JP2008114462A - ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法、ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 - Google Patents

ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法、ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ノズル孔の傾斜部の傾斜角は結晶方位に拘束されることがなくノズル密度を高めることができ、ノズル孔の流路特性が最適化されて安定した吐出特性を有するノズル基板の製造方法。
【解決手段】シリコン基材41の表面にエッチング保護膜42を形成する工程と、エッチング保護膜42に開口部42aを形成しシリコン基材41をドライエッチングして円筒孔部11cを形成する工程と、円筒孔部11c内に樹脂90を充填する工程と、開口部42aより円筒孔部11c内の樹脂90をアッシングしながらアンダーカットの大きい条件でシリコン基材41をドライエッチングし、開口部42a側に所望の傾斜角よりなる傾斜面がほぼテーパ状の第2のノズル孔部11bを形成する工程と、酸化膜42を除去する工程と、シリコン基材41を第2のノズル孔部11bを形成した側とは反対側の面から第1のノズル孔部11aが開口するまで薄板化する工程とを有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、液滴を吐出するためのノズル孔を有するノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法、ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置に関する。
液滴を吐出するための液滴吐出ヘッドとして、例えばインクジェット記録装置に搭載されるインクジェットヘッドが知られている。インクジェットヘッドは、一般に、インク滴を吐出するための複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、このノズル基板に接合されノズル基板との間で上記ノズル孔に連通する吐出室、リザーバ等のインク流路が形成されたキャビティ基板とを備え、駆動部により吐出室に圧力を加えることにより、インク滴を選択されたノズル孔より吐出するように構成されている。駆動手段としては、静電気力を利用する方式や、圧電素子による圧電方式、発熱素子を利用するバブルジェット(登録商標)方式等がある。
近年、インクジェットヘッドに対して、印刷速度の高速化及びカラー化を目的としてノズル列を複数有する構造が求められており、さらに加えて、ノズルは高密度化するとともに長尺化(1列あたりのノズル数が増加)しており、インクジェットヘッド内のアクチュエータ数は益々増加している。このような背景から、ノズル密度が高く、長尺かつ多数のノズル列を有する、小型で吐出特性に優れたインクジェットヘッドが要求され、従来より様々な工夫、提案がなされている。
従来のインクジェットヘッドに、(100)面のシリコン基材に、ウエットエッチングによってピラミッド状のノズル孔を貫通させたノズル基板を備えたものがあった(例えば、特許文献1参照)。
また、従来のインクジェットヘッドに、シリコン基材に等方性ドライエッチングと異方性ドライエッチングを繰り返してテーパ形状のノズル孔を加工したノズル基板を備えたものがあった(例えば、特許文献2参照)。
さらに、従来のインクジェットヘッドに、(100)面のシリコン基材にウエットエッチングで未貫通の傾斜ノズル部を形成し、反対側からドライエッチングで垂直ノズル部を貫通形成したノズル基板を備えたものがあった(例えば、特許文献3参照)。
特開昭56−135075号公報(第2頁、図2) 特開2006−45656号公報(第15頁、図16) 特開平10−315461号公報(第4頁−第5頁、図2)
特許文献1記載の技術によれば、ノズル孔を異方性ウエットエッチングで形成するため、傾斜角度がシリコン単結晶基板の面方位に依存してしまい、ノズル密度を高めることには限界があった。また、ノズル先端形状がシリコンの面方位のため四角くなってしまい、吐出物の直進性に悪影響を与えてしまう。さらに、ノズル吐出口に垂直部がないため、メニスカスを安定維持することが困難であった。
特許文献2記載の技術によれば、等方性ドライエッチングによってノズル孔の側壁のアンダーカットが進むので、ノズル孔の底部径の制御が困難になる。また、ノズル孔の吐出口に垂直部がないため、メニスカスを安定に維持することが困難であった。
特許文献3記載の技術によれば、ノズル孔の傾斜部を異方性ウエットエッチングで形成するため、傾斜角度がシリコン単結晶基板の面方向に依存してしまい、ノズル密度を高めることには限界があった。また、ノズルの傾斜部と垂直部の両面位置あわせが必要であった。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、ノズル孔の傾斜部の傾斜角が結晶方位に拘束されることがないため所望の角度とすることができ、ノズル密度を高めることができ、しかもノズル孔の傾斜部が垂直部と段差を介さずに連続して形成され、ノズル孔の流路特性が最適化されて安定した吐出特性を有するノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法、ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を提供することを目的とする。
