JP2008095793A - タッピンねじ用皮膜形成剤、同皮膜形成剤の調製方法、同皮膜形成剤を用いてタッピンねじの外周を被覆する皮膜を形成する皮膜形成方法、および、同皮膜形成剤にて形成された皮膜付きタッピンねじ - Google Patents

タッピンねじ用皮膜形成剤、同皮膜形成剤の調製方法、同皮膜形成剤を用いてタッピンねじの外周を被覆する皮膜を形成する皮膜形成方法、および、同皮膜形成剤にて形成された皮膜付きタッピンねじ Download PDF

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Abstract

【課題】タッピンねじのワークの下穴内へのねじ込み時に発生する雌ねじ成形屑を捕捉して、雌ねじ成形屑の周囲への飛散を防止し得る皮膜を、タッピンねじの外周に形成することができる皮膜形成剤、同皮膜形成剤にて形成された皮膜を有するタッピンねじを提供する。
【解決手段】当該皮膜形成剤は、モンタン酸カルシウム塩またはモンタン酸カルシウム塩を含有するモンタン酸類混合物、熱可塑性樹脂エマルジョン、および水を主要成分とする組成物である。当該皮膜形成剤によれば、タッピンねじの外周に潤滑機能および雌ねじ成形屑の捕捉機能を有する皮膜を形成することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、タッピンねじ用皮膜形成剤、同皮膜形成剤の調製方法、同皮膜形成剤を用いてタッピンねじの外周を被覆する皮膜を形成する皮膜形成方法、および、同皮膜形成剤にて形成された皮膜付きタッピンねじに関する。本発明において、タッピンねじとは、ねじ自身でねじ立てができるねじの総称をいう。
タッピンねじを使用して各種の部品をワーク上に取付ける取付方法として、ワークに形成されている下穴にタッピンねじをねじ込んでねじ立てし、部品をワークとタッピンねじの頭部との間で挟持して取付る取付方法がある。当該取付方法は、例えば、電子機器の小型の部品をワーク上に組付ける方法として一般化されている。当該取付方法を採用する場合に注意を要することは、タッピンねじをワークの下穴にねじ込む際に発生する粉状の屑(成形屑)の処理にある。当該取付方法において、タッピンねじをワークの下穴にねじ込んでいくと、タッピンねじが下穴を螺進するのに応じて下穴の内周面側に雌ねじが漸次成形され、これにより、ワークの材料が削られることに起因する雌ねじの成形屑が継続して発生する。発生した成形屑は、周囲に飛散して、組付けるべき部品やワーク上に落下することになる。部品やワーク上に落下した成形屑は、ワーク上に組付けた各種部品に対して悪影響を及ぼすおそれがある。ワークに組付けられる部品が例えば電子回路等である場合には、飛散している雌ねじ成形屑に起因して電子回路がショートし、機器類を破損させたり、焼損させる等のおそれがある。
このような問題を解決するには、タッピンねじをワークの下穴にねじ込む際に継続して発生する雌ねじ成形屑の飛散を何らかの手段で阻止して、雌ねじ成形屑を部品やワーク上に落下するのを防止する必要がある。雌ねじ成形屑を部品やワーク上に落下するのを防止する手段を備えたタッピンねじについては、すでに特許出願されて公開されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3等を参照)。
上記した特許文献に提案されている各タッピンねじは、その脚部である雄ねじ部に、エポキシ系接着剤をマイクロカプセルに封入してなる樹脂接着剤や、粘度が40〜100cP以内の吸収・吸着剤を主成分として封入してなるマイクロカプセルを含有する被覆材を塗布して、当該脚部の外周に当該樹脂接着剤や当該被覆材にて形成された皮膜を備えるものである。しかしながら、当該皮膜においては、皮膜を形成するための母剤についての記載がなく、皮膜を構成する組成成分の詳細は不明である。
当該樹脂接着剤のうち、その組成成分の一部が明確である樹脂接着剤にて形成された皮膜を有するタッピンねじを参照すると、当該皮膜は、エポキシ系接着剤を封入してなるマイクロカプセルを高密度に分布している樹脂接着剤にて形成されているものであって、当該タッピンねじをワークの下穴にねじ込んだ場合、雌ねじの形成時に付与される圧力によってマイクロカプセルが破壊されて、雌ねじ成形屑に対する接着作用を発揮するというものである。このため、当該タッピンねじをねじ込んで発生する雌ねじ成形屑は、当該皮膜が雌ねじの成形時の圧力の作用によって発揮する接着作用によって捕捉されて、雌ねじ成形屑の部品やワーク上への飛散を阻止すべく機能するものとしている。
特開2002−70824号公報 特開2002−257120号公報 特開2002−257121号公報
このように、上記した各特許文献にて提案されているタッピンねじの脚部である雄ねじ部の外周に形成されている皮膜については、その組成成分、特に、皮膜を形成するための母剤が不明であって、当該タッピンねじをワークの下穴にねじ込んだ場合に、皮膜が上記した雌ねじ成形屑の捕捉機能を十分に発揮し得るか否かは全く不明である。何故ならば、皮膜が雌ねじ成形屑の捕捉機能を発揮するには、当該皮膜には下記の特性を要求されるからである。
