JP2008104398A - 低温ゲル化性ゼラチン - Google Patents

低温ゲル化性ゼラチン Download PDF

Info

Publication number
JP2008104398A
JP2008104398A JP2006289977A JP2006289977A JP2008104398A JP 2008104398 A JP2008104398 A JP 2008104398A JP 2006289977 A JP2006289977 A JP 2006289977A JP 2006289977 A JP2006289977 A JP 2006289977A JP 2008104398 A JP2008104398 A JP 2008104398A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gelatin
fish
cold water
temperature
derived
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006289977A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Suzuki
哲 鈴木
Shoji Sano
庄二 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippi Inc
Original Assignee
Nippi Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippi Inc filed Critical Nippi Inc
Priority to JP2006289977A priority Critical patent/JP2008104398A/ja
Publication of JP2008104398A publication Critical patent/JP2008104398A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】 冷水に対してママコにならずに溶解して、その直後にゲル化、ないし冷却してゲル化し、実用的なゼリー強度を持つインスタントゼラチン、ないし実用的なゼリー強度を持ち、不溶解部分による外観の不透明感や口中ザラツキ感がない均一なゲルを与えることができる、ゼラチンを提供すること。
【解決手段】 ゼラチン原料を主成分とし、温度15℃以下の冷水に溶解可能であり、当該溶解温度又はゲル化温度より低い温度でゲル化する魚由来のゼラチン、及びゲル化能力のある魚ゼラチンを無定形分子状態のまま乾燥する乾燥・粉砕工程を備える、ゼラチンの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゼラチンの低温でのゾルゲル変換という特長を活かした、即時ゲル化性基材に関し、詳細には、冷水に対してママコにならずに溶解して、その直後にゲル化するか、さらに冷却してゲル化し、実用的なゼリー強度を持つ即時ゲル化性ゼラチン、あるいは実用的なゼリー強度を持ち、不溶解部分による外観の不透明感や口中ザラツキ感がない均一なゲルを与えることができる、魚由来のゼラチンに関する。
従来、粉末供給の即席低温ゲル食品は、粉乳の酸による凝固を利用したもの、一部の増粘多糖類を凝固剤とプレミックスしたもの、ないしプレミックスを牛乳のカルシウムと混合したもの(特許文献1を参照)等、対象素材が限定的なものであり、ゲル化剤を要するために一般的になっていない。
寒天は物理操作のみでゲル化するが、溶解が困難であり、比較的低温で物理的ゾルゲル変換を行う特長を持つゼラチンに対する期待が大きい。
ゼラチンは通常は粉末として供され、医薬品用、健康食品用のソフトカプセル、ハードカプセルやグミゼリー、ソフトキャンディー、マシュマロ、テーブルゼリーなどの菓子向け、ヨーグルト、ヌードルなどの食品向け等、多岐に渡って利用されているが、使用に当たってはお湯に溶解し、冷水ないし冷蔵庫で冷却ゲル化することを常としている。
ゼラチンは溶解が完全でないとゲル化力の発現が得られないため、通常は液をゼラチンの融解温度以上の温度に加熱し、溶解後にこの熱溶液を冷却してゲルを得ている。この場合、ゼラチン粉末は湯に加えるとママコとなって溶解が困難となるため、冷水に膨潤した後に加熱溶解していたが、近年、即溶性の要請から、強撹拌しながら湯に直接投入して膨潤時間を短縮する方法がとられている。又、調理などの実際では撹拌が困難なこともあり、造粒による分散性の改善がなされている。
しかし、これらの方法では何らかの加熱操作を伴うため、冷水に可溶なゼラチンの要求がなされてきた。例えば、ゼラチンを冷水可溶化するために、ゼラチンを溶液中の無定形分子状態のままで、冷却によるゲル状態をとらせないで乾燥する、所謂ホットタイプゼラチンを使用することが提案された(特許文献2を参照)が、今日の家庭用冷蔵庫、業務用冷蔵庫及び冷蔵水使用による調理形態の変化及び食品製造工程中の静菌及び変質防止の要請による冷水溶解・ゲル化の品質要求に応えられないものとなっていた。即ち、この提案では牛骨と豚皮由来のホットタイプゼラチンを噴霧乾燥やドラム乾燥により作り、18℃の冷水可溶ゼラチン組成物を得ている。しかし、前述より18℃は冷水としての目的を果たしていない。
以下にこの系列に属する技術を列記するが、何れも同様の概念のもとになされたものであり、冷蔵水ないし氷水に可溶で即ゲル化するという今日的品質要求を満たし、インスタントゲル食品に好適なゼラチンはいまだ得られていないのが現状である。また、冷水の温度、溶解状態などの点だけをとっても、前述の今日的品質要求に応えられていない。
ゼラチンを圧縮加熱機で押出膨化させてホットタイプゼラチンを作り(特許文献3を参照)、3倍量の粉糖と粉体混合して15℃、更に酸性物質の付加で13℃の水に可溶を達したとしているが、いまだ溶解性能の面で不十分であり、また13℃は要請に対し十分な温度とは言えず、より低温の冷水にも可溶なことが要求されている。
