JP5033613B2 - オレフィン共重合体、その製造方法およびその共重合体の変性方法 - Google Patents
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成分(A):中心金属が4族のメタロセン化合物
成分(B):アルミニウムオキシ化合物、成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸、イオン交換性層状珪酸塩からなる群より選ばれるもの
成分(C):微粒子担体
成分(D):有機アルミニウム化合物
本発明のオレフィン共重合体は、α−オレフィンと下記一般式(I)で示されるシリロキシ基を含むビニルモノマーとを重合させたオレフィン共重合体である。
さらに好ましい共重合体のモノマー組成としては、プロピレンモノマーの割合が80モル%以上であるプロピレン系共重合体、エチレンモノマーの割合が80モル%以上であるエチレン系共重合体である。特に好ましくは、プロピレンモノマーの割合が90モル%以上であるプロピレン系共重合体、エチレンモノマーの割合が90モル%以上であるエチレン系共重合体である。
また、先に挙げた直鎖状の脂肪族炭化水素基の水素が、一つ以上、環状構造を含んでもよいアルキル基で置換された分岐状構造でもよく、例えば、2−メチル−1,3−プロピレン、3−メチル−1,4−ブテン、4−メチル−1,5−ペンテン、5−メチル−1,6−ヘキセン、5−シクロヘキシル−1,5−ペンテン、5−シクロプロピル−1,6−ヘキセン等の分岐状の脂肪族炭化水素基等が挙げられる。これらの中で特に好ましくは炭素数2〜10の直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基、とりわけ炭素数4〜6の直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基が好ましい。
また、先に挙げた直鎖状の脂肪族炭化水素基の水素が、一つ以上、環状構造を含んでもよいアルキル基で置換された分岐状構造でもよく、例えば、2−メチル−1,3−プロピレン、3−メチル−1,4−ブテン、4−メチル−1,5−ペンテン、5−メチル−1,6−ヘキセン、5−シクロヘキシル−1,5−ペンテン、5−シクロプロピル−1,6−ヘキセン等の分岐状の脂肪族炭化水素基等が挙げられる。これらの中で特に好ましくは炭素数2〜10の直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基、とりわけ炭素数4〜6の直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基が好ましい。
合成例1:水酸基を分子内に持つ1−アルケンとトリアルキルヒドロシランを銅触媒存在下に反応させる方法(Org.Lett.2005,Vol.7,No.9,1869−1871)
合成例2:水酸基を分子内に持つ1−アルケンとトリアルキルシリルクロリドをイミダゾール存在下に反応させる方法(J.Org.Chem.2006,Vol.71,No.9,3599−3607)
使用装置:日本電子社製GSX−400
測定温度:130℃
溶媒の種類:o−ジクロロベンゼン80容量%+全重水素化ベンゼン20容量%
デカップリング:プロトン完全デカップリング
サンプル量:375mg
積算回数:10000回
パルス角:90°
パルス間隔:10秒
試料管:10mmφ
溶媒の使用量:2.5ml
使用機種:ウォーターズ社製150C
測定温度:140℃
溶媒:オルトジクロロベンゼン(ODCB)
カラム:昭和電工社製Shodex 80M/S 2本
流速:1.0mL/分
注入量:0.2mL
試料の調製:試料はODCB(0.5mg/mLのBHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)を含む)を用いて1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させる。
分子量の算出:標準ポリスチレン法
保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。
使用する標準ポリスチレンは何れも東ソー社製の以下の銘柄である。
F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000。各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して較正曲線を作成する。較正曲線は最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。
分子量への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαは以下の数値を用いる。
PS:K=1.38×10−4、α=0.7
PE:K=3.92×10−4、α=0.733
PP:K=1.03×10−4、α=0.78
検出器:FOXBORO社製MIRAN 1A IR検出器(測定波長:3.42μm)
カラム :昭和電工社製AD806M/S(3本)
なお、得られたクロマトグラムのベースラインと区間の一例を、図1に示した。
