JP2008194915A - 液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出ヘッド - Google Patents

液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】接合不良による信頼性低下を防ぐことが可能な液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出ヘッドを提供することを目的とする。
【解決手段】ノズル基板とキャビティ基板とを単結晶シリコン基板で構成し、リザーバ基板と電極基板とをガラス基板で構成し、これらの基板を陽極接合により接合するようにしたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェットヘッド等の液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出ヘッドに関する。
液滴を吐出するための液滴吐出ヘッドとして、従来より、液滴を吐出する複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、底面に振動板を形成し、液滴を溜めておく吐出室となる凹部が形成されたキャビティ基板と、振動板に対向し、振動板を駆動する個別電極が形成された電極基板と、吐出室に液滴を供給する共通液滴室となる凹部と、共通液滴室から吐出室へ液滴を移送するための貫通孔と、吐出室からノズル孔へ液滴を移送するノズル連通孔とを有するリザーバ基板の4枚の基板を備え、ノズル基板、リザーバ基板、キャビティ基板及び電極基板がこの順で重ねて接合された構造のものがある(例えば、特許文献1参照)。
この液滴吐出ヘッドでは、ノズル基板、リザーバ基板及びキャビティ基板がシリコン基板で構成され、電極基板がガラス基板で構成されており、シリコン基板同士の接合には直接接合又は接着剤が用いられ、シリコン基板とガラス基板との接合には陽極接合が用いられていた。
特開2006−103167号公報(第7頁、図1)
上記従来の液滴吐出ヘッドでは、ノズル基板、リザーバ基板及びキャビティ基板がシリコン基板で構成されているため、これらの接合には、上述したように直接接合又は接着剤が用いられている。しかしながら、直接接合は1000℃近くの高温加熱環境下で行われるため、リザーバ基板やキャビティ基板に形成されたインク保護膜や撥水膜が損傷してしまい、信頼性低下を招く恐れがあった。また、接着剤による接合は、接着剤の硬化収縮などによる接合界面の剥がれが発生する場合があり、同様に信頼性の面で問題があった。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、接合不良による信頼性低下を防ぐことが可能な液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出ヘッドを提供することを目的とする。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、液滴を吐出する複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、底面に振動板を形成し、液滴を溜めておく吐出室となる凹部が各ノズル孔それぞれに対応して形成されたキャビティ基板と、振動板に対向し、振動板を駆動する個別電極が形成された電極基板と、各吐出室に液滴を供給する共通のリザーバとなる凹部、リザーバと吐出室とを連通する供給口、及び吐出室からノズル孔へ液滴を移送するノズル連通孔を有するリザーバ基板とを備え、ノズル基板、リザーバ基板、キャビティ基板及び電極基板がこの順に重ねて接合される液滴吐出ヘッドの製造方法であって、ノズル基板とキャビティ基板とを単結晶シリコン基板で構成し、リザーバ基板と電極基板とをガラス基板で構成し、これらの基板を陽極接合により接合するようにしたものである。
このように、各基板同士の接合に陽極接合を用いることにより、従来、これらの基板を直接接合や接着剤によって接合することにより生じていた信頼性低下の問題を回避することが可能となる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、リザーバ基板となるガラス基板に、リザーバとなる凹部と、凹部の底面からリザーバ基板を貫通する空間部とを形成した後、リザーバとなる凹部の底面部分と空間部との段差部分に樹脂薄膜を貼り付ることにより、リザーバとなる凹部の底面に、圧力変動を緩衝するダイアフラム部を形成する工程を有するものである。
これにより、ガラス基板で構成したリザーバ基板に対して簡単にダイアフラム部を形成することができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、樹脂薄膜がPPSフィルムであるものである。
このように、樹脂薄膜としてPPSフィルムを採用することができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、リザーバ基板にリザーバとなる凹部を形成する際には、サンドブラストを用いるものである。
これにより、比較的大きな凹部であるリザーバの形成を短時間に形成することができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、リザーバ基板にノズル連通孔を形成する際には、リザーバ基板のノズル連通孔の形成部分にフェムト秒レーザーを照射して先穴を形成した後、沸酸エッチングを行うことにより形成するものである。
これにより、エッチングだけでは長時間化するガラス基板への貫通孔(ノズル連通孔)の形成を短時間で行うことができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、上記何れかの液滴吐出ヘッドの製造方法で製造されたものである。
これにより、信頼性の高い液滴吐出ヘッドを得ることができる。
以下、本発明を適用した液滴吐出ヘッドの実施形態を図面に基づいて説明する。ここでは、液滴吐出ヘッドの一例として、ノズル基板の表面に設けられたノズル孔からインク滴を吐出するフェイス吐出型のインクジェットヘッドについて図1及び図2を参照して説明する。なお、本発明は、以下の図に示す構造、形状に限定されるものではなく、基板の端部に設けられたノズル孔からインク滴を吐出するエッジ吐出型の液滴吐出ヘッドにも同様に適用することができるものである。
実施形態1.