本発明に係るノズル基板の製造方法は、吐出方向の先端側に位置するほぼ円筒状の第1のノズル孔部と、吐出方向の後端側に位置しており、前記第1のノズル孔部から吐出方向の後端側に向けてノズル断面積が漸増する傾斜面がほぼテーパ状の第2のノズル孔部とから構成されるノズル孔を、シリコン基材をエッチングすることにより形成する製造方法であって、前記シリコン基材の表面にエッチング保護膜を形成する工程と、前記エッチング保護膜に開口部を形成し、該開口部より前記シリコン基材をドライエッチングして円筒孔部を形成する工程と、前記円筒孔部内に樹脂を充填する工程と、前記エッチング保護膜の開口部より前記円筒孔部内の樹脂を所定部分残して、アッシングしながら前記シリコン基材をドライエッチングし、前記円筒孔部の開口部側に所望の傾斜角で拡径する前記第2のノズル孔部を形成する工程と、アッシングされず残った前記樹脂を前記円筒孔部内より除去して該樹脂を除去した部分の円筒孔部を前記第1のノズル孔部とするとともに、前記シリコン基材表面に形成された前記酸化膜を除去する工程と、前記シリコン基材を、前記第2のノズル孔部を形成した側とは反対側の面から前記第1のノズル孔部が開口するまで薄板化する工程とを有するものである。
異方性ウエットエッチングに依ることなく、ドライエッチングでノズル孔の第2のノズル孔部を形成するため、第2のノズル孔部の傾斜角はシリコンの結晶方位に拘束されず、このためノズル密度を高めることができる。また、第2のノズル孔部の加工時に加工されずに残った円筒孔部の部分は樹脂で保護されているため、円筒孔部を形成した際のノズル径が保存されており、このためノズル径を高精度に制御することができる。こうして、第1のノズル孔部と第2のノズル孔部との境界部分を段差などを介さずになめらかな連続形状とすることができるため、ノズル孔の流路特性が最適化され、安定した吐出特性を有する。
また、本発明に係るノズル基板の製造方法は、前記ドライエッチングがICP放電によるドライエッチングによるものである。
ノズル孔を、短時間で高精度に形成することができる。
また、本発明に係るノズル基板の製造方法は、前記第1のノズル孔部を形成するドライエッチングが、C48 とSF6 よりなるエッチングガスを交互に使用してドライエッチングを行い、前記円筒孔部を形成するものである。
4 8 は円筒孔部の側面にエッチングが進行しないように側面を保護し、SF6 は円筒孔部の垂直方向のエッチングを促進させ、こうして円筒孔部の軸方向にドライエッチングを行って、高い精度の円筒孔部を形成することができる。
また、本発明に係るノズル基板の製造方法は、前記第2のノズル孔部を形成するドライエッチングは、前記第2のノズル孔部の深さ方向のエッチングを促進する第1のガスと、前記第2のノズル孔部の側面方向のエッチングを抑制して該側面を保護するための保護膜を形成する第2のガスと、前記保護膜をエッチングして前記第2のノズル孔部のテーパ角を調整するための第3のガスとの混合ガスを導入して行うものである。
混合ガスの混合比を変えることによって、第2のノズル孔部のテーパ角を自由にかつ高い精度で制御し、シリコンの結晶方位に拘束されない傾斜角を有するノズル孔を形成することができる。
また、本発明に係るノズル基板の製造方法は、前記第1のガスがSF6 であり、前記第2のガスがC48であり、前記第3のガスはO2 であり、これらの混合ガスによってドライエッチングを行うものである。
SF6 、C48、O2 よりなる混合ガスの混合比を変えることによって、第2のノズル孔部のテーパ角を自由にかつ高い精度で制御し、シリコンの結晶方位に拘束されない傾斜角を形成することができる。この場合、02 によって、樹脂をアッシングしながら第2のノズル孔部を掘り進むことが可能となる。
また、本発明に係るノズル基板の製造方法は、SF6 とC48 とO2 とのガスの混合比が、1:2:3である。
SF6 とC48 とO2 よりなる混合ガスの混合比を1:2:3にすることによって、アンダーカットの大きい条件でドライエッチングを行ってノズル孔を形成することができる。
また、本発明に係るノズル基板の製造方法は、真空雰囲気で樹脂を充填したあとに大気雰囲気に曝すことにより前記円筒孔部内に前記樹脂を充填するものである。
円筒孔部内に、安価で歩留まり良く樹脂を充填することができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、吐出方向の先端側に位置するほぼ円筒状の第1のノズル孔部と、吐出方向の後端側に位置しており、前記第1のノズル孔部から吐出方向の後端側に向けてノズル断面積が漸増する傾斜面がほぼテーパ状の第2のノズル孔部とから構成されるノズル孔を、シリコン基材をエッチングすることにより形成するノズル基板の製造方法を用いた製造方法であって、前記シリコン基材の表面にエッチング保護膜を形成する工程と、前記エッチング保護膜に開口部を形成し、該開口部より前記シリコン基材をドライエッチングして円筒孔部を形成する工程と、前記円筒孔部内に樹脂を充填する工程と、前記エッチング保護膜の開口部より前記円筒孔部内の樹脂を所定部分残して、アッシングしながら前記シリコン基材をドライエッチングし、前記円筒孔部の開口部側に所望の傾斜角で拡径する前記第2のノズル孔部を形成する工程と、アッシングされず残った前記樹脂を前記円筒孔部内より除去して該樹脂を除去した部分の円筒孔部を前記第1のノズル孔部とするとともに、前記シリコン基材表面に形成された前記酸化膜を除去する工程と、前記シリコン基材を、前記第2のノズル孔部を形成した側とは反対側の面から前記第1のノズル孔部が開口するまで薄板化する工程とを有するものである。
ノズルが高密度化し、ノズルの流路特性が最適化されて、安定した吐出特性を有する液滴吐出ヘッドを製造することができる。
