JP2008133447A - 光学フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高屈折率、低複屈折、易成形性を有するポリエステル樹脂で構成される光学フィルム、特に延伸成形後も低複屈折を保持する光学フィルムとその製造方法を提供する。
【解決手段】光学フィルムを、下記式(1)
Figure 2008133447

[式中、Aは脂肪族炭化水素残基、脂環族炭化水素残基又は芳香族炭化水素残基、Z、Zは芳香族炭化水素残基を示す。Rはハロゲン原子などを示し、R1a、R1bはアルキレン基、R2a、R2b、R3a、R3bは、アルキル基などを示し、m及びnは0又は1以上の整数、h1及びh2は0〜6の整数、j1及びj2は0〜4の整数、kは0以上の整数を示す]
で表される繰り返し単位を有する少なくとも9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオール成分と、ジカルボン酸成分とを重合成分とするポリエステル樹脂で構成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂を含み、複屈折が小さい光学フィルム、特に延伸成形後も低複屈折の光学フィルム及びその製造方法に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)などのフラットパネルディスプレイ(FPD)は、昨今の情報技術(Information Technology,IT)時代における映像、表示装置として不可欠であり、パーソナル・コンピュータ、テレビジョン、携帯電話などに使用されている。FPDを構成する光学部材のうち、代表的な部材の一つに光学フィルムがある。また、光学フィルムの性能が光学機器の精度に大きく影響するため、近年の光学機器の軽薄化、小型化、高性能化のニーズに伴い、光学フィルムに対して、高屈折率、低複屈折、易成形性がより一層要求される。このような光学フィルムとして位相差フィルム、偏光フィルム、近赤外線遮断フィルムなどが知られており、従来、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)などのポリマーが使用されている。
PMMAは、透明性、低複屈折に優れているが、吸湿性が高いため成形後の形態安定性は劣り、物性の変化が生じるおそれがある。さらに、PMMAは他の光学ポリマーに比べ屈折率が低いため、フィルムの軽薄化、小型化が困難である。
PCは、透明性、耐熱性、吸湿性に優れ、高屈折率を示すため、光学材料としてよく使用される。しかし、PCは成形性に劣り、さらに複屈折率が高いため、PCからなる光学フィルムに光が入射すると常光線とともに異常光線が生じ、物体を単一視するのが困難となる傾向がある。そのため光学フィルムの原料としてPCは必ずしも満足できない。
また、COPは、透明性、低複屈折の点ではPMMAに及ばないものの、優れた耐熱性と低吸湿性とを有している。しかし、COPは優れた耐熱性と低吸湿性を有しているが、屈折率が1.51〜1.54程度であり、また複屈折はPMMAには及ばず、延伸した時に複屈折が発現する。また、COP樹脂の流動性を高めるために共重合成分としてエチレンなどの軟質成分を用いると、樹脂の物性が変化(例えば、屈折率が低下)するという欠点が生じる。
フィルムの成膜にあたり、機械的強度、透明性及び耐熱性などの物性を著しく改良するため延伸操作が行われている。しかし、一般的に延伸フィルムは、未延伸フィルムに比べ、応力歪や分子配向の影響で複屈折率が大きくなるため、高性能の光学延伸フィルムを得るのは困難である。
前記特性を有する延伸フィルムとして、フルオレン骨格を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を用いた延伸フィルムが提案されている。例えば、特許第3499838号公報(特許文献1)には、フルオレン骨格を有する芳香族ポリカーボネートフィルムを一軸延伸した位相差フィルムが、特開2001−146527号公報(特許文献2)には、前記芳香族ポリカーボネートフィルムを100%一軸延伸したLCD用フィルムが、特開平7−52270号公報(特許文献3)には、前記芳香族ポリカーボネートフィルムを9〜13%一軸延伸した光学フィルムなどが開示されている。これらの延伸フィルムは、ポリカーボネートフィルムの本来の欠点である高複屈折が低減され、さらに、延伸処理によるフィルムの複屈折の上昇が抑制され、これまでのポリカーボネートフィルムに比べ、屈折率、複屈折率などの光学特性が改善されている。しかし、流動性が低く、成形性や延伸に問題が生じる可能性がある。
また、高屈折率でかつ複屈折の低い透明樹脂として、フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂がこれまでに提案されている。これらの樹脂は、流動性があり成形性に優れるため、加工して種々の光学部材として広く用いられている。例えば、特開2004―315676号公報(特許文献4)では、フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂が光学レンズに、特開平7−198901号公報(特許文献5)では、プラスチックレンズに、特開平9−302077号公報(特許文献6)では、光ディスク基板レンズに、特開平8−160222号公報(特許文献7)では、光学補償フィルム基板に使用されている。このように前記ポリエステル樹脂は様々な成形加工がなされているが、前記のように一般的に延伸成形によって複屈折率が大きくなるため、延伸成形品の光学部材への使用は適さない。そのためか、延伸成形に供しても、低複屈折率を有するポリエステルフィルムを得るのは困難であると考えられており、フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂(とりわけ9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂)を含む低複屈折率の延伸フィルムはこれまでに報告されていない。
特許第3499838号公報(段落番号[0005〜0007]) 特開2001−146527号公報(実施例1〜3) 特開平7−52270号公報(実施例1〜12) 特開2004―315676号公報(段落番号[0011]) 特開平7−198901号公報(特許請求の範囲 請求項1) 特開平9−302077号公報(特許請求の範囲 請求項6) 特開平8−160222号公報(段落番号[0016])
従って、本発明の目的は、ポリエステル樹脂で構成され、かつ高屈折率、低複屈折を有する光学フィルム及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、延伸成形後も低複屈折を保持できる光学フィルム及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、易成形性を有し、光学機器のフィルム部品として有用である高機能(又は高性能)光学フィルム及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定のフルオレン骨格を有する芳香族ジオールとジカルボン酸とのエステル化により生成する特定のポリエステル樹脂を含むフィルムは、延伸成形に供しても、前記ポリエステル樹脂が本来有する特性を損なうことなく、高屈折率、低複屈折及び易成形性を有する光学フィルムが得られることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の光学フィルム(ポリエステルフィルム)は、少なくとも9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオールで構成されたジオール成分と、ジカルボン酸成分とから得られるポリエステル樹脂(詳細には、ジオール成分とジカルボン酸成分とが重合したポリエステル樹脂)で構成されている。このような光学フィルムにおいて、前記ポリエステル樹脂は、単一のジオール成分とジカルボン酸成分とで形成されたホモポリエステルであってもよく、共重合成分が共重合したコポリエステルであってもよい。例えば、ジオール成分は、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオールとアルキレングリコールとで構成してもよい。このようなポリエステル樹脂は、例えば、少なくとも下記式(1)で表される繰り返し単位を有している。
Figure 2008133447
[式中、Aは脂肪族炭化水素残基、脂環族炭化水素残基又は芳香族炭化水素残基を示し、Z及びZは同一又は異なって芳香族炭化水素残基を示す。Rは、ハロゲン原子又はアルキル基を示し、R1a及びR1bは同一又は異なってアルキレン基を示し、R2a、R2b、R3a及びR3bは同一又は異なって、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、シクロアルキル基、アラルキル基、ニトロ基又はシアノ基を示し、m及びnは同一又は異なって0又は1以上の整数である。h1及びh2は同一又は異なって0〜6の整数であり、j1及びj2は同一又は異なって0〜4の整数であり、kは0以上の整数である]
ポリエステル樹脂は、ホモポリエステルであってもよく、コポリエステルであってもよい。このような樹脂は、例えば、少なくとも前記式(1)で表される繰り返し単位及び下記式(2)で表される繰り返し単位を有していてもよい。
Figure 2008133447
[式中、A、R、およびkは前記に同じ。R1cはアルキレン基を示し、qは1以上の整数である]
