JP2005056583A - 燃料電池用電解質膜電極接合体、それを用いた燃料電池およびその製造方法 - Google Patents

燃料電池用電解質膜電極接合体、それを用いた燃料電池およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒金属を担持した導電性炭素粒子と、高分子電解質からなる触媒層において、反応ガスおよび生成物ガスなどの気体、反応液体、生成水などの液体の拡散速度が遅いため電池電圧が低い。
【解決手段】少なくとも触媒金属を担持した導電性炭素粒子と高分子電解質とを混合し触媒層を製造する工程と、作製された触媒層を薄膜化する工程と、その薄膜の複数枚をプロトン伝導性電解質膜の上に順次積層することによりそのプロトン伝導性電解質膜と触媒層との接合体を形成する工程と、その接合体にガス拡散層を接合する工程とにより燃料電池用MEAを作製する。ガス拡散層側の触媒層の密度がプロトン伝導性電解質膜側の触媒層の密度より小さくし、かつ触媒層中の高分子電解質の量と触媒の量との比をほぼ一定にする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料として水素、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルなどの燃料を用い、空気あるいは酸素を酸化剤とする燃料電池、特に高分子電解質型燃料電池、とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素など水素イオン生成可能な燃料と、空気など酸素を含有する酸化剤とを、電気化学的に反応させることで、電力を発生させるものである。
その高分子電解質型燃料電池の構造は、まず、水素イオンを選択的に輸送するプロトン伝導性電解質膜(高分子電解質膜)のそれぞれ両面に、触媒層を形成する。次に、この触媒層の外面に、燃料ガスの通気性と電子伝導性を併せ持つ、例えば撥水処理を施した導電性カーボンペーパーで、ガス拡散層を形成する。この触媒層とガス拡散層とを合わせて電極と呼ぶ。
【0003】
次に、供給する燃料あるいは酸化剤ガスが外にリークしたり、燃料と酸化剤とが互いに混合したりしないように、電極の周囲にはプロトン伝導性電解質膜を挟んでガスシール材あるいはガスケットを配置する。このシール材あるいはガスケットは、電極及びプロトン伝導性電解質膜と一体化される。この一体化されたものをMEA(電解質膜電極接合体)と呼ぶ。
【0004】
燃料電池の触媒層は、一般に触媒として、白金系の貴金属触媒を触媒担持体としての導電性炭素粒子と、プロトン伝導性を有する高分子電解質を主成分とする混合物を薄膜化することで形成する。本明細書においては、本発明の技術分野において頻度多く用いられるように、触媒を担持した触媒担持体を触媒と称する場合がある。
現在、高分子電解質としては、パーフルオロカーボンスルホン酸、例えばナフィオン(デュポン社製)が一般的に使用されている。
【0005】
燃料電池における触媒層の働きは次のとおりである。触媒層上では、反応物および生成物の拡散、電子移動、水素イオンの移動が起こる。例えば、反応物は触媒に到達し、触媒と接する導電性炭素粒子を電子が通り、また触媒と接するプロトン伝導性電解質を水素イオンが通ることによって、触媒反応が進行する。この触媒と、導電性炭素粒子などの電子移動経路と、高分子電解質などの水素イオン経路との三相の界面でのみ触媒反応が進行する。この三相界面の面積が触媒の有効な反応面積であり、この部分が広いほど触媒層の活性は向上する。
反応面積を増大させる方法として、例えば、触媒層の作製時において、触媒と導電性炭素粒子、高分子電解質の混合比を規定することにより、構成要素の過不足をなくし、構造を最適化する方法がある。
【0006】
この触媒と高分子電解質の混合物を、ガス拡散層への塗布、プロトン伝導性電解質膜への熱転写、スクリーン印刷法、ドクターブレード法などによって、プロトン伝導性電解質膜の両面に設けて一体化する。
さらなる燃料電池の高出力を実現するためには、触媒層内の反応物および生成物の拡散性を向上させ、触媒反応の効率を高めることが重要である。
【0007】
特許文献1では、触媒層において、触媒粒径および高分子電解質の濃度制御により、触媒層における触媒担持体間の空隙をガス拡散層側で大きくする。
これにより、反応ガスの拡散性をガス拡散層側で高くしている。前記触媒層の作製は、触媒と高分子電解質、有機溶媒を混合した分散液を薄膜状に延ばした後、静置、あるいは分散液の遠心作用により、作製することができる。
【0008】
また、特許文献2では、触媒層において、触媒凝集粒子径および高分子電解質濃度制御により、プロトン伝導性電解質膜側に粒径の小さい触媒凝集粒子を、ガス拡散層側に粒径の大きい触媒凝集粒子を位置させ、ガスの供給および排出が容易で高出力の得られる燃料電池を提供している。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−88008号公報
【特許文献2】
特開平8−162123号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの触媒層では、触媒層中の燃料の拡散性および、生成物の排出性を向上させるため、高分子電解質の量が、ガス拡散層側ほど少なく、プロトン伝導性電解質膜側ほど多い。この結果、ガス拡散層側の触媒層では、触媒の量に対して高分子電解質の量が相対的に少ないため水素イオンの伝導経路が十分に確保されず、有効な触媒の反応面積が減少し電池電圧も低下する。
