JP4678298B2 - ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法及びデバイスの製造方法 - Google Patents

ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法及びデバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法及びデバイスの製造方法に関する。
インクジェットヘッドは、記録時の騒音が極めて小さいこと、高速印字が可能であること、インクの自由度が高く安価な普通紙を使用できることなど、多くの利点を有する。この中でも記録が必要なときにのみインク液滴を吐出する、いわゆるインク・オン・デマンド方式が、記録に不要なインク液滴の回収を必要としないため、現在主流となってきている。このインク・オン・デマンド方式のインクジェットヘッドには、インクを吐出させる方法として、駆動手段に静電気力を利用したものや、圧電振動子や発熱素子等を用いたものがある。
インクジェットヘッドは、一般に、インク滴を吐出させるための複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、このノズル基板に接合されノズル基板との間で上記ノズル孔に連通する吐出室、リザーバ等のインク流路が形成されたキャビティ基板とを備え、駆動部によって吐出室に圧力を加えることにより、選択されたノズル孔よりインク滴を吐出するようになっている。
近年、インクジェットヘッドに対して、印字、画質等の高品位化の要求が強まり、高密度化並びに吐出性能の向上が要求されている。このため、インクジェットヘッドのノズル部に関して、様々な工夫、提案がなされている。
インクジェットヘッドにおいて、インク吐出特性を改善するためには、ノズル部の流路抵抗を調整し、最適なノズル長さになるように、基板の厚さを調整することが望ましい。このようなノズル基板を作製する場合、シリコン基材の一方の面からICP(Inductively Coupled Plasma)放電を用いた異方性ドライエッチングを施し、内径の異なる第1の凹部(噴射口部分となる小径凹部)と第2の凹部(導入口部分となる大径凹部)を2段に形成した後、反対の面から一部分を異方性ウェットエッチングにより掘下げ、ノズル孔の長さを調整する方法が採られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、あらかじめシリコン基材を所望の厚みに研磨した後、シリコン基材の両面にそれぞれドライエッチング加工を施して、ノズル孔の噴射口部分と導入口部分を形成する方法もある(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−28820号公報(第4頁−5頁、図3、図4) 特開平9−57981号公報(第2頁−3頁、図1、図2)
特許文献1記載の技術では、ノズル孔が開口する吐出面がノズル基板の表面から一段下がった凹部の底面に位置するため、インク滴の飛行曲がりが生じたり、あるいはノズル孔の目詰まりの原因となる紙粉、インク等が吐出面である凹部底面に付着したとき、これらをゴム片あるいはフェルト片等で払拭するが、ワイピング作業は容易ではなかった。
特許文献2記載の技術では、製造工程中にシリコン基材が割れ易く、そのため高価になってしまう。また、ドライエッチング加工の際に、加工形状が安定するように基材の裏面からHeガス等で冷却を行うが、ノズル孔の貫通時にHeガスがリークして、エッチングが不可能になる場合があった。
このため、予めシリコン基材にノズル孔となる凹部を形成しておき、石英ガラスなどの支持基板を樹脂を介してシリコン基材に貼り合わせ、シリコン基材を研削やエッチング加工等により薄板化加工してノズル孔(凹部)を開口する方法もあった。
