JP3619826B2 - 燃料電池用電極及び燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は燃料電池に関し、特に固体高分子型燃料電池に関する。
燃料電池は通常、アノード側に水素を含むアノードガス、カソード側に酸素を含むカソードガス(酸化剤ガス)をそれぞれ供給し、水素と酸素を電気化学的に反応させて発電を行う。カソードガスには一般的に空気が用いられる。アノードガスには純水素ガスのほか、天然ガスやナフサ等の軽質炭化水素などの燃料ガスを改質して水素リッチな改質ガスとしたものが用いられる。
燃料電池には様々な種類があるが、近年では固体高分子膜を電解質とする固体高分子型燃料電池(PEFC;Polymer Electrolyte Fuel Cell)の研究が積極的になされている。固体高分子型燃料電池は、陽フッ素系イオン交換樹脂等からなる固体高分子膜(電解質)の一方の面にカソードと他方の面にアノードとを配し、これを2枚のガス拡散層間に配した基本構造を持つ。実用的な固体高分子型燃料電池は、このような基本構造を単位セルとして多数積層し、高出力を得ている。
ここで図6(a)は、前記単位セルの一般的なカソードの部分構成を示す厚み方向断面図である。121は電解質、122はカソード、124はカソード側ガス拡散層をそれぞれ示す。ここではカソード側のみを示しているが、アノード側もほぼ同様の構成である。このカソード122は図6(b)の粒子断面図のように、白金(Pt)などの触媒粒子を担持した導電粒子(例えばカーボン粒子)をイオン交換樹脂で被覆した粒子からなり、この粒子を多数用いてシート状に成形したものである。触媒粒子は電極での電気化学的反応を促進し、イオン交換樹脂はアノードで生成されたプロトンを輸送しつつ、発電の際に生成した水の排出経路を形成する。導電粒子は、発電された電力を取り出すための導電性を確保する働きを持つ。良好な発電効率を得るには、触媒相・イオン交換樹脂相・ガス相(カソードガスまたはアノードガス)が接触する界面、いわゆる三相界面を豊富に確保することが望ましい。
しかしながら、上記構成の電極では次の問題が生じやすい。
すなわち図6(b)のように、導電粒子に被覆されるイオン交換樹脂の被覆膜厚は一定ではなく、膜厚の薄い領域Aと膜厚の厚い領域A’が存在する。このとき膜厚の薄い領域Aに近接する触媒粒子はガス相と接触しやすいが、膜厚の厚い領域A’に近接する触媒粒子はイオン交換樹脂に深く埋没しており、ガス相と接触しにくいので事実上不活性となる。このように触媒粒子がイオン交換樹脂に埋没してしまうと、触媒粒子とガス相とが接触しにくく、三相界面の確保が困難になる。
これに対し、触媒担持量を増やせば一応発電反応はカバーできるが、一般に触媒は高価なためコスト負担が増大する。
このように燃料電池の電極には、三相界面を豊富に形成する上でいまだ技術改良の余地があると考えられる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、従来に比べて三相界面を豊富に確保した電極により良好な発電効率を得ることが可能な燃料電池と、その製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、アノード及びカソードを電解質膜の両側に配したセルを有し、アノード側にアノードガス、カソード側にカソードガスが夫々供給されて発電する燃料電池として、アノード及びカソードの少なくとも一方が、イオン交換樹脂が被覆された導電材料からなる第一の粒子と、前記第一の粒子よりイオン交換樹脂の被覆量が少なく、且つ触媒が担持された導電材料からなる第二の粒子とを含むものとした。
このように第一の粒子と第二の粒子との混合体で電極を構成すると、一方の粒子が他方の粒子を取り囲むので、第二の粒子に担持された触媒は第一の粒子表面(イオン交換樹脂)に全面的に覆われることなく、且つそのイオン交換樹脂に接触する状態となる。これにより触媒相・イオン交換樹脂相・ガス相からなる三相界面は、従来の電極に比べて豊富に確保され、燃料電池の発電効率が向上される。
