JP2008106048A - 苦味が抑制された経口製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】苦味を有する薬効成分の苦味を効果的に抑制又は低減する。
【解決手段】(i)苦味を有する薬効成分、(ii)酸性ムコ多糖類、(iii)清涼化剤及び(iv)甘味剤を含有する経口製剤である。前記酸性ムコ多糖類(ii)は、カラギーナン、グリコサミノグリカン類、アルギン酸又はその塩、酸性植物ガム、及び微生物産生酸性ガムから選択された少なくとも一種などであってもよい。前記清涼化剤(iii)は、メントール、カンフル及びボルネオールから選択された少なくとも一種のテルペン系化合物、若しくはこのテルペン系化合物を含む精油、エッセンス又はパウダーなどであってもよい。甘味剤(iv)は、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファム、スクラロース、グリチルリチン酸、ステビア、ソーマチン及びそれらの塩から選択された少なくとも一種であってもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、苦味を有する薬効成分を含む製剤であっても、苦味が顕著に軽減又は抑制された経口製剤、及び苦味抑制方法(又は矯味方法)に関する。
薬効成分には、経口服用時に苦味を呈する化合物が多い。このような薬効成分の苦味を軽減又は矯味して、患者のコンプライアンスを高めるため、薬効成分と共に種々の成分を用いた組成物が提案されている。
例えば、特開平8−99904号公報(特許文献1)には、溶解熱が−60KJ/kg以下の糖アルコールを添加した苦味改善易服用性Hブロッカーが開示されており、さらにl−メントールを添加してもよいことも記載されている。また、特開2000−95707号公報(特許文献2)には、苦味を有する薬物と、0.1〜2.25重量%のメントールとを含有する口中溶解型又は咀嚼型の固形内服医薬組成物が開示されている。特開2000−159691号公報(特許文献3)には、不快な味を有する成分、メントール、及び甘味剤(アスパルテーム、グリチルリチン酸など)を含有する経口用固形製剤が開示されている。特開2001−106641号公報(特許文献4)には、苦味を有する有効成分、糖アルコール、清涼剤及び油脂性基剤を含有する口内薬が開示されている。特開平11−228450号公報(特許文献5)には、不快な味を有する塩基性薬物及びアニオン性高分子物質を含有する不快な味を隠蔽した経口薬剤組成物が開示されている。特開平2−56416号公報(特許文献6)には、矯味剤としてアスパルテームを添加した苦味を抑えた顆粒剤が開示されている。特開平8−208517号公報(特許文献7)には、苦味を有する生理活性成分の金属塩、アスパルテーム及び水溶性糖類を含む成形物が開示されている。特開2000−290199号公報(特許文献8)には、不快な味を有する医薬有効成分、2種以上の高甘味剤(甘味度150以上)及び酸味を呈する物質を含有する経口用医薬組成物が開示されている。特開2002−316923号公報(特許文献9)には、硬度が20N以上、空隙率が25〜50%であり、次の(1)〜(4)の成分:(1)中性またはアルカリ性条件で水に難溶性であり、酸性条件では水溶性は高いが不快な味覚を生じる薬物、(2)水溶性酸性物質、(3)アルコール系溶媒に溶解性の水溶性結合剤、及び(4)水溶性糖類(但し、(1)及び(2)の成分の少なくとも一方がアルコール系溶媒に不溶な水溶性コーティング剤によってコーティングされている)を含有する口腔内速崩壊性錠が開示されている。特開2004−339158号公報(特許文献10)には、硫酸マグネシウム又は塩化マグネシウムを、マグネシウム量として0.5(w/v)%以上含有し、糖アルコール及びオリゴ糖からなる群から選択される少なくとも一種、並びにクエン酸、リンゴ酸、酒石酸及びアジピン酸からなる群より選択される少なくとも一種の有機酸を含有する経口用製剤が開示されている。特表2005−508364号公報(特許文献11)には、エピナスチン及び/又は酸付加塩をベースとする有効成分、少なくとも二種類の甘味料及び/又は矯味矯臭剤を含む医薬粉末製剤であって、少なくとも二種類の甘味料及び/又は矯味矯臭剤の一つが有効成分の即効性苦味をマスクするためであり、他の一つが有効成分の持続性苦味をマスクするためのものである医薬粉末製剤が開示されている。
しかし、これら従来の製剤では、苦味の抑制効果が不十分であり、特に、えぐみ、収斂味、痺れなどといった不快な味を抑制することは困難である。また、口腔内への投与初期には、苦味を抑制できても、投与後暫く時間が経過すると苦味が感じられたり、後味に苦味が生じ易い。そのため、口腔内崩壊錠、チュアブル錠などの口腔中に暫く留めた後嚥下する形態の製剤では、患者のコンプライアンスを十分に向上させることが困難である。
特開平8−99904号公報(請求項1及び8) 特開2000−95707号公報(請求項1) 特開2000−159691号公報(請求項1) 特開2001−106641号公報(請求項1) 特開平11−228450号公報(請求項1) 特開平2−56416号公報(請求項1) 特開平8−208517号公報(請求項1) 特開2000−290199号公報(請求項1) 特開2002−316923号公報(請求項1) 特開2004−339158号公報(請求項1) 特表2005−508364号公報(請求項1)
従って、本発明の目的は、口腔内に比較的長い時間留まる形態の製剤であっても、薬効成分の苦味を効果的に抑制できる経口製剤及び苦味の抑制方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、酸性ムコ多糖類、清涼化剤、及び甘味剤との組合せにより、薬効成分の苦味を効果的にマスキングできることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の経口製剤は、(i)苦味を有する薬効成分、(ii)酸性ムコ多糖類、(iii)清涼化剤及び(iv)甘味剤を含有することで苦味が抑制されている。
前記酸性ムコ多糖類(ii)は、カラギーナン、グリコサミノグリカン類、アルギン酸又はその塩、酸性植物ガム、及び微生物産生酸性ガムから選択された少なくとも一種などであってもよい。また、酸性ムコ多糖類(ii)は、(a)カラギーナンι、若しくは(b)カラギーナンιと、カラギーナンλ及び/又はカラギーナンκとの組合せであってもよい。前記清涼化剤(iii)は、メントール、カンフル及びボルネオールから選択された少なくとも一種のテルペン系化合物、若しくはこのテルペン系化合物を含む精油、エッセンス又はパウダーなどであってもよい。甘味剤(iv)は、非糖質系甘味料(サッカリン、アスパルテーム、アセスルファム、スクラロース、グリチルリチン酸、ステビア及びソーマチンから選択された少なくとも一種又はその塩など)、糖アルコール(マンニトール、ソルビトール、エリスリトール及び/又はキシリトールなど)及び糖類(ショ糖、乳糖及び/又は還元麦芽糖水アメなど)から選択された少なくとも一種又はその塩であってもよい。
前記経口製剤は、苦味を有する薬効成分(i)100重量部に対して、酸性ムコ多糖類(ii)1〜3000重量部、清涼化剤(iii)0.1〜300重量部、及び甘味剤(iv)5〜10000重量部程度を含有してもよい。前記経口製剤は、甘味剤(iv)100重量部に対して、酸性ムコ多糖類(ii)0.1〜400重量部及び清涼化剤(iii)0.1〜250重量部を含有してもよく、酸性ムコ多糖類(ii)と清涼化剤(iii)との割合(重量比)は、0.1/1〜100/1程度であってもよい。
前記経口製剤は、さらに(v)有機酸を含有してもよい。有機酸(v)は、飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸及びオキシカルボン酸から選択された少なくとも一種(コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸など)又はその塩などであってもよい。また、経口製剤は、さらに(vi)旨み成分、(vii)界面活性剤、(viii)香料などを含有してもよい。経口製剤の剤形は、例えば、固形製剤、液剤であってもよい。また、経口製剤は、口腔内速崩錠であってもよい。
本発明の方法では、(i)苦味を有する薬効成分に、(ii)酸性ムコ多糖類、(iii)清涼化剤及び(iv)甘味剤を添加して、前記苦味を有する薬効成分(i)の苦味を抑制又は軽減する。
なお、本明細書中、苦味、渋み、えぐみ、収斂味、痺れなどの不快味を総称して、単に「苦味」と称する場合がある。
本発明の経口製剤は、苦味を有する薬効成分、酸性ムコ多糖類、清涼化剤及び甘味剤を含有するので、口腔内に比較的長い時間留まる形態の製剤などであっても、薬効成分の苦味を効果的に抑制できる。
本発明の経口製剤は、 (i)苦味を有する薬効成分、(ii)酸性ムコ多糖類、(iii)清涼化剤、及び(iv)甘味剤を含有することで苦味を効果的に抑制することができる。
本発明の経口製剤は、上記の成分に加え、さらに、(v)有機酸、(vi)旨み成分、(vii)界面活性剤、(viii)香料などを含有してもよい。これらの成分は、単独で用いてもよく、又は二種以上組み合わせて使用してもよい。これらの成分のうち、特に、有機酸(v)及び/又は旨み成分(vi)を用いると、苦味をより効果的に低減することができる。また、上記成分のうち、界面活性剤(vii)を用いると、苦味を効果的に抑制するだけでなく、製剤の味をまろやかにすることができる。また、香料(viii)を用いると、香料の種類によっては、清涼化剤と同等の効果を示すものもあり、苦味の抑制効果をさらに高めることもできる。
(i)苦味を有する薬効成分