図1は本発明の実施形態1に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す分解斜視図であり、図2は組立状態を示すインクジェットヘッドの断面図である。なお、図1および図2では、通常使用される状態とは上下逆に示されている。
図1、図2に示す本実施形態に係るインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッドの一例)10は、ノズル基板1、リザーバ基板2、キャビティ基板3、電極基板4の4つの基板をこの順に重ねて接合された4層構造で構成されている。以下、各基板の構成について詳述する。
ノズル基板1は、例えば厚さ約50μmの単結晶シリコン基板から作製されている。ノズル基板1には多数のノズル孔11が所定のピッチで設けられている。ただし、図1には簡明のため1列5つのノズル孔11で示してある。また、ノズル列は複数列とすることもある。
各ノズル孔11は、基板面に対し垂直にかつ同軸上に小さい穴の噴射口部分11aと噴射口部分11aよりも径の大きい導入口部分11bとから構成されている。
リザーバ基板2は、例えば厚さ約180μmのガラス基板から作製されている。本例は、従来、シリコン基板で作製されていたリザーバ基板2をガラス基板で作製するようにしたことに特徴を有しており、このようにガラス基板を用いることにより、ノズル基板1又はキャビティ基板3との接合に際し、陽極接合を用いて強固に接合することを可能としている。ここで、ガラス基板としては、ノズル基板1又はキャビティ基板3のシリコン基板と熱膨張係数の近い硼珪酸系の耐熱硬質ガラスを用いるのが適している。硼珪酸系の耐熱硬質ガラスを用いることにより、ノズル基板1又はキャビティ基板3を陽極接合する際、両基板の熱膨張係数が近いため、ノズル基板1又はキャビティ基板3との間に生じる応力を低減することができ、その結果剥離等の問題を生じることなくノズル基板1又はキャビティ基板3と強固に接合することができる。
このリザーバ基板2には、リザーバ基板2を垂直に貫通し、各ノズル孔11に独立して連通する少し大きい径(導入口部分11bの径と同等もしくはそれよりも大きい径)のノズル連通孔21が設けられている。また、リザーバ基板2のキャビティ基板3との接合面(以下、C面ともいう)には、後述の各吐出室31に液滴を供給する共通のリザーバ23となる凹部24と、リザーバ23と吐出室31とを連通する供給口22とが形成されており、リザーバ23内の液滴が供給口22を介して吐出室31に供給されるようになっている。
リザーバ基板2のC面には更に、キャビティ基板3の吐出室31の一部を構成する第2の凹部28が形成されている。第2の凹部28は、キャビティ基板3を薄くすることによる吐出室31での流路抵抗の増加を防ぐために設けられているが、第2の凹部28は省略することも可能である。
なお、図示は省略するが、リザーバ基板2の全面にはインクによるシリコンの腐食を防ぐために例えば熱酸化膜(SiO2膜)からなるインク保護膜が形成されている。
また、リザーバ基板2のノズル基板1との接合面(以下、N面ともいう)において凹部24と対応する位置には、後述のダイアフラム部27のたわみを許容する空間部25が凹部24の底部と連通してリザーバ基板2を貫通するように形成されている。この空間部25は、本例では図2に示すようにリザーバ基板2のC面に、凹部24の底面に連通するように形成された凹部で構成されている。そして、凹部24の底面に樹脂フィルム26が位置するように、空間部(凹部)25の底面と凹部24の底面との段差部分に樹脂フィルム26が貼り付けられている。この樹脂フィルム26により、リザーバ23の圧力変動を緩衝させるためのダイアフラム部27がリザーバ23の底部に構成されている。なお、樹脂フィルム26は、本例ではPPSフィルムを用いている。
また、リザーバ基板2を貫通するノズル連通孔21は、ノズル基板1のノズル孔11と同軸上に設けられているので、インク滴の吐出の直進性が得られ、そのため吐出特性が格段に向上するものとなる。特に、微小なインク滴を狙い通りに着弾させることができるため、色ずれ等を生じることなく微妙な階調変化を忠実に再現することができ、より鮮明で高品位の画質を実現することができる。