本発明に係る液滴吐出装置の製造方法は、吐出方向の先端側に位置するほぼ円筒状の第1のノズル孔部と、吐出方向の後端側に位置しており、前記第1のノズル孔部から吐出方向の後端側に向けてノズル断面積が漸増する傾斜面がほぼテーパ状の第2のノズル孔部とから構成されるノズル孔を、シリコン基材をエッチングすることにより形成するノズル基板の製造方法を用いた液滴吐出ヘッドの製造方法を用いて行う製造方法であって、前記シリコン基材の表面にエッチング保護膜を形成する工程と、前記エッチング保護膜に開口部を形成し、該開口部より前記シリコン基材をドライエッチングして円筒孔部を形成する工程と、前記円筒孔部内に樹脂を充填する工程と、前記エッチング保護膜の開口部より前記円筒孔部内の樹脂を所定部分残して、アッシングしながら前記シリコン基材をドライエッチングし、前記円筒孔部の開口部側に所望の傾斜角で拡径する前記第2のノズル孔部を形成する工程と、アッシングされず残った前記樹脂を前記円筒孔部内より除去して該樹脂を除去した部分の円筒孔部を前記第1のノズル孔部とするとともに、前記シリコン基材表面に形成された前記酸化膜を除去する工程と、前記シリコン基材を、前記第2のノズル孔部を形成した側とは反対側の面から前記第1のノズル孔部が開口するまで薄板化する工程とを有するものである。
ノズルが高密度化し、ノズルの流路特性が最適化されて、安定した吐出特性を有する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を製造することができる。
本発明に係るノズル基板は、液滴を吐出するためのノズル孔が、基板面に対して垂直な筒状の噴射口部分からなるほぼ円筒状の第1のノズル孔部と、該第1のノズル孔部と同軸上に設けられ該第1のノズル孔部よりも径の大きい導入口部分を有する傾斜面がほぼテーパ状の第2のノズル孔部とを有し、前記第1のノズル孔部と前記第2のノズル孔部との境界部が段差なく連通しているものである。
ノズル基板のノズル孔は、第1のノズル孔部と第2のノズル孔部との境界部が段差なく連通して形成されているので、流路特性が最適化され、境界部で渦などを生じることがなく、流路抵抗を減少させることができる。したがって、液滴をノズル孔の中心軸方向に吐出させることができ、安定した液滴吐出性能を有する。加えて、ノズルの高密度化も可能となる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、液滴を吐出するためのノズル孔が、基板面に対して垂直な筒状の噴射口部分からなるほぼ円筒状の第1のノズル孔部と、該第1のノズル孔部と同軸上に設けられ該第1のノズル孔部よりも径の大きい導入口部分を有する傾斜面がほぼテーパ状の第2のノズル孔部とを有し、前記第1のノズル孔部と前記第2のノズル孔部との境界部が段差なく連通しているノズル基板を備えたものである。
ノズルが高密度化し、ノズルの流路特性が最適化されて、安定した吐出特性を有する液滴吐出ヘッドを得ることができる。
本発明に係る液滴吐出装置は、液滴を吐出するためのノズル孔が、基板面に対して垂直な筒状の噴射口部分からなるほぼ円筒状の第1のノズル孔部と、該第1のノズル孔部と同軸上に設けられ該第1のノズル孔部よりも径の大きい導入口部分を有する傾斜面がほぼテーパ状の第2のノズル孔部とを有し、前記第1のノズル孔部と前記第2のノズル孔部との境界部が段差なく連通しているノズル基板を有する液滴吐出ヘッドを搭載したものである。
ノズルが高密度化し、ノズルの流路特性が最適化されて、安定した吐出特性を有する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を得ることができる。
実施の形態1.
以下、本発明に係るノズル基板を備えた液滴吐出ヘッドについて図面に基づいて説明する。ここでは、液滴吐出ヘッドの一例として、静電駆動方式のインクジェットヘッドについて、図1〜図3を用いて説明する。なお、本発明は、以下の図に示す構造、形状に限定されるものではなく、また、駆動方式についても他の異なる駆動方式により液滴を吐出する液滴吐出ヘッドにも適用することができる。
図1は、本実施の形態1に係るインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッドの一例)の分解斜視図であり、一部を断面で表してある。また、図2は、図1を組立てた要部を示す縦断面図であり、図3は図2のノズル孔の近傍を拡大して示した縦断面である。なお、図1〜図3では、通常使用される状態とは上下逆に示されている。
インクジェットヘッド10は、図1および図2に示すように、複数のノズル孔11が所定のピッチで設けられたノズル基板1と、各ノズル孔11に対して独立にインク供給路が設けられたキャビティ基板2と、キャビティ基板2の振動板22に対峙して個別電極31が配設された電極基板3とを貼り合わせることにより構成されている。
ノズル基板1は、シリコン単結晶基材(以下、単にシリコン基材ともいう)から作製されている。ノズル基板1にはインク滴を吐出するためのノズル孔11が開口されており、各ノズル孔11は、図3に詳述するように、吐出方向の先端側の面1bに開口しておりほぼ円筒状をなす円筒状ノズル孔部(以下、第1のノズル孔部という)11aと、吐出方向の後端側に位置しており第1のノズル孔部11aの後端から吐出方向の後端面1bに向けてノズル断面積が漸増し後端面1bで最も拡径して開口する傾斜面がほぼテーパ状をなすノズル孔部で、実施の形態1ではほぼ截頭円錐状の截頭円錐状ノズル孔部(以下、第2のノズル孔部という)11bとによって構成されている。なお、第1のノズル孔部11aはノズル基板1の表面(吐出方向の先端側の面1a)に対して垂直に形成されており、第1のノズル孔部11aと第2のノズル孔部11bとは同軸上に形成されている。かかる構成により、インク滴の吐出方向をノズル孔11の中心軸方向に揃えることができ、安定したインク吐出特性を発揮させることができる。すなわち、インク滴の飛翔方向のばらつきがなくなり、またインク滴の飛び散りがなく、インク滴の吐出量のばらつきを抑制することができる。
