JP2010214923A - ノズル基板の製造方法、その製造方法で製造されたノズル基板、液滴吐出ヘッドの製造方法、その製造方法で製造された液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 - Google Patents

ノズル基板の製造方法、その製造方法で製造されたノズル基板、液滴吐出ヘッドの製造方法、その製造方法で製造された液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010214923A
JP2010214923A JP2009067561A JP2009067561A JP2010214923A JP 2010214923 A JP2010214923 A JP 2010214923A JP 2009067561 A JP2009067561 A JP 2009067561A JP 2009067561 A JP2009067561 A JP 2009067561A JP 2010214923 A JP2010214923 A JP 2010214923A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
nozzle
manufacturing
forming
recess
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2009067561A
Other languages
English (en)
Inventor
賢太郎 ▲高▼▲柳▼
Kentaro Takayanagi
Akira Sano
朗 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2009067561A priority Critical patent/JP2010214923A/ja
Publication of JP2010214923A publication Critical patent/JP2010214923A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】メニスカスが安定して良好な吐出性能が得られ、また、ノズル径精度の高いノズル基板を製造することが可能なノズル基板の製造方法等を提供する。
【解決手段】吐出方向の先端側から後端側に向けて開口断面が段階的に大きくなる2段のノズル孔11を有するノズル基板1の製造方法であって、ノズル孔11の各段毎に基板を分けた2層基板構造とし、各層基板1a,1bのそれぞれに独立して第1ノズル部11a又は第2ノズル部11bを形成すると共に、撥液膜105又は親液膜123を必要箇所に形成した後、両基板1a,1bを接合する。
【選択図】図6

Description

本発明は、液滴を吐出するためのノズル孔を有するノズル基板の製造方法、その製造方法で製造されたノズル基板、液滴吐出ヘッドの製造方法、その製造方法で製造された液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置に関する。
液滴を吐出するためのノズル基板を適用した液滴吐出ヘッドとして、例えばインクジェット記録装置に搭載されるインクジェットヘッドが知られている。インクジェットヘッドは、一般に、インク滴を吐出するための複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、このノズル基板に接合されノズル基板との間で上記ノズル孔に連通する圧力室、リザーバー等のインク流路が形成されたキャビティー基板とを備え、駆動部により圧力室に圧力を加えることによりインク滴を選択されたノズル孔より吐出するように構成されている。駆動手段としては、静電気力を利用する方式や、圧電素子による圧電方式、発熱素子を利用するバブルジェット(登録商標)方式等がある。
近年、インクジェットヘッドに対して、印字、画質等の高品位化の要求が一段と強まり、そのため高密度化並びに吐出性能の向上が強く要求されている。このような背景から、インクジェットヘッドのノズル部に関して、従来より様々な工夫、提案がなされている。
インク吐出特性を改善するためには、ノズル孔部での流路抵抗を調整し、ノズル長さが最適な長さになるように基板の厚みを調整することが望ましい。また、ノズル形状を全体として円筒状のノズル孔とするのではなく、多段構造(径が異なる複数の孔を同一軸上に有し、複数の段差を有する構造(例えば、径を異ならせた第1ノズル部と第2ノズル部とからなる2段ノズル形状))とし、ノズルに加わるインク圧力の方向をノズル軸線方向に揃えることで吐出特性を改善する方法もある。
このような多段構造のノズル孔を有するノズル基板を製造する方法として、以下のような製造方法がある。すなわち、シリコン基板の一方の面側からICP放電を用いた異方性ドライエッチングを行って最終的に第1ノズル部及び第2ノズル部となる2段の凹部を形成し、その後、シリコン基板全体に耐インク保護膜を形成する。そして、前記一方の面を支持基板で支持した状態で前記一方の面とは反対側の面(以下、吐出面という)側を研削加工して薄板化し、この薄板化の過程で前記2段の凹部の底面を削除して2段ノズル形状を完成する。そして、吐出面に耐インク保護膜を形成した後、更に吐出面に撥インク処理を施す。このとき、ノズル孔(第1ノズル部及び第2ノズル部)の内壁も撥インク処理される。そして、前記吐出面にサポートテープを貼り付けた状態で支持基板を剥離した後、前記一方の面側からプラズマ処理を行ってノズル孔の内壁に残った撥インク膜を除去する。そして、サポートテープを剥離してノズル基板が完成する(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−168344号公報(図5〜図8)
ところで、吐出口に形成されるインクのメニスカスを安定させ、良好な吐出性能(着弾位置精度)を発揮する上で、吐出面の特に吐出口の周囲に撥インク膜が良好に形成されている必要がある。特許文献1の技術では、撥インク膜を形成した吐出面にサポートテープを貼って吐出面上の撥インク膜を保護した状態で、吐出面とは反対側の面(前記一方の面)側からプラズマ処理を行い、ノズル孔の内壁に残った撥インク膜を除去している。このとき、吐出面にサポートテープを貼って保護しているが、吐出面とサポートテープとの密着性が十分でない場合、プラズマ処理の際にノズル孔の内壁だけでなく吐出面の吐出口縁部の撥インク膜も除去されてしまい、メニスカスが不安定となるという問題があった。