式(1)で表される単位と式(2)で表される単位との割合、前者/後者(モル比)=99/1〜10/90であってよい。
前記式(1)及び(2)において、AはC1−10脂肪族炭化水素残基、C5−10シクロアルカン残基又はC6−14芳香族炭化水素残基(例えば、フェニレン基)であり、Rはハロゲン原子であってもよい。kは0〜8(例えば0〜2)程度の整数であってもよい。また、前記式(1)において、Z及びZはC6−14芳香族炭化水素残基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基)であってもよく、R1a及びR1bはC2−4アルキレン基(例えば、エチレン基)であってもよく、R2a、R2b、R3a及びR3bはC1−5アルキル基(例えば、メチル基)であってもよい。係数m及びnは1〜10(例えば、1〜5)程度の整数であってもよく、h1及びh2は0〜3(例えば0〜2)程度の整数であってもよく、j1及びj2は0〜2(例えば0又は1)程度の整数であってもよい。さらに、前記式(2)において、R1cはC2−10アルキレン基(例えば、C2−4アルキレン基)であってもよく、qは1〜5(例えば、1〜3)程度の整数であってもよい。前記式(1)で表される単位と式(2)で表される単位との割合が、前者/後者(モル比)=99/1〜50/50(例えば、99/1〜75/25)程度であってもよい。
代表的な本発明の光学フィルムには、下記(i)〜(iii)の光学フィルムなどが含まれる。
(i)前記式(1)および前記式(2)において、Aが、C1−10脂肪族炭化水素残基、C5−10シクロアルカン残基又はC6−14芳香族炭化水素残基、Z及びZがC6−14芳香族炭化水素残基であり、R1a及びR1bがC2−4アルキレン基であり、R1cがC2−10アルキレン基であり、R2a、R2b、R3a及びR3bがC1−5アルキル基であり、m及びnが1〜10の整数であり、h1及びh2が0〜3の整数であり、j1及びj2が0〜2の整数であり、kが0〜8の整数であり、qが1〜5の整数であり、前記式(1)で表される単位と前記式(2)で表される単位との割合が、前者/後者(モル比)=99/1〜60/40である光学フィルム。
(ii)AがC5−10シクロアルカン残基又はC6−10芳香族炭化水素残基、Z及びZがフェニレン基又はナフチレン基であり、Rがハロゲン原子であり、R1a及びR1bがエチレン基であり、R1cがC2−4アルキレン基であり、m及びnが1〜5の整数であり、h1及びh2が0〜2の整数であり、j1及びj2が0又は1であり、kが0〜2の整数であり、qが1〜3の整数であり、前記式(1)で表される単位と前記式(2)で表される単位との割合が、前者/後者(モル比)=99/1〜70/30である光学フィルム。
(iii)前記式(1)および前記式(2)において、Aがシクロヘキサン残基、Z及びZがフェニレン基であり、R1a、R1b及びR1cがエチレン基であり、m、n及びqが1であり、h1、h2、j1、j2及びkが0であり、前記式(1)で表される単位と前記式(2)で表される単位との割合が、前者/後者(モル比)=95/5〜80/20である光学フィルム。
前記ポリエステル樹脂の光弾性係数は、7×10−12cm/dyn以下であってもよい。
本発明の光学フィルムは、低複屈折性を有しており、例えば、未延伸において、レタデーション値が10nm以下であってもよい。
本発明の光学フィルムは、延伸(延伸処理)されていてもよい。このような光学フィルムは、通常、成形(例えば、溶融押出により成形)され、かつ延伸されたフィルムであってもよい。ポリエステルフィルムの延伸は、フィルム樹脂の融点以下で、かつガラス転移点以上の温度範囲で行うことができる。延伸法は、一軸延伸又は二軸延伸であってもよく、一軸延伸の場合、縦延伸又は横延伸であってもよく、二軸延伸の場合、等延伸又は偏延伸であってもよい。また、延伸倍率は1.1〜10倍程度であってもよく、例えば、1.1〜2.5倍又は3.5〜10倍程度であってもよく、2〜5倍程度であってもよい。
前記ポリエステル樹脂及び前記ポリエステルフィルムは、高い屈折率を有する。また易成形性を有し、複屈折率が低く、さらに成形加工による複屈折の発現も小さい。よって延伸成形に供したフィルムにおいても高屈折率、低複屈折及び易成形性を保持する。例えば、本発明の光学フィルムは、一軸延伸又は二軸延伸され、かつレタデーション値が100nm以下の光学フィルムであってもよい。
そのため、本発明のフィルムは、軽薄化、小型化及び高性能を必要とする光学機器(例えば、ディスプレイなど)などの様々な部品に利用するのに適している。特に、本発明の光学フィルムは、ディスプレイに用いるための(又はディスプレイ用の)光学フィルムであってもよい。また、前記フィルムは、さらに、近赤外線吸収色素を含んでいてもよい。
なお、本発明には、前記光学フィルムを備えた部材(例えば、ディスプレイ用部材)も含まれる。
本発明では、特定のポリエステル樹脂を用いるため、高屈折率及び低複屈折の光学フィルムを得ることができる。特に、本発明の光学フィルムは、延伸成形後においても、低複屈折を保持できる。このような本発明の光学フィルムは、易成形性を有し、光学機器のフィルム部品として有用である。
本発明の光学フィルムは、少なくともフルオレン骨格を有するジオールで構成されたジオール成分(9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオールで構成されたジオール成分)と、ジカルボン酸成分とのエステル化反応により得られるポリエステル樹脂を含む。このようなポリエステル樹脂は、通常、少なくとも前記式(1)で表される繰り返し単位を有している。
Aにおいて、脂肪族炭化水素残基としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、n―ヘプタン、n―オクタンなどの直鎖状又は分岐鎖状のC1−10脂肪族飽和炭化水素に対応する基(二価基)、エチレン、プロピレン、イソブテンなどの直鎖状又は分岐鎖状のC1−10脂肪族不飽和炭化水素に対応する基(二価基)が例示できるが、通常、直鎖状又は分岐鎖状のC1−10脂肪族飽和炭化水素に対応する基(二価基)である。Aにおいて、脂環族炭化水素残基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどのC5−10シクロアルカン環に対応する基(二価基)、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテンなどのC5−10シクロアルケン環に対応する基(二価基)、ボルナン、ノルボルナン、アダマンタンなどの多環式飽和炭化水素環(例えば、二環又は三環式C7−10炭化水素環)に対応する基(二価基)、ボルネン、ノルボルネンなどの多環式不飽和炭化水素環(例えば、二環又は三環式C7−10不飽和炭化水素環)に対応する基(二価基)などが例示できる。通常、脂環族炭化水素残基は、C5−10シクロアルカン環に対応する基(二価基)である。Aにおいて、芳香族炭化水素残基としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル、インデンなどのC6−14芳香族炭化水素環に対応する基(二価基)などが例示できる。Aは、前記脂環族炭化水素残基又は芳香族炭化水素残基(例えば、C5−10シクロアルカン環に対応する二価基やC6−10芳香族炭化水素環に対応する二価基、特にフェニレン基)が好ましい。
Aにおいて、Aに対応する炭化水素残基の結合手の位置も、特に制限されず、非対称位置であってもよく対称位置であってもよい。例えば、Aがシクロヘキサン環である場合、Aに対応する炭化水素残基は、1,2−シクロヘキサン−ジイル基、1,3−シクロヘキサン−ジイル基であってもよく、1,4−シクロヘキサン−ジイル基であってもよい。
置換基Rとしては、ハロゲン原子(臭素原子、塩素原子、フッ素原子など)、アルキル基(メチル基、エチル基、ブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−6アルキル基)などが挙げられる。Rは、通常、エステル化反応に不活性である場合が多い。置換基Rの置換数kは、Aの炭素数などに応じて0以上の整数の範囲で選択でき、通常、0〜8(例えば、0〜2)程度の整数であってもよい。置換基Rの置換位置は特に制限されず、Aの種類に応じて選択できる。
及びZにおいて、芳香族炭化水素残基としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンなどのC6−14芳香族炭化水素環に対応する基(二価基)などが例示できる。Z及びZは、フェニレン基又はナフチレン基(例えばフェニレン基)が好ましい。
1a及びR1bで表されるアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基が例示できる。R1a及びR1bにおいてアルキレン基の種類はそれぞれ異なっていてもよい。また、アルキレン基R1a及びR1bの種類は係数m及びnの数によっても異なっていてもよい。好ましいアルキレン基は、C2−3アルキレン基(エチレン基、プロピレン基)であり、通常、エチレン基である。
