JP2009012202A - ノズルプレートの製造方法、ノズルプレート、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド - Google Patents
ノズルプレートの製造方法、ノズルプレート、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド Download PDFInfo
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Abstract
【課題】安定した吐出特性を有するとともに、ノズル密度の高密度化が可能な液滴吐出用
のノズルプレートを簡単に形成可能な製造方法等を提供する。
【解決手段】シリコン基板41の一方の面にドライエッチングを施して円筒状ノズル孔部
分11aとなる凹部41cを形成する工程と、そのシリコン基板41全体に 、エッチン
グ保護膜(SiO2 膜 )44を形成する工程と、そのシリコン基板41の表面全体にド
ライエッチングを施して、凹部41cの底面側の側面を残してエッチング保護膜44を除
去する工程と、そのシリコン基板41にドライエッチングを施して、エッチング保護膜で
保護されていない凹部41cの開口面側の部分をエッチング除去し、テーパ状ノズル孔部
分11bを形成する工程と、そのシリコン基板41を、一方の面とは反対側の面側から、
円筒状ノズル孔部分11aとなる部分の先端部11cが開口するまで薄板化する工程とを
有する。
【選択図】図6
のノズルプレートを簡単に形成可能な製造方法等を提供する。
【解決手段】シリコン基板41の一方の面にドライエッチングを施して円筒状ノズル孔部
分11aとなる凹部41cを形成する工程と、そのシリコン基板41全体に 、エッチン
グ保護膜(SiO2 膜 )44を形成する工程と、そのシリコン基板41の表面全体にド
ライエッチングを施して、凹部41cの底面側の側面を残してエッチング保護膜44を除
去する工程と、そのシリコン基板41にドライエッチングを施して、エッチング保護膜で
保護されていない凹部41cの開口面側の部分をエッチング除去し、テーパ状ノズル孔部
分11bを形成する工程と、そのシリコン基板41を、一方の面とは反対側の面側から、
円筒状ノズル孔部分11aとなる部分の先端部11cが開口するまで薄板化する工程とを
有する。
【選択図】図6
Description
本発明は、液滴を吐出するためのノズル孔を有するノズルプレートの製造方法、ノズル
プレート、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出ヘッドに関する。
プレート、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出ヘッドに関する。
液滴を吐出するための液滴吐出ヘッドとして、例えばインクジェット記録装置に搭載さ
れるインクジェットヘッドが知られている。インクジェットヘッドは、一般に、インク滴
を吐出するための複数のノズル孔が形成されたノズルプレートと、このノズルプレートに
接合されノズルプレートとの間で上記ノズル孔に連通する吐出室、リザーバ等のインク流
路が形成されたキャビティプレートとを備え、駆動部により吐出室に圧力を加えることに
よりインク滴を選択されたノズル孔より吐出するように構成されている。駆動手段として
は、静電気力を利用する方式や、圧電素子による圧電方式、発熱素子を利用するバブルジ
ェット(登録商標)方式等がある。
近年、インクジェットヘッドに対して、印字、画質等の高品位化の要求が一段と強まり
、そのため高密度化並びに吐出性能の向上が強く要求されている。このような背景から、
インクジェットヘッドのノズル部に関して、従来より様々な工夫、提案がなされている。
れるインクジェットヘッドが知られている。インクジェットヘッドは、一般に、インク滴
を吐出するための複数のノズル孔が形成されたノズルプレートと、このノズルプレートに
接合されノズルプレートとの間で上記ノズル孔に連通する吐出室、リザーバ等のインク流
路が形成されたキャビティプレートとを備え、駆動部により吐出室に圧力を加えることに
よりインク滴を選択されたノズル孔より吐出するように構成されている。駆動手段として
は、静電気力を利用する方式や、圧電素子による圧電方式、発熱素子を利用するバブルジ
ェット(登録商標)方式等がある。
近年、インクジェットヘッドに対して、印字、画質等の高品位化の要求が一段と強まり
、そのため高密度化並びに吐出性能の向上が強く要求されている。このような背景から、
インクジェットヘッドのノズル部に関して、従来より様々な工夫、提案がなされている。
インク吐出特性を改善するためには、インクノズルとして、先端側に一定断面の細いノ
ズル孔部分が形成され、その後端側に円錐状あるいは角錐状に広がったノズル孔部分が形
成された断面形状のものを使用することが望ましい。例えば、インクノズルを、先端側を
一定断面の円筒状ノズル孔部分とし、後端側を内周面が四角錐台形状のテーパ状ノズル孔
部分としたものがある(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、全体として円筒
形状をしたインクノズルを使用する場合に比べて、安定した吐出特性を得ることができる
。
ズル孔部分が形成され、その後端側に円錐状あるいは角錐状に広がったノズル孔部分が形
成された断面形状のものを使用することが望ましい。例えば、インクノズルを、先端側を
一定断面の円筒状ノズル孔部分とし、後端側を内周面が四角錐台形状のテーパ状ノズル孔
部分としたものがある(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、全体として円筒
形状をしたインクノズルを使用する場合に比べて、安定した吐出特性を得ることができる
。
また、インクノズルの先端側の円筒状ノズル孔部分を異方性ドライエッチングで形成し
、後端側のテーパ状ノズル孔部分を異方性ウェットエッチングで形成する方法(例えば、
特許文献2参照)を用いて製造することにより、ノズル孔全体をウェットエッチングのみ
で形成する場合に比べて、円筒状ノズル孔部分とテーパ状ノズル孔部分との間を滑らかに
連続した形状とすることができ、気泡排出性が良く、安定した吐出特性を得ることが可能
となっている。
、後端側のテーパ状ノズル孔部分を異方性ウェットエッチングで形成する方法(例えば、
特許文献2参照)を用いて製造することにより、ノズル孔全体をウェットエッチングのみ
で形成する場合に比べて、円筒状ノズル孔部分とテーパ状ノズル孔部分との間を滑らかに
連続した形状とすることができ、気泡排出性が良く、安定した吐出特性を得ることが可能
となっている。
しかしながら、上記のようにテーパ状ノズル孔部分をシリコン単結晶基板に異方性ウェ
ットエッチングで形成する場合には、シリコン単結晶基板の面方位に依存するため、テー
パ角が決まってしまい、ノズル密度の高密度化に限界があるという課題があった。
ットエッチングで形成する場合には、シリコン単結晶基板の面方位に依存するため、テー
パ角が決まってしまい、ノズル密度の高密度化に限界があるという課題があった。
そこで、従来、円筒状ノズル孔部分とテーパ状ノズル孔部分との両方を異方性ドライエ
ッチングで形成することで高密度化を可能にするとともに、円筒状ノズル孔部分とテーパ
状ノズル孔部分との境界部分を滑らかに連続した形状に形成可能とする方法があった(例
えば、特許文献3参照)。
特開昭56−135075号公報
特開平10−315461号公報
特開2007−55241号公報
ッチングで形成することで高密度化を可能にするとともに、円筒状ノズル孔部分とテーパ
状ノズル孔部分との境界部分を滑らかに連続した形状に形成可能とする方法があった(例
えば、特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献3の方法では、ノズル孔を形成する際に円筒状ノズル孔部分と
テーパ状ノズル孔部分のそれぞれについてパターニング工程を必要としており、更なる製
造工程の簡略化が望まれていた。
テーパ状ノズル孔部分のそれぞれについてパターニング工程を必要としており、更なる製