キャビティ基板2は、シリコン単結晶基材(この基材も以下、単にシリコン基材ともいう)から作製されている。シリコン基材に異方性ウェットエッチングを施し、インク流路の吐出室24およびリザーバ25を構成するための凹部240、250が形成される。凹部240はノズル孔11に対応する位置に独立に複数形成される。したがって、ノズル基板1とキャビティ基板2を接合した際、各凹部240は吐出室24を構成し、それぞれがノズル孔11に連通し、またインク供給口であるオリフィス13ともそれぞれ連通している。そして、吐出室24(凹部240)の底壁が振動板22となっている。
他方の凹部250は、液状材料のインクを貯留するためのものであり、各吐出室24に共通のリザーバ(共通インク室)23を構成する。そして、リザーバ23(凹部230)はそれぞれオリフィス23を介して全ての吐出室24に連通している。また、リザーバ23の底部には後述する電極基板3を貫通する孔が設けられ、この孔のインク供給孔34を通じて図示しないインクカートリッジからインクが供給されるようになっている。
また、キャビティ基板2の全面、もしくは少なくとも電極基板3との対向面には、熱酸化やTEOS(Tetraethylorthosilicate Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン、珪酸エチル)を原料としたプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によるSiO2 膜等からなる絶縁膜26が施されている。この絶縁膜26は、インクジェットヘッドを駆動させたときに、絶縁破壊や短絡を防止する。
電極基板3は、ガラス基材から作製されている。なかでも、キャビティ基板2のシリコン基材と熱膨張係数の近い硼珪酸系の耐熱硬質ガラスを用いるのが好ましい。これは、電極基板3とキャビティ基板2を陽極接合する際、両基板3、2の熱膨張係数が近いため、電極基板3とキャビティ基板2との間に生じる応力を低減することができ、その結果、剥離等の問題を生じることなく電極基板3とキャビティ基板2を強固に接合することができるからである。
電極基板3のキャビティ基板2と対向する面には、キャビティ基板2の各振動板22に対向する位置にそれぞれ凹部32が設けられている。そして、各凹部32内には、一般に、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)からなる個別電極31がスパッタにより形成されている。そして、振動板22と個別電極31との間に形成されるギャップ(空隙)Gは、インクジェットヘッドの吐出特性に大きく影響する。ここで、個別電極31の材料はITOに限定するものではなく、クロム等の金属等を用いてもよいが、ITOは透明であるので放電したかどうかの確認が行いやすい等の理由から、一般にITOが用いられる。
個別電極31は、リード部31aと、フレキシブル配線基板(図示せず)に接続される端子部31bとを有する。これらの端子部31bは、図2に示すように、配線のためにキャビティ基板2の末端部が開口された電極取り出し部29内に露出している。
上述したように、ノズル基板1、キャビティ基板2、および電極基板3は、一般に個別に作製され、これらを図2に示すように貼り合わせることにより、インクジェットヘッド10の本体部が作製される。すなわち、キャビティ基板2と電極基板3は陽極接合により接合され、そのキャビティ基板2の上面(図2の上面)にノズル基板1が接着剤等により接合されている。さらに、振動板22と個別電極31との間に形成される電極間ギャップGの開放端部は、エポキシ等の樹脂による封止材27(図13(h)参照)で封止されている。これにより、湿気や塵埃等が電極間ギャップGへ侵入するのを防止することができ、インクジェットヘッド10の信頼性を高く保持することができる。
そして、図2に簡略化して示すように、ICドライバ等の駆動制御回路4が、各個別電極31の端子部31bと、キャビティ基板2上に設けられた共通電極28とに、前記フレキシブル配線基板(図示せず)を介して接続されている。
上記のように構成されたインクジェットヘッド10においては、駆動制御回路4によりキャビティ基板2と個別電極31の間にパルス電圧が印加されると、振動板22と個別電極31との間に静電気力が発生し、その吸引作用により振動板22が個別電極31側に引き寄せられて撓み、吐出室21の容積が拡大する。これにより、リザーバ25の内部に溜まっていたインクがオリフィス23を通じて吐出室24に流れ込む。次に、個別電極31への電圧の印加を停止すると、静電吸引力が消滅して振動板22が復元し、吐出室24の容積が急激に収縮する。これにより、吐出室24内の圧力が急激に上昇し、この吐出室24に連通しているノズル孔11からインク液滴が吐出される。
次に、インクジェットヘッド10の製造方法について、図4〜図13を用いて説明する。図4は本発明の実施の形態1に係るノズル基板1を示す上面図、図5〜図11はノズル基板1の製造工程を示す断面図(図4をA−A線で切断した断面図)である。図12、図13はキャビティ基板2と電極基板3との接合工程を示す断面図であり、ここでは、主に、電極基板3にシリコン基材100を接合した後に、キャビティ基板2を製造する方法を示す。
まず最初に、ノズル基板1の製造方法を説明する。
(a)図5(a)に示すように、シリコン基材41を用意して熱酸化装置にセットする。
(b)シリコン基材41を、所定の酸化温度、酸化時間、酸素と水蒸気の混合雰囲気中の条件で熱酸化処理し、図5(b)に示すように、シリコン基材41の両面41a、41bに、エッチング保護膜となるSiO2 膜42を均一に成膜する。
