメチレン基、ジフェニル
メチレン基、シクロヘキシレン基等の炭素数1〜20の
アルキレン基、(ロ)シリレン基、ジメチルシリレン
基、フェニルメチルシリレン基、ジフェニルシリレン
基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン基等のシリ
レン基、(ハ)ゲルマニウム、リン、窒素、ホウ素ある
いはアルミニウムを含む炭化水素基、具体的には(CH
32Ge基、(C652Ge基、(CH3)P基、(C
65)P基、(C49)N基、(C65)N基、(CH
3)B基、(C49)B基、(C65)B基、(C
65)Al基、(CH3O)Al基等である。好ましい
ものは、アルキレン基およびシリレン基である。
【0013】Mは、周期表4〜6族から選ばれる金属原
子、好ましくは周期表4族原子、具体的にはチタン、ジ
ルコニウムおよびハフニウムである。特に好ましくはハ
フニウムである。Zは、Mと結合している窒素原子、酸
素原子、ケイ素原子、リン原子またはイオウ原子を含む
配位子、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であ
る。Zとして好ましいものの具体例としては、酸素(−
O−)、イオウ(−S−)、炭素数1〜20、好ましく
は1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜20、好ましく
は1〜12のチオアルコキシ基、炭素数1〜40、好ま
しくは1〜18のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜4
0、好ましくは1〜18の窒素含有炭化水素基、炭素数
1〜40、好ましくは1〜18のリン含有炭化水素基、
水素原子、塩素、臭素、炭素数1〜20の炭化水素基で
ある。XおよびYは、各々水素、ハロゲン基、炭素数1
〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基、炭素数1〜
20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、アミノ基、
炭素数1〜20、好ましくは1〜12のリン含有炭化水
素基(具体的には、例えばジフェニルホスフィン基)、
あるいは炭素数1〜20、好ましくは1〜12のケイ素
含有炭化水素基(具体的には、例えばトリメチルシリル
基、ビス(トリメチルシリル)メチル基)である。Xと
Yとは同一であっても異なってもよい。これらのうちハ
ロゲン基、炭化水素基(特に炭素数1〜8のもの)およ
びアミノ基が好ましい。
【0014】従って、本発明によるオレフィン重合用触
媒において、成分(A)として好ましい一般式[1]、
[2]、[3]あるいは[4]で表される化合物のう
ち、特に好ましいものは下記内容のそれぞれの置換基を
有するものである。 A、A'=シクロペンタジエニル、n−ブチル−シクロ
ペンタジエニル、ジメチル−シクロペンタジエニル、ジ
エチル−シクロペンタジエニル、エチル−n−ブチル−
シクロペンタジエニル、エチル−メチル−シクロペンタ
ジエニル、n−ブチル−メチル−シクロペンタジエニ
ル、インデニル、2−メチル−インデニル、2−メチル
−4−フェニルインデニル、テトラヒドロインデニル、
2−メチル−テトラヒドロインデニル、2−メチル−ベ
ンゾインデニル、4−ヒドロアズレニル、2,4−ジメ
チルヘキサヒドロアズレニル、2−メチル−4−フェニ
ル−4H−アズレニル、2−メチル−4−フェニル−ヘ
キサヒドロアズレニル、Q、Q'=エチレン、ジメチル
シリレン、イソプロピリデン、Z=t−ブチルアミド、
フェニルアミド、シクロヘキシルアミド、 M=4族遷移金属 X、Y=塩素、メチル、ジエチルアミノ。
【0015】本発明において、成分(A)は、同一の一
般式で表される化合物群内において、および(または)
異なる一般式で表される化合物間において二種以上の化
合物の混合物として用いることができる。Mがジルコニ
ウムである場合のこの遷移金属化合物の具体例は、下記
の通りである。 (イ)一般式[1]で表される化合物、すなわち結合性
基Qを有せず共役五員環配位子を2個有する遷移金属化
合物、例えば、(1)ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、(2)ビス(エチル−n−ブチ
ル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
(3)ビス(n−ブチル−メチル−シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、(4)ビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、(5)ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムジメチル、(6)(シクロペ
ンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、
【0016】(ロ)一般式[2]で表される化合物、す
なわち結合性基Q、例えば(ロ−1)Q=アルキレン基
のものとして、例えば、(1)メチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、(2)エチレンビス(イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、(3)エチレン
1,2−ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウム
ジクロリド、(4)イソプロピリデン(2−メチルシク
ロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリド、(5)ジクロロ{1,1'−ジメチルメチレン
ビス[2−メチル−4−(4−ビフェニリル)−4H−
アズレニル]}ジルコニウム、
【0017】(ロ−2)Q=シリレン基のものとして、
例えば、(1)ジメチルシリレンビス(インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、(2)ジメチルシリレンビス
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、(3)ジメチルシリレンビス(2−メ
チル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、(4)ジメチルシリレンビス[4−(2−フェニル
インデニル)]ジルコニウムジクロリド、(5)ジメチ
ルシリレン(2−メチルシクロペンタジエニル)(フル
オレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0018】(ロ−3)Q=ゲルマニウム、リン、窒