薬効成分としては、苦味を有する限り、特に制限されず、種々の疾患治療剤又は予防剤などが利用でき、例えば、鎮痛剤、解熱鎮痛剤、頭痛治療剤、鎮咳剤、去痰剤、鎮静剤、鎮けい剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、抗プラスミン剤、気管支拡張剤、喘息治療剤、糖尿病治療剤、肝疾患治療剤、潰瘍治療剤、胃炎治療剤、健胃消化剤、消化管運動賦活剤、高血圧治療剤、狭心症治療剤、血圧降下剤、低血圧治療剤、高脂血症治療剤、ホルモン剤、抗生物質、抗ウイルス剤、サルファ剤、抗炎症剤、精神神経用剤、眼圧降下剤、制吐剤、止瀉薬、痛風治療剤、不整脈治療剤、血管収縮剤、消化剤、睡眠又は催眠導入(誘導)剤、交感神経遮断剤、貧血治療剤、抗てんかん剤、抗めまい剤、平行傷害治療剤、結核治療剤、ビタミン欠乏症治療剤、痴呆治療剤、尿失禁治療剤、鎮うん剤、口内殺菌剤、寄生虫駆除剤、ビタミン剤、アミノ酸類、ミネラル類などであってもよい。
苦味を有する薬効成分としては、例えば、ピリン系化合物(アミノピリン、アンチピリンなど)、非ピリン系化合物(メシル酸ジメトチアジン、アセトアミノフェンなどの非ピリン系解熱鎮痛薬成分)、カフェイン類(カフェイン、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェインなど)、バルビタール類(アロバルビタール、シクロバルビタール、バルビタール、フェノバルビタールなど)、フェナセチン、サリチル酸コリン、塩酸トリメトキノール、フロプロピオン、塩酸シクロペプタジン、スルホニール尿素系化合物(トルブタマイド、クロルプロパミド、アセトヘキサアミドなど)、グルブゾール、塩酸ヒドラジノフタラジン、レセルピン、レシナミン、ポリサイアザイド、デキサメタゾン類(デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウムなど)、ベタメタゾン類(ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウムなど)、セファレキシン、クロラムフェニコール系化合物(クロラムフェニコール、コハク酸クロラムフェニコールナトリウムなど)、スルフィソメゾール、スルフィソオキサザール、ヒドロキシジンバモエート、プリミドン、イソソルビド、ニコチン酸又はその誘導体(ニコチン酸アミドなど)、アスコルビン酸又はその塩(アスコルビン酸カルシウムなど)、パントテン酸又はその酸(パントテン酸カルシウムなど)、チアミン類(チアミン、フルスルチアミン、又はその塩など)、塩酸リジン、アロプリノール、アテノロール又はその塩、アンブロキソール又はその塩(塩酸アンブロキソールなど)、ゾルミトリプタン、ランソプラゾール又はその塩(ランソプラゾールナトリウムなど)、ヘキソフェナジン、スコポラミン類(メチルスコポラミン、N−メチルスコポラミン・メチル硫酸塩、臭化水素酸スコポラミン、臭化ブチルスコポラミンなど)、オキセラジン又はその塩(クエン酸オキセラジンなど)、ジフェンヒドラミン類(ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、ラウリル硫酸ジフェンヒドラミンなど)、エフェドリン類(塩酸エフェドリン、メチルエフェドリン、塩酸メチルエフェドリンなど)、メトクロプラミド又はその塩(塩酸メトクロプラミドなど)、臭化水素酸デキストロメトルファン、塩酸エプラジノン、ジブナート、塩酸セチリジン、エバスチン、ペミロラストカリウム、エピナスチン又はその塩(塩酸エピナスチンなど)、トラネキサム酸、塩酸オザグレル、塩酸ロキサチジンアセタート、塩酸ラニチジン、ファモチジン、塩酸ベネキサートベータデクス、塩酸ピレンゼピン、レバミピド、ナパジシル酸アクラトニウム、塩酸イトプリド、塩酸チリソロール、塩酸ベプリジル、塩酸プロプラノロール、塩酸トドララジン、塩酸ヒドララジン、塩酸エチレフリン、プラバスタチン又はその塩(プラバスタチンナトリウムなど)、アミノベンジルペニシリン化合物(アンピシリン、アミノベンジルペニシリン、アンピシリンナトリム、塩酸バカンピシリン、塩酸タランビシリンなど)、テトラサイクリン系化合物(テトラサイクリン、塩酸テトラサイクリン、塩酸ミノサイクリン、塩酸ドキシサイクリンなど)、塩酸アマンタジン、アリール酢酸系化合物(ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、アンフェナクナトリウムなど)、ブチロフェノン系化合物(塩酸モペロン、ブロムペリドールなど)、ヒドロキシジン又はその塩(塩酸ヒドロキシジンなど)、セトロン系化合物(塩酸グラニセトロン、塩酸アザセトロン、ラモセトロン、塩酸ラモセトロン、オンダンセトロン、塩酸オンダンセトロンなど)、ベルベリン系化合物(塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、タンニン酸ベルベリンなど)、塩酸メキシレチン、ベンゾジアゼピン誘導体(トリアゾラム、ブロチゾラム、塩酸リルマザホンなど)、プロピルアミン系化合物(マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸トリプロリジンなど)、塩酸トラゾリン、鉄剤(硫酸鉄、フマル酸第一鉄など)、バルプロ酸ナトリウム、塩酸イソプロテレノール、メシル酸ベタヒスチン、塩酸エタンブトール、塩酸ピリドキシン、ビタミンB誘導体(塩酸ジセチアミンなど)、塩酸ドネペジル、塩酸プロピベリン、キサンチン誘導体(テオフィリン、ジプロフィリンなど)、臭化ドミフェン、クエン酸ジエチルカルバマジンなどの他、苦味を有する生薬成分などが挙げられる。
苦味を有する生薬成分としては、例えば、イカリソウ、オウセイ、ガラナ、クコシ、ジオウ、トウキ、トチュウ、ニンジン、オウゴン、オオバク、オウレン、ガジュツ、カロウコン、キキョウ、キハダ、ケンゴシ、ゲンチアナ、コウブシ、コウボク、ゴシツ、サイコ、サフラン、サンズコン、セキショウコン、センブリ、センボウ、ソウジュツ、ダイオウ、チンピ、トウヒ、ニガキ、ビャクシャク、ヨモギ、ニガヨモギ、ホップ、ホカミ、マオウ、リュウタン、リンドウ、レンギョウなどの生薬原料からの抽出物又は粉砕物などが例示できる。
なお、薬効成分には、上記に例示の化合物に限らず、上記化合物のうち、塩形成部位を有する化合物では、その生理的又は薬学的許容可能な塩(特に、医薬的に許容可能な塩など)なども含まれる。上記化合物と塩を形成する酸または塩基は、成分の種類に応じて選択でき、例えば、無機酸塩(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などとの塩);有機酸塩(例えば、カルボン酸塩(例えば、モノカルボン酸塩(例えば、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸などとの塩)、多価カルボン酸塩(例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸などとの塩)など)、オキシカルボン酸塩(例えば、酒石酸、クエン酸、乳酸、グルコン酸、サリチル酸、フェノールフタリン、タンニン酸などとの塩)、アミノ酸塩(アスパラギン酸との塩など)、有機スルホン酸塩(例えば、アルカンスルホン酸塩(例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸などとの塩)、アレーンスルホン酸塩(例えば、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ジフェニルジスルホン酸などとの塩)など);無機塩基との塩(例えば、アルカリ金属水酸化物との塩(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどとの塩)、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物との塩(例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどとの塩)、アルカリ土類金属炭酸塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩など):有機塩基との塩(アルキルアミン塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩など)、アルカノールアミン塩(例えば、モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩など)、アルキレンジアミンなどのポリアミン塩、ピリジン塩などの第3級アミン塩など)などが例示できる。
苦味を有する薬効成分は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。本発明では、前記薬効成分の中でも、苦味の強い成分、例えば、鎮痛剤(メチルスコポラミンなどの消化器系鎮痛剤など)、非ピリン系解熱鎮痛薬又は偏頭痛治療剤(メシル酸ジメトチアジンなど)、鎮咳剤又は気道粘液溶解剤(クエン酸オキセラジン、塩酸エプラジノン、ジブナート、ジフェンヒドラミン、メチルエフェドリンなど)、抗アレルギー剤(塩酸セチリジン、ペミロラストカリウム、塩酸エピナスチンなど)、抗プラスミン剤(トラネキサム酸など)、気管支喘息治療剤(塩酸オザグレルなど)、潰瘍治療剤(塩酸メトクロプラミド、塩酸ロキサチジンアセタート、塩酸ラニチジン、塩酸ベネキサートベータデクス、臭化ブチルスコポラミンなどの胃潰瘍又は十二指腸潰瘍治療剤;塩酸ピレンゼピン、レバミピド、ファモチジンなどの消化性潰瘍治療剤など)、胃炎治療剤(塩酸ピレンゼピンなど)、消化管運動賦活剤(ナパジシル酸アクラトニウム、塩酸イトプリドなど)、高血圧治療剤又は狭心症治療剤(塩酸チリソロール、塩酸ベプリジル、塩酸プロプラノロール、塩酸トドララジンなど)、血圧降下剤(塩酸ヒドララジンなど)、低血圧治療剤(塩酸エチレフリンなど)、高脂血症治療剤(プラバスタチンナトリウムなど)、抗生物質(塩酸タランビシリン、塩酸ドキシサイクリンなど)、抗インフルエンザウイルス剤(塩酸アマンタジンなど)、抗炎症剤(アンフェナクナトリウムなど)、精神神経用剤(塩酸モペロン、塩酸アマンタジン;塩酸ヒドロキシジンなどの抗アレルギー性緩和精神安定剤など)、制吐剤(塩酸グラニセトロンなど)、止瀉剤(硫酸ベルベリンなど)、不整脈治療剤(塩酸メキシレチンなど)、睡眠誘導剤(塩酸リルマザホンなど)、交感神経遮断剤(塩酸トラゾリンなど)、鉄欠乏性貧血治療剤(乾燥硫酸鉄など)、抗てんかん剤(バルプロ酸ナトリウムなど)、抗めまい剤又は平行傷害治療剤(塩酸イソプロテレノール、メシル酸ベタヒスチンなど)、結核治療剤(塩酸エタンブトールなど)、ビタミンB6欠乏症治療剤(塩酸ピリドキシンなど)、ビタミンB1欠乏症治療剤(塩酸ジセチアミンなど)、アルツハイマー型痴呆治療剤(塩酸ドネペジルなど)、尿失禁治療剤(塩酸プロピベリンなど)、鎮うん剤(ジプロフィリンなど)、口内殺菌剤(臭化ドミフェンなど)、フィラリア駆除剤(クエン酸ジエチルカルバマジンなど)などを用いても効果的に苦味を抑制することができる。
