JP2010143004A - ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 - Google Patents

ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液滴吐出ヘッドにおけるドット抜け検出を容易に行うことを可能とするシリコン製のノズル基板、このノズル基板を備えた液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】導電性を有するシリコン基板で構成され、シリコン基板において液滴吐出側となる吐出面上に、ノズル11から吐出される前の液滴をシリコン基板の表面を介して帯電させるための電圧印加に用いるドット抜け用電極12が設けられているものである。
【選択図】図6

Description

本発明は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドに用いられるノズル基板、このノズル基板を備えた液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置に関する。
液滴吐出装置の代表例として、画像記録用のインクジェットヘッドを備えたインクジェット式記録装置がある。インクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。このようなインクジェット式記録装置は、インクカートリッジからのインクの供給を受けるインクジェットヘッドと、記憶媒体をインクジェットヘッドの走査方向と垂直に移動させる紙送り機構を備え、インクジェットヘッドをキャリッジ上で記録媒体の幅方向(主走査方向)に移動させながらインクジェットヘッドに対して機械的圧力や熱エネルギーを発生させることで記録媒体に対してインク滴を吐出させることで記録が行われる。
このようなインクジェット式記録装置に用いられるインクジェットヘッドは、一般に、インク滴を吐出するための複数のノズルが形成されたノズル基板と、このノズル基板に接合されノズル基板との間で上記ノズルに連通する圧力室(キャビティ)、リザーバー等のインク流路が形成されたキャビティ基板とを備え、駆動部により圧力室に圧力を加え、圧力室の一部を構成する振動板を変位させることにより、インク滴を、選択されたノズルより吐出するように構成されている。駆動手段としては、静電気力を利用する方式や、圧電素子による圧電方式、発熱素子を利用するバブルジェット(登録商標)方式等がある。
この種のインクジェットヘッドでは、インクジェットヘッドの圧力室内に気泡が発生したり、浮遊する紙粉やゴミなどがノズル近傍に付着したり、ノズル(内のインク)が乾燥したりすると、ノズルからインク滴が吐出されず、記録媒体にドットが形成されないことがある。インク滴の吐出不良を、一般に「ドット抜け」と呼んでいる。ドット抜けの現象が生じた場合には、クリーニング装置によって回復を図る。例えば、気泡の発生によってドット抜け現象が生じた場合には、ポンプでノズル内のインクを吸引して圧力室内部の気泡を排出し、その後、ワイパーと呼ばれる拭い取り部材で吐出面に付着したインクを拭い去り、更にフラッシングと呼ばれるインク滴の無印字吐出を行って混色したインクを放出する。この一連のクリーニング工程によって、気泡によるドット抜け現象が回復する。
上記のようなドット抜けを検出する方法として、従来から、以下の方法がある。導電性の吸収体を備えた検査領域を設け、この検査領域とノズル基板との間に電圧を印加する。そして、この電圧の印加により、ノズル基板の表面を介してインク滴を予め帯電させておき、帯電した液滴を検査領域に吐出させ、ノズルから正常に液滴が吐出して検査領域に着弾した場合の電圧変化と、ノズル詰まりによりインク滴が吐出しなかった場合の電圧変化との相違により、ノズルの目詰まりの有無を判定することができるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−179069号公報(第11頁〜第15頁,図5,図6)
ところで、上記特許文献1では、ノズル基板の材質について特に言及されていないが、ノズル基板の表面を介してインク滴を帯電させるという原理上、ノズル基板にはSUS等の導電性基板が用いられているものと予測される。このようなSUSを用いたノズル基板では、シリコン基板で形成されたキャビティ基板と接合するに際し、熱膨張係数の違いから、反りや剥がれ等の問題が発生し、信頼性確保が難しいという問題がある。
そこで、近年では、キャビティ基板と同材質で、且つフォトリソグラフィ法を用いてノズル孔を高密度、高精細に形成することが可能なシリコン基板を用いてノズル基板が作製されている。しかしながら、シリコン基板は半導体基板であることから、上記特許文献1の技術を用いてドット抜け検出を行おうとした場合、インク滴を帯電させることができず、ドット抜け検出ができないという問題点があった。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、液滴吐出ヘッドにおけるドット抜け検出を容易に行うことを可能とするシリコン製のノズル基板、このノズル基板を備えた液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を提供することを目的とする。
本発明に係るノズル基板は、液滴を吐出する複数のノズルを有するノズル基板であって、導電性を有するシリコン基板で構成され、シリコン基板の液滴吐出面側に、ノズルから吐出される前の液滴をシリコン基板の表面を介して帯電させるための電圧印加に用いる電極が設けられているものである。
これにより、電極へ電圧を印加することにより、導電性のシリコン基板に電荷を与えることができ、シリコン基板の表面に接触している液滴、すなわち吐出前の液滴を帯電させることが可能となる。従って、ノズル基板と接合されるキャビティ基板と同材質のシリコン基板を用いながらも、吐出前の液滴を帯電させることが可能となり、既存の液滴帯電方式の吐出不良ノズル検出方法を適用して容易に吐出不良ノズルを検出することが可能となる。
また、本発明に係るノズル基板は、電極が、複数のノズルの形成位置近傍を避けて配置されているものである。
これにより、ノズル基板上に電極を設けたことによりノズルの吐出特性に何らかの影響が及ぶのを防止できる。
また、本発明に係るノズル基板は、電極が、液滴吐出ヘッドの一部となるヘッドカバーによって覆われる位置に設けられているものである。
ノズル基板には、複数のノズルを露出させる窓を備えた導電性のヘッドカバーが装着される。このヘッドカバーによって覆われる位置に電極を設けることにより、紙送りの際に電極の表面が媒体に接触して摩耗する等の不都合を防止できる。
また、本発明に係るノズル基板は、電極が、シリコン基板の外周部に周状に形成されているものである。
これにより、ノズル基板においてヘッドカバーと接触する部分の吐出面からの高さが電極の厚みで一様となる。従って、高さがばらつくことによる高さ補正手段を講じる必要がないため、ヘッドカバーとの組立性が低下するのを防止することができる。
また、本発明に係るノズル基板は、シリコン基板が、吐出面、吐出面と反対側の面及びノズルの内壁にこれらの面を保護する保護膜を有し、更に、保護膜上の吐出面全面には撥液膜が形成され、ノズルの吐出口縁部を境界にしてノズル内壁及び反対側の面には撥液膜が形成されていない構成を有し、電極は、保護膜及び撥液膜が除去されてシリコン面が露出した部分に形成されているものである。
これにより、吐出液に対する耐久性向上及び吐出面の液滴残留防止が可能である。
また、本発明に係るノズル基板は、電極に使用する電極が、シリコンとオーミック接続できる材料で、且つ、耐熱性及び液滴に対する耐液性を有する材料であるものである。
これにより、実用上、電圧制御しやすく、また、電極の耐久性を確保でき、長期間の使用に渡って信頼性を確保することができる。
また、本発明に係るノズル基板は、電極材料が、Pt,Au,Mo,Ta,これらの合金又は化合物の何れかであるものである。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、上記のノズル基板と、ノズル基板の複数のノズルに連通して液滴を収容する複数の圧力室を有するキャビティ基板と、圧力室に液滴を吐出させる圧力変化を与える圧力発生手段とを有するものである。
これにより、シリコンノズル基板の機械的に優れた特性を維持したまま(半導体製造プロセスにおける高精度なノズル寸法精度を確保、液滴保護膜性能確保、組立時の工業性等)、液滴帯電方式の吐出不良ノズル検出方法に対応することが可能な液滴吐出ヘッドを得ることができる。
また、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、ノズル基板の複数のノズルを露出させる窓を備えた導電性のヘッドカバーを有し、電極がヘッドカバーに電気的に接触した構成を有するものである。
これにより、電極をヘッドカバーを介して液滴吐出ヘッド外部の電圧印加回路へと導出することができる。
また、本発明に係る液滴吐出装置は、上記の液滴吐出ヘッドと、圧力発生手段を駆動する駆動制御回路と、液滴吐出ヘッドの吐出不良ノズルを検出する吐出不良ノズル検出手段とを備え、吐出不良ノズル検出手段は、液滴吐出ヘッドの電極と液滴吐出ヘッドの吐出不良ノズルを検出する検査領域との間に電圧を印加し、ノズルから吐出する前の液滴を帯電させる電圧印加回路と、検査領域の電圧を検出する電圧検出回路とを有し、電圧印加回路により検査領域と電極との間に電圧を印加し、吐出前の液体を帯電させた状態で駆動制御回路を制御して圧力発生手段を駆動させ、検査対象のノズルから液滴を検査領域へ吐出させたときの電圧検出回路による検出電圧の変化と、ノズルから液滴が正常に吐出したときの電圧検出回路による検出電圧の変化との比較結果に基づいて、吐出不良か否かを判定するものである。
これにより、シリコンノズル基板の機械的に優れた特性を維持したまま(半導体製造プロセスにおける高精度なノズル寸法精度を確保、保護膜(SiO2 )性能確保、組立時の工業性等)、液滴帯電方式の吐出不良ノズル検出方法に対応可能な液滴吐出装置を得ることができる。
実施の形態1.
