JP2010036462A - シリコン製ノズル基板の製造方法、シリコン製ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズル孔形成のための処理時間が短く、材料が少なくて済み、安全性に優れ、安価に製造することができるシリコン製ノズル基板の製造方法等を提供する。
【解決手段】シリコン基材1の表面にシラザンのようなシリコン窒素化合物101を成膜する工程と、成膜されたシリコン窒素化合物101を焼成する工程と、成膜され焼成されたシリコン窒素化合物101の上にレジスト102を塗布して開口部102aを形成する工程と、レジスト102に形成された開口部102aよりウェットエッチングして、シリコン窒素化合物101に、シリコン基材100側に小径化していく液導入側のノズル孔部110aを形成する工程と、成膜され焼成されたシリコン窒素化合物101をマスクとしてドライエッチングし、シリコン基材1に液吐出側のノズル孔部110aを形成する工程とを含む。
【選択図】図6
【解決手段】シリコン基材1の表面にシラザンのようなシリコン窒素化合物101を成膜する工程と、成膜されたシリコン窒素化合物101を焼成する工程と、成膜され焼成されたシリコン窒素化合物101の上にレジスト102を塗布して開口部102aを形成する工程と、レジスト102に形成された開口部102aよりウェットエッチングして、シリコン窒素化合物101に、シリコン基材100側に小径化していく液導入側のノズル孔部110aを形成する工程と、成膜され焼成されたシリコン窒素化合物101をマスクとしてドライエッチングし、シリコン基材1に液吐出側のノズル孔部110aを形成する工程とを含む。
【選択図】図6
Description
本発明は、シリコン製ノズル基板の製造方法、シリコン製ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置に関する。
インクジェットプリンタは、記録時の騒音が極めて小さいこと、高速印字が可能であること、インクの自由度が高く安価な普通紙を使用することができることなど多くの利点を有している。この中でも記録が必要なときにのみインク滴を吐出する、いわゆるインク・オン・デマンド方式が、記録に不要なインク滴の回収を必要としないため、現在主流となってきている。このインク・オン・デマンド方式のインクジェットヘッドを備えたプリンタには、インクを吐出させる方法として、駆動手段に静電気力を利用したインクジェットヘッドを備えたプリンタや、圧電振動子や、発熱素子等を用いたインクジェットヘッドを備えたプリンタがある。
ノズルの先端部からインク滴を吐出させるインクジェットヘッドにおいては、ノズル孔における流路抵抗を調整し、最適なノズル長さになるように基板の厚みを調整することが望ましい。このようなノズル基板を作製する場合、シリコン基板の接合面側からICP放電を用いた異方性ドライエッチングにより内径の異なる第1の溝部と第2の溝部を2段に形成した後、接合面とは反対側の吐出面より一部分を異方性ウェットエッチングして掘下げ、ノズル長を調整する方法がとられている(例えば、特許文献1参照)。
また、予めシリコン基材を所望の厚みに研磨した後、シリコン基板の両面にそれぞれドライエッチング加工を施して、第1のノズル孔部及び第2のノズル孔部を形成する方法がとられている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1、2に記載されたいずれの発明においても、酸化膜をマスクにして、フォトリソ、エッチング技術によりノズル基板のノズル孔を形成していた。
しかしながら、酸化膜を形成する場合、酸化膜処理時間が10〜15時間と長時間かかり、酸素、純水のような材料が必要とされ、800℃以上の高温が必要であった。また、酸化膜を除去する際は、フッ酸系の薬品を使用するため、安全性確保のために十分な設備が必要であった。さらに、製造装置も高額であった。
しかしながら、酸化膜を形成する場合、酸化膜処理時間が10〜15時間と長時間かかり、酸素、純水のような材料が必要とされ、800℃以上の高温が必要であった。また、酸化膜を除去する際は、フッ酸系の薬品を使用するため、安全性確保のために十分な設備が必要であった。さらに、製造装置も高額であった。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、ノズル孔形成のための処理時間が短く、材料が少なくて済み、安全性に優れ、安価に製造することができるシリコン製ノズル基板の製造方法を提供すると共に、耐インク性などの化学的安定性が高く、機械的強度などの物理的特性に優れ、熱による変形が生じないシリコン製ノズル基板、このようなシリコン製ノズル基板を備えた液滴吐出ヘッド、及び液滴吐出装置を提供することを目的とする。
本発明に係るシリコン製ノズル基板の製造方法は、シリコン基材の表面にシリコン窒素化合物を成膜する工程と、成膜されたシリコン窒素化合物を焼成する工程と、成膜され焼成されたシリコン窒素化合物の上にレジストを塗布して開口部を形成する工程と、レジストに形成された開口部よりウェットエッチングして、シリコン窒素化合物に、シリコン基材側に小径化していく液導入側のノズル孔部(第1のノズル孔部)を形成する工程と、成膜され焼成されたシリコン窒素化合物をマスクとしてドライエッチングし、シリコン基材に液吐出側のノズル孔部(第2のノズル孔部)を形成する工程と、を含むものである。