また、上記プラズマ処理によりノズル孔内壁の撥インク膜を除去することで、ノズル孔内壁は親インク化される。この際、撥インク膜を均一に除去できずに撥インク膜がまだらに残存し、ノズル孔内で撥インク領域と親インク領域と明確に区別されない状態となると、メニスカスが不安定となり正常なインク吐出ができないという問題があった。
ところで、通常、吐出口を有する第1ノズル部に対しては厳しい精度が要求されているが、第2ノズル部に対してはさほど精度が要求されていない。しかしながら、特許文献1の技術では、2回のエッチングで深掘りして第1ノズル部を形成しているため、第1ノズル部の径精度が十分に得られないという問題があった。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、メニスカスが安定して良好な吐出性能が得られ、また、ノズル径精度の高いノズル基板を製造することが可能なノズル基板の製造方法、その製造方法で製造されたノズル基板、液滴吐出ヘッドの製造方法、その製造方法で製造された液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を得ることを目的とする。
本発明に係るノズル基板の製造方法は、吐出方向の先端側から後端側に向けて開口断面が段階的に大きくなるn段(nは2以上の自然数)の多段構造のノズル孔を有するノズル基板の製造方法であって、ノズル孔の吐出方向先端の1段目を構成する第1層基板を形成する工程は、第1シリコン基板の一方の面に第1凹部を形成する工程と、第1シリコン基板の第1凹部の内壁を含む第1凹部形成面全体に耐液保護膜を形成する工程と、第1シリコン基板の他方の面側から第1凹部の底面が開口するまで薄板化し第1ノズル部を形成する工程と、薄板化された他方の面側に撥液膜を形成する工程とを有し、x(x=2,・・・n)段目を構成する第x層基板を形成する工程は、第xシリコン基板の一方の面に第x−1凹部の内径よりも大きい内径を有する第x凹部を形成する工程と、第xシリコン基板の第x凹部の内壁を含む第x凹部形成面全体に親液膜を形成する工程と、第xシリコン基板の他方の面側から第x凹部の底面が開口するまで薄板化し、第xノズル部を形成する工程とを有し、そして、第1〜第n層基板を、この順に積層し接合するものである。
このように、ノズル孔の各段毎に基板を分けた多段基板構造のノズル基板とし、各基板それぞれに独立して撥液膜又は親液膜を必要箇所に形成した後、各層基板を接合するようにしたので、撥液領域と親液領域とを明確に分けたノズル孔構成とすることができる。よって、メニスカスが安定し高い吐出性能(着弾位置精度)を有するノズル基板を得ることができる。
また、ノズル孔の各段部分毎に、基板を分けたノズル基板構造としたので、各段の基板には、それぞれ直線状の貫通孔を形成すればよい。したがって、1枚の基板に対し、ノズル孔を多段に形成する場合のエッチングの深掘りが不要となり、ノズル孔、特に吐出口を有するノズル部のノズル径精度を向上することが可能となる。すなわち、吐出方向の内周面の真円度を高めることができ、ノズル孔精度の向上が可能である。その結果、吐出時の飛行曲がりを低減することが可能なノズル基板を得ることができる。
また、1枚の基板に対してノズル孔を多段に形成する場合、上記のエッチングの深掘りによる精度面での問題に加え、各段毎にエッチングマスクのパターニング工程が必要となり、製造工程が煩雑化する。しかしながら、本例の製造方法では各層の基板にそれぞれ対応の径を有するノズル部を形成した後、接合すれば良いため、製造工程を簡略化できる。
また、本発明に係るノズル基板の製造方法は、第n層基板は、第nシリコン基板に第nノズル部を形成した後、他の基板との接合面となる表面全体にプライマー層を形成する工程を有するものである。
これにより、シリコン製の基板との接合性を高めることができる。
また、本発明に係るノズル基板は、上記のノズル基板の製造方法で製造されたものである。
これにより、メニスカスが安定して良好な吐出性能が得られ、また、ノズル径精度の高いノズル基板を得ることができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、液滴を吐出するための複数のノズル孔を有するノズル基板と、ノズル基板の複数のノズルそれぞれに連通して液滴を収容する複数の圧力室を有するキャビティー基板と、圧力室に液滴を飛翔させる圧力変化を与える圧力発生手段とを有する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、ノズル基板を、請求項1記載のノズル基板の製造方法により製造するものである。
これにより、液滴の飛翔方向のばらつきを抑えることができ、メニスカスが安定して良好な液滴吐出性能を発揮することが可能な液滴吐出ヘッドを得ることができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、液滴を吐出するための複数のノズル孔を有するノズル基板と、ノズル基板の複数のノズルそれぞれに連通して液滴を収容する複数の圧力室を有するキャビティー基板と、圧力室に液滴を飛翔させる圧力変化を与える圧力発生手段とを有する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、ノズル基板を、上記のノズル基板の製造方法により製造する工程と、ノズル基板の第n層基板に形成されたプライマー層側をキャビティー基板と接合する工程とを有するものである。
これにより、液滴の飛翔方向のばらつきを抑えることができ、メニスカスが安定して良好な液滴吐出性能を発揮することが可能な液滴吐出ヘッドを得ることができる。また、ノズル基板とキャビティー基板との接合性を高めることができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、ノズル基板とキャビティー基板との接合を表面活性接合により行うものである。
このように表面活性接合によりノズル基板とキャビティー基板とを接合することができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、上記の何れかの液滴吐出ヘッドの製造方法で製造されたものである。
また、本発明に係る液滴吐出装置は、上記の液滴吐出ヘッドが搭載されているものである。
これにより、液滴の飛翔方向のばらつきを抑えることができ、メニスカスが安定して良好な液滴吐出性能を発揮することが可能な液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を得ることができる。