素、ホウ素あるいはアルミニウムを含む炭化水素基のも
のとして、例えば、(1)ジメチルゲルマニウムビス
(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(2)メチル
アルミニウムビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、(3)フェニルホスフィノビス(インデニル)ジル
コニウムジクロリド、(4)エチルホラノビス(インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、(5)フェニルアミノ
ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0019】(ハ)一般式[3]で表される化合物、す
なわち結合性基Q'を有せず共役五員環配位子を1個有
する遷移金属化合物、例えば、(1)ペンタメチルシク
ロペンタジエニル−ビス(フェニル)アミノジルコニウ
ムジクロリド、(2)インデニル−ビス(フェニル)ア
ミドジルコニウムジクロリド、(3)ペンタメチルシク
ロペンタジエニル−ビス(トリメチルシリル)アミノジ
ルコニウムジクロリド、(4)シクロペンタジエニルジ
ルコニウムトリクロリド、(5)シクロペンタジエニル
ジルコニウムジクロロハイドライド、
【0020】(ニ)一般式[4]で表される化合物、す
なわち結合性基Q'で架橋した共役五員環はい位子を一
個有する遷移金属化合物、例えば、(1)ジメチルシリ
レン(テトラメチルシクロペンタジエニル)フェニルア
ミドジルコニウムジクロリド、(2)ジメチルシリレン
(テトラメチルシクロペンタジエニル)tertブチル
アミドジルコニウムジクロリド、(3)ジメチルシリレ
ン(インデニル)シクロヘキシルアミドジルコニウムジ
クロリド、(4)ジメチルシリレン(テトラヒドロイン
デニル)デシルアミドジルコニウムジクロリド、(5)
ジメチルゲルマン(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)(フェニル)アミノジルコニウムジクロリド等、が
例示される。
【0021】また、上記(イ)〜(ニ)の化合物の塩素
を臭素、ヨウ素、ヒドリド、メチル、フェニル、ジエチ
ルアミド基等に置き換えたものも使用可能である。な
お、上記例示において、シクロペンタジエニル環の二置
換体は1,2−および1,3−置換体を含み、三置換体
は1,2,3−および1,2,4−置換体を含む。更
に、本発明では、成分(A)として上記(イ)〜(ホ)
に例示したジルコニウム化合物の中心金属をジルコニウ
ムからチタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、クロ
ム、モリブデンまたはタングステン等に換えた化合物も
用いることができる。これらのうちで好ましいものは、
ジルコニウム化合物、ハフニウム化合物およびチタン化
合物である。なお、これらのメタロセン系遷移金属化合
物に不斉炭素が生じる場合には、特に記載が無い場合、
立体異性体の1つまたはその混合物(ラセミ体を含む)
を示す。成分(A)は2種類以上を使用してもよいのは
言うまでもない。
【0022】<成分(B)>本発明の触媒に用いられる
成分(B)は、粘土鉱物の大部分を占める層状珪酸塩で
あり、かつ造粒処理されたものである。層状珪酸塩と
は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結
合力で平行に積み重なった結晶構造をとる珪酸塩化合物
である。大部分の層状珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物
の主成分として産出するが、これら、層状珪酸塩は特に
天然産のものに限らず、人工合成物であってもよい。層
状珪酸塩の具体例としては、例えば、白水晴雄著「粘土
鉱物学」朝倉書店(1995年)、等に記載される公知
の層状珪酸塩であって、ディッカイト、ナクライト、カ
オリナイト、アノーキサイト、メタハロイサイト、ハロ
イサイト等のカオリン族、クリソタイル、リザルダイ
ト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、
ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナ
イト、テニオライト、ヘクトライト、スチーブンサイト
等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバーミキュ
ライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲
母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカ
イト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク、緑泥
石群が挙げられる。これらは混合層を形成していてもよ
い。
【0023】これらの中では、モンモリロナイト、ザウ
コナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイ
ト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、
テニオライト等のスメクタイト族、バーミキュライト
族、雲母族が好ましい。スメクタイト族の代表的なもの
としては、一般にはモンモリロナイト、バイデライト、
サポナイト、ノントライト、ヘクトライト、ソーコナイ
ト等である。「ベンクレイSL」(水澤化学工業社
製)、「クニピア」、「スメクトン」(いずれもクニミ
ネ工業社製)、「モンモリロナイトK10」(アルドリ
ッチ社製、ジュートヘミー社製)、「K−Cataly
stsシリーズ」(ジュートヘミー社製)等の市販品を
利用することもできる。雲母族の代表的なものとして
は、白雲母、パラゴナイト、金雲母、黒雲母、レピドラ
イト等がある。市販品の「合成雲母ソマシフ」(コープ
ケミカル社製)、「フッ素金雲母」、「フッ素四ケイ素
雲母」、「テニオライト」(いずれもトピー工業社製)
等の市販品を利用することもできる。更に好ましいのは
「ベンクレイSL」等のスメクタイト族である。
【0024】一般に、天然品は、非イオン交換性(非膨
潤性)であることが多く、その場合は好ましいイオン交
換性(ないし膨潤性)を有するものとするために、イオ
ン交換性(ないし膨潤性)を付与するための処理を行う
ことが好ましい。そのような処理のうちで特に好ましい
ものとしては次のような化学処理があげられる。すなわ
ち、これらの珪酸塩は化学処理を施したものであること
が好ましい。ここで化学処理とは、表面に付着している