また、プロトン伝導性電解質膜側の触媒層では、触媒の量に対して高分子電解質の量が相対的に多いため電子伝導経路が十分に確保されず、有効な触媒の反応面積が減少し電池電圧が低下する。
【0011】
本発明は、上記問題点を解決するための燃料電池に関するものであり、その目的とするところは、触媒の利用率が高く、かつ、触媒層中の燃料拡散性を向上させることによって、反応効率の高い燃料電池とその製法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
従来の課題を解決するため本発明の燃料電池用MEAは、プロトン伝導性電解質膜と、前記プロトン伝導性電解質膜の両面に接触する一対の触媒層と、前記それぞれの触媒層に接触する一対のガス拡散層とを備え、前記触媒層は少なくとも高分子電解質と触媒とを担持した導電性を有する触媒担持体とを具備する燃料電池用MEAであって、前記触媒層において、前記触媒層の密度が前記プロトン伝導性電解質膜側から前記ガス拡散層側にかけて減少し、かつ前記高分子電解質の重量と前記触媒担持体重量との重量比が前記触媒層の前記プロトン伝導性電解質膜側から前記ガス拡散層側にかけてほぼ一定であることを特徴とする。
前記触媒層中の前記高分子電解質も、プロトン伝導性高分子電解質膜と同様にプロトン伝導性を有する。
【0013】
さらに、本発明の燃料電池用MEAの製造方法は、少なくとも触媒担持体に担持された触媒と高分子電解質との混合物を転写用シート上に触媒薄膜層として形成し、前記触媒薄膜層を転写プロセスによりプロトン伝導性電解質膜の少なくとも一方の主面上に形成する触媒薄膜層転写工程と、前記触媒薄膜層転写工程を少なくとも1回繰り返して前記プロトン伝導性電解質膜の上に形成された前記触媒薄膜層の上に、少なくとも1層の更なる触媒薄膜層を形成し複数の触媒薄膜層からなる触媒層を形成する触媒薄膜層転写繰り返し工程と、前記触媒層の上にガス拡散層を設けるガス拡散層設置工程とを具備し、前記触媒薄膜層転写繰り返し工程により、各触媒薄膜層の密度が前記プロトン伝導性電解質膜側の触媒薄膜層から前記ガス拡散層側の触媒薄膜層に向かって順次減少することを特徴とする。
【0014】
前記転写プロセスとして、熱転写プロセスを用いることが好ましい。
また、前記触媒薄膜層転写繰り返し工程が各触媒薄膜層を前記プロトン伝導性電解質膜に向かって押圧する押圧工程を具備し、その押圧プロセスにより、前記各触媒薄膜層の密度の前記順次減少が生じせしめられることが好ましい。
さらに、本発明の燃料電池用MEAあるいはその製造方法を用いて燃料電池を作製することが好ましい。
【0015】
MEAを用いて燃料電池を作製する方法は良く知られているので詳細な説明は省略するが、以下簡単に説明する。すなわち、MEA、導電性セパレータ板および冷却水ユニットなどを積層して電池スタックを作製する。各導電性セパレータ板には水素ガスと酸化剤ガスをそれぞれ各プロトン伝導性電解質膜の両面に供給し、また各ガスを排出するためのガス流路を形成する。冷却水ユニットには冷却水を流して、電池スタックで発生する熱を冷却する。これらのMEA、導電性セパレータ板、冷却水ユニットなどには、それらのガスおよび冷却水を流すためのマニホールド孔を設ける。その電池スタックを、発電される電気を外部に取り出すための集電板、絶縁板および端板などにより挟持し、その挟持された一体構成物に締結荷重を加えて締結することにより燃料電池を作製する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、燃料電池用MEAおよびそれを用いた燃料電池に関するものである。本発明の燃料電池用MEAは、プロトン伝導性電解質膜と、前記プロトン伝導性電解質膜の両面に接触する一対の触媒層と、前記各々の触媒層に接触する一対のガス拡散層とを備え、前記触媒層は少なくとも高分子電解質と触媒とを担持した導電性を有する触媒担持体とを具備する燃料電池用MEAであって、前記触媒層において、前記触媒層の密度が前記プロトン伝導性電解質膜側から前記ガス拡散層側にかけて減少し、かつ前記高分子電解質の重量と前記触媒担持体重量との重量比が前記触媒層の前記プロトン伝導性電解質膜側から前記ガス拡散層側にかけてほぼ一定であることを特徴とする。
【0017】
なお、本明細書において単に密度という用語を用いた場合(電流密度のような使用法を除く)は、原則として質量密度を意味する。また、ほぼ一定という用語は丁度一定という場合も含む。
【0018】
上記特徴により、触媒反応に有効に利用される触媒の数が増加し、電池電圧が向上するという効果を得ることができる。この効果をもたらす機構を以下に説明するが、要約すると、次の2点である。まず第1の点は、上記従来技術の課題、すなわち、触媒層の中でガス拡散層側とプロトン伝導性電解質膜側とで触媒に対する高分子電解質の量が、最適値あるいは最適領域と比べて、相対的に少な過ぎる、あるいは多過ぎることに起因する電池電圧の低下、を抑制することができるためである。触媒層における高分子電解質の量と触媒の量との比がほぼ一定であるということは、その比として電池電圧を最大化できる最適値あるいは最適領域を選択すれば、触媒層全体を通して電解質の量と触媒の量との最適バランスを実現することができることを意味する。
【0019】
また第2の点は次の通りである。燃料電池は、水素イオンのみを選択的に輸送するプロトン伝導性電解質膜の両面に、燃料および空気(酸化剤)の反応を生じせしめる部分である触媒層(それぞれ燃料極側の触媒層および空気極側の触媒)が一体化した構造を作製し、さらにその両面をそれぞれ導電性ガス拡散層で挟持してなるMEAを用いる。
