JP2008094018A - ノズルプレートの製造方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズル長のばらつきを低減し、安定した吐出特性を得ることができ、ひいては歩留まりの安定化を図ることが可能な液滴吐出用のノズルプレート製造方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】Si層から成る活性層41aとSi層から成る支持体41bとの間に、SiO2 層から成る誘電体層41cが接合された構成のSOI基板41の活性層41a側の表面にエッチングマスク42を形成する工程と、活性層14aに、エッチングを複数回繰り返すことにより、径が異なる複数の孔11a,11bを同一軸上に有する構成のノズル孔を、活性層41aに形成する工程と、SOI基板41の支持体41bを除去する工程と、SOI基板41の誘電体層41cを除去する工程とを有するものである。
【選択図】図4

Description

本発明は、液滴を吐出するためのノズル孔を有するノズルプレートの製造方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法に関する。
液滴を吐出するための液滴吐出ヘッドとして、例えばインクジェット記録装置に搭載されるインクジェットヘッドが知られている。インクジェットヘッドは、一般に、インク滴を吐出するための複数のノズル孔が形成されたノズルプレートと、このノズルプレートに接合されノズルプレートとの間で上記ノズル孔に連通する吐出室、リザーバ等のインク流路が形成されたキャビティプレートとを備え、駆動部により吐出室に圧力を加えることによりインク滴を選択されたノズル孔より吐出するように構成されている。駆動手段としては、静電気力を利用する方式や、圧電素子による圧電方式、発熱素子を利用するバブルジェット(登録商標)方式等がある。
近年、インクジェットヘッドに対して、印字、画質等の高品位化の要求が一段と強まり、そのため高密度化並びに吐出性能の向上が強く要求されている。このような背景から、インクジェットヘッドのノズル部に関して、従来より様々な工夫、提案がなされている。
インク吐出特性を改善するためには、ノズル孔部での流路抵抗を調整し、ノズル長さが最適な長さになるように基板の厚みを調整することが望ましい。また、ノズル形状を、全体として円筒状のノズル孔とするのではなく、径が異なる複数の孔を同一軸上に有する形状(例えば、径を異ならせた第1ノズル孔と第2ノズル孔とからなる2段ノズル形状)とし、ノズルに加わるインク圧力の方向をノズル軸線方向に揃えることで吐出特性を改善する方法もある。
このように、ノズル形状を2段ノズル形状としたり、ノズル長の調整を図るようにしたノズルプレートの製造方法として、Si基板の一方の面側からICP放電を用いた異方性ドライエッチングを行い、内径の異なる第1ノズル孔と第2ノズル孔とを形成してノズル孔を2段に形成した後、前記一方の面とは反対側の面より一部分を異方性ウェットエッチングして掘下げ、ノズル長を調整するようにした方法(例えば、特許文献1参照)や、予めSi基板を所望の厚みに研磨した後、Si基板の両面にそれぞれドライエッチング加工を施して第1ノズル孔及び第2ノズル孔を形成する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
また、ノズルプレートをSOI(Silicon on Insulator)基板を用いて形成し、第1ノズルをSOI基板の活性層に第2ノズルを支持層に形成するようにして、ノズル長の高精度化を図るようにした技術もある(例えば、特許文献3)。
特開平11−28820号公報 特開平9−57981号公報 特開平9−216368号公報
しかしながら、特許文献1,2のように、上記ノズル長の調整を、研削やエッチングなど基板に薄板化加工を施すことにより行った場合、ウェハ面内厚みばらつきやウェハ間の厚みばらつきが発生するため、すなわちノズル長のばらつきが発生するため、吐出性能にばらつきが生じ、ひいては歩留まりを低下させてしまうという課題があった。