また、薬効成分が水溶性であっても、効率よく苦味を抑制することができる。このような水溶性の薬効成分としては、例えば、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ピリドキシン、塩酸ジセチアミン、クエン酸オキセラジン、塩酸タランビシリン、塩酸トラゾリン、ナパジシル酸アクラトニウム、塩酸メトクロプラミド、塩酸ロキサチジンアセタート、塩酸ラニチジン、塩酸ベネキサートベータデクス、臭化ブチルスコポラミン、硫酸鉄、塩酸プロピベリン、塩酸エチレフリン、プラバスタチンナトリウム、マレイン酸クロルフェニラミン、メシル酸ジメトチアジン、塩酸リルマザホン、塩酸グラニセトロン、塩酸ヒドロキシジン、塩酸ドキシサイクリン、トラネキサム酸、ジブナート、ジフェンヒドラミン、メチルエフェドリン、硫酸ベルベリン、バルプロ酸ナトリウム、臭化ドミフェン、塩酸アマンタジン、塩酸ピレンゼピン、塩酸エタンブトール、塩酸チリソロール、塩酸プロプラノロール、塩酸トドララジン、塩酸ヒドララジン、アンフェナクナトリウム、塩酸オザグレル、塩酸イソプロテレノール、メシル酸ベタヒスチン、塩酸メキシレチン、塩酸イトプリド、塩酸セチリジン、ペミロラストカリウム、塩酸エピナスチン、塩酸ドネペジル、メチルスコポラミン、クエン酸ジエチルカルバマジンなどが挙げられる。ここで、水溶性とは、第十五改正日本薬局方(平成18年3月31日告示)の通則に記載されている「溶解性を示す用語」の「極めて溶けやすい」、「溶けやすい」及び「やや溶けやすい」に該当するものであればよい。
上記薬効成分(i)のうち、セチリジン、エピナスチン、ラニチジン、ピレンゼピン、レバミピド、イトプリド、プラバスタチン、アマンタジン、マレイン酸クロルフェニラミン、及びプロピベリンから選択された少なくとも一種(特に、エピナスチン及びレバミピド)から選択された少なくとも一種又はその塩(塩酸塩などの無機酸塩;マレイン酸塩、クエン酸塩などの有機酸塩;ナトリウム塩などのアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩など)などが好ましい。
また、製剤は、上記薬効成分以外に、必要により、他の生理的又は薬理的に活性成分又は有効成分(苦味の程度が低い活性成分など)を含有してもよい。
(ii)酸性ムコ多糖類
酸性ムコ多糖類としては、カラギーナン(カラギーナンι、カラギーナンλ、カラギーナンκなど)、グリコサミノグリカン類[例えば、コンドロイチン類(コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン硫酸ナトリウムなどのコンドロイチン硫酸又はその塩など)、ヒアルロン酸、ケラタン硫酸、へパラン硫酸、ヘパリン、デルマタン硫酸、デキストラン硫酸など]、アルギン酸又はその塩(アルギン酸ナトリウムなど)、海藻由来酸性ムコ多糖類(フコイダンなど)、酸性植物ガム(トラガントガムなど)、微生物産生酸性ガム(キサンタンガム、ゲランガムなど)などが挙げられる。
これらの酸性ムコ多糖類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの酸性ムコ多糖類のうち、特に、カラギーナン、グリコサミノグリカン類(コンドロイチン硫酸、デキストラン硫酸など)、アルギン酸又はその塩、酸性植物ガム、微生物産生酸性ガム(特に、カラギーナン、アルギン酸塩など)などが好ましい。また、カラギーナンの中では、特に、カラギーナンιを用いると、薬効成分の苦味を有効に抑制できる。カラギーナンιとカラギーナンλ及び/又はカラギーナンκとを組み合わせて用いてもよい。また、カラギーナンと、他の酸性ムコ多糖類とを組み合わせて用いてもよい。
(iii)清涼化剤
清涼化剤としては、メントール、カンフル及びボルネオールなどのテルペン系化合物(モノテルペンアルコールなど)などの他、この前記テルペン系化合物を含む精油、エッセンス又はパウダー[例えば、前記テルペン系化合物を含む植物(ペパーミント、スペアミント、クールミントなど)の精油、エッセンス又は粉末(パウダー)の他、精油又はエッセンスを粉末状担体(例えば、デキストリンなど)に吸着させたもの、精油又はエッセンスを賦形材(アラビアガムなど)及び液体基剤(水、アルコールなど)と混合し、粉粒化(スプレードライヤーなどの装置による噴霧乾燥など)したものなど)など]などが挙げられる。なお、テルペン系化合物は、d−体、l−体、dl−体のいずれであってもよい。前記テルペン系化合物及び/又は清涼化剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
清涼化剤のうち、メントール、ペパーミント油、スペアミント油、クールミント油、ハッカ油、ペパーミントパウダーなどが好ましい。
(iv)甘味剤
甘味剤としては、非糖質系甘味料、糖アルコール及び糖類などが挙げられる。前記非糖質系甘味料としては、合成物及び天然由来の甘味料のいずれも使用できる。なお、非糖質系甘味料の甘味度は特に制限されないが、ショ糖と比較して約50倍以上の甘味度を有する甘味料を用いるのが好ましい。
前記合成甘味料としては、サッカリン又はその塩(サッカリンナトリウムなど)、アスパルテーム、スクラロース、グリチルリチン酸又はその塩(グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウムなど)、アセスルファム又はその塩(アセスルファムカリウムなど)などが挙げられる。また、天然甘味料としては、配糖甘味料[カンゾウ抽出物又はその塩(グリチルリチン又はその塩など)、ステビア抽出物(ステビア(ステビオサイド、レバウディオサイドなど)など)など]、蛋白甘味料[例えば、ソーマチン(タウマチン)、モネリンなど]などが挙げられる。
前記糖アルコールとしては、例えば、マンニトール(D−マンニトール)、ソルビトール(D−ソルビトール)、エリスリトール、キシリトール、還元パラチノース、マルチトール、ラクチトールなどが挙げられる。
前記糖類としては、例えば、ショ糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、黒砂糖、ハチミツ、トレハロース、マルトース(麦芽糖)、キシロース、マンノース、ラフィノース、ガラクトース、フルクトース、ラムノース、ソルビット、異性化糖(高フルクトースシロップ)、パラチノース、還元糖(還元麦芽糖水アメなど)が挙げられる。
これらの甘味剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの甘味剤のうち、合成甘味料、配糖甘味料、蛋白甘味料、糖アルコールなどが好ましい。また、合成甘味料、配糖甘味料及び/又は蛋白甘味料と、糖類とを組み合わせてもよい。また、糖アルコールと、他の糖類とを組み合わせてもよい。甘味剤のうち、特に、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファム、ソーマチン、スクラロース、グリチルリチン酸、ステビア及びソーマチンから選択された少なくとも一種又はその塩(例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩など)などが好ましい。
(v)有機酸
有機酸の種類は、酸味又は塩味(鹹味)を呈する限り特に制限されず、種々の有機酸成分が使用でき、塩も含まれる。本明細書では、有機酸塩も含めて単に有機酸と称する場合がある。
有機酸としては、例えば、飽和カルボン酸(酢酸などの飽和モノカルボン酸、マロン酸、コハク酸、無水コハク酸、グルタル酸などの飽和ジカルボン酸など)、不飽和カルボン酸(マレイン酸、フマル酸などの不飽和多価カルボン酸など)、オキシカルボン酸(乳酸などのヒドロキシモノカルボン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などのヒドロキシポリカルボン酸など)、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸(エリソルビン酸)、グルコン酸などが例示できる。これらの有機酸は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの有機酸のうち、オキシカルボン酸(リンゴ酸、酒石酸、クエン酸など)、コハク酸、フマル酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸などが好ましく、特に、少なくともオキシカルボン酸を用いる場合が多い。また、有機酸塩としては、例えば、前記例示の有機酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)が挙げられる。
有機酸が光学活性体であるとき、光学活性体はd,l,dl体であってもよく、有機酸はラセミ体であってもよい。なお、複数の有機酸を用いると、苦味の矯味に有効な場合がある。なお、有機酸は、例えば、pH調整等の緩衝剤としての作用を有していてもよい。
