JP2003096126A - プロピレン重合用触媒及びそれを用いたプロピレン系重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレン重合用触媒及びそれを用いたプロピレン系重合体の製造方法

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JP2003096126A
JP2003096126A JP2001293434A JP2001293434A JP2003096126A JP 2003096126 A JP2003096126 A JP 2003096126A JP 2001293434 A JP2001293434 A JP 2001293434A JP 2001293434 A JP2001293434 A JP 2001293434A JP 2003096126 A JP2003096126 A JP 2003096126A
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propylene
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Shuichi Torio
秀一 鳥生
Hidefumi Uchino
英史 内野
Takao Tayano
孝夫 田谷野
Manabu Mogi
学 茂木
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Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】下記の成分[A−1]、成分[A−2]、
成分[B]及び必要に応じて使用される成分[C]から
成るプロピレン重合用メタロセン触媒。 成分[A−1]:一般式(Ia)で表される遷移金属化
合物 成分[A−2]:一般式(Ia)で表される遷移金属化
合物(但し、[A−1]の遷移金属とは異なる遷移金属
を含むメタロセン化合物) 成分[B]:イオン交換性層状ケイ酸塩 成分[C]:有機アルミニウム化合物 【効果】低分子量成分が少なく、分子量分布が比較的広
く制御されたオレフィン重合体が得られる。メタロセン
を単独で使用する場合に比べて、流動性、付着性、嵩密
度等の粒子性状に優れたプロピレン系重合体を効率よく
製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピレン重合用
触媒及びそれを用いたプロピレン系重合体の製造方法に
関するものである。詳しくは、低分子量成分が少なく、
分子量分布が比較的広く制御されたプロピレン重合体で
あり、且つ、流動性、付着性、嵩密度等の粒子性状に優
れたポリマーを高い重合活性で重合しうるプロピレン重
合用触媒、及びこの触媒を用いたプロピレン系重合体の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】少量のエチレン単位を含むプロピレン・
エチレンランダム共重合体は、透明性、剛性、表面硬
度、耐熱性、ヒートシール性に優れているため、フィル
ムや容器などの種々の用途に用いられている。しかしな
がら、現在工業的に使用されているプロピレン・エチレ
ンランダム共重合体は、伝統的なチーグラー・ナッタ触
媒を使用しており、共重合性が異なるマルチサイトから
生成するポリマーであるため、十分な低融点のポリマー
製造が工業的に困難であり、用途によってはヒートシー
ル性、耐ブロッキング性、剛性などが必ずしも充分では
なかった。
【0003】それらの課題を解決するため、ジルコニウ
ム化合物あるいはハフニウム化合物およびアルミノキサ
ン、ホウ素化合物、イオン交換性層状ケイ酸塩から成る
触媒を利用して得られたプロピレンランダム共重合体に
関する改良案が提案されている。特開昭60−3500
8には、少なくとも2種のメタロセンとアルミノオキサ
ンを含む触媒系を用いることにより、巾広い分子量分布
を有するポリエチレンまたはエチレンと炭素数3〜10
のα−オレフィンの共重合体が製造されることが記載さ
れている。同公報には上記共重合体が分子量分布Mw/
Mn=2〜50を有することが記載されている。また、
特開昭61−130314には、立体的に固定したジル
コン−キレート化合物とアルミノオキサンからなる触媒
系の存在下にプロピレンを重合するとアイソタクチック
度の高いポリプロピレンが得られ、その分子量分布(M
w/Mn)は1.6〜2.6と狭いことが記載されてい
る。
【0004】さらに、J.Am.Chem.Soc.,109,6544(1987)
には、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリ
ドまたはその水素化物とアルミノオキサンからなる触媒
系の存在下にプロピレンを重合すると、高分子量のアイ
ソタクチックポリプロピレンが生成し、その分子量分布
(Mw/Mn)は2.1〜2.4と狭いことが記載され
ている。一方、Makromol.Chem.,Rapid Commun.8,305(19
87)には、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジ
ルコニウムジクロリドとアルミノオキサンからなる触媒
系の存在下にプロピレンを重合すると、Mw/Mnが
5.8であるアイソタクチックポリプロピレンが得ら
れ、そのヘプタン不溶部が融点160℃を示すことが記
載されている。
【0005】また、特開平2−173014〜1730
16には、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジク
ロリドとアルミノオキサンからなる触媒系の存在下にプ
ロピレンと少量のエチレンあるいは/及び1−ブテンを
重合し、得られるポリマーはヒートシール性、ブロッキ
ング性に優れた特徴のプロピレンランダム共重合体を提
案している。これらの分子量分布(Mw/Mn)は2.
3〜2.4と狭いことが記載されている。さらに、特開
平7−145212、特開平7−149832、特開平
7−138326、特開平8−73532、特開平7−
149833、特開平7−196734、特開表8−5
10492等で、コモノマーに主としてエチレンを使用
した、あるいはさらに高級α−オレフィンを使用したプ
ロピレンランダム共重合体が提案されている。これらの
分子量分布(Mw/Mn)も2.0〜2.6と狭いこと
が記載されている。
【0006】また、特開平9−110934で、ジメチ
ルシリレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエ
ニル)(2’,4’,5’−トリメチルシクロペンタジ
エニル)ハフニウムジクロライドのラセミ体とメソ体の
混合物とメチルアルミノキサンにより、プロピレンとエ
チレンのランダム共重合体を製造し、ヒートシール温度
の改良を提案している。これらの分子量分布(Mw/M
n)は、2.2〜2.8と狭いことが記載されている。
一方、ポリプロピレンにおいて分子量分布を広げた例と
しては、特開平2−255812等で、エチレンビスイ
ンデニルハフニウムジクロリドと少量のエチレンビスイ
ンデニルジルコニウムジクロリドの混入した錯体とメチ
ルアルミノキサンから成る触媒により、分子量分布が
4.8〜6.3のポリプロピレンが得られることが記載
されている。
【0007】さらに、特開平5−112683等では、
メタロセン触媒によるプロピレンランダム共重合体と伝
統的なチーグラー・ナッタ触媒によるプロピレンランダ
ム共重合体とをブレンドした組成物による、低温ヒート
シール性およびブロッキング性の改良が提案されてい
る。また、特開平2−247207では、中心金属がハ
フニウムであるメタロセン錯体とメチルアルミノキサン
を使用して、プロピレンに対するコモノマー(エチレ
ン)を重合中に経時的に変化させることにより、分子量
分布が、4.2〜5.5のプロピレン−エチレンコポリ
マー、あるいは、プロピレン−エチレン−ブテン−ター
ポリマーが得られることが記載されている。
【0008】しかしながら、これまで提案されているの
プロピレン−エチレンランダム共重合体は、用途によっ
てはヒートシール性、耐ブロッキング性、透明性、耐衝
撃強度、耐ブリードアウト性のバランスが必ずしも充分
ではなかった。このため、剛性、表面硬度、耐熱性、透
明性、ヒートシール性、ガスバリア性、発煙性に優れる
と共に、耐ブロッキング性、耐ブリードアウト性、耐衝
撃強度などのバランスが優れたプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体の出現が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこのよう
な状況に鑑みて検討した結果、特定の構造を有する2種
類のメタロセン化合物をイオン交換性層状珪酸塩と組み
合わせて得られるプロピレン重合用触媒を用いると、低
分子量成分が少なく、分子量分布が比較的広く制御され
たプロピレン重合体が得られることを見出した。更に流
動性、付着性、嵩密度等の粒子性状に優れたプロピレン
ランダム共重合体を高い重合活性で重合しうる効果を見
出した。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、低分子量成分
が少なく、分子量分布が比較的広く制御されたプロピレ
ン重合体を、流動性、付着性、嵩密度等の粒子性状に優
れ、高い重合活性で重合しうるオレフィン重合用触媒、
及びこの触媒を用いたプロピレンの重合方法を提供する
ことを目的としている。本発明の触媒は特にプロピレン
・エチレンランダム共重合体の製造に有効なものであ
る。
【0011】すなわち本発明は、下記の成分[A−
1]、成分[A−2]、成分[B]および必要に応じて
使用される成分[C]から成るプロピレン重合用触媒に
関する。 成分[A−1]:後述する一般式(Ia)で表される遷
移金属化合物 成分[A−2]:一般式(Ia)で表される化合物であ
って、Mが[A−1]中のMと異なる遷移金属化合物 成分[B]:イオン交換性層状ケイ酸塩 成分[C]:有機アルミニウム
【0012】
【発明の実施の形態】<触媒を構成する各成分> 成分[A−1] 本発明の遷移金属化合物である成分[A−1]は、下記
一般式(Ia)で表される化合物である。
【0013】
【化4】
【0014】[一般式(Ia)中、R1、R2、R4及び
5は、それぞれ独立して、水素、炭素数1〜6の炭化
水素基、炭素数1〜7のケイ素含有炭化水素基または炭
素数1〜6のハロゲン化炭化水素基を表し; R3及び
6は、それぞれ独立して、炭素数3〜10の飽和また
は不飽和の2価の炭化水素基を表し; R41及びR
42は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基
または炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基を表し;
j、k、m及びnは、0≦j+m≦20及び0≦k+
n≦20の関係を満たす負でない整数(ただし、m及び
nが同時に0になることがなく、jまたはkが2以上の
場合、R41同士またはR42同士が任意の位置で結合して
環構造を形成していてもよい。)を表し; Qは、2つ
の5員環を架橋する2価の基を表し; X及びYは、そ
れぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭
化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基、炭
素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20
の酸素含有炭化水素基、アミノ基または炭素数1〜20
の窒素含有炭化水素基を表し; Mは、周期表第4族の
遷移金属を表し; R7及びR8は、それぞれ独立して、
下記一般式(Ib)
【0015】
【化5】
【0016】{一般式(Ib)中、R9、R10、R11
12及びR13は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、
炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜7のケイ素含有
炭化水素基または炭素数1〜6のハロゲン化炭化水素基
を表し、R10、R11及びR12のうち炭化水素基またはハ
ロゲン化炭化水素基が2つ以上の場合には、これらが任
意の位置で結合し、環構造を形成していてもよい}で表
される基であり、かつ、R7またはR8のうち少なくとも
1つは4位置換基である。]
【0017】本発明の遷移金属化合物は、置換基R1
2及びR3を有する5員環配位子と、置換基R4、R5
びR6を有する5員環配位子とが、Qを介して相対位置
の観点において、M、X及びYを含む平面に関して非対
称である化合物(イ)及び対称である化合物(ロ)を含
む。ただし、高分子量かつ高立体規則性のプロピレン重
合体の製造を行うためには、上記の化合物(a)、つま
り、M、X及びYを含む平面を挟んで対向する2個の5
員環配位子が当該平面に関して実像と鏡像の関係にない
化合物を使用するのが好ましい。
【0018】一般式(Ia)中、R1、R2、R4及びR5
は、それぞれ独立して、水素(以下、化合物の命名にお
いて「水素」は水素原子を意味する。ハロゲン、塩素等
も同様である。)、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数
1〜7のケイ素含有炭化水素基または炭素数1〜6のハ
ロゲン化炭化水素基を示す。上記の炭素数1〜6の炭化
水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピ
ル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチ
ル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロ
プロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のアルキ
ル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニル等のアル
ケニル基の他、フェニル基などが挙げられる。
【0019】上記の炭素数1〜7のケイ素含有炭化水素
基の具体例としては、トリメチルシリル、トリエチルシ
リル、t−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリ
ル基、ビス(トリメチルシリル)メチル等のアルキルシ
リルアルキル基などが挙げられる。
【0020】上記の炭素数1〜6のハロゲン化炭化水素
基において、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素が挙げられる。そして、上記のハロゲン化炭化水
素基は、ハロゲンが例えばフッ素の場合、フッ素が上記
の炭化水素基の任意の位置に置換した化合物である。そ
の具体例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチ
ル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチ
ル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチ
ル、トリブロモメチル、ヨードメチル、2,2,2−ト
リフルオロエチル、2,2,1,1−テトラフルオロエ
チル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、ペ
ンタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、トリフル
オロビニル、2−、3−、4−フルオロフェニル、2
−、3−、4−クロロフェニル、2−、3−、4−ブロ
モフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−
ジフルオロフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、
2,5−ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロ
フェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタフ
ルオロフェニル、ペンタクロロフェニルなどが挙げられ
る。 これらの中では、R1及びR4としては、メチル、
エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜6の炭化水素
基が好ましく、R2及びR5としては水素が好ましい。
【0021】一般式(Ia)中、R3及びR6は、それぞ
れ独立して、それが結合する5員環に対して縮合環を形
成する炭素数3〜10の飽和または不飽和の2価の炭化
水素基を示す。従って、当該縮合環は5〜12員環であ
る。この際、当該縮合環の両方が6〜10員環であるこ
とが好ましい。
【0022】上記のR3及びR6の具体例としては、トリ
メチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメ
チレン等の2価の飽和炭化水素基、プロペニレン、2−
ブテニレン、1,3−ブタジエニレン、1−ペンテニレ
ン、2−ペンテニレン、1,3−ペンタジエニレン、
1,4−ペンタジエニレン、1−ヘキセニレン、2−ヘ
キセニレン、3−ヘキセニレン、1,3−ヘキサジエニ
レン、1,4−ヘキサジエニレン、1,5−ヘキサジエ
ニレン、2,4−ヘキサジエニレン、2,5−ヘキサジ
エニレン、1,3,5−ヘキサトリエニレン等の2価の
不飽和炭化水素基などが挙げられる。これらのうち、テ
トラメチレン基、1,3−ブタジエニレン基、ペンタメ
チレン基、1,3−ペンタジエニレン基、1,4−ペン
タジエニレン基または1,3,5−ヘキサトリエニレン
基が好ましく、テトラメチレン基、1,3−ブタジエニ
レン基、ペンタメチレン基、1,3−ペンタジエニレン
基または1,4−ペンタジエニレン基が更に好ましく、
ペンタメチレン基、1,3−ペンタジエニレン基が特に
好ましい。
