JP2008133533A - 金−銀合金めっき液 - Google Patents

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Abstract

【課題】コネクター等の電気接点の形成に適した合金めっきであって、純金に近い接触抵抗値が得られ、良好なめっき皮膜が得られる合金めっきを提供する。
【解決手段】シアン化金カリウムを金含有量として1.0〜30g/l、シアン化銀カリウムを銀含有量として1.0〜200ppm含有する電気接点用部品用金−銀合金めっき液。このめっき液には、ピロリン酸カリウムを30〜100g/l、ホウ酸を20〜50g/l、エチレンジアミン又はその誘導体を0.05〜150g/l添加することが好ましい。電気めっきは、液温20〜70℃、電流密度10〜110A/dmの条件で行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子機器の接続部品として用いられるコネクター等の電解めっきに適した金−銀合金めっき液に関する。
電子機器の接続部品として用いられるコネクター等の電気接点用部品の素材としては、一般に、リン青銅やベリリウム等の銅系素材が用いられる。
電気接点用部品の表面処理にはめっき技術が広く利用されているが、その種類は貴金属めっきと卑金属めっきに大別される。
卑金属めっきとしては、半田付け性及び耐食性の両面において優れる錫−鉛系の半田めっきが工業的に広く利用されている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかし、鉛の有害性が指摘されるに伴い、半田めっきに代えて鉛を含有しない鉛フリーめっきが使用されるようになっている。鉛フリーのめっきは、電気接点用部品の銅系素材にニッケルめっきを施した後、続いて錫又は錫合金めっきを行う方法が代表的である。ニッケルめっきは電気接点用部品に耐摩耗性を付与することを目的として行われ、錫めっきは電気的信頼性、耐食性の向上を目的として行なわれる。このめっき皮膜は、耐食性の向上を目的としてリフロー処理が行われる。
錫めっきは、ウイスカーの発生により電子回路の不具合が生じる場合がある。更に、接触抵抗値が高く、耐腐食性が低いこと等が問題となる場合がある。この理由により、高度の信頼性が要求されるコンピューターや通信機器用コネクターの表面処理には、卑金属めっきに代えて貴金属めっきが広く用いられている。
貴金属めっきには、主として金めっきが用いられている。金めっきは卑金属に比べて低い接触抵抗を維持できると共に高い耐食性を示し、長期安定性に優れている。
金めっきは製造コストが高くなるので、この経済的な欠点を補う為、金めっき皮膜は薄膜化される傾向にある。
金めっき皮膜の薄膜化に伴い、めっき皮膜にはピンホール等が発生し易くなる。これに対応して金めっき皮膜には封孔処理が施される。しかし、封孔処理を施すことは、めっき処理後に新たな工程の追加を強いられることになり、操業工程が複雑になる。
封孔処理が必要になる金めっきに代えて、金−コバルト合金めっきがコネクター等の処理に利用されている(例えば、特許文献3参照)。金−コバルト合金めっきにより素材の耐食性は向上するが、その反面、純金めっきに比べて接触抵抗が上昇する。金−コバルト合金めっきは、1μm以上の厚さでめっきを行うとめっき膜に微小のクラックが発生しやすくなる欠点も有している。
一般に、コンピューターや通信機器用コネクター等の電解めっきにおいては、素材の微小部分に厚さ0.2〜2μm程度の薄膜が形成される。コネクター端子部に電解めっきをする際には端子先端部に電流が集中し、めっき皮膜が粗くて脆いいわゆるめっきのヤケ現象や、めっき膜表面の不均一電着が生じ易い。
これらを防止するため、電流密度を所定範囲内に制御すること等の対策が採られている。しかしながら、めっき条件が厳しく制約されることになり、操業面での困難さを伴っている。
