JP2007253390A - ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法 - Google Patents

ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄板化処理した後にノズル孔内部に異物が侵入することがない高歩留まりのノズル基板の製造方法等を提供する。
【解決手段】小径孔11a先端が基材100により閉じられ大径孔11b基端が基材100表面に開口されて2段形状で連通されたノズル孔11をエッチング加工によってシリコン基材100に形成する工程と、シリコン基材100の大径孔11b側の面にワックス層50aを形成する工程と、シリコン基材100のワックス層50aが形成された側の面と支持基板120とを貼り合わせる工程と、シリコン基材100の小径孔11a側の面100bを薄板化して小径孔11aの先端部を開口する工程と、シリコン基材100を撥インク処理する工程と、支持基板120を剥離する工程と、シリコン基材100に形れたワックス層50aをアルカリ性溶剤によって溶解して除去する工程を含む。
【選択図】図7

Description

本発明は、ノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法に関する。
液滴を吐出するための液滴吐出ヘッドとしては、例えばインクジェット記録装置に搭載されるインクジェットヘッドが知られている。インクジェットヘッドは、記録時の騒音が極めて小さいこと、高速印字が可能であること、インクの自由度が高く安価な普通紙を使用できることなど、多くの利点を有する。この中でも記録が必要なときにのみインク液滴を吐出する、いわゆるインク・オン・デマンド方式が、記録に不要なインク液滴の回収を必要としないため、現在主流となってきている。このインク・オン・デマンド方式のインクジェットヘッドには、インクを吐出させる方法として、駆動手段に静電気力を利用したものや、圧電振動子や発熱素子等を用いたものがある。
インクジェットヘッドは、一般に、インク滴を吐出させるための複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、このノズル基板に接合されノズル基板との間で上記ノズル孔に連通する吐出室、リザーバ等のインク流路が形成されたキャビティ基板とを備え、駆動部によって吐出室に圧力を加えることにより、選択されたノズル孔よりインク滴を吐出するようになっている。
近年、インクジェットヘッドに対して、印字、画質等の高品位化の要求が強まり、高密度化並びに吐出性能の向上が要求されている。このため、インクジェットヘッドのノズル部に関して、様々な工夫、提案がなされている。
このようなインクジェットヘッドにおいて、インク吐出特性を改善するためには、ノズル部の流路抵抗を調整し、最適なノズル長さになるように、基板の厚さを調整することが望ましい。このようなノズル基板を作製する場合、シリコン基材の一方の面からICP(Inductively Coupled Plasma)放電を用いた異方性ドライエッチングを施し、内径の異なる第1の凹部(噴射口部分となる小径凹部)と第2の凹部(導入口部分となる大径凹部)を2段に形成した後、反対の面から一部分を異方性ウェットエッチングにより掘下げ、ノズル孔の長さを調整する方法が採られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、あらかじめシリコン基材を所望の厚みに研磨した後、シリコン基材の両面にそれぞれドライエッチング加工を施して、ノズル孔の噴射口部分と導入口部分を形成する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−28820号公報(第4頁−5頁、図3、図4) 特開平9−57981号公報(第2頁−3頁、図1、図2)
特許文献1記載の技術では、ノズル孔が開口する吐出面がノズル基板の表面から一段下がった凹部の底面に位置するため、インク滴の飛行曲がりが生じたり、あるいはノズル孔の目詰まりの原因となる紙粉、インク等が吐出面である凹部底面に付着したとき、これらをゴム片あるいはフェルト片等で払拭するが、ワイピング作業は容易ではなかった。
特許文献2記載の技術では、製造工程中にシリコン基材が割れ易く、そのため高価になってしまう。また、ドライエッチング加工の際に、加工形状が安定するように基材の裏面からHeガス等で冷却を行うが、ノズル孔の貫通時にHeガスがリークして、エッチングが不可能になる場合があった。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、シリコン基材を薄板化加工するときには貼り合せ材を貼り合せてシリコン基材を破損させることがなく、加工処理後にはノズル孔内部に貼り合せ材等の異物が侵入することがない、高歩留まりのノズル基板の製造方法、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るノズル基板の製造方法は、小径孔先端が基材により閉じられ大径孔基端が基材表面に開口されて2段形状で連通されたノズル孔をエッチング加工によってシリコン基材に形成する工程と、前記シリコン基材の大径孔側の面にワックス層を形成する工程と、前記シリコン基材の前記ワックス層が形成された側の面と支持基板とを貼り合わせる工程と、前記シリコン基材の小径孔側の面を薄板化して該小径孔の先端部を開口する工程と、前記シリコン基材の小径孔側の面を撥インク処理する工程と、前記支持基板を前記シリコン基材より剥離する工程と、前記シリコン基材に形成された前記ワックス層をアルカリ性溶剤によって溶解して除去する工程を含むものである。
