JP5185759B2 - 導電材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用コネクタ端子、バスバー、電気・電子部品の端子等に用いられる耐熱性に優れた導電材及び該導電材の製造方法に関する。
プリント回路基板(以下、「PCB」と称することもある)等のスルーホールに挿入される端子、又は表面実装される端子は、錫(Sn)被覆された銅又は銅合金の条材からプレスで成形されたものが一般的であり、Sn−Pb系はんだで基板に取り付けられていた。また、部品の小型化等により端子の細線化も進み、プレス時に露出した端面の面積比率が高まっている。更に、Pbフリー化に伴いPbを含まないはんだ(以下、「Pbフリーはんだ」と称することもある)でのはんだ付けが要求されている。Pbを含まないはんだでは、Sn−Ag−Cu系等が有名であるが、Sn−Pb系はんだに比べて融点が高く、はんだ付け性が低下するため端子を基板へ取り付けることが困難になっている。
また、Pbフリー化に対する別のアプローチとして、端子の先端をバネ状にプレス成形し、直接スルーホールに固定する技術も開発されている。端子の耐熱性を確保するために、プレス加工後に厚い(3μm超の)Snめっきを施す場合が多いが、元々非常に高い接圧で設計された端子のため、スルーホール挿入時の挿入力が大きすぎるという問題がある。
また、挿入力低減のために、Sn層の厚さを単純に薄くすることが考えられるが、その場合には経時変化により表面に厚い酸化物が形成されやすく、基板や別コネクタとの接続部において耐熱性に問題が生じるおそれがある。
PCBに挿入される端子には、コスト、耐熱性、耐食性、はんだ付け性の観点から、Snめっきが広く利用されている(特許文献1参照)。
しかし、Sn被覆方法が光沢Snめっきの場合、ウィスカ及び耐熱性の問題がある。Snめっき後にリフロー処理を行えばウィスカを大幅に低減できるが、自動車のエンジンルーム等の厳しい熱環境においては十分な耐熱性を有していない。
したがって耐熱性に優れた低コストの導電材の提供が強く求められているのが現状である。
特開2002−226982号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、160℃の大気中で長時間保持した後の接触抵抗の上昇が少ない耐熱性に優れた導電材及び該導電材を効率よく製造する方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 素材上に少なくともSn層を形成するSn層形成工程と、
前記Sn層をウエットブラスト処理するウエットブラスト処理工程と、を含むことを特徴とする導電材の製造方法である。
<2> Sn層がめっきにより形成される前記<1>に記載の導電材の製造方法である。
<3> Sn層形成工程において、素材側から順にNi層、Cu層、及びSn層をめっきにより形成する前記<2>に記載の導電材の製造方法である。
<4> Sn層形成工程とウエットブラスト処理工程の間において、該Sn層形成工程により形成された層にリフロー処理を行うリフロー処理工程を含む前記<1>から<3>のいずれかに記載の導電材の製造方法である。
<5> Sn層形成工程、ウエットブラスト処理工程、及びリフロー処理工程の少なくともいずれかが、リールトゥリールのラインで行われる前記<4>に記載の導電材の製造方法である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の導電材の製造方法により製造されたことを特徴とする導電材である。
<7> 最表面がSn層であり、該Sn層がESCA分析により金属の水酸化物を含有する前記<6>に記載の導電材である。
<8> 素材側から順にNi層、Cu層、及びSn層を有する前記<6>から<7>のいずれかに記載の導電材である。
<9> 素材側から順にNi層、Cu−Sn合金層、及びSn層、又は素材側から順にNi層、Cu層、Cu−Sn合金層、及びSn層を有する前記<6>から<7>のいずれかに記載の導電材である。
<10> Sn層の厚みが、0.3μm〜3μmである前記<6>から<9>のいずれかに記載の導電材である。
<11> Ni層の厚みが0.05μm〜2μmであり、Cu層の厚みが0.05μm〜1μmである前記<6>から<10>のいずれかに記載の導電材である。
<12> Cu−Sn層の厚みが0.1μm〜2.0μmである前記<9>から<11>のいずれかに記載の導電材である。