造工程の簡略化が望まれていた。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、安定した吐出特性を有するとともに、ノ
ズル密度の高密度化が可能な液滴吐出用のノズルプレートを簡単に形成可能なノズルプレ
ートの製造方法、ノズルプレート、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出ヘッドを提供
することを目的とする。
ズル密度の高密度化が可能な液滴吐出用のノズルプレートを簡単に形成可能なノズルプレ
ートの製造方法、ノズルプレート、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出ヘッドを提供
することを目的とする。
本発明に係るノズルプレートの製造方法は、シリコン基板の一方の面にドライエッチン
グを施して、吐出方向先端側の円筒状ノズル孔部分となる凹部を形成する工程と、凹部が
形成されたシリコン基板の表面全体に、エッチング保護膜を形成する工程と、エッチング
保護膜が形成されたシリコン基板の表面全体にドライエッチングを施して、凹部の吐出方
向先端側の側面を残してエッチング保護膜を除去する工程と、凹部のエッチング保護膜が
除去された部分にドライエッチングを施して、円筒状ノズル孔部分から吐出方向後端側に
向けて断面積が漸増しているテーパ状ノズル孔部分を形成する工程と、テーパ状ノズル孔
部分が形成されたシリコン基板を、一方の面とは反対側の面から、円筒状ノズル孔部分の
吐出方向先端部が開口するまで薄板化する工程とを有するものである。
このように、異方性ウェットエッチングに依ることなくドライエッチングでノズル孔の
テーパ状ノズル孔部分を形成するため、ノズル密度を高密度とすることが可能である。ま
た、ノズル孔全体をドライエッチングで形成するため、円筒状ノズル孔部分とテーパ状ノ
ズル孔部分との境界部分をなめらかに連続した形状とすることができ、気泡排出性が良く
、安定した吐出特性を有するインクジェットヘッドを形成することができる。
また、ノズル孔を形成する際のパターニング工程が一回だけで良く、テーパ状ノズル孔
部分を形成する際のパターニング工程が不要であるため、低コストで製造することが可能
となる。
また、テーパ状ノズル孔部分を形成する際のエッチング工程では、円筒状ノズル孔部分
となる凹部の側面がエッチング保護膜で保護されているため、円筒状ノズル孔部分の孔径
にエッチングガスの影響が及ぶことを防止でき、円筒状ノズル孔部分の孔径精度を維持す
ることができる。
グを施して、吐出方向先端側の円筒状ノズル孔部分となる凹部を形成する工程と、凹部が
形成されたシリコン基板の表面全体に、エッチング保護膜を形成する工程と、エッチング
保護膜が形成されたシリコン基板の表面全体にドライエッチングを施して、凹部の吐出方
向先端側の側面を残してエッチング保護膜を除去する工程と、凹部のエッチング保護膜が
除去された部分にドライエッチングを施して、円筒状ノズル孔部分から吐出方向後端側に
向けて断面積が漸増しているテーパ状ノズル孔部分を形成する工程と、テーパ状ノズル孔
部分が形成されたシリコン基板を、一方の面とは反対側の面から、円筒状ノズル孔部分の
吐出方向先端部が開口するまで薄板化する工程とを有するものである。
このように、異方性ウェットエッチングに依ることなくドライエッチングでノズル孔の
テーパ状ノズル孔部分を形成するため、ノズル密度を高密度とすることが可能である。ま
た、ノズル孔全体をドライエッチングで形成するため、円筒状ノズル孔部分とテーパ状ノ
ズル孔部分との境界部分をなめらかに連続した形状とすることができ、気泡排出性が良く
、安定した吐出特性を有するインクジェットヘッドを形成することができる。
また、ノズル孔を形成する際のパターニング工程が一回だけで良く、テーパ状ノズル孔
部分を形成する際のパターニング工程が不要であるため、低コストで製造することが可能
となる。
また、テーパ状ノズル孔部分を形成する際のエッチング工程では、円筒状ノズル孔部分
となる凹部の側面がエッチング保護膜で保護されているため、円筒状ノズル孔部分の孔径
にエッチングガスの影響が及ぶことを防止でき、円筒状ノズル孔部分の孔径精度を維持す
ることができる。
また、円筒状ノズル孔部分となる凹部を形成する際のドライエッチングとしては、IC
P(Inductively Coupled Plasma)放電による異方性ドライエッチングが好適である。
これにより、基板面に垂直且つ高精度に円筒状ノズル孔部分を形成することができる。
P(Inductively Coupled Plasma)放電による異方性ドライエッチングが好適である。
これにより、基板面に垂直且つ高精度に円筒状ノズル孔部分を形成することができる。
また、異方性ドライエッチングを、エッチングガスとしてC4F8及びSF6を用いて行
うものである。
C4F8はノズル孔の側面方向にエッチングが進行しないようにその側面を保護する作用
があり、SF6は垂直方向のエッチングを促進する作用があるため、ノズル孔を基板面に
対して垂直に高精度に加工することができる。
うものである。
C4F8はノズル孔の側面方向にエッチングが進行しないようにその側面を保護する作用
があり、SF6は垂直方向のエッチングを促進する作用があるため、ノズル孔を基板面に
対して垂直に高精度に加工することができる。
本発明に係るノズルプレートは、上記の何れかのノズルプレートの製造方法を用いて製
造されたものである。
これにより、安定した吐出特性を有し、ノズル密度の高密度化が図られたノズルプレー
トを得ることができる。
造されたものである。
これにより、安定した吐出特性を有し、ノズル密度の高密度化が図られたノズルプレー
トを得ることができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法は、液滴を吐出するための複数のノズル孔と、
各ノズル孔に連通して設けられて圧力を加えるための吐出室と、吐出室に液滴を供給する
液滴供給路と、液滴を吐出するための吐出圧力を吐出室に発生させる圧力発生手段とを有
する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、複数のノズル孔を有するノズルプレートを、上
記の何れかのノズルプレートの製造方法により製造するものである。
これにより、安定した液滴吐出特性を有し、かつ高密度の液滴吐出ヘッドを得ることが
できる。
各ノズル孔に連通して設けられて圧力を加えるための吐出室と、吐出室に液滴を供給する
液滴供給路と、液滴を吐出するための吐出圧力を吐出室に発生させる圧力発生手段とを有
する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、複数のノズル孔を有するノズルプレートを、上
記の何れかのノズルプレートの製造方法により製造するものである。
これにより、安定した液滴吐出特性を有し、かつ高密度の液滴吐出ヘッドを得ることが
できる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、上記液滴吐出ヘッドの製造方法を用いて製造されたも
のである。
これにより、安定した液滴吐出特性を有し、かつ高密度の液滴吐出ヘッドを得ることが
できる。
のである。
これにより、安定した液滴吐出特性を有し、かつ高密度の液滴吐出ヘッドを得ることが
できる。
以下、本発明のノズルプレートを備えた液滴吐出ヘッドの実施の形態を図面に基づいて
説明する。ここでは、液滴吐出ヘッドの一例として、静電駆動方式のインクジェットヘッ
ドについて図1及び図2を参照して説明する。なお、本発明は、以下の図に示す構造、形
状に限定されるものではなく、また、駆動方式についても他の異なる駆動方式により液滴
を吐出する液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置にも適用できるものである。
説明する。ここでは、液滴吐出ヘッドの一例として、静電駆動方式のインクジェットヘッ
ドについて図1及び図2を参照して説明する。なお、本発明は、以下の図に示す構造、形
状に限定されるものではなく、また、駆動方式についても他の異なる駆動方式により液滴
を吐出する液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置にも適用できるものである。
