JP2008140608A - 膜−電極接合体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】イオン伝導膜と、該イオン伝導膜の両面に、それぞれ触媒粒子及び高分子電解質とを含むアノード電極とカソード電極とを有する膜−電極接合体であって、
アノード電極、カソード電極の少なくも一方において、電極表面からイオン伝導膜側への厚み方向に、全電極重量の50%分までの電極中の細孔容積(V1)に対して、イオン伝導膜側から電極表面への厚み方向から厚み方向に、全電極重量の50%分までの電極中の細孔容積(V2)の比率(V2/V1)が85%以上100%未満であることを特徴とする膜
−電極接合体。
【選択図】なし
Description
解質量を、ガス拡散層側を小、プロトン交換膜側を大に制御することで、ガス拡散層側電極のガス拡散性が良好となり、発電性能が向上すると記載されている。しかし、電解質量の傾斜範囲が記載されておらず、かつ、電極中の電解質量の分布を実際に確認した記載がないため、電解質量の傾斜による効果が不明確である。さらに、プロトン交換膜側の電極中の電解質量を大きくしすぎると、細孔容積が小さくなるため、プロトン交換膜側の電極層でガス拡散性・排水性不足、電子伝導経路の切断がおこる可能性がある、一方、ガス拡散層側の電極中の電解質量を小にすると、ガス拡散層側の電極触媒層でプロトン交換膜からガス拡散層までのプロトン伝導経路の連続性が不十分となる可能性がある。したがって、従来技術では、触媒層中の電解質分布や細孔容積分布を十分に制御できていないために、発電性能・発電耐久性が十分ではなかった。
て、発電性能及び発電耐久性が向上した電極を有する膜−電極接合体を提供することにある。
[1]イオン伝導膜と、該イオン伝導膜の両面に、それぞれ触媒粒子及び高分子電解質とを
含むアノード電極とカソード電極とを有する膜−電極接合体であって、
アノード電極、カソード電極の少なくも一方において、電極表面からイオン伝導膜側への厚み方向に、全電極重量の50%分までの電極中の細孔容積(V1)に対して、イオン伝導膜側から電極表面への厚み方向から厚み方向に、全電極重量の50%分までの電極中の細孔容積(V2)の比率(V2/V1)が、85%以上100%未満であることを特徴とする膜
−電極接合体。
[2]上記電極は、電極表面からイオン伝導膜側への厚み方向に、全電極重量の50%分ま
での電極中の高分子電解質/触媒粒子の重量(W1)に対して、イオン伝導膜側から厚み方向
に、全電極重量の50%分までの電極中の高分子電解質/触媒粒子の重量比(W2)の比率
(W2/W1)が、100%より大きく130%以下であることを特徴とする[1]の膜−電極接合体。
[3]アノード電極とカソード電極のうち少なくとも一方が電極は複数の層で形成されてな
ることを特徴とする[1]または[2]の膜−電極接合体。
[4]上記イオン伝導膜、アノード電極、カソード電極の少なくも一方に用いられる高分子
電解質が、イオン伝導成分を有するポリマーセグメント(A)とイオン伝導成分を有さないポリマーセグメント(B)が共有結合しているブロック共重合体であることを特徴とする[1]〜[3]の膜−電極接合体。
[5]上記イオン伝導膜、アノード電極、カソード電極の少なくとも一方に用いられる高分
子電解質を形成する主鎖骨格が芳香環を結合基で共有結合させた構造を有することを特徴とする[1]〜[4]の膜−電極接合体。
[6]上記イオン伝導膜、アノード電極、カソード電極の少なくとも一方に用いられる高分
子電解質が下記一般式(1)で表される構造を含むスルホン酸基含有ポリアリーレンであることを特徴とする[1]〜[5]の膜−電極接合体。
(CF2)i−(iは1〜10の整数を示す。)または−C(CF3)2−を示し、Zは、独立に直接結合、−(CH2)j−(jは1〜10の整数を示す。)、−C(CH3)2−、−O−または−S−を示し、Arは、−SO3H、−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3H(pは1〜12の整数を示す。)で表される置換基を有する芳香族基を示し
、mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。
H−、−COO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数を示す。)、−(CH2)j−(jは1〜10の整数を示す。)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水
素基またはハロゲン化炭化水素基を示す。)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−または−S−を示し、Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、R1〜R16
は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部もしくは全部がハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基またはニトリル基を示し、sおよびtは、それぞれ0〜4の整数を示し、rは0または1以上の整数を示す。
−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、R20は含窒素複素環基を示す。qは1〜5の整数を示し、pは0〜4の整数を示す。x、y、zは、x+y+z=100mol%とした場合のモル比を示す。][7]アノード電極、カソード電極の少なくとも一方に、撥水剤として、
(A)ポリフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリレート由来の構造単位を有する含フッ素共重合体、および/または
(B)フッ素含有オレフィン系単量体由来の下記一般式(2)で表される構造単位と、ビニルエーテル系単量体由来の下記一般式(3)で表される構造単位とを有する含フッ素共重合体を:
はアルキル基またはフルオロアルキル基を示す。)を示す。]
る基(W2はアルキル基、ヒドロキシアルキル基、グリシジル基またはフルオロアルキル
基を示し、hは0〜2の整数を示す。)、−OCOW3で表される基(W3はアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはグリシジル基を示す。)、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基を示す。]
を含むことを特徴とする[1]〜[6]の膜−電極接合体。
[8]アノード電極とカソード電極のうち少なくとも一方が電極は複数の層から形成され、
複数の層から形成される電極が、前記(V2/V1)が85%以上100%未満であること[1]〜[7]の膜−電極接合体。
[9]イオン伝導膜上に、高分子電解質と触媒粒子を含む電極ペーストを少なくとも2回以上塗布する膜-電極接合体の製造方法であって、1層目に使用する電極ペースト中の高分子
電解質/触媒粒子の重量比(P2)に対して、2層目以上に使用する電極ペースト中の高分子電解質/触媒粒子の重量比(P1)の比率(P1/P2)が110%以上、400%以下で
あることを使用することを特徴とする膜-電極接合体の製造方法。
[I.膜-電極接合体]
(1)膜-電極接合体の構成
本発明の膜−電極接合体は、イオン伝導膜と、該イオン伝導膜の両面に備え、それぞれ触媒粒子及び高分子電解質とを含むアノード電極とカソード電極とを有する膜−電極接合体である、この膜-電極接合体では、アノード電極、カソード電極の少なくとも一方にお
いて、厚み方向での細孔容積が均質であることを特徴とする。これらの電極は、電気化学反応場となり、さらに表面には、通常、ガス拡散の促進および集電を行う電極基材が接合される。
5%以上100%未満であることを特徴とする。
電極の厚み方向における細孔容積の局所的な分布によるガス拡散性、排水性、プロトン伝導性、電子伝導性の両立不足が解消され、電極の厚み方向全体に渡って効率良く反応が進行するため、十分な発電性能、及び発電耐久性を得ることができる。
細孔容積が上記範囲を超えて大きすぎると、機械的特性が低下する傾向にある。また、電子伝導及びプロトン伝導経路が切断され、発電性能が低下する恐れがある。一方、上記範囲未満で小さいとガスの拡散性や水の排出性が悪く、発電性能が低下することがある。電極中の細孔容積は、後述する電極ペーストの調製条件、具体的には、攪拌方法、ビーズ攪拌の場合はビーズ径やビーズ量、攪拌時間、高分子電解質の量、炭素繊維の量などによって、変化する。一般的に、高分子電解質の量が多いと細孔容積は小さくなり、一方、少なくなると細孔容積が大きくなる。
さらに、アノード電極、カソード電極の少なくとも一方において、厚み方向で高分子電解質/触媒粒子の重量比が均質に分布することが好ましい。具体的には、電極表面(電極
基材との接合面)からイオン伝導膜側への厚み方向に、全電極重量の50%分までの電極中の高分子電解質/触媒粒子の重量比(W1)に対して、イオン伝導膜側から電極表面への
厚み方向に、全電極重量の50%分までの電極中の高分子電解質/触媒粒子の重量比(W2
)の比率(W2/W1)が、100%よりも大きく、130%以下であるが好ましい。より好ましくは101〜120%の比率である。上記比率であると、電極の厚み方向における高分子電解質の局所的な分布によるガス拡散性、排水性、プロトン伝導性、電子伝導性の両立不足が解消され、電極の厚み方向全体に渡って効率良く反応が進行するため、十分な発電性能、及び発電耐久性を得ることができる。また、電極の厚み方向で高分子電解質が上記範囲内で存在することで、上記の電極の単位面積辺りの細孔容積も上記範囲内に調整することができる。