(c)図6(c)に示すように、シリコン基材41において、キャビティ基板2と接合される側の接合面41aにレジスト43をコーティングし、そのレジスト43から円筒状の第1のノズル孔部11aとなる部分に対応する部分43aを除去し、レジストパターンを形成する。
(d)図6(d)に示すように、そのレジストパターンをマスクとして、例えば、緩衝フッ酸水溶液(フッ酸水溶液:フッ化アンモニウム水溶液=1:6)でエッチングし、SiO2 膜42から第1のノズル孔部11aに対応する部分42aを開口する。このとき、裏面41bのSiO2 膜42はエッチングされ、完全に除去される。
(e)図6(e)に示すように、レジスト43を硫酸洗浄などにより剥離する。
(f)図6(f)に示すように、ICPドライエッチング装置によりSiO2 膜42の開口42aを介して、所定の深さに異方性ドライエッチングを行い、円筒孔部11cを形成する。この場合のエッチングガスとしては、例えば、C48、SF6 を使用し、これらのエッチングガスを交互に使用する。ここで、C48 は形成される溝の側面にエッチングが進行しないように溝側面を保護するために使用し、SF6 はシリコン基材の垂直方向のエッチングを促進させるために使用する。
(g)図7(g)に示すように(図7(g)より図7(j)に至る図は、ノズル部近傍のみを拡大して示している)、図6(f)の工程により形成した円筒孔部11c内に樹脂90を充填する。この際の樹脂90の充填は、真空チャンバ内で実施する。すなわち、真空チャンバ内において、真空雰囲気下で樹脂を塗布し、その後、大気雰囲気に曝して、円筒孔部11c内に樹脂90を充填する。このようにして、安価で歩留まり良く樹脂90を充填することができる。
(h)図7(h)に示すように、ICPドライエッチング装置により、SiO2 膜42をエッチングマスクとして、開口孔42aより円筒孔部11cに、アンダーカットの大きい条件でドライエッチング施して、傾斜面を有する截頭円筒状の第2のノズル孔部11bを形成していく。截頭円筒状の第2のノズル孔部11bを形成する際に使用するエッチングガスとしては、例えばSF6 等のようなシリコン基材41のエッチングを促進するガス(第1のガス)と、C48 等のような側面方向のエッチングを抑制して側面を保護する保護膜を生成するガス(第2のガス)と、O2 等のような前記保護膜をエッチングして除去しテーパ角を調整するガス(第3のガス)が用いられ、これらのガスを混合して導入する。
第2のノズル孔部11bをドライエッチングによって形成する際に、エッチングガスに酸素O2 を適量混合しているので、樹脂90をアッシングしながら傾斜部分を掘り進んでいく。この場合、エッチングガスの混合比を変えることによって、第2のノズル孔部11bの傾斜角は、シリコンの結晶方位に拘束されることなく所望の角度になるように制御することができる。ドライエッチングを施して第2のノズル孔部11bを形成していく場合、アンダーカットの大きい条件としては、例えば、エッチングガスの混合比を、第1のガス(SF6)と、第2のガス(C48)と、第3のガス(O2)との比率が、1:2:3になるようにすれば良い。
(i)図7(h)に示した円筒孔部11cをさらにドライエッチングし、第2のノズル孔部11bの傾斜部分をさらに形成していく。そして、図7(i)に示すように、所定の深さにエッチングして、傾斜部分を有する截頭円錐状の第2のノズル孔部11bを完成する。傾斜部分の加工時に加工されずに残った円筒孔部11cの部分は樹脂90で保護されているため、円筒孔部11cを加工した際のノズル径がそのまま保存されており、ノズル径を高精度に制御することができる。
(j)図7(j)に示すように、円筒孔部11c内に残った樹脂90を除去してその部分を第1のノズル孔部11aとし、シリコン基材41の板表面の酸化膜42を除去する。
こうして、加工されずに残った第1のノズル孔部11aと、円筒孔部11cのうちエッチングガスによって形成された第2のノズル孔部11bとによってノズル孔11が完成する。そして、第2のノズル孔部11bは第1のノズル孔部11aと反対側方向にノズル断面積が漸増して拡径し、その縮径側において、第1のノズル孔部11aと連続して繋がることになる。こうして、ノズル孔11は段差等を介さずに連通し、しかも第2のノズル孔部11bの傾斜角はシリコンの結晶方位に拘束されない所望の角度を有するため、これによって、ノズル孔11の流路特性の最適化と高密度化を両立して達成することが可能となる。
(k)シリコン基材41を熱酸化装置にセットし、所定の酸化温度、酸化時間、酸素雰囲気中の条件で熱酸化処理し、図8(k)に示すように、ICPドライエッチング装置で加工した第1のノズル孔部11a及び第2のノズル孔部11bの側面及び底面を含むシリコン基材41の表面全体にSiO2 膜46を均一に成膜する。
(l)図9(l)に示すように(図9(l)より図9(o)に至るまでは図8(k)の上下を逆転した図を示す)、透明材料(ガラス等)の支持基板50に、紫外線または熱などの刺激で容易に接着力が低下する自己剥離層61を持った両面テープ60を張り合わせる。具体的には、支持基板50に張り合わせた両面テープ60の自己剥離層61の面と、シリコン基材41の接合面41aとを向かい合わせ、真空中で貼り合わせる。これにより接着界面に気泡が残らないきれいな接着が可能となる。この接着の際に接着界面に気泡が残ると、次の(m)工程の研削加工で薄板化されるシリコン基材41の板厚がばらつく原因となる。
(m)図9(m)に示すように、シリコン基材41の吐出面側からバックグラインダーで研削加工を行い、第1のノズル孔部11aの先端部11dが開口するまでシリコン基材41を薄くする。この薄板化の方法としては、他にポリッシャー、CMP装置による方法がある。これらの加工方法を用いた場合、研磨剤のカス等がノズル孔11内に残るため、ノズル孔11内の研磨材の水洗除去工程などで第1のノズル孔部11a及び第2のノズル孔部11bの内壁は洗浄される。