【0023】一般式(Ia)中、R41及びR42は、それ
ぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1
〜20のハロゲン化炭化水素基を示す。上記の炭素数1
〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル、エチ
ル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブ
チル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘ
キシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、メチルシクロヘキシル等のアルキル基、ビニル、
プロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基、ベン
ジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のアリール
アルキル基、trans−スチリル等のアリールアルケ
ニル基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、エチル
フェニル、トリメチルフェニル、1−ナフチル、2−ナ
フチル、アセナフチル、フェナントリル、アントリル等
のアリール基などが挙げられる。
【0024】上記の炭素数1〜20のハロゲン化炭化水
素基において、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられる。そして、上記のハロゲン化炭
化水素基は、ハロゲンが例えばフッ素の場合、フッ素が
上記の炭化水素基の任意の位置に置換した化合物であ
る。その具体例としては、フルオロメチル、ジフルオロ
メチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロ
メチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメ
チル、トリブロモメチル、ヨードメチル、2,2,2−
トリフルオロエチル、2,2,1,1−テトラフルオロ
エチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、
ペンタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、トリフ
ルオロビニル、1,1−ジフルオロベンジル、1,1,
2,2−テトラフルオロフェニルエチル、2−、3−、
4−フルオロフェニル、2−、3−、4−クロロフェニ
ル、2−、3−、4−ブロモフェニル、2,4−、3,
5−、2,6−、2,5−ジフルオロフェニル、2,4
−、3,5−、2,6−、2,5−ジクロロフェニル、
2,4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリ
クロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロ
ロフェニル、4−フルオロナフチル、4−クロロナフチ
ル、2,4−ジフルオロナフチル、ヘプタフルオロ−1
−ナフチル、ヘプタクロロ−1−ナフチル、2−、3
−、4−トリフルオロメチルフェニル、2−、3−、4
−トリクロロメチルフェニル、2,4−、3,5−、
2,6−、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニ
ル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ビス(ト
リクロロメチル)フェニル、2,4,6−トリス(トリ
フルオロメチル)フェニル、4−トリフルオロメチルナ
フチル、4−トリクロロメチルナフチル、2,4−ビス
(トリフルオロメチル)ナフチル基などが挙げられる。
【0025】一般式(Ia)中、R7およびR8は、それ
ぞれ独立して、下記一般式(Ib)で表される。ただ
し、R7またはR8のうち少なくとも1つは共役5員環お
よびR 3またはR6とから形成される環状骨格の4位置換
基である。
【0026】
【化6】
【0027】一般式(Ib)中、R9、R10、R11、R
12及びR13は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭
素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜7のケイ素含有炭
化水素基または炭素数1〜6のハロゲン化炭化水素基、
炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基または
炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基を示す。上記の炭
素数1〜6の炭化水素基の具体例としては、メチル、エ
チル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−
ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−
ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル等のアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロヘ
キセニル等のアルケニル基の他、フェニル基などが挙げ
られる。
【0028】上記の炭素数1〜7のケイ素含有炭化水素
基の具体例としては、トリメチルシリル、トリエチルシ
リル、t−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリ
ル基、ビス(トリメチルシリル)メチル等のアルキルシ
リルアルキル基などが挙げられる。上記の炭素数1〜6
のハロゲン化炭化水素基において、ハロゲンとしては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。そして、上
記のハロゲン化炭化水素基は、ハロゲンが例えばフッ素
の場合、フッ素が上記の炭化水素基の任意の位置に置換
した化合物である。その具体例としては、フルオロメチ
ル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメ
チル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチ
ル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ヨードメチ
ル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,1,1
−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ペン
タクロロエチル、ペンタフルオロプロピル、ノナフルオ
ロブチル、トリフルオロビニル、2−、3−、4−フル
オロフェニル、2−、3−、4−クロロフェニル、2
−、3−、4−ブロモフェニル、2,4−、3,5−、
2,6−、2,5−ジフルオロフェニル、2,4−、
3,5−、2,6−、2,5−ジクロロフェニル、2,
4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロ
ロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフ
ェニルなどが挙げられる。
【0029】上記の炭素数1〜20の酸素含有炭化水素
基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、シクロプロポキシ、ブトキシ等のアルコキシ基、フ
ェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナ
フトキシ等のアリロキシ基、フェニルメトキシ、ナフチ
ルメトキシ等のアリールアルコキシ基、フリル基などの
酸素含有複素環基などが挙げられる。上記の炭素数1〜
20の窒素含有炭化水素基の具体例としては、メチルア
ミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ
等のアルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェニルア
ミノ等のアリールアミノ基、(メチル)(フェニル)ア
ミノ等の(アルキル)(アリール)アミノ基、ピラゾリ
ル、インドリル等の窒素含有複素環基などが挙げられ
る。
【0030】R10、R11及びR12は、これらの中では、
水素、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピ
ル、n−ブチル、i−ブチル基等のアルキル基、トリメ
チルシリル、トリエチルシリル等のケイ素含有炭化水素
基、またはフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフ
ルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリク
ロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロ
モメチル、ヨードメチル等のハロゲン化炭化水素基が好
ましく、水素またはメチル基、エチル基、プロピル基、
i−プロピル基等のアルキル基が更に好ましく、水素が
特に好ましい。また、R10、R11及びR12のうち炭化水
素またはハロゲン化炭化水素基が2つ以上の場合には、
これらが任意の位置で結合し、環構造を形成していても
よい。
【0031】R9及びR13は、これらの中では、水素、
メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル、n−
ブチル、i−ブチル基等のアルキル基、トリメチルシリ
ル、トリエチルシリル等のケイ素含有炭化水素基、また
はフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメ
チル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチ
ル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチ
ル、ヨードメチル等のハロゲン化炭化水素基が好まし
く、水素またはメチル基、エチル基、プロピル基、i−
プロピル基等のアルキル基が更に好ましく、水素または
メチル基が特に好ましい。特に、成分[A−1]の一般式
(Ib)において、R9及びR13のいずれもが水素であ
ることが好ましい。この場合、後述する成分[A−2]の
一般式(Ib)において、R9及びR13の少なくとも一
方は、ハロゲン、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1
〜7のケイ素含有炭化水素基または炭素数1〜6のハロ
ゲン化炭化水素基であることが好ましい。また、成分
[A−1]の一般式(Ib)において、R9及びR13のい
ずれもが水素であり、且つ、後述する成分[A−2]の一
般式(Ib)において、R9及びR1 3のいずれか一方、
もしくは両方がメチル基であることが好ましい。
【0032】一般式(Ia)中、j、k、m及びnは、
0≦j+m≦20及び0≦k+n≦20の関係を満たす
負でない整数である。j、m、k及び/又はnが2以上
の整数の場合は、複数の基R7及び/又はR41(R8及び
/又はR42)は、互いに同一でも異なっていても構わな
い。また、j及び/又はkが2以上の場合、それぞれ、
41同士及び/又はR42同士が連結して新たな環構造を
形成していてもよい。R7及びR8のR3及びR6に対する
結合位置は特に制限されないが、それぞれの5員環に隣
接する炭素(α位の炭素)であることが好ましい。
【0033】一般式(Ia)中、Qは、二つの5員環を
架橋する2価の基を表す。具体的には、炭素数1〜20
の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有
していてもよいシリレン基、オリゴシリレン基、ゲルミ
レン基等を示す。上述のシリレン基、オリゴシリレン基
またはゲルミレン基上に2個の炭化水素基が存在する場
合は、それらが互いに結合して環構造を形成していても
よい。
【0034】上記のQの具体例としては、メチレン、メ
チルメチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、
1,3−トリメチレン、1,4−テトラメチレン、1,
2−シクロへキシレン、1,4−シクロへキシレン等の
アルキレン基;(メチル)(フェニル)メチレン、ジフ
ェニルメチレン等のアリールアルキレン基;シリレン
基;メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリ
レン、ジ(n−プロピル)シリレン、ジ(i−プロピ
ル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン等のアル
キルシリレン基、メチル(フェニル)シリレン、メチル
(トリル)シリレン等の(アルキル)(アリール)シリ
レン基;ジフェニルシリレン等のアリールシリレン基;
テトラメチルジシリレン等のアルキルオリゴシリレン
基;ゲルミレン基;上記の2価の炭素数1〜20の炭化
水素基を有するシリレン基のケイ素をゲルマニウムに置
換したアルキルゲルミレン基;(アルキル)(アリー
ル)ゲルミレン基;アリールゲルミレン基などを挙げる
ことが出来る。これらの中では、炭素数1〜20の炭化
水素基を有するシリレン基、または、炭素数1〜20の
炭化水素基を有するゲルミレン基が好ましく、アルキル
シリレン基、(アルキル)(アリール)シリレン基また
はこれらのケイ素をゲルマニウムに置換したアルキルゲ
ルミレン基;(アルキル)(アリール)ゲルミレン基が
特に好ましい。
【0035】一般式(Ia)中、X及びYは、それぞれ
独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素
基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1
〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20の酸素
含有炭化水素基、アミノ基または炭素数1〜20の窒素
含有炭化水素基を示す。上記のハロゲンとしては、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。上記の炭素数1
〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル、エチ
ル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブ
チル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘ
キシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、メチルシクロヘキシル等のアルキル基、ビニル、
プロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基、ベン
ジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のアリール
アルキル基、trans−スチリル等のアリールアルケ
ニル基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、エチル
フェニル、トリメチルフェニル、1−ナフチル、2−ナ
フチル、アセナフチル、フェナントリル、アントリル等
のアリール基が挙げられる。上記の炭素数1〜20の酸
素含有炭化水素基の具体例としては、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、シクロプロポキシ、ブトキシ等のアル
コキシ基、フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフ
ェノキシ、ナフトキシ等のアリロキシ基、フェニルメト
キシ、ナフチルメトキシ等のアリールアルコキシ基、フ
リル基などの酸素含有複素環基などが挙げられる。上記
の炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基の具体例として
は、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジ
エチルアミノ等のアルキルアミノ基、フェニルアミノ、
ジフェニルアミノ等のアリールアミノ基、(メチル)
(フェニル)アミノ等の(アルキル)(アリール)アミ
ノ基、ピラゾリル、インドリル等の窒素含有複素環基な
どが挙げられる。
【0036】上記の炭素数1〜20のハロゲン化炭化水
素基において、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられる。そして、上記のハロゲン化炭
化水素基は、ハロゲンが例えばフッ素の場合、フッ素が
上記の炭化水素基の任意の位置に置換した化合物であ
る。具体的には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、
トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、
トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、ト
リブロモメチル、ヨードメチル、2,2,2−トリフル
オロエチル、2,2,1,1−テトラフルオロエチル、
ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、ペンタフ
ルオロプロピル、ノナフルオロブチル、トリフルオロビ
ニル、1,1−ジフルオロベンジル、1,1,2,2−
テトラフルオロフェニルエチル、2−、3−、4−フル
オロフェニル、2−、3−、4−クロロフェニル、2
−、3−、4−ブロモフェニル、2,4−、3,5−、
2,6−、2,5−ジフルオロフェニル、2,4−、