図1は、本発明の一実施の形態に係るインクジェットヘッドの概略構成を分解して示す
分解斜視図であり、一部を断面で表してある。図2は、図1の右半分の概略構成を示すイ
ンクジェットヘッドの断面図であり、ノズル部をさらに拡大して表してある。なお、図1
および図2では、通常使用される状態とは上下逆に示されている。
分解斜視図であり、一部を断面で表してある。図2は、図1の右半分の概略構成を示すイ
ンクジェットヘッドの断面図であり、ノズル部をさらに拡大して表してある。なお、図1
および図2では、通常使用される状態とは上下逆に示されている。
本実施形態のインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッドの一例)10は、図1および図2
に示すように、複数のノズル孔11が所定のピッチで設けられたノズルプレート1と、各
ノズル孔11に対して独立にインク供給路が設けられたキャビティプレート2と、キャビ
ティプレート2の振動板22に対峙して個別電極31が配設された電極基板3とを貼り合
わせることにより構成されている。
に示すように、複数のノズル孔11が所定のピッチで設けられたノズルプレート1と、各
ノズル孔11に対して独立にインク供給路が設けられたキャビティプレート2と、キャビ
ティプレート2の振動板22に対峙して個別電極31が配設された電極基板3とを貼り合
わせることにより構成されている。
ノズルプレート1は、例えば厚さ180μmのシリコン単結晶基板(以下、単にシリコ
ン基板とも称する)から作製されている。ノズルプレート1は、複数のノズル孔11が設
けられる領域に凹部12が形成され、この凹部12の底面にインク液滴を吐出するための
ノズル孔11が開口している。すなわち、ノズル部分の長さ(基板厚み)を凹部12によ
り薄肉化することにより各ノズル孔11の流路抵抗を調整している。これにより、均一な
吐出性能を確保するとともに、吐出面(凹部12の底面)に記録用紙などの他の物体が直
接接触することがないので、記録用紙の汚損やノズル孔11の先端の損傷などを防止する
ことができる。
ン基板とも称する)から作製されている。ノズルプレート1は、複数のノズル孔11が設
けられる領域に凹部12が形成され、この凹部12の底面にインク液滴を吐出するための
ノズル孔11が開口している。すなわち、ノズル部分の長さ(基板厚み)を凹部12によ
り薄肉化することにより各ノズル孔11の流路抵抗を調整している。これにより、均一な
吐出性能を確保するとともに、吐出面(凹部12の底面)に記録用紙などの他の物体が直
接接触することがないので、記録用紙の汚損やノズル孔11の先端の損傷などを防止する
ことができる。
各ノズル孔11は、吐出方向の先端側となる円筒状ノズル孔部分11aと、円筒状ノズ
ル孔部分11aから吐出方向の後端側に向けてノズル断面積が漸増しているテーパ状ノズ
ル孔部分11bとを有している。なお、円筒状ノズル孔部分11aはノズルプレート1の
表面(基板表面で凹部12の底面)に対して垂直に設けられており、円筒状ノズル孔部分
11aとテーパ状ノズル孔部分11bとは同軸上に設けられている。かかる構成により、
インク滴の吐出方向をノズル孔11の中心軸方向に揃えることができ、安定したインク吐
出特性を発揮させることができる。すなわち、インク滴の飛翔方向のばらつきがなくなり
、またインク滴の飛び散りがなく、インク滴の吐出量のばらつきを抑制することができる
。
ル孔部分11aから吐出方向の後端側に向けてノズル断面積が漸増しているテーパ状ノズ
ル孔部分11bとを有している。なお、円筒状ノズル孔部分11aはノズルプレート1の
表面(基板表面で凹部12の底面)に対して垂直に設けられており、円筒状ノズル孔部分
11aとテーパ状ノズル孔部分11bとは同軸上に設けられている。かかる構成により、
インク滴の吐出方向をノズル孔11の中心軸方向に揃えることができ、安定したインク吐
出特性を発揮させることができる。すなわち、インク滴の飛翔方向のばらつきがなくなり
、またインク滴の飛び散りがなく、インク滴の吐出量のばらつきを抑制することができる
。
また、ノズルプレート1の図2において下面(キャビティプレート2との接合側の面)
にはインク流路の一部を形成するオリフィス(細溝)13が設けられている。また、後述
するキャビティプレート2のリザーバ23に対応する位置に凹部により薄肉化されたダイ
ヤフラム部14が設けられている。ダイヤフラム部14はリザーバ23内の圧力変動を抑
制するために設けられている。
にはインク流路の一部を形成するオリフィス(細溝)13が設けられている。また、後述
するキャビティプレート2のリザーバ23に対応する位置に凹部により薄肉化されたダイ
ヤフラム部14が設けられている。ダイヤフラム部14はリザーバ23内の圧力変動を抑
制するために設けられている。
キャビティプレート2は、例えば厚さ約140μmのシリコン単結晶基板(この基板も
以下、単にシリコン基板とも称する)から作製されている。シリコン基板に異方性ウェッ
トエッチングを施し、インク流路の吐出室21およびリザーバ23を構成するための凹部
24、25が形成される。凹部24はノズル孔11に対応する位置に独立に複数形成され
る。したがって、図2に示すようにノズルプレート1とキャビティプレート2とを接合し
た際、各凹部24は吐出室21を構成し、それぞれノズル孔11に連通しており、またイ
ンク供給路であるオリフィス13ともそれぞれ連通している。そして、吐出室21(凹部
24)の底壁が振動板22となっている。
以下、単にシリコン基板とも称する)から作製されている。シリコン基板に異方性ウェッ
トエッチングを施し、インク流路の吐出室21およびリザーバ23を構成するための凹部
24、25が形成される。凹部24はノズル孔11に対応する位置に独立に複数形成され
る。したがって、図2に示すようにノズルプレート1とキャビティプレート2とを接合し
た際、各凹部24は吐出室21を構成し、それぞれノズル孔11に連通しており、またイ
ンク供給路であるオリフィス13ともそれぞれ連通している。そして、吐出室21(凹部
24)の底壁が振動板22となっている。
他方の凹部25は、液状材料のインクを貯留するためのものであり、各吐出室21に共
通のリザーバ(共通インク室)23を構成する。そして、リザーバ23(凹部25)はそ
れぞれオリフィス13を介して全ての吐出室21に連通している。また、リザーバ23の
底部には後述する電極基板3を貫通する孔が設けられ、この孔のインク供給孔34を通じ
て図示しないインクカートリッジからインクが供給されるようになっている。
通のリザーバ(共通インク室)23を構成する。そして、リザーバ23(凹部25)はそ
れぞれオリフィス13を介して全ての吐出室21に連通している。また、リザーバ23の
底部には後述する電極基板3を貫通する孔が設けられ、この孔のインク供給孔34を通じ
て図示しないインクカートリッジからインクが供給されるようになっている。
また、キャビティプレート2の全面もしくは少なくとも電極基板3との対向面には熱酸
化やプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によりSiO2やTEOS(Tetraeth
ylorthosilicate Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン、珪酸エチル)膜等からな
る絶縁膜26が膜厚0.1μmで成膜されている。この絶縁膜26は、インクジェットヘ
ッドを駆動させた時の絶縁破壊や短絡を防止する目的で設けられる。
化やプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によりSiO2やTEOS(Tetraeth
ylorthosilicate Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン、珪酸エチル)膜等からな
る絶縁膜26が膜厚0.1μmで成膜されている。この絶縁膜26は、インクジェットヘ
ッドを駆動させた時の絶縁破壊や短絡を防止する目的で設けられる。
電極基板3は、例えば厚さ約1mmのガラス基板から作製される。中でも、キャビティ