(n)オゾンを溶存させた洗浄水にシリコン基材41を10分間浸し、図9(n)に示すように、吐出面41bに酸化膜47を形成する。このとき、ノズル孔11内に入り込んだ自己剥離層61の一部も除去される。また、シリコン基材41の表面が洗浄され、異物、汚れの付着が無くなり、これにより、次の工程で形成される撥インク膜の均一なコーティングが可能となる。
(o)図9(o)に示すように、シリコン基板41の吐出面41bに撥インク処理を施す。すなわち、F原子を含む撥インク性を持った材料を蒸着やディッピングで成膜し、撥インク層48を形成する。このとき、第1のノズル孔部11a及び第2のノズル孔部11bの内壁も撥インク処理される。
(p)図10(p)(図10(p)より図10(s)に至るまでは図9(o)の上下を逆転した図を示す)に示すように、吐出面41bにダイシングテープ70をサポートテープとして貼り付ける。
(q)図10(q)に示すように、支持基板50側からUV光を照射する。
(r)図10(r)に示すように、両面テープ60の自己剥離層61をシリコン基材41から剥離する。
(s)図10(s)に示すように、Arスパッタもしくは02 プラズマ処理によってシリコン基材41の第1のノズル孔部11a及び第2のノズル孔部11bの内壁に余分に形成された撥インク層48を除去する。
(t)図11(t)に示すように(図11(t)より図11(u)に至るまでは図10(s)の上下を逆転した図を示す)、シリコン基材41においてダイシングテープ70を貼り付けている面とは反対側の面41aを真空ポンプに連通した吸着冶具80に吸着固定し、その状態でダイシングテープ70を剥離する。
(u)図11(u)に示すように、吸着冶具80の吸着固定を解除し、ノズル基板1が完成する。なお、図示省略したが、シリコン基材41にはノズル孔11を形成するのと同時にノズル基材外輪となる部分に貫通溝を形成するようにしており、吸着冶具80を取り外す段階でノズル基材1が個片に分割されるようになっている。
実施の形態1によれば、異方性ウェットエッチングに依ることなく、ドライエッチングで第2のノズル孔部11bを形成するため、ノズル密度を高めることができる。また、第2のノズル孔部11bをドライエッチングによって形成する際に、樹脂90をアッシングしながら傾斜部分を掘り進んで行くので、第1のノズル孔部11aと第2のノズル孔部11bとの境界部分に段差がなく、なめらかで連続した形状とすることができ、これによってノズルの流路特性が最適化され、安定した吐出特性を有する。さらに、エッチング時において混合ガスの混合比を変えることによって、第2のノズル孔部11bの傾斜角をシリコンの結晶方位に拘束されない所望の角度に制御することができる。
本実施の形態1のノズル基板1の製造方法は、静電駆動方式のインクジェットヘッドに用いるノズル基板の場合を例に説明したが、圧電駆動方式やバブルジェット(登録商標)方式など、他方式のインクジェットヘッドのノズル基板にも適用可能である。
次に、キャビティ基板2および電極基板3の製造方法について説明する。
ここでは、電極基板3にシリコン基材100を接合した後、そのシリコン基板100からキャビティ基板2を製造する方法について、図12、図13を用いて説明する。
(a) 図12(a)に示すように、硼珪酸ガラス等からなるガラス基材200に、例えば金・クロムのエッチングマスクを使用してフッ酸によってエッチングして、凹部32を形成する。この凹部32は個別電極31の形状より少し大きめの溝状であり、個別電極31ごとに複数形成される。
そして、凹部32の内部に、例えばスパッタによりITO(Indium Tin Oxide)からなる個別電極31を形成する。
その後、ドリル等によってインク供給孔34となる孔部34aを形成することにより、電極基板3が作製される。
(b) 図11(b)に示すように、シリコン基材100の両面を鏡面研磨した後、シリコン基材100の片面にプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によってTEOS(TetraEthylorthosilicate)からなるシリコン酸化膜(絶縁膜)26を形成する。なお、シリコン基材100を形成する前に、エッチングストップ技術を利用し、振動板22の厚みを高精度に形成するためのボロンドープ層を形成するようにしてもよい。エッチングストップとはエッチング面から発生する気泡が停止した状態と定義し、実際のウェットエッチングにおいては、気泡の発生の停止をもってエッチングがストップしたものと判断する。
(c) このシリコン基材100と、図12(a)のようにして作製された電極基板3を、図12(c)に示すように、例えば360℃に加熱し、シリコン基材100に陽極を、電極基板3を陰極に接続して、800V程度の電圧を印加して陽極接合により接合する。
(d) シリコン基材100と電極基板3を陽極接合した後に、水酸化カリウム水溶液等で接合状態のシリコン基材100をエッチングし、図12(d)に示すように、シリコン基材100を薄板化する。
(e) シリコン基材100の上面(電極基板3が接合されている面と反対側の面)の全面にプラズマCVDによって、シリコン酸化膜を形成する。そして、このシリコン酸化膜に、吐出室24となる凹部240およびリザーバ25となる凹部250を形成するためのレジストをパターニングし、これらの部分のシリコン酸化膜をエッチング除去する。