2a、R2b、R3a及びR3bにおいて、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−5アルキル基(特に、C1−4アルキル基)が例示できる。R2a、R2b、R3a及びR3bにおいて、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのC1−4アルコキシ基(特にC1−3アルコキシ基)が例示できる。R2a、R2b、R3a及びR3bにおいて、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのC6−12アリール基が例示でき、R2a、R2b、R3a及びR3bにおいて、シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC5−10シクロアルキル基が例示できる。R2a、R2b、R3a及びR3bにおいて、アラルキル基としては、ベンジル基などのC6−12アリール−C1−4アルキル基が例示できる。
置換基R2a及びR2bの置換数h1及びh2は、通常、0〜3(例えば0〜2)程度の整数であってもよい。置換基R2a及びR2bの置換位置は特に制限されず、Z及びZの種類に応じて選択できる。好ましい置換基R2a及びR2bは、C1−4アルキル基(特にメチル基)であり、好ましい置換数h1及びh2は0〜2(例えば0又は1)程度の整数である。
置換基R3a及びR3bの置換数j1及びj2は、通常、0〜2(例えば0又は1)程度の整数であってもよい。置換基R3a及びR3bの置換位置は特に制限されず、好ましい置換基R3a及びR3bは、C1−4アルキル基(特にメチル基)であり、好ましい置換数j1及びj2は0又は1(例えば0)である。
オキシアルキレン単位の繰り返し数m及びnは、0又は1以上の整数であり、通常、1〜10、好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜5(例えば、1〜3)程度の整数である。
前記式(2)において、A、R及びkは前記に同じである。オキシアルキレン単位の繰り返し数qは1以上の整数である。R1cで表されるアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C2−10アルキレン基が例示できる。好ましいアルキレン基は、直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基(例えば、エチレン基、テトラメチレン基など)である。特に、q≧2であるとき、R1cで表されるアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などのC2−4アルキレン基が例示でき、qは、2〜10、好ましくは2〜7、さらに好ましくは2〜5(例えば、2〜4)程度の整数であってもよい。前記式(2)において、係数qは、通常、1〜5、好ましくは1〜3(特に1)程度の整数である。
本発明のポリエステル樹脂は少なくとも前記式(1)で表される繰り返し単位を有していればよく、ホモポリエステル樹脂であってもよくコポリエステル樹脂であってもよい。このようなポリエステル樹脂は、複屈折率が大きくならない限り、前記式(2)で表される単位を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。前記式(1)で表される単位と式(2)で表される単位との割合は、前者/後者(モル比)=100/0〜10/90(例えば、100/0〜30/70)程度の範囲から選択でき、通常、99/1〜50/50、好ましくは99/1〜60/40、さらに好ましくは99/1〜70/30、特に97/3〜75/25(例えば、95/5〜80/20)であってもよい。
好ましいポリエステル樹脂には、(i)ジカルボン酸成分がベンゼンジカルボン酸(特にテレフタル酸)成分である下記式(1a)で表される繰り返し単位及び下記式(2a)で表される繰り返し単位を有するポリエステル樹脂、又は(ii)ジカルボン酸成分がシクロヘキサンジカルボン酸成分である下記式(1b)で表される繰り返し単位及び下記式(2b)で表される繰り返し単位を有するポリエステル樹脂などが含まれる。
Figure 2008133447
(式中、R1a及びR1bはC2−4アルキレン基を示し、R1cはC2−4アルキレン基を示し、R2a、R2bは同一又は異なって、C1−4アルキル基を示し、m及びnは1〜3の整数であり、h1及びh2は0〜2の整数である。)
ポリエステル樹脂の分子量は、特に制限されず、例えば、重量平均分子量0.5×10〜100×10、好ましくは1×10〜50×10、さらに好ましくは1×10〜25×10(例えば、1×10〜10×10)程度であってもよい。
前記ポリエステル樹脂の屈折率は、比較的高く、例えば、1.55以上(例えば、1.59〜1.7程度)、好ましくは1.60以上(例えば、1.60〜1.65程度)、さらに好ましくは1.605以上(例えば、1.605〜1.63程度)である。
なお、前記ポリエステル樹脂の光弾性係数は、例えば、7×10−12cm/dyn以下(例えば、0.1×10−12〜6.5×10−12cm/dyn程度)、好ましくは6×10−12cm/dyn以下(例えば、1×10−12〜5.5×10−12cm/dyn程度)、さらに好ましくは5×10−12cm/dyn以下(例えば、2×10−12〜4.5×10−12cm/dyn程度)であってもよい。
前記ポリエステル樹脂は、通常、少なくとも下記式(3)で表されるジオール(9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオール)で構成されたジオール成分と、少なくとも下記式(5)で表されるジカルボン酸及びこれらの反応性誘導体を含むジカルボン酸成分とを反応させることにより得ることができる。さらに、前記のように、ジオール成分及びジカルボン酸成分はそれぞれ単一の成分であってもよく、ジオール成分及び/又はジカルボン酸成分は共重合成分を含んでいてもよい。例えば、ジオール成分は、前記式(3)で表されるジオールと下記式(4)で表されるジオールとを組み合わせて構成してもよい。
Figure 2008133447
(式中、A、Z、Z、R1a、R1b、R1c、R2a、R2b、R3a、R3b、R、m、n、h1、h2、j1、j2、k及びqは前記に同じ)
式(3)で表されるジオールには、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類及び9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン類などが含まれる。
9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類としては、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(ビスフェノールフルオレン,BPF);ビスクレゾールフルオレン(BCF、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)フルオレンなど)などの9,9−ビス(C1−4アルキルヒドロキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ジC1−4アルキルヒドロキシフェニル)フルオレンや、9,9−ビス[2ー(6−ヒドロキシ)ナフチル]フルオレン;9,9−ビス[2ー(6−ヒドロキシ−5−メチル)ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス(モノ又はジC1−4アルキルヒドロキシナフチル)フルオレン;これらの化合物に対応し、置換基R2a及びR2bがC5−10シクロアルキル基やC6−12アリール基などであるビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類が挙げられる。
また、9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン類としては、ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類のヒドロキシル基1モルに対してC2−4アルキレンオキサイド1〜10モル(好ましくは1〜5モル、特に1〜3モル)程度又は3−クロロプロパノールなどのC2−8ハロアルカノール1〜5モル(好ましくは1〜3モル、特に1モル)程度が付加した化合物が挙げられる。代表的な9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン類としては、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)フルオレン(ビスフェノキシエタノールフルオレン,BPEF)などの9,9−ビス[4−(ヒドロキシC2−3アルコキシ)フェニル]フルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(ビスクレゾールエタノールフルオレン,BCEF)、9,9−ビス(4−ヒドロキシイソプロポキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(アルキルヒドロキシC2−3アルコキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ジアルキルヒドロキシC2−3アルコキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(シクロアルキルヒドロキシC2−3アルコキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3−フェニルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(アリールヒドロキシC2−3アルコキシフェニル)フルオレンや、9,9−ビス[2−(6−ヒドロキシエトキシ)ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス(ヒドロキシC2−3アルコキシナフチル)フルオレン;9,9−ビス[2−(6−ヒドロキシエトキシ−5−メチル)ナフチル]フルオレンなどの9,9−ビス(モノ又はジアルキルヒドロキシC2−3アルコキシナフチル)フルオレンなどが挙げられる。