3,5−、2,6−、2,5−ジクロロフェニル、2,
4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロ
ロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフ
ェニル、4−フルオロナフチル、4−クロロナフチル、
2,4−ジフルオロナフチル、ヘプタフルオロ−1−ナ
フチル、ヘプタクロロ−1−ナフチル、2−、3−、4
−トリフルオロメチルフェニル、2−、3−、4−トリ
クロロメチルフェニル、2,4−、3,5−、2,6
−、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、
2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ビス(トリク
ロロメチル)フェニル、2,4,6−トリス(トリフル
オロメチル)フェニル、4−トリフルオロメチルナフチ
ル、4−トリクロロメチルナフチル、2,4−ビス(ト
リフルオロメチル)ナフチル基などが挙げられる。上記
の炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基の具体例とし
ては、トリメチルシリルメチル、トリエチルシリルメチ
ル等のトリアルキルシリルメチル基、ジメチルフェニル
シリルメチル、ジエチルフェニルシリルメチル、ジメチ
ルトリルシリルメチル等のジ(アルキル)(アリール)
シリルメチル基などが挙げられる。
【0037】X及びYとしては、水素、ハロゲン、炭素
数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭
化水素基が好ましく、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化
水素基または炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基が更
に好ましく、塩素原子、メチル基、i−ブチル基、フェ
ニル基、ベンジル基、ジメチルアミノ基またはジエチル
アミノ基が特に好ましい。
【0038】一般式(Ia)中、Mは、周期表第4族の
遷移金属を示し、好ましくはジルコニウム、ハフニウ
ム、チタニウムである。本発明の遷移金属化合物は、置
換基ないし結合の様式に関して合目的的な任意の方法に
よって合成することが出来る。代表的な合成経路は次の
反応式に示す通りである。なお、反応式中のH2a及び
2bは、それぞれ、次の様な構造を示す。
【0039】
【化7】
【0040】(上式中、R1、R2、R3、R4、R5
6、R7、R8、R41、R42、及びj、k、m、nは一
般式(Ia)で定義したものと同一である。) H2a+n−C49Li→HRaLi+C4102b+n−C49Li→HRbLi+C410 HRaLi+HRbLi+QCl2→HRa−Q−HRb
2LiCl HRa−Q−HRb+2n−C49Li→LiRa−Q−
LiRb+2C410 LiRa−Q−LiRb+HfCl4→(Ra−Q−Rb
HfCl2+2LiCl
【0041】また、上記のHRaLi及びHRbLiの様
なシクロペンタジエニル化合物の金属塩の生成は、例え
ば、ヨーロッパ特許第697418号公報に記載の様
に、アリール基などの付加反応を伴う様な方法で合成し
てもよい。具体的には、不活性溶媒中、アリールリチウ
ム化合物とアズレン化合物とを反応させてジヒドロアズ
レニル化合物のリチウム塩を生成させる。アリールリチ
ウム化物としては、フェニルリチウム、(メチルフェニ
ル)リチウム、(ジメチルフェニル)リチウム、ナフチ
ルリチウム、等が使用される。また、不活性溶媒として
は、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン又はこれらの混合溶媒などが使
用される。
【0042】次に、上記記載の一般式(Ia)で表され
る本発明遷移金属化合物の好ましい例を説明する。以下
に具体的に化合物名を挙げる。 (1)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−
フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(2)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4、
5−ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(3)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−
(1−ナフチル)インデニル}〕ジルコニウムジクロリ
ド、(4)ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−
4、6−ジイソプロピルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、(5)ジフェニルシリレンビス{1−(2−
メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジク
ロリド、(6)メチルフェニルシリレンビス{1−(2
−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、(7)ジメチルシリレンビス{1−(2−エ
チル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、(8)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル
−4−(1−ナフチル)インデニル}〕ジルコニウムジ
クロリド、(9)ジメチルシリレンビス〔1−{2−エ
チル−4−(9−アントリル)インデニル}〕ジルコニ
ウムジクロリド、(10)ジメチルシリレンビス〔1−
{2−エチル−4−(9−フェナンスリル)インデニ
ル}〕ジルコニウムジクロリド、
【0043】(11)ジメチルシリレン{1−(2−エ
チル−4−フェニルインデニル)}{1−(2−メチル
−4、5−ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(12)ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル
−4−(ペンタフルオロフェニル)インデニル}]ジル
コニウムジクロリド、(13)ジメチルシリレンビス
{1−(2−エチル−4−フェニルー7ーフルオロイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、(14)エチレン
−1、2−ビス{1−(2−メチル−4−フェニルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、(15)エチレン
−1、2−ビス{1−(2−エチル−4−フェニルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、(16)エチレン
−1、2−ビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチ
ル)インデニル}〕ジルコニウムジクロリド、(17)
イソプロピリデンビス{1−(2−メチル−4−フェニ
ルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、(18)エ
チレン−1、2−ビス{1−(2−メチル−4−フェニ
ル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、
(19)エチレン−1、2−ビス{1−(2−エチル−
4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジク
ロリド、(20)エチレン−1、2−ビス〔1−{2−
メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}〕ジルコニ
ウムジクロリド、
【0044】(21)エチレン−1、2−ビス〔1−
{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−ア
ズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(22)イソプ
ロピリデンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4
H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(23)
エチレン−1、2−ビス{1−(2−エチル−4−イン
ドリル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(24)ジメチルゲルミレンビス{1−(2−メチ
ル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(25)ジメチルゲルミレンビス{1−(2−エチ
ル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(26)メチルアルミニウムビス{1−(2−エチ
ル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(27)フェニルホスフィノビス{1−(2−エチ
ル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(28)フェニルアミノビス{1−(2−メチル−
4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド
【0045】また、上述の様な化合物において、一般式
(1a)のX及びY部分に相当する2つの塩素の一方ま
たは両方が、水素、フッ素、臭素、ヨウ素、メチル基、
フェニル基、フルオロフェニル基、ベンジル基、メトキ
シ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などに代わ
った化合物も例示することが出来る。また、先に例示し
た化合物の中心金属(M)がジルコニウムの代わりに、
チタン、ハフニウムに代えた化合物も例示することが出
来る。これらの中では、ジルコニウム又はハフニウムが
特に好ましい。次に、本発明遷移金属化合物のより好ま
しい例について説明する。この化合物は、以下の一般式
(Ic)で表される。
【0046】
【化8】
【0047】一般式(Ic)中、R1、R2、R4、R5
7、R8、Q、M、X及びYは、前述と同じ意味を表
す。R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20
21、R22及びR23は、それぞれ独立して、水素、炭素
数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜20のハロゲ
ン化炭化水素基を示す。R14、R15、R16、R17
18、R 19、R20、R21、R22及びR23としては、全て
水素であることが好ましい。
【0048】本発明の遷移金属化合物の具体例を以下に
示す。なお、その立体構造は本発明でいう非対称性を持
つ化合物(イ)と対称性を持つ化合物(ロ)の双方を意
味する。また、化合物の構造の理解のため、下記の構造
式を示す。
【0049】
【化9】
【0050】この構造式の化合物は、(29)ジクロロ
{1,1’−ジメチルメチレンビス[2−メチル−4−
(2−メチルフェニル)−4H−アズレニル]}ジルコ
ニウムと称する。又は、1,1’−ジメチルメチレンビ
ス[2−メチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−
アズレニル]}ジルコニウムジクロリドと称する。両方
とも当業界で慣用されている命名法である。
【0051】更に以下、一般式(Ic)で表される化合
物名を具体的に挙げる。 (30)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−ア
ズレニル]}ジルコニウム (31)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−n−プロピル−4−(2−メチルフェニル)−4
H−アズレニル]}ジルコニウム (32)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−i−プロピル−4−(2−メチルフェニル)−4
H−アズレニル]}ジルコニウム (33)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−ブチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−ア
ズレニル]}ジルコニウム (34)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−フェニル−4−(2−メチルフェニル)−4H−
アズレニル]}ジルコニウム (35)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−メチル−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4
H−アズレニル]}ジルコニウム (36)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4
H−アズレニル]}ジルコニウム (37)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−n−プロピル−4−(2,6−ジメチルフェニ
ル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (38)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−i−プロピル−4−(2,6−ジメチルフェニ
ル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (39)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−ブチル−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4
H−アズレニル]}ジルコニウム (40)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−フェニル−4−(2,6−ジメチルフェニル)−
4H−アズレニル]}ジルコニウム
【0052】(41)ジクロロ{1、1’−ジメチルメ
チレンビス[2−メチル−4−(2,4,6−トリメチ
ルフェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (42)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2,4,6−トリメチルフェニ)
−4H−アズレニル]}ジルコニウム (43)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−n−プロピル−4−(2,4,6−トリメチルフ
ェニ)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (44)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−i−プロピル−4−(2,4,6−トリメチルフ
ェニ)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (45)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−ブチル−4−(2,4,6−トリメチルフェニ)
−4H−アズレニル]}ジルコニウム (46)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−フェニル−4−(2,4,6−トリメチルフェ
ニ)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (47)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−メチル−4−(2−メチル−4−クロロフェニ
ル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (48)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2−メチル−4−クロロフェニ)
−4H−アズレニル]}ジルコニウム (49)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−メチル−4−(2−メチル−4−フルオロフェニ
ル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (50)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2−メチル−4−フルオロフェ
ニ)−4H−アズレニル]}ジルコニウム
【0053】(51)ジクロロ{1、1’−ジメチルメ
チレンビス[2−メチル−4−(2,6−ジメチル−4
−クロロフェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウ
ム (52)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2,6−ジメチル−4−クロロフ
ェニ)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (53)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−メチル−4−(2,6−ジメチル−4−フルオロ
フェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (54)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2,6−ジメチル−4−フルオロ