(vi)旨み成分
旨み成分としては、例えば、アミノ酸系旨み成分(アミノ酸又はその塩、例えば、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸カリウム、グルタミン酸塩酸塩、グアニル酸ナトリウム、イノシン酸、イノシン酸ナトリウム、アルギニン−グルタミン酸塩、アスパラギン酸、アスパラギン酸ナトリウム、グリシン、アラニンなど)、ペプチド系旨み成分(L−グルタミル−L−グルタミン酸、L−グルタミル−L−セリンなどのジペプチド;トリ−L−グルタミン酸、L−グルタミル−L−グリシル−L−セリンなどのトリペプチドなど)、カルボン酸系旨み成分(コハク酸ナトリウムなどのカルボン酸塩など)などが例示できる。これらの旨み成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。旨み成分としては、アミノ酸系旨み成分、例えばグルタミン酸又はその塩(グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸塩酸塩など)、イノシン酸又はその塩(イノシン酸ナトリウムなど)などを用いる場合が多い。
(vii)界面活性剤
界面活性剤(vii)としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤などを使用してもよいが、通常、非イオン性界面活性剤などを用いる場合が多い。界面活性剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーなどのポリC2−3アルキレングリコール類(C2−3アルキレンオキサイドを構成単位とする単独又は共重合体など)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの(ポリ)C2−3アルキレングリコールC8−26脂肪酸エステル(C10−20脂肪酸エステルなど)、モノステアリン酸グリセリンなどのグリセリンC8−26脂肪酸エステル(グリセリンC10−22脂肪酸エステルなど)などが好ましい。なお、アルキレングリコール類の分子量(例えば、数平均分子量)は、例えば、500〜10000、好ましくは1000〜8000、さらに好ましくは3000〜7000程度であってもよい。
(viii)香料
香料としては、天然香料、例えば、果実系香料(例えば、ストロベリー、ブルーベリー、リンゴ、パイナップル、バナナ、うめ、ライム、バニラ、ペッパーなど)、果皮系香料(例えば、オレンジ、グレープ、ホワイトグレープ、グレープフルーツ、レモンなど)、樹皮系香料(例えば、シナモンなど)、根系香料(例えば、ジンジャーなど)、種子系香料(例えば、バニラビーンズ、コーヒー、カカオ、マカダミアナッツなど)、枝葉系香料(非ミント系香料、例えば、ローズマリー、茶など)、花系香料(ジャスミン、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、ヒヤシンスなど)、黒糖フレーバー、ミルクフレーバー、ドリンクエッセンス(ストロベリーやニッキなどを混合したエッセンス)など;合成香料、例えば、酢酸ベンジル、酢酸リナリル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、シスジャスミン、シス−3−ヘキセノールなどが例示できる。これらの香料は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。上記香料のうち、果実系香料(リンゴなど)、果皮系香料(グレープ、ホワイトグレープ、グレープフルーツなど)、種子系香料(カカオなど)などが好ましい。
なお、香料の形態は、製剤の剤形、香料の性質(水溶性、油溶性など)などに応じて、適宜選択でき、オイル、エッセンス、エマルション、粉末状(例えば、シナモンパウダー、ジンジャーパウダー、カカオ末、抹茶など)などのいずれの形態であってもよい。なお、粉末状香料には、天然材料(例えば、シナモン、ジンジャー、カカオ、茶など)を微粉化したものに限らず、香料(オイル、エッセンス、エマルションなどの形態の香料なども含む)を粉末状担体(例えば、デキストリンなど)に吸着させたもの、香料を賦形材(アラビアガムなど)及び液体基剤(水、アルコールなど)と混合し、粉粒化(スプレードライヤーなどの装置による噴霧乾燥など)したものなども含まれる。
香料のうち、特に、果実系香料のエッセンス又はオイル、果皮系香料のエッセンス又はオイル、粉末状種子系香料などが好ましい。なお、カカオ末を用いると、製剤の味をまろやかにすることができる。
(各成分の割合)
製剤中の苦味を有する薬効成分の割合は、薬効成分の種類、適用又は投与対象、年齢及び体重、症状、投与回数、投与方法などに応じて慣用の範囲、例えば、製剤全体に対して、0.001〜50重量%、好ましくは0.01〜30重量%、さらに好ましくは0.1〜20重量%程度の範囲から選択できる。
酸性ムコ多糖類 (ii)の割合は、苦味を有する薬効成分(i)100重量部に対して、例えば、1〜3000重量部(例えば、1.5〜2500重量部)、好ましくは2〜2000重量部(例えば、3〜1500重量部)、さらに好ましくは4〜1000重量部(例えば、5〜500重量部)、特に6〜300重量部(例えば、10〜100重量部)程度である。また、酸性ムコ多糖類 (ii)の割合は、甘味剤(iv)100重量部に対して、例えば、0.2〜400重量部、好ましくは1〜350重量部(例えば、1.5〜300重量部)、さらに好ましくは2〜150重量部(例えば、5〜100重量部)程度である。
酸性ムコ多糖類 (ii)と清涼化剤(iii)との割合(重量比)は、成分(ii)/成分(iii)=0.1/1〜100/1、好ましくは0.2/1〜90/1(例えば、0.3/1〜70/1)、さらに好ましくは0.4/1〜50/1(例えば、0.5/1〜30/1)程度である。
清涼化剤(iii)の割合は、苦味を有する薬効成分(i)100重量部に対して、例えば、0.1〜300重量部、好ましくは0.2〜250重量部(例えば、0.3〜200重量部)、さらに好ましくは0.5〜150重量部(例えば、1〜100重量部)程度である。また、清涼化剤(iii)の割合は、甘味剤(iv)100重量部に対して、例えば、0.1〜250重量部、好ましくは0.2〜200重量部(例えば、0.3〜150重量部)、さらに好ましくは0.4〜100重量部(例えば、0.5〜80重量部)程度である。
甘味剤(iv)の割合は、苦味を有する薬効成分(i)100重量部に対して、例えば、5〜10000重量部、好ましくは10〜8000重量部(例えば、20〜6000重量部)、さらに好ましくは30〜3000重量部(例えば、35〜1000重量部)、特に40〜500重量部(例えば、40〜300重量部)程度である。
有機酸(v)の割合は、苦味を有する薬効成分(i)100重量部に対して、例えば、1〜5000重量部程度の範囲から選択でき、好ましくは2〜3000重量部(例えば、3〜1000重量部)、さらに好ましくは4〜500重量部(例えば、5〜200重量部)、特に、6〜100重量部程度であってもよい。また、有機酸(v)の割合は、甘味剤(iv)100重量部に対して、例えば、0.001〜1000重量部、好ましくは0.1〜500重量部(例えば、0.5〜100重量部)、さらに好ましくは1〜50重量部(例えば、2〜30重量部)程度であってもよい。
旨み成分(vi)の割合は、苦味を有する薬効成分(i)100重量部に対して、例えば、1〜4000重量部程度の範囲から選択でき、好ましくは2〜1000重量部(例えば、3〜500重量部)、さらに好ましくは4〜200重量部(例えば、5〜150重量部)程度であってもよい。また、旨み成分(vi)の割合は、甘味剤(iv)100重量部に対して、例えば、0.001〜100重量部、好ましくは0.1〜50重量部、さらに好ましくは0.5〜30重量部(例えば、1〜20重量部)程度であってもよい。
界面活性剤(vii)の割合は、苦味を有する薬効成分(i)100重量部に対して、例えば、0.001〜200重量部程度の範囲から選択でき、好ましくは0.1〜100重量部(例えば、0.5〜50重量部)、さらに好ましくは1〜30重量部(例えば、2〜20重量部)程度であってもよい。また、界面活性剤(vii)の割合は、甘味剤(iv)100重量部に対して、例えば、0.001〜30重量部、好ましくは0.1〜15重量部、さらに好ましくは1〜10重量部程度であってもよい。
香料(viii)の割合は、苦味を有する薬効成分(i)100重量部に対して、例えば、0.001〜100重量部程度の範囲から選択でき、好ましくは0.1〜50重量部、さらに好ましくは1〜30重量部(例えば、2〜15重量部)程度であってもよい。
本発明の製剤は、さらに鹹味(塩味)を有する甘味増強剤(又は鹹味剤)を含有してもよい。このような甘味増強剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸塩(リン酸水素カリウム、リン酸水素ナトリウムなど)などが例示できる。甘味増強剤(又は鹹味剤)は中性塩、例えば、ナトリウムイオン及び/又は塩素イオン(塩化物イオン)として解離する塩である場合が多い。これらの甘味増強剤も単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましい甘味増強剤は、塩化ナトリウムである。
甘味増強剤の割合は、例えば、薬効成分及び甘味剤の種類やその量的割合などに応じて選択でき、例えば、甘味剤の総量100重量部に対して1〜100重量部(例えば、5〜80重量部)、好ましくは10〜60重量部(例えば、10〜50重量部)、さらに好ましくは20〜50重量部(例えば、25〜50重量部)程度であってもよい。