酸化膜をマスクとせずにノズル孔を形成するので、ノズル孔形成のための処理時間が短く、材料が少なくて済み、安全性に優れ、安価に製造することができる。特に、シリコン窒素化合物を液吐出側のノズル孔部形成時のマスクとして使用するので、従来の酸化膜マスクを使用する工程と比較して、低エネルギーで済む。また、フォトリソとシリコン窒素化合物のエッチング条件を調整して最適化することにより、微細なノズル加工を行うことができる。
また、本発明に係るシリコン製ノズル基板の製造方法では、シリコン窒素化合物がシラザンである。
シラザンを液吐出側のノズル孔部形成時のマスクとして使用するので、従来の酸化膜マスク工程と比較して、低エネルギーで済む。また、フォトリソとシラザンのエッチング条件を調整して最適化することにより、微細なノズル加工を行うことができる。
シラザンを液吐出側のノズル孔部形成時のマスクとして使用するので、従来の酸化膜マスク工程と比較して、低エネルギーで済む。また、フォトリソとシラザンのエッチング条件を調整して最適化することにより、微細なノズル加工を行うことができる。
また、本発明に係るシリコン製ノズル基板の製造方法は、シラザンが、フェニルシラザン、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、環式ジメチルシラザン、およびヘプタメチルジシラザンのいずれかである。
フェニルシラザン等を液吐出側のノズル孔部形成時のマスクとして使用するので、従来の酸化膜マスク工程と比較して、低エネルギーで済む。また、フォトリソとシラザンのエッチング条件を調整して最適化することにより、微細なノズル加工を行うことができる。
フェニルシラザン等を液吐出側のノズル孔部形成時のマスクとして使用するので、従来の酸化膜マスク工程と比較して、低エネルギーで済む。また、フォトリソとシラザンのエッチング条件を調整して最適化することにより、微細なノズル加工を行うことができる。
また、本発明に係るシリコン製ノズル基板の製造方法は、シラザンをシリコン基材の表面にスピンコート法により5μ〜10μ塗布して成膜するものである。
シラザンをシリコン基材の表面にスピンコート法により塗布するようにしたので、平坦な膜形成を行うことができ、また、塗布膜厚が5μ〜10μ程度なのでシリコン基板に反りが生じることがない。
シラザンをシリコン基材の表面にスピンコート法により塗布するようにしたので、平坦な膜形成を行うことができ、また、塗布膜厚が5μ〜10μ程度なのでシリコン基板に反りが生じることがない。
また、本発明に係るシリコン製ノズル基板の製造方法では、シラザンの焼成は、300℃〜500℃で、30分〜60分行うものである。
シラザンを、300℃〜500℃で、30分〜60分焼成するので、不純物の少ない均一な酸化シリコン膜を形成することができる。
シラザンを、300℃〜500℃で、30分〜60分焼成するので、不純物の少ない均一な酸化シリコン膜を形成することができる。
また、本発明に係るシリコン製ノズル基板の製造方法は、成膜され焼成されたシラザンのウェットエッチングをフッ化水素系の薬品で行うものである。
フッ化水素系の薬品を用いるので、成膜され焼成された後のシラザンのウェットエッチングを確実に行うことができる。
フッ化水素系の薬品を用いるので、成膜され焼成された後のシラザンのウェットエッチングを確実に行うことができる。
また、本発明に係るシリコン製ノズル基板の製造方法は、レジストに形成された開口部からウェットエッチングして、シリコン窒素化合物に、シリコン基材側に小径化していく液導入側のノズル孔部(第1のノズル孔部)を形成する工程が、段階的に小径化していく工程であって、レジストの塗布および除去を複数回行い、レジストに形成する開口部の径をレジストの塗布ごとに段階的に小径化していくようにしたものである。
レジストの開口部の径をレジストの塗布ごとに段階的に小径化していくようにしたので、シリコン基材側に段階的に小径化していく多段ノズルを形成することができる。
レジストの開口部の径をレジストの塗布ごとに段階的に小径化していくようにしたので、シリコン基材側に段階的に小径化していく多段ノズルを形成することができる。
本発明に係るシリコン製ノズル基板は、ほぼ同径に形成された液吐出側のノズル孔部(第2のノズル孔部)と、液吐出側のノズル孔部側に小径化していく液導入側のノズル孔部(第1のノズル孔部)とからなり、液導入側のノズル孔部の小径側端部が液吐出側のノズル孔部の端部と同径で連通してなるノズル孔を備え、液導入側のノズル孔部がシリコン窒素化合物の焼成膜側に形成され、液吐出側のノズル孔部がシリコン基材側に形成され、シリコン窒素化合物の焼成膜とシリコン基材とによって基板を構成したものである。
液導入側のノズル孔部が形成されたシリコン窒素化合物の焼成膜は、耐インク性等の化学的安定性が高く、機械強度等に優れる。さらに、シリコン基材と熱膨張率の差が小さく、熱による変形が生じない。
また、本発明に係るシリコン製ノズル基板は、シリコン窒素化合物の焼成膜が、シリコン基板上に成膜されて焼成されたシラザンからなる膜である。