近年、ドラム乾燥に関連して乾燥前溶液を等電点に保持することが適当であると示された(特許文献4を参照)が、牛骨ゼラチンを用いた実施例では溶解温度に関する改善は見られていない。
ゼラチン溶液を瞬時冷却して、溶液中の無定形分子のままで乾燥することも試みられている。通常の凍結乾燥ではゲルの形成が進行してゼラチン分子のミセル構造が完成するため、これを崩壊させるには加熱溶解が必要となる。ゼラチン溶液を冷却ドラム面にスプレーして瞬時凍結することによりゲル形成を妨げる方法も提案された(特許文献5を参照)が、瞬時冷却時にゲル状態を経るため完全に無定形とはなりえず、20℃の冷水に希薄に溶解するのみであり、低温溶解の目的を達していない。
近年、−20℃の冷却体に薄く挟み込んで瞬時冷却する方法が提案された(特許文献6を参照)が、特殊な装置とコストを要しても15℃の冷水にしか可溶となっていない。
これらのゼラチン自体を冷水可溶化する試みに対し、ゼラチンを組成物として冷水可溶を実現しようとする下記の動きもあったが、冷水の程度が十分ではなくて、目的を果たしていない。
例えば、ゼラチンを糖液とともに噴霧乾燥する方法は古くから公知となっているが、乾燥粒子が繊維状になるために実用化されていない。又、ゼラチンを食品に添加したミックスを作り、そのミックスを冷水可溶化する製造法も提案されている(特許文献7を参照)が、冷水溶解例は13℃でしかなく、より低温の冷水に対する溶解性が不十分である。又、これらの場合は食品の高温乾燥の結果としてゼラチンも無定形化されているが、ゼラチンの使用割合は全体に比べて小さく、又、初めに食品組成が決定されるため、その製法上の自由が非常に制約されて、ゼラチンを冷水可溶化して種々の食品に適用する方法とは全く別の範疇となっている。
また、この提案(特許文献7)では界面活性剤を組成として含むことを必須条件としている。粉末ゼラチンの冷水可溶性を増すためには、ゼラチン分子の冷水可溶能力を高めることとともに、個々のゼラチン粒子が速やかに水に溶解する必要があり、製品の細かい粒度が求められるが、この結果として粉体表面の水濡れが悪くてママコになり易くなる。 冷水可溶性ミックスの水分散性が良いことは必須であるが、水溶性物質物や酸及びその塩を組成物として含有させて乾燥させることにより、あるいは直接的に湿潤剤として界面活性剤を添加して水分散性を改善することは一般に行われていることであり、ゼラチン自体の水分散性の改善による冷水可溶性向上とは異なっている。
これに対し、ホットタイプゼラチンを、少量のゼラチン加水分解物ないし水溶性物質をバインダーとして顆粒化することにより水分散性を促進し、ゼラチンの冷水可溶性を実用的に改善する方法が示され(特許文献8を参照)、10℃の冷水に可溶となる効果はあったが、完全には溶解していない。
魚からコラーゲン物質を抽出することは昔から行われて、魚膠と称されていたが、外見、臭い、純度、物性など、現在のゼラチンと全く異なっていた。(「改訂版にかわとゼラチン」:日本にかわ・ゼラチン工業組合発行)近年に入り魚ゼラチンが工業化されているが、その融点が低く、ゲル化力が通常のゼラチンの測定法は適用できず、接着剤や酒の除濁剤など、用途としてもむしろ加水分解ゼラチンの用途と同じ範疇に入る物であった。(非特許文献1を参照)
しかし最近、BSEによる原料多様化志向の中で、魚原料の見直しが行われ、特に温・熱帯の高温水域に棲息する魚の利用が試みられて、魚由来ゼラチンとして実用化されている(特許文献9)が、高価格の割に特長がないことから一般的になっていないのが現状である。
特開平6-237710号公報 特開昭48-80767号公報 特開昭62-295978号公報 特開2003-206448号公報 特開昭48-65251号公報 特開平7-157718号公報 特開昭61-254155号公報 特開2001-181580号公報 特開2000-189065号公報 (Photographic Gelatin:Proceedings of 5th RPS Symposium, Oxford 1985)
本発明は、上記従来技術の欠点を解決し、冷水に対してママコにならずに溶解して、その直後にゲル化、ないしさらに冷却してゲル化し、実用的なゼリー強度を持つ即時ゲル化性ゼラチン、ないし実用的なゼリー強度を持ち、不溶解部分による外観の不透明感や口中ザラツキ感がない均一なゲルを与えることができる、ゼラチンを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、魚由来のゼラチン原料を、ゲル状態を経ないで無定形分子状態で乾燥させると、冷水可溶、即時ゲル化性の機能を有するゼラチンが得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、温度15℃以下の冷水、好ましくは、13℃以下の冷水、より好ましくは、10℃以下の冷水、さらに好ましくは、5℃以下の冷水、最も好ましくは0℃の冷水に溶け、当該溶解温度又はゲル化温度より低い温度に冷却することによりゲル化する魚由来ゼラチンにある。
さらに、本発明はゲル化能力のある魚由来のゼラチン原料を、ゲル状態を経ないで無定形分子状態で乾燥させてなる、上記の冷水で溶解し、即時ゲル化する魚由来ゼラチンにある。
さらに、本発明は、上記の冷水で溶解し、即時ゲル化する魚由来ゼラチンをゲル化力発現成分として含有してなる組成物にある。
また、本発明は、上記の冷水で溶解し、即時ゲル化する魚由来ゼラチンの製造方法であって、ゲル化能力のある魚ゼラチンを無定形分子状態のまま乾燥する乾燥・粉砕工程を備える、ゼラチンの製造方法にあり、所望に応じ、前記乾燥・粉砕工程の後、得られたゼラチンを顆粒化する工程を備える、ゼラチンの製造方法にある。