当該皮膜に要求される特性の第1は、タッピンねじのワークの下穴へのねじ込みが終了するまでの間、皮膜がタッピンねじの脚部の外周に強固に固着した状態にあって、タッピンねじの脚部の外周から決して脱落しないことにある。当該皮膜に要求される特性の第2は、タッピンねじのワークの下穴へのねじ込みが終了するまでの間、雌ねじが順次成形される際に生じる圧力により、皮膜が潜在的に有する接着機能をタイミングよく顕在化させることにある。当該皮膜に要求される特性の第3は、タッピンねじのワークの下穴へのねじ込み作業が一定の操作荷重にて円滑に行うことができる程度の潤滑機能を有していることにある。これらの特性を考慮すると、エポキシ系接着剤を封入してなるマイクロカプセルを高密度に分布している上記した樹脂接着剤にて形成される皮膜には、下記のごとき種々の問題が認められる。
当該皮膜を形成する皮膜形成剤の組成成分が不明であるため、当該皮膜のタッピンねじの脚部に対する接着強度を云々することはできないが、当該接着強度についての配慮は認められず、上記した第1の特性を備えているとは認められない。
当該皮膜を形成する皮膜形成剤は、エポキシ系接着剤を封入してなるマイクロカプセルを高密度に分布している樹脂接着剤であると主張している。かかる主張から、皮膜形成剤は、例えば、皮膜形成母剤である樹脂エマルジョンに多数のマイクロカプセルを分散させたものと推測することができる。このように推測される皮膜形成剤においては、皮膜形成母剤である樹脂エマルジョンの粒子径がせいぜい0.01μm程度であるのに対して、マイクロカプセルの粒子径が1μm以上と極めて大きく、多数のマイクロカプセルは皮膜中での均一な分配性に欠け、被接着部材である金属表面に対する均等性が極めて悪いという問題がある。
また、マイクロカプセルの粒子径と樹脂エマルジョンの粒子径の関係からすれば、皮膜の厚みは必然的に厚くする必要がる。皮膜が厚い場合には、厚い皮膜は、タッピンねじのワークの下穴へのねじ込みの初期にタッピンねじから離脱し易く、タッピンねじのワークの下穴へのねじ込みが終了するまでの間、強固な固着状態を維持し得なくなる。
また、このような厚い膜厚の皮膜においては、皮膜中のマイクロカプセルの破壊の進行がタッピンねじのねじ込み速度、換言すれば、雌ねじの成形速度に追いつかない状態が生じて、タッピンねじのワークの下穴へのねじ込みが終了するまでの間、雌ねじの成形時に生じる圧力に起因する皮膜の潜在的な接着機能がタイミングよく顕在化させることができない。このため、当該皮膜は上記した第2の特性に欠け、雌ねじの成形時に発生する雌ねじ成形屑の捕捉機能をタイミングよく発揮し得ず、成形屑の飛散は避けられない。
また、当該皮膜形成剤においては、その組成成分が不明であるが、潤滑機能を有する剤の使用については何等の開示もなく、当該皮膜に要求されるタッピンねじの雄ねじ部とワークの下穴の内周面間の雌ねじ成形時の潤滑性については何等配慮されておらず、上記した第3の特性を備えているものとは認められない。
本発明は、このような検討結果を知得してなされたもので、本発明の主たる目的は、タッピンねじのワークの下穴へのねじ込みによる雌ねじの成形時に発生する雌ねじ成形屑の周囲への飛散を防止すべく機能する皮膜について、少なくとも上記した3つの特性を有する皮膜を形成し得る皮膜形成剤を提供することにある。本発明の他の目的は、当該皮膜形成剤を使用してタッピンねじの外周に当該皮膜を形成する方法、および、当該皮膜にて被覆されているタッピンねじを提供することにある。
本発明は、タッピンねじ用皮膜形成剤、当該皮膜形成剤の調製方法、当該皮膜形成剤qを用いてタッピンねじの外周に皮膜を形成する皮膜形成方法、および、当該皮膜形成剤にて形成された皮膜で被覆されているタッピンねじに関する。
本発明に係る皮膜形成剤は、タッピンねじの外周に潤滑機能および雌ねじ成形屑の捕捉機能を有する皮膜を形成するタッピンねじ用皮膜形成剤であり、当該皮膜形成剤は、モンタン酸カルシウム塩またはモンタン酸カルシウム塩を含有するモンタン酸類混合物、熱可塑性樹脂エマルジョン、および水を主要成分とする組成物であって、組成成分の割合は、モンタン酸カルシウム塩またはモンタン酸類混合物が3〜20重量%、熱可塑性樹脂エマルジョンが固形物として1〜10重量%であることを特徴とするものである。
なお、本発明に係る皮膜形成剤の一組成成分であるモンタン酸カルシウム塩またはモンタン酸カルシウム塩を含有するモンタン酸類混合物とは、モンタン酸カルシウム塩単独、モンタン酸とモンタン酸エステルの混合物から生成されるカルシウム塩、モンタン酸カルシウム塩とモンタン酸エステルの混合物等を云い、本発明では、以下では、これらを簡略して、モンタン酸カルシウム塩類と称することがある。
本発明に係るタッピンねじ用皮膜形成剤においては、当該皮膜形成剤の組成成分である熱可塑性樹脂エマルジョンの樹脂は、ガラス転移点が50℃以下のものであることが好ましい。また、当該皮膜形成剤の調製では、モンタン酸カルシウム塩類を水に分散させるために界面活性剤を使用するが、当該皮膜形成剤には、モンタン酸カルシウム塩類を水に分散させるために要する以上の余剰の界面活性剤を含有させることが好ましい。この場合には、界面活性剤の組成成分の割合を、1〜9重量%とすることが好ましい。また、当該皮膜形成剤には顔料を含有させることが好ましく、この場合には、顔料の組成成分の割合を、0.1〜0.5重量%とすることが好ましい。
本発明に係るタッピンねじに対する皮膜形成方法は、本発明に係る皮膜形成剤を用いて、タッピンねじの外周を被覆する皮膜を形成する皮膜形成方法であり、温度が10〜30℃にかつ粘度が3〜13mPa・S(at25℃)に調整されている皮膜形成剤中に、大量のタッピンねじを浸漬用容器に収容した状態で全て浸漬し、次いで、浸漬終了後のタッピンねじに付着する余剰の皮膜形成剤を振り切り、最後に、タッピンねじに付着する皮膜形成剤を乾燥して、タッピンねじの外周を被覆する皮膜を形成することを特徴とするものである。