不純物を除去する表面処理と層状珪酸塩の結晶構造、化
学組成に影響を与える処理のいずれをも用いることがで
きる。具体的には、(イ)酸処理、(ロ)アルカリ処
理、(ハ)塩類処理、(ニ)有機物処理等が挙げられ
る。
【0025】これらの処理は、表面の不純物を取り除
く、層間の陽イオンを交換する、結晶構造中のAl、F
e、Mg等の陽イオンを溶出させる等の作用をし、その
結果、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成
し、表面積や層間距離、固体酸性度等を変えることがで
きる。これらの処理は単独で行ってもよいし、2つ以上
の処理を組み合わせてもよい。
【0026】化学処理に用いられる(イ)酸としては、
合目的的な無機酸あるいは有機酸、好ましくは例えば、
塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等があげられ、
(ロ)アルカリとしては、NaOH、KOH、NH3
があげられる。(ハ)塩類としては、2族から14族原
子からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子を含む
陽イオンと、ハロゲン原子または無機酸もしくは有機酸
由来の陰イオンからなる群より選ばれた少なくとも1種
の陰イオン、とからなる化合物が好ましい。更に好まし
いものは、Al、Mg、Zn、Sn、Cu、Ni、F
e、NbまたはTa由来のイオンを陽イオンとするも
の、Cl、SO4、NO3、OH、C24およびPO4
来のイオンを陰イオンとするもの、である。(ニ)有機
物としては、アルコール(炭素数1〜4の脂肪族アルコ
ール、好ましくは例えばメタノール、エタノール、プロ
パノール、エチレングリコール、グリセリン、炭素数6
〜8の芳香族アルコール、好ましくは例えばフェノー
ル)、高級炭化水素(炭素数5〜10、好ましくは5〜
8、のもの、好ましくは例えばヘキサン、ヘプタン等)
があげられる。 また、ホルムアミド、ヒドラジン、ジ
メチルスルホキシド、N−メチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアニリン等が好ましくあげられる。塩類及び
酸は、2種以上であってもよい。
【0027】塩類処理と酸処理を組み合わせる場合にお
いては、塩類処理を行った後、酸処理を行う方法、酸処
理を行った後、塩類処理を行う方法、及び塩類処理と酸
処理を同時に行う方法がある。塩類及び酸による処理条
件は、特には制限されないが、通常、塩類および酸濃度
は、0.1〜50重量%、処理温度は室温〜沸点、処理
時間は、5分〜24時間の条件を選択して、層状珪酸塩
を構成している物質の少なくとも一部を溶出する条件で
行うことが好ましい。また、塩類及び酸は、トルエン、
n−ヘプタン、エタノール等の有機溶媒中、または塩
類、酸が処理温度において液体状であれば、無溶媒で用
いることもできるが、好ましくは水溶液として用いられ
る。
【0028】本発明において、成分(B)は造粒し、そ
の圧壊強度を3MPa以上に制御して用いることが特徴
である。造粒法について示せば、例えば噴霧造粒法、転
動造粒法、圧縮造粒法、撹拌造粒法、ブリケッティング
法、コンパクティング法、押出造粒法、流動層造粒法、
乳化造粒法および液中造粒法等が挙げられる。特に好ま
しい造粒法は、上記の内、噴霧造粒法、転動造粒法およ
び圧縮造粒法である。噴霧造粒法は、熱風気流中に液滴
を噴霧分散させて、乾燥と同時に球状の造粒物を得る方
法である。得られる造粒物は球形に近いため製品の流動
性に優れ、かつ液滴が瞬時に乾燥されるために多孔質と
なりやすい。粒径を制御するには液滴の大きさを制御す
ればよく、一般に液滴が大きければ造粒粒径が大きく、
液滴が小さければ造粒粒径が小さくなる。また、液滴中
の固体濃度が高い方が大きく、低い方が小さくなる。一
般に固体濃度は10重量%から60重量%で行われる。
乾燥温度は100℃から200℃で行うことが好まし
い。転動造粒法は、傾斜した回転する皿に粉体を供給
し、転動させながら加水して造粒する方法である。得ら
れる造粒品はほぼ球形であるため、流動性に優れる。処
理量当たりの設備費、消費電力費などが安く、大量生産
に適した方法である。乾燥温度は50℃から80℃で行
われ、加水剤は5重量%から15重量%を使用する。圧
縮造粒法は、粉末原料を貫通していない型のなかで、圧
縮力で成形する方法であり、造粒法のなかで最も大きな
力を粉末原料にかけることができ、水分がほとんどない
乾いた状態の多くの原料を造粒することができる。造粒
品は3から4t/cm2大きい圧力をかけることができ
るので密度の高い、強度のある造粒物が得られる。ま
た、乾燥工程がないことから、加熱による原料成分の分
解や飛散などによる損失がない。
【0029】造粒物の圧壊強度は、3MPa以上、好ま
しくは4MPa以上、更に好ましくは10MPa以上に
制御される。上記範囲未満では粒子強度が弱く、触媒の
製造中または重合中に粒子が破砕し、微粉発生や塊状物
生成の原因となる。圧壊強度の上限は限定的ではない
が、成分(B)の組成から50MPa程度が事実上の上
限となる。圧壊強度が大きすぎると触媒製造時および重
合時のポリマーの成長が阻害され、低活性となる。圧壊
強度は、一般に造粒した際の一次粒子の接触点数が多い
方が高く、または接触点の結合力が高い方が高い。よっ
て、圧壊強度を高くするには造粒しようとする粒子を粉
砕により小さくする方法、バインダーとして微細な粒子
を添加する方法、粘着性のある添加剤を添加する方法、
さらに焼成による方法などが挙げられる。逆に圧壊強度
を小さくするには、その逆の方法をとればよい。ここ
で、圧壊強度は、微小圧縮試験器(島津製作所社製「M
CTM−500」)を用いて、任意の10個の粒子の圧
縮強度を測定し、その平均値として求めたものである。
【0030】本発明で成分(B)として用いられる上述
の造粒層状珪酸塩は、触媒および重合粒子の流動性や嵩
密度を向上させ、重合運転の障害となる微粉や粗粉の生
成を防止する上で、上記のような各種の処理を含む全て
の工程の前、間、後のいずれの時点においても、混合、
粉砕、分粒、分別等によって粒子性状を制御することが
できる。その方法は合目的的な任意のものであり得る。
【0031】更に、造粒層状珪酸塩は、その造粒物の平
均粒径が20〜1000μm、特に25〜500μm、
最も好ましくは25〜100μmの範囲のものである。
そして、造粒物中に、粒径が10μm以下の細かい粒子
の数が全粒子の20重量%以下、特に15重量%以下、
最も好ましくは5重量%以下のものである。ここで、粒
子の粒径分布および平均粒径は、レーザー回折/散乱法
による粒度分布測定装置(堀場製作所社製、「LA−9
20」)を用い、エタノールを分散媒とし、屈折率1.
