JP2008091054A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Kozo Watanabe
耕三 渡邉
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光弘 武野
Akihiro Taniguchi
明宏 谷口
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Abstract

【課題】捲回時の極板切れを無くし、生産性が高く電気特性にも優れた高容量な非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】ニッケルを必須元素とするリチウム複合金属酸化物を活物質として備える電極合剤層を芯材上に配置した正極の電極合剤と芯材との界面が、前記正極にまげ応力を加えたときに剥離が起こる最弱部であって、さらに、捲回時に内側になる電極合剤層と芯材との界面の剥離強度が、外側の界面の剥離強度より小さい構成とする。
【選択図】なし

Description

本発明は非水電解質二次電池に関し、より詳しくは捲回する際の正極の切れを防ぎ、生産性を向上する技術に関する。
近年、携帯電話やノートパソコンなどの電子機器の小型、軽量化に伴い、これらの電源である二次電池に対する高容量化が要求されている。かかる二次電池としては、活物質としてLiCoO2のようなコバルト系酸化物を含む正極と、炭素質物を含む負極とを備えた非水電解液二次電池が開発され、現在広く普及している。
しかしながら、前記のLiCoO2は、Coを多く含み高価なため、代替材料としてLiNiO2や、Niの一部をCoで置換したLiNi1-xCox2、あるいはLiMn24等の金属酸化物系化合物が提案され、研究が活発に行われている。特にLiNiO2や、LiNi1-xCox2のようなニッケルを必須元素とするリチウム複合金属酸化物(以下、ニッケル系酸化物と略記)を活物質とした正極は、コバルト系酸化物を活物質とした正極に比較してエネルギー密度を大きくすることが可能であり、電池の低コスト化を可能にする上に、非水電解質二次電池の容量特性が向上するという特徴を有している。また、高容量な電池を実現する方法のひとつとして電極合剤中の活物質密度を上げる方法がある。
一般に、上記のような酸化物を活物質として含む電極を捲回すると、合剤密度を高めた電極や捲回の条件によっては電極合剤層がひび割れ、クラックが生じてしまうことがある。
前記のようなクラックの発生を避ける方法としては、例えば電極の外周層における結着剤含有率を、帯状電極の内周層における結着剤含有率よりも高くして、電極外周層の合剤剥離や脱落を防ぐ技術が開示されている。(例えば特許文献1)
特許第3371908号公報
ニッケルを必須元素とするリチウム複合金属酸化物を正極活物質として用いた場合、捲回時に電極合材層にクラックが発生するのみならず、電極が切れるという課題が発生した。特に、電池のエネルギー密度を上げるために合剤中の活物質密度を高くしたり、電極の厚みをあつくした場合に切れが著しかった。捲回時に切れやすい電極は、生産において大きな課題となる。
特許文献1のように、電極の外周層における結着剤含有率を帯状電極の内周層における結着剤含有率よりも高くした場合でも、電極の切れに対する効果は不十分であった。逆に、そのような構成では内周層と外周層とで結着剤含有率が異なるため、あるいはその結果活物質密度に違いが生じるために電気特性の不均衡が生じ、サイクル特性が低下してしまう副作用もあった。
本発明の目的は、捲回時の極板切れを無くし、生産性が高く電気特性にも優れた高容量な非水電解質二次電池を提供することである。
上述した課題を鑑み、本発明は、ニッケルを必須元素とするリチウム複合金属酸化物を
活物質として備える正極と、負極とを、セパレータを介して捲回した電極群を備えた非水電解液二次電池において、電極合剤と芯材との界面の密着力が合剤層中の他の部分よりも小さいことを特徴とする。
本発明者らが解析した結果、電極の切れに影響する因子として、電極合剤と芯材の界面の密着力(剥離強度)が支配的に影響しており、合剤層全体の密着力や強度よりも、合剤と芯材間の密着力に注目すべきであることを見いだして本発明を完成させた。つまり、他の合剤層部分よりも界面が弱いことが切れを防ぐのに重要であった。このような電極にすることで捲回時に電極が切れる課題を克服することができる。特許文献1の方法で、電極の切れに対して効果が得られなかったのは、界面の密着力が考慮されていなかったからと考えられる。
また、本発明は、捲回時に内側になる電極合剤層と芯材との界面の密着力が、もっとも小さいことを特徴とする。本発明者らが検討した結果、捲回した際に内側となる合剤層の密着力を最も小さくすることが特に捲回時の電極の切れに効果的であった。メカニズムの詳細は不明であるが、おそらく以下の理由によると考えている。