本発明に係る皮膜付きタッピンねじは、本発明に係る皮膜形成剤を浸漬法よって塗布されて形成された皮膜で被覆されているタッピンねじであり、当該タッピンねじは、雄ねじの形成部位である脚部の全体および同脚部と一体の頭部の全体を略均一な厚みの皮膜にて被覆されていて、同皮膜は、ねじ込み動作に対する潤滑機能およびねじ込み動作に発生する雌ねじ成形屑に対する捕捉機能を有していることを特徴とするものである。当該タッピンねじにおいては、タッピンねじの全体を被覆する皮膜の厚みを1〜6μmとすることが好ましく、また、タッピンねじの全体を被覆する皮膜の色彩を、タッピンねじの母材とは異なる色彩を呈するようにすることが好ましい。
本発明に係る皮膜形成剤にて形成された皮膜で被覆されているタッピンねじ、換言すれば、本発明に係る皮膜付きタッピンねじにおいては、例えば、ワーク上に各種の部品を固定して組付けるべく、ワークに設けた下穴にねじ込む使用形態が採られる。当該タッピンねじのこのような使用形態において、タッピンねじの外周を被覆する皮膜は、厚みが薄くて接着強度が高いことから、当該タッピンねじのねじ込み作業終了までの間、雄ねじの形成部位である脚部から離脱することは皆無または皆無に近く、ねじ込み作業に対して的確な潤滑機能を発揮し、かつ、ねじ込み時の雌ねじの成形時の圧力および加熱によって、接着機能が顕在化して、雌ねじ成形時に発生する雌ねじ成形屑に対して的確な接着機能を発揮する。
このため、本発明に係る皮膜付きタッピンねじにおいては、当該皮膜の潤滑機能に起因して、ワークの下穴へのねじ込み時の負荷は安定したほぼ一定となって、当該タッピンねじのねじ込み作業を円滑に行うことができる。また、当該タッピンねじのねじ込み作業時の雌ねじ成形時に発生する雌ねじ成形屑は、当該皮膜の雌ねじ成形時の圧力および加熱に起因して顕在化する接着機能によって当該皮膜にタイミングよく捕捉され、組付け部品やワーク上への雌ねじ成形屑の飛散は確実に阻止される。このため、当該タッピンねじを使用することにより、雌ねじ成形屑の周囲への飛散を阻止し得て、雌ねじ成形屑に起因する組付け部品やワークに対する悪影響を防止することができる。
しかして、本発明に係る皮膜形成剤においては、モンタン酸カルシウム塩類は、当該皮膜において潤滑性を発揮すべく機能するが、潤滑剤として汎用されるステアリン酸カルシウム塩(カルシウム石鹸)等に比較して、ワックスとしての特性が強く、かつ、金属部材の表面に対する表面密着性に優れている。このため、潤滑剤として機能するモンタン酸カルシウム塩類を、タッピンねじの表面に強固に密着すべくバインダとして機能する熱可塑性樹脂エマルジョンの使用量を大幅に低減することができる。これが、本発明に係る皮膜形成剤を使用することによって、タッピンねじの外周表面に、厚みが薄くて強固に固着している皮膜が形成される理由である。
また、本発明に係る皮膜形成剤においては、当該皮膜形成剤の組成成分である熱可塑性樹脂エマルジョンは、モンタン酸カルシウム塩類である皮膜形成母剤をタッピンねじの表面に固着させるバインダとして機能し、かつ、雌ねじの成形時に発生する雌ねじ成形屑を捕捉すべく機能する。このため、当該樹脂には、粘着性と密着性に優れていることが要求される。この場合、当該熱可塑性樹脂エマルジョンを構成する樹脂として、ガラス転移点を50℃以下の熱可塑性樹脂を採用している。ガラス転移点の高い樹脂や熱硬化性の樹脂では、形成される皮膜の硬度が高く、摩擦係数の増加と雌ねじ成形屑の捕捉機能が低下する。本発明において、ガラス転移点を50℃以下の熱可塑性樹脂を採用しているのは、かかる問題を解消するためである。
これにより、当該皮膜形成剤にて形成される皮膜は、80℃程度の温度雰囲気での液化現象の発生が防止され、雌ねじ成形時に発生する雌ねじ成形屑の捕捉機能を発揮することができることは勿論のこと、タッピンねじを介して部品を組付けて、組立てられた機器等内で発生する温度雰囲気での液化現象が防止されて、当該皮膜の垂れ落ちる現象が防止される。以上の事項を考慮すれば、当該樹脂としては、アクリル系樹脂を採用することが好ましい。
本発明に係る皮膜形成剤において、その調製に、モンタン酸カルシウム塩類を水に分散させるために界面活性剤を使用するが、当該皮膜形成剤に、モンタン酸カルシウム塩類を水に分散させるために要する以上の余剰の界面活性剤を含有させる場合には、余剰の界面活性剤は、当該皮膜形成剤を均一に塗布することができる塗布性を向上させて、形成される皮膜の凹凸を低減させるレベリング剤として機能する。
このため、当該皮膜形成剤によれば、界面活性剤のレベリング剤としての機能により、タッピンねじの外周を被覆する皮膜の均一化および薄膜化をより一層図ることができ、皮膜が潜在的に有する雌ねじ成形屑に対する接着機能の顕在化を、雌ねじ成形時の雌ねじ成形屑の発生にタイミングよく対応させることができる。これにより、当該皮膜における雌ねじ成形屑の捕捉性を一層向上させることができる。
なお、当該界面活性剤は、モンタン酸カルシウム塩類および熱可塑性樹脂エマルジョンを水に均一に分散させて、均一な水分散液を生成するものであればよく、使用する界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等、種類を問わない。
