JP4645631B2 - 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法 - Google Patents
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インクジェットヘッドでは、吐出室のそれぞれに共通に連通するリザーバが設けられているので、ノズル密度の高密度化に伴い、吐出室の圧力がリザーバにも伝わり、その圧力の影響が他の吐出室とそれに連通するノズル孔にも及ぶことになる。例えば、アクチュエータを駆動することにより、リザーバに正圧がかかると、本来インク滴を吐出すべきノズル孔(駆動ノズル)以外の非駆動ノズルからもインク滴が漏れ出たり、逆にリザーバに負圧がかかると、駆動ノズルから吐出するべきインク滴の吐出量が減少したりして、印字品質が劣化する。
ダイアフラム部と吐出室が別々の基板(リザーバ基板とキャビティ基板)に設けられているため、リザーバの体積を確保することができるとともに、リザーバの内部にダイアフラム部を設けることができる。このため、ノズルの高密度化が可能であるとともに、リザーバのコンプライアンスを低減してリザーバ内での圧力変動を抑制し、インク吐出時に発生するノズル間の圧力干渉を防止することで、良好な吐出特性を得ることができる。
さらに、リザーバの底部全面をダイアフラムにすることでダイアフラム部の面積を大きくすることができ、ダイアフラム部の圧力緩衝効果を大きくすることができる。
また、樹脂薄膜は、リザーバ基板のノズル基板又はキャビティ基板とのそれぞれの接着面には形成されないため、その接着面に樹脂薄膜が介在することによるノズル基板又はキャビティ基板との接着強度の低下を防止することができる。
また、樹脂薄膜がリザーバ凹部の内面全体に形成されているため、樹脂薄膜とリザーバ基板との接触面積を十分に確保でき、十分な密着性を確保することができる。
ダイアフラム部がリザーバ基板内に設けられる構造のため、ダイアフラム部はノズル基板とキャビティ基板とに挟まれて存在し、直接外力が加わることはない。よって、ダイアフラム部を薄くすることができ、かつ保護カバー等のような特別の保護部材を必要とせず、ヘッドユニットの外力に対する強度を向上することができる。
ダイアフラム部の両面が空間部となるので、この空間部内でダイアフラム部の振動変位が可能となる。
また、ダイアフラム部が変形するための空間部をキャビティ基板もしくはノズル基板に加工する必要がないので、キャビティ基板もしくはノズル基板の設計及び加工に対する影響をなくすことができる。
これにより、微小欠陥が無く被覆性に優れ、また、耐熱性、耐薬品性及び耐透湿性が高い樹脂薄膜を構成できる。また、例えばシリコン薄膜に比べて柔軟性が高いため、高い圧力吸収効果を発揮することができる。
また、その金属薄膜を白金膜としたものである。
これにより、ジパラキシリレンとリザーバ基材表面との密着性を高くすることができる。
これにより、白金膜とリザーバ基材との密着性を向上させることができる。その結果、ジパラキシリレンとリザーバ基材表面との密着性を更に向上することができる。
ダイアフラム部が変形するための空間部をキャビティ基板との接着面側に設けたので、リザーバ基板のリザーバ凹部はノズル基板側に位置し、前記リザーバをキャビティ基板の吐出室と立体的にオーバラップさせてヘッド面積を小型化することができる。
ダイアフラム部が変形するための空間部をノズル基板との接着面側に設けたので、リザーバ基板のリザーバ凹部はキャビティ基板側に位置し、リザーバ基板の全ての加工をキャビティ基板側からの片面加工で完了させることができる。
液滴吐出時に発生するノズル間の圧力干渉を防止して吐出特性が良好な液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を得ることができる。
この方法によれば、ダイアフラム部を形成するに際し、リザーバ基板の表面に成膜した樹脂薄膜の一部をダイアフラム部としてそのまま利用するため、樹脂薄膜を部分的に除去したり、樹脂薄膜を部分的に成膜したりする工程が不要であるため、製造工程が簡単である。
また、樹脂薄膜がリザーバ凹部の内面にのみ形成されるため、リザーバ基板のノズル基板又はキャビティ基板との接着面に樹脂薄膜が介在することによる接着強度の低下を防止することができる。