フェニ)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (55)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−メチル−4−(2−フルオロフェニル)−4H−
アズレニル]}ジルコニウム (56)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2−フルオロフェニル)−4H−
アズレニル]}ジルコニウム (57)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−メチル−4−(2−クロロフェニル)−4H−ア
ズレニル]}ジルコニウム (58)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2−クロロフェニル)−4H−ア
ズレニル]}ジルコニウム (59)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−メチル−4−(2−エチルフェニル)−4H−ア
ズレニル]}ジルコニウム (60)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2−エチルフェニル)−4H−ア
ズレニル]}ジルコニウム
【0054】(61)ジクロロ{1、1’−ジメチルメ
チレンビス[2−メチル−4−(2,6−ジエチルフェ
ニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (62)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2,6−ジエチルフェニル)−4
H−アズレニル]}ジルコニウム (63)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−メチル−4−(2,4,6−トリエチルフェニ
ル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (64)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2,4,6−トリエチルフェニ)
−4H−アズレニル]}ジルコニウム (65)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−メチル−4−(2−i−プロピルフェニル)−4
H−アズレニル]}ジルコニウム (66)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2−i−プロピルフェニル)−4
H−アズレニル]}ジルコニウム (67)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−メチル−4−(2,6−ジi−プロピルフェニ
ル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (68)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2,6−ジi−プロピルフェニ
ル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (69)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−メチル−4−(2,4,6−トリi−プロピルフ
ェニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (70)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2,4,6−トリi−プロピルフ
ェニ)−4H−アズレニル]}ジルコニウム
【0055】(71)ジクロロ{1、1’−ジメチルメ
チレンビス[2−メチル−4−(2−t−ブチルフェニ
ル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (72)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2−t−ブチルフェニル)−4H
−アズレニル]}ジルコニウム (73)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−メチル−4−(2,6−ジt−ブチルフェニル)
−4H−アズレニル]}ジルコニウム (74)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2,6−ジt−ブチルフェニル)
−4H−アズレニル]}ジルコニウム (75)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−メチル−4−(2,4,6−トリt−ブチルフェ
ニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (76)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2,4,6−トリt−ブチルフェ
ニル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (77)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−メチル−4−(3−メチル−2−ナフチル)−4
H−アズレニル]}ジルコニウム (78)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(3−メチル−2−ナフチル)−4
H−アズレニル]}ジルコニウム (79)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−メチル−4−(2−メチル−4−ビフェニニリ
ル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (80)ジクロロ{1、1’−ジメチルメチレンビス
[2−エチル−4−(2−メチル−4−ビフェニニリ)
−4H−アズレニル]}ジルコニウム
【0056】(81)ジクロロ{1、1’−ジメチルゲ
ルミレンビス[2−メチル−4−(2−メチルフェニ
ル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (82)ジクロロ{1、1’−エチレンビス[2−メチ
ル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニ
ル]}ジルコニウム (83)ジクロロ{1、1’−トリメチレンビス[2−
メチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニ
ル]}ジルコニウム (84)ジクロロ{1、1’−(メチル)(フェニル)
シリレンビス[2−メチル−4−(2−メチルフェニ
ル)−4H−アズレニル]}ジルコニウム (85)ジクロロ{ジメチルシリレン−1−[2−メチ
ル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニル]
−1−[2−メチル−4−(2−メチルフェニル)イン
デニル]}ジルコニウム
【0057】また、上述の様な化合物において、一般式
(Ia)および一般式(Ic)のX及びY部分に相当す
る2つの塩素の一方または両方が、水素、フッ素、臭
素、ヨウ素、メチル基、フェニル基、フルオロフェニル
基、ベンジル基、メトキシ基、ジメチルアミノ基、ジエ
チルアミノ基などに代わった化合物も例示することが出
来る。また、先に例示した化合物の中心金属(M)がジ
ルコニウムの代わりに、チタン、ハフニウムに代えた化
合物も例示することが出来る。これらの中では、ジルコ
ニウム又はハフニウムが特に好ましい。
【0058】成分[A−2] 成分[A−2]は、前述した一般式(Ia)で表される
化合物であって、中心遷移金属元素Mが成分[A−1]
中のMとは異なる錯体である。中心遷移金属元素M以外
の部分は、成分[A−1]と同一でも異なってもよい。
例えば、一般式(Ia)の骨格部分(R3、R6の炭素
数)、骨格上の置換基の数や種類、あるいは架橋基Q
は、同一でも異なっていてもよい。また、XやYは同一
でも異なっていてもよい。また、前述した一般式(I
b)で表される置換基R7やR8のアリール置換基上の置
換基(R9〜R13)が同一でも異なっていてもよい。成
分[A−2]のR1〜R13、R41、R42の例示として
は、成分[A−1]と同様のものが挙げられる。また成
分[A−2]で表される錯体の具体的例としては、成分
[A−1]で示したものと同じものが挙げられる。
【0059】次に、好ましい成分[A−1]と成分[A
−2]の組合せについて述べる。成分[A−1]と成分
[A−2]は、一般式(Ia)で表され、少なくとも中
心遷移金属元素Mが互いに異なっている以外は特に制限
されないが、加重的には、成分[A−1]と成分[A−
2]の少なくとも一方が以下の条件を満たしていること
が好ましい。 一般式(Ia)中、R3、R6が、それぞれ独立し
て、炭素数4または5の飽和または不飽和の二価の炭化
水素基である。 R7またはR8のうち少なくとも1つは、一般式(I
b)で表され、共役5員環およびR3またはR6とから形
成される環状骨格の4位置換基である。
【0060】より好ましくは、成分[A−1]と成分
[A−2]の少なくとも一方が以下の条件を満たしてい
る場合である。 一般式(Ic)で表され、R7またはR8の少なくと
も一つは一般式(Ib)で表される。 一般式(Ib)中、R9およびR13のいずれか一方
がメチル基である。
【0061】成分[A−1]と成分[A−2]の具体的
な好ましい組合せは以下のようになる。 化合物(1)〜(28)から選ばれるいずれかの組
合せであり、且つ、中心遷移金属元素が異なっている。 化合物(29)〜(85)から選ばれるいずれかの
組合せであり、且つ、中心遷移金属元素が異なってい
る。 化合物(1)〜(28)から選ばれるいずれか一つ
と、化合物(29)〜(85)から選ばれるいずれか一
つの組合せであり、且つ、中心遷移金属元素が異なって
いる。 上記に成分[A−1]および成分[A−2]の好ましい
構造および好ましい組合せを記載したが、成分[A−
1]および成分[A−2]は、それぞれ本発明の効果を
損なわない限り、複数使用することも可能である。
【0062】成分[B] 成分[B]は、イオン交換性層状珪酸塩からなる群より
選ばれた少なくとも1種の化合物である。ここで、ルイ
ス酸のあるものは、「成分[A]と反応して成分[A]
をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物」と
して捉えることもできる。従って「ルイス酸」および
「成分[A]と反応して成分[A]をカチオンに変換す
ることが可能なイオン性化合物」の両者に属する化合物
は、いずれか一方に属するものと解することとする。こ
こで、成分[A]とは、成分[A−1]と成分[A−
2]を合わせた総称である。
【0063】本発明において、成分[B]として用いら
れるイオン交換性層状珪酸塩からなる群より選ばれた少
なくとも一種の化合物とは、イオン結合等によって構成
される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶
構造をとる珪酸塩化合物であり、含有するイオンが交換
可能なものを言う。大部分のイオン交換性層状珪酸塩
は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出するが、
これら、イオン交換性層状珪酸塩は特に、天然産のもの
に限らず、人工合成物であってもよい。
【0064】イオン交換性層状珪酸塩の具体例として
は、例えば、白水晴雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(19
95年)、等に記載される公知の層状珪酸塩であって、
ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサ
イト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリン
族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の
蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデラ
イト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ス
チーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト
等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイ
ト、海緑石等の雲母族、アタバルジャイト、セピオライ
ト、バリゴルスカイト、ベントナイト、バイロフィライ
ト、タルク、緑泥石群が挙げられる。これらは混合層を
形成していてもよい。
【0065】これらの中では、モンモリロナイト、ザウ
コナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイ
ト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、
テニオライト等のスメクタイト族、バーミキュライト
族、雲母族が好ましい。
【0066】なお、成分[B]として、窒素吸着法によ
り測定した細孔の直径が10〜1000オングストロ−
ムの細孔容積が、0.1cc/g以上、好ましくは0.
2〜3cc/gのものである。また成分[B]は特に処
理を行うことなくそのまま用いることができるが、成分
[B]に化学処理を施すことも好ましい。ここで化学処
理とは、表面に付着している不純物を除去する表面処理
と粘土の結晶構造に影響を与える処理のいずれをも用い
ることができる。
【0067】具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類
処理、有機物処理等が挙げられる。酸処理は表面の不純
物を取り除く他、結晶構造中のAl、Fe、Mg等の陽
イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。
アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構
造の変化をもたらす。また塩類処理、有機物処理では、
イオン複合体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表
面積や層間距離を変えることが出来る。イオン交換性を
利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオン
と置換することにより、層間が拡大した状態の層状物質
を得ることもできる。
【0068】本発明においては、塩類で処理される前
の、イオン交換性層状珪酸塩の含有する交換可能な1族
金属の陽イオンの40%以上、好ましくは60%以上
を、下記に示す塩類より解離した陽イオンと、イオン交
換することが好ましい。このようなイオン交換を目的と
した塩類処理で用いられる塩類は、2〜14族原子から
成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオ
ンを含有する化合物であり、好ましくは、2〜14族原
子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む
陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸および有機酸から成
る群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンとから成る
化合物である。
【0069】更に好ましくは、2〜14族原子から成る
群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオン
と、Cl、Br、I、F、PO4、SO4、NO3、C
3、C24、ClO4、OOCCH3、CH3COCHC
OCH3、OCl2、O(NO32、O(ClO42、O
(SO4)、OH、O2Cl2、OCl3、OOCH、OO
CCH2CH3、C244およびC557から成る群か
ら選ばれる少なくとも一種の陰イオンとから成る化合物
である。酸処理は表面の不純物を取り除くほか、結晶構
造のAl、Fe、Mg、等の陽イオンの一部または全部
を溶出させることができる。
【0070】酸処理で用いられる酸は、塩酸、硫酸、硝
酸、リン酸、酢酸、シュウ酸から選択され、特に無機酸
が好ましい。処理に用いる塩類および酸は、2種以上で
あってもよい。塩類処理と酸処理を組み合わせる場合に
おいては、塩類処理を行った後、酸処理を行う方法、酸
処理を行った後、塩類処理を行う方法、および塩類処理
と酸処理を同時に行う方法がある。
【0071】また、有機物処理剤を構成する陰イオンと
しては、塩類処理剤を構成する陰イオンとして例示した
陰イオン以外にも、例えばヘキサフルオロフォスフェー
ト、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレート
などが例示されるが、これらに限定されるものではな
い。 アルカリ処理で用いられる処理剤としては、Li
OH、NaOH、KOH、Mg(OH)2、Ca(O
H)2、Sr(OH)2、Ba(OH)2などが例示され
る。
【0072】塩類および酸による処理条件は、特には制
限されないが、通常、塩類および酸濃度は、0.1〜6
0重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は、5分〜
24時間の条件を選択して、イオン交換性層状珪酸塩か
ら成る群より選ばれた少なくとも一種の化合物を構成し
ている物質の少なくとも一部を溶出する条件で行うこと
が好ましい。また、塩類および酸は、一般的には水溶液
で用いられる。
【0073】本発明では、好ましくは上記塩類処理およ
び/または酸処理を行うが、処理前、処理間、処理後に
