JP5315975B2 - ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置並びにこれらの製造方法 - Google Patents

ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置並びにこれらの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5315975B2
JP5315975B2 JP2008323446A JP2008323446A JP5315975B2 JP 5315975 B2 JP5315975 B2 JP 5315975B2 JP 2008323446 A JP2008323446 A JP 2008323446A JP 2008323446 A JP2008323446 A JP 2008323446A JP 5315975 B2 JP5315975 B2 JP 5315975B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
droplet
substrate
nozzle
droplet discharge
terminal portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008323446A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010143106A (ja
Inventor
清貴 小出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2008323446A priority Critical patent/JP5315975B2/ja
Publication of JP2010143106A publication Critical patent/JP2010143106A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5315975B2 publication Critical patent/JP5315975B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、液滴を吐出するためのノズル孔を有するノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置並びにこれらの製造方法に関する。
例えば液滴吐出方式のプリンタのような液滴吐出装置に搭載される液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)は、一般に、インク滴を吐出するためのノズル孔が形成されたノズル基板を備え、このノズル基板に吐出室、リザーバ等のインク流路が形成されたキャビティ基板(流路基板とも呼ばれる)を接合し、駆動部により吐出室に圧力を加えることによりインク滴を選択されたノズル孔より吐出するように構成されている。駆動手段としては、静電気力を利用する方式や、圧電素子による圧電方式、発熱素子を利用する方式等がある。このような液滴吐出方式の液滴吐出装置は、液滴吐出ヘッドを被印刷物(紙等)との間で相対移動させ、被印刷物の所定の位置に液滴を吐出させて印刷等をするものである。
近年、インクジェットヘッドに対して、印刷速度の高速化及びカラー化を目的としてノズル列を複数有する構造が求められており、さらに加えて、ノズルは高密度化するとともに長尺化(1列あたりのノズル数が増加)しており、インクジェットヘッド内のアクチュエータ数は益々増加している。このような背景から、ノズルの高精度加工と高耐久性に優れたインクジェットヘッドが要求され、従来より様々な工夫、提案がなされている。このうち、ノズル基板の液滴の吐出面やノズル孔の内面及びその反対側の液流路に接する面(接合面)に対する被覆処理として、以下のような従来技術がある。
例えば、特許文献1には、チャンネルウェハとヒータウェハとから構成されるノズル孔の内面からノズル面(吐出面)にかけて疎水性被膜を連続して形成し、さらにノズル孔の内面にのみその疎水性被膜上に親水性被膜を形成するのもが提案されている。
特開平5−124200号公報
上述したように、液滴吐出装置に搭載される液滴吐出ヘッドは、被印刷物(紙等)との間で相対移動される。このため、液滴吐出ヘッドのノズル基板と被印刷物とが摺動して静電気が帯電し、ノズル基板と被印刷物との間に静電気放電が発生する。
このような静電気放電により、ノズル基板の吐出面に形成された液滴保護膜(被覆処理)が剥離又は破損する、という問題点があった。
特に、シリコンからなるノズル基板の場合、液滴保護膜(シリコン酸化膜等)が剥離又は破損すると、例えばアルカリ性のインク等の液滴(吐出液)によりシリコンが浸食され、液滴に対する耐久性が低下する、という問題点があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ノズル基板の液滴吐出面に形成された液滴保護膜の剥離又は破損の発生を抑制することができ、液滴に対するノズル基板の耐久性を向上させることができるノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置並びにこれらの製造方法を得ることを目的とする。
本発明に係るノズル基板は、シリコン基板を貫通させて、液滴を吐出するためのノズル孔を形成したノズル基板であって、前記シリコン基板の液滴吐出面に形成された液滴保護膜と、液滴吐出面側に形成され、前記液滴保護膜より絶縁耐圧が低い端子部とを備え、少なくとも前記端子部の表面に、前記液滴保護膜より絶縁耐圧が低い被覆膜を有するものである。
本発明によれば、液滴保護膜より絶縁耐圧が低い端子部を備えたので、被印刷物に帯電した静電気を端子部に放電させることができる。このため、ノズル基板の液滴吐出面に形成された液滴保護膜の剥離又は破損の発生を抑制することができる。
また、液滴保護膜の剥離又は破損の発生を抑制することにより、液滴によるシリコン基板の浸食を防止することができ、液滴に対するノズル基板の耐久性を向上させることができる。
また、本発明に係るノズル基板においては、前記端子部は、前記ノズル孔と当該ノズル基板の端部との間に形成されたものである。
本発明によれば、端子部はノズル孔とノズル基板の端部との間に形成されるので、ノズル孔及びノズル孔近傍に形成された液滴保護膜の剥離又は破損の発生を抑制することができる。
また、本発明に係るノズル基板においては、前記ノズル孔を複数配列したノズル孔列が形成され、前記端子部は、前記ノズル孔列の幅方向に幅広に形成されるものである。
本発明によれば、端子部はノズル孔列の幅方向に幅広に形成されるので、ノズル孔列を構成する各ノズル孔及びその近傍に形成された液滴保護膜の剥離又は破損の発生を抑制することができる。
また、本発明に係るノズル基板においては、前記端子部は、前記シリコン基板とオーミックコンタクト可能な材料により形成され、前記シリコン基板と電気的に接続されたものである。
本発明によれば、被印刷物に帯電した静電気の電荷がプラス又はマイナスの何れの電荷極性であっても、端子部に放電した静電気をシリコン基板に流すことができる。
また、本発明に係るノズル基板においては、前記端子部は、高融点金属のシリサイド膜、又はITO膜を主成分とするものである。
本発明によれば、端子部は高融点金属のシリサイド膜を主成分とするので、端子部とシリコン基板との密着性を向上させることができる。
また、ITO膜は電極の材料として汎用的であるため、製造コスト等の低減を図ることができる。
また、本発明に係るノズル基板においては、前記シリコン基板の液滴吐出面のうち、前記液滴保護膜が形成されない部分を前記端子部とするものである。
本発明によれば、シリコン基板の液滴吐出面のうち液滴保護膜が形成されない部分を端子部とするので、端子部を形成するための製造工程を省略することができ、端子部を容易に形成することができ、製造コスト等の低減を図ることができる。
また、本発明に係るノズル基板においては、少なくとも前記端子部の表面に、前記液滴保護膜より絶縁耐圧が低い被覆膜を有するものである。