触媒層内では燃料および空気(酸化剤)の供給、水素イオンの輸送、電子伝導、生成物の排出が行われる。これらの要素の輸送経路の確保が電池性能に大きな影響を及ぼす。
燃料電池の出力電圧の向上のためには、触媒層全体の構造の調整が重要である

【0020】
触媒層中の高分子電解質および触媒については、ガス拡散層側とプロトン伝導性電解質膜側ではそれらの密度が異なる方がよい。具体的には、それらの密度がプロトン伝導性電解質膜側で高く、ガス拡散層側に向かって減少していく方がよい。換言すれば触媒層の空孔率がプロトン伝導性電解質膜側で低く、ガス拡散層側に向かって増加していく方がよい。このような密度勾配構造をとることによって、水素および酸素などの気体、またメタノール水溶液などの液体のいずれの場合も、燃料および酸化剤の拡散層から触媒層への輸送が容易になる。
【0021】
また触媒層にて発生した水および二酸化炭素ガスについても、プロトン伝導性電解質膜側ではなく、ガス拡散層側に選択的に排出されるやすくなるため、その結果、それらの水およびガスなどの拡散速度が向上し、触媒層内での燃料と生成物との交換が容易になり、電池電圧が向上する。
【0022】
もちろん、触媒層内の構造設計も重要である。触媒上では、燃料と、水素イオン輸送路となる高分子電解質と、電子伝導体であるカーボンなどの導電性触媒担持体材料との三相界面の形成が重要である。触媒上でこの三相界面が形成されている部分のみが、触媒反応に有効な部分となる。
この三相界面の面積は、主に触媒層中の触媒と高分子電解質とカーボンなどの電極材料の組成比によって規定される。
【0023】
触媒層中にて触媒量に比べて高分子電解質量が少なすぎる場合には、形成される三相界面の面積が小さくなるため、触媒の有効面積が減少し、燃料電池の出力電圧も低下する。
一方、触媒の量に比べて高分子電解質の量が多過ぎる場合には、燃料の経路である触媒層内の細孔が高分子電解質で覆われるため、上で記載したのと同様に、三相界面の面積が減少し、触媒上での物質輸送速度が低下するため、燃料電池の出力電圧が減少する。
【0024】
すなわち、高分子電解質の量に対する触媒層における触媒の量の比には、最適な値、あるいは最適領域がある。
本実施の形態あるいは本発明においては、その比を触媒層の全域にわたって一定あるいはほぼ一定にするので、触媒層の全域にわたってその比を最適化することができる。
【0025】
さらに、触媒層内での有効反応面積を向上させるためには、触媒層の密度がガス拡散層側の方がプロトン伝導性電解質膜側よりも小さいことも重要である。この結果、触媒層内での燃料と生成物との交換が容易になり、有効反応面積も増大し、これにより電池電圧も向上する。
【0026】
本実施の形態に係る燃料電池用MEAを、よく知られた燃料電池作製方法に適用することにより、本実施の形態に係る燃料電池を作製することができる。この一例を後の実施例で記載する。
本発明は、さらに、燃料電池用MEAの製造方法およびそれを用いた燃料電池の製造方法にも関する。
【0027】
本発明の燃料電池用MEAの製造方法は、少なくとも触媒担持体に担持された触媒と高分子電解質との混合物を転写用シート上に触媒薄膜層として形成し、前記触媒薄膜層を転写プロセスによりプロトン伝導性電解質膜の少なくとも一方の主面上に形成する触媒薄膜層転写工程と、前記触媒薄膜層転写工程を少なくとも1回繰り返して前記プロトン伝導性電解質膜の上に形成された前記触媒薄膜層の上に、少なくとも1層の更なる触媒薄膜層を形成し複数の触媒薄膜層からなる触媒層を形成する触媒薄膜層転写繰り返し工程と、前記触媒層の上にガス拡散層を設けるガス拡散層設置工程とを具備し、前記触媒薄膜層転写繰り返し工程により、各触媒薄膜層の密度が前記プロトン伝導性電解質膜側の触媒薄膜層から前記ガス拡散層側の触媒薄膜層に向かって順次減少することを特徴とする。
【0028】
このMEA製造方法においては、触媒層を形成するときの複数の触媒薄膜層の各層における高分子電解質の量と触媒の量との比を一定あるいはほぼ一定にすることができる。そのため、各触媒薄膜層をプロトン伝導性電解質膜の上に順次形成することに伴って、各触媒薄膜層の厚さが変化することなどにより各触媒薄膜層における高分子電解質と触媒の合計密度が各触媒薄膜層の間で変化しても、各触媒薄膜層における上記のような高分子電解質の量と触媒の量との比が一定という条件を維持することができる。その結果、例えば高分子電解質の量と触媒の量との比の最適値あるいは最適領域を選択すれば、触媒層の全域にわたって当該比の最適化を実現することができる。
【0029】
各触媒薄膜層の密度を、前記プロトン伝導性電解質膜側の触媒薄膜層から前記ガス拡散層側の触媒薄膜層に向かって順次減少させることにより、各触媒薄膜層の空孔率を逆に前記プロトン伝導性電解質膜側の触媒薄膜層から前記ガス拡散層側の触媒薄膜層側に向かって順次増加させることができる。これにより、ガスおよび水のMEAの面に垂直な方向の通過性を高めることができる。
【0030】
さらに、この触媒薄膜層の転写プロセスの繰り返しによる触媒層の形成方法は、同一組成あるいはほぼ同一組成の触媒薄膜層を単純に積層していくという簡便な方法で実施することができるという利点がある。
【0031】
さらに、本発明のMEAの製造方法によれば、高分子電解質と触媒との混合物(触媒ペースト)を、ある一定の混合比率で薄膜化した触媒薄膜層を積層することにより触媒層を形成するため、触媒と高分子電解質との混合比率を工程ごとに変更する必要がなくなり、製造工程が短縮されるという利点も得られる。
前記各触媒薄膜層を転写する転写プロセスとしては、熱転写プロセスが好ましい。熱転写プロセスによれば、簡便に転写を実現することができる。
【0032】