粉砕や造粒等で形状制御を行ってもよい。また、アルカ
リ処理や有機物処理などの化学処理を併用してもよい。
これらイオン交換性層状珪酸塩には、通常吸着水および
層間水が含まれる。本発明においては、これらの吸着水
および層間水を除去して成分[B]として使用するのが
好ましい。
【0074】ここで吸着水とは、イオン交換性層状珪酸
塩化合物粒子の表面あるいは結晶破面に吸着された水
で、層間水は結晶の層間に存在する水である。本発明で
は、加熱処理によりこれらの吸着水および/または層間
水を除去して使用することができる。以上のように、本
発明において、成分[B]として、特に好ましいもの
は、塩類処理および/または酸処理を行って得られた、
水分含有率が3重量%以下の、イオン交換性層状珪酸塩
である。
【0075】また、成分[B]は、平均粒径が5μm以
上の球状粒子を用いるのが好ましい。より好ましくは、
平均粒径が10μm以上の球状粒子を用いる。更に好ま
しくは平均粒径が10μm以上100μm以下の球状粒
子を用いる。また成分[B]は、粒子の形状が球状であ
れば天然物あるいは市販品をそのまま使用してもよい
し、造粒、分粒、分別等により粒子の形状および粒径を
制御したものを用いてもよい。
【0076】ここで用いられる造粒法は例えば攪拌造粒
法、噴霧造粒法、転動造粒法、プリケッティング、コン
パクティング、押出造粒法、流動層造粒法、乳化造粒
法、液中造粒法、圧縮成型造粒法等が挙げられるが、成
分[B]を造粒することが可能な方法であれば特に限定
されない。造粒法として好ましくは、攪拌造粒法、噴霧
造粒法、転動造粒法、流動層造粒法が挙げられ、特に好
ましくは攪拌造粒法、噴霧造粒法が挙げられる。上記の
ようにして得られた球状粒子は、重合工程での破砕や微
粉の生成を抑制するためには0.2MPa以上、特に好
ましくは0.5MPa以上の圧縮破壊強度を有すること
が望ましい。このような粒子強度の場合には、特に予備
重合を行う場合に、粒子性状改良効果が有効に発揮され
る。
【0077】成分[C]本発明の好ましい重合触媒にお
いて、必要に応じて成分[C]として有機アルミニウム
化合物が用いられる。かかる有機アルミニウムは、一般
式〔II〕 AlRa3-a ・・・・・ 〔II〕 (式中、Rは炭素数1から20の炭化水素基、Pは水
素、ハロゲン、アルコキシ基、aは0<a≦3の数であ
る。)で示される。具体的には、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアル
ミニウムまたはジエチルアルミニウムモノクロライド、
ジエチルアルミニウムモノメトキシド等のハロゲンもし
くはアルコキシ含有アルキルアルミニウムである。ま
た、以上に挙げた有機アルミニウムを混合して使用する
ことも可能である。またこの他、メチルアルミノキサン
等のアルミノキサン類等も使用あるいは併用もできる。
これらのうち特にトリアルキルアルミニウムが好まし
い。
【0078】<触媒の調製/使用>成分[A−1]、成分
[A−2]、成分[B]および必要に応じて成分[C]を接触
させて触媒とする。その接触方法は特に限定されない
が、以下のような順序で接触させることができる。ま
た、この接触は触媒調製時だけでなく、オレフィンによ
る予備重合時、またはオレフィンの重合時に行ってもよ
い。 (1)成分[A−1]と成分[A−2]を接触させた後、成
分[B]を接触させる (2)成分[A−1]と成分[A−2]を接触させた後、成
分[B]を接触させ、次いで成分[C]を添加する (3)成分[A−1]と成分[A−2]を接触させた後、成
分[C]を接触させ、次いで成分[B]を添加する (4)成分[A−1]と成分[B]を接触させた後、成分
[A−2]を添加する (5)成分[A−1]と成分[B]を接触させた後、成分
[A−2]を接触させ、次いで成分[C]を添加する (6)成分[A−1]と成分[B]の接触物に成分[A−2]
と成分[B]の接触物を添加する (7)成分[A−1]と成分[B]の接触物に成分[A−2]
と成分[B]の接触物を添加し、次いで成分[C]を添加す
る (8)成分[A−1]と成分[B]の接触物に成分[A−2]
と成分[B]と成分[C]の接触物を添加する (9)成分[A−1]と成分[B]と成分[C]の接触物に成
分[A−2]と成分[B]と成分[C]の接触物を添加する (10)成分[A−1]と成分[B]と成分[C]の接触物に
成分[A−2]を添加する (11)成分[A−1]と成分[B]の接触物に成分[A−
2]と成分[B]と成分[C]の接触物を添加する (12)成分[A−1]と成分[C]の接触物に成分[A−
2]と成分[C]の接触物を添加し、次いで成分[B]を添
加する (13)成分[A−1]と成分[C]の接触物に成分[A−
2]を添加し、次いで成分[B]を添加する (14)成分[A−2]と成分[C]の接触物に成分[A−
1]を添加し、次いで成分[B]を添加する (15)成分[B]と成分[C]を接触させた後に成分[A
−1]と成分[A−2]を添加する (16)成分[A−1]と成分[A−2]と成分[B]を同時
に接触させる (17)成分[A−1]と成分[A−2]と成分[B]と成分
[C]を同時に接触させる
【0079】成分[A−1]と成分[A−2]のモル比
率([A−1]:[A−2])は、0.1:9.9〜
9.9:0.1の範囲にあり、好ましくは、1:9〜
9:1の範囲にある。また、成分[A−1]と成分[A
−2]は上記接触順序以外にもそれぞれ分割して成分
[B]および必要に応じて成分[C]と接触させても構わな
い。
【0080】この触媒各成分の接触に際し、または接触
の後にポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリ
カ、アルミナ等の無機酸化物の固体を共存させ、あるい
は接触させてもよい。接触は窒素等の不活性ガス中、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の
不活性炭化水素溶媒中で行ってもよい。接触温度は、−
20℃〜溶媒の沸点の間で行い、特に室温から溶媒の沸
点の間で行うのが好ましい。
【0081】本発明で使用する成分[A]、成分[B]
の使用量は本発明の効果を損なわない範囲において、任
意であるが、一般的に成分[B]として何を選択するの
かで好ましい使用量の範囲が異なる。成分[B]を使用
する場合、成分[B]1gあたり成分[A]0.001
〜10mmol、好ましくは0.001〜5mmolで
あり、成分[C]が0.01〜10000mmol、好
ましくは0.1〜100mmolである。また、成分
[A]中の遷移金属と成分[C]中のアルミニウム原子
比が1:0.01〜1000000、好ましくは0.1
〜100000である。
【0082】このようにして得られた触媒は、調製後に
不活性溶媒、特に炭化水素、例えばヘキサン、ヘプタン
などで洗浄せずに用いてもよく、また該溶媒を使用して
洗浄した後に用いてもよい。また、必要に応じて新たに
前記成分[C]を組み合わせて用いてもよい。この際に
用いられる成分[C]の量は、成分[A]中の遷移金属
に対する成分[C]中のアルミニウムの原子比で1:0
〜10000になるように選ばれる。
【0083】<予備的重合 >重合の前に、エチレン、
プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテ
ン、ビニルシクロアルカン、スチレン等のオレフィンを
予備的に重合させ、必要に応じて洗浄したものを触媒と
して用いることもできる。この予備的な重合は、不活性
溶媒中で穏和な条件で行うことが好ましく、固体触媒1
gあたり、0.01〜1000g、好ましくは0.1〜
100gの重合体が生成するように行うことが望まし
い。重合反応は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、トルエン、シクロヘキサン等の不活性炭化水素や液
化α−オレフィン等の溶媒存在下、あるいは不存在下に
行われる。温度は−50〜250℃であり、圧力は特に
制限されないが、好ましくは常圧〜約2000kg・f
/cm2 の範囲である。
【0084】<オレフィンの重合(本重合)>重合に用
いられるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、
1-ブテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、3−メチル−1
−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、
ビニルシクロアルカン、スチレン、ジビニルベンゼンあ
るいはこれらの誘導体等が挙げられる。また、重合は単
独重合であっても、共重合であってもよく、共重合の場
合、ランダム共重合であっても、ブロック共重合であっ
てもよい。重合反応は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素
又は芳香族炭化水素を溶媒として用いる溶媒重合、実質
的に溶媒を用いない液相無溶媒重合、気相重合、溶融重
合で行なわれる。溶媒重合に用いる溶媒は、飽和脂肪族
又は芳香族炭化水素の単独あるいは混合物であってもよ
い。また、連続式重合、半連続式重合、回分式重合に適
用される。重合温度は、−50〜250℃であり、圧力
は特に制限されていないが、好ましくは常圧〜2000
kgf/cm2の範囲である。
【0085】また、重合系内に分子量調節剤として水素
を存在させてもよい。更に、重合温度、分子量調節剤の
濃度等を変えて多段階で重合させてもよい。重合として
はプロピレンの単独重合またはエチレンとプロピレンの
ランダム共重合が好ましい。より好ましくは、エチレン
とプロピレンのランダム共重合である。また、製造する
ランダム共重合体の融点は150〜110℃、好ましく
は145〜115℃の範囲にある場合、本発明の効果が
顕著に発揮できる。本発明で得られる重合体は、JIS
−K−6758によるメルトフローレート(MFR)
が、0.05〜30g/10分、好ましくは0.1〜2
0g/10分、より好ましくは0.5〜15g/10分
の範囲にあることが有用である。
【0086】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例及び比較例において行った測
定・評価方法は、以下の通りである。また、フィルムの
物性評価は40℃オーブン内で48時間熱処理(エイジ
ング)後に実施した。
【0087】(1)イオン交換性層状珪酸塩の組成分析 JIS法による化学分析により検量線を作成し、蛍光X
線により定量した。 (2)メルトフローレート(MFR) JIS−K−6758(条件:230℃、荷重2.16
kgf)に従って測定した(単位:g/10分)。 (3)重合体粒子の嵩密度 重合体粒子を5mmφ流出孔径を有するステンレス製ロ
ートから100ccの容器に流したときの重さを測定
し、1ccあたりの重さで表示した。 (4)融点(Tm) セイコーインスツルメンツ社製DSC6200を使用
し、シート状にしたサンプル片を5mgアルミパンに詰
め、室温から一旦200℃まで昇温速度100℃/分で
昇温し、5分間保持した後に、10℃/分で40℃まで
降温して結晶化させた後に、10℃/分で200℃まで
昇温させた時の融解最大ピーク温度(℃)として求め
た。
【0088】(5)分子量分布 示差屈折率計(RI)を装備したGPC(Waters Corpora
tion, Alliance GPCV2000CV)を用い
た。GPCの移動相溶媒はオルトジクロロベンゼン(和
光純薬社製)である。流量は1.0ml/min(40℃, nominal)
であり、カラムはShodex社製のKF-806M(column size ;
8.0mmID x 30cm, particle size ; 5μm, exclusion li
mit ; 2 x 107(polystyrene, nominal), theorical pla
te ; 12000plate/a column(nominal))を3本連結した。
試料注入部およびカラム高温槽の設定温度は140℃で
ある。カラムは東ソー社製のnarrow dispersity polyst
yrene(A500, A1000, A2500,A5000, F1, F2, F4, F10, F
20, F40, F80, F288)のそれぞれ0.02重量%溶液を用
い、これらの溶出体積と分子量(対数値)を3次式によ
り較正した。試料はオルトジクロロベンゼンを用いて1.
3mg/mlの溶液を調整し、酸化防止剤として2,6-di-t-but
yl-4-methylphenolを0.1重量%添加した。試料溶液は1
45℃で1時間の溶解の後、ろ過せずに装置に0.332ml
注入した。上記のGPC測定で得られた重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn=Q
値)により分子量分布を決定した。
【0089】(6)キシレン可溶分量(CXS) ポリマーを電子天秤にて秤量し500mlの平底フラス
コに入れ、工業用キシレンを300ml加える。予め1
40℃に調温したオイルバスに浸け、溶解させる(約1
時間)。次に、フラスコを取り出し、予め23℃に調温
したオイルバスに1時間浸けた後に、ろ過により上澄み
液を回収し、110℃で減圧下4時間で溶媒除去/乾燥
を行うことによりキシレン可溶分量を求めた。 (7)ヘイズ(HAZE) ASTM−D1003に準拠して、ヘイズメータにて測
定した(単位:%)。この値が小さい程透明性が優れて
いることを意味する。 (8)ヤング率 ISO R1184に準拠して、インストロン型オート
グラフにて、MD方向で測定した。(単位:kg/cm
2)弾性率が大きい程剛性が優れていることを意味す
る。
【0090】(9)耐衝撃強度 JIS−P8134に準拠して、フィルムを23℃、5
℃の雰囲気下にて24時間以上放置し、状態調整を行っ
た後、同雰囲気下で測定した(単位:kg・cm/c
m)。この値が大きい程耐衝撃性が優れていることを意
味する。 (10)ヒートシール温度(HS性) 5mm×200mmのヒートシールバーを用い、フィル
ムの未処理面同士を各温度設定においてヒートシール圧
力2kg/cm2 、ヒートシール時間1秒の条件下でフ
ィルムの溶融押出した方向(MD)に垂直になるように
シールした試料から15mm幅のサンプルを取り、ショ
ッパー型試験機を用いて引張速度500mm/分にてM
D方向に引き離し、その荷重を読みとった。荷重が30
0gになるシール温度をもってヒートシール性を評価し
た(単位:℃)。この値が小さい程ヒートシール性が優
れていることを意味する。
【0091】<メタロセン錯体の合成> (合成例1) (1)成分(A1)の合成 〔(r)−ジクロロ[1,1’−ジメチルシリレンビス
{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−ア
ズレニル}]ジルコニウム〕の合成は特開平11−24
090号公報実施例に記載の方法によった。ブロムクロ
ロベンゼン(1.84g,9.59mmol)をジエチ
ルエーテル(10mL)とヘキサン(10mL)の混合
溶媒に溶かし、t−ブチルリチウムのペンタン溶液(1
1.7mL,19.18mmol,1.64N)を−7
8℃で滴下した。−70℃で20分、−5℃で1.5時
間攪拌した。この溶液に2−メチルアズレン(1.22
g,8.63mmol)を加え−5℃で10分、室温で
1.5時間攪拌するとほぼ紫色が消失し、白色沈殿が生
成した。0℃に冷却しテトラヒドロフラン(10mL)
を加え、N−メチルイミダゾール(15μL)とジメチ
ルジクロロシラン(0.52mL,4.31mmol)
を加え、室温まで昇温し、室温で1.5時間攪拌した。
この後、希塩酸を加え、分液した後有機相を硫酸マグネ
シウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン
およびヘキサンージクロロメタン1:1)で精製すると
ジメチルビス1、1’−ジメチルシリレンビス(2−メ
チル−4−(4−クロロフェニル)−1,4−ジヒドロ
アズレン)(2.06g,85%)が得られた。
【0092】上記で得られたアズレン(1.27g)を
ジエチルエーテル(15mL)に溶かし、−78℃でノ
ルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(2.8mL,
1.6mol/L)を滴下し、徐々に昇温して室温で一
夜攪拌した。溶媒を留去し、トルエン(5mL)とジエ
チルエーテル(0.12mL)を加えた。−78℃に冷
却し、昇華精製した四塩化ジルコニウム(530mg)
を加え、徐々に昇温し室温で4時間攪拌した。得られた
溶液をセライトを用いてフリット濾過し、トルエン(3
mL)でフリット上洗浄した。濾別したものをジクロロ
メタンで抽出し、減圧下濃縮するとジクロロ[1、1’
−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(4−クロ
ロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムのラ
セミ・メソ混合物(906mg,トルエン込み)が得ら
れた。ラセミ・メソ比は6:4であった。次に、錯体の
精製を行った。即ち、上記で得られたラセミ・メソ混合
物(906mg,トルエン込み)をジクロロメタン(2
5mL)に懸濁し、高圧水銀灯(100W)を用いて4
0分光照射した。この溶液をフリットを用いて濾過し、
減圧下溶媒を留去した。得られた固体にトルエン(7m
L)を加え、静置した後上澄みを除いた。同様の操作を
トルエン(5mL,6mL)を用いて行い、最後にヘキ
サン(8mL,5mL)で洗浄した。減圧下乾燥すると
黄色粉末としてラセミ体(275mg)が得られた。 NMR分析結果:1H−NMR(300MHz,CDC
3)δ0.95(s,6H,SiMe2),2.13
(s,6H,2−Me),4.83(br s,2H,
4−H), 5.70−5.90(m,8H),6.0
5−6.11(m,2H),6.73(d,2H),
7.25−7.30(m,8H,arom.). negative CI−MS722(M+3632 35
Cl4Si90Zr).