キャビティ基板3は、例えば厚さ約30μmの単結晶シリコン基板から作製されている。このキャビティ基板3にはノズル連通孔21のそれぞれに独立して連通する吐出室31となる第1の凹部33が設けられている。そして、この第1の凹部33と上記の第2の凹部28とで各吐出室31が区画形成されている。また、吐出室31(第1の凹部33)の底壁が振動板32を構成している。振動板32は、シリコンに高濃度のボロンを拡散することにより形成されるボロン拡散層により構成することができる。ボロン拡散層とすることにより、エッチングストップを十分に働かせることができるので振動板32の厚さや面荒れを精度よく調整することができる。
キャビティ基板3の少なくとも下面には、例えばTEOS(Tetraethylorthosilicate Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン、珪酸エチル)を原料としたプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition :化学気相成長法)によるSiO2膜からなる絶縁膜34が例えば0.1μmの厚さで形成されている。この絶縁膜34は、インクジェットヘッド10の駆動時における絶縁破壊や短絡を防止するために設けられている。キャビティ基板3の上面にはリザーバ基板2と同様のインク保護膜(図示せず)が形成されている。また、キャビティ基板3にはリザーバ基板2のリザーバ23に連通するインク供給孔35が設けられている。
電極基板4は、例えば厚さ約1mmのガラス基板から作製されている。中でも、キャビティ基板3のシリコン基板と熱膨張係数の近い硼珪酸系の耐熱硬質ガラスを用いるのが適している。これは、リザーバ基板2の場合と同様に、硼珪酸系の耐熱硬質ガラスを用いることにより、電極基板4とキャビティ基板3を陽極接合する際、両基板の熱膨張係数が近いため、電極基板4とキャビティ基板3との間に生じる応力を低減することができ、その結果剥離等の問題を生じることなく電極基板4とキャビティ基板3を強固に接合することが可能となるためである。
電極基板4には、キャビティ基板3の各振動板32に対向する表面の位置にそれぞれ凹部42が設けられている。各凹部42は、エッチングにより約0.3μmの深さで形成されている。そして、各凹部42の底面には、一般に、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)からなる個別電極41が、例えば0.1μmの厚さでスパッタにより形成されている。したがって、振動板32と個別電極41との間に形成されるギャップG(空隙)は、この凹部42の深さ、個別電極41および振動板32を覆う絶縁膜34の厚さにより決まることになる。このギャップ(電極間ギャップ)Gはインクジェットヘッドの吐出特性に大きく影響する。本実施形態の場合、電極間ギャップGは0.2μmとなっている。この電極間ギャップGの開放端部はエポキシ接着剤等からなる封止材43により気密に封止される。これにより異物や湿気等が電極間ギャップへ侵入するのを防止することができ、インクジェットヘッド10の信頼性を高く保持することができる。
なお、個別電極41の材料はITOに限定するものではなく、IZO(Indium Zinc Oxide )あるいは金、銅等の金属を用いてもよい。ただ、ITOは透明であるので振動板の当接具合の確認が行いやすいことなどの理由から、一般にはITOが用いられている。
また、個別電極41の端子部41aは、リザーバ基板2およびキャビティ基板3の端部が開口された電極取り出し部44に露出しており、電極取り出し部44において例えばドライバIC等の駆動制御回路5が搭載されたフレキシブル配線基板(図示せず)が各個別電極41の端子部41aとキャビティ基板3の端部に設けられた共通電極36とに接続されている。
電極基板4にはインクカートリッジ(図示せず)に接続されるインク供給孔45が設けられている。インク供給孔45は、キャビティ基板3に設けられたインク供給孔35を通じてリザーバ23に連通している。
ここで、上記のように構成されたインクジェットヘッド10の動作について概要を説明する。
