JP2003073426A - プロピレンランダム共重合体 - Google Patents

プロピレンランダム共重合体

Info

Publication number
JP2003073426A
JP2003073426A JP2002158793A JP2002158793A JP2003073426A JP 2003073426 A JP2003073426 A JP 2003073426A JP 2002158793 A JP2002158793 A JP 2002158793A JP 2002158793 A JP2002158793 A JP 2002158793A JP 2003073426 A JP2003073426 A JP 2003073426A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
propylene
group
component
random copolymer
ethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002158793A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidefumi Uchino
英史 内野
Takao Tayano
孝夫 田谷野
Kiyoshi Yugawa
潔 湯川
Yasunori Nakamura
康則 中村
Akira Kuwabara
明 桑原
Kenji Kawagishi
健二 河岸
Manabu Mogi
学 茂木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Polychem Corp filed Critical Japan Polychem Corp
Priority to JP2002158793A priority Critical patent/JP2003073426A/ja
Publication of JP2003073426A publication Critical patent/JP2003073426A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】下記の条件(a)〜(f)を充足するプロ
ピレン共重合体。(a)プロピレン単位を90〜99.
5モル%、エチレン単位を0.5〜10モル%含んでな
り、(b)アイソタクチックトリアッド分率(mm分
率)が97%以上、(c)溶融粘弾性測定により求めた
ポリ分散指数(PI)が2.6〜5、(d)メルトフロ
ーレートが0.05〜30g/10分、(e)融点(T
m)が110〜155℃、23℃キシレン可溶分量(C
XS)と融点(Tm)の関係が、特定の式を満たし、
(f)平均溶出温度(T50)が50〜100℃の範囲に
あり、溶出分散度(σ)が7以下であること。 【効果】特定の溶融粘弾性挙動を示し、剛性、表面硬
度、耐熱性、透明性、ヒートシール性、ガスバリア性、
発煙性に優れると共に、耐ブロッキング性、耐ブリード
アウト性、耐衝撃強度などのバランスが優れており、特
に、フィルムやシート、容器などに好適に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、立体規則性が極めて高
く、共重合性分布が狭く、適度な溶融粘弾性挙動を示
し、特定の連鎖様式を特定量含む新規なプロピレンラン
ダム共重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】少量のエチレン単位を含むプロピレン・
エチレンランダム共重合体は、透明性、剛性、表面硬
度、耐熱性、ヒートシール性に優れているため、フィル
ムや容器などの種々の用途に用いられている。しかしな
がら、現在工業的に使用されているプロピレン・エチレ
ンランダム共重合体は、伝統的なチーグラー・ナッタ触
媒を使用しているため、共重合性が異なるマルチサイト
から生成するポリマーであるため、十分な低融点のポリ
マー製造が工業的に困難であり、用途によってはヒート
シール性、耐ブロッキング性、剛性などが必ずしも充分
ではなかった。
【0003】それらの課題を解決するため、ジルコニウ
ム化合物あるいはハフニウム化合物およびアルミノキサ
ン、ホウ素化合物、イオン交換性層状ケイ酸塩から成る
触媒を利用して得られたプロピレンランダム共重合体に
関する改良案が提案されている。特開昭60−3500
8号公報には、少なくとも2種のメタロセンとアルミノ
オキサンを含む触媒系を用いることにより、巾広い分子
量分布を有するポリエチレンまたはエチレンと炭素数3
〜10のα−オレフィンの共重合体が製造されることが
記載されている。同公報には上記共重合体が分子量分布
Mw/Mn=2〜50を有することが記載されている。
また、特開昭61−130314号公報には、立体的に
固定したジルコン−キレート化合物とアルミノオキサン
からなる触媒系の存在下にプロピレンを重合するとアイ
ソタクチック度の高いポリプロピレンが得られ、その分
子量分布(Mw/Mn)は1.6〜2.6と狭いことが
記載されている。
【0004】さらに、J.Am.Chem.Soc.,109,6544(1987)
には、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリ
ドまたはその水素化物とアルミノオキサンからなる触媒
系の存在下にプロピレンを重合すると、高分子量のアイ
ソタクチックポリプロピレンが生成し、その分子量分布
(Mw/Mn)は2.1〜2.4と狭いことが記載され
ている。一方、Makromol.Chem.,Rapid Commun.8,305(19
87)には、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジ
ルコニウムジクロリドとアルミノオキサンからなる触媒
系の存在下にプロピレンを重合すると、Mw/Mnが
5.8であるアイソタクチックポリプロピレンが得ら
れ、そのヘプタン不溶部が融点160℃を示すことが記
載されている。
【0005】また、特開平2−173014〜1730
16号公報には、エチレンビス(インデニル)ハフニウ
ムジクロリドとアルミノオキサンからなる触媒系の存在
下にプロピレンと少量のエチレンあるいは/及び1−ブ
テンを重合し、得られるポリマーはヒートシール性、ブ
ロッキング性に優れた特徴のプロピレンランダム共重合
体を提案している。これらの分子量分布(Mw/Mn)
は2.3〜2.4と狭いことが記載されている。さら
に、特開平7−145212、特開平7−14983
2、特開平7−138326、特開平8−73532、
特開平7−149833、特開平7−196734、特
開表8−510492号各公報等で、コモノマーに主と
してエチレンを使用した、あるいはさらに高級α−オレ
フィンを使用したプロピレンランダム共重合体が提案さ
れている。これらの分子量分布(Mw/Mn)も2.0
〜2.6と狭いことが記載されている。
【0006】また、特開平9−110934号公報で、
ジメチルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペン
タジエニル)(2’,4’,5’−トリメチルシクロペ
ンタジエニル)ハフニウムジクロライドのラセミ体とメ
ソ体の混合物とメチルアルミノキサンにより、プロピレ
ンとエチレンのランダム共重合体を製造し、ヒートシー
ル温度の改良を提案している。これらの分子量分布(M
w/Mn)は、2.2〜2.8と狭いことが記載されて
いる。一方、ポリプロピレンにおける分子量分布の広化
例としては、特開平2−255812号公報等で、エチ
レンビスインデニルハフニウムジクロリドと少量のエチ
レンビスインデニルジルコニウムジクロリドの混入した
錯体とメチルアルミノキサンから成る触媒により、分子
量分布が4.8〜6.3のポリプロピレンが得られるこ
とが記載されている。
【0007】さらに、特開平5−112683号公報等
では、メタロセン触媒によるプロピレンランダム共重合
体と伝統的なチーグラー・ナッタ触媒によるプロピレン
ランダム共重合体とをブレンドした組成物による、低温
ヒートシール性およびブロッキング性の改良が提案され
ている。また、特開平2−247207号公報では、中
心金属がハフニウムであるメタロセン錯体とメチルアル
ミノキサンを使用して、プロピレンに対するコモノマー
(エチレン)を重合中に経時的に変化させることによ
り、分子量分布が、4.2〜5.5のプロピレン−エチ
レンコポリマー、あるいは、プロピレン−エチレン−ブ
テン−ターポリマーが得られることが記載されている。
【0008】しかしながら、これまで提案されているの
プロピレン−エチレンランダム共重合体は、用途によっ
てはヒートシール性、耐ブロッキング性、透明性、耐衝
撃強度、耐ブリードアウト性のバランスが必ずしも充分
ではなかった。このため、剛性、表面硬度、耐熱性、透
明性、ヒートシール性、ガスバリア性、発煙性に優れる
と共に、耐ブロッキング性、耐ブリードアウト性、耐衝
撃強度などのバランスが優れたプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体の出現が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこのよう
な状況に鑑みて検討した結果、特定量のエチレン単位を
含んでなり、頭−尾結合からなるプロピレン連鎖部の13
C−NMRで測定したトリアッドタクティシティーが高
く、かつ共重合性分布が狭く、適度な溶融粘弾性挙動を
示し、特定の連鎖様式を特定量含む新規なプロピレン系
ランダム共重合体は、上記の特性に優れることを見出し
て本発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、トリアッドタ
クティシティーが極めて高く、共重合性分布が狭く、特
定の分子量分布を有する新規なプロピレン系ランダム共
重合体を提供することを目的としている。本発明は、上
記の知見に基づき完成されたものであり、その第一の要
旨(請求項1)は下記の条件(a)〜(f)を充足する
プロピレンランダム共重合体である。
【0011】(a)プロピレン単位を90〜99.5モ
ル%、エチレン単位を0.5〜10モル%含んでなり、
(b)頭−尾結合からなるプロピレン単位連鎖部の、13
C−NMRで測定したアイソタクチックトリアッド分率
(mm分率)が97%以上、(c)溶融粘弾性測定によ
り求めたポリ分散指数(PI)が2.6〜5、(d)メ
ルトフローレート(MFR)が0.05〜30g/10
分、(e)融点(Tm)が110〜155℃の範囲であ
り、23℃キシレン可溶分量(CXS)と融点(Tm)
の関係が、下記式(1)を満たし、 式(1) CXS(重量%) ≦ −0.05Tm+7.76 (但し、125℃≦Tm≦155℃の場合) CXS(重量%) ≦ 0.0294(Tm)2−7.