このような本発明は、具体的には固体高分子膜を電解質膜とする固体高分子型燃料電池に適用することができる。
また前記導電粒子にはカーボン粒子、前記イオン交換樹脂にはフッ素系陽イオン交換樹脂が入手しやすい。これらの材料を用いる場合、第一の粒子と第二の粒子の混合体からなる電極において、第二の粒子に対する第一の粒子の重量比は0.1〜0.6の範囲が望ましいことが実施例の実験結果より明らかにされた。
さらに本発明では、導電粒子とイオン交換樹脂に上記材料を用いた場合、第一の粒子において、導電粒子に対するイオン交換樹脂の重量比が0.2〜1.6の範囲であるのが望ましいことが実施例の実験結果より明らかにされた。
また本発明は、アノードおよびカソードを作製し、これらを電解質膜の両側に配してセルを作製する工程を経る燃料電池の製造方法において、アノードおよびカソードの少なくともいずれかの電極作製時において、イオン交換樹脂が被覆された導電材料からなる第一の粒子と、触媒を担持する導電材料からなる第二の粒子とを混合する工程を備えるものとした。このような製造方法によって、前述した本発明の燃料電池を作製することが可能となる。
ここで電極作製工程の具体的な内容としては、イオン交換樹脂を導電材料に被覆した後、乾燥工程を経ることによって第一の粒子を製造する方法が挙げられる。
また第一の粒子と第二の粒子とを混合した後に、これを圧延してシート状にする圧延工程を経るようにしてもよい。
さらに本発明は、イオン交換樹脂が被覆された導電材料からなる第一の粒子と、触媒を担持する導電材料からなる第二の粒子とを混合する工程を備える燃料電池用電極の製造方法とした。これにより前記燃料電池に用いられる電極を作製することができる。
本発明はアノード及びカソードを電解質膜の両側に配したセルを有し、アノード側にアノードガス、カソード側にカソードガスが夫々供給されて発電する燃料電池であって、アノード及びカソードの少なくとも一方が、イオン交換樹脂が被覆された導電材料からなる第一の粒子と、前記第一の粒子よりイオン交換樹脂の被覆量が少なく、且つ触媒が担持された導電材料からなる第二の粒子とを含むので、第一の粒子と第二の粒子で構成された電極では第一の粒子の触媒が第二の粒子表面(イオン交換樹脂)と接触し、かつガス相(カソードガスまたはアノードガス)と接触する。これにより触媒・イオン交換樹脂・ガス相からなる三相界面は、従来の電極に比べて豊富に確保され、燃料電池の発電効率が向上される。
このような燃料電池は、アノードおよびカソードを作製し、これらを電解質膜の両側に配してセルを作製する工程を経る燃料電池の製造方法において、アノードおよびカソードの少なくともいずれかの電極材料の作製時において、イオン交換樹脂が被覆された導電材料からなる第一の粒子と、触媒を担持する導電材料からなる第二の粒子とを混合する工程を経ることによって得ることができる。
1.実施の形態
以下、本発明の一適用例である固体高分子型燃料電池のセルユニットについて説明する。なお、本発明の主な特徴はセル構成にあるので、まず固体高分子型燃料電池の基本構成を説明し、次にセル構成について詳細に説明する。
1-1.セルユニットの構成
図1は、かかる本実施の形態の固体高分子型燃料電池を構成するセルユニット10の組立図である。本図に示すように、セルユニット10は全体として、カソード側チャネルプレート60とアノード側チャネルプレート50との間にセル20を配した構成を持つ。
セル20は固体高分子膜21、電極22、23(カソード22、アノード23)、ガス拡散層24、25等で構成される。なお図1において、アノード23は固体高分子膜21の下面側にあるので破線で表示している。
このセル20のカソード22側が、ガスケット40を介してカソード側チャネルプレート60に重ねられている。また、アノード23側はガスケット30を介してアノード側チャネルプレート50に重ねられている。これらアノード22とカソード23は各電極触媒が担持されたシート状成型体であって、触媒層とも呼ばれる。