インクジェットヘッド10には、外部のインクカートリッジ(図示せず)内のインクがインク供給孔45、35を通じてリザーバ23内に供給され、さらにインクは個々の供給口22からそれぞれの吐出室31、ノズル連通孔21を経てノズル孔11の先端まで満たされている。また、このインクジェットヘッド10の動作を制御するためのドライバIC等の駆動制御回路5が各個別電極41とキャビティ基板3に設けられた共通電極36との間に接続されている。したがって、この駆動制御回路5により個別電極41に駆動信号(パルス電圧)を供給すると、個別電極41には駆動制御回路5からパルス電圧が印加され、個別電極41をプラスに帯電させ、一方これに対応する振動板32はマイナスに帯電する。このとき、個別電極41と振動板32間に静電気力(クーロン力)が発生するため、この静電気力により振動板32は個別電極41側に引き寄せられて撓む。これによって吐出室31の容積が増大する。次に、パルス電圧をオフにすると、上記静電気力がなくなり振動板32はその弾性力により元に戻り、その際、吐出室31の容積が急激に減少するため、そのときの圧力により、吐出室31内のインクの一部がノズル連通孔21を通過しインク滴となってノズル孔11から吐出される。そして、再びパルス電圧が印加され、振動板32が個別電極41側に撓むことにより、インクがリザーバ23から供給口22を通って吐出室31内に補給される。
この実施形態に係るインクジェットヘッド10の構成によれば、上記のようなインクジェットヘッド10の駆動時において、吐出室31の圧力はリザーバ23にも伝達される。このとき、リザーバ23の底部にはダイアフラム部27が設けられているので、リザーバ23が正圧になるとダイアフラム部27は空間部25内で上方へ撓み、逆にリザーバ23が負圧になるとダイアフラム部27は下方へ撓むため、リザーバ23内の圧力変動を緩衝することができ、ノズル間の圧力干渉を防止することができる。そのため、駆動ノズル以外の非駆動ノズルからインクが漏れ出たり、駆動ノズルから吐出に必要な吐出量が減少するといったような不具合をなくすことができる。
また、ダイアフラム部27はリザーバ23の底部に設けられているため、ダイアフラム部27の面積を大きくすることができ、圧力緩衝効果を大きくすることができる。
さらに、ダイアフラム部27はノズル基板1によって蓋がされ外部に露出していないので、樹脂フィルム26からなるダイアフラム部27を外力から確実に保護することができ、かつ保護カバー等特別な保護部材を全く必要としない。そのため、インクジェットヘッド10の小型化およびコスト低減が可能となる。
なお、ダイアフラム部27は上記のように広い面積を有するので、密閉された空間部25内でも確実に変位(振動)させることができる。
次に、本実施形態に係るインクジェットヘッド10の製造方法について図3乃至図7を参照して説明する。なお、以下において示す基板の厚さやエッチング深さ、温度、圧力等の値はあくまでも一例を示すものであり、本発明はこれらの値によって限定されるものではない。
初めに、リザーバ基板2の製造方法を図3及び図4の工程断面図により説明する。
まず、厚さ180μmのガラス基板200を用意し、このガラス基板200の全面にフォトレジスト201を塗布し、C面側の供給口22に対応する部分22aをフォトリソグラフィー法で開口する(図3(a))。
次に、ガラス基板200全体を沸酸に浸漬して所定量エッチングし、供給口22を形成する(図3(b))。そして、一旦フォトレジスト201を剥離した後、再度フォトレジスト202を塗布し、第2の凹部28に対応する部分28aをフォトリソグラフィー法で開口し、再度、ガラス基板200全体を沸酸に浸漬して所定量エッチングし、第2の凹部28を形成する(図3(c))。
次に、フォトレジスト202を剥離し、再度フォトレジスト203を塗布し、ガラス基板200の両面においてノズル連通孔21に対応する部分21aをフォトリソグラフィー法で開口する。そして、C面(N面でもよい)のノズル連通孔21に対応する部分21aにフェムト秒レーザーを照射し、ノズル連通孔21の形成部分に、先穴21bを開ける(図3(d))。そして、沸酸を用いてノズル連通孔21の形成部分を垂直にエッチングし、ノズル連通孔21を形成する(図3(e))。