プレート2のシリコン基板と熱膨張係数の近い硼珪酸系の耐熱硬質ガラスを用いるのが適
している。これは、電極基板3とキャビティプレート2とを陽極接合する際、両基板の熱
膨張係数が近いため、電極基板3とキャビティプレート2との間に生じる応力を低減する
ことができ、その結果、剥離等の問題を生じることなく電極基板3とキャビティプレート
2とを強固に接合することができるからである。
プレート2のシリコン基板と熱膨張係数の近い硼珪酸系の耐熱硬質ガラスを用いるのが適
している。これは、電極基板3とキャビティプレート2とを陽極接合する際、両基板の熱
膨張係数が近いため、電極基板3とキャビティプレート2との間に生じる応力を低減する
ことができ、その結果、剥離等の問題を生じることなく電極基板3とキャビティプレート
2とを強固に接合することができるからである。
電極基板3には、キャビティプレート2の各振動板22に対向する面の位置にそれぞれ
凹部32が設けられている。凹部32は、エッチングにより深さ約0.3μmで形成され
ている。そして、各凹部32内には、一般に、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫
酸化物)からなる個別電極31が、例えば0.1μmの厚さでスパッタにより形成される
。したがって、振動板22と個別電極31との間に形成されるギャップ(空隙)は、この
凹部32の深さ、個別電極31および振動板22を覆う絶縁膜26の厚さにより決まるこ
とになる。このギャップはインクジェットヘッドのノズル孔部分の吐出特性に大きく影響
する。ここで、個別電極31の材料はITOに限定するものではなく、クロム等の金属等
を用いてもよいが、ITOは透明であるので放電したかどうかの確認が行いやすい等の理
由から、一般にITOが用いられる。
凹部32が設けられている。凹部32は、エッチングにより深さ約0.3μmで形成され
ている。そして、各凹部32内には、一般に、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫
酸化物)からなる個別電極31が、例えば0.1μmの厚さでスパッタにより形成される
。したがって、振動板22と個別電極31との間に形成されるギャップ(空隙)は、この
凹部32の深さ、個別電極31および振動板22を覆う絶縁膜26の厚さにより決まるこ
とになる。このギャップはインクジェットヘッドのノズル孔部分の吐出特性に大きく影響
する。ここで、個別電極31の材料はITOに限定するものではなく、クロム等の金属等
を用いてもよいが、ITOは透明であるので放電したかどうかの確認が行いやすい等の理
由から、一般にITOが用いられる。
個別電極31は、リード部31aと、フレキシブル配線基板(図示せず)に接続される
端子部31bとを有する。これらの端子部31bは、図2に示すように、配線のためにキ
ャビティプレート2の末端部が開口された電極取り出し部29内に露出している。
端子部31bとを有する。これらの端子部31bは、図2に示すように、配線のためにキ
ャビティプレート2の末端部が開口された電極取り出し部29内に露出している。
上述したように、ノズルプレート1、キャビティプレート2、および電極基板3は、一
般に個別に作製され、これらを図2に示すように貼り合わせることによりインクジェット
ヘッド10の本体部が作製される。すなわち、キャビティプレート2と電極基板3とは陽
極接合により接合され、そのキャビティプレート2の上面(図2において上面)にノズル
プレート1が接着等により接合される。さらに、振動板22と個別電極31との間に形成
されるギャップの開放端部はエポキシ等の樹脂による封止材27で封止される。これによ
り、湿気や塵埃等がギャップへ侵入するのを防止することができ、インクジェットヘッド
10の信頼性を高く保持することができる。
般に個別に作製され、これらを図2に示すように貼り合わせることによりインクジェット
ヘッド10の本体部が作製される。すなわち、キャビティプレート2と電極基板3とは陽
極接合により接合され、そのキャビティプレート2の上面(図2において上面)にノズル
プレート1が接着等により接合される。さらに、振動板22と個別電極31との間に形成
されるギャップの開放端部はエポキシ等の樹脂による封止材27で封止される。これによ
り、湿気や塵埃等がギャップへ侵入するのを防止することができ、インクジェットヘッド
10の信頼性を高く保持することができる。
そして最後に、図2に簡略化して示すように、ICドライバ等の駆動制御回路4が各個
別電極31の端子部31bとキャビティプレート2上に設けられた共通電極28とに前記
フレキシブル配線基板(図示せず)を介して接続される。
以上により、インクジェットヘッド10が完成する。
別電極31の端子部31bとキャビティプレート2上に設けられた共通電極28とに前記
フレキシブル配線基板(図示せず)を介して接続される。
以上により、インクジェットヘッド10が完成する。
このように構成されたインクジェットヘッド10においては、駆動制御回路4によりキ
ャビティプレート2と個別電極31との間にパルス電圧が印加されると、振動板22と個
別電極31との間に静電気力が発生し、その吸引作用により振動板22が個別電極31側
に引き寄せられて撓み、吐出室21の容積が拡大する。これによりリザーバ23の内部に
溜まっていたインクがオリフィス13を通じて吐出室21に流れ込む。次に、個別電極3
1への電圧の印加を停止すると、静電吸引力が消滅して振動板22が復元し、吐出室21
の容積が急激に収縮する。これにより、吐出室21内の圧力が急激に上昇し、この吐出室
21に連通しているノズル孔11からインク液滴が吐出される。
ャビティプレート2と個別電極31との間にパルス電圧が印加されると、振動板22と個
別電極31との間に静電気力が発生し、その吸引作用により振動板22が個別電極31側
に引き寄せられて撓み、吐出室21の容積が拡大する。これによりリザーバ23の内部に
溜まっていたインクがオリフィス13を通じて吐出室21に流れ込む。次に、個別電極3
1への電圧の印加を停止すると、静電吸引力が消滅して振動板22が復元し、吐出室21
の容積が急激に収縮する。これにより、吐出室21内の圧力が急激に上昇し、この吐出室
21に連通しているノズル孔11からインク液滴が吐出される。
次に、このインクジェットヘッド10の製造方法について図3乃至図11を参照して説
明する。図3は、本発明の実施の形態に係るノズルプレートを示す上面図である。図4〜
図9は、ノズルプレートの製造工程を示す断面図(図3をA−A線で切断した断面図)で
ある。図10および図11は、キャビティプレート2および電極基板3の製造方法を示す
製造工程の断面図であり、ここでは、主に、電極基板3にシリコン基板100を接合した
後にキャビティプレート2を製造する方法を示す。
まず最初に、本発明の特徴部分であるノズルプレート1の製造方法を説明する。
明する。図3は、本発明の実施の形態に係るノズルプレートを示す上面図である。図4〜
図9は、ノズルプレートの製造工程を示す断面図(図3をA−A線で切断した断面図)で
ある。図10および図11は、キャビティプレート2および電極基板3の製造方法を示す
製造工程の断面図であり、ここでは、主に、電極基板3にシリコン基板100を接合した
後にキャビティプレート2を製造する方法を示す。
まず最初に、本発明の特徴部分であるノズルプレート1の製造方法を説明する。
(1)ノズルプレート1の製造方法
(A)まず、基板厚み280μmのシリコン基板41を用意し、熱酸化装置にセットし、
酸化温度1075℃、酸化時間4時間、酸素と水蒸気の混合雰囲気中の条件で熱酸化処理
を行い、シリコン基板41の両面41a、41bに、エッチング保護膜となる膜厚1μm
のSiO2膜42を均一に成膜する。
(B)シリコン基板41においてキャビティプレート2と接合される側の接合面41aに
レジスト43をコーティングし、そのレジスト43から円筒状ノズル孔部分11aに対応
する部分43aを除去し、レジストパターンを形成する。
(C)そして、そのレジストパターンをマスクとして、例えば、緩衝フッ酸水溶液(フッ
酸水溶液:フッ化アンモニウム水溶液=1:6)でエッチングし、SiO2膜42から円