以下、本発明のノズル基板を備えた液滴吐出ヘッドを適用した液滴吐出装置について説明する。ここでは、液滴吐出装置の具体的一例として、インクジェット式捺染装置について説明する。
図1は、長尺の布に印刷が可能な大型の捺染装置としてのインクジェット式記録装置の一実施例を示すものである。
両側の基部201、202の間には所定のターゲットとして布等の記録媒体を供給する供給部203、上記ターゲットに流体としてのインク滴を吐出する吐出領域としての印刷領域204及び排出された記録媒体を巻き取る巻取部205が配置され、供給部203の側方には制御パネル206が、また基部201及び202にはそれぞれカートリッジホルダー216が設けられている。
これらカートリッジホルダー216には、ブラックインクカートリッジ207BK、カラーインクカートリッジとしてシアンインクカートリッジ207C、マゼンダインクカートリッジ207M、イエローインクカートリッジ207Y、ライトシアンインクカートリッジ207LC、ライトマゼンダインクカートリッジ207LM、グリーンインクカートリッジ207G、オレンジインクカートリッジ207OR(以下、単に「インクカートリッジ7」として説明することもある)が着脱可能に装着されている。
これにより、本実施形態の装置は、ブラックインク、シアンインク、マゼンダインク、イエローインク、ライトシアンインク、ライトマゼンダインク、グリーンインク、オレンジインクの8色のインクでインクジェット式の記録を行うことができるようになっている。
図中符号209は、カートリッジホルダー216のインクカートリッジ207のインクを後述するインク供給装置217(図2参照)を介してインクの供給を受けるインクジェットヘッド10(図2,図3,図6参照)が搭載されるキャリッジ209であり、ガイド部材210により主走査方向である記録布の幅方向に往復動可能に支持されている。
上記印刷領域を外れた左右の非印刷領域には、印字信号と無関係の吐出信号をインクジェットヘッド10に入力して強制的にインクを吐出することにより印刷中に生じるノズルの軽度の目詰まりを回復するためのフラッシング動作を行うためのフラッシング領域が設けられている。上記フラッシング領域には、フラッシングで吐出されたインクを受けるためのフラッシングボックス211が配置され、フラッシングボックス211の下にはフラッシング吐出された廃液を貯留する廃液タンク212が配置されている。
また、上記印刷領域204を外れた図示の右側(ホームポジション)の非印刷領域には、インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッドの一例)10の吐出面1aを封止するキャップ215を備え、キャップ215で封止された状態でキャップ215内を吸引ポンプ213で負圧にしてノズルから強制的にインクを吸引することにより、ノズルの吐出不良を回復する回復動作としてのクリーニング動作を行うためのキャッピング装置214が設けられている。
上記キャップ215は、上記印刷領域204外に設けられ、後述する吐出不良検出手段247(図4参照)によるドット抜け検出動作を行うための検査領域274(後述の図4参照)が存在する。そして、上記キャリッジ209は、印刷領域204と検査領域274との間でインクジェットヘッド10を移動させる。
図2は、上記インク供給装置217を示す流路構成図である。
この例は1色の系統のみを示している。インクカートリッジ207は、流体として液体のインクが封入されたインクパック225と、インクパック225を収納するケース224とからなる。インクパック225はインク排出口225aにインク供給チューブ222が接続される。インクパック225はインク排出口225aのみが外部に露出し、それ以外の部分が気密状態でケース224に収納され、これによりケース224の内部には気密状態の空間が形成される。
また、ケース224には外部から内部の空間に連通する空気供給チューブ221が接続されている。上記空気供給チューブ221には、加圧ポンプ218、圧力センサー219及び大気開放弁220が接続され、空気供給チューブ221を介して加圧空気(加圧気体)をインクカートリッジ207に送り出す。
加圧ポンプ218が作動すると加圧空気が空気供給チューブ221を伝ってインクカートリッジ207内の空間に導入され、加圧空気の空気圧(加圧力)によってインクパック225が押し潰される。これにより、インクパック225内のインクがインク供給チューブ222を介してサブタンク223に供給されるようになっている。そのインクはサブタンク223で一時貯留され、図示しない圧力調整機構により圧力調整された状態でインクジェットヘッド10へと供給される。
そして、この記録装置は、ホストコンピューター244(図3参照)やメモリーカードから取り込んだ印刷データに基づきキャリッジモーター226及び紙送りモーター(図示せず)を駆動し、インクジェットヘッド10からインクを吐出して印刷処理を実行する。なお、上記キャリッジ209に搭載されたインクジェットヘッド10の詳細については、後述する。
図3は、上記記録装置のシステム構成の一例を示すブロック図である。
ここで説明する吐出不良検出手段247は、上記インクジェットヘッド10において吐出不良ノズルを検出する本発明の吐出不良検出手段247として機能するものであり、クリーニング制御手段254、ポンプ制御手段249は、吐出不良ノズルの吐出特性を回復する本発明の回復手段としても機能するものである。そして、印刷制御手段246、ヘッド駆動手段248、キャリッジ制御手段252、処置選択手段251、報知手段253等の各手段は、上記インクジェットヘッド10、吐出不良検出手段247、回復手段等を制御する本発明における制御手段として機能するものである。
図3において、244はホストコンピューターであり、プリンタードライバー(図3においてはドライバー)245が内蔵され、このプリンタードライバー245のユーティリティ上で入力装置(図示せず)からの入力によって記録媒体のサイズ,モノクロ/カラー印刷の選択,記録モードの選択,フォント等のデータ及び印刷指令等を入力しうるように構成されている。また、上記プリンタードライバー245のユーティリティにおいて、クリーニング制御手段254に対するクリーニング指令も入力しうるように構成されている。
印刷指令の入力により、プリンタードライバー245からは印刷制御手段246に対して流体吐出データである印刷データが送出されるようになっている。また、印刷制御手段246は印刷データに基づいてビットマップデータを生成し、ヘッド駆動手段248により吐出信号を発生させてアクチュエーターに入力し、インクジェットヘッド10からインク滴を吐出させるようになっている。
このとき、印刷制御手段246からの指示により図示しない媒体送り制御手段は同じく図示しない媒体送りモーターを制御して記録媒体の副走査方向への移動制御を行う。また、印刷制御手段246からの指示によりキャリッジ制御手段252はパルスモーターであるキャリッジモーター226を制御してキャリッジ209の主走査方向への往復移動制御を行う。
上記ヘッド駆動手段248は、本実施形態において吐出制御手段として機能するもので、印刷データに基づく駆動信号のほかに、図示しないフラッシング制御手段からのフラッシング指令信号を受けてフラッシングのための吐出信号をインクジェットヘッド10に出力する。このフラッシング動作により、ノズル11から印刷とは無関係のインクをフラッシングボックス211に対して吐出することにより、ノズルの増粘インクを排出してノズルの吐出特性を回復する。