本発明に係る皮膜付きタッピンねじは、雄ねじの形成部位である脚部の全体および同脚部と一体の頭部の全体を当該皮膜にて略均一な厚みに被覆されているものである。このため、当該タッピンねじは、すでに詳述しているように、ねじ込み作業時に潤滑機能および雌ねじ成形屑の捕捉機能を効果的に発揮し得ることは勿論であるが、当該皮膜に起因してねじ込み時の摩擦係数を低くし、かつ、そのバラツキを抑えることができて、雌ねじ成形時のねじ込みトルクを安定した低いトルクとすることができる。さらにまた、当該タッピンねじによれば、当該皮膜がねじの頭部の着座面をも被覆しているため、当該着座面の着座後の設定トルクにおける発生軸力のバラツキを大幅に抑制することができる。
なお、顔料を含有する皮膜形成剤にて形成された皮膜にて被覆するタッピンねじにあっては、タッピンねじの母材の色彩とは異なる色彩を呈していることから、当該皮膜を有するタッピンねじと、当該皮膜を有していないタッピンねじを、視認により容易に判別することができるという利点がある。
本発明に係るタッピンねじに対する皮膜形成方法によれば、皮膜形成剤の粘度が低いことと、タッピンねじの全周の表面に皮膜を形成することから、何等特別の専用の治具を用いることなく、一度に大量のタッピンねじに皮膜を形成することができる。このため、当該皮膜形成方法によれば、経済的に有利に、タッピンねじに対して当該皮膜を形成することができる。また、当該皮膜形成方法によれば、小径の雄ねじ部に対しても、ねじ精度が確保できる薄い皮膜を形成することができ、小径のタッピンねじのねじ込み作業性の悪化を防止することができる。
本発明は、タッピンねじ用皮膜形成剤、当該皮膜形成剤を用いてタッピンねじに皮膜を形成するタッピンねじに対する皮膜形成方法、および、当該皮膜形成剤を用いて形成される皮膜で被覆されている皮膜付きタッピンねじに関する。
本発明に係るタッピンねじ用皮膜形成剤は、モンタン酸カルシウム塩またはモンタン酸カルシウム塩を含有するモンタン酸類混合物、換言すれば、モンタン酸カルシウム塩単独、モンタン酸カルシウム塩とモンタン酸エステルの混合物、または、モンタン酸とモンタン酸エステルの混合物から生成されるカルシウム塩(総称してモンタン酸カルシウム塩類という)、熱可塑性樹脂エマルジョン、および水を主要成分とする組成物であり、好ましくは、余剰の界面活性剤を含有するものである。当該皮膜形成剤の組成成分の割合は、モンタン酸カルシウム塩類が3〜20重量%、熱可塑性樹脂エマルジョンが固形物として1〜10重量%であり、好ましくは、熱可塑性樹脂エマルジョン中の樹脂はガラス転移点が50℃以下のものである。
モンタン酸は、炭素数が28の脂肪酸を主体とし、炭素数24〜34の脂肪酸を含有する直鎖脂肪酸の慣用名であって、モンタン酸カルシウム塩は潤滑機能を有するものである。 本発明に係る皮膜形成剤を構成する組成成分であるモンタン酸カルシウム塩類等は、潤滑剤として汎用されるステアリン酸カルシウムに比較してワックスとしての特性が強く、かつ、金属部材の表面に対する表面密着性に優れている。
このため、モンタン酸カルシウム塩類等を皮膜形成剤の一組成成分として選択する場合には、皮膜形成母剤であるモンタン酸カルシウム塩類をタッピンねじの外周表面に接着するためのバインダとして機能する後述の熱可塑性樹脂エマルジョンの使用量を、汎用される潤滑剤を使用した場合に比較して大幅に低減することができる。従って、モンタン酸カルシウム塩類等を一組成成分とする皮膜形成剤によれば、タッピンねじの外周の全表面に、希薄な厚みの皮膜を形成することができる。本発明に係る皮膜形成剤を構成する潤滑機能を発揮する成分として、モンタン酸カルシウム塩類を採用する理由は、以下に示す理由による。
モンタン酸は、炭素数が28の脂肪酸を主体とし、炭素数24〜34の脂肪酸を含有する直鎖脂肪酸であり、これに類似する脂肪酸またはその蝋としては、カルナバ蝋、密蝋、メリシン酸等を挙げることができる。これらのうち、メリシン酸は、炭素数が30と炭素鎖が長くて、モンタン酸と同等の機能を有することが推測されるが、リンゴの皮にのみその存在が知られている希少なもので、現在のところ、医薬品としての使用に限定される高価なものである。従って、このような高価な脂肪酸を皮膜形成剤の一組成成分とすることは、経済的に極めて不利である。
また、カルナバ蝋や密蝋は、炭素数26のセロチン酸を主成分とするものである。しかしながら、カルナバ蝋では、セロチン酸がミリシルアルコールとのエステルとして存在し、また、密蝋では、パルミチン酸ミシルが多く含まれていることから、カルナバ蝋や密蝋中の脂肪酸の割合は少ない。従って、カルナバ蝋や密蝋は、皮膜形成剤の一組成成分とすることは、モンタン酸に比較してコスト高になる。
これに対して、モンタン酸は、褐炭から溶剤抽出にて容易に抽出することができるもので、すでに、モンタン酸ワックス、モンタン酸エステルワックス、モンタン酸部分鹸化セステルワックスとして市販されている状況にある。このため、モンタン酸およびモンタン酸エステルは安価に入手し易く、このような安価で入手し易い脂肪酸を皮膜形成剤の一組成成分とすることは、経済的に極めて有利である。
本発明に係る皮膜形成剤においては、その一組成成分であるモンタン酸カルシウム塩類としては、モンタン酸カルシウム塩単独を採用することができるが、モンタン酸カルシウム塩とモンタン酸エステルの混合物、または、モンタン酸とモンタン酸エステルの混合物から生成されるカルシウム塩を採用することができる。後者のモンタン酸塩類を採用し得る理由は、当該モンタン酸カルシウム塩類がモンタン酸カルシウム塩単独の場合と機能的に優劣がなく、かつ、当該モンタン酸カルシウム塩類は、モンタン酸ワックス、モンタン酸エステルワックス等として市販されていることから、入手が容易であることによる。