本発明によれば、液滴保護膜より絶縁耐圧が低い被覆膜を有するので、液滴に対するノズル基板の耐久性をさらに向上させることができ、被印刷物に帯電した静電気を端子部に放電させることができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、上記のノズル基板を備えたものである。
本発明によれば、上記のノズル基板を備えているので、ノズル基板の液滴吐出面に形成された液滴保護膜の剥離又は破損の発生を抑制することができ、液滴に対するノズル基板の耐久性を向上させることができる液滴吐出ヘッドを得ることができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドにおいては、前記端子部は、当該液滴吐出ヘッドが収納される筐体に接地されるものである。
本発明によれば、端子部は液滴吐出ヘッドが収納される筐体に接地されるので、端子部に放電された電荷を筐体に逃がすことができる。
また、本発明に係る液滴吐出装置は、上記の液滴吐出ヘッドを搭載したものである。
本発明によれば、上記の液滴吐出ヘッドを搭載しているので、ノズル基板の液滴吐出面に形成された液滴保護膜の剥離又は破損の発生を抑制することができ、液滴に対するノズル基板の耐久性を向上させることができる液滴吐出ヘッドを得ることができる。
また、本発明に係る液滴吐出装置においては、前記液滴吐出ヘッドは、前記端子部が、前記ノズル孔より被印刷物の搬送方向上流側に配置されるように搭載されるものである。
本発明によれば、端子部が、ノズル孔より被印刷物の搬送方向上流側に配置されるので、被印刷物がノズル近傍に搬送される前に、被印刷物に帯電した静電気を端子部に放電させることができる。このため、ノズル孔及びノズル孔近傍に形成された液滴保護膜の剥離又は破損の発生を抑制することができる。
また、本発明に係るノズル基板の製造方法は、シリコン基板を貫通させてノズル孔を形成する工程と、前記シリコン基板の液滴吐出面のうち、端子部を形成する部分を第1のマスク部材で覆い、前記液滴吐出面に液滴保護膜を形成する工程と、前記第1のマスク部材を除去する工程と、前記シリコン基板の液滴吐出面のうち、前記端子部を形成する部分以外を第2のマスク部材で覆い、前記液滴保護膜より絶縁耐圧が低い端子部を形成する工程と、第2のマスク部材を除去する工程とを有するものである。
本発明によれば、シリコン基板の液滴吐出面上に液滴保護膜及び端子部を形成することができる。このため、被印刷物に帯電した静電気を端子部に放電させることができ、液滴保護膜の剥離又は破損の発生を抑制することができる。また、液滴保護膜の剥離又は破損の発生を抑制することにより、液滴によるシリコン基板の浸食を防止することができ、液滴に対するノズル基板の耐久性を向上させることができる。
また、第1のマスク部材及び第2のマスク部材を用いて端子部を形成するので、フォトリソグラフィ法などを用いる場合と比較して、製造工程の簡易化や製造コスト等の低減を図ることができる。
また、本発明に係るノズル基板の製造方法は、前記液滴吐出面の前記液滴保護膜上及び前記端子部上に、前記液滴保護膜より絶縁耐圧が低い被覆膜を形成する工程をさらに有するものである。
本発明によれば、液滴吐出面の液滴保護膜上及び端子部上に被覆膜を形成するので、液滴に対するノズル基板の耐久性をさらに向上させることができる。また、液滴保護膜より絶縁耐圧が低い被覆膜を形成するので、被印刷物に帯電した静電気を端子部に放電させることができる。
また、本発明に係るノズル基板の製造方法は、前記端子部をスパッタにより形成するものである。
本発明によれば、端子部をスパッタにより形成するので、成膜工程の中でも比較的低温の工程で、端子部を形成することができる。これにより、ノズル基板の製造の際、ノズル基板に樹脂等の支持基板を接着した状態で成膜でき、ハンドリング性や処理効率が向上し、コスト低減が可能になる。
また、本発明に係るノズル基板の製造方法は、シリコン基板を貫通させてノズル孔を形成する工程と、前記シリコン基板の液滴吐出面のうち、端子部を形成する部分を第1のマスク部材で覆い、前記液滴吐出面に液滴保護膜を形成する工程と、前記第1のマスク部材を除去する工程と、前記液滴吐出面に、前記液滴保護膜より絶縁耐圧が低い被覆膜を形成し、前記液滴吐出面のうち前記液滴保護膜が形成されない部分を前記端子部とする工程とを有するものである。
本発明によれば、シリコン基板の液滴吐出面のうち液滴保護膜が形成されない部分を端子部としている。このため、被印刷物に帯電した静電気を端子部に放電させることができ、液滴保護膜の剥離又は破損の発生を抑制することができる。
また、液滴吐出面に、液滴保護膜より絶縁耐圧が低い被覆膜を形成するので、液滴吐出面のうち液滴保護膜が形成されない部分の、液滴によるシリコン基板の浸食を防止することができ、液滴に対するノズル基板の耐久性を向上させることができる。
さらに、シリコン基板の液滴吐出面のうち液滴保護膜が形成されない部分を端子部とするので、端子部を形成するための製造工程を省略することができ、端子部を容易に形成することができ、製造コスト等の低減を図ることができる。
また、本発明に係るノズル基板の製造方法は、前記液滴保護膜をプラズマCVDにより形成するものである。
本発明によれば、液滴保護膜をプラズマCVDにより形成するので、成膜工程の中でも比較的低温の工程で、液滴保護膜を形成することができる。これにより、ノズル基板の製造の際、ノズル基板に樹脂等の支持基板を接着した状態で成膜でき、ハンドリング性や処理効率が向上し、コスト低減が可能になる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、上記のノズル基板の製造方法を適用して液滴吐出ヘッドを製造するものである。
本発明によれば、上記のノズル基板の製造方法を適用して液滴吐出ヘッドを製造するので、ノズル基板の液滴吐出面に形成された液滴保護膜の剥離又は破損の発生を抑制することができ、液滴に対するノズル基板の耐久性を向上させることができる液滴吐出ヘッドを製造することができる。
また、本発明に係る液滴吐出装置の製造方法は、上記の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置を製造するものである。
本発明によれば、上記の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置を製造するので、ノズル基板の液滴吐出面に形成された液滴保護膜の剥離又は破損の発生を抑制することができ、液滴に対するノズル基板の耐久性を向上させることができる液滴吐出装置を製造することができる。
実施の形態1.
以下、本発明に係るノズル基板を備えた液滴吐出ヘッドについて図面に基づいて説明する。ここでは、液滴吐出ヘッドの一例として、静電駆動方式のインクジェットヘッドについて、図1〜図4を用いて説明する。なお、本発明は、以下の図に示す構造、形状に限定されるものではなく、また、駆動方式についても他の異なる駆動方式により液滴を吐出する液滴吐出ヘッドにも適用することができる。
なお、本発明は、以下の図に示す構造、形状に限定されるものではない。また、以下の図面では、見やすくするため、各構成部材の大きさの関係が実際のものと異なる場合がある。また、図の上側を上とし、下側を下として説明する。
また、静電アクチュエータの一例として、フェース吐出型の液滴吐出ヘッドを示すが、これに限らずエッジ吐出型にも適用することができる。さらには、液滴吐出のためのエネルギーを与える駆動方式についても静電駆動方式以外の他の異なる駆動方式(例えば、圧電素子や発熱素子を用いたもの)の液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置にも適用することができる。
まず、インクジェットヘッドの構成を図1〜図4に示す。
図1は本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す分解斜視図であり、一部を断面で表してある。図2は組立状態における図1の右半分の概略構成を示すインクジェットヘッドの部分断面図である。図3は図2のノズル孔部分の拡大断面図である。図4は図1のノズル基板の上面図である。