まず、極板を曲げると内側になる合剤層は圧縮される。内側合剤層と芯材との密着力が強くはがれが生じない場合は、一番Rの小さくなる内側の合剤表面が限界まで圧縮された後はそこを支点として、芯材へ引っ張り応力が働き、最終的に極板の切れにつながる。一方、内側合剤層と芯材の密着力が小さい場合は、曲げたときに微小なはがれや活物質のずれが部分的に生じて合剤層が変形し、芯材へかかる応力を緩和するために極板の切れ抑止につながると考えられる。この時、合剤層全体が弱いのではなく、芯材との界面付近の密着力が小さいことが重要である。なぜなら、界面付近が先に微少なはがれを生じやすく切れを防ぎ、なおかつ極板表面にかけての合剤層は結合を保って合剤脱落による不良を防ぐからである。
また、本発明は、捲回時に内側になる電極合剤層と芯材との界面の密着力が、外側よりも小さく、その比が、内側/外側≦0.95であることを特徴とする。このような強度比に制御することで芯材にかかる応力が適切になり、電極の切れを防ぐことが出来る。
さらに、本発明は、捲回時に内側になる電極合剤層と芯材との界面の密着力が、
0.3N/m以上20N/m以下であることを特徴とする。このような密着力に制御すると、合剤層の脱落の副作用を防ぎつつ、切れを効果的に防ぐことが出来る。
以上のような電極を用いれば、捲回時に外側になる合剤層と内側になる合剤層の活物質、導電材、バインダー等の組成を同じにすることが出来るため、サイクル特性や放電特性などの電気特性を犠牲にすることなく電極の切れを防ぐことができる。
本発明によれば、高容量なニッケルを必須元素とするリチウム複合金属酸化物を用いて、捲回時に切れない、かつ内側と外側に来る合剤層で電気特性に差がない極板を実現できるため、生産性が高くかつ高容量で電気特性に優れた非水電解液二次電池を提供することが可能になる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について記す。
本発明は、ニッケルを必須元素とするリチウム複合金属酸化物を活物質として備える正極と、負極とを、セパレータを介して捲回した電極群を備えた非水電解液二次電池の正極
において、電極合剤と芯材との界面の密着力を合剤層中の活物質や導電材どうしといった他の合剤層部分よりも小さくすると、捲回する際の電極の切れを防止出来ることを見出したものである。
また、上記正極の合剤層は、電池作製の捲回工程の際に外側に来る場合と内側に来る場合があるが、このうち内側に来る合剤層と芯材との界面の密着力がもっとも小さくなることが、芯材へかかる応力を緩和して電極の切れを防止するためには好ましい。
また、内側と外側になる電極合剤層と芯材界面の密着力の比が、
内側/外側 ≦ 0.95
であると、芯材の内側と外側にかかる応力のバランスが適切になり、切れを防ぐ効果が高くなる。比が0.95よりも大きくなると、内側合剤層が芯材からわずかに剥離したり、芯材付近の活物質の配列にズレが生じることが起きにくくなって効果が小さくなる。
さらに、内側の合剤層と界面の密着力が0.3N/m以上20N/m以下であると、生産性を下げることなく切れを防ぐことができる。密着力が0.3N/m未満になると、捲回以外の生産工程で合剤層の脱落が起きやすくなって取り扱いが難しくなり、電極の巻き出し巻き取りなどのスピードを上げることが困難になることから生産性が低下するため好ましくなく、20N/mよりも大きくなると、切れの防止効果が小さくなって好ましくない。
界面の密着力を制御する方法としては、いくつか方法があげられる。たとえば、両面を順番に塗布・乾燥する際、先に塗布・乾燥した方が乾燥速度は速くなりやすく、芯材との密着力が小さくなるのでこちらを内側に用いればよい。また合剤層を乾燥させる際、内側になる面を外側になる面より高い温度で乾燥させてもよい。例えば内側の乾燥を3℃〜80℃ほど高めることが出来る。同じ温度であっても吹き付ける風量を上げたり、乾燥機から気化した溶剤を排気する速度を変えて、内側になる面の方の溶媒排気を早くすることによって乾燥を早めても良い。乾燥の熱源を、内側の合剤層を塗布・乾燥するときは合剤層の表面側に配置して、外側を塗布乾燥するときは逆に芯材を隔てて反対側に配置することもよい。さらに、合剤層形成前の芯材の外側になる面にあらかじめ粗面化処理をして外側と内側の密着力に差を付けることも考えられる。その手法としては、たとえば片側だけ凹凸をつけた二本のローラーの間に芯材を通すことがあげられる。また、内側合剤が接する芯材表面に、電気化学的に安定で、バインダーを吸着したり界面の滑りをよくするような効果を有する粉末や薬品をあらかじめ塗布しておき、その上に合剤を塗布して密着力を抑制することも考えられる。あらかじめ塗布する粉末としては、炭素粉末やアルミナ等があげられる。また、フッ素樹脂やフッ素を含む化合物等で代表される撥水撥油剤、あるいはシランカップリング剤を使うことも出来る。
このような方法によれば、特許文献1のように合剤層の結着剤添加量を変えることも不要となり、結着剤が活物質を覆う状態や活物質密度の不均衡も回避できることからサイクル特性の低下を防ぐことが出来る。
ここで、合剤層と芯材の界面の密着力は剥離強度として表すことが出来、たとえば以下のような測定方法があげられる。まず片面の合剤層を取り除いた正極を15mm×100mmの短冊状に切り出して測定サンプルとする。このサンプルの残した合剤層側を、水平方向へ滑らかに可動できる台座へ接着した後、引っ張り圧縮試験機のチャックで芯材の端部をつかんで90°上方へ引っ張る。このようにして合剤層と芯材の90°剥離強度を測定でき、界面の密着力が分かる。
本発明で用いる正極活物質は、ニッケルを必須元素とするリチウム複合金属酸化物を用