このとき、カソード22とカソード側チャネルプレート60の間、並びにアノード23とアノード側チャネルプレート50との間には、撥水剤として例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含浸したカーボンペーパーからなるガス拡散層24、25がそれぞれ介挿されている。これらガス拡散層24、25は、電極22、23とチャネルプレート50、60との電流の流れを確保するものであって、集電体とも称される。
アノード側チャネルプレート50はフェノール樹脂にカーボン粉末を混合したものを射出成形してなる部材であって、ガス拡散層25と対向する面(図1で下面)において、y方向を長手方向としてx方向に一定間隔毎にリブ56が並設され、これにより同方向にアノードガスを流通させるチャネル55が形成されている。
カソード側チャネルプレート60はアノード側チャネルプレート50とほぼ同様の部材であり、当図からは見えないが、y方向を長手方向としてx方向に一定間隔毎にリブが並設され、これにより同方向にカソードガスを流通させるチャネルが形成されている。
さらに、固体高分子膜21、ガスケット30、40、アノード側チャネルプレート50、カソード側チャネルプレート60には内部マニホールドを形成するために、各主面の四隅に開孔部61〜64、41〜44、211〜214、31〜34、51〜54(44、214、34、54は不図示)が設けてあり、このうち開孔部51、53、31、33、211、213、41、43、61、63によりアノード側チャネルプレート50のチャネル55にアノードガスが供給される。また、開孔部52、54、32、34、212、214、42、44、62、64によりカソード側チャネルプレート60のチャネルにカソードガスが供給される。
なおセルユニット10は、実際には高電圧・高電力が取り出せるように仕切板を介して複数個積層され、その両端が一対の端板で固定された構成(セルスタック)に組み上げられている。
ここにおいて、本実施の形態の主な特徴は電極22、23の構成にある。次に、この電極22、23を中心とするセル20の構成について詳細に説明する。
1-2.セル構成
固体高分子膜21は、パーフルオロカーボンスルホン酸などのフッ素系陽イオン交換樹脂(例えばDuPont社製Nafion112)からなる電解質膜であり、x方向幅7cm×y方向長さ7cm×z方向厚さ約50μm)である。
電極22、23は、ともに固体高分子膜21よりやや小型の膜体電極(x方向幅5cm×y方向長さ5cm×z方向厚さ約40μm)であり、固体高分子膜21の両主面の中央部に合わせてホットプレスにより密着加工されている。なおガス拡散層24、25は電極22、23とサイズを合わせている(x方向幅5cm×y方向長さ5cm×z方向厚さ約200μm)。
ここで図2(a)は、カソード22の厚み方向(yz平面)に沿った断面図を示す。当図のように、カソード22は2種類の粒子が混合され、一方の粒子が他方の粒子を立体的に取り囲むようにして構成されている。
この2種類の粒子は、具体的には同図(b)に示す樹脂被覆カーボン221および触媒担持カーボン222である。触媒担持カーボン222は多孔質性カーボン粒子2221が触媒(ここでは白金)粒子2222を担持した構成を持つ。また樹脂被覆カーボン221は同図(c)に示されるように、カーボン粒子2221が陽イオン交換樹脂2211で被覆された構成を持つ。陽イオン交換樹脂2211は、前記固体高分子膜21と同様の材料からなる。これら互いに隣接する粒子221、222同士はホットプレスにより圧着され、不図示の結着剤(ポリテトラフルオロエチレン)で同図(b)のように互いに付着した状態で保たれている。
なお、ここではカソード22について説明したが、本実施の形態ではアノード23も同様の構成となっている。
1-3.セルの作製方法
ここでは実施の形態のセル20の作製方法を説明する。電極22、23は同様の構成で作製するが、本発明はこのうち少なくとも一方の電極に適用すればよい。
作製に先立ち、カーボン粉末(平均粒径16nm)、白金担持カーボン粉末(平均粒径30nm)、陽イオン交換樹脂として市販の5wt%Nafion溶液(Aldrich Chemical社製)を準備しておく。