また、前記各触媒薄膜層の密度の前記順次減少を生じせしめるために好ましい方法は、前記触媒薄膜層転写繰り返し工程に、各触媒薄膜層を前記プロトン伝導性電解質膜に向かって押圧する押圧プロセスを具備させることである。例えば各触媒薄膜層をホットプレスにより、プロトン伝導性電解質膜の上に形成する。さらに、プロトン伝導性電解質膜の上に形成された触媒薄膜層の上にホットプレスでさらなる触媒薄膜層を形成するという方法である。この方法により、簡便に求める各触媒薄膜層の密度の順次減少を実現することができる。
【0033】
本実施の形態に係る燃料電池用MEAの製造方法を、よく知られた燃料電池作製方法に適用することにより、本実施の形態に係る燃料電池の製造方法を実現することができる。以下の実施例で記載する方法が、その一例である。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の実施例を用いて具体的に説明するが、本発明は当該実施例に記載する具体的な構成あるいは方法に限定されるものではない。上記本発明に関する記載、あるいは実施の形態に関する記載から当業者が想起し得る事項も本発明の範疇に入る。
【0035】
《実施例》
触媒層の作製方法を中心に、プロトン伝導性電解質膜に一対の触媒層とガス拡散層とを順に挟んだ電極、つまり電解質膜電極接合体(MEA)の作製方法を説明する。
【0036】
本実施例で使用した空気極側の触媒を担持すべき触媒担持体として、平均一次粒子径30nmを持つ導電性炭素粒子であるケッチェンブラックEC(AKZOChemie社製)を用い、その触媒担持体に、平均粒径30Åの白金粒子を50重量%担持させた。また、燃料極側の触媒を担持すべき触媒担持体としては、前記導電性炭素粒子ケッチェンブラックECを同様に用い、その触媒担持体に平均粒径30Åの白金粒子とルテニウム粒子とを、それぞれ25重量%(合計50重量%)担持させた。
【0037】
つぎに、この触媒を担持した触媒担持体の2種をそれぞれイソプロパノールに分散させた分散液と、高分子電解質をエチルアルコールに分散した分散液とを混合し、2種の触媒ペーストを作製した(本実施例の第一工程)。
このとき、各触媒ペーストについて、触媒と高分子電解質の重量比を1:1とした。また高分子電解質としては、いずれの触媒ペーストにも、パーフルオロカーボンスルホン酸イオノマー(旭硝子株式会社製フレミオン)を用いた。
【0038】
この2種の触媒ペーストを、ドクターブレードを用いて、触媒層厚みがそれぞれ50μmとなるように調製してポリテトラフルオロエチレン(商標名テフロン)シートの上に印刷し、これを大気中常温で5時間乾燥させ、2種の触媒層としての2枚の薄膜を得た(本実施例の第二工程)。
【0039】
一方、プロトン伝導性電解質膜として、デュポン社製ナフィオン117(厚み175μm)を用意した。上で作製した2枚の触媒層用薄膜をこのプロトン伝導性電解質膜上に熱転写させた。具体的には、プロトン伝導性電解質膜を中心にして、上で得た2枚のポリテトラフルオロエチレンシート上に設けた2枚の触媒層用薄膜にて挟持させたサンドイッチ構造とした状態で、当該2枚のポリテトラフルオロエチレンシート側からサンドイッチ構造を締め付けるように、温度100℃で5MPaの圧力を30分間加えるホットプレスにより、隣接する各要素同士を接合した。
【0040】
こうして得られたプロトン伝導性電解質膜と2層の触媒層用薄膜との接合体からポリテトラフルオロエチレンシートを剥がすことにより、プロトン伝導性電解質膜の両面の各面に各触媒層用薄膜(空気極側用と燃料極側用の各第1触媒薄膜層)が設けられた一体物を作製した。
【0041】
さらに、第2触媒薄膜層を熱転写で形成した。具体的には、別のポリテトラフルオロエチレンシートに上記の第1触媒薄膜層を作製した際に用いたのと同様の方法で印刷した2枚の各50μm厚の触媒層用薄膜を設けた2枚のポリテトラフルオロエチレンシートを用意した。
【0042】
これらのポリテトラフルオロエチレンシート上の触媒層用薄膜がそれぞれの第1触媒薄膜層上に接するように、触媒層用薄膜を内側にして第1触媒薄膜層付のプロトン伝導性電解質膜を挟み、2枚のポリテトラフルオロエチレンシート上に設けた2枚の触媒層用薄膜にて挟持させたサンドイッチ構造にした状態で、当該2枚のポリテトラフルオロエチレンシート側からサンドイッチ構造を締め付けるように温度100℃で5MPaの圧力を30分間加えるホットプレスにより、隣接する各要素同士をさらに接合した(本実施例の第三工程)。
【0043】
この熱転写による接合後、ポリテトラフルオロエチレンシートを剥がすことにより、各第1触媒薄膜層の上に、各第2触媒薄膜層が形成された。この各第2触媒薄膜層の上に、さらに別のポリテトラフルオロエチレンシート上に塗工した触媒層用薄膜を、第2触媒薄膜層を形成したのと同様な方法で熱転写し、各第3触媒薄膜層を形成した。このような同様の操作を合計5回繰り返し、プロトン伝導性電解質膜を、空気極側の第1〜第5触媒薄膜層および燃料極側の第1〜第5触媒薄膜層からなるそれぞれの触媒層によりサンドイッチした接合体を得た(本実施例の第4工程)。
【0044】
この第4工程を経て作製された触媒層―プロトン伝導性電解質膜―触媒層のサンドイッチ接合体を、以下に記載するように、両面からそれぞれガス拡散層で挟持することにより本実施例のMEA1を作製した。
まず、プロトン伝導性電解質膜上に形成された触媒層は図1のようになる。図1はプロトン伝導性電解質膜11上に触媒層12を形成したプロトン伝導性電解質膜と触媒層との接合体の構成を示す模式的斜視図である。図1においては、2つの触媒層のうちの一方のみを示している。プロトン伝導性電解質膜11の上に、5cm×5cmの寸法に切り取った触媒層12が上記の方法で形成された状態を図1は模式的に示している。