【0093】(合成例2) 成分(A2)の合成 (r) - ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−メチル
−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニ
ル}]ハフニウムジクロリドの合成は特開平10−22
6712号公報実施例に記載の方法によった。1−ブロ
モ−4−クロロベンゼン4.5g(23.53mmo
l)のn−ヘキサン(30ml)とジエチルエーテル
(30ml)の溶液に−78℃でt−ブチルリチウムの
ペンタン溶液(1.64M)29ml(47.0mmo
l)を滴下した。得られた溶液を−5℃で1.5時間攪
拌後、この溶液に2−メチルアズレン3.0g(21.
2mmol)を添加して反応を行った。この反応溶液を
徐々に室温まで戻しながら1時間攪拌した。その後、反
応溶液を−5℃に冷却し、1−メチルイミダゾール40
μl(0.47mmol)を添加し、更に、ジクロロジ
メチルシラン1.28ml(10.59mmol)を添
加した。反応溶液を室温で1.5時間攪拌後、希塩酸を
添加して反応を停止し、分液した有機相を減圧下に濃縮
し、溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ジクロロメタン/n−ヘキサン)で精製し、ア
モルファス状の固体2.74gを得た。
【0094】次に、上記の反応生成物を乾燥ジエチルエ
ーテル20mlに溶解し、これに−78℃でn−ブチル
リチウムのn−ヘキサン溶液(1.54M)6.3ml
(9.72mmol)を滴下した。滴下終了後、反応溶
液を徐々に室温まで戻しながら12時間攪拌した。減圧
下に溶媒を留去した後、乾燥トルエンと乾燥ジエチルエ
ーテルの混合溶媒(40:1)15mlを添加して−7
8℃に冷却し、これに四塩化ハフニウム1.56g
(4.86mmol)を添加した。その後、直ちに室温
まで戻し、4時間攪拌して反応を行った。得られた反応
液をセライト上で濾過し、濾別された固体をジクロロメ
タン(90ml)で抽出し、抽出液から溶媒を留去し、
ジメチルシリレンビス[1,1´−{2−メチル−4−
(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ハ
フニウムジクロリドのラセミ体320mg(収率7%)
を得た。 NMR分析結果:300MHz,CDCl3(ppm)δ
0.95(s,6H,SiMe2)、2.21(s,6H,
2-Me)、4.92〜4.96(br d,2H)、
5.70〜6.15(m,8H)、6.78(d,2
H)、7.28(s,8H,arom)
【0095】(合成例3) 成分(A3)の合成 (r)−ジクロロ[1、1’−ジメチルシリレンビス[2
−メチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレ
ニル]]ハフニウムの合成 2−ブロモ−トルエン(2.58 g, 15.1 mmol)をジエチル
エーテル(5 mL)とヘキサン(45 mL)の混合溶媒に溶か
し、t-ブチルリチウムのペンタン溶液(20.8 mL, 30.2
mmol, 1.45N)を-45から-40℃で滴下した。-10℃で1時
間攪拌した後、この溶液に2−メチルアズレン(2.04 g,
14.3 mmol, 0.95eq)を加え室温で2時間攪拌した。得ら
れた白色沈殿を含むスラリーにヘキサン(20 mlx2)を加
え、溶液部をデカントにて除いた。これにテトラヒドロ
フラン(25 mL)とヘキサン(20 mL)を加えた。N−メチル
イミダゾール(30 μL)とジメチルジクロロシラン(0.82
mL,6.79 mmol)を0℃で加え、室温まで昇温し、10-15℃
で30分間攪拌した。この後、水を加え、分液した後有機
相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去する
と、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2−メ
チルフェニル)−1,4−ジヒドロアズレン)のアモン
ファス状粗精製物が(3.78 g)が得られた。
【0096】次に、上記で得られた粗精製物をジエチル
エーテル(20 mL)に溶かし、-10℃でn−ブチルリチウム
のヘキサン溶液(8.5 mL, 13.6 mmol, 1.59N)を滴下し、
徐々に昇温して室温で1時間攪拌した。さらに、トルエ
ン(120 mL)を加え、-10℃に冷却し、四塩化ハフニウム
(2.17 g,6.79 mmol)を加え、徐々に昇温し室温で一夜攪
拌した。得られたスラリー溶液から減圧下大部分の溶媒
を留去し、ジエチルエーテル(10 mLx6, 5 mLx3)で洗
浄し得られたスラリーを濾過した。得られた固形分にエ
タノール(10 mLx2)、ジエチルエーテル(10 mL)、ヘキサ
ン(10 mL)で洗浄すると、ジクロロ{1、1’−ジメチ
ルシリレンビス[2−メチル−4−(2−メチルフェニ
ル)−4H−アズレニル]}ハフニウムのラセミ・メソ
混合物(3.17 g, 収率61%)が得られた。上記で得られた
ラセミ・メソ混合物(3.17 g)をジクロロメタン(40 mL)
に懸濁し、高圧水銀灯(100 W)を用いて20分間光照射し
た。得られたスラリーを留去し、ヘキサン(20 m)で洗浄
し、ジエチルエーテル(10 mLx3)で洗浄した。これをジ
エチルエーテル−ジクロロメタンを用いて再結晶し、得
られた析出物をジエチルエーテル(2 mLx2)、ヘキサン(3
mLx2)で洗浄して減圧下乾燥するとラセミ体(1.25 g,
収率39%)が得られた。 NMR分析結果: 1H NMR (300MHz, CDCl3) δ1.02 (s,
6 H, SiMe2), 2.26 (s, 6 H, 2-Me), 2.38 (s, 6 H,
2MePh), 5.25 (br d, 2 H, 4-H), 5.70 - 6.0(m, 8 H),
6.68 (d, J = 12 Hz, 2 H, 8-H), 7.05 - 7.3 (m, 8
H, arom).
【0097】(合成例4) 成分(A4)の合成 (r) - ジクロロ[ 1、1’−ジメチルシリレンビス[2
−メチル−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−
アズレニル}]ハフニウムの合成 2−ブロモ−m−キシレン(3.09 g,16.7 mmol)をジエチ
ルエーテル(30 mL)とヘキサン(30 mL)の混合溶媒に溶か
し、t-ブチルリチウムのペンタン溶液(23 mL,33.4 mmo
l, 1.45N)を-45から-40℃で滴下した。-10℃で1時間攪
拌した後、この溶液に2−メチルアズレン(2.25 g,15.8
7 mmol, 0.95eq)を加え室温で1時間攪拌した。得られた
白色沈殿を含むスラリーにヘキサン(20 ml)を加え、溶
液部をデカントにて除いた。これにテトラヒドロフラン
(30 mL)とヘキサン(20 mL)を加えた。N−メチルイミダ
ゾール(30 μL)とジメチルジクロロシラン(0.95 mL, 7.
85 mmol, 0.47eq)を0℃で加え、室温まで昇温し、室温
で45分間攪拌した。この後、水を加え、分液した後有機
相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去する
と、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(2,6
−ジメチルフェニル)−1,4−ジヒドロアズレン)の
アモンファス状粗精製物が(4.63 g)が得られた。
【0098】次に、上記で得られた粗精製物をジエチル
エーテル(20 mL)に溶かし、-10℃でn−ブチルリチウム
のヘキサン溶液(9.9 mL, 15.7 mmol, 1.59N)を滴下し、
徐々に昇温して室温で1時間攪拌した。さらに、トルエ
ン(125 mL)を加え、-10℃に冷却し、四塩化ハフニウム
(2.5 g, 7.85 mmol)を加え、徐々に昇温し室温で4.5時
間攪拌した。得られたスラリー溶液から減圧下大部分の
溶媒を留去し、ヘキサン:ジエチルエーテル(1:1, 20 m
L)で3回洗浄し得られたスラリーを濾過した。得られた
固形分にジクロロメタン(35 mL)を加え抽出するがLiCl
の除去が不十分であったので、エタノール(10 mLx3)、
ヘキサン(10 mLx3)で洗浄すると、ジクロロ{1、1’
−ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(2,6−
ジメチルフェニル)−4H−アズレニル]}ハフニウム
ラセミ・メソ混合物(4.06 g, 65%)が得られた。上記で
得られたラセミ・メソ混合物(4.06 g)をジクロロメタン
(40 mL)に懸濁し、高圧水銀灯(100 W)を用いて30分間光
照射するとメソ体消失した。得られたスラリーを半分位
まで溶媒留去し、ヘキサン(30 mL, 20 mLx2)で洗浄し、
さらにヘキサン:ジエチルエーテル(1:1,20 mLx2)、同
(2:1,15 mL)、ジエチルエーテル(20 mLx2)で洗浄すると
混合物(3.0 g)が得られた。次に、これをトルエン(20 m
L)に60℃に加熱して溶かし、0℃に冷却し濾過すると黄
色固体が得られた。最後にヘキサン(5 mLx2)で洗浄して
減圧下乾燥するとジクロロ{1、1’−ジメチルシリレ
ンビス[2−メチル−4−(2,6−ジメチルフェニ
ル)−4H−アズレニル]}ハフニウムのラセミ体(1.1
5 g, 28%)が得られた。 NMR分析の結果:1H NMR (300MHz, CDCl3) δ1.01
(s, 6 H, SiMe2), 2.21(s, 6 H), 2.23 (s, 6 H), 2.49
(s, 6 H), 5.25 - 5.35 (br m, 2 H, 4-H), 5.58 - 5.
65 (m, 4 H), 5.87 (s, 2 H, 3-H), 6.35 - 6.45 (m, 4
H), 6.95 - 7.1(s, 6 H, arom).
【0099】(合成例5) 成分(B)の合成 (イ)酸処理 セパラブルフラスコ中で純水3750mLに96%硫酸
(2500g)を加え、さらに市販のモンモリロナイト
(水澤化学社製、ベンクレイSL)1000gを60℃
で攪拌しながらスラリー化した。このスラリーを1時間
かけて90℃まで昇温し90℃で5時間反応させた後、
この反応スラリーを1.5時間で室温まで冷却し蒸留水
で洗浄液(ろ液)がpH3になるまで洗浄した。得られ
た固体を窒素気流下130℃で2日間予備乾燥後、さら
に200℃で6時間減圧乾燥することにより化学処理ス
メクタイト707.2gを得た。この化学処理モンモリ
ロナイトの組成はAl:5.21wt%、Si:38.