まずカーボン粉末をNafion溶液に投入し、これをよく混合する。そして大気中において約80℃で乾燥させ、樹脂被覆カーボンとする。このときのカーボンと樹脂の重量比については実施例のところで後述する。
このようにして作製した樹脂被覆カーボンを、白金担持カーボン粉末とともに結着剤/分散剤溶液(PTFE/水)に投入し、混合する(なお、カーボン重量とPTFEの重量比は100:20とした)。樹脂被覆カーボンと白金担持カーボンの比率は後述する。そして十分に混合したのち濾過処理を行い、得られたペーストをローラで圧延し、厚み40μmの電極を完成する。
次に電解質膜としてDuPont社製Nafion112(7cm×7cm、厚み約50μm)、ガス拡散層としてカーボンペーパー(5cm×5cm、厚み約200μm)をそれぞれ用意する。これらを拡散層、電極、電解質膜、電極、拡散層の順に積層し、ホットプレス(140℃、30kg/cm2)によって一体化する。
以上によりセル20を完成する。
1-4.燃料電池の動作と本発明の効果
このような燃料電池において、その稼働時にはアノード側には改質ガス、カソード側には空気が供給される。そしてガス拡散層25を介し、アノード23側に供給される改質ガス(水素ガス)中の水素はプロトン(H2→2H++2e-)となり、固体高分子膜21中をカソード22側へ移動する。一方、ガス拡散層24を介してカソード22側に供給されるカソードガス中の酸素は酸素イオン(1/2O2+2e-→O2-)となり、固体高分子膜21中を移動してきたプロトンと化合して水を生じる(2H++O2-→H2O)。この化学反応機構(発電反応)によって生成する水、ならびに改質ガスや空気とともに供給された加湿水によって、固体高分子膜21は湿潤状態になり、その内部抵抗が低下して導電性を呈する。
ここにおいて図6に示す従来例では、電極122、123中の粒子(触媒担持カーボンをイオン交換樹脂で被覆した粒子)はイオン交換樹脂の被覆厚みが均一でないものが発生することによって、当該樹脂の膜厚が厚い領域に埋没して不活性な触媒が発生し、発電の効率化を妨げる原因となっていた。また、不活性触媒が存在する一方で、触媒とイオン交換樹脂とガス層が接触する三相界面が十分に確保されず、前記電極反応に悪影響を生じる傾向があった。
これに対し本実施の形態では、触媒粒子2222はイオン交換樹脂で全面的に覆われておらず、樹脂被覆カーボン221の表面(陽イオン交換樹脂2211)と接触する構成であるため、触媒粒子2222が陽イオン交換樹脂2211に覆われたとしても2つの粒子221、222同士が接触している部分だけの局所的な(不均一な)被覆にとどまり、触媒粒子2222が陽イオン交換樹脂2211に埋没することがなくなって触媒の不活性化が抑制される。また樹脂被覆カーボン221と触媒担持カーボン222とが立体的に互いを取り囲むように配されているため、従来に比べて触媒粒子2222とガス相との接触性も高まり、三相界面が良好に確保され、同じ触媒量でも円滑な電極反応のもとに優れた発電効率が発揮されることとなる。
2.燃料電池の製造方法と性能評価
次に、上記実施の形態のセルを実施例として作製する方法を説明する。その後作製した実施例について性能評価実験を行い、実験結果を検討する。
2-1.実施例の作製方法
実施例の作製方法は上記1-3で述べた方法とする。また、比較例としては以下の作製方法とする。ここでは実施例の電極の作製方法を示し、これ以外は実施例と同様に行う。
比較例の電極を作製する。白金担持カーボンをNafion溶液に投入し、よく混合する。そして乾燥工程を経て溶媒を除去し、樹脂被覆白金担持カーボン(白金担持カーボン:Nafionの重量比=7:3)とする。これを結着剤/分散剤(PTFE/水)に投入し、混合後濾過したのち圧延してシート状に成型し、比較例の電極とする。
なお性能比較実験のため、実施例の燃料電池セルに用いる樹脂被覆カーボンおよび触媒担持カーボンの作製条件を次のようにする。まず樹脂被覆カーボンにおいてカーボン:樹脂の重量比を1:0.8とし、触媒担持カーボン:樹脂被覆カーボンの重量比を1:0.1〜0.7の各値に設定し、表1に示す実施例1〜5とする。
Figure 0003619826

