JP2008132733A - 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び液滴吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び液滴吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ノズルの高密度化を可能にし、かつ吐出室深さを確保しながらクロストーク防止に十分なリザーバ体積を確保することが可能な液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、液滴吐出ヘッドの製造方法を得る。
【解決手段】複数のノズル孔11を有するノズル基板1と、ノズル孔11の各々に連通する複数のノズル連通孔21と、ノズル連通孔21の各々に連通し、室内に圧力を発生させて各ノズル孔11より液滴を吐出する吐出室22を構成する複数の吐出室用凹部22aと、吐出室用凹部22aに供給する液滴を溜めるリザーバ24と、各吐出室用凹部22aとリザーバ24とを連通する複数の供給口23とが形成された流路基板2と、流路基板2の吐出室用凹部22a内に圧力を発生させる振動板31を有する振動板基板3と、振動板31を変形させて吐出室22に圧力変化を与える圧力発生手段とを備えたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び液滴吐出ヘッドの製造方法に関するものである。
液滴を吐出するための液滴吐出ヘッドとして、例えばインクジェット記録装置に搭載されるインクジェットヘッドが知られている。インクジェットヘッドは、一般に、インク滴を吐出するための複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、このノズル基板に接合されノズル基板との間で、上記ノズル孔に連通する吐出室、リザーバ等のインク流路が形成された流路基板とを備え、駆動部により吐出室に圧力を加えることにより、インク滴を選択されたノズル孔より吐出するように構成されている。駆動手段としては、静電気力を利用する方式や、圧電素子による圧電方式、発熱素子を利用する方式等がある。
近年、インクジェットヘッドは、高速印字に対応するため多ノズル化が進んでおり、また高解像度化の要求から微小な駆動機構(アクチュエータ)が求められている。駆動機構が小型化され、高密度化されると、インクを吐出するノズルごとに設けられた吐出室の隔壁が薄くなり、隔壁の剛性が低くなるため、1つの吐出室のインクが吐出されたときに隣接する吐出室が影響を受けるという、いわゆるクロストークの問題があった。また、このようなクロストークの問題は、吐出室の圧力がリザーバを介して他の圧力室に加わることによっても発生する。このようなクロストークを防止するために、一般のインクジェットヘッドでは、吐出室となる凹部及びリザーバとなる凹部が形成される基板(流路基板と呼ぶ)を薄くして吐出室間の隔壁の高さを低くしていた(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−993号公報(図3、図4)
しかしながら、流路基板を薄くすると、リザーバの高さも低くなるため、クロストークを防止するのに十分なリザーバ体積を確保できないという問題があった。また、流路基板を薄くすると、ハンドリングが難しくなることから、製造上の観点からみても歩留りの低下を招くという問題点があった。
上記製造上の問題については、比較的厚い流路基板と個別電極を備えた電極ガラス基板を接合し、流路基板の厚みを減らした後に、流路基板に、吐出室となる凹部とリザーバとなる凹部をウェットエッチングで形成する方法を採用することで対応可能であった。
しかしながら、吐出室の隔壁高さを低くしながらクロストーク防止に十分なリザーバ体積を確保することは、依然として難しいという問題があった。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、ノズルの高密度化を可能にし、かつ吐出室深さを確保しながらクロストーク防止に十分なリザーバ体積を確保することが可能な液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び液滴吐出ヘッドの製造方法を得ることを目的とする。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、複数のノズル孔を有するノズル基板と、ノズル孔の各々に連通する複数のノズル連通孔と、ノズル連通孔の各々に連通し、室内に圧力を発生させて各ノズル孔より液滴を吐出する吐出室を構成する複数の吐出室用凹部と、吐出室用凹部に供給する液滴を溜めるリザーバと、各吐出室用凹部とリザーバとを連通する複数の供給口とが形成された流路基板と、流路基板の吐出室用凹部内に圧力を発生させる振動板を有する振動板基板と、振動板を変形させて吐出室に圧力変化を与える圧力発生手段とを備えたものである。
このように、吐出室と振動板とを別々の基板で構成したので、吐出室を形成する流路基板の厚みが吐出室の深さに制約されることなく、所望の厚みの基板を流路基板基材として選択することができる。これにより、流路基板に形成するリザーバで所望する体積を確保することが可能な厚みの基板を流路基板基材として選択することが可能となり、吐出に最適な吐出室の深さを確保しながら、クロストーク防止に十分なリザーバ体積を確保することが可能となる。また、吐出室の加工手段がウェットエッチングに限定されないため、吐出室形状の自由度が増す。
その結果、ノズルの高密度化が可能で、且つ液滴吐出時に発生するノズル間の圧力干渉を防止して吐出特性が良好な液滴吐出ヘッドを得ることができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、吐出室用凹部が、流路基板の振動板基板との対向面に形成され、リザーバとなるリザーバ用凹部は、流路基板の対向面と反対側の面に吐出室用凹部と立体的に交差するように形成されているものである。
これにより、個別の深さを有する吐出室とリザーバを構成すると同時に、ヘッド面積を小型化することができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、吐出室用凹部と供給口が流路基板の振動板基板との対向面に形成され、リザーバが、流路基板に対して垂直に貫通形成されているものである。
流路基板の全ての加工を振動板基板側からの片面加工で完了させることができる構造のため、各部位の位置を高精度に合わせることができ、良好な吐出特性を得ることが可能となる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、振動板基板の流路基板とは反対側の面に、電極が形成された電極用凹部を有する電極基板を備え、圧力発生手段は、振動板と電極との間に生じる静電気力を利用して、振動板を変形させることで圧力を発生するものである。
アクチュエータの構造が単純なため、高密度で安価な液滴吐出ヘッドを構成することができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、電極基板には、電極用凹部の形成面と同一面側に圧力緩衝凹部が形成されており、振動板基板を、圧力緩衝凹部内で変位するダイアフラムとして兼用するようにしたものである。
これにより、新たな部材を追加することなく圧力緩衝機構を形成できる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、圧力緩衝凹部を外部と連通させる連通路を設けたものである。
これにより、ダイアフラムの変位に応じて圧力緩衝凹部内の空気が外部と出入りし、圧力緩衝凹部内の空気がダンパーとなってダイアフラムの動作を妨げるのを防止することができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、流路基板は単結晶シリコン基板であるものである。
これにより、半導体製造プロセス、MEMS等の技術を用いて各部を形成することができる。
また、本発明に係る液滴吐出装置は、上記の何れかの液滴吐出ヘッドを備えたものである。
これにより、ノズルの高密度化が可能で、且つ液滴吐出時に発生するノズル間の圧力干渉を防止して吐出特性が良好な液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を得ることができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、液滴が吐出される複数のノズル孔と、ノズルの各々に連通する複数のノズル連通孔と、ノズル連通孔の各々に連通し、室内に圧力を発生させて各ノズル孔より液滴を吐出する複数の吐出室と、複数の吐出室に供給する液滴を溜めるリザーバと、各吐出室とリザーバとを連通する複数の供給口とを含む液体流路を有する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、シリコン基板の一方の面側からノズル連通孔と吐出室となる吐出室用凹部と供給口とをドライエッチングにより形成し、シリコン基板の一方の面とは反対側の面からリザーバとなるリザーバ用凹部をウェットエッチングで形成することにより流路基板を形成する工程を有するものである。
吐出室をドライエッチングで形成するようにしているので、従来のウェットエッチングで形成する方法に比べて吐出室形状の精度を向上することができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、液滴が吐出される複数のノズル孔と、ノズルの各々に連通する複数のノズル連通孔と、ノズル連通孔の各々に連通し、室内に圧力を発生させて各ノズル孔より液滴を吐出する複数の吐出室と、複数の吐出室に供給する液滴を溜めるリザーバと、各吐出室と各リザーバとを連通する複数の供給口とを含む液体流路を具備する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、シリコン基板の一方の面側からノズル連通孔と吐出室となる吐出室用凹部とリザーバとなるリザーバ貫通孔と供給口とをドライエッチングにより形成することにより流路基板を形成する工程を有するものである。
流路基板に形成する各部を流路基板において同一面側からドライエッチングで形成するため、加工精度を向上させることができる。また、流路基板の全ての加工を振動板基板側からの片面加工で完了させることができるため、工程数を削減でき、歩留まり向上が可能で、コストを下げることが可能となる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、リザーバ貫通孔を形成する際には、リザーバ貫通孔の外周部分をドライエッチングで垂直に貫通させることにより形成するものである。
これにより、良好なスループットで大面積の貫通孔を形成することができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、ガラス基板に電極用凹部を形成し、電極用凹部内に電極を形成して電極基板を形成する工程と、吐出室に圧力を発生させる振動板を有する振動板基板を形成する工程とを有し、振動板基板を形成する工程では、シリコン基板にボロン拡散を行ってボロン拡散層を形成し、ボロン拡散層が形成されたシリコン基板と電極基板とを、電極とボロン拡散層とをギャップを介して対向させて陽極接合し、電極基板と接合されたシリコン基板に研削加工を行って薄板化し、薄板化されたシリコン基板の表面をウェットエッチングにより全面エッチングしてボロン拡散層でエッチングストップさせることにより振動板基板を形成するものである。
これにより、厚み精度が良好な振動板を少ない工程かつ良好なスループットで形成することができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、電極基板を形成する工程において、電極用凹部を形成するのと同時に、振動板基板がダイアフラムとして機能するための圧力緩衝凹部を形成するものである。
これにより、新たな工程を追加することなくダイアフラムの圧力緩衝機構を設けることができる。
以下、本発明を適用した液滴吐出ヘッドの実施の形態について説明する。ここでは、液滴吐出ヘッドの一例として、ノズル基板の表面に設けられたノズル孔からインク滴を吐出するフェイス吐出型のインクジェットヘッドについて説明する。なお、本発明は、以下の図に示す構造、形状に限定されるものではなく、基板の端部に設けられたノズル孔からインク滴を吐出するエッジ吐出型の液滴吐出ヘッドにも同様に適用することができる。また、アクチュエータ(圧力発生手段)は静電駆動方式で示してあるが、その他の駆動方式であってもよい。
実施の形態1.