本発明の一実施の形態のノズル基板を備えたインクジェットヘッドの分解斜視図。 図1のインクジェットヘッドの概略縦断面図。 図1のノズル基板の膜構成を説明するための拡大図。 ノズル基板の製造方法を示す製造工程の断面図。 図4に続くノズル基板の製造工程の断面図。 図5に続くノズル基板の製造工程の断面図。 図6に続くインクジェットヘッドの製造工程の断面図。 図7に続くインクジェットヘッドの製造工程の断面図。 本発明の一実施の形態に係るインクジェットヘッドを使用したインクジェットプリンタの斜視図。
以下、本発明のノズル基板の製造方法で製造されたノズル基板を備える液滴吐出ヘッドの実施形態を図面に基づいて説明する。ここでは、液滴吐出ヘッドの一例として、静電駆動式のインクジェットヘッドについて図1及び図2を参照して説明する。なお、アクチュエータ(圧力発生手段)は静電駆動方式に限られたものではなく、その他の圧電素子や発熱素子等を利用する方式であってもよい。
図1は、本実施形態に係るインクジェットヘッドの概略構成を分解して示す分解斜視図であり、一部を断面で表してある。図2は、図1の右半分の概略構成を示すインクジェットヘッドの断面図である。なお、図1及び図2では、通常使用される状態とは上下逆に示されている。
本実施の形態のインクジェットヘッド10は、図1及び図2に示すように、複数のノズル孔11が所定のピッチで設けられたノズル基板1と、各ノズル孔11に対して独立にインク供給路が設けられたキャビティー基板2と、キャビティー基板2の振動板22に対峙して個別電極31が配設された電極基板3とを貼り合わせることにより構成されている。
以下、各基板の構成を更に詳しく説明する。
ノズル基板1は、後述する製造方法により製造された多層基板構造を有し、シリコン基板で構成されている。インク滴を吐出するためのノズル孔11は、インク吐出方向の先端側から後側方向に行くに従って開口断面が段階的に大きくなるn段(nは2以上の自然数)の多段構造を有している。この例では、開口径が異なる2つの円筒状のノズル孔から形成された2段の多段構造を例示しており、以下、吐出方向の先端側から順に第1ノズル部11a、第2ノズル部11bという。このようにノズル孔11を多段構造とすることにより、インク液滴の吐出方向をノズル孔11の中心軸方向に揃えることができ、安定したインク吐出特性を発揮させることができる。すなわち、インク液滴の飛翔方向のばらつきがなくなり、またインク液滴の飛び散りがなく、インク液滴の吐出量のばらつきを抑制することができる。
本例のノズル基板1は、上述したように複数の基板を積層した多層基板構造であり、各基板毎にそれぞれ異なる内径のノズル部が基板面に対して垂直方向に貫通形成されている。そして、各基板を、ノズル部の内径が吐出方向後端側に向かって徐々に大きくなるように積層することによりノズル孔11が形成されている。ここでは、上述したようにノズル孔11が2段構造であるため、ノズル基板1は第1層基板1aと第2層基板1bとの2層構造を有し、第1層基板1aに第1ノズル部11aが形成され、第2層基板1bに、第1ノズル部11aよりも大きい内径を有する第2ノズル部11bが形成されている。
図3は、図1のノズル基板の膜構成を説明するための拡大図である。
ノズル基板1の第1層基板1aにおいて第1ノズル部11aの内壁を含む表面全体には、耐インク保護膜103,104が形成されている。吐出面の耐インク保護膜104は例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)で成膜されたSiO2 膜で構成されており、このSiO2 膜はこの上に成膜される撥液膜105の下地ともなっている。また、第1層基板1aにおいて第2層基板1bとの接合面と、第1ノズル部11aの内壁とに形成された耐インク保護膜103は、例えば熱酸化により形成されたSiO2 膜により構成されている。
また、第2層基板1aにおいて第1層基板1aとの接合面と第2ノズル部11bの内壁とには親液膜123が形成されている。この親液膜123は例えば熱酸化により形成されたSiO2 膜により構成されており、耐インク保護膜としても機能する。そして、第2層基板1bの第1層基板1aとの接合面と反対側の面は、キャビティー基板2との接合性を高めるためのプライマー層124が形成されている。このプライマー層124は、ここではアミノシラン等のシランカップリング剤で構成されている。なお、プライマー層124は第2層基板1bにおいてキャビティー基板2との接合面に形成されていれば十分であるが、製造工程上、第2ノズル部11bの内壁にも形成されている。
本例のノズル基板1は、後述する製造方法により製造することで、ノズル孔11内の撥液領域と親液領域とが明確に分けられ、これによりメニスカスが安定し、インク滴の飛翔方向のばらつきを抑えて高い吐出性能(着弾位置精度)を有するものとなっている。
次に、キャビティー基板2について説明する。キャビティー基板2はシリコン基板から作製されている。このシリコン基板にウェットエッチングを施すことにより、インク流路の圧力室21となる凹部25、オリフィス23となる凹部26、及びリザーバー24となる凹部27が形成される。凹部25は前記ノズル孔11に対応する位置に独立に複数形成される。したがって、図2に示すようにノズル基板1とキャビティー基板2を接合した際、各凹部25は圧力室21を構成し、それぞれノズル孔11に連通しており、またインク供給口である前記オリフィス23ともそれぞれ連通している。そして、圧力室21(凹部25)の底壁が振動板22となっている。
凹部26は、細溝状のオリフィス23を構成し、この凹部26を介して凹部25(圧力室21)と凹部27(リザーバー24)とが連通している。
凹部27は、インク等の液状材料を貯留するためのものであり、各圧力室21に共通のリザーバー(共通インク室)24を構成する。そして、リザーバー24(凹部27)はそれぞれオリフィス23を介して全ての圧力室21に連通しており、圧力室21、リザーバー24及びオリフィス23によりインク流路が形成されている。なお、オリフィス23(凹部26)はノズル基板1の裏面(キャビティー基板2との接合側の面)に設けることもできる。また、リザーバー24の底部には後述する電極基板3に設けたインク供給孔33に連通するインク供給孔28が設けられている。このインク供給孔33及びインク供給孔28を通じて図示しないインクカートリッジからインクが供給されるようになっている。