本発明のオレフィン共重合体を製造する触媒は、本発明のオレフィン共重合体を満たすものであれば特に限定しないが、以下に示す触媒が好ましい。
すなわち、少なくとも下記成分(A)、(B)、必要に応じ、成分(C)、(D)を含む触媒を使用して、プロピレン、エチレンあるいはその混合物と一般式(I)で示されるシリロキシ基を含むビニルモノマーとを共重合させる。
成分(B):アルミニウムオキシ化合物、成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸、イオン交換性層状珪酸塩からなる群より選ばれるもの
成分(C):微粒子担体
成分(D):有機アルミニウム化合物
触媒の成分(A)としては、下記の一般式(II)、(III)、(IV)、(V)で示される中心金属が4族のメタロセン化合物を使用する。
シクロペンタジエニル基上の置換基としては、前記の炭素数1〜40、好ましくは1〜30、の炭化水素基に加え、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子基、炭素数1〜12のアルコキシ基、例えば、−Si(R4)(R5)(R6)で示される炭素数1〜24の珪素含有炭化水素基、−P(R4)(R5)で示される炭素数1〜18のリン含有炭化水素基、または、−B(R4)(R5)で示される炭素数1〜18のホウ素含有炭化水素基が挙げられる。これらの置換基が複数ある場合、それぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい。上述のR4〜R6は、同一でも異なっていてもよく、炭素原子1〜20のアルキル基を示す。
TおよびT’の具体例としては、
(イ)メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基、フェニルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキシレン基等のアルキレン基類、
(ロ)ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルエチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、メチル−t−ブチルシリレン基、9,9−シラフルオレニル基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン基等のシリレン基、
(ハ)ゲルマニウム、リン、窒素あるいはホウ素を含む炭化水素基、さらに具体的には、(CH3)2Ge、(C6H5)2Ge、(CH3)P、(C6H5)P、(C4H9)N、(C6H5)N、(C4H9)B、(C6H5)Bで示される基等である。好ましいものは、アルキレン基類、シリレン基類およびゲルミレン基である。
Zは、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子またはイオウ原子を含む配位子、水素原子、ハロゲン原子又は炭化水素基を示す。好ましいものの具体例としては、酸素原子、イオウ原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜12のチオアルコキシ基、炭素数1〜40、好ましくは1〜18のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜40、好ましくは1〜18の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜40、好ましくは1〜18のリン含有炭化水素基、水素原子、塩素、臭素、炭素数1〜20の炭化水素基である。
XおよびYは、各々水素、ハロゲン原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、アミノ基、ジフェニルフォスフィノ基等の炭素数1〜20、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基、またはトリメチルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基等の炭素数1〜20、好ましくは1〜12のケイ素含有炭化水素基である。XとYは同一でも異なってもよい。これらのうちハロゲン原子、炭化水素基、特に炭素数1〜8のもの、およびアミノ基が好ましい。
ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1−エチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1−n−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1−i−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1−t−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1−メチル−3−トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1−メチル−3−フェニルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビスインデニルジルコニウムジクロリド、ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(2−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フルオロ−1−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フルオロ−2−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(2−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フルオロ−1−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フルオロ−2−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(1−アントラセニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(1−フェナンスリル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−ジメチルボラノ−4−インドリル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4、5−ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−フェニルインデニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルゲルミレンビス(2−(2−(5−メチル)−フリル)−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビスインデニルジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビスインデニルジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(ジ−t−ブチルアミド)ジクロリド、(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(ジイソプロピルアミド)ジクロリド、(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(ジシクロドデシルアミド)ジクロリド、(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム{ビス(トリメチルシリル)アミド)}ジクロリド、(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)チタニウム{ビス(トリメチルシリル)アミド}ジクロリド、(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウム(ジ−2,6−i−プロピルフェノキシ)ジクロリド、(t−ブチルシクロペンタジエニル)チタニウム(ジ−2,6−i−プロピルフェノキシ)ジクロリド等が挙げられる。
ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(t−ブチルアミド)チタニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(シクロドデシルアミド)チタニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(トリメチルシリルアミド)チタニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(t−ブチルアミド)チタニウムジメチル、ジメチルシランジイル(2−メチルインデニル)(t−ブチルアミド)チタニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(フルオレニル)(t−ブチルアミド)チタニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(3,6−ジイソプロピルフルオレニル)(t−ブチルアミド)チタニウムジクロリド等が挙げられる。
成分(B)としては、アルミニウムオキシ化合物、成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸、イオン交換性層状珪酸塩からなる群より選ばれるものを使用する。
(a)トルエン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶剤の存在下、トリアルキルアルミニウムを直接水と反応させる方法。
(b)トリアルキルアルミニウムと結晶水を有する塩水和物、例えば、硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物とを反応させる方法。
(c)トリアルキルアルミニウムとシリカゲル等に含浸させた水分とを反応させる方法。