しかしながら、接着樹脂を介する張り合わせでは、ノズル孔となる凹部内に低粘度の樹脂が入り込むため、シリコン基材から樹脂層を分離する際に樹脂層を剥離することが容易でなく、このため薄板化加工を施したシリコン基材に割れや欠けが生じる場合があった。また、ノズル孔となる凹部内に樹脂詰まりが発生し歩留まりが低下したり、ノズルに詰まった樹脂を除去する工程が必要になるため生産性が低下していた。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、シリコン基材を薄板化加工するときには強固に接着してシリコン基材を破損させることがなく、加工処理後にはシリコン基材から容易に剥離することができ、しかもノズル孔内部に接着樹脂などの異物が侵入することもなく、高歩留まりで生産性の良いノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法及びデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るノズル基板の製造方法は、小径孔先端が基材により閉じられ大径孔基端が基材表面に開口して2段形状で連通したノズル孔をエッチング加工によってシリコン基材に形成する工程と、シリコン基材の大径孔側の面に支持基板を貼り合せる工程と、シリコン基材の小径孔側の面を薄板化して小径孔の先端部を開口させる工程と、シリコン基材の小径孔側の面を撥インク処理する工程と、支持基板をシリコン基材より剥離する工程とを有するノズル基板の製造方法であって、シリコン基材の大径孔側の面と支持基板とを両面接着シートを介して貼り合せるようにしたものである。
シリコン基材にノズル孔を形成する際に、ノズル孔が最適の長さになるように基材の厚さを円滑に調整することができ、この際、シリコン基材が割れることもない。また、両面接着シートを介して貼り合わせるようにしたので、ノズル孔の内部に接着樹脂などの異物が侵入することがなく、歩留まりの向上と生産性の向上を同時に達成することができる。
本発明に係るノズル基板の製造方法は、両面接着シートが、その接着面に紫外線または熱により接着力が低下する自己剥離層を有するものである。
自己剥離層を備えた両面接着シートを用いて貼り合わせるようにしたので、シリコン基材の薄板化加工時にはシリコン基材に支持基板が強固に接着してシリコン基材を破損することなく加工することができ、処理後には支持基板をシリコン基材から容易に剥離することができる。
本発明に係るノズル基板の製造方法は、両面接着シートが、片面に自己剥離層を有し、自己剥離層を有する接着面側にノズル基材を接着するようにしたものである。
シリコン基材の薄板化加工時には自己剥離層を持った側の面でシリコン基材に接着してシリコン基材を破損することなく加工することができ、処理後には自己剥離層を有する面側においてシリコン基材から容易に剥離することができる。
本発明に係るノズル基板の製造方法は、両面接着シートが、両面に自己剥離層を有し、自己剥離層を有する両接着面においてシリコン基材と支持基板を接着するようにしたものである。
シリコン基材の薄板化加工時には自己剥離層を持った両面でそれぞれシリコン基材と支持基板に強固に接着してシリコン基材を破損することなく加工することができ、処理後には自己剥離層を有する両面においてシリコン基材と支持基板とを容易に剥離することができる。
本発明に係るノズル基板の製造方法は、シリコン基材と支持基板との両面接着シートを介した貼り合わせを減圧環境下で行うものである。
減圧環境下で貼り合わせることによって、接着界面に気泡が残らないきれいな接着が可能となり、このため研磨加工において薄板化されるシリコン基材の板厚がばらつくことはない。
本発明に係るノズル基板の製造方法は、シリコン基材と支持基板との両面接着シートを介した貼り合わせを10Pa以下で行うものである。
10Pa以下で貼り合わせることによって、接着界面に気泡が残らない非常にきれいな接着が可能となり、このため研磨加工において薄板化されるシリコン基材の板厚がばらつくことはない。
本発明に係るノズル基板の製造方法は、両面接着テープの自己剥離層を有する接着面にUV照射または加熱をして支持基板をシリコン基材から剥離するようにしたものである。
接着界面にUV照射または加熱を行うことによって、支持基板をシリコン基材から容易に剥離することができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、上記いずれかに記載のノズル基板の製造方法を適用して液滴吐出ヘッドを製造するようにしたものである。
シリコン基材の加工時にシリコン基材が割れたりせず、歩留まりの向上と生産性の向上を同時に達成した液滴吐出ヘッドを得ることができる。
本発明に係る液滴吐出装置の製造方法は、上記いずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置を製造するようにしたものである。