液導入側のノズル孔部が形成されたシラザンの焼成膜は、耐インク性等の化学的安定性が高く、機械的強度等に優れる。さらに、シリコン基材と熱膨張率の差が小さく、熱による変形が生じない。
液導入側のノズル孔部が形成されたシラザンの焼成膜は、耐インク性等の化学的安定性が高く、機械的強度等に優れる。さらに、シリコン基材と熱膨張率の差が小さく、熱による変形が生じない。
また、本発明に係るシリコン製ノズル基板では、液導入側のノズル孔部は、截頭円錐状のノズル孔部である。
液導入側の截頭円錐状のノズル孔部が形成されたシラザンの焼成膜は、耐インク性等の化学的安定性が高く、機械的強度等に優れる。
液導入側の截頭円錐状のノズル孔部が形成されたシラザンの焼成膜は、耐インク性等の化学的安定性が高く、機械的強度等に優れる。
また、本発明に係るシリコン製ノズル基板では、液導入側のノズル孔部は、シリコン基材側に段階的に小径化していく多段形状のノズル孔部である。
多段形状のノズル孔部が形成された焼成後のシラザン膜は、耐インク性等の化学的安定性が高く、機械的強度等に優れる。
多段形状のノズル孔部が形成された焼成後のシラザン膜は、耐インク性等の化学的安定性が高く、機械的強度等に優れる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、上記に記載したシリコン製ノズル基板を備えたものである。
また、耐インク性等の化学的安定性が高く、機械的強度等に優れ、熱によって変形することがないシリコン製ノズル基板を備えた液滴吐出ヘッドを提供することができる。
また、耐インク性等の化学的安定性が高く、機械的強度等に優れ、熱によって変形することがないシリコン製ノズル基板を備えた液滴吐出ヘッドを提供することができる。
本発明に係る液滴吐出装置は、上記に記載した液滴吐出ヘッドを搭載したものである。
また、吐出特性に優れた液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を提供することができる。
また、吐出特性に優れた液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を提供することができる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)の分解斜視図、図2は図1を組み立てた状態の要部の縦断面図、図3は図2のノズル孔近傍を拡大した縦断面図である。図において、インクジェットヘッド10は、複数のノズル孔11が所定の間隔で設けられたノズル基板1と、各ノズル孔11に対して独立にインク供給路が設けられたキャビティ基板2と、キャビティ基板2の振動板22に対峙して個別電極31が設けられた電極基板3とを貼り合わせて構成したものである。
図1は本発明の実施の形態1に係る液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)の分解斜視図、図2は図1を組み立てた状態の要部の縦断面図、図3は図2のノズル孔近傍を拡大した縦断面図である。図において、インクジェットヘッド10は、複数のノズル孔11が所定の間隔で設けられたノズル基板1と、各ノズル孔11に対して独立にインク供給路が設けられたキャビティ基板2と、キャビティ基板2の振動板22に対峙して個別電極31が設けられた電極基板3とを貼り合わせて構成したものである。
ノズル基板1は、シリコン基材100と、このシリコン基材100の表面(図の下面側)に形成されたポリシラザン(Polysilazane )膜101とから作製されている。
ポリシラザン膜101は、シリコン窒素化合物(Si-N Compound )であるシラザン(Silazane)、例えばフェニルシラザン(Phenysilazane)をシリコン基材100の表面にスピンコート法によって5μ〜10μ程度塗布し、そののち焼成して形成されたもので、焼成によって脱アンモニアによる置換反応が起きて、均一な酸化シリコン膜を形成する。
シラザンには、フェニルシラザンのほかに、ヘキサメチルジシラザン(Hexamethyldisilazane)、テトラメチルジシラザン(Tetramethyldisilazane)、ジビニルテトラメチルジシラザン(Divinyltetramethyldisilazane)、環式ジメチルシラザン(Dimethylcyclosilazane)、ヘプタメチルジシラザン(Heptamethyldisilazane)等がある。
シリコン窒素化合物には、シラザンのほかに、アミノシラン(Aminosilane )、シリルアセトアミド(Silylacetamide)等があり、これらによっても膜形成が可能である。
ポリシラザン膜101は、シリコン窒素化合物(Si-N Compound )であるシラザン(Silazane)、例えばフェニルシラザン(Phenysilazane)をシリコン基材100の表面にスピンコート法によって5μ〜10μ程度塗布し、そののち焼成して形成されたもので、焼成によって脱アンモニアによる置換反応が起きて、均一な酸化シリコン膜を形成する。
シラザンには、フェニルシラザンのほかに、ヘキサメチルジシラザン(Hexamethyldisilazane)、テトラメチルジシラザン(Tetramethyldisilazane)、ジビニルテトラメチルジシラザン(Divinyltetramethyldisilazane)、環式ジメチルシラザン(Dimethylcyclosilazane)、ヘプタメチルジシラザン(Heptamethyldisilazane)等がある。