また、キャビティー基板2の全面又は少なくとも電極基板3との対向面には熱酸化やプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によりSiO2 やTEOS(Tetraethylorthosilicate Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン、珪酸エチル)膜等からなる絶縁膜2aが膜厚0.1μmで施されている。この絶縁膜2aは、インクジェットヘッド10を駆動させた時の絶縁破壊や短絡を防止する目的で設けられる。
電極基板3は、例えば厚さ約1mmのガラス基板から作製される。中でも、キャビティー基板2のシリコン基板と熱膨張係数の近い硼珪酸系の耐熱硬質ガラスを用いるのが適している。これは、電極基板3とキャビティー基板2を陽極接合する際、両基板の熱膨張係数が近いため、電極基板3とキャビティー基板2との間に生じる応力を低減することができ、その結果剥離等の問題を生じることなく電極基板3とキャビティー基板2を強固に接合することができるからである。
電極基板3には、キャビティー基板2の各振動板22に対向する面の位置にそれぞれ凹部32が設けられている。凹部32は、エッチングにより深さ約0.3μmで形成されている。そして、各凹部32内には、一般に、ITO(Indium Tin Oxide)からなる個別電極31が、例えば0.1μmの厚さでスパッタにより形成される。したがって、振動板22と個別電極31との間に形成されるギャップ(空隙)は、この凹部32の深さ、個別電極31及び振動板22を覆う絶縁膜2aの厚さにより決まることになる。このギャップはインクジェットヘッドの吐出特性に大きく影響するため、高精度に形成される。
個別電極31は、リード部31aと、フレキシブル配線基板(図示せず)に接続される端子部31bとを有する。端子部31bは、図2に示すように、配線のためにキャビティー基板2の末端部が開口された電極取り出し部30内に露出している。振動板22と個別電極31との間に形成される電極間ギャップの開放端部はエポキシ等の樹脂による封止材34で封止される。これにより、湿気や塵埃等が電極間ギャップへ侵入するのを防止することができ、インクジェットヘッド10の信頼性を高く保持することができる。そして、ICドライバ等の駆動制御回路35が各個別電極31の端子部31bとキャビティー基板2上に設けられた共通電極29とに前記フレキシブル配線基板(図示せず)を介して接続されている。
次に、以上のように構成されたインクジェットヘッド10の動作を説明する。
駆動制御回路35は例えば24kHzで発振し、キャビティー基板2の共通電極端子29と個別電極31の間にパルス電圧を印加して個別電極31に電荷供給を行う。個別電極31に電荷を供給して正に帯電させると、振動板22は負に帯電し、振動板22と個別電極31との間に静電気力が発生する。この静電気力の吸引作用により振動板22が個別電極31側に引き寄せられて撓み、圧力室21の容積が拡大する。これによりリザーバー24の内部に溜まっていたインク滴がオリフィス23を通じて圧力室21に流れ込む。次に、個別電極31への電圧の印加を停止すると、静電吸引力が消滅して振動板22が復元し、圧力室21の容積が急激に収縮する。これにより、圧力室21内の圧力が急激に上昇し、この圧力室21に連通しているノズル孔11からインク滴が吐出される。
ここで、本実施の形態のインクジェットヘッド10は、上述したようにノズル孔11内のメニスカスが安定して高い吐出性能を有するノズル基板1を備えているため、インク滴の飛翔方向のばらつきが抑えられ、着弾位置精度が高く安定した吐出が行われる。よって、高精細で高品質の印字が可能である。
次に、このインクジェットヘッド10の製造方法を図4〜図8を参照して説明する。図4〜図6は、ノズル基板1の製造工程を示す断面図である。図7及び図8は、キャビティー基板及び電極基板の製造工程を示す断面図である。
まず最初に、本発明の特徴部分であるノズル基板1の製造方法を説明する。
(1)ノズル基板1の製造方法
以下、ノズル基板1の製造工程を、図4〜図7を用いて説明する。本例のノズル基板1の製造方法は、各ノズル部をそれぞれ別々の基板で形成し、各基板それぞれに独立して撥液膜又は親液膜を必要箇所に形成した後、各基板を接合するようにした点に特徴を有するものであり、以下、具体的に説明する。
(A)ここではまず、第1層基板1aから形成する。例えば厚さ725μmの8インチシリコンウエハ(以下、シリコン基板100という)を用意する。そして、シリコン基板100の表面にレジスト101を塗布し、フォトリソグラフィーによりレジスト121をパターニングし、第1ノズル部11aに対応する部分に開口101aを形成する。
そして、ICPドライエッチング装置によりレジスト101の開口101aを介して、垂直に異方性ドライエッチングし、第1ノズル部11aとなる凹部102を形成する。なお、この場合のエッチングガスとしては、例えば、C48、SF6を使用し、これらのエッチングガスを交互に使用すればよい。ここで、C48は、凹部102の側面方向にエッチングが進行しないように第1ノズル部11aの側面を保護するために使用し、SF6は、シリコン基板100の垂直方向のエッチングを促進させるために使用する。なお、ここでは、C48 を2秒、SF6 を3.5秒で交互にエッチングするようにしている。
(B)レジストパターンを硫酸洗浄などにより剥離した後、シリコン基板100を熱酸化炉に投入し、シリコン基板100の表面全体に例えば膜厚0.1μmの熱酸化膜(SiO2膜)103を形成する。
(C)シリコン基板100の凹部102形成側の面100aに、両面接着シート50を介して、ガラス等の透明材料よりなる支持基板110を貼り付ける。具体的には、支持基板110に貼り合わせた両面接着シート50の自己剥離層51の面と、支持基板110とを向かい合わせ、真空中で貼り合わせる。これにより接着界面に気泡が残らないきれいな接着が可能になる。この接着の際に接着界面に気泡が残ると、次の(D)の研削加工でシリコン基板100を薄板化する際に板厚がばらつく原因となる。
両面接着シート50には、例えば、セルファBG(登録商標:積水化学工業)を用いる。両面接着シート50は自己剥離層51を持ったシート(自己剥離型シート)で、その両面には接着面を有し、その一方の面にはさらに自己剥離層51を備え、この自己剥離層51は紫外線または熱などの刺激によって接着力が低下するようになっている。