これらの化合物のうち、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類としては、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(例えば、BPF)、9,9−ビス(C1−4アルキルヒドロキシフェニル)フルオレン(例えば、BCF)などが好ましい。9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン類としては、例えば、9,9−ビス[4−(ヒドロキシC2−3アルコキシ)フェニル]フルオレン(例えば、BPEF)、9,9−ビス(アルキルヒドロキシC2−3アルコキシフェニル)フルオレン(例えば、BCEF)などが好ましい。上記式(3)で表されるジオール成分としては、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンを用いる場合が多い。これらの化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
上記式(3)で表されるジオール(例えば、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン)は、剛直なフルオレン環と2つの芳香環とを有することにより、耐熱性と屈折率とを向上できるだけでなく、これらの3つの芳香環の平面が互いに直交する立体配座に起因するためか、分子固有の複屈折を低減した単量体として極めて有効である。
式(4)で表されるジオールは共重合成分として使用でき、必ずしも必要ではない。式(4)で表されるジオールとしては、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、テトラメチレングリコール(1,4−ブタンジオール)、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、デカンジオールなどの直鎖状又は分岐鎖状C2−12アルキレングリコールなど)、(ポリ)オキシアルキレングリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのジ乃至テトラC2−4アルキレングリコールなど)が例示できる。これらのジオールは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましいジオールは、直鎖状又は分岐鎖状C2−10アルキレングリコール、特にC2−6アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール(1,4−ブタンジオール)などの直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレングリコール)である。ジオールとしては、少なくともエチレングリコールを用いる場合が多い。
上記式(4)で表されるジオール(例えば、エチレングリコール)は、重合反応性を高めるとともに樹脂に柔軟性を付与させるための共重合成分として有用である。なお、共重合成分の導入により、屈折率、耐熱性、吸水性が低下する場合があるため、一般的には、共重合比率はできるだけ小さい方がよいようである。
式(3)で表されるジオールと式(4)で表されるジオールとの割合(モル比)は、前者/後者=100/0〜10/90(例えば、100/0〜30/70)程度の範囲から選択でき、通常、99/1〜50/50、好ましくは99/1〜60/40、さらに好ましくは99/1〜70/30、特に97/3〜75/25(例えば、95/5〜80/20)であってもよい。
なお、必要であれば、前記式(3)及び(4)で表されるジオールに、脂環族ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなどのビス(ヒドロキシシクロアルキル)アルカン、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル)プロパンなどのビス((ヒドロキシアルコキシ)シクロアルキル)アルカンなど)や、芳香族ジオール(例えば、ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパンなどのビス((ヒドロキシアルコキシ)アリール)アルカン、キシリレングリコールなど)を組み合わせて使用してもよい。これらのジオールも単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。さらに、必要に応じて、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなどのポリオールを併用してもよい。
式(5)で表されるジカルボン酸及びこれらの反応性誘導体を含むジカルボン酸成分のうち、脂肪族ジカルボン酸成分としては、脂肪族飽和ジカルボン酸類(例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などのC1−10アルカン−ジカルボン酸など)、脂肪族不飽和ジカルボン酸類(例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などのC2−10アルケン−ジカルボン酸など)、これらの反応性誘導体(無水コハク酸などの酸無水物、ジメチルエステル、ジエチルエステルなどの低級C1−4アルキルエステル、ジカルボン酸に対応する酸ハライドなどのエステル形成可能な誘導体)などが例示できる。通常、脂肪族ジカルボン酸成分は、C2−8アルカン−ジカルボン酸又はこれらの反応性誘導体である。
式(5)で表されるジカルボン酸及びこれらの反応性誘導体を含むジカルボン酸成分のうち、脂環族ジカルボン酸成分としては、シクロアルカンジカルボン酸類(シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘプタンジカルボン酸などのC5−10シクロアルカン−ジカルボン酸)、シクロアルケンジカルボン酸類(テトラヒドロフタル酸などのC5−10シクロアルケン−ジカルボン酸)、多環式アルカンジカルボン酸類(ボルナンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸などのジ又はトリシクロC7−10アルカン−ジカルボン酸)、多環式アルケンジカルボン酸類(ボルネンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸などのジ又はトリシクロC7−10アルケン−ジカルボン酸)、これらの反応性誘導体(ヘキサヒドロ無水フタル酸などの酸無水物、ジメチルエステル、ジエチルエステルなどの低級C1−4アルキルエステル、ジカルボン酸に対応する酸ハライドなどのエステル形成可能な誘導体)などが例示できる。通常、脂環族ジカルボン酸成分は、C5−10シクロアルカン−ジカルボン酸又はこれらの反応性誘導体である。
式(5)で表されるジカルボン酸及びこれらの反応性誘導体を含むジカルボン酸成分のうち、芳香族ジカルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などのC6−14アレーン−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4′−ジカルボン酸などのC12−14ビフェニル−ジカルボン酸又はこれらの反応性誘導体(無水フタル酸などの酸無水物、ジメチルエステル、ジエチルエステルなどの低級C1−4アルキルエステル、ジカルボン酸に対応する酸ハライドなどのエステル形成可能な誘導体)などが例示できる。通常、芳香族ジカルボン酸成分は、C6−12アレーンージカルボン酸又はこれらの反応性誘導体である。
これらの前記ジカルボン酸成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。脂環族ジカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸との割合(モル比)は、前者/後者=100/0〜50/50、好ましくは95/5〜70/30、さらに好ましくは90/10〜80/20程度であってもよい。さらに、必要であれば、トリカルボン酸、テトラカルボン酸などの多価カルボン酸を併用し、ポリエステル樹脂に分岐構造を導入してもよい。これらのジカルボン酸成分のうち、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸又はその反応性誘導体(1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルなど)及びテレフタル酸又はその反応性誘導体(テレフタル酸ジメチルなど)を用いる場合が多い。
ジカルボン酸成分により、生成するポリエステル樹脂フィルムの屈折率、複屈折率、機械的強度及び成形性などの諸性質を調節することができるため、目的に応じて、ジカルボン酸成分の種類を選択することができる。
ジカルボン酸成分とジオール成分との割合(モル比)は、通常、前者/後者=1.5/1〜0.7/1、好ましくは1.2/1〜0.8/1(特に、1.1/1〜0.9/1)程度であってもよい。