シリコン窒素化合物には、シラザンのほかに、アミノシラン(Aminosilane )、シリルアセトアミド(Silylacetamide)等があり、これらによっても膜形成が可能である。
インク滴を吐出するためのノズル孔11は、大径側(図の下側)がテーパ形状を有するほぼ截頭円錐状をなし、小径側(図の上側)がほぼ円筒状をなして連通している。小径側のほぼ円筒状をなす部分はシリコン基材100側に形成されており、大径側のほぼ截頭円錐状をなす部分はシリコン基材100の表面に設けられたポリシラザン膜101側に形成されている。
より詳しくは、図3に示すように、ノズル孔11は、第2のノズル孔部110bと第1のノズル孔部110aとが連通したものであって、シリコン基材100とポリシラザン膜101との接触面1cからシリコン基材100の液滴吐出面1b側に至るシリコン基材100側に位置して、インク滴の吐出口部分が液滴吐出面1bに開口するほぼ円筒状の第2のノズル孔部(液吐出側のノズル孔部)110bと、接触面1cよりキャビティ基板2の接合面1a側に至るポリシラザン膜101側に位置し、第2のノズル孔部110b側に小径化し、小径側端部が第2のノズル孔部110bの端部と同径で連通してなり、接合面1a側に大径化して開口するほぼ截頭円錐状の第1のノズル孔部(液導入側のノズル孔部)110aとからなり、ノズル基板面に対して垂直にかつ同軸上に設けられている。そして、インク滴は、ノズル孔11内を、ノズル基板1がキャビティ基板2と接合する接合面1a側から、その反対側に位置する液滴吐出面1b側に吐出される。
第1のノズル孔部110aが形成されたポリシラザン膜101は、耐インク性などの化学的安定性が高く、機械的強度等の物理的特性にも優れているため、インク導入口側の膜として適切である。この膜形成に際して、シラザンをスピンコート法等により塗布すると、平坦な膜を形成することができる。また、基材として、通常、シリコン基材100が用いられているが、ポリシラザン膜101はこのシリコン基材100と熱膨張率の差が小さく、熱により変形することもない。
キャビティ基板2はシリコン基材から作製されており、吐出凹部210、オリフィス凹部230およびリザーバ凹部240が形成されている。そして、オリフィス凹部230(オリフィス23)を介して吐出凹部210(吐出室21)とリザーバ凹部240(リザーバ24)とが連通している。リザーバ24は各吐出室21に共通の共通インク室を構成し、それぞれオリフィス23を介してそれぞれの吐出室21に連通している。リザーバ24の底部には後述する電極基板3を貫通するインク供給孔25が形成され、このインク供給孔25を通じて、図示しないインクカートリッジからインクが供給される。また、吐出室21の底壁は振動板22となっている。なお、キャビティ基板2の全面もしくは少なくとも電極基板3との対向面には、熱酸化やプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition )よりなる絶縁性のSiO2 膜26が施されている。この絶縁膜26は、インクジェットヘッド10を駆動させたときに、絶縁破壊やショートを防止する。
電極基板3はガラス基材から作製されている。電極基板3には、キャビティ基板2の各振動板22に対向する位置にそれぞれ凹部310が設けられている。そして、各凹部310内には、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)からなる個別電極31がスパッタにより形成されている。
個別電極31は、リード部31aと、フレキシブル配線基板(図示せず)に接続される端子部31bとを備えている。端子部31bは、配線のためにキャビティ基板2の末端部が開口された電極取り出し部311内に露出している。そして、ICドライバ等の駆動制御回路40を介して、各個別電極31の端子部31bとキャビティ基板2上の共通電極27とが接続されている。
個別電極31は、リード部31aと、フレキシブル配線基板(図示せず)に接続される端子部31bとを備えている。端子部31bは、配線のためにキャビティ基板2の末端部が開口された電極取り出し部311内に露出している。そして、ICドライバ等の駆動制御回路40を介して、各個別電極31の端子部31bとキャビティ基板2上の共通電極27とが接続されている。
次に、上記のように構成したインクジェットヘッド10の動作を説明する。駆動制御回路40を駆動し、個別電極31に電荷を供給してこれを正に帯電させると、振動板22は負に帯電し、個別電極31と振動板22の間に静電気力が発生する。この静電気力によって、振動板22は個別電極31に引き寄せられて撓む。これによって、吐出室21の容積が増大する。個別電極31への電荷の供給を止めると、振動板22はその弾性力により元に戻り、その際、吐出室21の容積が急激に減少して、そのときの圧力により吐出室21内のインクの一部がインク滴としてノズル孔11より吐出する。振動板22が次に同様に変位すると、インクがリザーバ24からオリフィス23を通って吐出室21内に補給される。