32として算出したものである。
【0032】更に、造粒層状珪酸塩は、造粒処理後水分
含有量が3.0重量%以下、特に2.0重量%以下まで
乾燥したものが好ましい。上記より水分が多いと触媒製
造時に成分(A)および成分(C)との副反応が進行
し、触媒の活性化を阻害する。なお、水分の測定は微量
水分測定装置(ダイヤインスツルメンツ社製 CA−0
7)および水分気化装置(ダイヤインスツルメンツ社製
VA−21)により、電気炉温度200℃、液滴終点
0.4μg/sの条件下に測定したものである。
【0033】<成分(C)>成分(C)は必要に応じて
使用されるが、その効果は活性を向上させるだけでな
く、担体に担持された錯体を遊離させにくくする効果も
ある。成分(C)として用いられる有機アルミニウム化
合物の例は、次の一般式で示される化合物である。 AlR8jX3−j (式中、R8 は炭素数1〜20の炭化水素基、Xは水
素、ハロゲン、アルコキシ基、jは0<j≦3の数)で
示されるトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニ
ウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアル
ミニウム、トリオクチルアルミニウム等のトリアルキル
アルミニウムまたはジエチルアルミニウムモノクロライ
ド、ジエチルアルミニウムメトキシド等のハロゲンもし
くはアルコキシ含有アルキルアルミニウムである。また
この他、メチルアルミノキサン等のアルミノキサン等も
使用できる。これらのうち特にトリアルキルアルミニウ
ムが好ましい。
【0034】成分(C)を使用する場合の、成分
(A)、成分(B)、成分(C)の接触は特に限定され
ないが、以下のような接触順序で接触させることができ
る。 a.成分(A)と成分(B)を接触させた後に成分
(C)を添加する。 b.成分(A)と成分(C)を接触させた後に成分
(B)を添加する。 c.成分(B)と成分(C)を接触させた後に成分
(A)を添加する。 その他、三成分を同時に接触してもよい。更には、成分
(A)と成分(C)の接触生成物に、成分(B)と成分
(C)の接触生成物を接触させる方法も採り得る。上記
の接触方法の中で好ましい接触順序はcであるが、成分
(B)と成分(C)を接触させた後に成分(A)を添加
する際、成分(A)中の遷移金属に対する成分(C)中
のアルミニウムの原子比が大きいと重合活性が低下する
等の問題が生じる場合があるので、成分(A)を添加す
る前に、前述の不活性溶媒等で成分(B)と成分(C)
の接触生成物を洗浄して過剰の成分(C)を除去してお
くことも好ましい接触方法の1つとして挙げられる。
【0035】触媒成分として更にホウ素化合物、例えば
トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素に代表される
ルイス酸、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカ
ルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ートに代表されるアニオン性化合物等を使用することも
できる。触媒各成分の接触に際し、または接触の後にポ
リエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、アル
ミナ等の無機酸化物の固体を共存させ、あるいは接触さ
せてもよい。成分(C)の使用量は、成分(B)1g当
たり、0.01〜10000mmol、好ましくは0.
1〜100mmolである。また、成分(A)中の遷移
金属と成分(C)中のアルミニウムの原子比が1:0.
01〜1000000、好ましくは0.1〜10000
0である。
【0036】本発明の固体触媒成分を予備重合するの
は、粒子破砕による微粉ポリマーの生成を防ぎ、触媒か
ら脱離する成分(A)由来の遷移金属化合物を削減して
薄膜状の付着ポリマーや塊状物の発生を防止する目的が
ある。その方法は、スラリー状態で行うのが好ましい。
スラリー化するのに用いる溶媒としては、ブタン、ペン
タン、へキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。予備
重合には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘ
キセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3
−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレ
ン等のオレフィンを用いることができる。重合槽内の攪
拌は粒子が浮遊する状態で、すなわち攪拌速度は粒子浮
遊限界速度以上で行うことが好ましい。攪拌速度が小さ
すぎると粒子同士の互着の原因となる。予備重合の量
は、触媒成分1g当たり0.01〜1000g、好まし
くは0.1〜100gの重合体が生成するように行うこ
とが望ましい。この予備重合量が少なすぎると、重合時
の破砕や塊化を防ぐことが困難になる。また逆に予備重
合量が多すぎると予備重合槽を大きくしなくてはならず
経済的に不利になる。予備重合温度は−100〜100
℃、好ましくは−60〜100℃、であり、予備重合時
間は0.1〜100時間、好ましくは0.1〜20時間
である。予備重合速度は小さすぎても大きすぎても嵩密
度の高い良好なパウダーを得にくく、好ましくは0.1
〜20g/g−成分(B)・hr、さらに好ましくは、
0.3〜10g/g−成分(B)である。
【0037】本発明において特に重要な特徴は、予備重
合体の135℃テトラリン中で測定した固有粘度[η]
を、0.5〜2.5dl/gの範囲に調整することにあ
る。好ましくは、0.6〜2.2dl/g、更に好まし
くは0.7〜2.1dl/gの範囲である。[η]が高
いとフィルム加工した時、フィッシュアイの原因となっ
たり、微細ポリマーの生成原因となる。また小さすぎる
と触媒同士の付着がおこり、流動性が悪化する。予備重
合体の固有粘度[η]を制御するには、水素や有機金属