これにより、シリコン基材にノズル孔が形成される際にノズル孔が最適の長さになるように基材の厚さを円滑に調整することができ、このとき支持基板によって支持されるので、シリコン基材が割れることがない。また、シリコン基材の製造工程において、シリコン基材の大径孔側の面にワックス層が形成されるので、ノズル孔の内部に貼り合せ材である接着樹脂などの異物が侵入することがなく、高歩留まりで生産性の高いノズル基板を製造することができる。さらに、シリコン基材と支持基板の間に形成されたワックス層を除去する際にアルカリ性溶剤に浸漬させるようにしたので、シリコン基材表面やノズル孔内壁に付着しているワックスを確実に除去することができる。
また、本発明に係るノズル基板の製造方法は、液状ワックスを常圧雰囲気下で前記シリコン基材の大径孔側の面に塗布して前記ワックス層を形成するようにしたものである。
液状ワックスを常圧雰囲気下で塗布することができ、真空装置を必要としない。
また、本発明に係るノズル基板の製造方法は、前記液状ワックスを20Pa以下の減圧環境下で前記シリコン基材の大径孔側の面に塗布して前記ワックス層を形成するようにしたものである。
液状ワックスを減圧環境下で塗布することができ、液状ワックスをノズル基板の表面のみならずノズル孔内にも充填することができる。
また、本発明に係るノズル基板の製造方法は、前記シリコン基材への前記液状ワックスの塗布を真空下で行うようにしたものである。
液状ワックスを真空下で塗布することができ、液状ワックスをノズル基板の表面のみならずノズル孔内にも確実に充填することができる。そして、ノズル孔内に液状ワックスを充填してワックス層を形成したため、ノズル孔内に研削異物が侵入することがなく、シリコン基材を薄板化した後のノズル孔内の洗浄が不要になる。
また、本発明に係るノズル基板の製造方法は、前記シリコン基材への前記液状ワックスの塗布をスピンコータで行うようにしたものである。
これにより、液状ワックスを塗布する際の塗布むらをなくすことができる。
また、本発明に係るノズル基板の製造方法は、前記シリコン基材の大径側の面に形成された前記ワックス層と前記支持基板との間に貼り合せ材を設けて、前記シリコン基材と前記支持基板を貼り合わせるようにしたものである。
これにより、シリコン基材のワックス層が形成された側の面と前記支持基板とが確実に貼り合わされるので、製造工程中にシリコン基材が割れることがない。
また、本発明に係るノズル基板の製造方法は、前記貼り合せ剤が樹脂または両面接着シートからなるものである。
接着面に紫外線などによって接着力が低下する自己剥離層を設けた場合は、紫外線などを照射することによって支持基板をシリコン基材から容易に剥離することができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、上記いずれかに記載のノズル基板の製造方法を適用して液滴吐出ヘッドを製造するようにしたものである。
これにより、高歩留まりで生産性の高い液滴吐出ヘッドを得ることができる。
本発明に係る液滴吐出装置の製造方法は、上記いずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置を製造するようにしたものである。
これにより、高歩留まりで生産性の高い液滴吐出ヘッドを有する液滴吐出装置を得ることができる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)の分解斜視図、図2は図1の要部の縦断面図である。図において、インクジェットヘッド10は、複数のノズル孔11が所定の間隔で設けられたノズル基板1と、各ノズル孔11に対して独立にインク供給路が設けられたキャビティ基板2と、キャビティ基板2の振動板22に対峙して個別電極31が設けられた電極基板3とを貼り合わせて構成したものである。
ノズル基板1はシリコン基材から作製されている。インク滴を吐出するためのノズル孔11は、径の異なる2段の円筒状に形成されたノズル孔部分、すなわちインク吐出面1b側に位置して先端がこのインク吐出面1bに開口する径の小さい第1のノズル孔(噴射口部分の小径孔)11aと、キャビティ基板2と接合する接合面1a側に位置して導入口部分が接合面1aに開口する径の大きい第2のノズル孔(導入口部分の大径孔)11bとから構成され、基板面に対して垂直にかつ同軸上に設けられている。こうして、インク滴の吐出方向をノズル孔11の中心軸方向に揃え、安定したインク吐出特性を発揮させることによって、インク滴の飛翔方向のばらつきをなくし、インク滴の飛び散りをなくすことにより、インク滴の吐出量のばらつきを抑制することができる。
キャビティ基板2はシリコン基材から作製されており、吐出凹部210、オリフィス凹部230およびリザーバ凹部240が形成されている。そして、オリフィス凹部230(オリフィス23)を介して吐出凹部210(吐出室21)とリザーバ凹部240(リザーバ24)とが連通している。リザーバ24は各吐出室21に共通の共通インク室を構成し、それぞれオリフィス23を介してそれぞれの吐出室21に連通している。リザーバ24の底部には後述する電極基板3を貫通するインク供給孔25が形成され、このインク供給孔25を通じて、図示しないインクカートリッジからインクが供給される。また、吐出室21の底壁は振動板22となっている。なお、キャビティ基板2の全面もしくは少なくとも電極基板3との対向面には、熱酸化やプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によりなる絶縁性のSiO2 膜26が施されている。この絶縁膜26は、インクジェットヘッド10を駆動させたときに、絶縁破壊やショートを防止する。
電極基板3はガラス基材から作製されている。電極基板3には、キャビティ基板2の各振動板22に対向する位置にそれぞれ凹部310が設けられている。そして、各凹部310内には、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)からなる個別電極31がスパッタにより形成されている。
個別電極31は、リード部31aと、フレキシブル配線基板(図示せず)に接続される端子部31bとを備えている。端子部31bは、配線のためにキャビティ基板2の末端部が開口された電極取り出し部311内に露出している。そして、ICドライバ等の駆動制御回路40を介して、各個別電極31の端子部31bとキャビティ基板2上の共通電極27とが接続されている。
次に、上記のように構成したインクジェットヘッド10の動作を説明する。駆動制御回路40が駆動し、個別電極31に電荷を供給してこれを正に帯電させると、振動板22は負に帯電し、個別電極31と振動板22の間に静電気力が発生する。この静電気力によって、振動板22は個別電極31に引き寄せられて撓む。これによって、吐出室21の容積が増大する。個別電極31への電荷の供給を止めると、振動板22はその弾性力により元に戻り、その際、吐出室21の容積が急激に減少して、そのときの圧力により吐出室21内のインクの一部がインク滴としてノズル孔11より吐出する。振動板22が次に同様に変位すると、インクがリザーバ24からオリフィス23を通って吐出室21内に補給される。
上記のように構成されたインクジェットヘッド10の製造方法について、図3〜図13を用いて説明する。図3は本発明の実施の形態1に係るノズル基板1を示す上面図、図4〜図10はノズル基板1の製造工程を示す断面図(図3をA−A線で切断した断面図)、図11〜図12はキャビティ基板2と電極基板3との接合工程を示す断面図、図13はキャビティ基板2と電極基板3との接合基板にノズル基板1を接合してインクジェットヘッド10を製造する製造工程を示す断面図である。
まず、ノズル基板1の製造工程を、図4〜図10を用いて以下に説明する。
(a) 図4(a)に示すように、厚み280μmのシリコン基材100を用意し、熱酸化装置(図示せず)にセットして酸化温度1075℃、酸化時間4時間、酸素と水蒸気の混合雰囲気中の条件で熱酸化処理し、シリコン基材100の表面に膜厚1μmのSiO2 膜101を均一に成膜する。
(b) 次に、図4(b)に示すように、シリコン基材100の接合面(キャビティ基板2と接合されることとなる面であって、大径孔側の面ともいう)100aにレジスト102をコーティングし、第2のノズル孔となる部分110aをパターニングする。
(c) 次に、図4(c)に示すように、シリコン基材100を、例えば緩衝フッ酸水溶液(フッ酸水溶液:フッ化アンモニウム水溶液=1:6)でハーフエッチングし、第2のノズル孔となる部分110aのSiO2 膜101を薄くする。このとき、インク吐出側の面(小径孔側の面ともいう)100bのSiO2 膜101もエッチングされ、SiO2 膜101の厚みが減少する。
(d) 次に、図4(d)に示すように、シリコン基材100のレジスト102を硫酸洗浄などにより剥離する。
(e) 次に、図5(e)に示すように、シリコン基材100の接合面100a側にレジスト103をコーティングし、第2のノズル孔となる部分110bをパターニングする。
(f) 次に、図5(f)に示すように、シリコン基材100を緩衝フッ酸水溶液(フッ酸水溶液:フッ化アンモニウム水溶液=1:6)でエッチングし、ノズル孔となる部分110bのシリコン基材100のSiO2 膜101を開口する。このとき、インク吐出側の面100bのSiO2 膜101はエッチングされ、完全に除去される。
(g) 次に、図5(g)に示すように、シリコン基材100の接合面100a側に設けたレジスト103を、硫酸洗浄などにより剥離する。
(h) 次に、図5(h)に示すように、ICPドライエッチング装置(図示せず)により、SiO2 膜101の開口部を、例えば深さ25μmで垂直に異方性ドライエッチングし、第1のノズル孔11aを形成する。この場合のエッチングガスとしては、C48、SF6 を使用し、これらのエッチングガスを交互に使用すればよい。ここで、C48は形成される溝の側面にエッチングが進行しないように溝側面を保護するために使用し、SF6 はシリコン基板100の垂直方向のエッチングを促進させるために使用する。
(i) 次に、図6(i)に示すように、第2のノズル孔となる部分のSiO2 膜101のみがなくなるように、緩衝フッ酸水溶液でハーフエッチングする。
(j) 次に、図6(j)に示すように、ICPドライエッチング装置によりSiO2 膜101の開口部を、深さ40μmで垂直に異方性ドライエッチングし、第2のノズル孔11bを形成する。
(k) 次に、シリコン基材100の表面に残るSiO2 膜101をフッ酸水溶液で除去した後、シリコン基材100を熱酸化装置(図示せず)にセットし、酸化温度1000℃、酸化時間2時間、酸素雰囲気中の条件で熱酸化処理を行い、図6(k)に示すように、シリコン基材100の接合面100a及びインク吐出側の面100bに、さらに第1のノズル孔11a及び第2のノズル孔11bの側面及び底面に、膜厚0.1μmのSiO2 膜104を均一に成膜する。
(l) 次に、図7(l)に示すように、シリコン基材100の接合面100a側に、保護膜となる液状ワックス50をスピンコータにより塗布する。このとき、液状ワックス50は、ノズル孔11を覆うようにして塗布する。このため、液状ワックス50の粘度は高い方がよい。なお、液状ワックス50の塗布は常圧雰囲気中にて行い、真空装置は用いない。この液状ワックス50は、シリコン基材100の微小孔内に入り込んでも、これをアルカリ性溶剤によって容易に溶かすことができる素材によって構成されている。液状ワックス50として、例えばスカイリキッド(Skyliquid )(登録商標、日化精互株式会社)が用いられている。特に「スカイリキッドLA−4011H」は、硬質で、軟化点が低く、剥離良好な液状ワックスであり、濃度選定により塗布膜の厚みを調整することができる。
すなわち、スカイリキッドLA−4011Hは、粘度が14(cp)、比重(25℃)が0.886、接着強度が21(N/mm2 )、固形分が40(%)であり、この溶媒は、トルエンレス、弱アルカリ系で洗浄することができて作業環境を重視しており、精密濾過によって平坦度のよいワックス層が得られ、加温せず、常温でスクレパー剥離ができる。こうして液状ワックス50をスピンコータにより塗布した後、液状ワックス50を高温にて焼き固め、ワックス層50aを形成する。
(m) 次に、図7(m)(以後、図8(p)に到るまで、図7(m)に示したシリコン基材100の上下を逆転した状態で示す)に示すように、シリコン基材100に設けたワックス層50aに、貼り合せ材である両面接着シート60を介して、ガラス等の透明部材よりなる支持基板120を貼り付ける。両面接着シート60には、例えば、セルファBG(登録商標:積水化学工業)を用いる。両面接着シート60は自己剥離層を持ったシート(自己剥離型シート)で、その両面には接着面を有し、その一方の面には自己剥離層61を備え、この自己剥離層61は紫外線または熱などの刺激によって接着力が低下するようになっている。
この場合、まず支持基板120に両面接着シート60(自己剥離層61を備えていない側の面60a)を貼り付け、その後、両面接着シート60の自己剥離層61を備えている側の面60bをシリコン基材100に設けたワックス層50aの表面と向かい合わせ、真空中で貼り合わせる。このようにして真空中で貼り合わせるのは、接着界面に気泡が残らない清浄な接着が可能になるからで、接着界面に気泡が残ると、研磨加工で薄板化されるシリコン基材100の板厚にばらつき等が生じてしまうからである。
なお、上記の説明では、両面接着シート60の一方の面60bにのみに自己剥離層61を備えた場合を示したが、自己剥離層61は両面接着シート60の両方の面60a,60bに設けたものであってもよい。この場合は、シリコン基材100の薄板化加工時には、両面接着シート60の両面60a,60bが接着した状態でシリコン基材100を加工することができ、処理後には自己剥離層を有する両面60a,60bにおいて、シリコン基材100と支持基板120とを剥離することができる。
なお、上記の説明では、ワックス層50a及び両面接着シート60を介してシリコン基材100と支持基板120とを貼り合わせているが、両面接着シート60の代わりにUV硬化樹脂を支持基板120に塗布して、シリコン基材100と支持基板120とを貼り合わせるようにしてもよい。
(n) 次に、図7(n)に示すように、シリコン基材100のインク吐出側の面100bをバックグラインダー(図示せず)によって研削加工し、第1のノズル孔11aの先端が開口するまでシリコン基材100を薄くする。なお、ポリッシャー、CMP装置によってノズル面100bを研磨し、第1のノズル孔11aの先端部の開口を行っても良い。シリコン基材100を薄板化する際に発生し、第1のノズル孔11a及び第2のノズル孔11b内に詰まった研磨材、研磨屑など研削異物は、洗浄によって除去する。
この場合、第1のノズル孔11aの先端部の開口を、ドライエッチングで行っても良い。例えば、SF6 をエッチングガスとするドライエッチングで、第1のノズル孔11aの先端部までシリコン基材100を薄くし、表面に露出した第1のノズル孔11aの先端部のSiO2 膜104を、CF4又はCHF3等のエッチングガスとするドライエッチングによって除去してもよい。
(o) 次に、図7(o)に示すように、シリコン基材100のインク吐出側の面100bに、スパッタ装置でSiO2 膜104を0.1μmの厚みで成膜する。ここで、SiO2 膜104の成膜は、両面接着シート60が劣化しない温度(200℃程度)以下で実施できればよく、スパッタリング法に限るものではない。ただし、耐インク性等を考慮すると緻密な膜を形成する必要があり、ECRスパッタ装置等の常温で緻密な膜を成膜できる装置を使用することが望ましい。
(p) 続いて、図8(p)に示すように、シリコン基材100のインク吐出側の面100bにさらに撥インク処理を施す。この場合、F原子を含む撥インク性を持った材料を蒸着やディッピングで成膜し、撥インク層106を形成する。このとき、第1のノズル孔11a及び第2のノズル孔11bの内壁も、撥インク処理される。
(q) 次に、図8(q)(以後、図8(w)に到るまで、図8(q)に示したシリコン基材100の上下を逆転した状態で示す)に示すように、撥インク処理されたインク吐出側の面100bに、ダイシングテープ70をサポートテープとして貼り付ける。
(r) 次に、図8(r)に示すように、支持基板120側からUV光を照射する。
(s) こうして、図8(s)に示すように、両面接着シート60の自己剥離層61をシリコン基材100の接合面100a側から剥離させ、支持基板120をシリコン基材100から取り外す。
(t) 次に、図9(t)に示すように、ダイシングテープ70を剥離する。
(u) 次に、図9(u)に示すように、シリコン基材100を溶剤80に浸漬し、シリコン基材100の表面及び第1のノズル孔11a、第2のノズル孔11bの内壁に付着しているワックス(スカイリキッド)層50aを、溶剤80で洗浄し剥離して、除去する。
この場合、ワックス層50aを剥離する溶剤80として、例えばキララクリーン(Kilalaclean )(登録商標)を使用する。特に「キララクリーン301」は、無色透明〜微乳濁液体であって、比重(25℃)1.028であり、ワックス(スカイリキッド)を有機溶剤を使わずに洗浄することができ、高純度アルカリ洗浄剤のため洗浄物を汚染することがなく、清浄な面を得ることができる。
ワックス層50aの洗浄にあたっては、溶剤80であるキララクリーン301を、例えば、常温、30倍希釈で使用する。洗浄時間は、2〜3分で、2槽、揺動を行うことで、むらなく洗浄することができる。
(v) シリコン基材100を溶剤80中より取り出し、図9(v)に示すように、シリコン基材100のインク吐出側の面100bに、ダイシングテープ70を貼り付ける。
(w) 次に、図9(w)に示すように、ArスパッタもしくはO2 プラズマ処理によって、シリコン基材100のインク吐出側の面100b及び第1のノズル孔11a、第2のノズル孔11bの内壁に余分に形成された撥インク層106を除去する。
(x) 次に、図10(x)(以後、図10(y)に到るまで、図10(x)に示したシリコン基材100の上下を逆転した状態で示す)に示すように、シリコン基材100の接合面100a(ダイシングテープ70が貼り付けられているインク吐出側の面100bと反対側に位置する面)を真空ポンプに接続する吸着治具90に吸着固定し、インク吐出側の面100bにサポートテープとして貼り付けられているダイシングテープ70を剥離する。
(y) 最後に、図10(y)に示すように、吸着治具90の吸着固定を解除して、シリコン基材100からノズル基板1を製作する。
シリコン基材100にはノズル基板外輪溝が彫られているため、吸着治具90からピックアップする段階でノズル基板1は個片に分割されている。
以上の製造工程を経ることにより、シリコン基材100よりノズル基板1を形成する。
次に、キャビティ基板2及び電極基板3の接合工程を、図11、図12を用いて説明する。なお、キャビティ基板2及び電極基板3の接合工程は、図11、図12に示されるものに限定されるものではない。
(a) まず、図11(a)に示すように、ホウ珪酸ガラス等からなるガラス基材300を、例えば金・クロムのエッチングマスクを使用して、フッ酸によってエッチングすることにより、凹部310を形成する。なお、この凹部310は電極31の形状より少し大きい溝状のものであって、複数形成する。
そして、凹部310の内部に、スパッタによってITO(Indium Tin Oxide)からなる電極31を形成する。その後、ドリル等によってインク供給孔25となる孔部25aを形成する。
(b) 次に、シリコン基材200の両面を鏡面研磨した後に、図11(b)に示すように、シリコン基材200の片面にプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition )によってTEOS(TetraEthylOrthosilicate )からなるシリコン酸化膜201を形成する。なお、シリコン酸化膜201を形成する前に、エッチングストップのためのボロンドープ層を形成するようにしてもよい。振動板22をボロンドープ層から形成することにより、厚み精度の高い振動板22を形成することができる。
(c) それから、図11(c)に示すように、図11(b)に示すシリコン基材200と、図11(a)に示すガラス基材300を例えば360℃に加熱し、シリコン基材200に陽極、ガラス基材300に陰極を接続して、800V程度の電圧を印加して陽極接合を行う。
(d) シリコン基材200とガラス基材300を陽極接合した後に、水酸化カリウム水溶液等で図11(c)の工程で得られた接合基板をエッチングすることにより、図11(d)に示すように、シリコン基材200の全体を薄板化する。
(e) それから、シリコン基材200の上面(ガラス基材300が接合されている面の反対面)の全面に、プラズマCVDによってTEOS膜202を形成する。
そしてこのTEOS膜202に、吐出室21となる凹部210、リザーバ24となる凹部240及びオリフィス23となる凹部230となる部分(図1参照)を形成するためのレジストをパターニングし、この部分のTEOS膜202をエッチング除去する。
その後、図12(e)に示すように、シリコン基材200を水酸化カリウム水溶液等でエッチングすることにより、吐出室21となる凹部210、リザーバ24となる凹部240及びオリフィス23となる凹部230を形成する。このとき、電極取出し部41となる部分41aもエッチングして薄板化しておく。なお、図12(e)のウェットエッチング工程では、例えば初めに35重量%の水酸化カリウム水溶液を使用し、その後3重量%の水酸化カリウム水溶液を使用することができる。これにより、振動板22の面荒れを抑制することができる。
(f) シリコン基材200のエッチングが終了した後に、接合基板をフッ酸水溶液でエッチングしてシリコン基材200に形成されたTEOS膜202を除去する。そして、図12(f)に示すように、ガラス基材300のインク供給孔25となる孔部25aにレーザー加工を施し、インク供給孔25がガラス基材300を貫通するようにする。こうして、電極基板3が製造される。
(g) 次に、シリコン基材200の吐出室21となる凹部210等が形成された面に、図12(g)に示すように、例えばCVDによってTEOS等からなる液滴保護膜202を形成する。
(h) それから、図12(h)に示すように、RIE(Reactive Ion Etching)等によって電極取出し部41を開放する。また、シリコン基材200に機械加工又はレーザー加工を行って、インク供給孔25をリザーバ24となる凹部240で貫通させる。これにより、キャビティ基板2と電極基板3が接合された接合基板が完成する。
なお、電極取出し部41に、振動板22と電極31の間の空間を封止するための封止剤(図示せず)を塗布するようにしてもよい。
次に、ノズル基板1、キャビティ基板2及び電極基板3の接合工程を、図13を用いて以下に説明する。
図13に示すように、ノズル基板1の接合面1aに接着剤層を形成し、電極基板3が接合されたキャビティ基板2と、ノズル基板1とを接合する。
以上の製造工程を経ることにより、ノズル基板1、キャビティ基板2及び電極基板3の接合体が完成される。
最後に、キャビティ基板2、電極基板3、ノズル基板4が接合された接合基板をダイシング(切断)により分離して、インクジェットヘッド10が完成する。
ノズル基板1を製造する際に、両面粘着シート60のみによってシリコン基材100と支持基板120を貼り合せた場合、ノズル孔11の稜線部などに両面粘着シート60から欠落した粘着材が付着し、これを完全に除去することが困難となっていた。また、樹脂のみによってシリコン基材100と支持基板120を貼り合せた場合、ノズル孔11に接着層となる樹脂が入り込み、硫酸洗浄やO2 アッシングを行ってもこれを完全に除去することは難しく、歩留りが低下していた。しかしながら、本発明によれば、ノズル孔11内に接着樹脂などの異物が入り込むことなく支持基板120の貼り合わせや剥離が可能になり、ノズル基板1の歩留まりを飛躍的に向上させることができる。
実施の形態2.
図14〜図17は実施の形態2に係る液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)のノズル基板の製造工程の一部を示す断面図である。実施の形態1では、保護膜となる液状ワックス50をシリコン基材100の面に塗布する際に常圧雰囲気下において行うようにしたが、本実施の形態2では、保護膜となる液状ワックス50をシリコン基材100の表面やノズル孔11内に塗布、充填する際に真空中において行うようにしたものである。
なお、実施の形態1の図4(a)〜図6(k)で示したノズル基板1の製造工程は、実施の形態2における製造工程と重複するので説明を省略し、図14に図7の(l)以下の製造工程について説明する。
(l) 図4(a)〜図6(k)に示すようにして加工したシリコン基材100の接合面100a側に、図14(l)に示すように、保護膜となる液状ワックス50を、減圧環境下(20Pa以下)、例えば真空中において、真空装置を用いて、スピンコータにより塗布する。液状ワックス50を真空中において塗布するため、ノズル孔11内に液状ワックス50が充填される。この場合、液状ワックス50の粘度は低い方が流動性が高く、ノズル孔11内に入り込み易い。この液状ワックス50は、シリコン基材100の微小孔内に入り込んでも、これをアルカリ性溶剤によって容易に溶かすことができる素材によって構成されている。液状ワックス50としては、例えばスカイリキッド(Skyliquid )(登録商標、日化精互株式会社)が用いられている。特に「スカイリキッドLA−3011H」は剥離良好な液状ワックスであり、濃度選定により塗布膜の厚みを調整することができる。
すなわち、スカイリキッドLA−3011Hは、粘度が8.5(cp)、比重(25℃)がo.857、接着強度が21(N/mm2 )、固形分が30(%)であり、この溶媒は、トルエンレス、弱アルカリ系で洗浄することができて作業環境を重視しており、精密濾過によって平坦度のよいワックス層が得られ、加温せず、常温でスクレパー剥離ができる。こうして液状ワックス50をスピンコータにより塗布した後、液状ワックス50を高温にて焼き固め、ワックス層50aを形成する。
(m) 次に、図14(m)(以後、図14(p)に到るまで、図14(l)に示したシリコン基材100の上下を逆転した状態で示す)のように、シリコン基材100に設けたワックス層50aに、貼り合せ材である両面接着シート60を介して、ガラス等の透明部材よりなる支持基板120を貼り付ける。両面接着シート60には、例えば、セルファBG(登録商標:積水化学工業)を用いる。両面接着シート60は自己剥離層を持ったシート(自己剥離型シート)で、その両面には接着面を有し、その一方の面には自己剥離層61を備え、この自己剥離層61は紫外線または熱などの刺激によって接着力が低下するようになっている。
この場合、まず支持基板120に両面接着シート60(自己剥離層61を備えていない側の面60a)を貼り付け、その後、両面接着シート60の自己剥離層61を備えている側の面60bをシリコン基材100に設けたワックス50の表面と向かい合わせ、真空中で貼り合わせる。
(n) 次に、図14(n)に示すように、シリコン基材100のインク吐出側の面100bをバックグラインダー(図示せず)によって研削加工し、第1のノズル孔11aの先端が開口するまでシリコン基材100を薄くする。なお、ポリッシャー、CMP装置によってノズル面100bを研磨し、第1のノズル孔11aの先端部の開口を行っても良い。この際、ノズル孔11内にはワックス層50aが充填しているので、研削異物はノズル孔11内に侵入しておらず、最低限の洗浄のみを行えばよく、工程を短縮することができる。
(o) 次に、図14(o)に示すように、シリコン基材100のインク吐出側の面100bに、スパッタ装置でSiO2 膜104を0.1μmの厚みで成膜する。ここで、SiO2 膜104の成膜は、両面接着シート60が劣化しない温度(200℃程度)以下で実施できればよく、スパッタリング法に限るものではない。
(p) 続いて、図15(p)に示すように、シリコン基材100のインク吐出側の面100bにさらに撥インク処理を施す。この場合、F原子を含む撥インク性を持った材料を蒸着やディッピングで成膜し、撥インク層106を形成する。
(q) 次に、図15(q)(以後、図16(w)に到るまで、図15(q)に示したシリコン基材100の上下を逆転した状態で示す)に示すように、撥インク処理されたインク吐出側の面100bに、ダイシングテープ70をサポートテープとして貼り付ける。
(r) 次に、図15(r)に示すように、支持基板120側からUV光を照射する。
(s) こうして、図15(s)に示すように、両面接着シート60の自己剥離層61をシリコン基材100の接合面100a面から剥離させ、支持基板120をシリコン基材100から取り外す。
(t) 次に、図16(t)に示すように、ダイシングテープ70を剥離する。
(u) 次に、図16(u)に示すように、シリコン基材100を溶剤80に浸漬し、シリコン基材100の表面及び第1のノズル孔11a、第2のノズル孔11bの内壁に付着しているワックス(スカイリキッド)層50aを、溶剤80で洗浄し剥離して、除去する。
この場合、ワックス層50aを剥離する溶剤80として、例えばキララクリーン(Kilalaclean )(登録商標)を使用する。特に「キララクリーン301」は、無色透明〜微乳濁液体であって、比重(25℃)1.028であり、ワックス(スカイリキッド)50aを有機溶剤を使わずに洗浄することができ、高純度アルカリ洗浄剤のため洗浄物を汚染することがなく、清浄な面を得ることができる。
ワックス層50aの洗浄にあたっては、溶剤80であるキララクリーン301を、例えば、常温、30倍希釈で使用する。洗浄時間は、2〜3分で、2槽、揺動を行うことで、むらなく洗浄することができる。
(v) シリコン基材100を溶剤80中より取り出し、図16(v)に示すように、シリコン基材100のインク吐出側の面100bに、ダイシングテープ70を貼り付ける。
(w) 次に、図16(w)に示すように、ArスパッタもしくはO2 プラズマ処理によって、第1のノズル孔11aの吐出側等に余分に形成された撥インク層106を除去する。
(x) 次に、図17(x)(以後、図17(y)に到るまで、図17(x)に示したシリコン基材100の上下を逆転した状態で示す)に示すように、シリコン基材100の接合面100a(ダイシングテープ70が貼り付けられているインク吐出側の面100bと反対側に位置する面)を真空ポンプに接続する吸着治具90に吸着固定し、インク吐出側の面100bにサポートテープとして貼り付けられているダイシングテープ70を剥離する。
(y) 最後に、図17(y)に示すように、吸着治具90の吸着固定を解除して、シリコン基材100からノズル基板1を製作する。
シリコン基材100にはノズル基板外輪溝が彫られているため、吸着治具90からピックアップする段階でノズル基板1は個片に分割されている。
以上の工程を経ることにより、シリコン基材100よりノズル基板1を形成する。
こうして形成したノズル基板1の接合面100a側表面に接着剤層を形成し、図13に示すように、ノズル基板1を、電極基板3が接合されたキャビティ基板2と接合する。
以上の製造工程を経ることにより、ノズル基板1、キャビティ基板2及び電極基板3の接合体が完成される。
最後に、キャビティ基板2、電極基板3、ノズル基板4が接合された接合基板をダイシング(切断)により分離して、インクジェットヘッド1が完成する。
ノズル基板1を製造する際に、両面粘着シート60のみによってシリコン基材100と支持基板120を貼り合せた場合、ノズル孔11の稜線部などに両面粘着シート60から欠落した粘着材が付着し、これを完全に除去することが困難となっていた。また、樹脂のみによってシリコン基材100と支持基板120を貼り合せた場合、ノズル孔11に接着層となる樹脂が入り込み、硫酸洗浄やO2 アッシングを行ってもこれを完全に除去することは難しく、歩留りが低下していた。しかしながら、本発明によれば、ノズル孔11内に接着樹脂などの異物が入り込むことなく支持基板120の貼り合わせや剥離が可能になり、ノズル基板1の歩留まりを飛躍的に向上させることができる。また、保護膜となる液状ワックス50を減圧環境下例えば真空中において塗布するようにしたので、ノズル孔11内には液状ワックス50が充填されてワックス層50を形成し、ノズル孔11内に研削異物が侵入することがないため、上記の図14(n)の工程において、シリコン基材100を薄板化した後にノズル11内を洗浄する必要がない。
実施形態3.
図18は、本発明の実施の形態3に係る液滴吐出装置(インクジェットプリンタ)の斜視図である。実施形態1、2で得られたインクジェットヘッド10は、高歩留まりで製造されたノズル基板1を用いて製造することができ、かかるインクジェットヘッド10を用いて、図18に示すようなインクジェットプリンタ400を得ることができる。
なお、実施形態1、2の製造方法で得られたインクジェットヘッド10は液滴吐出ヘッドの一例であって、液滴吐出ヘッドはインクジェットヘッド10に限定されるものではなく、液滴を種々変更することによって、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、生体液体の吐出等にも適用することができる。
また、実施形態1、2の製造方法で得られた液滴吐出ヘッドは、圧電駆動方式の液滴吐出装置や、バブルジェット(登録商標)方式の液滴吐出装置にも使用することができる。
本発明の実施の形態1にかかる液滴吐出ヘッドの分解斜視図。 図1の要部の縦断面図。 図1のノズル基板の上面図。 図1のノズル基板の製造工程を示す断面図。 図4に続くノズル基板の製造工程を示す断面図。 図5に続くノズル基板の製造工程を示す断面図。 図6に続くノズル基板の製造工程を示す断面図。 図7に続くノズル基板の製造工程を示す断面図。 図8に続くノズル基板の製造工程を示す断面図。 図9に続くノズル基板の製造工程を示す断面図。 キャビティ基板及び電極基板を接合した接合基板の製造工程を示す断面図。 図11に続く接合基板の製造工程を示す断面図。 キャビティ基板及び電極基板の接合基板をノズル基板に接合する製造工程を示す断面図。 本発明の実施の形態2に係る液滴吐出ヘッドのノズル基板の製造工程を示す断面図。 図14に続くノズル基板の製造工程を示す断面図。 図15に続くノズル基板の製造工程を示す断面図。 図16に続くノズル基板の製造工程を示す断面図。 本発明の実施の形態3にかかるインクジェットプリンタの斜視図。
符号の説明
1 ノズル基板、2 キャビティ基板、3 電極基板、10 インクジェットヘッド、11 ノズル孔、11a 第1のノズル孔(小径孔)、11b 第2のノズル孔(大径孔)、50 液状ワックス、50a ワックス層、60 両面接着シート(貼り合せ材)、61 自己剥離層、100 シリコン基材、100a シリコン基材の接合面(大径孔側の面)、100b インク吐出側の面(小径孔側の面)、106 撥インク層、120 支持基板、400 インクジェットプリンタ。

Claims (9)

  1. 小径孔先端が基材により閉じられ大径孔基端が基材表面に開口されて2段形状で連通されたノズル孔をエッチング加工によってシリコン基材に形成する工程と、前記シリコン基材の大径孔側の面にワックス層を形成する工程と、前記シリコン基材の前記ワックス層が形成された側の面と支持基板とを貼り合わせる工程と、前記シリコン基材の小径孔側の面を薄板化して該小径孔の先端部を開口する工程と、前記シリコン基材の小径孔側の面を撥インク処理する工程と、前記支持基板を前記シリコン基材より剥離する工程と、前記シリコン基材に形成された前記ワックス層をアルカリ性溶剤によって溶解して除去する工程を含むことを特徴とするノズル基板の製造方法。
  2. 液状ワックスを常圧雰囲気下で前記シリコン基材の大径孔側の面に塗布して前記ワックス層を形成することを特徴とする請求項1記載のノズル基板の製造方法。
  3. 前記液状ワックスを20Pa以下の減圧環境下で前記シリコン基材の大径孔側の面に塗布して前記ワックス層を形成することを特徴とする請求項1記載のノズル基板の製造方法。
  4. 前記シリコン基材への前記液状ワックスの塗布を真空下で行なうことを特徴とする請求項3記載のノズル基板の製造方法。
  5. 前記シリコン基材への前記液状ワックスの塗布をスピンコータで行うことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のノズル基板の製造方法。
  6. 前記シリコン基材の大径側の面に形成された前記ワックス層と前記支持基板との間に貼り合せ材を設けて、前記シリコン基材と前記支持基板を貼り合わせることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のノズル基板の製造方法。
  7. 前記貼り合せ剤が樹脂または両面接着シートからなることを特徴とする請求項6記載のノズル基板の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のノズル基板の製造方法を適用して液滴吐出ヘッドを製造することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  9. 請求項8記載の液滴吐出ヘッドの製造方法を適用して液滴吐出装置を製造することを特徴とする液滴吐出装置の製造方法。
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