ここで、ノズルの吐出能力が低下するメカニズムについて説明すると、印刷実行中はインクジェットヘッド10の吐出面1aがキャップ215から開放された状態となり、加えてキャリッジ209で往復移動されている。このような状態でインクの吐出がなければ、ノズルの開口部に存在するインクから溶媒が蒸発して徐々にその粘度が高くなり、吐出能力が低下するのである。そして、印刷中に頻繁にインク滴を吐出しているノズルは、新しいインクが順次供給されて目詰まりはあまり生じないが、インク滴を吐出する機会が少ないノズルでは目詰まりを生じやすい。したがって、インクの吐出量が少なく空送時間が長いノズルほど増粘が進行し、その程度はノズル毎にばらつきがある。
なお、この例では、インクジェットヘッド10が吐出する液体がインクであり、インクの増粘によりノズルの吐出能力が低下する場合を説明したが、吐出特性の低下するメカニズムは、吐出する液体の種類によって異なる場合があり、本発明は、低下したノズルの吐出特性を流体の吐出で回復しうるものであれば、インクに限らず種々の流体を吐出する装置に適用できる趣旨である。
上記キャリッジ制御手段252は、印刷動作中にキャリッジ209を主走査方向に往復移動させる移動制御を行うほか、所定のフラッシングタイミングにおいてキャリッジ209を印刷領域以外のフラッシングポジションに移動させ、インクジェットヘッド10をキャップ215に対面させてフラッシング動作を行う位置に移動する移動制御を行う。
上記キャリッジ制御手段252は、装置の電源オフのときや吸引動作を行う際には、インクジェットヘッド10をキャップ215の位置に移動させる移動制御を行う。また、後述する吐出不良ノズルを検出するドット抜け検出動作の際に、検出対象とするノズル列をキャップ215内に存在する検査領域(後述の図4参照)と対面する位置に移動させる移動制御を行う。
上記吸引動作は、記録装置を最初に使用するときに、最初にインクカートリッジ207を装着した際、インクジェットヘッド10やサブタンク223等の流路にインクを最初に充填する初期充填動作の際に実行される。また、インクカートリッジ207を交換したときや、使用していたインクカートリッジ207を一旦取り外して再装填するときには、交換や再装填に伴ってインクジェットヘッド10の流路内に空気が混入して正常な吐出ができなくなるため、混入した気泡をインクジェットヘッド10から強制吸引して除去するために実行される。
上記吸引動作は、記録装置を使用せずに放置しているときは、キャップ215でノズル形成面(吐出面)を封止した状態であっても、図示しない放置タイマで計測した放置時間(前回の電源オフから今回の電源オンまでの時間)が長いと徐々にノズルの開口部近傍に存在するインクから溶媒が蒸発してその粘度が高くなり、吐出能力が低下するので、それを回復するクリーニングのために電源オン時に、クリーニング制御手段254による制御によりクリーニングモードによる吸引が実行される。また、印刷動作を継続していると、流路内に残存した気泡が徐々に内部のフィルター上流部に溜まることがあるため、定期的に気泡を強制吸引して除去するクリーニングのため、クリーニング制御手段254による制御によりクリーニングモードによる吸引が実行されることもある。
また、上記吸引動作は、ユーザーがクリーニング指令スイッチ250を操作することにより、いわゆるマニュアルクリーニングとして実行されることもある。
上記吸引動作は、後述する吐出不良検出手段247によって制御されるいわゆるドット抜け検出の際に、ノズルの目づまり等による吐出不良ノズルの存在を検知した場合、クリーニング制御手段254による制御によりキャップ215によるキャッピングと吸引ポンプ213によるクリーニングモードによる吸引を行って、ノズルの吐出不良の回復操作を行う場合に実行される。すなわち、上記クリーニングモードによる吸引は、本発明の吐出不良ノズルの吐出特性を回復する回復動作として機能する。
上記各吸引動作は、初期充填時、インクカートリッジ207の交換時、クリーニング時、吐出不良検出時等のクリーニングモードでの吸引等、状況によって吸引条件が異なる場合があるため、ポンプ制御手段249による制御で吸引ポンプ213の回転数や稼働時間を制御することにより、各種の吸引モードでの吸引を実行することもできる。
そして、上記吸引動作は、クリーニング制御手段254により、つぎのように制御される。すなわち、キャリッジ209をキャップ215に対面させる位置に移動させるとともに、キャップ215を図示しないメンテナンスモーターの動作により例えばカム機構等により上昇させてインクジェットヘッド10の吐出面をキャップ215で封止し、メンテナンスモーターによって駆動される吸引ポンプ213の作用によりキャップ215内を吸引してノズルからインク等を強制的に排出させる。
所定時間の吸引を行った後、図示しない弁機構によりキャップ215内を大気開放した状態で吸引ポンプ213を駆動して空吸引を行ってキャップ215内の空間に残存したインクを排出する。その後、キャップ215を下降させると、この状態では吐出面にインクが付着しているため、メンテナンスモーターの駆動により図示しないワイピング部材をその先端部が吐出面に接触し得る位置まで上昇させたのち、キャリッジ209を移動制御することにより、吐出面に付着したインクをワイピング部材で払拭することが行われる。
図4は、吐出不良検出手段247の詳細を説明する図である。
吐出不良検出手段247は、ホームポジションに配置された液滴受部としてのキャップ215と、このキャップ215の内部に設けられた検査領域274と、この検査領域274とインクジェットヘッド10のノズル基板1に設けられた後述のドット抜け検出用電極12との間に電圧を印加する電圧印加回路275と、検査領域274の電圧を検出する電圧検出回路276とを含んで構成される。
上記キャップ215は、上面が開放されたトレイ状の部材であり、エラストマー等の弾性部材により作製されている。このキャップ215の内部にはインク吸収体277が配設されている。このインク吸収体277は、上側吸収体277aと下側吸収体277bとによって構成され、これらの吸収体277a,277bの間には、メッシュ状の電極部材278が配設されている。上側吸収体277aは、電極部材278と同電位となるように導電性を有するスポンジによって作製されている。このスポンジは、着弾したインク滴が速やかに下方に移動可能な透過性の高いものであり、本実施形態ではエステル系ウレタンスポンジが用いられている。
検査領域274は、上側吸収体277aの表面に相当する。下側吸収体277bは、上側吸収体277aに比べてインクの保持力が高いものであり、フェルトなどの不織布によって作製されている。電極部材278は、ステンレス鋼等の金属からなる格子状のメッシュとして形成されている。このため、上側吸収体277aに一旦吸収されたインクは格子状の電極部材278の隙間を通って下側吸収体277bに吸収・保持される。
電圧印加回路275は、電極部材278が正極、インクジェットヘッド10のノズル基板1が負極となるように直流電源(例えば400V)と抵抗素子(例えば1MΩ)とを介して両者を電気的に接続している。ここで、電極部材278は、導電性を有する上側吸収体277aと接触しているため、上側吸収体277aの表面すなわち検査領域274も電極部材278と同電位となる。
電圧検出回路276は、電極部材278の電圧信号を積分して出力する積分回路280と、この積分回路280から出力された信号を反転増幅して出力する反転増幅回路281と、この反転増幅回路281から出力された信号をA/D変換して出力するA/D変換回路282とを備えている。