いることが出来る。ニッケルを必須元素とする以外、組成は特に限定されないが、たとえば
組成式(1):LiNi1-aa2 ……(1)
(式中、Mは、Ni以外の遷移金属元素、2族元素、又は13族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を示し、aは、0.01≦a≦0.9である。)
があげられる。高容量化の観点からは 0.01≦a≦0.7が好ましい。また、複数の組成の活物質を混合して用いることもできる。
前記正極合剤の結着剤としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂のいずれを用いてもよいが、熱可塑性樹脂が好ましい。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらは、Na+イオンなどによる架橋体であってもよい。
前記結着剤の添加量としては、特に限定されるものではないが、正極合剤に含まれる正極活物質に対して0.1〜15重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好ましく、0.2〜5重量%がさらに好ましい。
前記正極合剤の導電材としては、電池内で化学的に安定な電子伝導性材料であれば何でもよい。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)、人造黒鉛などの黒鉛類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類、炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維類、アルミニウム等の金属粉末類、酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー類、酸化チタン等の導電性金属酸化物、ポリフェニレン誘導体等の有機導電性材料、フッ化カーボン等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記正極合剤の導電材の添加量としては、特に限定されるものではなく、正極合剤に含まれる正極活物質粒子に対して、0.5〜50重量%が好ましく、0.5〜30重量%がより好ましく、1〜15重量%がさらに好ましい。
前記正極芯材(正極集電体)としては、電池内で化学的に安定な電子伝導体であれば何でもよい。例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、炭素、導電性樹脂等からなる箔又はシートを用いることができ、この中でアルミニウム箔、アルミニウム合金箔等がより好ましい。ここで、箔又はシートの表面には、カーボン又はチタンの層を付与したり、酸化物層を形成したりすることもできる。また、箔またはシートの表面に凹凸を付与することもでき、ネット、パンチングシート、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群成形体等を用いることもできる。
前記正極芯材の厚みとしては、特に限定されるものではなく、例えば1〜500μmが用いられる。
電極合剤には、導電剤や結着剤の他、フィラー、分散剤、イオン伝導体、圧力増強剤及びその他の各種添加剤を用いることができる。フィラーは、構成された電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、電極合剤に対して0〜30重量%が好ましい。
セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン製微多孔膜などが好ましい。セパレータの厚さは、一般的に10〜40μmである。
非水電解液には、従来から非水系二次電池に用いられているであれば特に制限はないが、リチウム塩を溶解した非水溶媒が好ましい。リチウム塩としては、例えばLiPF6、LiBF4などが用いられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、プロピレンカーボネート(PC)などが用いられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
非水電解液には、さらに、耐過充電添加剤を含ませてもよい。前記耐過充電添加剤には、フェニル基および前記フェニル基に隣接する環状化合物基からなるベンゼン誘導体を用いることが好ましい。前記ベンゼン誘導体としては、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼン、ジフェニルエーテル、フェニルラクトンなどを用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
組成一般式LiNi0.80Co0.15Al0.052で表される正極活物質の場合を例にとる。
この正極活物質は、従来から公知の方法で水酸化ニッケルNi(OH)2を合成する際に、水酸化コバルトCo(OH)2を共沈させてできた複合水酸化物と、水酸化アルミニウムと、水酸化リチウムを、Li/(Ni+Co+Al)=1.05のモル比となるように混合して、酸素気流下720℃で24時間焼成して合成した。なおAlやそれ以外のMn等の元素を添加する場合には、その水酸化物や酸化物、硝酸塩、硫酸塩、金属の形で添加することもできるし、Ni、Coと共に共沈させた複合水酸化物として添加することもできる。