本発明により得られる魚由来冷水可溶性、即時ゲル化性ゼラチンは15℃以下の冷水、好ましくは13℃以下の冷水、より好ましくは10℃以下の冷水、更に好ましくは5℃以下の冷水、最も好ましくは0℃の氷水に可溶化して、即ちママコにならずに溶解して、その直後にゲル化、ないし冷却してゲル化し、実用的なゼリー強度を持つインスタントゼラチン、ないし実用的なゼリー強度を持ち、不溶解部分による外観の不透明感や口中ザラツキ感がない均一なゲルを与えることができる。例えば、氷水に10〜20秒で溶解し、その後50〜60秒でゲル化するゼラチンが得られる。
また、本発明においては、更に顆粒化することにより、より冷水可溶化能が改善され、水分散性が良好なゼラチンが得られる。
本発明のゼラチンは、冷蔵水ないし氷水に可溶で即時ゲル化するため、業務用、家庭用のインスタントミックス食品、デザート、冷菓などへの使用の拡大が期待できる。
本発明の冷水可溶・即ゲル化性ゼラチンを用いればインスタントゲル食品、インスタントミックス食品、デザートミックスへの使用拡大、加熱操作を嫌うサラダ、マヨネーズなど使用のチルド品への使用拡大が期待される。
また、本発明によれば、溶解からゲル化までの作業の全てを冷蔵庫内温度で実施でき、ゼラチン加工食品の防腐対策に画期的な効果をもたらす。
本発明は、ゼラチン溶解時の加熱操作とゲル化時の冷却操作をなくしてゼラチン使用を容易ならしめ、加熱を嫌うサラダ、マヨネーズなど使用のチルド品やホイップへの用途拡大、及びエネルギーとマンパワーコストの削減によりゼラチンの使用拡大を図ることができる。
理論に束縛されるものではないが、本発明のゼラチンの冷水可溶性、即時ゲル化性の機能は以下のように、ゼラチン分子のアミノ酸組成に基づいていると想われる。
すなわち、コラーゲン分子は三本のポリペプチド鎖から成り立っているが、その構成分子鎖のアミノ酸組成は、プロリンとヒドロキシプロリンのイミノ酸含量が他の蛋白質に比べて特に多いことを特徴としている。イミノ酸は5員環を持つことによりα炭素の周りの回転が束縛されるために分子形態の自由度が小さく、イミノ酸を多く含んだポリペプチド鎖はポリプロリン様の伸びた剛直な構造、ランダムコイルと対照的な構造をとることになる。この構成分子の拘束された分子形態は安定で、それらが特徴的な三重螺旋構造をとると共にコラーゲンの構造安定の基となり、体内において硬蛋白質として体構造を支える役割を果たしている。
この構造はコラーゲンの変性したゼラチンでも保持され、冷却ゲル化はゼラチン分子がこのコラーゲン構造を部分的に再構築することにより生じ、例えばゲルの結節点であるこの構造が多くて大きいことは高ゼリー強度として反映される。
又、ゼラチンは溶液状態であってもポリプロリン様の剛直な分子形態から、ランダムコイルとはならずに、コラーゲン構造を取ろうとする傾向が強く、低温では凝固点以上の液状でも部分的にコラーゲン構造を回復していることが粘度や旋光度などの経時変化から知られている。
一方、魚由来ゼラチンはほ乳類由来ゼラチンに比べてアミノ酸組成の中のプロリン、ヒドロキシプロリンのイミノ酸含量が少ないためにゲルの安定性が悪く、凝固温度、融解温度が低くなっている。例えばテラピアの鱗から抽出したゼラチンでは、20.6モル%(ニッピバイオマトリックス研究所測定:以下同様)のイミノ酸を含んでいるが、ほ乳類ゼラチンの22.3モル%の92%にしかならない。
本発明者らは、これらの事実に着目し更に検討した結果、ゼラチン鎖の自由度はこれらのイミノ酸残基が少ない魚由来ゼラチンの方が、通常のほ乳類由来ゼラチンより大きく、無定形分子状態ではほ乳類由来ゼラチンの分子鎖よりもよりランダムな形状の分子鎖であり、このことは大きな溶解性を示すと想定された。また、このフレキシブルな分子鎖は冷水中でもほ乳類由来ゼラチンの分子鎖よりランダムであり、液中構造をとらないために溶解のエネルギー差が大きく、大きな溶解性を獲得すると想定された。従って、ゲル化能力がある魚由来ゼラチンのほ乳類由来ゼラチンに対する、無定形分子化による水への低温溶解性の改善効果の大きさは、コラーゲン構造の安定性の差に起因する融点の差よりも相乗的に大きいと推定された。
本発明は魚由来ゼラチン分子の構造的特長を無定形分子状態と組み合わせることにより、従来の概念を超える冷水溶解性、即時ゲル化性ゼラチンを得ることに成功したことを本質的特徴とする。従って、原料となる魚の種類や部位に関係しない。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のゼラチンは、魚由来ゼラチン原料を主成分とし、温度15℃以下の冷水に可溶であり、当該溶解温度以下又はゲル化温度より低い温度でゲル化することを特徴とする。
上記冷水としては、13℃以下の冷水であるのが好ましく、10℃以下のす冷水であるのがさらに好ましく、5℃以下の冷水であるのがさらにより好ましく、0℃の氷水であるのが最も好ましい。
ここで、「可溶」とは、冷水分散性がよくてママコにならずに溶解することをいい、このように溶解したゼラチン溶液は、冷却した後には実用的なゼリー強度を持つ、不溶解部分による外観の不透明感がなく、食して口中で滑らかなザラツキ感がない均一なゲルを与えるような溶解状態を得ることができる。
ゲル化温度は当該溶解温度で溶解した後、ゲル化に必要な最低の温度であるが、好ましくは当該溶解温度以下である。
本発明のゼラチンにより得られるゲルのゼリー強度は、「JISK6503にかわ及びゼラチン」に記されたゼラチンのゼリー強度試験法による測定したとき、20ブルーム(g)以上、好ましくは40ブルーム(g)以上、更に好ましくは60ブルーム(g)以上であるのが好ましい。
本発明のゼラチンを製造するための原料は、高温水域に棲息する魚を原料としたゼラチンを利用することができるが、例を挙げれば、テラピア、イトヨリダイ、アカマツダイ、ナイルパーチ、草魚、鯰、鯉、鮪などがある。利用部位も鱗、皮、骨、浮き袋を問わず、当該ゼリー強度を有するものは全てのコラーゲン含有部位が使用可能である。