本実施の形態に係るインクジェットヘッド10は、図1〜図4に示すように、所定のピッチで形成された複数のノズル孔11及び端子部としての導電性端子13が設けられたノズル基板1と、各ノズル孔11に対して独立にインク供給路が設けられたキャビティ基板2と、キャビティ基板2の振動板22に対峙して個別電極31が配設された電極基板3とを貼り合わせることにより構成されている。
ノズル基板1は、シリコン基板100から作製される。例えば単結晶シリコン基板が用いられる。なお、多結晶シリコン(ポリシリコン)基板を用いてもよい。このノズル基板1の製造方法については後で詳しく説明する。
図3に詳述するように、ノズル基板1には、シリコン基板100を貫通させて、インク滴等の液滴を吐出するためのノズル孔11が開口されている。ノズル孔11は、液滴を吐出する第1ノズル孔11aと、液滴を導入する第2ノズル孔11bとから構成されている。
第1ノズル孔11aは、ノズル基板1の表面(液滴吐出面)100aに対して垂直に、小径(約20〜30μm)の円筒状に形成されている。第2ノズル孔11bは、第1ノズル孔11aと同軸上に設けられ、第1ノズル孔11aよりも断面積が大きく、断面形状が円筒状に形成されている。このようにノズル孔11を2段の垂直孔を持つ構造とすることにより、インク液滴の吐出方向をノズル孔11の中心軸方向に揃えることができ、安定したインク吐出特性を発揮させることができる。すなわち、インク液滴の飛翔方向のばらつきがなくなり、またインク液滴の飛び散りがなく、インク液滴の吐出量のばらつきを抑制することができる。また、ノズル密度の高密度化も可能になる。なお、ここでは、ノズル孔11を、2段の孔を持つ構造とした例を示したが、さらに段階的に複数段としてもよく、また、ノズル孔の断面積が吐出方向に向かって連続的に減少する形状としてもよい。また、第1ノズル孔11aと第2ノズル孔11bとの段差部をテーパ状に形成してもよい。
ここで、ノズル基板1のキャビティ基板2との接合面100b(液滴吐出面100aの反対面)及びノズル孔11の内壁には、図3に示すように、例えばSiO2からなる第1の液滴保護膜12が連続して形成されている。従って、ノズル孔11の内面は親水性を有するものとなる。
また、液滴吐出面100a上には、例えばSiO2からなる第2の液滴保護膜14が膜厚約0.2〜2μmで形成されている。そして、液滴吐出面100a上の一部には、導電性を有する導電性端子13が膜厚約0.2〜2μmで形成されている。すなわち、導電性を有する導電性端子13は、第2の液滴保護膜14より静電気に対する絶縁耐圧が低いものである。このように静電気に対する絶縁耐圧が低い導電性端子13を形成することにより、被印刷物に帯電した静電気を導電性端子13に放電し易くすることができ、第2の液滴保護膜14への放電を抑制することが可能となる。
この導電性端子13は、シリコン基板100とオーミックコンタクト可能な材料により形成され、シリコン基板100と電気的に接続されている。このため被印刷物に帯電した静電気の電荷がプラス又はマイナスの何れの電荷極性であっても、導電性端子13に放電された静電気による電荷は、シリコン基板100に流入することとなる。この導電性端子13の材料としては、例えばシリコンとの親和性が良好である高融点金属のシリサイド膜を用いる。これにより導電性端子13とシリコン基板100との密着性を向上させることができる。また例えばITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)膜を用いる用にしてもよい。ITO膜は電極の材料として汎用的であるため、製造コスト等の低減を図ることができる。
また、導電性端子13は、図4に示すように、ノズル孔11とノズル基板1の基板端部との間に形成されている。例えばノズル孔11近傍から離れた位置に形成される。ノズル孔11の近傍に導電性端子13を形成する場合、ノズル孔11端部の保護膜の形成と、導電性端子13の形成とを高精度に行う必要があり、製造コスト等が増加するため、ノズル孔11近傍以外に形成するのが望ましい。
また、導電性端子13は、複数のノズル孔11からなるノズル孔列の幅方向に幅広に形成される。例えば縦幅(ノズル孔列の幅方向の幅)が少なくともノズル孔列の幅より長く形成され、横幅が約20〜40μmで形成される。なお、導電性端子13の形状はこれに限るものではなく、導電性端子13が、各ノズル孔11より被印刷物の搬送方向上流側に位置するものであればよい。例えば導電性端子13を複数本に分割して設けてもよい。
さらに、導電性端子13は、シリコン基板100を介して、当該インクジェットヘッド10が収納される筐体(図示せず)に接地されている。例えば、図2に示すように、ノズル基板1の基板端部の接地箇所28と筐体とを当接させることにより、シリコン基板100と筐体とを電気的に接続する。これにより導電性端子13からシリコン基板100に流入した静電気による電荷を筐体に逃がすことができる。なお、筐体の接続はこれに限らず、導電性端子13と筐体とが電気的に接続するものであればよく、例えば共通電極27に筐体アースを取り、シリコン基板100と共通電極27とを電気的に接続するようにしてもよい。また、導電性端子13と筐体とを直接接続するようにしてもよい。
そしてさらに、液滴吐出面100a側での撥水性を向上させるために、第2の液滴保護膜14上及び導電性端子13上には、被覆膜となる撥水膜15が形成されている。この撥水膜15は、第2の液滴保護膜14より静電気に対する絶縁耐圧が低くなるように形成されている。すなわち、液滴吐出面100a上のうち、撥水膜15と第2の液滴保護膜14とが形成された部分より、撥水膜15と導電性端子13とが形成された部分が、静電気に対する絶縁耐圧が低くなることになる。
この撥水膜15はフッ素含有有機ケイ素化合物を主成分とするものが望ましい。その理由は、第2の液滴保護膜14表面のヒドロキシル基がフッ素含有有機ケイ素化合物のメトキシ基等の加水分解基と強固に結合するため、第2の液滴保護膜14とその表面上に形成される撥水膜15との密着性が向上するからである。
キャビティ基板2は、上記のように構成されたノズル基板1が接着接合される。このキャビティ基板2は、シリコン基板から作製される。例えば単結晶シリコン基板が用いられる。キャビティ基板2には、ノズル孔11の各々に連通するインク流路溝が異方性ウェットエッチングにより形成される。このインク流路溝には、底壁を振動板22とし吐出室21となる吐出凹部210と、共通のインク室であるリザーバ23となるリザーバ凹部230と、このリザーバ凹部230と各吐出凹部210とを連通するオリフィス24となるオリフィス凹部240が形成される。なお、振動板22はボロン拡散層で形成することにより厚み精度を高精度に形成することができる。また、オリフィス24はノズル基板1側に設けることもでき、この場合は接合面100bにリザーバ凹部230と各吐出凹部210とを連通する細溝状の凹部として形成される。
また、キャビティ基板2には、電極基板3との接合面全面に短絡や絶縁破壊等を防止するための絶縁膜25が形成される。絶縁膜25としてはSiO2やSiN、あるいはAl23やHfO2等のいわゆるHigh−k材などが目的に応じて用いられる。特に、High−k材を用いると比誘電率がSiO2よりも大きいため、アクチュエータ発生圧力を高めることができ、更なる高密度化を図ることが可能となる。なお、絶縁膜25は必要に応じて個別電極31の対向面上に形成してもよい。また、インク流路溝側のキャビティ基板2全面には親水膜としてSiO2からなる耐インク保護膜26が熱酸化法やスパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等で形成され、さらにPt等の金属膜からなる共通電極27がキャビティ基板2上に形成される。
電極基板3は、上記のキャビティ基板2と陽極接合される。この電極基板3は、例えばホウ珪酸系のガラス基板から作製される。このガラス基板の振動板22と対向する位置には、それぞれ凹部32がエッチングにより形成され、さらに各凹部32の底面に一般にITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)からなる個別電極31がスパッタ法により形成される。個別電極31は、リード部31aと、フレキシブル配線基板(図示せず)に接続される端子部31bとを有する。これらの端子部31bは、図2に示すように、配線のためにキャビティ基板2の末端部が開口された電極取り出し部36内に露出している。また、電極基板3には、インクを供給するためにリザーバ23と連通するインク供給口33がサンドブラスト法等により形成される。インク供給口33は図示しないインクタンクに接続される。