本発明の製剤の形態は特に制限されず、カプセル剤などであってもよいが、苦味を有効に抑制又は低減できるので、通常、カプセル剤以外の固形製剤(粉剤(散剤)、顆粒剤、丸剤、錠剤(裸錠など)、フィルム剤など)、液剤(溶液剤、懸濁剤、乳剤、ゲル剤、グミ剤、シロップ剤(ドライシロップ剤も含む)など)、経皮吸収製剤(口内付着型製剤)などである場合が多い。また、製剤は凍結乾燥製剤であってもよい。これらの剤形のうち、通常であれば苦味を感じやすい剤形、例えば、散剤、顆粒剤、錠剤などの固形製剤、シロップ剤などの液剤などが本発明の製剤の剤形として適している。さらに、本発明の製剤は、口腔内で速やかに崩壊する口腔内速崩錠であってもよい。
製剤は、通常、生理学的に許容可能な担体を含んでおり、この担体は、剤形、投与形態、用途などに応じて、例えば、局方及び「医薬品添加物辞典2000」(薬事日報社、2002年3月25日第2刷発行)に収載されている成分から選択できる。例えば、固形製剤の担体としては、賦形剤、結合剤および崩壊剤から選択された少なくとも一種の担体を使用する場合が多く、脂質などの添加剤を用いてもよい。
前記賦形剤としては、乳糖、白糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、エリスリトールなどの糖類又は糖アルコール類;トウモロコシデンプンなどのデンプン;結晶セルロース(微結晶セルロースも含む)などの多糖類(例えば、木村産業(株)製、プロソルブ);軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成シリカなどの酸化ケイ素又はケイ酸塩(例えば、富士化学工業(株)製「ノイシリン」など);無水リン酸水素カルシウムなどのリン酸塩(例えば、富士化学工業(株)製「フジカリン」;これらの混合物(例えば、富士化学工業(株)製「F−メルト」など);などが例示できる。結合剤としては、アルファ化デンプン、部分アルファ化デンプンなどの可溶性デンプン;寒天、アラビアゴム、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、トラガントガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウムなどの多糖類;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリ乳酸、ポリエチレングリコールなどの合成高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロースエーテル類などが例示できる。
崩壊剤としては、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース又はその塩(カルメロース(例えば、五徳薬品(株)製「NS−300」)、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム(例えば、五徳薬品(株)製「E.C.G.-505」)など)、ポリビニルピロリドン(ポリビニルピロリドン、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポピドン)など)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、木村産業(株)製「エキスプロタブ」など)などが例示できる。これらの担体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
液剤の担体のうち水性担体(又は水溶性担体)としては、水(精製又は無菌水、注射用蒸留水など)、生理食塩水、リンゲル液、ブドウ糖液、水溶性有機溶媒[エタノール、イソプロパノールなどの低級脂肪族アルコール;(ポリ)アルキレングリコール類(エチレングリコール、ポリエチレングリコールなど);グリセリンなど]、ジメチルイソソルビド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。油性担体としては、動植物系油剤(ホホバ油、オリーブ油、やし油、綿実油などの植物系油剤;スクアランなどの動物系油剤など)、鉱物系油剤(流動パラフィン、シリコーンオイルなど)などが例示できる。また、半固形剤の担体は、前記固形製剤の担体及び/又は液剤の担体から選択してもよい。また、半固形剤の担体は、脂質を含んでいてもよい。脂質としては、ワックス類(蜜ろう、カルナバろう、ラノリン、パラフィン、ワセリンなど)、長鎖脂肪酸エステル(飽和又は不飽和脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸と多価アルコール(ポリC2−4アルキレングリコール、グリセリン又はポリグリセリンなど)とのエステル(グリセライドなど)など)、硬化油、高級アルコール(ステアリルアルコールなどの飽和脂肪族アルコール、オレイルアルコールなどの不飽和脂肪族アルコールなど)、高級脂肪酸(ステアリン酸、オレイン酸など)、金属石鹸類(例えば、ヤシ油脂肪酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩など)などが例示できる。
添加剤としては、例えば、滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000、フマル酸ステアリルナトリウムなど)、崩壊助剤、抗酸化剤又は酸化防止剤、乳化剤(例えば、非イオン性界面活性剤などの各種界面活性剤など)、分散剤、懸濁剤、溶解補助剤、増粘剤(カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ゼラチンなどの水溶性高分子;カルボキシメチルセルロースなどのセルロースエーテル類など)、pH調整剤又は緩衝剤(クエン酸−クエン酸ナトリウム緩衝剤など)、防腐剤又は保存剤(メチルパラベン、ブチルパラベンなどのパラベン類など)、殺菌剤又は抗菌剤(安息香酸ナトリウムなどの安息香酸類など)、帯電防止剤、矯味剤又はマスキング剤(例えば、甘味剤など)、着色剤(ベンガラなどの染顔料など)、矯臭剤又は香料(芳香剤など)、清涼化剤、消泡剤、等張化剤、無痛化剤などが挙げられる。これらの添加剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明の製剤は、製剤の構成成分を用いて慣用の製造方法により製造でき、例えば、固形剤は、薬効成分、酸性ムコ多糖類、清涼化剤、甘味剤、有機酸、旨み成分、界面活性剤、香料、甘味増強剤などを必要に応じて適宜組み合わせるとともに、担体を用いて調製できる。例えば、顆粒剤は、押出造粒、噴霧造粒などにより、担体成分と、その他の成分とを造粒し、必要により整粒することにより調製できる。錠剤は、前記造粒物を必要により担体及び/又は添加剤と混合し、圧縮成形することにより製造できる。液剤は、薬効成分、酸性ムコ多糖類、清涼化剤、甘味剤、有機酸、旨み成分、界面活性剤、香料、甘味増強剤などを必要に応じて適宜組み合わせるとともに、さらに、液状担体(精製水などの水性担体、油性担体など)と、必要により、固形又は半固形製剤の担体、添加剤(乳化剤、分散剤、懸濁剤、等張化剤、溶解補助剤、保存剤、矯味剤、pH調整剤や緩衝剤など)とを混合(例えば、溶解、懸濁、乳化など)することにより調製でき、必要により滅菌処理される。
このように、本発明の製剤は、(i)苦味を有する薬効成分とともに、(ii)酸性ムコ多糖類、(iii)清涼化剤及び(iv)甘味剤を含有するため、前記薬効成分の苦味が有効に抑制されている。
本発明の製剤は、ヒトのみならず、非ヒト動物、通常、哺乳動物(例えば、ヒト、非ヒト動物(マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サルなど)など)に対しても使用できる。
本発明の製剤の投与量及び投与スケジュールは、薬効成分の種類、患者の疾患の程度、患者の年齢、性別や体重などに応じて、慣用の範囲から選択できる。なお、本発明の製剤では、薬効成分の苦味を効果的に抑制できるので、服用性を改善でき、患者のコンプライアンスを改善できる。そのため、患者が投与を遵守し易く、適切な用量をより確実に投与することができ、薬効成分の効果を確実に発揮させることができる。
例えば、エピナスチンは、気管支喘息;アレルギー性鼻炎;蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚掻痒症、痒疹、掻痒を伴う尋常性乾癬などの疾患の治療に有用であり、その投与量は疾患の種類、投与対象の症状、年齢、体重などによって適宜決定することができる。例えば、アレルギー性鼻炎の場合、投与量は、薬効成分の量に換算して、通常、1日1回、1回10〜20mg程度、その他の疾患の場合には、1日1回、1回20mg程度である。レバミピドを用いる場合、投与量は、胃潰瘍の場合は、通常、成人には1回レバミピドとして100mgを1日3回、朝、夕及び就寝前に経口投与する。急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善の場合は、通常、成人には1回レバミピドとして100mgを1日3回経口投与する。
本発明は、薬効成分の苦味を効果的に低減することが可能であり、経口投与又は服用する際の服用感の向上に有用であり、例えば、医薬品、医薬部外品、サプリメント、食品、健康食品(栄養補助食品)などとして利用できる。特に、医薬品などの用途では、服用性に優れるため、患者のコンプライアンス向上に有効である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<塩酸エピナスチン含有製剤(錠剤/フィルムコート錠)>
比較例1(市販品)
市販のアレジオン錠(日本ベーリンガーインゲルハイム(株)製、錠剤/フィルムコート錠)を用いた。表1に、アレジオン錠の重量(表1中、全量(mg)で示す)及び塩酸エピナスチンの割合を示すとともに、アレジオン錠に含有される成分を「○」で示す。