筒状ノズル孔部分11aに対応する部分42aを開口する。このとき、裏面41bのSi
O2膜42はエッチングされ、完全に除去される。
(D)レジストパターンを硫酸洗浄などにより剥離する。
(A)まず、基板厚み280μmのシリコン基板41を用意し、熱酸化装置にセットし、
酸化温度1075℃、酸化時間4時間、酸素と水蒸気の混合雰囲気中の条件で熱酸化処理
を行い、シリコン基板41の両面41a、41bに、エッチング保護膜となる膜厚1μm
のSiO2膜42を均一に成膜する。
(B)シリコン基板41においてキャビティプレート2と接合される側の接合面41aに
レジスト43をコーティングし、そのレジスト43から円筒状ノズル孔部分11aに対応
する部分43aを除去し、レジストパターンを形成する。
(C)そして、そのレジストパターンをマスクとして、例えば、緩衝フッ酸水溶液(フッ
酸水溶液:フッ化アンモニウム水溶液=1:6)でエッチングし、SiO2膜42から円
筒状ノズル孔部分11aに対応する部分42aを開口する。このとき、裏面41bのSi
O2膜42はエッチングされ、完全に除去される。
(D)レジストパターンを硫酸洗浄などにより剥離する。
(E)ICPドライエッチング装置によりSiO2膜42の開口42aを介して、例えば
、深さ50μmで垂直に異方性ドライエッチングし、円筒状ノズル孔部分11aとなる凹
部41cを形成する。この場合のエッチングガスとしては、例えば、C4F8、SF6を使
用し、これらのエッチングガスを交互に使用すればよい。ここで、C4F8は、凹部41c
の側面方向にエッチングが進行しないように凹部41cの側面を保護するために使用し、
SF6は、シリコン基板41の垂直方向のエッチングを促進させるために使用する。なお
、ここでは、C4F8 を2秒、SF6 を3.5秒で交互にエッチングするようにしている
。
(F)シリコン基板41の表面に残るSiO2膜42をフッ酸水溶液で除去する。
(G)シリコン基板41を熱酸化装置にセットし、酸化温度1000℃、酸化時間3時間
、酸素と水蒸気の混合雰囲気中の条件で熱酸化処理を行い、シリコン基板41表面全体に
、エッチング保護膜となる膜厚1μmのSiO2膜44を均一に成膜する。このとき、凹
部41cの内面(側面及び底面)全体にもSiO2膜44が形成される。
、深さ50μmで垂直に異方性ドライエッチングし、円筒状ノズル孔部分11aとなる凹
部41cを形成する。この場合のエッチングガスとしては、例えば、C4F8、SF6を使
用し、これらのエッチングガスを交互に使用すればよい。ここで、C4F8は、凹部41c
の側面方向にエッチングが進行しないように凹部41cの側面を保護するために使用し、
SF6は、シリコン基板41の垂直方向のエッチングを促進させるために使用する。なお
、ここでは、C4F8 を2秒、SF6 を3.5秒で交互にエッチングするようにしている
。
(F)シリコン基板41の表面に残るSiO2膜42をフッ酸水溶液で除去する。
(G)シリコン基板41を熱酸化装置にセットし、酸化温度1000℃、酸化時間3時間
、酸素と水蒸気の混合雰囲気中の条件で熱酸化処理を行い、シリコン基板41表面全体に
、エッチング保護膜となる膜厚1μmのSiO2膜44を均一に成膜する。このとき、凹
部41cの内面(側面及び底面)全体にもSiO2膜44が形成される。
(H)シリコン基板41の接合面41a上にあるSiO2 膜44が無くなるように、ドラ
イエッチング装置でドライエッチングする。その際、凹部41cの吐出方向先端側に位置
する底面部分のSiO2膜44及び凹部41cの開口側(吐出方向後端側)の側面のSi
O2膜44も同時にエッチングされる。すなわち、凹部41cの底面側の側面を残してS
iO2膜44がエッチングされる。この場合のドライエッチング条件として、例えばエッ
チングガスとしてCHF3 を使用し、ガス流量を50cc/分、圧力を6.67Pa、R
F出力を400W、エッチング時間を50分とすることで、SiO2 膜44が20μmエ
ッチングされる。
イエッチング装置でドライエッチングする。その際、凹部41cの吐出方向先端側に位置
する底面部分のSiO2膜44及び凹部41cの開口側(吐出方向後端側)の側面のSi
O2膜44も同時にエッチングされる。すなわち、凹部41cの底面側の側面を残してS
iO2膜44がエッチングされる。この場合のドライエッチング条件として、例えばエッ
チングガスとしてCHF3 を使用し、ガス流量を50cc/分、圧力を6.67Pa、R
F出力を400W、エッチング時間を50分とすることで、SiO2 膜44が20μmエ
ッチングされる。
図6は、図5の(H)工程及びそれ以降の工程を示す図で、ノズル孔部分のみを拡大し
て示している。
(I)ICPドライエッチング装置によりシリコン基板41の全面をドライエッチングす
る。これにより、エッチング保護膜としてのSiO2膜44で保護されていない、凹部4
1cの開口端側の側面がテーパ状にドライエッチングされ、テーパ状ノズル孔部分11b
が形成される。この場合のエッチングガスとしては、例えば、SF6、O2を使用し、これ
らのエッチングガスを交互に使用すればよい。ここで、O2は、上述したように凹部41
cの側面方向にエッチングが進行しないように凹部41cの側面を保護するために使用し
、SF6はシリコン基板41の垂直方向のエッチングを促進させるために使用する。その
ため、O2の導出量を制御することにより、テーパ状ノズル孔部分11bのテーパ角を所
望のテーパ角とすることが可能となる。なお、円筒状ノズル孔部分11aとなる凹部41
cの側面には、エッチング保護膜としてのSiO2 膜44が形成されているため、この(
I)のエッチング工程の際に、その保護された部分にエッチングガスの影響が及ぶことは
なく、円筒状ノズル孔部分11aの形状は維持される。また、テーパ状ノズル孔部分11
bを形成する際のドライエッチングは、ICPドライエッチング装置を用いる方法に限ら
れず、RIEドライエッチング装置等を用いても良い。
て示している。
(I)ICPドライエッチング装置によりシリコン基板41の全面をドライエッチングす
る。これにより、エッチング保護膜としてのSiO2膜44で保護されていない、凹部4
1cの開口端側の側面がテーパ状にドライエッチングされ、テーパ状ノズル孔部分11b
が形成される。この場合のエッチングガスとしては、例えば、SF6、O2を使用し、これ
らのエッチングガスを交互に使用すればよい。ここで、O2は、上述したように凹部41
cの側面方向にエッチングが進行しないように凹部41cの側面を保護するために使用し
、SF6はシリコン基板41の垂直方向のエッチングを促進させるために使用する。その
ため、O2の導出量を制御することにより、テーパ状ノズル孔部分11bのテーパ角を所
望のテーパ角とすることが可能となる。なお、円筒状ノズル孔部分11aとなる凹部41
cの側面には、エッチング保護膜としてのSiO2 膜44が形成されているため、この(
I)のエッチング工程の際に、その保護された部分にエッチングガスの影響が及ぶことは
なく、円筒状ノズル孔部分11aの形状は維持される。また、テーパ状ノズル孔部分11
bを形成する際のドライエッチングは、ICPドライエッチング装置を用いる方法に限ら
れず、RIEドライエッチング装置等を用いても良い。
(J)凹部41cの側面に残るSiO2 膜44をフッ酸水溶液で除去する。
(K)シリコン基板41を熱酸化装置にセットし、酸化温度1000℃、酸化時間2時間
、酸素雰囲気中の条件で熱酸化処理を行い、ICPドライエッチング装置で加工した凹部
41c及びテーパ状ノズル孔部分11bの側面、底面を含むシリコン基板41の表面全体
に膜厚0.1μmのSiO2膜46を均一に成膜する。
(L)次に透明材料(ガラス等)の支持基板50に、紫外線または熱などの刺激で容易に
接着力が低下する自己剥離層61を持った両面テープ60を張り合わせる。具体的には、
支持基板50に張り合わせた両面テープ60の自己剥離層61の面と、シリコン基板41
の接合面41aとを向かい合わせ、真空中で貼り合わせる。これにより接着界面に気泡が
残らないきれいな接着が可能になる。この接着の際に接着界面に気泡が残ると、次の(M
)の研削加工で薄板化されるシリコン基板41の板厚がばらつく原因となる。