【0045】
このプロトン伝導性電解質膜と触媒層との接合体の両側にそれぞれに厚み180μmのカーボンペーパ(東レ株式会社製TGP−H−060)製のガス拡散層をホットプレス法により接合し、MEA1を得た。この時のホットプレスは、温度130℃、加えた圧力は4MPaで、30分間行った。
【0046】
なお、ポリテトラフルオロエチレンシートは、作製した薄膜からの剥離時に、剥がしやすい材料として選んだものであり、材料としてはポリテトラフルオロエチレンに限定されるものではない。
【0047】
MEA1の模式的断面図を図2に示す。図2において、MEA1(番号20)は、プロトン伝導性電解質膜21と、触媒層22と、カーボンペーパ製のガス拡散層23からなる。各触媒層22は、それぞれ第1〜第5触媒薄膜層(番号C1〜C5)からなる。後でも説明するが、第1触媒薄膜層C1は第5触媒薄膜層C5を形成するまでの5回の熱転写工程により、5回の押圧力を受けている。第2〜第5触媒薄膜層(C2〜C5)は、それぞれ順に4回から1回の押圧力を受けている。この回数の差により、押圧力を受ける前の各触媒層用薄膜の厚さは同じであったにも拘わらず、第5触媒薄膜層C5から第1触媒薄膜層C1の順に厚さが減少している結果となっている。
【0048】
また、そのために、各触媒薄膜層C1〜C5における高分子電解質(パーフルオロカーボンスルホン酸イオノマー)の量と触媒の量との比は、同じ触媒ペーストを用いたために、一定あるいはほぼ一定であるにも拘わらず、各触媒薄膜層における同高分子電解質および同触媒の密度は、第5触媒薄膜層C5から第1触媒薄膜層C1の順に高くなっている。換言すれば、第1触媒薄膜層C1から第5触媒薄膜層C5の順に空孔率が増加している。これは、最終的な燃料電池において、プロトン伝導性電解質膜とガス拡散層との間で、すなわち、上記複数の触媒薄膜層の積層方向に、水およびガスを通すために都合がよい構造となっている。
【0049】
《比較例》
比較用として従来法を用いて、MEA2を作製した。ここでは、触媒層のみの作製手順を説明する。他はMEA1の作製方法と同様である。
すなわち、空気極側用の触媒と燃料極側用の触媒とをそれぞれ担持した触媒担持体(ケッチェンブラックEC)をそれぞれイソプロパノールに分散させた分散液と、高分子電解質(パーフルオロカーボンスルホン酸イオノマー)をエチルアルコールに分散した分散液とをそれぞれ混合し、空気極側用と燃料極側用の2種の触媒ペーストを作製した(比較例の第一工程)。
【0050】
次に、比較例の第一工程にて作製した2種の触媒ペーストを、ドクターブレードを用いて各触媒層厚みが200μmになるように調製してポリテトラフルオロエチレンシートの上に印刷した(比較例の第二工程)。
これらの触媒ペースト層付の2枚のポリテトラフルオロエチレンシートを大気中常温で5時間乾燥後、それぞれ5cm×5cmの正方形に切り取り、プロトン伝導性電解質膜(デュポン社製ナフィオン117)の両面にそれぞれホットプレスにより熱転写し、プロトン伝導性電解質膜と触媒層との接合体を得た。
【0051】
ホットプレスの条件は、温度100、圧力5MPaで、30分間行った。熱転写後、当該接合体からそれぞれポリテトラフルオロエチレンシートを剥がし、それぞれの触媒層(アノードすなわち燃料極側および空気極側すなわちカソード)にカーボンペーパ製のガス拡散層をホットプレス法により接合した。この時のホットプレス条件は温度130℃、圧力4MPaで、30分間とした。このようにして比較例のMEA2を作製した。
実施例に係るMEA1および比較例に係るMEA2について、それぞれの触媒層の厚みを以下に記載する方法で走査型電子顕微鏡(SEM)像観察により測定した。
【0052】
まずMEA1およびMEA2の各MEAから、ガス拡散層であるカーボンペーパを剥がし、触媒層とプロトン伝導性電解質膜だけの状態にした。これらの触媒層とプロトン伝導性電解質膜との各接合体について、その一部を導電性樹脂中に埋めこみ、その導電性樹脂を硬化させてから触媒層とプロトン伝導性電解質膜の断面を研磨し、厚みを測定した。
【0053】
厚みの測定結果を表1に示す。アノード側(燃料極側)触媒層、カソード側(空気極側)触媒層およびプロトン伝導性電解質膜のいずれにも、厚みに大きな差は見られず、実施例の製造方法、すなわち本発明の一例に係る製造方法によっても、比較例の製造方法、すなわち従来技術の一例に係る製造方法による場合と同様な厚みが確保できることがわかる。
【0054】
【表1】
Figure 2005056583
【0055】
<触媒層の密度分布測定>
連続転写した触媒薄膜層の一層ごとの厚みと触媒の体積充填率から、触媒の分布を測定するために、厚み測定用のMEA3を作製した。実施例の第一工程にて作製したアノード側(燃料極側)の触媒ペーストを、同第二工程にてポリテトラフルオロエチレンシート上に印刷することによって薄膜化した。
なお、本明細書で体積充填率とは、触媒層の面積と触媒層の厚みの積により算出した仮想体積に占める、固形分体積の割合を示したものである。これは触媒層の密度に対応する。
【0056】
図3はプロトン伝導性電解質膜36の上に触媒薄膜層を順次形成(積層)した接合体の模式的斜視図を示す。プロトン伝導性電解質膜36上に触媒層として、作製順に触媒薄膜層31〜35を形成したものである。