(d)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムとを混合した後、トルエン、ベンゼン、エーテル等の適当な有機溶剤の存在下、直接水と反応させる方法。
(e)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムとの混合物と結晶水を有する塩水和物、例えば、硫酸銅、硫酸アルミニウムとの水和物とを加熱反応させる方法。
(f)シリカゲル等に水分を含浸させ、トリイソブチルアルミニウムで処理した後、トリメチルアルミニウムで追加処理する方法。
(g)メチルアルモキサン及びイソブチルアルモキサンを公知の方法で合成し、これら二成分を所定量混合して加熱反応させる方法。
(h)ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒中に硫酸銅5水塩などの結晶水を有する塩とトリメチルアルミニウムとを添加して約−40〜40℃の温度条件下に反応させる方法。
R8B(OH)2 (IX)
(a)トリメチルアルミニウムとメチルボロン酸の2:1の反応物
(b)トリイソブチルアルミニウムとメチルボロン酸の2:1反応物
(c)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムとメチルボロン酸の1:1:1反応物
(d)トリメチルアルミニウムとエチルボロン酸の2:1反応物
(e)トリエチルアルミニウムとブチルボロン酸の2:1反応物
〔K〕e+〔P〕e− (X)
(b)テトラフェニルアルミニウム、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミニウム、テトラキス{3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル}アルミニウム、テトラキス(3,5−ジ(t−ブチル)フェニル)アルミニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム等
(c)テトラフェニルガリウム、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ガリウム、テトラキス{3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル}ガリウム、テトラキス{3,5−ジ(t−ブチル)フェニル}ガリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリウム等
(d)テトラフェニルリン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)リン等
(e)テトラフェニルヒ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ヒ素等
(f)テトラフェニルアンチモン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アンチモン等
(g)デカボレート、ウンデカボレート、カルバドデカボレート、デカクロロデカボレート等
(a)トリフェニルホウ素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等の有機ホウ素化合物
(b)塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化臭化マグネシウム、塩化ヨウ化マグネシウム、臭化ヨウ化マグネシウム、塩化マグネシウムハイドライド、塩化マグネシウムハイドロオキシド、臭化マグネシウムハイドロオキシド、塩化マグネシウムアルコキシド、臭化マグネシウムアルコキシド等の金属ハロゲン化合物
(c)アルミナ、シリカ−アルミナ等の固体酸
(i)イオン交換性層状珪酸塩の種類
本発明において、イオン交換性層状珪酸塩(以下、単に珪酸塩と略記することもある)とは、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、且つ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物をいう。大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出され、水中に分散/膨潤させ、沈降速度等の違いにより精製することが一般的であるが、完全に除去することが困難であることがあり、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英、クリストバライト等)を含んでいることが多いが、それらを含んでもよい。それら夾雑物の種類、量、粒子径、結晶性、分散状態によっては純粋な珪酸塩以上に好ましいことがあり、そのような複合体も、成分(B)に含まれる。
尚、本発明の原料とは、後述する本発明の化学処理を行う前段階の珪酸塩をさす。また、本発明で使用する珪酸塩は、天然産のものに限らず、人工合成物であってもよい。
1:1型構造とは、前記「粘土鉱物学」等に記載されているような1層の四面体シートと1層の八面体シートが組み合わさっている1:1層構造の積み重なりを基本とする構造を示し、2:1型構造とは、2層の四面体シートが1層の八面体シートを挟み込んでいる2:1層構造の積み重なりを基本とする構造を示す。