積分回路280は、1つのインク滴の吐出・着弾による電圧変化が小さいことから、複数のインク滴の吐出・着弾による電圧変化を積分することにより大きな電圧変化として出力するものである。反転増幅回路281は、電圧変化の正負を反転させると共に所定の増幅率で積分回路280から出力された信号を増幅して出力するものである。A/D変換回路282は、反転増幅回路281から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して検出信号として出力するものである。
上記吐出不良検出手段247により、例えばつぎのようにして吐出不良ノズルを検出することができる。
検出動作は、インクジェットヘッド10に配置されたすべてのノズル11の目詰まりの有無を検査する動作であり、処理が開始されると、キャリッジ制御手段252は、まず、キャリッジモーター226を駆動してインクジェットヘッド10のノズル列のうち検査対象となるノズル列が検査領域274に対向するようにキャリッジ209を移動し、検査対象となるノズル列のうち1つのノズル11から、帯電したインク滴を1セグメント(3ショット分)の吐出数Snで吐出させる。
ここで、帯電したインク滴がインクジェットヘッド10のノズル11から吐出して検査領域274の上側吸収体277aに至る際の電極部材278における電圧の推移について説明する。
図5は、上記吐出不良検出手段247によって吐出不良ノズルの検出動作を実行したときに静電誘導によって誘導電圧が生じる原理を説明するための模式図である。
図5(A)に示すように、インクジェットヘッド10でノズルから飛翔する前のインク滴は電圧印加回路275によって負に帯電している。このため、図5(B)に示すように、この負に帯電したインク滴がノズル11から吐出して上側吸収体277aへ近づくにつれ、静電誘導によって上側吸収体277aの表面には正電荷が増加する。この結果、インクジェットヘッド10と電極部材278との間の電圧は、静電誘導によって生じる誘導電圧により当初の電圧位よりも高くなる。
その後、図5(C)に示すように、負に帯電したインク滴が上側吸収体277aに達すると、インク滴の負電荷により上側吸収体277aの正電荷が中和される。その結果、インクジェットヘッド10と電極部材278との間の電圧は当初の電圧値を下回る。その後、インクジェットヘッド10と電極部材278との間の電圧は印加されている電圧値に戻る。このときの出力信号の振幅は、インクジェットヘッド10と電極部材278との間に付与される電圧の大きさやインクジェットヘッド10(ノズル)から上側吸収体277a(検査領域274)までの距離に依存するほか、吐出するインク滴の有無やその大きさにも依存する。
このため、ノズルが詰まってインク滴が吐出しなかったりインク滴が所定の大きさより小さかったりしたときには、出力信号の振幅が通常時に比べて小さくなるから、出力信号の振幅に基づいてノズルの目詰まりの有無を判定することができる。ただし、1ショット分のインク滴による出力信号の振幅は極めて小さいことから、駆動波形を表す1セグメントの第1〜第3パルスP1,P2,P3のすべてを出力して3ショット分のインク滴を吐出することにより、出力信号を3ショット分のインク滴による積分値として取り出している。なお、電圧検出回路276から出力される信号は、反転増幅回路281を経由することから振幅の向きが逆転する。
本実施形態では、上記吐出不良検出手段247による検出動作は、ノズル一つずつに対して行われ、最終的に全ノズルのドット抜け検出が行なわれる。
以下、本発明の要部について詳細に説明する。本発明は、ノズル基板1を半導体のシリコン基板で構成した場合に、吐出不良検出手段247による検出動作を可能とするノズル基板構造に関するものであり、以下、本発明のノズル基板1を備えたインクジェットヘッド10について詳細に説明する。
図6は、インクジェットヘッドの分解斜視図である。図7は、図6のインクジェットヘッドの長手方向断面図である。図8は、図6のインクジェットヘッドの平面図である。なお、構成部材を図示し、見やすくするため、図6を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものと異なる場合がある。また、図の上側を上とし、下側を下とし、ノズル11が並んでいる方向を短手方向、短手方向と垂直な方向を長手方向として説明する。
本実施の形態のインクジェットヘッド10は、図6及び図7に示すように、ノズル基板1、キャビティ基板2及び電極基板3の3つの基板を貼り合わせた3層構造を有し、これら3層構造の一部を導電性を有するヘッドカバー4で覆って構成されている。なお、ここでは、3層構造の例を示しているが、本例のインクジェットヘッド10は、3層構造のものに限られず、ノズル基板、リザーバー基板、キャビティ基板及び電極基板の4つの基板を積層した4層構造のヘッドとしてももちろん良い。
ノズル基板1は、例えば厚さ約65μmのシリコン基板で構成され、キャビティ基板2と接合されている。また、ノズル基板1には、インク滴を吐出する複数のノズル11が所定のピッチで設けられており、ここでは、2列のノズル列を形成している。各ノズル11は、吐出方向の先端側の円筒状の第1ノズル11aと、第1ノズル11aよりも径の大きい円筒状の第2ノズル11bとから構成され、第1ノズル11aと第2ノズル11bとは同軸上に設けられている。かかる構成により、インク滴の吐出方向をノズル11の中心軸方向に揃えることができ、安定したインク吐出特性を発揮させることができるようになっている。すなわち、インク滴の飛翔方向のばらつきがなくなり、またインク滴の飛び散りがなく、インク滴の吐出量のばらつきを抑制することが可能となっている。
また、本発明の特徴の一つとして、ノズル基板1は、不純物がドープされ且つ十分な導電性を有するシリコン基板から作製されている。ドーパントとしては、例えば、B(ボロン)や、P(リン)等が用いられ、P型でもN型でもどちらでも良い。この種の導電性を有するシリコン基板は、電気抵抗率が設定された市販の導電性シリコン基板を用いれば良い。電気抵抗率は、特に限定するものではなく、ノズル11の加工性や、静電気による絶縁破壊等を考慮して適宜選択すればよい。例えば、電気抵抗率が低いシリコン基板の場合(不純物の量が多い場合)、エッチングによりノズル11を開口するに際し、不純物があることによってシリコンのみをエッチングする場合に比べてエッチングレートが低下する。また、導電性が必要以上あると、静電気が流れやすくなり、絶縁破壊を起こす等の問題が発生する可能性がある。したがって、これらを考慮して電気抵抗率が選択され、例えば、0.1Ω・cm〜0.3Ω・cmとすることができる。
また、ノズル基板1においてインク滴が吐出する吐出面1a上には、ドット抜け検出を行う際に使用するドット抜け検出用電極12が設けられている。ドット抜け検出用電極12は、図8に示すように、吐出面1a上においてヘッドカバー4によって覆われる部分に周状に形成される。なお、図8において点線で囲まれた枠状部分がヘッドカバー4を示している。また、図8において符号13は、ノズル基板1をキャビティ基板2に接合する際のアライメントに使用するアライメント穴である。
ドット抜け検出用電極12は、導電性のヘッドカバー4の裏面に接触して電気的に接続され、ヘッドカバー4から電圧印加回路275(図4参照)へと接続されるようになっている。ドット抜け検出用電極12は、シリコン(Si)とオーミック接続できる導電材料で、且つ耐熱性・耐薬品性(耐アルカリ性)に優れた材料(例えば、Pt,Au,Mo,Ta,これらの合金又は化合物等)で構成されている。なお、オーミック接続とは、その電流−電圧特性が直線又は略直線となる接続を指す。