は、0.2〜1.9の比率にあることが望ましい。この範囲にあればイオン伝導性を十分に確保でき、且つ耐湿性を高くすることができる。
の電極を蛍光X線装置で測定し、電極中の高分子電解質固有の原子(例えば、スルホン酸由来の硫黄原子)と触媒粒子由来の原子(例えば、白金原子)の強度を求め、(高分子電解質固有の原子/触媒粒子由来の原子)の強度比を算出しする。それぞれの電極のその強
度比を用いて、電極表面からイオン伝導膜側への厚み方向に、全電極重量の50%分までの電極中の高分子電解質/触媒粒子の重量比(W1)、およびイオン伝導膜側から電極表面
への厚み方向に、全電極重量の50%分までの電極中の高分子電解質/触媒粒子の重量比
(W2)を求め、比率(W2/W1)を算出する。
具体的には、V1およびW1が特定の範囲にある層と、V2およびW2が特定の範囲にある層との複数層からなり、V2/V1、W2/W1が前記した比率となるものが好ましい。
(2)膜-電極接合体の製造方法
本発明に係る膜―電極接合体の具体的な製造方法の一つとしては、例えばイオン伝導膜上に、ある電極ペーストを塗布し乾燥して電極1を形成し、さらにその上に電極1中の触媒粒子/高分子電解質の重量比に対して、その重量比がより大きい電極ペーストを塗布し
乾燥して電極2を形成する方法を挙げることができる。このように積層された電極を得た後、ガス拡散層をホットプレスで圧着することができる。
解質と触媒粒子を含む電極ペーストを少なくとも2回以上塗布する膜-電極接合体の製造方法であって、1層目に使用する電極ペースト中の高分子電解質/触媒粒子の重量比(P2)に対して、2層目以上に使用する電極ペースト中の高分子電解質/触媒粒子の重量比(P1)の比率(P1/P2)が110%以上、400%以下である。好ましくは、120%以上
、300%以下である。このような構成とすることで、電極中の前記した高分子電解質/
触媒粒子の重量比(W2およびW1)の比率(W1/W2)を、前記した範囲におさめることが
できるだけではなく、電極の厚み方向の細孔容積、及び高分子電解質/触媒粒子の重量比
の分布を電極ペーストの1回のみと塗布に比べて、大幅に均質化できる。
えている。このため、2種以上の濃度の異なるペーストを使用することで、この問題が解消し、均一な細孔容積、重量比の電極が形成できると考えられる。特に、イオン交換膜へ電極ペーストを1回塗布のみの場合、電極表面に対して膜側の高分子電解質/触媒粒子比が大きくなる傾向にあるため、電極ペーストを塗布する際に、あらかじめ膜側(1層目)に
塗布する高分子電解質/触媒粒子比を電極表面側(2層目)よりも小さくすることで、高分子電解質/触媒粒子比を電極全体で比較的均質化できるものと考えられる。
は0.1〜2.0、より好ましくは0.2〜1.6であり、2回目以降に塗布される電極ペーストの(高分子電解質/触媒粒子中のカーボン)の重量比は0.3〜2.5、より好
ましくは0.4〜2.0である。
ーボンの重量比が、上記範囲の比率であれば、電極の厚み方向での細孔容積、及び高分子電解質の分布を比較的に均質な分布状態に制御でき、十分な発電性能、及び発電耐久性を得ることができる。
上記ペーストの塗布方法としては、刷毛塗り、筆塗り、バーコーター塗布、ナイフコーター塗布、ドクターブレード法、スクリーン印刷、スプレー塗布などがあり、他の基材(転写基材)上に塗布して電極をいったん形成した後、電極基材またはイオン伝導膜に転写してもよい。この場合の転写基材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のシート、または表面を離型剤処理したガラス板や金属板なども用いることができる。
(3)拡散層
必要に応じて、電極表面にはガス拡散層が設けられていてもよい。
[II.電極]
(1)電極の構成
本願発明の電極は、前述の膜-電極接合体の製造方法において述べたように、原則とし
て、電極ペーストをイオン伝導膜等に塗布し乾燥して製造される。以下、電極ペーストについて詳述する。
(2)電極ペースト
本発明で使用される電極ペーストとしては、例えば触媒粒子、高分子電解質および必要に応じて撥水剤などを有機溶剤中に分散させ、従来公知の方法で混練することにより調製される。
(i)触媒粒子
触媒粒子は、触媒がカーボン、金属酸化物の担体に担持されたもの、または、触媒の単体からなる。
ましく、該白金合金には白金と合金化される金属との金属間化合物が含有されていてもよい。
上記触媒を担持する担体としては、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが、電子伝導性と比表面積の大きさから好ましく用いられる。また、天然の黒鉛、ピッチ、コークス、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、フラン樹脂などの有機化合物から得られる人工黒鉛や炭素などを用いてもよい。
(ii)高分子電解質
高分子電解質は、前記触媒を担持したカーボンを結着させるバインダー成分として働くとともに、アノード側では触媒上の反応によって発生したイオンをイオン伝導膜へ効率的に供給させ、またカソード側ではイオン伝導膜から供給されたイオンを触媒へ効率的に供給させる。
スルホン酸基含有ポリアリーレンとしては、好ましくは、スルホン酸基を有するポリマーセグメント(A)と、イオン伝導成分を有しないポリマーセグメント(B)と、含窒素複素環基を側鎖に有するセグメント(C)が共有結合しているブロック共重合体であり、特に好ましくは、下記一般式(A)で表される構成単位(以下、「構成単位(A)」または「スルホン酸ユニット」ともいう。)と、下記一般式(B)で表される構成単位(以下、「構成単位(B)」または「疎水性ユニット」ともいう。)と、下記一般式(C)で表される構成単位(以下、「構成単位(C)」または「塩基性ユニット」ともいう。)を含む下記一般式(D)で表されるスルホン酸基を有するポリアリーレンである。
構成単位(A)(スルホン酸ユニット)
、−(CF2)i−(iは1〜10の整数を示す。)または−C(CF3)2−を示す。これらの中では、−CO−および−SO2−が好ましい。
12の整数を示す。)で表される置換基を有する芳香族基を示す。芳香族基としては、たとえば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられる。これらの中では、フェニル基およびナフチル基が好ましい。また、Arは、−SO3H、
−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基を少なくとも1個有していることが必要であり、ナフチル基である場合には2個以上有することが好ましい。
上記構成単位(A)の好ましい構造としては、上記式(A)において、
(1)m=0、n=0であり、Yが−CO−であり、Arが置換基として−SO3Hを有
するフェニル基である構造、
(2)m=1、n=0であり、Yが−CO−であり、Zが−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(3)m=1、n=1、k=1であり、Yが−CO−であり、Zが−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(4)m=1、n=0であり、Yが−CO−であり、Zが−O−であり、Arが置換基として2個の−SO3Hを有するナフチル基である構造、
(5)m=1、n=0であり、Yが−CO−であり、Zが−O−であり、Arが置換基として−O(CH2)4SO3Hを有するフェニル基である構造
などを挙げることができる。
構成単位(B)(疎水性ユニット)
SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数を示す。)、−(CH2)j−(jは1〜10の整数を示す。)、−CR’2−、シクロヘキシリデン基、
フルオレニリデン基、−O−または−S−を示す。これらの中では、直接結合、−CO−、−SO2−、−CR’2−、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基および−O−が好ましい。なお、R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を示し、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、プロピル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、フェニル基、トリフルオロメチル基などが挙げられる。
R1〜R16は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部もしくは全部
がハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基またはニトリル基を示す。
ル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられる。アリル基としては、プロペニル基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
上記構成単位(B)の好ましい構造としては、上記式(B)において、
(1)s=1、t=1であり、Aが−CR’2−、シクロヘキシリデン基またはフルオレ
ニリデン基であり、Bが酸素原子であり、Dが−CO−または−SO2−であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、
(2)s=1、t=0であり、Bが酸素原子であり、Dが−CO−または−SO2−であ
り、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、