<13> Sn層が、リフロー処理による溶融組織を有する前記<6>から<12>のいずれかに記載の導電材である。
<14> 素材が、銅又は銅合金である前記<6>から<13>のいずれかに記載の導電材である。
<15> 素材の最表面にSn層が形成され、該Sn層がESCA分析により金属の水酸化物を含有することを特徴とする導電材である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、160℃の大気中で長時間保持した後の接触抵抗の上昇が少ない耐熱性に優れた導電材及び該導電材を効率よく製造する方法を提供することができる。
(導電材及び導電材の製造方法)
本発明の導電材の製造方法は、Sn層形成工程(「めっき工程」と称することもある)と、ウエットブラスト処理工程とを含み、リフロー処理工程、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。前記Sn層形成工程は湿式又は乾式でSn層(皮膜)を形成する工程である。また、Sn層は、電気めっき、無電解めっき、溶融めっき等のめっきで形成されることが好ましい。
本発明の導電材は、本発明の導電材の製造方法により製造される。
以下、本発明の導電材の製造方法及び導電材について詳細に説明する。
本発明の導電材の製造方法としては、例えば銅又は銅合金の条又は所望のコネクタやリードフレーム等の電気・電子部品の形状に成形された連鎖条としての素材上に、下地層を形成することが好ましい。
前記下地層としては、素材側からNi層とCu層で形成された層であることが好ましい。
前記下地層上にSn層を形成し、好ましくはリフロー処理を行い、その後ウエットブラスト処理を行う。
前記ウエットブラスト処理を行う場合には、素材上に下地層を設けずSn層のみを設けてもよい。
また、前記下地層及びSn層はめっきにより形成することが好ましい。
本発明の導電材の製造方法においては、図1に示すように、Sn層形成工程(めっき工程)、ウエットブラスト処理工程、及びリフロー処理工程の少なくともいずれかが、リールトゥリールのラインで行われることが好ましい。
銅又は銅合金からなる素材の条を巻き取った材料リールから、まず素材の条を巻き出し、必要に応じてあらかじめ下地層を形成したのち、電気Snめっき等によりSn層を形成し、次いでリフロー処理を行い、その後ウエットブラスト処理を行って、製品リールに巻き取る方法を行えば、効率的である。なお、各工程ごとに、必要に応じて電解脱脂、酸洗、洗浄、乾燥を行うことが好ましい。
より具体的には、リールトゥリールのラインでめっき工程を行う場合には、素材の条材を連続的にめっき槽に供給し電気めっき後に連続的に巻き取ることができる。例えば、素材の条材をめっき槽の側面から水平方向にめっき槽内へ供給し、めっき後、対向する側面からめっき槽外へ水平方向に巻き取る。
下地層の形成工程、リフロー処理工程、及びウエットブラスト処理工程も同様に連続的に行うことができ、これら工程を連続して行えばリールトゥリールのラインですべての工程を一回で連続して行うことができる。
−Sn層形成工程(めっき工程)−
前記Sn層形成工程は、素材上に少なくともSn層を電気めっき等により形成する工程である。
前記素材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば銅、銅合金、ステンレス、アルミニウム、などが挙げられる。これらの中でも、銅、銅合金が特に好ましい。
前記素材は、条又は所望の形状に成形された連鎖条の形態であることが好ましい。
前記Sn層形成工程においては、素材上にSn層を直接形成してもよいが、素材側から順にCu層、Sn層を形成してもよく、また素材側から順にNi層、Cu層、及びSn層を電気めっきにより形成することが好ましい。前記電気めっきは、厚さの制御に優れ、コスト的にも有利である点で好適である。
前記Niめっきは、複塩浴、普通浴、回転浴、高硫酸塩浴、ワット浴、全塩化物浴、硫酸塩−塩化物浴、全硫酸塩浴、高質浴、ストライクニッケル浴、スルファミン酸ニッケル浴、ほうふっ化ニッケル浴などの浴で行うことが好ましい。
Cuめっきは、硫酸銅浴、ほうふっ化銅浴、シアン化銅浴、ピロリン酸銅浴などの浴で行うことが好ましい。
Snめっきは、アルカリ性浴、硫酸浴、塩酸浴、スルフォン酸浴、シアン性浴、ピロリン酸浴、ほうふっ化浴などの浴で行うことが好ましい。