なお、比較例1のフィルムコート錠には、表中「○」で示される成分以外に、トウモロコシデンプン、HPMC2910、アクリル酸エチル−メタクリル酸メチルコポリマー、マクロゴール6000(日本油脂(株)製)、タルク、酸化チタン及びシリコーン樹脂を含有する。
<塩酸エピナスチン含有口腔崩壊錠>
比較例2〜5及び実施例1
表1に示す各成分を、乳鉢中に量り取り、混合して、混合末を、ロータリー打錠機(畑鉄工所(株)製,p−18)を用いて、打錠し、口腔内崩壊錠を作製した。
実施例2及び3
表1に示す成分のうち、サッカリンナトリウム、軽質無水珪酸、重炭酸ナトリウム、PVP−xL(ISP JAPAN(株)製)、カルメロース(五徳薬品(株)製、NS−300)以外の成分を混合し、適量の水を添加して、練合した後、乾燥させた。得られた乾燥物に、サッカリンナトリウム、軽質無水珪酸、重炭酸ナトリウム、PVP−xL、及びカルメロースを添加、混合し、混合物を、ロータリー打錠機を用いて、打錠し、口腔内崩壊錠を作製した。
なお、実施例2では、打錠前に32メッシュの篩を通過させ、篩上の残りを用いて打錠を行った。
実施例4及び5
表1に示す成分のうち、ソーマチン(実施例4)、セオラス、PVP−xL、D−マンニトール、フマル酸ステアリルナトリウム(木村産業(株)製、プルーブ)、ペパーミント及びグレープフレーバー(実施例4)以外の成分を混合し、適量の水を添加して、練合した後、乾燥させた。得られた乾燥物に、ソーマチン(実施例4)、セオラス、PVP−xL、D−マンニトール、フタル酸ステアリルナトリウム、及びペパーミント又はグレープフレーバー(実施例4)を添加、混合し、混合物を、ロータリー打錠機を用いて、打錠し、口腔内崩壊錠を作製した。
Figure 2008106048
試験例1
比較例1の製剤、並びに比較例2〜5及び実施例1〜5で得られた口腔内崩壊錠を用いて、下記の方法により、口腔中での崩壊時間、口腔中での官能(特に、苦味、収斂味、痺れなど)、及びざらつき感を評価するとともに、pHを測定した。
(i)口腔中での崩壊時間
3名のパネラーを対象に、比較例の製剤及び実施例の口腔崩壊錠を口腔内に投与し、投与から崩壊までの時間(崩壊時間)を測定し、平均値を算出した。なお、25秒(″)以内に崩壊する打錠剤について、崩壊性が特に有効であると判断した。
(ii)口腔中での苦味及びざらつき感
3名のパネラーを対象に、製剤及び口腔崩壊錠を口腔内に投与し、投与から崩壊までに伴う苦味及びざらつき感について、1〜5点の範囲(点数が高い程、苦味又はざらつき感が多いことを示す)で評価させ、平均値を算出した。なお、比較例1の製剤については、苦味を評価した。
なお、苦味の点数評価は、薬効成分の苦味の評価を「5」として、下記の基準に従った
何も感じない:1
少し感じる :2
感じる :3
強く感じる :4
耐えられない:5。
(iii)pH
比較例1の製剤、並びに比較例2〜5及び実施例の口腔崩壊錠のそれぞれ2錠を水10mLに溶解させ、pHを測定した。
結果を表2に示す。
Figure 2008106048
比較例1の製剤は、口腔内に投与後、速やかに溶解したが、強い苦味が感じられた。比較例2の口腔崩壊錠は、ざらつき感は低いものの、苦味が感じられ、崩壊に長時間を要した。比較例3の口腔崩壊錠は、ざらつき感は少しで、苦味はある程度低減されているものの、甘味不足で、味の改良が不十分であるとともに、崩壊に長時間を要した。比較例4の口腔崩壊錠は、苦味がある程度低減されており、崩壊時間も90秒と比較例2及び3に比べて短くなっているものの、ざらつき感が強く、甘味不足で味の改良は不十分であった。比較例5の口腔崩壊錠は、崩壊時間が短く、苦味もある程度低減されているものの、崩壊の初期段階ではざらつき感が強かった。また、口腔内ではベタつきも感じられ、甘味不足で、苦味が感じられた。
実施例1の口腔崩壊錠は、崩壊時間も短く、ざらつき感が低減されており、メントールの清涼感が感じられるとともに、味の点で改良されていた。実施例2及び4の口腔崩壊錠は、口腔内で速やかに崩壊し、ざらつき感はほとんど感じられず、味の点でも優れていた。実施例3及び5の口腔崩壊錠は、崩壊性にも優れており、ざらつき感もほとんどなく、味の点でも優れていた。なお、実施例5の溶出曲線は、比較例1の製剤と同等であった。すなわち、溶出曲線において、5分値は、比較例1:86%及び実施例5:93%であり、10分値は、比較例1:92%及び実施例5:94%であり、15分値は、比較例1及び実施例5とも95%であった。
なお、使用した成分の詳細は、下記の通りである。
プロソルブ90:賦形剤(木村産業(株)製)
L−HPC LH−11:賦形剤(信越化学(株)製、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース)
L−HPC LH−12:崩壊剤(信越化学(株)製、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース)
HPMC2910:結合剤(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
PVPk25:結合剤(ポリビニルピロリドン)
セオラス:賦形剤(旭化成ケミカルズ(株)製、結晶セルロース)
カルメロース:崩壊剤(五徳薬品(株)製、NS−300)
カルメロースカルシウム:崩壊剤(五徳薬品(株)製、E.C.G.-505)
フマル酸ステアリルナトリウム:滑沢剤(木村産業(株)製、プルーブ)
Mg−St:滑沢剤(太平化学産業(株)製、ステアリン酸マグネシウム)。
<レバミピド含有フィルムコート錠>
比較例6(市販品)
市販のムコスタ錠100(大塚製薬(株)製、フィルムコート錠)を用いた。表3に、ムコスタ錠の重量(表3中、全量(mg)で示す)及びレバミピドの割合を示すとともに、ムコスタ錠に含有される成分を「○」で示す。
<レバミピド含有錠剤>
比較例7及び実施例6
表3に示す各成分を、乳鉢中に量り取り、混合して、混合末を、ロータリー打錠機を用いて、表4に示す打錠圧で打錠し、直径8mmの錠剤を作製した。
<レバミピド含有口腔崩壊錠>
比較例8
表3に示す割合のレバミピド、サッカリンナトリウム及びグリチルリチン酸二カリウムを混合し、混合粉末に、表3に示す割合のカラギーナンι及びHPC−Hを含む水溶液を添加して、練合した後、得られたゼリー状物を乾燥させた。
乾燥物をふるいにかけ、32メッシュパス品を回収して、カルメロース(五徳薬品(株)製、NS−300)、F−メルト(富士化学工業(株)製、F−melt M)及びMg−Stと混合し、ロータリー打錠機を用いて、表4に示す打錠圧で打錠し、直径8mmの口腔崩壊錠を作製した。
実施例7
表3に示す割合のレバミピド、サッカリンナトリウム、酒石酸、グルタミン酸ナトリウム、l−メントール及びモノステアリン酸グリセリンを混合し、混合粉末に、表3に示す割合のカラギーナンιを含む水溶液50mg(濃度6重量%)を添加して、練合し、乾燥させた。
乾燥物をふるいにかけ、32メッシュパス品を回収して、結晶セルロース、架橋ポリビニルピロリドン(PVP−cl)、カルメロース(五徳薬品(株)製、NS−300)、合成シリカ(富士シリシア化学(株)製、サイリシア(pH7.6))、カルメロースカルシウム(五徳薬品(株)製、E.C.G.-505)及びプロソルブ90と混合し、ロータリー打錠機を用いて、表4に示す打錠圧で打錠し、直径8mmの口腔内崩壊錠を作製した。
実施例8
表3に示す割合のレバミピド、サッカリンナトリウム、酒石酸、グルタミン酸ナトリウム、及びモノステアリン酸グリセリンを混合し、混合粉末に、表3に示す割合のカラギーナンιを含む水溶液50mg(濃度6重量%)を添加して、練合し、乾燥させた。
乾燥物をふるいにかけ、32メッシュパス品を回収して、l−メントール、結晶セルロース、架橋ポリビニルピロリドン(PVP−cl)、カルメロース(五徳薬品(株)製、NS−300)、合成シリカ(富士シリシア化学(株)製、サイリシア(pH7.6))、カルメロースカルシウム及びプロソルブ90と混合し、ロータリー打錠機を用いて、表4に示す打錠圧で打錠し、直径8mmの錠剤口腔内崩壊錠を作製した。
実施例9
表3に示す割合のレバミピド、サッカリンナトリウム、酒石酸、グルタミン酸ナトリウム、及びD−マンニトールを混合し、混合粉末に、表3に示す割合のカラギーナンιを含む水溶液50mg(濃度6重量%)を添加して、練合し、乾燥させた。
乾燥物をふるいにかけ、32メッシュパス品を回収して、l−メントール、結晶セルロース、架橋ポリビニルピロリドン(PVP−cl)、カルメロース(五徳薬品(株)製、NS−300)、カカオ末、合成シリカ(富士シリシア化学(株)製、サイリシア(pH7.6))、カルメロースカルシウム(五徳薬品(株)製、E.C.G.-505)及びフマル酸ステアリルナトリウム(木村産業(株)製、プルーブ)と混合し、ロータリー打錠機を用いて、表4に示す打錠圧で打錠し、直径8mmの錠剤口腔内崩壊錠を作製した。
実施例10
表3に示す割合のレバミピド、サッカリンナトリウム、ソーマチン、スクラロース、グリチルリチン酸二カリウム、グルタミン酸ナトリウム、及びD−マンニトールを混合し、混合粉末に、表3に示す割合のカラギーナンιを含む水溶液50mg(濃度6重量%)を添加して、練合し、乾燥させた。
乾燥物をふるいにかけ、32メッシュパス品を回収して、l−メントール、結晶セルロース、架橋ポリビニルピロリドン(PVP−cl)、カカオ末、PEG6000及びフマル酸ステアリルナトリウム(木村産業(株)製、プルーブ)と混合し、ロータリー打錠機を用いて、表4に示す打錠圧で打錠し、直径8mmの錠剤口腔内崩壊錠を作製した。
Figure 2008106048
試験例2
比較例6のフィルムコート錠、並びに比較例7〜8及び実施例6〜10で得られた打錠剤を用いて、下記の方法により、溶出性、口腔中での崩壊時間、口腔中での苦味、ざらつき感及び官能を評価するとともに、pHを測定した。
(i)溶出性