(3)s=0、t=1であり、Aが−CR’2−、シクロヘキシリデン基またはフルオレ
ニリデン基であり、Bが酸素原子であり、R1〜R16が水素原子、フッ素原子またはニト
リル基である構造などが挙げられる。
構成単位(C)(塩基性ユニット)
とも1種の構造を示し、R20は含窒素複素環基を示す。qは1〜5の整数を示し、pは0〜4の整数を示す。
、ピラゾール、1,3,5−トリアジン、ピリミジン、ピリタジン、ピラジン、インドール、キノリン、イソキノリン、ブリン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、テトラゾール、テトラジン、トリアゾール、カルバゾール、アクリジン、キノキサリン、キナゾリンからなる含窒素複素環化合物およびこれらの誘導体からなる群から選ばれる化合物から誘導される少なくとも1種の基を示し、また併用してもよい。
(高分子電解質の構造)
びzは、x+y+z=100モル%とした場合のモル比を示す。
]zのユニットの割合(z/x)の割合は、0.001モル%〜50モル%であり、好ましくは
、0.1モル%〜30モル%であり、さらに好ましくは、1モル%〜25モル%である。
<スルホン化ポリアリーレンの製造方法>
高分子電解質を構成するスルホン酸基を有する重合体(スルホン化ポリアリーレン)の製造には、例えば下記に示すA法、B法、C法の3通りの方法を用いることができる。
例えば、特開2004−137444号公報に記載の方法と同様に、下記一般式(A’)で表されるモノマー、下記一般式(B’)で表されるモノマーおよび下記一般式(C’)で表されるモノマーを共重合させ、スルホン酸エステル基を有する重合体を製造し、このスルホン酸エステル基を脱エステル化して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換することにより合成することができる。
モノマー(A’)
換アルキル基またはアリール基を示す)から選ばれる原子または基を示す。
Y,Z,Ar,m,n、kは一般式(A)と同じであり、Rは炭素数4〜12のアルキル基を示す。
モノマー(B’)
モノマー(B’)は下記式(B’)で表される。
基、フッ素置換アルキル基またはアリール基を示す)から選ばれる原子または基を示す。
R1〜R16、A、B、D、s、tおよびrは前記一般式(B)と同じである。
クロロフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−クロロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4−クロロ安息香酸−4−クロロフェニルエステル、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリルが挙げられる。これらの化合物において塩素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物などが挙げられる。
−113136号公報に記載の化合物を挙げることができる。
モノマー(C’)としては下記式(C’)で表される。
換アルキル基またはアリール基を示す)から選ばれる原子または基を示す。
Y、Z、R20、pおよびqは前記一般式(C)と同じである。
た化合物を挙げることができる。これらの化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
活性水素を有する含窒素複素環化合物としては、ピロール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、イミダゾール、イミダゾリン、ピラゾール、1,3,5−トリアジン、ピリミジン、ピリタジン、ピラジン、インドール、キノリン、イソキノリン、ブリン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、テトラゾール、テトラジン、トリアゾール、カルバゾール、アクリジン、キノキサリン、キナゾリン、2−ヒドロキシピリジン、3−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジン、3−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリン、2−ヒドロキシピリミジン、2−メルカプトピリジン、3−メルカプトピリジン、4−メルカプトピリジン、2−メルカプトピリミジン、2−メルカプトベンズチアゾールなどを挙げることができる。
一般式(4)で表される化合物と活性水素を有する含窒素複素環化合物との反応は、有機溶媒中で行うことが好ましい。N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒を用いる。反応を促進するために、アルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などを用いる。一般式(2)で表される化合物と、活性水素を有する含窒素複素環化合物との比率は、等モルもしくは活性水素を有する含窒素複素環化合物を過剰に加えて反応させる。具体的には、活性水素を有する含窒素複素環化合物は一般式(4)で表される化合物の1〜3倍モル、特に1〜1.5倍モル使用することが好ましい。
生成物は再結晶などの方法で精製して用いることが好ましい。
前記重合体を得るためはまず上記モノマー(A')、モノマー(C')および必要に応じてもモノマー(B')を共重合させ、前駆体を得る。
以下、「配位子成分」という。)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)
、ならびに(2)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。
条件としては、特開2001−342241号公報に記載の化合物および条件を採用することができる。
ィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、2,2′−ビピリジンなどが好適に使用される。さらに、あらかじめ配位子が配位された遷移金属(塩)としては、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2′ビピリジン)が好適に使用される。還元剤としては、例えば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどを挙げることできるが、亜鉛、マグネシウム、マンガンが好ましい。「塩」としては、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。反応には重合溶媒を使用してもよく、具体的には、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、1-メチル-2-ピロリドンなどが好適に使用される。
加水分解は、(1)少量の塩酸を含む過剰量の水またはアルコールに、上記スルホン酸エステル基を有する重合体を投入し、5分間以上撹拌する方法、(2)トリフルオロ酢酸中で上記スルホン酸エステル基を有する重合体を80〜120℃程度の温度で5〜10時間程度反応させる方法、(3)重合体中のスルホン酸エステル基(−SO3R)1モルに
対して1〜3倍モルのリチウムブロマイドを含む溶液、例えばN−メチルピロリドンなどの溶液中で上記スルホン酸エステル基を有する重合体を80〜150℃程度の温度で3〜10時間程度反応させた後、塩酸を添加する方法などにより行うことができる。
例えば、特開2001−342241号公報に記載の方法と同様に、上記一般式(A’)で表される骨格を有し、かつスルホン酸基、スルホン酸エステル基を有しないモノマーと、上記モノマー(B')と、上記モノマー(C')を共重合させ、この重合体を、スルホン化剤を用いて、スルホン化することにより合成することもできる。
一般式(A)において、Arが−O(CH2)hSO3Hまたは−O(CF2)hSO3Hで表される置換基を有する芳香族基である場合には、例えば、特開2005−606254号公報に
記載の方法と同様に、上記一般式(A)で表される構造単位となりうる前駆体のモノマーと、上記一般式(B)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマーと、上記一般式(C)で表される構造単位となるモノマーを共重合させ、次にアルキルスルホン酸またはフッ素置換されたアルキルスルホン酸を導入する方法で合成することもできる。
に記載の方法で、アルキルスルホン酸基を導入する方法。例えば、前駆体の重合体のヒドロキシル基と、プロパンスルトン、ブタンスルトンなどを反応させることで導入することができる。
(撥水剤)
撥水剤は、水分をはじいて電極の耐水性を高めるものであり、撥水剤を含んでいると電極の撥水性および保水性が高くなり、低湿および高湿のいずれの条件においても良好な発電性能を得ることができる。 本発明で用いられる撥水剤としては、
(A)ポリフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリレート由来の構造単位を有する含フッ素共重合体(以下「含フッ素共重合体(a)」という。)、及び、
(B)フッ素含有オレフィン系単量体由来の下記一般式(5)で表される構造単位(以下「構造単位(5)」ともいう。)と、ビニルエーテル系単量体由来の下記一般式(6)で表される構造単位(以下「構造単位(6)」ともいう。)とを有する含フッ素共重合体(以下「含フッ素共重合体(b)」という。)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
はアルキル基またはフルオロアルキル基を示す。)を示す。