なお、各めっき浴ともに光沢剤を添加してもしなくてもよい。
また、Sn層形成は無電解めっきや溶融めっき、あるいは蒸着やスパッタリング等で形成してもよいが、層の形成コストから電気めっきが好ましい。
−ウエットブラスト処理工程−
前記ウエットブラスト処理工程は、前記Sn層形成工程で形成された最表面層であるSn層をウエットブラスト処理する工程である。
前記ウエットブラストとは、粒子を利用した加工方法の1種であり、粒子(研磨材)と液体を混ぜ合せたスラリー液を投射ガン部において、圧縮空気の力を使って高速加速し、対象物に吹き付けて加工を行う方法である。
前記粒子(研磨材)としては、例えばアルミナ、ガラス、樹脂、ジルコニア、銅、チタン、ステンレス、シリカなど液と反応しない物質が挙げられる。粒子の形状としては多角状、球状のものが挙げられ、中心粒径は1μm〜1000μm程度までのものが挙げられる。前記液体としては、水が挙げられる。圧縮空気圧力は0.05MPa〜0.5MPa程度、スラリー濃度(粒子と液体の容積比)は3%〜40%程度で実施する。
−リフロー処理工程−
前記リフロー処理工程は、前記Sn層形成工程と前記ウエットブラスト処理工程の間において、該Sn層形成工程により形成された層にリフロー処理を行う工程である。
めっき後にSn層を加熱溶融させるリフロー処理を行う理由としては、耐ウィスカ性を向上させるためである。なお、耐ウィスカ性を必要としない場合は、リフロー処理を行わなくても構わない。
前記リフロー処理は、250℃〜900℃の温度中に0.1秒〜180秒滞留させた後、120秒以内に水冷、空冷等により100℃以下に冷却する方法であることが好ましい。
前記リフロー処理としては、例えばバーナー方式、熱風循環方式、赤外線方式、ジュール熱方式などが挙げられる。
本発明においては、Sn層がリフロー処理による溶融組織を有することが、上記の通りウィスカ対策の点で好ましい。
本発明の導電材は、本発明の前記導電材の製造方法により製造される。
前記導電材は、その最表面がSn層であり、該Sn層がESCA分析(X線光電子分光分析)で金属の水酸化物を含有する。この金属の水酸化物の効果は完全に解明されていないが、金属水酸化物はウエットブラスト処理を実施することにより形成され、Sn表面に皮膜効果を発揮し、熱拡散を抑制していると推定される。
ここで、前記ESCA分析は、例えば定性分析(表面から数十nmの深さまでの分析)、状態分析(表面から数十nmの深さまでの分析)、深さ方向の分析(深さはSiO換算)などにより行うことができる。
前記導電材は、素材側からNi層、Cu層、Sn層、もしくはリフロー処理を行ったものについては素材側からNi層、Cu−Sn合金層、Sn層、又は場合によってはNi層とCu−Sn層間にCu層を有することが好ましい。
前記Sn層の厚みは、0.3μm〜3μmであることが好ましく、0.5μm〜2.5μmがより好ましく、0.8μm〜2μmが更に好ましい。前記厚みが、0.3μm未満であると、経時変化によりはんだ付け性が十分ではないことがあり、3μmを超えると、挿入力及びSn層の削れが顕著になる他、コスト面でも不利となることがある。
前記Ni層は素材の銅又は銅合金のCuの拡散を効果的に抑制し、更には銅合金中の添加元素の拡散を効果的に抑制し(例えばZnやP)、接触抵抗やはんだ付け性、更には皮膜の耐熱密着性の低下を効果的に防止する。
前記Ni層の厚みは、0.05μm〜2μmであることが好ましい。前記厚みが、0.05μm未満であると、前記元素の拡散を抑制する効果が得られないことがあり、2μmを超えると、曲げ加工性が低下することがある。
前記Cu層は、表面に被覆したSn層と熱処理(リフロー処理等)によりCu−Snの合金層を形成することが好ましい。Cu−Sn層についてもNi層と同じくCu又はNiの拡散、更には銅合金中の添加元素の拡散を効果的に抑制する。
前記Cu層の厚みは、0.05μm〜1μmであることが、耐食性向上、及び耐熱性向上を図る目的から好ましい。
更には、Cu−Sn層については0.1μm〜2μmであることが、前記Niめっきの下限、上限を規定した同じ理由から好ましい。
−用途−
本発明の導電材は、160℃の大気中で長時間保持した後の接触抵抗の上昇が少ない耐熱性に優れたものであるので、例えば自動車用コネクタ端子、バスバー、電気・電子部品の端子等に好適に用いられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下の例において、Ni層、Cu層、Cu−Sn合金層、及びSn層の厚みは、以下のようにして測定した。