本発明に使用する、高温水域に棲息する魚由来ゼラチンのイミノ残基の量はほ乳類由来ゼラチンより少なく、冷水域棲息魚由来ゼラチンより多いことが必要であるが、魚由来ゼラチンのイミノ残基の量は常にほ乳類由来ゼラチンより少ないので、冷水域棲息魚由来ゼラチンより多い事のみが必要条件となり、16モル%以上、好ましくは17モル%以上とされるが、アミノ酸分析の精度によりこの値は変動するので、実用的には規定できない。実用としては凝固点が挙げられ、凝固点はJIS法10℃以上、好ましくは14℃以上とされるが、測定精度から境界を規定するには困難がある。
前述したように、本発明の効果はゼラチンが冷水に溶解し、更に即時ないし冷却した場合にゲル化し、そのゼリー強度を有効に使用することにあり、ゼラチン自体が十分なゼリー強度を持つことを本質的な内容としている。従って、本発明の利用形態からして、使用するゼラチンをゼリー強度で規定することが最も的確であると言える。本発明に使用する魚由来ゼラチンとは「JISK6503にかわ及びゼラチン」に記されたゼラチンのゼリー強度試験法によって、ゼリー強度が20ブルーム(g)以上、好ましくは40ブルーム(g)以上、更に好ましくは60ブルーム(g)以上である魚由来ゼラチンを指し、魚の種類は海産、淡水産を問わずに当該ゼリー強度を有するものは全ての種類で使用可能である。
本発明のゼラチンは、ゲル化能力のある魚由来のゼラチン原料を、ゲル状態を経ないで無定形分子状態で乾燥させてなるのが好ましい。以下、本発明のゼラチンの製造法について詳細に説明する。
一般に、ゼラチンの製造において、抽出を数回に渡り繰り返し、その度に抽出温度を段階的に上昇させることを常法としている。ゼリー強度は初めの抽出ゼラチンが高く、順次低下し、これらは市販では上級品、中級品、低級品として扱われている。魚由来ゼラチンにおいても、低級ゼラチンではアミノ酸組成に殆ど変化がなく、加水分解による分子量の低下により、実用上殆ど有効でないほど低いゼリー強度しか持たない魚由来ゼラチンが存在する。また、魚由来ゼラチンまたは魚由来コラーゲンを部分加水分解した加水分解魚由来ゼラチン、所謂魚由来コラーゲンペプチドについても、アミノ酸組成が殆ど同じで分子量の低下によりゲル化しないものが存在する。これらの事実から、本発明に使用できる魚由来のゼラチン原料は、ゲル化能力を持つゼラチンである必要がある。
ゼラチンの無定形分子状態の乾燥品とは、広角X線回折パターンとして無定形に特徴的なハローパターンを与えるようなホット乾燥膜(「改訂版にかわとゼラチン」:日本にかわ・ゼラチン工業組合発行)と基本的に同様なものであると言える。魚由来ゼラチン液を冷却によるゲル状態を経ないで、無定形分子状態のまま直接に乾燥する方法は、無定形分子状態の製品を作り出せる全てのものを使用可能であるが、実用的に選択する場合に、好ましくは次のようなことを考慮して選択する。
ゲル化能力を持たない魚由来ゼラチンに使用されている、加熱あるいは赤外線を用いたプレート式蒸発乾燥機は製品のゼリー強度の劣化が激しくなるので適当ではない。噴霧乾燥機は溶液濃度を高くできないためにコスト的に不利であり、製品の形状が泡を抱いた繊維状になるので水分散性が悪く、適当ではない。連続式真空乾燥機は70〜80℃の比較的高温に一定時間保つことによるゼリー強度の劣化があると共に、他の成分を含まないゼラチンのみの場合は、減率乾燥に入る前に粘度が急激に上昇して水分の蒸発が悪くなり、完全に乾燥することが困難になるため適当ではない。高周波乾燥は水分の多い場合の乾燥には不適で、特にゼラチンの場合は、支持体との付着の問題があり、適当ではない。加熱吐出成形機は乾燥機ではないが、ゼラチンに利用する場合、水分と温度による膨化の安定性に欠け、大量処理にも不利なために実用化されていない。したがって、現状で実用できる乾燥方法には常圧回転ドラム乾燥があり、好ましくはシングルドラムの塗布式で、塗布ロールによるドラムの伝熱を最小に抑えたものが使用できる。
ゼラチンの冷水可溶化を実用的に考慮する場合、素材となるゼラチンが冷水に可溶であることが必須条件であるが、水に濡れやすく、水に対する分散性が良いことが重要な要件となる。
本発明で冷水可溶とは、上述したように、冷水分散性がよくてママコにならずに溶解して、冷却した後には実用的なゼリー強度を持つ、不溶解部分による外観の不透明感がなく、食して口中で滑らかでザラツキ感がない均一なゲルを与えるような溶解状態を得ることを言う。
本発明はゼラチンの水に対する分散性を効果的に達成するために、水溶性物質をバインダーとして造粒した、ゲル化能力のある魚由来ゼラチンを無定形分子状態のまま乾燥した後、顆粒化するのが好ましい。
無定形分子状態のゼラチンを顆粒化する方法は、粉体粒子を造粒できる全てのものを使用可能であるが、実用的に選択する場合に好ましくは次のようなことを考慮して選択する。
撹拌混合造粒は水供給の調節が不安定で、吸湿性のゼラチンには適当でない。圧縮成形造粒機は顆粒粒子の結着が悪いこととそのために粒度が不安定になり、適当でない。押出造粒機は粒度が粗いため再粉砕が必要となり、適当でない。噴霧造粒機は粒形が泡を抱くために、適当でない。したがって、現状で実用できる造粒方法には流動乾燥造粒があり、好ましくは循環流を伴わない連続供給式のものが使用できる。
造粒は水の供給により粒子表面を部分溶解し、粒子間を付着することにより行われるが、水溶性物質をバインダーとして用いることにより粒子の濡れスピードが向上し、分散性の良好な造粒となる。本発明の造粒では付着促進能のある水溶性物質を使用可能であるが、好ましくはコラーゲンを部分加水分解した加水分解ゼラチン、所謂コラーゲンペプチド、更に好ましくは魚由来コラーゲンないしゼラチンを加水分解した魚由来コラーゲンペプチドを使用することができる。ゼラチンペプチドと組合せないし単独で使用できる水溶性物質としてはアミノ酸とその塩類、糖類、加工澱粉類、無機塩類、ビタミン類、有機酸とその塩類、界面活性剤類などが挙げられるが、好ましくは糖類、加工澱粉類、界面活性剤類とその組合せから選ぶことができる。