その後、シリコン基材100を水酸化カリウム水溶液等でエッチングして、図13(e)に示すように、吐出室24となる凹部240およびリザーバ25となる凹部250を形成する。このとき、配線のための電極取り出し部29となる部分もエッチングして薄板化しておく。なお、図13(e)のウェットエッチングの工程では、例えば初めに35重量%の水酸化カリウム水溶液を使用し、その後、3重量%の水酸化カリウム水溶液を使用することができる。これにより、振動板22の面荒れを抑制することができる。
(f) シリコン基材100のエッチングが終了した後に、図13(f)に示すように、フッ酸水溶液でエッチングして、シリコン基材100の上面に形成されているシリコン酸化膜を除去する。
(g) シリコン基材100の吐出室21となる凹部240等が形成された面に、図13(g)に示すように、プラズマCVDによりシリコン酸化膜(絶縁膜26)を形成する。
(h) 図13(h)に示すように、RIE(Reactive Ion Etching)等によって電極取り出し部100を開放する。また、電極基板3のインク供給孔34となる孔部34aからレーザ加工を施して、シリコン基材100のリザーバ25となる凹部250の底部を貫通させ、インク供給孔34を形成する。また、振動板22と個別電極31の間の電極間ギャップGの開放端部にエポキシ樹脂等の封止材27を充填して封止を行う。また、図1、図2に示した共通電極28を、スパッタにより、シリコン基材100の上面(ノズル基板1との接合側の面)の端部に形成する。
以上により、電極基板3に接合した状態のシリコン基材100からキャビティ基板2が作製される。
そして最後に、このキャビティ基板2に、前述のようにして作製されたノズル基板1を接着等により接合することにより、図2に示したインクジェットヘッド10の本体部が作製される。
本実施の形態1によれば、キャビティ基板2を、予め作製された電極基板3に接合した状態のシリコン基材200から作製するものであるので、その電極基板3によりキャビティ基板2を支持した状態となるため、キャビティ基板2を薄板化しても割れたり欠けたりすることがなく、ハンドリングが容易となる。したがって、キャビティ基板2を単独で製造する場合よりも歩留まりが向上する。
実施の形態2.
図14は、実施の形態1に係るインクジェットヘッド10を搭載したインクジェット記録装置を示す斜視図である。図14に示すインクジェット記録装置300は、インクジェットプリンタであり、実施の形態1のインクジェットヘッド10を搭載しているため、ノズルの流路特性が最適化し、このため吐出特性が良く、また高密度化が可能なため、液滴の着弾位置の高精度化が可能で、安定した高品質の印字が可能である。
なお、実施の形態1に係るインクジェットヘッド10は、図14に示すインクジェットプリンタの他に、液滴を種々変更することで、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、遺伝子検査等に用いられる生体分子溶液のマイクロアレイの製造など様々な用途の液滴吐出装置として利用することができる。
本発明の実施の形態1に係る液滴吐出ヘッドの分解斜視図。 図1のインクジェットヘッドを組立てた状態の要部の縦断面図。 図2のノズル孔部分を拡大した縦断面図。 図1のノズル基板の上面図。 ノズル基板の製造方法を示す製造工程の断面図。 図5に続くノズル基板の製造工程の断面図。 図6に続くノズル基板の製造工程の断面図。 図7に続くノズル基板の製造工程の断面図。 図8に続くノズル基板の製造工程の断面図。 図9に続くノズル基板の製造工程の断面図。 図10に続くノズル基板の製造工程の断面図。 キャビティ基板および電極基板の製造方法を示す製造工程の断面図。 図12に続く製造工程の断面図。 インクジェット記録装置を示す斜視図。
符号の説明
1 ノズル基板、2 キャビティ基板、3 電極基板、4 駆動制御回路、10 インクジェットヘッド、11 ノズル孔、11a 円筒状ノズル孔部(第1のノズル孔部)、11b 截頭円錐状ノズル孔部(第2のノズル孔部)、11c 円筒孔部、11d 先端部、22 振動板、23 オリフィス、24 吐出室、25 リザーバ、28 共通電極、31 個別電極、31a リード部、31b 端子部、32 凹部、34 インク供給孔、41 シリコン基材、42 SiO2 膜、42a 開口、90 樹脂、300 インクジェット記録装置。

Claims (12)

  1. 吐出方向の先端側に位置するほぼ円筒状の第1のノズル孔部と、吐出方向の後端側に位置しており、前記第1のノズル孔部から吐出方向の後端側に向けてノズル断面積が漸増する傾斜面がほぼテーパ状の第2のノズル孔部とから構成されるノズル孔を、シリコン基材をエッチングすることにより形成するノズル基板の製造方法であって、
    前記シリコン基材の表面にエッチング保護膜を形成する工程と、
    前記エッチング保護膜に開口部を形成し、該開口部より前記シリコン基材をドライエッチングして円筒孔部を形成する工程と、
    前記円筒孔部内に樹脂を充填する工程と、
    前記エッチング保護膜の開口部より前記円筒孔部内の樹脂を所定部分を残して、アッシングしながら前記シリコン基材をドライエッチングし、前記円筒孔部の開口部側に所望の傾斜角で拡径する前記第2のノズル孔部を形成する工程と、
    アッシングされず残った前記樹脂を前記円筒孔部内より除去して該樹脂を除去した部分の円筒孔部を前記第1のノズル孔部とするとともに、前記シリコン基材表面に形成された前記酸化膜を除去する工程と、
    前記シリコン基材を、前記第2のノズル孔部を形成した側とは反対側の面から前記第1のノズル孔部が開口するまで薄板化する工程と、
    を有することを特徴とするノズル基板の製造方法。
  2. 前記ドライエッチングは、ICP放電によるドライエッチングであることを特徴とする請求項1記載のノズル基板の製造方法。