この電極基板3と上記のキャビティ基板2とは、個別電極31と振動板22とが所定(例えば、0.1μm)のギャップ34を介して対向配置するように陽極接合される。これにより、ギャップ34を介して対峙する個別電極31と絶縁膜25を有する振動板22とで吐出室21に所要の圧力を加えることができる静電アクチュエータ4が構成される。なお、ギャップ34の開放端部は内部に水分や塵埃などが入らないようにエポキシ樹脂やスパッタ法による無機酸化物等の封止材35で気密に封止する。これにより、静電アクチュエータ4の駆動耐久性、信頼性が向上する。
そして、図2に簡略化して示すように、静電アクチュエータ4を駆動するために、ドライバIC等の駆動手段5を搭載したFPC(Flexible Print Circuit)を、電極取り出し部36において、導電性接着剤により、各個別電極31の端子部31bと、キャビティ基板2上に設けられた金属製の共通電極27に配線接続する。以上のようにしてインクジェットヘッド10が完成する。
ここで、インクジェットヘッド10の動作について説明する。任意のノズル孔11よりインク滴を吐出させるためには、そのノズル孔11に対応する静電アクチュエータ4を以下のように駆動する。
駆動手段5により当該個別電極31と共通電極である振動板22間にパルス電圧を印加する。パルス電圧の印加によって発生する静電気力により振動板22が個別電極31側に引き寄せられて当接し、吐出室21内に負圧を発生させ、リザーバ23内のインクを吸引し、インクの振動(メニスカス振動)を発生させる。このインクの振動が略最大となった時点で、電圧を解除すると、振動板22は個別電極31から離脱して、その時の振動板22の復元力によりインクを当該ノズル孔11から押出し、インク滴を吐出する。
本実施形態に係るインクジェットヘッド10によれば、ノズル基板1の液滴吐出面100a上に導電性端子13を備えたので、被印刷物に帯電した静電気を導電性端子13に放電させることができる。このため、ノズル基板1の液滴吐出面100aに形成された第2の液滴保護膜14の剥離又は破損の発生を抑制することができる。また、第2の液滴保護膜14の剥離又は破損の発生を抑制することにより、液滴によるシリコン基板100の浸食を防止することができ、液滴に対するノズル基板1の耐久性を向上させることができる。さらに、液滴に対するノズル基板1の耐久性が向上するので、シリコンに腐食性のある液滴材料であっても、シリコン酸化膜からなる第2の液滴保護膜14に対する耐性がある液滴材料であれば使用することができ、液滴材料の選択範囲を広くすることが可能となる。
また、導電性端子13はノズル孔11とノズル基板1の端部との間に形成されるので、被印刷物がノズル孔11に搬送される前に、被印刷物に帯電した静電気を導電性端子13に放電することができ、ノズル孔11及びノズル孔11近傍に形成された第2の液滴保護膜14の剥離又は破損の発生を抑制することができる。
また、導電性端子13はノズル孔列の幅方向に幅広に形成されるので、ノズル孔列を構成する各ノズル孔及びその近傍に形成された第2の液滴保護膜14の剥離又は破損の発生を抑制することができる。
また、導電性端子13は、シリコン基板100とオーミックコンタクト可能な材料により形成され、シリコン基板100と電気的に接続されるので、被印刷物に帯電した静電気の電荷がプラス又はマイナスの何れの電荷極性であっても、導電性端子13に放電した静電気をシリコン基板100に流すことができる。
また、第2の液滴保護膜14上及び導電性端子13上に撥水膜15を形成するので、液滴に対するノズル基板の耐久性をさらに向上させることができるとともに、被印刷物に帯電した静電気を導電性端子13に放電させることができる。
また、導電性端子13は、インクジェットヘッド10が収納される筐体に、シリコン基板100を介して接地されるので、導電性端子13に放電された静電気による電荷を筐体に逃がすことができる。
また、導電性端子13は、第2の液滴保護膜14と略同じ膜厚で液滴吐出面100a上に形成されるので、被印刷物の搬送に邪魔になることがなく、且つ被印刷物に帯電した静電気を導電性端子13に放電させることができる。
次に、上記のように構成されたインクジェットヘッド10の製造方法について、図5〜図13を用いて説明する。
図5〜図11は実施の形態1のノズル基板1の製造工程を示す部分断面図である。
まず、図5〜図11に基づいて、実施の形態におけるノズル基板1の作製方法の手順について説明する。なお、実際には、シリコンウェハから複数個分の液滴吐出ヘッドのノズル基板1を同時形成するが、図5〜図11ではその一部分となるノズル孔11を形成する部分だけを示すものとする。ここで、以下では具体的な数値を挙げて説明するが、これらの数値は一例を表すものであり、これらの値に限定するものではない。
(a)まず、厚さ約725μmのシリコン基板100に、エッチングを行う際、シリコン基板100を保護するための膜(レジスト)となるシリコン酸化膜101を例えば約0.5μm全面成膜する(図5(a))。
成膜方法については特に限定しないが、ここでは、例えば、高温(約1075℃)で酸素及び水蒸気雰囲気中にシリコン基板100を晒して成膜する熱酸化法を用いる。
(b)次に、シリコン酸化膜101を選択的にエッチングしてパターニングを行うため、シリコン基板100の接合面(キャビティ基板2と接合される面をいう)100bに、フォトリソグラフィ法を用い、フォトレジスト膜102となる感光剤を塗布する。そして、露光、現像により、第2ノズル孔11bとなる部分のフォトレジスト膜102を除去し、パターン形成(パターニング)を行う(図5(b))。
(c)そして、シリコン酸化膜101を例えばドライエッチング若しくはウエットエッチング(BHF:例えばフッ酸水溶液とフッ化アンモニウム水溶液とを1:6で混合した液体)によりエッチングし、第2ノズル孔11bとなる部分のシリコン酸化膜101を除去する(図5(c))。
(d)硫酸洗浄等によりフォトレジスト膜102を除去する(図5(d))。
(e)そして、シリコン基板100の接合面100bに、フォトレジスト膜110aを成膜し、第1ノズル孔11aとなる部分のフォトレジスト膜110aを除去し、パターン形成(パターニング)を行う(図6(e))。
(f)そして、第1ノズル孔11aの部分のシリコン基板100を所定の量ドライエッチングによりエッチングする。
(g)そして、硫酸洗浄等によりフォトレジスト膜110aを除去する(図6(g))。
(h)次に、ドライエッチングを行い、第2ノズル孔11b以外に形成されているシリコン酸化膜101をマスクにして、深さ約40μmの凹部(孔)を形成する(図7(h))。ドライエッチングの種類等については特に限定しないが、例えばICP(Inductively Coupled Plasma)放電によるドライエッチングを行うようにしてもよい。この場合、エッチングに用いるガスとして、例えばフッ素系のC4 8 (オクタフルオロシクロブタン)で側壁面の保護を行いつつ、SF6 (6フッ化硫黄)で深さ方向へのエッチングを交互に繰り返し、ドライエッチングを行う。
(i)次にフッ酸水溶液等で全面をウェットエッチングすることで残されていた全体のシリコン酸化膜101を除去する(図7(i))。
(k)そして、シリコン基板100の接合面100b及びインク吐出側の面となる液滴吐出面100aと、第1ノズル孔11a及び第2ノズル孔11bの内壁に、シリコン酸化膜(SiO2)からなる第1の液滴保護膜12を成膜する(図7(k))。ここでは、例えば、約1000℃の酸素雰囲気中にシリコン基板100を2時間晒して成膜するドライ熱酸化法を用いて0.1μmの膜を全面に成膜する。
(l)次に、シリコン基板100の接合面100bと支持基板120とを例えば両面テープ50で接着して固定する(図8(l))。なお、図8(l)より図9(r)に至るまでは図7(k)の上下を逆転した図を示す。