本発明に係る皮膜形成剤を構成する組成成分である熱可塑性樹脂エマルジョンは、皮膜形成母剤であるモンタン酸カルシウム塩類を、タッピンねじの外周表面に接着するためのバインダとして機能し、かつ、雌ねじ成形時に発生する雌ねじ成形屑を捕捉すべく機能するものである。このため、当該樹脂には、粘着性と密着性に優れていることが要求されるが、これらの両特性を有するかぎりにおいては、樹脂の種類を問わない。
但し、当該樹脂は、ガラス転移点が50℃以下である熱可塑性の樹脂であることが好ましい。これにより、当該皮膜形成剤にて形成される皮膜は、80℃程度の温度雰囲気での液化現象の発生が防止され、雌ねじ成形時に発生する雌ねじ成形屑の捕捉機能を発揮することができることは勿論のこと、タッピンねじを介して部品をワークに組付けて組立てられた機器等内で発生する温度雰囲気での液化現象が防止されて、当該皮膜の垂れ落ちる現象が防止される。以上の事項を考慮すれば、当該樹脂としては、アクリル系樹脂を採用することが好ましい。
本発明に係るタッピンねじ用皮膜形成剤においては、モンタン酸カルシウム塩類、熱可塑性樹脂エマルジョン、および水を主要成分とする組成物であるが、当該皮膜形成剤の組成成分中のモンタン酸カルシウム塩類を3〜20重量%とし、熱可塑性樹脂エマルジョンを固形物として1〜10重量%とする。また、当該皮膜形成剤中に、レベリング剤として機能する余剰の界面活性剤を含有する場合には、余剰の界面活性剤の含有量は0.4〜2重量%、界面活性剤の総合の含有量は、1〜9重量%とする。
本発明に係る皮膜形成剤において、当該皮膜形成剤の組成成分であるモンタン酸カルシウム塩類は、当該皮膜において潤滑性を発揮すべく機能するが、潤滑剤として汎用され潤滑剤(カルシウム石鹸)等に比較して、ワックスとしての特性が強く、かつ、金属部材の表面に対する表面密着性に優れている。このため、潤滑剤として機能するモンタン酸カルシウム塩類を、タッピンねじの外周の全表面に強固に密着すべくバインダとして機能する熱可塑性樹脂エマルジョンの使用量を大幅に低減することができる。
バインダとして機能する熱可塑性樹脂エマルジョンは、皮膜の造膜性には寄与するが、モンタン酸カルシウム塩類等の潤滑機能を損なう負の作用を有する。このため、熱可塑性樹脂エマルジョンを当該皮膜形成剤の一組成成分に採用する場合には、負の作用する熱可塑性樹脂エマルジョンの使用をできるだけ低減することが好ましい。本発明においては、これに対処すべく、ワックスとしての特性が強く、かつ、金属部材の表面に対する表面密着性に優れたモンタン酸カルシウム塩類を使用している。これにより、膜厚が1〜6μmという薄膜状を呈して、タッピンねじの外周表面に強固に接着した皮膜を形成することができる。このように有効な皮膜を形成するには、皮膜の潤滑機能および雌ねじ成形屑の捕捉性を考慮すれば、モンタン酸カルシウム塩類が3〜20重量%であり、熱可塑性樹脂エマルジョンが固形物として1〜10重量%である。
本発明に係る皮膜形成剤においては、一組成成分として、適宜の色彩を呈する顔料を採用することが好ましい。顔料は、当該皮膜形成剤にてタッピンねじの外周表面に形成される皮膜に視認性を付与するものであり、タッピンねじの形成母材と皮膜が判別できる視認性が付与されるかぎりにおいては、その種類を問わない。
本発明に係る皮膜形成剤の調製には、各種の調製方法を採用することができる。基本的には、モンタン酸またはモンタン酸とモンタン酸エステルの混合物(モンタン酸混合部)を、水酸化カルシウムを用いて鹸化して、モンタン酸カルシウム塩またはモンタン酸混合物のカルシウム塩を調製し、調製されたモンタン酸カルシウム塩またはモンタン酸混合物のカルシウム塩と、熱可塑性樹脂エマルジョンを、界面活性剤を用いて水に均一に分散して調製する。
当該調製方法では、その組成成分の割合を、モンタン酸カルシウム塩またはモンタン酸混合物のカルシウム塩が3〜20重量%、熱可塑性樹脂エマルジョンが固形物として1〜10重量%、界面活性剤が1〜9重量%、残部が水となるように調製することが好ましい。熱可塑性樹脂エマルジョンの調製、および、モンタン酸カルシウム塩類の水分散には、0.6〜7重量%の界面界面活性剤が必要であり、分散用途以外の余剰の界面活性剤0.4〜2重量%を、皮膜形成剤に均一塗布性を付与するためのレベルング剤として機能させることが好ましい。
本発明に係る皮膜形成剤を調製する方法は、基本的には上記した皮膜形成剤の調製方法であるが、便法として、モンタン酸カルシウムや、モンタン酸カルシウムとモンタン酸エステルを混合するモンタン酸塩類として、市販の潤滑剤であるモンタン酸ワックスやモンタン酸エステルワックスを採用する方法がある。本発明に係る皮膜形成剤を調製する場合には、下記に示す市販の潤滑剤を、モンタン酸カルシウム塩類として採用することができる。
市販されているモンタン酸類の潤滑剤としては、例えば、Clariant GmbH社製の「Wax OP(登録商標)」や「Wax O(登録商標)」、BASF社製の「Wax OP(登録商標)」を挙げることができる。これらの潤滑剤は、モンタン蝋酸のCa石鹸と高いエステル化度をもつ二価アルコールのエステルを組み合わせたものであり、例えば、90%以上のエステル化度をもつ1,2−エタンジオールおよび/または1,3−ブタンジオールのエステルが使用されている。混合物中のCa石鹸の割合は約45重量%であり、これは約1.5重量%のCa含有量に相当する。