上記のように構成したインクジェットヘッド10の製造方法について、図4〜図9を用いて説明する。図4は本発明の実施の形態1に係るノズル基板1を示す上面図、図5、図6はノズル基板1の製造工程を示す断面図(図4をA−A線で切断した断面図)、図7、図8はキャビティ基板2と電極基板3との接合工程を示す断面図、図9はキャビティ基板2と電極基板3との接合基板にノズル基板1を接合してインクジェットヘッド10を製造する製造工程を示す断面図である。
まず、第1のノズル孔部(液導入側のノズル孔部)110aがほぼ截頭円錐状をなし、第2のノズル孔部(液吐出側のノズル孔部)110bがほぼ円筒状をなして連通するノズル孔11を備えたノズル基板1の製造工程を、図5、図6を用いて説明する。なお、以下に記載の数値等はその一例を示すもので、これに限定するものではない。
(a) 図5(a)に示すように、シリコン基材(Si基材)100を製造する。
(a) 図5(a)に示すように、シリコン基材(Si基材)100を製造する。
(b) 図5(b)に示すように、キャビティ基板2と接合する側のシリコン基材100の表面(図の上側、接触面1c側)に、スピンコート法で、例えばフェニルシラザンを5μ〜10μ塗布する。次に、300℃〜500℃で、30分〜60分焼成する。この焼成によって、シラザンはポリシラザン101になり、脱アンモニアによる置換反応が起きて、均一な酸化シリコン膜となる。この際、焼成条件を変えることによって、後述する第1のノズル孔部110aのテーパ形状をフレキシブルに変えることができる。
(c) 上記のようにしてポリシラザン膜101を形成したのち、図5(c)に示すように、ポリシラザン膜101の上側(図の上側)にレジスト102を塗布する。
(d) フォトマスク(図示せず)を使用して、図5(d)に示すように、レジスト102を露光し、レジスト102のパターニングを行い、開口部102aを形成する。
(e) 図6(e)に示すように、ポリシラザン膜101を、レジスト102の開口部102aからフッ化水素(HF)系の薬品でウェットエッチングする。こうすると、ポリシラザン膜101の表面よりシリコン基材100側に向かって小径化されたテーパ部を有するほぼ截頭円筒状の第1のノズル孔部(液導入側のノズル孔部)110aが形成される。この場合、フォトリソの調整と、ポリシラザン膜101のエッチング条件の調整により、第1のノズル孔部110aを微細にかつ最適に加工することができる。
(f) 図6(f)に示すように、シリコン基材100をレジスト102の開口部102a側からICP(Inductively Coupled Plasma)エッチング装置によりドライエッチングしてシリコン基材100を垂直掘りし、ほぼ円筒状の第2のノズル孔部(液吐出口側のノズル孔部)110bを形成する。先の工程図6(e)において、ポリシラザン膜101の第1のノズル孔部110aを形成したので、このポリシラザン膜101をマスクにしてシリコン基材100をドライエッチングして加工することができる。ポリシラザン膜101をノズル形成時(ドライエッチング時)のマスクとして使用するので、従来の酸化マスク工程と比較して、低エネルギーで作製することができる。
こうして、ポリシラザン膜101側に設けたほぼ截頭円錐状の第1のノズル孔部110aと、シリコン基材100側に設けたほぼ円筒状の第2のノズル孔部110bとによって、ノズル孔11が形成される。
こうして、ポリシラザン膜101側に設けたほぼ截頭円錐状の第1のノズル孔部110aと、シリコン基材100側に設けたほぼ円筒状の第2のノズル孔部110bとによって、ノズル孔11が形成される。
(g) 図6(g)に示すように、レジスト102を薬品を用いて除去する。
上記の工程(a)〜(g)を経て、シリコン基材100とポリシラザン膜101とからノズル基板1を製造する。
上記のようなノズル基板1のノズル孔11の形成において、ポリシラザン膜101をマスクとして使用して第2のノズル孔110bの形成を行うようにしたので、ノズル孔11形成のための時間が短く、材料が少なくて済み、安全性に優れ、安価に製造することができる。
次に、キャビティ基板2及び電極基板3の接合工程を、図7、図8を用いて説明する。なお、キャビティ基板2及び電極基板3の接合工程は、図7、図8に示されるものに限定されるものではない。
(a) まず、図7(a)に示すように、ホウ珪酸ガラス等からなるガラス基材300を、例えば金・クロムのエッチングマスクを使用して、フッ酸によってエッチングすることにより、凹部310を形成する。なお、この凹部310は電極31の形状より少し大きい溝状のものであって、複数形成する。そして、凹部310の内部に、スパッタによってITO(Indium Tin Oxide)からなる電極31を形成する。その後、サンドブラスト加工等によってインク供給孔25となる孔部25aを貫通形成する。
(a) まず、図7(a)に示すように、ホウ珪酸ガラス等からなるガラス基材300を、例えば金・クロムのエッチングマスクを使用して、フッ酸によってエッチングすることにより、凹部310を形成する。なお、この凹部310は電極31の形状より少し大きい溝状のものであって、複数形成する。そして、凹部310の内部に、スパッタによってITO(Indium Tin Oxide)からなる電極31を形成する。その後、サンドブラスト加工等によってインク供給孔25となる孔部25aを貫通形成する。