る基(W2はアルキル基、ヒドロキシアルキル基、グリシジル基またはフルオロアルキル
基を示し、hは0〜2の整数を示す。)、−OCOW3で表される基(W3はアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはグリシジル基を示す。)、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基を示す。
<含フッ素共重合体(a)>
上記含フッ素共重合体(a)は、ポリフルオロアルキル基(以下「Rf基」と記す。)
を含有する(メタ)アクリレート由来の構造単位を有する。
う。Rf基の炭素数は1〜20が好ましく、特に4〜16が好ましい。Rf基は、直鎖構造または分岐構造のいずれでもよく、分岐構造である場合には、分岐部分がRf基の末端部
分に存在することが好ましい。Rf基の炭素原子の一部は、エーテル性の酸素原子または
チオエーテル性のイオウ原子に置換されていてもよい。さらにRf基は、フッ素原子以外
の他のハロゲン原子(例えば、塩素原子等)を含んでいてもよい。
がフッ素原子に置換されたパーフルオロアルキル基が好ましい。
上記含フッ素共重合体(a)は、Rf基含有(メタ)アクリレートから誘導される。か
かるRf基含有(メタ)アクリレートとしては、下記一般式(7)で表される化合物が好
ましい。
CH2=C(R)COO−Q−Rf ・・・(7)
式(7)中、Rは水素原子またはメチル基を示す。Qは2価の有機基を示し、好ましくはアルキレン基およびアルキレン基を含む2価の有機基であり、より好ましくはアルキレン基である。具体的には、−CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH2N(CH3)CO−、−CH2CH2N(CH3)SO2−、−CH(CH2Cl)CH2OCH2CH2N(CH3)SO2−などが好ましい。
CH2=CRCOOCH2CH2Rf、
CH2=CRCOOCH(CH3)CH2Rf、
CH2=CRCOOCH2CH2N(CH3)CORf、
CH2=CRCOOCH2CH2N(C2H5)CORf、
CH2=CRCOOCH2CH2N(C3H7)CORf、
CH2=CRCOOCH2CH2N(CH3)SO2Rf、
CH2=CRCOOCH2CH2N(C2H5)SO2Rf、
CH2=CRCOOCH2CH2N(C3H7)SO2Rf、
CH2=CRCOOCH(CH2Cl)CH2OCH2CH2N(CH3)SO2Rf
などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
よい。また、Rf基の炭素数の異なる化合物を2種以上併用してもよい。
上記含フッ素共重合体(a)は、重合体中のフッ素含有量を調節する等の目的で、Rf
基含有(メタ)アクリレート以外の単量体(以下「その他の単量体」という。)に由来する重合単位を含有することが好ましい。
位は、該重合体(a)の25〜100%重量、好ましくは30〜85重量%の範囲で含有することが望ましい。Rf基含有(メタ)アクリレート由来の重合単位の含有量が上記範
囲内にあることにより、電極の撥水性および保水性のバランスに優れ、低湿および高湿のいずれの条件においても良好な発電性能を得ることができる。
てその他の単量体を用いて、公知もしくは周知の重合方法や条件を適宜採用して製造することができる。
上記含フッ素共重合体(b)は、上記構造単位(5)と上記構造単位(6)とを含み、
好ましくは水酸基を含有する単量体由来の構造単位(以下「水酸基含有構造単位」ともいう。)をさらに含む。
ルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロシクロヘキシル基などの炭素数1〜6のフルオロアルキル基が挙げられる。W1におけるアルキル基としては、たとえば、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。W1におけるフルオロアルキル基としては、X1におけるフルオロアルキル基と同様のものが挙げられる。
ボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。上記構造単位(6)中のW2におけ
るフルオロアルキル基としては、上記構造単位(5)中のX1におけるフルオロアルキル
基と同様のものが挙げられる。上記構造単位(6)中のW2及びW3におけるアルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ラウリル基などの炭素数1〜12のアルキル基が挙げられる。また、W2およびW3におけるヒドロキシアルキル基としては、たとえば、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基などが挙げられる。
一般式 CF2=CF−O−W1(W1は前記と同様である。)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテルもしくはフルオロアルキルパーフルオロビニルエーテル類;
パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)、パーフルオロ(イソブチルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類;パーフルオロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類などを挙げることができる。
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニル
エーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルもしくはシクロアルキルビニルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(n−プロポキシ)エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有化合物などを挙げることができる。
で、5,000〜500,000、好ましくは10,000〜300,000、更に好ましくは10,000〜100,000である。Mnが上記範囲より小さいと電極の撥水性が低下し、高湿条件において良好な発電性能が得られない場合があり、一方、上記範囲を超えると電極ペーストの粘度が高くなり、電極の作製が困難となる場合がある。
アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;過酸化水素、tert-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキ
サイド等のハイドロパーオキサイド類;ジ−tert-ブチルパーオキサイド、ジクミルパー
オキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類;tert-ブチ
ルパーオキシアセテート、tert-ブチルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル類
;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;パーフルオロエチルアイオダイド、パーフルオロプロピルアイオダイド、パーフルオロブチルアイオダイド、(パーフルオロブチル)エチルアイオダイド、パーフルオロヘキシルアイオダイド、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアイオダイド、パーフルオロヘプチルアイオダイド、パーフルオロオクチルアイオダイド、2−(パーフルオロオクチル)エチルアイオダイド、パーフルオロデシルアイオダイド、2−(パーフルオロデシル)エチルアイオダイド、ヘプタフルオロ−2−ヨードプロパン、パーフルオロ−3−メチルブチルアイオダイド、パーフルオロ−5−メチルヘキシルアイオダイド、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチルアイオダイド、パーフルオロ−7−メチルオクチルアイオダイド、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチルアイオダイド、パーフルオロ−9−メチルデシルアイオダイド、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチルアイオダイド、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアイオダイド、1H,H,5H−オクタフルオロペンチルアイオダイド、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアイオダイド、テトラフルオロ−1,2−ジヨードエタン、オクタフルオロ−1,4−ジヨードブタン、ドデカフルオロ−1,6−ジヨードヘキサン等のヨウ素含有フッ素化合物などを挙げることができる。
3重量%の割合で含有され、炭素繊維は0〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の割合で含有されることが望ましい(なお、これらの合計を100重量%とする)。
(iii)有機溶剤および水
前記電極ペーストの調製には通常、有機溶剤が使用される。有機溶剤としては、特に限定されることはないが、好ましくは、沸点(b.p.)が75〜250℃、かつ-O-、-OH、-CO-、-SO-、-SO2-、-COO-、-CONR-(Rは、水素原子、炭化水素基)からなる基を少なくと
も1種類以上有する有機溶剤を用いることができる。
(b.p.113℃)、シクロヘキサノール(b.p.161℃)、1−ヘキサノール(b.