また、特許文献3のように、ノズルプレートをSOI基板で形成する場合には、活性層の厚みが第1ノズル長となるので、市販のSOI基板で保証されている活性層厚み精度(±0.01μm)であれば、ばらつきはほとんど発生しないと言ってよい。しかしながら、第1ノズルと第2ノズルを形成する際に両面アライメントが必要となるため、面内でアライメントずれが発生すると、飛行曲がりの原因となり、歩留まりの低下を招くという課題があった。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、ノズル長のばらつきを低減し、安定した吐出特性を得ることができ、ひいては歩留まりの安定化を図ることが可能な液滴吐出用のノズルプレート製造方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るノズルプレートの製造方法は、Si層から成る活性層とSi層から成る支持体との間に、SiO2 層から成る誘電体層が接合された構成のSOI基板の活性層側の表面にエッチングマスクを形成する工程と、活性層に、エッチングを複数回繰り返すことにより、径が異なる複数の孔を同一軸上に有する構成のノズル孔を形成する工程と、SOI基板の支持体を除去する工程と、SOI基板の誘電体層を除去する工程とを有するものである。
このように、ノズルプレートを構成するノズルプレート基材としてSOI基板を用い、厚み精度の高い活性層にノズル孔を形成するようにしたので、従来、研削やエッチングを用いてノズル長の調整を行う方法に比べて、ノズル長のばらつきを低減することができ、歩留まり良くノズルプレートを製造できる。
また、ノズル孔は、径が異なる複数の孔を同一軸上に有する構成のものであるため、安定した吐出特性を有することができる。
また、支持体の除去は、研削又はエッチングにより行える。
また、ノズル孔の形成を、ドライエッチングで行うことができ、特にICP(Inductively Coupled Plasma)放電によるドライエッチングが好適である。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、上記の何れかのノズルプレートの製造方法を用いて液滴吐出ヘッドを製造するものである。
これにより、安定した吐出特性を有するノズルプレートを得ることができる。
以下、本発明のノズルプレートを備えた液滴吐出ヘッドの実施の形態を図面に基づいて説明する。ここでは、液滴吐出ヘッドの一例として、静電駆動方式のインクジェットヘッドについて図1及び図2を参照して説明する。なお、本発明は、以下の図に示す構造、形状に限定されるものではなく、また、駆動方式についても他の異なる駆動方式により液滴を吐出する液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置にも適用できるものである。
図1は、本発明の一実施の形態に係るインクジェットヘッドの概略構成を分解して示す分解斜視図であり、一部を断面で表してある。図2は、図1の右半分の概略構成を示すインクジェットヘッドの断面図であり、ノズル部をさらに拡大して表してある。なお、図1および図2では、通常使用される状態とは上下逆に示されている。
本実施形態のインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッドの一例)10は、図1および図2に示すように、複数のノズル孔11が所定のピッチで設けられたノズルプレート1と、各ノズル孔11に対して独立にインク供給路が設けられたキャビティプレート2と、キャビティプレート2の振動板22に対峙して個別電極31が配設された電極基板3とを貼り合わせることにより構成されている。
ノズルプレート1は、例えば厚さ552μmのSOI(Silicon On Insulator)基板を加工して形成されている。SOI基板は、Si層の間に誘電体層(SiO2 層)が形成された構成を有する基板であり、一般的には、数百μmの厚みの支持体と呼ばれるSi板の上に、誘電体層としてのSiO2 層が形成され、その上に活性層と呼ばれる薄い(0.数〜数μm)Si層が形成されているものである。活性層の厚みは非常に高い精度で形成される(一般的には厚み精度0.01μm)特徴を有しており、本例のノズルプレート1は、その活性層部分で構成されている。ノズルプレート1の製造方法については後に詳述する。
ノズルプレート1には、多数のノズル孔11が所定のピッチで設けられている。各ノズル孔11は、吐出方向の先端側の円筒状の第1のノズル孔11aと、第1のノズル孔11aよりも径の大きい円筒状の第2のノズル孔11bとから構成され、第1のノズル孔11aと第2のノズル孔11bとは同軸上に設けられている。かかる構成により、インク滴の吐出方向をノズル孔11の中心軸方向に揃えることができ、安定したインク吐出特性を発揮させることができるようになっている。すなわち、インク滴の飛翔方向のばらつきがなくなり、またインク滴の飛び散りがなく、インク滴の吐出量のばらつきを抑制することが可能となっている。