更に、近年、電子機器の軽薄短小化に伴い、コネクター等の接続荷重が軽量化されている。そのため、低荷重に対しても低い接触抵抗値を有するコネクターが必要とされている。
なお、特許文献4には、コネクター等への貴金属めっきにおいて、金めっきと併せて銀めっきが使用できることが記載されている。特許文献4に記載のめっき皮膜は、これら金属を順次めっきすることにより皮膜が形成されるものであり、後述する本発明の金−銀の合金めっきとは構成が異なっている。
特開2002−69688号公報(特許請求の範囲) 特許第3659323号公報(特許請求の範囲) 特開昭60−155696号公報(特許請求の範囲) 特開昭63−114083号公報(請求項4)
本発明の目的は、電気接点用部品等の接点の表面処理に適した、金を含有する合金めっきであって、従来使用されている金−コバルト合金めっきより純金に近い接触抵抗値が得られ、電気接点に負荷される接触荷重が低い場合においても高い伝導度を維持でき、めっき時の広範囲の電流密度においてめっき皮膜の硬度が一定に保たれるとともに、ヤケ現象や不均一電着が生じることなく良好なめっき皮膜が得られる合金めっきを提供することにある。
上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、本発明者は所定濃度のシアン化金カリウムとシアン化銀カリウムとを溶解させためっき液を使用して電解めっきを行うことにより、接触抵抗値の低い金−銀合金のめっき皮膜が得られることを見出した。
更に、本発明者は、シアン化金カリウムとシアン化銀カリウムとを含むめっき液にエチレンジアミン又はその誘導体を添加することにより、電気接点用部品のめっきを行う際に、良好なめっき皮膜が形成できる電流密度の範囲が極めて広範囲になることを見出し、本発明を完成するに到った。
上記目的を達成する本発明は、以下に記載するものである。
〔1〕 シアン化金カリウムを金含有量として1.0〜30g/l、シアン化銀カリウムを銀含有量として1.0〜200ppm含有する金−銀合金めっき液。
〔2〕 シアン化金カリウムを金含有量として1.0〜30g/l、シアン化銀カリウムを銀含有量として1.0〜200ppm含有する電気機器の電気接点皮膜形成用金−銀合金めっき液。
〔3〕 ピロリン酸カリウムを30〜100g/l、ホウ酸を20〜50g/l含有する〔2〕に記載の電気機器の電気接点皮膜形成用金−銀合金めっき液。
〔4〕 エチレンジアミン又はその誘導体を0.05〜150g/l含有する〔2〕に記載の電気機器の電気接点皮膜形成用金−銀合金めっき液。
〔5〕 厚さ0.05〜1.0μm、銀の含有量が0.3〜2質量%の金−銀合金めっき皮膜で形成された電気接点を有する電気機器。
〔6〕 金−銀合金めっき皮膜の接触抵抗値が、10g加重時の値で15〜30mΩである〔5〕に記載の電気機器。
〔7〕 金−銀合金めっき皮膜の硬度が150〜200HVである〔5〕に記載の電気機器。
本発明のめっき液は、シアン化金カリウムとシアン化銀カリウムとを必須成分として含有する。本発明のめっき液を用いてコネクター等の電気接点用部品の電解めっきを行うことにより、金属素材上に金−銀合金からなるめっき皮膜を形成できる。このめっき皮膜は、安定した低い接触抵抗値を示す。更に、このめっき皮膜はピンホールがほとんどない。
エチレンジアミン又はその誘導体を添加しためっき液を使用することにより、電流密度の集中によるめっきヤケ不良等が抑制される。更に、良好なめっき皮膜を形成できる電流密度が広範囲に拡張され、安定した操業が可能となる。めっき皮膜の硬度も、広範囲の電流密度において、ほぼ一定に保たれる。従って、前記めっき液を用いることにより、電流密度が集中しやすいコネクター端子部のめっきを良好に行うことができる。
本発明のめっき液で形成される金−銀合金めっき皮膜は、半田リフロー温度である260℃前後の熱履歴を受けた後も、低い接触抵抗値を維持できる。