このように自己剥離層51を備えた両面接着シート50を用いて支持基板110を貼り合わせるようにしたので、シリコン基板100の薄板化加工時には、シリコン基板100と支持基板110とを強固に接着してシリコン基板100を破損することなく加工することができる。また、研削加工後には後述するように支持基板110をシリコン基板100から剥離する際に、糊残り無く容易に剥離することができる。
(D)次に、シリコン基板100の凹部102形成側の面100aと反対側の表面100b側からグラインダー(図示せず)で研削加工を行い、所望の板厚近傍まで薄板化する。これにより、第1ノズル部11aとなる凹部102の底面が削除され第1ノズル部11aが形成される。薄板化後、さらに、ポリッシャー、CMP装置によってシリコン基板100の表面を研磨し、所定の板厚にする。
(E)次に、シリコン基板100の表面100b(以下、吐出面100bという)に、耐インク保護膜104を形成する。この耐インク保護膜104は、次の工程(F)で形成される撥液膜105の下地膜ともなるもので酸化物系金属膜で構成される。ここでは、例えばSiO2 膜で構成され、スパッタ装置で成膜される。なお、酸化物系金属膜の成膜は、自己剥離層51が劣化しない温度(100℃程度)以下で実施できればよく、スパッタリング法に限るものではない。酸化物系金属膜としては、他には例えば、酸化ハフニウム膜、酸化タンタル、酸化チタン、酸化インジウム錫、酸化ジルコニウムも使用できる。自己剥離層51に影響しない温度で成膜することができ、シリコン基板100への密着性を確保することができれば、成膜方法はスパッタ等に限らずCVD等の手法でもよい。
(F)次に、図5(F)に示すように、シリコン基板100の吐出面100bに撥液処理を施す。具体的には、フッ素原子を含むケイ素化合物を主成分とする撥液性を持った材料を蒸着やディッピングで成膜し、吐出面100bに撥液膜105を形成する。このとき、第1ノズル部11aの内壁にも撥液膜105が形成される。
(G)次に、支持基板110側からUV光を照射し、両面接着シート50の自己剥離層51を発泡させて支持基板110をシリコン基板100の表面100aから剥離する。
以上により、第1層基板1aが作製される。
続いて、第2層基板1bを作製する。以下、第2層基板1bの製造工程からノズル基板1の完成までを説明する。第2層基板1bの製造工程は、まず、図4(A)〜(D)と同様の工程を行う。以下の説明において図4(A)〜(D)と同様の工程については簡単に説明する。
(H)すなわち、まず図6(H)に示すように、第2層基板1bとなるシリコン基板120の表面にレジスト121を塗布し、フォトリソグラフィーによりレジスト121をパターニングし、第2ノズル部11bに対応する部分に開口121aを形成する。
そして、ICPドライエッチング装置によりレジスト121の開口121aを介して、垂直に異方性ドライエッチングし、第2ノズル部11bとなる凹部122を形成する。この凹部122形成の際も、C48とSF6とを交互に使用したエッチングを行う。
(I)続いて、レジストパターンを硫酸洗浄などにより剥離した後、シリコン基板120を熱酸化炉に投入し、シリコン基板120の表面全体に親液膜123を形成する。親液膜123としては、例えば膜厚0.1μmの熱酸化膜(SiO2膜)を形成する。
(J)シリコン基板120の凹部122形成側の面120aに、両面接着シート50を介して、ガラス等の透明材料よりなる支持基板110を貼り付ける。
(K)次に、図6(K)に示すように、シリコン基板120の凹部122形成側の面120aと反対側の表面120b側からグラインダー(図示せず)で研削加工を行い、所望の板厚近傍まで薄板化する。これにより、第2ノズル部11bとなる凹部122の底面が削除され第2ノズル部11bが形成される。薄板化後、さらに、ポリッシャー、CMP装置によってシリコン基板120の表面を研磨し、所定の板厚にする。
(L)ここで、本例ではノズル基板1が2層構造であるため、第2ノズル部11bが形成されるシリコン基板120はキャビティー基板2と接合される接合面を有する。よって、図6(L)に示すように、その接合面(図6(L)の面120b)にキャビティー基板2との接合性を高めるためのプライマー層124を形成する。プライマー層124は、ここではアミノシラン等のシランカップリング剤で構成されている。なお、プライマー層124はシリコン基板120においてキャビティー基板2との接合面に形成されていれば十分であるが、製造工程上、第2ノズル部11bの内壁にも形成されている。
(M)そして、図5(G)と同様に、支持基板110側からUV光を照射し、両面接着シート50の自己剥離層51を発泡させて支持基板110をシリコン基板120の表面102aから剥離する。
以上により、第2層基板1bが作製される。
(N)そして最後に、図6(N)に示すように、図5(G)の第1層基板1aと図6(M)の第2層基板1bとを表面活性接合により接合する。すなわち、第1層基板1aの熱酸化膜103と第2層基板1bの熱酸化膜(親液膜)123のそれぞれの表面に、アルゴンの高速電子ビームを照射し、表面を活性化させて加圧接合を行う。接合は圧力10-6Pa程度の真空中で行う。
以上によりノズル基板1が作製される。
なお、以上には、ノズル孔11が2段構造の場合の製造方法を例を示したが、本発明は上述したようにn段(nは2以上の自然数)構造でもよく、n段構造のノズル孔を有するノズル基板を製造する際の製造方法は以下の通りである。すなわち、ノズル孔11の吐出方向先端の1段目を構成する第1層基板1aは、図4及び図5に示した製造方法で製造する。そして、x(x=2,・・・n−1)段目を構成する第x層基板のそれぞれは、図6(H)〜(K)の工程で製造する。なお、第x層基板において第xノズル部となる第x凹部を形成する際には、第x−1凹部の内径よりも大きい内径に形成するようにする。そして、キャビティー基板2と接合されることになる第n層基板は、図6(H)〜(M)の工程で製造する。そして、第1〜第n層基板を、この順に積層し接合する。
以上により、本発明の特徴部分であるノズル基板の製造方法が明らかになったところで、続いてキャビティー基板2及び電極基板3の製造方法について説明する。
(2)キャビティー基板2及び電極基板3の製造方法
ここでは、電極基板3にシリコン基板200を接合した後、そのシリコン基板200からキャビティー基板2を製造する方法について図7、図8を参照して簡単に説明する。
電極基板3は以下のようにして製造される。
(A)まず、硼珪酸ガラス等からなる板厚約1mmのガラス基板300に、例えば金・クロムのエッチングマスクを使用してフッ酸によってエッチングすることにより凹部32を形成する。なお、この凹部32は個別電極31の形状より少し大きめの溝状のものであり、個別電極31ごとに複数形成される。