図1及び図2は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す分解斜視図で、図1は、インク吐出表面側からみた斜視図、図2は、インク吐出裏面側からみた斜視図である。また、図3は、図1及び図2に示したインクジェットヘッドの組立状態を示す縦断面図である。
図1、図2において、インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッドの一例)10は、従来の一般的な静電駆動方式のインクジェットヘッドのように、ノズル基板、キャビティ基板、電極基板の3つの基板を貼り合わせた3層構造ではなく、ノズル基板1、流路基板2、振動板基板3、電極基板4の4つの基板を、この順に貼り合わせた4層構造で構成されている。すなわち、インク流路を形成する吐出室及びリザーバと、振動板とが別々の基板に設けられている。以下、各基板の構成について詳述する。
ノズル基板1は、例えば厚さ約50μmのシリコン材から作製されている。ノズル基板1には多数のノズル孔11が所定のピッチで設けられている。ただし、図1及び図2には簡明のため、1列10個のノズル孔11を示してある。また、ノズル列は複数列とすることもある。
流路基板2は、例えば厚さ約180μmであって、面方位が(100)のシリコン材から作製されている。この流路基板2には、流路基板2を垂直に貫通し、各ノズル孔11に独立して連通するノズル連通孔21と、各ノズル連通孔21のそれぞれに独立して連通する各吐出室22となる吐出室用凹部22aと、各吐出室に対して各供給口23を介して連通する共通のリザーバ(共通インク室)24となるリザーバ用凹部24aが形成されている。
このリザーバ用凹部24aは、ノズル基板1との接着面(以下、N面ともいう)側に拡径して開かれた断面ほぼ逆台形状となっている。そしてリザーバ用凹部24aの底壁の振動板基板3側は、振動板基板3との接着面(以下、C面ともいう)まで貫通するリザーバ貫通部25となっている。
また、流路基板2には更に、各吐出室用凹部22aとリザーバ24とを連通する複数の供給口23と、外部からリザーバ24にインクを供給するためのインク供給孔26とが貫通形成されている。
流路基板2を貫通するノズル連通孔21は、ノズル基板1のノズル孔11と同軸上に設けられているので、インク滴の吐出の直進性が得られ、そのため吐出特性が格段に向上するものとなる。特に、微小なインク滴を狙い通りに着弾させることができるため、色ずれ等を生じることなく微妙な階調変化を忠実に再現することができ、より鮮明で高品位の画質を実現することができる。
また、流路基板2においてインクの流路となる部分の表面には、インク保護膜(図示せず)が形成されている。
振動板基板3は、例えば厚さ約0.8μmのシリコン材から作製されている。振動板基板3において、流路基板2の吐出室22に対向する部分が振動板31となっている。振動板31は、シリコン基板に高濃度のボロンを拡散することにより形成されるボロン拡散層により構成することができる。振動板31をボロン拡散層とすることにより、ウエットエッチングでのエッチングストップを十分に働かせることができるので、振動板31の厚さや面荒れを精度よく調整することができる。
また、振動板基板3において、流路基板2のリザーバ貫通部25に対向する部分が、リザーバの圧力変動を緩衝するリザーバダイアフラム32となっている。すなわち、リザーバダイアフラム32は、リザーバ貫通部25と電極基板4の後述の圧力緩衝凹部44との間で空中に浮いた状態となっており、圧力緩衝凹部44によってリザーバダイアフラム32の変位が許容され、圧力緩衝が行われる。
振動板基板3の少なくとも電極基板4側の面には、例えばTEOS(Tetraethylorthosilicate Tetraethoxysilane :テトラエトキシシラン、珪酸エチル)を原料としたプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長法)によるSiO2膜からなる絶縁膜が、例えば0.1μmの厚さで形成されている(図示せず)。この絶縁膜は、インクジェットヘッド10の駆動時における絶縁破壊や短絡を防止するために設けられている。振動板基板3の流路基板2側の面には、流路基板2と同様のインク保護膜(図示せず)が形成されている。また、振動板基板3には、流路基板2のインク供給孔26に連通するインク供給孔33が設けられている。
電極基板4は、例えば厚さ約1mmのガラス材から作製されている。なかでも、振動板基板3のシリコン材と熱膨張係数の近い硼珪酸系の耐熱硬質ガラスを用いるのが適している。硼珪酸系の耐熱硬質ガラスを用いることにより、電極基板4と振動板基板3とを陽極接合する際、両基板の熱膨張係数が近いため、電極基板4と振動板基板3との間に生じる応力を低減することができ、その結果、剥離等の問題を生じることなく、電極基板4と振動板基板3とを強固に接合することができる。