ポリエステル樹脂の製造方法については、特開2004―315676号公報(発明の実施の形態)を参照してもよい。
ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限がなく、慣用の方法、例えば、エステル交換法、溶融重合法(直接重合法など)、有機溶媒中で反応させる溶液重合法、酸ハライドを用いる界面重合法などが例示できる。ジカルボン酸とビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類と必要により共重合成分(アルキレングリコールなど)とを直接重合法で反応させると、極めて温和な条件でもエステル化反応が円滑に進行する。
反応は触媒の非存在下で行うこともできるが、樹脂が着色するのを防ぎ、より穏和な条件で所定の重合度の樹脂を得るためには、触媒を用いるのが好ましい。触媒としては、ポリエステル樹脂の製造に利用される種々の触媒、例えば、金属触媒などが使用できる。金属触媒としては、例えば、アルカリ金属(ナトリウムなど)、アルカリ土類金属(マグネシウム、バリウムなど)、又は遷移金属(亜鉛、カドミウム、鉛、コバルトなど)などを含む金属化合物が用いられる。金属化合物としては、アルコキシド、有機酸塩(酢酸塩、プロピオン酸塩など)、無機酸塩(ホウ酸塩、炭酸塩など)、金属酸化物などが例示できる。これらの触媒は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。触媒の使用量は、例えば、ジカルボン酸成分に対して、0.01×10−4〜100×10−4モル、好ましくは0.1×10−4〜10×10−4モル程度であってもよい。
反応は、通常、不活性ガス(窒素、ヘリウムなど)雰囲気中で行うことができる。また、反応は、常圧下で行ってもよく、減圧下(例えば、1〜100torr(約1×10〜1×10Pa))で行うこともできる。反応温度は、例えば、150〜270℃(好ましくは180〜260℃、さらに好ましくは200〜250℃)程度で行うことができる。反応終了後、必要により慣用の方法で樹脂を精製してもよい。
式(5)で表されるジカルボン酸として脂肪族ジカルボン酸を用いると、得られるポリエステル樹脂は、易成形性を有する。
また、式(5)で表されるジカルボン酸として脂環族ジカルボン酸を用いると、得られるポリエステル樹脂は、極めて高い屈折率と極めて低い複屈折率とを有する。また、成形流動性に優れるため、アルキレングリコール(エチレングリコールなど)などの共重合成分が少量であってもよく、樹脂本来の物性(例えば、屈折率、耐熱性、吸水性など)を保つことができる。
さらに、式(5)で表されるジカルボン酸として芳香族ジカルボン酸を用いると、機械的強度、屈折率が向上する。なお、成形流動性が低下し、応力歪や分子配向により一般的に複屈折が大きくなる場合があるが、フルオレン骨格を有するジオール(ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類)と芳香族ジカルボン酸とを重合させると、高屈折率かつ低複屈折を有するポリエステル樹脂フィルムが得られる。さらにジオール成分の共重合成分としてアルキレングリコール(エチレングリコールなど)を用いると、流動性を向上でき、延伸成形に適した樹脂が得られる。
本発明において使用されるポリエステル樹脂は、必要により、種々の添加剤を添加し、樹脂組成物として使用してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤(エステル類、フタル酸系化合物、エポキシ化合物、スルホンアミド類など)、難燃剤(無機系難燃剤、有機系難燃剤、コロイド難燃物質など)、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、着色剤(カーボンブラック、二酸化チタンなどの顔料)、帯電防止剤、充填剤(酸化物系無機充填剤、非酸化物系無機充填剤、金属粉末など)、発泡剤、消泡剤、滑剤、離型剤(天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸又はその金属塩、酸アミド類など)などが挙げられる。また、屈折率や耐熱性を高めるために、硫黄化合物やポリシランなどを含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
なお、本発明において使用されているポリエステル樹脂は、必要に応じて、他の樹脂を分散させて使用してもよい。例えば、ポリカーボネートを分散させると、本発明のポリエステル樹脂とポリカーボネートとが完全相溶する場合が多く、本発明のポリエステル樹脂とポリカーボネートとを混練するだけで透明なアロイを製造することができる。その場合、本発明のポリエステル樹脂の複屈折が非常に小さく、ポリカーボネートの種類、添加量に応じて本発明のポリエステル樹脂とポリカーボネートとの混合系樹脂の複屈折を自在にコントロールできるため、前記混合系樹脂を、光学フィルムの原料として使用してもよい。
さらに、本発明において使用されているポリエステル樹脂は、必要に応じて、赤外線吸収色素を含んでいてもよい。
赤外線吸収色素は、少なくとも赤外線領域、特に、少なくとも近赤外線領域(例えば、800〜1100nm程度)において吸収(又は吸収域)を有する色素(又は化合物)であればよい。このような色素としては、例えば、ポリメチン系色素(ポリメチン色素、シアニン色素、アズレニウム色素、ピリリウム色素、スクアリリウム色素、クロコニウム色素など)、フタロシアニン系色素(フタロシアニン系化合物)、ナフタロシアニン系色素(ナフタロシアニン系化合物)、アゾキレート系色素、ジチオール系色素(ジチオールニッケル錯体系色素などの金属キレート系色素)、アミニウム系色素、インモニウム系色素(インモニウム系色素、ジインモニウム系色素など)、キノン系色素(アントラキノン系色素、ナフトキノン系色素など)、トリフェニルメタン系色素などが例示できる。これらの赤外線吸収色素のうち、例えば、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ジチオールニッケル錯体系色素などを用いて、800〜900nmの波長域の吸収性を高めてもよい。また、シアニン系色素、ジチオールニッケル錯体系色素、ジインモニウム系色素などを用い、900nm以上の波長域の吸収性を高めてもよい。
本発明において使用できる代表的な赤外線吸収色素(特に、近赤外線吸収色素)には、フタロシアニン系色素、ジチオール系色素(又はジチオレン色素、例えば、ジチオールニッケル錯体系色素)、ジインモニウム系色素などが含まれる。これらの赤外線吸収色素は、例えば、特開2006−119383号公報に例示の赤外線吸収色素であってもよい。
(フタロシアニン系色素)
フタロシアニン系色素には、例えば、下記式(6)で表される化合物などが含まれる。
Figure 2008133447
(式中、Rは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アミノ基、アミド基、イミド基、又はアリールチオ基であり、置換基を有していてもよく、隣接するRは環を形成していてもよい。aは、0又は1〜4の整数を示す。Mは、水素原子、2〜6価の金属原子又はその酸化物であり、カウンターアニオンで原子価が補われていてもよい。)
で表される基(例えば、アルキル基、アミノ基など)は、置換基を有していてもよく、置換基としては、炭化水素基[例えば、アルキル基(メチル基などのC1−6アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロへキシル基などのC5−8シクロアルキル基など)、アリール基(フェニル基などのC6−10アリール基、好ましくはC6−8アリール基など)、アラルキル基(ベンジル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基など)など]、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基などのC1−4アルコキシ基など)、アシル基(アセチル基などのC1−6アシル基など)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子など)、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基[アミノ基、置換アミノ基(ジメチルアミノ基などのモノ又はジアルキルアミノ基(C1−4アルキルアミノ基など)など)]などが挙げられる。置換基は、単独で又は2種以上組み合わせて置換していてもよい。