このとき、触媒薄膜層の1辺の長さをそれぞれ1cmずつ短くしたものを5種類、つまり触媒薄膜層31は5cm角、触媒薄膜層32は4cm角、触媒薄膜層33は3cm角、触媒薄膜層34は2cm角、触媒薄膜層35は1cm角を作製し、図3に示すように面積の大きなものから順に、プロトン伝導性電解質膜36の上にホットプレスで熱転写して積層した。
【0057】
このようにして作製した厚み測定用のMEA3を上記の厚み測定方法の場合と同様に導電性樹脂中に埋めて、SEM像観察によってその厚みを測定した。また、比較のために、MEA2についての厚み測定も同様に実施した。
測定の結果に基づく各触媒薄膜層の厚みを表2に示す。表2には、さらに各触媒薄膜層の密度および体積充填率も示す。体積充填率は上記したように密度に対応することが表2からもわかる。
【0058】
さらに表2からわかるように、MEA2は、一度しか熱転写を行っていないため、その触媒層は122μmの単一層であるが、一方、MEA3は複数回の熱転写を行っているため、各触媒薄膜層に厚みの差が生じている。
【0059】
【表2】
Figure 2005056583
【0060】
プロトン伝導性電解質膜36に接する触媒薄膜層31では、20μmと5つの触媒薄膜層の中で最薄であるのに対して、ガス拡散層側にある触媒薄膜層35では、その厚みは最厚で、30μmであった。プロトン伝導性電解質膜に近い触媒薄膜層は、熱転写された後に何度もホットプレスによる押圧力が加えられているため、その押圧力によって厚みが薄くなっていた。
【0061】
触媒薄膜層を形成した第二工程の後の重量は、いずれの触媒薄膜層も同じなので、結果として、プロトン伝導性電解質膜側にある触媒薄膜層の触媒の体積充填率、つまり密度が大きくなっていた。
その結果、ガス拡散層側からプロトン伝導性電解質膜側に向かって、より密度の大きい触媒薄膜層が順に積層されていた。すなわち、触媒層の中における密度がその方向に増加していた。換言すれば、その方向に空孔率が減少していた。
【0062】
従来技術では、充填率が異なった触媒層を作製するときは、触媒の分布密度に差がでるように、様々な工夫、例えば、触媒充填率が異なる複数枚の触媒層を貼り合わせる方法、あるいは触媒の密度勾配が生じるように触媒の粒子径を変える等の方法が必要である。
これに対して、実施例として説明した製造方法では、1種類の触媒ペーストをシートの上で薄膜化し、それを、複数枚重ね合わせることにより、触媒層中の上記密度あるいは充填率の好ましい分布勾配を容易に実現することができた。
【0063】
触媒層中で密度勾配を有する触媒層の作製は、従来の技術では、触媒と高分子電解質の濃度(すなわち触媒の量と高分子電解質の量の比)が異なる数種類の材料の調製を必要としたが、本実施例によれば、触媒と高分子電解質の1種類の混合物の調製のみで、加工することができ、結果的に、製造工程の簡素化になる。さらに、このような触媒層を具備するMEAを用いた最終的な電池の出力を最大化させるための重要な要因の一つとして、触媒層の中の各部分における触媒の量と高分子電解質の量との比がある。この比には最適な値あるいは最適領域がある。上記のような本実施例によれば、その比の値を触媒層中でほぼ一定に維持することができた。
【0064】
<燃料電池組立と電池特性の測定>
本実施例あるいは本発明の特徴はMEAにある。MEAを用いて燃料電池を作製する製造方法としては、よく知られている製造方法を用いた。
【0065】
図4Aは、実施例あるいは比較例で得られたMEA1あるいはMEA2を組み込んだ燃料電池の例の要部を示す模式的断面図である。すなわち、まず、図4Aに示す評価用燃料電池において、MEA40として、実施例で得たMEA1を用いた。図4Aの中で破線円Bで囲んだ部分を拡大した模式的断面図が図4Bである。MEA40は、図4Bの部分拡大断面図に示すように、プロトン伝導性電解質膜41、触媒層42、ガス拡散層43からなる。その外周部にシリコーンゴム製のガスケット44(厚み150μm)を接合した。
【0066】
次に、外寸が8cm×8cm、厚みが13mm、ガス流路47(酸化剤ガス流路および燃料ガス流路)の深さが5mmの樹脂含浸黒鉛板から構成した導電性セパレータ板45を準備した。この導電性セパレータ板45を2枚用い、ガスケット44を接合したMEAシート40の一方の面に酸化剤ガス(空気)流路が形成された一方の導電性セパレータ板を、裏面に燃料ガス流路が形成された他方の導電性セパレータ板を重ね合わせて単電池46とした。さらに同じく外寸が8cm×8cm、厚みが13mmで冷却水流路49の深さが5mmの導電性セパレータ板48からなる冷却水ユニット(48)を、図4Aに示すように重ね合わせて燃料電池の電圧性能を評価するための電池スタックとした。
【0067】
図4Aは単電池46および冷却水ユニット48を積層し、直列結合したものである。
図4Aに示すように、単電池46を2セル積層した後、冷却水流路49を形成した導電性セパレータ板(冷却水ユニット)48でこの2セル積層の電池スタックを挟み込み、このパターンを繰り返して8セル積層の電池スタックを作製した。図4Aにおいては、その8セル積層のうちの4セルの部分のみを示している。なお、この電池スタックにおいては、各導電性セパレータ板を通して、隣り合う電池同士は電気的に直列接続されている。
【0068】
この時、この8セル積層の電池スタックの両端部には、よく知られているような燃料電池仕上げ部材を設けた(図示せず)。具体的には、表面を金メッキ加工したステンレス鋼製の集電板と電気絶縁材料の絶縁板、さらに端板を両端部に配置し、その両端部同士を電池スタックに押圧するように、電池スタックを貫通させた複数の締結ロッドと締結部材(ナットなど)とで締結し、それらの電池スタックと仕上げ部材とを固定した。この時の締結圧は導電性セパレータ板の面積あたり15kgf/cmとした。