歩留まり向上と生産性向上を同時に達成に達成した液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を得ることができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドを備えたデバイスの製造方法は、上記いずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用してデバイスを製造するようにしたものである。
歩留まり向上と生産性向上を同時に達成することができるデバイスを得ることができる。
図1は本発明の一実施の形態に係る液滴吐出ヘッドの分解斜視図、図2は図1の要部の縦断面図である。図において、インクジェットヘッド10は、複数のノズル孔11が所定の間隔で設けられたノズル基板1と、各ノズル孔11に対して独立にインク供給路が設けられたキャビティ基板2と、キャビティ基板2の振動板22に対峙して個別電極31が設けられた電極基板3とを貼り合わせて構成したものである。
ノズル基板1はシリコン基材から作製されている。インク滴を吐出するためのノズル孔11は、径の異なる2段の円筒状に形成されたノズル孔部分、すなわちインク吐出面1a側に位置して先端がこのインク吐出面1bに開口する径の小さい第1のノズル孔(噴射口部分の小径孔)11aと、キャビティ基板2と接合する接合面1a側に位置して導入口部分が接合面1aに開口する径の大きい第2のノズル孔(導入口部分の大径孔)11bとから構成され、基板面に対して垂直にかつ同軸上に設けられている。こうして、インク滴の吐出方向をノズル孔11の中心軸方向に揃え、安定したインク吐出特性を発揮させることによって、インク滴の飛翔方向のばらつきをなくし、インク滴の飛び散りをなくし、インク滴の吐出量のばらつきを抑制することができる。
キャビティ基板2は、シリコン基材から作製され、キャビティ基板2には、吐出凹部210、オリフィス凹部230およびリザーバ凹部240が形成されている。そして、オリフィス凹部230(オリフィス23)を介して吐出凹部210(吐出室21)とリザーバ凹部240(リザーバ24)とが連通している。リザーバ24は各吐出室21に共通の共通インク室を構成し、それぞれオリフィス23を介してそれぞれの吐出室21に連通している。リザーバ24の底部には後述する電極基板3を貫通するインク供給孔25が形成され、このインク供給孔25を通じて、図示しないインクカートリッジからインクが供給される。また、吐出室21の底壁は振動板22となっている。なお、キャビティ基板2の全面もしくは少なくとも電極基板3との対向面には、熱酸化やプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によりなる絶縁性のSiO2膜26が施されている。この絶縁膜26は、インクジェットヘッド10を駆動させたときに、絶縁破壊やショートを防止する。
電極基板3は、ガラス基材から作製される。電極基板3には、キャビティ基板2の各振動板22に対向する位置にそれぞれ凹部310が設けられている。そして、各凹部310内には、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)からなる個別電極31がスパッタにより形成されている。したがって、振動板22と個別電極31との間に形成されるギャップは、この凹部310の深さ、個別電極31および振動板22を覆う絶縁膜26の厚さにより決定されることになる。
個別電極31は、リード部31aと、フレキシブル配線基板(図示せず)に接続される端子部31bとを備えている。端子部31bは、配線のためにキャビティ基板2の末端部が開口された電極取り出し部311内に露出している。そして、ICドライバ等の駆動制御回路40を介して、各個別電極31の端子部31bとキャビティ基板上の共通電極27とが接続されている。
次に、上記のように構成したインクジェットヘッド10の動作を説明する。駆動制御回路40が駆動し、個別電極31に電荷を供給して正に帯電させると、振動板22は負に帯電し、個別電極31と振動板22の間に静電気力が発生する。この静電気力によって、振動板22は個別電極31に引き寄せられて撓む。これによって、吐出室21の容積が増大する。個別電極31への電荷の供給を止めると、振動板22はその弾性力により元に戻り、その際、吐出室21の容積が急激に減少して、そのときの圧力により吐出室21内のインクの一部がインク滴としてノズル孔11より吐出する。振動板22が次に同様に変位すると、インクがリザーバ24からオリフィス23を通って吐出室21内に補給される。
上記のように構成されたインクジェットヘッド10の製造方法について、図3〜図8を用いて説明する。図3は本発明の実施の形態に係るノズル基板1を示す上面図、図4〜図8はノズル基板1の製造工程を示す断面図(図3をA−A線で切断した断面図)である。