、酸素雰囲気中の条件で熱酸化処理を行い、ICPドライエッチング装置で加工した凹部
41c及びテーパ状ノズル孔部分11bの側面、底面を含むシリコン基板41の表面全体
に膜厚0.1μmのSiO2膜46を均一に成膜する。
(L)次に透明材料(ガラス等)の支持基板50に、紫外線または熱などの刺激で容易に
接着力が低下する自己剥離層61を持った両面テープ60を張り合わせる。具体的には、
支持基板50に張り合わせた両面テープ60の自己剥離層61の面と、シリコン基板41
の接合面41aとを向かい合わせ、真空中で貼り合わせる。これにより接着界面に気泡が
残らないきれいな接着が可能になる。この接着の際に接着界面に気泡が残ると、次の(M
)の研削加工で薄板化されるシリコン基板41の板厚がばらつく原因となる。
(M)そして、シリコン基板41の吐出面側からバックグラインダーで研削加工を行い、
円筒状ノズル孔部分11aとなる部分の先端部11cが開口するまでシリコン基板41を
薄くする。これにより、ノズル孔11が形成される。ここで、薄板化の方法としては、他
にポリッシャー、CMP装置による方法がある。これらの加工方法を用いた場合、研磨剤
のカス等がノズル孔11内に残るため、ノズル孔11内の研磨材の水洗除去工程などでノ
ズル孔11の内壁は洗浄される。また、これらの方法以外に、ドライエッチングによりシ
リコン基板41を薄板化するようにしてもよい。すなわち、例えばSF6をエッチングガ
スとするドライエッチングにより、円筒状ノズル孔部分11aとなる部分の先端部11c
が開口するまでシリコン基板41を薄くする。
円筒状ノズル孔部分11aとなる部分の先端部11cが開口するまでシリコン基板41を
薄くする。これにより、ノズル孔11が形成される。ここで、薄板化の方法としては、他
にポリッシャー、CMP装置による方法がある。これらの加工方法を用いた場合、研磨剤
のカス等がノズル孔11内に残るため、ノズル孔11内の研磨材の水洗除去工程などでノ
ズル孔11の内壁は洗浄される。また、これらの方法以外に、ドライエッチングによりシ
リコン基板41を薄板化するようにしてもよい。すなわち、例えばSF6をエッチングガ
スとするドライエッチングにより、円筒状ノズル孔部分11aとなる部分の先端部11c
が開口するまでシリコン基板41を薄くする。
(N)次に、オゾンを溶存させた洗浄水にシリコン基板41を10分間浸し、吐出面41
aに膜厚2nmの酸化膜47を形成する。このとき、ノズル孔11内に位置する自己剥離
層61の一部も除去される(図示せず)。また、シリコン基板41の表面が洗浄され、異
物、汚れの付着が無くなり、これにより、次の工程で形成される撥インク膜を均一にコー
ティングすることができる。
(O)続いて、シリコン基板41の吐出面41aに撥インク処理を施す。すなわち、F原
子を含む撥インク性を持った材料を蒸着やディッピングで成膜し、撥インク層48を形成
する。このとき、ノズル孔11の内壁も撥インク処理される。
(P)次に支持基板50を剥離する。すなわち、先ず、吐出面41aにダイシングテープ
70をサポートテープとして貼り付ける。
aに膜厚2nmの酸化膜47を形成する。このとき、ノズル孔11内に位置する自己剥離
層61の一部も除去される(図示せず)。また、シリコン基板41の表面が洗浄され、異
物、汚れの付着が無くなり、これにより、次の工程で形成される撥インク膜を均一にコー
ティングすることができる。
(O)続いて、シリコン基板41の吐出面41aに撥インク処理を施す。すなわち、F原
子を含む撥インク性を持った材料を蒸着やディッピングで成膜し、撥インク層48を形成
する。このとき、ノズル孔11の内壁も撥インク処理される。
(P)次に支持基板50を剥離する。すなわち、先ず、吐出面41aにダイシングテープ
70をサポートテープとして貼り付ける。
(Q)そして、支持基板50側からUV光を照射し両面テープ60の自己剥離層61をシ
リコン基板41から剥離する。
(R)次にArスパッタもしくは02プラズマ処理によってシリコン基板41のノズル孔
11の内壁に余分に形成された撥インク層48を除去する。
(S)シリコン基板41においてダイシングテープ70を貼り付けている面とは反対側の
面41bを真空ポンプに連通した吸着冶具80に吸着固定し、その状態でダイシングテー
プ70を剥離する。
(T)最後に、吸着冶具80の吸着固定を解除し、ノズルプレート1が完成する。なお、
図示を省略したが、シリコン基板41にはノズル孔11を形成するのと同時にノズルプレ
ート外輪となる部分に貫通溝を形成するようにしており、吸着冶具80を取り外す段階で
ノズルプレート1が個片に分割されるようになっている。
リコン基板41から剥離する。
(R)次にArスパッタもしくは02プラズマ処理によってシリコン基板41のノズル孔
11の内壁に余分に形成された撥インク層48を除去する。
(S)シリコン基板41においてダイシングテープ70を貼り付けている面とは反対側の
面41bを真空ポンプに連通した吸着冶具80に吸着固定し、その状態でダイシングテー
プ70を剥離する。
(T)最後に、吸着冶具80の吸着固定を解除し、ノズルプレート1が完成する。なお、
図示を省略したが、シリコン基板41にはノズル孔11を形成するのと同時にノズルプレ
ート外輪となる部分に貫通溝を形成するようにしており、吸着冶具80を取り外す段階で
ノズルプレート1が個片に分割されるようになっている。
このように実施の形態のノズルプレートの製造方法によれば、異方性ウェットエッチン
グに依ることなくドライエッチングでテーパ状ノズル孔部分11bを形成するため、ノズ
ル密度を高密度とすることが可能である。また、ノズル孔全体をドライエッチングで形成
するため、円筒状ノズル孔部分11aとテーパ状ノズル孔部分11bとの境界部分をなめ
らかに連続した形状とすることができ、気泡排出性が良く、安定した吐出特性を有するイ
ンクジェットヘッドを形成することができる。
グに依ることなくドライエッチングでテーパ状ノズル孔部分11bを形成するため、ノズ
ル密度を高密度とすることが可能である。また、ノズル孔全体をドライエッチングで形成
するため、円筒状ノズル孔部分11aとテーパ状ノズル孔部分11bとの境界部分をなめ
らかに連続した形状とすることができ、気泡排出性が良く、安定した吐出特性を有するイ
ンクジェットヘッドを形成することができる。
また、ノズル孔11を形成する際のパターニング工程が、図4(B)に示した一回だけ
で良く、テーパ状ノズル孔部分11bを形成する際のパターニング工程が不要であるため
、製造工程を簡略化でき、低コストで製造することが可能となる。また、テーパ状ノズル
孔部分11bを形成する際のエッチング工程では、円筒状ノズル孔部分11aとなる凹部
41cの側面がエッチング保護膜としてのSiO2膜44で保護されているため、円筒状
ノズル孔部分11aの孔径にエッチングガスの影響が及ぶことを防止でき、円筒状ノズル
孔部分11aの孔径精度を維持することができる。
で良く、テーパ状ノズル孔部分11bを形成する際のパターニング工程が不要であるため
、製造工程を簡略化でき、低コストで製造することが可能となる。また、テーパ状ノズル
孔部分11bを形成する際のエッチング工程では、円筒状ノズル孔部分11aとなる凹部
41cの側面がエッチング保護膜としてのSiO2膜44で保護されているため、円筒状
ノズル孔部分11aの孔径にエッチングガスの影響が及ぶことを防止でき、円筒状ノズル
孔部分11aの孔径精度を維持することができる。
また、ノズル孔11の先端側の孔形状を円筒形状としたので、ノズルプレート1となる
シリコン基板41を研削して凹部41cの底面を開口する際に、その研削量が所定量より
も多少ずれたとしても、吐出性能に非常に関わるノズル孔径は変化しないため、歩留まり
良く製造することが可能となり、すなわち低コストで製造することが可能となる。
シリコン基板41を研削して凹部41cの底面を開口する際に、その研削量が所定量より
も多少ずれたとしても、吐出性能に非常に関わるノズル孔径は変化しないため、歩留まり
良く製造することが可能となり、すなわち低コストで製造することが可能となる。
また、円筒状ノズル孔部分11aとなる凹部41cの形成に、ICP放電による異方性
ドライエッチングを用いたので、基板面に垂直且つ高精度に円筒状ノズル孔部分11aを