なお、ドット抜け検出用電極12は、本例ではノズル基板1の外周部に周状に形成しているが、その機能上、ノズル基板1上の少なくとも一部に形成されていれば良い。本例ではヘッドカバー4とノズル基板1との組立性を考慮して、周状に形成するようにしている。このように周状に形成することにより、ノズル基板1においてヘッドカバー4と接触する部分の吐出面1aからの高さがドット抜け検出用電極12の厚みで一様となり、高さがばらつくことによる高さ補正が不要であり、ヘッドカバー4との組立性が低下するのを防止する利点がある。
また、ノズル基板1の吐出面1a、吐出面1aと反対側の面及びノズル11の内壁にはこれらの面をインクから保護する保護膜としてのインク保護膜104が形成され、更に、インク保護膜104上の吐出面1a全面には撥液膜としての撥インク膜105が形成され、ノズル11の吐出口縁部を境界にしてノズル内壁及び反対側の面には撥インク膜が形成されていない構成となっている。これにより、インクに対する耐久性向上及び吐出面1a上のインク滴残留防止が図られている。
また、ドット抜け検出用電極12は、吐出面1a上においてインク保護膜104及び撥インク膜105が除去され、シリコン面が露出した面上に形成されている。ノズル11の周囲近傍には、インクに対する耐性確保や、インク滴の残留がなく飛行曲がりのない良好な吐出特性を得る観点から、インク保護膜及び撥インク膜が形成されていることが好ましく、これらの膜を除去して形成する必要のあるドット抜け検出用電極12は、ノズル11の形成位置近傍を避け、ノズル11から離れた位置に形成することが好ましい。
以上のようにノズル基板1を構成することにより、ノズル基板1としてシリコン基板を採用しながらも、ノズル基板1の表面に接触するインク滴に電荷を付与して帯電させることが可能となっている。
キャビティ基板2は、例えば厚さ約50μmのシリコン基板から作製されている。このシリコン基板にウェットエッチングを施すことにより、インク流路の圧力室21となる凹部25、オリフィス23となる凹部26及びリザーバー24となる凹部27が形成される。凹部25は前記ノズル11に対応する位置に独立に複数形成される。したがって、図7に示すようにノズル基板1とキャビティ基板2を接合した際、各凹部25は圧力室21を構成し、それぞれノズル11に連通しており、またインク供給口である前記オリフィス23ともそれぞれ連通している。そして、圧力室21(凹部25)の底壁が振動板22となっている。
凹部26は、細溝状のオリフィス23を構成し、この凹部26を介して凹部25(圧力室21)と凹部27(リザーバー24)とが連通している。
凹部27は、インク等の液状材料を貯留するためのものであり、各圧力室21に共通のリザーバー(共通インク室)24を構成する。そして、リザーバー24(凹部27)はそれぞれオリフィス23を介して全ての圧力室21に連通している。なお、オリフィス23(凹部26)は前記ノズル基板1の裏面(キャビティ基板2との接合側の面)に設けることもできる。また、リザーバー24の底部には後述する電極基板3を貫通するインク供給孔33に連通するインク供給孔28が設けられ、このインク供給孔28,33を通じてインクカートリッジ207(図1,図2参照)からインクが供給されるようになっている。
また、キャビティ基板2の電極基板3との対向面には、熱酸化やプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によりSiO2 やTEOS(Tetraethylorthosilicate Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン、珪酸エチル)膜等からなる絶縁膜2aが膜厚0.1μmで施されている。この絶縁膜2aは、インクジェットヘッド10を駆動させた時の絶縁破壊や短絡を防止する目的で設けられる。
電極基板3は、例えば厚さ約1mmのガラス基板から作製される。中でも、キャビティ基板2のシリコン基板と熱膨張係数の近い硼珪酸系の耐熱硬質ガラスを用いるのが適している。これは、電極基板3とキャビティ基板2を陽極接合する際、両基板の熱膨張係数が近いため、電極基板3とキャビティ基板2との間に生じる応力を低減することができ、その結果剥離等の問題を生じることなく電極基板3とキャビティ基板2を強固に接合することができるからである。
電極基板3には、キャビティ基板2の各振動板22に対向する面の位置にそれぞれ凹部32が設けられている。凹部32は、エッチングにより深さ約0.3μmで形成されている。そして、各凹部32内には、一般に、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)からなる個別電極31が、例えば0.1μmの厚さでスパッタにより形成される。なお、個別電極31の材料はITOに限定するものではなく、クロム等の金属等を用いてもよいが、ITOは透明であるので放電したかどうかの確認が行いやすい等の理由から、一般にITOが用いられる。
個別電極31は、リード部31aと、フレキシブル配線基板(図示せず)に接続される端子部31bとを有する。これらの端子部31bは、図7に示すように、配線のためにキャビティ基板2の末端部が開口された電極取り出し部30内に露出している。
また、電極基板3には、外部のインクカートリッジ207に接続されるインク供給孔33が設けられている。インク供給孔33は、キャビティ基板2に設けられたインク供給孔28に連通しており、インクカートリッジ207から供給されたインクはインク供給孔33及びインク供給孔28を介してリザーバー24に供給されるようになっている。
上述したように、ノズル基板1、キャビティ基板2及び電極基板3は、一般に個別に作製され、これらを図7に示すように貼り合わせることによりインクジェットヘッド10の本体部が作製される。さらに、振動板22と個別電極31との間に形成される電極間ギャップの開放端部はエポキシ等の樹脂による封止材34で封止される。これにより、湿気や塵埃等が電極間ギャップへ侵入するのを防止することができ、インクジェットヘッド10の信頼性を高く保持することができる。
そして、図7に簡略化して示すように、ICドライバー等の駆動制御回路としてのヘッド駆動手段248が各個別電極31の端子部31bとキャビティ基板2上に設けられた共通電極29とに前記フレキシブル配線基板(図示せず)を介して接続され、ヘッド本体が形成される。
そして、吐出面1aのノズル11を露出させる窓41を備えたヘッドカバー4で、上記ヘッド本体の外周部分を覆うことにより、インクジェットヘッド10が完成する。このヘッドカバー4は、上述したように導電性を有する材料から構成され、ノズル基板1上のドット抜け検出用電極12が導電性のヘッドカバー4の裏面に接触して電気的に接続され、ヘッドカバー4から電圧印加回路275(図4参照)へと接続されるようになっている。図1の液滴吐出装置では、このように構成されたインクジェットヘッド10が各色毎に少なくとも1個ずつ搭載されている。
次に、以上のように構成されるインクジェットヘッド10の動作を説明する。