前記イオン交換性層状珪酸塩は、乾燥状態で用いてもよく、液体にスラリー化した状態で用いてもよい。また、イオン交換性層状珪酸塩の形状については、特に制限はなく、天然に産出する形状、人工的に合成した時点の形状でもよいし、また、粉砕、造粒、分級などの操作によって形状を加工したイオン交換性層状珪酸塩を用いてもよい。このうち造粒されたイオン交換性層状珪酸塩を用いると、該イオン交換性層状珪酸塩を触媒成分として用いた場合に、良好なポリマー粒子性状を与えるため特に好ましい。
本発明に係る触媒成分(B)のイオン交換性層状珪酸塩は、特に処理を行うことなくそのまま用いることができるが、化学処理を行なうことが望ましく、イオン交換性層状珪酸塩の化学処理とは、酸類、塩類、アルカリ類、有機物等とイオン交換性層状珪酸塩とを接触させることをいう。
以下に、処理剤の具体例を示す。
酸処理は、表面の不純物を除く、あるいは層間に存在する陽イオンの交換を行うほか、結晶構造の中に取り込まれているAl、Fe、Mg等の陽イオンの一部又は全部を溶出させることができる。酸処理で用いられる酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、安息香酸、ステアリン酸、プロピオン酸、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、などが挙げられる。中でも硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸が好ましく、硫酸が特に好ましい。
塩類としては、有機陽イオン、無機陽イオン、金属イオンからなる群から選ばれる陽イオンと、有機陰イオン、無機陰イオン、ハロゲン化物イオンからなる群から選ばれる陰イオンとから構成される塩類が例示される。例えば、周期律表第1〜14族から選択される少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲンの陰イオン、無機ブレンステッド酸及び有機ブレンステッド酸の陰イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の陰イオンとから構成される化合物が好ましい例として挙げられる。さらに好ましくは、陰イオンが無機ブレンステッド酸やハロゲンからなり、陽イオンがLi、Mg、Znからなる化合物である。そのような塩類で特に好ましい化合物は、具体的にはLiCl、Li2SO4、MgCl2、MgSO4、ZnCl2、ZnSO4、Zn(NO3)2、Zn3(PO4)2ある。
酸、塩処理の他に、必要に応じて下記のアルカリ処理や有機物処理を行ってもよい。アルカリ処理で処理剤としては、LiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Sr(OH)2、Ba(OH)2などが例示される
上述した各種処理剤は、適当な溶剤に溶解させて処理剤溶液として用いてもよいし、処理剤自身を溶媒として用いてもよい。使用できる溶剤としては、特に制限はないが、水、アルコール類が一般的であり、特に水が好ましい。例えば、化学処理として酸処理を行う場合、酸処理剤濃度、イオン交換性層状珪酸塩と処理剤との比率、処理時間、処理温度等の酸処理条件を制御することによって、イオン層状珪酸塩化合物を所定の組成、構造へと変化させ制御することが可能である。
また、酸処理温度は、室温〜処理剤溶液の沸点の範囲が好ましく、処理時間は5分〜24時間の条件を選択し、イオン交換性層状珪酸塩を構成している物質の少なくとも一部が除去又は交換される条件で行うことが好ましい。酸処理条件は、特には制限されないが、上記化学処理として硫酸を用いた場合、処理温度は80℃から、処理剤溶媒沸点以下で、処理時間は0.5時間以上5時間未満にすることが好ましい。
上記化学処理を実施した後に、過剰の処理剤及び処理により溶出したイオンの除去をすることが可能であり、好ましい。この際、一般的には、水や有機溶媒などの液体を使用する。脱水後は、乾燥を行うが、一般的には、乾燥温度は、100〜800℃、好ましくは150〜600℃で実施可能である。800℃を超えると、珪酸塩の構造破壊を生じるおそれがあるので好ましくない。
イオン交換性層状珪酸塩中のアルミニウム及びケイ素は、JIS法による化学分析による方法で検量線を作成し、蛍光X線で定量するという方法で測定される。
なお、化学処理されたイオン交換性層状ケイ酸塩を本発明の成分[A]として使用する場合の酸点の量は、該化学処理後に乾燥処理を施したイオン交換性層状珪酸塩において測定する。本発明においては、pKaが−8.2以下の酸点を、その酸点を中和するに要する2,6ジメチルピリジン量がイオン交換性層状珪酸塩1グラム当たり、0.05ミリモル以上となる量、好ましくは0.07ミリモル/g以上有するように、イオン交換性層状珪酸塩を上記の如き各種の処理法を適宜に組合せ、酸点の強度及び量を制御することが肝要である。各種処理を実施した後のアルミニウム、ケイ素の組成は、Al/Siの原子比として、0.05〜0.4、好ましくは0.05〜0.25のもの、さらには0.07〜0.23の範囲のものがよい。Al/Si原子比は粘土部分の酸処理の指標となるものとみられる。