前記式(6)のRにおいて、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。アルキル基としては、メチル基、t−ブチル基、t−アミル基(1,1−ジメチルプロピル基)、トリフルオロメチル基などのC1−20アルキル基(好ましくはC3−10アルキル基)などが挙げられ、アルコキシ基としては、ブトキシ基などの前記アルキル基に対応するアルコキシ基[例えば、C1−20アルコキシ基(好ましくはC3−10アルコキシ基)]などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基などのC6−10アリール基(好ましくはC6−8アリール基)などが挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基などの前記アリール基に対応するアリールオキシ基[例えば、C6−10アリールオキシ基(好ましくはC6−8アリールオキシ基)]などが挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基(好ましくはC6−8アリール−C1−2アルキル基)などが挙げられる。アミノ基としては、アミノ基、ジメチルアミノ基などのモノ又はジC1−10アルキルアミノ基(好ましくはモノ又はジC1−4アルキルアミノ基)、アルキリデンアミノ基(例えば、オクタデカニリデンアミノ基(−NH=CH−C1735)など)などが挙げられる。アミド基には、アシルアミド基(アセトアミド基など)などが挙げられ、イミド基としては、メチルフタルイミド基などが挙げられる。アリールチオ基としては、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基などのC6−10アリールチオ基(好ましくはC6−8アリールチオ基)などが挙げられる。また、隣接するRは、環、例えば、アレーン環(ベンゼン環など)、シクロアルカン環(シクロアルカン環など)などの炭化水素環を形成していてもよく、このような環は、前記と同様の置換基(アルキル基など)を有していてもよい。
基Rの置換位置は特に限定されず、ベンゼン環の3〜6位のいずれであってもよい。
前記式(6)において、Mpで表される金属原子としては、例えば、アルカリ土類金属(Mgなど)、周期表第13族金属(Alなど)、周期表第14族金属(Si、Ge、Sn、Pbなど)、遷移金属(Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Pd、Rhなど)などが挙げられる。
カウンターアニオン(又は原子価を補う基)としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン化物イオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなど)、トリアルキルシリルオキシ基(トリヘキシルシリルオキシなどのトリC1−10アルキルシリルオキシ基など)、金属酸イオン(六フッ化アンチモン酸イオン(SbF )など)、無機酸イオン(過塩素酸イオンなどのハロゲン酸イオン、六フッ化リン酸イオン(PF )などのリンを含むイオン、四フッ化ホウ酸イオン(BF )などのホウ素を含むイオンなど)が挙げられる。
これらのフタロシアニン系色素は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
(ジチオール系色素)
ジチオール系色素には、例えば、下記式(7)で表される化合物などが含まれる。
Figure 2008133447
(式中、XおよびYは、同一又は異なって、酸素原子、硫黄原子、NH又はNHを示し、少なくとも、2つのXおよびYのうちの2つは硫黄原子である。Rは、同一又は異なってシアノ基又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、隣接する炭素原子に置換するRは、ベンゼン環又はナフタレン環を形成していてもよい。Mtは、4配位の遷移金属原子を示し、カウンターアニオンで原子価が補われていてもよい。)
上記式において、4配位の遷移金属原子Mtとしては、例えば、Ti、V、Cr、Co、Ni、Zr、Mo、Fe、Ru、Pd、Os、Ptなどが挙げられる。好ましいMtは、Ni(ジチオールニッケル錯体系色素)である。また、置換基としては、前記例示の置換基と同様の置換基(例えば、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ジメチルアミノ基などの置換アミノ基など)が挙げられる。
これらのジチオール系色素は、単独で又は2種以上組みあわせてもよい。
(ジインモニウム系色素)
ジインモニウム色素としては、例えば、下記式(8)又は(9)で表される化合物(芳香族ジインモニウム化合物)などが含まれる。
Figure 2008133447
(式中、Ri1、Ri2、Ri3、Ri4、Ri5、Ri6、Ri7およびRi8は、同一又は異なって、アルキル基であり、Rj1、Rj2、Rj3およびRj4は、同一又は異なって、水素原子又はフッ素原子であり、X2−は二価のアニオンである。)
Figure 2008133447
(式中、Ri9、Ri10、Ri11、Ri12、Ri13、Ri14、Ri15およびRi16は、同一又は異なって、アルキル基であり、Rj5、Rj6、Rj7およびRj8は、同一又は異なって、水素原子又はフッ素原子であり、Zは一価のアニオンである。)
上記式(8)又は(9)において、アルキル基としては、前記例示のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのC1−10アルキル基、好ましくはC1−8アルキル基、さらに好ましくはC1−6アルキル基などが挙げられる。
前記式(8)において、二価のアニオンX2−としては、特に限定されず、例えば、酸素イオン(O2−)、無機酸イオン[炭酸イオン(CO 2−)、硫酸イオン(SO 2−)など]、有機酸イオン[シュウ酸イオン(C 2−)など]などが挙げられる。また、前記式(9)において、一価のアニオンZとしては、前記カウンターアニオンと同様のアニオンなどが挙げられ、特に、金属酸イオン(六フッ化アンチモン酸イオン(SbF )など)、無機酸イオン(過塩素酸イオンなどのハロゲン酸イオン、六フッ化リン酸イオン(PF )などのリンを含むイオン、四フッ化ホウ酸イオン(BF )などのホウ素を含むイオンなど)などが好ましい。
このような赤外線吸収色素は、単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。通常、色素の赤外線吸収波長域(特に近赤外線の吸収波長域)や最大吸収波長はやや異なるため、二種類以上の色素を用いることが好ましい。特に、赤外線吸収色素として、フタロシアニン系色素、ジチオール系色素、ジインモニウム系色素およびシアニン系色素から選択された少なくとも2種の色素を用いるのが好ましい。
前記赤外線吸収色素の割合(前記赤外線吸収色素を二種以上組み合わせて使用する場合には、その合計の割合)は、前記ポリエステル樹脂(又は樹脂成分)100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜8重量部、さらに好ましくは0.05〜6重量部(例えば、0.1〜4重量部)程度であってもよく、通常、0.01〜3重量部程度であってもよい。例えば、2種の赤外線吸収色素を組み合わせて使用する場合、各赤外線吸収色素の割合は、色素の種類に応じて適宜選択でき、例えば、一方の赤外線吸収色素/他方の赤外線吸収色素(重量比)=99/1〜1/99、好ましくは97/3〜3/97、さらに好ましくは95/5〜5/95程度であってもよい。
本発明の光学フィルムにおいて、前記赤外線吸収色素は、通常、前記樹脂(又はフィルム)に分散された形態で含まれている場合が多い。前記光学フィルムの可視光領域(例えば、400〜800nm)における平均光線透過率は、例えば、30〜100%、好ましくは35〜90%、さらに好ましくは40〜80%程度であってもよい。また、前記光学フィルムの近赤外線領域(例えば、800〜1200nm)における平均光線透過率は、例えば、1〜50%、好ましくは3〜40%、さらに好ましくは5〜35%程度であってもよい。なお、前記光学フィルムは、前記赤外線吸収色素を前記割合で用いることにより、前記平均光線透過率を容易に充足することができる。本発明では、前記赤外線吸収色素を前記ポリエステル樹脂に含有させても均一に分散されるため、優れた透明性を有しつつ、赤外線吸収性(特に、近赤外線吸収性)を前記光学フィルムに付与することができる。
前記光学フィルム(又はポリエステルフィルム)は、特に制限されず、例えば、キャスティング法(溶液流延法)、エキストルージョン法(インフレーション法、Tダイ法などの溶融押出法)、カレンダー法などにより調製できる。前記光学フィルム(又はポリエステルフィルム)の調製方法は、通常、溶融押出法である場合が多い。なお、必要に応じ、フィルムの調製過程において前記赤外線吸収色素を前記ポリエステル樹脂に添加して赤外線吸収能を有するフィルム(赤外線遮断フィルム)を調製してもよい。前記赤外線遮断フィルムの調製方法は、特に制限されず、例えば、前記ポリエステル樹脂と、前記赤外線吸収色素とを溶融混練し、均一化(分散)した後、前記方法を利用してフィルム(赤外線遮断フィルム)に成膜する方法であってもよい。なお、前記フィルムを調製するために、Tダイを取り付けた押出機(一軸又は二軸押出機)などを用いると、前記赤外線吸収色素を前記ポリエステル樹脂に分散させる工程とフィルム(赤外線遮断フィルム)に成膜する工程とを連続して行うことができ、工業的に有利である。
本発明の光学フィルムは、未延伸フィルムであってもよいが、機械的特性などの観点から延伸フィルムであってもよい。
延伸成形は、常法でいったん成形されたフィルムを、その樹脂の融点とガラス転移点との間の適当な温度に加熱しながら行うことができる。延伸は二軸延伸又は一軸延伸のいずれであってもよい。二軸延伸はフィルムを縦横二方向に延伸することにより行うことができ、一軸延伸は縦方向又は横方向の一方向に延伸することにより行うことができる。二軸延伸は、縦横に等しい強度及び収縮性をもつ等延伸と、縦横の強度や収縮性が異なる偏延伸のいずれであってもよい。一方、一軸延伸は縦延伸又は横延伸のいずれであってもよい。