電極基板4には、振動板基板3の各振動板31に対向する表面の位置に、それぞれ電極用凹部41が設けられている。各電極用凹部41は、エッチングにより約0.3μmの深さで形成されている。そして、各電極用凹部41の底面には、一般に、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)からなる個別電極42が、例えば0.1μmの厚さでスパッタにより形成されている。したがって、振動板31と個別電極42との間に形成されるギャップG(空隙)は、この電極用凹部41の深さ、個別電極42および振動板31を覆う絶縁膜の厚さにより決まることになる。このギャップGは、インクジェットヘッド10の吐出特性に大きく影響する。本実施の形態1の場合、ギャップGは、0.2μmとなっている。このギャップGの開放端部は、エポキシ接着剤等からなる封止材43により気密に封止されている。これにより、異物や湿気等がギャップGに侵入するのを防止することができ、インクジェットヘッド10の信頼性を高く保持することができる。
なお、個別電極42の材料はITOに限定するものではなく、IZO(Indium Zinc Oxide)あるいは金、銅等の金属を用いてもよい。しかし、ITOは透明であるので振動板の当接具合の確認が行いやすいことなどの理由から、一般にはITOが用いられている。
また、個別電極42の端子部42aは、流路基板2および振動板基板3の端部が開口された電極取り出し部46に露出しており、電極取り出し部46において、例えばドライバIC等の駆動制御回路5が搭載されたフレキシブル配線基板(図示せず)が、各個別電極42の端子部42aと、振動板基板3の端部に設けられた共通電極34とに接続されている。
また、電極基板4の電極用凹部41の形成面と同一面側において、流路基板2のリザーバ貫通部25に対応する部分に、リザーバダイアフラム32の変位を許容する圧力緩衝凹部44が形成されている。圧力緩衝凹部44は、連通路44aを介して外部に連通するように構成されており、圧力緩衝凹部44内の空気が外部と出入り可能となっている。これにより、圧力緩衝凹部44内の空気がダンパーとなってリザーバダイアフラム32の動作を妨げるのを防止できるようになっている。
更に、電極基板4には、インクカートリッジ(図示せず)に接続されるインク供給孔45が設けられている。インク供給孔45は、振動板基板3に設けられたインク供給孔33、および流路基板2に設けられたインク供給孔26を通じて、リザーバ24に連通している。
ここで、上記のように構成されたインクジェットヘッド10の動作について説明する。
インクジェットヘッド10には、外部のインクカートリッジ(図示せず)内のインクがインク供給孔45、33、26を通じてリザーバ24内に供給され、さらにインクは個々の供給口23からそれぞれの吐出室22、ノズル連通孔21を経て、ノズル孔11の先端まで満たされている。また、このインクジェットヘッド10の動作を制御するためのドライバIC等の駆動制御回路5が、各個別電極42と振動板基板3に設けられた共通電極34との間に接続されている。
したがって、この駆動制御回路5により個別電極42に駆動信号(パルス電圧)を供給すると、個別電極42には駆動制御回路5からパルス電圧が印加され、個別電極42をプラスに帯電させ、一方、これに対応する振動板31はマイナスに帯電する。このとき、個別電極42と振動板31間に静電気力(クーロン力)が発生するため、この静電気力により振動板31は個別電極42側に引き寄せられて撓む。これによって、吐出室22の容積が増大する。次に、パルス電圧をオフにすると、上記静電気力がなくなり、振動板31はその弾性力により元に戻り、その際、吐出室22の容積が急激に減少するため、そのときの圧力により、吐出室22内のインクの一部がノズル連通孔21を通過し、インク滴となってノズル孔11から吐出される。そして、再びパルス電圧が印加され、振動板31が個別電極42側に撓むことにより、インクがリザーバ24から供給口23を通って吐出室22内に補給される。
本実施の形態1に係るインクジェットヘッド10によれば、吐出室22と振動板31とを別々の基板で構成したので、吐出室22を形成する流路基板2の厚みが吐出室22の深さに制約されることなく、所望の厚みの基板を流路基板基材として選択することができる。これにより、流路基板2に形成するリザーバ24で所望する体積を確保することが可能な厚みの基板を流路基板基材として選択することが可能となり、吐出に最適な吐出室22の深さを確保しながら、クロストーク防止に十分なリザーバ体積を確保することが可能となる。このように、本例の流路基板2の構造によれば、流路基板基材の厚みと、キャビティの深さと、リザーバの深さとの間の拘束が無くなるため、流路設計の自由度を高めることができる。また、ハンドリングが容易な厚い基板を流路基板基材として用いることができ、歩留まり向上に寄与する。
また、上述したようにリザーバ24の体積を確保することが可能となるため、ノズル孔11の高密度化が可能であるとともに、リザーバ24のコンプライアンスを低減してリザーバ24内での圧力変動を抑制することができる。したがって、インク吐出時に発生するノズル間の圧力干渉を防止することができ、良好な吐出特性を得ることが可能な液滴吐出ヘッドを得ることができる。