本発明のめっき液により形成する金−銀合金めっき皮膜は、硬度が高く、接触抵抗値が低い。そのため、電気接点用部品の電気接点用のめっき皮膜に適している。このめっき液により形成するめっき皮膜には0.3〜5質量%の銀が含まれるので、金めっき皮膜と比較して製造コストを低減できる。このめっき液により形成するめっき皮膜は硬度が高く、電気接点を形成するめっき皮膜の摩耗が抑制される。更に、接触荷重が少ない場合であっても、電気接点を形成するめっき皮膜の接触抵抗値は低い値に維持される。これらの理由により、本発明のめっき液は、携帯電話、パソコン等のコネクター、テレビ、ビデオ等の入出力端子などの皮膜の形成に好適に使用できる。
本発明めっき液の金イオン源としては、シアン化金カリウムを使用する。めっき液に添加するシアン化金カリウムの濃度は、金含有量として1.0〜30g/lとするが、好ましくは3〜20g/l、より好ましくは5〜15g/lである。1.0g/l未満ではめっき速度が遅くなる。30g/lを超えると製造コストが高くなり経済的な観点から好ましくない。
本発明のめっき液には、シアン化金カリウムと共に、銀イオン源としてシアン化銀カリウムを配合する。シアン化銀カリウムの濃度は、銀含有量として1.0〜200ppmとするが、好ましくは20〜150ppmであり、より好ましくは50〜100ppmである。シアン化銀カリウムの濃度が低くなるに従って、形成されるめっき皮膜中の銀含有量が少なくなり、金皮膜に近くなる。銀含有量が少ないめっき皮膜の接触抵抗値は金皮膜の接触抵抗値に近い良好な値を示す。この理由により、めっき液に添加するシアン化銀カリウムの濃度には実質的な下限値は存在しない。ただし、めっき液中の銀量が減少するとめっき皮膜の外観変化が生じる。製造コストの観点から、シアン化銀カリウムの濃度は1.0ppm以上とすることが好ましい。シアン化銀カリウムの濃度が200ppmを超えると、析出皮膜中の銀量が増え、皮膜の色調が白くなり、接触抵抗値が高くなる。下地がニッケル又はニッケル合金の場合には、下地とめっき皮膜との密着性が低下し、析出皮膜が下地から剥離する場合がある。
本発明のめっき液には、電解質成分として、ピロリン酸カリウムを添加することが好ましい。ピロリン酸カリウムの添加により、安定した均一電着性が得られ、めっき膜厚及び合金比率を一定に維持することができる。
ピロリン酸カリウムの添加量は、30〜100g/lとすることが好ましく、40〜80g/lとすることがより好ましい。
本発明のめっき液には、pH緩衝剤としてホウ酸を添加することが好ましい。本発明のめっき液の組成においては、ホウ酸は、後述する他のpH緩衝剤に比べて優れた緩衝作用を示す。ホウ酸の添加量は20〜50g/lとすることが好ましく、30〜40g/lとすることがより好ましい。
本発明のめっき液には、pH緩衝剤として、ホウ酸にかえて又はホウ酸と共にコハク酸、フタル酸、酒石酸、クエン酸、リン酸、亜硫酸またはこれらの塩を使用してもよい。
本発明のめっき液には、エチレンジアミン又はその誘導体を添加することが好ましい。エチレンジアミン又はその誘導体を添加することにより、良好なめっき皮膜を形成できる電流密度の範囲を広範囲に拡大することができる。エチレンジアミン誘導体としては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等を挙げることができる。
エチレンジアミン又はその誘導体の添加量としては、0.05〜150g/lとすることが好ましく、1〜50g/lとすることがより好ましく、5〜10g/lとすることが更に好ましい。エチレンジアミンの添加量が0.05g/l未満では良好なめっき皮膜が得られる電流密度の範囲を十分に広範囲とすることができない。150g/lを超えると添加量に見合った効果が得られず、製造コストの点で不利になる傾向がある。