本発明のオレフィン共重合体の製造に使用する触媒では、上記成分(A)および(B)に加えて、必要に応じて、成分(C)微粒子担体を用いることができる。成分(C)として、使用することができる微粒子担体は、無機または有機の化合物から成り、通常5μm〜5mm、好ましくは10μm〜2mmの粒径を有する微粒子状の担体である。
上記微粒子担体は使用する前に、後述の成分(D)有機アルミニウム化合物で予め処理することも可能である。
本発明のオレフィン共重合体の製造に使用する触媒では、さらに、必要に応じて、成分(D)有機アルミニウム化合物を用いることができる。本発明のポリオレフィン共重合体製造に使用する触媒の成分(D)として、必要に応じ使用することができる有機アルミニウム化合物は、一般式:AlR9 mS3−mで示される化合物が適当である。
本発明で使用する触媒は、任意に、成分(A)、(B)、必要に応じ(C)、(D)を組み合わせた触媒を使用することができる。例えば、アルミニウムオキシ化合物、成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸は、成分(B)として、それぞれ単独使用される他、これらの3成分を適宜組み合わせて使用することが出来る。さらに、1種または2種以上の成分(D)と併用して触媒として使用することも可能である。
本発明のオレフィン共重合体を製造する方法は、本発明のオレフィン共重合体を満たすものであれば特に限定しないが、以下に示す方法が好ましい。
すなわち、少なくとも上記成分(A)、(B)、必要に応じ、成分(C)、(D)を含む触媒を使用して、プロピレン、エチレンあるいはその混合物と下記一般式(I)で示されるシリロキシ基を含むビニルモノマーとを共重合させる方法である。
本発明で得られた共重合体は、後処理で容易にシリロキシ基を水酸基に変換する変性を行うことが可能である。具体的には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジグライム等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の脂肪族炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒等の溶媒中で、場合により少量水を添加してもよく、酸、および/または、含フッ素化合物を共存させることにより、シリロキシ基を水酸基に変換することが可能である。
変性反応に使用する酸は、例えば、塩酸、硫酸等の無機酸や、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルスルホン酸等の有機カルボン酸、スルホン酸、テトラブチルアンモニウムフルオライドやトリフルオロメタンスルホン酸等の含フッ素化合物等が使用出来る。シリロキシ基を水酸基に変換することが可能であれば使用する酸は特に限定されないが、特にドデシルスルホン酸等の有機カルボン酸、スルホン酸や含フッ素化合物が好ましい。反応温度も特に限定されないが、通常室温から150℃の範囲、好ましくは40℃〜100℃の範囲である。
前述した手法、すなわち以下の装置及び条件で測定を実施した。
装置:Waters社製GPC(ALC/GPC、150C)
検出器:FOXBORO社製MIRAN、1A、IR検出器(測定波長:3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本)
移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン(ODCB)
測定温度:140℃
流速:1.0ml/分
注入量:0.2ml
(2)コモノマー含量
前述した13CNMR測定により、シリロキシ基含有モノマー、プロピレン、エチレンの含量を決定した。
(3)融点(Tm)
セイコーインスツルメンツ社製DSC6200を使用し、シート状にしたサンプル片を5mgアルミパンに詰め、室温から一旦200℃まで昇温速度100℃/分で昇温し、5分間保持した後に、10℃/分で20℃まで降温して結晶化させた後に、10℃/分で200℃まで昇温させた時の融解最大ピーク温度(℃)として求めた。
(1)成分(A)の製造
特開平8−208733号公報の実施例2に記載の方法に従って、(r)−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドを合成した。
(2)共重合
(1)で合成した(r)−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドをフラスコに採取/秤量し、トルエンに溶解させ2μmol/mlの溶液を調製した。
続いて、加熱下窒素を流通させることにより予めよく乾燥させ、室温に維持した3Lオートクレーブに、n−ヘプタンを1500ml、東ソーファインケム社製MMAO(ヘキサン希釈品、2.0mmol/ml−Al換算)を5.0ml、さらに、信越化学社製5−ヘキセニロキシトリイソプロピルシラン8.81ml(26.5mmol)を添加し、内温を70℃まで昇温させた後に、プロピレンを供給し、内圧が0.50MPaまで昇圧、維持した。