キャビティプレート2は、例えば厚さ約140μmのシリコン単結晶基板(この基板も以下、単にシリコン基板とも称する)から作製されている。シリコン基板に異方性ウェットエッチングを施し、インク流路の吐出室21およびリザーバ23を構成するための凹部24、25が形成される。凹部24は前記ノズル孔11に対応する位置に独立に複数形成される。したがって、図2に示すようにノズルプレート1とキャビティプレート2を接合した際、各凹部24は吐出室21を構成し、それぞれノズル孔11に連通しており、またインク供給口である前記オリフィス13ともそれぞれ連通している。そして、吐出室21(凹部24)の底壁が振動板22となっている。
他方の凹部25は、液状材料のインクを貯留するためのものであり、各吐出室21に共通のリザーバ(共通インク室)23を構成する。そして、リザーバ23(凹部25)はそれぞれオリフィス13を介して全ての吐出室21に連通している。また、リザーバ23の底部には後述する電極基板3を貫通する孔が設けられ、この孔とインク供給孔34とを通じて図示しないインクカートリッジからインクが供給されるようになっている。
また、キャビティプレート2の全面もしくは少なくとも電極基板3との対向面には熱酸化やプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によりSiO2 やTEOS(Tetraethylorthosilicate Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン、珪酸エチル)膜等からなる絶縁膜26が膜厚0.1μmで施されている。この絶縁膜26は、インクジェットヘッド10を駆動させた時の絶縁破壊や短絡を防止する目的で設けられる。
電極基板3は、例えば厚さ約1mmのガラス基板から作製される。中でも、キャビティプレート2のシリコン基板と熱膨張係数の近い硼珪酸系の耐熱硬質ガラスを用いるのが適している。これは、電極基板3とキャビティプレート2を陽極接合する際、両基板の熱膨張係数が近いため、電極基板3とキャビティプレート2との間に生じる応力を低減することができ、その結果剥離等の問題を生じることなく電極基板3とキャビティプレート2を強固に接合することができるからである。
電極基板3には、キャビティプレート2の各振動板22に対向する面の位置にそれぞれ凹部32が設けられている。凹部32は、エッチングにより深さ約0.3μmで形成されている。そして、各凹部32内には、一般に、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)からなる個別電極31が、例えば0.1μmの厚さでスパッタにより形成される。したがって、振動板22と個別電極31との間に形成されるギャップ(空隙)は、この凹部32の深さ、個別電極31および振動板22を覆う絶縁膜26の厚さにより決まることになる。このギャップはインクジェットヘッド10の吐出特性に大きく影響する。ここで、個別電極31の材料はITOに限定するものではなく、クロム等の金属等を用いてもよいが、ITOは透明であるので放電したかどうかの確認が行いやすい等の理由から、一般にITOが用いられる。
個別電極31は、リード部31aと、フレキシブル配線基板(図示せず)に接続される端子部31bとを有する。これらの端子部31bは、図2に示すように、配線のためにキャビティプレート2の末端部が開口された電極取り出し部29内に露出している。
上述したように、ノズルプレート1、キャビティプレート2、および電極基板3は、一般に個別に作製され、これらを図2に示すように貼り合わせることによりインクジェットヘッド10の本体部が作製される。すなわち、キャビティプレート2と電極基板3は陽極接合により接合され、そのキャビティプレート2の上面(図2において上面)にノズルプレート1が接着等により接合される。さらに、振動板22と個別電極31との間に形成される電極間ギャップの開放端部はエポキシ等の樹脂による封止材27で封止される。これにより、湿気や塵埃等が電極間ギャップへ侵入するのを防止することができ、インクジェットヘッド10の信頼性を高く保持することができる。
そして最後に、図2に簡略化して示すように、ICドライバ等の駆動制御回路30が各個別電極31の端子部31bとキャビティプレート2上に設けられた共通電極28とに前記フレキシブル配線基板(図示せず)を介して接続される。
以上により、インクジェットヘッド10が完成する。
このように構成されたインクジェットヘッド10においては、駆動制御回路30によりキャビティプレート2と個別電極31の間にパルス電圧が印加されると、振動板22と個別電極31との間に静電気力が発生し、その吸引作用により振動板22が個別電極31側に引き寄せられて撓み、吐出室21の容積が拡大する。これによりリザーバ23の内部に溜まっていたインクがオリフィス13を通じて吐出室21に流れ込む。次に、個別電極31への電圧の印加を停止すると、静電吸引力が消滅して振動板22が復元し、吐出室21の容積が急激に収縮する。これにより、吐出室21内の圧力が急激に上昇し、吐出室21に連通しているノズル孔11からインク液滴が吐出される。