ここで、フェムト秒レーザーを照射して先穴21bを開けた後、エッチングするようにしているのは、ガラス基板200にエッチングだけで貫通穴を開けようとすると時間を要するためであり、先にフェムト秒レーザーで先穴21bを開けておくことにより、エッチング液に接触する面積が増えて結果的にエッチング速度が速まり、貫通穴の形成時間を短くすることが可能となる。
なお、フェムト秒レーザーの照射によりガラス基板に形成される貫通孔(先穴21b)は、フェムト秒レーザーの照射部分に改質層が形成されることによって形成されるものであり、その先穴21bの表面は、エッチングで形成されるエッチング面に比べて荒い面となっている。しかしながら、先穴21bを形成後にエッチングを行うため、その表面は滑らかな面に仕上がる。ここで、このように先穴21bの表面は荒く形成される都合上、先穴21bを、目標とするノズル連通孔21の径に対して大きく形成しすぎるのは好ましくなく、先穴21bの最大径はノズル連通孔21の径の10%以上50%以下とすることが好ましい。
以上のようにしてノズル連通孔21を形成した後、フォトレジスト203を剥離し、その後、ガラス基板200の両面に感光性フィルム(ドライフィルム)204を貼る。そして、フォトリソグラフィー法を用いてC面側のドライフィルム204にリザーバ23に対応する部分23aの開口を形成し、N面側のドライフィルム204に空間部(凹部)25に対応する部分25aの開口を形成する(図4(f))。そして、リザーバ23に対応する部分23aをサンドブラストを用いて掘り下げ、リザーバ23を形成する(図4(g))。
その後、N面側のドライフィルム204に形成された凹部25に対応する部分25aをサンドブラストを用いてリザーバ23と連通するまで掘り下げる(図4(h))。そして、両面のドライフィルム204を除去し、凹部25の底面に樹脂フィルム26をアライメントして貼り付け、ダイアフラム部27を形成する(図4(i))。
以上によりリザーバ基板2が作製される。
次に、インクジェットヘッドの完成までの製造方法を図5乃至図7により説明する。
電極基板4は以下のようにして製造される。
まず、硼珪酸ガラス等からなる厚さ約1mmのガラス基板400に、例えば金・クロムのエッチングマスクを使用してフッ酸によってエッチングすることにより凹部42を形成する。なお、この凹部42は個別電極41の形状より少し大きめの溝状のものであり、個別電極41ごとに複数形成される。
そして、凹部42の内部に、例えばスパッタによりITO(Indium Tin Oxide)からなる個別電極41を形成する。
その後、ブラスト等によってインク供給孔45となる孔部45aを形成することにより、電極基板4が作製される(図5(a))。
次に、例えば厚さ約220μmに表面加工および表面の加工変質層の除去処理(前処理)がなされたシリコン基板300を用意し、このシリコン基板300の片面に例えばTEOSを原料としたプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition )によって厚さ0.1μmの熱酸化膜からなる絶縁膜34を成膜する(図5(b))。絶縁膜34の成膜は、例えば、温度360℃、高周波出力250W、圧力66.7Pa(0.5Torr)、ガス流量はTEOS流量100cm3/min(100sccm)、酸素流量1000cm3/min(1000sccm)の条件で行う。また、シリコン基板300は所要の厚さのボロンドープ層(図示せず)を有するものを用いるのが望ましい。
次に、このシリコン基板300と、図5(a)のように個別電極41が作製された電極基板4とを、絶縁膜34を介して陽極接合する(図5(c))。陽極接合は、シリコン基板300と電極基板4を360℃に加熱した後、電極基板4に負極、シリコン基板300に正極を接続して、800Vの電圧を印加して陽極接合する。
次に、陽極接合された上記シリコン基板300の表面を、例えばバックグラインダーや、ポリッシャーによって研削加工し、さらに例えば水酸化カリウム水溶液で表面を10〜20μmエッチングして加工変質層を除去し、厚さが例えば30μmになるまで薄くする(図5(d))。
次に、この薄板化されたシリコン基板300の表面に、エッチングマスクとなるTEOS酸化膜301を、例えばプラズマCVDによって厚さ約1.0μmで成膜する(図5(e))。