本発明に係る皮膜形成剤を用いて、タッピンねじの外周を被覆する皮膜を形成するには、本発明に係る皮膜形成方法を採用するのが有利である。本発明に係る皮膜形成方法においては、温度が10〜30℃にかつ粘度が3〜13mPa・S(at25℃)に調整されている皮膜形成剤中に、浸漬用容器に収容した大量のタッピンねじの全てを一度に浸漬し、次いで、浸漬終了後のタッピンねじに付着する余剰の皮膜形成剤を振り切り、最後に、タッピンねじに付着する皮膜形成剤を乾燥してタッピンねじの外周全体を被覆する皮膜を形成する。
本発明に係る皮膜形成剤を使用して、タッピンねじを被覆する皮膜を形成する際には、皮膜形成剤の一組成成分であるモンタン酸カルシウム塩類の優れた造膜性に起因してバインダとして機能する熱可塑性樹脂エマルジョンの含有量を低減し得る。このため、使用する皮膜形成剤を低粘度に調製することができる。本発明に係る皮膜形成方法では、低粘度の皮膜形成剤を使用することにより、タッピンねじには、頭部に設けてあるスクリュードライバの先端部が嵌合する十文字状の穴(駆動用穴)を穴詰めすることがない皮膜を形成することができる。このため、本発明に係る皮膜形成方法を採用することにより、タッピンねじの外周の全面を被覆する皮膜を形成することが可能になり、当該皮膜形成方法は、それ自体の固有の作用効果である下記に示す作用効果を奏することができるとともに、後述する優れたタッピンねじを構成することができる。
従来の皮膜形成剤においては、その特性上、皮膜形成方法に使用する皮膜形成剤は粘度が高く、タッピンねじには、皮膜が必要最小限度要求される、タッピンねじの雄ねじ形成部位である脚部にのみ皮膜を形成せざるをえないことになる。タッピンねじの脚部のみを被覆する皮膜を形成するには、1本のタッピンねじを把持する特別の専用治具を使用して、専用治具で把持されたタッピンねじ毎にタッピンねじの脚部のみを皮膜形成剤に浸漬して、同脚部の外周面に皮膜を形成することになる。
これに対して、本発明に係る皮膜形成方法では、皮膜形成剤の粘度が低くてタッピンねじの外周の全面に、何等の支障もなく皮膜を形成することが許容されることから、特別の専用の治具を用いることなく、大量のタッピンねじを浸漬容器に収容した状態で、収容した大量のタッピンねじを一度に皮膜形成剤に浸漬して、大量のタッピンねじの外周を被覆する皮膜を一度に形成することができる。このため、本発明に係る皮膜形成方法によれば、タッピンねじを被覆する皮膜を経済的に有利に形成することができる。また、当該皮膜形成方法によれば、小径の雄ねじ部に対しても、ねじ精度が確保できる薄い皮膜を形成することができ、小径のタッピンねじのねじ込み作業性の悪化を防止することができる。
本発明に係るタッピンねじは、本発明に係る皮膜形成剤にて形成された皮膜を有するタッピンねじである。当該タッピンねじは、雄ねじの形成部位である脚部および同脚部と一体の頭部の外周の全面が、略均一な厚みの皮膜にて被覆されていて、同皮膜は、ねじ込み動作に対する潤滑機能およびねじ込み動作により発生する雌ねじ成形屑に対する捕捉機能を有している。図1には、本発明の一実施形態に係るタッピンねじ10を概略的に示している。
当該タッピンねじ10は、雄ねじの形成部位である脚部11と、脚部11と一体の頭部12と、脚部11と頭部12の境界部に形成されている着座部13とからなり、頭部12の頂面には、スクリュードライバの先端部が嵌合する十文字状の穴(駆動用穴14)を備えている。当該タッピンねじ10は、その外周の全面に、2点鎖線にて模式的に示すように、本発明に係る皮膜形成剤にて形成されている皮膜20を備えている。当該皮膜20は、脚部11の外周の全面を被覆する第1の皮膜部21と、頭部12の外周の全面を被覆する第2の皮膜部22と、着座部13の外周の全面を被覆する第3の皮膜部23とからなる。皮膜20は、好ましくは、タッピンねじ10の形成母材の色彩とは異なる色彩を呈するものであり、皮膜20の膜厚は、好ましくは1〜6μmのものである。図2には、通常のタッピンねじ10Aおよびその使用態様を模式的に示している。
タッピンねじ10Aは、頭部12の頂部に形成してある駆動用穴14に嵌合させた図示しないスクリュードライバを回転駆動させることにより、ワーク30に設けた下穴31内を螺進して下穴31の内周面に雌ねじ部を成形して、下穴31内に自己立てする。これにより、各種の部品は、ワーク30の表面とタッピンねじ10Aの着座部13の座面間で締付けられた状態で挟持され、ワーク30上に組付けられる。タッピンねじ10Aは、その回転駆動によって下穴31内を螺進して下穴31の内周面32に雌ねじ部を成形する際、雌ねじ部の成形に起因する雌ねじ成形屑33を発生させる。雌ねじ成形屑33は、雌ねじ部の成形に応じて順次発生し、タッピンねじ10Aの螺進を停止させるまで継続して発生する。発生した雌ねじ成形屑33は、ワーク30の周囲に飛散することになる。
これに対して、本発明に係るタッピンねじ10においては、その外周の全面に、潤滑機能および雌ねじ成形屑33の捕捉機能を有する皮膜20を備えている。このため、当該タッピンねじ10は、第1の皮膜部21の潤滑機能により、ほぼ一定の操作力で下穴31内を円滑に螺進して下穴31の内周面に雌ねじ部を形成し、かつ、雌ねじ部の成形時の圧力および加熱によって顕在化する接着機能により、雌ねじ成形時に発生する雌ねじ成形屑33を捕捉して、発生した雌ねじ成形屑33のワーク30の周囲への飛散を防止する。
しかして、当該タッピンねじ10を被覆する皮膜20は、厚みが薄くて接着強度が高いことから、当該タッピンねじ10のねじ込み作業終了までの間、雄ねじ部の成形部位である脚部11から離脱するようなことは無く、ねじ込み作業に対して的確な潤滑機能を発揮し、かつ、ねじ込み時の雌ねじ部の成形時の圧力および加熱によって、タイミングよく接着機能が顕在化して、雌ねじ部の成形時に発生する雌ねじ成形屑33に対して的確な捕捉機能を発揮する。