さらに具体的に、本発明のゲル化能力のある魚由来ゼラチンを無定形分子状態のまま乾燥した冷水可溶・即ゲル化性ゼラチンの製造方法を説明する。
テラピア、イトヨリダイ、アカマツダイ、ナイルパーチ、草魚、鯉などの乾燥鱗及び鮪、鯰の乾燥脱脂骨を牛骨などと同様の方法で希塩酸で脱灰した後、水洗して酸を除いて抽出する。これらの原料は抽出前に乾燥し、無機物を除去した状態で保存した後、必要に応じて半日水戻しして使用することができる。テラピア、イトヨリダイ、アカマツダイ、ナイルパーチ、草魚、鯰などの乾燥魚皮は水戻した後、水洗して、pHを調整した後抽出する。抽出は40〜90℃の湯で温度を段階的に上げて、2、3回繰り返し行う。抽出したゼラチン液を常法により、ろ過した後、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂により脱塩し、濃縮した後、塩酸又は水酸化ナトリウムでpH調整し、加熱殺菌機で滅菌し、ドラム乾燥機で乾燥する。このとき、乾燥を通常のゲル化法乾燥で行い、乾燥ゼラチンとして保存し、必要に応じて変性温度より十分高い温度で溶解して、ドラム乾燥機で乾燥することも可能である。
本発明のドラム乾燥ではドラム表面温度を約110℃近辺の比較的低温に保ち、塗布からスクレーパによる掻き落としまでを約60秒の短時間にすることが、ゼリー強度を劣化させないために選択される。塗布は回転ロールにより液溜まりから汲み上げるように行われるが、保液量を多くしないようにする。魚由来ゼラチンでは保液温度を低くして液物性の劣化を防ぐことができる。乾燥フレークはハンマークラッシャーにより50メッシュパス、好ましくは70メッシュパス、更に好ましくは80メッシュパスに粉砕される。
本発明は無定形分子状態のまま乾燥させた魚由来ゼラチンを水溶性物質をバインダーとして造粒することが好ましい。
微粉砕した無定形分子状態の魚由来ゼラチンを流動層造粒機で造粒できる。造粒は、造粒中の低温吸湿により無定形分子状態が消失することを防止する必要があり、流動化空気温度を変性温度より十分高い約60℃に保ち、開始時にゼラチン層温度が十分上昇した後、バインダー液の供給を行い、最後の乾燥が終了するまで温度を維持して行われる。バインダー溶液は約60℃の温度を保ち、スプレー供給は間歇で乾燥と繰り返し、湿度が粒子表面に留まるように行うことが必要である。
バインダーとして水に加えることができる水溶性物質は、上述したように、好ましくはコラーゲンを部分加水分解した加水分解ゼラチン、所謂コラーゲンペプチド、更に好ましくは魚由来コラーゲンないしゼラチンを加水分解した魚由来コラーゲンペプチドを使用することができる。ペプチドは酸、アルカリ、酵素の何れで分解したものも使用できるが、大きさは粘度がスプレーに適し、十分付着性を持つがゲル化能力のない、平均分子量500〜15,000の間で選ぶことができる。バインダー溶液の濃度は水溶性物質の粘度により異なり、スプレーに適した5〜50%の間で選ぶことができる。
コラーゲンペプチドと組合せないし単独で使用できる水溶性物質としてはアミノ酸とその塩類、糖類、加工澱粉類、無機塩類、ビタミン類、有機酸とその塩類、界面活性剤類などが挙げられるが、好ましくは糖類、加工澱粉類、界面活性剤類とその組合せから選ぶことができる。
本発明は又、無定形分子状態のゼラチンと粉体食品素材を混合し、水溶性物質をバインダーとして造粒した、無定形ゼラチン顆粒組成物を与えることができる。本組成物は、使用する粉体素材の適した用途に限定されるが、更に良好な分散性が期待できる。
本発明は、上記のようにして得られたゲル化能力のある魚由来ゼラチンをゲル化力発現成分として含有してなる食品組成物を提供する。例えば、当該組成物には、インスタントゲル食品、インスタントミックス食品、デザートミックス、加熱操作を嫌うサラダ、マヨネーズなど使用のチルド製品等がある。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:無定形粉末状の魚由来ゼラチン(テラピア鱗)の製造方法
<原料処理工程>
新鮮なテラピア鱗5kgを水洗浄し、一旦水をきった後、水24Lと35%濃度塩酸1.6Lを加えた。2時間攪拌したのち、一旦リン酸カルシウムが溶け込んだ塩酸を取り除き、洗浄水のpHが6以上になるまで洗浄を行った。
<抽出・精製工程>
水をきったあと、熱水を12L加え、5時間、73℃で抽出した。抽出したゼラチン溶液について、原料屑、ゴミを除く為に圧搾した綿繊維にてろ過し、脱色、臭い除去のためイオン交換処理を施した。30%濃度まで濃縮し、ゼラチン水溶液を得た。
<乾燥・粉砕工程>
得られたゼラチン水溶液をドラムドライヤー(パウレック社製)のドラム表面に塗布し、蒸気圧2.0kg/cm2、表面温度110℃、ドラム回転1rpmで乾燥させ、無定形シート状魚由来ゼラチンを得た。得られた無定形シート状魚由来ゼラチンを小型粉砕機(アズワン(株)社製、SM-1)で回転数14000rpmで粉砕し、50メッシュの篩いを通し、無定形粉末状の魚由来のゼラチンを得た。
得られたゼラチンのゼリー強度、凝固点温度、融点を測定した。その結果を表1に示す。
(冷水溶解試験1)
100mlビーカーに60ml水とマグネティックスターラーチップを入れ、5℃に冷却した。1.7g乾燥ゼラチン粉末と11.9g砂糖の混合粉末を加え、3分間撹拌して溶解し、冷水溶解状況を官能検査にて評価した。その後、ラップで密封して冷蔵庫(5℃)で一晩静置してゲル化させ、官能検査にてゲル化特性を評価した。その結果を表2に示す。
実施例2:無定形粉末状の魚由来ゼラチン(チャネルナマズ皮)
乾燥チャネル皮2kgに対し、苛性ソーダ83gを溶解した水30Lを加え、3時間水戻しおよび脱脂を行った。脱脂後、pH8以下になるまで水洗し、塩酸18mLを加えて残留するアルカリを中和した。中和した塩類を含む水を取り除き、熱水を加え、66℃で4時間ゼラチンを抽出して、原料処理工程及び抽出・精製工程を行った。これ以外は実施例1と同様に乾燥・粉砕工程を行い、無定形の魚由来のゼラチンを得た。得られたゼラチンのゼリー強度、凝固点温度、融点を測定した。その結果を表1に示す。また、実施例1と同様の方法で冷水溶解性を評価した。その結果を、表2に示す。