次に、窒素置換したフラスコで東ソーファインケム社製MMAO(ヘキサン希釈品、2.0mmol/ml−Al換算)を5.0mlと先に希釈した(r)−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液1.0ml(2.0μmol)の反応物(反応時間:10分)をアルゴンで圧入し重合を開始させた。重合開始後は内部圧力、温度が一定となるように維持し、1時間重合を実施した。重合終了後、残モノマーのパージを行い、ヘプタンスラリーを回収し、さらにエタノールを3L添加/撹拌後に、固体成分を減圧ろ過によりろ別し、90℃で減圧乾燥を実施した。
その結果、12.6gのプロピレン−5−ヘキセニロキシトリイソプロピルシラン共重合体が得られた。触媒活性は、6300(kg−PP/mol−メタロセン.hr)、GPCによる重量平均分子量(Mw)は、292,000、Mw/Mnは2.59、融点(Tm)は140.2℃、5−ヘキセニロキシトリイソプロピルシランの含量は0.70mol%であった。重合データを表1に纏めた。図2に、13CNMRのスペクトルを示す。
5−ヘキセニロキシトリイソプロピルシラン含量の算出方法は、ポリマーの主鎖部分のメチレン炭素のピーク強度の和を分母として、共重合している5−ヘキセニロキシトリイソプロピルシランの酸素に結合した1つの炭素(64ppm)のピーク強度を分子として求めた値を採用した。
5−ヘキセニロキシトリイソプロピルシラン8.88ml(26.5mmol)の代わりに信越化学社製5−ヘキセニロキシ−t−ブチルジメチルシラン7.42ml(26.5mmol)を使用する以外は実施例1と同様に実施した。その結果、14.5gのプロピレン−5−ヘキセニロキシトリイソプロピルシラン共重合体が得られた。触媒活性は、7250(kg−PP/mol−メタロセン.hr)、GPCによる重量平均分子量(Mw)は、333,000、Mw/Mnは2.11、融点(Tm)は141.1℃、5−ヘキセニロキシ−t−ブチルジメチルシランの含量は0.70mol%であった。重合データを表1に纏めた。
5−ヘキセニロキシトリイソプロピルシラン8.88ml(26.5mmol)の代わりに信越化学社製5−ヘキセニロキシトリメチルシラン5.96ml(26.5mmol)を使用する以外は実施例1と同様に実施した。その結果、全くポリマーが得られなかった。
5−ヘキセニロキシトリイソプロピルシラン8.88ml(26.5mmol)の代わりに、5−ヘキセン−1−オール3.12ml(26.5mmol)とヘプタン希釈したトリイソブチルアルミニウム(26.5mmol、37.5ml)の反応物を使用する以外は実施例1と同様に実施した。その結果、35.2gのプロピレン−5−ヘキセン−1−オール共重合体が得られた。GPCによる重量平均分子量(Mw)は、356,000、Mw/Mnは2.34、融点(Tm)は150.8℃、5−ヘキセン−1−オールの含量は0.28mol%であった。重合データを表1に纏めた。
(r)−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液1.0ml(2.0μmol)を4.0ml(8.0μmol)に、5−ヘキセニロキシトリイソプロピルシラン8.88ml(26.5mmol)を26.4ml(79.5mmol)に、プロピレンの分圧を0.5MPaから0.4MPaに変更する以外は実施例1と同様に実施した。その結果、59.9gのプロピレン−5−ヘキセニロキシトリイソプロピルシラン共重合体が得られた。触媒活性は、7490(kg−PP/mol−メタロセン.hr)、GPCによる重量平均分子量(Mw)は、112,000、Mw/Mnは2.26、融点(Tm)は126.2℃、5−ヘキセニロキシトリイソプロピルシランの含量は1.63mol%であった。重合データを表1に纏めた。
(r)−ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液1.0ml(2.0μmol)を4.0ml(8.0μmol)に、5−ヘキセニロキシ−t−ブチルジメチルシラン7.42ml(26.5mmol)を22.3ml(79.5mmol)に、プロピレンの分圧を0.5MPaから0.4MPaに変更する以外は実施例2と同様に実施した。その結果、59.0gのプロピレン−5−ヘキセニロキシ−t−ブチルジメチルシラン共重合体が得られた。触媒活性は、7380(kg−PP/mol−メタロセン.hr)、GPCによる重量平均分子量(Mw)は、117,000、Mw/Mnは2.03、融点(Tm)は124.1℃、5−ヘキセニロキシ−t−ブチルジメチルシランの含量は1.68mol%であった。重合データを表1に纏めた。
witco社製(r)−エチレンビスインデニルジルコニウムジクロリドをフラスコに採取/秤量し、トルエンに溶解させ1μmol/mlの溶液を調製した。