また、吐出室22とリザーバ24とを流路基板2において互いに反対側の面に形成する構造とし、吐出室22とリザーバ24とを立体的に交差させたため、ヘッド面積を小型化することができる。
また、本例では、振動板31を静電気力によりたわませ、吐出室22の圧力を変化させて各ノズル孔11からインクを吐出させる静電駆動式を採用したので、圧電方式に比べて微細化が容易で構造が単純など点から、高密度で安価な液滴吐出ヘッドを構成することができる。
また、電極基板4において電極用凹部41の形成面と同一面側に圧力緩衝凹部44を設け、振動板基板3を、圧力緩衝凹部44内で変位するダイアフラムとして兼用するようにしたので、新たな部材を追加することなく圧力緩衝機構を形成できる。
また、圧力緩衝凹部44が外部に連通する構成としたので、リザーバダイアフラム32の変位に応じて圧力緩衝凹部44内の空気が外部と出入りし、圧力緩衝凹部44内の空気がダンパーとなってリザーバダイアフラム32の動作を妨げるのを防止することができる。
また、流路基板2を単結晶シリコン基板で構成したので、半導体製造プロセス、MEMS等の技術を用いて製造することができる。製造方法については以下に詳述する。
次に、実施の形態1に係るインクジェットヘッド10の製造方法について、図4乃至図8を用いて説明する。なお、以下において示す基板の厚さやエッチング深さ、温度、圧力等の値はあくまでも一例を示すものであり、本発明はこれらの値によって限定されるものではない。
まず、流路基板2の製造方法について図4乃び図5を参照して説明する。
(a)図4(a)に示すように、面方位(100)、厚さ180μmのシリコン材よりなる流路基板基材200を用意し、この流路基板基材200の外面に熱酸化膜201を形成する。
(b)次に、フォトリソグラフィー法により、図4(b)に示すように、振動板基板3と接着する側の面(C面)に、ノズル連通孔21、吐出室22、供給口23、リザーバ貫通部25、インク供給孔26になる部分の外周のそれぞれ21a、220a、23a、25a、26aをパターニングする。このとき、C面における各部分21a、220a、23a、25a、26aの熱酸化膜201の残し膜厚が、次の関係になるようにエッチングする。
ノズル連通孔21になる部分21a=0<供給口23になる部分23a=インク供給孔26になる部分の外周26a=リザーバ貫通部25になる部分25a<吐出室22になる部分220a
(c)次に、図4(c)に示すように、C面のノズル連通孔21になる部分21aを、ICPで150μm程、ドライエッチングする。
(d)次に、図4(d)に示すように、熱酸化膜201を適量エッチングして、供給口23になる部分23a、リザーバ貫通部25になる部分25a、インク供給孔26になる部分の外周26aを開口させ、そののち、ICPで15μm程、ドライエッチングする。
(e)次に、図4(e)に示すように、熱酸化膜201を適量エッチングして、吐出室22になる部分220aを開口させ、そののちICPで35μm程、ドライエッチングする。この際、ノズル連通孔21になる部分21aもドライエッチングされて、N面にまで貫通する。
(f)そして、熱酸化膜201を除去した後に、図4(f)に示すように、再度、熱酸化膜201を1.0μm形成し、ノズル基板1と接着する側の面(N面)に、リザーバ用凹部24aになる部分240をフォトリソグラフィー法で開口する。
(g)次に、図5(g)に示すように、KOHで150μm程、ウエットエッチングしてリザーバ用凹部24aを形成する。ここで、インク供給孔26になる部分のシリコン部材200は外周26aによりシリコン基材(流路基板基材)200から分離された状態になる。
(h)熱酸化膜201を除去した後に、図5(h)に示すように、再度、熱酸化膜201aを0.2μm形成する。
以上により流路基板2が作製される。
次に、電極基板4の製造方法について図6を参照して説明する。
(a)まず、例えば硼珪酸系の耐熱硬質ガラスからなるガラス基板400を両面研磨して厚さを1mmにし、このガラス基板400に対し、例えば金・クロムのエッチングマスクを使用してフッ酸によってエッチングすることにより、電極用凹部41及び圧力緩衝凹部44を形成する。
(b)次に、ガラス基板400の表面に、酸化錫をドープしたITOを例えば厚さ0.1μmでスパッタし、ITO膜402を成膜する。その後、ITO膜402を、フォトリソグラフィ法により形成したレジストパターンを用いてエッチングし、個別電極42を形成する。
(c)そして最後に、ガラス基板400の表面側から、例えばサンドブラスト法またはドリル等を用いた切削加工によりインク供給孔45を形成する。
以上により、電極基板4が作製される。
次に、振動板基板3の製造工程について図7を参照して説明し、インクジェットヘッド10完成までの製造工程について図8を参照して説明する。
まず、振動板基板3は、以下のようにして製造される。
(a)面方位が(100)で、厚さ180μmのシリコン材よりなる振動板基板基材300の一方の面の全面にボロン拡散層301を0.8μm形成する。