これにより、微小欠陥が無く、耐熱性、耐薬品性及び耐透湿性が高い樹脂薄膜を良好な被覆性で所望の部分に確実に形成できる。また、例えばシリコン薄膜に比べて柔軟性が高いため、高い圧力吸収効果を有する液滴吐出ヘッドを製造できる。
これにより、マスク部材のリザーバ基板に対するアライメントにズレが生じたとしても、リザーバ基板のノズル基板との接着面が確実にマスク部材で保護され、接着面に樹脂薄膜が成膜されるのを確実に防止することができる。これより、リザーバ基板とノズル基板との接着強度を確保することができる。
また、その金属薄膜を白金膜としたものである。
これにより、ジパラキシリレンとリザーバ基材表面との密着性を高くすることができる。
このように、液滴保護膜を選択的に除去するに際し、異方性ドライエッチングを用いるため、シリコン基材の全面に形成された液滴保護膜のうち、リザーバ凹部内の液滴保護膜のみを容易かつ確実に除去することができる。
これにより、白金膜とリザーバ基材との密着性を向上させることができる。その結果、ジパラキシリレンとリザーバ基材表面との密着性を更に向上することができる。
これにより、液滴流路の親水性を容易に確保することができる。
これにより、樹脂薄膜に与えるダメージを最小限に抑えてドライエッチングを行うことができる。
吐出特性が良好な液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を得ることができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す分解斜視図、図2は、図1に示したインクジェットヘッドの組立状態を示す縦断面図である。なお、図1及び図2では、通常使用される状態とは上下が逆に示されている。
各ノズル孔11は、基板面に対し垂直にかつ同軸上に小さい穴の噴射口部分11aと、噴射口部分11aよりも径の大きい導入口部分11bとから構成されている。
なお、この樹脂薄膜111はリザーバ基板2の製造過程で成膜によって形成されるもので、例えばパリレン(登録商標)を用いて形成される。
また、リザーバ基板2のC面には、吐出室31の一部を構成する細溝状の第2の凹部28が形成されている。第2の凹部28は、キャビティ基板3を薄くすることによる吐出室31での流路抵抗の増加を防ぐために設けられているが、第2の凹部28は省略することも可能である。
なお、ここでは図示は省略するが、リザーバ基板2のリザーバ凹部23aの内面全体には、樹脂薄膜111の下地として金属薄膜が形成されている。この金属薄膜は、本例では白金膜を用いており、この金属薄膜を樹脂薄膜111の下地に形成しておくことにより、樹脂薄膜111とリザーバ基板2(シリコン表面)との密着性を高めることができるようになっている。
なお、個別電極41の材料はITOに限定するものではなく、IZO(Indium Zinc Oxide)(登録商標)あるいは金、銅等の金属を用いてもよい。しかし、ITOは透明であるので振動板の当接具合の確認が行いやすいことなどの理由から、一般にはITOが用いられている。
インクジェットヘッド10には、外部のインクカートリッジ(図示せず)内のインクがインク供給孔45、35、27を通じてリザーバ23内に供給され、さらにインクは個々の供給口22からそれぞれの吐出室31、ノズル連通孔21を経て、ノズル孔11の先端まで満たされている。また、このインクジェットヘッド10の動作を制御するためのドライバIC等の駆動制御回路5が、各個別電極41とキャビティ基板3に設けられた共通電極36との間に接続されている。
また、樹脂薄膜111はリザーバ凹部23aの内面全体に形成され、ダイアフラム部100となる樹脂薄膜111部分が、リザーバ23の底壁23bの表面と、供給口22の周壁の一部と、インク供給孔27の周壁の一部とに対して一様に成膜されているため、例えば、図3に示すように空間部110の側面110aに形成するようにした場合に比べて、リザーバ基板2との接触面積が増加して十分な密着性を確保することができるようになっている。
さらに、ダイアフラム部100はリザーバ基板2内に設けられておりC面側はキャビティ基板3によって蓋がされ、外部に露出していないので、樹脂薄膜111を備えたダイアフラム部100を外力から確実に保護することができ、かつ保護カバー等特別な保護部材を全く必要としない。そのため、インクジェットヘッド10の小型化、及びコスト低減が可能となる。
まず、リザーバ基板2の製造方法について図4乃至図6を参照して説明する。