さらに、触媒担持カーボン:樹脂被覆カーボンの重量比を1:0.3に固定し、樹脂被覆カーボンにおいて、カーボン:樹脂の重量比を1:0.1〜2まで変化させたものを作製し、表2に示す実施例6〜14とする。
Figure 0003619826

また、触媒担持カーボン:樹脂被覆カーボンの重量比を1:0.3、樹脂被膜カーボンにおけるカーボン:樹脂の重量比を1:0.8に固定すると共に、触媒担持カーボンの平均粒径を55nmとして樹脂被覆カーボンの平均粒径を10nm〜67nmの範囲で変化させたものを作製し、表3に示す実施例15〜23とする。
Figure 0003619826

2-2.性能評価実験
続いて、上記作製した実施例1〜23と比較例の燃料電池セルを運転し、性能評価実験を行う。
2-2-1.実施例1〜5および比較例の電圧─電流密度特性について(実験1)
燃料電池セルを以下の条件で運転し、触媒担持カーボンと樹脂被覆カーボンの混合比が電圧─電流密度特性に及ぼす影響について調べる。

<運転条件>
・アノードガス;水素ガス(1気圧、加湿温度80%)
・カソードガス;空気(1気圧、加湿温度76%)
・アノードガス利用率;50%
・カソードガス利用率;40%
・燃料電池稼働温度;80℃

当該実験結果を図3にまとめた。
2-2-2.実施例2および6〜14の電圧特性について(実験2)
本実験2は、燃料電池セルの電流密度を500mA/cm2に保ちつつ、これ以外を実験1の運転条件とほぼ同様の条件で行って測定する。
この実験結果を図4にまとめた。
2-2-3.実施例15〜23の電圧特性について(実験3)
本実験3は、燃料電池セルの電流密度を500mA/cm2に保ちつつ、これ以外は実験1の運転条件とほぼ同様の条件で行って測定する。
この実験結果を図5にまとめた。
2-3.実験結果の評価
表1から明らかなように、実施例1〜5ではいずれも電流密度の値に関わらず比較例より高い電圧値を呈することが示された。このことは、実施例の電極において三相界面が豊富に確保され、これによって発電効率が改善されたものと考えられる。
なお実施例5がやや比較例に近い性能に止まっているが、これは樹脂被覆カーボンが触媒担持カーボンに対して7/10程度(重量比)と比較的多いことに起因している。すなわち実施例5では、電極中に占める樹脂量が多くなるため、触媒に供給されるガス量が少なくなって(ガス拡散性が低下して)、その分発電効率が優れなくなるものと考えられる。また実施例としては示していないが、実施例5と逆に樹脂被覆カーボンが触媒担持カーボンに対して少なすぎる場合、イオン交換樹脂の不足により三相界面が十分に確保されないため、これも発電効率は向上されないと予想される。
このようなことから本発明では、樹脂被覆カーボン/触媒担持カーボンの重量比は0.1〜0.6の範囲(実施例1〜4の範囲)に設定するのが望ましい。この範囲では、さらに実施例2のように前記重量比を0.3に合わせると、最も優れた発電効率が発揮される。
一方、図4は樹脂被覆カーボン/触媒担持カーボンの重量比を0.3に固定し、樹脂被覆カーボンにおける樹脂/カーボンの重量比を0.1〜2.0の範囲で変化させた実施例2および6〜14の電池性能を表している。当図によれば、樹脂/カーボンの重量比としては、0.2〜1.6(実施例2、7〜13)が望ましく、0.3(実施例2)で最も優れた性能が得られることが明らかになった。
さらに樹脂/カーボンの重量比が0.1(実施例6)では三相界面の形成が十分ではないため、2.0(実施例14)では多すぎてガスの流通量(ガス拡散性)が低下するために、いずれも電圧値が優れないことが明らかになった。
また図5に示した実施例15〜23の結果からは、樹脂被覆カーボンの平均粒径を触媒担持カーボンの粒径比の0.2〜1.0倍とすることで高い電圧を得ることができ、特に0.4〜0.9倍とすることで極めて優れた性能が得られることが明らかになった。これは樹脂被覆カーボンと触媒担持カーボンの平均粒径を上記範囲とすることにより、三相界面の量を増大できたことによるものと考えられる。
3.その他の事項