ヘッド駆動手段248は、個別電極31に電荷の供給及び停止を制御する発振回路である。この発振回路は例えば24kHzで発振し、個別電極31に例えば0Vと30Vのパルス電位を印加して電荷供給を行う。発振回路が駆動し、個別電極31に電荷を供給して正に帯電させると、振動板22は負に帯電し、個別電極31と振動板22間に静電気力(クーロン力)が発生する。したがって、この静電気力により振動板22は個別電極31に引き寄せられて撓む(変位する)。これによって圧力室21の容積が増大する。そして、個別電極31への電荷の供給を止めると振動板22はその弾性力により元に戻り、その際、圧力室21の容積が急激に減少するため、そのときの圧力により圧力室21内のインクの一部がインク滴としてノズル11より吐出する。振動板22が次に同様に変位すると、インクがリザーバー24からオリフィス23を通じて圧力室21内に補給される。
次に、上記ドット抜け検出動作をインクジェット記録装置で行う際の動作説明に先立って、ドット抜け検出動作により、吐出不良ノズルが検出されたときの処置について説明する。
上記ドット抜け検出動作で吐出不良ノズルが発見されると、処置選択手段51は、その数や状態によって自動的に回復処理を実行するか、回復処理を実行せずにオペレーターに報知するか、回復処理や報知を行わずにそのまま印刷処理を再開するかの処置を選択する。
すなわち、吐出不良ノズル数や分布状態が許容できない状態であるときには、吐出不良ノズルの吐出特性を回復する回復手段による回復動作を自動的に実行し、吐出不良ノズル数や分布状態が所定の許容範囲内である場合には、回復動作を実行せずに報知手段53によりオペレーターに報知し、吐出不良ノズル数や状態が吐出品質すなわち印刷品質への影響が小さい許容範囲以内である場合には、そのままつぎの印刷動作を開始する。
このときの判断基準としては、例えば、検出された吐出不良ノズルの数が、ノズル群を構成するノズル数に対して印刷品質にほとんど影響を及ぼさない程度の少ない数である場合にはそのままつぎの印刷動作を開始することができる。また、検出された吐出不良ノズルの数が、ノズル群を構成するノズル数に対して印刷品質に無視はできないがある程度許容できそうな範囲の数である場合は、オペレーターに報知してオペレーターの判断により無視してもよい状態であれば印刷を開始し、無視できないレベルであればオペレーターによるクリーニング指令スイッチ250の操作によって回復動作を行う。また、検出された吐出不良ノズルの数が、ノズル群を構成するノズル数に対して印刷品質に影響するくらい多い数である場合は、自動的に回復動作を実行する。
また、吐出不良ノズルの分布状態として、例えば隣接したノズルが複数吐出不良であると検出されたような場合は、印刷品質に影響する可能性が高いので、吐出不良ノズルの数に係わらず自動的に回復動作を行う。
また、上記判断基準となる、吐出不良ノズル数等は、ドライバー245の設定画面によりオペレーターが設定して図示しないRAMに記憶させ、この記憶させた設定値を用いて判断するよう制御される。例えば、1色ベタの面積が多いデザインだと吐出不良ノズルによる印刷不良が目立ちやすく、細かい柄だと多少吐出不良ノズルがあっても目立ちにくいため、印刷するデザインや記録媒体の種類等に応じてオペレーターが設定できるようにしている。
次に、インクジェット記録装置におけるドット抜け検出動作について説明する。
図9は、インクジェット記録装置におけるドット抜け検出処理の流れを示すフローチャートである。
ホストコンピューター244から印刷データが送信されて印刷動作がスタートすると、図示しないタイマが作動して検出タイミングを計るための時間カウントを開始し、検出タイミングが到来しなければ印刷動作を継続し、所定時間が経過して検出タイミングが到来すると、つぎのステップに進む(ステップ10)。つぎのステップでは、印刷を中断し、ドット抜け検出動作を開始する(ステップ20)。
図9は、ドット抜け検出動作を説明するフローチャートである。ドット抜け検出動作がスタートすると、まず、検査対象のノズル列(例えば第1列)が検査領域274と対面する検査位置に対向するようキャリッジ209を移動する(ステップ21)。ついで、検査対象ノズル列の最初のノズルを検査対象ノズルとし、所定ショット数のインク滴を吐出する(ステップ22)。
上述した原理により吐出不良の検出を行い、異常の有無を判断する(ステップ23)。ステップ23で異常があれば今回のノズルを異常ノズルとしてRAMに記憶し(ステップ24)、ステップ25に進む。ステップ23で異常がなければそのままステップ25に進む。
ステップ25では、現在のノズル列中の全ノズルを検出処理したか否かを判断する(ステップ25)。ステップ25で全ノズルの検出処理をしていなければ、ステップ26で検査対象のノズルを更新して次のノズルを検査対象ノズルとし、ステップ22に戻り、検査対象ノズル列(第1列)の最後のノズルまで検出処理を終了するまでステップ22〜ステップ26の処理を繰り返す。
ステップ25で全ノズルの検出処理をしていれば、現在のインクジェットヘッド10中の全ノズル列を検出処理したか否かを判断する(ステップ27)。ステップ27で全ノズル列の検出処理をしていなければ、ステップ28で検査対象のノズル列を更新して第2列を検査対象ノズル列とし、ステップ21に戻り、検査対象ノズル列(第2列)の全ノズルの検出処理を終了するまでステップ22〜ステップ26の処理を繰り返す。ステップ27で全ノズル列の検出処理をしていれば、ドット抜け検出動作を終了する。
上記ドット抜け検出動作が終了すると、ステップ30に進み、RAMに記憶した吐出不良ノズルの数や分布から、次の処置として回復動作を実行するか、そのまま印刷を継続するか、オペレーターに報知するかを選択する。
ステップ30で継続が選択されると、回復処理、報知処理を実行せず、検出対象ヘッドを更新してタイマをリセットし(ステップ70)、印刷が終了するのでなければステップ10に戻り、印刷が終了するまでステップ10〜80の処理を繰り返し、印刷を終了するのであれば終了する。
ステップ30で回復が選択されると、上述した回復動作(クリーニングモードでの吸引)を実行して吐出不良ノズルの回復を行い(ステップ60)、ステップ70に進む。
ステップ30で報知が選択されると、報知手段53による報知を実行(具体的には警報を鳴らしたり警報ランプを点灯する)し(ステップ40)、オペレーターによる回復か継続かの指令入力を待つ(ステップ50)。ステップ50において、回復指令が入力されるとステップ60に進み、継続指令が入力されるとステップ70に進む。なお、回復指令は制御パネル206に設けられたクリーニング指令スイッチ250の操作により行い、継続指令も制御パネル206に設けられた図示しない終了指令スイッチの操作により行われる。
ステップ80では印刷の終了判定を行い、終了であれば、印刷を終了する。
上記実施の形態によれば、以下のような効果を得ることができる。なお、上述のドット抜け検出の方法自体は従来と同様であるため、本発明のノズル構造を採用したことによる特有の効果について以下に記載する。
本実施の形態のノズル基板1は、導電性を有するシリコン基板上に形成されたドット抜け検出用電極12に電圧を印加することによりシリコン基板に電荷を与えることができ、シリコン基板の表面を介して吐出前のインク滴を帯電させることが可能となる。従って、ノズル基板1と接合されるキャビティ基板2と同材質のシリコン基板を用いながらも、吐出前のインク滴を帯電させることが可能となり、上記ドット抜け検出方法を用いて容易に吐出不良ノズルを検出することが可能となる。また、ドット抜け検出用電極12を吐出面1aに設けた構造であるため、容易に製造することが可能である。
また、ノズル基板1上においてドット抜け検出用電極12を設ける位置を、ヘッドカバー4によって覆われる位置としたので、紙送りの際にドット抜け検出用電極12の表面が印字媒体に接触して摩耗する等の不都合を防止できる。