この両面テープ50については特に限定するものでないが、例えば、熱、紫外線等により接着強度(粘着強度)が低下し、自己剥離層を有するテープとしてもよい。本実施の形態では、例えば、紫外線照射により接着強度が弱まるUV硬化型接着層51を両面に備えた両面テープ50を用いる。ここで、接着界面に気泡が含まれると、研磨時に板厚がばらつく可能性があるため、支持基板120に貼り合わせた両面テープ50のUV硬化型接着層51と支持基板120とを向かい合わせて真空中で貼り合わせ、接着界面に気泡が残らないようにしてきれいな接着を行うようにする。
(m)シリコン基板100の液滴吐出面100aから、所望の板厚より若干広い厚さになるまで、バックグラインダ(図示せず)によりシリコン基板100を研削する。ここでは、所定の板厚になるまで研削するものとする。そして、さらにポリッシャー、CMP(Chemichal Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)装置により所望の板厚まで研磨を行う(図8(m))。これにより、第1ノズル孔11aの先端が開口する。すなわち、シリコン基板100を貫通するノズル孔11が形成される。
(n)薄板化されたシリコン基板100の液滴吐出面100aのうち、導電性端子13を形成する部分に、金属製もしくはシリコン製の第1のマスク部材150を載置する。そして、シロキサン原料のプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)により、第2の液滴保護膜14となるシリコン重合膜を膜厚0.2〜2μm成膜する。さらに、空気中でUV光を照射して、シリコン重合膜を脱水縮合させ、第2の液滴保護膜14表面をSiO2化する。ここでは、撥水膜15との結合状態を担保するため、シロキサン原料のプラズマCVDによりシリコン重合膜を成膜しているが、これに限るものではなく、第2の液滴保護膜14(SiO2膜)を成膜できるものであればよい。例えば、TEOS(Tetraethylorthosilicate Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン、珪酸エチル)を原料としたプラズマCVDによりSiO2 膜を形成してもよい。
(o)図9(o)に示すように、第1のマスク部材150を除去すると、第1のマスク部材150を載置した部分には、第2の液滴保護膜14(SiO2膜)が成膜されず、シリコン基板100が開口して露出することとなる。
(p)次に、導電性端子13を形成する部分が開口した第2のマスク部材151をシリコン基板100の液滴吐出面100a側に載置して、液滴吐出面100aのうち、シリコン基板100が開口した部分に、導電性の導電性端子13を成膜する。本実施の形態では、スパッタ法により0.2μmの厚さの導電性端子13を成膜する(図9(p))。ここでは、スパッタ法により導電性端子13(高融点金属のシリサイド膜)を成膜しているが、UV硬化型接着層51が劣化せず、シリコン基板100との密着性を確保できるような温度(100℃程度)以下で成膜できるのであればスパッタ法に限るものではない。また、例えば、ITO膜等も導電性端子13の材料とすることができる。
(q)図9(q)に示すように、第2のマスク部材151を除去すると、第2のマスク部材150の開口部分(シリコン基板100の開口部分)には、導電性端子13が成膜されることとなる。このように、シリコン基板100の液滴吐出面100a上には、略同じ膜厚で第2の液滴保護膜14と導電性端子13とが形成される。
(r)次に、導電性端子13及び第2の液滴保護膜14を形成した液滴吐出面100aの表面に撥水処理を施す。この撥水処理により形成される撥水膜15としては、第2の液滴保護膜14より絶縁耐圧が低くなるようにする。本実施の形態では、例えばフッ素(F)原子を含む撥水材料(例えばシランカップリング材)を、液滴吐出面100aにディップコート又は蒸着により塗布し、撥水膜15を形成する(図9(r))。この撥水処理により、本来、形成しなくてもよいノズル孔11の内壁にも撥水膜15が形成されることになる。
(s)シリコン基板100の液滴吐出面100aに、保護フィルム60を貼り付ける(図10(s))。なお、図10(s)より(v)に至るまでは図9(r)の上下を逆転した図を示す。
(t)次に、支持基板120側から紫外線光を照射する(図10(t))。
(u)そして、両面テープ50のUV硬化型接着層51を硬化させ、支持基板120とシリコン基板100とを分離させる(図10(u))。
(v)Arプラズマ処理又は02 プラズマ処理によって、シリコン基板100の接合面100b側から、ノズル孔11の内壁に余分に形成された撥水膜15を除去、もしくは撥水機能を有しない膜にする。すなわち、撥水膜15のフッ素原子を消失させることによって親水化する。本実施の形態では、Arプラズマ処理を行うものとする(図10(v))。
(w)次に、シリコン基板100の接合面100b側を吸着治具70に吸着固定し、液滴吐出面100aに貼り付けた保護フィルム60を剥す(図11(w))。なお、図11(w)及び(x)は図10(v)の上下を逆転した図を示す。
そして、吸着治具70の吸着固定を解除し、カッター等を用いて切断(ダイシング)等を行うことにより、シリコン基板100から各ノズル基板1に分割して個片(チップ)化する。
こうして、液滴吐出面100a側に、第2の液滴保護膜14より静電気に対する絶縁耐圧が低い導電性端子13が形成されたノズル基板が作製される(図11(x))。
以上の工程を経ることにより、シリコン基板100よりノズル基板1が作製される。
本実施形態に係るノズル基板1の製造方法によれば、シリコン基板100の液滴吐出面100a上に第2の液滴保護膜14及び導電性端子13を形成することができる。このため、被印刷物に帯電した静電気を導電性端子13に放電させることができ、第2の液滴保護膜14の剥離又は破損の発生を抑制することができる。また、第2の液滴保護膜14の剥離又は破損の発生を抑制することにより、液滴によるシリコン基板100の浸食を防止することができ、液滴に対するノズル基板1の耐久性を向上させることができる。
また、第1のマスク部材150及び第2のマスク部材151を用いて導電性端子13を形成するので、フォトリソグラフィ法などを用いる場合と比較して、製造工程の簡易化や製造コスト等の低減を図ることができる。
また、第2の液滴保護膜14上及び導電性端子13上に撥水膜15を形成するので、液滴に対するノズル基板1の耐久性をさらに向上させることができる。また、第2の液滴保護膜より絶縁耐圧が低い撥水膜15を形成するので、被印刷物に帯電した静電気を導電性端子13に放電させることができる。
また、導電性端子13をスパッタにより形成するので、成膜工程の中でも比較的低温の工程で、導電性端子13を形成することができる。これにより、ノズル基板1の製造の際、ノズル基板1に樹脂等の支持基板120を接着した状態で成膜でき、ハンドリング性や処理効率が向上し、コスト低減が可能になる。
また、第2の液滴保護膜14をプラズマCVDにより形成するので、成膜工程の中でも比較的低温の工程で、第2の液滴保護膜14を形成することができる。これにより、ノズル基板1の製造の際、ノズル基板1に樹脂等の支持基板120を接着した状態で成膜でき、ハンドリング性や処理効率が向上し、コスト低減が可能になる。
また、接合面100bに、両面テープ50を介して支持基板120を貼り合わせ、シリコン基板100を液滴吐出面100aより薄板化してノズル孔11を開口するようにしたので、ノズル孔11の製造工程において、シリコン基板100が割れたり欠けたりすることがなく、ハンドリングが容易で、歩留まりが向上する。
次に、キャビティ基板2及び電極基板3の製造方法について説明する。
図12及び図13は液滴吐出ヘッドの製造工程を表す図である。
ここでは、電極基板3に単結晶シリコン基板(以下、シリコン基板という)200を接合した後、そのシリコン基板200からキャビティ基板2を製造する方法について、図12、図13を用いて説明する。なお、実際には、シリコンウェハから複数個分の液滴吐出ヘッドの部材を同時形成するが、図12及び図13ではその一部分だけを示している。