51Tm+480.9 (但し、110℃≦Tm<125℃の場合) (f)平均溶出温度(T50)が50〜100℃の範囲に
あり、溶出分散度(σ)が7以下であること。
【0012】また、請求項2の発明は、13C−NMRで
測定した、下記式(2)で示される特定連鎖様式(α)
が50未満であることを特徴とする、請求項1記載のプ
ロピレンランダム共重合体である。 式(2) α ={[2,1]・E/(エチレンのモル含率)}/
{[2,1]・P/(プロピレンのモル含率} (ここで、[2,1]・Eは、全モノマーに対する、プ
ロピレンが2,1−挿入した後にエチレンが挿入した構
造に基づく位置不規則単位の割合を、また、[2,1]
・Pは、全モノマーに対する、プロピレンが2,1−挿
入した後にプロピレンが挿入した構造に基づく位置不規
則単位の割合を示す。)
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のプロピレンランダ
ム共重合体について具体的に説明する。本発明のプロピ
レンランダム共重合体は、プロピレン単位を90〜9
9.5モル%、好ましくは92〜99モル%、より好ま
しくは94〜98モル%、エチレン単位を0.5〜10
モル%、好ましくは2.5〜8モル%、より好ましくは
3.5〜6モル%含んでなるプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体である。プロピレン単位及びエチレン単位
の含有量は、重合反応におけるモノマーの仕込量の調整
により容易に実施できる。ただし、本発明におけるプロ
ピレン単位及びエチレン単位の含有量は仕込量で定義さ
れるものではなく、取得された重合体を13C−NMR法
で分析した測定結果によるものである。エチレン含有量
が0.5モル%未満ではヒートシール性、透明性が不十
分であり、一方10モル%を超える場合は、耐熱性、耐
ブロッキング性が不十分である。
【0014】このようなプロピレン系ランダム共重合体
は、プロピレンおよびエチレン以外のオレフィンから導
かれる構成単位を、たとえば5モル%以下の量で含んで
いてもよい。本発明によるプロピレンランダム重合体
は、頭−尾結合からなるプロピレン単位連鎖部の、13
−NMRで測定したアイソタクチックトリアッド分率
(即ち、ポリマー鎖中の任意のプロピレン単位3連鎖の
うち、各プロピレン単位が頭−尾で結合し、かつプロピ
レン単位中のメチル分岐の方向が同一であるプロピレン
単位3連鎖の割合)が97%以上、好ましくは98%以
上、より好ましくは98.5%以上、のものである。な
お、以下において、アイソタクチックトリアッド分率を
「mm分率」と記載する。
【0015】mm分率は、プロピレン系ランダム共重合
体の13C−NMRスペクトルから下記式(3)により求
められる。
【0016】
【数1】
【0017】ここで、PPP(mm)、PPP(m
r)、PPP(rr)はそれぞれ下記の化学構造を意味
する。
【0018】
【化1】
【0019】13C−NMRスペクトルは、試料350〜
500mgをNMRサンプル管(10mmφ)中でo−
ジクロロベンゼン約2.2mlで完全に溶解させた後、
約0.2mlのロック溶媒である重水素化ベンゼンを加
え均一化した溶媒中130℃でプロトン完全デカップリ
ング法で測定した。測定条件は、フリップアングル90
°、パルス間隔5T1 以上(T1 は、メチル基のス
ピン格子緩和時間のうち最長の値)を選択する。メチレ
ン基およびメチン基のT1は、メチル基より短いので、
この条件では磁化の回復は99%以上である。さらに微
量成分の定量の為、炭素核の共鳴周波数として125M
Hz以上のNMR装置を使用して20時間以上の積算を
行った。ケミカルシフトは、頭−尾結合しメチル分岐の
方向が同一であるプロピレン単位5連鎖の第3単位目の
メチル基を21.8ppmとして設定した。
【0020】メチル炭素領域(16〜23ppm)に係
るスペクトルは、ピーク領域を第1領域(21.2〜2
2.5ppm)、第2領域(20.5〜21.2pp
m)および第3領域(19.5〜20.5ppm)、お
よび第4領域(16.8〜17.8ppm)に分類でき
る。なお、スペクトル中の各ピークは、文献(Poly
mer,30(1989)1350)を参考にして帰属
した。
【0021】第1領域では、PPP(mm)で示される
プロピレン単位3連鎖中の第2単位目のメチル基が共鳴
する。第2領域では、PPP(mr)で示されるプロピ
レン単位3連鎖の第2単位目のメチル基および、隣接す
る単位がプロピレン単位およびエチレン単位であるプロ
ピレン単位のメチル基(PPE−メチル基)が共鳴(2
0.9ppm付近)する。
【0022】第3領域では、PPP(rr)で示される
プロピレン単位3連鎖の第2単位目のメチル基および、
隣接する単位がいずれもエチレン単位であるプロピレン
単位のメチル基(EPE−メチル基)が共鳴(20.2
ppm付近)する。
【0023】さらにプロピレン系ランダム共重合体は、
位置不規則ユニットを含む部分構造として、下記構造
(i)、構造(ii)、構造(iii)および構造(iv)を
有する。
【0024】
【化2】
【0025】この内、炭素A、A’、A”ピークは第2
領域に、炭素B、B’ピークは第3領域に現れる。さら
に炭素C、C’ピークは第4領域に現れる。このように
第1〜4領域に現れるピークのうち、頭−尾結合したプ
ロピレン単位3連鎖に基づかないピークは、PPE−メ
チル基、EPE−メチル基、炭素A、A’、A”、B、
B’、Cおよび炭素C’に基づくピークである。
【0026】炭素Aに基づくピーク面積は、位置不規則
部分構造[構造(i)]の炭素D(42.4ppm付近
で共鳴)、炭素E及びG(36.0ppm付近で共鳴)
及び炭素F(38.7ppm付近で共鳴)のピーク面積
の和の1/4より評価できる。炭素A’に基づくピーク
面積は、位置不規則部分構造[構造(ii)及び構造(ii
i)]の炭素H及びI(34.7ppm付近および3
5.0ppm付近で共鳴)と炭素J(34.1ppm付
近で共鳴)のピーク面積の和の2/5と炭素K(33.
7ppm付近で共鳴)のピーク面積の和により評価でき
る。炭素Bに基づくピーク面積は炭素Jにより評価でき
る。また炭素B’に基づくピーク面積は炭素Kにより評
価できる。A”に基づくピーク面積は炭素L(27.7
ppm付近で共鳴)の1/2により評価できる。なお、
炭素Cピークおよび炭素C’ピークの位置は、プロピレ
ン単位3連鎖(PPP)のピークと全く関与しないので
考慮する必要はない。
【0027】PPE・メチル基に基づくピーク面積は、
対応するメチン基(31.0ppm付近で共鳴)の信号
に構造(iv)の炭素Mが含まれるため、ピーク面積から
炭素Lを差し引いたものをPPE・メチン基のピーク面
積とし、これをPPE・メチン基とEPE・メチン基
(33.3ppm付近で共鳴)及びPPP・メチン基
(29.1ppm付近で共鳴)のピーク面積の和で除し
た割合を第1〜第3領域のピーク面積の和から炭素A、
A’、A”、B、および炭素B’に基づくピーク面積を
差し引いたものに乗ずる事により評価できる。EPE・
メチル基に基づくピーク面積も同様にEPE・メチン基
の割合を頭−尾結合からなるプロピレン単位のメチル基
の総和に乗ずる事により評価できる。
【0028】以上によりPPP(mm)、PPP(m
r)およびPPP(rr)のピーク面積を評価すること
ができるので、上記数式に従って、頭−尾結合からなる
プロピレン単位連鎖部のトリアドタクティシティーを求
めることができる。アイソタクチックトリアッド分率
(mm分率)を97%以上の所定値に調整するために
は、メタロセン触媒を使用して後記するような通常の条
件で重合すればよい。mm分率が97%未満の場合は、
剛性、耐熱性が低下するので好ましくない。
【0029】本発明のプロピレン系ランダム共重合体
は、13C−NMRで測定した、全プロピレン挿入中の
2,1−挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.5〜
2.0%、かつ、プロピレンモノマーの1,2−、1,
3−、1,2−挿入に基づく位置不規則単位の割合が
0.06〜0.4%の範囲であることが好ましい。
【0030】重合時、プロピレンモノマーは、通常1,
2−挿入(メチレン側が触媒と結合する)するが、稀に
2,1−挿入することがある。2,1−挿入したモノマ
ーは、ポリマー中で、位置不規則ユニットを形成する。
全プロピレン挿入中の位置不規則単位の割合は、13C−
NMRを利用して、下記の各式から求めた。
【0031】構造(i) =(炭素D+炭素E+炭素F
+炭素G)/4 構造(ii) =(炭素H+炭素I+炭素J)/5 構造(iii) = 炭素K 構造(iv) = 炭素L/2 ここで、[2,1]・Pは構造(i)のピーク面積から
求めることができ、[2,1]・Eは構造(ii)および
構造(iii)のピーク面積の和から求めることができ、
1,3−結合量の全プロピレンは構造(iv)のピーク面
積から求めることができる。 全プロピレン=PPP・メチン+PPE・メチン+EP
E・メチン+[2,1]・P×3+[2,1]・E+
[1,3] 全モノマー=プロピレン+Iββ+[2,1]・E+I
βδ+×3/4 +(Iγγ +Iγδ+ +Iδ+δ+
/2
【0032】ここで、ピークの命名は、Carmanらの方法
(Rubber Chem.Technol.,44(1971),781)に従っ
た。また、Iββなどは、ββピークなどのピーク面積
を示す。ここでββピークは24.6ppm付近、βδ
+ピークは27.3ppm付近、γγピークは30.8
ppm付近、γδ+ピークは30.4ppm付近、δ+δ
+ピークは30.0ppm付近で共鳴する。全プロピレ
ン挿入中の2,1挿入に基づく位置不規則単位の割合は
[2,1]・P及び[2,1]・Eのピーク面積の和を
全プロピレンのピーク面積で除して100を乗ずること
により、その割合を%表示で求めた。同様に全プロピレ
ン挿入中の1,3挿入に基づく位置不規則単位の割合は
[1,3]のピーク面積を全プロピレンのピーク面積で
除して100を乗ずることにより、その割合を%表示で
求めた。また特定の連鎖様式を求める際には全プロピレ
ンの面積の代わりに全モノマーのピーク面積を用い、同
様に%表示で求めた。
【0033】また、本発明に係るプロピレン系ランダム
重合体の溶融粘弾性測定により求めたポリ分散指数(Po
lydispersity Index、以下PIと略称することがあ
る。)は、2.6〜5、好ましくは2.8〜4、特に好
ましくは2.9〜3.5の範囲にある。PIは、高分子
重合体の粘弾性特性を示す物理量の一つで、当業界に慣
用されているものである。例えば、特開2000−33
6217号公報等に定義及び測定法が記載されており、
本発明において定義するものもこれと同様である。以
下、PIの測定法について簡単に説明する。ここで測定
は、レオメトリック社製の動的粘弾性測定装置RDA−
IIを使用し、直径25mm、厚み1.8mmのパラレル
プレートにて、温度200℃、歪み15%の条件で周波
数スイープを行った。角周波数は500rad/sから
0.05rad/sまで、1桁あたり5点の測定間隔で
動的粘弾性(G’,G”)を測定した。G’は貯蔵弾性
率、G”は損失弾性率とも呼称される。尚、測定に使用
するプロピレン共重合体は、後述の条件で得たペレット
を使用した。この測定からPIの値を求める。測定結果
をグラフにした一例(実施例1に対応)を図1に示し
た。
【0034】PIは、G.R.Zeichnerらによって導入さ
れた分子量分布の広さを表す指標である(G.R.Zeichner
and P.D.Patel,Pros. of the 2nd World Congress of
Chem. Eng., Canada 1981)。PIはG’とG”の交
点、すなわちG’=G”となる弾性率をGCO(単位:P
a)とすると、PIは、 PI=105 Pa/GCO で与えられる無次元値となる。
【0035】このPIとサイズ排除クロマトグラフィー
ー(Size Exclusion Chromatography、以下SECと略
称することがある。)で測定したMw/Mnは非常に良
い相関があることがわかっており、PIが大きいほどM
w/Mnは大きく分布が広い。特にPIは、SECでは
測定しにくい分子量5000程度以上の低分子量成分や
排除限界体積からの限界のためにSECにはなじまない
分子量1000000(100万)以上の高分子量成分
を有する重合体の分子量分布の形態を表すのに好適な尺
度である。
【0036】GCOの算出は以下のように行った。まず得
られたG’,G”を角周波数ωに対してプロットした。
G’>G”からG’<G”と大小が逆転する点に最も近
い点を中心にしてそれぞれ3点ずつ選び出し、G’と
G”の交点の計算に用いた。この3点をそれぞれ以下の
2次関数に近似した。 LnG’=a(Lnω)2+b(Lnω)+c LnG”=d(Lnω)2+e(Lnω)+f 定数a,b,c,d,e,fは最少二乗法により決定し
た。この時交点のx座標は、 (a−d)(Lnω)2+(b−e)(Lnω)+(c
+f)=0 の解として、下式
【0037】
【数2】
【0038】で求められるので、GCO(=G’=G”)
は GCO=exp[aX2+bX+c] となる。尚、 GCOの単位はパスカルであり、PIは無
次元値を示す。
【0039】本分析手法は、GPCによる分子量分布
(Mw/Mn)値に比べ、装置(GPC装置やカラム種
類、長さ等)や測定条件によって左右されることの少な
い点で、ポリマーの物性値を表現する優れた手法である
ため本発明において採用している。このように本発明に
係るプロピレン系ランダム重合体は、好ましい溶融粘弾
性を有するため、例えばフィルムで評価した場合には、
ヒートシール性、剛性、ガスバリア性に優れるだけでな
く、さらに耐衝撃性や成形性に優れている。ポリ分散指
数(PI)を2.6〜5の所定値に調整するためには、
メタロセン触媒を使用して後記するような通常の条件で
重合すればよい。特に、特定のメタロセン錯体を複数種
使用することで、PIを容易に制御することが可能とな
る。PIが2.6未満の場合は、押出性が低下しフィル
ムの製膜が困難になる。一方、PIが5を超える場合
は、フィルムの表面状態が悪化し、透明性が低下する。
【0040】本発明のプロピレン系ランダム共重合体
は、JIS−K−6758によるメルトフローレート
(MFR)が、0.05〜30g/10分、好ましくは
0.1〜20g/10分、より好ましくは0.5〜15
g/10分の範囲にあることが有用である。MFRが
0.05g/10分未満の場合は、溶融時の流れ性が低
いためにフィルムの製膜が困難になる。一方、30g/
10分を超える場合は、溶融時の張力が低下するため製
膜が困難になる。
【0041】本発明の重合体は、融点(Tm)が110
〜155℃の範囲であり、23℃キシレン可溶分量(C
XS)と融点(Tm)の関係が、下記式(1)を満たす
プロピレンランダム共重合体である。従来、CXSとは
低結晶性成分を生み出す触媒により生成したポリマーの
量を示す指標と捉えられているが、本発明のような非常
に低い、特に120℃以下の融点を有するプロピレンラ
ンダム共重合体の場合には、均質な活性点によるポリマ
ーであっても統計的な分布により、相当量のCXS成分
が生じる。本発明の下記一般式は、経験値に基づき設定
をおこなったものである。ここで、融点の範囲は、好ま
しくは113〜145℃、より好ましくは115〜13
5℃である。さらに好ましくは、120〜130℃であ
る。Tmが110℃未満の場合は、CXSが多量とな
る。一方、Tmの上限は限定的ではないが155℃を超
える重合体は事実上入手し難い。
【0042】式(1) CXS(重量%) ≦ −0.05Tm+7.76 (但し、125℃≦Tm≦155℃の場合) CXS(重量%) ≦ 0.0294(Tm)2−7.