ノズル基板1の製造工程を、図4〜図8を用いて以下に説明する。
(a) まず、図4(a)に示すように、厚み280μmのシリコン基材100を用意し、熱酸化装置(図示せず)にセットして酸化温度1075℃、酸化時間4時間、酸素と水蒸気の混合雰囲気中の条件で熱酸化処理し、シリコン基材100の表面に膜厚1μmのSiO2 膜101を均一に成膜する。
(b) 次に、図4(b)に示すように、シリコン基材100の接合面(キャビティ基板2と接合されることとなる面であって、大径孔側の面ともいう)100aにレジスト102をコーティングし、第2のノズル孔となる部分110aをパターニングする。
(c) 次に、図4(c)に示すように、シリコン基材100を、例えば緩衝フッ酸水溶液(フッ酸水溶液:フッ化アンモニウム水溶液=1:6)でハーフエッチングし、SiO2 膜101を薄くする。このとき、インク吐出側の面(小径孔側の面ともいう)100bのSiO2 膜101もエッチングされ、SiO2 膜101の厚みが減少する。
(d) 次に、図4(d)に示すように、シリコン基材100のレジスト102を硫酸洗浄などにより剥離する。
(e) 次に、図4(e)に示すように、シリコン基材100の接合面100a側にレジスト103をコーティングし、第2のノズル孔となる部分110bをパターニングする。
(f) 次に、図5(f)に示すように、シリコン基材100を緩衝フッ酸水溶液(フッ酸水溶液:フッ化アンモニウム水溶液=1:6)でエッチングし、ノズル孔となる部分110bのシリコン基材100のSiO2 膜101を開口する。このとき、インク吐出側の面100bのSiO2 膜101はエッチングされ、完全に除去される。
(g) 次に、図5(g)に示すように、シリコン基材100の接合面100a側に設けたレジスト103を、硫酸洗浄などにより剥離する。
(h) 次に、図5(h)に示すように、ICPドライエッチング装置(図示せず)により、SiO2 膜101の開口部を、例えば深さ25μmで垂直に異方性ドライエッチングし、第1のノズル孔11aを形成する。この場合のエッチングガスとしては、C48、SF6 を使用し、これらのエッチングガスを交互に使用すればよい。ここで、C48は形成される溝の側面にエッチングが進行しないように溝側面を保護するために使用し、SF6 はシリコン基板100の垂直方向のエッチングを促進させるために使用する。
(i) 次に、図5(i)に示すように、第2のノズル孔となる部分のSiO2 膜101のみがなくなるように、緩衝フッ酸水溶液でハーフエッチングする。
(j) 次に、図5(j)に示すように、ICPドライエッチング装置によりSiO2 膜101の開口部を、深さ40μmで垂直に異方性ドライエッチングし、第2のノズル孔11bを形成する。
(k) 次に、シリコン基板100の表面に残るSiO2 膜101をフッ酸水溶液で除去した後、シリコン基材100を熱酸化装置(図示せず)にセットし、酸化温度1000℃、酸化時間2時間、酸素雰囲気中の条件で熱酸化処理を行い、図6(k)に示すように、シリコン基材100の接合面100a及びインク吐出側の面100bに、さらに第1のノズル孔11a及び第2のノズル孔11bの側面及び底面に、膜厚0.1μmのSiO2 膜104を均一に成膜する。
(l) 次に、図6(l)(以後、図6(o)に到るまで、図6(k)に示したシリコン基材100の上下を逆転した状態で示す)のように、シリコン基材100の接合面に、両面接着シート50を介して、ガラス等の透明材料よりなる支持基板120を貼り付ける。この両面接着シート50には、例えば、セルファBG(登録商標:積水化学工業)を用いる。両面接着シート50は自己剥離層51を持ったシート(自己剥離型シート)で、その両面には接着面を有し、その一方の面にはさらに自己剥離層51を備え、この自己剥離層51は紫外線または熱などの刺激によって接着力が低下するようになっている。
本実施の形態では、両面接着シート50の接着面のみよりなる面50aを支持基板120の面と向かい合わせ、両面接着シート50の自己剥離層51を備えた側の面50bをシリコン基材100の接合面100aとを向かい合わせ、これらの面を減圧環境下(10Pa以下)、例えば真空中で貼り合わせる。こうすることによって、接着界面に気泡が残らず、きれいな接着が可能になる。接着界面に気泡が残ると、研磨加工で薄板化されるシリコン基材100の板厚がばらつく原因となる。