(b)次に、フォトリソグラフィー法により、図4(b)に示すように、キャビティ基板3と接着する側の面(C面)に、ノズル連通孔21、第2の凹部28、供給口22、ダイアフラム部100、インク供給孔27になる部分の外縁のそれぞれ21a、28a、22a、100a、27aをパターニングする。このとき、C面における各部分21a、28a、22a、100a、27aの熱酸化膜201の残し膜厚が、次の関係になるようにエッチングする。
ノズル連通孔21になる部分の外縁21a=0<供給口22になる部分22a=インク供給孔27になる部分27a<第2の凹部28になる部分28a=ダイアフラム部100になる部分100a
(d)次に、図4(d)に示すように、熱酸化膜201を適量エッチングして、供給口22になる部分22a、インク供給孔27になる部分の外縁27aを開口させ、そののち、ICPで15μm程、ドライエッチングする。
(f)そして、熱酸化膜201を除去した後に、図4(f)に示すように、再度、熱酸化膜201を1.0μm形成し、ノズル基板1と接着する側の面(N面)に、リザーバ凹部23aになる部分230をフォトリソグラフィー法で開口する。
(h)熱酸化膜201を除去した後に、図5(h)に示すように、再度、熱酸化膜201aを0.2μm形成する。
(i)C面に、ダイアフラム部100になる部分100aのみが開口した金属製もしくはシリコン製マスク202を被せてドライエッチングを行い、ダイアフラム部100になる部分100aの熱酸化膜201aを除去する。
ここで、保護フィルム204の開口204aをリザーバ凹部23aの開口部よりも小さく形成したのは、仮に保護フィルム204のリザーバ基材200に対するアライメントにズレが生じたとしても、リザーバ基材200のノズル基板1との接着面(N面)を確実に保護フィルム204で保護して接着面に樹脂薄膜111が成膜されるのを確実に防止するためである。これは、リザーバ基材200のノズル基板1との接着面に樹脂薄膜111が成膜されるとノズル基板1との十分な接着強度が得られず、剥がれる原因となるためである。
(k)C面の保護フィルム203を新たな保護フィルム206に交換(供給口22及びインク供給孔27の白金膜205を除去するため)し、その状態で真空チャンバー内にセットし、表面全体にパリレンからなる樹脂薄膜111を1.0μm成膜する。このパリレンは、ジパラキシリレン(ダイマー)を昇華させて熱分解することにより成膜される。ここで、このパリレンは、シリコン薄膜に比べて柔らかい性質があるため、当該部分を例えばシリコン薄膜で形成した場合に比べて100倍から1000倍の圧力吸収効果を発揮することができる。
このように、樹脂薄膜111はリザーバ基板2の製造過程において成膜によって形成される。
(m)C面からSF6プラズマで空間部110になる部分のシリコンを除去する。その結果、樹脂薄膜111が露出し、ダイアフラム部100が完成する。
以上によりリザーバ基板2が作製される。
(a)図7(a)に示すように、硼珪酸ガラス等からなる厚さ約1mmのガラス基材400に、金・クロムのエッチングマスクを使用してフッ酸によってエッチングすることにより、凹部42を形成する。なお、この凹部42は個別電極41の形状より少し大きめの溝状のものであり、個別電極41ごとに複数形成される。
そして、凹部42の内部に、スパッタとパターニングにより、ITO(Indium Tin Oxide)からなる個別電極41を形成する。
その後、ブラスト等によってインク供給孔45になる部分45aを形成することにより、電極基板4が作製される。
以上により、電極基板4に接合した状態のキャビティ基材300からキャビティ基板3が作製される。
(m)そして、図10(m)に示すように、ダイシングにより個々のヘッドに分離すれば、図2に示したインクジェットヘッド10の本体部が作製される。
図11は本発明の実施の形態2に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す分解斜視図、図12は図11に示したインクジェットヘッドの組立状態を示す縦断面図である。なお、実施の形態1と同一部分には同じ符号を付し説明を省略する。
実施の形態2に係るインクジェットヘッド10は、リザーバ基板2に設けたダイアフラム部100を、実施の形態1とは逆に、ノズル基板1との接着面側(N面側)に設けたものである。
なお、この樹脂薄膜111は上記実施の形態1と同様に、例えばパリレンを用いて形成される。