第14改正日本薬局方(日局XIV)の溶出試験法に基づいて、溶出率(%)をpH6.0の条件で測定した。
すなわち、pH6.0の0.05mol/l濃度のリン酸水素二ナトリウム及び0.025mol/l濃度のクエン酸水溶液を用いて、稀釈したMcI1vaine緩衝液(pH6.0)900mlを試験液として用い、比較例又は実施例の錠剤(1個)について、溶出試験法第2法により毎分50回転の条件で試験を行った。
溶出試験開始から表4に示す時間の経過後、溶出液20mlを採取し、孔径0.45μm以下のメンブランフィルタで濾過し、濾過初期の濾液2mlを除いた後、濾液5mlを正確に量り取り、上記と同様の緩衝液を添加し、正確に25mlに調整して、試料溶液を調製した。
予め乾燥減量(1g、105℃、2時間)を測定したレバミピド標準品約0.05gを精密に量り、ジメチルホルムアミドに溶解し、正確に25mlに調整した。この溶液から、2ml正確に量り取り、上記と同様の緩衝液を添加し、正確に200mlに調整して、標準溶液を調製した。
試料溶液及び標準溶液について、吸光度測定法により試験を行い、波長326nmにおける吸光度(試料溶液:A、標準溶液:A)を測定した。そして、下記式に基づいて、レバミピドの表示量に対する溶出率(%)を算出した。
溶出率(%)=W×(A/A)×(1/C)×180
(式中、Wは、乾燥物に換算したレバミピド標準品の重量(mg)を示し、Cは1錠中のレバミピドの表示量(mg)を示す)。
(ii)口腔中での崩壊時間、口腔中での苦味及び官能、並びにpH
各項目について、試験例1と同様に評価した。
結果を表4に示す。
Figure 2008106048
表4から明らかなように、実施例の錠剤及び口腔崩壊錠は、崩壊性が高く、溶出性が初期段階から高いにも拘わらず、苦味が抑制されており、味の点でも優れていた。比較例の錠剤及び口腔崩壊錠は、初期段階では、溶出性が低く、苦味も抑制されているものの、後味に苦味が感じられた。
比較例6のフィルムコート錠は、口腔内に投与後、速やかに溶解して、強い苦味が感じられた。比較例7及び8では、崩壊に時間を要し、初期の苦味は低減されているものの、後味が苦い。実施例6の錠剤では、苦味がほとんど感じられず、味の点でも優れていた。また、実施例7の口腔崩壊錠は、崩壊性が高く、ざらつきがほとんどなく、苦味も顕著に低減されていた。実施例8の口腔崩壊錠は、後味にわずかに苦味が感じられたものの、崩壊性も高く、味の点でも優れていた。実施例9及び10の口腔崩壊錠は、崩壊性も高く、苦味はほとんど感じられず、カカオの風味で服用し易く、味もまろやかであった。
<レバミピド含有顆粒>
比較例9(市販品)
市販のムコスタ顆粒20%(大塚製薬(株)製、フィルムコート顆粒)を用いた。表5に、ムコスタ顆粒1000mgに含まれるレバミピドの割合を示すとともに、含有される他の成分を「○」で示す。
なお、ムコスタ顆粒は、φ0.6mm×1.276mmのサイズ(長径の数値幅:0.614〜2.294mm)の円柱顆粒である。
比較例10及び実施例11〜14(レバミピド含有製剤(顆粒))
表5に示す成分を総量が8gとなるようなスケールで混合後、表6に示す練合媒体とともに練合し、さらに乾燥させ、16〜42メッシュのサイズに整流することにより顆粒を得た。なお、乾燥は、比較例10では65℃、実施例11〜14では35℃の温度で行った。
Figure 2008106048
試験例3
比較例9のフィルムコート顆粒、並びに比較例10及び実施例11〜14で得られた顆粒を用いて、下記の方法により、試験例2と同様に溶出性を評価するとともに、試験例1と同様に、pHを測定し、口腔中での官能を評価した。
結果を表6に示す。
Figure 2008106048
表6から明らかなように、実施例の顆粒は、溶出性が初期段階から高いにも拘わらず、苦味が抑制されており、味の点でも優れていた。それに対し、比較例の顆粒は、初期段階から強い苦味が感じられた。
また、比較例9では、口腔内に投与後直ぐさまコーティングフィルムが溶解し、強い苦味が感じられた。また、比較例10では、苦味の抑制効果が低く、口腔内に投与した初期段階から苦味が感じられた。
実施例12の顆粒では、メントール味が爽やかであり、苦味が顕著に抑制され、顆粒は柔らかく、口腔内に投与後速やかに崩壊した。実施例13の顆粒は、苦味が顕著に抑制され、顆粒は程よい硬さであった。また、実施例14の顆粒は、まろやかな味で、苦味も大幅に改善され、程よい硬さを有していた。
(塩酸アマンタジン細粒)
比較例11
市販のシンメトレル細粒(ノバルティス(株)製)を用いた。表7に、シンメトレル細粒1000mgに含まれる塩酸アマンタジンの割合を示すとともに、含有される他の成分を「○」で示す。
実施例15
表7に示す成分のうち、フマル酸ステアリルナトリウム以外の成分を乳鉢中で混合し、精製水を適当量添加し、練合後、40℃で乾燥させた。乾燥物を32メッシュ篩に通過させ、さらにフマル酸ステアリルナトリウムを添加して、200メッシュ篩を通過させ篩上の残りを細粒とした。
試験例4
比較例11及び実施例15の細粒を用いて試験例1と同様に官能を評価した。実施例15の細粒は、苦味がほとんど感じられず、爽やかな酸味で、味の点でも優れていた。
Figure 2008106048
<マレイン酸クロルフェニラミン含有散剤>
比較例12(市販品)
市販のアレルギン散(三共(株)製)を用いた。表8に、アレルギン散1000mgに含まれるマレイン酸クロルフェニラミンの割合を示すとともに、含有される他の成分を「○」で示す。
実施例16及び17
表8に示す全ての成分を乳鉢中で混合し、精製水を適当量添加し、練合後、40℃で乾燥させた。乾燥物を32メッシュ篩に通過させ、さらにMg−Stを添加して、200メッシュ篩を通過させ篩上の残りを散剤とした。
試験例5
比較例12、並びに実施例16及び17の散剤を用いて、試験例1と同様に官能を評価した。比較例12の散剤では、マレイン酸クロルフェニラミンの収斂味が感じられたのに対し、実施例16の散剤では、収斂味が低減されており、程よい甘味及び酸味で味の点でも優れていた。また、実施例17の散剤では、実施例16の散剤よりもさらにまろやかな味であった。
Figure 2008106048
<プラバスタチンナトリウム含有錠剤>
比較例13(市販品)
市販のメバロチン10錠剤(三共(株)製)を用いた。表9に、錠剤140mgに含まれるプラバスタチンナトリウムの割合を示すとともに、含有される他の成分を「○」で示す。
実施例18
表9に示す成分のうち、Mg−St以外の成分を乳鉢で混合後、Mg−Stを添加して、軽く混合し、直接打錠して140mgの打錠剤(素錠)を得た。
試験例6
比較例13及び実施例18の錠剤を用いて、試験例1と同様に官能を評価した。実施例18の錠剤では、プラバスタチンナトリウムの苦味が低減されており、爽やかな酸味で、味の点でも優れていた。
Figure 2008106048
<塩酸エピナスチン含有内服液>
比較例14(市販品)
市販のアレジオン内服液(ベーリンガーインゲルハイム(株)製)を用いた。表10に、内服液100ml中に含まれる成分を「○」で示す。
比較例15〜16及び実施例19〜20(塩酸エピナスチン含有液剤(内服液))
表10に示す成分を40℃の精製水に添加し、攪拌して、溶解させた。次いで、冷却し、0.45μのメンブランフィルターを用いて濾過することにより内服液(液剤)を得た。
試験例7
比較例14〜16及び実施例19〜20の液剤を用いて、試験例1と同様に官能を評価するとともに、液剤をガラス瓶に充填して温度4℃まで冷却したときの液剤の状態(保存状態)を評価した。
官能の評価結果を表10に示す。
Figure 2008106048
比較例14及び15の液剤では、甘味は感じられるものの、苦味がマスキングされておらず、甘味と苦味との双方が感じられた。また、比較例14の液剤は、無色乃至微黄色澄明な液体であり、冷却しても変化しなかった。比較例16の液剤では、苦味がある程度低減されているものの、冷却により4℃にて沈殿が析出した。
また、実施例19及び20の液剤は、苦味がほとんど感じられず、香り及び味の点でも優れていた。また、実施例の液剤は、無色乃至微黄色澄明な液体であり、冷却しても変化は見られなかった。
<塩酸エピナスチン含有ドライシロップ>
実施例21
下記の成分を乳鉢中で混合し、精製水15mlを添加して、練合し、押出造粒した。造粒後、40℃で乾燥させ、16メッシュの篩過処理を行い、澄明溶解型ドライシロップ顆粒を得た。
また、得られた顆粒0.3gを精製水20mlに溶解させ、得られたシロップ剤について、試験例1と同様に官能を評価したところ、評価は「1」であり、苦味がほとんど感じられず、甘味が強かった。
処方:
塩酸エピナスチン 2.0
ペパーミントパウダー 0.5
カラギーナンι 0.2
アスパルテーム 1.1
エリスリトール 32.0
D−マンニトール 50.0
クエン酸Na 4.8
リンゴ酸 1.4
グルタミン酸Na 4.0
ポリエチレングリコール6000 3.0
HPC−L 1.0
合計 100mg。
<塩酸イトプリド含有錠剤>
実施例22
下記の成分のうち、フマル酸ステアリルナトリウム(木村産業(株)製、プルーブ)以外の成分を全て乳鉢中で混合し、さらにフマル酸ステアリルナトリウムを添加して軽く混合し、混合物を直接打錠して素錠を得た。
また、得られた素錠を用いて、試験例1と同様に官能を評価したところ、評価は「2」であり、苦味が低減され、味の点でも優れていた。
処方:
塩酸イトプリド 50
(アステラス製薬(株)製、ガナトン錠50mg)
l−メントール 4
カラギーナンλ 5
アスパルテーム 15
キシリトール 10
フマル酸Na 8
L−グルタミン酸 5
NS−300 15
クロスポビドンINF10 15
カルメロースカルシウム 5
(五徳薬品(株)製、E.C.G.-505)
カンテン末 5
フマル酸ステアリルナトリウム 2
(木村産業(株)製、プルーブ)
アップルフレーバー 0.2
合計 139.2mg。
<塩酸ピレンゼピン含有口腔崩壊錠>