そして、凹部32の内部に、例えばスパッタによりITO(Indium Tin Oxide)からなる個別電極31を形成する。
その後、ドリル等によってインク供給孔33を形成することにより、電極基板3が作製される。
(B)次に、厚さが例えば525μmのシリコン基板200の両面を鏡面研磨した後に、シリコン基板200の片面にプラズマCVDによって厚さ0.1μmのSiO2 膜(絶縁膜)2aを形成する。なお、シリコン基板200を形成する前に、エッチングストップ技術を利用し振動板22の厚みを高精度に形成するためのボロンドープ層を形成するようにしてもよい。エッチングストップとは、エッチング面から発生する気泡が停止した状態と定義し、実際のウェットエッチングにおいては、気泡の発生の停止をもってエッチングがストップしたものと判断する。
(C)そして、このシリコン基板200と、図7(A)のように作製された電極基板3とを、例えば360℃に加熱し、シリコン基板200に陽極を、電極基板3に陰極を接続して800V程度の電圧を印加して陽極接合により接合する。
(D)シリコン基板200と電極基板3とを陽極接合した後に、水酸化カリウム水溶液等で接合状態のシリコン基板200をエッチングすることにより、シリコン基板200の厚さを例えば140μmになるまで薄板化する。
(E)次に、シリコン基板200の上面(電極基板3が接合されている面と反対側の面)の全面にプラズマCVDによって例えば厚さ1.5μmのTEOS膜201を形成する。
そして、このTEOS膜201に、圧力室21となる凹部25およびリザーバー24となる凹部27を形成するためのレジストをパターニングし、これらの部分のTEOS膜201をエッチング除去する。
その後、シリコン基板200を水酸化カリウム水溶液等でエッチングすることにより、圧力室21となる凹部25およびリザーバー24となる凹部27を形成する。このとき、配線のための電極取り出し部30となる部分もエッチングして薄板化しておく。なお、図8(E)のウェットエッチングの工程では、例えば初めに35重量%の水酸化カリウム水溶液を使用し、その後3重量%の水酸化カリウム水溶液を使用することができる。これにより、振動板22の面荒れを抑制することができる。
(F)シリコン基板200のエッチングが終了した後に、フッ酸水溶液でエッチングすることによりシリコン基板200の上面に形成されているTEOS膜201を除去する。
(G)次に、シリコン基板200の圧力室21となる凹部25等が形成された面に、プラズマCVDによりSiO2 膜(絶縁膜2a)を例えば厚さ0.1μmで形成する。
(H)その後、RIE(Reactive Ion Etching)等によって電極取り出し部30を開放する。また、電極基板3のインク供給孔33からレーザ加工を施してシリコン基板200のリザーバー24となる凹部27の底部を貫通させ、インク供給孔28を形成する。また、振動板22と個別電極31との間のギャップの開放端部をエポキシ樹脂等の封止材34(図2参照)を充填することにより封止する。また、図1、図2に示すように共通電極29がスパッタによりシリコン基板200の上面(ノズル基板1との接合側の面)の端部に形成される。
以上により、電極基板3に接合した状態のシリコン基板200からキャビティー基板2が作製される。
そして最後に、このキャビティー基板2に、上述のように作製されたノズル基板1を例えば表面活性接合により接合する。この接合の際には、ノズル基板1の第2層基板1bに形成されたプライマー層124側をキャビティー基板2と接合する。これによりノズル基板1とキャビティー基板2とを接合性良く接合できる。
以上により、図2に示したインクジェットヘッド10の本体部が作製される。
本実施の形態によれば、ノズル孔11の各段毎に基板を分けた2層基板構造のノズル基板1とし、第1層基板1a及び第2層基板1bのそれぞれに独立して第1ノズル部11a又は第2ノズル部11bを形成すると共に、撥液膜105又は親液膜123を必要箇所に形成した後、両基板1a,1bを接合するようにしたので、撥液領域と親液領域とが明確に分けられたノズル孔11を形成できる。よって、メニスカスが安定し高い吐出性能(着弾位置精度)を有するノズル基板1を得ることができる。
また、本実施の形態では、従来のプラズマ処理による撥液膜105の除去工程を行わないため、撥液膜105の除去が不均一となることによるメニスカスの不安定化を防止できる。
また、本例では、ノズル孔11の各段部分毎に基板を分けたノズル基板構造であるので、各段の基板には、それぞれノズル部を直線状に形成すればよい。したがって、1枚の基板に対してノズル孔を多段に形成する場合のエッチングの深掘りが不要となり、ノズル径精度を向上することが可能となる。すなわち、本例の製造方法によれば、各ノズル部を形成するに際し、フォトリソグラフィーを用いて形成されたパターンを使用して垂直に1回エッチングすればよいため、高精度に形成できる。よって、厳しい径精度が要求される第1ノズル部11aを精度良く形成できる。
また、1枚の基板に対してノズル孔を多段に形成する場合、上記のエッチングの深掘りによる精度面での問題に加え、各段毎にエッチングマスクのパターニング工程が必要となり、製造工程が煩雑化する。しかしながら、本例の製造方法では各層の基板にそれぞれ対応の径を有するノズル部を形成した後、接合すれば良いため、製造工程を簡略化できる。
このような利点を有するノズル基板1を備えたインクジェットヘッド10は、インク滴の飛翔方向のばらつきを抑えることができ、メニスカスが安定して良好なインク吐出性能を発揮することが可能である。
なお、本実施の形態では、ノズル基板1、キャビティー基板2及び電極基板3を備えた3層構造のインクジェットヘッドにおけるノズル基板の製造方法について説明したが、ノズル基板、リザーバー基板、キャビティー基板及び電極基板を備えた4層構造のインクジェットヘッドにおけるノズル基板の製造方法としても、本発明を適用できる。
また、上記の実施の形態では、ノズル基板1の構造及びその製造方法、並びにインクジェットヘッド及びその製造方法について述べたが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々変更することができる。例えば、ノズル孔11より吐出される液状材料を変更することにより、図9に示すインクジェットプリンタ400のほか、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、プリント配線基板製造装置にて製造する配線基板の配線部分の形成、生体液滴の吐出(プロテインチップやDNAチップの製造)など、様々な用途の液滴吐出装置に適用することができる。