実施例3:冷水可溶性顆粒状の魚由来ゼラチン
<顆粒化工程>
実施例1にて得られた無定形粉末状の魚由来ゼラチンを流動層造粒乾燥機(パウレック社製、商品名「AEROMATIC」)に150g仕込み、送風温度70℃、送風量を約45m3/時間にして、粉末を流動化状態にしながら、水溶性物質として日澱化学社製の酵素変性デキストリン、商品名「アミコ−ル」を10重量%濃度で、60℃で溶解して得られた水溶液を、スプレ−圧1.5kg/cm、スプレ−量7ml/分で使用量10gとなるようにスプレ−し顆粒化した。その後、20メッシュ篩いを用いてふるいにかけ、通過品を本発明の冷水可溶性顆粒状の魚由来ゼラチンとして得た。得られたゼラチンのゼリー強度、凝固点温度、融点を測定した。その結果を表1に示す。
(冷水溶解試験2)
ビーカーに水を入れ、5℃に冷却した。冷水に冷水可溶性顆粒状魚ゼラチンを加え、撹拌棒にて20秒撹拌して溶解し、冷水溶解状況を官能検査にて評価した。その後、ラップで密封して冷蔵庫(5℃)で一晩静置してゲル化させ、ゲルの官能検査、透過率、ゼリー強度測定を行い、ゲル化特性を評価した。その結果を、表3に示す。
(氷水溶解試験)
ビーカーに氷を入れ、氷が残るように水道水を加えて0℃に冷却した。氷水に冷水可溶性顆粒状魚由来ゼラチンを加え、攪拌棒で20秒攪拌して溶解し、そのまま静置してゲル化するまでの時間を計測した。ビーカーを逆さにしても落下しなくなる状態をゲル化状態と定義した。氷水でのゲル化性能を評価した。その結果を表4に示す。
実施例4:冷水可溶性顆粒状魚ゼラチンの製造方法
実施例3と同様にして、顆粒化工程を行った。すなわち、酵素変性デキストリン、商品名「アミコ−ル」を30重量%濃度で、60℃で溶解して得られた水溶液を、スプレ−圧1.5kg/cm、スプレ−量7ml/分で使用量30gとなるようにスプレ−し、冷水可溶性顆粒状魚由来ゼラチンとして得た。得られた冷水可溶性顆粒状魚由来ゼラチンについて、実施例3と同様の評価を行った。その結果を表3および表4に示す。
実施例5:冷水可溶性ゲル化お茶ゼリーの素の製造方法
実施例3の流動層造粒乾燥機に実施例1で得られた無定形粉末状の魚由来ゼラチン150gとカテキン粉末7.5gの混合粉末を仕込み、バインダーとして酵素変性デキストリンを使用して、温度60℃、22.5重量%の水溶液を調製し、使用量22.5gになるように実施例3と同様な方法でスプレーして顆粒化、篩いがけし、冷水可溶性ゲル化お茶の素を得た。得られたお茶ゼリーの素について実施例3と同様の評価を行った。その結果を表3および表4に示す。
比較例1:豚由来ゼラチン
豚皮酸性処理ゼラチン(ゼリー強度220ブル−ム、粘度3.6mPa・s)2kgを蒸留水4.7Lに30分膨潤させてから60℃に加熱して溶解させて、ゼラチン水溶液を得た。この水溶液を実施例1と同じ方法で乾燥、粉砕し、無定形粉末状豚ゼラチンを得た。実施例1と同様の方法で冷水溶解性を評価した。その結果を表2に示す。
比較例2:冷水可溶性顆粒状豚ゼラチン
比較例1で得られた無定形粉末状豚ゼラチンを実施例4と同じ方法で造粒し、冷水可溶性顆粒状豚ゼラチンを得た。実施例3と同様の評価を行った。その結果を表3および表4に示す。
比較例3:冷水可溶性ゲル化お茶ゼリーの素(豚由来ゼラチン使用)
比較例1で得られた無定形粉末状豚ゼラチンを、実施例5と同様の方法でお茶粉末をブレンドしてから顆粒化し、冷水可溶性ゲル化お茶ゼリー(豚由来ゼラチン使用)を得た。実施例3と同様の評価を行った。その結果を表3および表4に示す。
比較例4:通常のゲル化乾燥魚由来ゼラチン顆粒品
抽出・精製工程まで実施例1と同様に実施した。ゼラチン溶液を冷蔵庫で8時間冷却してゲル化させ、5mm角程度に粉砕後、27℃の除湿した空気を吹き付けて乾燥した。乾燥後のゼラチンを実施例と同じ方法で粉砕した。得られた粉末状魚ゼラチンを実施例3と同じ方法で造粒し、顆粒状魚ゼラチンを得た。実施例3と同様の評価を行った。その結果を表3および表4に示す。
比較例5:バインダーに水溶性物質未使用
実施例1で得られた無定形粉末状魚ゼラチンについて、実施例4と同様の方法で、60℃の湯60mLをバインダーとして使用し、顆粒状魚ゼラチンを得た。実施例3と同様の評価を行った。その結果を表3および表4に示した。
Figure 2008104398
Figure 2008104398
Figure 2008104398
*1 実施例3に記載した評価方法
*2 1:粉末がほとんど溶解し、増粘する 2:粉末の一部がままことして残る 3:ほとんどの粉末がままこもしくは膨潤状態で残る
*3 1:ゲル化し口中でぷりぷり感が得られた 2:ゲル化し口中で若干ぷりぷり感が得られた。 3:形は保持されるが、口中ですぐ崩れた 4:ゲル化しなかった。
*4 低温溶解ゲルのゼリー強度をJIS法のゼリー強度で除した値。数値が高いほうが、低温で溶解し、強固なゲルを形成していることを示す。
但し、JIS法のゼリー強度測定においては、当該溶解温度で保持した場合の測定値。
*5 ゲル透過率は6・2/3%濃度でゼラチンを冷水中で溶解し、すぐにセルに移し冷却、ゲル化させたあと、分光光度計を使用し、透過率を測定した。
測定手順は温度以外はJIS−K-6503-2001に従って行った。
*6 比較例4および5については、ゼラチン粒が溶解せず、沈殿もしくはダマを形成して浮上したため、ゲル透過率およびゼリー強度を測定することができなかった。
Figure 2008104398

Claims (8)

  1. 温度15℃以下の冷水に溶け、当該溶解温度又はゲル化温度より低い温度に冷却することによりゲル化する魚由来ゼラチン。
  2. 上記冷水が13℃以下の冷水である請求項1記載のゼラチン。