(a)まず、硼珪酸ガラス等からなるガラス基板300に、例えば金・クロムのエッチングマスクを使用してフッ酸によってエッチングすることにより、凹部32を形成する。なお、この凹部32は個別電極31の形状より少し大きめの溝状のものであり、個別電極31ごとに複数形成される。そして、凹部32の内部に、例えばスパッタによりITO(Indium Tin Oxide)からなる個別電極31を形成する。その後、ドリル等によってインク供給口33となる孔部33aを形成することにより、電極基板3を作製する(図12(a))。
(b)シリコン基板200の両面を鏡面研磨した後に、シリコン基板200の片面に、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によって、TEOSからなるシリコン酸化膜(絶縁膜)25を形成する(図12(b))。なお、シリコン基板200を形成する前に、エッチングストップ技術を用いて、振動板22の厚みを高精度に形成するためのボロンドープ層を形成するようにしてもよい。エッチングストップとは、エッチング面から発生する気泡が停止した状態と定義し、実際のウェットエッチングにおいては、気泡の発生の停止をもってエッチングがストップしたものと判断する。
(c)このシリコン基板200と、図12(a)のようにして作製された電極基板3とを例えば360℃に加熱し、シリコン基板200を陽極に、電極基板3を陰極に接続して800V程度の電圧を印加して、800V程度の電圧を印加して陽極接合により接合する(図12(c))。
(d)シリコン基板200と電極基板3を陽極接合した後に、水酸化カリウム水溶液等で接合状態のシリコン基板200をエッチングし、シリコン基板200を薄板化する(図12(d))。
(e)シリコン基板200の上面(電極基板3が接合されている面と反対側の面)の全面に、プラズマCVDによって、TEOS膜260を形成する。そして、このTEOS膜260に、吐出室21となる吐出凹部210、オリフィス24となるオリフィス凹部240及びリザーバ23となるリザーバ凹部230を形成するためのレジストをパターニングし、これらの部分のTEOS膜260をエッチング除去する。
その後、シリコン基板200を水酸化カリウム水溶液等でエッチングすることにより、吐出室21となる吐出凹部210、オリフィス24となるオリフィス凹部240及びリザーバ23となるリザーバ凹部230を形成する(図13(e))。このとき、配線のための電極取り出し部36となる部分もエッチングして薄板化しておく。なお、ウェットエッチングの工程では、例えば初めに35重量%の水酸化カリウム水溶液を使用し、その後、3重量%の水酸化カリウム水溶液を使用することができる。これにより、振動板22の面荒れを抑制することができる。
(f)シリコン基板200のエッチングが終了した後に、フッ酸水溶液でエッチングし、図13(f)に示すように、シリコン基板200の上面に形成されているTEOS膜260を除去する(図13(f))。
(g)シリコン基板200の吐出室21となる吐出凹部210等が形成された面に、プラズマCVDによりTEOS膜(絶縁膜)26を形成する(図13(g))。
(h)RIE(Reactive Ion Etching)等によって、電極取り出し部36を開放する。また、電極基板3のインク供給口33となる孔部にレーザ加工を施して、シリコン基板200のリザーバ23となるリザーバ凹部230の底部を貫通させ、インク供給口33を形成する。また、振動板22と個別電極31の間のギャップ34の開放端部にエポキシ樹脂等の封止材35を充填して封止する。さらに、共通電極27をスパッタにより、シリコン基板200の端部に形成する(図13(h))。
以上により、電極基板3に接合した状態のシリコン基板200からキャビティ基板2が作製される。
そして最後に、キャビティ基板2に、前述のようにして作製されたノズル基板1を接着等により接合することにより、図2に示したインクジェットヘッド10が完成する。
本実施形態に係るインクジェットヘッド10の製造方法によれば、キャビティ基板2を、予め作製された電極基板3に接合した状態のシリコン基板200から作製するので、その電極基板3によりシリコン基板200を支持した状態となり、シリコン基板200を薄板化しても割れたり欠けたりすることがなく、ハンドリングが容易となる。従って、キャビティ基板2を単独で製造する場合よりも歩留まりが向上する。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、導電性の材料からなる導電性端子13をシリコン基板100の液滴吐出面100a上に形成する場合を説明したが、本実施の形態においては、シリコン基板100の液滴吐出面100aのうち第2の液滴保護膜14が形成されない部分を端子部とする形態について説明する。
図14は本発明の実施の形態2に係るノズル基板の拡大断面図である。
以下、本実施の形態2におけるノズル基板1の構成について説明する。なお、上記実施の形態1と同一の構成については同一の符号を付する。
本実施の形態2に係るノズル基板1においては、シリコン基板100の液滴吐出面100a上の一部を除いて、例えばSiO2からなる第2の液滴保護膜14が膜厚約0.2〜2μmで形成されている。そして、液滴吐出面100a側全面には、上記実施の形態1と同様に、第2の液滴保護膜14より絶縁耐圧が低い撥水膜15が形成されている。つまり、上記実施の形態1で説明した金属材料からなる導電性端子13を形成しない構成とする。
そして、シリコン基板100の液滴吐出面100aのうち、第2の液滴保護膜14が形成されない部分を端子部13bとする。すなわち、撥水膜15は第2の液滴保護膜14より絶縁耐圧が低いので、液滴吐出面100a上のうち、第2の液滴保護膜14を形成しない部分となる端子部13bの絶縁耐圧は、第2の液滴保護膜14を形成した部分より低くなる。
このような構成としても、上記実施の形態1と同様に、端子部13bとした部分に、被印刷物に帯電した静電気を放電し易くすることができ、第2の液滴保護膜14への放電を抑制することが可能となる。
また、液滴吐出面100aには撥水膜15を形成するので、液滴吐出面100aのうち第2の液滴保護膜が形成されない部分の、液滴によるシリコン基板100の浸食を防止することができ、液滴に対するノズル基板1の耐久性を向上させることができる。
次に、上記のように構成された本実施の形態におけるノズル基板1の製造方法について、実施の形態1との相違点を中心に説明する。なお、キャビティ基板2及び電極基板3の製造方法については上記実施の形態1と同様である。
上記実施の形態1と同様に製造工程(a)〜(o)を行い、シリコン基板100の液滴吐出面100aの一部を除いて第2の液滴保護膜14を形成し、端子部13bとなる部分のシリコン基板100を露出した状態とする。そして、製造工程(o)の後、本実施の形態2においては、製造工程(r)を行い、液滴吐出面100a側の全面に撥水膜15を形成する。以降、上記実施の形態1と同様に製造工程(s)〜(x)を行いノズル基板1を作成する。すなわち、本実施の形態2においては、製造工程(p)及び(q)を省略することとなる。
以上のように本実施形態に係るノズル基板1の製造方法によれば、シリコン基板100の液滴吐出面100aのうち第2の液滴保護膜14が形成されない部分を端子部13bとするので、導電性端子13を形成するための製造工程を省略することができ、端子部13bを容易に形成することができ、製造コスト等の低減を図ることができる。
実施の形態3.
図15本発明の実施の形態3に係るノズル基板の上面図である。
上記実施の形態1(図4)では、導電性端子13がノズル孔列の一方側(右側)にのみ設けた場合を示したが、これに限らず、導電性端子13又は端子部13bを、例えば図15(a)に示すように、被印刷物の搬送方向に応じて、他方側(左側)にさらに設けるようにしてもよい。また、例えば図15(b)に示すように、ノズル孔列を囲むように設けるようにしてもよい。
このような構成により、被印刷物がノズル近傍に搬送される前に、被印刷物に帯電した静電気を導電性端子13又は端子部13bに放電させることができる。このため、ノズル孔及びノズル孔近傍に形成された液滴保護膜の剥離又は破損の発生を抑制することができる。
実施の形態4.