(b)ボロン拡散層301の表面に、TEOSを原料としたプラズマCVDによるSiO2膜からなる絶縁膜302を、例えば0.1μmの厚さで成膜する。絶縁膜302の成膜は、例えば、温度360℃、高周波出力250W、圧力66.7Pa(0.5Torr)、ガス流量はTEOS流量100cm3/min(100sccm)、酸素流量1000cm3/min(1000sccm)の条件で行う。そして、絶縁膜302から、電極取り出し部46になる部分302aおよびインク供給孔33になる部分302bをパターニングして除去する。
(c)ボロン拡散層301が形成された振動板基板基材300と作製済み電極基板4とを、個別電極42とボロン拡散層301とをギャップを介して対向させて陽極接合する。陽極接合は、振動板基板基材300と電極基板4を360℃に加熱した後、電極基板4に負極、振動板基板基材300に正極を接続して、800Vの電圧を印加して陽極接合する。
(d)次に、図7(d)に示すように、陽極接合された上記振動板基板基材300の表面を、バックグラインダーや、ポリッシャーによって研削加工し、振動板基板基材300を厚さ10μmまで薄板化する。
(e)次に、図7(e)に示すように、電極基板4の表面を保護基板500で保護した状態で、陽極接合済みの基材を3%のKOH溶液に浸漬し、薄板化された振動板基板基材300を全面エッチングする。ここで、振動板基板基材300にはボロンドープ層301が形成されているため、ボロンドープ層301部分でエッチングレートが低下してエッチングストップする。これにより、ボロンドープ層301部分が残留し、振動板31が形成される。
(f)そして、図8(f)に示すように、振動板基板基材300の表面に、シリコン製もしくは金属製のマスク600を押し当て、RIE(Reactive Ion Etching)で電極取り出し部46になる部分602及びインク供給孔33になる部分601のシリコン薄膜(ボロン拡散層)601を除去して、電極取り出し部46及びインク供給孔33を形成する。
(g)続いて、マスク600を取り外す。そして、振動板31と個別電極42の間のギャップGの開放端部を、エポキシ樹脂等の封止材43で気密に封止する。また、Pt(白金)等の金属電極からなる共通電極34が、スパッタにより、振動板基板基材300の表面の端部に形成される。
以上により、電極基板4に接合した振動板基板基材300から振動板基板3が作製される。
(h)そして、この振動板基板3に、前述のようにノズル連通孔21、吐出室用凹部22a、供給口23、リザーバ用凹部24a、リザーバ貫通部25、インク供給孔26等が作製された流路基板2を接着剤により接着する。
(i)最後に、予めノズル孔11が形成されたノズル基板1を、流路基板2上に接着剤により接着する。そして、ダイシングにより個々のヘッドに分離すれば、図3に示したインクジェットヘッド10の本体部が作製される。
以上のように、実施の形態1に係るインクジェットヘッド10の製造方法では、吐出室22をドライエッチングで形成するようにしているので、従来のウェットエッチングで形成する方法に比べて吐出室形状の精度を向上することができる。
また、作製済み電極基板4と振動板基板基材300とを接合し、その接合基板に対して各種加工を行って振動板基板3を形成しているが、本例の構造(振動板31を吐出室22とは別の基板で構成した構造)の場合、従来構造(振動板と吐出室とを同一基板で構成した構造)に比べて、接合基板に対する加工工程を簡略化することが可能となる。すなわち、従来構造の場合、接合基板のシリコン基板に吐出室を形成するためのマスク用酸化膜を形成する工程と、その酸化膜をパターニングする工程とが必要となるが、本例の構造の場合、シリコン基板に対する選択的なエッチングは不要であるため、上記のマスク用酸化膜を形成工程や、酸化膜のパターニング工程を省略することができる。
また、本例では、振動板31を形成するに際し、ボロン拡散層301を形成したシリコン基板をガラス製の電極基板4に陽極接合し、シリコン基板を研削で薄板化してから、低濃度のKOHで全面エッチングすることにより形成するため、厚み精度が良好な振動板31を少ない工程かつ良好なスループットで形成することができる。
また、従来の吐出室22を形成する場合に必要となるマスク用酸化膜は、従来、TEOSを原料としたプラズマCVDを用いて形成するようにしているが、膜質の良いマスクをプラズマCVDを用いてTEOSで形成する場合、実際上、かなりの時間を要する。本例では上述したようにマスク用酸化膜の形成自体が不要となるため、この面からも工程の簡略化に効果がある。
また、電極基板4に個別電極42を形成するための複数の電極用凹部41を形成するのと同じ工程で圧力緩衝凹部44を形成したので、工程や部材を追加することなくリザーバダイアフラム32の圧力緩衝機構を設けることができる。
圧力緩衝凹部44内の空気が外部と出入りできるので、空気がダンパーとなってリザーバダイアフラム32の動作が妨げられるのを防ぐことができる。
また、加工精度を要する吐出室22と供給口23とノズル連通孔21をドライエッチングで形成し、加工精度はそれほど要求されないがエッチング量の多いリザーバ24をウェットエッチングで形成するようにしたので、加工精度とスループットを両立することができる。
実施の形態2.