また、ドット抜け検出用電極12を、ノズル11の形成位置近傍を避けてノズル11から離れた位置に形成するようにしたので、ドット抜け検出用電極12を設けたことによりノズル11の吐出特性に何らかの影響が及ぶのを防止できる。すなわち、ノズル基板1には、上述したようにインク保護膜104や撥インク膜105が必要な箇所に適宜形成されているが、ドット抜け検出用電極12は、ノズル基板1との導通を確保するためにシリコン面上に直接形成される必要がある。言い換えれば、ドット抜け検出用電極12の形成部分には、インク保護膜104や撥インク膜105が形成されておらず、これらの膜による機能が得られない。よって、ドット抜け検出用電極12をノズル11から離れた位置に形成することにより、インク保護膜104や撥インク膜105が形成されていないことによる影響がノズル11に及ぶのを防止することができる。
また、ドット抜け検出用電極12を、ノズル基板1の外周部に周状に形成するようにしたので、ノズル基板1においてヘッドカバー4と接触する部分の吐出面1aからの高さがドット抜け検出用電極12の厚みで一様となる。従って、高さがばらつくことによる高さ補正手段を講じる必要が無く、ヘッドカバー4との組立性が低下するのを防止することができる。
また、ドット抜け検出用電極12に使用する電極材料は、シリコンとオーミック接続できる材料で、且つ、耐熱性及びインクに対する耐インク性を有する材料としたので、実用上、電圧制御しやすく、また、ドット抜け検出用電極12の耐久性を確保でき、長期間の使用に渡って信頼性を確保することができる。
以上より、シリコンノズル基板の機械的に優れた特性を維持したまま(半導体製造プロセスにおける高精度なノズル寸法精度を確保、インク保護膜(SiO2 )性能確保、組立時の工業性等)、液滴帯電方式の吐出不良ノズル検出方法に対応することが可能なインクジェットヘッド10を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1のインクジェットヘッド10のノズル基板1の製造方法を説明するものである。
図11から図13は、ノズル基板の製造工程を示す図である。
(A)まず、図11(A)に示すよう厚み625μmで導電性を有するシリコン基板100を用意し、熱酸化装置(図示せず)にセットして酸化温度1075℃、酸化時間4時間、酸素と水蒸気の混合雰囲気中の条件で熱酸化処理し、シリコン基板100の表面に膜厚0.5μmの熱酸化膜(SiO2 膜)101を均一に成膜する。そして、シリコン基板100の接合面(キャビティ基板2と接合されることとなる面)100aの熱酸化膜101に第2ノズルとなる部分101aをパターニングする。
(B)次に、図11(B)に示すように、接合面100b上に、厚さ1.0μmのレジスト膜102を形成し、フォトリソグラフィにより第1ノズルとなる部分102aをパターニングする。
(C)次に、図11(C)に示すように、ICPドライエッチング装置(図示せず)により、レジスト膜102の第1ノズルとなる部分102aを、例えば深さ40μmで垂直に異方性ドライエッチングし、第1ノズル11aを形成する。この場合のエッチングガスとしては、C4F8、SF6を使用し、これらのエッチングガスを交互に使用すればよい。ここで、C4F8は形成される溝の側面にエッチングが進行しないように溝側面を保護するために使用し、SF6はシリコン基板100の垂直方向のエッチングを促進させるために使用する。
(D)次に、図11(D)に示すように、レジスト膜102を除去した後、ICPドライエッチング装置により熱酸化膜101の第2ノズルとなる部分101aを、深さ40μmで垂直に異方性ドライエッチングし、第2ノズル11bを形成する。この際に、第1ノズルも深さが70〜80μm程度までエッチングされ、ノズル11が完成する。
(E)次に、図12(E)に示すように、シリコン基板100の表面に残る熱酸化膜101をフッ酸水溶液で除去した後、シリコン基板100の吐出面100a、接合面100b及びノズル11の内壁に、膜厚0.1μmのインク保護膜103をドライ酸化で形成する。
(F)次に、図12(F)に示すように、シリコン基板100の接合面100bにサポート基板110を貼り付け、吐出面100a側から板厚が65μmになるまで薄板化する。
(G)次に、図12(G)に示すように、シリコン基板100の吐出面100aの表面に、インク保護膜104となる厚さ0.2μmのシリコーン重合膜をシロキサン原料のプラズマCVDで形成する。そして、空気中でUVを照射して脱水縮合させ、インク保護膜104表面をSiO2化する
(H)次に、図12(H)に示すように、シリコン基板100の吐出面100aにさらに撥インク処理を施す。この場合、シランカップリング材をディップコートし、吐出面100aに撥インク膜105を形成する。このとき、第1ノズル11a及び第2ノズル11bの内壁にも、撥インク膜105が形成される。
(I)次に、図13(I)に示すように、吐出面100aに、サポートテープ120を貼り付け、その状態で接合面100b側のサポート基板110を剥離する。
(J)そして、図13(J)に示すように、接合面100b側から酸素又はアルゴンのプラズマ処理を行い、ノズル11内壁の撥インク膜105を破壊して親水化する。
(K)サポートテープ120を剥離する。
(L)次に、図13(L)に示すように、ドット抜け検出用電極12を形成する部分の撥インク膜105及びインク保護膜104を、レーザー照射により選択的に破壊して除去する。
(M)次に、図13(M)に示すように、シリコン基板100の吐出面100a側に、ドット抜け検出用電極12の形成部分が開口したハードマスク(Si,メタル等)130を載置し、吐出面100aをマスクした状態で、スパッタ又は蒸着により所定の材料の電極膜106を形成する。この電極膜106はドット抜け検出用電極12となるもので、所定の材料には、上述したようにシリコン(Si)とオーミック接続できる導電材料で、且つ耐熱性・耐薬品性(耐アルカリ性)に優れた材料が用いられる。
(N)そして、図13(N)に示すように、ハードマスク130を除去することにより、ドット抜け検出用電極12が形成され、ノズル基板1が完成する。
上述の製造方法により、本発明のノズル基板1を容易に製造することができる。
上記のようにして構成したノズル基板1を用いてインクジェットヘッド10を作成する際には、ノズル基板1の接合面1bに、キャビティ基板2の接合面を貼り合せる(接合工程は図示せず)。
以上の工程を経ることにより、ノズル基板1とキャビティ基板2の接合体を形成する。
その後、ノズル基板1とキャビティ基板2からなる接合体において、キャビティ基板2の他の接合面に電極基板3の接合面を貼り付ける(接合工程は図示せず)。
以上の工程を経ることにより、ノズル基板1、キャビティ基板2及び電極基板3の接合体を形成し、インクジェットヘッド10を完成する。
上記実施の形態では、液滴吐出装置の具体的一例として、インクジェット式捺染装置を例に挙げて説明したが、これに限られたものではなく、図14に示すようなインクジェットプリンタ200としてもよい。
上記実施の形態では、吐出する流体としてインクである場合だけを例に挙げて説明したが、例えば保湿液や洗浄液等の印刷用のインク以外の各種の機能性流体を吐出する場合のドット抜け検出にも適用することができる。インク以外の各種の機能性流体としては、他に例えば、金属ペースト,粉体,液晶等、各種の流体も含む趣旨である。そして、流体吐出装置の代表例としては、上述したような画像記録用のインクジェット式インクジェットヘッドを備えたインクジェット式記録装置があるが、本発明は、その他の流体吐出装置として、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材吐出ヘッドを備えた装置、有機ELディスプレー、面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)吐出ヘッドを備えた装置、プロテインチップやDNAチップ等のバイオチップ製造に用いられる生体有機物吐出ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料吐出ヘッドを備えた装置等、各種の流体吐出装置に適用することができる。