次に、このインクジェットヘッド10の製造方法について説明する。
まず最初に、本発明の特徴部分であるノズルプレート1の製造方法を説明する。
図3乃至図6は、ノズルプレート1の製造方法を示す製造工程の断面図である。
(1)ノズルプレート1の製造方法
(A)まず、基板厚み552μmのSOI基板41を用意する。本例では、SOI基板41として、活性層41aの厚みが25μm、支持体41bの厚みが525μm、誘電体層41cの厚みが2μmのものを用意する。そして、SOI基板41の表面にSiO2 膜42を膜厚1μmで均一に成膜する。
(B)SOI基板41において活性層41a側の表面(キャビティプレート2と接合される側の接合面)43aにレジスト44をコーティングし、接合面43aに第2のノズル孔となる部分44aをパターニングする。
(C)そして、例えば、緩衝フッ酸水溶液(フッ酸水溶液:フッ化アンモニウム水溶液=1:6)でハーフエッチングし、SiO2 膜42を薄くする。このとき、裏面のSiO2膜42もエッチングされ、厚みが薄くなる。
(D)レジスト44を濃硫酸・過酸化水素水混合液などにより剥離する。
(E)再度SOI基板41の接合面43aにレジスト44をコーティングし、接合面43aに第1のノズル孔となる部分44bをパターニングする。
(F)そして、例えば、緩衝フッ酸水溶液(フッ酸水溶液:フッ化アンモニウム水溶液=1:6)でエッチングし、SiO2 膜42に開口42aを形成する。このとき、裏面のSiO2 膜42はエッチングされ、完全に除去される。これにより、第1のノズル孔11a形成用のエッチングマスクがSiO2 膜42により形成される。
(G)レジスト44を濃硫酸・過酸化水素水混合液などにより剥離する。
(H)ICPドライエッチング装置によりSiO2 膜42の開口42aを介して活性層41aを誘電体層41cに到達するまで垂直に異方性ドライエッチングし、第1のノズル孔11aを形成する。この場合のエッチングガスとしては、例えば、C4F8、SF6を使用し、これらのエッチングガスを交互に使用すればよい。ここで、C48は形成される溝の側面にエッチングが進行しないように溝側面を保護するために使用し、SF6は活性層41aの垂直方向のエッチングを促進させるために使用する。
(I)次にSiO2 膜42を緩衝フッ酸水溶液でハーフエッチングして、SiO2 膜42に第2のノズル孔となる部分に対応する開口42bを形成する。これにより、第2のノズル孔11b形成用のエッチングマスクがSiO2 膜42により形成される。
(J)再度ICPドライエッチング装置によりSiO2 膜42の開口42bを介して活性層41aを例えば、深さ10μmで垂直に異方性ドライエッチングし、第2のノズル孔11bを形成する。
(K)SOI基板41の表面に残るSiO2 膜42をフッ酸水溶液で除去した後、SOI基板41を熱酸化装置にセットし、酸化温度1000℃、酸化時間2時間、酸素雰囲気中の条件で熱酸化処理を行い、ICPドライエッチング装置で加工した第1のノズル孔11aの側面及び第2のノズル孔11bの側面、底面に膜厚0.1μmのSiO2 膜45を均一に成膜する。
(L)次に透明材料(ガラス等)の第1の支持基板50に、紫外線または熱などの刺激で容易に接着力が低下する自己剥離層51を持った両面テープ52を張り合わせる。そして、第1の支持基板50に張り合わせた両面テープ52の自己剥離層51の面を、SOI基板41の接合面43aと向かい合わせ、真空中で貼り合せる。これにより、接着界面に気泡が残らないきれいな接着が可能になる。ここで接着界面に気泡が残ると研磨加工で薄板化されるシリコン基板の板厚がばらつく原因となる。両面テープ52には、例えば、商品名:SELFA−BG(住友化学工業製)を用いる。
(M)SOI基板41の支持体41b側の表面43b側からバックグラインダーで研削加工を行い、支持体41bを薄くする。更には薄くなった支持体41bをエッチングにより完全に除去する。このときにフッ硝酸などの薬液を用いてウェットエッチングしてもよいし、RIEドライエッチング装置でCF4、SF6 等のガスを用いてドライエッチングしてもよい。
(N)次に誘電体層41cをRIEドライエッチング装置により除去する。誘電体層41cのエッチングには例えばCHF3等のガスを用いればよい。
(O)SOI基板41の活性層41aのインク吐出面60にスパッタ装置でSiO2 膜46を0.1μmの厚みで成膜する。ここで、SiO2 膜46の成膜は、自己剥離層51が反応しない温度(100℃程度)以下で実施できれば良く、スパッタリング法に限るものではない。ただし、耐インク性等を考慮すると緻密な膜を形成する必要があり、ECRスパッタ装置等の常温で緻密な膜を成膜できる装置を使用することが望ましい。