延伸倍率は、一軸延伸及び二軸延伸において各方向にそれぞれ倍率1.1〜10倍(好ましくは1.2〜8倍、さらに好ましくは1.5〜6倍)程度であってもよい。また、一軸延伸又は二軸延伸において各方向の延伸倍率は、それぞれ倍率1.1〜2.5倍、好ましくは1.2〜2.3倍、さらに好ましくは1.5〜2.2倍であってもよい。また、一軸延伸又は二軸延伸において各方向の延伸倍率は、3.5〜10倍、好ましくは3.8〜8倍、さらに好ましくは4〜6倍であってもよい。例えば、二軸延伸の場合、等延伸(例えば、縦横両方向に1.5〜5倍延伸)であっても偏延伸(例えば、縦方向に1.1〜4倍、横方向に2〜6倍延伸)であってもよい。また、一軸延伸の場合、縦延伸(例えば、縦方向に2.5〜8倍延伸)であっても横延伸(例えば、横方向に1.2〜5倍延伸)であってもよい。
延伸方法は、特に制限がなく、一軸延伸の場合、湿式延伸法又は乾式延伸法のいずれであってもよく、二軸延伸の場合、テンター法(フラット法ともいわれる)であってもチューブ法であってもよいが、延伸厚みの均一性に優れるテンター法が好ましい。
ポリエステルフィルムは機械的性質(例えば、引張強さなど)、寸法安定性、耐熱性、化学安定性が優れるため、フィルム厚さを薄くすることが可能である。延伸処理を施すと引張強さがより大きくなる上に、極めて薄いフィルムとすることができる。本発明の光学フィルムの厚みは1〜1000μm程度の範囲から用途に応じて選択でき、例えば、1〜200μm、好ましくは5〜150μm、さらに好ましくは10〜120μm程度であってもよい。
本発明のポリエステルフィルムは、非晶性であり、結晶化特性及び透明性が高い。また、優れた溶融粘弾性特性を示すので、流動性及び成形性に優れ、残留応力歪、分子配向が起こりにくく、複屈折が極めて小さい。さらに、機械的強度及び屈折率が高いため、フィルムの薄型化が可能であり、本発明のポリエステルフィルムは、成形による光学歪を生じることなく、延伸処理を施すことができる。また複屈折の延伸倍率依存性が小さいため、均一な複屈折を持ったフィルムを製造することができる。本発明の光学フィルムのレタデーション値(Re値)は、未延伸(又は未延伸フィルム)において、例えば、0〜100nm、好ましくは0〜50nm、さらに好ましくは0〜30nm(例えば、0.1〜20nm)程度であり、特に10nm以下(例えば、0.5〜5nm)程度とすることもできる。そして、本発明の光学フィルムは、延伸処理しても上記のような低い複屈折を高いレベルで保持できる。例えば、本発明の光学フィルムのレタデーション値(Re値)は、延伸フィルムにおいて、例えば、0〜200nm(例えば、1〜150nm)、好ましくは100nm以下(例えば、3〜100nm)、さらに好ましくは80nm以下(例えば、5〜60nm)、特に50nm以下(例えば、10〜40nm)程度である。本発明のポリエステルフィルムは、高機能、高性能である上、易成形性を有し、大量生産が可能である。さらに機器の薄型化、軽量化に有効である。
本発明のポリエステルフィルムは種々のフィルムとして有用である。特に、本発明のポリエステルフィルムは優れた光学特性を有しているため、高機能、高性能光学フィルムとして有用である。
本発明のポリエステルフィルムは、高屈折率であり、さらに、流動性に優れている。そのため、易成形性に優れ、成形配向による複屈折の発現が小さく、光学歪及び着色の少ない成形品を得ることができる。さらに、複屈折の延伸倍率依存性が小さく、均一な複屈折を持ったフィルムの製造に優れ、ディスプレイ用光学フィルムに好適である。
本発明のポリエステルフィルムは、ディスプレイ用光学フィルムを含む電子機器分野に限らず、電気、機械、自動車、包装容器及び日用品分野などにおいても広く応用できる。
本発明の光学フィルムは、高屈折率、低複屈折率を有する上に、成形性に優れ、大量生産が可能であるため、様々な高性能光学フィルムとして利用することができる。光学フィルムとしては、偏光フィルム及びそれを構成する偏光素子と偏光板保護フィルム、位相差フィルム、配向膜(配向フィルム)、視野角拡大(補償)フィルム、拡散板(フィルム)、プリズムシート、導光板、輝度向上フィルム、近赤外吸収フィルム、反射フィルム、反射防止(AR)フィルム、反射低減(LR)フィルム、アンチグレア(AG)フィルム、透明導電(ITO)フィルム、異方導電性フィルム(ACF)、電磁波遮蔽(EMI)フィルム、電極基板用フィルム、カラーフィルタ基板用フィルム、バリアフィルム、カラーフィルタ層、ブラックマトリクス層、光学フィルム同士の接着層もしくは離型層などが挙げられる。
本発明の光学フィルムは、このような光学フィルムの機能を2種以上兼ね備えた1枚のフィルムであってもよく、このような光学フィルムを2種以上備えたフィルム(複合フィルム)の一部又は全部を構成してもよい。言い換えれば、本発明の光学フィルムと他の光学フィルムとで複合フィルムを構成してもよく、本発明の光学フィルムのみで複合フィルムを構成してもよい。このような複合フィルムとしては、例えば、偏光素子とその保護フィルムとが一体化した偏光フィルム、偏光板保護フィルムに位相差フィルムの機能を付与したフィルム、偏光素子、保護フィルム及びそれらの一体型フィルムから選択される少なくとも一種のフィルムに、位相差フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、光拡散フィルム、集光フィルム及び反射フィルムから選択された少なくとも1種のフィルムに対応する機能を付与した偏光フィルムなどが挙げられる。さらに、位相差フィルムに偏光板保護機能を付与したフィルム、偏光フィルムに視野角拡大(補償)機能を付与したフィルム、導光板にプリズムシートの集光機能を付与したフィルム、導光板にプリズムシートの機能と拡散板の光拡散機能とを付与したフィルムなども含まれる。また、本発明の光学フィルムは高屈折率であるため、わざわざ機能を付与することなく、偏光保護フィルムに反射防止膜の高屈折率層の機能を持たせるということも可能である。
また、本発明の光学フィルムは、前記の通り、フィラーや色素等の分散性に優れているため、コーティング、スパッタリング、含浸等などの方法に代え、ポリマー中に、無機フィラー、色素、顔料、カーボン等を分散させることによって、本発明の光学フィルムに、他の光学フィルムが有する機能を簡便に付与することができる。例えば、赤外線吸収色素をコーティングした赤外線遮断フィルムの代替として用いられる前記例示の赤外線吸収色素を分散させたフィルムの他、金属成分をスパッタリングした電磁波遮蔽フィルムの代替として金属成分を分散させたフィルム、近赤外線吸収色素と金属成分とを分散させたフィルム、カーボンにより導電性又は帯電防止能を付与したフィルム及び顔料やカーボンブラックを分散させたフィルム、カラーフィルタ層又はブラックマトリクス層などとしても利用することができる。
とりわけ、本発明のフィルムは、機器のディスプレイに用いる光学フィルムとして有用である。このような本発明の光学フィルムを備えたディスプレイ用部材(又はディスプレイ)としては、具体的には、パーソナル・コンピュータのモニタ、テレビジョン、携帯電話、カー・ナビゲーション、タッチパネルなどのFPD装置(例えば、LCD、PDPなど)などが挙げられる。
また、透明性、強靱性、電気絶縁性、寸法安定性などを利用した本発明の延伸ポリエステルフィルムの他の使用例として、磁気記録フィルム(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク)、製図・複写用フィルム(例えば、写真フィルムやX線フィルム)、電気絶縁用フィルム(例えば、針金やケーブルの被覆用フィルム)などが挙げられ、さらに二軸延伸処理による熱収縮性を利用した包装用フィルムとしても使用することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、フィルムの評価は以下の方法によって行った。
(1)屈折率
多波長アッベ屈折計「DR−M2/1550」(株式会社アタゴ製)を用い、光源波長589nm、測定温度20℃で測定した。
(2)光線透過率測定
実施例1〜4、比較例1及び2では、「U−3010」(HITACHI製)を用い、300〜800nmの範囲での光線透過率を測定し、実施例5〜6では、「UV−3600」(SHIMADZU製)を用い、300〜1500nmの範囲での光線透過率を測定した。なお、可視光域の平均光線透過率は、400〜800nmの範囲で、近赤外光域の平均光線透過率は、800〜1200nmの範囲で測定した。
(3)位相差測定
「KOBRA−WR」(王子計測機器株式会社製)を用い、測定方式は平行ニコル回転法にて、レタデーション値(Re値)を波長587nmで測定した。
(4)延伸性評価
「TYPE HW−500」(オオバ機械製)を用い、ガラス転移温度よりも15〜20℃程度高い温度で延伸した。
(実施例1)
反応器に1,4−シクロヘキサンジカルボン酸52重量部、エチレングリコール41重量部、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン105重量部を加え撹拌しながら徐々に加熱溶融し、エステル化反応を行った後、酸化ゲルマニウム0.06重量部を加え、270℃、1Torr以下に到達するまで徐々に昇温、減圧しながらエチレングリコールを除去した。この後内容物を反応器から取り出し、フルオレン骨格を有する共重合ポリエステル樹脂のペレットを得た。ポリエステル樹脂に導入されたジオール成分の80モル%が9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン由来であった。このポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwは47000、ガラス転移温度Tgは120℃であった。