本発明のめっき液を用いてめっき処理を行う場合、下記の条件で電解めっきを行うことが好ましい。
めっき液のpH値は、pH緩衝剤、電解質成分等の濃度を調整することによりpH6.0〜9.0の範囲とするのが好ましい。めっき液のpHが6.0未満になるとめっき外観にムラが生じやすく、pHが9.0を超えると得られるめっきの色調が赤くなり外観不良となる。
めっきを行う際のめっき液の液温は20〜70℃が好ましい。20℃未満では温度制御が容易でなく、めっき処理のばらつきが大きくなるため操業に適さない。70℃を超えると析出するめっきの光沢が影響を受けるとともに、操業中のめっき液の蒸発による容量減少が大きく、めっき液中の各成分の濃度の維持が困難になる。
めっき時の電流密度は10〜160A/dmが好ましく、10〜120A/dmがより好ましく、20〜100A/dmが特に好ましい。この範囲においては当該めっき液のpH値、液温、金濃度、銀濃度を適宜選択することにより、良好なめっき皮膜が形成できる。
上記めっき液を用いて電解めっきすることにより得られるめっき皮膜は、金と銀との均一な合金皮膜である。合金皮膜中の銀の含有割合は、上記条件でめっきした場合0.3〜2質量%であり、好ましくは0.5〜1質量%である。銀の含有量が0.3〜2質量%のめっき皮膜の接触抵抗値は、金めっき皮膜の接触抵抗値の1〜1.5倍に相当する。
めっき皮膜として析出する金−銀合金は、めっき液に含まれる金と銀の割合に比べて銀の含有量が多い。そのため、めっき液に含まれる銀は金より早く消費される。めっき液中の銀濃度が建浴当初の濃度の20%以下に低下した場合には、めっき液にシアン化銀カリウムを適量補充することにより、析出するめっき皮膜の銀の含有量を常に0.3〜2質量%とすることができる。
本発明において使用する被めっき素材は特に限定されるものではないが、例えば電気機器の電気接点用部品として用いられるコネクター、スイッチ、リレー等を挙げることができる。素材の材質としては、リン青銅やベリリウム銅、真ちゅう、銅、鉄ニッケル合金、鉄等が適用できる。これらの素材には、本発明のめっき液を用いて直接めっきすることができる。素材上に下地めっきとして常法によりニッケルめっきまたは、金ストライクめっきを行った後、本発明のめっき液を用いてめっきを行うことが好ましい。
これらの被めっき素材へのめっき方法は公知の方法を使用できる。めっきした素材を電気接点用部品として使用する場合、少なくとも電気接点となる部分が本発明のめっき液により形成されためっき皮膜で被覆されていればよい。電気接点用部品の電気接点を含む表面の特定の領域にめっきを行う場合には、公知のマスク材を使用することが可能である。電気接点用部品へのめっきの際には、めっき皮膜の厚さを0.05〜1.0μm、好ましくは0.1〜0.5μmとする。
本発明のめっき液によりめっきを施した電気接点用部品は、必要に応じて熱処理を行う。例えば、電気接点用部品を基板等に搭載する場合、リフロー熱処理後に基板への半田付けを行う。リフロー工程の熱処理温度は200〜300℃、熱処理時間は10分程度である。
本発明のめっき液を用いて上述しためっき条件により形成するめっき皮膜の接触抵抗値は、銀塩やエチレンジアミン及びその誘導体の添加量を調整することにより低接触抵抗値とすることができる。接触抵抗値は銀塩の添加量及びエチレンジアミンの添加量が定量以下では高くなる。めっき皮膜の接触抵抗値は、めっき皮膜が形成される電気接点用部品の用途により決定される。例えばコネクター等の低い接触抵抗値が要求されるめっき皮膜を形成する場合、接触抵抗値は10〜30mΩとすることが好ましく、15〜25mΩとすることがより好ましい。この接触抵抗値は、後述する実施例記載の方法(交流4端子法)により測定した10g加重時の値である。本発明のめっき液により形成される金−銀合金めっき皮膜は、200〜300℃で熱処理を行ってもほとんど接触抵抗値が変化しない。