(b) 次に、シリコン基材200の両面を鏡面研磨した後に、図7(b)に示すように、シリコン基材200の片面にプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition )によってTEOS(TetraEthylOrthosilicate )からなるシリコン酸化膜201を形成する。
(c) 次に、図7(c)に示すように、図7(b)に示すシリコン基材200と、図7(a)に示すガラス基材300を例えば360℃に加熱し、シリコン基材200に陽極、ガラス基材300に陰極を接続して、800V程度の電圧を印加して陽極接合を行う。
(d) シリコン基材200とガラス基材300を陽極接合した後に、水酸化カリウム水溶液等で図7(c)の工程で得られた接合基板をエッチングすることにより、図7(d)に示すようにシリコン基材200の全体を薄板化する。
(c) 次に、図7(c)に示すように、図7(b)に示すシリコン基材200と、図7(a)に示すガラス基材300を例えば360℃に加熱し、シリコン基材200に陽極、ガラス基材300に陰極を接続して、800V程度の電圧を印加して陽極接合を行う。
(d) シリコン基材200とガラス基材300を陽極接合した後に、水酸化カリウム水溶液等で図7(c)の工程で得られた接合基板をエッチングすることにより、図7(d)に示すようにシリコン基材200の全体を薄板化する。
(e) 次に、シリコン基材200の上面(ガラス基材300が接合されている面と反対側に位置する面)の全面に、プラズマCVDによってTEOS膜を形成する。そしてこのTEOS膜に、吐出室21となる凹部210、リザーバ24となる凹部240及びオリフィス23となる凹部230となる部分を形成するためのレジストをパターニングし、この部分のTEOS膜をエッチングして除去する。その後、図8(e)に示すように、シリコン基材200を水酸化カリウム水溶液等でエッチングすることにより、吐出室21となる凹部210、リザーバ24となる凹部240及びオリフィス23となる凹部230を形成する。このとき、電極取出し部41となる部分41aもエッチングして薄板化しておく。なお、図8(e)の工程では、初めに35重量%の水酸化カリウム水溶液を使用し、その後、3重量%の水酸化カリウム水溶液を使用することができる。これにより、振動板22の面荒れを抑制することができる。
(f) シリコン基材200のエッチングが終了した後に、接合基板をフッ酸水溶液でエッチングして、図8(f)に示すように、シリコン基材200に形成されたTEOS膜を除去する。
(g) 次に、シリコン基材200の吐出室21となる凹部210等が形成された面に、図8(g)に示すように、CVDによってTEOS等からなる液滴保護膜202を形成する。
(h) 次に、図8(h)に示すように、RIE(Reactive Ion Etching)等によって電極取出し部41を開放する。また、シリコン基材200に機械加工又はレーザー加工を行って、インク供給孔25をリザーバ24となる凹部240において貫通させる。これによって、キャビティ基板2と電極基板3が接合された接合基板が完成する。
なお、電極取出し部41に、振動板22と電極31の間の空間を封止するための封止剤(図示せず)を塗布するようにしてもよい。
(g) 次に、シリコン基材200の吐出室21となる凹部210等が形成された面に、図8(g)に示すように、CVDによってTEOS等からなる液滴保護膜202を形成する。
(h) 次に、図8(h)に示すように、RIE(Reactive Ion Etching)等によって電極取出し部41を開放する。また、シリコン基材200に機械加工又はレーザー加工を行って、インク供給孔25をリザーバ24となる凹部240において貫通させる。これによって、キャビティ基板2と電極基板3が接合された接合基板が完成する。
なお、電極取出し部41に、振動板22と電極31の間の空間を封止するための封止剤(図示せず)を塗布するようにしてもよい。
次に、ノズル基板1、キャビティ基板2及び電極基板3の接合工程を、図9を用いて説明する。
図9に示すように、ノズル基板1の接合面1aに接着剤層を形成し、電極基板3が接合されたキャビティ基板2と、ノズル基板1とを接合する。
以上の製造工程を経ることにより、ノズル基板1、キャビティ基板2及び電極基板3の接合体が完成する。
最後に、キャビティ基板2、電極基板3、ノズル基板4が接合された接合基板をダイシング(切断)により分離して、インクジェットヘッド10が完成する。
図9に示すように、ノズル基板1の接合面1aに接着剤層を形成し、電極基板3が接合されたキャビティ基板2と、ノズル基板1とを接合する。
以上の製造工程を経ることにより、ノズル基板1、キャビティ基板2及び電極基板3の接合体が完成する。
最後に、キャビティ基板2、電極基板3、ノズル基板4が接合された接合基板をダイシング(切断)により分離して、インクジェットヘッド10が完成する。
上記のように、キャビティ基板2を、予め作製された電極基板3に接合した状態のシリコン基材200から作製するので、電極基板3によりシリコン基材200を支持した状態となり、シリコン基材200を薄板化しても割れたり欠けたりすることがなく、ハンドリングが容易となる。従って、キャビティ基板2を単独で製造する場合よりも歩留まりが向上する。
実施の形態2.