形成することができる。
ドライエッチングを用いたので、基板面に垂直且つ高精度に円筒状ノズル孔部分11aを
形成することができる。
また、本実施の形態のノズルプレート1の製造方法は、静電駆動方式のインクジェット
ヘッドに用いるノズルプレートの場合を例に説明したが、圧電駆動方式やバブルジェット
(登録商標)方式など、他方式のアクチュエータ(圧力発生手段)を用いたインクジェッ
トヘッドのノズルプレートにも適用可能である。
ヘッドに用いるノズルプレートの場合を例に説明したが、圧電駆動方式やバブルジェット
(登録商標)方式など、他方式のアクチュエータ(圧力発生手段)を用いたインクジェッ
トヘッドのノズルプレートにも適用可能である。
(2)キャビティプレート2および電極基板3の製造方法
ここでは、電極基板3にシリコン基板100を接合した後、そのシリコン基板100か
らキャビティプレート2を製造する方法について図10、図11を参照して簡単に説明す
る。
ここでは、電極基板3にシリコン基板100を接合した後、そのシリコン基板100か
らキャビティプレート2を製造する方法について図10、図11を参照して簡単に説明す
る。
電極基板3は以下のようにして製造される。
(A)まず、硼珪酸ガラス等からなる板厚約1mmのガラス基板200に、例えば金・ク
ロムのエッチングマスクを使用してフッ酸によってエッチングすることにより凹部32を
形成する。なお、この凹部32は個別電極31の形状より少し大きめの溝状のものであり
、個別電極31ごとに複数形成される。
そして、凹部32の内部に、例えばスパッタによりITO(Indium Tin Oxide)からな
る個別電極31を形成する。
その後、ドリル等によってインク供給孔34となる孔部34aを形成することにより、
電極基板3が作製される。
(A)まず、硼珪酸ガラス等からなる板厚約1mmのガラス基板200に、例えば金・ク
ロムのエッチングマスクを使用してフッ酸によってエッチングすることにより凹部32を
形成する。なお、この凹部32は個別電極31の形状より少し大きめの溝状のものであり
、個別電極31ごとに複数形成される。
そして、凹部32の内部に、例えばスパッタによりITO(Indium Tin Oxide)からな
る個別電極31を形成する。
その後、ドリル等によってインク供給孔34となる孔部34aを形成することにより、
電極基板3が作製される。
(B)次に、厚さが例えば525μmのシリコン基板100の両面を鏡面研磨した後に、
シリコン基板100の片面にプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によって厚
さ0.1μmのTEOS(TetraEthylorthosilicate)からなるシリコン酸化膜(絶縁膜
)26を形成する。なお、シリコン基板100を形成する前に、エッチングストップ技術
を利用し振動板22の厚みを高精度に形成するためのボロンドープ層を形成するようにし
てもよい。エッチングストップとは、エッチング面から発生する気泡が停止した状態と定
義し、実際のウェットエッチングにおいては、気泡の発生の停止をもってエッチングがス
トップしたものと判断する。
シリコン基板100の片面にプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によって厚
さ0.1μmのTEOS(TetraEthylorthosilicate)からなるシリコン酸化膜(絶縁膜
)26を形成する。なお、シリコン基板100を形成する前に、エッチングストップ技術
を利用し振動板22の厚みを高精度に形成するためのボロンドープ層を形成するようにし
てもよい。エッチングストップとは、エッチング面から発生する気泡が停止した状態と定
義し、実際のウェットエッチングにおいては、気泡の発生の停止をもってエッチングがス
トップしたものと判断する。
(C)そして、このシリコン基板100と、図10(A)のように作製された電極基板3
とを、例えば360℃に加熱し、シリコン基板100に陽極を、電極基板3に陰極を接続
して800V程度の電圧を印加して陽極接合により接合する。
(D)シリコン基板100と電極基板3とを陽極接合した後に、水酸化カリウム水溶液等
で接合状態のシリコン基板100をエッチングすることにより、シリコン基板100の厚
さを例えば140μmになるまで薄板化する。
とを、例えば360℃に加熱し、シリコン基板100に陽極を、電極基板3に陰極を接続
して800V程度の電圧を印加して陽極接合により接合する。
(D)シリコン基板100と電極基板3とを陽極接合した後に、水酸化カリウム水溶液等
で接合状態のシリコン基板100をエッチングすることにより、シリコン基板100の厚
さを例えば140μmになるまで薄板化する。
(E)次に、シリコン基板100の上面(電極基板3が接合されている面と反対側の面)
の全面にプラズマCVDによって例えば厚さ1.5μmのTEOS膜を形成する。
そして、このTEOS膜に、吐出室21となる凹部24およびリザーバ23となる凹部
25を形成するためのレジストをパターニングし、これらの部分のTEOS膜をエッチン
グ除去する。
その後、シリコン基板100を水酸化カリウム水溶液等でエッチングすることにより、
吐出室21となる凹部24およびリザーバ23となる凹部25を形成する。このとき、配
線のための電極取り出し部29となる部分もエッチングして薄板化しておく。なお、図1
1(E)のウェットエッチングの工程では、例えば初めに35重量%の水酸化カリウム水
溶液を使用し、その後3重量%の水酸化カリウム水溶液を使用することができる。これに
より、振動板22の面荒れを抑制することができる。
の全面にプラズマCVDによって例えば厚さ1.5μmのTEOS膜を形成する。
そして、このTEOS膜に、吐出室21となる凹部24およびリザーバ23となる凹部
25を形成するためのレジストをパターニングし、これらの部分のTEOS膜をエッチン
グ除去する。
その後、シリコン基板100を水酸化カリウム水溶液等でエッチングすることにより、
吐出室21となる凹部24およびリザーバ23となる凹部25を形成する。このとき、配
線のための電極取り出し部29となる部分もエッチングして薄板化しておく。なお、図1
1(E)のウェットエッチングの工程では、例えば初めに35重量%の水酸化カリウム水
溶液を使用し、その後3重量%の水酸化カリウム水溶液を使用することができる。これに
より、振動板22の面荒れを抑制することができる。
(F)シリコン基板100のエッチングが終了した後に、フッ酸水溶液でエッチングする
ことによりシリコン基板100の上面に形成されているTEOS膜を除去する。
(G)次に、シリコン基板100の吐出室21となる凹部24等が形成された面に、プラ
ズマCVDによりTEOS膜(絶縁膜26)を例えば厚さ0.1μmで形成する。
(H)その後、RIE(Reactive Ion Etching)等によって電極取り出し部29を開放す
る。また、電極基板3のインク供給孔34となる孔部からレーザ加工を施してシリコン基
板100のリザーバ23となる凹部25の底部を貫通させ、インク供給孔34を形成する
。また、振動板22と個別電極31との間のギャップの開放端部をエポキシ樹脂等の封止
材(図示せず)を充填することにより封止する。また、図1、図2に示すように共通電極
28がスパッタによりシリコン基板100の上面(ノズルプレート1との接合側の面)の
端部に形成される。
ことによりシリコン基板100の上面に形成されているTEOS膜を除去する。
(G)次に、シリコン基板100の吐出室21となる凹部24等が形成された面に、プラ
ズマCVDによりTEOS膜(絶縁膜26)を例えば厚さ0.1μmで形成する。
(H)その後、RIE(Reactive Ion Etching)等によって電極取り出し部29を開放す
る。また、電極基板3のインク供給孔34となる孔部からレーザ加工を施してシリコン基
板100のリザーバ23となる凹部25の底部を貫通させ、インク供給孔34を形成する
。また、振動板22と個別電極31との間のギャップの開放端部をエポキシ樹脂等の封止
材(図示せず)を充填することにより封止する。また、図1、図2に示すように共通電極
28がスパッタによりシリコン基板100の上面(ノズルプレート1との接合側の面)の