続いて、加熱下窒素を流通させることにより予めよく乾燥させ、室温に維持した1Lオートクレーブに、トルエンを500ml、トリイソブチルアルミニウム−ヘプタン溶液1.4ml(1.0mmol)、さらに、信越化学社製5−ヘキセニロキシトリイソプロピルシラン4.02ml(12.1mmol)を添加し、内温を30℃に制御した。その後、窒素置換したフラスコで東ソーファインケム社製MMAO(ヘキサン希釈品、2.0mmol/ml−Al換算)を4.5mlと先に希釈した(r)−エチレンビスインデニルジルコニウムジクロリドのトルエン溶液3.3ml(3.3μmol)の反応物(反応時間:5分)を添加し、直ぐにエチレンを供給し、内圧が0.20MPaまで昇圧、維持して重合をスタートさせた。重合開始後は内部圧力、温度が一定となるように維持し、1時間重合を実施した。重合終了後、残モノマーのパージを行い、トルエンスラリーを回収し、さらにエタノールを1L添加/撹拌後に、固体成分を減圧ろ過によりろ別し、90℃で減圧乾燥を実施した。その結果、13.5gのエチレン−5−ヘキセニロキシトリイソプロピルシラン共重合体が得られた。触媒活性は、4090(kg−PE/mol−メタロセン.hr)、GPCによる重量平均分子量(Mw)は、136,000、Mw/Mnは2.56、融点(Tm)は125.9℃、5−ヘキセニロキシトリイソプロピルシランの含量は0.40mol%であった。
100mlのガラスフラスコに実施例4で製造したシリロキシ基含有プロピレン共重合体を2.5g、続いてトルエン50mlを加えた。室温下、ドデシルスルホン酸を3.28g(13.1ミリモル)とトルエン50mlの混合物を加えた。その後、90℃に昇温し3時間反応させた。反応終了後、温度を室温に戻してろ過を実施した。濾過後、トルエン、続いてアセトンで洗浄し、90℃で減圧乾燥を3時間実施し、2.2gのポリマーを回収した。そのポリマーを1HNMR測定した結果、0.04ppmに現れるケイ素に結合したメチル基のピークが消失していた。従って、ほぼ100%でシリル化が進行しており、モノマー換算で約1.7モル%の水酸基を含有したプロピレン共重合体が得られた。GPCによる重量平均分子量(Mw)は、115,000、Mw/Mnは2.05、融点(Tm)は134.2℃であった。
100mlのガラスフラスコに実施例4で製造したシリロキシ基含有プロピレン共重合体を2.5g、続いてテトラヒドロフラン(THF)20mlを加えた。フラスコを氷水に浸けて10分後にテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド−THF溶液(1.0M)を3.93ml滴下した。室温で5時間反応を行った。反応後、塩化ナトリウム水溶液を加え、水層側を除き、吸引ろ過により固体分を回収した。ポリマーをアセトンで洗浄後、90℃で減圧乾燥を3時間実施し、2.3gのポリマー反応物を得た。得られたポリマーを、以下の条件で1HNMR測定を行った。図3に、1HNMRのスペクトルを示す。その結果、モノマー換算で0.42モル%の水酸基と1.26モル%のシリロキシ基を含有したプロピレン共重合体であることを確認した。
装置:日本電子(株)GSX−400 FT−NMR
積算回数:128回
パルス間隔:8秒
パルス角:90度
試料濃度:15wt/vol%
溶媒:重水素化オルトジクロロベンゼン
測定温度:100℃
Claims (7)
- 重量平均分子量(Mw)が10,000〜1,000,000であり、α−オレフィンと下記一般式(I)で表されるシリロキシ基を有するモノマーとを重合させたオレフィン共重合体であって、該一般式(I)で表されるシリロキシ基を有するモノマー構造単位が0.1〜10mol%含まれ、かつ数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の関係が、Q値(Mw/Mn)として、5以下であることを特徴とするオレフィン共重合体。
- 前記一般式(I)中のQの炭素数が2〜10であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン共重合体。
- α−オレフィンがプロピレンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のオレフィン共重合体。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のオレフィン共重合体の製造方法であって、
少なくとも下記成分(A)、(B)を含む触媒を使用して、α−オレフィンと下記一般式(I)で表されるシリロキシ基を含むビニルモノマーとを共重合させることを特徴とするオレフィン共重合体の製造方法。
成分(A):中心金属が4族のメタロセン化合物
成分(B):アルミニウムオキシ化合物、成分(A)と反応して成分(A)をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸、イオン交換性層状珪酸塩からなる群より選ばれるもの
- 触媒が更に下記成分(C)を含むことを特徴とする請求項4に記載のオレフィン共重合体の製造方法。
成分(C):微粒子担体 - 触媒が更に下記成分(D)を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載のオレフィン共重合体の製造方法。
成分(D):有機アルミニウム化合物 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のオレフィン共重合体を酸、又はテトラブチルアンモニウムフルオライド若しくはトリフルオロメタンスルホン酸の含フッ素化合物から選択される一種以上の化合物と反応させて脱シリル化により水酸基含有オレフィン共重合体を製造することを特徴とする変性方法。
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