上記実施の形態および実施例では、イオン交換樹脂としてパーフルオロスルホン酸(Nafion)を用いる例を示したが、本発明は当然ながらこれに限定するものではなく、プロトン伝導性を有するものであればこれ以外のイオン交換樹脂であってもよい。
また、本発明はカソード側或いはアノード側のどちらかのみを加湿する燃料電池、もしくはカソード側及びアノード側のどちらも加湿しない構成の燃料電池に適用することもできる。
さらに樹脂被覆カーボンとしては、実施の形態では触媒を担持しないカーボンに陽イオン交換樹脂を被覆したものを用いたが、本発明はこれに限定するものではなく、多少触媒を担持するものであってもよい。ただし樹脂被覆カーボンに触媒を担持させても樹脂に埋没して不活性化しやすいため、樹脂被覆カーボンに担持される触媒量が触媒担持カーボンに担持される触媒量よりも少なくなるように設定すべきである。
さらに本発明は、燃料ガスとして水素や水素リッチな改質ガスを利用する他に、メタノールを直接電池内部に供給して発電する、いわゆる直接メタノール型燃料電池(DMFC;Direct Methanol Fuel Cell)に適用してもよい。
本発明の一適用例である固体高分子型燃料電池のセル構成を示す組立図である。 本発明のセル構成における電極の構成を示す部分図である。
(a)は電極の部分拡大図である。
(b)は電極中の触媒担持カーボンと樹脂被覆カーボンの拡大図である。
(c)は樹脂被覆カーボンの拡大断面図である。
実施例1〜5と比較例の燃料電池特性を示すグラフである。 実施例2および6〜14の樹脂被覆カーボンに用いるイオン交換樹脂(ナフィオン)の量と電圧値との関係を示すグラフである。 実施例15〜23のカーボン平均粒径比(樹脂被覆カーボン/触媒担持カーボン比)と電圧値との関係を示すグラフである。 従来のセル構成における電極の構成を示す部分図である。
(a)は電極の部分拡大図である。
(b)は電極中のカーボン粒子(樹脂被覆触媒担持カーボン)の拡大断面図である。
符号の説明
10…セルユニット
20…セル
21…固体高分子膜
22…カソード(触媒層)
23…アノード(触媒層)
24、25…ガス拡散層(集電体)
221…樹脂被覆カーボン
222…触媒担持カーボン
2221…カーボン粒子
2222…触媒(白金)粒子

Claims (7)

  1. イオン交換樹脂が被覆され、少なくとも導電性を有する第一の粒子と、
    イオン交換樹脂が被覆されてなく、少なくとも触媒作用と導電性とを有する第二の粒子と、
    を含むことを特徴とする燃料電池用電極。
  2. アノード及びカソードを電解質の両側に配したセルを備える燃料電池において、
    アノード及びカソードの少なくとも一方が、
    イオン交換樹脂が被覆され、少なくとも導電性を有する第一の粒子と、
    イオン交換樹脂が被覆されてなく、少なくとも触媒作用と導電性とを有する第二の粒子と、
    を含むことを特徴とする燃料電池。
  3. 前記第二の粒子に対する前記第一の粒子の重量比が、0.1〜0.6であることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池。
  4. 前記第一の粒子を構成する導電材料に対する前記イオン交換樹脂の重量比が、0.2〜1.6であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池。
  5. 前記第一の粒子を構成する導電材料が、前記第二の粒子を構成する導電材料の0.2〜1.0倍の平均粒径を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の燃料電池。
  6. 請求項2乃至5のいずれかに記載の燃料電池において、
    前記電解質は固体高分子からなることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
  7. 前記固体高分子及び前記イオン交換樹脂は陽イオン交換樹脂からなることを特徴とする請求項6記載の固体高分子形燃料電池。

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