p.157℃)、2−メチル−1−ペンタノール(b.p.148℃)、2−メチル−2−
ペンタノール(b.p.121℃)、4−メチル−2−ペンタノール(b.p.132℃)、2−エチル−1−ブタノール(b.p.147℃)、1−メチルシクロヘキサノール(b.
p.156)、2−メチルシクロヘキサノール(b.p.168℃)、3−メチルシクロヘ
キサノール(b.p.168℃)、4−メチルシクロヘキサノール(b.p.171℃)、1−オクタノール(bp.195℃)、2−オクタノール(b.p.180℃)、2−エチル−1−ヘキサノール(b.p.184℃)、ジオキサン(b.p.101℃)、ブチルエーテル(b.p.140℃)、フェニルエーテル(b.p.187℃)、イソペンチルエーテル(b.p.173℃)、1,2−ジメトキシエタン(b.p.85.2℃)、ジエトキシエタン(b.p.102℃)、ビス(2−メトキシエチル)エーテル(b.p.160℃)、ビス(2−エトキシエチル)エーテル(b.p.189℃)、シネオール(b.p.176℃)、ベンジルエチルエーテル(b.p.185℃)、アニソール(b.p.154℃)、フェネトール(b.p.170℃)、アセタール(b.p.104℃)、メチルエチルケトン(b.p.79.6℃)、2−ペンタノン(b.p.102℃)、3−ペンタノン(b.p.102℃)、シクロペンタノン(b.p.131℃)、シクロヘキサノン(b.p.156℃)、2−ヘキサノン(b.p.128℃)、4−メチル−2−ペンタノン(b.p.117℃、)、2−ヘ
プタノン(b.p.151℃)、2,4−ジメチル−3−ペンタノン(b.p.125℃)、
2−オクタノン(b.p.173℃)、γーブチロラクトン(b.p.204℃)、酢酸−n−ブチル(b.p.126℃)、酢酸イソブチル(b.p.126℃)、酢酸sec-ブチル(b.p.112℃)、酢酸ペンチル(b.p.150℃)、酢酸イソペンチル(b.p.142℃)、3−メトキシブチルアセタート(b.p.173℃)、酪酸メチル(b.p.102℃)、酪酸エチル(b.p.121℃)、乳酸メチル(b.p.145℃)、乳酸エチル(b.p.155℃)、乳酸ブチル(b.p.185℃)、2−メトキシエタノール(b.p.125℃)、2−エトキシエタノール(b.p.136℃)、2−(メトキシメトキシ)エタノール(b.p.168℃)、2−イソプロポキシエタノール(b.p.142℃)、1−メトキシ−2−プロパノール(b.p.120℃)、1−エトキシ−2−プロパノール(b.p.132℃)、ジメチルスルホキシド(b.p.189℃)、N−メチルホルムアミド(b.p.185℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(b.p.153℃)、N,N−ジエチルホルムアミド(b.p.178℃)、N,N−ジメチルアセトアミド(b.p.166℃)、N−メチ
ル−2−ピロリドン(b.p.202℃)、テトラメチル尿素(b.p.177.5℃)などを挙げることができ、これらは1種類以上を組み合わせて用いることもできる。
(iv)分散剤
電極ペーストには、さらに任意で分散剤が含まれていてもよい。
上記分散剤としては、オレイン酸・N−メチルタウリン、オレイン酸カリウム・ジエタノールアミン塩、アルキルエーテルサルフェート・トリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート・トリエタノールアミン塩、特殊変成ポリエーテルエステル酸のアミン塩、高級脂肪酸誘導体のアミン塩、特殊変成ポリエステル酸のアミン塩、高分子量ポリエーテルエステル酸のアミン塩、特殊変成燐酸エステルのアミン塩、高分子量ポリエステル酸アミドアミン塩、特殊脂肪酸誘導体のアミドアミン塩、高級脂肪酸のアルキルアミン塩、高分子量ポリカルボン酸のアミドアミン塩、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムラウリル硫酸エステルナトリウム塩、セチル硫酸エステルナトリウム塩、ステアリル硫酸エステルナトリウム塩、オレイル硫酸エステルナトリウム塩、ラウリルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、油溶性アルキルベンゼンスルホン酸塩、αーオレフィンスルホン酸塩、高級アルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩、高級アルコールリン酸ジエステルジナトリウム塩、ジアルキルジチオリン酸亜鉛等のアニオン界面活性剤、
ベンジルジメチル{2−[2−(P−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノオキ
シ)エトオキシ]エチル}アンモニウムクロライド、オクタデシルアミン酢酸塩、テトラ
デシルアミン酢酸塩、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、牛脂トリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、1−ヒドロキシエチル-2-牛脂イミダゾリン4級塩、2−ヘプタデセニルーヒドロキシエチルイミダゾリン、
ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン塩酸塩、トリエタノールアミンモノステアレートギ酸塩、アルキルピリジウム塩、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、ポリアクリルアミドアミン塩、変成ポリアクリルアミドアミン塩、パーフルオロアルキル第4級アンモニウムヨウ化物等のカチオン界面活性剤、およびジメチルヤシベタイン、ジメチルラウリルベタイン、ラウリルアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、アミドベタイン、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、3−[ωーフルオロアクカノイルーN−エチルアミノ]ー1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]ーN,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤、およびヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:2型)、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)、牛脂肪酸ジエタノールアミド(1:2型)、牛脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)、オレイン酸ジエタノールアミド(1:1型)、ヒドロキシエチルラウリルアミン、ポリエチレングリコールラウリルアミン、ポリエチレングリコールヤシアミン、ポリエチレングリコールステアリルアミン、ポリエチレングリコール牛脂アミン、