51Tm+480.9 (但し、110℃≦Tm<125℃の場合)
【0043】ここで、23℃キシレン可溶分量(CX
S)は、下記に示す測定により求める。まず、ポリマー
を電子天秤にて秤量し500mlの平底フラスコに入
れ、工業用キシレンを300ml加える。予め140℃
に調温したオイルバスに浸け、溶解させる(約1時
間)。次に、フラスコを取り出し、予め23℃に調温し
たオイルバスに1時間浸けた後に、ろ過により上澄み液
を回収し、110℃で減圧下4時間で溶媒除去/乾燥を
行うことによりキシレン可溶分量を求める。重合体のC
XSが大きく上記式を満足しない場合は、フィルムがべ
たつき易くなりブロッキング性が悪化する。
【0044】また、融点の測定は、セイコーインスツル
メンツ社製DSC6200を使用し、シート状にしたサ
ンプル片を5mgアルミパンに詰め、室温から一旦20
0℃まで昇温速度100℃/分で昇温し、5分間保持し
た後に、10℃/分で40℃まで降温して結晶化させた
後に、10℃/分で200℃まで昇温させた時の融解最
大ピーク温度をTmとした。
【0045】本発明の重合体は、平均溶出温度(T50
が50〜100℃の範囲にあり、溶出分散度(σ)が7
以下であるプロピレンランダム共重合体である。ここ
で、平均溶出温度(T50)はo−ジクロロベンゼンを溶
媒とした温度上昇溶離分別(Temperature Rising Eluti
on Fraction:以下「TREF」という)法によるポリ
マーの溶出曲線に基づいた値を意味する。平均溶出温度
(T50)は、溶出重合体の積算重量が50重量%となる
ときの温度を示す。また溶出分散度(σ)は、TREF
による溶出量が溶出温度に対して正規確率分布に従うと
仮定し、重量積算溶出量I(t)が下記数式:
【0046】
【数3】
【0047】で表わされると定義した際のσの値であ
る。具体的には、 σ=T84.1−T50 で定義する。T84.1は、積算重量が84.1重量%とな
るときの温度を示す。尚、TREFの測定は、Journal
of Applied Polymer Science 26巻4217〜423
1(1981)に記載の装置及び方法で行った。平均溶
出温度及び溶出分散度は、好ましくは55〜85℃、か
つ、σが6以下である。さらに好ましくは65〜90
℃、かつ、σが5以下である。平均溶出温度が50℃未
満のものは分子量が低すぎるか、融点が低すぎるために
ブロッキングの原因となり、また100℃を超えると分
子量が高すぎて成形出来ないか、あるいは融点が高すぎ
るため低温でのヒートシール性を有しない。また、溶出
分散度(σ)が7以上では、ブロッキングの原因となる
成分も多くなるため低温でのヒートシール性と耐ブロッ
キング性を2つとも満たすようにはなり得ない。
【0048】本発明によるプロピレンランダム共重合体
を製造する方法は、上記の物性を満足する共重合体を与
えるものであれば、特に限定はされない。たとえば、下
記に示すような 成分:後述する遷移金属化合物から選ばれる少なくと
も1種のメタロセン化合物と、 成分:[−1]アルミニウムオキシ化合物、[−
2]ルイス酸、[−3]成分と反応して成分をカ
チオンに変換することが可能なイオン性化合物、あるい
は[−4]イオン交換性層状珪酸塩からなる群より選
ばれた少なくとも1種の化合物と、必要に応じて、 成分:有機アルミニウム化合物からなる触媒が利用で
きる。本発明による重合体は、好ましくは前記触媒の存
在下にプロピレンとエチレンを重合させることによって
得られる。
【0049】成分 本発明によるプロピレンランダム共重合体を製造するの
に好ましいオレフィン重合触媒を形成する成分:遷移
金属化合物は、下記一般式(I)で表される遷移金属化
合物である。
【0050】
【化3】
【0051】本発明の遷移金属化合物は、置換基R1
2及びR3を有する五員環配位子と、置換基R4、R5
びR6を有する五員環配位子とが、基Qを介して相対位
置の観点において、M、X及びYを含む平面に関して非
対称である化合物である。一般式(I)中、R1、R2
4、R5は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜
10の炭化水素基または炭素数1〜18のケイ素含有炭
化水素基を示す。
【0052】上記の炭素数1〜10の炭化水素基の具体
例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロ
ピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチ
ル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シ
クロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル
等のアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニ
ル等のアルケニル基、ベンジル、フェニルエチル、フェ
ニルプロピル等のアリールアルキル基、trans−ス
チリル等のアリールアルケニル基、フェニル、トリル、
ジメチルフェニル、エチルフェニル、トリメチルフェニ
ル、α−ナフチル、β−ナフチル等のアリール基が挙げ
られる。
【0053】上記の炭素数1〜18のケイ素含有炭化水
素基の具体例としては、トリメチルシリル、トリエチル
シリル、t−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシ
リル基、トリフェニルシリル等のトリアリールシリル
基、ジメチルフェニルシリル等の(アルキル)(アリー
ル)シリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル等のア
ルキルシリルアルキル基が挙げられる。これらの中で
は、R1及びR4としては、メチル、エチル、プロピル、
ブチル、ベンジル等の炭素数1〜7の炭化水素基が好ま
しく、R2及びR5としては水素原子が好ましい。
【0054】一般式(I)中、R3及びR6は、それぞれ
独立して、それが結合する五員環に対して縮合環を形成
する炭素数3〜10の飽和または不飽和の2価の炭化水
素基を示す。ただし、R3及びR6の少なくとも一方の炭
素数は5〜10である。従って、当該縮合環は5〜12
員環である。ただし、R3及びR6の少なくとも一方は、
7〜12員環からなる縮合環を形成することが必須条件
である。この際、当該縮合環の少なくとも一つが7〜1
0員環であることが好ましく、当該縮合環の両方が7〜
10員環であることが更に好ましい。
【0055】上記のR3及びR6の具体例としては、トリ
メチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメ
チレン、ヘプタメチレン等の2価の飽和炭化水素基、プ
ロペニレン、2−ブテニレン、1,3−ブタジエニレ
ン、1−ペンテニレン、2−ペンテニレン、1,3−ペ
ンタジエニレン、1,4−ペンタジエニレン、1−ヘキ
サニレン、2−ヘキサニレン、3−ヘキサニレン、1,
3−ヘキサジエニレン、1,4−ヘキサジエニレン、
1,5−ヘキサジエニレン、2,4−ヘキサジエニレ
ン、2,5−ヘキサジエニレン、1,3,5−ヘキサト
リニレン等の2価の不飽和炭化水素基が挙げられる。こ
れらの中では、ペンタメチレン、1,3−ペンタジエニ
レン、1,4−ペンタジエニレン、1,3,5−ヘキサ
トリニレンが好ましく、1,3−ペンタジエニレン、
1,4−ペンタジエニレンが特に好ましい。
【0056】一般式(I)中、R7及びR8は、それぞれ
独立して、炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1
〜20のハロゲン化炭化水素基を示す。上記の炭素数1
〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル、エチ
ル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブ
チル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘ
キシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、メチルシクロヘキシル等のアルキル基、ビニル、
プロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基、ベン
ジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のアリール
アルキル基、trans−スチリル等のアリールアルケ
ニル基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、エチル
フェニル、トリメチルフェニル、α−ナフチル、β−ナ
フチル、アセナフチレニル、フェナントレニル、アント
ラセニル等のアリール基が挙げられる。これらの中で
は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n
−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シク
ロプロピル等の炭素数1〜4のアルキル基、フェニル、
トリル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、トリメチ
ルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル等の炭素数6
〜20のアリール基が好ましい。
【0057】上記の炭素数1〜20のハロゲン化炭化水
素基において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、そして、上
記のハロゲン化炭化水素基は、例えば、ハロゲン原子が
フッ素原子の場合は、フッ素原子が上記の炭化水素基の
任意の位置に置換した化合物である。具体的には、フル
オロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、
クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブ
ロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ヨー
ドメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,
1,1−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチ
ル、ペンタクロロエチル、ペンタフルオロプロピル、ノ
ナフルオロブチル、トリフルオロビニル、1,1−ジフ
ルオロベンジル、1,1,2,2−テトラフルオロフェ
ニルエチル、o−、m−、p−フルオロフェニル、o
−、m−、p−クロロフェニル、o−、m−、p−ブロ
モフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−
ジフルオロフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、
2,5−ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロ
フェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタフ
ルオロフェニル、ペンタクロロフェニル、4−フルオロ
ナフチル、4−クロロナフチル、2,4−ジフルオロナ
フチル、ヘプタフルオロ−α−ナフチル、ヘプタクロロ
−α−ナフチル、o−、m−、p−トリフルオロメチル
フェニル、o−、m−、p−トリクロロメチルフェニ
ル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジ−トリ
フルオロメチルフェニル、2,4−、3,5−、2,6
−、2,5−ジ−トリクロロメチルフェニル、2,4,
6−トリ−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフル
オロメチルナフチル、4−トリクロロメチルナフチル、
2,4−ジ−トリフルオロメチルナフチル基などが挙げ
られる。これらの中では、フッ素化炭化水素基または塩
素化炭化水素基が好ましく、o−、m−、p−フルオロ
フェニル基、o−、m−、p−クロロフェニル基、o
−、m−、p−トリフルオロメチルフェニル基が特に好
ましい。
【0058】一般式(I)中、m及びnは、それぞれ独
立して0〜20の整数を示す。m及びnは、好ましくは
0〜5である。m及び/又はnが2〜20の整数の場合
は、複数の基R7(R8)は互いに同一でも異なっていて
も構わない。また、m及びnが2以上の場合、これらの
基が連結して新たな環構造を形成していてもよい。
【0059】一般式(I)中、Qは2つの共役五員環配
位子を架橋する結合性基を示し、XおよびYはMと結合
した水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ
基、アミノ基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素
基またはケイ素含有炭化水素基を示し、そして、R1
それぞれ炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数が1〜2
0のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、窒
素含有炭化水素基、酸素含有炭化水素基、ホウ素含有炭
化水素基、リン含有炭化水素基を示し、さらに、R2
それぞれ炭素数が6〜16のアリール基を示す。
【0060】Qは、2つの共役五員環配位子を架橋する