そして、そのTEOS酸化膜301の表面上にレジスト(図示せず)をコーティングし、フォトリソグラフイーによってレジストをパターニングし、TEOS酸化膜301をエッチングすることにより、吐出室31、インク供給孔35、および電極取り出し部44に対応する部分31a、35a、44aを開口する(図5(f))。そして、開口後にレジストを剥離する。
次に、この陽極接合済みの基板を水酸化カリウム水溶液でエッチングすることにより、薄板化されたシリコン基板300に、吐出室31となる第1の凹部33とインク供給孔35となる貫通孔を形成する(図6(g))。このとき、電極取り出し部44となる部分44aは未だ貫通させず基板厚さが薄くなる程度にとどめておく。また、TEOSエッチングマスク301の厚さも薄くなる。なおこのエッチング工程では、最初は、濃度35wt%の水酸化カリウム水溶液を用いて、シリコン基板300の残りの厚さが例えば5μmになるまでエッチングを行い、ついで濃度3wt%の水酸化カリウム水溶液に切り替えてエッチングを行う。これにより、エッチングストップが十分に働くため、振動板32の面荒れを防ぎ、かつその厚さを0.80±0.05μmと高精度の厚さに形成することができる。エッチングストップとは、エッチング面から発生する気泡が停止した状態と定義し、実際のウェットエッチングにおいては、気泡の発生の停止をもってエッチングがストップしたものと判断する。
そして、エッチング後、レジストを剥離する。
シリコン基板300のエッチングが終了した後に、フッ酸水溶液でエッチングすることによりシリコン基板300の上面に形成されているTEOS酸化膜301を除去する(図6(h))。
次に、シリコン基板300の吐出室31となる第1の凹部33が形成された表面に、プラズマCVDによりTEOS膜からなるインク保護膜37を例えば厚さ0.1μmで形成する(図6(i))。
その後、RIE(Reactive Ion Etching)等によって電極取り出し部44を開口する。また、振動板32と個別電極41の間の電極間ギャップの開放端部をエポキシ樹脂等の封止材43で気密に封止する(図6(j))。また、Pt(白金)等の金属電極からなる共通電極36がスパッタによりシリコン基板300の表面の端部に形成される。
以上により、電極基板4に接合されたシリコン基板300からキャビティ基板3が作製される。
そして、このキャビティ基板3に、前述のようにノズル連通孔21、供給口22、リザーバ23、ダイアフラム部27等が作製されたリザーバ基板2を接合する(図7(k))。ここで、キャビティ基板3は単結晶シリコンで形成され、リザーバ基板2はガラスで形成されているため、この両基板の接合には陽極接合を用いる。ここでの陽極接合の場合も、上記と同様の条件で実施される。
最後に、予めノズル孔11が形成されたノズル基板1をリザーバ基板2上に接合する(図7(l))。このノズル基板1とリザーバ基板2との接合に際しても、単結晶シリコンとガラスとの接合であるため、上記と同様に陽極接合を用いる。
そして、ダイシングにより個々のヘッドに分離すれば、図2に示したインクジェットヘッド10の本体部が作製される(図7(m))。
以上のように、本実施形態のインクジェットヘッドによれば、リザーバ基板2をガラス基板で構成したので、リザーバ基板(ガラス)2と、ノズル基板(単結晶シリコン)1又はキャビティ基板(単結晶シリコン)4との接合に陽極接合を用いることが可能となり、従来、これらの基板を直接接合や接着剤によって接合することにより生じていた信頼性低下の問題を回避することが可能となる。
また、ダイアフラム部27を樹脂フィルム26により形成しているため、圧力緩衝の効果が高いダイアフラム部27を得ることができる。また、単に樹脂フィルム26を貼り付けただけであるため、ダイアフラム部27を簡単に形成することができる。
また、リザーバ基板2にリザーバ23となる凹部24を形成する際には、サンドブラストを用いているので、短時間に形成することが可能である。
また、ノズル連通孔21を形成するに際し、フェムト秒レーザーで先穴21bを開けてから沸酸エッチングで形成するようにしたので、一般に長時間化するガラス基板への貫通穴形成時間を短時間化することが可能となる。