【0069】
なお、導電性セパレータ板の各ガス流路47への燃料ガスおよび冷却水の供給は、次に記載するよく知られた方法で実施した。すなわち、当該ガスおよび冷却水を、導電性セパレータ板45、冷却水ユニット48などを単電池46の積層方向に貫通するマニホールド孔(図示せず)にそれぞれ通し、各単電池46の各ガス流路47および各冷却水路49に送り込み、それぞれをそれぞれの導電性セパレータ板45上にあるガス流路47および冷却水流路49に通しMEAまで供給した。
【0070】
以上の方法で作製した燃料電池は、実施例で得られたMEA1を用いたものであり、これをスタック1とする。このMEA1の替わりに比較例で得られたMEA2を用いて、スタック1の作製方法と同じ作製方法で燃料電池を作製した。この燃料電池をスタック2とする。
【0071】
スタック1およびスタック2について、それぞれ2mol/lのメタノール水溶液を温度60℃でアノード(燃料極)に供給し、電池温度60℃、空気利用率(Uo)30%の条件で空気を60℃のバブラー、つまり60℃で飽和水蒸気圧を示すように加湿する加湿器、を通してカソード(空気極)に供給するとともに、空気側出口には2atmの加圧をした。これらのスタック1およびスタック2についての放電試験を行った結果を、図5に示す。
【0072】
図5はスタック1とスタック2の電池特性を示した特性図である。曲線S1はスタック1の特性を、曲線S2はスタック2の特性を示す。
スタック1のMEA1は熱転写法を連続して触媒層を作製したものであり、スタック2のMEA2は従来の手法にて作製したものである。
【0073】
スタック1とスタック2の電流密度200mA/cmにおける単電池電圧(電池スタックの電圧を単電池の数で除算した平均出力電圧)は、それぞれ465mV、410mVであった。さらに、スタック1はより高電流密度領域である500mA/cmにおいても、発電可能であった。換言すると、燃料の拡散が触媒反応に追いつかなくなること(拡散律速)に起因して電池電圧が低下しやすいような条件下でも発電可能であった。さらに、触媒層の触媒の分布を変えることにより、より具体的には、触媒密度の分布をガス拡散層側で少なく、プロトン伝導性電解質膜側で多くすることにより、燃料の拡散が向上し、その結果より高い電池電圧が得られることがわかった。
【0074】
<触媒有効反応面積の測定>
スタック1とスタック2の触媒層中の触媒の有効反応面積を比較するために、単極測定を行った。本測定では、アノード(燃料極)の単極測定を行った。その結果を図6に示す。図6はスタック1とスタック2のアノード過電圧の特性を示す特性図である。図6において各曲線に付与したシンボルS1とS2の表示は図5の場合と同様、S1がスタック1、S2がスタック2の場合を示す。
【0075】
具体的には、まず、スタック1およびスタック2のそれぞれのアノード(燃料極)に2mol/lのメタノール水溶液を温度60℃で供給し、カソード(空気極)に60℃のバブラーを通して窒素を供給して通電し、そのときの電流密度と過電圧の関係を測定した。
この測定結果を、縦軸に過電圧を、横軸に電流密度を対数でプロット(ターフェルプロット)することによって、電池電圧の低下要因を、反応抵抗に起因する電圧低下と、燃料の拡散が触媒反応に追いつかなくなること(拡散律速)に起因する電圧低下とに分けることができる。
【0076】
この反応抵抗に起因する電圧低下に基づいて、ターフェルプロットの傾きから、交換電流密度iを求めることができる。数1に示した通り交換電流密度iは、一定温度下では、触媒能を意味する速度定数kと有効反応面積Aとの積で与えられており、触媒反応性を示す指標になる。
【0077】
【数1】
Figure 2005056583
【0078】
数1において、iは交換電流密度、nは反応電子数、Fはファラデー定数、Aは反応比表面積、kは速度定数、Cは反応物濃度、αは対称定数、Rは気体定数、Tは絶対温度、Eは平衡電位である。
例えば、有効反応面積Aが一定下での比較であれば、交換電流密度iは触媒能kそのものを表す指標として、また、一定の触媒能kでの比較であれば有効反応面積Aを表す指標として用いることができる。
ここで得られた結果をもとに、ある一定の過電圧における電流密度を比較することによっても、交換電流密度iと同様に触媒の反応性k、有効反応面積Aを評価することができる。本測定ではアノードの単極測定において、過電圧が0.3Vにおける電流密度を算出し、これを単位触媒質量あたりに換算した質量活性として比較した。
【0079】
この結果、図6の過電圧の値から見て、スタック1の方がスタック2に比べて質量活性が高く、触媒の有効反応面積が増大していることがわかる。
さらに、過電圧が0.2Vにおける質量活性を比較したところ、スタック1では質量活性が11.6mA/mgであったのに対し、スタック2では質量活性が7.4mA/mgであった。
つまり、本発明あるいは本実施例に基づく触媒層を用いたスタック1の方が、従来技術に基づいて作製したスタック2に比べて電池電圧が向上し、より触媒の利用面積が大きい燃料電池が得られることがわかる。
【0080】
なお、本実施例においては、複数の触媒薄膜層を、転写プロセスを用いてプロトン伝導性電解質膜の上に順次積層することにより触媒層を形成し、プロトン伝導性電解質膜と触媒層とを一体的に形成した。しかしながら、別の方法として、転写シート上に複数の触媒薄膜層からなる触媒層をまず形成し、その触媒層をプロトン伝導性電解質膜の上に転写プロセスにより転写し触媒層とプロトン伝導性電解質膜とを一体的に形成してもよい。
【0081】