そして、得られたポリエステル樹脂のペレットを220℃で溶融押出Tダイフィルム成形し、厚み100μmの光学フィルムを得た。
(実施例2)
反応器に1,4−シクロヘキサンジカルボン酸52重量部、エチレングリコール41重量部、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン120重量部を加え撹拌しながら徐々に加熱溶融し、エステル化反応を行った後、酸化ゲルマニウム0.06重量部を加え、270℃、1Torr以下に到達するまで徐々に昇温、減圧しながらエチレングリコールを除去した。この後内容物を反応器から取り出し、フルオレン骨格を有する共重合ポリエステル樹脂のペレットを得た。ポリエステル樹脂に導入されたジオール成分の90モル%が9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン由来であった。このポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwは41000、ガラス転移温度Tgは125℃であった。
そして、得られたポリエステル樹脂のペレットを220℃で溶融押出Tダイフィルム成形し、厚み100μmの光学フィルムを得た。
(実施例3)
反応器にテレフタル酸58重量部、エチレングリコール41重量部、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン92重量部を加え撹拌しながら160〜230℃に徐々に加熱溶融し、エステル化反応を行った後、酸化ゲルマニウム0.06重量部を加え、270℃、1Torr以下に到達するまで徐々に昇温、減圧しながらエチレングリコールを除去した。この後内容物を反応器から取り出し、フルオレン骨格を有する共重合ポリエステル樹脂のペレットを得た。ポリエステル樹脂に導入されたジオール成分の70モル%が9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン由来であった。このポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwは40000、ガラス転移温度Tgは140℃であった。
そして、得られたポリエステル樹脂のペレットを220℃で溶融押出Tダイフィルム成形し、厚み100μmの光学フィルムを得た。
(実施例4)
実施例1で得られた共重合ポリエステルフィルムを延伸温度140℃で一軸延伸し、延伸フィルムを得た。
(比較例1)
ポリカーボネート(帝人化成(株)製、パンライト5503)を用い、240℃で溶融押出Tダイフィルム成形し、厚み100μmの光学フィルムを得た。
(比較例2)
比較例1で得られたポリカーボネートフィルムを延伸温度155℃で一軸延伸し、延伸フィルムを得た。
結果を表1および表2に示す。なお、表2における最大延伸倍率は、各例で得られた延伸フィルムが破断したときの延伸倍率を表し、レタデーション値は最大延伸倍率で延伸したフィルムにおける値である。
Figure 2008133447
Figure 2008133447
(実施例5)
実施例1で得られたポリエステル樹脂にジインモニウム系色素(日本化薬(株)製、「IRG−068」)0.4重量%及びジチオールニッケル錯体系色素(みどり化学(株)製、「MIR−101」)0.06重量%の割合で混合し、押出機((株)プラスチック工学研究所製、「GT−40−24A」)を用いて220℃で溶融混練し、Tダイから押出してフィルム成形し、厚み100μmの光学フィルムを得た。得られたフィルムの光線透過率を測定した。波長に対する光線透過率の変化を表すグラフを図1に、そのグラフから見積もられる近赤外光域及び可視光域の平均透過率を表3に示す。
(実施例6)
分散させる色素として、ジインモニウム系色素(日本化薬(株)製、「IRG−068」)0.4重量%及びフタロシアニン系色素((株)日本触媒製、「IR−14」)0.04重量%を用いる以外は、実施例5と同様に行った。波長に対する光線透過率の変化を表すグラフを図2に、そのグラフから見積もられる近赤外光域及び可視光域の平均透過率を表3に示す。
Figure 2008133447
以上のように、実施例におけるポリエステル樹脂は、透過率が従来の樹脂フィルムと同等であり、しかも、屈折率、低複屈折、延伸倍率に関しても優位であった。また、実施例1で得られたポリエステル樹脂は、低複屈折であり、延伸処理しても低複屈折を高いレベルで維持できることがわかった。また、前記ポリエステル樹脂に近赤外線吸収色素を分散させて、フィルムを製造しても、低い近赤外光線透過性及び高い可視光線透過性を示しており、透明性を維持しつつ、樹脂(又は樹脂フィルム)に優れた近赤外線吸収性を付与することが可能となった。
図1は実施例5で得られたフィルムの光線透過率を示すグラフである。 図2は実施例6で得られたフィルムの光線透過率を示すグラフである。

Claims (14)

  1. 少なくとも9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオールで構成されたジオール成分と、ジカルボン酸成分とを重合成分とするポリエステル樹脂で構成された光学フィルム。
  2. ジオール成分が、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン骨格を有するジオールとアルキレングリコールとで構成されている請求項1記載の光学フィルム。
  3. ポリエステル樹脂が、少なくとも下記式(1)
    Figure 2008133447
    [式中、Aは脂肪族炭化水素残基、脂環族炭化水素残基又は芳香族炭化水素残基を示し、Z及びZは同一又は異なって芳香族炭化水素残基を示す。Rは、ハロゲン原子又はアルキル基を示し、R1a及びR1bは同一又は異なってアルキレン基を示し、R2a、R2b、R3a及びR3bは同一又は異なって、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、シクロアルキル基、アラルキル基、ニトロ基又はシアノ基を示し、m及びnは同一又は異なって0又は1以上の整数である。h1及びh2は同一又は異なって0〜6の整数であり、j1及びj2は同一又は異なって0〜4の整数であり、kは0以上の整数である]
    で表される繰り返し単位を有する請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  4. ポリエステル樹脂が、少なくとも前記式(1)で表される繰り返し単位及び下記式(2)
    Figure 2008133447
    [式中、A、R、およびkは前記に同じ。R1cはアルキレン基を示し、qは1以上の整数である]
    で表される繰り返し単位を有し、式(1)で表される単位と式(2)で表される単位との割合が、前者/後者(モル比)=99/1〜50/50である請求項1〜3のいずれかの項に記載の光学フィルム。
  5. 前記式(1)及び前記式(2)において、Aが、C1−10脂肪族炭化水素残基、C5−10シクロアルカン残基又はC6−14芳香族炭化水素残基、Z及びZがC6−14芳香族炭化水素残基であり、R1a及びR1bがC2−4アルキレン基であり、R1cがC2−10アルキレン基であり、R2a、R2b、R3a及びR3bがC1−5アルキル基であり、m及びnが1〜10の整数であり、h1及びh2が0〜3の整数であり、j1及びj2が0〜2の整数であり、kが0〜8の整数であり、qが1〜5の整数であり、前記式(1)で表される単位と式(2)で表される単位との割合が、前者/後者(モル比)=99/1〜60/40である請求項4記載の光学フィルム。
  6. AがC5−10シクロアルカン残基又はC6−10芳香族炭化水素残基、Z及びZがフェニレン基又はナフチレン基であり、Rがハロゲン原子であり、R1a及びR1bがエチレン基であり、R1cがC2−4アルキレン基であり、m及びnが1〜5の整数であり、h1及びh2が0〜2の整数であり、j1及びj2が0又は1であり、kが0〜2の整数であり、qが1〜3の整数であり、前記式(1)で表される単位と式(2)で表される単位との割合が、前者/後者(モル比)=99/1〜70/30である請求項4記載の光学フィルム。
  7. Aがシクロヘキサン残基、Z及びZがフェニレン基であり、R1a、R1b及びR1cがエチレン基であり、m、n及びqが1であり、h1、h2、j1、j2及びkが0であり、前記式(1)で表される単位と式(2)で表される単位との割合が、前者/後者(モル比)=95/5〜80/20である請求項4記載の光学フィルム。
  8. ポリエステル樹脂の光弾性係数が、7×10−12cm/dyn以下である請求項1〜7のいずれかの項に記載の光学フィルム。
  9. 未延伸において、レタデーション値が10nm以下である請求項1〜8のいずれかの項に記載の光学フィルム。
  10. 溶融押出により成形され、かつ延伸されている請求項1〜9のいずれかの項に記載の光学フィルム。
  11. 一軸延伸又は二軸延伸され、かつレタデーション値が100nm以下である請求項1〜10のいずれかの項に記載の光学フィルム。
  12. ディスプレイに用いる請求項1〜11のいずれかの項に記載の光学フィルム。
  13. さらに、近赤外線吸収色素を含む請求項1〜12のいずれかの項に記載の光学フィルム。
  14. 請求項1〜13のいずれかの項に記載の光学フィルムを備えたディスプレイ用部材。
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