図16は上述の実施の形態で製造した液滴吐出ヘッドを用いた液滴吐出装置の外観図である。また、図17は液滴吐出装置の主要な構成手段の一例を表す図である。
図16及び図17の液滴吐出装置としてのインクジェット記録装置400は、実施の形態1〜3の何れかのインクジェットヘッド10を搭載するインクジェット方式のプリンタである。
図17において、インクジェット記録装置400は、被印刷物であるプリント紙410が支持されるドラム401と、プリント紙410にインクを吐出し、記録を行う液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッド10とで主に構成される。また、図示していないが、インクジェットヘッド10にインクを供給するためのインク供給手段がある。プリント紙410は、ドラム401の軸方向に平行に設けられた紙圧着ローラ403により、ドラム401に圧着して保持される。そして、送りネジ404がドラム401の軸方向に平行に設けられ、インクジェットヘッド10が保持されている。送りネジ404が回転することによってインクジェットヘッド10がドラム401の軸方向に移動するようになっている。また、インクジェットヘッド10は、ノズル基板1の導電性端子13が、ノズル孔11よりプリント紙410の搬送方向(移動方向)上流側に配置されるように搭載される。
一方、ドラム401は、ベルト405等を介してモータ406により回転駆動される。また、プリント制御手段407は、印画データ及び制御信号に基づいて送りネジ404、モータ406を駆動させ、また、ここでは図示していないが、発振駆動回路を駆動させて振動板22を振動させ、制御をしながらプリント紙410に印刷を行わせる。
以上のように本実施の形態においては、上記実施の形態1〜3の何れかのインクジェットヘッド10を搭載しているので、プリント紙410に帯電した静電気を、ノズル基板1に形成された導電性端子13に放電することが可能となり、ノズル基板1の第2の液滴保護膜14の剥離又は破損の発生を抑制することができ、液滴に対するノズル基板1の耐久性を向上させた液滴吐出装置を得ることができる。
また、ノズルヘッド10は、導電性端子13が、ノズル孔11よりプリント紙410の搬送方向上流側に配置されるので、プリント紙410がノズル孔11近傍に搬送される前に、プリント紙410に帯電した静電気を導電性端子13に放電させることができる。このため、ノズル孔11及びノズル孔11近傍に形成された第2の液滴保護膜14の剥離又は破損の発生を抑制することができる。
なお、本実施の形態4では、液滴をインクとしてプリント紙410に吐出するようにしているが、液滴吐出ヘッドから吐出する液体はインクに限定されない。例えば、カラーフィルタとなる基板に吐出させる用途においては、カラーフィルタ用の顔料を含む液体、OLED等の表示基板に吐出させる用途においては、発光素子となる化合物を含む液体、基板上に配線する用途においては、例えば導電性金属を含む液体を、それぞれの装置において設けられた液滴吐出ヘッドから吐出させるようにしてもよい。また、液滴吐出ヘッドをディスペンサとし、生体分子のマイクロアレイとなる基板に吐出する用途に用いる場合では、DNA(Deoxyribo Nucleic Acids :デオキシリボ核酸)、他の核酸(例えば、Ribo Nucleic Acid:リボ核酸、Peptide Nucleic Acids:ペプチド核酸等)タンパク質等のプローブを含む液体を吐出させるようにしてもよい。その他、布等の染料の吐出等にも利用することができる。特に、静電気が帯電し易い、毛、化学繊維などへの捺染処理のための液滴吐出装置に用いることが有効である。
本発明の実施の形態1に係る液滴吐出ヘッドの概略構成を示す分解斜視図である。 組立状態における図1の右半分の概略構成を示す液滴吐出ヘッドの部分断面図である。 図2のノズル孔部分の拡大断面図である。 図1のノズル基板の上面図である。 ノズル基板の製造工程を示す部分断面図である。 図5に続くノズル基板の製造工程を示す部分断面図である。 図6に続くノズル基板の製造工程を示す部分断面図である。 図7に続くノズル基板の製造工程を示す部分断面図である。 図8に続くノズル基板の製造工程を示す部分断面図である。 図9に続くノズル基板の製造工程を示す部分断面図である。 図10に続くノズル基板の製造工程を示す部分断面図である。 電極基板の製造と電極基板上に接合したシリコン基板からキャビティ基板を製造する工程を示す部分断面図である。 図12に続くキャビティ基板の製造工程を示す部分断面図である。 本発明の実施の形態2に係るノズル基板の拡大断面図である。 本発明の実施の形態3に係るノズル基板の上面図である。 液滴吐出ヘッドを用いた液滴吐出装置の外観図である。 液滴吐出装置の主要な構成手段の一例を表す図である。
符号の説明
1 ノズル基板、1a 液滴吐出面、1b 接合面、2 キャビティ基板、3 電極基板、4 静電アクチュエータ、5 駆動手段、10 インクジェットヘッド、11 ノズル孔、11a 第1ノズル孔、11b 第2ノズル孔、12 第1の液滴保護膜、13 導電性端子、13b 端子部、14 第2の液滴保護膜、15 撥水膜、21 吐出室、22 振動板、23 リザーバ、24 オリフィス、25 絶縁膜、26 耐インク保護膜、27 共通電極、28 接地箇所、31 個別電極、31a リード部、31b 端子部、32 凹部、33 インク供給口、33a 孔部、34 ギャップ、35 封止材、36 電極取り出し部、50 両面テープ、51 硬化型接着層、60 保護フィルム、70 吸着治具、100 シリコン基板、100a 液滴吐出面、100b 接合面、101 シリコン酸化膜、102 フォトレジスト膜、110a フォトレジスト膜、120 支持基板、150 第1のマスク部材、151 第2のマスク部材、200 シリコン基板、210 吐出凹部、230 リザーバ凹部、240 オリフィス凹部、260 TEOS膜、300 ガラス基板、400 インクジェット記録装置、401 ドラム、403 紙圧着ローラ、404 ネジ、405 ベルト、406 モータ、407 プリント制御手段、410 プリント紙。

Claims (23)

  1. シリコン基板を貫通させて、液滴を吐出するためのノズル孔を形成したノズル基板であって、
    前記シリコン基板の液滴吐出面に形成された液滴保護膜と、
    液滴吐出面側に形成され、前記液滴保護膜より絶縁耐圧が低い端子部と
    を備え
    少なくとも前記端子部の表面に、前記液滴保護膜より絶縁耐圧が低い被覆膜を有することを特徴とするノズル基板。
  2. 前記端子部は、前記ノズル孔と当該ノズル基板の端部との間に形成されたことを特徴とする請求項1記載のノズル基板。
  3. 前記ノズル孔を複数配列したノズル孔列が形成され、
    前記端子部は、前記ノズル孔列の幅方向に幅広に形成されることを特徴とする請求項1又は2記載のノズル基板。
  4. 前記端子部は、前記シリコン基板とオーミックコンタクト可能な材料により形成され、前記シリコン基板と電気的に接続されたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のノズル基板。
  5. 前記端子部は、高融点金属のシリサイド膜、又はITO膜を主成分とすることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のノズル基板。
  6. 前記シリコン基板の液滴吐出面のうち、前記液滴保護膜が形成されない部分を前記端子部とすることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のノズル基板。
  7. 請求項1〜の何れかに記載のノズル基板を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  8. 前記端子部は、当該液滴吐出ヘッドが収納される筐体に接地されることを特徴とする請求項記載の液滴吐出ヘッド。
  9. 請求項又は記載の液滴吐出ヘッドを搭載したことを特徴とする液滴吐出装置。
  10. 前記液滴吐出ヘッドは、前記端子部が、前記ノズル孔より被印刷物の搬送方向上流側に配置されるように搭載されることを特徴とする請求項記載の液滴吐出装置。
  11. 液滴吐出装置であって、
    シリコン基板を貫通させて、液滴を吐出するためのノズル孔を形成したノズル基板と、
    前記ノズル基板を有する液滴吐出ヘッドと、
    を備え、
    前記ノズル基板は、
    前記シリコン基板の液滴吐出面に形成された液滴保護膜と、
    液滴吐出面側に形成され、前記液滴保護膜より絶縁耐圧が低い端子部と、
    を備え、
    前記端子部は、前記ノズル孔より被印刷物の搬送方向上流側に配置され、前記ノズル孔より被印刷物の搬送方向下流側に配置されないことを特徴とする液滴吐出装置。
  12. 前記ノズル基板は、
    前記ノズル孔を複数配列したノズル孔列が形成され、
    前記端子部は、前記ノズル孔列の幅方向に幅広に形成されることを特徴とする請求項11記載の液滴吐出装置。
  13. 前記端子部は、前記シリコン基板とオーミックコンタクト可能な材料により形成され、前記シリコン基板と電気的に接続されたことを特徴とする請求項11又は12記載の液滴吐出装置。
  14. 前記端子部は、高融点金属のシリサイド膜、又はITO膜を主成分とすることを特徴とする請求項11〜13の何れかに記載の液滴吐出装置。
  15. 前記シリコン基板の液滴吐出面のうち、前記液滴保護膜が形成されない部分を前記端子部とすることを特徴とする請求項11又は12記載の液滴吐出装置。
  16. 少なくとも前記端子部の表面に、前記液滴保護膜より絶縁耐圧が低い被覆膜を有することを特徴とする請求項11〜15の何れかに記載の液滴吐出装置。
  17. シリコン基板を貫通させてノズル孔を形成する工程と、
    前記シリコン基板の液滴吐出面のうち、端子部を形成する部分を第1のマスク部材で覆い、前記液滴吐出面に液滴保護膜を形成する工程と、
    前記第1のマスク部材を除去する工程と、
    前記シリコン基板の液滴吐出面のうち、前記端子部を形成する部分以外を第2のマスク部材で覆い、前記液滴保護膜より絶縁耐圧が低い端子部を形成する工程と、
    第2のマスク部材を除去する工程と
    を有することを特徴とするノズル基板の製造方法。
  18. 前記液滴吐出面の前記液滴保護膜上及び前記端子部上に、前記液滴保護膜より絶縁耐圧が低い被覆膜を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項17記載のノズル基板の製造方法。