9wt%、Mg:0.80wt%、Fe:1.60wt
%、Na:<0.2wt%であり、Al/Si=0.1
39[mol/mol]であった。 (ロ)上記(イ)成分の有機アルミニウム処理 内容積500mlのガラス製反応器に上記(イ)で得た化学
処理モンモリロナイト20.0gを秤量し、ヘプタン73.7m
l、トリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液1
26.3ml(50.0mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。そ
の後、ヘプタンで洗浄し、最後にスラリー量を200.0ml
に調製した。
【0100】(実施例1) (1)プロピレンによる予備重合 合成例1で得られた成分(A1) 109mg(0.150mmol)と
合成例2で得られた成分(A2) 122mg(0.150mmol)に
ヘプタン88.1mlを加えて撹拌し、トリイソブチルアルミ
ニウムのヘプタン溶液4.26ml(3.0mmol)を室温にて添
加して、60分間撹拌した。この錯体溶液を合成例5の
(ロ)合成のトリノルマルオクチルアルミニウム処理し
たモンモリロナイトに加え、室温で60分間攪拌した。次
に、上記混合スラリーにヘプタン209mlを追加して、内
容積1リットルの攪拌式オートクレーブに投入して攪拌
した。オートクレーブ内の温度が40℃で安定したところ
でプロピレンを238.1mmol/hrで240分間フィードした。
プロピレンフィード終了後40℃に維持したまま60分間撹
拌を続けた。その後残存ガスをパージし、窒素置換して
から予備重合スラリーをオートクレーブより回収した。
回収した触媒スラリーを静置し、上澄みを抜き出した。
残った固体成分にトリイソブチルアルミニウムのヘプタ
ン溶液17.02ml(12.02mmol)を室温にて加え、室温で10
分撹拌した後、減圧乾燥して固体触媒成分を71.46g回収
した。
【0101】(2)プロピレン−エチレンの共重合 内容積3リットルの撹拌式オ−トクレ−ブにトリイソブ
チルアルミニウムのヘプタン溶液を2.86ml(400mg)、上
記で得られた予備重合触媒を56.48mg、液化プロピレン
を750g、エチレンを37.5g、水素を102Nml導入した後、
オートクレーブ内を60℃に昇温し、60℃を維持して1.0
時間重合を行なった。重合終了後アルゴン圧力でエタノ
ール 2mlをオートクレーブ内に投入して重合を終了させ
た。その後、未反応の残存ガスをパージした。その結
果、得られたプロピレン−エチレン共重合体は265gであ
った。固体成分1g・1時間あたりの重合体生成量は16563
gであった。重合体のMFRは5.82g/10min、嵩密度は0.486
g/cc、融点は125.7℃、CXSは0.8重量%であった。G
PCから求めた分子量はMw=403700、Mn=133300、分子量
分布はMw/Mn=3.03であった。
【0102】(実施例2) (1)プロピレンによる予備重合 合成例1で得られた成分(A1)196mg(0.270mmol)と合
成例3で得られた成分(A3)23mg(0.030mmol)にヘプ
タン83.3mlを加えて撹拌し、トリイソブチルアルミニウ
ムのヘプタン溶液4.26ml(3.0mmol)を室温にて添加し
て、60分間撹拌した。この錯体溶液を合成例5の(ロ)
合成のトリノルマルオクチルアルミニウム処理したモン
モリロナイトに加え、室温で60分間攪拌した。次に、上
記混合スラリーにヘプタン209mlを追加して、内容積1リ
ットルの攪拌式オートクレーブに投入して攪拌した。オ
ートクレーブ内の温度が40℃で安定したところでプロピ
レンを238.1mmol/hrで240分間フィードした。プロピレ
ンフィード終了後40℃に維持したまま60分間撹拌を続け
た。その後残存ガスをパージし、窒素置換してから予備
重合スラリーをオートクレーブより回収した。回収した
触媒スラリーを静置し、上澄みを抜き出した。残った固
体成分にトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液1
7.02ml(12.02mmol)を室温にて加え、室温で10分撹拌
した後、減圧乾燥して固体触媒成分を67.49g回収した。
【0103】(2)プロピレン−エチレンの共重合 内容積3リットルの撹拌式オ−トクレ−ブにトリイソブ
チルアルミニウムのヘプタン溶液を2.86ml(400mg)、上
記で得られた予備重合触媒を49.95mg、液化プロピレン
を750g、エチレンを33.0g、水素を75Nml導入した後、オ
ートクレーブ内を60℃に昇温し、60℃を維持して1.0時
間重合を行なった。重合終了後アルゴン圧力でエタノー
ル 2mlをオートクレーブ内に投入して重合を終了させ
た。その後、未反応の残存ガスをパージした。その結
果、得られたプロピレン−エチレン共重合体は244gであ
った。固体成分1g・1時間あたりの重合体生成量は16267
gであった。重合体のMFRは4.13g/10min、嵩密度は0.481
g/cc、融点は124.1℃、CXSは0.15重量%であった。
GPCから求めた分子量はMw=467300、Mn=145500、分子
量分布はMw/Mn=2.79であった。
【0104】(実施例3) (1)プロピレンによる予備重合 合成例1で得られた成分(A1) 91mg(0.125mmol)と合
成例3で得られた成分(A3)145mg(0.188mmol)にヘプ
タン90.1mlを加えて撹拌し、トリイソブチルアルミニウ
ムのヘプタン溶液4.26ml(3.0mmol)を室温にて添加し
て、60分間撹拌した。この錯体溶液を合成例5の(ロ)
で得られたトリノルマルオクチルアルミニウム処理した
モンモリロナイトに加え、室温で60分間攪拌した。次
に、上記混合スラリーにヘプタン209mlを追加して、内
容積1リットルの攪拌式オートクレーブに投入して攪拌
した。オートクレーブ内の温度が40℃で安定したところ
でプロピレンを238.1mmol/hrで240分間フィードした。
プロピレンフィード終了後40℃に維持したまま60分間撹
拌を続けた。その後残存ガスをパージし、窒素置換して
から予備重合スラリーをオートクレーブより回収した。
回収した触媒スラリーを静置し、上澄みを抜き出した。
残った固体成分にトリイソブチルアルミニウムのヘプタ
ン溶液17.02ml(12.02mmol)を室温にて加え、室温で10
分撹拌した後、減圧乾燥して固体触媒成分を68.75g回収
した。
【0105】(2)プロピレン−エチレンの共重合 内容積3リットルの撹拌式オ−トクレ−ブにトリイソブ
チルアルミニウムのヘプタン溶液を2.86ml(400mg)、上
記で得られた予備重合触媒を85.0mg、液化プロピレンを
750g、エチレンを33.0g、水素を75Nml導入した後、オー
トクレーブ内を60℃に昇温し、60℃を維持して1.0時間
重合を行なった。重合終了後アルゴン圧力でエタノール
2mlをオートクレーブ内に投入して重合を終了させた。
その後、未反応の残存ガスをパージした。その結果、得
られたプロピレン−エチレン共重合体は185gであった。
固体成分1g・1時間あたりの重合体生成量は7400gであっ
た。重合体のMFRは5.62g/10min、嵩密度は0.447g/cc、
融点は126.1℃、CXSは1.07重量%であった。GPC
から求めた分子量はMw=422800、Mn=121300、分子量分布
はMw/Mn=3.48であった。
【0106】(実施例4) (1)プロピレンによる予備重合 合成例1で得られた成分(A1) 196mg(0.270mmol)と
合成例4で得られた成分(A4) 25mg(0.031mmol)にヘ
プタン84.1mlを加えて撹拌し、トリイソブチルアルミニ
ウムのヘプタン溶液4.26ml(3.0mmol)を室温にて添加
して、60分間撹拌した。この錯体溶液を合成例5の
(ロ)で得られたトリノルマルオクチルアルミニウム処
理したモンモリロナイトに加え、室温で60分間攪拌し
た。次に、上記混合スラリーにヘプタン209mlを追加し
て、内容積1リットルの攪拌式オートクレーブに投入し
て攪拌した。オートクレーブ内の温度が40℃で安定した
ところでプロピレンを238.1mmol/hrで240分間フィード
した。プロピレンフィード終了後40℃に維持したまま60
分間撹拌を続けた。その後残存ガスをパージし、窒素置
換してから予備重合スラリーをオートクレーブより回収
した。回収した触媒スラリーを静置し、上澄みを抜き出
した。残った固体成分にトリイソブチルアルミニウムの
ヘプタン溶液17.02ml(12.02mmol)を室温にて加え、室
温で10分撹拌した後、減圧乾燥して固体触媒成分を67.8
4g回収した。
【0107】(2)プロピレン−エチレンの共重合 内容積3リットルの撹拌式オ−トクレ−ブにトリイソブ
チルアルミニウムのヘプタン溶液を2.86ml(400mg)、上
記で得られた予備重合触媒を50.4mg、液化プロピレンを
750g、エチレンを33.0g、水素を34Nml導入した後、オー
トクレーブ内を60℃に昇温し、60℃を維持して1.0時間
重合を行なった。重合終了後アルゴン圧力でエタノール
2mlをオートクレーブ内に投入して重合を終了させた。
その後、未反応の残存ガスをパージした。その結果、得
られたプロピレン−エチレン共重合体は167.8gであっ
た。固体成分1g・1時間あたりの重合体生成量は11187g
であった。重合体のMFRは2.6g/10min、嵩密度は0.481g/
cc、融点は123.1℃、CXSは0.53重量%であった。G
PCから求めた分子量はMw=585800、Mn=165500、分子量
分布はMw/Mn=2.72であった。
【0108】(比較例1) (1)プロピレンによる予備重合 合成例1で得られた成分(A1) 218mg(0.30mmol)にヘ
プタン82.9mlを加えて撹拌し、トリイソブチルアルミニ
ウムのヘプタン溶液4.26ml(3.0mmol)を室温にて添加
して、60分間撹拌した。この錯体溶液を合成例5の
(ロ)で得られたトリノルマルオクチルアルミニウム処
理したモンモリロナイトに加え、室温で60分間攪拌し
た。次に、上記混合スラリーにヘプタン209mlを追加し
て、内容積1リットルの攪拌式オートクレーブに投入し
て攪拌した。オートクレーブ内の温度が40℃で安定した
ところでプロピレンを238.1mmol/hrで240分間フィード
した。プロピレンフィード終了後40℃に維持したまま60
分間撹拌を続けた。その後残存ガスをパージし、窒素置
換してから予備重合スラリーをオートクレーブより回収
した。回収した触媒スラリーを静置し、上澄みを抜き出
した。残った固体成分にトリイソブチルアルミニウムの
ヘプタン溶液17.02ml(12.02mmol)を室温にて加え、室
温で10分撹拌した後、減圧乾燥して固体触媒成分を68.9
3g回収した。
【0109】(2)プロピレン−エチレンの共重合 内容積3リットルの撹拌式オ−トクレ−ブにトリイソブ
チルアルミニウムのヘプタン溶液を2.86ml(400mg)、上
記で得られた予備重合触媒を34.1mg、液化プロピレンを
750g、エチレンを32.3g、水素を34Nml導入した後、オー
トクレーブ内を60℃に昇温し、60℃を維持して1.0時間
重合を行なった。重合終了後アルゴン圧力でエタノール
2mlをオートクレーブ内に投入して重合を終了させた。
その後、未反応の残存ガスをパージした。その結果、得
られたプロピレン−エチレン共重合体は141.8gであっ
た。固体成分1g・1時間あたりの重合体生成量は14200g
であった。重合体のMFRは3.52g/10min、嵩密度は0.466g
/cc、融点は124.0℃、CXSは0.8重量%であった。G
PCから求めた分子量はMw=417200、Mn=162400、分子量
分布はMw/Mn=2.57であった。
【0110】(比較例2) (1)プロピレンによる予備重合 合成例2で得られた成分(A2)243.9mg(0.30mmol)に
ヘプタン93.3mlを加えて撹拌し、トリイソブチルアルミ
ニウムのヘプタン溶液4.26ml(3.0mmol)を室温にて添
加して、60分間撹拌した。この錯体溶液を合成例5の
(ロ)で得られたトリノルマルオクチルアルミニウム処
理したモンモリロナイトに加え、室温で60分間攪拌し
た。次に、上記混合スラリーにヘプタン209mlを追加し
て、内容積1リットルの攪拌式オートクレーブに投入し
て攪拌した。オートクレーブ内の温度が40℃で安定した
ところでプロピレンを238.1mmol/hrで240分間フィード
した。プロピレンフィード終了後40℃に維持したまま60
分間撹拌を続けた。その後残存ガスをパージし、窒素置
換してから予備重合スラリーをオートクレーブより回収
した。回収した触媒スラリーを静置し、上澄みを抜き出
した。残った固体成分にトリイソブチルアルミニウムの
ヘプタン溶液17.02ml(12.02mmol)を室温にて加え、室
温で10分撹拌した後、減圧乾燥して固体触媒成分を60.3
0g回収した。
【0111】(2)プロピレン−エチレンの共重合 内容積3リットルの撹拌式オ−トクレ−ブにトリイソブ
チルアルミニウムのヘプタン溶液を2.86ml(400mg)、上
記で得られた予備重合触媒を71.52mg、液化プロピレン
を750g、エチレンを60.0g、水素を176.4Nml導入した
後、オートクレーブ内を62℃に昇温し、62℃を維持して
1.0時間重合を行なった。重合終了後アルゴン圧力でエ
タノール 2mlをオートクレーブ内に投入して重合を終了
させた。その後、未反応の残存ガスをパージした。その
結果、得られたプロピレン−エチレン共重合体は207gで
あった。固体成分1g・1時間あたりの重合体生成量は862
5gであった。重合体のMFRは7.41g/10min、嵩密度は0.45
9g/cc、融点は124.9℃、CXSは0.8重量%であった。
GPCから求めた分子量はMw=399500、Mn=128600、分子
量分布はMw/Mn=3.11であった。
【0112】(比較例3) (1)プロピレンによる予備重合 合成例3で得られた成分(A3) 229mg(0.30mmol)にヘ
プタン82.9mlを加えて撹拌し、トリイソブチルアルミニ
ウムのヘプタン溶液4.26ml(3.0mmol)を室温にて添加