  3. 上記冷水が0℃の氷水である請求項1又は2記載のゼラチン。
  4. ゲル化能力のある魚由来のゼラチン原料を、ゲル状態を経ないで無定形分子状態で乾燥させてなる、請求項1〜3のいずれかに記載のゼラチン。
  5. 顆粒状である請求項1〜4のいずれかに記載のゼラチン。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のゼラチンをゲル化力発現成分として含有してなる組成物。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の魚由来ゼラチンの製造方法であって、ゲル化能力のある魚ゼラチンを無定形分子状態のまま乾燥する乾燥・粉砕工程を備える、ゼラチンの製造方法。
  8. 前記乾燥・粉砕工程の後、得られたゼラチンを顆粒化する工程を備える、請求項5に記載のゼラチンの製造方法。
JP2006289977A 2006-10-25 2006-10-25 低温ゲル化性ゼラチン Pending JP2008104398A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006289977A JP2008104398A (ja) 2006-10-25 2006-10-25 低温ゲル化性ゼラチン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006289977A JP2008104398A (ja) 2006-10-25 2006-10-25 低温ゲル化性ゼラチン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008104398A true JP2008104398A (ja) 2008-05-08

Family

ID=39438276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006289977A Pending JP2008104398A (ja) 2006-10-25 2006-10-25 低温ゲル化性ゼラチン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008104398A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011136017A1 (ja) * 2010-04-27 2011-11-03 日清オイリオグループ株式会社 増粘剤造粒物及びその製造方法
WO2014112208A1 (ja) * 2013-01-18 2014-07-24 独立行政法人物質・材料研究機構 組織接着剤及びその製造方法
JP2015211653A (ja) * 2014-05-02 2015-11-26 株式会社明治 シリアルブロック菓子
JP2017214295A (ja) * 2016-05-30 2017-12-07 新田ゼラチン株式会社 魚ゼラチンの製造方法および魚ゼラチン
JP2018143173A (ja) * 2017-03-06 2018-09-20 フタムラ化学株式会社 茶類粘度抑制剤及びこれを含有するゼリー様茶類食品
CN110495514A (zh) * 2019-09-23 2019-11-26 江西师范大学 一种新型鱼明胶棉花糖的制备方法
CN111919951A (zh) * 2020-08-20 2020-11-13 深圳市阿麦斯食品科技有限公司 一种常温成型软糖及其制备方法
CN113424871A (zh) * 2021-06-23 2021-09-24 大洲新燕(厦门)生物科技有限公司 一种即食牛奶鱼胶冻及其制备方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000189095A (ja) * 1998-12-28 2000-07-11 Miyazaki Pref Gov J A Shokuhin Kaihatsu Kenkyusho 高カロテン含有有色甘藷入り味噌およびその製造方法
JP2001181580A (ja) * 1999-12-28 2001-07-03 Nippi:Kk 冷水可溶性顆粒状ゼラチン
JP2003521551A (ja) * 1997-12-26 2003-07-15 ワーナー−ランバート・カンパニー、リミテッド、ライアビリティ、カンパニー ゼラチン組成物
JP2006160654A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Nitta Gelatin Inc 魚ゼラチンの製造方法および魚ゼラチン
JP2006213624A (ja) * 2005-02-02 2006-08-17 Koken Co Ltd 魚皮の前処理方法
JP2006217876A (ja) * 2005-02-14 2006-08-24 Chisso Corp 魚鱗由来のゼラチンまたはコラーゲンペプチドの製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003521551A (ja) * 1997-12-26 2003-07-15 ワーナー−ランバート・カンパニー、リミテッド、ライアビリティ、カンパニー ゼラチン組成物
JP2000189095A (ja) * 1998-12-28 2000-07-11 Miyazaki Pref Gov J A Shokuhin Kaihatsu Kenkyusho 高カロテン含有有色甘藷入り味噌およびその製造方法
JP2001181580A (ja) * 1999-12-28 2001-07-03 Nippi:Kk 冷水可溶性顆粒状ゼラチン
JP2006160654A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Nitta Gelatin Inc 魚ゼラチンの製造方法および魚ゼラチン