このため、当該タッピンねじ10によれば、皮膜20の潤滑機能に起因して、ワーク30の下穴33へのねじ込み時の負荷は、低くて安定したほぼ一定したものとなり、当該タッピンねじ10のねじ込み作業を、低くて安定した一定のトルクで円滑に行うことができる。
また、当該タッピンねじ10によれば、ねじ込み作業時の雌ねじ部の成形に起因して発生する雌ねじ成形屑33は、当該皮膜20の雌ねじ部を成形する際の圧力および加熱に起因して顕在化する接着機能によって、当該皮膜20にタイミングよく捕捉され、組付け部品やワーク30上への雌ねじ成形屑33の飛散は確実に防止される。これにより、雌ねじ成形屑33の飛散による、組付け部品やワーク30に対する悪影響を防止することができる。
また、当該タッピンねじ10においては、タッピンねじ10のワーク30の下穴31内へのねじ込み終了時には、タッピンねじ10の脚部11と頭部12を区画する着座部13の座面が、ワーク30の表面に当接している組付け部品の組付け部位に着座する。この場合、タッピンねじ10の着座部13の座面は、皮膜20を構成する第3の皮膜部23にて被覆されていることから、当該タッピンねじ10における着座部13の着座後の、設定トルクによる発生軸力のバラツキを大幅に抑制することができる。
本実施例および比較例においては、モンタン酸カルシウム塩類を一組成成分とする複数の皮膜形成剤を調製して、当該皮膜形成剤の金属部材に対する接着強度、粘着度、摩擦係数、および、切粉発生量を測定する試験を試みた。調製された皮膜形成剤の組成成分およびその割合については下記の表1に示し、また、各試験の測定値については下記の表2に示す。
Figure 2008095793
Figure 2008095793
(1)皮膜形成剤の調製:本実施例および比較例においては、各試験に供する皮膜形成剤の調製には、モンタン酸カルシウム塩類として市販の潤滑剤であるClariant GmbH社製の「WaxOP」(登録商標)、各熱可塑性樹脂エマルジョン、モンタン酸カルシウム塩類用の水分散剤およびレベリング剤としての界面活性剤、顔料、および、水を使用して、8種類の皮膜形成剤(供試剤1〜8)を調製した。調製した皮膜形成剤の組成成分、および、その組成成分の割合については、「WaxOP」を成分A、各熱可塑性樹脂エマルジョンを成分B(b1,b2,b3,b4)、レベリング剤としての界面活性剤を成分C、顔料を成分D、および、界面活性剤を含有する水を成分Eとして表示している。
但し、「WaxOP」(成分A)は、モンタン蝋酸のCa石鹸と高いエステル化度をもつ二価アルコールのエステルを組み合わせたものであり、90%以上のエステル化度をもつ1,2−エタンジオールおよび/または1,3−ブタンジオールのエステルが使用されている。混合物中のCa石鹸の割合は約45重量%であり、これは約1.5重量%のCa含有量に相当する。
熱可塑性樹脂エマルジョン(成分B)については、アクリルアルキッド樹脂(ガラス転移点無し)のものを(成分b1)、アクリル樹脂(ガラス転移点−5℃)のものを(成分b2)、アクリル樹脂(ガラス転移点6℃)のものを(成分b3)、アクリル−スチレン樹脂(ガラス転移点47℃)を(成分b4)として表示している。また、レベリング剤(成分C)は、Troy Chemical Corporation製のTroysol LAC(登録商標)である。また、水(成分E)は、水分散用として使用している界面活性剤を0.5重量%含有するものである。
なお、表1の「皮膜厚」の欄に示す皮膜厚(g/m)は、後述する各試験に供する試験片に形成される皮膜の厚みを意味し、皮膜厚が1g/mはほぼ1μmに相当する。
(2)接着強度の測定:接着強度の測定では、試験片として、鋼鉄製の金属板である基板の表面に各皮膜形成剤を塗布して形成された皮膜を有する試験片を採用して、(JIS K5600−5−7)に準拠する引張付着性試験法(図3aを参照)によって測定される付着強度を接着強度とした。なお、付着強度の単位はN/cmである。なお、皮膜の破断位置については、(JIS K5400)に準拠する破断位置試験法(図3bを参照)によって測定される破断位置としている。
引張付着性試験では、試験片Tを、ジグを構成する下部引張用ジグJ1上にセットして上方への抜け止めを図り、試験片Tの基板t1の表面に位置する皮膜t2の表面に、φ20mmの上部引張用ジグJ2を接着剤にて貼り付け、上部引張用ジグJ2の周辺の皮膜t2の部位に基板t1に達する傷を入れて、周辺の皮膜t2の部位と縁切りした後、皮膜t2を引張り試験機にて引張速度10mm/minで引張して、皮膜t2の付着強度を測定した。当該引張付着性試験における破断位置については、図3(b)に示す位置としている。位置表示P1は、試験片Tの基板t1と皮膜t2の界面破断を意味し、位置表示P2は、皮膜t2内の凝集破壊と、皮膜t2と皮膜t2間の界面破壊を意味する。
当該引張付着性試験により測定された付着強度および破断位置については、表2の「接着強度」の欄に表示している。なお、当該引張付着性試験では、同一の試験片の2箇所の部位で試験を行っていることから、これらの試験結果を「接着強度」の「測定値」の欄および「破断位置」の欄に上下2段(上/下)に示している。
(3)粘着度の測定:粘着度の測定では、試験片として、接着強度の測定で使用した試験片と同一構成の試験片Tを採用して、(JIS K5400 8,4,2)に準拠する鉛筆硬度試験によって測定される鉛筆硬度と、(JIS K5600−5−3)に準拠する耐衝撃試験によって測定される耐衝撃性を粘着度としている。但し、鉛筆硬度の評価基準は(&H〜6B)であり、耐衝撃性の衝撃値の単位はcmである。