実施例23
下記の成分を用いる以外は、実施例22と同様に操作を行い、OD錠を得た。得られたOD錠を用いて、試験例1と同様に崩壊性及び官能を評価したところ、崩壊時間は25秒であり、官能評価は「1」であった。また、苦味はほとんど感じられず、まろやかな甘味が感じられ、味の点でも優れていた。
処方:
塩酸ピレンゼピン 26
(ベーリンガーインゲルハイム(株)製、ガストロゼピン錠)
ペパーミントパウダー 6
カラギーナンλ 5
アスパルテーム 25
サッカリンNa 10
クエン酸 12
グルタミン酸塩酸塩 15
カルメロース 29
(NS−300)
クロスポビドンINF10 35
カルメロースカルシウム 15
(五徳薬品(株)製、E.C.G.-505)
カンテン末 15
フマル酸ステアリルナトリウム 2
(木村産業(株)製、プルーブ)
グレープフレーバー 0.2
合計 195.2mg。
<塩酸ラニチジン含有錠剤>
実施例24
下記の成分のうち、塩酸ラニチジン、カラギーナンλ、アスパルテーム、サッカリンNa、及び1/3量のクロスポビドンに、適量の精製水を添加して、練合し、乾燥させた後、残りの成分を混合して、打錠し、280mgの錠剤を得た。
得られた錠剤を用いて、試験例1と同様に官能を評価したところ、評価は「2.5」であり、苦味が低減されており、服用し易い味であった。
処方:
塩酸ラニチジン 150
(グラクソ・スミスクライン(株)製、ザンタック錠150)
ペパーミントパウダー 3
カラギーナンλ 3
アスパルテーム 15
サッカリンNa 5
クエン酸 10
グルタミン酸塩酸塩 9
カルメロース 25
(五徳薬品(株)製、NS−300)
クロスポビドンINF10 30
カルメロースカルシウム 5
(五徳薬品(株)製、E.C.G.505)
重炭酸ナトリウム 8
カンテン末 15
フマル酸ステアリルナトリウム 2
(木村産業(株)製、プルーブ)
合計 280mg。
<バルプロ酸ナトリウム含有内服液>
実施例25
下記の成分のうち、プロピレングリコールに、メチルパラベン及びプロピルパラベンを溶解させてパラベン溶液を調製し、このパラベン溶液と、メントールとを、精製水(50℃に加温)に添加して、攪拌した。得られた混合物を放冷しつつ、残りの成分を順次添加して、溶解させた。得られた溶液にさらに精製水を添加して、100mlに調整し、0.45μメンブランフィルターで濾過した。得られた液剤は、澄明な液体であり、pHは7.3であった。
得られた液剤を用いて、試験例1と同様に官能を評価したところ、評価は「1」であり、苦味はほとんど感じられず、適度な甘味で服用し易い味であった。
処方:
バルプロ酸ナトリウム 5
l−メントール 0.05
カラギーナンλ 1
アスパルテーム 0.065
エリスリトール 3.5
サッカリンNa 0.05
グルタミン酸Na 0.15
クエン酸Na 0.8
プロピレングリコール 2
メチルパラベン 0.028
プロピルパラベン 0.02
ポリオキシエチレン硬化ひまし油60 1
ホワイトグレープエッセンス 0.1
精製水 適量
(g/100ml) 100ml。
<塩酸セチリジン含有口腔崩壊錠>
比較例17〜21及び実施例26〜27
表11に示す成分を乳鉢中で混合し、適量の水を添加して練合した後、40℃にて5〜6時間乾燥させて、32メッシュパス後、塩酸セチリジン顆粒を得た。その後、ロータリー打錠機を用いて、錠剤口腔内崩壊錠を作製した。
得られた塊状物について、試験例1と同様に苦味を評価した。結果を表11に示す。
Figure 2008106048
表11から明らかなように、比較例17〜21の製剤では、本発明の必須成分である(ii)〜(iv)が含有されていないため、塩酸セチリジンの苦味の抑制効果が低い。それに対し、(ii)〜(iv)を含有する実施例26では、苦味が効果的に抑制されていた。また、実施例27の製剤では、酸味剤(v)を加えることでさらに苦味が抑制された。
<塩酸プロピベリン含有フィルムコート錠>
比較例22(市販品)
市販のバップフォー錠(大鵬薬品工業(株)製,フィルムコート錠)を用いた。表12に1錠の重量、及び1錠中に含まれる塩酸プロピベリンの割合を示すとともに、錠剤中に含まれる他の成分を「○」で示す。
<塩酸プロピベリン含有口腔崩壊錠>
比較例23〜24及び実施例28〜31
表12に示す成分を、乳鉢中で混合し、混合物を直接打錠することにより錠剤(円形状錠剤(R−tab))を調製した。
試験例8
比較例22のフィルムコート錠、並びに比較例23〜24及び実施例28〜31の打錠剤を用いて、試験例1と同様に、pH、口腔内での崩壊時間、不快味(苦味、痺れ)を評価した。結果を表12に示す。
Figure 2008106048
比較例22のフィルムコート錠では、口腔内に投与後即座に溶解して、強い苦味と収斂味が感じられた。比較例23の錠剤では、痺れはなく、苦味は僅かに低減されていたものの、後味が苦く、崩壊時間も長く、芯が残った。比較例24の錠剤では、苦味及び痺れの双方とも強く感じられた。実施例28では、投与初期の酸味が強かったものの、苦味及び痺れはほとんど感じられなかった。実施例29の錠剤では、苦味及び痺れはほとんど感じられず、甘味が程よく、味の点で優れていた。また、実施例30では、えぐみが滓かに残るが、苦味及びしびれはほとんど感じられず、甘味が程よく、味の点で優れていた。実施例31では、ゴム状の塊が感じられるものの、すぐに溶解し、ざらつきもなかった。また、苦味はなく、痺れも全く感じられず、甘味が長く持続し、味の点でも優れていた。

Claims (23)

  1. (i)苦味を有する薬効成分、(ii)酸性ムコ多糖類、(iii)清涼化剤及び(iv)甘味剤を含有する苦味が抑制された経口製剤。
  2. 酸性ムコ多糖類(ii)が、カラギーナン、グリコサミノグリカン類、アルギン酸又はその塩、酸性植物ガム及び微生物産生酸性ガムから選択された少なくとも一種である請求項1記載の経口製剤。
  3. 清涼化剤(iii)が、メントール、カンフル及びボルネオールから選択された少なくとも一種のテルペン系化合物、若しくはこのテルペン系化合物を含む精油、エッセンス又はパウダーである請求項1又は2記載の経口製剤。
  4. 甘味剤(iv)が、非糖質系甘味料、糖アルコール及び糖類から選択された少なくとも一種又はその塩である請求項1〜3のいずれかの項に記載の経口製剤。
  5. 非糖質系甘味料が、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファム、スクラロース、グリチルリチン酸、ステビア及びソーマチンから選択された少なくとも一種又はその塩である請求項4記載の経口製剤。
  6. 糖アルコールが、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール及びキシリトールから選択された少なくとも一種である請求項4記載の経口製剤。
  7. 糖類が、ショ糖、乳糖及び還元麦芽糖水アメから選択された少なくとも一種である請求項4記載の経口製剤。
  8. 苦味を有する薬効成分(i)100重量部に対して、酸性ムコ多糖類(ii)1〜3000重量部、清涼化剤(iii)0.1〜300重量部及び甘味剤(iv)5〜10000重量部を含有する請求項1〜7のいずれかの項に記載の経口製剤。
  9. 甘味剤(iv)100重量部に対して、酸性ムコ多糖類(ii)0.1〜400重量部及び清涼化剤(iii)0.1〜250重量部を含有し、酸性ムコ多糖類(ii)と清涼化剤(iii)との割合(重量比)が、成分(ii)/成分(iii)=0.1/1〜100/1である請求項1〜8のいずれかの項に記載の経口製剤。
  10. 酸性ムコ多糖類(ii)が、(a)カラギーナンι、若しくは(b)カラギーナンιと、カラギーナンλ及び/又はカラギーナンκとの組合せである請求項1〜9のいずれかの項に記載の経口製剤。
  11. さらに(v)有機酸を含有する請求項1〜10のいずれかの項に記載の経口製剤。
  12. 有機酸(v)が、飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸及びオキシカルボン酸から選択された少なくとも一種又はその塩である請求項11記載の経口製剤。
  13. 有機酸(v)が、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸及びイソアスコルビン酸から選択された少なくとも一種又はその塩である請求項11記載の経口製剤。
  14. さらに(vi)旨み成分を含有する請求項1〜13のいずれかの項に記載の経口製剤。
  15. 旨み成分(vi)が、グルタミン酸及びイノシン酸から選択された少なくとも一種又はその塩である請求項14記載の経口製剤。
  16. さらに(vii)界面活性剤を含有する請求項1〜15のいずれかの項に記載の経口製剤。
  17. 界面活性剤(vii)が、ポリC2−3アルキレングリコール類、(ポリ)C2−3アルキレングリコールC8−26脂肪酸エステル及びグリセリンC8−26脂肪酸エステルから選択された少なくとも一種である請求項16記載の経口製剤。
  18. さらに(viii)香料を含有する請求項1〜17のいずれかの項に記載の経口製剤。
  19. 香料(viii)が、リンゴ、グレープ、ホワイトグレープ、グレープフルーツ及びカカオから選択された少なくとも一種である請求項18記載の経口製剤。
  20. 固形製剤である請求項1〜19のいずれかの項に記載の経口製剤。
  21. 液剤である請求項1〜19のいずれかの項に記載の経口製剤。
  22. 口腔内速崩錠である請求項1〜20のいずれかの項に記載の経口製剤。
  23. (i)苦味を有する薬効成分に、(ii)酸性ムコ多糖類、(iii)清涼化剤及び(iv)甘味剤を添加して、前記薬効成分(i)の苦味を抑制又は軽減する方法。
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