具体的には、例えば次のような方法である。少なくとも触媒担持体に担持された触媒と高分子電解質との混合物を転写シート上に触媒薄膜層として形成する。その触媒薄膜層の上に、例えば別途用意した転写シート上に前記触媒薄膜層の形成方法と同様な工程で形成した少なくとも一層のさらなる触媒薄膜層を、転写プロセスにより積層することにより、複数の触媒薄膜層からなる触媒層を転写シート上でまず作製する。この触媒層を転写プロセスによりプロトン伝導性電解質膜の主面上に転写し形成することにより、触媒層とプロトン伝導性電解質膜とを一体的に形成するという方法である。この触媒層の上にガス拡散層を設けることにより、燃料電池用MEAを製造することができる。
【0082】
なお、本実施例においては、燃料の一例としてメタノールを用いたが、メタノールを水素、エタノール、エチレングリコール、ジメチルエーテルなどの炭化水素系燃料およびその混合物のいずれに代替しても同様の結果が得られた。また液体燃料はあらかじめ蒸発させ、蒸気として供給してもよい。
【0083】
さらに本実施例のガス拡散層の構成は、実施例に示した導電性カーボンペーパーに限定されるものではなく、他の導電性炭素粒子クロス、あるいは金属メッシュを用いた場合にも効果があった。
さらに、本実施例の構成は、実施例に記載した触媒層の構成に限定されるものではなく、非担持触媒(触媒担持体に担持されない触媒)をはじめ種々の触媒層の構成にも効果があった。
【0084】
【発明の効果】
以上、説明したように、燃料電池のMEAの触媒層において、プロトン伝導性電解質膜側の触媒の密度がガス拡散層側の触媒層の密度より大きく、かつ触媒層中の高分子電解質の量と触媒の量との比がほぼ一定の触媒層を備えることにより、触媒の利用率が高く、かつ触媒層中の燃料拡散性が向上し、その結果、燃料電池の電池電圧が向上する。さらに、触媒ペーストの薄膜化物を作製し、プロトン伝導性電解質膜との接合を、転写により複数枚重ね合わせて積層する工程は、触媒ペーストを数種類以上準備することなく、1種類の触媒ペーストで触媒層の触媒の分布に上記のような所望の変化をつけることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る燃料電池用のプロトン伝導性電解質膜と触媒層との接合体の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係る燃料電池用MEAの模式的断面図である。
【図3】本発明の実施例に係るプロトン伝導性電解質膜上に触媒薄膜層を積層したプロトン伝導性電解質膜と触媒層との接合体の模式的斜視図である。
【図4A】本発明の実施例に係るMEAを組み込んだ燃料電池の要部を示す模式的断面図である。
【図4B】図4Aの破線円Bの部分を拡大した模式的断面図である。
【図5】本発明の実施例および比較例に係る燃料電池(スタック)の電池特性を示した特性図である。
【図6】本発明の実施例および比較例に係る燃料電池(スタック)のアノード過電圧の特性を示す特性図である。
【符号の説明】
11、21、36、41 プロトン伝導性電解質膜
12、22、42 触媒層
20、40 MEA
C1、C2、C3、C4、C5 触媒薄膜層
31、32、33、34、35 触媒薄膜層
43 ガス拡散層
44 ガスケット
45 導電性セパレータ板
46 単電池
47 ガス流路
48 冷却水ユニット(導電性セパレータ板)
49 冷却水流路

Claims (6)

  1. プロトン伝導性電解質膜と、前記プロトン伝導性電解質膜の両面に接触する一対の触媒層と、前記各々の触媒層に接触する一対のガス拡散層とを備え、前記触媒層は少なくとも高分子電解質と導電性を有する触媒担持体に担持された触媒とを具備する燃料電池用電解質膜電極接合体であって、前記触媒層において、前記触媒層の密度が前記プロトン伝導性電解質膜側から前記ガス拡散層側にかけて減少し、かつ前記高分子電解質の重量と前記触媒の重量との重量比が前記触媒層の前記プロトン伝導性電解質膜側から前記ガス拡散層側にかけてほぼ一定であることを特徴とする燃料電池用電解質膜電極接合体。
  2. 請求項1記載の燃料電池用電解質膜電極接合体を用いた燃料電池。
  3. 少なくとも触媒担持体に担持された触媒と高分子電解質との混合物を転写用シート上に触媒薄膜層として形成し、前記触媒薄膜層を転写プロセスによりプロトン伝導性電解質膜の少なくとも一方の主面上に形成する触媒薄膜層転写工程と、前記触媒薄膜層転写工程を少なくとも1回繰り返して前記プロトン伝導性電解質膜の上に形成された前記触媒薄膜層の上に、少なくとも1層の更なる触媒薄膜層を形成し複数の触媒薄膜層からなる触媒層を形成する触媒薄膜層転写繰り返し工程と、前記触媒層の上にガス拡散層を設けるガス拡散層設置工程とを具備し、前記触媒薄膜層転写繰り返し工程により、各触媒薄膜層の密度が前記プロトン伝導性電解質膜側の触媒薄膜層から前記ガス拡散層側の触媒薄膜層に向かって順次減少することを特徴とする燃料電池用電解質膜電極接合体の製造方法。
  4. 前記転写プロセスとして熱転写プロセスを用いる請求項3記載の燃料電池用電解質膜電極接合体の製造方法。
  5. 前記触媒薄膜層転写繰り返し工程が、各触媒薄膜層を前記プロトン伝導性電解質膜に向かって押圧する押圧プロセスを具備し、前記押圧プロセスにより前記各触媒薄膜層の密度の前記順次減少が生じせしめられる請求項3記載の燃料電池用電解質膜電極接合体の製造方法。
  6. 請求項3記載の燃料電池用電解質膜電極接合体の製造方法を用いた燃料電池の製造方法。
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