1 ノズル基板、1a 第1層基板、1b 第2層基板、2 キャビティー基板、2a 絶縁膜、3 電極基板、10 インクジェットヘッド、11 ノズル孔、11a 第1ノズル部、11b 第2ノズル部、21 圧力室、22 振動板、23 オリフィス、24 リザーバー、25 凹部、26 凹部、27 凹部、28 インク供給孔、29 共通電極、30 電極取り出し部、31 個別電極、31a リード部、31b 端子部、32 凹部、33 インク供給孔、34 封止材、35 駆動制御回路、50 両面接着シート、51 自己剥離層、100 シリコン基板、100a 表面、100b 表面(吐出面)、101 レジスト、101a 開口、102 凹部、102a 表面、103 耐インク保護膜(熱酸化膜)、104 耐インク保護膜、105 撥液膜、110 支持基板、120 シリコン基板、120a 面、120b 表面、121 レジスト、121a 開口、122 凹部、123 親液膜、124 プライマー層、200 シリコン基板、201 TEOS膜、300 ガラス基板、400 インクジェットプリンタ。

Claims (8)

  1. 吐出方向の先端側から後端側に向けて開口断面が段階的に大きくなるn段(nは2以上の自然数)の多段構造のノズル孔を有するノズル基板の製造方法であって、
    前記ノズル孔の吐出方向先端の1段目を構成する第1層基板を形成する工程は、
    第1シリコン基板の一方の面に第1凹部を形成する工程と、
    前記第1シリコン基板の前記第1凹部の内壁を含む前記第1凹部形成面全体に耐液保護膜を形成する工程と、
    前記第1シリコン基板の他方の面側から前記第1凹部の底面が開口するまで薄板化し第1ノズル部を形成する工程と、
    前記薄板化された前記他方の面側に撥液膜を形成する工程とを有し、
    x(x=2,・・・n)段目を構成する第x層基板を形成する工程は、
    第xシリコン基板の一方の面に第x−1凹部の内径よりも大きい内径を有する第x凹部を形成する工程と、
    前記第xシリコン基板の前記第x凹部の内壁を含む前記第x凹部形成面全体に親液膜を形成する工程と、
    前記第xシリコン基板の他方の面側から前記第x凹部の底面が開口するまで薄板化し、第xノズル部を形成する工程とを有し、
    そして、
    前記第1〜第n層基板を、この順に積層し接合することを特徴とするノズル基板の製造方法。
  2. 前記第n層基板は、第nシリコン基板に第nノズル部を形成した後、他の基板との接合面となる表面全体にプライマー層を形成する工程を有することを特徴とする請求項1記載のノズル基板の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載のノズル基板の製造方法で製造されたノズル基板。
  4. 液滴を吐出するための複数のノズル孔を有するノズル基板と、前記ノズル基板の前記複数のノズルそれぞれに連通して液滴を収容する複数の圧力室を有するキャビティー基板と、前記圧力室に液滴を飛翔させる圧力変化を与える圧力発生手段とを有する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記ノズル基板を、請求項1記載のノズル基板の製造方法により製造することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  5. 液滴を吐出するための複数のノズル孔を有するノズル基板と、前記ノズル基板の前記複数のノズルそれぞれに連通して液滴を収容する複数の圧力室を有するキャビティー基板と、前記圧力室に液滴を飛翔させる圧力変化を与える圧力発生手段とを有する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記ノズル基板を、請求項2記載のノズル基板の製造方法により製造する工程と、
    前記ノズル基板の前記第n層基板に形成された前記プライマー層側を前記キャビティー基板と接合する工程とを有することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記ノズル基板と前記キャビティー基板との接合を表面活性接合により行うことを特徴とする請求項5記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  7. 請求項4乃至請求項6の何れかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法で製造された液滴吐出ヘッド。
  8. 請求項7記載の液滴吐出ヘッドが搭載されていることを特徴とする液滴吐出装置。
JP2009067561A 2009-03-19 2009-03-19 ノズル基板の製造方法、その製造方法で製造されたノズル基板、液滴吐出ヘッドの製造方法、その製造方法で製造された液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 Withdrawn JP2010214923A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009067561A JP2010214923A (ja) 2009-03-19 2009-03-19 ノズル基板の製造方法、その製造方法で製造されたノズル基板、液滴吐出ヘッドの製造方法、その製造方法で製造された液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009067561A JP2010214923A (ja) 2009-03-19 2009-03-19 ノズル基板の製造方法、その製造方法で製造されたノズル基板、液滴吐出ヘッドの製造方法、その製造方法で製造された液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010214923A true JP2010214923A (ja) 2010-09-30

Family

ID=42974259