JP2006213624A (ja) * 2005-02-02 2006-08-17 Koken Co Ltd 魚皮の前処理方法
JP2006217876A (ja) * 2005-02-14 2006-08-24 Chisso Corp 魚鱗由来のゼラチンまたはコラーゲンペプチドの製造方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011136017A1 (ja) * 2010-04-27 2011-11-03 日清オイリオグループ株式会社 増粘剤造粒物及びその製造方法
JP2011229440A (ja) * 2010-04-27 2011-11-17 Nisshin Oillio Group Ltd 増粘剤造粒物及びその製造方法
CN102883625A (zh) * 2010-04-27 2013-01-16 日清奥利友集团株式会社 增稠剂颗粒物及其制造方法
WO2014112208A1 (ja) * 2013-01-18 2014-07-24 独立行政法人物質・材料研究機構 組織接着剤及びその製造方法
JPWO2014112208A1 (ja) * 2013-01-18 2017-01-19 国立研究開発法人物質・材料研究機構 組織接着剤及びその製造方法
US10064973B2 (en) 2013-01-18 2018-09-04 National Institute For Materials Science Tissue adhesive and method for producing same
JP2015211653A (ja) * 2014-05-02 2015-11-26 株式会社明治 シリアルブロック菓子
JP2017214295A (ja) * 2016-05-30 2017-12-07 新田ゼラチン株式会社 魚ゼラチンの製造方法および魚ゼラチン
JP2018143173A (ja) * 2017-03-06 2018-09-20 フタムラ化学株式会社 茶類粘度抑制剤及びこれを含有するゼリー様茶類食品
CN110495514A (zh) * 2019-09-23 2019-11-26 江西师范大学 一种新型鱼明胶棉花糖的制备方法
CN111919951A (zh) * 2020-08-20 2020-11-13 深圳市阿麦斯食品科技有限公司 一种常温成型软糖及其制备方法
CN113424871A (zh) * 2021-06-23 2021-09-24 大洲新燕(厦门)生物科技有限公司 一种即食牛奶鱼胶冻及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008104398A (ja) 低温ゲル化性ゼラチン
JP4776867B2 (ja) カラギーナン及びカラギーナン生成物の製造
JP5095610B2 (ja) ホエープロテイン含有顆粒およびその製造方法
JP3188657B2 (ja) 錠剤又は顆粒状製品
US3904771A (en) Preparation of water soluble gelatin
Jones Gelatin: manufacture and physico-chemical
JP5361155B2 (ja) 分解ゼラチン粉末の製造方法および分解ゼラチン粉末
CN111511216A (zh) 蛋白质水解产物和制备方法
KR20180134375A (ko) 용해된 기능화제를 사용하여 알칼리 금속 카보네이트, 바이카보네이트 및 세스퀴카보네이트 제형을 제조하기 위한 압출 방법
JP2009171903A (ja) 顆粒状造粒物及びその製造方法
JP3958909B2 (ja) 冷水可溶性顆粒状ゼラチン
JPH07213250A (ja) 顆粒状調味料の製造法
JP2504888B2 (ja) 易溶性ゼラチンの製造方法
CN114867358A (zh) 明胶组合物、其制备方法及其用途
WO2016163259A1 (ja) ゼリー剤組成物及び食品
CN107072950A (zh) 明胶/果胶粒子
JPS61211385A (ja) 冷水可溶性ゼラチンの製造法
JPH01291765A (ja) コンニャクゼリー麺
JPS63198951A (ja) 食品素材及びその製造法
JPH09235209A (ja) 抗菌性固体組成物
Gudipati et al. Recovery of gelatin with improved functionality from seafood processing waste
JP2011142834A (ja) 粉末ミックス、食品および粉末ミックス用配合材料
JPH08116890A (ja) 可溶性ペクチン及びそれを用いた即席デザートミックスの製造法
JPH0423834A (ja) 熱湯への溶解性が改善されたゼラチン
WO2000072702A1 (fr) Compositions pour matieres granulaires artificielles, procede de production de matieres granulaires artificielles a partir desdites compositions et matieres granulaires artificielles ainsi obtenues

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090702

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100722

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100921

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101008