2価の結合性基を表し、たとえば、(イ)炭素数1〜2
0、好ましくは1〜12、の2価の炭化水素基、(ロ)
シリレン基ないしオリゴシリレン基、(ハ)炭素数1〜
20、好ましくは1〜12、の炭化水素基を置換基とし
て有するシリレンあるいはオリゴシリレン基、(ニ)ゲ
ルミレン基、または(ホ)炭素数1〜20の炭化水素基
を置換基として有するゲルミレン基、等が例示される。
この中でも好ましいものはアルキレン基、炭化水素基を
置換基として有するシリレン基、ゲルミレン基である。
【0061】一般式(I)中、X及びYは、それぞれ独
立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭
化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭
素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基、炭素数
1〜20の窒素含有炭化水素基を示す。これらの中で好
ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の
炭化水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基が好
ましく、塩素原子、メチル基、メチルフェニル基、ベン
ジル基、アルコキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルア
ミノ基が特に好ましい。
【0062】一般式(I)中、Mは、周期表4〜6族の
遷移金属を示し、好ましくは、チタン、ジルコニウム、
ハフニウムの4族の遷移金属、更に好ましくはジルコニ
ウム又はハフニウムである。
【0063】上記遷移金属化合物の非限定的な例とし
て、下記のものを挙げることができる。 (1)ジクロロ[1,1’−メチレンビス(2−メチル
−4−フェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウム、
(2)ジクロロ[1,1’−メチレンビス(2−エチル
−4−フェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウム、
(3)ジクロロ[1,1’−メチレンビス(4−フェニ
ル−4H−アズレニル)]ジルコニウム、(4)ジクロ
ロ{1,1’−メチレンビス[4−(1−ナフチル)−
4H−ジヒドロアズレニル]}ジルコニウム、(5)ジ
クロロ[1,1’−エチレンビス(2−メチル−4−フ
ェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウム、(6)ジ
クロロ[1,1’−エチレンビス(2−エチル−4−フ
ェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウム、(7)ジ
クロロ[1,1’−エチレンビス(4−フェニル−4H
−アズレニル)]ジルコニウム、(8)ジクロロ{1,
1’−エチレンビス(4−(2−ナフチル)−4H−ア
ズレニル]}ジルコニウム、(9)ジクロロ[1,1’
−イソプロピリデンビス(2−メチル−4−フェニル−
4H−アズレニル)]ジルコニウム、(10)ジクロロ
[1,1’−イソプロピリデンビス(2−エチル−4−
フェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウム、
【0064】(11)ジクロロ[1,1’−イソプロピ
リデンビス(4−フェニル−4H−アズレニル)]ジル
コニウム、(12)ジクロロ{1,1’−イソプロピリ
デンビス[4−(1−ナフチル)−4H−アズレニ
ル]}ジルコニウム、(13)ジクロロ[1,1’−ジ
メチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H
−アズレニル)]ジルコニウム、(14)ジクロロ
[1,1’−ジメチルシリレンビス(2−エチル−4−
フェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウム、(1
5)ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス(4−
フェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウム、(1
6)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス[2−
メチル−4−(2−ナフチル)−4H−アズレニル]}
ジルコニウム、(17)ジクロロ[1,1’−フェニル
メチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H
−アズレニル)]ジルコニウム、(18)ジクロロ
[1,1’−フェニルメチルシリレンビス(2−エチル
−4−フェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウム、
(19)ジクロロ[1,1’−フェニルメチルシリレン
ビス(4−フェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウ
ム、(20)ジクロロ{1,1’−フェニルメチルシリ
レンビス[4−(1−ナフチル)−4H−アズレニ
ル]}ジルコニウム、
【0065】(21)ジクロロ[1,1’−ジフェニル
シリレンビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズ
レニル)]ジルコニウム、(22)ジクロロ[1,1’
−ジフェニルシリレンビス(2−エチル−4−フェニル
−4H−アズレニル)]ジルコニウム、(23)ジクロ
ロ[1,1’−ジフェニルシリレンビス(4−フェニル
−4H−アズレニル)]ジルコニウム、(24)ジクロ
ロ{1,1’−ジフェニルシリレンビス[4−(2−ナ
フチル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム、(2
5)ジクロロ[1,1’−ジメチルゲルミレンビス(2
−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]ジルコ
ニウムジクロリド、(26)ジクロロ[1,1’−ジメ
チルゲルミレンビス(2−エチル−4−フェニル−4H
−アズレニル)]ジルコニウム、(27)ジクロロ
[1,1’−ジメチルゲルミレンビス(4−フェニル−
4H−アズレニル)]ジルコニウム、(28)ジクロロ
{1,1’−ジメチルゲルミレンビス[4−(1−ナフ
チル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム、(29)
ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス[2−メチ
ル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニ
ル]}ジルコニウム、(30)ジクロロ{1,1’−ジ
メチルゲルミレンビス[2−メチル−4−(2−メチル
フェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム、(3
1)ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス[2−
メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニ
ル]}ジルコニウム、(32)ジクロロ{1,1’−ジ
メチルシリレンビス[2−メチル−4−(3−クロロフ
ェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム等が例示
される。
【0066】また、これらの化合物のクロリドの一方あ
るいは両方が臭素、ヨウ素、水素、メチルフェニル、ベ
ンジル、アルコキシ、ジメチルアミド、ジエチルアミド
等に代わった化合物も例示することができる。さらに、
成分は、単独で使用する以外に、複数種を併用しても
よく、好ましい態様である。例えば、ハフニウム化合物
とジルコニウム化合物を併用することができる。
【0067】成分 成分は、成分[−1]:アルミニウムオキシ化合
物、成分[−2]:ルイス酸、成分[−3]:成分
と反応して成分をカチオンに変換することが可能な
イオン性化合物、あるいは成分[−4]:イオン交換
性層状珪酸塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の
化合物である。ここで、ルイス酸のあるものは、「成分
と反応して成分をカチオンに変換することが可能な
イオン性化合物」として捉えることもできる。従って
「ルイス酸」および「成分と反応して成分をカチオ
ンに変換することが可能なイオン性化合物」の両者に属
する化合物は、いずれか一方に属するものと解すること
とする。
【0068】アルミニウムオキシ化合物(成分[−
1])としては、具体的には下記の一般式〔II〕、〔II
I〕または〔IV〕で表される化合物が好ましい。
【0069】
【化4】
【0070】(ここで、pは0〜40、好ましくは2〜
30、数であり、R10は水素または炭化水素残基、好ま
しくは炭素数1〜10、特に好ましくは炭素数1〜6の
ものを示す。また複数あるR10は各々、同一でも異なっ
てもよい。) 一般式〔II〕および〔III〕の化合物は、アルモキサン
とも呼ばれる化合物であって、一種類のトリアルキルア
ルミニウム、または二種類以上のトリアルキルアルミニ
ウムと水との反応により得られる生成物である。具体的
には、(イ)一種類のトリアルキルアルミニウムと水か
ら得られるメチルアルモキサン、エチルアルモキサン、
プロピルアルモキサン、ブチルアルモキサン、イソブチ
ルアルモキサン、(ロ)二種類のトリアルキルアルミニ
ウムと水から得られるメチルエチルアルモキサン、メチ
ルブチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサン
等が例示される。これらの中で、特に好ましいのはメチ
ルアルモキサンおよびメチルイソブチルアルモキサンで
ある。
【0071】これらのアルモキサンは、各群内および各
群間で複数種併用することも可能であり、また、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド等
の他のアルキルアルミニウム化合物と併用することも可
能である。これらのアルモキサンは公知の様々な条件下
に調製することができる。具体的には以下の様な方法を
例示できる。
【0072】(イ)トリアルキルアルミニウムをトルエ
ン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直
接水と反応させる方法、(ロ)トリアルキルアルミニウ
ムと結晶水を有する塩水和物、例えば硫酸銅、硫酸アル
ミニウムの水和物と反応させる方法、(ハ)トリアルキ
ルアルミニウムとシリカゲル等に含浸させた水分とを反
応させる方法、(ニ)トリメチルアルミニウムとトリイ
ソブチルアルミニウムを混合し、トルエン、ベンゼン、
エーテル等の適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させ
る方法、(ホ)トリメチルアルミニウムとトリイソブチ
ルアルミニウムを混合し、結晶水を有する塩水和物、例
えば硫酸銅、硫酸アルミニウムと水和物、と加熱反応さ
せる方法、(ヘ)シリカゲル等に水分を含浸させ、トリ
イソブチルアルミニウムで処理した後、トリメチルアル
ミニウムで追加処理する方法、(ト)メチルアルモキサ
ンおよびイソブチルアルモキサンを公知の方法で合成
し、これら二成分を所定量混合し、加熱反応させる方
法、(チ)ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒
に硫酸銅5水塩などの結晶水を有する塩を入れ、−40
〜40℃位の温度条件下トリメチルアルミニウムと反応
させる方法。この場合、使用される水の量は、トリメチ
ルアルミニウムに対してモル比で通常0.5〜1.5で
ある。このようにして得られたメチルアルモキサンは、
線状または環状の有機アルミニウムの重合体である。
【0073】一般式〔IV〕で表される化合物は、一種類
のトリアルキルアルミニウム、または二種類以上のトリ
アルキルアルミニウムと、一般式〔V〕 R11B(OH)2 ・・・・〔V〕 で表されるアルキルボロン酸(ここで、R11は炭素数1
〜10、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素を示す)と
の10:1〜1:1(モル比)の反応により得ることが
できる。具体的には、(イ)トリメチルアルミニウムと
メチルボロン酸の2:1の反応物、(ロ)トリイソブチ
ルアルミニウムとメチルボロン酸の2:1反応物、
(ハ)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミ
ニウムとメチルボロン酸の1:1:1反応物、(ニ)ト
リメチルアルミニウムとエチルボロン酸の2:1反応
物、および(ホ)トリエチルアルミニウムとブチルボロ
ン酸の2:1反応物等が例示される。これらの一般式
〔IV〕の化合物は、複数種用いることも可能であり、ま
た一般式〔II〕または〔III〕で表されるアルモキサン
や、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウ
ムクロリド等の他のアルキルアルミニウム化合物と併用
することも可能である。
【0074】また、ルイス酸(成分[−2])、特に
成分をカチオンに変換可能なルイス酸、としては、種
々の有機ホウ素化合物、金属ハロゲン化合物、あるいは
固体酸等が例示される。具体的には、(イ)トリフェニ
ルホウ素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ
素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等の有機
ホウ素化合物、(ロ)塩化アルミニウム、臭化アルミニ
ウム、ヨウ化アルミニウム、塩化マグネシウム、臭化マ
グネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化臭化マグネシウ
ム、塩化ヨウ化マグネシウム、臭化ヨウ化マグネシウ
ム、塩化マグネシウムハイドライド、塩化マグネシウム
ハイドロオキシド、臭化マグネシウムハイドロオキシ
ド、塩化マグネシウムアルコキシド、臭化マグネシウム
アルコキシド等の金属ハロゲン化合物、および(ハ)シ
リカ、アルミナ、アルミナ等の固体酸がある。
【0075】また、成分と反応して成分をカチオン
に変換することが可能なイオン性化合物(成分[−
3])としては、一般式〔VI〕で表されるものが好まし
い。 〔K〕e+〔Z〕e- ・・・・・〔VI〕 ここで、Kはイオン性のカチオン成分であって、例えば
カルボニウムカチオン、トロピリウムカチオン、アンモ
ニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウム
カチオン、ホスフォニウムカチオン等が挙げられる。ま
た、それ自身が還元されやすい金属の陽イオンや有機金
属の陽イオン等も挙げられる。
【0076】これらのカチオンの具体例としては、
(イ)トリフェニルカルボニウム、ジフェニルカルボニ
ウム、シクロヘプタトリエニウム、インデニウム、トリ
エチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリ
ブチルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、
ジプロピルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウ
ム、トリフェルホスホニウム、トリメチルホスホニウ
ム、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウム、トリ(メ
チルフェニル)ホスホニウム、トリフェニルスルホニウ
ム、トリフェニルオキソニウム、トリエチルオキソニウ
ム、ピリリウム、および銀イオン、金イオン、白金イオ
ン、銅イオン、パラジウムイオン、水銀イオン、フェロ
セニウムイオン等がある。
【0077】上記の一般式〔VI〕におけるZはイオン性
のアニオン成分であり、成分が変換されたカチオン種
に対して対アニオンとなる成分(一般には非配位の)で
あって、例えば、有機ホウ素化合物アニオン、有機アル
ミニウム化合物アニオン、有機ガリウム化合物アニオ
ン、有機リン化合物アニオン、有機ひ素化合物アニオ
ン、有機アンチモン化合物アニオンなどが挙げられる。
具体的には、(イ)テトラフェニルホウ素、テトラキス
(3,4,5−トリフルオロフェニル)ホウ素、テトラ
キス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)ホ
ウ素、テトラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニ
ル)ホウ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホ
ウ素、(ロ)テトラフェニルアルミニウム、テトラキス
(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミニウム、
テトラキス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニ
ル)アルミニウム、テトラキス(3,5−ジ(t−ブチ
ル)フェニル)アルミニウム、テトラキス(ペンタフル
オロフェニル)アルミニウム、(ハ)テトラフェニルガ
リウム、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニ
ル)ガリウム、テトラキス(3,5−ジ(トリフルオロ
メチル)フェニル)ガリウム、テトラキス(3,5−ジ
(t−ブチル)フェニル)ガリウム、テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ガリウム、(ニ)テトラフェニル
リン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)リン、
(ホ)テトラフェニルヒ素、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ヒ素、(ヘ)テトラフェニルアンチモン、
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アンチモン、
(ト)デカボレート、ウンデカボレート、カルバドデカ
レボレート、デカクロロデカボレート等がある。
【0078】本発明において、成分[−4]として用
いられる(1)イオン交換性層状珪酸塩からなる群より
選ばれた少なくとも一種の化合物とは、イオン結合等に
よって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重
なった結晶構造をとる珪酸塩化合物であり、含有するイ
オンが交換可能なものを言う。大部分のイオン交換性層
状珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出
するが、これら、イオン交換性層状珪酸塩は特に、天然
産のものに限らず、人工合成物であってもよい。
【0079】イオン交換性層状珪酸塩の具体例として
は、例えば、白水晴雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(19
95年)、等に記載される公知の層状珪酸塩であって、
ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサ
イト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリン
族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の
蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデラ
イト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ス
チーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト
等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイ
ト、海緑石等の雲母族、アタバルジャイト、セピオライ
ト、バリゴルスカイト、ベントナイト、バイロフィライ
ト、タルク、緑泥石群が挙げられる。これらは混合層を
形成していてもよい。
【0080】これらの中では、モンモリロナイト、ザウ
コナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイ
ト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、
テニオライト等のスメクタイト族、バーミキュライト
族、雲母族が好ましい。
【0081】なお、成分〔−4〕として、窒素吸着法
により測定した細孔の直径が10オングストローム以
上、1000オングストロ−ム以下の細孔容積が、0.
1cc/g以上、特には0.2〜3cc/gのものが好
ましい。また成分〔−4〕は特に処理を行うことなく
そのまま用いることができるが、成分〔−4〕に化学
処理を施すことも好ましい。ここで化学処理とは、表面
に付着している不純物を除去する表面処理と粘土の結晶
構造に影響を与える処理のいずれをも用いることができ
る。
【0082】具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類
処理、有機物処理等が挙げられる。酸処理は表面の不純
物を取り除く他、結晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽
イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。
アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構
造の変化をもたらす。また塩類処理、有機物処理では、
イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表
面積や層間距離を変えることが出来る。イオン交換性を
利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオン
と置換することにより、層間が拡大した状態の層状物質
を得ることもできる。
【0083】本発明においては、塩類で処理される前
の、イオン交換性層状珪酸塩の含有する交換可能な1族
金属の陽イオンの40%以上、好ましくは60%以上
を、下記に示す塩類より解離した陽イオンと、イオン交
換することが好ましい。このようなイオン交換を目的と
した塩類処理で用いられる塩類は、2〜14族原子から
成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオ
ンを含有する化合物であり、好ましくは、2〜14族原
子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む
陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸および有機酸から成
る群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンとから成る
化合物である。
【0084】更に好ましくは、2〜14族原子から成る
群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオン
と、Cl、Br、I、F、PO4、SO4、NO3、C
3、C24、ClO4、OOCCH3、CH3COCHC
OCH3、OCl2、O(NO32、O(ClO42、O
(SO4)、OH、O2Cl2、OCl3、OOCH、OO
CCH2CH3、C244およびC557から成る群か
ら選ばれる少なくとも一種の陰イオンとから成る化合物
である。酸処理は表面の不純物を取り除くほか、結晶構
造のAl、Fe、Mg、等の陽イオンの一部または全部
を溶出させることができる。
【0085】酸処理で用いられる酸は、塩酸、硫酸、硝
酸、リン酸、酢酸、シュウ酸から選択され、特に無機酸
が好ましい。処理に用いる塩類および酸は、2種以上で
あってもよい。塩類処理と酸処理を組み合わせる場合に
おいては、塩類処理を行った後、酸処理を行う方法、酸
処理を行った後、塩類処理を行う方法、および塩類処理
と酸処理を同時に行う方法がある。
【0086】また、有機物処理剤を構成する陰イオンと
しては、塩類処理剤を構成する陰イオンとして例示した
陰イオン以外にも、例えばヘキサフルオロフォスフェー
ト、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレート
などが例示されるが、これらに限定されるものではな
い。 アルカリ処理で用いられる処理剤としては、Li
OH、NaOH、KOH、Mg(OH)2、Ca(O
H)2、Sr(OH)2、Ba(OH)2などが例示され
る。
【0087】塩類および酸による処理条件は、特には制
限されないが、通常、塩類および酸濃度は、0.1〜6
0重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は、5分〜
24時間の条件を選択して、イオン交換性層状珪酸塩か
ら成る群より選ばれた少なくとも一種の化合物を構成し
ている物質の少なくとも一部を溶出する条件で行うこと
が好ましい。また、塩類および酸は、一般的には水溶液
で用いられる。
【0088】本発明では、好ましくは上記塩類処理およ
び/または酸処理を行うが、処理前、処理間、処理後に
粉砕や造粒等で形状制御を行ってもよい。また、アルカ
リ処理や有機物処理などの化学処理を併用してもよい。
【0089】これらイオン交換性層状珪酸塩には、通常
吸着水および層間水が含まれる。本発明においては、こ
れらの吸着水および層間水を除去して成分〔−4〕と
して使用するのが好ましい。ここで吸着水とは、イオン
交換性層状珪酸塩化合物粒子の表面あるいは結晶破面に
吸着された水で、層間水は結晶の層間に存在する水であ
る。本発明では、加熱処理によりこれらの吸着水および
/または層間水を除去して使用することができる。以上
のように、本発明において、成分〔−4〕として、特
に好ましいものは、塩類処理および/または酸処理を行
って得られた、水分含有率が3重量%以下の、イオン交
換性層状珪酸塩である。
【0090】また、成分〔−4〕は、平均粒径が5μ
m以上の球状粒子を用いるのが好ましい。より好ましく
は、平均粒径が10μm以上の球状粒子を用いる。更に
好ましくは平均粒径が10μm以上100μm以下の球
状粒子を用いる。また成分〔−4〕は、粒子の形状が
球状であれば天然物あるいは市販品をそのまま使用して
もよいし、造粒、分粒、分別等により粒子の形状および
粒径を制御したものを用いてもよい。
【0091】ここで用いられる造粒法は例えば攪拌造粒
法、噴霧造粒法、転動造粒法、プリケッティング、コン
パクティング、押出造粒法、流動層造粒法、乳化造粒
法、液中造粒法、圧縮成型造粒法等が挙げられるが、成
分〔−4〕を造粒することが可能な方法であれば特に
限定されない。造粒法として好ましくは、攪拌造粒法、
噴霧造粒法、転動造粒法、流動層造粒法が挙げられ、特