  3. 前記第1のノズル孔部を形成するドライエッチングは、前記開口部から、C48とSF6 よりなるエッチングガスを交互に使用してドライエッチングを行い、前記円筒孔部を形成することを特徴とする請求項2に記載のノズル基板の製造方法。
  4. 前記第2のノズル孔部を形成するドライエッチングは、前記第2のノズル孔部の深さ方向のエッチングを促進する第1のガスと、前記第2のノズル孔部の側面方向のエッチングを抑制して該側面を保護する保護膜を形成する第2のガスと、前記保護膜をエッチングして前記第2のノズル孔部のテーパ角を調整するための第3のガスとよりなる混合ガスを導入して行うことを特徴とする請求項2記載のノズル基板の製造方法。
  5. 前記第1のガスがSF6 であり、前記第2のガスがC48であり、前記第3のガスがO2 であり、これらの混合ガスによってドライエッチングを行うことを特徴とする請求項3記載のノズル基板の製造方法。
  6. SF6 とC48とO2 とのガスの混合比が、1:2:3であることを特徴とする請求項5記載のノズル基板の製造方法。
  7. 真空雰囲気で樹脂を充填したあと該樹脂を大気雰囲気に曝すことにより、前記円筒孔部内に前記樹脂を充填することを特徴とする請求項1記載のノズル基板の製造方法。
  8. 吐出方向の先端側に位置するほぼ円筒状の第1のノズル孔部と、吐出方向の後端側に位置しており、前記第1のノズル孔部から吐出方向の後端側に向けてノズル断面積が漸増する傾斜面がほぼテーパ状の第2のノズル孔部とから構成されるノズル孔を、シリコン基材をエッチングすることにより形成するノズル基板の製造方法を用いた液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記シリコン基材の表面にエッチング保護膜を形成する工程と、
    前記エッチング保護膜に開口部を形成し、該開口部より前記シリコン基材をドライエッチングして円筒孔部を形成する工程と、
    前記円筒孔部内に樹脂を充填する工程と、
    前記エッチング保護膜の開口部より前記円筒孔部内の樹脂を所定部分残して、アッシングしながら前記シリコン基材をドライエッチングし、前記円筒孔部の開口部側に所望の傾斜角で拡径する前記第2のノズル孔部を形成する工程と、
    アッシングされずに残った前記樹脂を前記円筒孔部内より除去して該樹脂を除去した部分の円筒孔部を前記第1のノズル孔部とするとともに、前記シリコン基材表面に形成された酸化膜を除去する工程と
    前記シリコン基材を、前記第2のノズル孔部を形成した側とは反対側の面から前記第1のノズル孔部が開口するまで薄板化する工程と、
    を有するノズル基板の製造方法を用いて液滴吐出ヘッドを製造することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  9. 吐出方向の先端側に位置するほぼ円筒状の第1のノズル孔部と、吐出方向の後端側に位置しており、前記第1のノズル孔部から吐出方向の後端側に向けてノズル断面積が漸増する傾斜面がほぼテーパ状の第2のノズル孔部とから構成されるノズル孔を、シリコン基材をエッチングすることにより形成するノズル基板の製造方法を用いた液滴吐出ヘッドの製造方法を用いて行う製造方法であって、
    前記シリコン基材の表面にエッチング保護膜を形成する工程と、
    前記エッチング保護膜に開口部を形成し、該開口部より前記シリコン基材をドライエッチングして円筒孔部を形成する工程と、
    前記円筒孔部内に樹脂を充填する工程と、
    前記エッチング保護膜の開口部より前記円筒孔部内の樹脂を所定部分残して、アッシングしながら前記シリコン基材をドライエッチングし、前記円筒孔部の開口部側に所望の傾斜角で拡径する前記第2のノズル孔部を形成する工程と、
    アッシングされずに残った前記樹脂を前記円筒孔部内より除去して該樹脂を除去した部分の円筒孔部を前記第1のノズル孔部とするとともに、前記シリコン基材表面に形成された酸化膜を除去する工程と
    前記シリコン基材を、前記第2のノズル孔部を形成した側とは反対側の面から前記第1のノズル孔部が開口するまで薄板化する工程と、
    を有するノズル基板の製造方法を用いた液滴吐出ヘッドの製造方法を用いて液滴吐出装置を製造することを特徴とする液滴吐出装置の製造方法。
  10. 液滴を吐出するためのノズル孔が、基板面に対して垂直な筒状の噴射口部分からなるほぼ円筒状の第1のノズル孔部と、該第1のノズル孔部と同軸上に設けられ該第1のノズル孔部よりも径の大きい導入口部分を有する傾斜面がほぼテーパ状の第2のノズル孔部とを有し、前記第1のノズル孔部と前記第2のノズル孔部との境界部が段差なく連通していることを特徴とするノズル基板。
  11. 液滴を吐出するためのノズル孔が、基板面に対して垂直な筒状の噴射口部分からなるほぼ円筒状の第1のノズル孔部と、該第1のノズル孔部と同軸上に設けられ該第1のノズル孔部よりも径の大きい導入口部分を有する傾斜面がほぼテーパ状の第2のノズル孔部とを有し、前記第1のノズル孔部と前記第2のノズル孔部との境界部が段差なく連通しているノズル基板を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  12. 液滴を吐出するためのノズル孔が、基板面に対して垂直な筒状の噴射口部分からなるほぼ円筒状の第1のノズル孔部と、該第1のノズル孔部と同軸上に設けられ該第1のノズル孔部よりも径の大きい導入口部分を有する傾斜面がほぼテーパ状の第2のノズル孔部とを有し、前記第1のノズル孔部と前記第2のノズル孔部との境界部が段差なく連通しているノズル基板を有する液滴吐出ヘッドを搭載したことを特徴とする液滴吐出装置。
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