  19. 前記端子部をスパッタにより形成することを特徴とする請求項17又は18記載のノズル基板の製造方法。
  20. シリコン基板を貫通させてノズル孔を形成する工程と、
    前記シリコン基板の液滴吐出面のうち、端子部を形成する部分を第1のマスク部材で覆い、前記液滴吐出面に液滴保護膜を形成する工程と、
    前記第1のマスク部材を除去する工程と、
    前記液滴吐出面に、前記液滴保護膜より絶縁耐圧が低い被覆膜を形成し、前記液滴吐出面のうち前記液滴保護膜が形成されない部分を前記端子部とする工程と
    を有することを特徴とするノズル基板の製造方法。
  21. 前記液滴保護膜をプラズマCVDにより形成することを特徴とする請求項1720の何れかに記載のノズル基板の製造方法。
  22. 請求項1721の何れかに記載のノズル基板の製造方法を適用して液滴吐出ヘッドを製造することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  23. 請求項22記載の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置を製造することを特徴とする液滴吐出装置の製造方法。
JP2008323446A 2008-12-19 2008-12-19 ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置並びにこれらの製造方法 Expired - Fee Related JP5315975B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008323446A JP5315975B2 (ja) 2008-12-19 2008-12-19 ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置並びにこれらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008323446A JP5315975B2 (ja) 2008-12-19 2008-12-19 ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置並びにこれらの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010143106A JP2010143106A (ja) 2010-07-01
JP5315975B2 true JP5315975B2 (ja) 2013-10-16

Family

ID=42564029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008323446A Expired - Fee Related JP5315975B2 (ja) 2008-12-19 2008-12-19 ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置並びにこれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5315975B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5396367B2 (ja) * 2010-10-19 2014-01-22 東芝テック株式会社 インクジェットヘッドの製造方法
JP5627399B2 (ja) * 2010-11-05 2014-11-19 キヤノン株式会社 保護層付き基板の製造方法および基板加工方法
JP5664157B2 (ja) * 2010-11-16 2015-02-04 セイコーエプソン株式会社 シリコンノズル基板及びその製造方法
JP5803279B2 (ja) * 2011-05-27 2015-11-04 セイコーエプソン株式会社 液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射装置
JP2014040071A (ja) * 2012-08-23 2014-03-06 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置
JP6303327B2 (ja) * 2013-03-29 2018-04-04 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2017043023A (ja) 2015-08-27 2017-03-02 エスアイアイ・プリンテック株式会社 インクジェットヘッド、および液体噴射記録装置
CN112088094B (zh) * 2018-05-09 2022-12-13 柯尼卡美能达株式会社 喷墨头以及图像形成方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1492123A (en) * 1975-01-23 1977-11-16 Ibm Nozzle units
JP2007021840A (ja) * 2005-07-14 2007-02-01 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010143106A (ja) 2010-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5315975B2 (ja) ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置並びにこれらの製造方法
JP5145985B2 (ja) ノズル基板及びノズル基板の製造方法
JP4259509B2 (ja) 静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び静電デバイス並びにそれらの製造方法
JP2007152621A (ja) 液滴吐出ヘッド及びその製造方法
JP2011121218A (ja) ノズルプレート、吐出ヘッド及びそれらの製造方法並びに吐出装置
JP5332275B2 (ja) シリコン製ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、及び液滴吐出装置の製造方法
JP4692534B2 (ja) シリコン製ノズル基板、シリコン製ノズル基板を備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置、及びシリコン製ノズル基板の製造方法
JP4321574B2 (ja) ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置
JP2007326231A (ja) ノズルプレートの製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法
JP2007261152A (ja) ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法
JP2010142991A (ja) ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置並びにこれらの製造方法
JP4259554B2 (ja) 液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法
JP4983361B2 (ja) ノズル基板の製造方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法
JP2007190772A (ja) 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法
JP5612819B2 (ja) ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置の製造方法
JP2007112075A (ja) 静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置並びに静電デバイスの各製造方法
JP2009178948A (ja) ノズル基板、ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置
JP2009119699A (ja) マスク基板及びその製造方法並びに液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置の製造方法
JP5648262B2 (ja) シリコン製ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、及び液滴吐出装置の製造方法
JP2008114462A (ja) ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法、ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置
JP2008279707A (ja) ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置の製造方法
JP2009029018A (ja) ノズル基板の製造方法、ノズル基板、液滴吐出ヘッド、及び液滴吐出装置
JP2010120169A (ja) ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置の製造方法並びに液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置
JP2008132646A (ja) 液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置の製造方法
JP5262667B2 (ja) 静電アクチュエーター、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び静電デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130611

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130624

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5315975

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees