JP2007210241A - 静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及びそれらの製造方法 - Google Patents

静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ボロン拡散層を用いずに、振動板の厚み精度の向上を図るとともに、絶縁膜の絶縁耐圧の低下を抑制すること。
【解決手段】液滴を吐出する単一または複数のノズル孔11を有するノズル基板1と、ノズル基板1との間で、ノズル孔11のそれぞれに連通する吐出室21となる凹部が形成されたキャビティ基板2と、吐出室21の底部にて構成される振動板8に所定のギャップを介して対向配置される個別電極5が形成された電極基板3とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記振動板8を、キャビティ基板2が電極基板3と接合される接合面に形成された絶縁膜6と、この絶縁膜6上でキャビティ基板2の表面全面に形成された導電膜7とから構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、静電駆動方式のインクジェットヘッド等に用いられる静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド及びそれらの製造方法に関する。
液滴を吐出するための液滴吐出ヘッドとして、例えばインクジェット記録装置に搭載される静電駆動方式のインクジェットヘッドが知られている。静電駆動方式のインクジェットヘッドは、一般に、ガラス基板上に形成された個別電極(固定電極)と、この個別電極に所定のギャップを介して対向配置された振動板(可動電極)とから構成される静電アクチュエータ部を備えている。そして、インク滴を吐出するための複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、このノズル基板に接合されノズル基板との間で上記ノズル孔に連通する吐出室、リザーバ等のインク流路が形成されたキャビティ基板とを備え、上記静電アクチュエータ部に静電気力を発生させることにより吐出室に圧力を加えて、選択されたノズル孔よりインク滴を吐出するようになっている。
静電駆動方式のインクジェットヘッドは、近年、高解像度化に伴い高密度化、高速度駆動の要求が一段と高まり、それに伴い静電アクチュエータもますます微小化する傾向にある。したがって、静電アクチュエータの加工精度も一段と向上させる必要に迫られている。
従来、静電アクチュエータの加工精度を向上させる製造方法の一つとして、ボロン拡散層をエッチングストップとして用いる振動板の形成方法がある(例えば、特許文献1参照)。この方法は、シリコン基板をウェットエッチングすると、ボロン拡散層の表面でエッチングストップがかかるため、ボロン拡散層の厚さでもって振動板の厚み精度を出そうとするものである。
特開平9−234873号公報(第4頁、図5)
しかしながら、振動板の厚さが薄くなるにつれて、表面荒れや結晶欠陥などの原因により、振動板の厚み精度のバラツキや、振動板に穴が開いたりするなどの不良が目立つようになってきた。また、振動板と個別電極との間には酸化シリコンからなる絶縁膜を介在させているが、この絶縁膜内にボロンが拡散して絶縁膜の絶縁耐圧が低下するといった不具合が発生している。
本発明は、上記のような課題を解決するために提案するものであり、その目的とするところは、ボロン拡散層を用いずに、振動板の厚み精度の向上を図るとともに、絶縁膜の絶縁耐圧の低下を抑制することにある。
前記課題を解決するため、本発明に係る静電アクチュエータは、基板上に形成された固定電極と、この固定電極に所定のギャップを介して対向配置された可動電極と、前記固定電極と前記可動電極との間に静電気力を発生させて該可動電極に変位を生じさせる駆動手段とを備えた静電アクチュエータにおいて、前記可動電極が、前記固定電極に所定のギャップを介して対向配置された絶縁膜と、この絶縁膜上に形成された導電膜とから構成されているものである。
本発明では、可動電極が、固定電極に所定のギャップを介して対向配置された絶縁膜と、この絶縁膜上に形成された導電膜とから構成されており、従来のようにボロン拡散層により可動電極を構成するものではないので、絶縁膜の絶縁耐圧の低下を抑制できるとともに、可動電極の厚み精度を向上することができる。
前記絶縁膜を酸化シリコンよりも比誘電率が高い誘電材料により構成することにより、絶縁耐圧を向上させることができ、また、前記導電膜を金属材料により構成することにより、可動電極の導電性を確保することができる。
また、本発明に係る静電アクチュエータの製造方法は、シリコン基板の片面に絶縁膜を形成する工程と、予め凹部内に固定電極が形成された電極基板に、前記シリコン基板を前記絶縁膜を介して接合する工程と、接合後の前記シリコン基板を薄板に加工する工程と、薄板に加工された前記シリコン基板からエッチングによりシリコンを除去して、少なくとも前記固定電極に対向する部分に前記絶縁膜を残す工程と、前記絶縁膜上に導電膜を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、片面に絶縁膜を形成したシリコン基板を電極基板に接合してからそのシリコン基板を薄板化し、その後エッチングによりシリコンを除去して絶縁膜の部分だけを残し、ついでその絶縁膜の上に導電膜を形成するものであるので、絶縁膜の絶縁耐圧の低下が抑制された厚み精度の高い可動電極をもつ静電アクチュエータを製造することができる。
また、本発明の静電アクチュエータの製造方法においては、上記のように絶縁膜には、酸化シリコンよりも比誘電率が高い誘電材料を用いるものとし、導電膜には、金属材料を用いるものとする。
また、前記絶縁膜を残す工程は、ドライエッチングまたはウェットエッチング後にドライエッチングを行うものとする。
ドライエッチングでシリコン基板をエッチングすれば、絶縁膜の表面で確実にエッチングストップがかかるため、絶縁膜をバラツキの少ない高精度の厚み精度で形成することができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、液滴を吐出する単一または複数のノズル孔を有するノズル基板と、前記ノズル基板との間で、前記ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室となる凹部が形成されたキャビティ基板と、前記吐出室の底部にて構成される振動板に所定のギャップを介して対向配置される個別電極が形成された電極基板とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記振動板は、前記キャビティ基板が前記電極基板と接合される接合面に形成された絶縁膜と、この絶縁膜上で前記キャビティ基板の表面全面に形成された導電膜とから構成されていることを特徴とする。
したがって、本発明の液滴吐出ヘッドは、絶縁膜の絶縁耐圧の低下を抑制でき、振動板の厚み精度を向上することができるので、ノズルの高密度化および駆動の高速化に適した液滴吐出ヘッドを提供することができる。
また、本発明の液滴吐出ヘッドにおいても、前記絶縁膜を酸化シリコンよりも比誘電率が高い誘電材料により構成するものとし、前記導電膜を金属材料により構成するものとする。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、液滴を吐出する単一または複数のノズル孔を有するノズル基板と、前記ノズル基板との間で、前記ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室となる凹部が形成されたキャビティ基板と、前記吐出室の底部にて構成される振動板に所定のギャップを介して対向配置される個別電極が形成された電極基板とを備えた液滴吐出ヘッドの製造方法において、シリコン基板の片面に絶縁膜を形成する工程と、
予め凹部内に前記個別電極が形成された前記電極基板に、前記シリコン基板を前記絶縁膜を介して接合する工程と、接合後の前記シリコン基板を薄板に加工する工程と、薄板に加工された前記シリコン基板からエッチングによりシリコンを除去して、前記吐出室の底部に前記絶縁膜を残す工程と、前記キャビティ基板の表面全面に導電膜を形成する工程と、を有することを特徴とする。
したがって、本発明によれば、絶縁膜の絶縁耐圧の低下を抑制でき、振動板の厚み精度を向上することができるので、ノズルの高密度化および駆動の高速化に適した液滴吐出ヘッドを製造することができる。
また、前記絶縁膜には、酸化シリコンよりも比誘電率が高い誘電材料を用いるものとし、前記導電膜には、金属材料を用いるものとする。
また、前記絶縁膜を残す工程は、ドライエッチングまたはウェットエッチング後にドライエッチングを行うものとする。
以下、本発明を適用した静電アクチュエータを備える液滴吐出ヘッドの実施形態を図面に基づいて説明する。ここでは、液滴吐出ヘッドの一例として、ノズル基板の表面に設けられたノズル孔からインク滴を吐出するフェイス吐出型の静電駆動方式のインクジェットヘッドについて図1乃至図3を参照して説明する。なお、本発明は、以下の図に示す構造、形状に限定されるものではなく、基板の端部に設けられたノズル孔からインク滴を吐出するエッジ吐出型の液滴吐出ヘッドにも同様に適用することができるものである。
図1は、本実施形態に係るインクジェットヘッドの概略構成を分解して示す分解斜視図であり、一部を断面で表してある。図2は、図1の右半分の概略構成を示すインクジェットヘッドの断面図であり、図3は、図2のインクジェットヘッドの上面図である。なお、図1および図2では、通常使用される状態とは上下逆に示されている。
本実施形態のインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッドの一例)10は、図1および図2に示すように、複数のノズル孔11が所定のピッチで設けられたノズル基板1と、各ノズル孔11に対して独立にインク供給路が設けられたキャビティ基板2と、キャビティ基板2に設けられた振動板8に対峙して個別電極5が配設された電極基板3とを貼り合わせることにより構成されている。
インクジェットヘッド10のノズル孔11ごとに設けられる静電アクチュエータ部4は、固定電極として、電極基板3の凹部32内に形成された個別電極5と、可動電極として、個別電極5に所定のギャップGを介して対向配置された絶縁膜6および導電膜7からなる振動板8とにより構成されている。
絶縁膜6は、酸化シリコンよりも比誘電率の高い誘電材料、例えばアルミナ(Al23)等のセラミックスにより構成されている。
導電膜7は、振動板の導電性を確保するために金属材料、例えばチタン(Ti)により構成されている。その他には、プラチナ(Pt)やニッケル(Ni)等を用いてもよい。あるいは、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)を用いることもできる。また、導電膜7の選定にあたっては、吐出材料として使用する液状材料に対する耐薬品性や耐腐食性、熱膨張係数がシリコンに近いものなどを考慮して選ぶことが必要である。この点からチタンは導電膜材料として好適なものである。
そして、個別電極5の端子部と、キャビティ基板2の電極基板3との接合面と反対の上面全体に共通電極として形成される導電膜7とに、駆動手段として、ドライバICなどの駆動制御回路9が図2、図3に示すように配線接続される。この駆動制御回路9によって、個別電極5と振動板8との間に静電気力を発生させ振動板8を変位させる。
以下、各基板の構成についてさらに詳細に説明する。
ノズル基板1は、例えばシリコン基板から作製されている。インク滴を吐出するためのノズル孔11は、例えば径の異なる2段の円筒状に形成されたノズル孔部分、すなわち径の小さい噴射口部分11aとこれよりも径の大きい導入口部分11bとから構成されている。噴射口部分11aおよび導入口部分11bは基板面に対して垂直にかつ同軸上に設けられており、噴射口部分11aは先端がノズル基板1の表面に開口し、導入口部分11bはノズル基板1の裏面(キャビティ基板2と接合される接合側の面)に開口している。
また、ノズル基板1には、キャビティ基板2の吐出室とリザーバとを連通するオリフィス12が形成されている。
ノズル孔11を噴射口部分11aとこれよりも径の大きい導入口部分11bとから2段に構成することにより、インク滴の吐出方向をノズル孔11の中心軸方向に揃えることができ、安定したインク吐出特性を発揮させることができる。すなわち、インク滴の飛翔方向のばらつきがなくなり、またインク滴の飛び散りがなく、インク滴の吐出量のばらつきを抑制することができる。また、ノズル密度を高密度化することが可能である。
キャビティ基板2は、例えば面方位が(110)のシリコン基板から作製されている。キャビティ基板2には、インク流路に設けられる吐出室21となる凹部22、およびリザーバ23となる凹部24がエッチングにより形成されている。凹部22は前記ノズル孔11に対応する位置に独立に複数形成される。したがって、図2に示すようにノズル基板1とキャビティ基板2を接合した際、各凹部22は吐出室21を構成し、それぞれノズル孔11に連通しており、またインク供給口である前記オリフィス12ともそれぞれ連通している。そして、吐出室21(凹部22)の底部が上記振動板8となっている。
凹部24は、インク等の液状材料を貯留するためのものであり、各吐出室21に共通のリザーバ(共通インク室)23を構成する。そして、リザーバ23(凹部24)はそれぞれオリフィス12を介して全ての吐出室21に連通している。また、リザーバ23の底部には後述する電極基板3を貫通する孔が設けられ、この孔のインク供給孔33を通じて図示しないインクカートリッジからインクが供給されるようになっている。
電極基板3は、例えばガラス基板から作製される。中でも、キャビティ基板2のシリコン基板と熱膨張係数の近い硼珪酸系の耐熱硬質ガラスを用いるのが適している。これは、電極基板3とキャビティ基板2を陽極接合する際、両基板の熱膨張係数が近いため、電極基板3とキャビティ基板2との間に生じる応力を低減することができ、その結果剥離等の問題を生じることなく電極基板3とキャビティ基板2を強固に接合することができるからである。
電極基板3には、キャビティ基板2の各振動板8に対向する表面位置にそれぞれ凹部32が設けられている。凹部32は、エッチングにより深さ約0.3μmで形成されている。そして、各凹部32内には、一般に、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)からなる個別電極5が、例えば0.1μmの厚さでスパッタにより形成される。したがって、振動板8と個別電極5との間に形成されるギャップ(空隙)Gは、この凹部32の深さ、個別電極5および振動板8を覆う絶縁膜6の厚さにより決まることになる。このギャップGはインクジェットヘッドの吐出特性に大きく影響する。
個別電極5は、フレキシブル配線基板(図示せず)に接続される端子部5aを有する。端子部5aは、図2、図3に示すように、配線のためにキャビティ基板2の末端部が開口された電極取り出し部34内に露出している。
また、振動板8と個別電極5との間に形成されるギャップGの開放端部はエポキシ等の樹脂による封止材35で封止される。これにより、湿気や塵埃等が電極間ギャップへ侵入するのを防止することができ、インクジェットヘッド10の信頼性を高く保持することができる。
上述したように、ノズル基板1、キャビティ基板2、および電極基板3は、図2に示すように貼り合わせることによりインクジェットヘッド10の本体部が作製される。すなわち、キャビティ基板2と電極基板3は陽極接合により接合され、そのキャビティ基板2の上面(図2において上面)にノズル基板1が接着等により接合される。
そして最後に、図2、図3に簡略化して示すように、ドライバIC等の駆動制御回路9が各個別電極5の端子部5aとキャビティ基板2上面の導電膜7とに上記フレキシブル配線基板(図示せず)を介して接続される。
以上により、インクジェットヘッド10が完成する。
次に、以上のように構成されるインクジェットヘッド10の動作を説明する。
駆動制御回路9は、個別電極5に電荷の供給および停止を制御する発振回路である。この発振回路は例えば24kHzで発振し、個別電極5に例えば0Vと30Vのパルス電位を印加して電荷供給を行う。発振回路が駆動し、個別電極5に電荷を供給して正に帯電させると、振動板8は負に帯電し、個別電極5と振動板8間に静電気力(クーロン力)が発生する。したがって、この静電気力により振動板8は個別電極5に引き寄せられて撓む(変位する)。これによって吐出室21の容積が増大する。そして、個別電極5への電荷の供給を止めると振動板8はその弾性力により元に戻り、その際、吐出室21の容積が急激に減少するため、そのときの圧力により吐出室21内のインクの一部がインク滴としてノズル孔11より吐出する。振動板8が次に同様に変位すると、インクがリザーバ23からオリフィス12を通じて吐出室21内に補給される。
本実施形態のインクジェットヘッド10の静電アクチュエータ部4は、前述したように、電極基板3の凹部32内に形成された個別電極5と、個別電極5に所定のギャップGを介して対向配置された絶縁膜6および導電膜7からなる振動板8とにより構成されており、振動板8に従来のようにボロン拡散層を用いずに、絶縁膜6を酸化シリコンよりも比誘電率の高い誘電材料により形成しているため、インクジェットヘッド10の駆動時における絶縁膜6の絶縁耐圧を向上させることができる。
そして、この誘電材料からなる絶縁膜6の表面には導電性を確保するために導電膜7が形成されて振動板8を構成するものであるため、振動板8の厚み精度を向上させることができる。
また、導電膜7にチタンなどの耐薬品性が良好な金属材料を用いることにより、キャビティ基板2のインク保護膜を省略できるメリットもある。
したがって、このインクジェットヘッド10は、上記のように構成された静電アクチュエータ部4を備えているので、静電アクチュエータ部4を微小化しても駆動耐久性に優れ、高速駆動および高密度化が可能となる。
次に、このインクジェットヘッド10の製造方法について図4、図5を参照して説明する。ここでは、静電アクチュエータの製造方法を中心に概要を説明するものとする。
(1)絶縁膜の形成工程
まず、前記キャビティ基板2の元になる被加工基板として、例えば厚さが280μmのシリコン基板200を用意し、このシリコン基板200の片面に、スパッタ法により、例えばアルミナを厚さ0.2μmで成膜し絶縁膜6を形成する(図4(a))。
(2)接合工程
次に、このシリコン基板200を予め凹部32内に個別電極5が形成された電極ガラス基板300の表面に絶縁膜6を介して陽極接合する(図4(b))。なお、電極ガラス基板300にはインク供給孔33となる穴がマイクロブラスト加工方法等により加工されている。
(3)薄板化加工工程
接合済みシリコン基板200の表面全面をウェットエッチングまたは研削加工して、厚さを例えば50μm程度に薄くする(図4(c))。
(4)シリコンエッチング工程
次に、薄板に加工された接合済みシリコン基板200の表面にフォトリソグラフィーによってレジストパターニングを行い、ドライエッチングでシリコンを除去する(図4(d))。これによって、吐出室21となる凹部22、リザーバ23となる凹部24および電極取り出し部34となる凹部25が形成される。その際、ICP(Inductively Coupled Plasma)放電によるドライエッチングを行うと、絶縁膜6の表面でエッチングストップがかかるので、吐出室21の凹部22の底部は絶縁膜6のみが残ることになり、しかもその凹部22内の底面は面荒れがなく、かつ絶縁膜6がスパッタ法により成膜されるため膜厚を高い厚み精度で形成することができる。なお、この工程では、途中までウェットエッチングを行い、最後はドライエッチングとする加工方法でもよい。また、リザーバ23の凹部24、電極取り出し部34の凹部25はエッチングの開始を遅らせることで、底部に所要の厚さのシリコンを残す。凹部25の底部は絶縁膜6だけでもよい。
(5)導電膜の形成工程
凹部22、24、25をエッチング加工後、凹部25以外を開口させたシリコンマスク201を用いて、シリコン基板200の表面全面にスパッタ法により例えばチタンを厚さ0.8μmで成膜して導電膜7を形成する(図4(e))。これにより、キャビティ基板2が作製される。また、振動板8は絶縁膜6と導電膜7の合計厚さが例えば1.0μmとなる。したがって、振動板8を高精度の厚み精度で形成することができる。
(6)ノズル基板の接合工程
次に、マイクロブラスト加工等により、凹部25の底部を除去して電極取り出し部34を開口するとともに、凹部24の底部を貫通させてインク供給孔33を形成する。その後、上記により形成されたキャビティ基板2の表面上に、予めノズル孔11等が形成されたノズル基板1を接着により接合する(図5(f))。
(7)ダイシング工程
そして、振動板8と個別電極5間のギャップ開放端部をエポキシ接着剤等の封止材35で封止した後、ダイシングにより個々のヘッドチップに切断すれば、上述したインクジェットヘッド10の本体部が完成する(図5(g))。
本実施形態のインクジェットヘッド10の製造方法によれば、キャビティ基板2を、予め作製された電極ガラス基板300に接合した状態のシリコン基板200から作製するものであるので、その電極ガラス基板300によりキャビティ基板2を支持した状態となるため、キャビティ基板2を薄板化しても、割れたり欠けたりすることがなく、ハンドリングが容易となる。したがって、キャビティ基板2を単独で製造する場合よりも歩留まりが向上する。
さらに、ボロン拡散を行わずに、酸化シリコンよりも比誘電率の高い誘電材料からなる絶縁膜6を使用しているため、絶縁膜6の絶縁耐圧を向上させることができるとともに、振動板8の厚み精度を高精度に形成することができる。
上記の実施形態では、静電アクチュエータおよびインクジェットヘッド、ならびにこれらの製造方法について述べたが、本発明は上記の実施形態に限定されるものでなく、本発明の思想の範囲内で種々変更することができる。例えば、ノズル孔より吐出される液状材料を変更することにより、インクジェットプリンタのほか、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、遺伝子検査等に用いられる生体分子溶液のマイクロアレイの製造など様々な用途の液滴吐出装置として利用することができる。
本発明の実施形態に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す分解斜視図。 図1の右半分の概略構成を示すインクジェットヘッドの断面図。 図2のインクジェットヘッドの上面図。 本発明のインクジェットヘッドの製造方法を示す製造工程の断面図。 図4に続く製造工程を示す断面図。
符号の説明
1 ノズル基板、2 キャビティ基板、3 電極基板、4 静電アクチュエータ部、5 個別電極(固定電極)、6 絶縁膜、7 導電膜、8 振動板(可動電極)、9 駆動制御回路(駆動手段)、10 インクジェットヘッド、11 ノズル孔、12 オリフィス21 吐出室、22 凹部、23 リザーバ、24 凹部、25 凹部、32 凹部、33 インク供給孔、34 電極取り出し部、35 封止材、200 シリコン基板、201 シリコンマスク、300 電極ガラス基板。

Claims (14)

  1. 基板上に形成された固定電極と、この固定電極に所定のギャップを介して対向配置された可動電極と、前記固定電極と前記可動電極との間に静電気力を発生させて該可動電極に変位を生じさせる駆動手段とを備えた静電アクチュエータにおいて、
    前記可動電極が、前記固定電極に所定のギャップを介して対向配置された絶縁膜と、この絶縁膜上に形成された導電膜とから構成されていることを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 前記絶縁膜は、酸化シリコンよりも比誘電率が高い誘電材料により構成されていることを特徴とする請求項1記載の静電アクチュエータ。
  3. 前記導電膜は、金属材料により構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の静電アクチュエータ。
  4. シリコン基板の片面に絶縁膜を形成する工程と、
    予め凹部内に固定電極が形成された電極基板に、前記シリコン基板を前記絶縁膜を介して接合する工程と、
    接合後の前記シリコン基板を薄板に加工する工程と、
    薄板に加工された前記シリコン基板からエッチングによりシリコンを除去して、少なくとも前記固定電極に対向する部分に前記絶縁膜を残す工程と、
    前記絶縁膜上に導電膜を形成する工程と、
    を有することを特徴とする静電アクチュエータの製造方法。
  5. 前記絶縁膜には、酸化シリコンよりも比誘電率が高い誘電材料を用いることを特徴とする請求項4記載の静電アクチュエータの製造方法。
  6. 前記導電膜には、金属材料を用いることを特徴とする請求項4または5記載の静電アクチュエータの製造方法。
  7. 前記絶縁膜を残す工程は、ドライエッチングまたはウェットエッチング後にドライエッチングを行うことを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の静電アクチュエータの製造方法。
  8. 液滴を吐出する単一または複数のノズル孔を有するノズル基板と、前記ノズル基板との間で、前記ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室となる凹部が形成されたキャビティ基板と、前記吐出室の底部にて構成される振動板に所定のギャップを介して対向配置される個別電極が形成された電極基板とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記振動板は、前記キャビティ基板が前記電極基板と接合される接合面に形成された絶縁膜と、この絶縁膜上で前記キャビティ基板の表面全面に形成された導電膜とから構成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  9. 前記絶縁膜は、酸化シリコンよりも比誘電率が高い誘電材料により構成されていることを特徴とする請求項8記載の液滴吐出ヘッド。
  10. 前記導電膜は、金属材料により構成されていることを特徴とする請求項8または9記載の液滴吐出ヘッド。
  11. 液滴を吐出する単一または複数のノズル孔を有するノズル基板と、前記ノズル基板との間で、前記ノズル孔のそれぞれに連通する吐出室となる凹部が形成されたキャビティ基板と、前記吐出室の底部にて構成される振動板に所定のギャップを介して対向配置される個別電極が形成された電極基板とを備えた液滴吐出ヘッドの製造方法において、
    シリコン基板の片面に絶縁膜を形成する工程と、
    予め凹部内に前記個別電極が形成された前記電極基板に、前記シリコン基板を前記絶縁膜を介して接合する工程と、
    接合後の前記シリコン基板を薄板に加工する工程と、
    薄板に加工された前記シリコン基板からエッチングによりシリコンを除去して、前記吐出室の底部に前記絶縁膜を残す工程と、
    前記キャビティ基板の表面全面に導電膜を形成する工程と、
    を有することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  12. 前記絶縁膜には、酸化シリコンよりも比誘電率が高い誘電材料を用いることを特徴とする請求項11記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  13. 前記導電膜には、金属材料を用いることを特徴とする請求項11または12記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  14. 前記絶縁膜を残す工程は、ドライエッチングまたはウェットエッチング後にドライエッチングを行うことを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010131900A (ja) * 2008-12-05 2010-06-17 Seiko Instruments Inc サーマルヘッドの製造方法

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