この活物質100重量部に対し、結着剤としてPVDF(商品名:呉羽化学製KFポリマーL#7208)を2重量部、導電材としてアセチレンブラックを3重量部用い、NMPを分散溶媒として正極塗液を調製した。この塗液を、厚さ15μmのアルミニウム箔に塗布する際、内側にする合剤層を先に塗布・乾燥した。その後、外側にする合剤層を塗布・乾燥した。このとき、乾燥温度は、内側の方を乾燥するときに外側よりも10℃高い温度に設定した。両面の塗布・乾燥が終わった後に圧延し、幅55mm×長さ500mmに切断して正極を得た。正極の厚みは130μm、合剤中の活物質密度は3.45g/ccとした。
一方、負極は水を分散溶媒として、活物質の鱗片状黒鉛、結着剤のスチレンブタジエン系ゴムとカルボキシメチルセルロース(CMC)を、100:2:1の重量比で混練して負極用の塗液を調製し、銅箔でできた負極芯材(厚さ10μm)に塗布・乾燥し、ローラーにて圧延して負極電極シートとした。これを幅58mm×長さ540mmに切断して負極を得た。
得られた正極を、上述した負極と厚さ20μmのポリプロピレン製セパレータを介在して、外径3mmの巻芯を用いて図1に示す略円形断面を有する電極群を捲回した。この電極群を有底缶に挿入した後、EC:EMC=1:3(体積比)の非水溶媒にLiPF6を1M溶解させた電解液を減圧しながら注入した。その後、封口して外径18mm、長さ65mmの円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。これを実施例1の電池とする。
(実施例2)
正極合剤中の活物質密度を3.55g/ccとしたこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。これを実施例2の電池とする。
(実施例3)
正極合剤中の活物質密度を3.7g/ccとしたこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。これを実施例3の電池とする。
(実施例4)
正極合剤中の活物質密度を3.8g/ccとしたこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。これを実施例4の電池とする。
(実施例5)
正極合剤中の活物質密度を3.55g/ccとし、内側を塗布したときの乾燥温度を外側の時よりも30℃高くしたこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。これを実施例5の電池とする。
(実施例6)
正極合剤中の活物質密度を3.55g/ccとし、内側を塗布したときの乾燥温度を外側の時よりも5℃高くしたこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。これを実施例6の電池とする。
(実施例7)
正極合剤中の活物質密度を3.55g/cc、PVDF添加量を活物質100重量部に対して0.5重量部としたこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。これを実施例7の電池とする。
(実施例8)
正極合剤中の活物質密度を3.55g/cc、PVDF添加量を活物質100重量部に対して0.5重量部とし、内側を塗布したときの乾燥温度を外側の時よりも30℃高くしたこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。これを実施例8の電池とする。
(実施例9)
正極合剤中の活物質密度を3.55g/cc、PVDF添加量を活物質100重量部に対して1重量部としたこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。これを実施例9の電池とする。
(実施例10)
正極合剤中の活物質密度を3.55g/cc、PVDF添加量を活物質100重量部に対して3重量部としたこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。これを実施例10の電池とする。
(実施例11)
正極合剤中の活物質密度を3.55g/cc、PVDF添加量を活物質100重量部に対して4重量部としたこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。これを実施例11の電池とする。
(実施例12)
正極合剤中の活物質密度を3.55g/cc、PVDF添加量を活物質100重量部に対して5重量部としたこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。これを実施例12の電池とする。
(実施例13)
正極合剤中の活物質密度を3.55g/cc、PVDF添加量を活物質100重量部に対して5重量部とし、内側を塗布したときの乾燥温度を外側の時よりも30℃高くしたこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。これを実施例13の電池とする。
(実施例14〜26)