また、上記実施の形態1と同様に、樹脂薄膜111は、リザーバ基板2において他の基板との接着面となる面(ここではC面)には形成されないようになっており、キャビティ基板3との接着強度が確保されるようになっている。
また、ダイアフラム部100はリザーバ基板2の内部に形成されておりN面側はノズル基板1によって蓋がされ、外部に露出していないので、樹脂薄膜111を備えたダイアフラム部100を外力から確実に保護することができ、かつ保護カバー等特別な保護部材を全く必要としない。そのため、インクジェットヘッド10の小型化、及びコスト低減が可能となる。
(a)まず、図13(a)に示すように、面方位(100)、厚さ180μmのシリコン材よりなるリザーバ基材200を用意し、このリザーバ基材200の外面に熱酸化膜201を1.0μm形成する。
(b)次に、図13(b)に示すように、フォトリソグラフィー法により、C面にノズル連通孔21になる部分21aを開口する。
(c)次に、図13(c)に示すように、C面のノズル連通孔21になる部分21aを、ICPで貫通するまでドライエッチングする。
リザーバ凹部23aになる部分230>第2の凹部28になる部分28a>供給口220になる部分22a
リザーバ凹部23a>第2の凹部28>供給口220
(f)次に、熱酸化膜201を剥離し、その後、図14(f)に示すように、再度熱酸化膜201aを形成し、N面に、ダイアフラム部100になる部分100aのみが開口した金属製もしくはシリコン製マスク202を被せてドライエッチングを行い、ダイアフラム部100になる部分100aの熱酸化膜201aを除去する。
(h)N面及びC面を保護フィルム203,204で保護したまま、パリレンからなる樹脂薄膜111を1.0μm成膜する。パリレンの成膜は、上記実施の形態1で説明した方法と同様に、リザーバ基材200に保護フィルム203,204を装着した状態で真空チャンバー内にセットし、ジパラキシリレン(ダイマー)を昇華させて熱分解することで表面全体に堆積させて成膜する。
このように、樹脂薄膜111はリザーバ基板2の製造過程において成膜によって形成される。
(j)N面からSF6プラズマで空間部110になる部分のシリコンを除去する。その結果、樹脂薄膜111が露出し、ダイアフラム部100が完成する。
以上によりリザーバ基板2が作製される。
本実施の形態3は、図2に示した構造において、樹脂薄膜の下地となる白金膜とリザーバ基材との密着性を向上させるようにしたものである。実施の形態3は、実施の形態1のリザーバ基板の製造方法を一部異ならせたもので、それ以外は実施の形態1と同様であるため、ここでは、リザーバ基板の製造方法を中心に説明し、その他の説明は省略する。
(a)面方位(100)、厚さ180μmのシリコン材よりなるリザーバ基材200を用意し、このリザーバ基材200の外面に熱酸化膜201を形成する。
(b)次に、フォトリソグラフィー法により、キャビティ基板3と接着する側の面(C面)に、ノズル連通孔21、第2の凹部28、供給口22、ダイアフラム部100、インク供給孔27になる部分の外縁のそれぞれ21a、28a、22a、100a、27aをパターニングする。このとき、C面における各部分21a、28a、22a、100a、27aの熱酸化膜201の残し膜厚が、次の関係になるようにエッチングする。
ノズル連通孔21になる部分の外縁21a=0<供給口22になる部分22a=インク供給孔27になる部分27a<第2の凹部28になる部分28a=ダイアフラム部100になる部分100a
(d)次に、熱酸化膜201を適量エッチングして、供給口22になる部分22a、インク供給孔27になる部分の外縁27aを開口させ、そののち、ICPで15μm程、異方性ドライエッチングする。
(f)そして、熱酸化膜201を除去した後に、図15(f)に示すように、再度、熱酸化膜201を1.0μm形成し、ノズル基板1と接着する側の面(N面)に、リザーバ凹部23aになる部分230をフォトリソグラフィー法で開口する。
(h)熱酸化膜201を除去した後に、再度、熱酸化膜(インク保護膜)201aを0.2μm形成する。
(i)C面に、ダイアフラム部100になる部分100aのみが開口した金属製もしくはシリコン製マスク202を被せて異方性ドライエッチングを行い、ダイアフラム部100になる部分100aの熱酸化膜201aを除去する。
(k)N面のマスク210はそのままで、N面よりリザーバ凹部23a全面に白金膜205をスパッタで0.1μm形成する。