ポリエチレングリコール牛脂プロピレンジアミン、ポリエチレングリコールジオレイルアミン、ジメチルラウリルアミンオキサイド、ジメチルステアリルアミンオキサイド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、ポリビニルピロリドン、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビットの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステル、砂糖の脂肪酸エステル、等の非イオン界面活性剤、およびラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン等の両性界面活性剤などを挙げることができ、これらは1種類以上を組み合わせて用いることもでき、好ましくは、塩基性基を有する界面活性剤であり、より好ましくはアニオン性もしくは、カチオン性の界面活性剤であり、さらに好ましくは、分子量5千〜3万の界面活性剤である。
さらに、電極ペーストは、必要に応じて炭素繊維を含んでいてもよい。本発明で用いられる炭素繊維としては、レーヨン系炭素繊維、PAN系炭素繊維、リグニンポバー系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維等を用いることができ、好ましくは、気相成長炭素繊維が用いられる。電極ペースト炭素繊維が含まれていると電極の細孔容積が増大し、ガスの拡散性が向上し、また、生成する水によるフラッディング現象を改善でき、発電性能が向上させることが可能となる。
[III.イオン伝導膜]
本発明の膜−電極接合体を構成するイオン伝導膜としては、特に限定されず、公知のイオン伝導膜を用いることができるが、該イオン伝導膜を構成する成分としては、前記例示した高分子電解質が好ましい。この高分子電解質のイオン交換容量は、0.3〜5.0meq/g、好ましくは0.5〜4.0meq/gの範囲にあることが望ましい。
000〜100,000mPa・s、好ましくは3,000〜50,000mPa・sであ
る。溶液粘度が上記範囲よりも低いと、加工中の溶液の滞留性が悪く、基体から流れてしまうことがあり、一方、上記範囲を超えると、高粘度過ぎて、ダイからの押し出しができず、流延法によるフィルム化が困難となることがある。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、スルホン酸当量、分子量、および細孔容積、白金原子(触媒粒子に由来の原子)/硫黄原子(スルホン化ポリアリーレンに由来の原子)の強度比
、燃料電池の作成及び発電性能、及び発電耐久性の評価は以下のようにして求めた。
1.スルホン酸当量
得られたスルホン酸基を有する重合体の水洗水が中性になるまで洗浄し、フリーに残存している酸を除いて充分に水洗し、乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解したフェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液を用いて滴定を行い、中和点からスルホン酸当量を求めた。
2.分子量の測定
スルホン酸基を有しないポリアリーレンの分子量は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによってポリスチレン換算の分子量を求めた。スルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量は、溶剤として臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによってポリスチレン換算の分子量を求めた。
3.電極の細孔容積
イオン伝導膜側から電極表面への厚み方向に、全電極重量の50%分までの電極を、電極表面(電極基材との接合面)からイオン伝導膜側への厚み方向で全電極重量の50%分
までを均一に削りとった。この電極の細孔容積(V2)を水銀圧入法により測定した。
を算出した。
4.白金原子/硫黄原子の強度比
電極表面からイオン伝導膜側への厚み方向に、全電極重量の50%分までの電極は、膜―電極接合体において電極表面側からメスで全電極重量の50%分を電極の面方向に均一に削りとり、それを採取した(W1を測定)。
質/触媒粒子の重量比の指標とした。
[スルホン化ポリフェニレンエーテルの合成]
本発明に係るスルホン酸基含有芳香族系ポリマーとして好ましく用いられるスルホン化ポリアリーレンの合成例について示す。本発明は以下の合成例に特に限定されるものではないが、これらのスルホン化ポリアリーレンを電極中イオン伝導性基含有ポリマー、若しくはイオン交換膜として用いた場合、良好な発電特性を示す燃料電池を得ることができる。
[合成例1](1)疎水性ユニットの合成
攪拌機、温度計、Dean−Stark管、窒素導入管、冷却管をとりつけた1Lの三口フラスコに、2,6−ジクロロベンゾニトリル48.8g(284mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン89.5g(266mmol)、炭酸カリウム47.8g(346mmol)をはかりとった。窒素置換後、スルホラン346mL、トルエン173mLを加えて攪拌した。オイルバスで反応液を150℃で加熱還流させた。反応によって生成する水はDean−Stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean−Stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を200℃に上げ、3時間攪拌を続けた後、2,6−ジクロロベンゾニトリル9.2g(53mmol)を加え、さらに5時間反応させた。
あることを確認した。
2,5-ジクロロ-4'-(1−イミダゾリル)ベンゾフェノンの合成
.4g(1.68mol)、炭酸カリウム100.6g(0.728mol)、N,N’−ジメチルアセトアミド 840mlを量りとった。反応溶液を、窒素雰囲気下オイルバスを
用いて110℃で2時間加熱した。薄層クロマトグラフィーにより原料の消失を確認した後、反応液を室温まで放冷した。その後、反応液を3Lの水に徐々に加え、生成物を凝固させ、ろ過した。ろ過により得られた生成物をTHF(1.2L)で溶かし、トルエン(4
L)を加えた後、水層が中性になるまで食塩水により洗浄した。有機層を硫酸マグネシウ
ムにより乾燥させた後、エバポレーターにより溶媒を留去した。粗収量180gであった。80℃に加熱したトルエン1Lとメタノール20mlの混合溶媒を用いて再結晶単離操作を行い、白色固体の(III)を155g、収率87%で得た。
(3)スルホン化ポリアリーレンの合成
乾燥したN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)540mLを、3−(2,5−ジ
クロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル135.0g(336ミリモル)と、(合成例1)で合成した疎水性ユニット(I)40.7g(5.6ミリモル)、塩基性
ユニット(III)の2,5−ジクロロ−4’−(1−イミダゾリル)ベンゾフェノン6.