などの連鎖移動剤を添加する方法、予備重合温度を制御
する方法、予備重合圧力を制御する方法、造粒層状珪酸
塩を有機アルミニウム化合物で処理する方法等が挙げら
れるが、いずれの方法を用いてもよい。
【0038】本発明は、上記の予備重合した固体触媒成
分および必要に応じて有機アルミニウム化合物とよりな
る触媒系を用いて、オレフィンを単独重合または共重合
を行うオレフィン重合体の製造方法を提案するものであ
る。この際、用いられる有機アルミニウム化合物として
は、前記(C)成分と同様な化合物が挙げられる。この
際に用いられる有機アルミニウム化合物の量は、触媒成
分(A)中の遷移金属対有機アルミニウム化合物中のア
ルミニウムのモル比が1:0〜10000になるように
選ばれる。上記のようなオレフィン重合用触媒により重
合できるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、
ブテン−1、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテ
ン−1、4−メチルペンテン−1、ビニルシクロアルカ
ン、スチレンあるいはこれらの誘導体等が挙げられる。
また、重合は単独重合の他通常公知のランダム共重合や
ブロック共重合にも好適に適用できる。
【0039】重合反応は、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等の不活性炭
化水素や液化α−オレフィン等の溶媒存在下、あるいは
実質的に溶媒や単量体の液相が存在しない状態で気相重
合により行うのが好ましい。気相重合は、例えば流動
床、撹拌床、撹拌・混合機を備えた撹拌流動床等の反応
装置を用いて行うことができる。重合温度、重合圧力等
の条件は特に限定されないが、重合温度は、一般に−5
0〜250℃、好ましくは0〜100℃であり、また、
重合圧力は通常、常圧〜約2000kgf/cm2、好
ましくは常圧〜200kgf/cm2、更に好ましくは
常圧〜50kgf/cm2の範囲である。また、重合系
内に分子量調節剤として水素を存在させてもよい。
【0040】
【実施例】次に本発明を実施例をあげて具体的に示す
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例における各成分および重合体の性質は、発明実施
の形態の欄で説明した他は、下記の方法によって測定し
た。 1.密度: JIS K−7112(1999)(密度こう
ばい管法) 2.MFR: JIS K−7210(1999)(190
℃、21.18N) 3.嵩密度: JIS K−6721(1977)(カサ比重
試験法)
【0041】4.フィッシュアイ (1)添加物の配合 重合体に、酸化防止剤として、オクタデシル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート(チバスペシャリティーケミカルズ社
製、イルガノックス1076)1000ppm、テトラ
キス−(2,4−ジ−ブチルフェニル)−4,4−ビフ
ェニレン−ジフォスファイト(クラリアント社製、PE
PQ)700ppm、及び中和剤としてカルシウムステ
アレート(日東化成工業社製Ca−St(B.K))3
00ppmを配合した。 (2)造粒 上記配合物を口径50mm、L/D=24の単軸押出機(モ
ダンマシーナリー社製)を用い、ストランドダイから押
し出し、次いでストランドをカッターで造粒した。 (3)フィルム成形 装置:トミー社製インフレ成形機 成形機の仕様 押出機 :口径50mm、L/D=24 スクリュ :フルフライトタイプ ダイ :スパイラルマンドレルダイ、口径75m
m、リップ幅3mm エアリング:三鈴エリー社製デュアルスリットエアリン
グ 押出条件 押出機メータリング部のダイ設定温度:180℃ スクリュ回転数:約40rpm 製膜条件 冷却風量 :フロストライン高さがダイ出口から100
mm程度に調整 フィルムサイズ :折り径235mm、厚み30μm 製膜速度 :16m/分 (4) フィッシュアイの観察 重合体1g当たりのフィルム内の0.1mm以上のフィ
ッシュアイの個数を目視でカウントして求めた。
【0042】[実施例1] (1)粘土鉱物の酸処理および乾燥 市販の膨潤性モンモリロナイトの造粒分級品(「ベンク
レイSL」、水澤化学社製、平均粒径35.2μm)3
7kgを25%硫酸148kgの中に分散させ、90℃
で2時間撹拌した。これを脱塩水にて濾液のpHが4以
上となるように濾過・洗浄した後、得られた含水固体ケ
ーキを110℃で10時間予備的に乾燥して酸処理モン
モリロナイトを得た。この予備乾燥モンモリロナイトの
うち、目開き240メッシュの篩を通過した粒子を更
に、ロータリー・キルンを用いて、温度200℃、向流
窒素気流下(窒素流量49Nm3/時)で、2kg/時
の速さ(滞留時間10分)で連続乾燥し、乾燥窒素下で
回収した。この粒子の平均粒径は35.7μmであり、
10μm以下の粒子の割合は4%であった。この粒子の
圧壊強度は、12MPaであった。また、この粒子の水
分含量は0.53重量%であった。
【0043】(2)酸処理モンモリロナイトの有機Al
処理 窒素雰囲気下、2Lフラスコに(1)で得た乾燥モンモ
リロナイト粒子100gを入れ、n−ヘプタン0.34
Lに分散させてスラリーとした。ここへ、室温において
撹拌下、トリエチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液
(濃度0.61mol/L)0.49Lを添加して1時
間反応させた後、n−ヘプタンを0.85L添加して1
0分間攪拌した。沈降分離して上澄み液0.85Lを抜
き出した。次いでn−ヘプタン0.85Lを加えて10
分間撹拌後、沈降分離して、上澄み液0.85L抜き出
す洗浄工程を3回繰り返した。n−ヘプタンを1.0L
加えて濃度を調製した。
【0044】(3)触媒調製および予備重合 窒素雰囲気下、容量10Lの誘導攪拌装置付き反応器に
n−ヘプタン3.0Lを導入し、(2)で調製した有機
Al処理モンモリロナイトスラリーを全量添加した。次
いでトリエチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液(濃度
0.61mol/L)を0.16L添加し、10分間攪
拌した。次いで、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニ
ル)ハフニウムジクロリド24.0mmol(11.8
g)をn−ヘプタン0.50Lに分散して添加し、10
分間攪拌した。温度を80℃に昇温し、エチレンガスを
3.0NL/分の速度で200分間導入して予備重合を
行った。エチレンの供給を停止し、反応器内のエチレン
ガスを窒素で置換した。
【0045】(4)予備重合触媒の洗浄 上記(3)で得られた予備重合触媒スラリーを冷却して
40℃とし、沈降分離して上澄みを3.0L抜き出し
た。n−ヘプタン6.0Lを追加して、40℃で5分間
撹拌した後、撹拌を止めて30分間静置沈降を行い、上
澄み液6.0Lを抜き出した。次いで、n−ヘプタンを
6.0L追加して、40℃で5分間攪拌した後、攪拌を
止めて30分静置沈降し、上澄みを6.0L抜き出す工
程を3回繰り返した。
【0046】(5)予備重合触媒の乾燥 (4)で洗浄を行った予備重合触媒スラリー全量を窒素
雰囲気下において、伝導受熱のためのスチームジャケッ
トを装備した15L槽型振動式減圧乾燥機に抜き出し
た。ヘプタン4Lを反応器に追加して反応器内に残存し
た内容物を全て乾燥機に抜き出した。乾燥機に移送した
予備重合触媒スラリーを静置して上澄み液約5Lを除去
した後、70℃に加熱しながら減圧乾燥を行って溶媒を
留去した。温度を保持したまま、目視にて溶媒がほぼ留
去されたことを確認してから2時間減圧乾燥を行い、こ
の結果、予備重合触媒粉末785gを回収した。この予
備重合触媒にはエチレンが685g/g−モンモリロナ
イト処理体の割合で予備重合され、その固有粘度[η]
は1.25であった。
【0047】(6)エチレン−1−ヘキセン共重合(本
重合) 上記(5)の予備重合触媒を用い連続式気相流動床気相
重合設備を使用してエチレンと1−ヘキセンの気相共重
合を行った。即ちエチレンとヘキセンと水素の混合ガス
(ヘキセン/エチレン=2.7%、水素/エチレン=
0.036%)が循環する連続式気相重合反応器に
(5)で得られた予備重合触媒粉末を6.53g/時、
トリイソブチルアルミニウムとジエチルアルミニウムエ
トキシドを各々1.60g/時、0.11g/時を、間
欠的に供給した。重合反応の条件は90℃、エチレン分
圧18kg/cm2、重合槽内でのガス線速度は0.5
0m/秒、平均滞留時間7.8時間であった。トータル
生産量が240kgに達した時の生成ポリエチレンの重
合レート(単位時間当たりの生産量)は7.3kg/時
であった。得られた重合体の粒子性状は良好であり、ガ
ス循環系の差圧の上昇や重合壁への付着はみられなかっ
た。
【0048】(7)フィルム物性評価 フィルム加工したフィルムのフィッシュアイは12個で
あった。予備重合結果を表1に、本重合結果を表2に示
した。
【0049】[実施例2] (1) 触媒調製および予備重合 実施例1(3)において、予備重合温度を80℃に代え
て85℃で行う以外は実施例1(3)と同様にして予備
重合を実施した。予備重合触媒粉末820gを回収し
た。この予備重合触媒にはエチレンが720g/g−モ
ンモリロナイト処理体の割合で予備重合され、その固有
粘度[η]は0.87であった。 (2)エチレン−1−ヘキセン共重合 上記(1)の予備重合触媒を用い、実施例1(6)と同
様にエチレンと1−ヘキセンの共重合を行った。得られ
た重合体の粒子性状は良好であり、ガス循環系の差圧の
上昇や重合壁への付着はみられず、運転は安定であっ
た。重合レート(単位時間当たりの生産量)は4.46
kg/時であった。 (3)フィルム物性評価 フィルム加工したフィルムのフィッシュアイは11個で
あった。予備重合結果を表1に、本重合結果を表2に示
した。
【0050】[実施例3] (1)触媒調製および予備重合 実施例1(3)において、エチレンガスを10.0NL
/分の速度で60分間フィードする以外は実施例1と同
様にして、触媒を製造した。予備重合触媒粉末720g
を回収した。その重合体の固有粘度[η]は2.10で
あった。 (2) エチレン−1−ヘキセン共重合 上記(1)の予備重合触媒を用い、実施例1(6)と同
様にエチレン−1−ヘキセンの共重合を行った。重合活
性は高く、安定に運転できた。 (3) フィッシュアイの観察 フィルム加工したフィルムのフィッシュアイは16個で
あった。予備重合結果を表1に、本重合結果を表2に示
した。
【0051】[実施例4] (1) 触媒調製および予備重合 窒素雰囲気下、容量10Lの誘導攪拌装置付き反応器に
n−ヘプタン5.0Lを導入し、実施例1(1)と同様
の調製をした乾燥モンモリロナイト100gを粉体で添
加した。次いでトリエチルアルミニウムのn−ヘプタン
溶液(濃度0.61mol/L)を0.16L添加し、
10分間攪拌した。次いで、ビス(n−ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド24.0mmo
l(9.7g)をn−ヘプタン0.50Lに分散して添
加し、10分間攪拌した。温度を85℃に昇温し、エチ
レンガスを3.0NL/分の速度で200分間導入して
予備重合を行った。エチレンの供給を停止し、反応器内
のエチレンガスを窒素で置換した。 (2) 予備重合触媒の洗浄および乾燥 実施例1(4)および(5)と同様に予備重合触媒の洗
浄および乾燥を実施した。予備重合触媒粉末を790g
回収した。その重合体の固有粘度[η]は0.54であ
った。 (3)エチレン−1−ヘキセン共重合(本重合) 上記(2)の予備重合触媒を用い、実施例1(6)と同
様にエチレン−1−ヘキセンの共重合を行った。重合活
性は高く、安定に運転できた。 (4) フィッシュアイの観察 フィルム加工したフィルムのフィッシュアイは20個で
あった。予備重合結果を表1に、本重合結果を表2に示
した。
【0052】[実施例5] (1)粘土鉱物の酸処理および造粒 25%硫酸2kgに市販の膨潤性モンモリロナイト