<厚み測定>
Ni層とSn層の厚みは、蛍光X線膜厚測定器(セイコーインスツル社製、SFT3300)で測定した。
Cu層の厚みは、FIB(集束イオンビーム)を用いて試料をエッチングしてその断面を露出させ、SIM(走査イオン顕微鏡)を用いてその断面(エッチング面)観察することでCu層の厚さを測定した。
Cu−Sn合金層の厚みは、表面Snめっきを薬液で剥離した後、電解式膜厚計(中央製作所製、THICKNESS TESTER TH11)で測定した。
各層の厚さは、それぞれサンプルの両端1mm〜9mmの範囲で2mmおきに5点測定し、その平均値を求めた。
(実施例1)
素材として、Cu−1.0質量%Ni−0.9質量%Sn−0.05質量%P、ビッカース硬さ(HV)170、厚さ0.25mm、幅50mmの銅合金条を使用した。
リールトゥリールの連続めっきラインで、素材の表面及び端面を電解脱脂と酸洗で活性化した後、Sn層の被覆を行った。Sn層の被覆方法は、厚さの制御に優れ、コスト的にも有利な電気めっきを用いた。
なお、Snめっきは硫酸錫浴で行い、光沢剤を添加し、光沢めっきを行った。
Snめっきは、素材の両面からそれぞれ50mmの間隔で対向してSn板の陽極を配置し、液温20℃、見かけの陰極電流密度5.7A/dmで行い、厚み1μmのSn層を形成した。
Sn層を被覆後、バーナー炉でリフロー処理を行った。リフロー処理は、炉内温度400〜600℃、炉内滞留時間0.1〜20秒で表面を溶融させた後、水冷と空冷を併用して10秒以内に100℃以下へ冷却した。
次に、以下の条件でウエットブラスト(WB)処理を行った。なお、WB処理によりSn層が約0.1μm削られた。
−ウエットブラスト(WB)処理条件−
(1)装置:X軸ロボット式ウエットブラスト装置(WFB−2−2C、マコー株式会社製)
(2)研磨材:アルミナ
(3)研磨材粒度:#320(約40μm)
(4)研磨材濃度:18vol%
(5)ライン(ガン)スピード10m/min、パス回数1回、ブラストエアー圧0.25MPa
以上により、実施例1の導電材を作製した。
(比較例1)
実施例1において、ウエットブラスト(WB)処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1の導電材を作製した。
(比較例2〜5)
比較例1において、表1に示す4通りのウエットブラスト(WB)処理をめっき工程の前に素材表面に行った以外は、比較例1と同様にして、比較例2〜5の導電材を作製した。
(実施例2〜3及び比較例6)
実施例1において、ウエットブラスト(WB)処理条件を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜3及び比較例6の導電材を作製した。
(実施例4)
素材として、Cu−1.0質量%Ni−0.9質量%Sn−0.05質量%P、ビッカース硬さ(HV)170、厚さ0.2mm、幅50mmの銅合金条を使用した。
リールトゥリールの連続めっきラインで、素材の表面及び端面を電解脱脂と酸洗で活性化した後、Ni及びCuからなる下地層と、Sn層の被覆を行った。各層の被覆方法は、厚さの制御に優れ、コスト的にも有利な電気めっきを用いた。下地層は全面均一に被覆するよう調整した。
Niめっきはスルファミン酸Ni浴、Cuめっきは硫酸銅浴、Snめっきは硫酸錫浴で行った。Snめっき以外は無光沢めっきを行い、Snめっきは光沢剤を添加し、光沢めっきで行った。
Niめっきは、素材の両面からそれぞれ50mmの間隔で対向してNi板の陽極を配置し、液温40〜50℃、見かけの陰極電流密度8A/dmで行い、厚み0.4μmのNi層を形成した。
Cuめっきは、素材の両面からそれぞれ50mmの間隔で対向してCu板の陽極を配置し、液温25〜35℃、見かけの陰極電流密度5A/dmで行い、厚み0.4μmのCu層を形成した。
Snめっきは、下地層を形成した素材の両面からそれぞれ50mmの間隔で対向してSn板の陽極を配置し、液温20℃、見かけの陰極電流密度5.7A/dmで行い、厚み0.7μmのSn層を形成した。
Sn層を被覆後、バーナー炉でリフロー処理を行った。リフロー処理は、炉内温度400〜600℃、炉内滞留時間0.1〜20秒で表面を溶融させた後、水冷と空冷を併用して10秒以内に100℃以下へ冷却した。