また、上記実施の形態では、インクジェットヘッド10のアクチュエーター(圧力発生手段)が静電駆動方式のものを例示して説明したが、その他の圧電素子や発熱素子等を利用する方式であってもよい。
本発明の実施の形態1の記録装置の概略外観図。 インク供給装置の流路構造を示す図。 上記記録装置のシステム構成を示す機能ブロック図。 吐出不良検出手段の構成を示す図。 図4の吐出不良検出手段の作用を説明する図。 インクジェットヘッドの分解斜視図。 図6のインクジェットヘッドの長手方向断面図。 図6のインクジェットヘッドの平面図。 ドット抜け検出方法の動作を説明するフローチャート。 ドット抜け検出処理を説明するフローチャート。 図6のノズル基板の製造方法の断面図。 図11に続くノズル基板の製造方法の断面図。 図12に続くノズル基板の製造方法の断面図。 図6のインクジェットヘッドを使用したインクジェットプリンタの斜視図。
符号の説明
1 ノズル基板、1a 吐出面、1b 接合面、2 キャビティ基板、2a 絶縁膜、3 電極基板、4 ヘッドカバー、10 インクジェットヘッド、11 ノズル、11a 第1ノズル、11b 第2ノズル、12 ドット抜け検出用電極、21 圧力室、22 振動板、23 オリフィス、24 リザーバー、25〜27 凹部、28 インク供給孔、29 共通電極、30 電極取り出し部、31 個別電極、31a リード部、31b 端子部、32 凹部、33 インク供給孔、34 封止材、41 窓、51 処置選択手段、53 報知手段、100 シリコン基板、100a 吐出面、100b 接合面、101 熱酸化膜、101a 第2ノズルとなる部分、102 レジスト膜、102a 第1ノズルとなる部分、103 インク保護膜、104 インク保護膜、105 撥インク膜、106 電極膜、110 サポート基板、120 サポートテープ、130 ハードマスク、201,202 基部、203 供給部、204 印刷領域、205 巻取部、206 制御パネル、207 インクカートリッジ、207BK ブラックインクカートリッジ、207C シアンインクカートリッジ、207G グリーンインクカートリッジ、207LC ライトシアンインクカートリッジ、207LM ライトマゼンダインクカートリッジ、207M マゼンダインクカートリッジ、207OR オレンジインクカートリッジ、207Y イエローインクカートリッジ、209 キャリッジ、210 ガイド部材、211 フラッシングボックス、212 廃液タンク、213 吸引ポンプ、214 キャッピング装置、215 キャップ、216 カートリッジホルダー、217 インク供給装置、218 加圧ポンプ、219 圧力センサー、220 大気開放弁、221 空気供給チューブ、222 インク供給チューブ、223 サブタンク、224 ケース、225 インクパック、225a インク排出口、226 キャリッジモーター、244 ホストコンピューター、245 プリンタードライバー、246 印刷制御手段、247 吐出不良検出手段、248 ヘッド駆動手段、249 ポンプ制御手段、250 クリーニング指令スイッチ、251 処置選択手段、252 キャリッジ制御手段、253 報知手段、254 クリーニング制御手段、274 検査領域、275 電圧印加回路、276 電圧検出回路、277 インク吸収体、277a 上側吸収体、277b 下側吸収体、278 電極部材、280 積分回路、281 反転増幅回路、282 A/D変換回路。

Claims (10)

  1. 液滴を吐出する複数のノズルを有するノズル基板であって、
    導電性を有するシリコン基板で構成され、前記シリコン基板の液滴吐出面側に、前記ノズルから吐出される前の液滴を前記シリコン基板の表面を介して帯電させるための電圧印加に用いる電極が設けられていることを特徴とするノズル基板。
  2. 前記電極が、前記複数のノズルの形成位置近傍を避けて配置されていることを特徴とする請求項1記載のノズル基板。
  3. 前記電極が、前記液滴吐出ヘッドの一部となるヘッドカバーによって覆われる位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のノズル基板。
  4. 前記電極が、前記シリコン基板の外周部に周状に形成されていることを特徴とする請求項3記載のノズル基板。
  5. 前記シリコン基板は、前記吐出面、前記吐出面と反対側の面及び前記ノズルの内壁にこれらの面を保護する保護膜を有し、更に、前記保護膜上の吐出面全面には撥液膜が形成され、ノズルの吐出口縁部を境界にしてノズル内壁及び前記反対側の面には撥液膜が形成されていない構成を有し、前記電極は、前記保護膜及び前記撥液膜が除去されてシリコン面が露出した部分に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のノズル基板。
  6. 前記電極に使用する電極材料は、シリコンとオーミック接続できる材料で、且つ、耐熱性及び前記液滴に対する耐液性を有する材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載のノズル基板。
  7. 前記電極材料は、Pt,Au,Mo,Ta,これらの合金又は化合物の何れかであることを特徴とする請求項6記載のノズル基板。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れかに記載のノズル基板と、前記ノズル基板の前記複数のノズルに連通して液滴を収容する複数の圧力室を有するキャビティ基板と、前記圧力室に液滴を吐出させる圧力変化を与える圧力発生手段とを有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  9. 前記ノズル基板の前記複数のノズルを露出させる窓を備えた導電性のヘッドカバーを有し、前記電極が前記ヘッドカバーに電気的に接触した構成を有することを特徴とする請求項8記載の液滴吐出ヘッド。
  10. 請求項8又は請求項9記載の液滴吐出ヘッドと、前記圧力発生手段を駆動する駆動制御回路と、前記液滴吐出ヘッドの吐出不良ノズルを検出する吐出不良ノズル検出手段とを備え、
    前記吐出不良ノズル検出手段は、
    前記液滴吐出ヘッドの前記電極と前記液滴吐出ヘッドの吐出不良ノズルを検出する検査領域との間に電圧を印加し、前記ノズルから吐出する前の液滴を帯電させる電圧印加回路と、
    前記検査領域の電圧を検出する電圧検出回路とを有し、
    前記電圧印加回路により前記検査領域と前記電極との間に電圧を印加し、吐出前の液体を帯電させた状態で前記駆動制御回路を制御して前記圧力発生手段を駆動させ、検査対象のノズルから液滴を前記検査領域へ吐出させたときの前記電圧検出回路による検出電圧の変化と、ノズルから液滴が正常に吐出したときの前記電圧検出回路による検出電圧の変化との比較結果に基づいて、吐出不良か否かを判定することを特徴とする液滴吐出装置。
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