(「クニピア−F」、コープケミカル社製)を分散さ
せ、90℃で2時間攪拌した。これを脱塩水にて濾液の
pHが4以上となるように濾過・洗浄した。得られた含
水ケーキをスラリー濃度が15重量%となるように脱塩
水を添加しスラリーとし、噴霧造粒装置により平均粒径
30μmの球状粒子になるように造粒した。造粒粒子を
200℃減圧下で乾燥した。得られた粒子の平均粒径は
30.2μm、10μm以下の粒子の割合は3%であっ
た。またこの粒子の圧壊強度は、7MPaであった。 (2) 触媒の調製および予備重合 上記(1)の酸処理モンモリロナイトを使用する以外
は、実施例1の(2)〜(5)と同様にして、予備重合
触媒を調製した。この予備重合触媒中のポリエチレンの
固有粘度[η]は2.30であった。 (3)エチレン−1−ヘキセン共重合(本重合) 上記(2)の予備重合触媒を用い、実施例1(6)と同
様にエチレン−1−ヘキセンの共重合を行った。トータ
ル生産量が180kgに達した時の生成ポリエチレンの
重合レートは4.2kg/時であった。 (4)フィッシュアイの観察 フィルム加工したフィルムのフィッシュアイは20個で
あった。予備重合結果を表1に、本重合結果を表2に示
した。
【0053】[実施例6] (1)粘土鉱物の化学処理 硫酸亜鉛0.2kgを溶解させた脱塩水3.8Lに、平
均粒径2μmまで粉砕処理をほどこした合成雲母(コー
プケミカル社製、ME−100)1kgを分散させ、室
温で1時間攪拌処理し、濾過した。脱塩水で十分洗浄し
た後、脱塩水を加え20重量%をなるように調製した。
これを噴霧造粒装置により平均粒径35μmの球状粒子
になるように造粒した。造粒粘土鉱物の圧壊強度は4M
Paであった。さらに200℃で2時間減圧乾燥した。 (2)触媒調製 容量10Lの誘導攪拌装置付き反応器にn−ヘプタン
4.4L、上記(1)で得られた合成雲母の粒子150
gを導入した。これに600mlのトルエンに溶解した
ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロライド12.0mmolの溶液を添加し、室温で
10分間攪拌した。 (3)予備重合 上記の攪拌混合物に引き続きトリアルキルアルミニウム
72mmolを添加し、系の温度を80℃とした。ここ
でエチレンガスを導入し、温度を80℃に保ったまま2
時間かけて680gのエチレンを重合した。この予備重
合触媒中のポリエチレンの固有粘度[η]は0.92で
あった。 (4)エチレン−ブテン共重合 上記で得られた予備重合触媒を用いて気相重合を連続で
行った。すなわちエチレンとブテンとの混合ガス(ブテ
ン/エチレン=7.1mol%)が循環する気相重合反
応器に上記固体触媒成分を90mg/時(予備重合ポリ
エチレンを含まない部分として)、トリエチルアルミニ
ウムを200mg/時を間欠的に供給した。重合の反応
温度は88℃、圧力20kg/cm2G、平均滞留時間
は3.5時間であり、生成ポリエチレンの平均重合レー
トは1.4kgであった。重合活性は高く、安定に運転
できた。 (5)フィッシュアイの観察 フィルム加工したフィルムのフィッシュアイは15個で
あった。予備重合結果を表1に、本重合結果を表2に示
した。
【0054】[比較例1]実施例1(3)において、予
備重合をしないで各成分の接触乾燥のみを行い乾燥触媒
を得た。実施例1(6)と同様に重合を行った。その結
果、重合活性が低く、反応器内壁温度の低下がみられた
ので重合を停止した。重合槽内壁には粒子が多く付着し
ていた。
【0055】[比較例2] (1)触媒調製および予備重合 窒素雰囲気下、容量10Lの誘導攪拌装置付き反応器に
n−ヘプタン5.0Lを導入し、実施例1(1)と同様
の調製をした乾燥モンモリロナイト100gを有機Al
処理しないで添加した。次いでトリエチルアルミニウム
のn−ヘプタン溶液(濃度0.61mol/L)を0.
16L添加し、10分間攪拌した。次いで、ビス(n−
ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド2
4.0mmol(11.8g)をn−ヘプタン0.50
Lに分散して添加し、10分間攪拌した。温度を80℃
に昇温し、エチレンガスを10.0NL/分の速度で6
0分間導入して予備重合を行った。エチレンの供給を停
止し、反応器内のエチレンガスを窒素で置換した。 (2)予備重合触媒の洗浄および乾燥 実施例1(4)および(5)と同様に予備重合触媒の洗
浄および乾燥を実施した。予備重合触媒を750g回収
した。その重合体の固有粘度[η]は3.45であっ
た。 (3)エチレン−1−ヘキセン共重合(本重合) 上記(2)の予備重合触媒を用い、実施例1(6)と同
様にエチレン−1−ヘキセンの共重合を行った。活性は
低いものの安定に運転できた。 (4)フィッシュアイの観察 フィルム加工したフィルムのフィッシュアイは59個で
あった。予備重合結果を表1に、本重合結果を表2に示
した。
【0056】[比較例3] (1) 触媒調製および予備重合 窒素雰囲気下、容量10Lの誘導攪拌装置付き反応器に
n−ヘプタン3.0Lを導入し、実施例1(2)と同様
に調製した有機Al処理モンモリロナイトスラリーを全
量添加した。次いでトリエチルアルミニウムのn−ヘプ
タン溶液(濃度0.61mol/L)を0.16L添加
し、10分間攪拌した。次いで、ビス(n−ブチル−メ
チル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
24.0mmol(10.4g)をn−ヘプタン0.5
0Lに分散して添加し、10分間攪拌した。温度を85
℃に昇温し、エチレンガスを3.0NL/分の速度で2
00分間導入して予備重合を行った。エチレンの供給を
停止し、反応器内のエチレンガスを窒素で置換した。 (2)予備重合触媒の洗浄および乾燥 実施例1(4)および(5)と同様に予備重合触媒の洗
浄および乾燥を実施した。予備重合触媒粉末を820g
回収した。その重合体の固有粘度[η]は0.30であ
った。触媒は凝集体が多く流動性が悪かった。 (3)エチレン−1−ヘキセン共重合(本重合) 上記(2)の予備重合触媒を用い、実施例1(6)と同