に好ましくは攪拌造粒法、噴霧造粒法が挙げられる。
【0092】上記のようにして得られた球状粒子は、重
合工程での破砕や微粉の生成を抑制するためには0.2
MPa以上、特に好ましくは0.5MPa以上の圧縮破
壊強度を有することが望ましい。このような粒子強度の
場合には、特に予備重合を行う場合に、粒子性状改良効
果が有効に発揮される。
【0093】本発明に用いることのできる成分は、上
記の内容のものである。これらは、成分として単独で
用いることもできるし、成分[−1]のアルミニウム
オキシ化合物と成分[−2]のルイス酸、成分[−
3]の成分と反応して成分をカチオンに変換するこ
とが可能なイオン性化合物との併用や、成分[−3]
の成分と反応して成分をカチオンに変換することが
可能なイオン性化合物と成分[−4]のイオン交換性
層状珪酸塩からなる群より選ばれた少なくとも一種の化
合物との併用など任意の組合せも可能である。
【0094】成分 本発明の好ましい重合触媒において、必要に応じて成分
として用いられる有機アルミニウム化合物の例は、一
般式〔VII〕 AlR12 a3-a ・・・・・ 〔VII〕 (式中、R12は炭素数1から20の炭化水素基、Pは水
素、ハロゲン、アルコキシ基、aは0<a≦3)で示さ
れるトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミ
ニウム等のトリアルキルアルミニウムまたはジエチルア
ルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノ
メトキシド等のハロゲンもしくはアルコキシ含有アルキ
ルアルミニウムである。また、以上に挙げた有機アルミ
ニウムを混合して使用することも可能である。またこの
他、メチルアルミノキサン等のアルミノキサン類等も使
用あるいは併用もできる。これらのうち特にトリアルキ
ルアルミニウムが好ましい。
【0095】<触媒の調製/使用>成分、成分およ
び必要に応じて成分を接触させて触媒とする。その接
触方法は特に限定されないが、以下のような順序で接触
させることができる。また、この接触は触媒調製時だけ
でなく、オレフィンによる予備重合時、またはオレフィ
ンの重合時に行ってもよい。 1)成分と成分を接触させる 2)成分と成分を接触させた後に成分を添加する 3)成分と成分を接触させた後に成分を添加する 4)成分と成分を接触させた後に成分を添加する そのほか、三成分を同時に接触させてもよい。
【0096】この触媒各成分の接触に際し、または接触
の後にポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリ
カ、アルミナ等の無機酸化物の固体を共存させ、あるい
は接触させてもよい。接触は窒素等の不活性ガス中、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の
不活性炭化水素溶媒中で行ってもよい。接触温度は、−
20℃〜溶媒の沸点の間で行い、特に室温から溶媒の沸
点の間で行うのが好ましい。
【0097】本発明で使用する成分、成分の使用量
は任意であるが、一般的に成分として何を選択するの
かで好ましい使用量の範囲が異なる。成分として成分
[−1]を使用する場合、成分[−1]中のアルミ
ニウム原子と成分中の遷移金属の原子比(Al/M
e)で1〜100000、好ましくは10〜1000
0、さらに好ましくは50〜5000の範囲である。
【0098】成分として成分[−2]、成分[−
3]を使用する場合、成分中の遷移金属と成分[−
2]、成分[−3]のモル比で0.1〜1000、好
ましくは0.5〜100、特に好ましくは1〜50の範
囲で使用される。必要に応じて成分を使用する場合の
その使用量は、対成分に対するモル比で105以下、
さらに104以下、特に102以下、の範囲が好ましい。
【0099】成分として成分[−4]を使用する場
合、成分[−4]1gあたり成分0.001〜10
mmol、好ましくは0.001〜5mmolであり、
成分が0.01〜10000mmol、好ましくは
0.1〜100mmolである。また、成分中の遷移
金属と成分中のアルミニウム原子比が1:0.01〜
1000000、好ましくは0.1〜100000であ
る。
【0100】このようにして得られた触媒は、調製後に
不活性溶媒、特に炭化水素、例えばヘキサン、ヘプタン
などで洗浄せずに用いてもよく、また該溶媒を使用して
洗浄した後に用いてもよい。また、必要に応じて新たに
前記成分を組み合わせて用いてもよい。この際に用い
られる成分の量は、成分中の遷移金属に対する成分
中のアルミニウムの原子比で1:0〜10000にな
るように選ばれる。
【0101】重合の前に、エチレン、プロピレン、1−
ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1
−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロア
ルカン、スチレン等のオレフィンを予備的に重合させ、
必要に応じて洗浄したものを触媒として用いることもで
きる。この予備的な重合は、不活性溶媒中で穏和な条件
で行うことが好ましく、固体触媒1gあたり、0.01
〜1000g、好ましくは0.1〜100gの重合体が
生成するように行うことが望ましい。
【0102】重合反応は、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等の不活性炭
化水素や液化α−オレフィン等の溶媒存在下、あるいは
不存在下に行われる。温度は−50〜250℃であり、
圧力は特に制限されないが、好ましくは常圧〜約200
0kg・f/cm2 の範囲である。また、重合系内に
分子量調節剤として水素を存在させてもよい。更に、重
合温度、分子量調節剤の濃度等を変えて多段階で重合さ
せてもよい。
【0103】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。実施例及び比較例において行った分析及び
評価方法は、以下の通りである。また、フィルムの物性
評価は40℃オーブン内で48時間熱処理(エイジン
グ)後に実施した。
【0104】(1)イオン交換性層状珪酸塩の組成 JIS法による化学分析により検量線を作成し、蛍光X
線により定量した。 (2)メルトフローレート(MFR) JIS−K−6758(条件:230℃、荷重2.16
kgf)に従って測定した(単位:g/10分)。
【0105】(3)プロピレン単位、エチレン単位及び
ポリマー中のプロピレン結合様式 Bruker社製 AvanceDRX500を用い
て、13C−NMR法に従って測定および解析した。 (4)平均溶出温度(T50) 下記の装置及び溶媒を使用してTREF法に従って測定
した。 装置 :三菱化学社製 CFC T150A型 カラム :昭和電工社製 AD80M/S 3本 濃度 :40mg/10ml 溶媒 :オルトジクロロベンゼン
【0106】(5)融点(Tm) セイコーインスツルメンツ社製DSC6200を使用
し、シート状にしたサンプル片を5mgアルミパンに詰
め、室温から一旦200℃まで昇温速度100℃/分で
昇温し、5分間保持した後に、10℃/分で40℃まで
降温して結晶化させた後に、10℃/分で200℃まで
昇温させた時の融解最大ピーク温度(℃)として求め
た。 (6)溶融粘弾性(G、G’) レオメトリック社製の動的粘弾性測定装置RDA−IIを
使用し、直径25mm、厚み1.8mmのパラレルプレ
ートにて、温度200℃、歪み15%の条件で周波数ス
イープを行った。角周波数は500rad/秒から0.
05rad/秒まで、1桁あたり5点の測定間隔で測定
した。
【0107】(7)23℃キシレン可溶分量(CXS) ポリマーを電子天秤にて秤量し500mlの平底フラス
コに入れ、工業用キシレンを300ml加える。予め1
40℃に調温したオイルバスに浸け、約1時間かけて溶
解させる。次に、フラスコを取り出し、予め23℃に調
温したオイルバスに1時間浸けた後に、ろ過により上澄
み液を回収し、110℃で減圧下4時間で溶媒除去/乾
燥を行うことによりキシレン可溶分量を求めた(単位:
重量%)。 (8)透明性(HZ) ASTM−D1003に準拠して、ヘイズメータにて測
定した(単位:%)。この値が小さい程透明性が優れて
いることを意味する。
【0108】(9)ヒートシール性(HS性) 5mm×200mmのヒートシールバーを用い、フィル
ムの未処理面同士を各温度設定においてヒートシール圧
力2kg/cm2 、ヒートシール時間1秒の条件下でフ
ィルムの溶融押出した方向(MD)に垂直になるように
シールした試料から15mm幅のサンプルを取り、ショ
ッパー型試験機を用いて引張速度500mm/分にてM
D方向に引き離し、その荷重を読みとった。荷重が30
0gになるシール温度をもってヒートシール性を評価し
た(単位:℃)。この値が小さい程ヒートシール性が優
れていることを意味する。 (10)剛性(引張弾性率,ヤング率) ISO R1184に準拠して、インストロン型オート
グラフにて測定した。(単位:kg/cm2)弾性率が
大きい程剛性が優れていることを意味する。 (11)耐衝撃性(打抜衝撃強さ,パンクチャーインパ
クト) JIS−P8134に準拠して、フィルムを23℃、5
℃の雰囲気下にて24時間以上放置し、状態調整を行っ
た後、同雰囲気下で測定した(単位:kg・cm/c
m)。この値が大きい程耐衝撃性が優れていることを意
味する。
【0109】[触媒Aの合成] [メタロセン化合物の合成](r)−ジクロロ{1,
1’−ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(4−
クロロフェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム
の合成は、特開平11−240909に記載の方法で合
成した。 [(r)−ジクロロ{1、1’−ジメチルシリレンビス
[2−メチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−ア
ズレニル]}ジルコニウムの合成]
【0110】(a)ラセミ・メソ混合物の合成;2−ブ
ロモ−トルエン(13.3 mL,110mmol)を
ジエチルエーテル(25mL)とヘキサン(250m
L)の混合溶媒に溶かし、t−ブチルリチウムのペンタ
ン溶液(154.3mL,220mmol,1.43
N)を−35から−40℃で滴下した。−10℃で1時
間攪拌した後、この溶液に2−メチルアズレン(15.
3g,108mmol,0.98eq)を加え室温で1
時間攪拌した。得られた白色沈殿を含むスラリーにヘキ
サン(100mL,50 mL)を加え、溶液部をデカ
ントにて除いた。これにテトラヒドロフラン(150m
L)とヘキサン(60mL)を加えた。N−メチルイミ
ダゾール(230μL)とジメチルジクロロシラン
(6.5mL,54mmol,0.49eq)を0℃で
加え、10℃で30分間攪拌した。この後、水を加え、
分液した後有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下
溶媒を留去すると、ジメチルシリレンビス(2−メチル
−4−(2−メチルフェニル)−1,4−ジヒドロアズ
レン)のアモンファス状粗精製物が(29g)が得られ
た。
【0111】次に、上記で得られた粗精製物をジエチル
エーテル(80mL)に溶かし、0℃でn−ブチルリチ
ウムのヘキサン溶液(69mL,108 mmol,
1.56N)を滴下し、徐々に昇温して室温で1時間攪
拌した。さらに、トルエン(500mL)を加え、−1
0℃に冷却し、四塩化ジルコニウム(12.58g,5
4mmol)を加え、徐々に昇温し室温で一夜攪拌し
た。得られたスラリー溶液から減圧下大部分の溶媒を留
去し(トルエン僅かに残存)、ジエチルエーテル(10
0 mL)で洗浄し得られたスラリーを濾過した。得ら
れた固形分をジエチルエーテル(10mLx4)、ヘキ
サン(20mL)で洗浄し、さらにエタノール(60m
L,20mLx2)、ジエチルエーテル(20mL)、
ヘキサン(20mL)で洗浄すると、ジクロロ{1、
1’−ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(2−
メチルフェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム
のラセミ・メソ混合物(19.4g,収率53%)が得
られた。
【0112】(b)ラセミ体の精製;上記で得られたラ
セミ・メソ混合物(4.92g)をトルエン(45m
L)に懸濁し、80℃に加熱するとほぼ均一となった。
これを室温にし、容積が3/4程度まで濃縮し、ジエチ
ルエーテル(20mL)を加え、一夜放置した。デカン
トにより析出した沈殿 (3.9g,r/m=41/5
9,異性体5%)を得た。これにトルエン(35mL)
とジクロロメタン(20mL)を加え(ほぼ均一)、ジ
クロロメタンをほぼ留去し、一夜放置した。デカントで
可溶分を除き、ヘキサン(10 mL)で洗浄し、減圧
にするとラセミ・メソ混合物(2.69 g)を得た。
次にこれをジクロロメタン(50mL)に溶解し、高圧
水銀灯(100 W)を用いて45分間光照射し、得ら
れたスラリーを留去し、ジエチルエーテル(40 m)
を加え、析出分をろ別した。ジエチルエーテル(5m
L,10mLx3,5mL)、ヘキサン(10mL,3
mL)で洗浄するとラセミ体(538 mg)が得られ
た。1 H NMR(300MHz,CDCl3)δ1.03
(s,6H,SiMe2),2.17(s,6H,2−
Me),2.39(s,6H,2MePh),5.32
(brd,2H,4-H),5.65-6.0(m,6
H),6.05(s,2H,3−H),6.62(d,
J=9Hz,2H,8−H),7.1-7.2(m,8
H,arom).