このように、白金膜205の成膜部分に対応する部分の熱酸化膜201aを除去してリザーバ基材200の表面を露出させ、その露出部分に白金膜205を形成することにより、白金膜205とリザーバ基材200との密着性を高めることが可能となっている。
ここで、保護フィルム204の開口204aをリザーバ凹部23aの開口部よりも小さく形成した理由は、上記実施の形態1と同様である。
このように、樹脂薄膜111はリザーバ基板2の製造過程において成膜によって形成される。
(n)C面からSF6プラズマで空間部110になる部分のシリコンを除去する。その結果、樹脂薄膜111が露出し、ダイアフラム部100が完成する。
以上によりリザーバ基板2が作製される。
本実施の形態4は、図12に示した構造において、樹脂薄膜の下地となる白金膜とリザーバ基材との密着性を向上させるようにしたものである。実施の形態4は、実施の形態2のリザーバ基板の製造方法を一部異ならせたもので、それ以外は実施の形態2と同様であるため、ここでは、リザーバ基板の製造方法を中心に説明し、その他の説明は省略する。
(a)まず、面方位(100)、厚さ180μmのシリコン材よりなるリザーバ基材200を用意し、このリザーバ基材200の外面に熱酸化膜201を1.0μm形成する。
(b)次に、フォトリソグラフィー法により、C面にノズル連通孔21になる部分21aを開口する。
(c)次に、C面のノズル連通孔21になる部分21aを、ICPで貫通するまで異方性ドライエッチングする。
リザーバ凹部23aになる部分230>第2の凹部28になる部分28a>供給口220になる部分22a
リザーバ凹部23a>第2の凹部28>供給口220
(f)次に、熱酸化膜201を剥離し、その後、図19(f)に示すように、再度熱酸化膜(インク保護膜)201aを0.2μm形成し、N面に、ダイアフラム部100になる部分100aのみが開口した金属製もしくはシリコン製マスク202を被せてドライエッチングを行い、ダイアフラム部100になる部分100aの熱酸化膜201aを除去する。
(h)C面のマスク210はそのままで、C面よりリザーバ凹部23a、第2の凹部28及び供給口220に白金膜205をスパッタで0.1μm形成する。
このように、白金膜205の成膜部分に対応する部分の熱酸化膜201aを除去してリザーバ基材200の表面を露出させ、その露出部分に白金膜205を形成することにより、白金膜205とリザーバ基材200との密着性を高めることが可能となっている。
このように、樹脂薄膜111はリザーバ基板2の製造過程において成膜によって形成される。
(k)N面からSF6プラズマで空間部110になる部分のシリコンを除去する。その結果、樹脂薄膜111が露出し、ダイアフラム部100が完成する。
以上によりリザーバ基板2が作製される。
Claims (18)
- 複数のノズル孔を有するノズル基板と、前記各ノズル孔に連通し、室内に圧力を発生させて前記ノズル孔より液滴を吐出する複数の独立した吐出室を有するキャビティ基板と、前記吐出室に対して共通に連通するリザーバとなるリザーバ凹部を有し、前記ノズル基板と前記キャビティ基板との間に設けられるリザーバ基板とを少なくとも備えた液滴吐出ヘッドであって、
前記リザーバ基板の前記ノズル基板又は前記キャビティ基板とのそれぞれの接着面には形成されず、前記リザーバ凹部の内面全体に対して成膜により形成された樹脂薄膜を有し、前記リザーバ凹部の底面が、前記樹脂薄膜で構成されて圧力変動を緩衝するダイアフラム部となっていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 前記リザーバ基板において前記リザーバ凹部の底面を構成する前記樹脂薄膜部分の前記リザーバ凹部とは反対側は、前記リザーバ凹部の形成面とは反対側の表面からダイアフラム部まで掘り込まれて形成された空間部となっていることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記樹脂薄膜はジパラキシリレンで構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記樹脂薄膜の下地に金属薄膜が形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記金属薄膜は白金膜であることを特徴とする請求項4記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