端部に形成される。
以上により、電極基板3に接合した状態のシリコン基板100からキャビティプレート
2が作製される。
そして最後に、このキャビティプレート2に、前述のように作製されたノズルプレート
1を接着等により接合することにより、図2に示したインクジェットヘッド10の本体部
が作製される。
2が作製される。
そして最後に、このキャビティプレート2に、前述のように作製されたノズルプレート
1を接着等により接合することにより、図2に示したインクジェットヘッド10の本体部
が作製される。
本実施の形態のインクジェットヘッド10の製造方法によれば、キャビティプレート2
を、予め作製された電極基板3に接合した状態のシリコン基板100から作製するもので
あるので、その電極基板3によりシリコン基板100を支持した状態となるため、シリコ
ン基板100を薄板化しても、割れたり欠けたりすることがなく、ハンドリングが容易と
なる。したがって、キャビティプレート2を単独で製造する場合よりも歩留まりが向上す
る。
を、予め作製された電極基板3に接合した状態のシリコン基板100から作製するもので
あるので、その電極基板3によりシリコン基板100を支持した状態となるため、シリコ
ン基板100を薄板化しても、割れたり欠けたりすることがなく、ハンドリングが容易と
なる。したがって、キャビティプレート2を単独で製造する場合よりも歩留まりが向上す
る。
なお上記の実施の形態では、ノズルプレートの製造方法及びインクジェットヘッドの製
造方法について述べたが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明
の技術思想の範囲内で種々変更することができる。例えば、ノズル孔より吐出される液状
材料を変更することにより、図12に示すインクジェットプリンタ300のほか、液晶デ
ィスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、遺伝子検査等
に用いられる生体分子溶液のマイクロアレイの製造など様々な用途の液滴吐出装置として
利用することができる。
造方法について述べたが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明
の技術思想の範囲内で種々変更することができる。例えば、ノズル孔より吐出される液状
材料を変更することにより、図12に示すインクジェットプリンタ300のほか、液晶デ
ィスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、遺伝子検査等
に用いられる生体分子溶液のマイクロアレイの製造など様々な用途の液滴吐出装置として
利用することができる。
1 ノズルプレート、2 キャビティプレート、3 電極基板、4 駆動制御回路、1
0 インクジェットヘッド、11 ノズル孔、11a 円筒状ノズル孔部分、11b テ
ーパ状ノズル孔部分、11c 先端部、12 凹部、13 オリフィス、14 ダイヤフ
ラム部、21 吐出室、22 振動板、23 リザーバ、24 凹部、25 凹部、26
絶縁膜、28 共通電極、31 個別電極、31a リード部、31b 端子部、32
凹部、34 インク供給孔、41 シリコン基板、41c 凹部、42 SiO2 膜、
44 SiO2膜、44a 開口、300 インクジェット記録装置。
0 インクジェットヘッド、11 ノズル孔、11a 円筒状ノズル孔部分、11b テ
ーパ状ノズル孔部分、11c 先端部、12 凹部、13 オリフィス、14 ダイヤフ
ラム部、21 吐出室、22 振動板、23 リザーバ、24 凹部、25 凹部、26
絶縁膜、28 共通電極、31 個別電極、31a リード部、31b 端子部、32
凹部、34 インク供給孔、41 シリコン基板、41c 凹部、42 SiO2 膜、
44 SiO2膜、44a 開口、300 インクジェット記録装置。
Claims (6)
- シリコン基板の一方の面にドライエッチングを施して、吐出方向先端側の円筒状ノズル
孔部分となる凹部を形成する工程と、
前記凹部が形成されたシリコン基板の表面全体に、エッチング保護膜を形成する工程と
、
前記エッチング保護膜が形成されたシリコン基板の表面全体にドライエッチングを施し
て、前記凹部の吐出方向先端側の側面を残して前記エッチング保護膜を除去する工程と、
前記凹部の前記エッチング保護膜が除去された部分にドライエッチングを施して、前記
円筒状ノズル孔部分から吐出方向後端側に向けて断面積が漸増しているテーパ状ノズル孔
部分を形成する工程と、
前記テーパ状ノズル孔部分が形成されたシリコン基板を、前記一方の面とは反対側の面
から、前記円筒状ノズル孔部分の吐出方向先端部が開口するまで薄板化する工程と
を有することを特徴とするノズルプレートの製造方法。 - 前記円筒状ノズル孔部分となる凹部を形成する際のドライエッチングは、ICP放電に
よる異方性ドライエッチングであることを特徴とする請求項1記載のノズルプレートの製
造方法。 - 前記異方性ドライエッチングを、エッチングガスとしてC4F8及びSF6を用いて行う
ことを特徴とする請求項2記載のノズルプレートの製造方法。 - 請求項1乃至請求項3の何れかに記載のノズルプレートの製造方法を用いて製造された
ことを特徴とするノズルプレート。 - 液滴を吐出するための複数のノズル孔と、各ノズル孔に連通して設けられて圧力を加え
るための吐出室と、前記吐出室に液滴を供給する液滴供給路と、液滴を吐出するための吐
出圧力を前記吐出室に発生させる圧力発生手段とを有する液滴吐出ヘッドの製造方法であ
って、
前記複数のノズル孔を有するノズルプレートを、請求項1乃至請求項3の何れかに記載
のノズルプレートの製造方法により製造することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法
。 - 請求項5記載の液滴吐出ヘッドの製造方法を用いて製造されたことを特徴とする液滴吐
出ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007173748A JP2009012202A (ja) | 2007-07-02 | 2007-07-02 | ノズルプレートの製造方法、ノズルプレート、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007173748A JP2009012202A (ja) | 2007-07-02 | 2007-07-02 | ノズルプレートの製造方法、ノズルプレート、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009012202A true JP2009012202A (ja) | 2009-01-22 |
Family
ID=40353714
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007173748A Withdrawn JP2009012202A (ja) | 2007-07-02 | 2007-07-02 | ノズルプレートの製造方法、ノズルプレート、液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009012202A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012056296A (ja) * | 2010-09-13 | 2012-03-22 | Ricoh Co Ltd | 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 |
-
2007
- 2007-07-02 JP JP2007173748A patent/JP2009012202A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012056296A (ja) * | 2010-09-13 | 2012-03-22 | Ricoh Co Ltd | 液体吐出ヘッド及び画像形成装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20100907 |