(P)続いて、SOI基板41の吐出面60の表面に撥インク処理を施す。
すなわち、F原子を含む撥インク性を持った材料を蒸着やディッピングで成膜し、撥インク層47を形成する。このとき、第1のノズル孔11a及び第2のノズル孔11bの内壁も撥インク処理される。
(Q)(図はSOI基板41の上下を反転)先ず、吐出面60に保護フィルム70を貼り付ける。続いて、上記(L)と同様に、透明材料(ガラス等)の第2の支持基板80に、紫外線または熱などの刺激で容易に接着力が低下する自己剥離層71を持った両面テープ72を張り合わせる。そして、第2の支持基板80に貼り合わせた両面テープ72の自己剥離層71の面を、SOI基板41の吐出面60(保護フィルム貼付済み)と向かい合わせ、真空中で貼り合せる。これにより、接着界面に気泡が残らないきれいな接着を行える。
(R)第1の支持基板50側からUV光を照射し、両面テープ52の自己剥離層51をSOI基板41の接合面43aから剥離し、第1の支持基板50をノズルプレート1から取り外す。
(S)次に、接合面43aの表面および第1のノズル孔11a、第2のノズル孔11bの内壁に余分に形成された撥インク層47をArスパッタもしくは02 プラズマ処理によって除去する。その後、ノズルプレートの接着強度を上げるため、プライマー処理液に1時間浸漬した後、純水でリンスし、80℃で1時間の条件でベーキングする。このとき、プライマー処理液として例えばシランカップリング剤を用いるが、保護フィルム70を介さず両面テープ72を直接ノズルプレート(SOI基板41)に貼り付けた場合、ノズル周辺の自己剥離層接着面にプライマー処理液が進入し、ノズル周りの撥インク性が損なわれる不都合があるが、本例では保護フィルム70を介すようにしているので、このような不都合を防止できるようになっている。
以上の方法により、SOI基板41を用いたノズル長のばらつきが少ないノズルプレート1が形成される。
次に、ノズルプレート1と接合基板4(キャビティプレート2と電極基板3とを接合した接合基板)とを接合する。なお、接合基板4を構成するキャビティプレート2と電極基板3のそれぞれの基板の製造方法、及びキャビティプレート2と電極基板3との接合方法は、それぞれ従来公知の方法を用いることができるため、ここではその説明を省略する。
図7は、ノズルプレート1と接合基板4との接合工程の説明図である。図8(a)は、ノズルプレート1のウエハ全体を示す平面図、図8(b)は、第2の支持基板80の平面図である。
ノズルプレート1のウエハには、図8(a)に示すように上記(A)〜(J)の工程でノズル孔11を形成すると同時に所定の場所にドライエッチングが施され、位置決め用アライメント孔1aが形成されている。この位置決め用アライメント孔1aは、ノズルプレート1を位置決め用アライメント治具90にセットする際に位置決め用アライメントピン91が通される位置決め孔で、接合基板4の位置決め用アライメント孔4aと対向する位置に形成されている。また、第2の支持基板80には、図8(b)に示すように逃げ孔80aが形成されている。この逃げ孔80aは、第2の支持基板80をノズルプレート1と共に位置決め用アライメント治具90にセットする際に、位置決め用アライメントピン91と干渉しないように、位置決め用アライメント孔1a、2aよりも大きめに形成されている。
そして、ノズルプレート1のウエハと接合基板4とを接合する際には、まず、接合基板4を、キャビティプレート2が上面にくるように、位置決め用アライメントピン91と接合基板4の位置決め用アライメント孔4aとを用いて位置決めし、位置決め用アライメント治具90にセットする。その後、第2の支持基板80が貼り付けられた状態のノズルプレート1をキャビティプレート2の上にセットする。なお、このとき、ノズルプレート1のキャビティプレート2との接触面には、接着層100が1〜2μmの厚さで塗布された状態となっている。そして、接合治具で接合荷重1〜3kgf/cm2 を加えることによりノズルプレート1と接合基板4のキャビティプレート2とが接合される。
図9は、ノズルプレート1と接合基板4との接合後の工程を示した図である。
(T)(図はSOI基板41の上下を反転)ノズルプレート1は、第2の支持基板80が貼付られた状態で接合基板4のキャビティプレート2と接合されている。
(U)第2の支持基板80側からUV光を照射し、両面テープ72の自己剥離層71をノズルプレート1の吐出面60から剥離し、第2の支持基板80をノズルプレート1から取り外す。
(V),(W)ノズルプレート1の吐出面60に残る保護フィルム70を引き剥がし、ヘッドサイズに切断する。