71g(16.8ミリモル)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド6.71g(10.3ミリモル)、トリフェニルホスフィン35.9g(137ミリモル)、ヨウ化ナトリウム1.54g(10.3ミリモル)、亜鉛53.7g(821ミリモル)の混合物中に窒素下で加えた。
00であった。
<イオン伝導膜の調製>
攪拌子を入れた50mlのスクリュー管に、合成例1で得られたスルホン化ポリアリーレン(II)を4.5g、N―メチル−2−ピロリドン15.3g、メタノールを10.2gをとり、室温で4時間攪拌した。この溶液を、ペットフィルム上にドクターブレードを用いてキャストし、恒温槽を用いて、60℃で1時間、120℃で1時間乾燥し、溶媒を留去した。乾燥後、ペットフィルムから剥がし、厚さ50μmの高分子電解質膜を得た。以下の評価では、この膜を用い発電評価を行った。
50mLのポリボトルに直径10mmのジルコニアボール(株式会社ニッカトー製「YTZボール」)25gを入れ、白金担持カーボン粒子(Pt:50重量%担持、田中貴金属工業株式会社製)1.51g、蒸留水0.88g、合成例1のポリマー(IV)のN−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分15重量%)4.28g、N−メチル−2−ピロリドン12.47g、を加え、ペイントシェーカーで60分間攪拌することにより、アノード電極ペーストAを得た。
直径10mmのジルコニアボール(株式会社ニッカトー製「YTZボール」)25gを入れた50mLのポリ瓶に、白金担持カーボン粒子(Pt:46重量%担持、田中貴金属工業株式会社製「TEC10E50E」)1.51g、蒸留水0.88g、合成例1のポリマー(IV)のN−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分15重量%)3.23g、N−メチル−
2−ピロリドン12.47g、気相法炭素繊維((昭和電工社製「VGCF」)0.49、ヘキサフルオロプロピレン及びヒドロキシエチルビニルエーテルを含む単量体を用いて製造された含フッ素共重合体Bのメチルエチルケトン溶液(固形分15重量%)0.8g
からなる混合物を入れ、ペイントシェーカーで60分間攪拌することにより、カソード電極ペーストBを得た。
直径10mmのジルコニアボール(株式会社ニッカトー製「YTZボール」)25gを入れた50mLのポリ瓶に、白金担持カーボン粒子(Pt:46重量%担持、田中貴金属工業株式会社製「TEC10E50E」)1.51g、蒸留水0.88g、合成例1のポリマー(IV)のN−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分15重量%)5.38g、N−メチル−
2−ピロリドン12.47g、気相法炭素繊維(昭和電工社製「VGCF」)0.49、ヘキサフルオロプロピレン及びヒドロキシエチルビニルエーテルを含む単量体を用いて製造された含フッ素共重合体Bのメチルエチルケトン溶液(固形分15重量%)1.33g
からなる混合物を入れ、ペイントシェーカーで60分間攪拌することにより、カソード電極ペーストCを得た。
上記の様に調製したイオン伝導膜の片面に、5cm×5cmの開口を有するマスクを用いて上記アノード電極ペーストAをドクターブレードにて塗布し、また上記アノード電極ペーストAを塗布していない面に、5cm×5cmの開口を有するマスクを用いて、ドクターブレードにてカソード電極ペーストBを塗布した上に、カソード電極ペーストCを塗布した。これを120℃で60分間乾燥することにより、アノード電極Aの白金塗布量が0.30mg/cm2、またカソード電極Bの白金塗布量が0.25mg/cm2、カソ
ード電極Cの白金塗布量が0.25mg/cm2になるアノード電極Aとカソード電極B
Cを形成した。
比(P1)の比率(P1/P2)は167%であった。
上記アノード電極Aとカソード電極BCが各面に形成された電解質膜を、それぞれのアノード電極Aとカソード電極BCに接するように2枚の撥水処理を施したカーボンペーパーで挟み、圧力30kg/cm2下、160℃×15minの条件でホットプレス成形し
て、膜−電極接合体を作製した。得られた電極−膜接合体を2枚のチタン製の集電体で挟み、さらにその外側にヒーターを配置し、有効面積25cm2の評価用燃料電池を作製し
た。
[実施例2]
<アノード電極ペーストの調製>
実施例1と同様にしてアノード電極ペーストAを得た。
直径10mmのジルコニアボール(株式会社ニッカトー製「YTZボール」)25gを入れた50mLのポリ瓶に、白金担持カーボン粒子(Pt:46重量%担持、田中貴金属工業株式会社製「TEC10E50E」)1.51g、蒸留水0.88g、合成例1のポリマー(IV)のN−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分15重量%)4.00g、N−メチル−
2−ピロリドン12.47g、気相法炭素繊維(昭和電工社製「VGCF」)0.82g、ヘキサフルオロプロピレン及びヒドロキシエチルビニルエーテルを含む単量体を用いて製造された含フッ素共重合体Bのメチルエチルケトン溶液(固形分15重量%)1.07g、からなる混合物を入れ、ペイントシェーカーで60分間攪拌することにより、カソー
ド電極ペーストDを得た。
直径10mmのジルコニアボール(株式会社ニッカトー製「YTZボール」)25gを入れた50mLのポリ瓶に、白金担持カーボン粒子(Pt:46重量%担持、田中貴金属工業株式会社製「TEC10E50E」)1.51g、蒸留水0.88g、合成例1のポリマー(IV)のN−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分15重量%)4.62g、N−メチル−
2−ピロリドン12.47g、気相法炭素繊維(昭和電工社製「VGCF」)0.49g、ヘキサフルオロプロピレン及びヒドロキシエチルビニルエーテルを含む単量体を用いて製造された含フッ素共重合体Bのメチルエチルケトン溶液(固形分15重量%)1.07gからなる混合物を入れ、ペイントシェーカーで60分間攪拌することにより、カソード
電極ペーストEを得た。
上記のようにして得られたアノード電極ペーストDおよびカソード電極ペーストD、Eを用いる(最初にカソード電極ペーストDを塗布した上に、カソード電極ペーストEを塗
布)以外は、実施例1と同様にして、アノード電極Aおよびカソード電極DEを形成した。
比(P1)の比率(P1/P2)は116%であった。
上記のようにして得られたアノード電極Aおよびカソード電極DEを用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価用燃料電池を作製した。
[実施例3]
<アノード電極ペーストの調製1>
直径10mmのジルコニアボール(株式会社ニッカトー製「YTZボール」)25gを入れた50mLのポリ瓶に、白金担持カーボン粒子(Pt:50重量%担持、田中貴金属工業株式会社製)1.51g、蒸留水0.88g、合成例1のポリマー(IV)のN−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分15重量%)3.23g、N−メチル−2−ピロリドン12.47gからなる混合物を入れ、ペイントシェーカーで60分間攪拌することにより、アノード電極ペーストFを得た。
直径10mmのジルコニアボール(株式会社ニッカトー製「YTZボール」)25gを入れた50mLのポリ瓶に、白金担持カーボン粒子(Pt:50重量%担持、田中貴金属工業株式会社製)1.51g、蒸留水0.88g、合成例1のポリマー(IV)のN−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分15重量%)5.38g、N−メチル−2−ピロリドン12.47gからなる混合物を入れ、ペイントシェーカーで60分間攪拌することにより、アノード電極ペーストGを得た。
実施例1と同様にしてカソード電極ペーストBを得た。
<カソード電極ペーストの調製2>
実施例1と同様にしてカソード電極ペーストCを得た。
上記の様に調製したイオン伝導膜の片面に、5cm×5cmの開口を有するマスクを用いて上記アノード電極ペーストFをドクターブレードにて塗布し、その上にアノード電極ペーストGを塗布した。また上記アノード電極ペーストF,Gを塗布していない面に、5cm×5cmの開口を有するマスクを用いて、ドクターブレードにてカソード電極ペーストBを塗布した上に、カソード電極ペーストCを塗布した。これを120℃で60分間乾燥することにより、アノード電極Fの白金塗布量が0.15mg/cm2、アノード電極
Gの白金塗布量が0.15mg/cm2、またカソード電極Bの白金塗布量が0.25m
g/cm2、カソード電極Cの白金塗布量が0.25mg/cm2になるアノード電極FGとカソード電極BCを形成した。
比(P1)の比率(P1/P2)は167%であった。
上記のようにして得られたアノード電極FGおよびカソード電極BCを用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価用燃料電池を作製した。
[比較例1]
<アノード電極ペーストの調製>
実施例1と同様にしてアノード電極ペーストAを得た。
実施例2と同様にしてカソード電極ペーストEを得た。
<電極の作製>
上記の様に調製したイオン伝導膜の片面に、5cm×5cmの開口を有するマスクを用いて上記アノード電極ペーストAをドクターブレードにて塗布し、また上記アノード電極ペーストAを塗布していない面に、5cm×5cmの開口を有するマスクを用いて、ドクターブレードにてカソード電極ペーストEを塗布した。これを120℃で60分間乾燥することにより、アノード電極Aの白金塗布量が0.30mg/cm2、またカソード電極
Eの白金塗布量が0.50mg/cm2になるアノード電極Aとカソード電極Eを形成し
た(ともに1層のみ)。
上記のようにして得られたアノード電極Aおよびカソード電極Eを用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価用燃料電池を作製した。