【0113】[イオン交換性層状珪酸塩の調製]10リ
ットルの撹拌翼の付いたガラス製セパラブルフラスコ
に、蒸留水3.75リットル、続いて濃硫酸(96%)
2.5kgをゆっくりと添加した。50℃で、さらにモ
ンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL;平均粒
径=25μm、粒度分布=10〜60μm)を1kg分
散させ、90℃に昇温し、6.5時間その温度を維持し
た。50℃まで冷却後、このスラリーを減圧ろ過し、ケ
ーキを回収した。このケーキに蒸留水を7リットル加え
再スラリー化後、ろ過した。この洗浄操作を、洗浄液
(ろ液)のpHが、3.5を越えるまで実施した。回収
したケーキを窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。乾
燥後の重量は707gであった。得られたイオン交換性
層状ケイ酸塩をの組成(モル)比は、Al/Si=0.
129、Mg/Si=0.018、Fe/Si=0.0
125であった。
【0114】先に化学処理した珪酸塩は、キルン乾燥機
によりさらに乾燥を実施した。仕様、乾燥条件は以下の
通りである。 回転筒:円筒状、内径50mm、加温帯550mm(電
気炉)、かき上げ翼付き 回転数:2rpm、傾斜角:20/520、珪酸塩の供
給速度:2.5g/分、 ガス流速:窒素、96リット
ル/時間、向流、 乾燥温度:200℃(粉体温度)
【0115】[触媒の調製]内容積13リットルの攪拌
機のついた金属製反応器に、上記で得た乾燥珪酸塩0.
20kgと3%トルエンを含むヘプタン(以下、混合ヘ
プタン)0.74Lの混合物を導入し、さらにトリノル
マルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.40
M)1.26Lを加え、内温を25℃に維持した。1時
間の反応後、混合ヘプタンにて十分に洗浄し、珪酸塩ス
ラリーを2.0Lに調製した。
【0116】並行して、先に合成した(r)−ジクロロ
{1,1’−ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−
(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル]}ジルコ
ニウムを0.869g(1.20mmol)と先に合成
した(r)−ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビ
ス[2−メチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−
アズレニル]}ジルコニウムを1.23g(1.8mm
ol)にトルエンを0.80L加え、トリイソブチルア
ルミニウムのヘプタン溶液(0.71M)を42.5m
l加えて、室温にて1時間反応させた混合物を、珪酸塩
スラリーに加え、1時間攪拌後、混合ヘプタンを追加し
て5.0Lに調製した。
【0117】続いて、内温を40℃まで昇温し安定した
ところで、プロピレンを100g/時間の速度で供給
し、温度を維持した。4時間後プロピレンの供給を停止
し、さらに1時間維持した。予備重合終了後、残モノマ
ーをパージした後、触媒を混合ヘプタンにて十分に洗浄
した。続いて、トリイソブチルアルミニウム(0.71
M/L)のヘプタン溶液0.17L添加した後に、45
℃で減圧乾燥を実施し、固体触媒Aを得た。
【0118】[触媒Bの合成] [(r)−ジクロロ{1、1’−ジメチルシリレンビス
[2−メチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−ア
ズレニル]}ハフニウムの合成] (a)ラセミ・メソ混合物の合成;2−ブロモ−トルエ
ン(2.58g,15.1mmol)をジエチルエーテ
ル(5 mL)とヘキサン(45mL)の混合溶媒に溶
かし、t−ブチルリチウムのペンタン溶液(20.8m
L,30.2mmol,1.45N)を−45から−4
0℃で滴下した。−10℃で1時間攪拌した後、この溶
液に2−メチルアズレン(2.04g,14.3mmo
l,0.95eq)を加え室温で2時間攪拌した。得ら
れた白色沈殿を含むスラリーにヘキサン(20mlx
2)を加え、溶液部をデカントにて除いた。これにテト
ラヒドロフラン(25mL)とヘキサン(20mL)を
加えた。N−メチルイミダゾール(30μL)とジメチ
ルジクロロシラン(0.82mL,6.79mmol)
を0℃で加え、室温まで昇温し、10−15℃で30分
間攪拌した。この後、水を加え、分液した後有機相を硫
酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去すると、ジ
メチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−メチルフ
ェニル)−1,4−ジヒドロアズレン)のアモルファス
状粗精製物が(3.78g)が得られた。
【0119】次に、上記で得られた粗精製物をジエチル
エーテル(20mL)に溶かし、−10℃でn−ブチル
リチウムのヘキサン溶液(8.5mL,13.6mmo
l,1.59N)を滴下し、徐々に昇温して室温で1時
間攪拌した。さらに、トルエン(120mL)を加え、
−10℃に冷却し、四塩化ハフニウム(2.17g,
6.79 mmol)を加え、徐々に昇温し室温で一夜
攪拌した。得られたスラリー溶液から減圧下大部分の溶
媒を留去し、ジエチルエーテル(10mLx6,5mL
x3)で洗浄し得られたスラリーを濾過した。得られた
固形分にエタノール(10mLx2)、ジエチルエーテ
ル(10mL)、ヘキサン(10 mL)で洗浄する
と、ジクロロ{1、1’−ジメチルシリレンビス[2−
メチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニ
ル]}ハフニウムのラセミ・メソ混合物(3.17g,
収率61%)が得られた。
【0120】(b)ラセミ体の精製;上記で得られたラ
セミ・メソ混合物(3.17g)をジクロロメタン(4
0mL)に懸濁し、高圧水銀灯(100W)を用いて2
0分間光照射した。得られたスラリーを留去し、ヘキサ
ン(20m)で洗浄し、ジエチルエーテル(10mLx
3)で洗浄した。これをジエチルエーテル−ジクロロメ
タンを用いて再結晶し、得られた析出物をジエチルエー
テル(2 mLx2)、ヘキサン(3 mLx2)で洗
浄して減圧下乾燥するとラセミ体(1.25g,収率3
9%)が得られた。1 H NMR(300MHz,CDCl3)δ1.02
(s,6H,SiMe2),2.26(s,6H,2−
Me),2.38(s,6H,2MePh),5.25
(brd,2H,4-H),5.70-6.0(m,8
H),6.68(d,J=12Hz,2H,8−H),
7.05-7.3(m,8H,arom).
【0121】[触媒の調製](r)−ジクロロ{1,
1’−ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(2−
メチルフェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム
の代わりに、先に合成した(r)−ジクロロ{1,1’
−ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(2−メチ
ルフェニル)−4H−アズレニル]}ハフニウム1.3
9g(1.8mmol)を使用する以外は、触媒Aと同
様に実施して固体触媒Bを得た。
【0122】[触媒Cの合成](r)−ジクロロ{1,
1’−ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(2−
メチルフェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム
を使用せずに、(r)−ジクロロ{1,1’−ジメチル
シリレンビス[2−メチル−4−(4−クロロフェニ
ル)−4H−アズレニル]}ジルコニウムのみを2.1
8g(3.0mmol)を使用する以外は、触媒Aと同
様に実施して固体触媒Cを得た。
【0123】[触媒Dの合成]十分に窒素置換したフラ
スコに脱水及び脱酸素したn−ヘプタン200ミリリッ
トルを導入し、ついでMgCl20.4モル、Ti(O
−n−C494を0.8モル導入し、95℃に保ちな
がら2時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下
げ、次いでメチルハイドロジェンポリシロキサン(20
センチストークス)を48ミリリットル導入し、3時間
反応させた。生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄し
た。
【0124】次いで、十分に窒素置換したフラスコに生
成したn−ヘプタンを50ミリリットル導入し、上記で
合成した固体成分をMg原子換算で0.24モル導入し
た。さらに、n−ヘプタン25ミリリットルSiCl4
0.4モルを混合して30℃に保ちながら60分間かけ
てフラスコへ導入し、90℃で3時間反応させた。これ
に、さらにn−ヘプタン25ミリリットルにフタル酸ク
ロライド0.016モルを混合して、90℃に保ちなが
ら30分間かけてフラスコに導入し、90℃で1時間反
応させた。
【0125】反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次
いでこれらにSiCl40.24ミリモルを導入して、
100℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタ
ンで十分洗浄した。十分に窒素置換したフラスコに十分
精製したn−ヘプタン50ミリリットルを導入し、次い
で上記で得た固体成分を5グラム導入し、さらに(CH
33CSi(CH3)(OCH32を0.81ミリリッ
トル、30℃で2時間接触させた。接触終了後、n−ヘ
プタンで洗浄した。さらに、プロピレンをフローさせて
予備重合を実施し、固体触媒Dを得た。
【0126】[実施例1〜7、比較例1,2及び4]ポリマーの製造 内容積270リットルの撹拌式連続バルク重合装置を使
用して行った。該重合装置に液状プロピレン、エチレ
ン、水素、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)の
ヘキサン希釈溶液および炭化水素溶媒にて希釈した触媒
スラリーを連続的に供給し、内温を所定の温度に保持し
た。プロピレン、エチレンおよび水素の供給量比を変化
させ、所定のインデックスのプロピレン・エチレンラン
ダム共重合を実施し、反応器より定期的にポリマースラ
リー抜き出し、残存モノマーとの分離、乾燥工程により
プロピレン・エチレンランダム共重合体を製造した。ポ
リマーの重合条件および物性値を表1に示す。
【0127】[比較例3]ポリマーの製造 内容積200リットルの撹拌式オートクレーブ内をプロ
ピレンで十分に置換した後、精製したn−ヘプタン60
リットルを導入し、これにトリエチルアルミニウム15
g、上述の固体触媒1.8g(予備重合ポリマーを除い
た量として)を55℃でプロピレン雰囲気下で導入し
た。さらに気相部水素濃度を5.5容量%に保ちながら
プロピレンを5.8kg/時間のフィード速度で導入
し、さらにエチレンを136g/時間の速度で導入し、
さらに1−ブテンを重合開始270分後まで491g/
時間のフィード速度で導入して6時間重合を実施した。
その後、全モノマーの供給を停止し1時間重合を継続し
た。その後、ブタノールにより触媒を分解し、生成物の
ろ過、乾燥を行って、表1に示すようなプロピレン・エ
チレン・1−ブテンランダム共重合体27.5kgを得
た。プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合
体の評価結果は表1の通りであった。
【0128】[ポリマー組成物の製造]上記の方法で得
られたプロピレン・エチレンランダム共重合体、又はプ
ロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体10
0重量部に対し、酸化防止剤としてイルガノックス10
10(テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン)を0.05重量部、イルガホス168(ト
リス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイ
ト)を0.05重量部、中和剤としてステアリン酸カル
シウムを0.05重量部、アンチブロッキング剤として
サイリシア550(合成シリカ)を0.15重量部、滑
剤としてエルカ酸アミドを0.05重量部添加したもの
をヘンシェルミキサーで750rpmで1分間室温で高
速混合した後、二軸押出機(池貝PCM30)により2
30℃で溶融、混練して冷却、カットしてペレット状樹
脂組成物を得た。
【0129】[フィルムの製造]上記の方法で得られた
樹脂組成物を原料とし、口径35mmφの押出機、幅3
00mmTダイ、エアナイフおよび冷却ロールを具備し
たTダイ法フィルム製造装置を用いて、押出樹脂温度2
20℃、冷却ロール温度35℃の条件において、製膜引
取速度21m/minで成形して、厚さ25μmの未延
伸フィルムを得た。
【0130】[フィルムの物性評価]上記の方法で得ら
れたフィルムの各種物性を測定した。実施例の結果を表
2に、比較例の結果を表3にまとめた。
【0131】
【表1】
【0132】
【表2】
【0133】
【表3】
【0134】表2及び表3の比較から次の事項が明らか
である。即ち、本発明のプロピレン共重合体は、公知の
伝統的なチーグラー触媒(比較例3)やメタロセン触媒
による比較例1,2のポリマーに対し、透明性やヒート
シール性等のフィルム基礎物性を維持し、メタロセン触
媒によるポリマーとして公知の特性であるヤング率が高
いことに加え、さらに、パンクチャーインパクトで示さ
れる耐衝撃性に優れた性能を示す。物性の比較は、融点