本発明のめっき液を用いて上述しためっき条件により形成するめっき皮膜の硬度は、150〜200HVである。めっき皮膜の硬度は、例えばピロリン酸カリウムの添加量を加減することにより、上記範囲とすることができる。ピロリン酸リン酸カリウムの添加量が定量以下ではめっき浴中の電解質が不足し正常なめっき皮膜が形成されず、皮膜表面に荒れが生じ、その結果、皮膜の硬度が低くなる。
下記の方法によりめっき用サンプルを調製した後、実施例1〜7、及び比較例1、2で調製しためっき液を用い、後述するめっき条件により電解めっきを行った。
〔めっき用サンプルの調製〕
めっき試料として厚さ0.3mmの銅版(15mmx33mm)を使用した。下記の手順(1)により銅版の脱脂を行った後、(2)によりニッケルめっきを行った。
(1)めっき用サンプルの脱脂
ディップソール社製アルカリ脱脂液#46−S(30g/L)を液温約60℃に加温し、めっき用サンプルを20秒間浸漬して脱脂した。
その後、めっき用サンプルを液温約60℃に加温した同社製アルカリ電解脱脂液#CE−56(30g/L)にカソード電流密度2〜8A/dmにて20秒間浸漬し、電解脱脂を行った。
続いて、10%硫酸水溶液(室温)にめっきサンプルを20秒間浸漬し、中和処理した。
(2)光沢Niめっき
純水700mlにホウ酸45g、硫酸ニッケル六水和物300g、塩化ニッケル六水和物60gを溶解し、光沢ワットNiめっき浴を調製した。このめっき浴に荏原ユージライト#610の光沢剤を適量添加し、硫酸又は炭酸NiにてpHを4±0.2に調整した。
次いで、浴温55℃に加温しためっき浴に、電流密度5A/dmにて脱脂後のめっき用サンプルを浸漬し、めっき厚3μmのめっきを行った。
実施例1
ピロリン酸カリウム70gとホウ酸30gを70℃の温純水に溶解させた。その後エチレンジアミンを0.1ml加えた。リン酸又は水酸化カリウム水溶液にてpHを6.7に調整後、純水を加えて液量を1Lとした。
この水溶液にシアン化金カリウムをAu量として15g/l(シアン化金カリウムとして22g/l)となるように加え溶解させた。続いて、シアン化銀カリウムをAg量として75ppm(シアン化銀カリウムとして0.14g/l)となるように加え、溶解させた。
実施例2
pHを7.5に調整した以外は実施例1と同様にしてめっき液を調製した。
実施例3
エチレンジアミンを使用しない他は実施例1と同様にしてめっき液を調製した。
実施例4
シアン化銀カリウムをAg量として20ppmとした以外は実施例1と同様にしてめっき液を調製した。
実施例5
シアン化銀カリウムをAg量として150ppmとした以外は実施例1と同様にしてめっき液を調製した。
実施例6
シアン化金カリウムをAu量として1g/lとした以外は実施例1と同様にしてめっき液を調製した。
実施例7
シアン化金カリウムをAu量として30g/lとした以外は実施例1と同様にしてめっき液を調製した。
比較例1
シアン化銀カリウムをAg量として500ppmとした以外は実施例1と同様にしてめっき液を調製した。
比較例2
クエン酸カリウム120g、クエン酸60g、硫酸コバルト2.5gを70℃の温純水に溶解させた。クエン酸又は水酸化カリウム水溶液にてpHを4.5に調整後、純水を加えて液量を1Lとした(Co濃度;500mg/l、pH=4.4)。
この水溶液にシアン化金カリウムをAu量として10g/l(シアン化金カリウムとして14.7g)となるように加え、溶解させた。
〔めっき皮膜外観の評価〕
実施例1〜7、比較例1で調整しためっき液をめっきサンプル部にポンプ(イワキ社製MD-15R)で噴射し、めっき厚約0.3μmの部分めっきを行った。めっき液の温度は表1に記載の温度に調整し、めっき時の電流密度は、10〜110A/dmの範囲で10A/dmずつ変化させた。
得られためっき皮膜の外観を目視及び光学顕微鏡による観察により評価した。結果を表1に示す。
Figure 2008133533