図10は本発明の実施の形態2に係る液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)のノズル基板のノズル孔近傍を拡大した縦断面図である。
実施の形態1では、第1のノズル孔110aはシリコン基材100側に小径化するテーパ形状としたが、本実施の形態2は第1のノズル孔110aをシリコン基材側100に二段構造で小径化するテーパ形状である。
図10は本発明の実施の形態2に係る液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)のノズル基板のノズル孔近傍を拡大した縦断面図である。
実施の形態1では、第1のノズル孔110aはシリコン基材100側に小径化するテーパ形状としたが、本実施の形態2は第1のノズル孔110aをシリコン基材側100に二段構造で小径化するテーパ形状である。
第1のノズル孔部110aは、接触面1cよりキャビティ基板2の接合面1a側に至るポリシラザン膜101側に位置し、接触面1c側に位置する第2の截頭円筒部111bと、接合面1a側に位置して第2の截頭円筒部111bよりも大径の第1の截頭円筒部111aとからなり、ほぼ円筒状の第2のノズル孔部110b側に向かって二段構造で小径化する。このとき、第1のノズル孔部110aの第2の截頭円筒部111bの小径側の径が、円筒状の第2のノズル孔部110bの径とほぼ同径で第2のノズル孔部110bと連通し、第1のノズル孔部110aの第1の截頭円筒部111aの小径側の径が、第2の截頭円筒部111bの大径側の径よりも大きく形成されて段差部111cを介して連通し、第1の截頭円筒部111aの大径側が接合面1aに開口する。
その他の構成、作用、効果は実施の形態1で示した場合と実質的に同様なので、説明を省略する。
その他の構成、作用、効果は実施の形態1で示した場合と実質的に同様なので、説明を省略する。
上記のように構成したインクジェットヘッド10の製造方法について、図11〜図13を用いて説明する。図11〜図13はノズル基板1の製造工程を示す断面図である。なお、以下に記載の数値はその一例を示すもので、これに限定するものではない。
(a)〜(d) 図11(a)〜(d)の工程は、実施の形態1に示した図5(a)〜(d)の工程と実質的に同様なので説明を省略する。
(a)〜(d) 図11(a)〜(d)の工程は、実施の形態1に示した図5(a)〜(d)の工程と実質的に同様なので説明を省略する。
(e) 図11(d)に示すように、レジスト102に開口部102aを形成したのち、図12(e)に示すように、ポリシラザン膜101を、レジスト102の開口部102aからフッ化水素系の薬品でウェットエッチングして、ポリシラザン膜101に凹状の第1の截頭円錐部111aを形成する。
(f) 図12(f)に示すように、レジスト102を薬品を用いて除去する。
(g) 図12(g)に示すように、ポリシラザン膜101の上側(図の上側)に、第1の截頭円錐部111aの凹状表面も含み、レジスト112を塗布する。
(h) フォトマスク(図示せず)を使用して、図12(h)に示すように、レジスト112を露光し、レジスト112のパターニングを行い、開口部112aを形成する。この開口部112aは、図11の工程(d)で形成した開口部102aより小径であって、凹状にエッチングされた第1の截頭円錐部111aの底面部に、この底面部より小径に形成する。
(i) 図13(i)に示すように、ポリシラザン膜101を、レジスト112の開口部112aからフッ化水素系の薬品でウェットエッチングして、第1の截頭円錐部111aの底面よりシリコン基材100側に向かって第2の截頭円錐部111bを形成する。このとき、第1の截頭円錐部111aの底面の一部が残されて、第2の截頭円錐部111bとの間に段差部111cを形成する。
(j) 図13(j)に示すように、ポリシラザン膜101をマスクにして、ICPエッチング装置により、シリコン基材100の部分をレジスト112の開口部112a側よりドライエッチングしてシリコン基材100を垂直掘りし、ほぼ円筒状の第2のノズル孔部110bを形成する。
こうして、ポリシラザン膜101側に設けたほぼ截頭円錐状の二段のテーパ形状からなる第1のノズル孔部110aと、シリコン基材100側に設けたほぼ円筒状の第2のノズル孔部110bとによって、ノズル孔11が形成される。
こうして、ポリシラザン膜101側に設けたほぼ截頭円錐状の二段のテーパ形状からなる第1のノズル孔部110aと、シリコン基材100側に設けたほぼ円筒状の第2のノズル孔部110bとによって、ノズル孔11が形成される。
(k) 図13(k)に示すように、レジスト112を薬品を用いて除去する。
上記の工程(a)〜(k)を経て、シリコン基材100とポリシラザン膜101とからノズル基板1を製造する。
その他の工程は、実施の形態1で示した場合と同様なので、説明を省略する。
その他の工程は、実施の形態1で示した場合と同様なので、説明を省略する。
上記の説明では、ポリシラザン膜101の開口において、第1のノズル孔110aを二段のテーパ形状にしたが、フォトリソを3回またはそれ以上行い、開口径を徐々に小さくしていくことで、三段以上のテーパ形状からなる多段ノズルを形成することもできる。
実施の形態3.