正極厚みを155μmとしたこと以外は前記実施例1〜13と同様な電池を作製した。これをそれぞれ実施例14〜26とする。
(比較例1)
実施例1の電池に対して、正極合剤中の活物質密度を3.55g/cc、塗工時の乾燥温度を内側と外側で同じにしたこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。これを比較例1の電池とする。
(比較例2)
実施例1の電池に対して、正極合剤中の活物質密度を3.8g/cc、塗工時の乾燥温度を内側と外側で同じにしたこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。これを比較例2の電池とする。
(比較例3)
実施例1の電池に対して、正極合剤中の活物質密度を3.55g/cc、塗液をアルミニウム箔に塗布する際、外側にする合剤層を先に塗布・乾燥し、外側の方を内側よりも10℃高い温度で乾燥したこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。これを比較例3の電池とする。
(比較例4)
実施例1の電池に対して、正極合剤中の活物質密度を3.55g/cc、PVDF添加量を活物質100重量部に対して4重量部、塗液をアルミニウム箔に塗布する際、外側にする合剤層を先に塗布・乾燥し、外側の方を内側よりも10℃高い温度で乾燥したこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。これを比較例4の電池とする。
(比較例5〜8)
正極の厚みを155μmとしたこと以外は、前記比較例1〜4と同様に電池を作製した。これをそれぞれ比較例5〜8とする。
以上の実施例1〜26および比較例1〜4の各電池の仕様をまとめたものを、表1に示
す。
Figure 2008091054
(正極合剤層剥離強度)
片面の合剤を取り除いた正極を15mm×100mmの短冊状に切り出し、残した合剤層を水平方向へ可動できる台座へ接着した後、引っ張り圧縮試験機のチャックで芯材の端部をつかんで90°上方へ引っ張り荷重を測ることで、合剤層と芯材の界面の90°剥離強度を測定した。剥離強度は、内側および外側をそれぞれ測り、さらにその比を求めた。その結果を(表2)に示す。
(捲回時切れ不良検査)
外径3mmの巻芯を用いて正負極の電極とセパレータを捲回した後、これを丁寧に分解観察して、正極芯材の切れの有無を確認した。各実施例・比較例毎に50個の電極群を観察した際の不良数を(表2)に合わせて示す。
Figure 2008091054
以下、得られた結果について詳細に記す。
まず、内側合剤層と芯材界面の密着力(剥離強度)と、外側合剤層と芯材界面の密着力がほぼ等しい、あるいは内側の芯材界面の密着力を大きく、外側を小さくした比較例1〜8では、捲回によって正極切れが多く発生した。これに対して、内側の芯材界面の密着力を外側より小さくした実施例1〜26は、切れの防止効果が著しく、内側の密着力を小さくすることが有効であることが分かった。その比は、内側/外側≦0.95の範囲が特に効果的であった。
ところで、極板を圧延すると活物質等の合剤が芯材にくい込む現象がおきるため、剥離強度を測定した試験片を観察すると、合剤が界面付近まで平均的に剥がれた結果、合剤粒子が芯材へまだらに残りつつ芯材が平均的に見える状態であった。一方、20N/mを越えるほど密着力が大きくなると、芯材付近まで剥がれずに合剤層が残る部分ができていた。このように密着力が大きくなりすぎると、捲回の際に合剤層が芯材から剥がれにくくな
って切れの防止効果が小さくなると考えられる。そのため実施例12と実施例25においてわずかに切れが発生したものと考えられる。
また、実施例8と実施例21のように0.3N/mよりも小さくなると、製造工程で極板を取り扱う際に合剤の脱落が発生した。以上の結果から内側の密着力は0.3〜20N/mがより好ましいことが分かった。
本発明により捲回時の正極切れを回避できるため、活物質にニッケル系酸化物を用いる非水電解液二次電池全般の生産性を高めることができる。このため、携帯電話やノートパソコンなどの電子機器の小型、軽量化に適した電源として有用性は高い。

Claims (3)

  1. ニッケルを必須元素とするリチウム複合金属酸化物を活物質として備える電極合剤層を芯材上に配置した正極と、負極とを、セパレータを介して捲回した電極群を備えた非水電解液二次電池であって、
    前記正極の電極合剤と前記芯材との界面が、前記正極にまげ応力を加えたときに剥離が起こる最弱部であって、捲回時に内側になる電極合剤層と芯材との界面の剥離強度が、外側の界面の剥離強度より小さいことを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 前記正極の界面の剥離強度の比が、内側/外側≦0.95であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 前記正極において、捲回時に内側になる電極合剤層と芯材との界面の剥離強度が、
    0.3N/m以上20N/m以下であることを特徴とする請求項2または3記載の非水電解液二次電池。
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