(Tm)を同一レベルに合わせて、例えば、実施例1と
比較例1の間、実施例2と比較例2,3の間などで行う
のが適当である。
【0135】
【発明の効果】本発明のプロピレン系共重合体は、アイ
ソタクチックトリアッド分率(mm分率)が高く、組成
分布が狭く、特定の溶融粘弾性挙動を示す。剛性、表面
硬度、耐熱性、透明性、ヒートシール性、ガスバリア
性、発煙性に優れると共に、耐ブロッキング性、耐ブリ
ードアウト性、耐衝撃強度などのバランスが優れてお
り、特に、フィルムやシート、容器などに好適に使用で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粘弾性の測定グラフの一例(実施例1に対応)
である。横軸は角周波数、縦軸は粘弾性(G’、G”。
単位パスカル)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 康則 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社材料開発センター内 (72)発明者 桑原 明 三重県四日市市東邦町1番地 株式会社シ ーエーシーズ株式会社四日市分析センター (72)発明者 河岸 健二 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社触媒開発センター内 (72)発明者 茂木 学 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社触媒開発センター内 Fターム(参考) 4J100 AA02Q AA03P CA04 CA25 DA22 DA24 DA40 DA41 DA42 DA49 DA52 DA62 FA10 FA18

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の条件(a)〜(f)を充足すること
    を特徴とする、プロピレンランダム共重合体。 (a)プロピレン単位を90〜99.5モル%、エチレ
    ン単位を0.5〜10モル%含んでなり、(b)頭−尾
    結合からなるプロピレン単位連鎖部の、13C−NMRで
    測定したアイソタクチックトリアッド分率(mm分率)
    が97%以上、(c)溶融粘弾性測定により求めたポリ
    分散指数(PI)が2.6〜5、(d)メルトフローレ
    ート(MFR)が0.05〜30g/10分、(e)融
    点(Tm)が110〜155℃の範囲であり、23℃キ
    シレン可溶分量(CXS)と融点(Tm)の関係が、下
    記式(1)を満たし、式(1) CXS(重量%) ≦ −0.05Tm+7.76 (但し、125℃≦Tm≦155℃の場合) CXS(重量%) ≦ 0.0294(Tm)2−7.
    51Tm+480.9 (但し、110℃≦Tm<125℃の場合) (f)平均溶出温度(T50)が50〜100℃の範囲に
    あり、溶出分散度(σ)が7以下であること。
  2. 【請求項2】13C−NMRで測定した、下記式(2)で
    示される特定連鎖様式(α)が50未満であることを特
    徴とする、請求項1記載のプロピレンランダム共重合
    体。 式(2) α ={[2,1]・E/(エチレンのモル含率)}/
    {[2,1]・P/(プロピレンのモル含率} (ここで、[2,1]・Eは、全モノマーに対する、プ
    ロピレンが2,1−挿入した後にエチレンが挿入した構
    造に基づく位置不規則単位の割合を、また、[2,1]
    ・Pは、全モノマーに対する、プロピレンが2,1−挿
    入した後にプロピレンが挿入した構造に基づく位置不規
    則単位の割合を示す。)
JP2002158793A 2001-06-20 2002-05-31 プロピレンランダム共重合体 Pending JP2003073426A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002158793A JP2003073426A (ja) 2001-06-20 2002-05-31 プロピレンランダム共重合体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-186245 2001-06-20
JP2001186245 2001-06-20
JP2002158793A JP2003073426A (ja) 2001-06-20 2002-05-31 プロピレンランダム共重合体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003073426A true JP2003073426A (ja) 2003-03-12

Family

ID=26617255

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002158793A Pending JP2003073426A (ja) 2001-06-20 2002-05-31 プロピレンランダム共重合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003073426A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003096126A (ja) * 2001-09-26 2003-04-03 Japan Polychem Corp プロピレン重合用触媒及びそれを用いたプロピレン系重合体の製造方法
JP2006169296A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Asahi Denka Kogyo Kk プロピレン共重合体組成物
WO2006113132A1 (en) * 2005-04-14 2006-10-26 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Transparent polyolefin compositions
JP2007261211A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Japan Polypropylene Corp プロピレン系共重合体又はその組成物を用いた接着性樹脂積層体
JP2009507099A (ja) * 2005-09-02 2009-02-19 トータル・ペトロケミカルズ・リサーチ・フエリユイ 単一反応装置で製造した耐衝撃性コポリマー
JP2015207561A (ja) * 2015-06-11 2015-11-19 大日本印刷株式会社 電池用包装材料のシーラント層用の樹脂組成物
JP2017107861A (ja) * 2017-01-04 2017-06-15 大日本印刷株式会社 電池用包装材料のシーラント層用の樹脂組成物
US10818891B2 (en) 2013-09-03 2020-10-27 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Resin composition for sealant layer of battery packaging material
WO2020239583A1 (en) * 2019-05-29 2020-12-03 Borealis Ag C2c3 random copolymer
CN112135877A (zh) * 2018-06-29 2020-12-25 博里利斯股份公司 C2c3无规共聚物组合物
RU2810068C2 (ru) * 2019-05-29 2023-12-21 Бореалис Аг C2C3 статистический сополимер

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003096126A (ja) * 2001-09-26 2003-04-03 Japan Polychem Corp プロピレン重合用触媒及びそれを用いたプロピレン系重合体の製造方法
JP2006169296A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Asahi Denka Kogyo Kk プロピレン共重合体組成物
WO2006113132A1 (en) * 2005-04-14 2006-10-26 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Transparent polyolefin compositions
JP2009507099A (ja) * 2005-09-02 2009-02-19 トータル・ペトロケミカルズ・リサーチ・フエリユイ 単一反応装置で製造した耐衝撃性コポリマー
JP2007261211A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Japan Polypropylene Corp プロピレン系共重合体又はその組成物を用いた接着性樹脂積層体
US10818891B2 (en) 2013-09-03 2020-10-27 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Resin composition for sealant layer of battery packaging material
JP2015207561A (ja) * 2015-06-11 2015-11-19 大日本印刷株式会社 電池用包装材料のシーラント層用の樹脂組成物
JP2017107861A (ja) * 2017-01-04 2017-06-15 大日本印刷株式会社 電池用包装材料のシーラント層用の樹脂組成物
CN112135877A (zh) * 2018-06-29 2020-12-25 博里利斯股份公司 C2c3无规共聚物组合物
US20210214478A1 (en) * 2018-06-29 2021-07-15 Borealis Ag C2C3 Random Copolymer Composition
CN112135877B (zh) * 2018-06-29 2023-05-16 博里利斯股份公司 C2c3无规共聚物组合物
US11680118B2 (en) 2018-06-29 2023-06-20 Borealis Ag C2C3 random copolymer composition
EP3814421B1 (en) * 2018-06-29 2023-12-20 Borealis AG C2c3 random copolymer composition
WO2020239583A1 (en) * 2019-05-29 2020-12-03 Borealis Ag C2c3 random copolymer
RU2810068C2 (ru) * 2019-05-29 2023-12-21 Бореалис Аг C2C3 статистический сополимер

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5256115B2 (ja) メタロセン化合物を用いたプロピレン系重合体の製造方法
JP5456343B2 (ja) メタロセン錯体およびそれを含むオレフィン重合用触媒
JP5555785B2 (ja) プロピレン系重合体
JP5121108B2 (ja) 二軸延伸ポリプロピレンフィルム製造用の半結晶性プロピレンポリマー組成物
JP4423192B2 (ja) 高い透明性を有する柔軟なプロピレンコポリマー組成物
JP2013127083A (ja) エチレン・α−オレフィン共重合体及びそれからなるフィルム
JP5140625B2 (ja) プロピレン系樹脂組成物及びそれを用いた食品容器、医療部材
JPH11302470A (ja) プロピレン系樹脂フィルム
JP2009114404A (ja) プロピレン系重合体及びその製造方法
JPH10180964A (ja) 二軸延伸複層フィルム
JP2003073426A (ja) プロピレンランダム共重合体
JP6213176B2 (ja) 押出しラミネート用ポリプロピレン系樹脂組成物および積層体
JP2021152155A (ja) オレフィン重合用担持系触媒、及び、当該オレフィン重合用担持系触媒を用いたプロピレン系重合体の製造方法
JP6213180B2 (ja) 押出しラミネート用ポリプロピレン系樹脂組成物および積層体
JP2001288220A (ja) プロピレン系重合体およびその製造方法
JP5201944B2 (ja) 熱可塑性樹脂重合粒子
JP5210601B2 (ja) プロピレン系樹脂組成物
JP4865301B2 (ja) プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体の製造方法
JP3644113B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物及び成形品
JPH10245418A (ja) オレフィン重合体の製造方法
WO2023026838A1 (ja) 分岐状プロピレン系重合体
JP5033613B2 (ja) オレフィン共重合体、その製造方法およびその共重合体の変性方法
JP2002284817A (ja) プロピレン系重合体
JP3689208B2 (ja) エチレン−α−オレフィン共重合体
JP5201943B2 (ja) 熱可塑性樹脂重合粒子

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20040706

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061010

A02 Decision of refusal

Effective date: 20070220

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02