鉛筆硬度試験では、試験片Tの表面を鉛筆で引っ掻いて、傷がつかない鉛筆の硬さ(&H〜6B)を鉛筆硬度として評価している。また、耐衝撃試験では、試験片Tの上にφ63.5mmの打ち台をセットして、打ち台の上に500gの錘を、10cm、20cm、30cm、40cm、50cmの高さから落下させ、試験片Tの皮膜t2に割れや剥離が生じた高さを衝撃値として評価している。鉛筆硬度および衝撃値の結果を、表2の「粘着度」の欄の「鉛筆硬度」の欄および「耐衝撃性」の欄に示している。
(4)摩擦係数の測定:摩擦係数の試験では、試験片として、接着強度の測定で使用した試験片と同一構成の試験片Tを採用して、(JIS B1014)に準拠する「ねじ部品の締付け試験方法」によってねじ摩擦係数および座面摩擦係数を算出し、下記の数1式から算出される総合摩擦係数を摩擦係数としている。算出された摩擦係数の評価を、3段階(○,△,×)により評価した。摩擦係数の測定結果および判定結果を、表2の「摩擦係数/判定」の欄に示している。
Figure 2008095793
(5)切粉発生量の測定:各供試剤を使用して形成された表1に示す膜厚の皮膜を全周に有するタッピンねじをワークの下穴にねじ込むことによって発生する切粉(雌ねじ成形屑)を全て回収し、その全量を石英ビーカーに移し入れ、混酸(HCl+HNO)を加えて加水分解した後、50mLに定溶して測定溶液とした。この測定溶液を用いて、ICP発光分析法によって切粉の定量測定を行った。切粉の測定結果の評価を、3段階(○,△,×)により評価した。切粉の測定結果および判定結果を、表2の「切粉発生量/判定」の欄に示している。なお、切粉発生量の単位はmgである。
本発明に係る皮膜付きタッピンねじを模式的に示す側面図である。 従来のタッピンねじをワークに設けてある下穴内へねじ込む途中の状態を示す側面図である。 本発明に係る皮膜形成剤にて形成される皮膜の接着強度を測定するための引張り試験の状態を示す図(a)、および、同引張り試験にて破断される皮膜の破断位置を示す図(b)である。
符号の説明
10,10A…タッピンねじ、11…脚部、12…頭部、13…座部、14…駆動用穴、20…皮膜、21…第1の皮膜部、22…第2の皮膜部、23…第3の皮膜部、T…試験片、t1…基板、t2…皮膜、J1…下部引張用ジグ、J2…上部引張用ジグ、P1,P2…破断位置、30…ワーク、31…下穴、32…下穴の内周面、33…雌ねじ成形屑。

Claims (8)

  1. タッピンねじの外周に潤滑機能および雌ねじ成形屑の捕捉機能を有する皮膜を形成するタッピンねじ用皮膜形成剤であり、当該皮膜形成剤は、モンタン酸カルシウム塩またはモンタン酸カルシウム塩を含有するモンタン酸類混合物、熱可塑性樹脂エマルジョン、および水を主要成分とする組成物であって、組成成分の割合は、モンタン酸カルシウム塩またはモンタン酸類混合物が3〜20重量%、熱可塑性樹脂エマルジョンが固形物として1〜10重量%であることを特徴とするタッピンねじ用皮膜形成剤。
  2. 請求項1に記載のタッピンねじ用皮膜形成剤であり、当該皮膜形成剤の組成成分である熱可塑性樹脂エマルジョンの樹脂は、ガラス転移点が50℃以下のものであることを特徴とするタッピンねじ用皮膜形成剤。
  3. 請求項1または2に記載のタッピンねじ用皮膜形成剤であり、当該皮膜形成剤は界面活性剤を含有し、界面活性剤の組成成分の割合は、1〜9重量%であることを特徴とするタッピンねじ用皮膜形成剤。
  4. 請求項1,2または3に記載のタッピンねじ用皮膜形成剤であり、当該皮膜形成剤は顔料を含有し、顔料の組成成分の割合は、0.1〜0.5重量%であることを特徴とするタッピンねじ用皮膜形成剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のタッピンねじ用皮膜形成剤を用いて、タッピンねじの外周を被覆する皮膜を形成する皮膜形成方法であり、温度が10〜30℃にかつ粘度が3〜13mPa・S(at25℃)に調整されている皮膜形成剤中に、大量のタッピンねじを浸漬用容器に収容した状態で全浸漬し、次いで、浸漬終了後のタッピンねじに付着する余剰の皮膜形成剤を振り切り、最後に、タッピンねじに付着する皮膜形成剤を乾燥して、タッピンねじの外周を被覆する皮膜を形成することを特徴とするタッピンねじに対する皮膜形成方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のタッピンねじ用皮膜形成剤を浸漬法によって塗布されて形成された皮膜で被覆されているタッピンねじであり、当該タッピンねじは、雄ねじの形成部位である脚部の全体および同脚部と一体の頭部の全体を略均一な厚みの皮膜にて被覆されていて、同皮膜は、ねじ込み動作に対する潤滑機能およびねじ込み動作により発生する雌ねじ成形屑に対する捕捉機能を有していることを特徴とする皮膜付きタッピンねじ。
  7. 請求項6に記載の皮膜で被覆されているタッピンねじであり、当該タッピンねじの全体を被覆する皮膜は、厚みが1〜6μmであることを特徴とする皮膜付きタッピンねじ。
  8. 請求項7に記載の皮膜付きタッピンねじであり、当該タッピンねじの全体を被覆する皮膜は、タッピンねじの母材とは異なる色彩を呈していることを特徴とする皮膜付きタッピンねじ。
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