<アノード電極ペーストの調製>
実施例1と同様にしてアノード電極ペーストAを得た。
直径10mmのジルコニアボール(株式会社ニッカトー製「YTZボール」)25gを入れた50mLのポリ瓶に、白金担持カーボン粒子(Pt:46重量%担持、田中貴金属工業株式会社製「TEC10E50E」)1.51g、蒸留水0.88g、合成例1のポリマー(IV)のN−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分15重量%)1.09g、N−メチル−
2−ピロリドン12.47g、気相法炭素繊維((昭和電工社製「VGCF」)0.49、ヘキサフルオロプロピレン及びヒドロキシエチルビニルエーテルを含む単量体を用いて製造された含フッ素共重合体Bのメチルエチルケトン溶液(固形分15重量%)0.27gからなる混合物を入れ、ペイントシェーカーで60分間攪拌することにより、カソード
電極ペーストHを得た。
直径10mmのジルコニアボール(株式会社ニッカトー製「YTZボール」)25gを入れた50mLのポリ瓶に、白金担持カーボン粒子(Pt:46重量%担持、田中貴金属工業株式会社製「TEC10E50E」)1.51g、蒸留水0.88g、合成例1のポリマー(IV)のN−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分15重量%)7.50g、N−メチル−
2−ピロリドン12.47g、気相法炭素繊維(昭和電工社製「VGCF」)0.49、ヘキサフルオロプロピレン及びヒドロキシエチルビニルエーテルを含む単量体を用いて製造された含フッ素共重合体Bのメチルエチルケトン溶液(固形分15重量%)1.86g
からなる混合物を入れ、ペイントシェーカーで60分間攪拌することにより、カソード電極ペーストIを得た。
上記の様に調製したイオン伝導膜の片面に、5cm×5cmの開口を有するマスクを用いて上記アノード電極ペーストAをドクターブレードにて塗布し、また上記アノード電極ペーストAを塗布していない面に、5cm×5cmの開口を有するマスクを用いて、ドクターブレードにてカソード電極ペーストHを塗布した上に、カソード電極ペーストIを塗
布した。これを120℃で60分間乾燥することにより、アノード電極Aの白金塗布量が0.30mg/cm2、またカソード電極Hの白金塗布量が0.25mg/cm2、カソード電極Iの白金塗布量が0.25mg/cm2になるアノード電極Aとカソード電極HI
を形成した。
比(P1)の比率(P1/P2)は688%であった。
上記のようにして得られたアノード電極Aおよびカソード電極HIを用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価用燃料電池を作製した。
[評価]
実施例1〜3、比較例1〜4で得られた燃料電池の評価方法について示す。
評価1
温度を80℃に保ち、アノード極とカソード極を湿度40%RH及び80%RHの条件で、水素及び空気を2気圧(背圧0.2MPa一定の条件で)供給し、電流密度0.2A
/cm2及び0.8A/cm2での端子間電圧を測定した。結果を表1に示す。
評価2
評価1を測定後、燃料電池の温度を120℃に保ち、湿度40%RHの条件で、耐久評価を行った。水素及び空気を2気圧(背圧0.2MPa一定の条件で)供給し、電流密度
を0.2A/cm2に維持した時のときの端子間電圧が0.3V以下になるまでの時間を
測定した。結果を表2に示す。
Claims (9)
- イオン伝導膜と、該イオン伝導膜の両面に、それぞれ触媒粒子及び高分子電解質とを含むアノード電極とカソード電極とを有する膜−電極接合体であって、
アノード電極、カソード電極の少なくも一方において、電極表面からイオン伝導膜側への厚み方向に、全電極重量の50%分までの電極中の細孔容積(V1)に対して、イオン伝導膜側から電極表面への厚み方向から厚み方向に、全電極重量の50%分までの電極中の細孔容積(V2)の比率(V2/V1)が85%以上100%未満であることを特徴とする膜
−電極接合体。 - 上記電極は、表面から厚み方向に、全電極重量の50%分までの電極中の高分子電解質/触媒粒子の重量比(W1)に対して、イオン伝導膜側から厚み方向に、全電極重量の50
%分までの電極中の高分子電解質/触媒粒子の重量比(W2)の比率(W2/W1)が、100%より大きく、130%以下であることを特徴とする請求項1に記載の膜−電極接合体。 - アノード電極とカソード電極のうち少なくとも一方が電極は複数の層で形成されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の膜−電極接合体。
- 上記イオン伝導膜、アノード電極、カソード電極の少なくも一方に用いられる高分子電解質が、イオン伝導成分を有するポリマーセグメント(A)とイオン伝導成分を有さないポリマーセグメント(B)が共有結合しているブロック共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の膜−電極接合体。
- 上記イオン伝導膜、アノード電極、カソード電極の少なくとも一方に用いられる高分子電解質を形成する主鎖骨格が芳香環を結合基で共有結合させた構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の膜−電極接合体。
- 上記イオン伝導膜、アノード電極、カソード電極の少なくとも一方に用いられる高分子電解質が下記一般式(1)で表される構造を含むスルホン酸基含有ポリアリーレンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の膜−電極接合体。
(CF2)i−(iは1〜10の整数を示す。)または−C(CF3)2−を示し、Zは、独立に直接結合、−(CH2)j−(jは1〜10の整数を示す。)、−C(CH3)2−、−O−または−S−を示し、Arは、−SO3H、−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3H(pは1〜12の整数を示す。)で表される置換基を有する芳香族基を示し
、mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。
AおよびDは、それぞれ独立に直接結合、−CO−、−SO2−、−SO−、−CON
H−、−COO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数を示す。)、−(CH2)j−(jは1〜10の整数を示す。)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水
素基またはハロゲン化炭化水素基を示す。)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−または−S−を示し、Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、R1〜R16
は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部もしくは全部がハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基またはニトリル基を示し、sおよびtは、それぞれ0〜4の整数を示し、rは0または1以上の整数を示す。
Zは直接結合または、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Yは、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l
−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、R20は含窒素複素環基を示す。qは1〜5の整数を示し、pは0〜4の整数を示す。x、y、zは、x+y+z=100mol%とした場合のモル比を示す。] - アノード電極、カソード電極の少なくとも一方に、撥水剤として、
(A)ポリフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリレート由来の構造単位を有する含フッ素共重合体、 および/または
(B)フッ素含有オレフィン系単量体由来の下記一般式(2)で表される構造単位と、ビニルエーテル系単量体由来の下記一般式(3)で表される構造単位とを有する含フッ素共重合体を:
はアルキル基またはフルオロアルキル基を示す。)を示す。]
る基(W2はアルキル基、ヒドロキシアルキル基、グリシジル基またはフルオロアルキル
基を示し、hは0〜2の整数を示す。)、−OCOW3で表される基(W3はアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはグリシジル基を示す。)、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基を示す。]
を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の膜−電極接合体。 - アノード電極とカソード電極のうち少なくとも一方が電極は複数の層から形成され、複数の層から形成される電極の前記(V2/V1)が85%以上100%未満であることを特
徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の膜−電極接合体。 - イオン伝導膜上に、高分子電解質と触媒粒子を含む電極ペーストを少なくとも2回以上
塗布する膜-電極接合体の製造方法であって、1層目に使用する電極ペースト中の高分子
電解質/触媒粒子の重量比(P2)に対して、2層目以上に使用する電極ペースト中の高分子電解質/触媒粒子の重量比(P1)の比率(P1/P2)が110%以上、400%以下で
あることを使用することを特徴とする膜-電極接合体の製造方法。
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