以上により、インクジェットヘッド10が完成する。
このように本実施の形態のノズルプレートの製造方法によれば、ノズルプレート1を構成するノズルプレート基材としてSOI基板を用い、厚み精度の高い活性層41aに第1のノズル孔11aと第2のノズル孔11bとを形成するようにしたので、従来、研削やエッチングを用いてノズル長の調整を行う方法に比べて、ノズル長のばらつきを低減することができ、歩留まり良くノズルプレートを製造できる。
また、活性層41a側の表面にエッチングマスクを形成した後、そのエッチングマスクを用いて活性層41aにエッチングを行う工程を複数回繰り返すことにより、第1のノズル孔11aと第2のノズル孔11bとを形成するようにしたので、すなわち、同一方向からドライエッチングすることにより第1のノズル孔11aと第2のノズル孔11bとを形成するようにしたので、両面アライメントにより各ノズル孔を形成する方法に比べ、アライメントズレに起因した飛行曲がりを低減でき、歩留まり良くノズルプレートを製造できる。
なお、本実施の形態では、ノズル孔11を、円筒状の第1のノズル孔11aと、第1のノズル孔11aより径の大きい円筒状の第2のノズル孔11bとからなる形状の例を示したが、この形状に限られたものではなく、径が異なる複数の孔を同一軸上に有する形状であればよい。例えば、先端側を円筒形状とし、後側の部分が円錐状に広がった形状としてもよい。この形状の場合も、活性層41a側の表面にエッチングマスクを形成した後、エッチングを行う工程を複数回繰り返すことにより形成することができる。また、このように径が異なる複数の孔を同一軸上に有する形状のノズル孔とすることにより、全体として円筒形状をしたノズル孔とする場合に比べて、インクキャビティの側からノズルに加わるインク圧力の方向をノズル軸線方向に揃えることができ、安定した吐出特性を得ることができる。
また、ノズル孔11をICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)放電によるドライエッチングで形成することにより、短時間で高精度に形成することができる。
また、本実施の形態のノズルプレートの製造方法は、静電駆動方式のインクジェットヘッドに用いるノズルプレートの場合を例に説明したが、圧電駆動方式やバブルジェット方式など、他方式のインクジェットヘッドのノズルプレートにも適用可能である。
一実施の形態に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す分解斜視図。 図1の右半分の概略構成を示すジェットヘッドの断面図。 ノズルプレートの製造方法を示す製造工程の断面図。 図3に続くノズルプレートの製造工程の断面図。 図4に続くノズルプレートの製造工程の断面図。 図5に続くノズルプレートの製造工程の断面図。 ノズルプレートとキャビティプレートとの接合工程の説明図。 図7の接合工程の補足説明図。 インクジェットヘッド完成までの製造工程の断面図。
符号の説明
1 ノズルプレート、2 キャビティプレート、3 電極基板、10 インクジェットヘッド、11 ノズル孔、11a 第1のノズル孔、11b 第2のノズル孔、41 SOI基板、41a 活性層、41b 支持体、41c 誘電体層。

Claims (5)

  1. Si層から成る活性層とSi層から成る支持体との間に、SiO2層から成る誘電体層が接合された構成のSOI基板の前記活性層側の表面にエッチングマスクを形成する工程と、
    前記活性層に、エッチングを複数回繰り返すことにより、径が異なる複数の孔を同一軸上に有する構成のノズル孔を形成する工程と、
    前記SOI基板の前記支持体を除去する工程と、
    前記SOI基板の前記誘電体層を除去する工程と
    を有することを特徴とするノズルプレートの製造方法。
  2. 前記支持体の除去を研削又はエッチングで行うことを特徴とする請求項1記載のノズルプレートの製造方法。
  3. 前記ノズル孔の形成は、ドライエッチングで行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のノズルプレートの製造方法。
  4. 前記ドライエッチングは、ICP放電によるドライエッチングであることを特徴とする請求項3記載のノズルプレートの製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載のノズルプレートの製造方法を用いて液滴吐出ヘッドを製造することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
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