上記の実施形態では、静電駆動方式のインクジェットヘッドおよびその製造方法について述べたが、本発明は上記の実施形態に限定されるものでなく、本発明の思想の範囲内で種々変更することができる。また、ノズル孔より吐出される液状材料を変更することにより、インクジェットプリンタのほか、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、プリント配線基板製造装置にて製造する配線基板の配線部分の形成、生体液体の吐出(プロテインチップやDNAチップの製造)など、様々な用途の液滴吐出装置に適用することができる。
実施形態に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す分解斜視図。 図1の組立状態を示すインクジェットヘッドの断面図。 図1のリザーバ基板の製造工程の断面図。 図3に続くリザーバ基板の製造工程の断面図。 実施形態1に係るインクジェットヘッドの製造工程の断面図。 図5に続く製造工程の断面図。 図6に続く製造工程の断面図。
符号の説明
1 ノズル基板、2 リザーバ基板、3 キャビティ基板、4 電極基板、10 インクジェットヘッド、11 ノズル孔、21 ノズル連通孔、21b 先穴、22 供給口、23 リザーバ、24 凹部、25 凹部(空間部)、26 樹脂フィルム、27 ダイアフラム部、31 吐出室、32 振動板、41 個別電極、42 凹部。

Claims (6)

  1. 液滴を吐出する複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、底面に振動板を形成し、前記液滴を溜めておく吐出室となる凹部が前記各ノズル孔それぞれに対応して形成されたキャビティ基板と、前記振動板に対向し、前記振動板を駆動する個別電極が形成された電極基板と、前記各吐出室に液滴を供給する共通のリザーバとなる凹部、前記リザーバと前記吐出室とを連通する供給口、及び前記吐出室から前記ノズル孔へ液滴を移送するノズル連通孔を有するリザーバ基板とを備え、ノズル基板、リザーバ基板、キャビティ基板及び電極基板がこの順に重ねて接合される液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記ノズル基板とキャビティ基板とを単結晶シリコン基板で構成し、前記リザーバ基板と前記電極基板とをガラス基板で構成し、これらの基板を陽極接合により接合するようにしたことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記リザーバ基板となるガラス基板に、前記リザーバとなる凹部と、該凹部の底面から前記リザーバ基板を貫通する空間部とを形成した後、前記リザーバとなる凹部の底面部分と前記空間部との段差部分に樹脂薄膜を貼り付ることにより、前記リザーバとなる凹部の底面に、圧力変動を緩衝するダイアフラム部を形成する工程を有することを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記樹脂薄膜はPPSフィルムであることを特徴とする請求項2記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記リザーバ基板に前記リザーバとなる凹部を形成する際には、サンドブラストを用いることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記リザーバ基板に前記ノズル連通孔を形成する際には、前記リザーバ基板の前記ノズル連通孔の形成部分にフェムト秒レーザーを照射して先穴を形成した後、沸酸エッチングを行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法で製造された液滴吐出ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114368222A (zh) * 2022-01-21 2022-04-19 武汉敏捷微电子有限公司 一种微流体器件及其制作方法

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