様にエチレン−1−ヘキセンの共重合を行った。重合開
始数時間で製品ポリマー中に凝集物が継続的に排出され
たが運転は継続し、重合体180kg製造したところで
運転を停止した。重合体中には小塊状物がみられた。 (4)フィッシュアイの観察 フィルム加工したフィルムのフィッシュアイは69個で
あった。予備重合結果を表1に、本重合結果を表2に示
した。
【0057】[比較例4] (1) 粘土鉱物の化学処理 硫酸亜鉛0.2kgを溶解させた脱塩水3.8Lに合成
雲母(コープケミカル社製ME−100)1kgを分散
させ、室温で1時間攪拌処理し、濾過した。脱塩水で十
分洗浄した後乾燥し、さらに200℃で2時間減圧乾燥
した。 (2) 触媒調製 容量10Lの誘導攪拌装置付き反応器にn−ヘプタン
4.4L、上記(1)で得られた合成雲母の粒子150
gを導入した。これに600mLのトルエンに溶解した
ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロライド12.0mmolの溶液を添加し、室温で
10分間攪拌した。 (3) 予備重合 上記の攪拌混合物に引き続きトリエチルアルミニウム7
2mmolを添加し、系の温度を80℃とした。ここで
エチレンガスを導入し、温度を80℃に保ったまま2時
間かけて600gのエチレンを重合した。この予備重合
触媒中のポリエチレンの固有粘度[η]は0.83であ
った。 (4) エチレン−ブテン共重合 上記で得られた予備重合触媒を用いて気相重合を連続で
行った。すなわちエチレンとブテンとの混合ガス(ブテ
ン/エチレン=7.1mol%)が循環する気相重合反
応器に上記固体触媒成分を90mg/時(予備重合ポリ
エチレンを含まない部分として)、トリエチルアルミニ
ウムを200mg/時を間欠的に供給した。重合の反応
温度は88℃、圧力20kg/cm2G、平均滞留時間
は3.5時間であり、生成ポリエチレンの平均重合レー
トは1.2kgであった。ただし、重合粒子は微粉だら
けで、その嵩密度は0.27g/cm3であり、長期の
連続運転は不可能であった。解放後は微粉が反応器壁に
付着していた。 (4)フィッシュアイの観察 フィルム加工したフィルムのフィッシュアイは120個
であった。予備重合結果を表1に、本重合結果を表2に
示した。
【0058】[比較例5]比較例4において硫酸亜鉛処
理した200℃減圧乾燥前の合成雲母を20重量%の水
スラリーとし、噴霧造粒装置により平均粒径35μmの
球状粒子に造粒した以外は上記と同様に実施した。造粒
粘土鉱物の圧壊強度は0.7MPaであった。上記と同
様に予備重合したポリエチレンの固有粘度[η]は0.
83であった。次いで、エチレン−ブテン共重合を上記
と同様におこなったところ、重合体粒子は破砕し、10
0μm以下の微粉量は1.2重量%であった。フィルム
加工したフィルムのフィッシュアイは45個であった。
予備重合結果を表1に、本重合結果を表2に示した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【発明の効果】本発明の予備重合触媒は高活性であり、
かつこれを使用して得られる重合体は、粒子性状が優
れ、重合槽への付着が少なく、フィッシュアイが少な
い。製造プロセスの安定化とコストの低減に寄与する。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J128 AA01 AB00 AC01 AC10 AC28 AD05 AD06 AD07 AD11 AD13 BA01A BA01B BB01A BB01B BC12A BC15A BC15B BC16A BC16B BC24A BC24B BC25A BC25B BC26A BC26B CA30A DA01 DB03A DB08A DB10A EA01 EB02 EB04 EB05 EB09 EB10 EB21 EC01 EC02 FA09 GA05 GA08 GA09 GB01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分(A)及び成分(B)を接触し
    て得られる生成物に、必要に応じて成分(C)を接触さ
    せ、オレフィンを添加して予備重合して成るオレフィン
    重合用触媒であって、成分(B)の圧壊強度が1粒当た
    り3MPa以上であり、かつその予備重合体の135℃
    テトラリン中で測定した固有粘度[η]が0.5〜2.5
    dl/gであることを特徴とする予備重合されたオレフ
    ィン重合用触媒。 成分(A):メタロセン系遷移金属化合物 成分(B):造粒層状珪酸塩 成分(C):有機アルミニウム化合物
  2. 【請求項2】成分(B)が塩類および/または酸処理を
    行って得られた物質であることを特徴とする請求項1記
    載のオレフィン重合用触媒。
  3. 【請求項3】成分(B)が粉末状層状珪酸塩を造粒処理
    し、水分0.0〜3.0重量%まで乾燥を行って得られ
    た物質であることを特徴とする請求項1または請求項2
    記載のオレフィン重合用触媒。
  4. 【請求項4】成分(B)の平均粒径が20〜1000μ
    mであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記
    載のオレフィン重合用触媒。
  5. 【請求項5】請求項1〜4いずれか1項記載のオレフィ
    ン重合用触媒および必要に応じて有機アルミニウム化合
    物の存在下にオレフィンを重合または共重合することを
    特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜4いずれか1項記載のオレフィ
    ン重合用触媒および必要に応じて有機アルミニウム化合
    物の存在下に、気相中でオレフィンを単独重合または共
    重合することを特徴とするオレフィン重合体の製造方
    法。
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