図9は、本発明の実施の形態2に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す分解斜視図、図10は、図9に示したインクジェットヘッドの組立状態を示す縦断面図である。なお、実施の形態1と同一部分には同じ符号を付し説明を省略する。
実施の形態2に係るインクジェットヘッド100は、リザーバを流路基板2に垂直に貫通形成した構造としたものである。
本実施の形態2では、流路基板2以外のノズル基板1、振動板基板3および電極基板4は、実施の形態1と同じ構成である。実施の形態2の流路基板2には、ノズル基板1のノズル孔11に連通する円筒状のノズル連通孔21と吐出室用凹部22aが同様に形成されている。そして、実施の形態2の流路基板2では、リザーバ50が流路基板2に垂直に貫通形成された構成となっており、実施の形態1のリザーバ貫通部25とインク供給孔26が省略されている。なお、実施の形態2の供給口23は、吐出室用凹部22aの幅よりも細く、オリフィスとなっている。
次に、実施の形態2に係るインクジェットヘッド100の製造のために使用する流路形成基板の製造方法を、図11を用いて説明する。
(a)まず、図11(a)に示すように、面方位(100)、厚さ180μmのシリコン材よりなる流路基板基材200を用意し、この流路基板基材200の外面に熱酸化膜201を形成する。
(b)次に、フォトリソグラフィー法により、図11(b)に示すように、振動板基板3と接着する側の面(C面)に、ノズル連通孔21、吐出室22、供給口23、リザーバ50のそれぞれ21a、220a、23a、50aをパターニングする。このとき、C面における各部分21a、220a、23a、50aの熱酸化膜201の残し膜厚が、次の関係になるようにエッチングする。
ノズル連通孔21になる部分21a=リザーバ50になる部分の外周50a=0<吐出室22になる部分220a=供給口23になる部分23a
(c)次に、図11(c)に示すように、C面のノズル連通孔21になる部分21aとリザーバ50になる部分の外周50aを、ICPで150μm程、ドライエッチングする。
(d)次に、図11(d)に示すように、熱酸化膜201を適量エッチングして、吐出室22になる部分220a、供給口23になる部分23aを開口させ、そののち、ICPで35μm程、ドライエッチングする。この際、ノズル連通孔21になる部分21aもドライエッチングされて、N面にまで貫通する。
(e)そして、熱酸化膜201を除去した後に、図11(e)に示すように、再度、熱酸化膜201を1.0μm形成する。このとき、リザーバ50内部のシリコン塊は熱酸化膜を除去する際に一緒に抜け落ちる。
以上により流路基板2が作製される。
そして、上記のように作製された流路基板2を用いて、実施の形態1の図7乃び図8で説明したように製造すれば、実施の形態2に係るインクジェットヘッド100を製造することができる。
実施の形態2に係るインクジェットヘッド100は、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られるとともに、リザーバ50を流路基板2に貫通する構造としたので、換言すれば、流路基板2に形成する各部を流路基板2において同一面側から形成可能な構造としたので、流路基板2の全ての加工を振動板基板3側からの片面加工で完了させることができる。したがって、加工数を低減でき、歩留まり向上が可能で、コストを下げることが可能となる。
また、流路を構成する部分(ノズル連通孔、吐出室用凹部22a、供給口23及びリザーバ50)全てを、ドライエッチングで形成するため、加工精度を向上することができる。
また、リザーバ50は、流路基板2を貫通する構造であり、リザーバ50になる部分の外周のみをドライエッチングで貫通させることにより形成することができるため、良好なスループットで形成することができる。
上記の各実施の形態に係るインクジェットヘッド10,100は、図12に示されるインクジェットプリンタの他に、液滴を種々変更することで、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、プリント配線基板製造装置にて製造する配線基板の配線部分の形成、生体液体の吐出(プロテインチップやDNAチップの製造)など、様々な用途の液滴吐出装置に適用することができる。また、上記実施の形態1及び2のインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)を備えた液滴吐出装置は、液滴吐出時に発生するノズル間の圧力干渉を防止して吐出特性が良好な液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置とすることができる。
実施の形態1に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す分解斜視図。 実施の形態1に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す分解斜視図。 図1及び図2のインクジェットヘッドの組立状態を示す断面図。 図1の流路基板の製造工程の断面図。 図4に続く流路基板の製造工程の断面図。 図1の電極基板の製造工程の断面図。 図1の振動板基板の製造工程の断面図。 図7に続く製造工程の断面図。 実施の形態2に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す分解斜視図。 図9のインクジェットヘッドの組立状態を示す縦断面図。 図9の流路基板の製造工程の断面図。 本発明に係るインクジェットプリンタを示す斜視図。
符号の説明
1 ノズル基板、2 流路基板、3 振動板基板、4 電極基板、10 インクジェットヘッド、11 ノズル孔、21 ノズル連通孔、22 吐出室、22a 吐出室用凹部、23 供給口、24 リザーバ、24a リザーバ用凹部、25 リザーバ貫通部、26a 外周、31 振動板、32 リザーバダイアフラム、33 インク供給孔、41 電極用凹部、42 個別電極、44 圧力緩衝凹部、44a 連通路、50 リザーバ、100 インクジェットヘッド、200 流路基板基材、200a シリコン部材、300 振動板基板基材、301 ボロン拡散層。