なお、上記の説明では両面接着シート50の一方の面50bにのみ自己剥離層51を備えている場合を示したが、自己剥離層51は両面接着シート50の両方の面50a,50bに設けたものであってもよい。この場合は、シリコン基材100の薄板化加工時には、自己剥離層を持った両面50a,50bでそれぞれシリコン基材100と支持基板120に接着した状態でシリコン基材100を加工することができ、処理後には自己剥離層を有する両面50a,50bにおいて、シリコン基材100と支持基板120を剥離することができる。
(m) 次に、図6(m)に示すように、シリコン基材100のインク吐出側の面100bをバックグラインダー(図示せず)によって研削加工し、第1のノズル孔11aの先端が開口するまでシリコン基材100を薄くする。さらに、ポリッシャー、CMP装置によってノズル面100bを研磨し、第1のノズル孔11aの先端部の開口を行っても良い。このとき、第1のノズル孔11a及び第2のノズル孔11bの内壁は、ノズル内の研磨材の水洗除去工程などによって洗浄する。
あるいは、第1のノズル孔11aの先端部の開口を、ドライエッチングで行っても良い。例えば、SF6 をエッチングガスとするドライエッチングで、第1のノズル孔11aの先端部までシリコン基材100を薄くし、表面に露出した第1のノズル孔11aの先端部のSiO2 膜104を、CF4又はCHF3等のエッチングガスとするドライエッチングによって除去してもよい。
(n) 次に、図6(n)に示すように、シリコン基材100のインク吐出側の面100bに、スパッタ装置でSiO2 膜105を0.1μmの厚みで成膜する。ここで、SiO2 膜105の成膜は、両面接着シート50が劣化しない温度(200℃程度)以下で実施できればよく、スパッタリング法に限るものではない。ただし、耐インク性等を考慮すると緻密な膜を形成する必要があり、ECRスパッタ装置等の常温で緻密な膜を成膜できる装置を使用することが望ましい。
(o) 続いて、図6(o)に示すように、シリコン基材100のインク吐出側の面100bにさらに撥インク処理を施す。この場合、F原子を含む撥インク性を持った材料を蒸着やディッピングで成膜し、撥インク層106を形成する。このとき、第1のノズル孔11a及び第2のノズル孔11bの内壁も、撥インク処理される。
(p) 次に、図7(p)(以後、図7(s)に到るまで、図6(o)に示したシリコン基材100の上下を逆転した状態で示す)に示すように、撥インク処理されたインク吐出側の面100bに、ダイシングテープ60をサポートテープとして貼り付ける。
(q) 次に、図7(q)に示すように、支持基板120側からUV光を照射する。
(r) こうして、図7(r)に示すように、両面接着シート50の自己剥離層51をシリコン基材100の接合面100a面から剥離させ、支持基板120をシリコン基板100から取り外す。
(s) 次に、図7(s)に示すように、ArスパッタもしくはO2 プラズマ処理によって、シリコン基材100の接合面100a側および第1のノズル孔11a、第2のノズル孔11bの内壁に余分に形成された撥インク層106を除去する。
(t) 次に、図8(t)(以後、図8(u)に到るまで、図7(s)に示したシリコン基材100の上下を逆転した状態で示す)に示すように、シリコン基材100の接合面100a(ダイシングテープ60が貼り付けられているインク吐出側の面100bと反対側に位置する面)を吸着治具70に吸着固定し、インク吐出側の面100bにサポートテープとして貼り付けられているダイシングテープ60を剥離する。
(u) 最後に、図8(u)に示すように、吸着治具70の吸着固定を解除して、シリコン基材100からノズル基板1を回収する。
シリコン基材100にはノズル基板外輪溝が彫られているため、吸着治具70からピックアップする段階でノズル基板1は個片に分割されている。
以上の工程を経ることにより、シリコン基材100よりノズル基板1を形成する。なお、ノズル内に入り込んだ自己剥離層51が、接合面100a側のノズル稜線部に付着して残る場合もあるが、硫酸洗浄等により除去することができる。
次に、上記のようにして構成したノズル基板1の接合面100aに、キャビティ基板2の接合面を貼り合せる(接合工程は図示せず)。
以上の工程を経ることにより、ノズル基板1とキャビティ基板2の接合体を形成する。
その後、ノズル基板1とキャビティ基板2からなる接合体において、キャビティ基板2の他の接合面に電極基板3の接合面を貼り付ける(接合工程は図示せず)。