表1から明らかなように、実施例3では良好な皮膜が形成される電流密度の範囲が10〜20A/dmであったのに対し、実施例1、2、4、7では少なくとも10〜80A/dmの範囲で良好な皮膜が得られた。また実施例1、2、4、5,7においては、操業に伴ってめっき液の金、銀濃度が低下しても、その後のめっき皮膜の金、銀濃度にはほとんど影響が見られなかった。
〔接触抵抗値の測定〕
実施例2で調製した金−銀合金めっき液を、ポンプ(イワキ社製MD-15R)を用いて噴射し、サンプルにめっき厚約0.3μmの部分めっきを行った。めっき液の温度は55℃、カソード電流密度は20A/dmとした。
一方、比較例2で調製した金−コバルト合金めっき液についても同様にめっきを行った。但し、めっき液温度を55℃、カソード電流密度を70A/dmとした。
実施例2及び比較例2のめっき液を用いてめっきした試料について、接触抵抗値を測定した。接触抵抗の測定にはファクトケイ株式会社製、交流4端子法による接触抵抗評価装置MS2003を用いた。測定荷重は10gと1gについて行った。
接触抵抗値は、大気中260℃、300℃にてそれぞれ2分間加熱処理した試料についても行い、酸化物生成による接触抵抗値の上昇の程度を調べた。
接触抵抗値の測定結果を表2に示す。
Figure 2008133533
表2に示すように、測定荷重が10g、1gのいずれの場合も、加熱無しの金−銀合金めっき皮膜の接触抵抗値は、金−コバルト合金皮膜の接触抵抗値に比較して低いものであった。
金−コバルト合金めっき皮膜は加熱処理温度の上昇と共に接触抵抗値が顕著に増加した。金−銀合金めっき皮膜の接触抵抗値は測定荷重にかかわらず加熱処理温度の上昇の影響を受けず、ほぼ一定の安定した値となった。
以上の結果より、本発明の金−銀合金めっき液を用いてめっきした金−銀合金めっき皮膜は従来から利用されている金−コバルト合金めっき皮膜と比較して接触抵抗値が低く、加熱処理による耐熱性に優れ、特に低荷重においても安定した低抵抗値を維持できることが確認された。
〔皮膜硬度の測定〕
前記接触抵抗値の測定と同様に実施例2、比較例2で調製しためっき液を用いて部分めっきを行った。但し、めっき液の温度は55℃、カソード電流密度は30A/dmとし、めっき膜厚を10μmとした。被めっき物上に形成されためっき皮膜の硬度をマイクロビッカース硬度計((株)アカシ製;MVK−H300)を用いて測定した。
金−銀合金めっきの皮膜硬度は170HVであり、金−コバルト合金めっき膜の165HVとほぼ同様の硬度を保った。
電流密度を30,50,70A/dmと変化させ、同様に皮膜硬度を測定したところ全て170HV程度であり、ほぼ一定の値であった。

Claims (7)

  1. シアン化金カリウムを金含有量として1.0〜30g/l、シアン化銀カリウムを銀含有量として1.0〜200ppm含有する金−銀合金めっき液。
  2. シアン化金カリウムを金含有量として1.0〜30g/l、シアン化銀カリウムを銀含有量として1.0〜200ppm含有する電気機器の電気接点皮膜形成用金−銀合金めっき液。
  3. ピロリン酸カリウムを30〜100g/l、ホウ酸を20〜50g/l含有する請求項2に記載の電気機器の電気接点皮膜形成用金−銀合金めっき液。
  4. エチレンジアミン又はその誘導体を0.05〜150g/l含有する請求項2に記載の電気機器の電気接点皮膜形成用金−銀合金めっき液。
  5. 厚さ0.05〜1.0μm、銀の含有量が0.3〜2質量%の金−銀合金めっき皮膜で形成された電気接点を有する電気機器。
  6. 金−銀合金めっき皮膜の接触抵抗値が、10g加重時の値で15〜30mΩである請求項5に記載の電気機器。
  7. 金−銀合金めっき皮膜の硬度が150〜200HVである請求項5に記載の電気機器。
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