して、60分間撹拌した。この錯体溶液を合成例5の
(ロ)で得られたトリノルマルオクチルアルミニウム処
理したモンモリロナイトに加え、室温で60分間攪拌し
た。次に、上記混合スラリーにヘプタン209mlを追加し
て、内容積1リットルの攪拌式オートクレーブに投入し
て攪拌した。オートクレーブ内の温度が40℃で安定した
ところでプロピレンを238.1mmol/hrで240分間フィード
した。プロピレンフィード終了後40℃に維持したまま60
分間撹拌を続けた。その後残存ガスをパージし、窒素置
換してから予備重合スラリーをオートクレーブより回収
した。回収した触媒スラリーを静置し、上澄みを抜き出
した。残った固体成分にトリイソブチルアルミニウムの
ヘプタン溶液17.02ml(12.02mmol)を室温にて加え、室
温で10分撹拌した後、減圧乾燥して固体触媒成分を67.0
2g回収した。
【0113】(2)プロピレン−エチレンの共重合 内容積3リットルの撹拌式オ−トクレ−ブにトリイソブ
チルアルミニウムのヘプタン溶液を2.86ml(400mg)、上
記で得られた予備重合触媒を231.7mg、液化プロピレン
を750g、エチレンを33g、水素を102Nml導入した後、オ
ートクレーブ内を60℃に昇温し、60℃を維持して1.0時
間重合を行なった。重合終了後アルゴン圧力でエタノー
ル 2mlをオートクレーブ内に投入して重合を終了させ
た。その後、未反応の残存ガスをパージした。その結
果、得られたプロピレン−エチレン共重合体は151.5gで
あった。固体成分1g・1時間あたりの重合体生成量は216
4gであった。重合体のMFRは3.08g/10min、嵩密度は0.44
0g/cc、融点は130℃、CXSは1.79重量%であった。G
PCから求めた分子量はMw=648900、Mn=100900、分子量
分布はMw/Mn=6.78であった。
【0114】(比較例4) (1)プロピレンによる予備重合 合成例4で得られた成分(A4) 241mg(0.30mmol)にヘ
プタン82.9mlを加えて撹拌し、トリイソブチルアルミニ
ウムのヘプタン溶液4.26ml(3.0mmol)を室温にて添加
して、60分間撹拌した。この錯体溶液を合成例5の
(ロ)で得られたトリノルマルオクチルアルミニウム処
理したモンモリロナイトに加え、室温で60分間攪拌し
た。次に、上記混合スラリーにヘプタン209mlを追加し
て、内容積1リットルの攪拌式オートクレーブに投入し
て攪拌した。オートクレーブ内の温度が40℃で安定した
ところでプロピレンを238.1mmol/hrで240分間フィード
した。プロピレンフィード終了後40℃に維持したまま60
分間撹拌を続けた。その後残存ガスをパージし、窒素置
換してから予備重合スラリーをオートクレーブより回収
した。回収した触媒スラリーを静置し、上澄みを抜き出
した。残った固体成分にトリイソブチルアルミニウムの
ヘプタン溶液17.02ml(12.02mmol)を室温にて加え、室
温で10分撹拌した後、減圧乾燥して固体触媒成分を68.1
8g回収した。
【0115】(2)プロピレン−エチレンの共重合 内容積3リットルの撹拌式オ−トクレ−ブにトリイソブ
チルアルミニウムのヘプタン溶液を2.86ml(400mg)、上
記で得られた予備重合触媒を320.15mg、液化プロピレン
を750g、エチレンを33g、水素を34Nml導入した後、オー
トクレーブ内を60℃に昇温し、60℃を維持して1.0時間
重合を行なった。重合終了後アルゴン圧力でエタノール
2mlをオートクレーブ内に投入して重合を終了させた。
その後、未反応の残存ガスをパージした。その結果、得
られたプロピレン−エチレン共重合体は205gであった。
固体成分1g・1時間あたりの重合体生成量は2158gであっ
た。重合体のMFRは10.18g/10min、嵩密度は0.369g/cc、
融点は125.4℃、CXSは15.67重量%であった。GPC
から求めた分子量はMw=360600、Mn=112000、分子量分布
はMw/Mn=3.49であった。以上の実施例1〜4及び比較例
1〜4について、重合条件と重合活性を表1に、また重
合体物性を表2に示した。
【0116】(実施例5、比較例5)ポリマーの製造 内容積270リットルの撹拌式連続バルク重合装置を使
用して行った。該重合装置に液状プロピレン、エチレ
ン、水素、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)の
ヘキサン希釈溶液および炭化水素溶媒にて希釈した触媒
スラリーを連続的に供給し、内温を所定の温度に保持し
た。プロピレン、エチレンおよび水素の供給量比を変化
させ、所定のインデックスのプロピレン・エチレンラン
ダム共重合を実施し、反応器より定期的にポリマースラ
リー抜き出し、残存モノマーとの分離、乾燥工程により
プロピレン・エチレンランダム共重合体を製造した。
【0117】ポリマー組成物の製造 得られたプロピレン・エチレンランダム共重合体100
重量部に対し、酸化防止剤として、テトラキス[メチレ
ン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]メタン)(チバ・スペシ
ャルティー・ケミカルズ社製:イルガノックス101
0)を0.05重量部、トリス−(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャルティー
・ケミカルズ社製:イルガホス168)を0.05重量
部、中和剤としてステアリン酸カルシウムを0.05重
量部、アンチブロッキング剤として合成シリカ(富士シ
リシア化学社製:サイシリア550)を0.15重量
部、滑剤としてエルカ酸アミドを0.05重量部添加し
たものをヘンシェルミキサーで750rpmで1分間室
温で高速混合した後、二軸押出機(池貝製作所社製:P
CM30)により230℃で溶融、混練して冷却、カッ
トしてペレット状樹脂組成物を得た。
【0118】フィルムの製造 得られたポリマー組成物を原料とし、口径35mmφの
押出機、幅300mmTダイ、エアナイフおよび冷却ロ
ールを具備したTダイ法フィルム製造装置を用いて、押
出樹脂温度220℃、冷却ロール温度35℃の条件にお
いて、製膜引取速度21m/minで成形して、厚さ2
5μmの未延伸フィルムを得た。フィルムの物性評価 得られたフィルムの各種物性を測定した。以上の実施例
5,比較例5について、重合条件と重合活性を表3に、
重合体・フィルムの物性を表4に示した。
【0119】
【表1】
【0120】
【表2】
【0121】
【表3】
【0122】
【表4】
【0123】
【発明の効果】本発明に示したオレフィン重合用触媒を
用いると、低分子量成分が少なく、分子量分布が比較的
広く制御されたオレフィン重合体が得られる。特に上述
のメタロセンを単独で使用する場合に比べて、流動性、
付着性、嵩密度等の粒子性状に優れたプロピレン系重合
体を効率よく製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茂木 学 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社触媒開発センター内 Fターム(参考) 4J028 AA02A AB00A AB01A AC01A AC10A AC28A BA00A BA01B BA02B BB00A BB00B BB01B BC12B BC15B BC24B CA30B EB04 GA02 GA06 GA09

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分[A−1]、成分[A−2]、
    成分[B]及び必要に応じて使用される成分[C]から
    成るプロピレン重合用触媒。 成分[A−1]:一般式(Ia)で表される遷移金属化
    合物 【化1】 [一般式(Ia)中、R1、R2、R4及びR5は、それぞ
    れ独立して、水素、炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数
    1〜7のケイ素含有炭化水素基または炭素数1〜6のハ
    ロゲン化炭化水素基を表し; R3及びR6は、それぞれ
    独立して、炭素数3〜10の飽和または不飽和の2価の
    炭化水素基を表し; R41及びR42は、それぞれ独立し
    て、炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜20
    のハロゲン化炭化水素基を表し; j、k、m及びn
    は、0≦j+m≦20及び0≦k+n≦20の関係を満
    たす負でない整数(ただし、m及びnが同時に0になる
    ことがなく、jまたはkが2以上の場合、R41同士また
    はR42同士が任意の位置で結合して環構造を形成してい
    てもよい。)を表し; Qは、2つの5員環を架橋する
    2価の基を表し; X及びYは、それぞれ独立して、水
    素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1
    〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20のハロ
    ゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素
    基、アミノ基または炭素数1〜20の窒素含有炭化水素
    基を表し; Mは、周期表第4族の遷移金属を表し;
    7及びR8は、それぞれ独立して、下記一般式(Ib) 【化2】 {一般式(Ib)中、R9、R10、R11、R12及びR13
    は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜6
    の炭化水素基、炭素数1〜7のケイ素含有炭化水素基ま
    たは炭素数1〜6のハロゲン化炭化水素基を表し、
    10、R11及びR12のうち炭化水素基またはハロゲン化
    炭化水素基が2つ以上の場合には、これらが任意の位置
    で結合し、環構造を形成していてもよい}で表される基
    であり、かつ、R7またはR8のうち少なくとも1つは4
    位置換基である。] 成分[A−2]:一般式(Ia)で表される化合物であ
    って、Mが成分[A−1]中のMと異なる遷移金属化合物 成分[B]:イオン交換性層状ケイ酸塩 成分[C]:有機アルミニウム化合物
  2. 【請求項2】成分[A−1]と成分[A−2]のモル比
    率([A−1]:[A−2])が、0.1:9.9〜
    9.9:0.1であることを特徴とする請求項1に記載
    のプロピレン重合用触媒。
  3. 【請求項3】成分[A−1]と成分[A−2]のモル比
    率([A−1]:[A−2])が、1:9〜9:1であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のプロピレ
    ン重合用触媒。
  4. 【請求項4】一般式(Ia)におけるR3及びR6が、炭
    素数4〜5の炭化水素基であることを特徴とする請求項
    1〜3いずれか1項に記載のプロピレン重合用触媒。
  5. 【請求項5】成分[A−1]の一般式(Ib)において、
    9及びR13のいずれもが水素であることを特徴とする
    請求項1〜5いずれか1項に記載のプロピレン重合用触
    媒。
  6. 【請求項6】成分[A−2]の一般式(Ib)において、
    9及びR13の少なくとも一方は、ハロゲン、炭素数1
    〜6の炭化水素基、炭素数1〜7のケイ素含有炭化水素
    基または炭素数1〜6のハロゲン化炭化水素基であるこ
    とを特徴とする請求項5に記載のプロピレン重合用触
    媒。
  7. 【請求項7】成分[A−1]及び成分[A−2]が、下記
    一般式(Ic)で表される遷移金属化合物であることを
    特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載のプロピレ
    ン重合用触媒。 【化3】 [一般式(Ic)中、R1、R2、R4、R5、R7、R8
    Q、M、X及びYは、一般式(Ia)で定義されるもの
    と同じ意味を示す。R14、R15、R16、R17、R 18、R
    19、R20、R21、R22及びR23は、それぞれ独立して、
    水素、炭素数1〜20の炭化水素基または炭素数1〜2
    0のハロゲン化炭化水素基を示す。]
  8. 【請求項8】成分[A−1]の一般式(Ib)において、
    9及びR13のいずれもが水素であり、且つ、成分[A−
    2]の一般式(Ib)において、R9及びR13のいずれか
    一方がメチル基であることを特徴とする請求項1〜7い
    ずれか1項に記載のプロピレン重合用触媒。
  9. 【請求項9】成分[A−1]の一般式(Ib)において、
    9及びR13のいずれもが水素であり、且つ、成分[A−
    2]の一般式(Ib)において、R9及びR13のいずれも
    がメチル基であることを特徴とする請求項1〜7いずれ
    か1項に記載のプロピレン重合用触媒。
  10. 【請求項10】成分[A−1]のMがジルコニウムであ
    り、成分[A−2]のMがハフニウムであることを特徴
    とする請求項1〜9いずれか1項に記載のプロピレン重
    合用触媒。
  11. 【請求項11】請求項1〜10いずれか1項に記載のプ
    ロピレン重合用触媒の存在下、プロピレンを含有するオ
    レフィン類を重合することを特徴とするプロピレン系重
    合体の製造方法。
  12. 【請求項12】プロピレン系重合体が、エチレン・プロ
    ピレンランダム共重合体であることを特徴とする請求項
    11に記載のプロピレン系重合体の製造方法。
  13. 【請求項13】プロピレン系重合体の重量平均分子量
    (Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
    が3以上であることを特徴とする請求項11または12
    に記載のプロピレン系重合体の製造方法。
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