Claims (13)

  1. 複数のノズル孔を有するノズル基板と、
    ノズル孔の各々に連通する複数のノズル連通孔と、該ノズル連通孔の各々に連通し、室内に圧力を発生させて前記各ノズル孔より液滴を吐出する吐出室を構成する複数の吐出室用凹部と、該吐出室用凹部に供給する液滴を溜めるリザーバと、前記各吐出室用凹部と前記リザーバとを連通する複数の供給口とが形成された流路基板と、
    該流路基板の前記吐出室用凹部内に圧力を発生させる振動板を有する振動板基板と、
    前記振動板を変形させて前記吐出室に圧力変化を与える圧力発生手段と
    を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記吐出室用凹部は、前記流路基板の前記振動板基板との対向面に形成され、前記リザーバとなるリザーバ用凹部は、前記流路基板の前記対向面と反対側の面に前記吐出室用凹部と立体的に交差するように形成されていることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 前記吐出室用凹部と前記供給口は、前記流路基板の前記振動板基板との対向面に形成され、前記リザーバは、前記流路基板に対して垂直に貫通形成されていることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッド。
  4. 前記振動板基板の前記流路基板とは反対側の面に、電極が形成された電極用凹部を有する電極基板を備え、前記圧力発生手段は、前記振動板と前記電極との間に生じる静電気力を利用して、前記振動板を変形させることで圧力を発生するものであること特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の液滴吐出ヘッド。
  5. 前記電極基板には、前記電極用凹部の形成面と同一面側に圧力緩衝凹部が形成されており、前記振動板基板を、前記圧力緩衝凹部内で変位するダイアフラムとして兼用するようにしたことを特徴とする請求項4記載の液滴吐出ヘッド。
  6. 前記圧力緩衝凹部を外部と連通させる連通路を設けたことを特徴とする請求項5記載の液滴吐出ヘッド。
  7. 前記流路基板は単結晶シリコン基板であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の液滴吐出ヘッド。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れかに記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  9. 液滴が吐出される複数のノズル孔と、該ノズルの各々に連通する複数のノズル連通孔と、該ノズル連通孔の各々に連通し、室内に圧力を発生させて前記各ノズル孔より液滴を吐出する複数の吐出室と、該複数の吐出室に供給する液滴を溜めるリザーバと、前記各吐出室と前記リザーバとを連通する複数の供給口とを含む液体流路を有する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
    シリコン基板の一方の面側から前記ノズル連通孔と前記吐出室となる吐出室用凹部と前記供給口とをドライエッチングにより形成し、前記シリコン基板の前記一方の面とは反対側の面から前記リザーバとなるリザーバ用凹部をウェットエッチングで形成することにより流路基板を形成する工程を有することを特徴とする請求項2記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  10. 液滴が吐出される複数のノズル孔と、該ノズルの各々に連通する複数のノズル連通孔と、該ノズル連通孔の各々に連通し、室内に圧力を発生させて前記各ノズル孔より液滴を吐出する複数の吐出室と、該複数の吐出室に供給する液滴を溜めるリザーバと、前記各吐出室と前記各リザーバとを連通する複数の供給口とを含む液体流路を具備する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
    シリコン基板の一方の面側から前記ノズル連通孔と前記吐出室となる吐出室用凹部と前記リザーバとなるリザーバ貫通孔と前記供給口とをドライエッチングにより形成することにより流路基板を形成する工程を有することを特徴とする請求項3記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  11. 前記リザーバ貫通孔を形成する際には、前記リザーバ貫通孔の外周部分をドライエッチングで垂直に貫通させることにより形成することを特徴とする請求項10記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  12. ガラス基板に電極用凹部を形成し、該電極用凹部内に電極を形成して電極基板を形成する工程と、
    前記吐出室に圧力を発生させる振動板を有する振動板基板を形成する工程とを有し、
    前記振動板基板を形成する工程では、シリコン基板にボロン拡散を行ってボロン拡散層を形成し、該ボロン拡散層が形成されたシリコン基板と前記電極基板とを、前記電極と前記ボロン拡散層とを前記電極用凹部を介して対向させて陽極接合し、前記電極基板に接合されたシリコン基板に研削加工を行って薄板化し、該薄板化されたシリコン基板の表面をウェットエッチングにより全面エッチングして前記ボロン拡散層でエッチングストップさせることにより前記振動板基板を形成することを特徴とする請求項9乃至請求項11の何れかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  13. 前記電極基板を形成する工程において、前記電極用凹部を形成するのと同時に、前記振動板基板がダイアフラムとして機能するための圧力緩衝凹部を形成することを特徴とする請求項12記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
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