次に、以下の条件でウエットブラスト(WB)処理を行った。なお、WB処理によりSn層が約0.1μm削られた。
−ウエットブラスト(WB)処理条件−
(1)装置:X軸ロボット式ウエットブラスト装置(WFB−2−2C、マコー株式会社製)
(2)研磨材:アルミナ
(3)研磨材粒度:#320(約40μm)
(4)研磨材濃度:18vol%
(5)ライン(ガン)スピード10m/min、パス回数1回、ブラストエアー圧0.25MPa
以上により、実施例4の導電材を作製した
(実施例5〜7及び比較例7)
実施例4において、ウエットブラスト(WB)処理条件を表1に示すように変えた以外は、実施例4と同様にして、実施例5〜7及び比較例7の導電材を作製した。
次に、実施例及び比較例の導電材について、以下のようにして、耐熱性、及び表面粗さを評価した。結果を表2に示す。
<耐熱性の評価>
耐熱性は160℃の大気雰囲気中で24時間、48時間、96時間、250時間、及び500時間保持した後の室温での接触抵抗値で評価した。
接触抵抗値は、マイクロオームメーター(株式会社山崎精機研究所製、YMR−3)を使用し、開放電圧20mV、電流10mA、0.5φmmのU型金線プローブ、最大荷重100gf、摺動無しの条件で、試験数N=3で測定し、その平均値を求めた。
<表面粗さRaの測定>
接触式表面粗さ計(株式会社小坂研究所製、サーフコーダSE4000)を用いて、表面粗さRaを測定した。
表2の結果から、実施例1〜7は、比較例1〜7に比べて、耐熱性試験160℃×500時間後における接触抵抗の上昇が大幅に少ないことが分かった。
<Sn層の表面分析>
次に、比較例6、実施例1、及び実施例4の導電材について、最表面のSn層のESCA(光電子分光装置、アルバック・ファイ株式会社製、ESCA5800)による表面分析を行った。結果を表3に示す。
本発明の導電材の製造方法により製造された導電材は、160℃の大気中で長時間保持した後の接触抵抗の上昇が少ない耐熱性に優れたものであるので、例えば自動車用コネクタ端子、バスバー、電気・電子部品の端子等に適用できる。
図1は、リールトゥリールのラインで導電材の製造工程フローを示す図である。

Claims (14)

  1. 素材上にSn層をめっきにより形成するSn層形成工程と、
    前記Sn層をウエットブラスト処理するウエットブラスト処理工程と、を含み、
    前記ウエットブラスト処理工程後の最表面をSn層とすることを特徴とする導電材の製造方法。
  2. 素材が、銅又は銅合金である請求項1に記載の導電材の製造方法。
  3. Sn層形成工程において、素材側から順にNi層、Cu層、及びSn層をめっきにより形成する請求項1から2のいずれかに記載の導電材の製造方法。
  4. Sn層形成工程とウエットブラスト処理工程の間において、該Sn層形成工程により形成された層にリフロー処理を行うリフロー処理工程を含む請求項1から3のいずれかに記載の導電材の製造方法。
  5. Sn層形成工程、ウエットブラスト処理工程、及びリフロー処理工程の少なくともいずれかが、リールトゥリールのラインで行われる請求項4に記載の導電材の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の導電材の製造方法により製造されたことを特徴とする導電材。
  7. 最表面がSn層であり、該Sn層がESCA分析により金属の水酸化物を含有する請求項6に記載の導電材。
  8. 素材側から順にNi層、Cu層、及びSn層を有する請求項6から7のいずれかに記載の導電材。
  9. 素材側から順にNi層、Cu−Sn合金層、及びSn層、又は素材側から順にNi層、Cu層、Cu−Sn合金層、及びSn層を有する請求項6から7のいずれかに記載の導電材。
  10. Sn層の厚みが、0.3μm〜3μmである請求項6から9のいずれかに記載の導電材。
  11. Ni層の厚みが0.05μm〜2μmであり、Cu層の厚みが0.05μm〜1μmである請求項6から10のいずれかに記載の導電材。
  12. Cu−Sn層の厚みが0.1μm〜2.0μmである請求項9から11のいずれかに記載の導電材。
  13. Sn層が、リフロー処理による溶融組織を有する請求項6から12のいずれかに記載の導電材。
  14. 素材が、銅合金である請求項6から13のいずれかに記載の導電材。
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