記白金膜は、前記リザーバ基板の表面に直接形成されていることを特徴とする請求項5記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記空間部を、前記リザーバ基板の前記キャビティ基板との接着面側に設けたことを特徴とする請求項2乃至請求項6の何れかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記空間部を、前記リザーバ基板の前記ノズル基板との接着面側に設けたことを特徴とする請求項2乃至請求項6の何れかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 請求項1乃至請求項8の何れかに記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
- 複数のノズル孔を有するノズル基板と、前記各ノズル孔に連通し、室内に圧力を発生させて前記ノズル孔より液滴を吐出する複数の独立した吐出室を有するキャビティ基板と、前記吐出室に対して共通に連通するリザーバを有し、前記ノズル基板と前記キャビティ基板との間に設けられるリザーバ基板とを少なくとも備え、前記リザーバの底面に圧力変動を緩衝する樹脂薄膜を備えたダイアフラム部を設けた液滴吐出ヘッドの製造方法であって、
前記リザーバ基板になるシリコン基材の一方の面から前記リザーバとなるリザーバ凹部をウェットエッチングにより形成する工程と、
前記シリコン基材の一方の面と該一方の面と反対側の面のうち、前記リザーバ凹部の開口部以外の表面をマスク部材で覆い、前記リザーバ凹部の内面全体に対して樹脂薄膜を形成する工程と、
前記マスク部材を除去する工程と、
前記反対側の面から前記樹脂薄膜が露呈するまで前記シリコン基材をドライエッチングで除去して前記ダイアフラム部を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。 - 前記樹脂薄膜を形成する工程はジパラキシリレンを蒸着する工程であることを特徴とする請求項10記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 前記シリコン基材の前記一方の面側を覆うマスク部材が、前記リザーバ凹部の開口部に対向する位置にのみ開口を有し、該開口が前記リザーバ凹部の開口部よりも小さいことを特徴とする請求項11記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 前記ジパラキシリレンを成膜する前に、下地膜として金属薄膜を成膜することを特徴とする請求項11又は請求項12記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 前記金属薄膜を成膜する工程は白金をスパッタする工程であること特徴とする請求項13記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 前記金属薄膜を成膜する工程の前に、前記リザーバ凹部が形成された前記シリコン基材の全面に液滴保護膜を形成する工程を有し、前記金属薄膜を成膜する工程では、前記液滴保護膜のうち、前記リザーバ凹部の内面に相当する部分の液滴保護膜を、マスク部材を介した異方性ドライエッチングにより選択的に除去し、当該除去部分に、前記金属薄膜を成膜することを特徴とする請求項14記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 前記ジパラキシリレン薄膜の表面を酸素プラズマで親水化処理することを特徴とする請求項11乃至請求項15の何れかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 前記ダイアフラム部を形成する際の前記ドライエッチングには、SF6プラズマを用いることを特徴とする請求項11乃至請求項16の何れかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
- 請求項10乃至請求項17のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置を製造することを特徴とする液滴吐出装置の製造方法。
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