図14は、本発明の実施の形態3に係る液滴吐出装置(インクジェットプリンタ)の斜視図である。実施の形態1、2で得られたインクジェットヘッド10は、ノズル孔11を有するノズル基板1を用いて製造することができ、かかるインクジェットヘッド10を用いて、図14に示すようなインクジェットプリンタ400を得ることができる。
なお、実施の形態1、2に係るインクジェットヘッド10は液滴吐出ヘッドの一例であって、液滴吐出ヘッドはインクジェットヘッド10に限定されるものではなく、インク滴を種々変更することによって、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、生体液体の吐出等にも適用することができる。
また、実施の形態1、2に係る液滴吐出ヘッドは、圧電駆動方式の液滴吐出装置や、バブルジェット(登録商標)方式の液滴吐出装置にも使用することができる。
図14は、本発明の実施の形態3に係る液滴吐出装置(インクジェットプリンタ)の斜視図である。実施の形態1、2で得られたインクジェットヘッド10は、ノズル孔11を有するノズル基板1を用いて製造することができ、かかるインクジェットヘッド10を用いて、図14に示すようなインクジェットプリンタ400を得ることができる。
なお、実施の形態1、2に係るインクジェットヘッド10は液滴吐出ヘッドの一例であって、液滴吐出ヘッドはインクジェットヘッド10に限定されるものではなく、インク滴を種々変更することによって、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、生体液体の吐出等にも適用することができる。
また、実施の形態1、2に係る液滴吐出ヘッドは、圧電駆動方式の液滴吐出装置や、バブルジェット(登録商標)方式の液滴吐出装置にも使用することができる。
1 ノズル基板、1a 接合面、1b 液滴吐出面、1c 接触面、2 キャビティ基板、3 電極基板、10 インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)、11 ノズル孔、100 シリコン基材、101 ポリシラザン膜、102 レジスト、102a 開口部、110a 第1のノズル孔部(液導入側のノズル孔部)、110b 第2のノズル孔部(液吐出側のノズル孔部)、111a 第1の截頭円筒部、111b 第2の截頭円筒部、111c 段差部、400 インクジェットプリンタ(液滴吐出装置)。
Claims (13)
- シリコン基材の表面にシリコン窒素化合物を成膜する工程と、
前記成膜されたシリコン窒素化合物を焼成する工程と、
前記成膜され焼成されたシリコン窒素化合物の上にレジストを塗布して開口部を形成する工程と、
前記レジストに形成された開口部よりウェットエッチングして、前記シリコン窒素化合物に、前記シリコン基材側に小径化していく液導入側のノズル孔部を形成する工程と、
前記成膜され焼成されたシリコン窒素化合物をマスクとしてドライエッチングし、前記シリコン基材に液吐出側のノズル孔部を形成する工程と、
を含むことを特徴とするシリコン製ノズル基板の製造方法。 - 前記シリコン窒素化合物が、シラザンであることを特徴とする請求項1記載のシリコン製ノズル基板の製造方法。
- 前記シラザンが、フェニルシラザン、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、環式ジメチルシラザン、およびヘプタメチルジシラザンのいずれかであることを特徴とする請求項2記載のシリコン製ノズル基板の製造方法。
- 前記シラザンを前記シリコン基材の表面にスピンコート法により5μ〜10μ塗布して成膜することを特徴とする請求項2または3記載のシリコン製ノズル基板の製造方法。
- 前記シラザンの焼成は、300℃〜500℃で、30分〜60分行うことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のシリコン製ノズル基板の製造方法。
- 前記成膜され焼成されたシラザンのウェットエッチングをフッ化水素系の薬品で行うことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のシリコン製ノズル基板の製造方法。
- 前記レジストに形成された開口部よりウェットエッチングして、前記シリコン窒素化合物に、前記シリコン基材側に小径化していく液導入側のノズル孔部を形成する工程が、段階的に小径化していく工程であって、前記レジストの塗布および除去を複数回行い、前記レジストの開口部の径を前記レジストの塗布ごとに段階的に小径化していくことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシリコン製ノズル基板の製造方法。
- ほぼ同径に形成された液吐出側のノズル孔部と、前記液吐出側のノズル孔部側に小径化していく液導入側のノズル孔部とからなり、前記液導入側のノズル孔部の小径側端部が前記液吐出側のノズル孔部の端部と同径で連通してなるノズル孔を備え、
前記液導入側のノズル孔部がシリコン窒素化合物の焼成膜側に形成され、前記液吐出側のノズル孔部がシリコン基材側に形成され、前記シリコン窒素化合物の焼成膜と前記シリコン基材とによって基板が構成されたことを特徴とするシリコン製ノズル基板。 - 前記シリコン窒素化合物の焼成膜が、シリコン基板上に成膜されて焼成されたシラザンからなる膜であることを特徴とする請求項8記載のシリコン製ノズル基板。
- 前記液導入側のノズル孔部は、截頭円錐状のノズル孔部であることを特徴とする請求項8または9記載のシリコン製ノズル基板。
- 前記液導入側のノズル孔部は、前記シリコン基材側に段階的に小径化していく多段形状のノズル孔部であることを特徴とする請求項8または9記載のシリコン製ノズル基板。
- 請求項8〜11のいずれかに記載のシリコン製ノズル基板を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
- 請求項12記載の液滴吐出ヘッドを搭載したことを特徴とする液滴吐出装置。
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JP2008202209A JP2010036462A (ja) | 2008-08-05 | 2008-08-05 | シリコン製ノズル基板の製造方法、シリコン製ノズル基板、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置 |
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JP2014113822A (ja) * | 2012-12-06 | 2014-06-26 | Samsung Electronics Co Ltd | インクジェット・プリンティング装置及びノズル形成方法 |
-
2008
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