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009067561A Withdrawn JP2010214923A (ja) 2009-03-19 2009-03-19 ノズル基板の製造方法、その製造方法で製造されたノズル基板、液滴吐出ヘッドの製造方法、その製造方法で製造された液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010214923A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013028101A (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
CN104507686A (zh) * 2012-07-31 2015-04-08 株式会社理光 喷嘴板、喷嘴板制造方法、喷墨头和喷墨打印装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013028101A (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
CN104507686A (zh) * 2012-07-31 2015-04-08 株式会社理光 喷嘴板、喷嘴板制造方法、喷墨头和喷墨打印装置
CN104507686B (zh) * 2012-07-31 2017-03-15 株式会社理光 喷嘴板、喷嘴板制造方法、喷墨头和喷墨打印装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5728795B2 (ja) ノズルプレートの製造方法、及び、液滴吐出ヘッドの製造方法
JP5145985B2 (ja) ノズル基板及びノズル基板の製造方法
JP5218164B2 (ja) ノズル基板の製造方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法
JP4660683B2 (ja) ノズルプレートの製造方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法
JP2009113351A (ja) シリコン製ノズル基板、シリコン製ノズル基板を備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置、及びシリコン製ノズル基板の製造方法
JP5332275B2 (ja) シリコン製ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、及び液滴吐出装置の製造方法
JP4692534B2 (ja) シリコン製ノズル基板、シリコン製ノズル基板を備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置、及びシリコン製ノズル基板の製造方法
JP2008094018A (ja) ノズルプレートの製造方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法
JP2007175992A (ja) ノズルプレートの製造方法及びノズルプレート、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出ヘッド、並びに液滴吐出装置の製造方法及び液滴吐出装置
JP4983361B2 (ja) ノズル基板の製造方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法
JP2010214923A (ja) ノズル基板の製造方法、その製造方法で製造されたノズル基板、液滴吐出ヘッドの製造方法、その製造方法で製造された液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置
JP2011037053A (ja) ノズルプレートの製造方法
JP2010149375A (ja) ノズル基板の製造方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法
JP2009178948A (ja) ノズル基板、ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置
JP2007276307A (ja) 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法
JP2009073072A (ja) 液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法
JP5648262B2 (ja) シリコン製ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、及び液滴吐出装置の製造方法
JP2007320254A (ja) ノズルプレートの製造方法、ノズルプレート、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置の製造方法及び液滴吐出装置
JP2011000893A (ja) シリコン製ノズル基板、シリコン製ノズル基板を備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置、及びシリコン製ノズル基板の製造方法
JP2008114462A (ja) ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法、ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置
JP2010125704A (ja) ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出装置の製造方法
JP2008194915A (ja) 液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出ヘッド
JP2010143096A (ja) シリコン製ノズル基板、シリコン製ノズル基板を備えた液滴吐出ヘッド、液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置、及びシリコン製ノズル基板の製造方法
JP2008149530A (ja) ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法
JP5929276B2 (ja) ノズルプレートの製造方法、および液滴吐出ヘッドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20120605