以上の工程を経ることにより、ノズル基板1、キャビティ基板2及び電極基板3の接合体を形成し、インクジェットヘッド10を完成する。
本発明に係るインクジェットヘッド10の製造工程において、ノズル基板1となるシリコン基材100を加工する際、シリコン基材100と支持基板120を両面接着シート50を介して貼り合わせるだけでよいので、従来のようにシリコン基材100のノズル孔11に接着樹脂等の異物が入り込むことがなく、このためシリコン基材100から両面接着シート50を分離する際にシリコン基材100に割れや欠けが生じることはなく、ノズル基板1の歩留まりを向上させ、生産性を飛躍的に向上させることができる。
上記の実施の形態では、ノズル基板1の製造方法、インクジェットヘッドの製造方法について述べたが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々変更することができる。例えば、ノズル孔11より吐出される液状材料を変更することにより、図9に示すインクジェットプリンタ200のほか、他の液滴吐出装置や、デバイスに適用することができる。
本発明の一実施の形態にかかるインクジェットヘッドの分解斜視図。 図1の要部の縦断面図。 図1のノズル基板の上面図。 図1のノズル基板の製造方法の断面図。 図4に続くノズル基板の製造方法の断面図。 図5に続くノズル基板の製造方法の断面図。 図6に続くノズル基板の製造方法の断面図。 図7に続くノズル基板の製造方法の断面図。 本発明の一実施の形態にかかるインクジェットヘッドを使用したインクジェットプリンタの斜視図。
符号の説明
1 ノズル基板、2 キャビティ基板、3 電極基板、10 インクジェットヘッド、11 ノズル孔、11a 第1のノズル孔(小径孔)、11b 第2のノズル孔(大径孔)、50 両面接着シート、51 自己剥離層、100 シリコン基材、100a シリコン基材の接合面(大径孔側の面)、100b インク吐出側の面(小径孔側の面)、106 撥インク層、120 支持基板、200 インクジェットプリンタ。

Claims (8)

  1. 小径孔が基材により閉じられ大径孔が基材表面に開口して2段形状で連通したノズル孔をエッチング加工によってシリコン基材に形成する第一の工程と、前記シリコン基材の大径孔側の面に支持基板を貼り合せる第二の工程と、前記シリコン基材の小径孔側の面を薄板化して前記小径孔の先端部を開口させる第三の工程と、前記シリコン基材の小径孔側の面を撥インク処理する第四の工程と、前記支持基板を前記シリコン基材より剥離する第五の工程とを有するノズル基板の製造方法であって、前記第二の工程において、前記シリコン基材との接着面側に紫外線または熱によって接着力が低下する自己剥離層を有する両面接着シートで、前記シリコン基材の大径孔側の面と前記支持基板とを貼り合せることを特徴とするノズル基板の製造方法。
  2. 前記両面接着シートが、両面に自己剥離層を有し、該自己剥離層を有する両接着面において前記ノズル基板と前記支持基板を接着することを特徴とする請求項記載のノズル基板の製造方法。
  3. 前記シリコン基材と前記支持基板との前記両面接着シートを介した貼り合わせを、減圧環境下で行うことを特徴とする請求項1または2に記載のノズル基板の製造方法。
  4. 前記シリコン基材と前記支持基板との前記両面接着シートを介した貼り合わせを、10Pa以下で行うことを特徴とする請求項記載のノズル基板の製造方法。
  5. 前記両面接着シートの自己剥離層を有する接着面にUV照射または加熱をして前記支持基板を前記シリコン基材から剥離するようにしたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のノズル基板の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のノズル基板の製造方法を適用して液滴吐出ヘッドを製造することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  7. 請求項記載の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置を製造することを特徴とする液滴吐出装置の製造方法。
  8. 請求項記載の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用してデバイスを製造することを特徴とするデバイスの製造方法。
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